運輸委員会 第8号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/11/19
会議録
○有田委員長 開会いたします。 まず日本國有鉄道法案の審査に入るに先だちまして、これより戰時海運管理令の効力延長に関する件を議題として、当局の説明を聽取いたします。片岡政務次官。
○片岡政府委員 戰時海運管理令の効力延長につきまして御説明申し上げます。船舶運営会の基礎法規であります戰時海道管理令は、今月末日で効力を失効いたしますので、その措置について関係方面と折衝いたしておりましたところ、このたびもポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く政令によつて、その効力を六箇月間延長するようにとの口頭の指示を受けました、戰時海運管理令は、この措置によつて効力が延長されるのでありますが、さきに九月二日スキヤピン一九三一によつて、船舶の裸用船を定期用船に切りかえる旨の指令がありましたので、現在の法制のもとにおいてそ内の容を実質的に改正して行くことになるのであります。御審議の上御了解くださるようお願い申し上げます。
○有田委員長 本件に関して何か御質疑はございませんか。——御質疑なければ本委員会として本件を了承するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○有田委員長 御異議なして認め本件を了承いたしました。 —————————————
○有田委員長 それではこれより、前会に引続き日本國有鉄道法案を議題として質疑を続行いたします。高瀬傳君。
○高瀬委員 今回議題となつております日本國有鉄道法案について二、三私は質疑をいたしたいと思います。特にこの國有鉄道法案が草案される理由といたしまして、今年の七月にマツカーサー元帥の書簡が発せられて、それが基礎になつておることは私がここで申し上げる要もないのでありますが、その書簡の中に、この事業を運営、管理するために、適当な方法により、パブリツク・コーポレーシヨンを組織せらるべきである。こういつたような字句があると思います。從つてこのマツカーサー元帥の書簡によりますと、私の了解するところでは、このパブリツク・コーポレーシヨンというのはいろいろな形態があると思うのであります。たとえば金の点からいえば、政府が全額出資するものもあるし、あるいは民間の資本を入れたものもあるし、あるいは株式組織のものもあれば、そうでないものもある。こういうようなわけで、英米諸國でも種々の形式のパブリツク・コーポレーシヨンがあると私は承知しております。本年七月のマツカーサー元帥の書簡のパブリツク・コーポレーシヨンという言葉も、こういうような意味が盛られておると思うのであります。 〔委員長退席、原(彪)委員長代理着席〕 そういたしますと、相当にこのパブリツク・コーポレーシヨンというものは廣い意味を持つておる。從つてこのパブリツク・コーポレーシヨンをつくれというだけの指示であるならば、國有鉄道を、こういう現在提案ちれておりまするような、この法案に示されたような形の公共企業体に改組することが適当であるかどうか。あるいはそれを露骨に申し上げれば、一体これは至上命令であるかどうか。こういう点は非常に私は疑問を持たざるを得ないのであります。また政府としてもこの形式が最も適当な方式であるか、そういうふうに考えられた結果、こういう形式をとられたのであるかどうか。こういうような点についてまず明確にひとつ政府の所見を伺つておきたいと思うのであります。
○下山説明員 今高瀬委員のお話の通り、公共企業体というものには、非常に國有鉄道に近い形から、民有に近い形まで、いろいろの形があることはその通りであります。そこで政府といたしましては、今度の指示によつて公共企業体を考えるときに、一番念頭に置きましたことは、数十年來の歴史を持つ國有鉄道を、ここで一挙に相当大幅な変革を行うことによつて起る混乱は、日常の輸送交通を担当しておる機関といたしまして、ぜひ避けたい。そこで將來はいろいろ理想的な形にして行くにしても、ともかくこの手紙に示されておる公共企業体に変革するということには、相当の時間的な制限もありますので、なるたけ現状と離れない形のものにしたいという氣持はあつたわけであります。そこで國有鉄道自身が相当わが國の大部分の交通の動脈を握つているし、世界各國の鉄道の経営体の趨勢から見て、民有民営の形から漸次國有國営の形にかわつて來ておる世界の趨勢も考慮に入れまして、このパブリツク・コーポレーシヨン、公共企業体の中でも、なるたけ國有國営の、いわゆる政府の色彩の強い方向に持つて行くつもりで考えたのであります。今度は実際の、細部のいろいろの経理、財政その他の具体的な問題につきましては、もう少し企業的色彩を持つた、官廳の種々の規則規定からはずれた、自由な経営ができるような方向にぜひ持つて行きたいと思つたのですが、この点も何分時間的な関係があつて、この法律の三十六條にもございますように、あとでこれはそういう適当するような方向に直すということで、この法案に盛られているような形でまずスタートすることにしたわけでございます。
○高瀬委員 実はただいま伺いたいことは、一体こういう形の企業体に改組することが、至上命令であるかどうか、こういう形でなければいかぬのかということが一つ。もう一つは、しからば運輸省として、こういうような案が現在として一番最善のとるべき処置であると考えてやられたのか。この二つをまずお答え願つてから、逐次質問をしたいと思います。その点にただいまの次官の御答弁は触れておらないようでありますから、その点を明確にしておきたい。
○下山説明員 マツカーサー元帥の手紙には、どういう形にしろということは指示がないので、要するに公共企業体ということが指示されておるわけであります。從つて公共企業体というものをどういう形にするかということについては、政府として考える余地があるわけであります。これが第一のお答えです。 それから今の形が一番いいと思つているかどうかという御質問ですが、それは先ほどお答えいたしましたように、現在の形が必ずしも理想的な、一番いい形とは思つておりません。そこで、そこに行くのには、先ほど申しましたように、大きな組織で大勢の從事員を持つて一日も欠くことのできない輸送、日々の運営をやつている事業ですから、理想的な形に持つて行くのに混乱等が起つては困るので、二段階あるいは三段階にわけて持つて行きたい。從つて最初の第一段の切りかえには、できるだけ現状に近い形で行きたいということを考えておるわけであります。その現状に近い形に行くのについては、先ほど申し上げましたように、会計、経理、財政の面において、現在の法案の盛られておるものが必ずしもこれが一番いいものとは考えておりません。しかし今回の臨時國会にどうしてもこの法案を提出するという時間的の制限があつたがために、後日これを直すのだということでこの法案が出ておるわけであります。
○高瀬委員 ただいまの御答弁で、これ以外の公共企業体について、鉄道に関する限り考慮の余地がないわけではないということ、それからこの提案された案が必ずしも最も適当な案でない、だんだんかえるのだという御意思、この二つをはつきり私は了承いたして次に移ります。 実は新聞などでよく傳えられるところによりますと、このマツカーサー元帥の書簡が出まして以來、運輸当局は鉄道審議会その他の会合を開いて、たとえば國鉄を運輸省の外局にする鉄道総廳案、あるいは公團的性格を持つている鉄道公廳案、そういうものを中心にしていろいろ議論された。あるいはそれ以外に現状維持でやつて行こうという議論も出たとか、いろいろのことを新聞で承知しているのであります。こういうような点で、結局出た案を見ると、本質的にあまり現状維持、鉄道総局案と大した相違がない。そういうようなところへ落ちついたということになるので、少し批判的に解釈すれば、現在のつまり官僚制度を一應温存いたして当らずさわらずやつて行こう。こういつたように考えられざるを得ないのであります。こういうような点について、運輸当局が鉄道審議会なり、あるいは鉄道のいろいろのエキスパートと相談されたことは新聞で承知いたしておりますが、一体司令部の関係において、こういうような点についてどんな過程をとつて折衝されたか。あるいはもつて進歩的な改革案を具体的に向うへひつさげて行つて司令部に対して折衝されたかどうか、つまり向うと協議されたかどうか。こういうような点について、われわれ議会として、やぶからぼうに法案を出されて何らの見当もつかないわけです。運輸省でこれを出す以上は、われわれの了解するところでは、幾ら早急のものであろうが、何であろうが、國家の機関として出す以上は、もつと優秀な案を出すべきものと私は解釈しいるわけであります。ただいまの運輸当局の御説明によると、必ずしもそうでない。それでは一体もつとよい進歩的な案をお持ちになつているのかいないのか。しかもそれを持つておられるならば、その進歩的な案に從つて改革案をつくつて、向うと折衝するのが事務当局として当然だと思う。つまりそういう点、この案を提示する過程において、運輸当局はそれをやられたかどうか、その点をひとつ伺つておきたい。われわれこれを審議する以上、非常に重大な問題でありますから、そういう点についてどの程度司令部と折衝されたか。私は鉄道審議会を攻撃するわけではありませんが、審議会のような鉄道の御用團体めいたものと、内輪だけで相談してわあわあやつて、いきなりこういう案をつくつて來てわれわれに審議しろと言つても、この案をつくるについての過程がはつきりわからないと、われわれは審議する上に非常に不便であり、運輸事務当局の立場も了解できないのですから、これをひとつはつきりと伺つておきたい。
○下山説明員 先ほど御説明申し上げましたように、運輸当局といたしましては、今高瀬委員のお説のように、國有鉄道審議会だけでなくて、各方面の御意見も伺つた結果、ここで急激に大きな変革を來すことは適当ではない。從つて形としては、改革の形で行くが、公團式な性格を持つた鉄道公廳、こういうような形でともかく行くのが適当であろうという結論を持つておつたのです。私どもの考えておりましたのは、形で鉄道総廳であるとか、あるいは公廳であるとか、公社ということよりも、内容の点について重きを置いておつたのでありまして、ともかく現在の会計制度のもと、現在の財政法、会計法等の適用を受けて、予算は全部國会に出し、また運賃等も國会でなければきめられないというようなことでは、独立採算制というか、鉄道の自主性というものは保てないので、この点については相当進歩的な考えをこの中に盛り込んで行くことまで考えておつたわけであります。ところが中途において、公共企業体にどうしてもしなければならないという相当強い助言を受けたものでありますから、公共企業体にするについて、形はどういう形になろうと、先ほど申し上げました財政、会計の方面の自主性なり、独立採算制なりということは、相当進歩的な形でぜひ織り込んで行きたいということで、再三再四関係当局と話合いをしたのでありますが、結局時間の関係上、そういうことは考えてもよろしいが、今度はまだ関係当局の方の研究も十分できていないから、追つて相談に乘ろう、時間がないので大体現在のままで行くような方向に示唆を受けましたので、私どもといたしましては、理想的に行けなくてはなはだ残念ではありましたが、そういう事情で今度の法案のような形になつたのが経緯であります。
○高瀬委員 そうしますと、結局運輸省の考えでおられることは、現状維持というような考えから一歩も出ていないということになるわけです。單に制約されたものは時間の関係というだけで、現状維持の思想以上一歩も出ていない。しかもこの前の運輸大臣の、この國在鉄道法案提出に至る理由の説明から見ましても、でき上つたものは國の今までの鉄道の機構と大した相違はない。公共企業体全体として本來の内容を完備しているとも言えない、こういうようなことを小澤運輸大臣は言つておるようでありますが、ただいまのような思想から言いますと、そういう結論が出るのは当然だ、これは決して不思議ではないと私は考える。しかし現在の國有鉄道の機構改革については、数度の運賃値上げその他によつて、國民は非常に重大な関心を持つておる。從つてこの機構改革がほんとうに民主主義的に行われるかどうかということは、國民生活に非常に重大な関係があると私は思うのであります。從つてもしマツカーサー元帥の書簡によつて國有鉄道の機構が改正されるということになりますれば、当然この関係の、労働法規はもちろんのことでありますが、労働法規以外の事業経営の面におきましても、赤字を克服して、眞に國民に希望を與えるような、自分たちの鉄道になれるような、能率的な民主主義的な改革が行われなければ、まつたくこれだけの大きな改革をやつても意味がない。そういう点については、おそらく現在の新聞の輿論もたびたび報じておりますように、その点が國民全体の声であつて、國有鉄道の経営の民主化と能率の向上ということこそ、最も國鉄改革に対する輿論の焦点であろうと私は思うのです。そういう点について輿論に全然耳をおおうということはありませんが、あまり無関心で、向うから言われたからといつて、運輸大臣も言われておりますように、國有鉄道の経営には、この機構の改革によつては経営面には大した期待は持てない、こういうことになりますと、一体國民全体が満足するかどうか、私はこの点非常に疑問に思わざるを得ないわけであります。ほんとうに國民の鉄道にするために、國有鉄道は國民に愛される鉄道であるとか何とかいう運動までやつておる今日でありますが、むしろこういうような状態では、とうてい機構を改革しても、あれはおれたちの鉄道だ、われわれが愛して利用する鉄道だという氣持にならないと思います。そういう点について、一体どういうふうにお考えになつておられるか。どうもその辺が私にはぴんと來ないのです。たいへんくどいようですが、その点をひとつ伺つておきたいと思います。
○下山説明員 今運輸当局としては、現状維持で行くように考えておるというようなお話ですが、先ほどから私の説明申し上げておりますのは、鉄道当局といたしましては、現状維持で行きたいということは申し上げておりませんので、今高瀬委員の言われるように、鉄道の運営上、独立採算制で赤字を克服して経営の成果をあげていくような方向に、財政と経営制度の改革については、相当進歩的なことを考えておる。これをぜひ実行に移したいという考えは今も持つておるわけです。ただそれが先ほど申し上げましたような関係方面との話合いの結果、時間的その他の問題で今回は実現できなかつたが、これはしかるべき近い機会に法律を改正して、この形に持つて行きたいというのが念願であります。從つて私ども運輸当局として考えておりますのは、現状維持のまませんじて、このままほおかぶりしようという考えは毛頭持つていないことを、ここではつきり申し上げておきます。 それからもう一つ、先ほどちよつと話が出ましたが、現在の鉄道総局関係とちつとも違わないではないかというお話なんですが、今度の公共企業体の形にいたしました最も大きな点は、この公共企業体の普通の株式会社というような考え方をいたしますれば、株主に当るものはすなわち國民である。從つて國民の代表であるところの國会が、この公共企業体に対しては相当の発言権を持つ形に今度はなつておるわけであります。從つてわが國で初めてできるこの公共企業体のいわゆる執行部の総裁、副総裁の上に監理委員会ができまして、五人の監理委員は國会が承認を與えた者について内閣総理大臣が任命する。從つて國会の意思の出店であるというのが監理委員会になるけであります。この監理委員会が総裁を推薦する権限を持つと同時に、国有鉄道公共企業体全体の指導監督といいますか、全部の運営、経営についての目付役をすることによつて、いわゆる今まで言われておりました國鉄はどうも官僚独善だ、官僚がやつている、いかにも民主的でないと言われていた点が、幾らかでも是正されるのではないか。と同時にいわゆる執行部の最高責任者である総裁を、今まで言われている天くだり的な役人の人事でやるのでなく、そういう方法で選び出された監理委員会が推薦することによつて、相当腕の振えるりつぱな総裁が得られはしないか。しかもこの総裁の任期を今度は四年にいたしてあります。今までのように、往々にして國鉄の運営の最高責任者である鉄道総局長官が、一年半が交代するようなことがないように、今度は四年というように身分が保障されている。そういうようなわけで、確かに先ほど申しました会計、経理等の問題については、一挙に行かなかつたが、形の上において、運用上今までよりは國民全体、あるいはそれを代表した國会の意思というようなものが反映して、民主的な方向に相当近づいていると私は考えております。 それからもう一つ重要な点は、今までは運輸省の中に内部機構としてあつたのです。運輸大臣が一般の交通、ことに私鉄も含んで、これの監督行政と同時に、國鉄自分の運営に当る権限と両方持つていたのを、今度は公共企業体ということが外に出して、運輸大臣は、ほかの交通運輸の監督の立場に立つて、運輸大臣の責任の所在をはつきりさしたということも、今度の改革によつて得た利益の一つでありまして、今高瀬委員のおつしやるように、何もないということはないということを申し上げて御返答にいたします。
○高瀬委員 ただいまの下山次官の御答弁については、後ほどまた私の意見を、特にこの監理委員会の性格について質問いたしますときに、申し上げますが、辺人今の状態ではこれ以上企業を合理化したり、能率化することはできないということでありますから、これは意見の相違になりますけれども、現在の國在鉄道をもう少し半官半民のようにして、一種の特殊法人というようなことにして、今時價数千億円に上る財産を民間に放出する、そしてたくさんの國民が國有鉄道の株主にもなり、そういうことによつて、たとえば施設の改政であるとか、車両の整備、あるいは種々の改良工事などを行うというようになれば、國有鉄道の民主化、あるいは能率化ということが、もつと徹底的に行われると思うのであります。そういうような点については片鱗だもない。だからそういう点で、ただいま下山次官の言われた労働関係の特殊な立法をする、あるいは監理委員会をつくる、その二つはつまり今までなかつたものを新しくつくるというだけであつて、結局私の意見では、鉄道総局よりも一歩も出ていない。しかもこの監理委員会は、私に言わせれば目の上のたんこぶみたいなもので、百害あつて一利もないと考えておるのであります。今までなかつたものができたからといつて、決して改善とは言えないのでありまして、事実今の鉄道総局を一歩も出ていないというのは、私はそういう観点に立つて言つているのであります。とにかくそういうかわつたものができたということが、確かにかわつていると言えば言えるでありましようが、私をして言わしむれば、そんなものは何もなくてもいいものなんで、実にわからないと思うのであります。この点はいかがですか。見解の相違でありましようが……。
○下山説明員 それは見解の相違でございます。
○高瀬委員 とにかくこの機構の改正について、しばしば運輸大臣の言われた演説を聞きますと、どうもぴんと來ないんです。つまり企業の民主化とか、あるいは能率増進とかいうことが、ぴんと來ていない。たとえば運輸大臣は提案理由の説明でゐ運営の合理化、民主化に必要な諸般の処置が、必ずしも整備されているとは言えないと言われたが、何だかあまりはつきりわからぬのです。それでは一体どういうふうにこれを整備すればいいのか。実際私には、この点さつぱりわからないのであります。たとえばこの法案の第一條を読んでみますと、何か非常にうまいことが書いてあります。第一條の「國が國有鉄道事業特別会計をもつて経営している鉄道事業その他一切の事業を経営し、能率的な運営により、これを発展せしめ、もつて公共の福祉を増進することを目的として、ここに日本國有鉄道を設立する。」という、これは実にうまい、りつぱなものだと思いますが、どうも内容を読んでみてもわれわれにはぴんと來ない。こういう点について、どうしたら一体いろいろな諸般の問題が整備するのか、そういう点がちつとも私にはわからないのです。これはほんとうは運輸大臣が來てから伺いたいとのですが、とにかく鉄道の專門家ぞろいですから、どういうふうになるのか。これだけ読んでも私にはわからないのですが、それを伺いたいのであります。
○下山説明員 今、別に言葉じりをとるわけではありませんが、たんこぶの話がありました。これはよけいなものがついているので、何にもならないという話ですが、私が先ほど説明いたしましたように、國有鉄道のような大きな経営体の運営の責任を、一体だれが持つているのかという問題です。これは現在は鉄道総局長官が責任者で、その上に次官がいるから次官も責任者、大臣も責任者で、大臣出て來い、鉄道の責任者はこれこれこうこうじやないかと言われますけれども、大臣は政変のあるたびに半年に一回ずつかわられる、次官も長官もそう長い間おらぬというようなことですが、私はその点について、今度の公共企業体が、最高執行責任者は四年間いるんだということをきめて、そうして相当責任の所在がはつきりしたということで、経営運営上について、この第一條に書いてあるおもなる目的を遂行する責任者がはつきりしている。しかもその責任者が自分の独断でやるのではやくて、このたんこぶと言われる監理委員会——この監理委員会というのは、各方面のいわゆる実業、企業等に経驗のある、しかも國会の皆さんがこれなら適当だというように承認された五人の監理委員をもつて組織されている。それが互選をして委員長をきめて、その委員会が総裁の上にのつかつておつて、どうも経営の合理化がうまく行つておらぬではないか、どうも君のやり方はいかぬではないか、もう少しこうこうやつたらどうだということを、近間におつて——國会の委員会では一年の一回か二回御忠告を受けるのでありますが、これがそういう身近にあつて、総裁があるいは副総裁に助言勧告することによつて、今までと違つた程度の経営の民主化なり、経営の合理化なり、あるいは公共の福祉を増進するという方向に相当の効果があるのではないかということで、私はそれに相当期待を持つておるわけであります。ただ運輸大臣が先ほど申されたように説明されたり、また私も先ほどから申し上げておりますように、これで十分われわれの考えておつたような方向に行つておるかというと——企業体でありますから、一番大事な事業経営の企業化、官廳組織から離れた企業体系における会計、経営その他の措置が今度うまくできたかというと、これは先ほど申し上げたように、時間的な関係その他の問題がありまして、十分に行かなかつた点は私どもも認めております。しかしながら現在の実情に比べてどうかというと、何もかわらないのではなくて、この点は相当効果があるのではないかと私は考えておるわけであります。
○高瀬委員 國有鉄道の経営が非常に非能率的だという点は、必ずしも、たとえば会計制度とか予算制度、そういうようなものが現状維持だからというふうには私は考えません。なぜかと言えば、鉄道だつて約一千億近くの金を自分の力で自分の自由にすることができる。根本的にやはり何がかんであるかと言えば——官吏そのものが惡いとは私は言いません。しかしながらこの官吏制度によつて運営されておる國有鉄道の機構そのものが私は惡いと思う。今も下山次官が言われたように、今の制度ではだれも責任を負う者がない。これは官吏が惡いのではなくて、官吏制度によつて運営されている現在の國有鉄道の機構そのものが惡いのだと思う。先ほど言われたように総裁は何年任期があるか副総裁は幾ら任期があるか、あるいは理事は何年任期があるか知りませんが、結局どんな人が出て來るか、たいてい私は想像ができるのです。だからそんなことではとうていだめなので、私に言わせるならば、官吏によつて運営される國有鉄道法案というものが、根本的に私は問題だと思う。私は自分でかつて官吏生活をやつて、官吏そのものを罵倒なんかする者ではありません。官吏はいい。しかしながらただ官吏制度によつて運営されるこの組織を現状維持のままにしておつては、どんな形にしたつて、だれもこの企業体において責任を負う者がない。こういうことで、この点が非常に問題だと私は思う。これは清新な民間人を理事にしたり、あるいは総裁にしたり、副総裁にしたりすることは——議会の承認を経ることは全部議会の責任だと言つてしまえばそれまでですけれども、そういうようなことだけではとても解決がつかないのではないか。ですから結局現在と同じような官吏制度によつて、いわゆる官吏によつて運営されるこの日本國有鉄道というものが、一体どれほど能率的であり、民主化するかという点について根本的に疑義を持つのですが、その点はいかがですか。
○下山説明員 だんだん御質問に要点がわかつてきたような氣がするのでありますが、要するに民営的な色彩を現実に持たなければ能率的運営ができないではないか、こういう御質問のように思います。そこで官吏によつて運営するこの國有鉄道はというお話でありますが、今度は——これは言葉じりをつかまえるわけではないのでありますが、公務員ではないのであります。從つて公務員法の適用は受けない、しかしいわゆる官吏であるか官吏でないかというと、官吏の範疇に入ります。しかし相当國有國営的な色彩が強いものですから、高瀬委員の言われる民営的なものではない。そこで現在のような國有鉄道の企業を民営でやるのがよいか、國営でやるのがよいかという議論になると思います。どちらが能率が上る、上らぬかということにつきましては、これはいろいろ意見があると思います。しかし私どもの考え方から申しますと、鉄道のように大きな企業で、しかも交通の大綱を行つているというような企業については、世界各國どこの傾向を見ましても、國有國営的な色彩を相当持つて來ておりますので、私どもといたしましては今この國有鉄道に民有民営的な色彩を持たせるということについては反対的な考え方を持つております。この点についての議論になりますと、また見解の相違ということになるかもしれませんが、私ども運輸当局といたしましては、ただいまのところ民有的な色彩を持つということは考えておりません。
○高瀬委員 それでは伺いますが、第二章の監理委員重というところで、この監理委員会の性格を現わしたところの第十條「日本國有鉄道の業務運営を指導統制する権限と責任を有する。」この言葉がどうも私にはわからぬのです。かりに監理委員会ができるとして、これは一体どういうことをやるのですか。
○下山説明員 先ほどから監理委員会についてはるる御説明いたしましたので、それで大体おわかりだと思いますが、要するに普通の会社でいう社長、重役というのが総裁、副総裁、理事というもので、その上にさらに監理委員会というものがあつて、執行機関の総裁、副総裁以下が監理委員会に対して運営上の責任を負う、そして監理委員会は公共企業体の仕事を全部監理して業務運営を指導統制する、ということは結局具体的な例を申し上げますと、どうも総裁以下がやつている仕事の状態を見ると、能率が上つておらぬようである、もう少しこの点はこういうふうにしてやつたならば、能率が上つて收入が増すではないか、收支のバランスを見るとどうもうまく行つていない、この点はもう少し人を減したらどうかというような助言、勧告、監査等を行うのがこの監理委員会の責任と権限であります。第十條で「第一條に掲げる目的というのは、先ほど高瀬委員が指摘されましたように、この國有鉄道というものは能率的な運営をして、これを発展させる。そうして公共の福祉を増進させるのが目的である。その目的を達するように國有鉄道の業務運営、指導監督をする、こういうのが役目であります。從つてこの監理委員会並びに監理委員、委員長というのは相当責任を持つているわけであります。しかしてこの監理委員の五人の方々には、いわゆる民間の企業的な、あるいはまた経営的な経驗と才能を十分お持ちになつた方がおそらく國会で承認されることと思います。そういう人たちが多年の経驗なり、感覚なり、洞察の力をもつて総裁の上に乘つかつて、國鉄の運営についての指導をされる。今高瀬委員が監理委員会で運営されるのでは困る、もつと民間の人をどんどん入れてはどうか、官吏は責任を守らぬが、民間の人はもうかる。もうからぬ、これでは浮沈に関するというようなことで、眞劍に考える。そういう要素も取入れて行く、こう考えております。
○高瀬委員 ただいまの説明によると、結局この監理委員会というのは事後監督機関なのですか、それとも諮問機関なのか、意思決定機関なのか、事後監査機関なのか、どうもその辺がはつきりわからない。
○下山説明員 この條文に書いてありますように、「業務運営を指導統制する権限と責任を有する。」とありまして、非常に廣汎な権限と責任が持たせてあるわけであります。從つて事後の監査だけするというものではありません。單なる諮問機関でもありません。
○高瀬委員 そうなると、結局これは総裁と非常に関係があります。総裁というものは何をやるか、それをひとつ……。
○下山説明員 総裁はまた総裁のところに書いてありますように、第十九條「日本國有鉄道を代表し、その業務を総理する。」そうして監理委員会に対して責任を負う。こういうわけで総裁が執行機関の最高責任者です。從つて日常の業務上のいろいろな諸事項についての外部に対する責任者、つまり日本國有鉄道を代表するものは総裁でありますから、総裁が代表者であると同時に、業務執行機関の最高の責任者であります。その上に今の監理委員会というのがあつて、監理委員会に対して総裁はさらに責任を負う、うまくやつてくれなかつたことについて、監理委員会に対して責任を負う。
○高瀬委員 そうすると、総裁というのは、一つの日本國有鉄道というものの意思決定機関、監理委員会というものは事後の監督機関ということになるわけですか。こういうことにしか考えつかない。
○下山説明員 事後の監督機関ということはよくわかりませんが、要するに執行機関の最高責任者である。そうして監理委員会は、この執行機関に対してさらにこれを監督しておる機関、監督統制指導する機関である。こういうことにお考え願つたらよい。ちよつと例が惡いかと思いますが、いわゆる縣会と理事との関係に似たようなもの、そういう考え方のものではないかと思います。
○高瀬委員 ただいまの下山次官の説明によると、私の考えでは、総裁というものは意思決定機関、國有鉄道を運営して行く場合の意思を決定する。そうしてその事後の監督機関が監理委員会である。こういうことになるわけです。ところが普通の会社などの例を見ても、小笠原さんは幾つもの会社の社長さんでおられるからおわかりでありましようが、やはり重役会、役員会でこういうものは意思を決定して、そこで重役会できまたつもの、役員会できまつたものを執行するのが社長であり、事務であると思う。私はむしろ逆であつて、この監理委員会というものは、ただいまのような理由ならばまつたく必要がないので、監理委員会というものは意思決定機関でなければならない。こういうふうにやる、ああいうふうにやるというので、日本國有鉄道の意思を決定する。総裁、理事は結局この決定に從つて、これを実際に執行する機関でなければ、ほんとうの運営はできない、私はこういうふうに考えております。この点はこれだけの「指導統制する権限と責任を有する。」という言葉では、とうてい説明し盡されない問題じやないかと思う。だから私は監理委員会が一月に一回や二回くらいあつて、無給で、何が何だかわからないような人間を集めてやるのでは、とうていこんな厖大な國有鉄道を運営することは不可能だ。だから監理委員会の性格をもつて愼重に運輸当局において考慮される必要があるのじやないかと思う。これでは運輸当局にとつて目の上のたんこで以外の何ものでもないと思う。この点についてもう少し徹底した見解を伺いたい。
○下山説明員 私はあくまでも目の上のたんこぶとは考えておりません。それで先ほどから御説明申し上げておることをもう一遍繰返すことになりますが、國有鉄道の運営、経営上、監理委員会という委員会が廣く國民を代表したというか、株主全体を代表したというような意思がこれに入つて來ている。この監理委員会が総裁の上に乘つかつておつて、國有鉄道の総裁以下の執行することに対して、監督指導をするということにおいて相当意味がある。しかもこれが常任で、朝から晩まで日本國有鉄道に詰めかけておつて、一から十まで全部こまかいことにまでタツチして、総裁はその小使だというような運営では、まさにたんこぶになるかもしれないが、むしろその点は名誉職といいますか、給與を拂わないで、別に本職を持たれた、いわゆる識見、経驗の深い方々を委員にお願いして、月に一回とか二回とか、必要があれば五回でも六回でもいいのですが、集まつて、がちやがちや言わないで、経営上の本筋について総裁を呼び出すなり、あるいは理事を呼び出すなりして、事情をよく聽取して、それはいかぬ、これはこうすべきだということで、監督指導を十分にして行くならば、私はこれは相当の効果のある機関だと、かように考えております。
○高瀬委員 監理委員会については、私が先ほど述べたような意味の監理委員会ならまだしも、そうでなければ当然こんなものはいらぬ。人が何と言おうと、われわれ委員会として反対すべきものだ、私はそう考えております。総括して申し上げますと、この法案をずつと見て、どう考えても、ただいまの監理委員会と、公共企業関係の労働法規、この二つを除いては、すべて決算の決定権であろうが、予算の決定権であろうが、あるいは運賃の決定権であろうと、全部ここで、たとえば運賃の決定権は三十六條、予算の決定権は三十八條、決算の決定権は四十條、こういうふうに前とちつともかわらない。だから総括的に見て、一体愛される鉄道、能率の上る鉄道になるかどうか、ただ司令部の関係、労働関係の法規との関連性を除いては、まつたく國民が考えていないようなことをやつてお茶を濁す。総括的に私は結論すれば、こんなことは今何もあわててやる必要はないのじやないか、せつかくこういう機関を整えてやるならば、もう少し考えようがあるんじやないか、私はこういう意見を持つておる。一應総括的な結論を申し上げまして質問を終ります。あと逐條のとき二、三質疑がありますが、後日に残して一應これで終ります。
○正木委員 私は本法案を中心として、現在の力運行政全般に対して、運輸大臣その他の政府委員の出席を求めておるわけでありますが、まだ大臣修下お見えになりませんから、本法案を中心とする各案の條文について、私の疑問とする点をお伺いしてみたいと思います。 まず第一に、ただいま高瀬委員が非常な熱意を持つて問題とされました、監理委員会についてお伺いします。私の疑問といたします点を率直に申し上げますから、答弁も簡潔に要点を御答弁意いたい。第十條で監理委員会の権限と責任は條文で一應規定されてありますが、この委員会は國有鉄道の意思決定機関であるかどうかという点について、お答えを願いたいと思います。
○荒木政府委員 監理委員会は意思淑定機関でございませんで、総裁が意思決定機関、こういうふうに考えます。
○正木委員 ただいまの御答弁で、この機関は意思決定機関ではないのだ、総裁が意思決定機関である、かような答弁でありました。高瀬委員の質問に対する御答弁とは、若干食違いがあるように感ぜられますが、いずれその点は速記を拜見いたしまして、あらためて質問をしてみたいと思います。そこで重ねてお伺いするのでありますが、そうすると十九條との関係になるのでございますが、この條文を拜見しますと、「総裁は、日本國有鉄道を代表し、その業務を総理する。総裁は、監理委員会に対し責任を負う。」こう規定されてございます。意思の決定機関である総裁が業務を総理するのだ、その総裁がさらに監理委員会に対して意思を決定し、しかも業務を総理する者が、なぜ一体責任を負うわなければならないのかという疑問が当然私には出て來るのでありますが、この法文上の御解釈の御答弁を願いたいと思います。
○荒木政府委員 これは意思決定をいたしますので、責任があるということになるのでございます。むしろ総裁に意思決定の力がないとすれば、責任を負う方法がないというふうに考えられやしないか、こういうふうにも考えます。要するにこの監理委員会は意思決定機関ではございませんが、そうかといつて、單なる諮問機関でもございません。従つて監理委員会でこういうふうにしたらよろしかろう、こういうことを申しますと、総裁は諮問委員会の答申でございますれば、その諮問を判断いたしまして、取捨選択することができると思いますが、ここでは監理委員会で会議の結果、こういうふうにすべきである、こう考えられたときには、その意思を取入れまして、総裁の意思としてここに日本國有鉄道の意思が決定される。こういうふうに御解釈願つたらよかろう。こう思います。
○正木委員 これは私の馬が混乱したのかもしれませんが、ただいまの答弁ではさらに私混乱をいたして來たのであります。意思の決定機関ではないのだ、ましてや諮問機関ではないのだ、監理委員会の総意に基いてこの重大な業務全般に対するところの方針が決定した場合に、それが総裁に何らかの形で意思表示をされる、されたそのものが行動に移つた嘉合に、総裁が意思を行動に移すのだ、こういうような答弁のように聞えますが、かりに監理委員会と総裁の間に意見の食い違いを來した場合の処置は、この法律案のどの点にあるかということをお伺いしたいと思います。
○荒木政府委員 その点は規定してございませんが、監理委員会が十條の規定のようになつております関係から、やはり総裁は監理委員会の意思にのつとつてやらなくてはならぬ、こういうふうに思います。そこでそこの調整の問題は、特に総裁を職務上当然就任する監理委員会の特別委員といたしまして、ここに十分な発言権を保障してございますから、そういう点については相当調節ができることと考えております。御設のように、その点は非常に技術的にこまかく分折して規定してはございません。
○正木委員 私はいずれ大臣にもこうした点でお伺いすることになろうかと思うのですが、この法律案を拜見しにしまして、私の一番心配いたしました点は、現在の國家善建途上における陸運行政の果すべき任務の重大さから考えてみて、意思決定機関でもないのだ、諮問機関でもないのだ、しかも総裁の推薦権と申しましようか、これが監理委員会にあるわけでありまするが、だからといつて、監理委員会に参画した役員と、民間から選ばれるであろう監理委員会との間に、常に、困難な事業であればあるほど、必ずしも私は意見の統一というものが行われるものとは断定しがたいのです。そこでむしろ條文上明確にするということであるならば、意思決定機関であるのか、單なる諮問機関であるのかということを明確にすることによつて、人事の件等においてもさらに明確になつて來るのではないか、こう考えられて質問をいたしたのでありまするが、いずれにしてもこの問題は残ります。そこで問題を具体的に亘り下げてお伺いするのでありますが、これは先ほど次官からしばしばお話があつたのでありまするけれども、私は張導ということであれば大体納得ができる。しかしここに統制という字句が入つておると同時に、この十九條があるために、私はやや法律案として疑義が生じて來るのです。この統制という字句の法的な解釈、これをどういうような解釈されてここに挿入されたのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○荒木政府委員 法律的にどうかと仰せられますが、指導し、統制するということでありますから、やはり監理委員会で言つたことに対して総裁に対して意見を述べたことに対しまして、総裁がそれを採用するか、採用しないかということを決定する、いわゆる諮問と違う。一應それに從つてそれを取入れて、総裁の意思として、日本國有鉄道の意思としなければならぬ、こういう趣旨だと考えております。
○正木委員 そすだとすれば、やはり実際問題として意思決定機関ではございませんか。
○荒木政府委員 そこのところが非常に詭弁を用いるようにお聞きとりになるかもしれませんが、一應意思決定機関は——われわれみずからがいろいろ考えたものでない部分がございますので、その点をひとつ御了解を願いまして、われわれの考え方でひとつ合理的に解釈してみますと、総裁は意思決定機関であるが、しかし監理委員会は総裁の諮問機関ではない。監理委員会がいろいろな見地から、業務運営を指導統制する、そうするとそこで意見が立つ、その意見をきめたことが、すなわちただちにも持て日本國有鉄道の意思となるものではなくして、それを総裁が取入れて、総裁の意思とすることによつて、これが日本國有鉄道の意思になる。しからば同じことではないかというふうにお考えになるかもしれませんが、この両者を調和的に解釈するといたしますならば、今私が申し上げましたような観念構成をしないと、それがスムーズに行かないのじやないかということて、みずからそういうふうに解釈して調和を保つようにした。こういう実情でございます。
○正木委員 では重ねて第十條についてお伺いしますが、監理委員会の権限は、今のあなたの御答弁で一應よろしいとして、「責任を有する」と規定されてございます。そこでこの監理委員会の指導を統制がよろしきを得なかつた場合に、責任を有するというその責任の所在が、この法律案のどの條文に規定されておるのか、それをお示しを願いたいと思います。
○荒木政府委員 その場合におきましては、十四條に「内閣は、委員が心身の故障のため職務執行ができないと認める場合、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める生合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。」こういう形においてその責任をとるということで、要するに内閣すなわち政府に対して責任を負うことに相なるのではなかろうかと考えております。
○正木委員 そこで責任の問題については、この十四條によつての取扱いが一應内閣にできるわけでございますが、重ねてお伺いしたいことは、この総裁と監理委員会と政府との関係になるわけでありまするが、第五章の監督の項で、五十二條に、國有鉄道の監督権が運輸大臣にあるのだということが規定されてあるわけです。しかも監督事項については五十三條に一、二、三と規定されており、五十四條においては、廣汎に日本國有鉄道に対して監督上必要な命令をなすことができると、要するに命令と報告事項がここに明記されてあるわけであります。そこで問題は、この監督事項から見て、監理委員会の責任上の最後的意思を決定するものは運輸大臣にあるわけでありまするが、その場合重ねて申し上げたいことは、この監理委員会が意思決定機関であつて、全体のこの國有鉄道に対する責任を負うものだということが明確になつておれば、運輸大臣の監督が完全にしかも敏速に処置されるでありましようけれども、総裁に責任があるのか、監理委員会に責任があるのか、この点が不明確でありますと、問題があとに残る場合が往々にして出てくるのではないか、このことを私は心配をいたすのであります。しかもこれを逆に十九條で「総綱は、日本國有鉄道を代表し、その業務を総理する。」となつているこれの解釈も、あわせてお伺いしなければならぬのでありますが、私どもが常識で判断すると、その業務を総理するのでありますから、これは先ほど事務次官が答弁されたように、執行機関ではないか、そして監理委員会が意思決定機関ではないか、こう解釈すると、私にはこの十四條の條文を取扱いまする場合も、監督行政というものが敏速に行われるのではないか、こういうふうに考えられるのですが、この諸関係を御答弁願いたいと思います。
○荒木政府委員 監理委員会が意思決定機関であるということでございますれば、ちようど総綱という一つのトツプがございまして、そのトツプが複数になつた、会議体になつたという形であろうと思います。そうすれば十九條の「総裁は、日本國有鉄道を代表し」ということでなしに、そこが監理委員会は日本國有鉄道を代表し、その業務を総理する、こういうことにならなければいけないのではなかろうかというふうに考えるわけであります。そこでお示しの通りに十九條と十條とはきわめてデリケートな関係にございますので、その点は先ほど私が申し上げましたように、必ずしも明瞭ではありませんけれども、一應私が御説明申し上げましたような考え方でもつと説明ができる、というふうに解釈いたしておるわけでございます。しかして五十四條の監督の関係でございますが、この監督の関係につきましては、やはり総裁が意思決定機関でございますから、監督、命令を受けた場合におきましては、ただちに総裁がそれを執行するということになります。そこでしからば、その総裁の監督、命令の執行を監理委員会が妨げるというような事態が起つたらいかがになるかという問題だろうと思うのでございますが、その点はやはり運輸大臣の命令が監督官廳の命令でありまして、それは日本國有鉄道に対してなされるものであり、そのチヤネルは代表機関であるところの総裁でございますけれども、その効果はやはり日本國有鉄道に帰属するものでございます。しかして監理委員会は日本國有鉄道の代理機関でございますから、やはりその命令に対しましては、監理委員会が運輸大臣の命令を妨げるようなこと、すなわち運輸大臣からはさような命令があつたけれども、監理委員会はそれを從う必要はないというような指導、統制はできないもの、こういうように自然に制約がついてくるものだというように解釈せざるを得ない。かように考えております。
○正木委員 私はこの監理委員会に対しての解釈については、幾多の疑問を持つておりますが、このことはいずれまた日を改めて問題を提起してみたいと思います。ということは、政府それ自体においても、確固たるこの問題の解釈に対する御方針がないようであります。そこでこまかい点になりますが、委員の任命について、第十二條の三項五号に、日本國有鉄道に対して物品の販賣もしくは工事の請負を業とする者というようにあるのでありまして、これは委員になれないのだ。しかもさかのぼつて三、四号ともにそれぞれ規定があるのでありますが、この物品の販賣もしくは工事請負を業とする者がなれないという、その法的なとでも申しましようか、これの解釈を聞かせてもらいたいと思います。
○荒木政府委員 これは解釈というよりは、日本國有鉄道と総裁とが利害が反する場合、たとえば日本國有鉄道の総裁の所有する土地を日本國有鉄道が買うというような場合におきましては、利害の対立する問題でございますから、この場合には総裁が代表権を持たないというような規定が入つておりますが、やはりこの日本國有鉄道に対して請負をやつている人間であるとかいうような、利害関係の非常に密接な者が監理委員会のメンバーであるということは、公正を確保することが困難ではないかというわけで、こういうものを除いておいた方がよろしかろう、こういう趣旨と心得ております。
○正木委員 この第十二條の五号から見ますと、物品の販賣というのですから、これは非常に廣汎なものになろうかと思います。現在の國有鉄道に納める物品の取扱い業者でありますから、非常に廣汎なものになろうかと思います。また工事を請負うという者も、これまた廣汎な数に上ると思うのであります。これを除外した精神は、ただいまの御答弁で了承いたしますが、そういたしますと、われわれはあらためて考えなければならないことがあるのではないか。ということは、現在の國有鉄道の監督行政のもとに置かれておりますところの一つの例を申し上げますと、日本通運株式会社であるとか、あるいは道路運送法によつて営業をされておりますところのいろいろな業務がございます。こういう業務と、一應形態的には、法人組織化した日本國有鉄道とは不可分的なものではないか。まつたく切り離して考えられないのではないか。監督面から見たときには、なるほど運輸大臣の所管に移つているのではあるが、実際問題の、業務を通じて考えて見るときにはこれは不可分的なものではないか。そういうものをなせこの條文から切り離してお考えになつたのか。この点について重ねてお伺いしてみたいと思います。
○荒木政府委員 自動車交通事業というものに対しましては、これは直接に競爭関係にあるということのは相ならぬかと思います。連帶運輸をいたしておるという関係もございますが、自動車屋がここに入りまして監理委員になつたときに、判断の公正を欠くことにはならないのではなかろうか。たとえば監理委員会が自動車運送事業の免許をやるというようなことでございますれば、御説のような心配が生じようと思いますが、國有鉄道の運営をやつて行きます面においては、その点は心配はないのではなかろうかと思います。日本通運等でございますが、これは特別の法律によつて日本通運が存在いたしておりまして、國有鉄道との関係はちやんと法的に規律してございます。なお一部日本國有鉄道が出資をいたしておる関係もございまして、日本通運の役員が入つても、國有鉄道の運営に対してアンデユー・インフルエンスが、行われるとか、判断が不公平になるというようなことはないと考えております。
○正木委員 この点は見解の相違になつて参ろだろうと思いますが、私としてはさらに相当つつ込んで議論をしてみたいと思います。本日は時間の関係もありますので、もう一点お伺いして私の質問を打切りたいと思います。第四十九條でございますが、「日本國有鉄道は、運輸大臣の認可を受けなければ、営業線及びこれに準ずる重要な財産を讓渡し、交換し、又は担保に供することができない。」こう規定されてありますが、担保に供する場合の具体的事実はどうか、これについて御答弁を願います。
○荒木政府委員 この問題は、一應営業線を讓渡するとか、交換するとか、担保に供するとかいうことがございますが、讓渡はあとまわしにいたしまして、交換するとか、担保に供するとかいうことは、営業線については想像し得られない。むしろ重要な財産の方にかかつて來ております。そういうように交換するということがよくあり得るのでございます。一般会計の財産を特別会計の財産に交換をする場合でございますから、そういう場合があり得るものと御了承願つたらよかろうと思います。 それから担保に供するという問題は、鉄道の財産を一つ一つバラバラにして担保に供するということは意味をなさないのでありまして、御承知のように鉄道財團制というものがありまして、財團を設定してからでなければ担保としての價値は十分にないと考えます。この担保に保するということは今のところは想像し得られませんけれども、担保に供することができるということを書いておきまして、もしある大きなものを担保に供して金を借りるということがございますれば、これは財團抵当法をつくつてからでなければ、これの実効はあがらないのではないかと思います。
○正木委員 私勉強が足りないので、今の御答弁はさらにわからぬのですが、私のお伺いしたいことは、担保に供することができないと規定されてあるのでありますから、常識上考えると、この担保とはお金を借りる場合の担保行為ではないかと考えられるのですが、その点わかりやすく御答弁を願いたいと思います。
○荒木政府委員 御説の通りお金を借りるときの担保のことでございます。運輸大臣の認可を受けなければ担保に供することはできない。認可を受ければ担保に供することができる、こういうことになりますが、今申し上げましたように、鉄道の財産をバラバラにして担保に供するということは考えられませんので、担保に供するということは、一つの財團を設定して、財團を担保にして金を借りるということになるのではなかろうか、こういうふうに考えます。
○正木委員 そうしますと、担保に供して金を借りる相手はこの法律のどこに規定されておりましようか。
○荒木政府委員 四十四條でございます。「日本國有鉄道は、運輸大臣の認可を受けて、政府から長期借入金及び一時借入金をすることができる。日本國有鉄道は、市中銀行その他民間から借入金をすることができない。」こういうことになつております。一應借りる先は現在政府のみである。こういうふうに限定されておるわけであります。
○正木委員 そこで私の意見を申し上げることになるのですが、借入先は四十四條で明確に規定されているわけです。そこでただいまのところでは、四十九條の担保に供する云々という字句はいらないのではないですか。ということは、この法人のすべてのものは國が出資しているわけですし、しかも会計法その他すべてによつて縛られておるわけですから、言葉をかえれば、現在の鉄道の行政とかわつていないとまで極言してもいいのであつて、先ほど高瀬君が指摘されたように、しいて申し上げれば監理委員会ができたことと、公務員から除外されたことと、それにかわる一つの労働組合法が出て來たということの相違なんでありますから、ここの考えから行けば、四十九條の担保というものは、この場合においては不必要ではないかと考えられるのです。私はその点に対する法律的な知識はありませんが、ここに担保という字句を入れなければならなかつた根概を、もう一度明白にしてもらいたいと思います。
○荒木政府委員 これは実質論から申しますと御説の通りでございます。しかしながら外局と実質的に異ならないと申しましても、二條に規定してございますように、法律上の人格者で、これは別個の人格者になつておるわけであります。一應金を國から借りるというような場合に、法律上の別の人格者であるところの日本國有鉄道から担保を提供するということが、法律上は考えられるわけでございまして、別に積極的にこれを削除しなければならぬということではないと思います。実質論からいえば、御説の通りだと思います。
○正木委員 この点についてもあらためて御質問申し上げたいと思いますが、時間も時間でありますから、本日の質疑はこの程度で打切ります。
○小笠原委員 時間もないようでありますから、ごく簡單に伺います。先刻高瀬委員の御質問に対して、次官から、本案の成立の結果においては、國有鉄道も私鉄もともに監督する立場になるという御答弁でありまして、その通りでありましよう。そこで今日も私鉄の方は監督をなされておるのだが、御承知の通りこの法案の実施の結果、監理委員なるものが現われて、この方で業務を担当しておやりになるでありましようけれども、もし会計が不足すれば、國家から補填することになつております。ところが私鉄の方は、收入がなければ支拂い不能という状態にあるので、昨今のように労働問題、資金ベース、これらの問題でだんだんその負担が大きくなつておる場合に、國家が負担するところの日本國有鉄道と、民間とを一緒に監督する場合において、この調節をいかにしてとられる御方針のもとにこの法案にとりかかられたのであるか。そこにどういう御取調べをなさつておるか、どういう御方針であるかということを、簡單に御答弁を願いたいのであります。
○下山説明員 今度この法律でできます日本國有鉄道というのは、いわゆる公共企業体でありまして、國が全額を出資しておりますいわゆる國有國営のものであります。從つてこれの予算は國会に提出することになつておりますし、運賃をきめるにしても、國会できめることになつておりますので、今の赤字が出た場合にどうするか、合計経理をどうするかということは、現在とほとんどかわらないことになりますから、今小笠原委員のおつしやるように、國有鉄道の方は現在と大体同じような形になります。一方私鉄の方はこれはいわゆる純然たる民間の私企業でありまして、この民間の私企業の企業自体において、採算を考え、営利企業ということをやつておりますので、運輸大臣の監督の権限といたしましては、現状と何もかえることを考えておりません。從つて運輸大臣の監督下にはいろいろのものがございますが、たとえば船舶運営会と、船舶運営会に入つておりません普通の船会社と差があるのと同じように、鉄道の方におきましても、いわゆる一般の私設鉄道と國有鉄道とに別ができるのは、そういう関係と同じことになると考えます。
○小笠原委員 ごもつともなような御答弁ですが、直営ということが監督ということに改まつたならば、何かそこに違つた御方針でもあるのかと思つてお尋ねしたのです。現在と同じであると言われる。しかし昨今のように賃金ベースの問題で——民間と國有鉄道が現在のままといたしましても、これを監督する立場にあるものならば、監督される経済がどうあろうとも——そういうことよりも、惡いことをしたものを監督するということが主でありましようが、やはり経済の調節がとれなかつたならば、とれるようにこれを指導して助けることによつて、初めて監督の任が果せるのだろうと信じます。このままにしてほうつておいたならば、私鉄と國鉄と対比して、監督という立場にある大臣としては、將來どうなるかという御心配はありませんか。またあなた方は事務当局として、このままほうつておかれないで、どこかで調節をはからなければならぬ。私鉄の方は差があるのだというふうなお考えはあり得ないのではないでしようか。この点何か御方針とか御研究が目下のところあるかどうかということを、重ねてお尋ねいたします。
○下山説明員 小笠原委員の御心配になる点は、私も大いに心配していることの一つでございます。このままではうつておいたらというお話でありますが、運輸大臣といたしましても、交通機関に対しての業務上の監督をしているわけでありまして、一方たとえば運輸大臣ということでなくて、政府全体ということを考えますれば、今おつしやる通りに、現在のままで賃金はだんだん上つて行く。そうして片方、運賃の方をなかなか上げないでほうつておくということになりますと、私鉄なんかも実に苦しい立場になつて來る。從つて会社の運営がうまく行かないようなことになると、交通運送ということがうまく行かないということで、運輸大臣としてもそのままほうつておくわけにも行かぬということに、もちろんなります。しかし一方賃金の問題、これは一般物價との関係もございますが、一般私企業全体の賃金政策の上から考えて行かなければならぬ問題でありまして、現に今中央労働委員会の調停にもかかつているわけでございます。これとあわせて、運賃の関係と両方調整をとつて、私鉄なら私鉄の会社の運営が阻害を來さないように、政府一体として、運輸大臣として責任をもつて処置をなして行きたい、こういうことになると思うのであります。何もわしは知らぬということであつては、相ならぬと考えております。
○小笠原委員 私は実例を申し上げて御参考に伺います。事務当局としてどういう御方針であるかということを伺つた方が、どの政府になりましても、これは非常にいい参考になると思うのであります。現在私鉄の方の値上げをしてもらいたいという趣旨から、私は申し上げているのではありません。値上げの点はもう限度で、これ以上げられないという考えから申しているのであります。しかし田舎の方の賃金ベースというものが、中央と必ずしも一致する程度でないということは、よくおわかりのことと思います。ところが値上げのことが事務当局から行く場合に、このベースにきまつたから、このベースに上げることを條件として値上げするのだという指令が行くのであります。むりして上げなければならぬことがたくさんあります。それによつて会社は非常に困難を來すことがあるのであります。こういうことは事務当局としては、はなはだしく無責任だというふうな感じがするのであります。政府はいつの政府もこういうことはわかりますまい。一切は事務当局がおやりになつていることと考えております。このままでほうつておいたら、どうなるかということを心配したから、私は事務当局のあなたから、伺つたのであります。しかしこれはこの程度で打切るとして、一体どんなに法案を改正いたしましても、國家財源と國民の要望にこたえるだけの方針ができなければ、何にもならぬと思うのであります。この法案が独立採算制に何も関係がない、種々これから研究しておやりになるのだという大臣の御答弁だからそう信ずる。それにいたしましても、一体事務当局の方で、今日まで出ている鉄道の何百億という赤字、これを何とかして赤字を出さぬように、元がやり得たのでありますから、これをやるために、どうか研究して、くふうをこらして、独立採算という目的に達するようにしなければならぬという。あなた方の方で案がありそうなものだが、いつの内閣になつても、これはなかなか容易に生れて來ない。しかもわれわれの私鉄関係を見ると、運賃の値上げとにらみ合せてぜひ賃金を上げなければならぬようにする。むりして、所きらわず、東京もいなかも同じような生活の状態のように賃金の値上げをする。いかに労働者からの要求だからといつて、中央、地方で、会社は会社で、おのおのそれだけの経済状態というものもあるし、ある地方においては経済の非常に樂なところもある。また地方によつて困難なところもある。そういうことを見わけなくて、会社の意向を聞かずして、その條件を押しつけるようなことをする。あまりに事務当局は無責任なことをやつて、その日暮しばかりやつておるという感がするのであります。そこで事務当局のあなたを初めその以下の方々、幹部の方々は、何とかして國民の要望にこたえるために、赤字補填策を講じ、独立採算制に向つての御計画をなされて、前内閣であろうと、現内閣であろうと、立案して、折衝したことがありますか。そういうことをひとつ伺つてみたいと思います。
○下山説明員 私ども運輸当局としては、今小笠原委員のおつしやる通り、國鉄の運営、経営の衝に当つておる者といたしましては、赤字を何百億も出して、そしてまた運賃を値上げしなければならぬという現状には、決して満足をしておるものではありませんので、今おつしやるように、内閣がどうかわろうと、われわれ日常の事務を運営して行く上において、できるだけあらゆる努力を拂つて、経営の合理化なり、むだな経費を省くなどということについては、もちろん平素努力をいたしております。そしてときには経営合理化委員会というものも開いて、いろロろな案をそこから大勢で練つて、その案の実行に移し、ときには地方の鉄道局長その他の責任者を招集して、こういう問題を会議で取上げて討議をし、実行をし、あらゆる努力を拂つておるわけでございます。ただ遺憾ながら、それが成果を生みまして、すぐに赤字がなくなつて、経営がとんとんと行くとか、あるいは黒字が出るということに行かない事情もいろいろございますので、幾らここで口でやつておる、やつておると言つたつて、経果が出ないじやないかというおしかりは受けるとは思いますが、私どもといたしましては、もちろん今おつしやるように誠心誠意経営の合理化をして、國民の要望にこたえたいという氣持にはかわりはございません。ただいま小笠原委員は、地方の鉄私の問題で、運輸省の当局の方から、賃金のベースはこれだけになつたから、これだけはぜひ上げろという指示をしたとおつしやつたように私は聞き取りましたが、そういう意味でございますか。
○小笠原委員 その通りです。
○下山説明員 それは私は氣がつきませんでした。運賃のことはこちらの方でやりますが、賃金をどれだけにしろ、あれだけにしろと言つたということは、私どもの方ではちよつと想像していなかつたのですが、これはよく取調べてみたいと思います。
○原(彪)委員長代理 小笠原委員に申し上げます。時間もございませんから、ひとつ簡潔に……。
○小笠原委員 ただいま次官の仰せの通り、事務当局も國家のために非常な御苦心をなされておることは私も認めます。ただ、今私鉄関係をちよつと申されましたが、それは賃金ベースとして命令したということではありませんが、値上げの條件として、賃金ベースを実施するために値上げを許可するんだから、ぜひそこまで引上げろ、こういう指示をしております。とにかくそこはよくお取調べを願いたいと思います。 そこであなたの方から、今いろいろ計画を立てているけれども、なかなか思うように行かぬ、こういうことを言われました。先般小澤大臣からも、独立採算をやるには、行政整理の問題も、あるいは消費節約の問題もある。いろいろな関係から総合して、できる限り急いでやるが、しかし行政整理の問題は今ただちにやるというわけではない、自然淘汰も一年に三万か四万かあるということを申されました。これは小澤君から聞こうと思つたが、なかなか会えぬから、小澤大臣から聞くいとまがなかつたのでありますが、やはり大勢の中には、役人として不適当な人間がたくさんあるから、その監督が十分行き届いて、これらを馘首することに対しては、遠慮なくやらなければ、行政整理の目的も、鉄道部内の改革もできぬというように考えるのであります。この点にちつとも触れていない。それに対しては次官は一番監督の任に当つている方であるから、もちろん不適当な者があるならば、遠慮なくやるという御答弁に相違ないのであります。しかるに、これは例を申しますが、われわれも代議士という立場、國会議員という立場から、どの役人でも注意して折衝しているものと考えております。しかしわれわれが、まるで二足三文扱い、うるさい者扱いに取扱いをされるということは、まことに遺憾この上もないことであります。それについて先般私はここで三木局長のことを取上げて申し上げたのでありますが、あまりに三木局長や加賀山長官が事実に相違していることを言つたから、実はいなかから人を呼ん來て、この下で待たしてあるので、本委員会に出席さして弁明させようと思つている。それはいなかの火災のことでありますが、鉄道の原因によつて、目拔きの場所が三百数戸燒かれてしまつた。今外側だけで、内部の疊、建具の用意もなく、寒さにふるえておつて、幾らかでも見舞金がほしくて、それを運輸当局に申し上げ、地方から村長以下七名の代表者が訴えて今日まで來た。仙台の局長に会うこと五、六回、本省の方の係官に折衝すること数回、最後に三木局長と会つたのでありますが、その場合に、前に申し上げたことと重複を省いて簡單に申し上げますが、私が必ず呼ぶからここで会つてくれというかたい約束をした。それで会うということで待つておつた。ところがその翌日すぐ役人を使つて向うへやつた。今聞くところによれば、その村から出ている役人に手紙を出して、至急來いと言つて、仙台へ呼び出して、それで仙台で押えて、そこで折衝した。その折衝するのには何と言つたかというと、中央では政治家が入つて、ごたごたやつてしまつて、もうだめになつたから、仙台にこの折衝を移した。ここできめなければ、もうふいになるかもしれないし、短かくても來年の四月になる、それでもあなた方はきめるつもりかと言つて折衝した。また本省に持つて來たときには、こういうことを言つている。たとえば一万円なら今すぐやる、一万円以上は政治家を頼んでも大臣を頼んで來てもだめだぞ、こう事務当局が言つておる。それを聞いておるからふるえ上つておる。政治家が入つてこわされるというなら、これできめてもよろしいということを仙台の局長と二人の前で言つた。そうしたら青森の火災のときは一万円であつた、それから六、六倍の値上げをしたからと言うと一万五千円にしろ。何とかして値上げして二万円にしてもらいたいと言つて頭を下げた。ところがそれじや一万七千円にしてくれというので、淺草のたたきのセリ賣りみたいなことにして契約をした。それから私は加賀山君に聞いたところが、事務的に折衝したい、政治的にやりたくないから、向うでやつたのだと言う。われわれが参加してそこできめるということが、全部政治的でありましようか。政治家が入つてきめることが全部政治的であつて、われわれを拔かしてきめることがみな事務的でありましようか。そういうことを言つて、われわれと契約したことを裏切る。われわれ政治家が入つて中央でみなぶちこわしてしまつたというような言を弄して、われわれと約束したその翌日に、その村から仙台に勤務しておる改札を使つて手紙を発して、そこに呼び寄せて、出先で中途でそういう手をもつてやるということは、一体いいことでありましようか。三木君がそこにおる、その方の專門であるから承りたいのだが、三万円を限度にして二万円を出すという規定の場合には、最高限度二万円を出したことがある。今日は十万円である。十万円なら十万円になつた以後、最高限度どのくらい出しておるか。しかもその見方は、十二坪のバラツクが燒けたのも一世帶一万円。百坪以上の昔からの大きな動産、不動産をなくしたのも同じ一万円の標準である。しかもその町にある消防機関の全部、自動車ポンプも小屋も一切燒いてしまつた。今日はもう消防ポンプは皆無であるという事情のところも、同じような見舞をするのだという冷酷きわまることをして、私らの契約を無視して、さつき申し上げた言動のもとに彈圧的に契約までする。しかも最後にはこういうことを言つた。これから政治家を頼んだり、千円出せの、五千円出せの、一万円出せのと言つて來たら、それこそ、これはふいになつて、いつきまるかわからぬぞと言つて、一言くぎを打つて、農家の代表の全部を泣いて帰らせた事実をどうなさるか。こういう役人をそのままに置くから、こういうふうに鉄道が赤字になるのである。用をなさない害毒をなすものがたくさんある。こういうことをあなたは事務次官としてどういう取扱いをなさるつもりであるか。これがもし公平なりとしたらば——今言つた金額を表によつて出せと要求しておつたが、まだ当局の方は、どうの、こうのと言つて、私の手元に出しておりません。あなたの方でよくお取調べになつてもらいたい。われわれ代議士が——私ばかりでなく、山崎君、苫米地君と私と、三人とも別に政治的に多くやつてやれとか云々言つたことはない。出さないものなら出さぬでもいい。出すべきものなら公平に出してくれという意味の折衝なんだ。しかも三木君は、私の方で鉄道があやまつて不調法したのである、旅費を拂つてわざわざ東京においでにならなくともよろしゆうございますという御返事までなされておつて、鉄道ははつきりと責任をもつて、自分がそのあやまちを犯したことを認めておられる。その場合の解決において、こういう手段をとられたということは、まず次官としてどういうお考をお持ちか。これは三木君が來ておるから、速記にとどめて、私の言がうそならうそということにして、後日対決いたすことにいたしましよう。けれども、いかにしてもこれは責任を明らかにしないと、代議士としてのこれからの使命は何もやれないことになるでしよう。これだけなめられているから、大臣だつて次官だつてなめられ通しだ。局長のやつたことは、これで日本再建ができるならよろしいけれども、非常の危險なものじやないかと私は思う。どうぞ今私が申し上げたことに対する次官としての感想、実態の調査と、これからどうなさるという御方針の御明示を願つて、速記に残しておかれたいのである。
○三木政府委員 ただいまの沿線火災のお話は、今年の五月に青森縣の北川村で二百四十世帶余りの火災があつたことをさしておられると思いますが、この場所は線路を中心にはかりまして、最短の所で四十メートルの位置にある屋根から発火したのであります。当日の風向を考えますと、線路が曲つておりますので、ちようど風上に機関者が來たときと想像される地点から、発火地点をはかると六十二メートルばかりあります。御承知の通り機関車が走りまして、その散火あるいは灰がら等によつて、沿線に火災を起す例はたびたびあるのでございますが、その際には御承知の通り大審院の判例がございまして、鉄道には賠償責任はないというこ徳になつているのでございます。しかしその鉄道の機関の原因で発火したような場合には、見舞金を差上げるというような制度を認めているわけであります。現在におきましては、昨年の八月でありましたかに、大臣にきめていただきまして、家に対しては一戸五万円、世帶道具を燒かれました住宅の場合には、その世帶道具に対して燒けた全損の場合に五万円を最高限度として、その範囲で見舞金を差上げる。こういうように大臣がきめられまして、それによつてやつているわけでございます。もとよりこれは最高限をきめられたのでございまして、その以内においていろいろな事情を勘案して見舞金を差上げることにしているのでありますが、昨年の四月青森におきまして沿線火災がございまして、三百八十世帶余りの方が罹災されたのであります。その際は列車の通過時刻及び発火の時期というようなものから考えまして、われわれ事務当局といたしましては、沿線火災の疑いは大してないという考えを持つておつたのであります。しかしもちろんこれは経驗上言うことでありまして、絶対にないとは言えない。機関車が火をたいて、その近所を通つて、何分経つたら絶対に燒けないということは言えないことでありますし、警察当局あるいは檢事局におきまして、沿線火災の疑いが非常に多いというようなお考えもございましたので、十万円以内の範囲でございますが、一世帶に対して一万円をお見舞として差上げることにして、羅災者の方も御了承願つてやつたのでございます。今回の場合も先ほど申しました通り最短距離をはかりましても四十メートル、風向きの方向を考えましても六十二メートルの地点から発火したのでありまして、当明におきましても列車の噴火によるか、あるいはその前の木炭バスが通つたそうでありますが、その原因であるか、地元においてはいろいろととりざたがあつたそうであります。しかしわれわれの研究によりますと、六十二メートリも離れた地点に、機関車の煙突から出ます灰がらが飛んで行つて発火するということは、まずあり得ない、——全然と言つていいくらいあり得ないじやないかという結論が出ておるのであります。しかしながら当日は非常に風の強い日でありまして、風速が十五メートルばかりもあつたそうでありまして、これも全然ないというはつきりした事実を証明することはできませんが、非常に発火しにくい距離にあつたということは、われわれの研究する範囲では、はつきり出ておるのでございます。しかし多数の年代の家を燒かれて、こういう時節に非常に御迷感をかけておるということで、先ほど仰せられました苫米地代議士、山峯代議士、小笠原代議士からも、私がお目にかかるまでに、それぞれ何とかするようにというようなお話がありました。苫米地代議士にも、山崎代議士にも私そういうお話を伺つたのでありますが、その節にも申し上げました。よくわかりました、けれども、こういう事情になつておりますので、ほかの例もございますし、十分お見舞は絶対にできないと思います。しかし羅災者の方の御事情は十分同情いたすつもりでおりますから、よく研究いたしまして、御趣旨に沿うようにいたしましよう。こういう御返事をいたしたのであります。それから今お話の小笠原代議士が何日でございましたか、朝早く私の部屋においでくださいまして、先ほどおつしやつたようなお話がございました。その節私は、今小笠原さんもおつしやつたように、これはその後どこでもそういうことを例にしておるのでございますが、あとの、一世帶当り幾らというふうに、出しました金額の分配ということもございますから、村長さんなり町村さんなり、そういう方に村へ入つていただきまして、地元の羅災者の代表の方と一應折衝いたしておりますので、その方と私どもがお目にかかつてよくお話して、こちらの事情もお話申し上げ、向うの事情も伺うことにいたしましようと申し上げたのでございますが、小笠原さんは、ここで代表者を呼んで一緒に話をしよう、こういうことを繰返しおつしやつたのでございます。それに対して私は、いやこれは私の方から、あるいは仙台の局から出かけまして、代表者の方にお目にかかつたお話をいたしましよう、ということを繰返して申し上げたのでございます。しかし最後に、出て行つたらお前会うか、こういうお話でございました。それはおいでになればお目にかかります、と申し上げました。それから、最近お前は出張する予定があるかということでありましたから、いや出張する予定はございません、と申し上げました。私はその際繰返し、こちらから参つてお話するということを十分申し上げたつもりでありますし、その前の五日には鉄道局長が出て來まして、このくらいの額でどうだろうというお話もございましたから、そのくらいなら会計檢査院その他に対しても説明も理由もつくと思うし、ほかとの振合いもいいように思うから、と申しておきましたので、繰返してこちらから、あるいは仙台の方からお話するということを申し上げたのであります。最後に、出て行つたら会うかとおつしやつたときに、もちろんお目にかかることはお目にかかるつもりでありましたが、それまでお話をしてはいけないというふうにおつしやつたのを、私が取違えたのかもしれませんし、それからまた私の考えとしては、繰返して申し上げた通り、こつちから出かけて行つてお話する、こういうふうにお話したので、その辺もおわかりいただいたのではないかと思つておつたのです。それで仙台の文書課長が——仙台の局まで來ていただいたそうでありますが、そこでお話して、こういう事情になつておるので、青森市の場合は一万円であつたが、その後今も小笠原さんのお話に出たように思いますが、昨年の物價と、五月、六月は木材を中心に見ますと、五割増しくらいでありますので、一万五千円くらいでどうだろうというお話をしたのでありますが、二万円くらい出せないかというお話があつたそうであります。しかし現実にお拂いした青森の場合の一万円と、そのころは物價の値上りがはなはだしいときでありますから、そのことも考慮に入れれば、一万七千円くらいは拂えるじやないかというお話もありましたし、そのくらいでお話したらよかろうということになりまして、仙台の局からそういう話が來ております。これでお話がつきますならば、早く立案をして大臣の決裁を経て、支拂いたいと思つておりますが、まだ決裁もいただいておりません。今のところそういう状態にあるわけであります。たいへんなめておるというおしかりを受けたのですが、この点は私の言葉が足りなかつたので申訳ないのでございますけれども、繰返して、私の方から罹災者の方へ行つてお目にかかつてお話する、こういうふうに申し上げ、そのつもりでおりましたのが、そうでなくて御迷惑かけた点がありましたら、おわび申し上げます。
○小笠原委員 私は次官の方の立場から御答弁を願いたかつたのでありますが、三木君の方から答弁されました。それに対し私は議論するわけではございませんけれども、あなたのように口上手に、その場でわれわれに話されて、議論までして、われわれの選挙地盤の人に代議士が依頼を受けて、このような重大問題に立ち会わないでどうしてきめられるか、これは絶対に立つさわなければならないと申したはずです。あなたは近いうちに御旅行なさるかと言つたら、ないと言う。またあなたに合うことができるか、いやそれは來れが会えますということでわかれたことは、あなたは明瞭に承知されておるのであります。それを來ても來なくても、あてにならないというようなことを言われたからけしからぬ。あなたの部下が、村長以上七名の代表者が來た時分に何と言われたか。一万円なら今きめてやる、これ以上とるということは、大臣や政治家を頼んで來ても絶対だめだろう、これ以上はきめられない、恐喝的なことを言つてつつ返して來た。そういうことだから、私は立ち会おうと言つた、ただ意味なく私は立ち会おうと言つたのではない。案にたがわず約束の裏返しをやつて、仙台局の人を使わして、かつ仙台より手紙を持たして関係者を仙台に呼び、中央の方では政治家が入つてぶちこわした、それで地方に移轉されたということにして、とりきめることとした。しかも加賀山君が私に言つた通り、小笠原は入らなくてもいいかと言つて念を押したが、向うでは入らなくてもいいというようにきめたと言つておる。私が入らなくてもいいかと念を押しておるのだから、それが必要であるならば、またわれわれの立場を認められるならば、中央に來てからあなたがきめても一向さしつかえないではないか。しかもこの金高に至つては中央の責任にあるものと私は思つておる。それを担当しておる局長が、あなたの前にきめるべき責任を持つておる。何ゆえにこれを仙台にきめさせたか。仙台にきめるべき権限はないと私は思つておりますが、その権限はどうですか。それをまず伺いたいと思います。
○三木政府委員 地方選出の代議士の方が、その地方の罹災者に対していろいろ申し出ることは、私は政治の状態はよく知りませんが、よくわかります。それから山崎代議士もお見えいただきました。村長さんと罹災者一人、二人をお連れして來まして、私の部屋に見えたのでございますが、その節も今あなたに申し上げたと同じように、いずれ私の方でよく考えまして、係官を差上げましてお話します、もしなおお話がございますならば、罹災者の方と村長さんの二人でお出まし願うということで、あとは山崎さんと私の部屋で雜談をしまして、村庁さん方には出ていただいたので、会われたかどうかよく存じませんが、そういうふうに私どもはやつておつたのであります。私はつきりしておりませんが、そういう額の多いものは、必ず私のところへ言つて参りますから、下相談の限度は私がきめるのだと思います。これくらいならば、私が財源、予算その他は十分説明ができる、だからこれくらいまでは申し上げていいということは、私がいつもさしずいたしております。
○小笠原委員 中央できめなければならぬことが、あなたにおわかりになつているならば、何も地方に行つて山崎君に契約させる必要はない。あなたのところに呼んで、私がせつかく行きましたのだから、ここでやつてくれたらいい。中央だけの代表で足りましよう。人をやつてその人が折衝すべきじやないと思われる。しかしそこに非常に違いもあるし、先刻私速記に残して申しましたように、それでは、こつちに來たときに一万円以上のものはだめだつたということで、向うに行つて地方の政治家に移つたというようなことを、下山政官の方に本人の連中を連れて行きますから、あなたのところで言明させることにして、それからあなたは監督上その処置をとられるようにしていただきたいと思います。これで私は質問を打切りたいと思いますが、あなたの明日の都合はいかがですか。
○下山説明員 この問題につきましては、私も早く金額をきめて解決したいということで、早くしろ、早くしろということを念願して、そういうふうに命じておつたのであります。今小笠原委員の申されるように、かくかくかくかくのことがあつて、これについて次官はどう考えるかという御質問でありますが、小笠原委員が國会の委員会の席上で、相当憶慨していろいろお話になつておるようなことにつきましてはそういう誤解にしろ、あるいはまた感情上の問題にしろ、いろいろな問題を起しましたことにつきましては、まことに申訳のないことと私も考えます。そこで今のどうするかというお話の御返事につきましては、私もまだよく事態がわかりませんので、ここで返事はちよつと保留さしていただきます。
○小笠原委員 私は今あなたから御返事をいただきたいというのではない。加賀山君から仙台で聞いたと話と、本人の連中との話とあまりに相違するから、あなたのところに本人連中を連れて行つて、あなたに当時の事情を申し上げておきますから、お聞き取りを願いたい。あなたの明日の御都合はいかがですか、あなたが早くきめると言われたことには感謝するが、きめた結果が、青森のように戰災にあつてバラツクになつた所を三百戸燒いて、一戸一世帶一万円、こつちが百坪以上の目ぬきの場所の、昔そのままの家財道具を何十倍も持つている所を燒いたのと、同じ標準で五割増しと決定するのは、今までの鉄道としての標準であるかどうかということだけを、あなたに確かめておきたい。
○下山説明員 その査定の金額の問題につきましては、私自身まだ檢討しておりませんのでよくわかりません。今のお話の点は私よくわかりませんから、いずれ私が決裁し、判こをつくることと思いますが、そのときによく調べてみたいと思います。
○小笠原委員 これで終ります。
○原(彪)委員長代理 それでは本日はこれにて散会いたします。明日午前十時から公聽会を開きます。 午後五時四十五分散会