図書館運営委員会合同審査会 第1号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/06/07
会議録
○會長(羽仁五郎君) これよの圖書館運營合同審査會を開きます。本日の議題は國立國會圖書館の本年度の豫算についてでございますが、これについて圖書館長の方から御説明を伺つて、そして御討議を願いたいと思います。
○國立國會圖書館長(金森徳次郎君) 今日この委員會の御審議を願いまする國立國會圖書館の經費の點でありまするが、かような經費はずつと早くよく取纒めまして御審議を仰ぐのが相當でありましたけれども、何しろ現在の情勢におきましては、いろいろの事情によりまして、一方だけ決まるということもできませんので、あちらこちらの樣子と見合せつつ豫算の組立をいたしましてお手許に差出しましたわけであります。詳細の説明は經理部長から明細にして貰うことに考えておりますが、大體の考え方といたしまして、今日この國會圖書館の經費は、立上りを立派にやつて行こうという私共の熱情から申しますれば、相當巨額の豫算を持ちたいというふうに考えておりまして、併しながら各方面で人員を整理するとか、或いは經濟的な困難を漕ぎ拔けるという次第でありまするので、私共みずからの考え方におきましても、餘りに急ぎますると適當な人員をうまくよき人材から集めて來ることもできない又準備も不完全な中に派手な立上りをすることには相當注意すべきものがあると考えまして、私共の手で及ぶ限りの努力をしつつ豫算當局の大體の傾向等をも參酌をいたしまして、差當りこれならば我慢ができるという程度の金額は計上いたしました。何とぞ御審議をお願いいたしたいと存じます。
○國立國會圖書館參事(武内時之助君) お手許に差上げてございます數字に、その後極く近く異動がございまして數字が違つておりますから、そのつもりでお聞きを願いたいと存じます。昭和二十二年度國立國會圖書館の豫算は七千四百十萬三千餘圓でございます。それがお手許の一枚目の一番終りが六千二百萬圓となつておりますが、これは訂正いたしまして七千四百十萬三千二百五十六圓になります。それで國會費の方の國立國會圖書館三千百四十六萬五千圓、この内譯は全部そのまま變りはございません。 それから二ページの方に參りまして國會共通費、これは内容が、數字が變りましたために、これが四千二百六十三萬八千二百五十六圓となつております。その次の國立國會圖書館營繕費が變りまして二千二百二十六萬三千圓となつております。それからその次の四と五と九と變更ございません。十の役務費に至りまして、ちよつと數字が違つておりまして、これが千八百四十八萬四百圓。それからその次の備品費は變りございません。十三の原材料費に至りまして、これが三百四十二萬七千圓になつております。それから諸支出金の方は變りがございませんが、一番終りに價格補正等特別補充費というのが加わつております。價格補正等特別補充費、これが五百七萬二百五十六圓となつております。それで合計が七千四百十萬三千二百五十六圓となつております。尚人件費につきましては、國立國會圖書館職員として本年六月までは百八十一人、七月以降十二月までは三百三十人、明年の一月以降年度末までは三百六十二人と漸増する形を取つております。差當り圖書館の過渡的運營をなすためには、最少限度後から申上げる職員を直ちに必要とする次第でございまして、すでに任命した者もございますが、これは豫め御了承を願いたいと存じます。内容を申上げますと館長一、副館長一、專門調査員一、局部長七、司書九、調査員十二、參事十二、主事四十六、主事補九十四、それから傭人三十二、合計いたしまして二百十五名となつております。
○會長(羽仁五郎君) 只今館長及び經理部長から報告がありましたが、御質問或いは御意見ございませんか。
○多田勇君 これは上野の圖書館はこの豫算の中に含まれておりますか。
○國立國會圖書館參事(武内時之助君) 含まれておりません。
○圓谷光衞君 この豫算で運營できるという確信の下に豫算を作られたのでありますか。現在の國の豫算から見て、當初の豫算より壓縮されて、これだけで我慢して呉れということで編成したのでありますか。初めはもつと理想的な豫算を作つたのですか。そこのところの點を一つ御説明願いたいと思います。
○國立國會圖書館參事(武内時之助君) 圖書館といたしましては大體一億圓程度の豫算を要求いたしたのでございまするが、國家財政上の事情から止むを得ず壓縮されまして、而も兩院の委員長その他皆さんの陰に陽に御援助下さいました結果、まあこの程度にでき上つたもので、先程館長からも申上げたように、私共が圖書館を運營して行くという思想的な考えからは非常に遠いものと思いまするが、今のところこれでやつて、あと尚不都合が生じた場合には更に大藏當局と交渉をして善處して參りたいと存ずるのございます。
○多田勇君 豫算の取扱い問題ですが、豫算をこの委員會において要求するということになると、圖書館の豫算についてはすでに審査濟みか、圖書館運營委員會においては審査濟みというような形になりまして、兩院の豫算委員會における審議の經過とは相當いろいろな點で以て困る問題が起りはしないかと思うのでありますが、これは一應要求する場合には、兩院の合同委員會において審議して、そうしてそれが正常なものとして要求することになるのか。或いは一應圖書館の館長が政府に要求する一つの經過的な手段として、審議ではなしに、豫算案を要求するという一つの經過的な手段として要求することになるか。その點今後の豫算の審議の上に非常に影響があろうと思いますので、この點についてお伺いいたしたいと思います。
○國立國會圖書館長(金森徳次郎君) ここに今日豫算の書類を委員會に出しましたのは、これで以て豫算が確定するという意味ではございません。ただ館長がかような豫算の案を作成した、そこで委員會にこれを提出して委員會の審査を仰ぎまして、若し委員會がこれをお認め下さるならば兩議院の議長に送付をして下さるわけでありまするし、又委員會がこれを以て不十分なりとせられまする場合には、この上に何らかの勸告を加えて、つまり御意見をお附け下さつて議長に送付を願うわけでありまして、これはいわば正式豫算ができまする前の途中のものでありまして、準備的なものであるわけであります。ただ實情は非常に差迫つておりまして、特別なゆつくりした御審議を仰ぐ暇がなかつた、かような次第になつております。
○多田勇君 そういたしますと、この間の事情は分りましたが、この豫算案はこれによつて図書館を運營して行くためには、そういうものに足りるものではないということで、先程經理部長からのお話で分つておりまするけれども、併しながら大藏省と交渉の過程において、圖書館としてはどうしても必要だという經費が相當無理に削らされておるだろうと思うのであります。そこでこの削られた程度の豫算では不十分であるから、どうしても或る程度のものは増額して欲しいというような、具體的な圖書館側の御希望がありましたらお聞かせ願いまして、それによつて勸告案、意見書を附けるという形にして行つた方がよいと思いますが、その點について圖書館側の希望を具體的に御説明願いたいと思います。
○國立國會圖書館長(金森徳次郎君) 大變御懇切なお指圖を受けまして誠に感謝の至りに堪えません。この豫算を大藏省に相談を持ち掛けまして、この事務上の協定をしておりましたし、又關係方面との意見等も考えて見ましたが、私共一番これは懸念のありまするのは、圖書購入費が非常に少いということでありまして、この豫算では四百萬圓しか表面では含まれておりません。それからもう一つ、この立法考査に當りまする、つまり國會のために必要な調査をいたします部局が比較的手薄でありまして、何とかしてその部分だけでも、他の方は直ぐ呑まないにしても、立法考査をする部面の人數だけは殖やしたい。願望といたしましては差當りその二點に集中をしておるのであります。 ただそのうち圖書購入費の四百萬圓ということは、これは非常に困難な問題でありまして、できるならばこれを殖やしたいという氣持を持つておりまするけれども、これはどういう本が得られるかということが今見當が付きませんので、その中に大きな纏まつたよい書物があつて、これを手に入れるというふうなはつきりした目度がつきましたならば、そのときにこそ追加豫算なり何なりのお願いをしたい。それから調査職員の方は、元は百二十人ばかり要求したわけでございましたけれども、これは六十二人ばかりになつておりまして、相當の開きがございますので、これは何とかして殖やしたいと思つておりますけれども、ただここに一つの弱點がある、と申しますのは、なかなかこういうふうの調査をいたしまする職員としてよい人を採りますことは、相當注意深く採らなければ得られません。餘りいきなり採りましても、うまい人が採れないことでございます。そこで先ずこの豫算の線に副つて今人を充實いたしまして、その樣子を見て何とかして又追加豫算か何かでお願いしたい、こう考えておりまして、私の方は希望を言えばはてしもないことでございますけれども、今のところはこの線のところで實驗的に始めて見まして何しろ立上りでございますから、餘り人樣のお耳に刺戟するようなことは言わないで、立上りはこの邊のところで遠慮をいたしまして、事情の動き工合をよく見ておいて、できるならば追加豫算等において必要なものを補充したい、こういうふうに今のところでは考えておるわけでございます。
○多田勇君 只今館長のお話で、立法部局が非常に手薄であるというお話で、我々もこの點は非常に遺憾に存じております。國會圖書館の主たる意味は議院の立法を補助するということが設立の根本精神であるにも拘わらず、立法部局の豫算に對して相當程度の削減が加えられておるという點については、これは委員會としても是非とも立法部局を強化するようなことにして行かなければならないと考えております。尚この問題につきまして、國會の法制部との關係、いわゆる國會法が近く改正になるやに聞いておりますが、その改正の内容に現在の兩院の法制局を纏めて一つのものにした相當厖大な法制局を作ろうというようなことが論議され、そうして大體内定したかに聞いておりますが、この法制局との關係について、圖書館の法制局と國會の法制局との間をどういうように調整して行くか、或いはこの間において現在の考え方で參りますと、圖書館というものは殆んど骨抜き同樣になるような危驗性がありますので、これらの點について國會側とどういうような話合いが進められておりますか、若しそういつたような話合いが進められておりますとすれば、それについて經過をお話になつて頂きたいし、更に今後圖書館として國會に強硬に要求して頂きたいと、こう思つております。
○國立國會圖書館長(金森徳次郎君) 今の點は、ありように申しますれば、私共としては尚心の隅には不滿足なものがあるということはどうしても免れないことであります。私の考えておりますところでは、法律資料が國會の議に付せられて行きまするためには、凡そ四つの段階がある。第一におきましては、必要なる資料を集めて來るとか、外國の法令を知りましたり、日本のいろいろな實情を集めて來るということでありまして、これは相當に面例な事柄だろうと思います。第二の點は、これらの資料を本にいたしまして、どういうような方向にものの考えを進めて行つたならばいいかということでありまして、つまり資料を本にして、これに必要な檢討を加えて、それに將來の狙いを付けて復案を作る、こういうことになろうと思います。資料の整理とでも申しましようか。それから第三の點といたしましては、その得られまして整理せられました資料を本にいたしまして、法文の形に作り上げるということになろうと思います。そうすると資料を集めることと、これを檢討することと、それから法文を作ることと、この三つのものは一貫作業でありまし前、途中で手離しますと、何だか材料、が片輪になつてしまうということになるわけであります。一應の法文ができてしまいますと、今度これが又いろいろな關係を持つて來るのでありまして、例えば衆議院と參議院の間に考え方が違うとか、政府の方が現に考えておる案との間に問題が起るというような、ここにいろいろな問題が起つて來ます。そういうことを考えに入れて、極めて美しい法文にして行くという段階が起るのであります。それを假に最後の仕上げとでもいうことができますならば、つまり四つの段階がある。それを本にして國會の一方で議決をされて法律を作つて行くということになろうかと思つております。そこで今申上げました四つの中におきまして、國會圖書館は初めの三つの段階の資料を集め、資料に檢討を加え、法文の形に持つて行く、これを主としてやるべきものだと考えております。その國會内部のいろいろな事情から來る最後の仕上げとか、政府の方との連繋から來る仕上げということになりますと、これは國會圖書館が自分でやつても、もとよりやれることであり、又それが一つの筋が通ることかと思うのでありますけれども、それが國會圖書館の手を離れて、國會事務局の方で初めからおやりになつても、これも亦筋が通る、どつちでなければならんという程はつきりしたことも言われないのであります。こんなふうに考えております。何といつても。この四つの考えでやることが理想である。理想と申しましても私の個人の立場から申しまして……個人といつても職務を持つておる個人の立場から申しますれば、この四つの段階を私の方でやりますことが實は滑らかであろう、そうすればいろいろな專門家もうまく集めることができる、こういう氣がするのであります。けれども、今まで議院の方からも、いろいろ論議の結果といたしまして、凡そ方向は定まつておる、定まつておりますけれども、この際殊更これに對して異議を述べるのではなくて、國會側の方も從來の線をお探りになつたらよかろう、我々の方も初めの三つの段階に重點を置いて行こう、こういうことで、つまり平和的に事務局側と私共は協調して出て來たわけであります。ただ問題は、詳しくは存じませんが、この兩院の法制局はおのおの五十人づつの人でできておるのでありますから、兩院を合せて百人ばかりの職員ができるわけであります。私の方はこの豫算で見ますと確か六十二人の職員になるわけであります。この三つの重要な段階をやつて行く者は六十二人、最後の仕上げをするだけのところは百人、この數字で以て果して妥當であるかどうかということは相當疑いの餘地があり、今後の問題はそこから發展するものと思います。私自身の立場から行けば、人を採る、職員の數の問題を付けようということは考えておりません。ただ私共自身の方の人を成るべく完備したい、そうしてできるならば歩調を揃えて行きたいというふうに思いまして、ここで一々細かいことまで觸れるのは行き過ぎたと思いますけれども、今後法制局ができた場合に、私共の方とうまく調和を取つて行けるような工合に今少しづつ腹案をしてやつておるわけであります。さよう御了承願います。
○圓谷光衞君 只今館長からの御説明にありました立法の調査部でありますが、これは圖書館を作る場合においても、ここにおられる中村委員長が、國會の生命はとにかくここにあるのだ、ここの運營がうまく行かなかつたら、國會圖書館というものは殆んど生命を失うということは、たびたび私共もここで論じたわけなんであります。只今承りますと、一番重要な三つの段階を國會圖書館でやつて、一番の仕上げは又別に置く、屋上屋で法制局でやるということは非常に國費を無駄に使うということがあり得ると思うのですが、こういう點は、私共の衆參兩議員においても極力他の議員にもこれを説明し、又館長もこれが、いいという信念があるならば、將來これに向つて進まなければならんと思うのであります。そこでこの豫算の問題ですが、どうしてもここの豫算が私は足りんと思うのであります。ここに重點を置いて豫算をお取りにならなければならないと思います。もう一つは、圖書館の生命は資料の圖書を集めることだと思います。ところがそういう豫算が七千四百萬圓もあつて、この一割は七千萬圓なんですが、一割にも充たない五分程度の四百萬圓という圖書購入費、先程館長は、今なかなかいい本が見當らないかも知れないというような話がありましたが、併し日本の文獻を國會圖書館に優秀なものを集めるということになれば、到底四百萬圓というような豫算では私は碌な本は買えないと思うのです。昨年東亞文庫とか滿鐵文庫というようなものの價格その他を聞きましても、一つの圖書館文庫を買うことができないと思つております。そこで先程一億圓以上の豫算を取る豫定であつたが、いろいろ壓縮されて、七千萬程度で、今年はここで我慢をしてスタートを切るというお話ですが、初めの豫定よりも三萬程度少いわけです。これを何とかこの合同委員會か何かで、更にこれを追加豫算で取るということが、ちよつとなかなかむずかしいと思うのですが、これを強引に一つ取ることをここで決めて、そうして一應國會から大藏省その他に交渉することは如何なものでしようか、私はそういう意見を申上げて置きます。
○會長(羽仁五郎君) 只今の圓谷委員の御提案について、御意見がございませんでしようか。
○圓谷光衞君 私は初めて館長から豫算について御相談を受けるのですが、今まで一度もまだ圖書館の方がどういう豫算でできりということは分らなかつたのですが、それには本當にこんな程度で行くという試案だと思うのですが、これから豫算をもつと殖やすというようなことはできないとすれば、もう大藏省と相談の上で出したのであるならば、私共の委員會というものは非常に舐められているわけなのですか、そこはどういうふうなことになつておるのですか。
○國立國會圖書館參事(武内時之助君) 私の方の事務當局が大藏事務當局とお話をしますのは、これは非公式のものでありまして、表向のものではございませんが、大體各省間におきましても皆同じような方向で、大體の了解を遂げて、その上で表に出しておるようなわけで、只今お話がございました圖書費につきましては、大藏省の方では一應四百萬圓にして置いて呉れ、併し又コレクシヨンでも見付かつた場合には相談には應ずるというようなことをはつきり言つておられました。それでございますから、若しコレクシヨンのいいのでも見付かりますれば、追加豫算或いは豫備金支出をして買つて貰うということになるわけだと思います。
○中村嘉壽君 この今の圖書購入費の問題ですが、四百萬圓と限らないで、例えば去年の豫算でも一千萬圓になつておる。それが、この四百萬圓というのはもう非常に釣合いのとれないけちな豫算でありますが、この豫算はとにかく増して置いて、二千萬圓か三千萬圓に増して置いて、出して、豫算委員會で削れば別だけれども、出して置く方法はありませんか。
○小林勝馬君 今の中村委員の御希望の圖書購入費を増加してやるというとは、圖書館側に言うのでなくて、我々委員會の方でやるべきだと思うのです。これに増額したものをここで決めればいいのじやないのですか。
○會長(羽仁五郎君) その點についてですが、この豫算が準備されます上には、勿論館長それから兩院の運營委員長も十分努力をいたしました結果でありますが、只今の島田委員、圓谷委員、中村委員の御意見も御尤もでございまして、我々としてももつと十分な豫算を持つて出發されたいということを希望いたしまして、それで館長にも十分その點を我々の希望を申述べたのでありますが、館長の先日來からの御研究の結果で、先程御説明がございしたように、一應この邊のところで出發して、そうして仕事が進んで行くにつれて又その追加を希望されるということの方がいいのではないかという御意見でありましたので、兩院の委員長としては館長の御意見に大體協調をして、それで本日こういう大體のアウトラインを以て御討議を願つているようなわけでありまして……。
○中村嘉壽君 今委員長のお話によるというと、館長とほぼ了解があつたというようなお話ですが、この衆議院の委員會ではそういう了解をしておりません。相談も何も受けていないのです。大體當局だけの試案だらうと、こう思つております。
○會長(羽仁五郎君) それは委員會としてと申しますよりも、館長が御希望になれば、それを委員會にお諮りしようと思いまして、それて館長の御希望を一應伺つて見たわけなのであります。
○中村嘉壽君 いや、それは羽仁君はそれを聞いておいでかしらんが、私共はこれを聞いておりません。
○會長(羽仁五郎君) いいえ、その委員會にお諮りする前に……委員會にお諮りしたいと考えまして、館長に御意見を伺つたわけなんです。
○中村嘉壽君 それは、伺つたわけということは、今のお話ですか。
○會長(羽仁五郎君) いいえ。
○中村嘉壽君 前にですか。
○會長(羽仁五郎君) ええ。
○中村嘉壽君 それは、あなたはお伺いになつたらうが、我々はそれを聞いていないのです。
○會長(羽仁五郎君) 衆議院の委員長と私と二人で、館長にそれを申上げて、若しこれで不十分だということがあれば、委員會の方にお諮りして十分に豫算を考えて頂くということにしたらどうかということを、委員會にお諮りする前に館長に御相談したわけなんです。館長の方では一應これで通して頂いて、それで追々と必要に應じて、希望されるという方がよくはないかという御意見でありましたので、そのまま委員會にお諮りしないで済ませたわけでございます。
○中村嘉壽君 つまりそこが我々委員を無視された結果になるんじやないかと、こう思うのです。それは兩院の委員長が、今お話を聞きますというと、委員長と館長との間には、お話があつたと、こういうのだが、委員長がそうであるならば、參議院の委員長なら參議院の委員長が、參議院にこれを諮つて決せられるべきであり、衆議院は衆議院の委員會に諮つてこれを決すべきである。
○會長(羽仁五郎君) ちよつと……委員會にお諮りすることについて、館長の御意見を伺つたんでございます。そうしたら、館長とされては、大體の輪郭をお作りになつて、それで委員會にお諮りすることを希望されましたので、そのように取計らつたわけなんです。決して委員會に對して、委員會に館長と御相談しないで豫めお諮りすることもできないものですから、それで館長の御意見を伺つて、然る後に委員會にお諮りしたいと、こういように考えまして、それで今日まで館長がいろいろ努力をされて、このアウトラインをお作りになつて、そうして今委員會にお諮り申上げておるのです。
○中村嘉壽君 つまり若しこれが今お話しになつておられるのでしたら、適當な額に私は修正しなくちやならんと思うのです。それだけではない、さつきからお話のあつたように、一方リフエレンス局の豫算も、これでは國會圖書館を置く意義がないようになつて來ておるのです。今館長の御説明によれば、これはスタートするにこの程度のものだと、こういうことのお話ですけれども、出發點において一つ屋上屋を重ねるものができて來る、そのためにこの豫算が小さくなつているんだと思うのです。壓縮されているんだと思うのです。そのことは、こつちの方で考えるべきでなく、それは法務局といいますか、法制局というものを作るなら、その豫算はその豫算で多額の費用を取るなり、それはそつちの關係であるから、我々干渉する必要はない。併しながら、ここで必要なものはここで要求して取ることをしなくちやいかんじやないかと私は思う。そうでなくて、向うの方に遠慮して、取るべきものも取らないでおるということは、私はこの運營はできないと、こういうふうに思うのです。 それからいま一つ私お伺いしたいと思いますことは、この中には、兼て我々兩院の考えで同意を得て、もうすでに契約もできなくちやならん筈であつたところの、東洋文庫のことと、それから靜嘉堂文庫のことについての豫算は組んでないと思つておりますが、これはどうなりましたか。この説明を願います。
○國立國會圖書館參事(武内時之助君) 東洋文庫及び靜嘉堂文庫の豫算につきましてはいろいろと折衝いたしましたが、思うように取れませんで、東洋文庫百二十八萬五千圓、靜嘉堂が五萬一千圓の豫算を取つておるのでございます。その外人員は二級官六名、三級官十二名、雇五名、傭人二名という程度でございます。
○中村嘉壽君 これを含んでおりますか。靜嘉堂の方も東洋文庫の方も、これは含んでおりますか。
○國立國會圖書館參事(武内時之助君) この豫算の中に全部分けて組み込んであります。
○中村嘉壽君 分けて組み込んでありますか。
○國立國會圖書館參事(武内時之助君) 物件は物件方費のへ入つております。
○中村嘉壽君 それからもう一つお伺いしたいのでありますが、經費が組んであるということは、結局あの文庫は國會圖書館に移管すると決まつたものですか。館長に……。
○國立國會圖書館長(金森徳次郎君) 靜嘉堂文庫と東洋堂文庫につきましては、館長としてはまだ何らの方針を決定したことはございません。館長の職責に關しますることは、館長みずから責任を以て決するというのが當然でありますから、今後これを決する段階になると思つております。他人樣に責任を負わせるというわけではなく、私みずからの責任としてやつて行くべきものであるというふうに考えておるわけです。併しながらこの問題は從來委員會において研究を進められたものでありまして、正確に委員會において議決せられたということをも伺いまするし、又必ずしも正確に議決したわけではないということも伺つておりまするので、館長みずからとしてはその點についてはまだ確たる判斷を持つておりません。で、こういう問題でありまするから、改めて兩院の委員會の御意向を確めて、全體の御要請、こういうような程度においてこの二つの文庫を管理するがいいというお話でありまするならば、私共も豫算の準備をしておりまするから、その點において考慮して行きたいと考えております。
○中村嘉壽君 只今館長の御説明によつて、館長のお立場はよく諒とするところでありますが、この問題はすでにしばしばに互りまして私共は決した問題であるとこう考えております。私が當時委員長であり、羽仁君が參議院の委員長をされておりましたから、羽仁君の御意見をこの際伺つてみたいと思います。
○會長(羽仁五郎君) 如何でございましようか。お諮りいたしますが、時間の關係上、今日豫算の方を先に御審議願いまして、その問題につきましては又次の機會にお願いできれば……。
○中村嘉壽君 それはそれでいいです。
○會長(羽仁五郎君) それでは豫算の件につきましては、先程からの御意見を、實は我々もそういうふうに考えていたものですから、この國會圖書館法に從いまして、館長の提出せられました豫算に、この委員會としての意見を附けまして、そうしてそれを議長に送付するというふうに實は考えておりましたのです。そんなふうにいたしまして、將來においてその必要が起つたならば、必ずそれを實現せられるというように御盡力を願い、そうして若しお許しがあれば、この豫算に附けて議長に送ります。意見書の原案を讀んでみましようか。
○中村嘉壽君 これは今日決しなければ間に合いませんのですか。どうですか。まだ延びるのではないかと思いますがね。豫算の提出することが明日あたり出るのではないかと思います。
○會長(羽仁五郎君) 速記をちよつと止めて下さい。 〔速記中止〕
○會長(羽仁五郎君) 速記を始めて。只今まで各委員から非常に熱烈な御意見がございまして、國立國會圖書館が出發する際にこの豫算では餘りに少いのではないか、いろいろな關係もあることであろうけれども、そういう點が非常に心配されるということは強く發言せられました。その意味で館長が今まで努力をせられて來ましたこの豫算を、一應この合同審査會でお認めになりますけれども、併しこれに對して只今各委員からの御発言の趣旨を以て勸告を附けて議長に送付するということにしたらば如何かと考えますが、如何でしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○會長(羽仁五郎君) それでは勸告文を讀み上げてみます。 本豫算案を見るに、圖書館を實際運營するに相當窮屈であるように考える。殊に立法考査局の任務は重大であるが、その任務を遂行し得るや否やこの豫算では多大の疑念があるが、實地に運營して見なければ適切なる批判は加え得ない。從つて實際を見た上で今後適當なる豫算的措置を講ずること。
○中村嘉壽君 これをやつて見なければ分らんという意味のことは弱いじやないですか。それと、圖書講入費についての相當の増額をしなければ困るということも附けて貰いたいなあ、この二つです。
○會長(羽仁五郎君) それでは速記を止めて。 〔速記中止〕
○會長(羽仁五郎君) 速記を始めて下さい。 只今の強力なる御意見を從いまして、只今の勸告案を改めて次のようにいたしたら如何かと存じます。原案を一遍讀んでみます。 本豫算案を見るに、國立國會圖書館を實際運營すり上に相當窮屈である。殊に立法考査局の任務は本圖書館の本質をなすものであるが、この豫算ではその任務を遂行し得ないのではないか。又圖書購入も頗る不十分である。これらの點につき今後適當な豫算的措置を講ずることを勸告する。 これで如何でしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○會長(羽仁五郎君) 御異議ないと認めて右のように決定せられました。それではこの勸告案を附して各議長に送られることを各院の圖書館運營委員會で御決定あるものと期待いたします。本日はこれにて合同審査會を閉會いたします。 午後四時五十六分散會