P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
3回国会衆議院1948/11/13

経済安定委員会 第2号

発言数
13
登壇者
5
会派数
2
開催日
1948/11/13

会議録

水田三喜男民主自由党

○水田委員長 会議を開きます。  議案の審査に入ります前にちよつとおはかりいたしたいことがあります。去る九日の議院運営委員会におきまして、小会派からも理事を一名出すということに決定いたしまたので、この際理事一名を追加選任いたしたいと存じますが、これは委員長において指名することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

水田三喜男民主自由党

○水田委員長 御異議はないようですから、長谷川俊一君を理事に指名いたします。     —————————————

水田三喜男民主自由党

○水田委員長 それではこれよりさる九日本委員会に付託されました過度経済力集中排除法の一部を改正する法律案を議題として審査に入ります。まず政府の説明を求めます。     —————————————

神田博民主自由党経済安定本部政務次官

○神田政府委員 安定本部長官が参りまして、御説明を申し上げることになつておつたのでありますが、ちようど委員会の時間の変更等もございまして、どうしても都合がつきかねるということでございますので、私から本委員会において審議いたされます過度経済力集中排除法の一部を改正する法律案について、御説明申し上げたいと思います。  昨年十二月十八日公布施行されました過度経済力集中排除法におきましては、本來この法律が経過的性質のものでありますこと、その他の事情からいたしまして、財閥解体の機関として、さきに設立されておりますところの持株式会社整理委員会をして、この法律施行の当面の担当機関としておるのであります。しかしながらこの法律第二十六條の規定によりますと、この法律の規定による持株式会社整理委員会の職権及び記録並びに必要な職員は、將來これを公正取引委員会に移すことを建前といたしており、しかしてこれが移管に関しては別に法律を制定することとなつておるのでありまして、その法律は、これを本年九月一日から、本年十二月末日までの間に制定することに規定されておるのであります。  しかしながら、この法律施行一箇年の状況から勘案いたしますと、過度経済力集中の指定については、すでに一應これを完了いたしておるのでありますが、これが具体的排除の措置につきましては、当初予想されましたところより遅れております一面、最近この問題に関する微妙なる情勢の動きもありまして、関係方面の意向によりましても、右の移管に関する法律は、これを今ただちに制定することを適当としないことが明瞭となつたのであります。よつてこの際この立法期限を先に延長いたす必要が生じて参りますので、これを一應明年六月三十日までに延期することといたしました。この点について現行法第二十六條の改正案を本國会に提案いたした次第であります。  右に申し述べました通り、今回の改正案自体はきわめて簡單な事項でありまして、権限等の移管に関する法律の制定期限を一時延期することだけであります。どうか御審議の上、すみやかに可決されんことを希望する次第であります。

内田常雄総理廳事務官

○内田政府委員 ただいま神田政府委員から、過度経済力集中排除法の一部を改正する法律案の趣旨につきまして御説明がございましたが、引続き私から、昨年制定されました過度経済力集中排除法の運用が、今日までいかに相なつておるかということの概要を、御説明申し上げておくことが便利かと存じます。  この法律が昨年十二月十八日に施行いたされました後、本年の二月になりまして、この法律の担当機関でありますところの株株会社整理委員会が、まず手始めに過度経済力集中排除法に基く手続規則という整理委員会の規則を、当時制定公布いたしますと同時に、鉱工業等の過度の集中排除に関する基準を公布いたしまして、まず鉱工業部門の会社二百五十七社を、過度の経済力集中として指定いたしたのであります。それに引続きまして、同じ二月の二十二日には、配給業及びサービス業等の部門における過度の経済力集中に関する基準、こういう基準を公示いたしまして、これに基きまして配給業及びサービス業等の部門を担当いたします会社六十八社を、過度の経済力集中として指定されたのでございます。かようにいたしまして、指定されました会社の数は、合計三百二十五社ということに相なつておるのでありますが、後に五月に至りまして、再審査の結果、このうち五十社は指定の取消しを行いまして、差引二百七十五社というものが、指定された企業てして残されたのでございます。さらにそれに引続きまして、その残された二百七十五社の指定会社を、大体二つのグループに分類いたしまして、そのうちの第一分類といたしまして、百七十五社、これだけの会社につきましては、本格的な企業の分割、すなわちいわゆる企業の再編成というようなことをやらないで、單にその会社が持つておるところの株式を開放するというような、簡單な措置をもつて足りるという決定がいたされまして、結局本格的なる企業の再編成、すなわち企業の分割を必要とする会社といたしましては、ちようど百社だけが残されて來ておるのでございます。この百社は大体が大企業でありまして、その再編成のいかんによりましては、わが國民経済に重大なる影響をもたらす、こういつた種類のものでありますことは、皆さん御承知の通りと存じます。この百社につきましては、お手元に資料としてお配りいたしておりますものの一番終いにつづつてございますが、「過度経済力集中排除法の実施概況」という中に詳しく載つてございます。この百社につきましては、まず本年の七月二十二日を手始めにいたしまして、日本曹達株式会社、日産化学株式会社、神戸製鋼株式会社、日本鋼管株式会社、扶桑金属株式会社、日本製鉄株式会社、王子製紙株式会社、こういう七社の企業について、いわゆる再編成計画の指令案が持株会社整理委員会から発せられておるのであります。かようにいたしまして、残りの九十三社につきましても、だんだん再編成に関する指令案が発せられ、またすでに指令案が発せられましたものにつきましては、所定の手続を経て、最終の決定指令というものも出る段階になりまして、今日まで至つたのでございますが、それが先ほど神田政務次官の御説明の中にもございましたように、最近過度経済力集中排除法の運用につきまして、関係方面を中心といたしまして、一つの微妙な情勢の動きがございまして、これが排除の措置につきまして、大きな手心ともいうべきものが加えられて参つた、かような事態がございました。このことにつきましては、すでに新聞などにおいても一部報道がございましたが、具体的に申し上げますと、本年の九月十一日に至りまして、連合軍司令部と持株会社整理委員会とを中心といたしまして、過度経済力集中排除の運用に関する四原則というものが新しく示されることになりまして、これがために情勢が大きな変化を來して來た、かようなことになつております。その結果、先ほど申し上げました、すでに指令案の通達がありました七つの会社を対象といたし、ことにそのうちでも日本曹達株式会社のごときは、この資料にもございますように、指令案の通達後、八月二十二日には最終的な、会社を六分割するという決定指令の通達さえも行われたのでありまするが、これが本月の二日になりまして、指定を取消された。日本曹達株式会社は過度の経済力集中と認めない。從つて何ら企業の分割をする必要がないというような決定が下されましたし、また残りの神戸製鋼所であるとか、扶桑金属、日本鋼管等の会社につきましても、指令案は通達されたが、決定指令はそのまま保留になつておるというような、一つのこれはわが國経済力というものの発揮にとりまして、非常に好ましい重要な事情が現われて参つておるのであります。  ただいま申しました四つの原則というものは、具体的に申し上げますと、こういうことでございます。第一に、過度の経済力の集中として指定さるべき会社は、事業の重要な部分において競爭を制限しておる。またはほかの企業が独立して事業を行うことを阻害しておるということについて、明瞭なる実質的証拠がない限り、その指定は解除されべきである、こういう大原則が一つ示され、またその原則の第二といたしまして、指定された会社が、本來の事業と無関連の事業を兼営しておるということだけでは、過度の経済力の集中とは言い得ない、こういう原則が第二であり、第三番目の原則といたしまして、指定された会社が自発的に再編成計画案を持株会社整理委員会に対して提出したからといつて、それだけの理由では集中排除の措置を決定してはならぬ、こういうことであり、最後の第四番目の原則といたしましては、集中排除の措置をとることについては、経済力の集中としてすでに指定された会社が、その指定された事項と直接関連を持つておるものでなければならない。以上の四つのプリンシプルが示されたのであります。この四つのプリンシプルは、現行の集中排除法の根本精神をかえるものではないといわれておりますけれども、今日この法律が施行せられました一年間、先ほども申し上げましたように、三百二十五社の企業が、集中排除に該当すべきものとして指定されて参つた当時の状況から見ますると、非常に大きな、好ましい情勢の変化だと申してよいのではないかと存ぜられます。大体今日までのこの法律の運用の状況は、右に申し述べました通りでありまして、それをくだいて申し上げますと、集中排除の措置としては、たくさんの会社が指定され、指定された結果、具体的にその排除の処置がどんどん進んでしまつたという、はかばかしい進捗は示しておらないことになりますけれども、その半面、日本の経済力を分割して弱めるような企業分割の措置が足踏みをしたままで今日に至つておる。しかもそれはだんだん新しい情勢のもとに、指定の取消しが行われるというような実態から見ますと、この法律の運用が当初予想されておりましたところよりも、遅れているようには見えますけれども、事態は非常に改善しているのではないかと存ぜられるのであります。そこで、ただいま御説明がございましたこの法律第二十六條についての改正が問題になるのでありますけれども、第二十六條の改正は、元來この法律によるいろいろの措置が、本年一ぱいぐらいにおおむね措置を完了してしまつて、持株会社整理委員会といたしましては、残務的な仕事は、これを政府の妻官廳であるところの公正取引委員会の方に移管する。しかしてこの移管に関する法律を今年の十二月三十一日までの間に、別に法律をもつてその手続等の具体的方法を定める。こういうことになつておるわけでありますけれども、だんだん申し述べましたような事情のもとに、今この際考株会社整理委員会の職権なり、帰属なり、職員なりを、急いで公正取引委員会に移管してしまうことは、必ずしも適当の措置ではない。むしろかような好ましい情勢の変化のうちにおいては、当初経済力集中の指定をいたしました持株会社整理委員会そのものをして、しばらくこの跡始末をつけて参るということの方が非常に事態に即しておる。かようにも考えられ、関係方面とも打合せました結果、右申し述べました持株会社整理委員会の職権等の移管に関する新しい法律の制定期限は、しばらく先に延ばした方が適当である、こういう客観的な情勢判断になつておる次第でございます。從來の経過を申し述べまして御参考に供した次第でございます。

水田三喜男民主自由党

○水田委員長 質疑に入ります。

小平久雄民主自由党

○小平委員 ただいま御説最によりまして、從來の経過の大体を承知することができたのでありますが、一点ここで伺いたいことは、先ほどの御説明によりますと、指定企業二百七十五社のうち、企業の分割などをしないで、株式の分割のみによるものが百七十五社、企業の分割再編成をするもの百社、一應そういう御報告であつたのであります。そのうち株式の分割をやるべき会社でありますが、この方の株式の分割の進行状況等は、一体どの程度に進んでおりますか、その点を一点伺いたいと思うのであります。  さらに、先ほどお話の新たに四原則の提示等もございまして、今後この法律の運用につきましては、相当緩和されるのではないかという期待を國民一般がもつておると思うのです。御承知の通り、本法律の審議過程におきましては、議会等におきましても、これがわが國の経済に及ぼす影響をおもんばかりまして、非常にこれは論議されたところなのでございますので、今後かような情勢の変化がありますと、さきに当局が公示されましたところの過度経済力集中に関する基準というようなものにつきましても、あるいは変更を要して來るのではないか、さらにさかのぼつては、法自体につきましても相当のこれが改変の考慮を要するのじやないかというようにも一應考えられるのでありますが、その辺に関しまする当局のお見透し等も、あわせて承りたいと思います。

内田常雄総理廳事務官

○内田政府委員 ただいまの御質問は、すでに指定を受けました三百二十五社のすちで、すでに指定を取消しになつたもの五十社を差引きましてゐあと二百七十五社だけが指定を受けた対象として残つておる。そのすちの百七十五社につきましては、本格的な企業の分割、すなわち再編成をいたさないでも済む。わすから特株の開装等、簡單なる措置をもつて排除の措置を終るべきものと、こういうことになるのであります。なおこの中身に詳しく申し上げますと、この百七十五社につきましては、本年の六月十九日を初めにいたしまして、本年の九月まで六回にわたりまして、百二十八社というものが決定指令の通達を受けまして、これはあとくされないということで終つております。その残りが四十七社ほどございましたが、その四十七社のうち五社は、後に遅れてやはり終結指令がございまして、本日現在、特株開放をなすべきものだという仮指令と申しますか、指令案と申しますか、一應の内定を見たまま残つておるものが四十二ございます。このほかに大ものとして企業の再編成を要するもの、すなわち企業の分割を必要とするもの百社がございますことは、先ほど申し上げた通りでありますが、この百社の中で、仮指令と申しますか、指令案の通達を受けましたものが、先ほども申し上げました通り、日本曹達を初めといたしまして、一番最後に指令案の通達を受けました日本制鉄まで七社あるわけであります。從いましてあとの九十三社につきましては、経済力の集中として指定を受けたまま、まだどうなるのかわからぬという状態に、少くとも現在では置かれておるわけであります。そのすでに指令案の通達を受けました七社につきましても、これも、先ほど申し上げましたが、日本曹達及び日産化学の両社につきましては、指定の取消ということに本月の五日になつて発表せられまして、從つて七社のうち二社は完全にあとくされなく片づいて、五社だけが宙ぶらりんのかつうこにある。かようなことになつております。その五社につきましても、詳しく申し上げますと、神戸製綱所、扶桑金属、日本綱管の三社につきまして田、指令案通達後の諸手続は無期延期ということになつておりまい具体的には、指令案が出されましてから十五日目に聽聞会を開きまして、各方面の利害関係人の意向を聽きて最終指令をつきり上げるのでありますが、この聽聞会そのものを無期延期ということで、まあこれは軽くて済むのじなやいか、ことによつたら指定そのものが取消されるのじやないかというような測定を許すような状態に置かれておる。かようなことに相なつております。残る三社のうち、日産化学、王子製紙及び日本製鉄の三社につきましては、これは聽聞会そのものは開かれておりますけれども、われわれが傳え聞くところによりますと、この聽聞会においては利害関係人がすべて会社の分割に反対の意見を表示したということになつておるのでありまして、この結果、その反対を押切つてその分割の指令がなされるものか、あるいは反対があるならば、それらの実質的な証拠を十分割案して、あるいは指定の解除ということに相なるか、ただいま微妙なところにきておるわけであります。しかしなお九十三社が手づかずになつておる。その九十三社は、これはもちろん大きな企業がおもでありまして、たとえば石炭であるとか、紡績であるとか、日本発送電であるとかいうようなものを含んでおるのでありますが、これらにつきましても、お話がございました四原則の発表以來、さらに再檢討の方針にだんだんきておるようでありまして、これは政府としてはそのままはつきりとは申し上げられないところでありますけれども、そのうちの相当多くはもとに遡つて指定の取消に相なるのじやないかというような情勢にあるように見受けられでおるのでございます。なお今までの説明の中で、企業の再編成を要しない百七十五社の会社のうち、手つかずになつているのが四十二社あると申しましたが、この四十二社につきましても、事情はまつたく同じでありまして、むしろこの方が状手が軽いわけでありますから、この方が片づきやすい、最もうまく行く場合におきましては、今月中にも司令部を持株会社整理委員会との会合におきまして、あるいは指定の取消しを見られるものが相当多いのではないか、というような情勢にあるようでございます。しかしこれは、何を申しましても、この法律案の提出なり一應の御説明は、われわれ政府側からいたしておりますけれども、この経済力集中排除担当機関になつております持株会社整理委員会が、政府の行政機関そのものとは、御承知の通り、違うのでありまして、これは一つの法人でありまして、しかも司令部からの監督を受けておる。逆に申しますと、むしろ財閥解体なり集中排除の処置は、日本そのものの行政機関でやつたのでは、法律の目的が達せられない。むしろそのためには、政府から離した特別の機関をつくつて、それをして公正にやらせる、こういう趣旨のもとにつくられた持株会社整理委員会が担当いたしておるのでありまして、政府は、正直にいえば、これを取巻いておる、さような形でありますので、私もここで言明はいたしかねているところでございます。なお最後に御質問がございました四原則が示された以上、持株会社整理委員会が、すでに公示いたしておりますところの集中排除法のこの点に関するいろいろな基準等について、矛盾が生じておらないか。生じておるならば、この際改める方向に向つておるか。さらにもつと根本的には、本法そのものの重要部分にさかのぼつて、これを根本的に改正したらどうか、というような御意見のように承りましたが、持株会社整理委員会が公示いたしておりますところの集中排除の基準、これはお説のようなところが、四原則が発表いたされましてから今日までの間におきましても、われわれの間でも問題になつておつたのでありますけれども、実のところ、この基準は法律そのものではない。ただ一つの手引きにすぎない。こういう措置をやる場合は、この準則にのつとるのだという、いろいろ書き込んだ手引きのようなものでありまして、しかもこの基準は、指定をする場合の基準というものも相当の部分を占めており、指定については、先ほど申しました三百二十五社の指定をもつてまつたく完了しておる。なぜならば、この法律の第何條かにもございますように、指定の期間は本年九月三十日までになつておりまして、これを動かすことはできないのでありまして、今日までのところ、指定をしようといたしましても、法律の期間が満了しておりますから、もう指定のしようがありません。從つてあの規定の部分がすでに死んでおるものを、今さらさかのぼつてあの基準を改正してみても、何ということはない。その他解除の具体的措置につきましても、若干の基準はございますけれども、これは法律でなしに基準であるから、四原則が示されました以上は、もうその基準のごやつかいにならなくても済む部分が多かろう、ことに、これは釈迦に説法で申訳ありませんが、この法律の立て方が英米法の立て方になつておりますので、すべて一つの規則が一つの規則と矛盾しない。必ず明文をもつて規定するという從來のわが国の法制の立て方をとつておらない。四原則というものは、別に法律そのものでなくても、同じような意味の法的拘束力をもつているものと解してさしつかえないのでありまして、その意味において基準を特に改めるという必要もないものと、われわれは思つております。またもう一つの点、法律そのものを根本的に改正したらどうかという点につきましては、これは御承知の通り、元來この過度経済力集中排除法は、昨年の十月第一國会に提案されましたときには、実はただいま御指摘がありました、持株会社整理委員会の基準と同じように、非常に欲張つて、何を過度経済力集中と認めるかということにつきましても、いろいろな角度から大きな網をかぶせてあつたのが原案でございます。たとえば関連しない二つの事業分野にまたがつて企業をもつている場合には、それ自体が企業の集中である。あるいはまた会社等の企業でなくても、個人あるいは家族等が富を集中して、その富の力が企業を支配するというような状態になつておる場合には、個人の財産そのものがやはり企業の経済力集中だと認める。こういうような規定も当初の政府提出案にはございましたが、これが衆議院及び参議院等におきまして、非常な論議がかわされました結果、今日の第三條では、過度の経済力の集中とは何をいうか、これき私企業に限る。しかもその私企業の態様は、その私企業が一つの分野において非常に大きくなり過ぎて、他のものの競爭力をまつたく制限するとか、他のものが独立して事業を営むことを阻害しておるというような状態に明瞭にあるものだけが、企業の仕中だ、つまり言い直すならば、今日新たに示さんた四原則が、そのときにすでに法律そのものの中において明瞭に直されておる。ただその後の運用があぶなげであつたために、今日四原則の形において、参議院、衆議院等において訂正された法律の形が明瞭に示された、こういう形になつておりますために、法律そのものはこの際いじらなくても、まつたく四原則の運用で行き得るのではないか。殊にこの法律施行後一箇月をたちまして、先ほど申しましたような状態にある。しかもこれらは微妙な情勢のもとに、きわめて短期間に緩和される情勢が明瞭である際に、いたずらにもとにさかのぼつて法律そのものをいじり直すということは、必ずしも情勢上策を得たものでないようにも考えられますので、相なるべくはいじらない方がよかろう。われわれはかように考えておりますし、また持株会社整理委員会や司令部内部の動きも、さようなようだと承つております。

高橋清治郎民主党

○高橋(清)委員 いろいろ四原則の御説明を承りましたが、現在期間を延長することによりまして、実際その再編成を指定されたところの会社の生産能力というものは、その間逡巡しておるような点はないでありましようが、現に私の知つておる会社などは、そのために非常に逡巡しておるような会社があるようですが、その点はいかがでございますか。

内田常雄総理廳事務官

○内田政府委員 お答えをいたします。今回國会に提案いたされておりますところの二十六條の改正案は、現行の二十六條そのものの書き方が惡いために、非常に誤解されるような書き方であるために、從つて今度の改正案も、ただいまの御質問にございましたように、何か集中排除そのものの期間をこの際半年も延長するように、誤解をされがちでございますが、今度の改正はさような趣旨ではなしに、集中排除法そのものは現存しておる。そして持株会社整理委員会がこれを担当しておるが、この現行二十六條では、大体集中排除の見透しがついたところで、持株会社整理委員会がその仕事を、別の政府の行政官廳であるところの公正取引委員会に移管する。その移管するためには、本年の末までに、移管に関する手続法を別に國会でつくる、こういう建前になつておる。そのつくることを、今まで御説明をいたしましたような情勢のもとに、さような移管に関する手続法をこの際つくることは必ずしも適当としないから、そのままこの問題のしりぬぐいは、今しばらく持株会社整理委員会をしてさせておく、そうしてもう少し形がついたところで公正取引委員会に移すというような法律、つまり期間に関するまつたくつまらぬ手続法をつくる、こういうことでございまして、從つて今度の改正そのものは、経済力集中排除法の指定を受けた会社を、そのまま未解決のままで半年先にほうつておく、こういう趣旨ではございません。むしろ御質問の目的は、指定を受けたら指定を受けたでしかたがないから、これを早く解除するなり、あるいは分割するなり、さつさと決定をすべきものだと思う。そうしないと不安がいつまでも残る。また事業によつては分割しないで、もとのままにしておいた方が、その企業にとつても、また國民経済にとつても便利であるから、むしろ指定を取消すなりあるいは別の方法で、指定会社といえども、從來の事業はそう一々持株会社整理委員会の承認その他の拘束がなくても、スムースに事業ができるようなかつこうに置くことにしたらどうか。こういうことの問題だろうと思いますが、その問題につきましては、別に御承知の制限会社令というものがございまして、それの拘束を受けておる会社が千以上もある。それも今度だんだん制限が解けて樂になる傾向に最近なつて参つておりますから、それとの関連において、たとい経済力集中として指定を受けておる会社に対しても、何とか仕事を分割して樂にできる方法を——  これはこの法律の問題でなく、別の問題として取るようにわれわれも努力をいたしたい、かように考えております。

高橋清治郎民主党

○高橋(清)委員 御説明よくわかりましたが、実はこういう実際問題が私の知つておる指定会社の中にあるのです。幾つかの会社に分割することにすでに決定して、その分割された会社の重役陣も顏ぶれも大体内定しておる。ところがこれが緩和されることによつて、前の経営者がカム・バツクするために、大体内定しておつたところの重役陣はこれに反対しておる。そういう対立的な傾向で発言しておるような場合があるのでありまして、こういうことは実はどうかということをちよつとお伺いしたのでありますが、大体わかりましたから、それでよろしゆうございます。

水田三喜男民主自由党

○水田委員長 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止〕

水田三喜男民主自由党

○水田委員長 速記を始めてください。  ほかに御質疑がなければ本日はこの程度で散会いたします。次会は十五日午後一時より再開いたします。     午後二時三十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗