災害地対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 35 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/11/19
会議録
○椎熊委員長 それではこれより開会いたします。 ただいま遞信大臣がお見えになりましたので、遞信大臣から所管関係の災害の状況、復旧の見通し等について御説明を承りたいと存じます。
○降旗國務大臣 ただいま委員長から申されました件につきまして、概要を申し上げます。これは案件が三つあるのでありまして、北陸震災の損害と、それからアイオン台風並びにアイオン台風によつて起つた災害、そして西九州等の豪雨によつて起つた被害、この三つであります。 そこで北陸地方の震災被害の状況の概要を申し上げますと、郵便局、電話局等局舎建築物の被害が合計二十局であります。そして被害の状況を申しますと、電信、電話施設の被害は、電話加入者が三千八百名切、断あるいは損傷を受けた架空裸線、ケーブル等の延長が一千九百十二キロメートル、それから倒壊あるいは傾斜等の被害電柱数は七千七百本、電話交換機が六十一台、電信機が二十六座、こういう状態であります。それでこれを應急復旧せしむるための費用は七千九百十四万八千円になつております。 次にアイオン台風の被害の概要は、局舎等建築物の被害は総計二百三十三局でありまして、その間被害の相当大なるものが五十九局であります。電信、電話施設の被害は、電話加入者が四万七千五百四十八名、切断あるいは損傷を受けた架空裸線、ケーブル等の延長が一万八千百五十四キロメートル、倒壊あるいは傾斜等の被害電柱数が三万一千五百七十四本、電話交換機の損傷数が三十四台、電信機が二十五台となつております。 次に八月末及び九月上旬における西九州及び大阪方面の豪雨によるところの電信、電話施設の被害は、切断あるいは損傷を受けた裸線、ケーブル等の延長が五千二百三十二キロメートル、倒壊あるいは傾斜等の被害電柱数が一万六千三百十九本、電話交換機の損傷したもの十三台、こういうことになつております。そこでアイオン台風の被害と、今申しました西九州及び大阪方面の被害を應急復旧せしむる為の費用というのが、合計いたしまして一億九千四百四十八万円になつております。 そこで御存じの通りに、應急の復旧をいたしましたあとには、これを本式に復旧する必要があるのでありまして、その為に今年度内に要するところの本復旧費というものは、先ほど申しました北陸地方震災の被害によるものが大体九千五百四十二万六千円を要するのであり、後ほど申しましたアイオン台風並びに西九州及び大阪方面の被害を本復旧せしめる為には一億四千七百五十万四千円、合計いたしまして二億四千二百九十三万円になります。そこで應急復旧の工事は緊急なるもの、主要なるもの等はほとんど完成しておりまして、残りの工事は現在微々たるものになつております。そこで本復旧費の二億四千二百九十三万円は今年度に要するのでありまするが、それだけでは、もとより被害を本復旧するわけには行かないのでありまして、來年度におきましても、ほぼこれと同様の額の復旧費を必要とする状態になつております。そこで應急復旧費は遞信事業関係の特別会計におけるところの予備費をもつて大体まかなつているのでありますが、この本復旧費につきましては、さらに二億円程度の支出を國会において御承認願わなければその完全を期して行けない、こういうような状態になつておるのであります。申し上げるまでもなく、遞信事業は人間のからだで申しますと神経系統を組織しているものであります。神経衰弱になつたり、感じが無感覚なものになりますと、人間一人としてもこれは十分な活動ができないのでありますから、國家財政窮乏の際でありますけれども、特別にこの点を御配慮あつて、遞信事業の完全なる運行に御協力ありたい、かように思う次第であります。なおこまかいことについて御質問があればお答えいたします。
○椎熊委員長 御発言はありませんか。
○梁井委員 今御説明になつた中で、西九州の佐賀、長崎方面の遞信事業の災害は、やはり全般的にお話のあつた程度の復旧状況でありますか、あるいはすでにかわつたところがありますか、その点を伺いたい。
○降旗國務大臣 ただいまの御質問でありますが、現状に復するという程度でありまして、それ以上にその拡充強化するためには、別個に建設の計画をもつてやつております。今私が申し上げましたのは、とにかく現状に復するということでございます。先ほど申しましたように、緊急復旧事業は、ほとんど大体完了しております。しかしこの緊急復旧事業といいますのは、たとえて言いますと、電線をいきなり電柱に巻きつけて行くことも應急の復旧工事ですが、そういうことをいつまでもしておくと故障が起りますから、これをちやんとした碍子に結びつけて、しつかりした設備にするために、先ほど私が申しましたような本復旧の工事を必要とする。そういうことになつております。
○石野委員 ただいま御説明の本復旧費として約二億四千二百九十三万円要る。來年度も同様なものが要るのであります。さらに二億円を要するというのは、本年度の二億四千二百九十三万円を予定通りやるために二億円をこの國会で追加確定してほしい、こういう意味なのでございますか。
○降旗國務大臣 御説の通りであります。
○椎熊委員長 他に御発言はありませんか。それでは遞信大臣に対する御質問はこれをもつて打切りまして、なお委員長からお願いいたしますが、ただいまの資料を各委員にお配りを願いたいと思います。それでは本日は遞信大臣に対するものはこれで終りました。 次に運輸大臣がお見えになつておりますので、所管関係の被害状況について御説明を願います。
○小澤國務大臣 大体荒筋だけを御報告申し上げます。例の九月九日から十六日までの間の被害でありますが、この被害の件数は非常に多かつたのであります。たとえば築堤崩壊とか線路浸水、土砂崩壊とか石垣崩壊、道床流失、線路沈下というようないろいろな種類がございまするが、合計いたしまして二千四百二十一箇所の被害箇所が出たのでございます。またお話によりましては詳細な箇所別あるいは鉄道局別の内容もお話してもよいのでありますが、一應荒筋だけを申し上げることにいたします。 そこでまず線路別に考えますと、上越線、奧羽本線、東北本線というようなものが一番おもだつた災害箇所でありまして、これは本線でありまするが、支線に入りましても、たとえば佐世保線、山田線、釜石線というような線が相当大きな被害を受けているのであります。しかしこの被害に対しましては、岩手縣の山田線を除きまして、全部仮工事によつて復旧をし、目下いずれも運轉を開始いたしております。早いのは九月の二十四日ごろから、遅いのは十月の五日ごろまでに全部仮工事によつて進行いたしておりまするが、先ほどお話を申し上げました山田線だけはいまだに復興の域に達しておりません。というのは、被害箇所が非常に多いばかりではなく、災害の度合いがきわめて深刻なものがありますので、この線を元通りやりましても、仮工事の復旧工事が終るのに大体一年くらいかかります。一年かかると、ちようど雨季に入りまして、たとえば來年の九月、十月になつてようやく竣工するというようなときに、もし同じような雨が降ると、ただちにまた流されるというような状況にあるのであります。現にこの山田線は、昨年の水害によりまして一應仮工事の復旧を九月の十五日か、九月上旬頃にようやく終りまして、竣工式をやろうとした翌日ちようど災害がありまして、せつかく一年間かかつて復旧をいたしましたものが、また全部流され、あるいは埋沒いたしまして、そうして一日も運轉せずにしまつたというような状況から見ますと、この線だけは何とか拔本的な復旧、換言いたしまするならば、單に從前通りの復旧をするというばかりではなく、一歩進めまして、大いに改良工事をやる、もちろんこれに対しましては、治山、治水というようなことが伴つて進行しなければできないのでありまするけれども、そういう線をねらいまして、かりに多少工事の進行ということは遅れましても、再びこの程度の雨ではこの程度の大きな被害はないというような技術的な見地から健全な復旧をしたいという考えから、この線の中の約三十五キロでありますが、この線は現在省内に復旧調査委員会というものをこしらえまして、技術的にあるいは資材的にまたは資金的にこういう程度が適当だという結論を得るために、早急に調査、研究を進めております。 これは恒久的な復興対策でありますが、さらにその間二年あるいは二年半というような長年月の間、すでに十数年間敷設されている鉄道の沿線の住民の不便ということも考慮いたしまして、さしあたり第一次應急施設という考え方をもちまして、この中にガソリンカーを通す、ガソリンカーを通しますのは、もちろん一般旅客運賃をとつて行くわけには参りませんけれども、特殊事情のある人でもあるいは荷物でもこれに乘車もしくは積荷の便宜を與えるような方針でガソリンカーの運轉をする。これもある場合においては定時に出したいという考えをもつております。これは第一次的なきわめて應急の処置でありますが、第二次應急処置といたしましては、ただいま申し上げました三十五キロのうち道路が縣道でありまするけれども、大体來年の三月ごろ復旧するように聞いておりますので、この道路が完成いたしますれば、現在の不通箇所でありまするところの松草、宮古間を列車との間に省営バスを運行いたしまして、一枚切符でやはり省営バスに乘りかえながら、山田線あるいは釜石線に通ずるような方向に仕向ける方針で現在進んでいるような状態であります。 つまり山田線の復旧につきましては、第一次的なきわめて消極的な考え方でありまするけれども、ガソリンカーの運轉によつて幾分なりとも住民の迷惑を除去するとともに、第二次的には省営バスを運行いたしまして、第三次的に根本的な復旧あるいは改良工事を施す。從前よりはずつと趣をかえた山田線としての実現を期しておるような次第であります。 以上が大づかみにした報告でございまするけれども、なお各線に伴いまして御質疑等がございますれば、詳細に御報告申し上げまするし、また箇所別にこまかい書面でもというようなお話でありますれば、御要求に應じまして詳細に何どきでも提出いたすことにいたします。
○椎熊委員長 御発言ございませんか。
○高橋(清)委員 お伺いいたしますが、私鉄の災害に対しましては、この前の災害のときには政府では半分補助金を出したようでありますが、今回もやはり補助金を出すお考えでありますかどうか、ちよつと伺いたいと思います。
○小澤國務大臣 大体同ような線で進むために、大藏省の方には書面は出しませんけれども、同じ考えのもとに了解を得つつ今進みつつあります。
○淺利委員 ただいま運輸大臣から山田線についての御発言がありまして、今伺いますと、第一次、第二次と應急の措置をして、また根本的の檢討をするということでありましたが、根本の計画はいつごろからとりかかる予定でありますか。またその予算化についてはどういうお見込みをもつて進行されておるか、その点をはつきり伺いたいのであります。
○小澤國務大臣 根本的の対策は、先ほども一言申し上げました通り、技術的の見通しがまだ決定いたしておりません。從つてこの技術的の調査を早急に進めるために、運輸省内に山田線復旧調査委員会をすでに設置いたしまして、この関係委員が現地を見、あるいはその一部分が現地を見るというようなことをいたしまして、今後從來程度の災害に対しましては、再びこうした災禍がないような方法の技術的考慮を一旦きめまして、その考慮がきまつた後、資材資金等をにらみ合わせながら一日もすみやかに復旧にかかるというような状態になつておるのであります。從つて工事は現在松草までを仮工事中でございますし、一方山田線の方では茂市まで仮工事進行中でありますので、この工事が一方は來年の三月、一方は今年一ぱいに開通の予定でありまして、これが開通いたしました場合には、さらにその次の駅までの連繋を仮設工事いたしまして——もちろん二重の費用はかかることになりますけれども、漸次仮工事と並行して本工事の方を考えて行こう。こういう考え方でおります。
○淺利委員 御趣旨はよく了承いたしました。山田線の問題は、鉄道関係だけ計画されても、その根本の治山治水の方の完璧を期さなければ、再びその災害に見舞われると思うのであります。これは御如才のないこととは思いますけれども、縣なり建設省方面とも十分に連繋をとられまして、その上流地帶における災害の根本原因をあわせて除去するという両面建で、ひとつこの工事の復旧に邁進していただきたいと思います。これは希望でございますが、從來ややもすれば運輸省は運輸省関係だけでいろいろ画策して、地方廳なりあるいは建設当局との連繋がややともすれば疎外されるような状況があります。そういう点については、同時に鉄道自体の復旧のほかに、將來そういう災害の根本原因もきわめて進行していただきたい、こういう希望を申し上げておきます。ことに運輸大臣は地方の状況はよく御承知のことと思いますから、大臣を信頼して、私は質問をこの程度にとどめておきます。
○小澤國務大臣 御希望でありますから、あえて御答弁申し上げる必要もないのでありますが、お話のように、この委員会は單に鉄道内部の事業だけにとどまらず、ただいまのように治山治水に関する農林省との交渉、あるいは建設関係がありますれば建設省との交渉も、すべて合せまして、この委員会が復旧復興の工事を進めるという権限を與えるようにすることになつておりまして、なお今だんだんとお話のように、ややもすれば鉄道と他の官廳との連繋が不十分なために、一方的に進められるということは、お話の通り從來あるのであります。ただこの点につきましては、治山治水などというものはさしあたり目立つて急を要しないし、鉄道はもう少々むりでも一日も早く開通するというようなお互いの使命がございますので、農林省の考えとか、あるいは建設省の考えとかを待つていますと、いつまでも鉄道ができないのでありますから、さあそれじや鉄道だけでやつてしまえというような、現在のようなお話の結果になるのでありますが、どういう事情があるといたしましても、望ましいことではございませんので、よく淺利委員の御警告、御希望の点をしんしやくいたしまして、万全を期したいと考えております。
○梁井委員 この際ちよつと伺います。佐賀から有田、今井方面に來る鉄道の水害後の開通が相当時日を要しまして、地方民が非常に不便を感じておるのであります。この災害の起きた場合に、まず損害を最小限度にする鉄道職員の活動が一番大切でありますが、この損害を受けた後に、一日も一時間も早く鉄道が開通するように、復旧の実をあげるようにしたいというのがみんなの要望であります。そこで運輸当局としては、台風あるいは暴風というものが起つた際に、損害を最小限度にする措置を十分とつておられると思います。またその後の復旧を急速にするという措置はとつておられると思いますが、それに対する資金の手当て、これは地方鉄道局とか管理部というようなものにある程度のわくを容認しておいて、本省に通報と同時にその災害防除、あるいは復旧の仕事に十分当り得るような措置が必要だと思うのであります。その辺こういう災害が頻発していきますから、十二分の措置を講じておいていただきたいと思うのであります。その辺について御所見をお伺いしたいと思います。
○小澤國務大臣 お話の点はきわめてごもつともでありまして、そうした費目については、從來鉄道でも七億ぐらいの金はとつておつたのであります。ところが今年、昨年等の実例を見ますと、この程度の費目ではとうてい足りませんので、來年度は少くとも三十億ぐらいの災害予備費というようなものをとりまして、災害のあつたときには、お話のようにすみやかに復旧するような設備をしたいと思うのであります。 さらにこれに関連して申し上げておきたいと思いますが、從來の鉄道の事故損害というものは、毎年同じ個所がやられるのであります。でありますから、復旧工事をやりましても、元通りにやらぬと、当然これは來年も破壞されるということが想像できるのであります。こういうようなことをいつまでやつておつても毎年々々むだな経費がいるのでありますから、私はここに大きく取上げまして、たとえばそういう個所が三個所あるというような場合には、二個所を犠牲にしても一個所に重点的に改良を加えまして、從來以上では別ですが、從來のような水害があつても、今度は災害にかからないように積極的に復旧をしようということになりまして、事務の方でもその線に沿うております。しかし改良費あるいは復旧費というものは、國家財政から見まして限度があるのでありまして、從つて今私の考えているように全部ができればよろしいのですが、全部はできませんから、三個所あれば他の二個所はとりあえず復旧でやつて行き、あとの一個所を重点的にあげて根本的な改良を加えるというようなことが、鉄道の状況から言いましても、また旅客その他國民の利便から言いましても、そうすることによつてその次の災害に対する大きな予防になるではないか、こう考えておるような次第であります。
○山崎(岩)委員 運輸大臣にお尋ね申し上げます。事業執行による費用の支拂い関係、これが非常に遅れておりますために、事業が阻害されてはかどらない結果、今度の水害におきましても、去年せつかくかけた百何十億というものが、全部水に流されてしまつたという結果になつていることは、運輸大臣も御承知の通りなのです。そこで事業に先だつて支拂わるべきものは何としても金なんです。これを支拂つていけば、必ず仕事がはかばかしく行くのです。これについて運輸省では何か別箇の考え方をして請負金を支拂うということをくふうしておるかどうか、それをちよつと承りたいのです。この間の新聞の報道するところによると、政府事業に対しては概算拂いをやる。あるいは前渡金を渡すというようなことを閣議でもつて決定したというようなことが報道されておるのです。まことにこれは結構なことだと思うのですけれども、それは事実やることになつておるかどうかをお尋ねいたします。
○小澤國務大臣 山崎委員にお答えいたします。鉄道の方の支拂いは、他の官廳に比較いたしますと、割合にそういうのが少いのであります。換言するならば、割合いに支拂いがよく行つておるようであります。お話のように一体この政府事業の支拂金が遅れたということは、これはもう否定のできない事実でございまして、これがためにいわゆる一般國民の金詰まりというようなこともここから出て來る。また増産もできないというようなこともこの辺から出て來るのでありまして、この原因がどこから出たかというと、結論においては人件費の増加、たとえば賃金の増勢というようなことが大きな影響を來しておるのであります。たとえば一定の年度予算におきまして、人件費はこれだけあるいは物件費はこれだけというような予算をとつておりましても、その後においての賃金の上昇ぶり、あるいは予算面ではかわらぬでも何らかの名目で人件費をまかなつて行くから、物件費のうちに食い込んで、それで請負者に金が拂えない。これが金詰まりの第一の大きな原因でありますので、政府におきましても、この点は非常に重要な問題であるというので、しかもただいまお話のような線について極力この支拂金のすみやかになされるような方途を講じつつありまするが、まだ完全な程度の支拂いまでには行つておりません。ことにその法規の改廃等も要する点がございまするので、この点も今檢討しつつ、廃すべき法律は廃する、あるいは改正すべき政令は改正するというような意味から、目下先方とも熱心に折衝中でございまして、この問題は非常に大きい問題でありまするので、われわれも國務大臣として極力山崎君のお考えの線に協力いたしたいと思います。
○淺利委員 さつきお話が出ましたから、続いてバス道路と災害との関係についてお伺いしたいのですが、バスを通すということは道路の復旧ということが前提問題だろうと思うのです。東北のごとく鉄道建設の普及しない場所は、どうしてもバスによつてこれを補うというよりほかにないと思うが、現在の建前は既設道路に対してバスを通すというようなことで、運輸省自体が鉄道を敷設するかわりに道路を改良して、これにバスを運行するというところまで行つていないかのように思われるのであります。現に私営バスのごときも道路橋梁が傷んだために遂に休止の状態になつておるということがたくさんありますが、今日は地方財政なり、あるいは土木費だけの関係で、これを急速に復旧するということは至難の状態であります。こういう場合においては何か鐵道の方面においても、これに対して事業費の助成というようなお考えはないかどうか、もし両々相まつて——地方支弁あるいは國の補助、これに伴つて運輸省もまたバス運営上ある程度の助成をするということになつたらば、この復旧の工事も道路に対する工事もできると思うのでありますが、そういうことに対してお考えがありますかどうかちよつとお伺いします。
○小澤國務大臣 ただいま淺利委員の仰せの通り鉄道が、現在の日本の経済状態では、ただちに促進できないならば、これを補助する意味においてバス道路を建設するというようなことが、日本交通行政の上に望ましいことじやないかというお話でありますが、これは全面的に私も賛意を表し、また事務当局ともこういう問題について論議もたびたびいたしておるのであります。ただ問題はきまりきつた答弁になるかもしれませんけれども、現在非常な大きな一般会計からの補助を仰いでおいて、しかも関係方面、國民の声はどこまでも独立採算制で行くというような事情に置かれておる今日、このいわゆる開発道路的な路線をさらに多額の費用を出して、ただちにこれをなすべき時期かどうかということについて、相当な議論があるのでありまして、明年からただちにそうしたことができるというようなことは、今申し上げました鉄道の経営、あるいは経済等の面から勘案いたしまして、言明しかねるのでありまするけれども、將來の國有鉄道の使命といたしましては、お話のような線に推進して行くことが理想であると考えております。
○外崎委員 運輸大臣にお伺いしたいことは、この問題は災害の問題とはかけ離れておるかもしれないが、常磐線はいいけれども、東北本線はいまだ急行列車は通つていないが、いつごろから通すか。もういつは、東北本線は現在スチームを通していないが、これを今年の冬通す氣はないか。いまいつは長年の間ぼくらは考えておるが、東海道本線と東北本線というような線は差別待遇をやつておる。というのは、何をおいても東海道本線はすべてに先がけてやる。しかも列車もいいものを使う。しかし東北本線や常磐線や奥羽線は惡い列車を持つて來る。これを何十年間やつて來たのであります。これについて、この差別待遇をなくして、東北方面も関西方面も同一の方針でやつて行く意思はないか、これが一つ。 いま一つは列車の取締りです。これはこの前も緊急動議で言いましたので、おそらく委員長も御承知であろうと思いますが、北海道、東北から來るときに、いまだに列車をとめて全部おろす。荷物のはしから身体檢査までやる。あれは今日の新憲法から言つたならばあまりに人権を無視しておる。食糧問題はどうかしらぬが、乗るときにやるか、おりるときにやれば、何もむりに列車をとめてやる必要はない。これは関係方面の指示があつたのかもしれないが、今後これをいつまで続けるか、その打開の方法を考えておるのか、その点をお伺いしたい。
○小澤國務大臣 急行列車の増加路線の問題でありますが、御承知のように、從前は本線と常磐線と二本急行があつたのであつて、その他に仙台までの急行があつたのでありますけれども、乗客その他の関係から現在のようになつております。これは結論においてやはり本線にも急行を置くことが平等と考えておりますが、さしあたり現在御承知の午前九時発の仙台行きを青森まで延ばそうという考え方から、事務の方で、それを檢討してもらつております。それからスチームの問題でありますが、スチームは東海道線であると東北線であるとを問わず、夜行列車、ことに急行、準急というような長距離の乗客が乗つておる列車に対してはスチームをかけるつもりでおります。 それから東北本線と東海道線との差別待遇の問題でありまするが、私もずつと前からこれは考えておつたのであります。ことに國会における議員、中でも東北、北海道の方々の御意見等も前から聞いておりまするので、私も就任早々この問題に対する弊害を是正すべきであるという見地に立つて進めております。ことに過般特別寝台列車というものを置くことになつたのでありますが、なるほどこれはすでに東海道線には大阪までやつております。しかしすぐ一度に両方というわけに参りませんので、多少時期のずれはございますけれども、やはり今度はこの寝台列車を青森までの急行につけるという建前で進むことになつておりまして、こうした差別待遇、たとえば列車の一番新しいのを東海道へ先に持つて行つて、東北へはその次の古いのを持つて行くというようなやり方は根本的に改めまして、東北も東海道も、かりに東海道へ新しいのが一車行つた場合には、次には東北に、今度は東北に先にやつて東海道にというように、漸次東北本線と東海道本線との差別待遇をなくする方針であります。 それから列車の取締りの問題でありますが、これは外崎委員が第二國会の本会議において緊急質問され、大いに時の法務廳総裁と論議されたことも、私は記憶いたしております。從つてこの問題についても、せんだつても私みずから体験して來たことでありまして、これは穏かでない、われわれのように男子で健康な人ばかりそろつておればいいが、あるいは相当の老人とか、子供など連れた人を夜半の二時、三時に汽車からおろして、しかもそれを調べるということは穏当を欠いておる。みな全部が米を持つて來ておるのならとにかく、それは一部の人にすぎない。その一部の人を調べるために善良な正直な人を全部おろして、冬のさなかに今のような取調べをすることはどう考えても穏当を欠くから、これの改革はできないかということを関係の方に言いました。私はその取調べを中止せよというのではない。列車からおろして調べるという方法を改めなくちやならない、取調べは幾ら調べてもいいから、列車の進行中とか、あるいは一定の時間列車をとめておいて調べればそれで目的を達するのじやないかということを言いましたところが、事務のある人が、どうも進行中にやると米を途中から放り出したりして調べがつかぬと言いましたから、かりに米を放り出してもいい、それがなくなつてしまうのじやない、だれかが使うのだから、そういう問題にこだわらずに、とにかくこの問題は車内で調べる方法を講じろということを言つた。殊に福島縣内は仙台鉄道局管轄になつておりますので、せんだつての鉄道局長会議においても、仙台の鉄道局長に嚴重にこの問題を申し渡したところが、福島縣の関係筋がそうした意向を持つておられると言う。その取調べがおろさなければできぬという建前でいるからそういうことになるのであつて、鉄道が責任をもつて、あれを乗りかえしなくても必ずその筋のお考え通りの措置ができるようにしますという程度まで進めれば、何とか話合いがつくのではないかということを、ことさらに私が申し添えまして、今先方と交渉中で、すなわち列車を乗りかえさせて調べる方法はできるだけとらぬという方針でおりまするが、まだ最後の決定には至つておりません。至つておりませんが、運輸省内におきましては、從來はどの汽車もそれをやつたのでありまするが、最近はある列車はそれをやらずに、汽車の中で調べているような実例もあるのであります。これを全部にそういうことをしたいと考えております。
○外崎委員 これは運輸大臣でなく厚生省に聞く方が適当かと思いますが、青函連絡船で往復するとD・D・Tをかけられる。D・D・Tをかけられることには異存はないが、済んだ者に対してはだに判を押す。こういうことは衛生上においても惡い。判を押した紙を渡せばいいことで、人間の身体にスタンプを押すことは、衛生上にも惡いし、衣類もよごれるし、人格を無視されるような氣持もするが、この点に対して運輸大臣はどういう考えであるかお聞きしたい。
○小澤國務大臣 お話のようにD・D・Tは私も体驗したことでありますが、この問題については、外崎委員ばかりでなく、北海道出身の議員の五、六人の方から非公式ですがすでに話がありまして、今関係方面と何らかの対案をこしらえて——対案をこしらえずに行つても困難でありますから、その方針にはのつとるのであるが、それにかわる方法がないかというので、今その方法を研究中であります。
○石野委員 大臣にお尋ねしますが、先ほど山崎さんの質問に対して、請負事業の支拂いが澁滯しておるために、復旧作業が遅れるということについての御答弁で、それはできる限り支拂いの円滑をはかるために努力するというお話であります。そのとき人件費がかさんで來ておるからというお話があつたのであります。人件費がかさんで來ておるために請負作業者が非常に仕事がしにくいことも了承されるのでありますけれども、ただ漠然となるべく支拂いを順調にさせるようせつかく努力しようとおつしやつただけでは問題がちよつと解決されないじやないかと思いますので、こまかくお聞きしたいのですが、この請負作業に対する支拂いを円滑にさせるために考えておられるところの予算的措置についての大臣の考えを一應お聞きしたい。人件費がかさむということの大きな理由は、結局年度予算の編成方針の中にかかつて來ておると思うのでありまして、それぞれの作業者が生活費とか何とかかさむ関係上、必然的に労賃が高くなつて來るのだと思います。われわれの聞くところによると早晩物價改訂ということもまた考えられるのじやないかということも、巷間傳えられておるのでございますけれども、内閣としましては、そういうようなものとにらみ合せての今後この請負業者に対するところの支拂いを円滑にさせる方法、予算的措置については、どういうふうにお考えになつておるか。
○小澤國務大臣 先ほど山崎委員の御質疑の趣旨は、主として運輸省内におけるところの請負者に対する支拂い金の御質問であつたのであります。この問題につきましては、先ほどお答え申し上げた通り鉄道には幸いにもそういうものがたくさんはないのであります。殊に特別に急いでやらねばならぬ災害の復旧という場合には、前渡金までも出しております。そういう事情で現段階における鉄道の請負事業に対しては今石野委員の御心配の件はごく少いのであります。先ほどつけ加えたのは一般の企業界あるいは政府との関係を申し上げたのでありまして、殊に賃金が上ると自然に食つてしまうというようなことは、むずかしい官廳経理にはごく小部分なのでありまして、一般企業界のことをつけ加えて申し上げた趣旨でありまするが、しかしいずれにいたしましても、現在追加予算なくして日本の今日の経理がやつて行けぬということは明瞭なことであります。從つて政府といたしましては、極力予算的措置を講じて、現に今日も午前中予算の閣議を開き、まだ結論に達しませんので、今晩この國会の会議終了後再び閣議を開きまして、一日もすみやかにこの予算の最後的決定を見、同時に折衝すべきところは折衝いたしまして、國会の御審議を求めたいと考えております。
○石野委員 鉄道関係におきましては、こういう問題についてはごく少いということの意味はよくわかつております。私のお聞きしましたのは、全般的な災害対策の問題に関連しての御意図を承りたかつたのであります。もとより鉄道関係の問題に限定せられる場合においては、ただいまの御意見は了承いたしましたが、なお全般的な予算に対しての問題について、私十分な了解が行つていないということだけをつけ加えておきます。
○山崎(岩)委員 東北地方におきまして、鐵道局は仙台と新潟と二つございますが、東北地方に対しては、仙台鉄道局一つでやつてもらえば鉄道の災害復旧についても非常にやりいいと思います。一般の鉄道の行政については言うまでもないことであるけれども、災害等の大事態の突発した際においても、東北地方は東北地方で一連の関連性を持つている。そこで鉄道局も東北に対しては仙台鉄道局一つにまとめてもらう方が非常にやりいいのではないかと思います。また縣内においても監理部が二つもある。たとえば青森縣においては青森監理部と盛岡監理部と二つある。從つてその監理部におけるいろいろな仕事においても、なわ張りと申しませうか、そういう一つのセクショナリズムがありますし、いろいろな点を考えてみて、そういう点を統制をされまして、東北地方に対しては何とか仙台鉄道局一つでやつて行くというくふうが立てられないものかどうか。私は東北地方に関することだけしか知りません。九州とか新潟とか、門司とかいう方面のことに対しては詳しく知つておりませんから、いろいろな点について申し上げることはできませんが、東北のみを考えてみると仙台鉄道局一つにしてもらつた方がいろいろ関連性があつて解決がつきやすいと思います。この点についてどうお考えになつておりますか。
○小澤國務大臣 山崎委員の監理局の管轄訂正の問題でありますが、主として列車運行上の関係からの御観察のようでありますが、私といたしましては行政機構の根本的改革とか、あるいは出先機関の根本的整理という点ともあわせまして、鉄道局とか監理部とかいうものは再檢討さるべき時期に來たのではないかと考えておりますので、今の東北の関係につきましては、その一環として十分考慮することにいたします。
○高橋(清)委員 ただいま山崎委員からお尋ねがありましたことは、東北の鉱業会が連署いたしまして全面的に陳情する段取りに今なつておるのであります。それは鉱産物の輸送問題につきまして山形と秋田縣だけはぜひ仙台鉄道局内に繰入れてもらいたい。新潟と仙台とに局がわかれているために非常なる輸送の支障を來しておる。現に山形縣と宮城縣の境の堺田というところを分岐点といたしまして局の管轄が区別されておるのですが、そのために奥羽線と東北線との連絡は時間の待つ間が非常に多くて一般民は非常に迷惑をしておる。それから今言いました鉱産物輸送の問題で尾去澤、小坂、花岡、松尾などは非常に困つておりまして、この前鉱工業委員として調査に行きました際に、盛んにこの陳情がありましたから、十分早急にこういう手を打つていただきたいと思います。
○小澤國務大臣 承知いたしました。
○椎熊委員長 運輸大臣にお願いしておきます。災害復旧の問題について、かなり詳細な御説明がございましたが、災害復旧対策の予算関係に対しては、本日は触れられていなかつたように思います。運輸大臣はたいへんお忙しいようですから、後刻資料をもつて災害の状況とにらみ合せた予算関係を委員各位に御配付をお願いいたします。 運輸大臣に対する質疑はこれをもつて打切つてよろしゆうございますか。
○椎熊委員長 それでは運輸大臣に対する質疑はこれをもつて打切ります。 それでは都合によりまして本日はこの程度で散会いたします。 午後三時三十七分散会