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2回国会参議院1948/08/19

司法委員会青木事件に関する小委員会 閉会後第2号

発言数
118
登壇者
4
会派数
2
開催日
1948/08/19

会議録

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) これより小委員会を開きます。  先ず規定によりまして宣誓をお願いいたします。    〔総員起立〕    〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なつた〕  良心に從つて眞実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 青木 重臣

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 速記を止めて。    〔速記中止〕

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 速記を始めて。すでに御承知と存じますが、証人の御管下の八播浜における青木繁吉氏の裁判事件に関する証人として來て頂いたわけであります。  先ずお伺いしたいことは、青木繁吉氏と証人と何か個人的の御関係がございましようか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 坐つたままでよろしうございますか。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) よろしうございます。どうぞ。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 個人的な関係は何もございません。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 公の関係では如何ですか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 公の関係でも、特別何もございません。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 青木繁吉氏に対しまして、或る刑事々件が出ております。今回本委員会の問題となつておりまする刑事事件について、何か御承知でございまするか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 新聞等で拜見しましたり、又それについて世間の人のいろいろな話を聞く程度のことを存じております。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) ところが、その事件につきまして、愛媛縣知事としての証人のあなたが裁判所に喚問せられているようでございますが、そうでございますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) さようでございます。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) その証人の喚問が三回ございましたのに、三回ともお出でにならなかつたというふうに承知しておりますが、その通りでございますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) その通りでございます。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それはどういうわけでお出でになりませんでしたか。その事情を……

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) その中の二度は、裁判所から御通知を頂いた後に知事会議がございまして、政府から招集が参りまして、その旨裁判所の方に申上げて、公文で申上げてございます。もう一遍は、裁判所から御通知を頂きまするずつと前から、農林省の食糧管理局長官の片柳長官が、食糧の自給関係について重要な打合せがあるから、行くから、関係者を集めて置けというので、丁度その裁判所から御通知のときに、丁度それが合致しておりまして、それからその他二、三どうしても私の出席を要求されておりました会議がございまして、丁度それがかち合つたものですから、その旨裁判所に申上げてお断りしてございます。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) その都度裁判所の了解は得られておられるのですか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) はい。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) そうすると、それは、三月の十五日が一回、四月の二十日が二回目で、五月の五日が三回目と、こうなつておりますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) さようでございます。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それに違いございませんか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) はい。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) その三回目はどういうのですか。今おつしやつたのは一、二回目のことですが。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) ここにちよつと私の記憶違いかも知れませんが、ずつと一番最初からですと、五回になつておりますが、三月十五日は一番幹止でございますが、これは私はつきりは分りませんが、私の方で縣会が丁度招集してありまして、縣会が開会中であるので、恐らく裁判所はこれはお取止めになつたようなことをちよつとよそから聞きました。眞僞は分りませんが、これは縣会開会中でございます。四月中は只今申上げました知事会議でございます。それから四月二十日というのは、これは食糧管理局長官が來られるという、それから五月五日がこの先程ちよつと申しましたが、食糧の自給対策本部、これは縣だけの……片柳さんのお出でになるときは違いますが、縣内の食糧の自給対策委員会というのがございまして、これは民間の人も入つておる。この会と、それから婦人文化会というものの專門委員会があつて、これは前かに要求されまして、私出るようになつております。その他二、三ございまして、これがこの県内だけの事情でございますが、これもその旨申上げて、お願いしてあります。それから五月十七日、これも実は事前にこういうことを申上げたので、裁判を恐らくはお取止めになつておるのではないかと思いますが、これもずつと前に裁判所から御連絡がございまして、これもどうだろうかというので、これもその前に計画を立ててありまして、地盤沈下の地震対策問題の委員会と、銅山川という、昔からの重大問題がありまして、その問題の会議と、それからあすこの大干拓事業がありますが、その干拓事業で、本省から大勢お出でになる関係から、裁判所へお願いをしたときには、現地で会議をいたすつもりでありましたが、急遽東京へ來るようになつて、五月十三日、結局東京へ來ることになつた。その都度裁判所へお願いしてあります。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 五月十八日を交渉してありますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) そうであります。これは、私の都合がよければおやりになるということであつて、いずれにしても、五月十三日に東京へ参りましたので……。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 事実は、これは当日は裁判停止になつておりまして、被告の方から判事の方の忌避の申立がありまして、事実は開かれなかつた。それから四月二十日にもやはり証人の喚問がしておつたか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) だろうと思いますが、私の方の記憶では、御通知がありまして、そのときにすでに知事会議の通知がありまして、実は知事会議に出なければならんということを御連絡をしております。裁判の方はどうなつたか、存じておりません。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) そうすると、当時証人の召喚に応じられなかつたのは、公務のために差支えて出られなかつたわけでありますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) はい。全部。成るべく出たいと思いましたが、こんな工合でありまして、どうしても知事会議に私が出なければならんので、その他私がおりませんと、どうしてもいけない重要な会議ばかりでありましたので、その都度、私の方で……。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 特に証人が出ることを憚かられたというか、避けたということはありませんか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 全然そういうことはございません。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それは分りました。或いは今後証人が喚問せられることがありますが、そのときは、公務差支えがなければ、お出でになるつもりでおられますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) そのつもりでおります。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それでは次に、この青木繁吉氏が、漁業法の違反をやつておるのでございます。そのことにつきまして、機船底曳網漁業というものを許可しておられるかどうか。その点確かめたい。機船底曳網漁業と申しますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) はい。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それの許可を得ておるかどうかという点です。これはまあ青木繁吉氏というより、太陽石油株式会社に対してでございますかね。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) これは、私の記憶では、ずつと前に、一昨年の十月、政府の命によつて、あすこの縣に赴任して参つたその当時確か一つは許可を得ておつた筈であります。それから私になりましてから許可の出願がもうすでにその前から出ておりまして、その方の許可は私は存じておりません。その後に私の聞き及んでおりますのには、制度が変りまして農林大臣の許可になりまして、その後に農林大臣が、一つ許可をしたと聞いております。從つてずつと前からの一つと農林大臣の今年の五月頃になつてからの許可とその二つかと思います。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 太陽石油に一つは許可になつて……。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 誰の名前になつておりますか青木繁吉氏関係の会社かどつちかはつきりいたしませんが、恐らく今年の五月の農林大臣の許可したのは青木繁吉個人の名前だと思います。はつきりいたしませんが、いずれにしても私は許可を一つもいたしておりません。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 貴方のときになつてからは許可がないわけでございますね。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) はい。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 公訴事実によりますると、許可がなかつたというのであります。ところがそれに対して被害の方は、被告の会社は愛媛縣知事から昭和二十二年二月二十五日以降同年三月二十九日までの間機船底曳網漁業の許可を受けていたから無許可漁業ではないとこう主張しているのであります。但し鑑札の下附は受けていない、かようにまあ主張しているのでありますが、その点について何か御承知ありませんか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) これははつきりいたしませんのでありますが、只今のようなお話のことは聞き及んでいるのでありますがこういうことと思います。私の着任前の約半年位前に前知事、誰がいたしましたか実際の事務当局、水産関係の経済部長か、水産課長か、実際はそういうような人かと思いますが、知事の責任において大体十幾つか、二十近い出願の中、これとこれは大体許可をしてやつたらよろしかろうかという下相談をしたということは、これは後で聞いた話です。かように船ができたし、或いはいろいろの許可條件が整つたらこれとこれは許可しようという下相談の中に入つておつたということはちよつと聞きましたし、併しそれは飽くまでも、これは役所の下準備でございまして、それが仮に船を造るといつてもできない人もございますし、或いは人が、この利権関係の者はいけませんし、又名目を、その人の名前はその人になつているが、事実は黒幕の者はいけないのでありまして、その調査をするには可なり日が掛かるのであります。それでいけない者もございます。恐らくいろいろな情報を得まして、私のときにもそういうことがあつたろうと存じますが、確実に存じませんのが、それを内部的に情報を得まして自分も許可の中に入つているのだというようなことを御本人が言つておるというようなことをちよつと聞きました。その程度でございまして、私は全然それ以上のことは……。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それはやはり表面の整つた形式の許可書がなければやつていけないわけでございますね。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 全然これは……。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 暗默の中に許されるというようなことはございませんか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 全然ございません。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) そうすると若しそれに口実を設けて青木氏がやつているとすると無許可にいつていいわけでありますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 誰がやつてもこれは無許可であります。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それは何か前知事のときには貴方はそうおつしやいますが、前知事のときには何か暗默の意思表示があつたのでございますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 只今申上げたことがすでに前知事の……下相談の話があつたということを私聞いたのでありまして、私のときはそういうことはないのであります。それに前知事のときにいわゆる前知事の部下か、役所の内部の者か、そういう下相談をしたのがたまたま漏れたということを聞きましただけでありまして、恐らくそういうことを公式に表明したこともございますまいし、ただ水産行政をしております内部の者から得た情報に過ぎないと思います。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) この食糧の問題につきましては、現地の軍政部の方で余程関心を持つておられると思います。又いろいろ力を貸しておられると思いますが、軍政部方面でもそういうことをやつてもよいのだというような意思表示をされたことでもあるのではございませんでしようか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) それは私の知つておる限りでは全然反対でございます。今以て同一でございますが、彼処の軍政部は特に無許可漁業の嚴禁を命令しておりますし、又闇取引を絶対にこれはやかましく言つておられまして、全然反対でございます。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それから実はこういうことも聞いておるのでございますが、戰爭中に、これは日本の軍部がやはり食糧増産のために、そういうふうな漁業を縣などの許可なしにやつてもよい、むしろ獲れといつた慫慂したというようなことがあるように聞いておりますが、そんなことを実は何かお聞き及びでありませんか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 全然聞いておりません。殊にトロール漁業というのは、仮に今のようなお話がございましても、トロール漁業だけは農林省は非常にやかましうございまして、実は魚族を小さい中に根こそぎ無くするということは非常にやかましいのでございまして、沿岸漁業との関係もございまして、そういうことは外に問題がございましても、トロール漁業だけは全然絶対にないと思います。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) これは本当の意味のトロールでないでしよう。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 本当は本当の意味のトロールでございます。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) そうでございますか。何か少し程度の違うものだというふうに聞いておりますが……。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) トロには御承知だと思いますが、非常に遠い所に行くのと、そうでないのと二つございまして、本当は青木繁吉氏は非常に遠い、南支那海に行くのと違うのでありまして、それにしても相当遠い所に行かなければ、実際は沿岸漁業の妨害のために、実際は沿岸でしていけない所でやつておるのが多いのでありまして、それは御承知の通り非常に資材が不足しておることと、船の裝備や食糧の補給が困難でございますから、止むを得ずそういうことをしておるのでございまして、本当は内海から全部外に出なければならんのでございます。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) そうすると戰爭中でも軍部からそういうふうな慫慂があつたというようなことは、それは本当でございませんか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 全然そういうことはないと思います。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) これもやはりむしろ反対でございますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 反対でございます。私は戰爭当時千葉縣の警察部長をしてよく承知しておりますが、銚子あたりでも嚴重に禁止せられておつたことを記憶しております。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 愛媛縣下では、これは外の縣でも同じでございますが、水産物に関する縣の水産業会、これが出荷機関ですか、何か指定出荷機関になつておるわけでございますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 只今はなつております。四つございまして、その一つが水産業会になつております。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) その八幡浜支部でございます。これは何か魚を扱うにつきまして奬励金というような名儀で何か販賣しておるというふうにも聞いておりますが、その点如何でございますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 全然私聞いたことがございません。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 何か公定價格以外に奬励金を付して販賣しておるというふうな……。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 私は聞き及んだことがございません。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) この点が青木繁吉氏が自分の行爲に対する一つの申し開きの一條にしておるのでございます。つまり本当の指定機関であるところの水産業会八幡浜支部に出るとマル公を紊る虞れがある。それで自分はその出荷機関を通さずに別の手で販賣しておるのだ、こう申しておるのでございますが、この点は何か知事は御承知なくても奬励金か何かあるのでありませんでしようか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) そういうことはないと思いますが、ただそういう話を承わりますと、思いつきますが、無理に近いものを想像いたしますれば、例の魚の公定の安い頃の話だと思いますから、正規の出荷組合なり、集荷機関が縣並びに國或いは軍政部方面から非常に相当量の出荷を命じられまして、実際非常に困難をして、組合としては、水産業会としては立場上苦しくていろいろ心配をしておつたのが実情でございますから、考えられないことはございませんが、事実上そういうことまでして、それまでして自分の負担においてして、政府の出荷命令を遵奉したというふうには実は考えられませんのでございます。そういうようなことなら、むしろ当時として私共は非常に歓迎した筈でございます。去年の三月頃まではそういうことがやまかしくございませんでしたから……。去年の三月頃から例のそういうようなことまでしても絶対に公定を守らなければならん、一切默認價格とか、只今のお話のようなことは一切いかんということは今年の三月頃からのお話でございますから、一昨年の暮乃至は去年頃若しそういうことをしたならば、水産業なり支部の奇特な行爲でありますが、そういうことをしたとは思いません。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) これは裁判事件全体を通じてのことをちよつと参考に承わりたいのですが、御承知のように普通で申しますと、一、二ケ月、公判にしても三回も開ければ、大抵は片が付く事件だと、客観的に見ておりますが、こういうふうに非常に長くなつておりますことについては、縣下のこととしてどういうふうにお考えでございますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 実はお問いになることと遠いかも知れませんが、可なり重要な事件でも余り長くなるのは実際上不適当と思いますし、殊にこういう事件は長引いては問題にならんと思います。從つてこんなに長引かせず、もつと早く迅速に的確な処置を、判決が下ることが実際必要だというふうに私も考えておるのでございます。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) どういうところに原因があるのですか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) これは余談になりますか……。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 公にするわけではございませんが……。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 一体日本の裁判制度が弁護士の申請によつて、いつでも延ばしたりできるが、これは廃めなければならんと思います。前から弁護士の都合でいつでも公判を縮めたり、延ばしたり自由自在にしておりますが、あれを廃めなければならんと、いかんと考えておるのであります。こういう事件も…。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) これは実は司法部の問題で、あなた様にこういうのを伺うのは筋違いかも知れませんが、やはり社会的に見て、地方官として御覽になつて、これは困つたことだ、どうしたらよいだろうか。そういうような御意見を参考に一つお聞きしたい。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 実は絶対何とかして早くして頂くような法律上の措置を講じて頂きたいと。これは輿論だと思います。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 公開としてこういうようなことは触れられませんけれども、お考えを承つて、世間様はどういうふうに見ておるか。知事にいろいろの批評とか、筋違いな注文もあると思いますが、どういうふうに世間は……。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) この事件についてですか。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) そうです。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) この事件については、これは公の場合に申すのは不適当と思いますが、実は世間では、青木繁吉氏に対して一種特別の感情を持つておりますから、別に驚きもしますまいし、事件そのものも皆承知しておりまして、判決の結果どうこうというようなことには関心を持たずに、むしろ裁判所なり、或いは檢察当局なりが飜弄されているというか、もつとぴしやんと一刀両断にやらなければできんと思つているのでありましようが、殆んどそういうような考えだと思います。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) まあ、檢察側が悪いとか、警察が悪いとか、裁判がなまぬるいとかいろいろな批評がございましようね。一番どこへ征矢が向けられておりますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) この事件については、本人の違反が事実か否か疑つている者は一人もないと思いますし、御当人以外は……。むしろこんな明瞭なものを一刀両断にやらないのはどういうわけだという感じが第三者としては全部だと私は想像いたします。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 随分裁判の経過等を見ますと、檢察官等も証人に喚んで反対訊問見たいにやつておりますね。それから新聞なども利用していろいろやつておられるようですが、そういうことに対して殊に警察はあなた様の管下で、警察官なんかの行動については如何でございますか。世間ではどんなふうに……。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 実は一口に申しますれば、違反の檢挙と思しますかについては、警察官なり署長なりにはあらゆる難くせをつけられるので、非常に困ると言いますか、通常ではないのでございまして、私参りましてからの警察署長濱名と申しますが、濱名君などはもう非常にこの点について正義感の強い人で、何と言われても少くとも人並み以上の寛大な処置はせん、今まではうるさいものですから、一般の方はやつても手を抜いておるような嫌いがありますが、これは断乎自分のところでどんなに面倒になつても、人並み以下の、いわゆるうるさいから目こぼしをするというような馬鹿な警察権の行使はしないということでやつておつたものでありますから、その反動がこういうようなところにいろいろ來たと思います。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) この事件につきましては、何か中央或いは地方的の政党関係の色合いなんというものはございませんでしようか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) この事件そのものにはないと思いますが、私共がどうしても許可しなかつたものが農林大臣の所管になつて、ただ一つ許可になつたということにつきましては、眞僞は不明でございますが、多少そういう政党関係もあると事実聞いて心外に思つておつたのでありますが……。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それは御本人が言われるのでございますか……。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 世間が評判している。御本人も申しておるようでございます。一遍にやつて見せる、知事がどういうことを言つたつてやつて見せるというようなことを言つておつたそうでございます。眞僞は不明でございますが……。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それが政党のいろいろなあれによつてどうというようなことは……。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 非常に私共としては農林省が事務的と言いますか、すべてを適当におやりになるのは、これはもう文句はございませんが、この点について世間の噂は多少……。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) ございますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) はあ。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) この漁業権なんかにつきまして、青木繁吉氏の競爭者というようなものがありまして、そういう人と何か偏頗に扱われておるというようなことはございませんでしようか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) そういうことはないと思います。実は競爭者といつても、非常に沢山ございまして、その中から何でも私の丁度在任中に非常にトロールが沢山許可が殖えまして、確か非常に少なかつたものが一氣に十九くらい新らしく許可していいことになりまして、私は嚴選し嚴選して十四くらいしか許可しなかつたのでございます。これの出願は大体五十くらいございましたでしようが、いろいろな関係で嚴重に当つて見ますと、いろいろなややこしいことがございまして、本当に正しいものだけをして、あとは一切保留のまま農林省に引継いだのでございます。從いまして競爭者といつても、別に誰と誰とが競爭でどつちというようなことはございません。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 政党的な選択関係なんかということは現われておりませんですね。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) それはございません。現に私の扱つておつたときにはございませんでした。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) それからあなたが知事選挙をおやりになりましたのは、どういう政党関係でお立ちになりましたか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) これは別に政党も何もなかつたのでございますが、ただ当時これは一昨年の十月前の当時の話なんでございますが、十月、十一月、十二月頃の、丁度中央もさようであつたのでありまするが、当時の進歩党と自由党でございますが、合体せねばいけないという機運の非常に強いときでございまして、あすこは非常に縣政功労者が丁度自由党と当時の進歩党に長老がございまして、その方々の、まだ一般に只今のように追放が拡がる前でございましたが、縣会議員の方も大部分まだ健在のときでございます。全國に一つ率先して一緒になろうというので、そうしてたしか十一月の終り頃に話が纒まりまして、十二月愛媛民主党というものを作りまして、いわゆる保守党連合でございますが、そうして一切を解消して、新らしく愛媛民主党として大同団結したのでございます。その団体が、私も個人的な関係やいろいろな関係で、どうしてもあすこにおれないような氣持もございまして、最後まで、告示の前の日まで強硬にお断りしたのでございますけれども、この合同した愛媛民主党がたつてのお奨めによりまして、それで私はその御推薦によつて出たのであります。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 愛媛縣民主党でございますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) いえ、愛媛民主党でございます。その名前をいわゆる民主党が御採用になつておるのでありますが、実はあすこの方が先に作つたわけであります。

來馬琢道緑風会

○委員外委員(來馬琢道君) トロールでなくて、只今の許可されましたのは、余程遠方まで行つた形跡があるのでありますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) いえ、行つたかも知れませんが、その点は問題になつておらないのでございます。遠くへ行つてどうしたという問題は全然問題になつていないのであります。遠くへ行つたか、近くへ行つたかではなくて、取つて來た魚を闇で賣つたかということが、この問題でございますが、実際は遠くへ行つていないと思います。

來馬琢道緑風会

○委員外委員(來馬琢道君) 取れるのでございますか、その近海で……。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 取れるのでございます。禁を犯して取れるのでございます。ここから外へ出てはいけないという線が決まつておるのでございますが、それがなかなか遠いのでございますから、それを嚴重に取締るためには警察船が相当強化されていないと目が届きませんが、実際は禁止区域内で取れるのでございます。それが非常に有利なのでございます。費用が掛かりませんし、直ちに取れるのでございます。

來馬琢道緑風会

○委員外委員(來馬琢道君) いや、御本人の心持が、先だつてここで樣子を拜見しておりますと、いろいろと自分のしたことに対して能書を述べておるので、それであの口の通りであるのか、実際どうしたのかということをちよつと聽きたかつたからお尋ねしたのであります。それから新聞を発行しているのは御自分で発行しておられるのでありますか。自分の手でやつておるのでありますか。小さな新聞を見せたのでありますか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 御自分の責任ではないかと思いますが、あの人の新聞でございます。八幡新聞といいますか。先生がやつておるのであります。

來馬琢道緑風会

○委員外委員(來馬琢道君) この事件に関することを殆んど全面に載せておるようでありますが……。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) 私は実は読んでおりませんが、ずつと連続して書いております。

來馬琢道緑風会

○委員外委員(來馬琢道君) それは担当機関を持つて、いろいろのことを企てておるということが考えられますね。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) はい。

水久保甚作民主自由党

○水久保甚作君 ちよつとお聞きしたいのですが、青木が縣廳方面及び官廳方面に対して、何か非常に反感を持つておるというような傾向がありやしませんか。

青木重臣愛媛縣知事

○証人(青木重臣君) これはもう詳しくそういうことを申上げると切りがないのでございますが、官廳とかどうとかいうことでなしに、要するに私の判断では、又一般世間も同樣だと思いますが、御本人に不利にぶつ突かつて行く者、言うことを聞かない者に対しては、非常に強硬に、裁判所であろうが、第三者、一般の隣りの人であろうが、非常に御自分の意に充たない者に対しては、直ちにぶつ突かつて來られるのでございます。從いましてもう八幡浜等でも、これは言うと言わざると、公知の事実になつておるのでございますが、市民も何とかして当らず障らずにおることが、唯一の安全感でございまして、何か掛かり分いになつたら大変だという氣持を持つておるのでございます。八幡浜の人、殊に関係業者が……。從いまして縣の方でも、現に一つの例を申上げますと、私が着任して初めて知事室に行きますと、机の上に電報が一本ございます。何かの内容証明の特別の電報でございました。それでお前は許可して直ちに俺の今出願しておる……これは着任前に出したわけでありますが、着任するや否や直ちにいわゆる内容証明的な電報で、返事をよこせという電報でございました。私は何のことか全然知りませんが、これは水産関係のことだと思いましたので、挨拶に來ました水産課長をちよつと足止めをして、こういうのが來ておる。実はここへこういうのが來ておる。そういう話でございます。それは一つの例でございますが、これは民主的とか何とか……当時は選挙前でございますが、よく分りましたというような電報の返事でも出したら、大変お褒めに預るだろうと思うのですが、それを電報で直ちに返事をよこさなかつたというようなことで、その翌日から電話も何遍も掛かつて來ましたし、私は何のことか分らないのですが、事実そうでございます。それからこれは事実でございますから申上げて差支えないと思いますが、縣のCICとか軍政部にあらゆる投書がうず高く両方とも一括されておりまして、本当に憤慨しております。そういうことを調べて、実に御念入りに調査をして、可哀想な一人民を苦しめておることはいけないというような、本当にいろいろな調査をなさつたのであります、一年も二年も掛かつて……。私の申上げたことは、一部でございますが、そういうことが全部分つて、非常に憤慨されておりまして、今年の四五月頃にCICの司令官が……実は速記を止めて頂いて申上げたいのですが……。

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) 速記を止めて。    〔速記中止〕

岡部常緑風会

○委員長(岡部常君) じや速記を始めて……これを以て証人訊問を終了いたします。どうも御苦労様。小委員会はこれで散会いたします。    午後二時二十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡部  常君    委員            宇都宮 登君            水久保甚作君            中村 正雄君    小委員外委員  來馬 琢道君   証人    愛媛縣知事   青木 重臣君

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