財政及び金融委員会 第5号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/02/04
会議録
○委員長(黒田英雄君) これより委員会を開会いたします。本日は復興金融金庫法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、御質疑を願いたいと思います。御質疑のおありの方は御質疑を願いたいと思います。
○中西功君 一つは、復興金融金庫の資金の効率、回轉率といいますか、その状況を知りたいのですが、具体的には一体延滯手形というふうなものの金額や枚数がどれだけあるかということを知りたいと思います。
○政府委員(小坂善太郎君) 表にして差上げてあるように考えておるのでありまするが、延滯調べとして、昭和二十二年十二月三十一日現在、件数といたしまして十七件、内訳は、機械器具工業が八件、金額にいたしますると千八百万円、紡績業といたしまして、件数一件、四千五百万円、製塩業といたしまして、一件、三十万円、漁業一件、二百五十万円、土建請負業一件、二万円、製材業一件、六十七万九千円、住宅経営二億、その他三件、五千三百万円、端数等につきましては表にございますので、端数を端折つたのでありますが、件数にいたしまして十七件、金額にいたしまして三億二千万円でございまするので、全体の中住宅経営の分が殆ど大半を占めておるというような状況であります。これは住宅営團の関係でございます。 それから尚復金の業種別貸出回收状況というのが、表第二十といたしましてお手許に配布いたしてあります。極く大観いたしまして融資の回收状況でありまするが、これは新規の貸付累計といたしまして、昭和二十二年の一月から十二月までの分が六百四十一億八千六百万円であります。そのうち回收せられましたものが二百二十八億四千二百万円、新規貸付に対する回收割合といたしまして三五・六%になつております。 こういう程度の状況でありまするが、これは大体、申上げるまでもないと存じまするが、復金の持つ性格自体から來るものであります。復金は御承知のように、國家の再建に必要であるけれども、一般の金融機関がこれに融資するに困難だというようなものに対して貸付けるという、復金本来の性格を持つておるのでありまして、又そういうことから常に関連して参りまするが、たとえば石炭であるとかいうような、大体におきまして、政府の補給金を必要とするというような性格の産業、或いは價格を改訂する必要が将来あるけれども……というような企業、工業といつたようなものに融資されるのでありまして、どちらかと申しますれば、融資自体、赤字融資的な性格を持つようなものに貸付けられておる場合が多いのであります。尚復金自体といたしまして、一般の市中金融機関でありますると、預金を持つておりまするので、非常にその点回收が敏活に行くことが考えられます。同一の企業が復金と市中金融機関と両面から金を借りておりまする場合には、どうしても復金の回收というものは後順位になつてしまうというようなことが考えられるのであります。我々といたしましては、極力復金の貸出の回收につきましては、努力いたすように申しておるのでありまするが、どういたしましても、融資の本來の性格に回收困難な点が多いというようなことが考えられるのであります。いずれにいたしましても、できるだけ我々としては、資金的な効率等を考えまして、貸出後における監査を十分に行いますると共に、復金の中にございまする融資部、或いは監査部の陣容を強化しまして、できるだけ既出の融通資金の回收に力を注いでおる、大体以上であります。
○中西功君 そうするとそういう重要産業へ復金が金を貸付けられる場合に大体期限は平均どういうことになつておるのですか。
○委員長(黒田英雄君) 復興金融課長は政府委員ではないのですが、便宜課長に説明員として説明を求めたいと思います。御異議ないですか。 〔「異議なし」と呼ふ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
○説明員(谷村祐君) お許しを頂きまして御説明いたします。設備資金と運轉資金では異なります。設備資金であります場合には、いろいろな関係からいたしまして、当然その回牧は相当期間後でなければできないというようなことが見込まれますので、特別に増資を引き当てにするとか、或いは社債発行によつて自己資本が充実されるとかいうようなことが前提となつていない場合には、期限は大体三年とか五年とかいうふうな長期になつております。それから運轉資金であります場合には、これはその運轉資金を必要とする金繰りの状況によつて判定いたすわけでありますが、大体赤字融資、或いは政府補給金を見返りにするような場合でありまして、それからそうでなくて本当のいわば当座の金繰りの不足といつたような場合でありましても、只今のところは融資技術上は手形で大体やつておりますので、九十日程度が一應のお約束の期限となつております。但し復金融資も、只今政務次官からも御答弁がありましたような実情といたしまして、必らずしも資金の回收等が実際にはさように参りませんので、その場合にはその都度手形の書換によつて処理しておるような次第でございます。これは融資技術上からただ一應手形によつてやりますために、一應の期間を九十日といたしておるわけでありますが、できるだけ短期のものとして結末をつけるという氣持でやつておるわけでございます。
○中西功君 私が今質問いたしましたのは、さつき次官から説明されたような歴然とした延滞がどれだけあるかということではなくて、そういうふうに現実に殆ど書換書換で以て行つておると思うのです。そういうものを実は知りたかつた。そこの点に、今復金がいわばインフレ金庫見たいになつておる原因の一つがあると思うのです。九十日で一應期限を切つたものでも、殆ど嚴密な意味の回牧的措置が取られていない。その結果借りた者は復金の金はもう貰つたものだというふうな考えで使つておると思うのです。いわぽ殆んどがそういうふうな延滯手形で以てやり繰りされておるのじやないかと、こう思うのです。そう理解してよろしいですか。
○説明員(谷村祐君) ちよつとその点について御説明申上げます。復金といたしましては、私共監督官廳の立場からもそうでございますが、やはり金融であるという性格は決してなくさないつもりであります。只今委員が御指摘になりましたように、巷間ややもすれば復金からの貸出しは貰つたもののごとく心得るというふうな向きの方もあるように聞いておりますが、我々といたしましては、貸出しの際に常にやはり回收のことを十分に検討いたしました上で融資いたしておるわけでございます。ただ御指摘のありましたような、只今金融技術上の証書貸付等の方法を取りますことが非常に種々の関係で手数が掛りまして、困難でありますために、手形貸付の方法によつて九十日という一應の期限を切つておるわけでありますが、大体一年でありますとか、二年でありますとか、或いは六ヶ月というのもございますが、復興金融委員会で御説明申し上げるようなときにはその貸付に対してこれだけいつ返して貰うという見当をつけて融資しておる。その間に手形の書換等が起りましても、これは形式上の書換でございまして、実質的の延滯とは我々考えておりません。但し例えば六ヶ月ぐらいでこれは返して貰う。例えば漁業の場合でございますと、私共といたしましては、例は間違つておるかも知れませんが、南氷洋の方に捕鯨に行つて、そうして鯨を取つて帰つて來ればその水揚高で当初積込んで行つた油その他の費用は返せるという見込で、復金が南氷洋の捕鯨に金融をつけましたときには、少くともその船が返つて参ります今年の四月なり、六月なりを期限として貸しておりまして、若しその期限が過ぎまして更に延滯というようなことになつて参りますと、これは本当の意味の実質的の延滯というふうに我々は考えておるわけであります。そこで先程政務次官が申されましたように、必ず三ヶ月経てば收支がペイして償還の余裕が生れて來るというので、償還の計画を一應立てたところで貸付けるわけであります。実際問題としては、御承知のようにいろいろな生産條件が悪いというようなこと、或いは物價の昂騰、賃金の昂騰といつたようなことが企業の経営を悪化せしめまして、現実にその償還計画がうまく行かないというようなことがしばしば起つて來るのであります。我々としても、又復金当局としても、例えば一つの例をお示しするわけでありますが、不用資産を処分してこの金は返すから、必ず時期までにお返しするようにするから、これだけ貸して欲しい、貸しましようといつて貸したような例があるのであります。ところが不用資産を処分した金が直ちに人件費に喰われてしまつたといつたような例がございます。さような場合に我々としては、さような不信な行爲をする企業に対しては回牧を確保する意味から、今後の新規の貸出に当つてはむずかしい條件をつけて、一旦こういうふうに償還するという約束をして置きながら、それを別途の金繰りに使つてしまつたのは怪しからんというふうにして、金融機関としてのいわば文句を申しまして、非常に喧しく、そういうところに貸すときには、必ずこういう計画で返す。その計画通り償還するかどうかということを監視して行くというやり方をいたしておるのでございます。御指摘のように事実問題として止むを得ず延滯が起る場合と、或いは技術上の單なる書換が起る場合とございますけれども、必ずしも復金の金を貸す際に回收のことは考えないとか、或いは貸した金の回收に関して努力をしないということではないのでありまして、但し我々としましても尚今後とも回收の面につきましてはあらゆる悪條件を排しつつ努力しなければならない点は多々あると存じますので、その点は日銀当局辺りからも常に喧しくいわれておることでございますので、金庫当事者も大いに今後努力いたすようにしております。
○中西功君 それで実際にそういうふうな九十日の書換ということは一應別にしても、六ケ月或いは何ケ月というふうに一應復興金融委員会の方で大体の目安……、返して貰うというように決めておるとすれば、まだその回收がともかくも進んでおるとすれば、復興金融金庫が一應金融機関としての從來の活動ができるわけだと思うのですが、ところが実際問題としてさつき言われたように、やはり回收が依然としてまあ不十分であるというところから、実際復金の金庫に対しては幾ら注ぎ込んでも足りないような状態が生まれて來ると思います。それで又もう一つは、一應その期限に達しておるものはいろいろの事情もあるだろうけれども一應返して貰う。そうして改めてその経営をよく見て必要なものは復金から貸すというふうにならないと、それ程嚴格にならなくて、これはまあ止むを得ない事情だからといつてただ延ばして置くということでは非常に困ると思うのです。それでここに我々に示されたこの延滯状況調は私余り少いように思うのです。そういう本当の復金の性質を示していないと思う。今復金の非常に大きな問題はこの点にあると思うのです。即ち回收が事実上できないだけじやなくして、非常にその点がまあ事実上ルーズになつておる。そのために廻轉しないわけです。だから我々國民に増資々々というわけで、だんだん注ぎ込んで行かなければならないということになつておるわけです。ともかくも一應期限の來たものは必ず返して貰う。そうして改めてもう一度適当な期間において又貸すというふうな手続がはつきり取られなければいけない。それが取られていないと思います。ですから止むを得ない場合は、これは当然國家的に融資すべきものならそのときに改めて考えればいいわけであります。そういうような措置がないと思うのです。それで復金のそれが今の最大の欠陷だと思う。何故そういうことが起つて來るかということになると、これは又非常に政治的な問題があると思います。これは又別にいたします。 もう一つ非常に具体的な話なんですが、一月になつてからと思いますが、自由党の副幹事長の山口という人が和歌山縣で、正確なことは知らないので、お聽きしたいのですが、桑園の問題で金を借りておられるということを聞いておるのですが、その実情をはつきりここで教えて欲しいと思います。
○委員長(黒田英雄君) 中西君、今分つておる人がいないから……。
○中西功君 それではもう少し一般的のことを聽きます。私たちに與えられました復金のこの一千万円以上の大口の融資はまあいいのですが、この復金の融資の中には二、三百万円程度の融資、その点に非常に不明朗なものがあるということが一般に言われておるのです。それで私たちとしては、実はもつと少い方を、而も正確に知りたいと思うのですが、まあこれは今急に言つたつて仕様がないでしようから一般的なことを聽きますと、いわゆる財界から追放された者、或いは政界から追放された人々に対して、その人の名義やなんかで可なり貸付がされておるのですが、財界から追放された人たちが、実は復金から金を借りて商賣しておるというのも非常に多いということを聞いておるわけです。そういうようなことを復金がやつておられると思うのです。でこの一体財界から追放されたという人々は、今そういうふうにして、これは何もあの追放指令の問題じやないのですが、この復金に借りる場合の名義人として借りられるものかどうか、その点を知りたいと思います。
○政府委員(小坂善太郎君) いろいろとこの復金の貸出につきまして世評がありますのでありまして、我々としては、こういつた資金と申しましても、特定の人たちが借りるというようなことはこれは全く避くべきことでありまして、我々といたしましては毛頭そういうことは考えておりません。要は國家再建のために最も資金を有効に使用せしめますように我々としては認めなければならないと思つてやつております。貸出しの内容等について申しますと、甚だなんでございますが、私も実はそういうことは全然携つておりません。よく調べさせまして御答え申上げたいと、このように考えております。
○中西功君 もう一つこれは非常に具体的な、我々に関係したことなんですが、三菱化工機のことで、この工場の労働組合の中に関連して起つたことなんですが、実は三菱化工機の工場では、共産党の力が少し強かつたのですが、この化工機が復金から金を借りるということが大体決つておりましたときに、会社側はこう言つたのであります。共産党の連中が組合の幹部を占めておつたのでは復金は貸さない。だから共産党が一應退いて呉れ。そうすれば復金は貸すと言つておる。復金から借りなければ、この会社は潰れるのだから、どうかそうして呉れというようなことを言つて、それがまことしやかに放送されて、そういうことが実現された。共産党の連中は退つたということがあるのですが、それからこの組合が非常に内紛を醸し出して、支離滅裂になつてしまつた。復金の融資はそういうふうな意味で使い得るのかどうか。又使うことが許されるかどうかという点なんですが、これは單なる一つの例なのでありまして、そういうことは沢山であることでありまして、勿論他に復金に限らず、日銀にしろ、一般的に金融銀行資本のそういう形の労働への攻勢が可なりあると思います。これは普通の市中銀行はともかくといたしまして、國家銀行であり、國民の金で一應営業しておるところの復金が、そういうことをして許されるかどうか。そういう点ですね。これは事実あつたのですから、今も内紛を醸しておる点なんですから、その点を一つはつきり伺いたい。
○政府委員(小坂善太郎君) 私といたしまして、一般的な貸出し方針といたしましては、できるだけ貸した金を確実に回收するように、これは市中銀行であろうと、復金であろうと、同様に扱うべきことであると考えております。その回收を容易ならしめるために、又回收が順調に行きますがためには、どうしても企業自体が安定しなければならんと思います。その企業自体が安定しておるかどうかということが、我々が貸出し方針を指導する場合の根本に考えてしなければならんというふうに思つておるのであります。一体復金自体の性格からいたしまして、その時の物價の体系、或いは原料の入手状況等によつて、必ずしも円滑に事業が運営されていない。併しながらそれが一つの國家の政策の皺がそこに寄つたようなものであるというならば、私は一時的に見ましても、融資するというような考え方を持つてやつております。決して特別の私情を交えまして、どうこうというようなことは毫末もないと思います。要は企業が健全に運営されておるかどうか。これだけで判断して活用されておると考えております。
○中西功君 もう一つ、私ばかりで相済まんのですが、興銀との関係なんですが、この前も実はお聽きして途中で止めたのですが、代理店の問題なんです。全体の統計では興銀の或いは勧業銀行の代理関係は三十%くらいだということは、この資料に出ておりますが、この復金の経営或いは全体を見ておりますと、興銀と非常に密接に結び付いておるということはよく我々にも分るのです。それが直接には代理店関係を通じて來るわけですが、私が言うのは、実はこの問題については一つ私、資料を出して貰つた方がはつきりすると思うのですが、今お分りでしたら……。大阪で最近復金の支店と興銀と、或いはその他の代理店と大体どのくらいのパーセンテージで貸しておるかということを示して貰うのが一番いいのじやないかと思うのです。それから示して貰いたいと思います。
○政府委員(小坂善太郎君) 復金が発足いたしまする前に、産業金融一般を興銀がやつておつたことは御承知の通りであります。更に勧銀におきましてもやはり工業金融に乘出し、一部分関與しておるという状況でありますが、何といたしましても興銀が主力であります。そこで復金ができます場合に、差当りの必要といたしまして、興銀の今まで持つておつたところの一般産業金融に対する知識というものを相当重要視して、そうしてこれをうまく新しい復金の機構の中に流し込んで行くということは、これは別に特別の意味でなく、必要なことであると考えておつたのであります。処がこれは興銀偏重に参るというようなことになりましては、これは大いに戒心すべきことでありますので、そういう点は我々としては十分に注意をいたしております。現に理事長等も日銀にお願いして來て頂いておるようなわけであります。我々としては特別に今までの産業金融の知識を、興銀を通じて、差当り復金の開店創業の際には使われたということは、自然発生的なことであるので、何も特別興銀を重要視して金融をするというようなことは考えておらないのであります。尚今大阪の具体的な場合を示せというお話でありますので、復金課長をして御説明申上げさせます。
○説明員(谷村祐君) 只今お聞きになりました復金の大阪支所におきまして、支所の直接貸はどのくらい、又代理店貸がどのくらい、代理店貸の中で興銀がどのくらいかという数字について、十二月三十一日現在で申上げます。大阪支所といたしましては口数で五百四十五件ございます。金額にいたしまして二十四億余りでございます。この五百四十五件の中、直接貸は百九十六件でございます。金額にいたしまして五億二千五百万円程度と御承知願います。從いまして代理貸付が口数で三百四十九件、金額にいたしまして十九億程度でございます。その代理貸付の中で興銀と勧銀がございます。外の代理店、即ち商工中金或は北拓というものはございません。興銀の口数は二百四十四件、十七億余に上つております。勧銀が百五件、一億四千程度でございます。御指摘のように大阪支所関係といたしましては、口数におきましても金額におきましても興銀の對理貸付が相当の金額、件数を占めておるような状況でございます。
○中西功君 まあ大阪支所を――これはまあ一つの典型だと思いますが――例に取れば、先刻いわれましたように、興銀は結局七、八〇%のものを貸付けておるわけです。支所直接は二〇%程度ということになると思いますが、ここで興銀がこういう大きな役割を果せるということから、興銀の、自分自身の私的な営業と、復金の貸付ということがどうしても混淆して來ると思うのです。で、興銀についてはいろいろ問題があると思うのですが、私たちこう見ておると、興銀は元來ならば、あれは閉鎖機関になるべきような性質のものであつたと思うのです。まあそれがそうならずに、而もあの戰時中の猛烈な融資によつて、興銀の経営は非常に惡かつたと思うのです。惡かつたこの経営が、最近よくなつた、そういうような、興銀がよくなつた原因の大多数はどこにあるかというと、これは率直にいえば、復金を非常に利用したと思うのです。それがこういう代理店貸付との関連において容易に行えたと思うのです。これは簡單に考え得られることでありまして、復金のこの代理店を大銀行でしておるということは、いい貸付ならば自分のものにしておく、併しどうも不確かなもので、併し得意先として是非やつてやらなければならんというようなものは、復金の貸にするということは、簡単にできることでありまして、一口にいいますならば、貸付の面において、大阪のようなのは特別の例でしようが、興銀が復金を極めてうまく利用しておる、而も最近興銀は三倍増資をするということを、何か放送しておりますし、又非常に立直つた形で、あちこちに非常に活躍しておるわけです。まあこういうことは、これは、こういうふうにさせるつもりではなかつたということになるでしようけれども、現実の問題として起つておると思うのです。これは決して興銀だけの問題じやないと思うのです。市中銀行にも復金金融との関連において、これに類したことが起つておると思う。こういう事実を政府当局としては、今後一体どういうふうにやつて行くつもりなのか、これをちよつとお聞きしておきたいと思うのです。
○政府委員(小坂善太郎君) 先程もお答え申上げましたように、今までの工業金融を担当しておつた興銀というものについての知識を差当り有効に使用して行くという意味におきまして、興銀が復金の貸付において、相当な指導的な地位を占めているというような事情もあつたのであります。誠に御指摘の如くそれが偏重されるような傾向にありますことは、憂慮すべき傾向でありますので、私どもといたしましては、復金自体の機構を確立いたしまして、さらにこれを鞏固にいたしまして、今までの傾向を矯正いたして参るように考えております。尚いろいろ問題がありまするが、一般市中銀行の代理貸というようなことも、さらに研究して参りたいと思つております。
○中西功君 それに関連して最近乙級代理店というものを置かれるということを聞いておるのですが、事実でしようか。
○政府委員(小坂善太郎君) それは只今後段に申上げました一般市中銀行を対象とした代理店貸という場合なんです。これはまあいろいろな面が、研究する面が多々ありまするので、まだ決つたというのではございませんので、その意味に御了解願いたいと思います。
○中西功君 結論的なことを一つ……この間から復金について私沢山お聞きしたんですが、今の場合復金が果している役割というものは、極めて変則的なことになつておると思うのです。それでそれは回收率が非常に惡いということと、復金債自体の市場消化が非常に惡いということとこれは平行しておると思うのですが、実はこの前三百億の増資をするときに、大藏大臣も、また同時に福田政府委員だつたと思うのですが、いろいろ説明に当つて今度こそはそれは殆んど市中消化でやりたいと考えておる、そうすれば可能だと思うと言つて、当時の自由預金の増加を大体例にとられて説明されたと思うのです。ところが、そのときこの財政金融委員会でもその市中消化が非常に問題になつて、波多野さんや木村さんからも非常につつ突かれた。その消化がうまくなかつたらインフレが増すだけだから困るというようなことを指摘されたときに、政府側は、いや、大丈夫だと言うて約束したと思うのです。ところが現実にそうでなかつた。これにはいろいろ現実の理由もあるでしようけれども、この前三百億の増資のときには非常にそういうふうにあつさりと政府側は非常によい見透しを我々に與えて承認さしたわけですし、今度の場合は勿論そういうふうな約束はされるかされないか知りませんが、私は思うのに、今のようなやり方でこのままやつて行けば、次に又どうせ出さなければならん。或いはこの第二國会中にもつと尨大なものが出て來るのじやないかと思つております。こういうふうにしてただ漫然と非常に金が要るからとにかく出してくれ、増資してくれというふうな形で行つたら、これは恐らくきりがないだろうと思います。それで最後に市中消化の見透し並びに今後大体どの程度の増資が要るのかという点の見透しを少し知つておきたいと思います。
○政府委員(小坂善太郎君) 復金の融資がただ漫然と出ておつて、なんにもなつていないじやないかという点につきましては、私共は相当計画的にやつている積りだし、又それがあればこそ石炭の増産なんかも最近漸く緒についた。まあ一面においては相当こういつたインフレの時期でございまするから、出した金が直ぐ有効にはね返つて來ないという点はあるかと思うのでございますけれども、石炭はとにかくにも増産ができて來た。この基盤の一つは、復金のようなものがあつて戰後の荒廃した設備を復興するに役立つたように思います。又肥料などにつきましては、最近は電力事情等で不振ですが、昭和十二年のベースにまで生産が回復しているというようなこともまた復金の一つの力の現れじやないかというふうに思つております。併しながら全般として確かに御指摘のように復金依存の傾向が極端に行きますると、非常にインフレに対して恐ろしい惡い要因になる虞が多分にあるので、私といたしましてはこの委員会においても申上げたように極力機構を強化して回收に努めるように努力したいと思つておる次第であります。この増資でありまするが、たびたび増資して怪しからんじやないかというお言葉もございまするが、これは一遍に多額にいたしまするより、できるだけ区切つてまいります方が更に資金の節約という面で却つて効があるのじやないかと思います。今回もただ漫然と三百億にいたしたいというところを半分にして、新設公團の融資を埒外に置きまして、差当り確かなものを限りまして百五十億円というものをお願いしておるような次第であります。従いましてこれは三月の末になりますると使い切つてしまう金でございまするので、又増資をお願いしなくちやならんということになつております。 それから今後の増資の見込をお尋ねでございましたが、これは一般の物價との関連がありまして、今まで持つて参つたところの物價体系は或る意壕で修正されなければならん点がありますから、この物價改訂の見透しとも関連がありまして、今後の復金増資の見込については今のところ申上げられないような状態であります。 更に復金債の市中消化の問題であります。我々としては極力市中消化に努力しておりますが、少くともこれは一般の資金蓄積との関連がありまして、貯蓄運動その他がやはりこれは全般的な経済環境とも関連がありまして、どの程度いくかということによつても違うかと思いますが、少くとも三割ぐらいは市中消化するように努力するということを以て今の目標としておるわけであります。
○山田節男君 只今石炭のお話でありましたが、結局現在石炭業への融資額は百四十六億という御調査でございます。而して價格改訂のずれは三十二億ぐらいある。そうすると赤字運轉資金の三十二億いくらかが回收になるだけで、百十何億はいわゆる固定貸しになるかと思いますが、この上に増資の分で余程石炭の方へ又融通せられるのだろうと思います。そうすると随分尨大な額が石炭業へ入つていくと思うのでありまして、丁度戰時中の航空機工業へ貸したと同じような結果を來たすのじやないかと思います。成る程石炭は重要には違いないが、或る程度その辺の目度も附けていかなければならん。重点産業であるからいくらでも出すというお積りであるか、石炭業へはどのくらいの融資で止める積りか、見透しがあればその辺の見透しを承わりたいと思います。
○政府委員(小坂善太郎君) 石炭業には御指摘のように全体の三分の一という尨大な額を貸し付けておりますが、これはなにも石炭が重要であるからただ出すというのではなくて、それぞれの計画を相当精細にして出しておるのでありまして、そのために石炭の國管というようなことも政府として採り上げたような次第であります。今後の見透しといたしまして、私共としてそういうわけで國家が石炭鉱業を管理いたしまして、漫然として戰時中の航空機工業の場合のごとくに、ただ必要であるから、要るに委せて出すというようなことがないようにいたしていきたいと思つております。
○山田節男君 凡その額はどのくらいですか。
○説明員(谷村祐君) 二つの点について御説明申上げます。一つは御指摘のありました石炭金融約百四十何億というものの中三十二億は補給金で替えるだろうが、あとはその儘焦げ付いてしまうのじやないかという点でございます。この点については御承知のように表を見て頂くと分りますが、設備資金が非常に多いわけであります。この設備資金を只今借入金という形においてしか処理できないような経済環境でございます。増資とか、或いは社債発行といつたことがいろいろな関係でできませんし、どうしてもこれを借入金によつて賄なつていくというような恰好になつておるので、このようになつておりますが、これによつて三千六百万トンの石炭が出てきて、日本経済の安定という一つの方向が決つてくると同じように一つの経済條件が成立してきますれば、そこに復金の借入によつて設備を作つたという形のものが自己資本の充実という形において返却されるという見透しを我々としても持つておるわけであります。その他運轉資金との関係においても只今でこそ石炭鉱業はいろいろな面でむずかしい点もございますが、やはり一應の経済の環境がよくなつて参りますれば、その方面から返して頂ける点も多分にまあ見込んでおるわけであります。價格関係その他がいろいろあつて、むずかしいやり方になつておりますために、金融が言わば尻を背負いこんだようになつたのでありますが、早晩何らかの形で金融の方ではけりをつけて貰える時期が來ると考えております。 それから第二点の、今後の石炭金融がどの程度になるかということでございますが、來年度の問題はさて置きまして、増資をお願いしております第四四半期分を簡単に申上げます。設備資金は依然としまして労務者住宅、或いはその他の炭車でありますとか、要するに運搬設備その他坑内設備の補強、そういつたものに対しましての一般設備資金はまだ具体的にどの程度にするというふうにして、はつきりと決まつてはいないのでございますけれども、大体三十四、五億見当の設備資金が要りはしないかというふうに考えております。これはもう経済安定本部を中心にいたしまして、極力資材面その他の関係から嚴格に査定いたしましたところで、当局である石炭廳の方の要求はこれより遥かに上廻つております。それから運轉資金でございますが、これも亦石炭鉱業を只今一般に言われておりますような意味における炭價不適正といつたようなものによります赤字と考えますならば、それが赤字であるか、本当にどの程度の赤字があるのであるかということの見当は非常にむずかしい問題でありますけれども、少くとも相当程度の特別の價格調整のために必要な、まあ運轉資金が出ることを余儀なくされております。御承知のように三十六億の未拂いがあるというようなことが言われておりますが、これをどういうふうにやつていくかということを非常に事務的に嚴格に檢討いたしておりますが、これも十数億の金額に上るというふうにして、只今目下檢討中であります。それからその外に御承知のように十二月の初めに経営者側と労務者側の間で爭議寸前に協約が成立いたしまして、増産をいたしました場合には、増産がこの目標を越えたときにはこの程度というふうに増産將励金というのを特別に炭鉱労務者に支拂うということになつておりますが、そういつた労賃の特別の割増金といつた分に対しましても、これも相当額の金額を、特に最近のごとく出炭能率が挙つて参りまして、出炭が多うございまして、可なりの金額を見込んで出さなければなるまいと考えております。その総額はまあいろいろ檢討いたしておりますが、大体三十五、六億程度に上りはしないかというふうに考えておりますが、まだその数字を具体的には最後的に決定いたしておりませんで、目下資料を集めて檢討中でございますので、この程度に説明させて頂きます。
○山田佐一君 御説を承りまして、経済状態が落ちつけば回收をする、或いは会社の増資により、社債の発行によつて回收するという御説明でありますが、これは基礎産業であり、すべての産業へ重大な影響を及ぼす建前からいきまして、今日の計画経済の上から言つて、そんな暴利が出るような計算が出るわけがないと思います。又價格の上においても、そんな暴利を出させるということを政府として認可をしそうなことはない。利潤追求の観念は現在においても許されんだろうと思います。そういたしますと、只今承つたところだけで二百億になると思います。ソ連も平價を切下げています。フランスも切り下げた。而して我が國もいつかこの平價の切下げというものも行なわれなければならないと思います。今の二百億というような数字は國民経済から言つて非常に多くの金がそこに行つている、國民大衆は祖先傳來の家を賣り、田圃を賣り節約して納税に苦慮しておられる。そしてここに何百億というものがただ一業種のために出されているそうしてこの回收はなかなかできない。焦げつくことになると、來るべき平價切下げにはこの貸金というものは如何なる処置によつて切下げられるか。貸金も十分の一にいくか、二十分の一か分らんけれども、その率によつて切下げていくか、或いはソ連のように貸付金と各人の手持現金及び銀行の預金とは差等をつけて行くのか、その辺の率の大よその見透しがあれば承つて見たいと思います。
○政府委員(小坂善太郎君) お答えいたしまする前に先程の航空機工業と石炭鉱業との比喩が出たのでありますが、私共に言わしむれば、これは根本的に違うと考えておるのであります。航空機工業というのは戰爭工業のために動員された工業でありまして、それは拡大生産の基礎とはならないのであります。石炭鉱業というのはすべての、一種の基礎となる鉱業でありまして、そういう意味におきまして石炭鉱業を完全に元の地位に復旧させるということは國家再建の基盤になるため、こういう考え方でやつておるのであります。併しその際に注ぎ込みまする金融その他につきましては勿論万全の注意を拂つて、苟くも放漫にならんように注意いたしておるのであります。 更に只今御質問の平價切下の問題でありますが、これは只今のところ我々といたしましては何もいつどのくらいするというような具体的なことは考えておりません。ただ平價の切下と言いまするものは、一つの金に対する貨幣の價値ということが確定いたしておりまするときに切下げて初めて意義のあることと思います。只今貿易が再開せられ、或いは爲替の交換比率が決定すると言いますが、これは極めて部分的な、管理的なものでありまして、その段階におきましては平價切下の問題ということは具体的には問題にならない性質のものであろうと思つております。その場合の心組みといたしまして扱い方が何かあるかという御質問でありますが、我々といたしましてはやはり今貯蓄を増強することを強く叫んで、國民の蓄積した資金によつてやつて行くということを大原則といたしておるのでありまして、預金に対するウエートということもその際相当考えらるべきことだと、そういうように考えております。
○森下政一君 復興金融金庫の点につきましては前國会のときに本委員会においても、この法案と離れて根本的に調査をしようじやないかという申合せが成立しておつて、前國会の間には具体化することにならなかつたわけでありますが、ひとり今回提案されている法律による増資のみならず、將來においても私は増資は必ず行われなければならん状勢にあると思います。又増資をするにしましても、その増資したものが適切に流れて行くということであるならば、これは私は敢て咎めることもないと思う。要は復金というものが折角政府の企図した通りの目的を達しておるかどうかということが問題であり、將來又その目的を達し得るかということが一番肝要な点だと思います。とかく世間でいろいろな風評があつたり、或いは若し一歩を誤まつて行くならば、復興金融金庫というものは日本経済再建どころでない。インフレ昂進に役立つ大きな窓口を開いておるに過ぎんというような点から憂慮されるところが大変多いというふうなことになつておると思いまするので、この法案とは離れて復興金融金庫というものについては、かねて前國会において本委員会においてもさような申合せがあつたのですから、別に調査の方法を講ずる。これは委員長において適当にお計らい願いたいと思うのでありますが、そういうことにして進んではどうかと思います。そこでこの法案に関連していろいろ皆さんから御質問が出ておりますが、個々散発的に姑いじめのような質問をやつておつたのでは、これは復金の問題についても根本的の研究とか、調査とかいうことにはならんと思いますので、どうか私のそういう提唱に対する御賛成を得まして、別に根本的な調査を深くやつて行く。そうして復金をして本來の目的を達成せしむるということについての調査をする必要がある。こういうふうに思いますので、この法案に関する質疑は、若し皆さんの御同意が得られるならば、これで打切るとして、根本的に調査をするということを委員長において別にお考え願いたい。かように存じます。
○岩木哲夫君 私も只今森下委員のお趣旨に賛成で、前國会から、乃至は今後におきましても、こうした問題は疑義が頻発する問題と存じますので、この際本財政金融委員が、或いは適当なる方法によつて、本会議にお諮り願うか、復金の貸出しの実情についての調査委員会を新たに設置することを要求いたしたいと思います。
○委員長(黒田英雄君) お答え申上げますが、只今森下委員からもお話がありました通り、前國会におきまして、増資を議決しまする際に、尚別途復興金融金庫については、委員会においても、十分調査研究するということであつたのでありまするが、御承知の通り、第一回國会のしまい際は、非常に本委員会も、いろいろの議案が多くありまして、その機会を得ませんでおりましたことは、誠に申訳ないのでありまするが、今回は、是非只今森下委員、岩木委員の申さるる通り、委員長におきましても、復興金融金庫につきましては、尚十分調査研究を進めることはよいんではないかというように考えておりますので、皆さんの御意見によりましては、小委員会を本委員会に設けまして、そうして十分調査をするということにしたらばどうかというふうに考えておるのですが、如何でございまするか。 〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 小委員会を設けることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 小委員会を設けますか。且つ或いは全体で、懇談会の形式で、いろいろ話を聞くという機会も作つてもよいと思うんですが、とにかく小委員会を設けまして、十分当局並びに復興金融金庫の当事者の方からいろいろ話も聞き、研究を進めて行つたらどうかと考えます。それにはやはり調査承認要求書を出して、承認を経なくてはならんのでありますから、この次までに、一つ具体的に案を作りまして、この次の委員会にお諮りして、その手続きを取りたいと思いますが、如何でございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。さように取運ぶことにいたします。 それでは只今森下委員から質疑終了の動議が提出されましたが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。質疑は終了したものと認めます。 それでは復興金融金庫法の一部を改正する法律案につきまして討論に移りたいと思います。御意見のおありの方はお述べを願いたいと思います。
○中西功君 実は前回の國会で、三百億の増資が問題になりました時には、私たちは大体賛成的な態度を取つたのでありますが、それは重要産業を何とかして培いたい。相当の資金が要るということは、これは当然だと思つておりましたから、実際に討議をいたしましたが、大体賛成的態度であつたのであります。ところが、その後いろいろ状況を見ておりますと、どうもこれが所期の目的を果されないということが非常にはつきりして来たと思うのであります。それで先程申しましたように、重要産業を培うということ、特に日本の重要工業を拡大するということ、そのためには、相当の固定的な投資を必要とするということは、これはもう事実でありまして、而もそれは、若し市中銀行でできなければ國家的資産でやらなければいけないということも、これは事実であります。こういうことを我々は、決してないがしらにしたり、又否定する者でないのでありますが、又そのために、前の三百億の場合においては、非常に賛成したいという状態であつたわけでありますが、併しそれ以後の、今の政府のとつている態度、全体としてのインフレに対する態度、或いは又復金の問題に対する態度、いろいろ見ておりますと、このままで行つたんでは、決して復金のこの所期の目的を果されない。却つてこれがマイナスになる。結局インフレ金庫になつているんだというようなことがはつきりしたと思うのであります。それでこれの理由は、私はもう質問の中でもいろいろ述べたと思いますが、一つは、これは、國民の金だ。國家の金だ。國民の金だということで、非常に無造作に使われている。全体制がそういうようになつている。これを利用して、私的な銀行が、いろいろ勝手なことをしているということもありますし、又石炭に対しては、猛烈な、尨大な融資がなされておりますが、併しこのたびの石炭が増産されましたのも決して設備にこの融資が非常に役立つたというよりも、むしろ非常に労働強化がされているという結果から起つている面が非常に多いのでありまして、今のような形で、非常に無造作に、重要産業に赤字ができた場合は、これは國家的に重要だからというので、ともかくもこの資金で賄つて、何とか経営も立つて行くというような形では、本当に生産者の、経営者の責任感が出て來ない。非常にそこで安易な状態に置くと思うのであります、と同時に、又他方におきましては、この資金の増額が良くないし、又実際日本の金融全体を考えて見ると、政府支拂や、或いは又こういう復金の融資において、尨大な資金が撒布される。それを市中銀行が貯蓄という形で以て貯蓄して、大いにここで私的な営業を営んでいる、而も國家再建という立場から見て、この市中銀行は、それ程大きな役割を果していないというような、非常に大きな矛盾もあるわけであります。それでこういうような状態で、再建の方には、復金は、予想されている程役立つていない。むしろ反対に、インフレを増すことは勿論ですけれども、全体としての、そういう私的な銀行を強めるとか、私的な産業を強めるとか、專らそういう方面に役立つているというような結論は、我々として得られると思います。こうなつて來ると、これに対しても、我々といたしましても、無造作に賛成ができない。特に大きな問題は、復金のこのやうな方が、全体としてその日暮しである。それが國家的な計画があつて、大体これだけ投資が必要だ。それに対しては、こういう資金計画でやるんだというような大きな見透しもあり、そうしてこの第一四半期、或いは第二四半期に、復金にどれだけ負担をかけるというようなやり方ならまだいいと思いますが、実際にこの度の増資の問題を考えましても、二百億円或いは三百億円どうしても要るのでありますが、いろいろの都合で百五十億その後に又出すのだ、こういうふうなその日暮しでは、ますます事態は惡化させる。そういう実情もあつて、こういうことが結局は非常に無方針の政府の今の政策が、この復金の融資にも出て來ておる。ですから、ここで根本的に我我は考え直さなければいけないと思うのです。それはさつきのここの決議で我々が調査するということになつておりますけれども、これは復金の調査に止まらず、日本の金融機構全体を考えなければならんだろうと思うのです。何よりも大きな現在の障碍は、重要産業が私的な企業によつてまだ依然として押えられておるということと、それから市中銀行は殆ど役に立つていない。ただ國家資本の流れをただ自分のところに集めて、そうしてその日暮しの利殖を稼いでおるというふうな市中銀行は何の役にも立つていない。そういうふうな状態において、復金がただ資金を注ぎ込んで行くだけなら、このインフレを増す以外に殆んど役をなさないように考える。ですから、ここで我々は根本的に問題を掘り下げなければ、マイナスがただ殖えて行くだけだとこう考えますので、こういう漫然とした増資に対しては我々としては賛成できないということになるわけです。そういう意味において、我々日本共産党はこういう漫然とした増資に対しては反対するわけであります。
○玉屋喜章君 討論ですか。
○委員長(黒田英雄君) 討論です。
○玉屋喜章君 私は貸付その他について谷村政府委員のお話で非常に私は満足したのであります。併し増資をしてこれからやるについては、森下委員の申すような機関を設けて十分に監視するものは監視して、そうして必要な増資するものは増資して行かなければならんものと私は考えるのであります。
○木村禧八郎君 私は本案に賛成するものでありますが、賛成するについて二つの点について意見を申述べて賛成したいと思うのであります。 第一点は復金債券消化の問題ですが、これについては債券全体として見れば復金債券の大体八割ぐらいが日銀引受けになつておりますが、年末に際して段々消化率はよくなつて來ておるようですが、それがために通貨増発の相当な原因になつておることは否定できない。從つて今後とも原則として、前に大藏大臣は原則として復金債は市中消化を以てやるということをいわれておつたのでありますが、やはりこの原則は貫かれて行かなければならない。今後原則に外れたことをやらないように我々は希望したいわけであります。 それから第二には復興金融金庫の機構の問題です。この点についてはこの前にも我々は意見を述べたのでありますが、復金の機構についてその後政府におきましては、これについて殆んど我々主張したような意味合いにおいては考慮されていない。或いは多少監査機構を拡充したりなどはしておるように聞いておりますが、第一に融資の計画性、それから又その運営の民主的な、民間の意見を十分取容れるという意味においての運営の仕方は非常に不十分であると思う。産業人たちもこれに十分参劃していない。労働組合の意見もこれに反映していない。從つて我々としては例えば公正取引委員会みたようなああいう民主的な機構があつて、そこで大綱においては決めて、そうして今の復金は事務機構というようにする必要がある。そういうような我々の意見でありますけれども、その通りならなくとも機構及び運営において、もつと民主的な面が強まつて行かなければならないと思う。そういう面についてもつと努力すべきである。そういうふうに考えます。この二点について強く希望いたしまして、そうして本案に一應賛成するわけであります。
○岩木哲夫君 私も本法案につきまして賛成の意を表するものでありますが、極く一、二点申上げて、條件と申すわけじやないわけでありますが、希望を強調して置きたいと存じますることは、この貸付になります計画性、その他につきましては、あらゆる角度から檢討されたものとは存じまするが、果して生産増強、國家基本産業進展のためにこの融資なるものが実際に実を結んでおるかどうか、貸付を消耗いたしまする方々の計画によつて、復金が貸付いたしたものと思いますが、その生産の実態というものの最終の見届けは復金がしておられないという、將來復金の貸付につきましては計画に基いて貸付をするのであるか、計画通り遂行されておるか、その金が生きて使われておるかどうか、生産の最後を、融資の最後を見届ける別箇の機関を復金に設けるか、或いは別途の方法を講ずる、それによつて融資の実態が活用されておるかどうか、監査の方の別途機関を設置する必要があろうと存ずるわけであります。それからもう一つは先程中西委員からも御指摘があつたようでありますが、パージにかかつておられる金融関係の有力者が、こうした貸付のブローカー行爲をしておる方面は、京浜、阪神間に非常に多く散見されるので、これは非常に好意あるブローカーである場合もありましようが、ややもいたしますれば、その中に割戻し稼ぎをするといつたような方面もあるように聞いておりますので、こういう方面に関しましての細心の注意を願いたいという点を申上げまして、賛成の意を表するものであります。
○委員長(黒田英雄君) 他に御発言がなければ、討論はこれを以て終結したことにいたして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。 次に採決をいたしたいと思います。復興金融金庫法の一部を改正する法律案を議題にいたしまして、これに御賛成のお方の御挙手を願いたいと思います。 〔挙手者多数〕
○委員長(黒田英雄君) 多数であります。よつて本法案は多数をもつて可決せられました。尚本会議におきまする委員長の口頭報告の内容は、皆様の御承認を得なければならんことになつておりますが、これは前例によつて委員長にお委せを願うことにいたして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それから本院規則によりまして議院に提出しまする報告書について多数意見者の御署名をすることになつておりますから、本案を可とせられました方は順次御署名を願います。 〔多数意見者署名〕
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこれにて散会いたします。 午後五時十一分散会 出席者は左の通り。 委員長 黒田 英雄君 理事 森下 政一君 岩木 哲夫君 伊藤 保平君 委員 木村禧八郎君 玉屋 喜章君 山田 佐一君 尾形六郎兵衞君 木内 四郎君 深川タマヱ君 星 一君 石川 準吉君 西郷吉之助君 中西 功君 川上 嘉君 政府委員 大藏政務次官 小坂善太郎君 説明員 大藏事務官 (復興金融課 長) 谷村 祐君