P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
3回国会衆議院1948/11/16

海外同胞引揚に関する特別委員会 第2号

発言数
28
登壇者
9
会派数
4
開催日
1948/11/16

会議録

河野金昇国民協同党

○河野委員長 ただいまから会議を開きます。  同胞救援議員連盟で案ができておりまして、本日の参議院の本会議並びに衆議院の本会議に、海外残留同胞引揚促進に関する決議案を提出することになりました。お手元に案文はお配りしてあると思いますが一應こちらから読みます。    海外残留同胞引揚促進に関する決議案  終戰以來今日まで六百余万人の引揚が実施されたことは連合國の好意によるもので、われらの厚く感謝するところである。  しかし今なお四度の冬を外地に過しつつある同胞は五十余万を算える。  その引揚の速かなる完了は留守家族はもとより全國民の熱望である。  連合國の積極的努力によつて、この冬期間においてもこれら残留同胞の送還を継続されるよう要望してやまない。  政府は本決議に基き直ちに万善の方策を講ずべきである。  ここに衆議院は総意を以つて右決議する。  この案文でありますけれども、御賛成を願いたいと思います。

河野金昇国民協同党

○河野委員長 御賛成をいただいたことといたしまして、この決議案の趣旨弁明をしていただかなければなりませんが……。

河野金昇国民協同党

○河野委員長 それではこの決議案の趣旨弁明は松尾トシ君にお願いをし、各党五分間以内の賛成演説をしていただきたいと思います。その方がわかつておれば各党お知らせ願いたいし、わかつておらなかつたならばあとで事務の方までお知らせおきを願いたいと存じます。

高橋長治民主党

○高橋(長)委員 民主党は最上英子君。

河野金昇国民協同党

○河野委員長 それでは今日の日程の三番目かに出ることになると思いますが、今お申出のないところはどうか……。

河野金昇国民協同党

○河野委員長 それが諸般の情勢上なるべく婦人議員のお方やら何かがおやりになつた方がよかろうという議論が多いようでありまして、委員長は多数の御意見に從つてそういうことにしたいと思いますが、棄権なさいますことは御自由であります。  それでは決議案の取扱いはさよう決定いたします。     —————————————

河野金昇国民協同党

○河野委員長 次に帰還者課税特例に関する件を議題といたします。  この問題は第二國会の決議案に基きまして、法案の原案はできましたけれども、いろいろな関係でまだ具体化しておらないのであります。國会の権威のためにも、これをそのままにしておくわけにも参りませんから、本國会においてこれを継続審議し、実現をはかりたいと思いますが、この問題に対しまして、御意見のある方は承りたいと存じます。

川合彰武日本社会党

○川合委員 本件に関しましては、御承知の通りに第二國会の五月の決議案におきまして、これがその決議案の中の項目として、衆議院において、同時にまた参議院において議決されておるわけであります。從いまして、同胞救援議員連盟としまして早速法律化に着手しまして、本日お手元に差上げてあるような法案を一應作成したのであります。その後これを議員提出として提案するために、関係筋と折衝して参つたのでありますが、関係筋の内部においていろいろな議論があり、その間の詳細は省略いたしますが、要は決議案として採択された限りにおいては、行政官廳である大藏省、また地方公共團体が、この決議の線に沿うような施策をとるべきである。從つてあえて法案としなくてもよいのではないかというような解釈のもとに、一應この法案の議員提出ということを差控えて今日まで参つておるのでありますが、その後これが当局の方からも内閣提出の法案として提出されないし、かつまた地方公共團体におきましてもこの取扱いについては種々まちまちであるという観点からして、同胞救援議員連盟としましては再び関係筋と折衝しているような訳合いであります。從いまして、この特例法案の案文に関しましては、ほとんど御議論がないのではないかというように私は考えるのであります。ついては本法案に関する大藏省の所見を承りたい、かように考えるものであります。

辻克藏大藏事務官

○辻説明員 ただいまお話がございました帰還者課税特例法案に関しまして、大藏省の方の見解を簡單に申し上げます。  先般第二國会におきまして、この特例法案が議員提出の形でもつて一應成文化の手続をおきめになつて、さらに関係方面に御交渉になつたということは、私どもも承知しているのであります。その際も私どもの意見といたしましては、帰還者の方々に対して課税上の特例をすることは、なかなか困難であるということは申し上げたことでございます。その後決議文に基きまして、引揚同胞対策審議会が内閣にできまして、その審議会の席上及びそれの分科会におきまして、課税上の措置の問題が、数次にわたつて問題になりました。その会合のときにも、大藏省といたしましては、引揚者、帰還者の立場には非常に同情しなければならない点が多々あるけれども、第一に所得税については、一定の所得がある場合にはその担税力に應じて課税をするということがまず建前である。第二に、本年の第二國会においてきめられました所得税法の改正によりまして、所得税の税率が非常に低くなつている。基礎控除、家族控除が引上げられました結果、帰還者に課税いたしましても別段過重になるというおそれは非常に少い。御承知のことだと思いますが、基礎控除が引上げられ、扶養家族控除が引上げられました結果、扶養家族が四人の場合で申しますと、三万四千円ぐらいまでは、それを越さないと課税されません。また課税される場合におきましても、負担が改正によつて相当軽くなつているという点が第二点でございます。さらに戰死者等の遺族に対しましても、現在課税上の特例を何ら設けておりません。こういう点から見ましても、引揚者等に免税することは非常に困難である。さらに引揚者等の援護厚生等につきましては、同審議会ができまして、いろいろな方途を御考究中であるし、さらにすでに一部は実行しておられるようでありますが、そういう援護厚生の他の方途を強力に講じて行きたい。現在のいろいろな諸般の情勢からいたしまして、財政の現状あるいは諸般の事情からいたしまして引揚者に特例を設けるということは私どもとしては非常に困難である、かように大藏省としては今考えているようなわけであります。簡單でございますが、特例法の件に関して、さしあたり大藏省としてどういう立場にあるかということを御説明いたした次第であります。

川合彰武日本社会党

○川合委員 なおお聞きしますが、たしか昭和二十一年には、こういうような法律として取扱つた、あるいは行政的措置として取扱つたものは記憶がありませんが、そういうふうな引揚者に対する免税の措置がとられたというふうに記憶があるのですが、その点はどんなものですか。

辻克藏大藏事務官

○辻説明員 ただいま川合委員の御質問に対しましては、法律上引揚者に対しまして課税を免除したことはございません。ただ災害者の國税減免法が終戰後約一箇年、昭和二十一年の八月十五日まで存続しておりまして、その期間中は引揚者を戰災者と同様に取扱つたことがございますが、かような措置は法律上に基いてやつたわけではなく、また二十一年の八月十五日以後は全然廃止されておるのであります。

川合彰武日本社会党

○川合委員 われわれは政府当局の説明は、理論的には一應首肯せられる点があるのでありますが、しかしながら、本問題が本年の五月の第二國会において衆参両院において議決せられた決議案である限りにおいては、われわれは國民の意思というものがそこに表現された。すなわち帰還者に対しては課税の特例をすべしということが、國民の意思として表示せられておるのであります。從いまして難点は、関係筋がこれに対して承諾をするかどうかということであります。從つて結論的に申すならば、われわれは政府側においてこれを提案する意思の有無にかかわらず、われわれとしては関係筋のオーケーを得るならば、これはぜひとも提案する義務を感ずる。しかもこれは國の收入の点においては、さほどの額には達しない。問題は人情の機微という点、あるいはまた自分の意思に関せずに、しかも嚴寒のシベリヤあたりにおいて苦労されて來たということから感じまして、どうしてもこれは政治的に打つべき手であろうとわれわれとしては考え、その考えの結論が先ほど申しました五月の決議案となつておると考えられますので、私は政府がこういう問題に対する御意思のいかんにかかわらず、全國民の意思を表現するものとして、関係筋の了解を得るならば、ぜひとも本委員会において成立せしめたいと考えるのでありまして、どうかそういう方向に委員長が本件をお運び賜わらんことを切望します。

河野金昇国民協同党

○河野委員長 本問題に関してほかに御発言はありませんか。——大藏当局としてはもちろんその立場はわかりますけれども、厚生省はまた別の立場があろうと思うのであります。この引揚者並びに未復員家族が今日どういう状態に置かれておるかということは、もちろんおわかりのことと思いますが、厚生省の立場から本問題に対して、何も法律的のこととか何とかをお聞きするわけではございませんけれども、お考えがあつたら承らしていただいておくと、われわれ委員が今後これを取扱う上においても、何らかの参考になると思います。

庄司一郎民主自由党厚生政務次官

○庄司政府委員 ただいま御審議中の引揚者及び同家族関係の課税問題の特例を設けてほしいという意味における國会側よりの御研究の結果の御提案に関して、吉田内閣としてはただいま大藏当局が事務的に述べられた通り一應同感であります。しかしながら、ただいま法律的な見解や責任問題という意味からでなく、率直に厚生省の考え方あるいは信念はどうかという意味における、まことにさばけたお尋ねのようでございますから、ただいま大藏当局が述べられたのは、もつぱら税関係の事務的な処理の面より述べられたものと考えまして、あるいは結論において食い違いが出るかもわかりませんが、厚生省という厚生行政の観点から御参考のために、信念、信條の一端を吐露させていただきまするならば、厚生行政の基本はあらためて申し上げるまでもなく社会正義の基盤に立ち、あくまでも高度なる社会政策を推進して行くことが、厚生省の大いなる役目であると不肖は考えております。そういう意味から帰還者の諸君、あるいは遺家族の諸君等、さしあたり收入において、あるいは生活において、大体論からいえば非常にお困りの國民中の一部の同胞諸君に対し、税の本質論から言いましても、より多くの收入のある者には、社会政策的高度なる累進課税を賦課し、その收入のまだ固定しない、生活の安定しない氣の毒なる境遇にある同胞には、つとめて社会政策的に税の軽減をはかり、あるいは免税を断行して、さような氣の毒な境涯におられる諸君の家庭にあたたかい愛の立法が惠まれることが、厚生行政の根本的な基本精神の上からは望ましいことであろうと考えております。從いましてただいま申し上げたように、課税関係の大藏当局の事務的な見解とは、よほど隔りのある見解を持つておるような次第でありまするが、せつかく委員各位が御配慮の上立案された本法のごとき愛の立法——私は愛の立法と申し上げたいのですが、かような立法が大藏当局においてもきわめて近代的政治感覚をもつて高度なる社会政策的な政治的解決の上において是認されるように相なりますることは、厚生行政の面からも願わしいことであると考えております。

川合彰武日本社会党

○川合委員 今厚生大臣であり同時に副総理である林國務大臣がお見えになりましたので、この機会にあらためて私から御所見を承りたいと思うのであります。  申し上げるまでもなく本委員会はまつたく超党派的な会合を続けて参りまして、そうしてなごやかに第一國会以來この会を運営して参つております。從いまして私たちは決して野党であるという心組みをもつて御質問するというような意思は毛頭持つておりませんから、その点どうぞ御懸念なく御腹藏ない御意見を承れば幸いと思つております。  先ほど申しましたように、現在問題になつております帰還者課税特例法案は、本年五月の第二國会におきまして引揚同胞対策の決議案のうちの第一項目でありまして、そのうちにこういうようなことを立法化しなければいけないということが織り込まれまして、これが議決されたわけであります。それに対しまして私どもは、なるべく政府の提案としてそれを善処していただこうと思つておつたのでありますが、政府の方からたびたび関係方面に折衝されたのでありますが、かなり難点があるというようなことからいたしまして、御承知のような同胞救援議員連盟の名におきまして関係方面と交渉して参つたのであります。ところが第二國会中には遂にそれが成果を見ることがなかつたわけでありまして、第三國会におきまして現在折衝中であります。從いまして、これは政府の人々が言えない点を、われわれが議員として言いまして、やや向うの方も私どもの意見を採用するようなところまで來ておるように聞いております。從いまして、政府としてはもうぎりぎり一ぱいのところまで折衝されたというように思つておられるかもしれませんが、私どもは、今後一層努力いたしまして、ぜひともこれが提案に対するオーケーをもらおう、かように考えておるのであります。もしかようなオーケーがもらえるような段階に到達したときにおきましては、私は、相なるべくは、こういうような議案というものは、議員提出ではなく、政府の提出議案として出された方がいいのではないか、かように考えておるのであります。先ほど主税局の方の御意見の應能負担の原則というような税制の建前から言うならば、もちろんわれわれはそれを首肯するものであります。しかし先ほど申し上げましたように、全体の空氣なり國民の意思というようなものから考えまして、人情の機微というようなこととあわせて、後ほどまた御質問申し上げたいと思いますが、この引揚問題に関する國民の現在の政府あるいは國会に対するいろいろな不満なり不平があるようでありますので、われわれとしては、今庄司政府委員がおつしやいましたように、愛の立法ということは政府みずからがおやりになることが必要ではないかというように考えておるのであります。從來の経過を概略述べるとともに、これに対する吉田内閣を代表しての林副総理の御意見を承りたい、かように考えております。

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○林國務大臣 遅れて参りまして、初めに庄司政務次官からどういうことを申されましたか知りませんが、中ほどより伺いましたところにおいては、帰還者課税特例の問題につきましては、庄司君のおつしやつた事柄に対しまして私は全然同感であります。從つてきわめて御同情申し上げるべき帰還者に対しては、特別の考慮をしなければならないものと私も考えます。從つて、先ほど大藏当局の述べられました事柄は伺つておりませんし、また事務的に行う上においては、政治的に行う意味とは多少異なつた見解を持たれるようなこともあろうかとは考えますけれども、私どもは、先ほどあなたのおつしやいましたように、愛の心持を持つての法律案といたしまして、われわれはこれが実現に努力をいたしてみたいと考えます。

河野金昇国民協同党

○河野委員長 委員長からもお願いしておきます。特にこの問題は、去る五月の國会において、林さん初め、庄司さん、近藤さんあたりも全部御賛成くださつた決議案の内容を具体化したものでありますから、議員だけにまかせずに、ぜひ政府も一体となつてこれが一日も早く実現できるようにお努力のほどをお願いいたします。  その他御発言ありませんか。——それでは、この問題は今明日というような問題ではありませんから、懸案事項として、次に移りたいと思いますが、御異議ありませんか。

河野金昇国民協同党

○河野委員長 それでは次に移ります。  帰還者に対する復興金融金庫特別融資の件を議題といたします。

川合彰武日本社会党

○川合委員 その前に、めつたに厚生大臣も今までお見えにならなかつたわけでありますし、かつまた副総理としてのお立場もありますので、いずれこれは本日の本会議に決議案が上程される際、おそらく政府からも意見が述べられ、また経過の御報告があろうかと存じますが、私たちは、引揚げ問題に関しまして、御承知の通りに十月末には断食の大会が開かれたというようなことも起つております。そうしてこの問題に関しましては、先ほど申し述べましたように、政府もあるいはまた國会も頼むに足らないということさえ國民の間には流布されておるようなわけであります。從いまして、この機会に、本会議等で述べられないような、比較的に内密と申しましてはへんでありますが、あまり公開の席上で言えないような事項をもあわせて、現在の政府が主としてソ連領におられるところの未帰還者に対してどういうような措置をおとりになつておるかというような経過を御報告願えれば幸いと存じます。

倭島英二外務事務官

○倭島政府委員 今の御質問にお答えいたします。ただ最近の引揚げ問題につきましては、政府といたしましては、司令部にお願いする一筋道でございまして、その司令部でとられた諸般の処置につきましては、最近二、三の司令部の発表がございまして、御承知だと思いますが、なおそれにつきまして多少司令部の方とその発表に関して向うの意向をさらにただした点がありますので、一、二つけ加えて申し上げようと思います。  最近の司令部の発表で、十月二十五日に発表がありましたように、冬季の引揚げ継続ということについて、司令部からソ連の方へ申入れが十月中ごろなされた模様でございまして、その趣旨は、去年の十二月から今年の四月まで引揚げが中止せられましたおもなるソ連側の理由は、困難なる天候状況と、それから結氷のために引揚げが継続できないという理由があげられておつたためだと思いますが、司令部からの今年の申出は、氷の関係でもしも困難であるということならば、碎氷船を引揚船につけて差向けたい、それから冬季の冬着だとか、あるいは暖房裝置だとか、その他食糧の点についても、冬季引揚げ継続に必要な関係の施設をして、ソ連側が指定するアジアにあるソ連の港へ、どこでも指定されればそこへ送るから、ぜひ継続をしたいということを、十月中ごろに司令部から申し込まれた模様であります。それがちようど十月二十五日に発表せられております。  それから五日後の十月三十日にさらに司令部の発表がございました。それによりますと、ちようど司令部から冬季継続の交渉の申出をしたとほとんど同じころに、ソ連の方から、引揚げる費用を日本政府は拂うことになつておるが、その問題について協議をしたいという申出があつた模様であります。十月二十九日のソ連側の新聞で先にそのことが発表せられて、十月の三十日に司令部の発表となつたのでございますが、その十月三十日の司令部の発表では、大分從來の発表せられた点につけ加えて、はつきりせられた点がございましたので、念のためにその要点だけをここで申し上げますと、ソ連の引揚げ費用支拂いの要求は、何らこれを正当とする根拠がないということと、米ソ協定によると、一箇月五万人を帰すことになつておるが、過去十八箇月の間、その五万のクオーターに達しておらないということ。十一月の前般においては、引揚船の要求がなくて、これは明らかにソ連当局が自分の理由で一時的にもせよ、協定にそむいて引揚げを中止することになつたことを示すものであるということ。從つていわゆる経費の問題は、ソ連当局が引揚げ中止の口実に使うこともあり得る。なお引揚げの協定によれば、日本の引揚者がソ連の支配に属する港から乘船したとき以後の費用は、日本政府が支拂うことになつておるし、現に支拂つて來ておる。逆にソ連側の港から解放される以前の費用は、すべてソ連の責任である。これはどの連合國からの引揚げでも同様である。さらに司令部はすみやかに引揚げを完了すべきものと認めており、一箇月十六万の引揚げを実行できるように船の提供をする用意がある。この点をソ連側が受諾できないことに遁辞して、その重大なる責任を免れることはできないと、相当はつきりしたことが述べられておりました。  この十月三十日の司令部の発表の中で、費用の問題は、將來引揚げの継続等と何か関連されるようなことになりはしないかという懸念もありましたので、この点について司令部の見解を尋ねたのでありますが、司令部の見解としては、今申し上げましたように、費用の問題は、從來の米ソ間の協定ではこの際起りようがない。從來の協定にある費用というものは拂われて來ておるし、ほかに拂うという費用の問題はない。從つてこの費用の問題の要求といいますか、それを協議したいという申出があつたが、それは根拠がないし、また継続の問題とは別問題であるという見解を強くとつておられるようであります。費用の問題につきましても、ただ大ざつぱに引揚げ費用についての協議をしたいという申出があつただけで、その内容だとか、出す額だとかいうことは、何ら申出がないようであります。とにかくわれわれの一番の心配は、費用を拂わないから帰さないということになるとたいへんだということで、その点についてもそういうことは関連させて考えられないように、今後も司令部の方で十分なる善処をお願いしたいということで、われわれの希望を申し入れたわけであります。  なおその十月三十日の司令部の発表では、十一月の引揚船の要求がないということが書いてございましたが、その後十一月の一日になりましてからその後三回にわたりまして、十一月の後半における引揚船の要求が参りました。結局十一月の後半から十二月の初めにちよつとかかりますが、三万七千帰つて來るという現在の予定になつております。  今年の五月からこの十一月の今予定の分も含めますと、この七箇月の間にソ連の支配地区から帰つて参りました者が、帰つたもの及び十一月のものを入れて二十七万三千七百五十三名ということになりまして、あと残つておるものは四十万九千六百七十二名、すなわち今年の七箇月間に帰つて來たものよりも、まだ多い数のものが向うに残つておる。從つて十二月以後の引揚げの継続もぜひ続けてもらいたい。そのことについて、政府からもさらに申入れをいたしまして、司令部の方でもその後とられた処置については、まだ具体的な説明はございませんが、いろいろそれについて考えておるからというようなことでございました。

庄司彦男日本社会党

○庄司(彦)委員 厚生大臣にお尋ねするというよりも、お願いしたいことがあるのでありますが、実は引揚者が各引揚地から自宅へ帰りますについては、引揚げ列車なるものが使われておるのであります。ところが援護連の方で人手が足りないものでありますから、救出学生同盟がほとんどこれのお手傳いをしておるのであります。中には医科の者もありまして、医療具その他を自弁で出してやつておるものもあるのであります。非常に熱心にやつたために、熱海で一人の学生の犧牲者を出したくらいの例もあります。ところが御承知の通り、学生が自弁でやつたり、あるいは地方廳によつては地方の費用を出して、そしてこれをやらせておる。帰つて來る者の中には、日本に対するいろいろなデマや何かで非常に間違つた認識をもつておる連中もあるのであります。ところがこの学生同盟の連中がその点をよく是正してくれる場合が多いし、また親身になつて手傳つてくれておるものでありますから、各方面から非常に感謝されておるのであります。しかるに、学生同盟の経費の少いことと、それから自弁が多いものでありますから、非常に困つておる。そこで何とかこの各府縣の学生同盟に対して、少くとも地方廳で出す程度の御援助の費用を、厚生省で予算の方に入れていただくわけに行かないかということをお願いしたいのでございます。

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○林國務大臣 ただいま庄司委員からのお話でありますが、かれこれ予算に関係することであると考えますが、よく取調べまして、もしできるような方法があるとすれば、若干考えるような方法を講じて参りたい。その内容については、私は就任早々でまつたく存じておりません。從つて事務的に取調べまして、できるような道があれば、若干の方法を講じたいと考えます。

川合彰武日本社会党

○川合委員 引揚げ促進のことに関する経過に関しましては、倭島外務省局長からるる御説明がありまして、私どももこれを了とするのでありますが、そこで私は政府にお願いしたい点は、私どもはよくその間の事情を了承しておりますので、何ら宣傳に迷わされるようなことはないことはもちろんでありますが、最近は御承知の通りに、ある政党がその政党の勢力のために引揚げ問題を引合いに出しておるというようなわけであります。そこでこれらに関する批判は避けますが、私は連合軍最高司令部がポツダム宣言に基いて、かつまた人道上の見地からして、いろいろとソ連当局と折衝を続けられておることに関しましては、われわれは非常に敬意を表しておるのでありますが、かような事柄も、國民に対してわれわれがるる説明いたしますけれども、他の方の宣傳がかなり強いため、ことに最近ソ連から引揚げて帰られて來た諸君の中には、いわゆる共産党教育が浸潤しておる方が相当に多い。そのためにいろいろな問題を投げかけておる。私の出身地は浜松でありますが、浜松においても先月ソ連から引揚げた人たちの擁護同盟というのができまして、これらが相当に共産党の地区細胞とタイアツプいたしまして、いろいろ活動をしておる。それが單に共産党の現われた活動ならば、何らわれわれは意とするに足らぬのでありますが、非常にその留守家族に対しまして、何と申しますか、影響力の強い、ソ連における邦人の問題をとらえまして、うまくいろいろなことを宣傳しておるのであります。その宣傳の結論は、要するに連合軍司令部、あるいはまた日本の政府の引揚げ問題に対するところの怠慢、少くともきわめて関心が薄いというようなことを指摘しておるということは、つとに御承知の通りであります。そこで私たちはこの際政府に対しまして、強く要望したい点は、どうか吉田総理がマツカーサー元帥に対しまして、引揚げの促進に関する懇請を積極的にされていただきたいという点と、さらにまた吉田総理の口を通して、マツカーサー元帥にこういうようなことのお願いをしてほしい。と申しますのは、先ほど倭島局長からお話のあつた通りに、連合軍の司令部からときどき御発表もあるのでありまして、私どももこれに対しましては深く感謝しておるのでありまするが、もつと具体的に、たとえばスターリン首相に対してこういうような交渉をしたのであるとか、あるいはまたデレヴイヤンコ代表に対して言つたのであるとか、そういうようなことに関しまして、留守家族というような人たちは、そのことにのみとらわれておりますので、あの程度の説明ではなかなか納得しがたいようでありますから、もう少し詳細な経過の御発表を願えるならば、おそらく留守家族も他の政党の宣傳に迷わされることなくして、連合軍の好意あるところのいろいろな施策に対しまして、一層の感謝をささげるだろうと思うわけであります。從いまして連合軍の発表に際して、もう少し具体的にいろいろと発表を願いたい。また政府といたしましても、どうか政党のいろいろな宣傳に乘せられないような施策を、この機会にとつていただけないものかということを要請いたしまして、これに関しまして、もし林さんの御所見でも承れれば幸いと思います。

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○林國務大臣 ただいまお話のマツカーサー元帥などに対する希望は総理大臣にもよくその趣を申し上げまして、何か方法を講せられるものであろうか、その辺のことを要望をいたすことにいたしたいと考えます。なお共産党あたりに対するところの問題につきましては、政府もできるだけ努力をいたして参りたいと思います。具体的な案をどうするかということにつきましては、私今ただちに申し上げるだけの案の持合せがございませんが、よく考究をいたしまして、努力をいたしたいと思います。     —————————————

河野金昇国民協同党

○河野委員長 次に復金の問題に対しまして大藏当局から御説明願いたいと思います。

田邊繁雄厚生事務官

○田邊説明員 引揚者の事業に対する復金の特別融資の問題でありますが、速記をやめていただきたい。

河野金昇国民協同党

○河野委員長 速記をやめて。

河野金昇国民協同党

○河野委員長 速記を始めて。本会議も開かれたようでございますし、こちらの決議案も上程されることでございますから、本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時三十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗