経済安定委員会 第5号
- 発言数
- 29 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/11/29
会議録
○水田委員長 これより会議を開きます。 これより引続き請願の審査に入ります。本日審査予定の請願は十一件でありますが、そのうち第三、第四、第六、第八、第十一の各請願については、前回の委員会において審査をいたしておりますので、これより日程第一、第二、第五、第七、第九、第十の各請願を議題として、審査を続行いたします。 まず日程第二牛蒡の公定價格引上に関する、請願について紹介議員平川君の説明を求めます。
○平川委員 地方特産物たるごぼう取扱いについて、次の通り実情を訴えて、價格引上げを請願いたします。今私たちの村況を考えますとき、水田はごく一部を除いてすべて一毛作田であり、裏作の作付はほとんで見るべきものはありません。それに加えて畑の現状は、急傾斜面にて、現在は主食の作付はほとんどその面績全部を充当しておる状態でありながら、農村とはいえ、かえつて消費量が多き実情であります。木村の経済はそのほとんどを特産物ごぼうに依存しておりまして、別紙にも示すように、生産物は労賃を加算すれば、現在價格では欠損員出る有樣でありますが、他に收入のないわが村の状態ではやむなく作付しております。特産たるごぼう作付が、五箇年前に比較すれば約三分の一に減じております。減反理由としては、労賃値上げ、肥料不足、肥料高値、主食割当反別の過重、これに対する價格が、あまりにも実情を無視されたと思われる安値等をあげられます。かような状態では私たち村民は近い將來において、必ず経済的に塗炭の苦しみに陷ることは必至だと思われます。右のような次第ですから、十分状況御判断の上適正なるごぼう價格を御決定下さるよう、別紙基準書を添え請願いたすものであります。別紙は省略いたします。
○神田政府委員 ただいま平川委員からごぼうの公定價格を引上げるように、という御趣旨の御説明のように承りましたが、最近冬を控えておりまして、野菜のうち、そういつたものが安くきめたのがありまして、上げたらどうかというような声が大分ございますので、安定本部といたしましても、この際蔬菜の價格を上げるというようなことについては、これは非常に考えなければならぬのでありますが、補正して行く——あるもの非常に安過ぎておるといような声のあるのもございまして、ごぼうのごときもそのうちの一つだと思つておりますが、十分調査いたしまして、御趣旨に沿いたいと考えております。 —————————————
○水田委員長 次に日程第一、薪炭の生産者價格を地域別に設定の請願、紹介議員前田正男君。
○前田(正)委員 本請願は千葉縣薪炭対策委員会長川口氏の名前をもつて、紹介議員竹尾氏によつて提出されたものでありますが、私がかわつて説明いたします。 本請願の要旨は、現在実施されておりますところの薪炭生産者價格は、全國一率で同一價格で取扱われておつたのであります。地域的に非常に矛盾を生じております。特に林産資源が貧困で、大消費地を控えておるところの千葉縣においては、生産費の昂騰が著しく、とうてい現行價格では收支が償わない。つきましては全國を同一價格で処理するということは、むりなことは明らかでありますから、こういう観点より小地域に分割して実情に應じ、府縣を考慮して、知事にある程度の権限を附與し、処置できるように特別の詮議をしてもらいというのが、本請願の要旨であります。
○神田政府委員 ただいま前田さんから薪炭の生産者價格を地域別にきめたらどうかという御趣旨のお話でございまして、これは今の物價の形成から参りますと、なかなか困難な点もあるのでありますが、事情を考えますとまことにごもつともな点が多いのでございまして、意のあるところは十分私ども了承いたしまして、よく研究いたしまして、御趣旨に沿えるものでありますれば沿うようにして行きたいと考えております。大体薪炭の問題については先般のこの委員会においても、統制を撤廃したらどうかというような請願も大分ございまして、薪炭の統制を撤廃した方が、わが國の経済を安定する上にむしろ増産体制が成立つのみならず、今日薪のごときは産地においても非常にマル公を下まわつておる。また炭においても大体の需給関係がよくなつて來ておる。むしろ價格を撤廃した方がというよりも、統制を撤廃した方が薪炭の出まわりがよくなり、生活が安定するのではないかというような御要望もございましたので、それらの問題と十分にらみ合せまして御趣旨に沿うようにして参りたい、かように考えております。 —————————————
○水田委員長 次は日程第五、近海魚類の公定價格撤廃の請願、原健三郎君紹介、文書表第五二九号を議題に供します。紹介者にかわつて前田正男君に説明をお願いします。
○前田(正)委員 本請願は兵庫縣津名郡の各町村長の連名と、漁業会の連名をもつて請願を出しておりまして、紹介議員は原健三郎君でありますが、かわりまして御説明申し上げます。本請願の要旨は、瀬戸内海は潮流が早い関係で魚類の味が良く、從つて需要が多いが、魚業区域が狹小のため、漁獲高はきわめて少く、その上物價の暴騰によつて漁獲費もかさむので、味も鮮度も劣る遠海魚類と同樣の價格では到底版賣できない。特に瀬戸内海に面するところの廣島、岡山、香川、兵庫、大阪の一府四縣の漁業者中には半農半漁の者もありまして、淡路方面の方はほとんど全部專漁者で、生活に及ぼす影響きめわて大なるものがある。こういうような事情から魚の公定價格を撤廃して漁業者、販賣業者、消費者ともに安心して販賣、購賣をなし、市價を安定せしめられるよう取計らいをされたい、こういうことであります。
○神田政府委員 前田さんから瀬戸内海の沿岸にとれます漁獲物について、マル公を撤廃したらどうかという御趣旨のように伺いましたが、鮮魚の統制撤廃につきましては、非常な要望がございまして、一部解除になつたのもあるわけでございまして、ただいま瀬戸内海の魚を撤廃せよ、地方的事情を考慮したらどうかという御趣旨になるわけでありまして、地方的事情を考慮いたしますと、その他においてもいろいろな問題があるのであります。われわれといたしましては、むしろ生鮮食料品のごときは、できるだけ撤廃することが、今日のわが國民生活の安定に資するのではないかといういうに考えておるのでありますが、これはなかなか容易ならない問題もございまして、いろいろ関係方面の了解も得なければならぬというような次第もあります。政府といたしましてはできるだけすみやかに御了解を得まして、時期等も考慮いたしまして、この統制を撤廃、あるいは撤廃ができなければ、十分な緩和をして行きたいというふうに考えております。その際におきまして今の前田さんからの要望につきましては十分考慮できることと考えておりますので、さよう御了承を願いたいと思います。 —————————————
○水田委員長 日程第七、乾椎茸の公定價格撤廃の請願、伊藤郷一君紹介、文書表第五七七号を議題に供します。紹介者にかわつて前田君に説明をお願いします。
○前田(正)委員 本請願は宮城縣の各町村の代表の方から、多数の連名をもつて伊藤委員の紹介で出ておるのでありますが、かわりまして要旨を申し述べます。本請願の要旨は、乾椎茸の公定價格は優良品も劣等品も同一價格であるため、品位の低下を來し、かつ優良輸出適品の集荷を困難にして、生産者は大なる犠牲をこうむつておる。そのほかに統制價格が年間を通じて同一價格であるために、秋子は生産費をよけい要すからつくらない。あるいはまた現行統制價格は統制機関の独占を企図せしことは明らかである。さような点からこの請願は提出されております。何とぞ統制價格を一日も早く撤廃してもらいたいというのが、本請願の要旨であります。
○神田政府委員 前田さんから椎茸のマル公を撤廃するようにという御趣旨の御説明を承りました。椎茸の價格の統制撤廃につきましては、実は私どもの方にも、方々からその陳情がございまして、ただいまこの撤廃につきましてどういうような影響があるかということを調査中でございます。なお椎茸のマル公の撤廃については、一部生産者の方で反対しておる面もございますので、それらの面を十分ひとつ調査いたしまして椎茸の統制を撤廃することが椎茸の増産になり、また國民の食秩序も乱れない、殊に椎茸は輸出品になつておりますので、輸出等の影響なども考慮いたしまして、できる限りただいまの請願の御趣旨に沿うよう、ひとつ努力したい。かように考えております。 —————————————
○水田委員長 日程第九、大麻等に対する統制撤廃の請願、山口好一君紹介、文書表第六四四号を議題に供します。紹介議員山口君にかわり、前田君の説明を求めます。
○前田(正)委員 本請願は栃木縣の縣会議員中島氏その他から請願で、紹介議員は山口君でありますが、その要旨は、今日の統制の濫用は生産を阻害すること非常に重大であつて、生産の拡充せられる見通しがあり、かえつて統制を続けることによりまして生産を阻害するので、ついてはこの統制撤廃によつて何らの弊害を伴わないところの大麻、皮麻、疊糸、疊表、生鮮食料品等の統制を廃止し、また供出後の米麦の自由販賣をすみやかに実施されたい、こういうような趣旨であります。時に業者は、薄時多賣によつて、おのれの職にフルに從事し得るようにしていただき、國民生活の安定をもたらしてほしい、そういう意味から、こういう惡統制をぜひ撤廃してもらいたいというのが、本請願の趣旨であります。
○神田政府委員 たただいま前田さんから、大麻その他の統制を撤廃したらどうか、あるいは米麦の供出後の自由販賣をしたらどうか、その方がむしろ流通秩序が確立し、國民生活が安定するのではないかというような、たくさんの項目の統制撤廃をするようにという御趣旨のように承りました。わが國の統制が、今日非常な廣範囲に、またしかも深くやつておりまして、この統制を何らかの形において撤廃、あるいは撤廃できないものありというしまするならば、これを改善して行きたい、整理をしたいという声は、これは天下の声と考えております。お述べになりました品目は、なかなか廣範囲にわたるようでありますので、安定本部の方といたしましては、十分調査いたしまして、できますものから逐次御趣旨に沿うように努力して参りたい、かように考えておりますので、さよう御了承願いたいと思います。 —————————————
○水田委員長 日程第一〇、製菓業に対する融資順位引上に関する請願、小川原政信君紹介、文書表第六六八号を議題に供します。紹介者にかわつて前田委員の説明を求めます。
○前田(正)委員 本請願は全國飴菓子類商工業協会会長、その他いろいろの菓子方面の組合の理事長、並びに山本氏の請願によるものでありますが、紹介議員にかわつて私から説明いたします。本請願の要旨は、國内製菓業の大部分は中小企業者で、これが公布は全國に普及している。政府は中小企業廳を設置して、中小商工業者の振興をはからんとしているが、政府の施策と相まつて、民間業者の活動を助長するよう、金融による助成策をとらなければ効果がないので、ついては製菓業は、臨時金融措置令において丙種に指定されているが、この業を助成する一助として、すみやかに措置令の甲種に編入されんことを請願するというのが、この請願の趣旨であります。
○神田政府委員 製菓業の資金の貸出し順位が丙種になつておる、今日の製菓業の受持つております面を檢討すれば、甲種にするようにという請願のようにお聞きいたしましたが、御承知のように資金が大分窮迫しておりまして、各方面から順位を引上げるようにということと、また資金のわくを進んでふやすようにという要望が、実は非常にたくさんあるのでありまして、政府といたしまして、國民の希望に沿うように努力しておるのでありまするが、何しろ申し上げるまでもなくインフレの抑制をする問題、また今日の生産増強に関しまする重点的な面ともにらみ合せまして、一應資金のわく、資金の順位というようなものを定めてあるのであります。ただいまお述べになりました菓子の製造業者が、非常に低順位であるということにつきましては、私どもも何とかこれは考えなければならないというふうに考えておるのでありますが、現在の段階におきまして、菓子製造をただちに甲種に引上げるということは、なかなか容易ならないことではないかというふうに考えております。この資金の融通につきましては、これは菓子業だけでなく、中小商工業全般の問題でありまするが、本年の八月、前内閣において中小商工業の融資対策を決定されまして、一口三十万円、また預金の一割を越えないというようなわくをきめてあつたのであります。今回政府といたしましては、大体一口五十万円にそれを引上げて、しかも預金の二割というようなところまで持つて行きたいというようなことを、先般大藏大臣、安本長官、日銀総裁の間で一應決定を見ておる実情でございまして、製菓業におきましても、この方面の融資を相当利用することが、事業の継続維持の上に何らかの効果があるのではないか、またそれら越えます大口資金につきましても、事業の経営が健全であります限りは、丙種でありましても、銀行融資におきまして相当彈力性ある見方をする、決して丙種であるから出さないというのではないのでありまして、設備資金については、これは出し得ないのでありますが、運轉資金につきましては、彈力性ある扱いをするということも、その際において決定を見ておりますので、そういう方面もひとつ御利用願うのも一方法ではないかと思います。しかしただいま前田委員の要望されました、順位を上げるということにつきましては、政府といたしましても十分ひとつ調査研究いたしまして、上げる段階になりましたならば、その御要望に沿うようにいたしたい、かように考えている次第であります。御了承を願います。
○水田委員長 以上で一應請願の審査を終りました。ほかに御質疑ございませんか。
○梶川委員 審査を終る前にちようど政府の方からも御出席になつておりますので、ただいま上程になりました薪炭の請願に関連して、一言お伺いいたしたいと思います。それは、薪炭の地域別の製来者價格の問題が出ておりましたが、これに関連いたしまして、消費者價格の問題が非常に大きな問題を起しておる。それは、消費者價格というものが、以前は全國一本であつたのが、府縣によつて多少の差はできておるのでありますが、現在の價格は、なお実情に沿わないこと遠いものがありまして、たとえば非常な生産地でありますと、そこの生産者から、相当なやみ價格でもつて賣り出しても、なおかつ消費者の價格に達しない。從つて薪炭の物の方の統制違反に引つかかつておるという事件が全國に頻発いたしておるのであります。これは消費者價格が適正でないために、消費者が配給ルートからの配給を断つて、山元から直接かついで來るということが起るために、さような事態が起つておるのであります。從つて消費者價格というものをもう少し是正されまして、実情に沿うように、各地域ごとに消費者價格というものを、もつと徹底されたいということをお願いしたいのですが、この点に関しまして特に山元に、今相当なストツクがある。ルートではけないためにストツクがあるというような状態にありますので、どんなお考えであるか、これについてお伺いしたいのであります。
○神田政府委員 ただいま梶川さんのお述べになりました薪炭のうち、殊にまきにおきまして今お述べになりましたようなことが各地に続出している。これはもうごもつともでございまして、私どももこれらの点につきましては十分な情報を得ておりまして、何らかこれが対策を眞劍に考えなければならぬのじやないか。言いかえれば、まきのごときはむしろこの際統制を急いで撤廃することが、今お述べになつたような事態が生じないということになるのである、こういうようにも考えておるのであります。最近消費都市にずいぶんまきが入つて來た。そこでこれは統制の結果入つて來たというようなことを言い得る面もあると思いますが、十分入つて來たということは、むしろ産地で受取手がなくなつたので、消費地の方にそれが大挙流れて來たというのが実際ではないか。産地においてはむしろマル公のものはだれも取引り手がなくて、直接生産者から引取つている、これもまた警察取締り関係方面においてそれは不都合だというようなことでありまして、こういつた面を早く是正するということになりますと、今梶川さんの言われてように、地域別の消費者値段もかえるという必要があるのではないかということ、これはごもつてもでございますが、今のような統制方式をとつておる段階においては、ただちにそういうような御趣旨でやる得るかどうか、私どもお述べになつたことについては同意見でありますが、今日の段階において、そうしたようなことを薪炭だけについてやることができるがどうか。これは十分ひとつ研究の余地があるのではないか、実情に沿うようにするのでありますから、当然のことと思いますが、今までの政府側の考えを率直に申し上げれば、あるいはあれは最高價格であつて、必ずしもあの値段でやらなくてもよろしいのだという考えを持つておるのであります。しかし事実においてはその値段でやつて行くという考えになつておるのでありまして、その辺の事情がございますので、御趣旨は、これは研究するまでもないことでありまして、方針の問題だと思うのでありますから、十分われわれの方も関係方面とも連絡をとりまして、実情に沿うようにして参りたい、こういう氣持でおることをお答えいたしたいと思います。
○梶川委員 大体の筋はわかつておるのでありますが、特に木炭についてみますと、マル公がもちろん最高價格ということはよくわかるのであります。しかしながら生産者から渡すときにマル公をオーバーする、從つて生産者のマル公と消費者のマル公との間に、相当の差があるというために、生産者にしてみれば價格違反になる、消費者の方にしてみれば、ルート外から受取るということで、物の方の統制違反になる。物價違反になるということで、たくさん問題を起しております。さらに木炭あたりにおいてはそういう関係上滯貨も相当できておる。もちろん燃料の方にも相当のあれもありますが、特に木炭についてはなはだしく、昨年でしたか、今春でしたか、今までの一本建を地域別に格差を設けた。これは消費者價格において都会地と農村地、そういうところに、給與に特地、甲地、乙地、丙地とあるように、現在の二本建を四本建くらいにすると実情に沿うと思います。これは技術上の問題であり、さしたる困難はないのではないか、特に都会地の消費者價格というものをもつて上げてよいのではないか、そのかわり生産地に近い消費者は相当下げてもよいのではないかということを申し上げておるのであります。これをもつて打切ります。 本日の請願は、日程第一より第一一までの各請願を御採択の上、内閣に送付すべきものと議決されんことを望みます。
○水田委員長 ただいまの動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○水田委員長 それではただいまの梶川委員の動議に御異議がないようでございますから、本日の請願日程第一より第一一までの各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと議決いたします。 —————————————
○水田委員長 引続き陳情書の審査に入ります。
○前田(正)委員 陳情書は委員長において適当に一括審査されんことを望みます。
○水田委員長 前田君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○水田委員長 それでは本日の陳情書日程中、第二乃至第六、第八乃至第一〇、第一二、第一五及び第一七の各陳情書は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと議決し、その他の陳情書は延期いたすことと決したいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○水田委員長 それではさよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後十一時四十七分散会