財政及び金融委員会 第1号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1947/12/11
会議録
○委員長(黒田英雄君) これより委員会を開会いたします。先ず政府職員に対する一時手当の支給に関する法律案予備審査のために付託されておるのであります。次に大藏省預金部特別会計、國有鉄道事業特別会計、通信事業特別会計並びに簡易生命保險及郵便年金特別会計の保險勘定及び年金勘定の昭和二十二年度における歳入不足補填のための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、この二案を議題にいたしまして、政府の提案理由の説明を求めます。
○國務大臣(栗栖赳夫君) 先ず政府職員に対する一時手当の支給に関する法律案について御説明申上げ、各位の御審議をお願いいたしたいと存じます。 全逓その他の官公職員労働組合からの提訴にかかる生活補給金即時支給の要求に対する中央労働委員会の調定案は、この際政府職員に対し、その月收の二ケ月八分に相当する一時金の支給を勧告いたしておるのであります。政府は中央労働委員会の調定案をできる限り尊重し、その趣旨に應えるため、先に第一囘國会の決定を経まして、月收一ケ月分に相当する一時手当を支給することといたしたのでありますが、今囘更に職員の生計の実情に鑑み、その生活を維持すると共に、民間給與水準との権衡をも考慮し、これに影響を與えない範囲内において、追加支給の措置を講ずることとし、平均して月收一ケ月分に相当する一時手当を、前囘分に対し追加して支給いたそうと存じまして、この法律案を提案いたした次第であります。 この法律案によりまする一時手当の支給の基準となる給與その他の手続は、前囘御決定を願いましたものと変りはございませんが、ただ支給率の点につきましては、地域による生計費の差異等の要素をも考慮に入れまして、月收の七割乃至十三割の範囲内で、計算した額を支給することといたしております。この措置によりまして、支給を実施するに必要な予算額は、概ね一般会計所属職員分十億四千九百余万円、特別会計所属職員分十九億七千二百余万円、合計三十億二千二百余万円でありまして、この金額は、本國会に提案をいたしました一般会計予算補正第十二号及び特別会計予算補正特第六号に計上いたしてあります。本案につきましては、政府職員の生計の実情をもお酌み取り下さいまして、御審議の上速かに原案通り御決定あらんことを希望いたします。尚ここで一言ちよつと説明を加えて置きたいと思うのであります。官吏については只今申上げましたような予算を組み、更に本法律案を提案して御承認を得たいと存ずるのでありますが、公吏についてはどうするかという点であります。これは公吏はやはり一般予算におきまして、この上げました一般所要の中から、大体十五億でありますが、これを地方團体に貸付ける。こういう方法を取りまして、そうしてこの地方團体の財政の窮乏の上に、更にこの負担を掛けて、非常に困らすということを避けたいと思うのであります。これは特例といたしておるような次第でございます。 次に、大藏省預金部特別会計、國有鉄道事業特別会計、通信事業特別会計並びに簡易生命保險及郵便年金特別会計の保險勘定及び年金勘定の昭和二十二年度における歳入不足補填のための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案提出の理由を御説明申上げたいと存じます。 大藏省預金部、國有鉄道事業及び通信事業の各特別会計並びに簡易生命保險及び郵便年金特別会計の保險勘定及び年金勘定の昭和二十二年度における收支の状況に顧み、先に第一囘國会におきまして、一般会計から所要の繰入金を行い、これら特別会計の歳入不足を保險することといたした次第であります。今囘政府におきましては、政府職員に対する一時手当を前囘議決を得ました金額に、更に一ケ月分を増加支給することと相成りましたのに伴いまして、これらの特別会計において、その経費の増加支給をいたしまするに必要な金額を更に繰入れる必要があり、第一囘國会において議決を得ました法律に所要の改正を加えることといたしたような次第であります。 尚本措置による繰入金は、これらの特別会計の性質に鑑みまして、当該各特別会計において、健全な財政状況を招來いたしました曉には、前囘と同様各特別会計においてそれぞれ一般会計に返償する予定になつております。以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。何卒御審議の上速やかに御賛成あらんことをお願いいたす次第でございます。
○委員長(黒田英雄君) 両案につきまして、御質問のおありの方は御質問を願いたいと思います。
○川上嘉君 この中労委の調定案を官公労組は承認したのかどうかをお伺いいたします。それから第二点は、二・八ケ月分というと、一人平均金額はどのくらいになるのでしようか。三点は財源の内容を数字まで示して貰いたい。
○政府委員(今井一男君) 前の二点は私からお答えいたします。全逓の提訴につきましては、條件付で生活補給金の問題を組合側の方では了承いたしております。もう一つの最低賃金制の問題につきましては、全面的に調定案を拒否いたしております。それから二・八の平均は、約五千二百円になります。 財源の関係は主計局長から御説明いたします。
○政府委員(福田赳夫君) 財源は、お手許にお配りしてありまする予算の書類がありまするが、その三枚目を御覧願いたいと思うのであります。三枚目に半枚の紙がありまするが、昭和二十二年度一般会計歳入予算補正といたしまして、歳入と書いてございます。 先ず租税でありまするが、所得税において八億円、これは今囘一ケ月分の手当といたしまして一般会計、特別会計を通じまして、政府職員の給與が三十億有余になります。 それからそれと同時に地方公共團体におきまして、その職員に一ケ月分の給與を拂うことになりますので、合計四十五億円になるのであります。その四十五億円に対しまして生ずるところの所得税の増收高を計上いたしたわけであります。 それから次は、特別会計益金の二十六億四千五百二十五万円でありまするが、そのうち二つの内容があるのであります。その二つとも専賣收入でありまするが、その一つは、「ひかり」は、先般の煙草の收入計画の変更によりまして、製造停止となつておくのであります。而してそのストツクというものが殘つておるのでありまするが、それが一億五千万本ばかりあるのであります。それを今囘從來四円の價格であつたものを五十円いたしまして、「ピース」同様の價格を以ちまして、これを市中に賣捌くということにいたしたいと考えておるのであります。それが六億八千百万円、もう一つは配給煙草でありまするが、配給煙草は、先般の補正予算案におきまして、値段の引上げを行わなかつたのでありまするが、今囘それを引上げるということにいたしまして、「あさひ」を現行三円のものを七円五十銭、「みのり」二円のものを五円「のぞみ」二円のものを五円に引上げる。かような措置を取るのでありまして、これによりまして十九億六千四百万円の増收を得るのであります。「きんし」は今囘廃止いたしまして、製造いたしません。合計二十六億四千五百二十五万円と相成るわけであります。 それからもう一つは、前年度剰余金二千九百七十四万円でありまするが、これは前年度と申しましても、昭和二十年度の剰余金は、先般の相次ぐ補正予算の財源に充当いたしましてもう全部使い切つたのであります。これは昭和二十一年度の剰余金であります。昭和二十一年度の決算はできたのでありまするが、まだ会計檢査院の関係上確定はいたしておりません。併しながら決算が済んでおりませんから、この剰余金を使おうというわけであります。純剰余金は十七億三千四百万円あるのでありますが、その二分の一は、財政法の規定によりまして、國債の償還財源に充当する。そうすると、殘りが八億六千六百万円と相成ります。その八億六千六百万円の中、補正第一号の追加財源といたしまして、五億六千万円を使いまして、只今殘つておりますのは三億六百万円であります。その中、只今申上げました二千九百七十四万円を本予算の財源に充当する。かようなことに相成るのであります。 それからもう一つは、財源というと財源でありまするが、実は予算の面からは、歳出の減少額となつて現われておるのであります。これは二枚目の(イ)、(ロ)、(ハ)、とあるところの貿易資金繰入の既定予算の減少、これが又財源になつているわけであります。貿易資金繰入減であります。これは歳出の節約をいたした関係上、歳入の方に掲げてありませんが、これ亦財源というわけであります。即ちこれは輸入貿易資金につきましては、貿易資金の本年度末までの見通しを付けますると五十五億円の赤字になつておつたのであります。從いましてその赤字となる額につきまして、先般補正第七号予算におきまして五十五億円の金額を一般会計から繰入れるというふうにいたしておつたのであります。然るにその後状況が一部変化いたしまして、これは砂糖に関するものでありますが、当時考えておつたところの十一月末に入るべき砂糖が六万トン入らないことになつたのであります。それから十二月になりますと、どうかというと、砂糖が当時考えておりました額よりは六万トン余計に入ることになつたのであります。從いまして一万トン余計に砂糖が入つて來ると同時に、砂糖を貿易資金におきまして外國から輸入いたします、その輸入いたしましたものを、日本砂糖統制株式会社に賣渡すわけであります。その賣渡す値段が、從來一斤十円であつたのでありまするが、これを二十五円に引上げるというふうにいたすのであります。そういたしますると、約十七億円の貿易資金の收入の増加と相成つて來るわけであります。ところが又一つ問題があるのでありまするが、今までの予算におきまして、即ち補正第七号予算におきまして砂糖の消費税の増收十億円を見込んでおつた。それがどういうことになりまするかというと、六万トンの一般配給用の砂糖が輸入されるというふうに考えたのでありまするが、それがどうもむずかしくなつて來たのであります。併し主食代替の方にそういうものは廻さなければならんというふうな状況になつて來た関係上、その十億円というものが怪しくなつて來たわけであります。それでまだ確定はいたしませんが、十億円が怪しくなつたということを頭に置きつつ本來ならば十七億六千万円の一般会計からの益金を減らしてよかるべきものを七億六千万円減らすという処置をとつたわけであります。從いまして只今申上げました三十四億の、歳入というところに書いてありまするところの三十四億七千四百万円、七億六千万円という歳出の減少、この金額が今囘の財源となつているわけであります。一方歳出といたしましては、一般会計におきまして政府職員におきまして約三十億円が必要であります。それから地方團体におきまして、十五億円が必要でありまして、從つて四十五億円が必要だということになるのでありますが、この四十五億円と只今申上げました財源との不足が約四億円になりまするが、それは各特別会計の歳出の節約又は鉄道、逓信両会計における資本勘定の公債金の発行ということによつて支弁する。左様な計画であります。
○川上嘉君 先きの全逓の條件付というものを一つ発表して貰いたい。次に煙草の値上げはいつからこれをやるのか、更にこういつた煙草の値上げによりまして当然物價体系を崩すことになる。インフレの昂進を徴発することになる。名目の賃金は上つたが、実質的にはますます苦しくなるということが心配されるのでありますが、これに対する政府の見解、更にここで二・八ケ月分を出すと言いながら、前に一ケ月今囘一ケ月、後〇・八ケ月、こう小刻みにせず、今囘纏めて一・八ケ月分出した方がいいと思いますが、これに対する政府の見解如何、以上。
○政府委員(今井一男君) 全逓の中労委に対する囘答に附されました條件というのは、確か二・八ケ月の生活補給金の分につきましては五日までに支給する。今月の五日まで。それから税引きであること等の要望がついておつたかに聞いております。政府といたしましては組合側の言うことと対應して、こちらの態度を云々したことは絶対にございません。中労委の調定案を尊重して行くという建前からして実際考えておりますので、この機会に一言申上げて置きます。 それから尚一・八ケ月の問題でありますが、関係方面との折衝関係もございまするし、政府といたしまして話の纏つたものは一つ極力、至急手配を済ましたいといつたところから特に財源難の今日、この財源というものを如何にして調達するかという点につきまして、長い間檢討、折衝を重ねまして、漸く今囘これだけのものにつきまして結論付けられましたので提案いたしました次第でございます。御了承願います。煙草の点につきましては主計局長からお願いいたします。
○政府委員(福田赳夫君) 煙草を値上げいたしました結果、物價体系に重大なる支障を來たすじやないか、こういうようなお話でありますが、煙草と申しましても、主としてさような問題が起るのが配給煙草かと思うのであります。配給煙草は只今配給の計画によりますというと、月一人五十本であります。五十本即ち五箱であります。一箱二円のものを五円とするとか又三円のものを七円五十銭にする程度で、これは月の我々の消費生活から考えると大した額でない。それよりは当面の物價賃金を如何にするか。最大問題は実質賃金はどうするか、こういう問題であります。この方面に政府としては全力を挙げて行くつもりであります。只今生鮮食料品につきまして相当思い切つた措置を講ずることに着手いたしたのであります。さような面から賃金水準という問題が大きく影響されるのであつて、煙草の今囘の措置では、そうたいした影響はなかろうというふうに考えているのであります。 次に二ケ月八分という給與を一時に拂うべきじやないかというお話でありましたが、これは御指摘のような財源の苦しさもあるのでありまして、只今といたしましてなかなか財源を得るのに非常に苦しむのであります。一ケ月の財源を用意すると四十五億円に上るのであります。八分としましても相当の額になるのであります。これを調達するということは相当な大問題であります。從いまして鋭意やつて見まして大体の目標といたしましては本國会の休会明けに提案する。かような計画を持つているのであります。尚年末の金融の状況から見ましても、なかなか一時に拂うというようなことがむずかしい、非常に困難な状況にあるということも御了知願いたいのであります。 尚、煙草の値上げの時期如何というお尋ねもありまするが、配給煙草につきましては、來年の一月よりこれを実施し、又ひかりの自由販賣につきましては、これは即刻実施いたす、かように考えております。
○川上嘉君 こういつた煙草とか、そういうものの値上げによつて財源を賄うということは私は反対です。ということは、一般大衆の負担においてこういうことをやると、結局は官公吏の俸給を上げるために煙草が上つたのだというような、非常に官公吏に対する反感を唆るような嫌があつて、官民の融和を欠く虞れがある。という見地から再々委員会なり本会議なりにおいても私が申上げたことでありまするが、こういつた財源はやはり租税に持つて行くべきじやないか。而もいつも申上げます通り、まだまだ健在の機構じや手も届かないような財源がある、大口の財源がある。これを如何にして補足すべきか、こういつた対策を講ずることが最も必要じやないかと思うのであります。然るに今囘の租税対策としてもまだそういうことに対して何らの根本的な対策を打つていない。こういうことが非常に遺憾でありまして、財源は幾らでもある。二・八ケ月分を一挙に出しても、そういつた方面の対策が講ぜられるとすれば……。かように考えるのでありますが、これに対する政府の見解をお伺いします。
○政府委員(福田赳夫君) 只今の歳入の状況は極めてむずかしい段階になつておるのであります。川上委員も非常によく御存じの通りです。只今租税收入がなかなか思わしいような状況にありません。本年度の予算として千三百億の予算を計上して租税收入の予算が計上してあるのであります。これが実現を確保するということはなかなか大問題でありまして、精一杯な仕事というふうに考えておるのであります。然らば他に財源があるかという問題でありまするが、これ又早急に実現し得る財源というもはなかなかないのであります。あれやこれやと策案した結果結局本案の如きものに落ち着かざるを得まいというふうな状況になつたわけであります。 尚〇・八月分につきましては、新たに財源を捕捉する必要があるのであります。これは財源を策定いたしました上、休会明けに提案をするというふうになるのでありまするが、その際には又おつしやるような点に十分注意いたしまして、適正なる財源を何か作りたい、かように考えております。
○川上嘉君 終りに希望申上げます。この税收入の確保は、税率の引上よりか、むしろ現段階においては、税源を如何にして確保するか、こういつた点に根本的な対策を講ずべきだ、かように考えますので、次の議会あたりには相当こういつた方面に税法或いは機構の問題について如何にして税源を十二分に公平に捕捉するか、こういつた点に対する根本的な対策を講ぜられんことを特に希望して置きます。
○深川タマヱ君 今囘のこの法案は、過去における家事経済のマイナスを埋めるための補給のようでありまするけれども、どうせ補給しなければならないものだといたしますなれば、こういうふうに過去に過去にと遡らないで、將來の給與を渡すような方策がよいのではないかと思います。どうせマイナスになりましても生きて來たことは事実でありますから、借金するには、それだけの信用があつたわけで、そしていずれの階層の人も皆自己の持つておるものを持ち出してにほん経済再建に協力いたしておるのでありますから、借金のできた人はそれでいいのであつて尚過去のことに支給することはよくないのであつて、少し分量を減らしてもいいから、將來給料の形にすることがいけないならば、臨時給與の形でもいいから、毎月定めてなさる方がよろしいと存じます。そういたしませんと、これは間歇的に一年に何囘も、何囘もこういうように爭議を起されるということが一つと、もう一つは官吏の場合は議会で決めますから差支もないようでありますが、これが影響いたしまして、公吏の方の財源のために地方が非常に困窮いたすそうであります。最近東京都に呼ばれまして、東京都の財源について相談を受けましたけれども、先程の御説明によりますと、十五億の一般收入の中から一時的に地方團体に貸付けると仰しやいましたけれども、貸付けたのは飽くまで貸付けたのでありまして、囘收なさるのであつて、地方ではこ財源の発見に困つておるようであります。差当り地方財源にどういうものをお許しなさるおつもりがあるか、例えば先達つて言われた入場税などは、東京都の場合は地方へ委譲してくれという希望があるようであります。それから砂糖の附加税、これなどを東京都へ委譲してくれという希望がありましたので、この際ちよつと……いずれは陳情の形で出て來るかと思いますが、ちよつと申上げて置きます。その外、何か地方財源によいものがありましたならば、この際序にお聞かせ願いましたら結構だと思います。
○政府委員(今井一男君) 只今の点につきまして私からお答えいたします。御承知の通り、政府の方におきましても、從來の、過去の赤字を埋めて行くというような考え方は、賛成し難いところでございます。今囘中労委の調定案に賛意を表しようということも、そき額が同じでありましても、心持は大分変つた見方をしておるのであります。即ち從來から月給を、御承知の通り繰上げて支給して参りましたので、大体下旬に拂います月給を一日に拂うという行き方をして参りましたので、これを通常の状態に直すために、どうしても一ケ月分程度を支給しなければならん、且つ又切詰めた水準で從來やつて参りましたので、どうしても年末なり、正月なりというものを迎えるにつきましては、ここに出費を要する、こういつたものに対して何んとかしなければ、今までのような形の暮しをして参つたものとして猶予を求めるわけに行かないといつたような観点に立ちまして、仮令結論の筋は同じでありましても、この氣持につきましては、只今御指摘のような含みを持ちまして考えておる次第でございます。又一旦決りました給與を遡及するという考え方も甚だ面白くない建前でございますので、中労委の今囘の調定案に指摘してございますように、明年の一月からは新らしい給與をやりたい、そのために至急に委員会を拵えまして、中労委の線に副つて速やかに結論を得て、それを一月からのに至急に間に合せるようにしたい、そういう予定で今手続を進めております。
○政府委員(福田赳夫君) 地方財政はおつしやる通り非常に窮乏いたしておりまして、これが立て直りということをどうして行くかということも、我々は同様苦慮しておるのであります。併しながら地方財政というものが、何時も國に負んぶしておるのでは永久に立て直りをしない。そこでやはり独立採算制という建前は、これはどうしても今後一つの旗印として行かなければならんというふうに考えておるのであります。從いまして今囘の給與は本來ならばこれは地方團体におきまして自前の財源を以ちましてやるべきであります。併しながらこれを直ちにやるということは現在の状況からなかなかむづかしいのであります。そこで今囘は臨時の措置といたしまして、一般会計から繰入金をいたしまして、それを財源といたして支拂をいたす、かような措置を取つたわけであります。ところが一般会計からただ單に繰入金をしたというのでありましては、これは独立採算制という原則に反するのでありますので、そこで貸付けをいたす。即ち將來におきましては必らずこれを返すという建前を取つたのであります。鉄道会計、通信会計等の特別会計におきましても同様な事情でありまして、一般会計から繰入金をいたすのでありますがこれ又同様に地方團体に振戻しいたしまして、そうして独立採算制の建前を堅持いたしておるのであります。地方財政の將來の問題につきましては、それが返し得るように財源というものを與かてやらなければならんということは御説の通りであります。只今の財源というものを國との関係でどういうふうに配分するかということを根本的に考え直す、又延いては只今地方財政と國との結び付きとになつておるところの分與金制度というものも根本的に再檢討するという段階に参つておるのであります。尚そういう根本的な改正ができるまでの繋ぎといたしましてなかなか窮屈な点があるのでありましてこの点につきましては臨時的にどういうことをするかということをいろいろ考えておるわけでありますが、まだ適当なる結論に到達いたしておりません。いずれの機会におきまして申上げることができるかと、かように思つております。
○星一君 私の質問することは大藏大臣から答弁をお聽きしたいと思いますが、それを今政府委員から御答弁を願うことにするか、さもなければ大藏大臣に御出席を願いたいと思います。
○委員長(黒田英雄君) ちよつと大藏大臣に聽いて見ます。
○山田佐一君 お見えになる前にちよつと一遍政府の御所見が承つて見たいと思います。煙草の値上げでありますけれども、つい一ケ月程前に自由販賣の價格を訂正いたします時には、配給の数量を減して自由販賣に廻すのだ、その時には配給のものは價格を上げないのだ。却つて安くする。そうして自由販賣で賣るのだ。一ケ月かそこら経つか経たないかに、又今度は配給のものを上げて來た。これは数字の上では僅かに十億かそこらの数字でありまするが、國民が國家の言うことに、言を信用するか、せんかということは、これは徒らに財政のバランスを取る健全財政の数字を詰めるために、こういう政策をお取りになつたのだと思いまするが、如何にも健忘症に罹つて、一ケ月前に言つたことを直ぐに忘れてしまつて、その時々の御都合主義で言われるというようなことは、信用を第一とするところの國家としてやるべきことではないじやないか。当局はその場当りの方便さえ付ければよいという思召であるか、本当に國民大衆の生活のためにそのままで行くのだ。一ケ月前と今日とでは幾ら違うかという問題でありまするが、今の一人当りにして見れば値上げしても僅かだとおつしやるのですが、出す方にして見ると、毎月それだけ支出が殖えて行けば、決して僅かではないと思うのであります。又一つは本当に國家の言うことをどれまで信用してよいのか分らんということになりますから、これは私今の問題は本当に言えば、大藏証券でやり繰りして頂いても、もう少し國家というものの信用を高めて貰いたい。國民も道義を高めなければならん。國家も最高道徳を示して貰わなければいかんと思う。その辺に対する当局の信念が承つて見たいと思います。
○委員長(黒田英雄君) 大藏大臣が來られた方がよいと思いますが……。
○山田佐一君 局長の意見で大藏大臣は動いているのではないですか。
○木内四郎君 ここに所得税の増徴八億というのがありますが、これは今度の手当の増加だけに対する税金としては少し多いように思うが、これはこの前の増加が入つていて、それに対する税金が入つているのですか、今度の分だけですか。
○政府委員(福田赳夫君) それは今囘の分だけであります。
○木内四郎君 八億取上げる、前囘はやはり四十五億一ケ月分出すことに予算を出したのでありますが、その際七億三千万円……。
○政府委員(福田赳夫君) 今囘は上積に段々々々なつて來る関係上八億ということに……。
○木内四郎君 官吏の方にそう言つては悪いが、低い方からこんな割合に取られるのは僕は疑問ですが、どんな計算になりますか。
○政府委員(福田赳夫君) 大体四十五億の給與が支拂いがあるわけでありますが、それに対しまして勤労所得の平均控除の率が二二・五%になるのであります。それを引きますと課税所得というものが三十五億になるのであります。それに対しまして前囘は二二%の税率を適用しておつたのでありますが、今囘は二三%の税率となつておるのでありまして、八億というふうに考えておるのであります。二三%といいますると、まず大体低目であるというふうに考えております。
○木内四郎君 ちよつと伺いますが、二三%の率を適用される所得というものは、月額にすると幾らぐらいになりますか、ちよつと高くはないですかね。
○委員長(黒田英雄君) 速記を止めて……。 〔速記中止〕
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて。
○政府委員(福田赳夫君) 千円八百円といたしまして、これから基礎控除だけを引きまして、家族控除を別にいたしますというと、それで丁度百分の二十五ぐらいであります。それから家族控除を引きますから、もう少しちよつと下りますが平均千八百円の上に……御承知の通り上積みに行きますので、大体この見当で間違いないと思います。
○委員長(黒田英雄君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて下さい。
○木村禧八郎君 今度の予算補正でも公債が少し入つておりますが、この前にもやはり公債が少しあつて、結局公債はどのくらい出ることになりますのですか。今度の特別会計を入れましてどのくらいになりますでしようか。
○政府委員(福田赳夫君) 二十二年度の合計でございますか。
○木村禧八郎君 この前の数字のあの報告書にあるのは承知しておりますが、あれ以外にどのくらい出ますか。七百七十六億以外に……。
○政府委員(福田赳夫君) 先般お手許に配付いたしました昭和二十二年度予算を中心とするという本年度予算の説明書がありますが、あの中に公債発行の正確な数字が出ております。それに補正第十号で大体これと同じでございますが、十二号の本日提案いたしました数字と全然同額でありますが、その二つを加えたものが公債発行額、かようになつております。
○委員長(黒田英雄君) 大臣に対する御質問の外、御質問ございませんか。
○深川タマヱ君 將來こういうことを何囘か繰返しております中に、やはたインフレが激化いたすわけでありますからどうしても物價の値下りを助けるために、生産の増強と闇の取締を厳重にする。こういう問題になるでありましようけれども、これほど生活費を要求する中には、大体家事経済ではこの頃八割までが食糧であつて、而もその中の更に八割が闇の食糧に流れておるのが私たちの家庭の実情であります。こうしていつかも自由討議で問題になつたのでありますけれども供出以外の主食物の自由販賣のことが問題になりましたけれども、どうなんですか。自由販賣は許したわけでもなかつたけれども、取締を余り巖重にしていなかつた時に比べて、あの主食物の供出以外の取締を巖重にいたしまして、米の闇の値段が三倍もいたすようになつておるようであります。これは農林省の方にお尋ねする世代でしようけれども、無理に返事をして頂かなくてもいい。別の機会でもいいのですけれども、供出以外の米の取扱についてこの前の自由討議の結果は耕作面積なんかも巖重調査いたして、その上では自由販賣をしてもいいようになつたようですけれども……、政府委員の方で御説明なさる方がなければ、この委員会には学者の方が多数寄つておられるのですから波多野先生でも、木村禧八郎先生でも御答弁頂ければ結構と思います。そういうことが許されるようになれば……。
○木内四郎君 速記を止めて暫く懇談されたらどうですか。
○委員長(黒田英雄君) それでは速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて下さい。それではこれにて暫時休憩をいたします。 午後五時四十五分 —————・————— 午後六時十七分開会
○委員長(黒田英雄君) これより休憩前に引続きまして会議を開きます。
○山田佐一君 今囘の歳入の処置として、煙草の値上げをば御提案に相成つたのでありまするが、先月補正予算を出しまする時に、一般配給の煙草は上げない、國民生活の上とそれから千八百円ベース、新物價体系の基礎を壊さないという趣旨の下において、配給の煙草は却つて値下げをして、自由販賣のものだけを上げると、こういう御声明があつたのでありまするが、今囘は、その上げないと言つた配給の煙草を上げて十億円の予算をお見積りになつたのでありまするが、それは僅かな数字の十億円でありまするのに、政府は先月は上げないのだ、生活水準を壊さないよう千八百円ベースで行けるようにというので上げなかつたのが、一ケ月経つか経たない中に、又前に上げなかつた配給煙草を値上げをするということは、政府が國民に信を問うという上においていかがかと思うのであります。國民道義の頽廢を憂え、又現内閣としては國民道義の昂揚を唱えており、最高道徳を示すべき政府がかくのごとき一ケ月にしてその言説を豹変なさるということは、私は國民の政府信頼の上において如何かと思うのであります。その辺に対しまする大藏大臣の明快なる御答弁を頂ければ我々は誠に仕合せなことだと思うのであります。
○國務大臣(栗栖赳夫君) 今囘は、もうすでに政府委員からして説明があつたろうと思いますが、「ひかり」を五十円に上げたことと、これは自由販賣の方でございます。それから一般の配給煙草「みのり」でございますが、これを引上げしたことでありますが、これは特殊の事情で特例として引上げたわけでございます。
○委員長(黒田英雄君) ちよつと速記を止めて……。 〔速記中止〕
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて。
○國務大臣(栗栖赳夫君) そういう事情であつて、一般の必要に基いては、煙草を配給のものは値上げをしないとこういうふうに固く決めておる次第でございます。
○山田佐一君 どうも川上君がおつしやると、それに私も思うのでありますが、官吏の増給のために一般大衆の煙草が値上りしたのだと、そうするというと、官吏の増給は我々が煙草の値上げによつて出してやつておるのだというような感じを抱きまして、私はこの配給煙草の値上げということは誠に遺憾な次第だと思うのであります。よく或る筋のということをおつしやいますので、世間では、現政府のことだろうと思いますが、下請機関だと申しております。どこの下請だか知りませんがそんなような話があるのでありまするから、やはりそれはその事情といたしましても、政府は政府の信念と、そうして一環発表なさつたことはどこまでも守つて頂きたい、僅か一ケ月かそこらの間に豹変なさるということは、誠に私は遺憾な次第だと思うのであります。事は違いますが、非戰災者税、非戰災家屋税を作るときには、戰災を受けた者、受けん者、これを平均するためだというような思召しから、非戰災者課税をなさつた。今度は宝籤をやる時には、百万円という数字は大きな数字だと思います。事業所得でいけば七十万円からのものを取るのであります。これは不動購買力を吸収する上において、税金の七十万円を取つては、いわゆる宝籤が賣れないのだ、目的のために手段を選ばないというような感じがあるのであります。併し非戰災者家屋税が通りまして一週間も経つか経たん内に、今度は百万円のものでも免税せよというような恰好に出て來たのでありまして、あれも問題は違いますが、勧業銀行或いは東京都の復興宝籤今度も宝籤というものが殖えるだろうと思います。これはいわゆる賭博心で僥倖を夢見るものでありまして、本当の勤労精神を培養すべきものではないと思います。一時的の僥倖を夢見まして、宝籤を買う資金がないと自然私は悪いことをするようになると思うのです。賭博を流行させ、或いは富籤をさせるということは、道義の上において如何かと思うのでありまするから、成るべく政府は言説を重んじて、そうしてこの廃れた國民の道義の昂揚に努めて頂きたいと思うのであります。一方から言いますれば、健全財政の建前、財政の收支のバランスを堅実にするのだと、この信念の下に、たとい十億の金でもこうしてなさるという御趣旨だろうと思いまするが、そのバランスよりは、私は國民が直接にこたえるこの煙草というようなものは、成るべく配給の煙草だけは今囘は見合わせて貰いたいというのが私の趣旨であります。 我々國に帰りまするというとやはりこのような質問は一般から受けると思います。その時に際しまして、これはこういう工合になるのだという明快なる大藏大臣の御答弁を頂いて、そうして我々もその代弁をいたしまして、而して今日の滞つておりまする納税観念を培養いたしまして、國家のために最大義務の一つである納税ということもしなければいかんのだということを言う上においては、是非最高道徳を示して頂きたい、かような信念から質問いたしたわけであります。もう一應もう少しはつきりしたような答弁が承われれば、誠に結構だと思います。
○國務大臣(栗栖赳夫君) 御趣旨はよく分るのであります。併し何分占領下でございまして、諸般の制約を受けるわけでございます。又今日の急迫した官公吏諸君の生活ということも、より大事だとも思う者でございますし、そういう点から、止むを得ずかようにいたしたような次第でございます。趣旨は、この講和條約、日本の経済の再建というものが進むに連れて、十分貫き國民道徳、政治道徳というような、政府への信頼というようなものを十分維持し、囘復したいと思つておるような次第であります。
○川上嘉君 この二・八ケ月分を区分して、今囘一ケ月分だけ出すと、こういうことに対しては官公労組は絶対に反対だということを声明しておるようでありますが、あと〇・八ケ月分はいつ頃大体支給の見込でしようか。
○國務大臣(栗栖赳夫君) これは國会とも睨み合わせて考えないといかん関係でありますが、私としましては一月になれば、問題の六・三制の問題、その外いろいろ官廳の行政機構改革による予算など、小口の予算が相当上つて参りますので、この中に一緒に入れて、そうして今議会の休会明けに早急に提案したいと、こう思つております。
○木村禧八郎君 これは技術的な問題ですが、この給與を拂つた時に……、これまでたびたび給與の引上げがあつて、その度に税金を納めてない、今度一時に納めるとなると、殆んど年末に金が入らないというような事情もあるやに聞いておるのであります。そうなるとこれは、これまでの赤字の補填ではありますが、年末に際して税金を皆引いてしまうと非常に困る人も出て來るのじやないかと思うのですが、そういう点はどういうふうに考慮されるのですか。
○國務大臣(栗栖赳夫君) その点は実は明日の閣議で決めたいと思つておるのでありますが、実情を申しますと、この大部分の低い方の人は、この際税を精算して貰いますと、そうすると幾らかの受取勘定があるというわけでございます。それから比較的高い俸給を貰つておる人は、今度は出し前になるという関係でございます。そこで一方を立てて一方をどうということも甚だむずかしい問題でございますが、併し大体明日の閣議で決めたいと思つておりますことは、低い方の大部分のものというものについては、この際大体の概算でも税を取立てる勘定をしましてそうすると支拂い……つまり受取勘定になりますから、差上げたいと思うのでございます。それから大口のものについては、何かの特例を設けて、そうしてその負担の重くなるようなものを緩和いたしたいと思つております。いずれにしましても、今まで二十一囘でございますが、今度二つに割ると二十二囘に亙つて年内に支拂を今年の一月からいたしたわけでございます。その間の調整はなかなか急には付きませんので、一應は概算という形で、先程申上げましたような方針で処理し、両方とも便宜のようにいたしたいと考えておりますが、これは詳しいことは明日の閣議で決めたいと思つております。
○委員長(黒田英雄君) 他に御発言がなければ、質疑終了といたして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。両案を一括いたしまして討論に入ります。御意見のおありの方はお述べを願いたいと思います。別に御発言もありませんけれど、採決に移りまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。政府職員に対する一時手当の支給に関する法律案、大藏省預金部特別会計、國有鉄道事業特別会計、通信事業特別会計並びに簡易生命保險及郵便年金特別会計の保險勘定及び年金勘定の昭和二十二年度における歳入不足補填のための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、この両案を一括して採決いたします。両案に賛成の方の御挙手を願います。 〔総員挙手〕
○委員長(黒田英雄君) 全員挙手であります。全会一致を以つて、両案とも政府提案通り可決することに決しました。本会議におきまする委員長の報告は、例によつてお委せを願いますことで御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。多数意見者のお方は御署名を願いたいと思います。 〔多数意見者署名〕
○委員長(黒田英雄君) 本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十五分散会 出席者は左の通り。 委員長 黒田 英雄君 理事 波多野 鼎君 伊藤 保平君 委員 木村禧八郎君 下條 恭兵君 森下 政一君 玉屋 喜章君 西川甚五郎君 松嶋 喜作君 山田 佐一君 木内 四郎君 深川タマヱ君 星 一君 渡邊 甚吉君 川上 嘉君 國務大臣 大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君 政府委員 (主計局長) 大藏事務官 福田 赳夫君 (給與局長) 大藏事務官 今井 一男君