両院法規委員会 第4号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/02/17
会議録
○委員長(樋貝詮三君) では両院法規委員会を開会いたします。 今日案件にしたいものは三、四ありますが、最初にはドクター・ウイリアムスの前回の話について、お手もとへ配つた案について法制部長から申し上げたいと思います。それからさらに地方裁判所の方の、殊に最高裁判所の憲法解釈に関する問題、それから予算案に関して議会の修正意見の問題、それらを当面の議題として御意見を承りたいと思います。 まずドクター・ウイリアムスの所見の要旨につきまして、法制部長から事情を申し上げることにいたします。
○参議院法制部長(川上和吉君) お手もとへお配りしました所見要旨は、そこに書いてありますように、二月五日のこの委員会の打合会におきまして開陳のあつた点を、まとめたのでありまして、大体こういうような趣旨であつたかと思うのであります。別にこれはそれに基いての案とかいうことになつておりません。ただ聽いただけをメモにして御参考に差上げたということにすぎませんのでそのつもりでごらん願います。
○委員長(樋貝詮三君) この委員会については、さらに別途の示唆によりまして、法規委員会が会期の末までには自分のやつたことについて、あるいはまた意見について報告しろというようなことになるらしい。特に明文をもつて規定するらしいのですが、この委員会も仕事をしておりながら結果を出さなかつたために、何か怠けていたかのごとき感を與えておりますが、はなはだわれわれとしては遺憾の至りだと思いまするので、これからは適当な結果をどしどし出していきたいというような考えをもつております。それでここに述べられたことによりますと、この構成も各議院から十人すつ、都合委員が二十人、各議院から同数だけを出すことにしろというようなことでした。そうして速記者一人だけつけてやつたらいいぢやないか、そのほかのスタツフは要らぬだろうというようなことですが、こういうことをやつたから、この委員会は何も働けないことになると思いますが……。
○藤井新一君 このスタツフという意味は、どういう意味でしようか。委員長のお話しの通り何らの働きもできなくなつてしまうのですが、速記者一名というと、現在は二名でやつているが、一名を常置しておいてそれに二時間なり三時間なりを速記させるのですか。もう一つは、スタツフという意味をわれわれは吟味していかぬと、法規委員会は仕事の運営ができぬと思う。
○委員長(樋貝詮三君) この速記者一名というのは、速記者一名で朝から晩まで書かせるわけでなく、一名が二名になつても一向差支えないと思う。
○松澤兼人君 この速記者一名というのは、会議の速記を一名ということはできないことで、この委員会に一名置いて、会の時だけでなく、いろいろ打合わせたりする時に速記者を頼むということで、会議の速記をとる場合はぼくは別だと思う。
○委員長(樋貝詮三君) あるいは御意見のごとくであつたかもしれません。
○松澤兼人君 もう一つスタツフというのはどういう意味か、今ではスタツフはないといえばない。專門調査員も何もないのですから——法制部の人たちが手傳つてくれているからスタツフといえばスタツフだが、そのスタツフが要らないということになれば、ちよつと問題だと思う。法規委員会自身に別にスタツフはないわけです。
○委員長(樋貝詮三君) この部分は私ちようど中座した時だつた思いますが、法制部長、どういうことでしたか。
○参議院法制部長(川上和吉君) これは私ども聽いておりました感じといたしましては、速記者一名というのは、一つのたとえであつて、そう嚴格に一名という数字に拘泥したものじやない、ただ今まで法規委員会のわれわれの考え、あるいはまた皆樣方の考えもさようであつたかもしれませんが、勧告等については結論を非常にコンクリートなものにして出すというようなこと、これは両院法規委員会の規程にも、たとえば國会関係法規については案を具えて出すのだということでありますが、そういう重い行ぎ方をしないで思いついたことと申すと語弊がありますが、取上げた問題を率直に勧告し、あるいは勧告という形が惡ければ、たとえば所見を開陳する——勧告までいかないで、ただ問題を指摘するという程度の、軽く動くという意味から言うて、いわゆる專門家を煩わしてやる必要はない、こういうふうな意味におとりになつてよろしいのではないか、むろんその範囲において委員会の活動を事務局その他のものが補佐するということは、これはそれとしまして、おそらく言うた意味は、非常に問題を——たとえば法律案を起草するとか、あるいは審議をするとかいうような、非常に專門的に取扱う、あるいは問題を具体的に取扱うのではなしに、氣づいた問題をどしどし勧告なり、所見を述べていつたらどうか、そういうような意味を表わしたような意味で、速記者一名というような表わし方をしたのではないか、これは私の小し解釈のし過ぎかもしれませんが、そういうような氣持におとりになつたらどうだろうかという感じがいたすのであります。これはまあ私の個人的な感じかもしれませんが、御参考に申し上げておきます。
○藤井新一君 私はこれをこういうように見ます。法規委員会というのは、一つの権威あるものであつて、法規委員室というのがあつて、そこには衆参の法規委員は絶えずその部屋におつて、そうして互いにその中で研究しておつて、そうしてその中のグループが研究したものを勧告する。お互いに研究し合つて、他のものの力を借りずにやつていくというような、いわゆる常置委員会というような形であると考える。そうすれば、法規委員そのものがスタツフなんであつて、それ以外の者はその室にだれも入れないというようなものかと私は考える。そこで部屋の中に一人の速記者を置いておいて、絶えず必要に應じて速記をとらせて、各委員が審議し、必要な場合には勧告もするし、あるいはそれを実行するようにさせる。こういう意味に私はとる。そういう観点から見れば、このスタツフというのは、法制部も入れなければ、何も入れない、法規委員だけのものであると私は考える。またわれわれが最初考えた両院法規委員というものは、そうだつた。その理由は、現在の両院協議会の部屋をわれわれが借りて、そこに机をおいて、本箱もおいて、そうして熱心にやろうというのがわれわれの最初の考えであつた。そういう意味からこれを見ていただけばぴつたり合致していくように考えるのであります。だから、現在法制部の方が手傳つておるようなものを、全然考えていないものと私は考えます。
○委員長(樋貝詮三君) そうすると結局この委員会が、現在のものと比較すれば、委員を二名増す、それから速記者を別に常に一人ぐらいくつつけておく、こういうことの改正をやれば、この趣旨に合うということになるでしようか。
○松澤兼人君 それでいいじやないですかね。
○委員長(樋貝詮三君) そんなところでしようかな。
○藤井新一君 われわれは一つの室をもらつて、かばんもそこにおいて、常時引きこもつてやるという、常時デスクをやつぱり要求しなければならぬ。またそれがほんとうだと思う。
○委員長(樋貝詮三君) もつことになるですね。
○松澤兼人君 そのことはどうでしよう、この委員会の意向として、もう一つ強く押してみたらどうでしよう、部屋をくれということを……。
○委員長(樋貝詮三君) ここの先にどこかあいている部屋というのは、参議院の方の管理に属するものですか、衆議院のものですか。
○藤井新一君 衆議院です。
○委員長(樋貝詮三君) 引揚同胞か何かに使つておる……。
○藤井新一君 摘発物資の委員会が今使つておるのですが、あの部屋を借りれば、われわれは机をおいてやれるけれども。
○委員長(樋貝詮三君) この部屋ほどこのですか。
○中井光次君 参議院です。
○松澤兼人君 二十人もの机をおくのですが……。
○藤井新一君 机だけはいりますか。
○委員長(樋貝詮三君) 大丈夫でしよう。経常的に出てくるのは、二十人出ればよいけれども、なかなか出ないでしよう。
○藤井新一君 たとえば参議院は專門調査員の部屋をつくつており來月竣功する。そうすると調査員の方が出ていつて、部屋がたくさんあくのです。だからわれわれは二つの部屋くらいを占拠しても、十分にできると思います。そういう建前からこれを論議していつた方が、またわれわれの権威の上において、確かに部屋は必要です。
○松澤兼人君 二つの部屋がとれるかもしれないけれども、一つの部屋の方がよいですよ。
○委員長(樋貝詮三君) わかれると……。
○藤井新一君 そうすると両院協議会の部屋が一番いいです。
○松澤兼人君 だから隱退藏物資をどこかへ移して、あすこを両院法規で使う。それでなかつたら大きな部屋で全部はいる一部屋をもらう。そういう方針で委員長ひとつ……。
○委員長(樋貝詮三君) 交渉してみましよう。
○松澤兼人君 そうすれば、ほかの問題はドクター・ウイリアムスの御意見として、大体こういう傾向でいくことはいいと思いますが。構成の問題は今言つたように、これをそうむつかしく解釈しないで、ただ委員の数は殖やさなければなりませんし、委員長を二人にするということも、別の國会法の改正のところで、図書館運営委員会がやはりこの形で、委員長二人で交互に議長になるという規定がありますようですから、これと歩調をそろへて、委員長二人つくつて、交互で議長席につくということもやむを得まいかと思います。
○委員長(樋貝詮三君) これは委員長を二人選挙することでしようか。一方がやめて、それから他の方から委員長になるのでしようね。
○松澤兼人君 いや二人選挙することになるのです。
○藤井新一君 会をもつたびごとに交代の委員長、こういうようにとれます。
○松澤兼人君 國会法の改正ですね、図書館運営合同委員会の会議は、各議院がその議院に属する議員の中から選挙した委員長おのおの一人が交互に議長となるということになつております。
○委員長(樋貝詮三君) 会だけですとそれでもいいけれども、何か永続的な仕事をやるときになると、それでは非常に不便でしようがね、交互にというのは会ごとにという意味ではなくて、たとえば一年とか半年とかいう、多少の永続性をもたした、そのあとに交代することじやないでしようか。毎回というようなことで委員長をやつたら、委員長勤まらぬだろうと思いますけれども……。
○松澤兼人君 これは毎回代るという意味じやないでしようかね。
○委員長(樋貝詮三君) 会議だけならできますけれども、そのほかのことなどは、統一的に考えていかなければならないし、毎週代つていたら、何にもできないだろうと思うのですがね。
○大野幸一君 委員長交代してその席に着くというのは、これは各議院から、第一回委員会には衆議院からとか、その次の第二回には参議院からという意味には間違いなくて、ただそうすると委員長の心配されたように、一つの委員会に二人の委員長ができて、不便じやないかというのですけれども、それはやつぱり衆議院からの委員長、参議院からの委員長として、ここに対等に相談する、あるいは協議するというようなことになつて、運営をうまくやつていこう、こういう趣旨には間違いないように思うのですが、ただ委員長一人でなければいけないというのは從來の考えで、特別にこういうものをつくつてみようという試みだと思うのですかね。
○委員長(樋貝詮三君) 両頭のへびみたいになつて、たとえば、この委員会なんかにしましても、外部に向つて何か交渉するというときに、どつちが行つてもよいのだ、あるいはどつちもほかの委員長がやるだろうというようなことでやらないことになれば、何もできなくなるのではないかと思います。それでヘツドが二つあるというのは、おかしいことではないかと思うのです。衆議院から出ておるのがやめて、参議院がやるといつても、参議院は多少永続性がなければ、その方では計画そのときだけをこなして、あとは何もやらないということならば毎回代つてもいいですけれども、そのくらいならばむしろ輪番制にして、全部の委員が代つて委員長になつたり委員になつてやつていつた方が、かえつていいのではないかと思います。その日に出された案件をその日に片づけることだけであれば、スタツフをもたないと、速記者一人だけであつて何もできないことになつて、殊に法規委員会なんかでは全然何もできないことになるのではないかと思うのです。委員長が永続性をもちましたところで、私なんかまことに申訳ない話でできませんけれども、永続性がなかつたら、もつとできないだろうと思います。何かある期間をもつて交代したらどうかということではないかと思うのですけれども、しかしウイリアムス氏の話はどういうふうなことを意味しておるか、両院法規委員会は、ただこのような案件を出したのをきめるだけが両院法規委員会というのであれば、これで結構だと思うのですが、どこですかね。この前の日の説明は、私は覚えておらぬのですけれども……。
○新谷寅三郎君 図書館の運営委員について、向うからのメモランダムが來ております。それには今委員長が言われたのでなく、やはり各議院から委員長を出して、それが交互に委員長の席に着いて整理をしていくといつたような建前になつておるわけです。それと同どようなことを言つているのではないかと思います。
○委員長(樋貝詮三君) 毎回代るというのですか。
○新谷寅三郎君 毎回代るというのですね。
○大野幸一君 先ほど座談のときに、参議院は参議院としての相談したいこともある。衆議院は衆議院としての相談したいことがあるというような場合に、委員長が二人いるということは、かえつてそういう場合に便利であると考へられるのですが、こういう点からも各委員長が別々にあつた方が、まとまりが早くつくという効果も一つあると思いますが、いかがですか。
○藤井新一君 大野委員のおつしやることはまことにそうであつて、両委員長があることはいいのだが、樋貝委員長の言う問題は、委員長が交互に会議ごとにチエアーマンになるかならぬか、ここがポイントだと思います。私といたしますれば、衆議院は任期があるいは短かいかもしれません。参議院の方は、一回選任を受けると長く、現在の法規委員会では三年なり六年なりできます。國会法が変れば別ですが、衆議院の方は解散でもあれば法規委そ長たる者は短期間かもしれません。そういうことになると、どうせ一巡をして皆が委員長になるということは容易なことではないと思います。ですから、これはやはり会議ごとにやつていつて、皆に花をもたせてやるということも、一つの考へ方とも私は考へるわけです。
○委員長(樋貝詮三君) ただ毎回やつていくとすれば、この委員会がただ会議だけやるのならばそれでいきますけれども、会議以外にこの会で準備とか外への交渉も全然しないということになると、おかしなものになる。会議の委員長だけならば毎回代つても一向構わないので、故障は超らぬと思うが、そうでなければ一年とか何とかというもので交代しなければ行けないじやないかと思いますね。
○藤井新一君 委員長の意見に賛成です。そういう委員長のお考へはまことに結構です。そこでいかがですか、会議ごとにかえるというような意味であるけれども、委員長が今おつしやつたような意見を取入れて、会期ごとに委員長の交代をするというように、こちらが訂正していつてはいかがでしようか。
○大野幸一君 私は委員長並びに藤井委員の意見に賛成しかねる。それはやはり一方のものを一期間中副委員長という地位に置いてしまうことになる。これはやはり参議院と衆議院が同等の立場から各委員長を選任して、そうして会議をリードするために毎回交代するというのが、両院の連絡を最もよくするものだと思う。外部に対することなどは、両院法規委員会の性質上、そう考慮する必要はないと考える。その両院法規委員委の性質というのは、ここに配付されました法規委員会のあり方の一から四までのことを完全にやろうということで、その中にはそうむずかしいことはない。政治的センスを鋭敏に働かせればいいのだというので、大しためんどうなことでなくて、むしろ政治常識として超党派的に超然と考えるところに、いい考えが出てくるのだろうと思います。そういう意味で御両人の説には賛成しかねるものであります。
○藤井新一君 私は副委員長というのでなくて、参議院、衆議院がおのおの委員長をつくつておいて、一期間は衆議院の委員長、次の会期は参議院の委員長が委員につくというのであつて、大野さんの意見とは少し違う。両委員長を初めから選ぶということは、何ら変わりはありませんが、ただ会議ごとに委員長が代るのは、樋貝委員長がおつしやるように危惧がある。最初は私は大野委員と同じ意見だつたのです。ところがだれが責任をもつかということになると、われわれも考えさせられざるを得ない。その立場から私は訂正したらどうだろうという動議を出しておるわけです。
○委員長(樋貝詮三君) たとへばここで会議を開くとします。そして何か重要法案を早期に提出しろということを内閣の方、あるいは議院に勧告をする。そうするとその日にはやつてしまえないから翌日引続いてやろうという場合、今度は委員長が代つてその次の委員長でやるのかどうか。それから欠席することもありますから、欠席したらその日は代理の人がやる。その次は別の委員長が出る。それから引続いてもう三回ぐらいやらなければならぬというときには、その次の会議はまた別の委員長が出るというようなことで、一体だれがそういうふうな法案の支度をして、それについて結論を得たのをたれが勧告するか。議事が終つてしまつてから、あとその委員長がやらなければ、その勧告をするときは委員長でないことになりましようから、一体それはだれがやるのか、それもわからぬじやないかというようなことになる。一遍の会議に必ず初めに考え出してそこで提案してこの会の中にきまつてしまつて、その会が散会しないうちに勧告するのならできましようけれども、そうでない場合は、実際問題としてでき得ないと思うのです。だから委員長の諸君は、会議の職務だけでなしに、やはり委員長としては、そうでない職務がありはしないか。会議の議長なら毎回代つてもよろしゆうございますけれども、そればかりじやない。そいうう点を考えてみると、ある期間に交代したらどうかということに、結論はなるのじやないかと私は思いますが……。
○中井光次君 その今のお話は、対外的には両委員長おそろいになつておやりになつたらどうですか。つまり会議は交互にやつて、動くときには二つが一体になつて、衆議院、参議院というようにわかれていないで、両方でやつて、合同の委員会に二人の委員長ができておるのですから、この行動は片方の一人でやるということは、いかぬように思いますが……。
○大野幸一君 從來までこの委員は参議院が八名で、衆議院が十名であつたのを、今度は各議院より十名と改めるようになつたのですが、そこで今までの十対八というのがよくないという考えから、同等にしたのであつて、從つて委員長も双方から選出して、あくまで同等で今会員長のお考えの一委員会に二人の委員長があるというのは、おかしいようにも考えられますが、両院から成つておる委員会であるから、この点はやむを得ないと私は思います。むしろ実質的に見ましても、参議院は解散もなし、比較的冷静であるという点から、今度の改正では参議院の方をもつと重く見られるようになつたのではないかと思うのです。そういう意味で、委員長は双方で毎回交代していただ議席だけわける、外部に対する場合も衆議院委員長、参議院委員長として出席する、こういうことで差支えないと思われます。先ほど藤井委員からの話で、私が申し上げた副委員長というのは、少くとも一会期中一方の議院の委員長が議席につくというようなことをし、これが外部に対しても代表するということになると、実質上知らず知らずの間に各委員長というものが同等でなくして、副委員長資格に取扱われるというのを、おそれたのでありますが、そういう意味で原案の方がむしろ——やつてみなければわかりませんが、一度これでわれわれは試みる必要があると思われますが、いかがでございましよう。
○委員長(樋貝詮三君) 私はこれを見て、大体ウイリアムス氏の話はあつたのですけれども、委員長を同時に二人出すということは、私には納得できないことであつて、交互に委員長を出すということならいいですが、なんぼ両院より選出された委員をもつて構成するというのでも、やはり委員長は單一でなければならぬ。別々の参議院の委員であり、衆議院の委員であるということがいつまでもはつきり残つて、別途に働くというのなら、委員会を二つこしらえればいいのであつて、單一の委員会をこしらえるべきはずのものではないわけでありますから、その点については、組織の内容がそうであるということだけであつて、委員長を同時に二人つくるということは、これ自体おかしいと思う。どうしても交互に委員長となるべきであつて、片方が委員長になつたら、他の方は委員長でないということでなければおかしいと思うのです。だから今の委員長が二人同時に当るという趣旨は、少しおかしいじやないか。そういう本質でないかもしれません。片方が委員長である場合には、他方は委員長でないという考えでいかなければいかぬじやないか。それで衆議院ばかりがずつと委員長を占めるのはおもしろくないから、参議院からも委員長が出るようにということであれば、先ほど申したように一年くらいの交代ということでやつて、さらにその上に衆議院は解散ということがありますから、解散と同時に議員の資格を失い、委員長の資格を失いますから、そういう場合には参議院の方から代る、そして一年経つたら今度は衆議院の方でまた委員長を出してくるというようなことでいくのが相当と思いますけれども、二頭のへびみたいに、同時に二つの頭をもつというようなことは——胴体が單一の委員会でありながら、ヘツドが二つあるというのは、どうも字句の性質からいつて納得できないように思つておりますが、どうですか。
○藤井新一君 これは結局関係方面の意見をもう一度聽いて、どういう趣旨でこういう発意をされたかということを調べてから論議してはいかがですか。
○委員長(樋貝詮三君) それではそういうふうにお聽きいたしましようか。
○藤井新一君 次に私は質問があるのですが、本日主題の第三番目の運営についてのうちの五、六について申します。重要法案の早期提出を内閣または議院に勧告すること。この五ですが、さしあたり非常に重要な法案が同時にあるように思うのです。それは一つは選挙腐敗防止法案なのです。これは政策の問題であるから、総理大臣の決定しない間は出さないようにということになつておりますが、その準備行為としては、必要があるから、この際両院法規委員会が内閣あるいは議院に向つて、選挙腐敗防止法案を早く下準備を進めておくようにという勧告をする必要があると私は考えます。 もう一つは、今の内閣総理大臣の問題です。これも容易に決定しないものだから。われわれの方から何とか勧告をする必要がなかろうかと、こう私は思うのですが、法規委員がひとつそういう勧告めいたものをやつてみてはどうかと思つてこの提案をしたわけです。
○委員長(樋貝詮三君) 選挙腐敗防止法は、選挙法の改正というものにも大分の関連をもつておるものだろうと思います。たとえば、選挙法改正、殊に衆議院の選挙法の改正に関しては、選挙の簡易化というか、公営化というか、そういうような方を多分に考えていかなければならないし、勧告するには案を具えていかなければならないわけですが。その点については藤井君何か御腹案がありますか。
○藤井新一君 ちよつと速記をやめてください。
○委員長(樋貝詮三君) では速記をやめて……。 〔速記中止〕
○委員長(樋貝詮三君) 速記を始めてください。
○新谷寅三郎君 選挙法とか、選挙腐敗防止、これは國会関係法規と見れば、案を具えて出さなければならない。そうでない新立法の提案ということになると、勧告の要旨と理由を書けばいい。そうですね。今の法規委員会の規定によりますと國会関係の法規とも見られますし、そうでない新立法という範疇にはいるとも見られるのです。ですから必ずしもあまり具体的なものをそろえていかなくても……。
○委員長(樋貝詮三君) 項目だけ具えて勧告しますか、これは勧告してもいいですね。
○藤井新一君 いい時期と思います。
○委員長(樋貝詮三君) それではその勧告案をつくることで至急に進みますが。ちよつと速記を止めて……。 〔速記中止〕
○委員長(樋貝詮三君) それでは速記を始めて……。 —————————————
○新谷寅三郎君 昨年この委員会で一應論議しました政令と法律の限界、委任命令の範囲の問題、この間ウイリアムスさんもその点に触れておつたように思う。それは別に今すぐというふうに急ぎませんけれども、これはほかの常任委員会では取上げようがない問題ですから、これも早く取上げて、第二國会の審議に合うようにやつていただいた方がいいのではないか。勧告を早くやつていただきたい。
○委員長(樋貝詮三君) そうするとそれは委任命令の限界について、この委員会はこう考える。ついてはその範囲を越えるなということの勧告ですか。
○新谷寅三郎君 大分前の國会では問題になつたこともありますから……。
○委員長(樋貝詮三君) 私はさつきも申し上げたのですが、法律、命令、規則等が憲法に違反するや否やということは、最高裁判所が権限として、終審裁判所として判断することになつておるのですが、非常にそれについても疑問が生じて、ただ單に法律が憲法に違反するや否やということだけで出訴する途が、今はないのです。それが民事が刑事に関して超つた場合、あるいは行政裁判事項に関して超つたときに、具体的案件をもたなければ裁判所に出訴できない。しかもその出訴するのには、第一審裁判所へ出訴しなければならない。管轄の関係でどうしてもそうしなければならない。それが最後に最高裁判所へ行くというのですが、憲法の趣旨からいうと、最高裁判所が法律や命令などの憲法違反なりや否やを判断すべきものであつて下級裁判所がそれを直接に裁判すべきものではない。のみならず、法律が憲法に違反するや否やということだけでは、下級裁判所は受理すべき限りでない性質のものだから、そこで最高裁判所へ、しからば法律命令の憲法違反を理由としてもつていこうとすれば、今日手続規定が何もない。そこで私の考えたところでは、また多数の者が考えるところでは、手続規定がないがゆえに、從つて最高裁判所へそういう問題は抽象論としてもつていけないのじやないかということが考えられておる。しかし司法部の方の多数の意見としては、訴訟事件のような何か具体的の問題をかりて、訴訟事件にしていけばもちろんのこと、そうでなくとも下級裁判所はそれを取上げられるのではないか。何となれば憲法八十一條には、最高裁判所を終審としてこれを取扱うことになつておるので、第一審、第二審というものがあつて初めて終審問題が起るのであるから、それで下級裁判所も憲法の判断ができるのではないかというような意見のようです。それでこの点は至急立法的解決をなした方がよいのではないかということで、旧憲法時代に起つた法令審査権の問題がずいぶん廣い問題としてここに横たわつておつて、しかも法規はこれを解決していないという状態なんですが、何か立法の方でこれを解決すべしということを勧告した方がよいのではないか。これは單に法律ばかりじやなしに、実際問題として非常に頻繁に起るし、どうしてもこの際ぐずぐずしていられない問題だと思う。それらも取上げてこの委員会が勧告することが一番適当なことではないかと思つております。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(樋貝詮三君) それからもう一つは、先ほど申したのですか、財政法によると、議会が何か財政法というよりも、むしろその手続の説明がおもなものですが、議会が予算について増額修正がなし得る。それは政治上じやなくして、法律上なし得る権限があるかないか、あるように説明がされておる点もあるのですから、憲法の規定に照らし合わせて、それが正当であるかどうか。旧憲法のもとでは、提出権なし、新憲法のもとでもおそらく予算提出権なし、増額修正はなし得ない。こういうことになるのではないかと思うのですけれども、はつきりしないという憾みもあるので、それを立法によつて明確にすることを勧告したらどうか。これは今の司法の問題のように、現下に迫つた、しかも実際問題を非常に多く含んだという問題ではないかもしれないけれども、ついでに勧告しておいたらどうかというふうに考えております。それは両法制部でも至急御研究になつていただきたいと思います。それで四つばかり問題が重なるわけですが、御勉強願いたいと思います。 それでは委員会はこれで閉じることにいたします。 午後三時五十一分散会