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2回国会参議院1948/06/28

本会議 第54号

発言数
63
登壇者
13
会派数
4
開催日
1948/06/28

会議録

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、民事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。司法委員会理事岡部常君。    〔岡部常君登壇、拍手〕

岡部常緑風会

○岡部常君 只今議題となりました民事訴訟法の一部改正する法律案の司法委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  日本國憲法の大改正に伴いまして、民法、殊にその親族、相続の部面に相当な改正が行われまして、これに関連する裁判機構にも著しい改革がもたらされましたのであります。昭和二十二年法律第七十五号「日本國憲法の施行に伴う民事訴訟法の應急的措置に関する法律」を制定いたしまして、日本國憲法及び改正民法並びに裁判所法の施行上必要止むを得ない部分に限りまして、民事訴訟法に対する應急的措置を講じたのであります。而してその間に現行民事訴訟法を根本的に檢討して、本格的の改正を加えるために、政府においては鋭意研究を進めて参つたのでありまするが、諸種の事情によりまして、最高裁判所の規則制定権との限界につきまして尚十分檢討する必要もあり、今その根本的な改正をすることは困難でありまするので、應急的措置に関する法律の失効に伴い、その内容となつているものを本法に取入れた程度の必要最小限度の改正を主眼といたしまして、伴せて新裁判機構の下におきまする民事訴訟法の運営上適当と考えられる二三の新らしい制度をも取入れて立案せられたものであります。  本来の内容中重要なる部分を二三簡單に申上げますると、第一に、クロス・ザ・エキザミネーシヨン、即ち交互訊問制の採用であります。これは訴訟当事者の保護と弁論主義、当事者訴訟主義を徹底いたしまして、裁判の民主化を図るために設けられたものであります。尚これに関連いたしまして、職権証拠調を廃止いたしまして、裁判官更迭の場合における証人再訊問請求権をも認めて、当事者の権利と責任を拡張し、直接審理の建前を更に一歩前進せしめたのであります。  第二に、簡易裁判所の訴訟手続に関しまして、裁判機構の運営の円滑を期するために特則を設け、地方裁判所の手続に比べまして、調書の記載や証拠手続等を簡略に運ぶようにいたしましたし、司法委員の制度を設けて一般民間人に和解の際の補助、審理の立会等をもさせ、その意見を徴することになりました。  第三に、証人義務の徹底という見地からいたしまして、証人、鑑定人等が正当な理由なくして出頭しなかつたり、宣誓を拒絶した場合の制裁を強化いたしまして、場合によつては刑罰をも科し得ることとしたのであります。更に上訴の濫用を防ぐことと、その負担を軽減する目的を以ちまして、訴訟の完結を遅延せしむる目的のみを以て控訴を提起したものと認むるときは、貼用印紙の十倍以下の金銭の納付を命ずることを得る。という新らしい規定が設けられました。又判決に明らかに法令違背があるとき、一定期間内は、その裁判所みずから職権で変更し得る規定や、上告裁判所の判決に対しても、一定期間内に限り、法令違背を理由とする異議の申立ができる規定を新設いたしまして、裁判の権威を高めることにしたのであります。  委員会におきましては、本改正案の重要性に鑑みまして、政府の提案理由の説明及び逐條的な一般説明を聽きました後に、鈴木安孝君、齋武雄君、前之園喜一郎君、松井道夫君、それから本員の五名委員を以て構成する小委員会を設置しまして、詳細にこれが審議に当つたのであります。小委員会は互選の結果鈴木安孝君を小委員長に選任しまして、慎重に審議を重ねたのであります。政府委員の説明に対しまして、各委員より幾多有益な質問がありましたが、これは省略いたしまして、先ず問題となりましたのは、只今審議中の改正刑事訴訟法に比べまして、民事訴訟法中の証人、鑑定人等の不出頭、宣誓拒否等の場合の制裁が均衡を失しまするので、その刑罰を刑訴なみに強化すべきであるということと、本改正法の施行に対する裁判所側の準備と、その受入態勢につきまして、最高裁判所の事務当局、東京高等、東京地方両裁判所の民事関係の裁判官を小委員会に招致いたしまして、民事事件処理の実情を聽取いたしたのであります。その結果裁判所といたしましても、職員の訓練や、設備の充実等に相当の準備を要し、そのためには相当の日時を必要とするということでありまして、本年七月十五日から本改正法を実施することは困難でありまするから、施行期日を昭和二十四年一月一日に改め、應急措置法の効力も本改正法の施行期日まで延長することが適当であるということになりまして、委員会で以上二点の修正案が鈴木委員より提出せられたのであります。  委員会におきましては、この修正案及び以上の修正を除いた部分の本改正法案を、いずれも全会一致可決いたしたのであります(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て委員会修正通り議決させられました。      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) この際、日程第二、性病予防法案、日程第三、理容師法特例案(内閣提出)、日程第四、麻藥取締法案、日程第五、大麻取締法案(内閣提出、衆議院送付)、以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。

塚本重藏日本社会党

○塚本重藏君 只今議題となりました性病予防法案の、厚生委員会におきまする審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。  この法案につきましては、六月の十日本院厚生委員会に本審査付託となり、本案につきましては、六月の十二日、第一回委員会を開催いたしましたて、爾來委員会を開きますること七回に亘つて、毎回極めて熱心な審議を続行したのであります。先ず最初に厚生大臣から本案の提出理由の説明を聽取いたしました。その概況をここに申上げます。  我が國の性病の蔓延状態は、戰前すでに憂慮すべきものがあつたのでありますが、戰時中より戰後にかけての社会的混乱は、性道徳の紊乱という面目からざる風潮を生じ、加うるに急激な経済的変動のために道徳心が没却されがちとなりつつあることは、性病予防上に憂うべき状態と申さなければなりません。政府は終戰後直ちに花柳病予防法特例を制定し、業態者に対しては、一層嚴格な規定を加え、且つ一般患者に対しましても医師の届出、治療の励行等を規定して、性病予防の措置を講じたのであります。併しながらその後公娼は廃止せられまして、文化國家として我が國は一進歩を画したのでありまするが、これに伴いまして、從來の法律がその主たる対象といたしておりました業態者なる概念は、これを一擲する必要を生じ、ここに性病予防につての根本的対策の確立と徹底的実施とが要望せらるるに至つたわけであります。政府といたしましても、この間の事情にたいしよしまして、性病の徹底的な予防及び治療を行い、公衆衛生の増進向上と民俗素質の改善を図り、健全な國家建設に寄與するの必要を痛感しましたので、廣く諸外國の立法例を参考といたしまして、從來の花柳病予防法及び特例を綜合いたしまて、この法案を提出するに至つたのであります。  この法案の内容を要約して申上げますと、大体次の通りであります。  第一に、性病の徹底的な治療及び予防は、國及び地方公共團体並びに個人の義務として、これに医師の協力義務を併せ規定いたしたのであります。第二に、性病の取扱いにつきましては、急性傳染病とほぼ同様の取扱いとし、医師の届出制度をとり、治療も都道府縣知事の監督下に、医師及び患者に應じましては、患者に対して強制入院させる措置を講じ得るよう規定したのであります。第三に、從いまして感染原の発見、追求を行う規定を設け患者について、誰から病気を貰つたか、誰にうつしたかという、いわゆる接触者調査を行い得ることにいたしたのであります。第四に、性病の対象範囲の拡大に伴いまして、業態者の定期の健康診断を命じ得ることを規定し、公娼廃止後憂慮せられておりましたこの方面の性病の傳播を防止することができるようにしたのであります。第五は、都道府縣知事は、性病の蔓延等の著しい場合におきましては、その治療及び予防のため特に必要があると認めたときには、強力な予防措置を講ずることができ得るのでありますが、これはその実施を慎重にするために、特に厚生大臣の承認を必要とすることにしたのであります。以上に述べました都道府縣知事の健康診断命令は、若しそれが濫用されることになりますると、基本的人権蹂躙を招く虞れがありまするので、特に本法におきましては、知事の命令が違法であると、考えられるときは、裁判所に命令の取消の訴を提起することができるようにしたことであります。第六は、性病は子孫にまで害を及ぼすものでありまするので、婚姻、妊娠の場合におきましては、努めて健康診断を受くることを規定いたしまして、その予防を図ろうといたしたわけであります。第七は、性病予防施設に関しまして、從來診療所、病院がありますが、今後共この整備拡充を期するようにするものであります。  以上が大体本法案の内容であります。現下の社会情勢に鑑みまして、性病に対する予防の特に徹底するの必要性ある見地から、本法案に対しまする質疑は、各章各條文に亘つて極めて熱心、且つ活溌に、慎重に審議がなされたのであります。その質疑應答の主なるものをここに御紹介申上げますと、質問の一、本法案は民俗の將來に影響ある重要法案でありますが、本法案の内容は余りに生ぬるいと思うが、更に徹底した規定にする考えはないかとの質問に対し、厚生大臣から、我が國には長い風習があるので、性病予防等については、一足飛びに行き難い点がありまして、取敢ずこの線まで行つて、將來更に徹底的に行くべきであると思つて、將來更に徹底的に行くべきであると思つておる。性病予防、結核予防の立場から一定年齢の國民に対する一齊検査のごときものも考慮しておる次第である。質問の二、性病に対する知識の向上及び性教育に対する方策如何。答、第二條に國及び地方公共團体をして知識の普及を図るように規定されており、性病の祕密主義を廃して、公然と予防運動をするために、映画、展覧会、パンフレットの配付等を行い、又性教育については、学校方面において十分考慮するようにいたしたい。質問の三、六條の医師の指示は、文書によつても行われるか。答、省令に規定するつもりであるが、口頭又は文書のいずれでもよいことにしたい。質問の四、流産の場合には、医師の診断を受けるべきであると規定してはどうか。答、流産の場合の健康診断は、医師又は助産婦の責務として獎励するので、規定する必要はないと考えた。質問の五、性病の治療費を地方公共團体に負担せしめる規定があるが、今日のように地方財政が困難であるとき、かような負担ができ得ると思うか。答、地方財政は困難と思うので、治療費の点は本人の負担能力に應じて全額又は一部負担を行わしめることにする。質問の六、本法案を施行するに当つて、日本國籍外の人に対しての取扱いを如何にするのであるか。答、日本本土に存在する者にして進駐軍を除いては、全部適用する考えである。質問の七、本法案は性病撲滅を目的とすると思うが、結果として重大な点は、人権蹂躙の問題が起き易い点であると思うが、その点人権尊重という点を注意されておるかどうか。答、性病にかかつていると疑うに足る正当な理由があるものという條件によつて縛つておる。尚十條には、証明書を提示すればよいこと、或いは又十二條には、健康診断を命ずるときは、厚生大臣の承認を必要とする。或いは二十三條には、当該吏員の身分証明書の提示、二十四條の行政訴願、即ち健康診断をされようとした者は、その処分が違法であると主張するときは、裁判所にその処分の取消の訴を提起することのできる等、十分その点考慮されてある。質問の八、本案の対象は、國民全体であるが、例えば罰則の対象になる者は、必ずしもいわゆる賣淫者でなくして、普通の家庭の子女も処罰の対象となつておるように見受けるが、その点間違いないか。答、普通の家庭の子女も処罰の対象となることがあるのであると。質問の九、性病に対しては、國、公共團体、個人及び医師が、その予防治療に責任を持ち、互いに協力しなければならないが、その医師の協力の限界は如何。尚性病に対する医師の公益性を伺いたい。答、第六條及び第七條に測定されてその点はあるが、細かいことは、省令等で決めたい。尚医師公益性については、傳染病扱いの場合と同様な立場にあるものと考えられる。質問の十、当該吏員が患者又は疑わしい者の居所や住所に立入つて、必要な調査をする場合、人権蹂躙になりがちである。対象が得る賣春婦の場合は格別、一般家庭人の場合には、人権尊重の意味で書面等で應答ができるようにしてはどうか。答、当該吏員の立入りの場合には、愼重を期して、苟くも人権蹂躙のごときことのないようにいたしたい。不必要な線を越えないようにし、又祕密嚴守をも規定して、以て人権蹂躙も起こさず、予防治療も徹底せしめて行き、その間の調和は非常に困難ではあるけれども、運営面において十分注意して行くつもりである。質問の十一、常習賣淫者に対する更生のための職業補導は大切であると思うが、これに対する方策如何。答、常習者が性病のため、入院治療を行うだけでは徹底しない。ぜひとも授産所のごときに送つて、生産事業を行わせたい。その趣旨には賛成であるから、運営の面において、成るべく授産所施設の拡充を図つて行きたいと考えておる。質問の十二、保健所行政と本法案との関係はどうか。医師の公的事務について、保健所長の指示権及び保健所運営の点について伺いたい。答、この法案の建前として、都道府縣知事が実施責任者となつているが、保健所法によつて、その権限の大部分を保健所長に委任することになつており、從つて保健所は、性病予防の第一線機関になるということができるのである。即ち医師に対しましては、指導監督と協力とをなし、患者に対しては、接触者調者を行い、治療を実施すると共に、必要に應じて強制的に健康診断、治療入院、入所命令を出し得るのである。その外性病の知識普及を積極的に行うことである。医師の公的事務については、保健所長は、都道府縣知事の委任を受けて、十分指導監督を行い得る。尚保健所の運営につきましては、現在は公衆保健局において指導しておるのであるけれども、厚生省機構の改革によつて、予防局の所管となる予定である。かようにいたしまして、法案の実施には遺憾なきを期しておる次第である。質問の一三、賣春等の処罰法における罰則に比べて、本法の罰則は過重であると思うが、その点どうか。答、本法では普通の人と違い性病という恐るべき病毒を持つておる者の行爲であるから、重くなつておるのであるけれども、賣春等の処罰法と均衡は取れておると思う。  以上の質疑應答があつた後、六月二十五日の委員会におきまして、討論に入りましたところ、一委員より修正の動議が提出せられたのであります。その修正点並びに、その理由を申上げますと、本法案を通じて審議いたしましたが極めて文化的であり、高度の衛生を狙つた点は多とすべきであるが、婚姻、妊娠の場合にこの機会を捉えて性病予防に資すべきであり、流産、死産等は或る程度性病に基因するものがあるので、妊婦にその覚悟を持たせ、又社会通念にまでする必要があると思うので、第九條の妊婦に対する健康診断を受けるように「つとめなければならない」とあるのを、健康診断を「受けなければならない」と修正した方がいいというものであります。修正の第二点は施行期日が七月一日とあるけれども、保健所の施設、担当関係者への周知、その他諸般の準備等が間に合わないと思うので、これを九月一日とし、その間各方面に周知、徹底せしめる必要がある。以上二点について修正意見が提出せられたのであります。これに対しまして、各委員より本修正案に賛成の意見が開陳せられました。討論を終りまして、採決に入り、先ず修正案ついて賛否を諮りましたところ、多数を以て修正案は議決せられました。次いで修正案を除く他の原案につきまして、採決をいたしましたところ、全員一致を以て可決せられました。よつて本法案は多数を以て修正議決せられた次第であります。以上をもちまして本法案の厚生委員会における審議の経過並びに結果の報告を終わります。  次に理容師法特例案に関しまする御報告を申上げます。  本案は六月十日厚生委員会に付託され、六月二十五日審議いたしました。先ず政府委員より提案理由の説明がありましたが、その概要を申上げますと、理容師法が制定せられました結果、同法第二條及び第三条の規定により、学校教育法第四十七條の資格を有しない者、即ち國民学校高等科卒業以下の者は、都道府縣知事の行う理髪試驗及美容師試驗の受験資格がないことになりましたのですが、從前から理容師になる目的で徒弟見習中の者には特例を設けて、二年間を限り受驗資格を認めることとし、又都道府縣知事の指定した理容師養成施設に現に在学しておる者に対しましては、卒業後の免許資格を附與することにするのが本案の内容であります。  極めて簡單な内容でありまするが、必要且つ適切な行政措置法でありまするので、二三の質疑がおこなわれました後、討論を省略いたしまして、全会一致原案通り可決いたすべきことに決定をいたしました。  次に麻藥取締法案及び大麻取締法案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  この二法案は相互に極めて関連のあるものでありまするので、両法案を一括して審議いたしたのであります。  先ず麻藥取締法案につき説明いたします。阿片、モルヒネ等のいわゆる麻藥は医療上欠くことのできない藥品でありますが、他面これらを濫用することによつて起こります害毒が甚大なことは、歴史の示す通りであります。從いまして麻藥の害毒を排除しつつ、医療上必要なものを確保し、以て國民医療の完璧を期するものであります。本法案は麻藥の範囲を規定し又麻藥を取扱うためには厚生大臣の免許を受けることが必要であり、又一面取扱者でなければ麻藥を所持し、使用すること等を禁止することにしておるのであります。医師等から施用のために交付されたものについては差支えないのであります。尚取扱者になりましたものは、輸入、製造、使用等につきましての報告及び師簿等の記入の義務を負わすことにいたしておるのであります。  次に大麻取締法案につきましては、麻藥と同様な害毒を持つておるのでありますから、大麻草は大体が農業に從事しておる者が栽培しておるのでありまして、今回提出されました麻藥取締法案の取締の対象たる医師、歯科医師、藥剤師等とは、職業の分野が甚だしく異なつておりまする関係から、別個の法律を制定いたしまして、これが取締の完璧を期することになつたのであります。本法案は大麻の定義を規定すると共に、麻藥取締法と同様免許制をとり、その他の面も大体、麻藥取締法と同様であります。  以上がこの法案の内容の概要でありまするが、委員会におきましては、六月二十四日と二十五日の両日に亘つて慎重な審議をいたしました。各委員より様々の質問が行われたのでありまするが、それを省略いたすことにいたします。  かくて質疑を終りまして、討論を省略し、全会一致を以て原案通り可決されました。これを以て御報告を終ります。(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。先ず性病予防法案全部を問題に供します。委員長の方向は修正議決報告であります。委員長報告通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て委員会修正通り議決されました。      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 次に理容師法特例案、麻藥取締法案、大麻取締法案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立]

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて三案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) この際日程第六、國有財産法案、日程第七、旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。財産及び金融委員長、黒田英雄君。    〔黒田英雄君登壇、拍手〕

黒田英雄民主自由党

○黒田英雄君 只今上程せられました國有財産法案並びに旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律案につきまして、委員会の経過並びに結果について御報告をいたします。  先ず國有財産法案についてでありますが、現行の國有財産法につきましては、新憲法施行に伴いまして、先に所要の部分的改正が行われたのでありまするが、全面的に改正を要することが規定されておつたのでありまして、政府はこれが調査審議のために國有財産法制調査会を設けまして、審議の結果、この國有財産法案が作成せられまして提出されたというのであります。  この法案は現行の國有財産法を廃止しまして、全面的に改正しまする外に、この改正に伴いまして、國有林野法及び皇室経済法の一部をも改正しようとするのであります。そのないようの大要を述べますれば、國有財産の範囲を現行法より拡張しまして、新たに無体財産権、社債、地方債、投資信託の受益証券をも加えたのであります。次に國有財産の性質によりまして分類しまして、行政財用と普通財産とに大別し、行政財産を更にその用途又は目的によりまして、公用財産、公共福祉用財産、皇室用財産及び企業用財産の四種に区分いたしまして、その他のものはこれを普通財産といたしまして、その他のものはこれを普通財産といたしましておるのであります。國有財産の管理及び処分の機関に関しまする規定を置いて、その責任を明らかにし、又國有調整審議会を大蔵省に置きまして、用途の変更、用途の廃止、所管換え等の重要事項につきましての諮問機関といたしておるのであります。次に國有財産処分の制限に関する規定を設けまして、無償貸付及び讓與の範囲を具体的に規定し、管理処分の適正を期することといたしたのであります。その他台帳に関する事項とか、国会への報告事項等を規定しておるのであります。  次に旧軍用財産の貸付及び讓渡の特例等に関する法律案について御説明をいたします。一般の國有財産の管理処分につきましては、今御説明をいたしました國有財産法案が成立いたしますれば、これによるのでありまするが、旧軍用財産その他特定の財産、つまり財産税法若しくは戰時補償特別措置法によりまする物納財産でありますが、これ等につきましては、民主安定、産業の復興、公共の便益等のためにこれを有効に使用せしめますと共に、迅速にこれを処分することが適当であると考えられるので、この種の財産については特別の取扱をすることが必要であり、臨時的に特別法を制定しようとするのであるのであります。  その内容の主なる点は、旧陸軍省、海軍省及び軍需省の所管に属しておりました普通財産、即ち旧軍用財産でありますが、その中の水道施設及び臨港施設は、公共又は公益の用に供しまするときは、現在のところ收益性がないので、公共團体に無償で貸付け得ることといたしたのであります。次に普通財産であります。旧軍用財産は公共團体で医療施設の用に供しますとき、又は学校教育法に規定しておりまする学校の用に供しまするときは、その施設の経営が営利を目的とし、又は利益を上げる場合を除きまして、時價の二割以内減額した價格でこれを讓渡することができるということにいたしておるのであります。次に旧軍用財産及び物納財産は、讓渡時におきまする從前からの使用者に讓渡いたしました場合には、その賣拂代金又は交換差金の延納の特約ができることにいたしておるのであります。次に從來から國有財産で都道府縣の公用に供しておりました財産は、地方自治法の施行の結果、從來通り公用財産として置くことができないのでありますが、併しこれを直ちに地方公共團体に有償で貸付けることは適当でありませんので、この法律施行の日から五年以内を限つて、無償貸付けすることにいたしておるのであります。次に地方公共團体から無償で國の学校の用に供しておりました財産は、國がその用に供しない場合には、無償で地方公共團体に返還するというのであります。  以上がその大要でありますが、この両案を一括して質疑應答に入りましたのでありますが、それにつきまして一二を紹介いたします。  先ずこの時價というのはどういう標準であるか。これは学校に拂い下げるような場合に、非常に高價になりはしないかという質問に対しましては、大藏省はこれを適正時價と言つておりますが、例えば建物のごときはその材料につきましてマル公のあるものはマル公、ないものはそれぞれ権威者に聽きまして、最も妥当な値段で公正な復成價格を出し、これから減價償却、損耗の率を引きまして、尚各財務局に地方勧業銀行の理事とか、不動産会社の権威者というような人を網羅しまして、國有財産評價地方協議会というものを設けて、問題のあるもの又は重要な財産は、その意見を聽いて決めることにいたすのである。又学校に対しましては評價の際に最大限の斟酌をすることができることとして、現在取扱規程で、各現地官に評價基準を作つて渡しておるのでありますが、これには立地條件が悪い場合とか、模様替えをする必要がある場合とか、余計な施設を除去しなければならないというようなことがあります。又すれば、十分にこれらの点を斟酌することができるようになつているということであります。又担保に如何なる物を取るか、又利子はどのくらいであるかという質問に対しまして、担保は國債かこれに準ずる確実な有價証券でありまするが、拂下げ物件その物を取ることもあるということであります。利子は大体貯金利子と同程度を標準としておるということであります。それから又実施と台帳とが違つており、又は台帳に載つておらないものが随分あるようであるがという御質問に対しましては、終戰の際に軍がそれらのものを燒却してしまつたものが多いので、その後、以前取扱つたような人にも入つて貰つつて目下実地調査をし台帳の整備をしておる次第であり、中にはそういうものもあるということであります。それから何故物品等の動産を入れないかということにつきましては、物品は物品として物品会計規則等で、別に管理処分の規則によることにいたしておるということであつたのであります。その他各種の御質問が出ました。國有財産は國民の財産であるからして、その管理等については十分に注意しなければならないと思うのであるが、或いはとにかく早く何でも賣つてしまえばいいというふうな傾向がありはしないかというふうなことにつきましても、この点は十分に注意してやるというような答弁であつたのであります。  かくて質疑を終了いたしまして、両案一括討論に入つたのでありますが、日本社会党の天田君よりいたしまして、特にこの軍用財産の法律案につきましては、法律の規定よりも、むしろこの運用に当つて非常にやり方によつては弊害が起るものであつて、この点についていろいろ質問をしたのであるが満足するような答弁ばかりでもなかつたように思う。併しながらかような特別の法律ができないと、その処置に困難であるので、その運用に当たつては特に格段の注意をして臨まれたいということを希望して賛成するということであつたのであります。  それから又共産党の中西君からは、私は質疑のときに國有財産法に動産を入れるべきであるとの意見を申したのであるが、このことについては政府部内でもそういう意見があつたとい話であるが、とにかく法案には入つておらない。今日不正取引とか、或いは不当取引とかいうようなことが問題になつておるが、その中の一部分は言わば國有財産として一應入つたものが、いつの間にかそれが不当に拂い下げられたか、或いは不当に取得されたりしておるものがあるように思う。今國会あれ程大きな引退藏物質の問題や、或いは今日の不当取引問題が問題となつておるときでありまするから、この國有財産法が出され、而もその中に動産が入つていない、何らの規定がないということは遺憾ではないかと思う。これを入れなければ、つまり役に立たないという意味で修正案を提出する、つまり國有財産法第二條第三項に「八」として「その他主要な動産」という文句を加えるということの修正案を提出されたのであります。  かくて討論を終りまして採決に入りまして、先ず中西委員の修正案を問題にいたしたのでありまするが、少数で否決となりました。次に両あんについて採決をいたしました結果、両案共原案通り可決すべきものなりと決定いたした次第であります。これを以て報告を終ります。(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければこれより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を願います。    〔起立者多数〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 過半数と認めまま。よつて両案は可決せられました。      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 日程第八、地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。治安及び地方制度委員長吉川末次郎君。    〔吉川末次郎君登壇、拍手〕

吉川末次郎日本社会党

○吉川末次郎君 只今議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、治安及び地方制度委員会の審議並びに結果について御報告申上げます。  地方自治の民主化とその健全なる運営を目途といたしまして制定されました地方自治法は、憲法施行と時を同じうして施行されたのでございますが、その後における運用の実情に鑑みまして、第一國会において相当廣範囲に亘る改正が行われましたことは皆様御承知のごとくであります。今政府当局の説明を基本といたしまして、更にここに提出されておりますところの第二次の地方自治法の一部を改正する法律案の内容につきまして要約して御報告申上げたいと存じます。  その第一点は從來地方公共團体の権能として処理すべき事務の範囲というものは、一般的には地方自治法第二條において規定されておるのでございますが、その規定の形式は極めて抽象的でありましたのを、今回この改正案におきましては、明確、具体的に二十数項目に亘りましてこれを例示いたしまして、又それと相並んで地方の自治体が処理してはならないところの國の事務をもここに例示いたしまして、これをここに規定せんといたしておるのであります。第二点は第九十六條規定の議会の議決事項の中に若干の新條項をも加えまして、そうして地方自治團体の管掌いたしましたるところの、財政に関する事件の処理というものをば、住民の代表の意思によりまして、決定さるる範囲をばこの改正案を通じて幾分拡充せんとするところの規定を設けようとしているのでございます。第三点といたしましては、地方公共團体の議会と、地方公共團体の長との間に意見の疎隔を來しました場合におきましては、いわゆる拒否権、ヴイトーの制度によりまして、疎隔するところの両者の意見を調整するという制度が考えられるのでございます。現行の地方自治法の中におきまして、これを採択いたしておりますところの規定といたしましては、議会が違法乃至権限を越えたところの議決等を行いました場合におきましてのみ、その行使が限られているのでございます。ところが今回更に條例の制定若しくは改廃又は歳入歳出予算等に関する議会の議決につきましても、全般的にこの拒否権の制度を認めようとしているのでございます。但しその拒否権の行使が再び議会におきまして、出席議員三分の二以上の同意によりまして、再議決されましたときは、その効力を失うものであるというように当然に規定いたしているのであります。第四点は、住民の直接参政の範囲の拡充等によるところの腐敗行爲の防止及び公正の確保に関する新たなる措置でございまして、先ずその一は地方公共團体の財産又は営造物で特に重要なものにつきましては、一定の独占的な処分又は使用の許可をしようとするときには、予め住民の一般投票、レフエレンダムに対しまして、過半数の同意をえなければならないこととし、又比較的重要な財産又は営造物に関する独占的な性質を有する処分又は使用の許可につきましては、地方公共團体議会における出席議員三分の二以上の者による議決を要するということであります。次にその第二といたしましては、採択いたしました出納長若しくは收入役その他地方公共團体の職員の職務上の地位の濫用によりますところの、公金又は財産、営造物の違法又は不法な処理について、住民による矯正的な制度を法定しようとすることであります。第三といたしましては、分担金を徴收する條件の制定又は改正につきましては、必ず公聽会を開いて、関係者の意見を聽取しなければならないと規定しようといたしておりますること。その四は、昭和十二年七月七日に至るまでの間行われましたいわゆる戰時中の町村の市への編入等につきましては、世上とかくの議論がございます事情に鑑みまして、法律施行後二年以内を限つて編入せられました町村におきましては、住民の希望によつて、その分離を認めまして、そうしてその場合には住民の一般投票によつてこれを決定せしめるというところの規定をば、この改正案の附則において規定しようといたしておるのでございます。以上が本法律案の趣旨内容の概略でございます。  我々の委員会は本法案が去る四月一五日予備審査のために付託せられまして以来、慎重審議を重ねて参りました。ところが、六月一八日になりまして、衆議院から次に述べまするような修正可決せられました法案の付託を見るにいたしましたので、以来この衆議院の修正案とも併せ審議を重ねて参りました次第でございます。ここに更にその衆議院の修正案の内容を申述べなければならないのであります。  その衆議院修正案の第一点は地方税分担金、使用料、及び手数料の賦課徴収に関する條例につきましては、これを住民の直接請求の対象外の事項とせんとすることであります。  第三点といたしましては、地方公共團体の議会の議員と地方公共團体の長、その他有給の職員との兼職を禁止しようとするものでございます。但し現在の兼職者にたいしましては例外を認めるようにしてあります。  第四点は地方公共團体の議会の常任委員会委員の任期につきましては、現行法は議員としての任期中在任することとなつておりますのをば、條例で以て必要である場合は特別の定めをなすことができるように修正せんとすものであります。  第五点は地方公共團体の議会の特別委員会につきましても、常任委員会と同様、閉会中においてもそれが活動することができる途を開こうといたしておるのであります。  次に第六点といたしましては、普通地方公共團体は他の普通地方公共團体と共同して、火災その他の災害による財産又は営造物の損害に対して、相互救済事業を行うことができるものとしておるのであります。  最後に第七点といたしましては、市の監査委員が從來二名でありましたのを、府縣と同様に四名とするように、衆議院の方は改めて來ておるのであります。以上が衆議院から参りました修正案の大要であります。  次に本委員会において審議中なされました質疑應答の主なるものにつきまして御報告申上げます。  尚これらの審議経過の一切は、本院におけるところの速記能力が不足いたしておりますために、必ずしもその全部を委員会の会議録に委ねることができないということの遺憾を、この際私は議長に訴えて置きたいと思うのであります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)  その主なる質疑の第一点といたしましては、犯罪の捜査及び被疑者の逮捕、即ちいわゆる司法警察事務というものは、政府提案の改正案によるところの、地方自治法第二條第四項、國の事務として地方公共團体の権限外の事務、即ち第一号の「司法に関する事務」の中に含まれておるか、又は同條第三項、地方公共團体の行う事務についての具体的規定であります、その第一号の「地方公共の秩序維持」乃至は同項第八号の「防犯等」という言葉でございますが、その中に含まれるかどうか。又第二條第三項の事務に含まれるとしたならば、この事務は國の委任事務と解すべきものであるか、又は自治体の固有事務と解すべきか、というところの岡本愛祐委員の質問に対しまして鈴木法務廰総裁から、改正案において申しておるところの「司法」とは、憲法第七十六條第一項にいうところの「司法権」と同様に解すべきであつて、民事及び刑事並びに行政事件に関する裁判というところの憲法である。從つて御質問の犯罪捜査及び被疑者の逮捕に関する事務が、「司法に関する事務」という言葉の中に包含せられないのは当然である。そうして改正法案において、「地方公共の秩序を維持し」といい、或いは「防犯等」と申しているのは、警察法第二條において、警察の職員として定められている公共の秩序の維持、生命及び財産の保護、犯罪の予防及び鎮圧並びに犯罪の捜査及び被疑者の逮捕等を包括的に指称したものであつて、從つてお尋ねの「犯罪の捜査及び被疑者の逮捕に関する事務」は、当然にこの範疇に包含せられるものあると考えおるのであります。ところでこの犯罪の捜査及び被疑者の逮捕に関する事務が、地歩自治法第二條第二項の「從來法令により自治体に属する事務」即ち所謂國の委任事務であるか、又は同項の「公共事務」即ち所謂自治体の固有事務であるかの区別は、法律的乃至は理論的の問題としてはともかき、実際上の問題としては、委任事務については同法第二百二十九條により、國においてその処理に要する経費の財源につき、所要の措置を講じなければならないこととされる点を除きましては、そのこと自体必ずしも重要な問題であるとは思わないけれども、やかましく申せば國法によつて犯罪とせられている事項に関するものは、委任事務と見るべきものであり、自治体の條例によつて犯罪とせられておる事項に関するものは、固有事務とみるべきでないかと思う。刑事訴訟法及び警察法においては、このような区別を認めておらないのであつて、國法によつて犯罪とせられておる事項でも、自治体の條例によつて犯罪とせられている事項でも、すべて当該自治体の区域内において生じたものについては、一律にこれを取扱うこととしているのであつて、自治体警察はその区域内に生じたすべての犯罪について、犯罪の捜査を行い、被疑者を逮捕する権限と責任とを有することは勿論である。というところの答弁があつたのであります。その質疑の主なるものの第二点といたしまして、ここに御紹介申し上げますものは、普通地方公共團体は、第二條第三項第十号の「その他公共の福祉を増進するために適当と認められる收益事業」として、生命保險その他保險事業を行うことができると思うがどうか、との質疑に対しましては、政府当局からは「その他公共の福祉を増進するために適当と認められる收益事業」とは、具体的にどういう事業を指すかということは、結局社会通年に基づき、当該普通地方公共團体の議会が、これを認定することになるのでありましようが、現下の経済状況、地方財源の実情等から判断するときは、普通地方公共團体が、公共の福祉を増進するための適当と認められる收益事業として、生命保險事業等のごとく、極めて技術的であり、危險負担が大であり、保險加入者を相当多数に持たなければやつて行かれない、事業の存立が困難であると認められるような、相互救済事業を経営することは、客観的に見ても必ずしも妥当であるかどうかということは、早急にこれを断定することはできないというような答弁があつたのでございます。  次いで衆議院修正案をも一括討論の過程に入りましたところ、本法案について大体了解することができるけれども、地方自治法は施行以来漸く一年を経過したに過ぎない、然るにその間第一國会において第一次の改正が行われ、今又第二國会がかかる相当廣範囲に亘る第二次改正を行おうとしているが、地方自治の基本であるところの本法の改正が、かくも頻々として行われるということは、地方住民の自治法に対する正しい理解を妨げ、又地方民の地方自治に対する関心と熱意を弱めるところの一つの原因ともなるのであるから、この点は今後十分政府において注意しなければならんことであると思う。というところの意見の開陳がございました。その他につきましては別に御意見等もなく、採決に入りましたところ、全会一致を以て本法律案は衆議院修正案をも一括可決しべきものと決定いたしました次第であります。以上を以て地方自治法中一部を改正する法律案の審議の経過並びに結果について御報告を申上げた次第でございます。(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 本案に対し討論の通告がございます。板野勝次君。    〔板野勝次君登壇、拍手〕

板野勝次日本共産党

○板野勝次君 私は日本共産党を代表いたしまして、地方自治法の一部を改正する法律案に反対するものであります。御承知のごとく、地方自治法は各派共同提案によりまして第九十二議会を通過したものであります。そしてこの地方自治法の四進歩性を賞讃した内務大臣官房文書課の「地方自治法詳解」を、昭和二十二年七月十五日発行の「内務時報」に掲載しておるのであります。その序文中には、世界列國の憲法中最も進歩した多くの文化結実を取入れたものであり、又この憲法に基づく地方自治法も、かかる文化的背景を持つ新憲法の重要な附属法典として、國家統治の一環をなず極めて進歩的な法律であると述べ、その第五章中の有権者の直接請求権の項では、直接請求権の制度の必要なる理由として、一、輿論は絶えず動いておるのに投票はたまにしか行われず、総選挙と総選挙との間には限りない輿論の変化があり得ること。二、而も総選挙を行う時期の決定権が有権者にないこと。三、選ばれた代表者は善意であれ、又は故意であれ選挙人の要求を誤傳している例が多いこと。四、今日大國において個々の議員が立法の発案をする機会は少く、政策に対し賛否の見解を表明する機会すらも実際には少くなりつつあること。五、これに関連し政党の幹部の統制力が非常に強力になり、個々の議員の独立性が破壊されてしまつておること。この五つの点を列挙して間接民主主義の欠陥を修正する手段として、直接民主主義としての有権者の直接請求の制度を設けたと書いておるのであります。この解説は明らかに第九十二議会における各派共同提案の眞意を明示したものに違いないのであります。然るに本改正案の中第十二條第一項及び第七十四條第一項中の改正は正にこれを否定するものであり、條例の制定又は改廃等を請求する権利の剥奪をなすものでありまして、地方自治法のいわゆる進歩性を蹂躙し、改正ではなく全くの改悪であるばかりではなく、明かに新憲法の宣言する人民主権を否定し、曾ての官僚政治を企図する思意ある作爲であると断ぜざる得ないのであります。この改正案が通過しますれば、人民主権はこの面において事実上否定され、人民の政治への意思表示乃至は、政治的参加としての彈劾権の行使は、実際上不可能となり、政治的無権利状態に陷れられることとなるのであります。近代の法治國は、多数意思の尊重の上に成立しておることは申すまでもないところでありますが、この改正條項のごとく多数意思の政治的参加を禁止することは、取りも直さずファシズムへの道であります。人民の権利義務に関する基本條件に対して、人民の意思表示行為を阻害することは、明かに独裁政治、官僚政治への逆行であり、大衆の意思に対する権力的圧殺であります。從つてこの第十二條第一項及び第七十四條第一項中の改正は、憲法第九十八條によつて当然無効であることをここに宣告するものであります。  この改正條項は本年一月から実施されたものでありまして、一般人は未だその意義さえも十分には知られていないので、殆どこれを活用していないのでありまして、從つてこの條項を改正しなければならないという事実と資料とは何もないのであります。只今の委員長報告の中にもこの問題に対して詳細に触れなかつた理由は、そういう事実と資料がないことを雄弁に物語つておるのであります。(拍手)全くの朝令暮改でありまして、第九十二議会における各派共同提案が愚弄されたものと言わざるを得ないのであります。  惟うにこの改正の意図は、不当なる地方税、分担金、使用料及び手数料の賦課徴收に対して、地方公共團体の住民の直接請求権を剥奪して、地方財産の破綻を大衆負担によつて救わんとする悪意ある反民主的な彈圧に外ならないのであります。これによつて地方税その他の一方的な賦課徴收が可能となり、悪質な地方税が地方公共團体の上に押し附けられることになつて、地方住民の生活は破綻させられ、かくては経済再建の道は閉ざされるのであります。勤労大衆が挙げて大衆課税に反対し、鉄道運賃、煙草値上げに反対しておるときに、この人民の耳を塞さいで來たし、現に塞さいでおる國会議員の大多数がいることは、この輿論が殆ど國会において代表されていないことを意味しております。この大衆課税に対する勤労人民の反対の叫びは、國会の入口で塞がれておりますが、かくのごとき矛盾をなくするためにも、むしろ現行地方自治法中の條例の制度又は改廃請求権制度のごときを、國会に対しても認めることがこの際最も必要であるのに、この地方公共團体住民の権利を剥奪することは、地方財源として不当課税等を、賦課徴收を容易ならしめ、まず厖大胆に行い得る道を切り開く以外の何ものでもないのでありまして、人民主権擁護の立場から断じて許すことの出来ない改悪であります。  以上の理由から本改案中第十二條第一項及び第七十四條第一校中の改正條項は削除し、從つてこの削除に伴う附則六四條の警察法の一部改正は、委員解職の準用規定等を削除せんとするものでありますから、この四條を削除し、附則第五條中この法律の施行については、必要な事項は政令でこれを定めるとあるのを、政令を法律と改めることを主張するものであります。  以上の修正意見を主張する我が党は本改正案に反対するものであります。第九十二議会の各派共同提案を蹂躙しないためにも、憲法第九十八條によつて当然無効であるべき改正條項である点より、憲法擁護の立場から我が党の意見に賛同せられ、本改正案を否決せられんことを切に希望する次第であります。(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 討論の通告者は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。(「数が足りません」と呼ぶ者あり)本案に賛成の諸君の起立を請います。    〔起立者多数〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手)      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) この際日程第九農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、日程第十、肥料配給公團令の一部を改正する法律案(内閣提出)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長楠見義男君。    〔楠見義男君登壇、拍手〕

楠見義男緑風会

○楠見義男君 只今上程せられました二つの法律案につきまして、農林委員会における審議の状況を御報告申上げます。  先ず最初に、農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして御報告申上げます。本法案の内容の主なるものは、先ず第一に養蚕の保險、即ち蚕繭共済について養蚕者の支拂うべき共済掛金の一部を製糸業者及び蚕種製造業者に負担せしめ、その負担額を生糸及び蚕種の公定價格に参入することによりまして、結局養蚕者の共済掛金の一部を消費者に負担させることでございます。政府提出の資料によりますと、本年度における総共済掛金予想額約一億三千万円の中、養蚕農業家負担は約七千万円、製糸業者等の負担は約六千万円でございます。次に第二の点は、農業保險における保險事故、即ち共済事故を拡大いたしまして、食糧農作物につきましては雪害を、明示し、又桑葉について新たに地震及び噴火を含む一切の氣象上の原因により事故を加えんとすることでございます。御承知のように農業災害補償法は第一回國会におきまして制定せられたものでございまして、この法律は從來の農業保險及び家畜保險法を統合し、且つその規模を画期的に拡充強化いたしまして、農業災害に対処して、眞に農家経営の維持安定、農業再生産の確保を期し、以て農業の増産に資せんとせんとしたものでございまして、昨年の関東、東北等の大水害にも遡求して適用いたしました結果、國庫自体は相当の負担を生じましたが、農家に取りましては大きな助けとなつたことは、すでに御承知の通りであります。而もその実施の万全を期する上において、更に改善に改善を加えて参りますことは、誠に歓迎すべきことでございまして、この味において本改正法律案を檢討いたしまするに、第一の共済掛金の一部消費者負担制度は、現行法においてすでに主要食糧農作物について実施されておることでございまするし、蚕繭共済については旧農業保險法においても、日本蚕糸統制株式会社を通じて行なわれておりましたものが、たまたま昨年農業災害補償法制定当時、右の統制会社が閉鎖機関でありましたところの関係から、当然法律上中絶の形となつておりましたのを、今回形を変えまして復活し、且つ合理化したものでございます。尤もこの消費者負担制度につきましては、前國会における審議の際にもありましたが、國家財政の現状から見て止むを得ないが、保險の性質上本來國家おいて負担すべきもので、將來においては、よろしく消費者負担は止めるべきである等の有力なる議論がございましたが、結論としては、現状においては是認すべき改正と認め、又第二の共済事故の拡大は、災害補償制度本來の目的に適うゆえんでありますので、委員会においてはこの改正は適切で妥当なるものと認めた次第であります。  かくて委員会におきましては種々質疑應答の結果、討論を省略し採決に付したるところ、多数を以て本法律案は原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、肥料配給公團令の一部を改正する法律案につきまして御報告申上げます。この法案は緊急の用に充てるために、必要な農業藥剤の取扱を臨時特別の措置として肥料配給公團をして行わしめんとするものであります。現在農業藥剤の配給につきましては、私的独占禁止法の制定に伴ないまして、從來の一手買取販賣の統制方式が廃せられ、新たに臨時物資需給調整法に基くクーポン制による配給制度が採られておるのでありますが、この配給方式によりましては、通常の場合の病害虫防除は大体支障なく行われるといたしましても、御承知のように農作物に関する病害虫の発生は年により又地方によつて著しく差異があるものでありますから、一度び病害虫の異常発生を見たり、或いは又大発生を見たような場合におきましては、病害虫特有の傳播性からいたしまして、不測の大災害を招く虞れがありますので、予めかかる緊急事態に処するために、必要な用意即ち緊急用の農業藥剤を全國的に要所々々貯藏をして置き、時期を失せず緊急事態発生に應じて、直ちに役立て得る態勢を取つて置く必要があるのでありまして、從來は一手買取販賣機関がその役割を果して参りましたが、これらの私的機関の存在が最早認められない今日は、どうしてもそれに代るべきものの必要が生じて参つたのであります。而して委員会の審議に際しましては、右申述べましたような事情からいたしまして、農業藥剤については、緊急の用に充てるため必要な予備貯藏施設は是非共必要で、先に農藥取締法の審議に際しましてもその必要性を強調した程でありまして、農藥対策はこれによつて画龍点睛を見ると思われるのでありますが、何故にその機関を肥料配給公團に指定したか、他に適当なものがなかつたかどうかということに、審議の中心が向けられたのでございましたが、これに対する政府の答弁及び結論は、從來のような統制会社もなく、又全國農業会の解散も近い今日、更に又私的独占的な事業が認められない現状においては、肥料配給公團がよいというのではないが、同じ農業生産資材を取扱つておる関係もあり、最も確実なものとして便宜これを使うのであり、尚末端へは配給経路に從つて行くのであるから、民業の圧迫ともならんと思うとのことでありまして、委員会といたしましても、現配給制度の下においては臨時特別の措置として本法案を是認すること又止むを得ざものと認め、全会一致を以て、原案通り可決することを決定いたしました次第であります。  以上御報告を終ります。(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います。    〔起立者多数〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 日程第十一、労働者災害補償保險法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。労働委員長原虎一君。     —————————————    〔原虎一君登壇、拍手〕

原虎一日本社会党

○原虎一君 只今議題となりました労働者災害補償保險法の一部を改正する法律案につきまして、委員会におきまする審議の経過並びに結果について、御報告申上げます。  先ず、本案の内容について申しあげまするが、労働者災害補償保險法は、三大労働立法の一つでありまする労働基準法の裏附として、業務災害を蒙つた労働者に対して、迅速且つ公正な災害補償と福祉施設とを行いまして、罹災労働者の基本的人権を擁護いたしますと共に、他面におきまして事業主の経済的負担の軽減を図りまして、産業を安定せしめます目的に下に、昨年四月に法律第五十号として制定公布せられ、昨年九月一日より実施せられました法律であります。その後約九ケ月を経過いたしましたが、その間着々該法律の所期いたしまする目的を達成しつつあるのであります。而してその実績より勘案いたしましては、労働者の災害補償を、より迅速公正に、積極的に行い、而も労資双方の利便を図りますため、この法律の一部を改正するの結果が生じたのであります。  その改正の要点を申上げますと、第一の改正点は字句についてでありますが、本法において適用を除外するものの一つとして官公署を挙げてありまするが、この官公署は非現業的な官公署の意味でありまして、官公署の行う現業的事業には当然本法の適用があるのでありますが、これを官公署という言葉だけでは不明確でありまして、とかく疑義が生じ易かつたので、今回現業官公署に対し本法の適用あることを明確にするために、本法の適用を除外される官公署を労働基準法第八條第一号乃至第十五号及び第十七号に該当しない官公署と改めたのであります。又本法に使用者という言葉を用いておりますが、その語義は各條文によつて異なつている場合がありますため、とかく疑義を生じまして、本保險事務処理の上に支障を来しております。即ち本法でいう使用者は、労働基準法でいう使用者、即ち事業主の外に経営担当者及び事業主のために行爲する者をも包含する使用者と混同され易いので、本法におきましては、使用者を事業主という字句に改めたのであります。第二の改正点は、保險給付についての改正であります。本保險で給付される休業補償費は、療養のために休業する期間の長短に拘わらず、一律に休業初日から七日間分は給付しないことになつておるのでありますが、よく考えてみますと、休業七日を超えるような長期の休業に対しましては、七日分を差引くことなく、その初日から全部の休業に対して、休業補償費を給付することがむしろ労資双方に利便を與えるものであり、又本保險の目的にも適うものでありまして、他面労働者はかく改められることによりまして、今までのように保險給付されない七日分については、使用者に基準法上の補償として請求し、七日を超えた部分については本保險へ保險給付として請求するというような、二重の手間をかける煩瑣から救われるのでありまして、このことは療養保障費についても同様のことが言えるのでありますから、労資双方の利便を図り、実情に即せしめるために、療養補償費は、療養に要した費用の内百円を超える部分のみを、休業補償については休業七日を超える休業に対して、それぞれ保險給付することになつているのを、療養補償費は療養の費用は三百円以上を要する場合にのみ限ることとし、この場合には金額を休業補償費は休日七日を超える場合にのみ限ることとし、この場合は初日からその全休業に対してそれぞれ保險給付することに改め、その他労働基準法第八十條との調整を図るがために、関係條文の改正をいたしたのであります。又本法十八條に、保險給付は保險料を滞納した場合には、全部について給付しないことができるという制限規定を置いております。この場合の滯納なる語の解釈を次のようにいたしました。本法の適用を受ける日から有期事業では十四日、一般事業では三十日を過ぎて保險料を納付しないときは、すべてこの法律にいう滞納であると、明確にしたのであります。更に本法第二十條は、第三者の行為によつて生じた災害に対し、政府が保險給付する場合における第三者と政府間の法律関係について規定しておりまするが、政府が保險給付をする以前に、該当労働者が第三者より民法上の損害賠償を受けた場合の保險給付については、明確を欠いておりまするので、補償を受けるべき者が該当第三者より同一の事由によつて損害補償を受けたときは、政府はその價額の限度において損害賠償の義務を免れることと規定して、條文の整備をしたのであります。又労働基準法第八十三條との調整を図ると共に、労働者の人権擁護に遺憾なきを期するために、被害労働者のために保險給付を受ける権利を擁護した本法律第二十一條中に、保險給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはないという規定を挿入することにしたのであります。  次に第三の改正点は、保險審査官の職権及び保險審査官又は保險審査機関が行う証拠調及びその費用に関する改正であります。保險審査官に職権審査を認めるときは、その権限の発動により一般関係者の自由を拘束する結果となつて、官廰行政の民主化に逆行する虞れがありますので、保險審査官の職権審査を規定する本法第三十六條第一項を削除することに改正し、又簡易迅速と実態即應を第一といたしまする保險審査機関の証拠調に民事訴訟法を準用することは、簡易迅速を期することが困難でありまして、又証拠調の費用に関して民事訴訟費用法を準用することは、実情に即しないのでありますから、証拠調の民事訴訟法及び民事訴訟費用法準用に関する本法第三十九條第二項を削除することに改正したのであります。而して本法案の目的とするところを要約いたしますと、現行の労働者災害補償保險法の不備の点を整備いたしまして、労働基準法との調整を図ることによつて、労働者の災害補償をより迅速に、より公正に、積極的に行いまして、労資双方の利便を図り、以て産業の安定に寄與せんとするものであります。  而して本委員会は、六月十八日に予備審査を行いまして、極めて慎重に審議をいたしたのでありますが、六月二十二日衆議院から本院に送付されまして、更に六月二十四日、本審査を行つたのであります。政府からは加藤労働大臣その他の政府委員が出席し、熱心なる説明及び答弁があつたのであります。  続いて本法律案審議の経過の概略を簡単に申上げたいと存じます。第一は、現在、健康保險法、失業保險法等各種の保險法があるが、政府はこれを統合する意思はないかとの質問に対し、政府は、これは憲法第二十五條に基く社会保障制度の問題であつて、いずれはこの社会保障制度一本に統合されるものと考えられるが、労働者災害補償保險法は社会保障という観念とは異なつておるものであつて、労働保險は社会保障制度に統合されるべきものではないと考える。労働者災害保險法は、労働者に與えられた労働者の権利というべきものであるから、飽くまで別個の制度で行くべきものであるとの旨の答弁があつたのであります。第二に本法第三十九條第二項を全部削除して、証拠調の民事訴訟法及び民事訴訟費用法準用を廃止し、これを政令に委ねたが、証拠調に関規定は重要なる手続規定であるから、特別な簡易手続にするとしても、これを法律に規定すべきではないかとの質に対し、政府は、その主旨は十分に了承するが、この手続規定を本法に規定すると、厖大な條文を挿入せねばならず、その上すでにこれに関する委員会規定もできておるので、今回は法律に規定することなく、政令に讓つた旨の答弁があつたのであります。以上が大体法案に関する主要なる質疑應答の概要であります。  かくて質疑を終わりまして、討論に移りましたところ、別に御意見もなく、採決の結果、全会一致原案通り可決せられたのであります。以上を以ちまして労働委員会の審査状況の報告を終ることにいたします。(拍手)

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) この際、日程に追加して、獸医師会及び装蹄師会の解散に関する法律案、家畜傳染病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松平恒雄緑風会議長

○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長楠見義男君。    〔楠見義男君登壇、拍手〕

楠見義男緑風会

○楠見義男君 只今上程せられました二つの法律案につきまして、農林委員会の審議の状況を御報告申上げます。  先ず最初に獸医師会及び装蹄師会の解散に関する法律案について御報告申上げます。御承知のように、現在の獸医師会は獸医事衛生の改良発達を図る目的を以て設立せられたものでございまして、その設立は大正十五年に制定せられました獸医師法に基くもので、    〔議長退席、副議長着席〕 この團体は、系統的に都道府縣獸医師会及び日本獸医師会が存在しております。又装蹄師会は、牛馬の装蹄技術について、その改良発達を図る目的を以て設立せられ、この方は昭和十五年に制定せられました装蹄師法に基いておりまして、獸医師会と同様に都道府縣装蹄師会及び日本装蹄師会があるのでありますが、これらの團体は、いずれ法律の規定によつて強制的に設立を命ぜられ、獸医師及び装蹄師はそれぞれいずれも團体に強制加入を命ぜられておるのであります。併しながら、このことは獸医師及び装蹄師の自主的活動を阻害するばかりでなく、いわゆる業界民主化の精神に背馳することでありまするので、今回これらの團体の解散に関する本法案を制定せんとするに至つた次第でありまして、本法案は戰後における新事態の要請にも即應し、当然の措置と認められますので、委員会におきましては、全会一致を以て本法案は原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、家畜傳染病予防法の一部を改正する法律案について御報告申上げます。申上げるまでもなく地方の振興と家畜衛生、特に家畜傳染病の防遏とは不可分の関係にあるのでございまして、從つてこの見地から、我が国では古く明治二十九年に獸疾予防法が制定せられまして以来幾多の変遷を経て参り、その間防疫施設も逐次拡充せられまして、世界的にも有数の権威ある家畜防疫國として認められ、又今日法律といたしましては、家畜傳染病予防法及び畜結牛結核予防法及び馬の傳染性貧血に罹りたる馬の殺処分に関する法律等が施行されておるのでありますが、終戰に伴う情勢の推移は國内的にも亦國外におきましても、多きな変化を見ておるのでありまして、即ち國内的には從來の家畜防疫施設の喪失に基いて、防疫機能の著しい後退を來たし、又國外的には從來の家畜防疫上最も注意を必要といたしました隣邦諸地域が終戰の混乱によつて再び各種の傳染病が流行しておる模様でございます。從つて本法案提案の趣旨は、かかる新事態に即應いたしまして、家畜防疫をいよいよ整備強化し、その徹底を期すると共に、近時畜産振興の要請眞に切なるものある情勢に対処せんとするものでありまして、その内容の主なるものを申上げますと、第一に、家畜防疫における從來の実績及び今後における必要性等からいたしまして、個々の傳染病についての取捨選択及び整理が行われておること、第二に輸出せられる家畜及び畜産物については、輸入の場合と同様今後新たに檢疫を実施すること、第三に、最近の実情に基く必要性からいたしまして、家畜の國内移動については、その縣外移動はこれまでの弊害を除いて、都道府縣知事又はその指定する獸医師の発行する健康証明書を必要とすること、第四に、畜牛結核予防法及び馬の傳染性貧血に罹りたる馬の殺処分に関する現行法律、この二つの法律を家畜傳染病予防法に吸収いたしまして綜合的な防疫を図ること等でございます。  委員会におきましては我が國農業経営の観点から或いは又將來における食生活改善の見地からいたしまして、主として畜産振興に関する質疑を重ね、政府当局からもいわゆる畜産振興五ケ年計画の説明を聴取いたしますると共に、家畜防疫を基礎とした畜産振興に関する畜産行政機構の充実、特に技術的機能の充実について必要なる助言と推進が行われたのでありますが、これらは会議録によつて詳細御承知願いたいと存じます。  かくて本法案は討論を省略し、採決に付しましたるところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。以上御報告を終ります。(拍手)

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を願います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて全会一致を以て両案は可決せられました。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この際日程に追加して、人身保護法案、(伊東修君発議)を議題とすることに御異議ご報告ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。司法委員長伊藤修君。    〔伊藤修君登壇、拍手〕

伊藤修日本社会党

○伊藤修君 只今議題となりましたところの人身保護法案につきまして、委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  御承知の通り新憲法におきましては、基本的人権につきましてこれを尊重し、保護することは皆様の御承知の通りであります。殊に第十一條、第十二條、第十三條、第三十三條、第三十四條と、かくのごとく数個の明文を置きまして、人身の自由、身体の自由ということにつきまして、非常に重要なる規定を明らかにしているのであります。新憲法がかくのごとく身体の自由につきまして、基本的人権の中でも、取分けこの点を重要視していることは、この憲法が如何にこの点に対しまして強く主張し、強くこれを國民に要請しているかということを明らかにしているといわなければならんと思います。かような新憲法下におきまして、これらの身体の自由に関するところの附属法規として、未だ我が國にこれが公布されておらない状態である。少くとも憲法の重要なるところの附属法規として、政府は逸早くこれが提案をしなくてはならんと信ずるのでありますが、第一國会以来今日に至るまで、未だこの挙に出でられなかつたことを誠に遺憾とする者であります。我々は立法機関といたしまして、かような憲法が特に数ケ條の規定を置いて重要なるものとして掲げているこの附属法規を、國民の名において國会みずから提案することが、誠に私はこの法案自体の性質から申しましてもふさわしいと考えた次第でありまして、ここに本法案を当院に提案いたした次第であります。  思うに明治憲法におきましても、御承知の通り人の身体、名誉、自由はすべて法律の規定によらなければこれを侵さるることがないという明文が置かれておつたのでありますが、これを裏附けるところの法律はなかつたのであります。故に行政執行法であるとか、或いは治安維持法であるとか、警察犯処罰令であるとか乃至はその他の行政法規によりまして、幾多の人権蹂躙というものが繰返されておつたことは皆様よく十分御了承のことと存ずる次第であります。これは当時におきまして折角憲法に明文を置きましても、これを裏附けるところの法規がなかつたためにかような結果を招來したのであります。又現在の新憲法におきましても、やはりそれと同様に折角憲法の條文の上におきまして、数カ條の身体の自由に関する明文を置いてあると雖も、これを裏附けるところの法規は未だ存在しない。故に若し現に我々が自由を束縛され、自由を奪われた場合におきまして、これを救済する方法といたしましては、國家賠償法或いは刑事補償法、又は逮捕監禁に対するところの刑事訴追、民法七百十條によるところの損害賠償、この四つの方法よりないのであります。併しながらこれらの法律は、いずれも事後におけるところの本人の自由拘束によるところの精神的満足、物質的の救済、かような点にありまして、事後の救済であつて現に侵されておるところの自由を直ちにこれを救済するという法規ではないのであります。故に憲法がかくのごとく國民の自由を保障する以上は、我々が原に奪われているところの自由を直ちにこれを救済する、こういう法律を必要とすることは、憲法第三十四條の後段に、正当なる理由なくして我々は拘束されない、而して何人もその拘束を受けた場合におきましては、弁護人の立会うところの公開の法廷において拘束の理由を明示されなくてはならんという権利があるということを明らかにしておるのです。かような趣旨から申しましても、我々はこの憲法の趣旨に副うところの、即ち裏附けをするところの附属法規を必要とするゆえんのことを十分認識しなくてはならんと思うのです。かような趣旨からいたしまして本法案を提案いたした次第であります。  本法案の立法の体制は、即ち只今申上げましたところの憲法第三十四條後段の、法律上正当の理由なくしてと、こういうことを基本にいたしまして、ただこの表現が今日の法律解釈の上におきましては、理由ということが恰かも有罪無罪を争うというふうに誤解を生ずる虞れがある。これは將來の運用の上に大きな支障をもたらすと、こう考えた次第であつて、憲法三十一條におけるところの「手続」という文字をここに援用いたしまして、法律上正当の手続を経ないで人の拘束された場合におきましては、直ちにこれが自由解放の請求ができるということを明らかにした次第であります。而してこの要求するところの権利者は何人でもこれをなし得るといたした点に、大きな重要な点を見出すのであります。これは拘束された者は、その身体の拘束から免れるのに、みずからその権限を行使する場合もあり得るかも存じませんが、多くの場合はさような行動に出られない場合が多いのであります。例えば監獄部屋に打ち込まれ、或いは人身賣買によりまして海外に送られ、乃至は娼婦といたしましてその自由を奪われる、若しくは政党の争いにおいてその主宰者たる人が反対党の拘束を受けるとか、労働争議によつて或い一部の人がその拘束を受けるとかいうように、いろいろの場合を想像いたしましても、等しくその拘束を受けた人が直ちに自分が救済を求めるということは多くはできないのであります。故にかような場合におきましては、憲法の基本的人権擁護は國民の義務としてこれを常に努力しなくてはならん、かような趣旨からいたしまして、國民全体が、即ち何人もさような事実を発見した場合におきましては、直ちにこれを救済を求め得るということにいたした次第であります。而してこの救済を求めるところのの管轄裁判所は地方裁判所並びに高等裁判所といたした次第であります。請外國の立法例からいたしますれば、最高裁判所を以て誠に適当であると考えられるのでありますが、日本の実情からいたしまして、且つ又現に奪われておるところの身体の自由を速かに救済するというならば、これを廣く管轄を認めることが実際に適應すると考えられまして、ここに日本におきましては地方裁判所及び高等裁判所をその管轄といたした次第であります。而してこれが申請は口頭又は書面を以て、拘束されておる者の氏名、拘束の場所、拘束の事由、そういうことを申出ればよいということにいたした次第であります。手続といたしましては非常に簡單にいたした次第であります。併しながらこの場合におきまして濫訴の虞れがある、当然法律上その拘束を正しいものとしなくてはならん場合でも、殊更にこれが救済を求めるという手段に出まして、本來の事件の延引を図るということに悪用される虞れがあるのでありまして、これを阻止する意味におきまして、制限する意味におきまして、疏明資料の足らん場合或いは事由の欠闕しておる場合におきましてはこれを却下することができる。又第二段といたしましては、準備調査をいたしまして、その場合において明らかに事実がない、さような不当拘束がないという場合におきましては、これ亦決定を以て却下し得る、かようにいたしまして、いわゆる本法の濫用を防ぐ趣旨を明らかにしておるのであります。併しながら第一段の疏明資料或いは要件の決闕を以て却下されました場合におきましては、いわゆる一事不再理の原則は適用されずいたしまして、幾度でもこれが補正をいたしまして、救済を求め得られることは、法の解釈上当然のことであると信ずる次第であります。又審問期日は速かにこれを開かなくてはならんという規定にいたしまして、而してその期間は一週間以内にこれを開く、その場合におきましては拘束者、被拘束者、弁護人及び逮捕の命令を発したところの檢察官、裁判官を立会わしめまして、これが審問期日において公開の法廷において判決を以て言渡すことにいたした次第であります。判決の言渡しは釈放をするという判決の言渡しが若しあつた場合におきましては、これは直ちにその効力を生ずる、從來の日本の判決効力は確定を以てその効力を生ずるのでありますけれども、この場合におきましては苟くも身体の自由を拘束するという事実を不当とする判決である以上、その本來の趣旨からいたしまして、その判決は確定を俟たずして直ちに実行力を生ずることにいたした次第であります。即ち判決の言渡しと同時に、釈放ということの法律効果を生ずることにいたしたのであります。その判決に対しましては、両方とも即ち拘束者も被拘束者も共に上訴し得るという途を拓いた次第であります。又かように審理を進めておる上におきまして、たまたま一つの事犯が長くかかるような場合も想像し得るのでありますから、さような場合におきましては裁判所はその拘束者を仮に釈放するという手続の規定を置いた次第であります。これは仮釈放でありますから、判決の結果再び拘束が正しいという場合におきましては、勾引をいたしまして拘束者に引渡す、さような便宜の規定も置いた次第であります。又この法律の性質上、地方の大きな政治力、大きな團体力、そういうものによつて身体の自由が拘束されておるような場合が想像せられるのであります。さような場合におきましては、地方裁判所においてこれを管轄審理するということは、不適当な場合もあり得るのであります。故に最高裁判所は凡そその事犯が請求せられた場合におきましては、常に最高裁判所に通知の義務を求め、而して最高裁判所はその事犯の進行状態を常に監督し得る立場に置いておる次第であります。從つて最高裁判所は事犯の如何なる程度にありましても、その事犯を地方裁判所から取つて以てみずから判断し、判決することができるというような規定を設けまして、さような大きな勢力であるとか、或いは政治的の勢力というものが本案の事犯進行についての阻害を來すような場合におけるところの救済規定をも設けた次第であります。尚本法におきましては、本法の立案の建前といたしまして、基本的な規定を本法に定めまして、手続に関するところの規定はすべて最高裁判所のルール制定権に譲るという趣旨を以ちまして、この規定を明らかにいたした次第であります。これは、ルール制定権の本來の性質は、いわゆる人の権利義務を包含せざるところの單なる手続規定のみに限られておると我々は解釈するのでありますが、この法律案におきましては、それ以上の制定を必要とする事項をも多分に含まれておるのでありますから、ここに明らかに最高裁判所にその規則を制定するところの委任の法規を明らかに定めた次第であります。  かようにいたしまして、本法律案を委員会において審議を続けて参つた次第でありますが、先程も申したごとく、最初立案の当時におきましては、この法律の大体の骨子をここに定めまして、いわゆる基本的なものを定めまして、詳細なる手続規定はすべてルールに譲るという建前を取つて來ましたものでありますから、この法律を一見いたしまして、いろいろ疑義を生ずるのであります。かような点に対しまして最高裁判所、或いは檢察廰、法務廰、委員諸氏、その他学界からのいろいろな意見がありましたのでありまして、それを委員会において十分審査いたしました結果、これは少なくとも疑義のあるような部分に対しましては、本法に取入れまして、成るべく疑義を少くする。而して單なる手続規定というもののみをルールに讓る方が、法律の体裁からいたしましても、國民が親しくこの法律を利用する上においても親切であると言わなくてはならん、かような趣旨からいたしまし、大部に亘りまして、そういうような手続に関する規定を修正いたしまして、本法に加えることといたした次第であります。故に修正個所は非常に沢山でありまして、お手許に配付されておりますがごとき修正案を作成いたしまして、委員会においてこの修正案通り決定いたした次第であります。  特に修正案について一言附加いたして置きたいことは、この修正案の他に、第一條にこの法律の目的を明らかにした次第であります。かような新らしい重大な法規におきましては、法律の趣旨を前文、若しくは第一條にこれを明らかにすることが最も法律に國民が親しみ易いようになるであらうと、かように考えまして、修正案といたしまして、第一條に新たにかような趣旨を設けた次第であります。「この法律は、基本的人権を保障する日本國憲法の精神に従い、國民をして、現に、不当に奪われている人身の自由を、司法裁判により、迅速、且つ、容易に回復せしめることを目的とする。」さように第一條を改めまして、從來の原案の第一條以下を順次繰下げて参つた次第であります。  かようにいたしまして委員会におきましては、先程申上げましたごとく修正案は修正案通り全会一致を以て可決いたしました。その余の原案につきましては全会一致を以てこれを可決いたした次第であります。以上を以ちまして本案に対する御報告を申上げる次第であります。(拍手)

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長の報告の通りに修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この際日程に追加して國民健康保險法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。     —————————————    〔塚本重藏君登壇、拍手〕

塚本重藏日本社会党

○塚本重藏君 只今議題となりました國民健康保險法の一部を改正する法律案に関しまする厚生委員における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。  本法案は、去る六月の十二日本付託となり、六月の十九日以來五回に亘つて愼重なる審議を重ねて参りました。先ず本法案の提出理由について政府委員より説明がありましたから、その要旨をここに申上げます。  昭和十三年七月一日國民の一日國民の要望に應じて國民健康保險法が実施せられてからここにマン十年を経過いたしました。その間本事業の経営主体である國民健康保險組合は、全國町村の九十八%、又六大都市を除く市部の六三%に組合が設立せられました。而してその組合数は現在一万を超えておりまするし、被保險者の数は四千万に達しておるのであります。我が國の社会保險といたしまして、最大なものとなりました。この中多くの組合は昭和十七年、十八年に亘り設立せられたものでありますが、戰時中は組合事業の運営は非常な苦境に陷つたのであります。その上終戰後に起つた種々な惡条件に支配せられまして、組合の約半数は不振状態になりました。申すまでもなく、最近における國民大衆の生活において、医療費負担の問題は非常に大きな問題となり、その重圧を國民全体が感じておる次第であります。この問題の解決は國民健康保險組合の活溌なる活動に俟つところが多いのであります。ここにおきまして政府は本制度を一層強力なものとして、これによつて現下國民の生活安定と社会平和の一端に資したいと念願いたしておるのであります。本制度の改善につきましては、すでに関係方面から種々要望せられておりまするので、これを考慮に入れて、ここに本法の改正案を提出するに至つたのであります。  更に、今回の改正案の主たる点を御説明申上げますと、第一に、國民健康保險を行うものは市町村又は市町村組合たることを原則として、市町村が行わない地域においてのみ國民健康保險組合又は一定の要件を具備いたしました社團法人に行わせることにしたのであります。第二に、本制度は、從來は任意保險の建前でありまして、組合員の加入も脱退も原則として任意でありました。併し本制度のごとき公的施設は任意制度の形態ではではその目的を達成することに幾多の不便の点がありまするので、今回の改正におきましては、設立することは任意でありまして、各市町村がその保險を行おうと行うまいと自由でありまするが、設立せられた場合におきましては、その地域の世帶主及びその世帶に属する者は、これを強制加入せしむることにいたしたのであります。以て本制度の從來の弱点を補い、又近き將來我が國に実施せらるることを予想せられまする社会保障制度に近付けたものであります。第三に、組合の地域は一又は二以上の市町村の区域といたしまして、危險分散の範囲を拡大いたしたのであります。第四に、療養の給付を担当する保險医師、保險歯科医師、保險薬剤師は、希望の申出をした者にのみとすることにいたしました。第五に、診療報酬額は保險者と療養担当者とが話合の上で定めて、都道府縣知事の承認を受けることにいたしたのであります。第六に、中央に社会保險診療報酬算定協議会を、各都道府縣に國民健康保審査会を、市町村に國民健康保險運営協議会を設けることとし、その組織、権限、関連関係を明らかにし、その他寿從來政令又は命令に規定した事項の中、重要なものを法律に改めたのであります。以上が法案の概要であり、改正の要点でありました。  次いで質疑に入りましたが、毎回極めて熱心に且つ活溌に各條文に亘つて慎重に審議が続けられました。今その主なる質疑應答を御紹介いたしますと、質問の一、組合は市町村を区域とするか、むしろ郡単位とした方がいいのではないか。答、將來への構想としては、郡單位即ち地方事務所単位に拡大することが危險分散上望ましいものと考えられるが、今直ちに一律に郡單位を法に規定することは現実から困難であるから、將來に讓つた。質問の二、社会保險の統合について、又統合の難点がどこにあるのかという質問に対しまして、社会保障制度の問題が生じて、現在の社会保險制度の飛躍が考えられるので、今統合の問題はその実現に至るまで据置くことと、國民健康保險と健康保險或いは船員健康保險、その他法律に基く社会保險共済制度と諸種あつて、実施上財政的に諸般の実情が異なり、直ちにこれを統合することは実施上困難な見通しである。質問の第三は、第八條ノ四について、すべての医師、歯科医師、薬剤師、助産婦を保険給付の担当者と定める方がいいのではないか。申出た者のみを給付担当者とすることは民主化で非常にいいと思うが、保險者が希望を申出た者の中からその一部分の者を指定し、他の者を指定から除外するようなことはないか。答、第一の問題については全保險医が協力して呉れることが本然の姿と思うが、従来一部の医師の或る者は政府から強制されているという氣持で、不満の者もあつたと思われるので、今回は双方の話合で、心からの協力で全部の医師が担当するという氣持で進める意向である。第二の問題は、申出があつたら全部定めるということを命令で定めるつもりである。質問の第四、危險分散の意味から廣範囲の組合を作るよう指導すべきで、一部負担を五割以上徴收することは保險の意味がないではないか、保險料はこの際十分なる額を徴收すべきであると思うが如何。答、区域を拡大し、危險分散のためこれを推し進めることは賛成であるが、一部負担については三割ぐらいにこれはしたいのであるが、五割以上になることは望ましくないと思う。直営診療所は組合員から親しまれ成績もいい、併しこれは全般的に進めて行くことは、一般開業医の協力なくしては國民健康保険は成立たないのであるから、地方の実情を見て調整して行くつもりである。質問の五、今度の改正により、國民健康保險と健康保險と診療報酬についてどうなつておるか、その関係如何。答、診療報酬算定協議会においては、健康保險では額を決定し、國民健康保險では標準額を定めて、地方の実情によつて個々に定めることになつておる。質問の六、特定の階級の人は加入を喜ばない者があるが、これに対する対策如何。答、國民の間に保險の思想が徹底していないのがその原因であると思う。今般の改正を機会として、町村民の考えを新にし、保險思想の普及を図つて行きたいつもりである。質問の七、協議会の委員の選定は慎重にしなければならんが、特に医師の委員は所属團体からの推薦によるべきではないか。答、市町村議会で決めて、市町村長が委嘱するのであつて、別に推薦を待たなくともよいと思う。協議会の範囲は狭いのであつて、廣く郡又は縣で医師会の推薦を受けるのはよくないと思われる。質問の八、國民の健康保險に対しては、現状を打開し、根本的に建て直し、更正刷新の実を挙ぐるために、思切つて國庫の負担を増額すべきであるが、二十三年度予算及び将来の方針如何。答、将来は事務費を全額國庫補助とし、事業費については保險料から賄つて行きたいと考えている。連合会への補助は、職員に要する費用の二分の一、診療所の設置がある場合には、その三分の一を補助するのである。質問の九、改正法の施行は七月一日とあるが、保險者側、保險給付担当者側の準備は十分であるか。答、本國民健康保險法の実施は、昭和十三年七月一日であり、本年は丁度満十周年であるので、是非七月一日から実施すべく、先般民生部長会議を開催するなど、万遺憾なきを期しておるのである。諸般の準備も完了しているとの言明がありました。その他種々の質疑應答がありましたが、これを省略いたします。  六月二十六日質疑を終りまして、討論に入りましたところ、一委員より次の二つの点についての修正案が提出せられました。その第一点は、第八條ノ五によれば、保險者は療養の給付を担当する者と協議の上、診療報酬を定め、都道府縣知事の認可を受けなければならない。とあるが、診療報酬額の認可を都道府縣知事から受けるのは、療養担当者と保險者が話合で決めた額であるから、その必要はないではないか、單に届出にすべきである。修正の第二点は、第八條ノ七において、社会保險診療報酬算定協議会の委員は、保險者、被保險者、医師並びに公益を代表する者につき、厚生大臣が各同数を委嘱することになつているが、これを保險者と公益を代表する者は併せて一つとし、他は被保險者を代表する者、医師又は歯科医師を代表する者、即ちこの三本建とすることであります。こういう修正案が提出せられましたのに、これに対して一委員から、第八條ノ七は、「厚生大臣各同数ヲ委嘱ス」とあるのを、「各同数」を削除して、「厚生大臣之ヲ委嘱ス」とすべきであるという修正案が出されました。更に又他の一委員より、第五十二條ノ三において、國民健康保險の審査委員会には、利害関係者を代表する委員の外に、臨時委員五人以内を置くことになつているが、この「以内」の二字を削除するとの修正案が提出せられたのであります。これらの修正案に対しまして、各委員より賛否両論に分かれて、極めて活発な討論が行われました。討論の後、採決に入りましたところ、修正案はいずれも少数を以て否決されました。次で原案について賛否を諮りましたところ、多数を以て可決すべきものと決定したのであります。以上を以ちまして委員会における審査の結果報告を終る次第であります。(拍手)

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この際日程の順序を変更して、日程第十二の請願及び日程第二十四より第二十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。治安及び地方制度委員会理事鈴木直人君。    〔鈴木直人君登壇、拍手〕

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 只今議題となりました請願一件、陳情六件について本委員会における審議経過並びに結果について御報告申上げます。  先ず警察費國庫負担に関するものについて一括いたします。請願第七百二十号、鹿児島市議会議長増田静君提出の警察費國庫負担に関する請願及び陳情第百一号、同百九十四号、同二百二十四号はいずれも警察制度の改革に伴つて市町村の財政負担が増加しておるけれども、現在の市町村の財政は逼迫しておるから、この経費は國庫負担とせられたいとの趣旨であります。陳情第百七十八号は、東京都議会議長石原英明君外九名の提出に係る発電水利使用料の引上げに関する陳情であつて、河川は年に数度に亘る災害のため、その復旧費も相当額に達していて、特に府縣住民の負担も大きいから、地方財源確保のため発電水利使用料の引上げられたいとの趣旨であります。  陳情第三百九十五号、滋賀縣知事服部岩吉君提出の集合大衆運動等の取締に関する陳情は、現在集合大衆運動等の取締りは五百人以上のものは事前に届出することになつておるが、最近の社会情勢から人数の如何に拘わらず、すべて事前に届出でするよう措置せられたいとの趣旨のものであります。陳情第四百八十七号は、エロ、グロ的新聞、雑誌、写真等の取締りに関する佐賀縣佐賀郡巨勢村熊谷経夫君外二百十五名提出に係る陳情でありまして、エロ、グロ的新聞、雑誌等の氾濫は、風俗上からも取締りをなし、且つ教科書すら不足しておる現在、これら用紙を文化國家建設の意図に向けるべきであるとの趣旨であります。  以上これらの請願は、大体において了解し得ましたので、採択の上内閣に送付するのが適当と決定した次第であります。以上御報告を終ります。(拍手)

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願及び陳情は委員長の報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この際日程の順序を変更し、日程第十六より第十九までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。電氣委員会理事飯田精太郎君。    〔飯田精太郎君登壇、拍手〕

飯田精太郎緑風会

○飯田精太郎君 只今議題に供せられました請願第三百九十一号外三件の請願の委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。請願 三百九十一号、電力復興諸施策に関する請願は、産業の再建と民生の安定のために、電源の開発促進、資材の確保、電力の適正配分、綜合燃料対策の樹立、電球特に低燭光電球の確保等の急速な実現を図られたいとの趣旨でありまして、本委員会として、常々政府に要望いたしておりましたところとも一致するところであります。  請願第四百七十四号、朝日ダム建設促進に関する請願は、岐阜縣木曽川水系飛騨川上流の朝日村に、いわゆる朝日ダムを建設する計画が進められているが、これは下流をも含めて、電力量年間一億六千万キロワツト時が得られ、現下の電力不足解決に大いに寄與するから、この建設促進を速かに図られたいとの趣旨でありまして、以上二件の請願はいずれも需要家、労働者、農民等地方民多数の署名を附して請願されたものであります。又請願第五百三十一号、茨城縣の発電計画に関する請願は、縣内においては久慈川上流が発電に適しているから、是非この地点にダム建設の考慮をされたいとの趣旨であります。本委員会としては、該地点の開発計画を全般的発電計画の見地から、十分検討の上、順次実現せしめるべきものであるとの意見の一致を見ました。  最後に、請願第八百八十九号、九州地方の電力増強対策に関する請願は、日本経済の基幹となる重要産業の基地たる九州地方が、電力に関しては甚だ窮迫せる状況にあるので、日本経済の復興のため、次の三大目標の達成により、九州地方の電力増強を図られたいとの請願でありまして、三大目標とは、西日本送電幹線の建設、上推葉貯水地式発電所の開発、築上火力発電所の建設でありまして、いずれも重要且つ必要なる計画であると意見が一致しました。  以上申上げましたごとく、委員会はこれらにつき慎重審議の後、いずれも必要なる意見を附して議院の会議に付し、内閣に送付するが至当であるということに決定いたしました。以上で請願第三百九十一号外三件の審議経過並びに結果の御報告を終ります。(拍手)

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければこれより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) この際日程の順序を変更し、日程第二十より第二十三の請願及び日程第三十八、第三十九の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕    内閣総理大臣芦田均殿      —————・—————

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。在外同胞引揚問題に関する特別委員長中平常太郎君。

中平常太郎日本社会党

○中平常太郎君 只今議題となりました日程第二十より第二十三に至ります請願、並びに日程第三十八より第三十九に至る陳情につきまして、特別委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  日程第二十は、在外同胞の引揚促進に関する請願でありまして、終戦三年、今日尚七十万の未帰還者があると言われて、家族達が待ちかね、焦燥の念にかられて、北の空を眺めてやるせない思いで、政府に強い手を打つて貰いたいという、その促進の請願であります。  次に日程第二十一は満州引揚開拓民の入植に関する請願であります。これは北海道のごとき好適の土地があるので、積極的に入植の手を打つて貰うなれば、誠に食糧増産の上において生産の一翼となる次第であるから、今現在入植を待つているところの家庭が一万八千五百戸ございます。それを早く入植させるように手続をとれという請願であります。  次に日程第二十二は樺太引揚医師の内地開業許可に関する請願でありまして、これは医師、歯科医師共に樺太に数百名そういう医師があつたのでありますが、帰還後空しく技術を持ちながら開業もできず、窮迫せる生活を続けております。相当経驗を有し、技術において敢て内地の開業医に劣らぬ者も沢山おりますのでありますが、そういう者に早く開業さして生活の安定をさせるように、先般國家試驗が行われましたが、余り突然であつて受驗しなかつた者も沢山あるし、又余り臨床経驗を無視して来た学術的であるので、受けなかつた者もあるようであります。適当な方法によつて早く、全國に無医村の所もありまするから、できるだけ医者を活用するようにして貰いたいという希望と請願であります。  次に日程第二十三は、中國東北地区の残留同胞に対しまして救援物資の送付に関する請願であります。現在、政府におきましては、上海を中心にいたしまして分つている所の方面には救援物資を送る手段を講じております。ところが東北の満州華北辺は計画の中に入つておりません。それで、そういう方面にも適当な方法を講ずるなれば十分輸送可能の途もあるから、送るようにとの請願でございます。  又陳情九件、引揚促進の陳情であります。これはもう日程第二十と同じでありますから一緒でございます。  次に日程第三十九は、これも引揚促進と引揚者の援護に対する陳情であります。  右請願並びに陳情は、在外同胞の引揚問題に関する特別委員会におきまして、これに関する小委員会において慎重審議いたされ、院議に付して内閣へ送付すべきものと決定し、又本委員会におきましても全会一致を以てこれを採択し、院議に付して内閣に送付すべきものと決定いたしました。ここに委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  この際一言申上げて御援助をお願いいたしたいことがございます。本年只今、つまり六月二十七日までの帰還者は、今年におきまして七万九千六百十九人でございます。そうしてまだ帰還しない者が約六十八万ございます。それに、もはや後五箇月の後には、又々結氷期に入り、ソ連においては或いは又昨年のように輸送停止等のことがないとも言えない。打つ手は今日であります。一日の懈怠を許しません。政府は果してこれに即應するところの手を打つておるかどうか。政府はただ当面の問題に駆られまして、この最も緊急な問題に対して、夏を控えた今日でなくてはならない必要な新らしい方策、つまり現在月四万五千帰還しておりますのを、せめて十万ずつでも還るような政策、方策……先般対日理事会においてはシーボルト議長が、一箇月の余裕があるならば、十六万帰還は可能だと言明しております。そういう点を重視して、マ指令部或いは各関係方面、世界の赤十字社或いはユネスコ等、苟くも打つべき手は果して打つておるかどうか。第二國会は終了に近づきました。この期間に絶好の夏と秋と、この休会中こそ政府は積極的に手を打つべきであります。よつて特別委員会におきましては、この帰還促進と受入体制並びに緊急住宅の工事の促進等のために、議長に対しまして只今休会中に調査承認の要求書を出しておる次第であります。どうか眞劍に取上げておるのでございますから、この上は議員各位におきましても強き御支援によりまして、政府を鞭韃して頂くことを、本報告と共に切にこの点お願い申上げる次第であります。

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 別に御発言がなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。    〔総員起立〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。日程第十三より第十五までの請願及び日程第三十より第三十七までの陳情は、これを後日に廻し、本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本治一郎日本社会党副議長

○副議長(松本治一郎君) 異議ないと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後一時七分散会

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