財政及び金融・労働連合委員会 第1号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1948/05/20
会議録
○假委員長(黒田英雄君) それではちよつと申上げます。政府職員の新給與實施に關する法律案が、昨日財政及び金融委員會に豫備審査のため付託に相成つたのであります。この法案は、労働委員會と極めて密接な關係があると思いまするので、連合委員會を開きまして政府の説明を聞き質議もして頂くということにいたした方が適當であろうと存じまして、委員長にも御交渉申上げた次第であります。連合委員會におきまする委員長は慣例によりますれば、議案の付託されておる委員會の委員長が委員長を勤めておるようでありまするが、この度もさようにいたして御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○假委員長(黒田英雄君) 然らば、私が委員長を勤めることにいたします。
○委員長(黒田英雄君) これより連合委員會を開會いたします。本日は政府職員の新給與實施に關する法律案、これを議題といたしまして御審議を願いたいと思います。先ず政府より提案理由の説明を求めます。
○政府委員(森下政一君) この度本國會に提出いたしました政府職員の新給與實施に關する法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げ、各位の御審議をお願いいたしたいと存じます。 政府は政府職員の待遇改善を繞る官公職員勞働組合の争議を解決するため、先般臨時給與委員會の報告書に基き、給與水準を二千九百二十圓に引上げると共に、取敢えず二千五百圓水準の暫定給與の内拂いを行うため政府職員の俸給等に關する法律案を以て本國會の御審議を願い、その御賛同を得た次第であります。而して政府は右の暫定給與の支給については、各組合と團體交渉を行なつた上で支給いたす方針にいたしましたが、遺憾ながら一部の者を除いて組合側の容易に承諾するところとならず、争議の解決は徒らに遷延を重ねていたのでありますが、遂に去る四月十六日覺書の調印を了し、組合側も二千九百二十圓水準の給與を現在の給與争議の最終的解決として受諾するに至つたのであります。これによりまして昨年以來半歳以上に及ぶ争議も漸くここに完全なる妥結を見るに至りましたことは、國家の現状より見まして誠に御同慶に堪えないところであります。而して政府は右覺書に基きまして直ちに差額を支給すると共に、他面一切の政府職員組合の参加を得まして新給與整備委員會を設置し、二千九百二十圓水準の給與の配分方法、就中職階制給與の線に副う新給與體系の具體的方針の協議立案に當つたのであります。右委員會は四月二十日以來数回に亘り會議を重ね、去る四月二十七日両者の意見が完全に一致し、首尾よく成案を得るに至つたのであります。政府はその成案に從いましてこの法律案を作成いたし、ここに本國會へ提出の運びに至つた次第であります。 次にこの法律案の内容を御説明申上げます。先に政府職員の俸給に關する法律、本則におきまして、臨時給與委員會の報告書に基き二千九百二十圓の新給與水準及び職階制の精神に副う給與體系を一月一日に遡及して實施することとし、その具體的事項は別に法律を以て定める旨を規定いたしたのでありますが、この法律は右の規定に基き定めるものでありまして、一般の政府職員に適用されるものであります。この法律は臨時給與委員會の報告書に基き、いわゆる職階給制度の實現に一歩を踏み出したものであり、かたがた從來の我が國の給與制度に對して根本的な變革を齎すものであります。從つてこれが完全なる實施を確保し、その目的を達成するため内閣総理大臣所轄の下に新給與實施本部、地域給審議官及び新給與苦情處理委員會の三機關を置くことといたしました。新給與實施本部は主として新給與制度に關する總合調整の機關とし、本部長には内閣官房長官、次長には大藏省給與局長を以てこれに充てることにいたしております。地域審議官は勤務地手當の地區區分、支給割合等を調査審議するものとし、職員側及び政府側を代表する同数の委員を以て組織することにいたしております。勤務地手當に關しましては、生計費が地域別に相當の差がある現状からいたしまして、從來種々厄介な問題があつたのでありますが、今後はすべて民主的に組織された地域給審議官の議を経て、大藏大臣がこれを行うことになるわけであります。新給與苦情處理委員會は、新らしい給與體系への移り變りに伴つて生ずることを豫想される俸給の決定に關する苦情を、最終的に審査決定する機關とし、職員側、政府側及び第三者を代表する委員を以て組織することにいたしております。この制度は我が國においては初めての試みのものでありますが、職員の意に反する不利益な處分に對し、正當な發言と修正の権利を確保するものでありまして、今後における人事管理に大きな寄與をなすものと期待している次第であります。 次に、この法律による給與の種類は、俸給、扶養手當、勤務地手當及び特殊勤務手當の四種にいたしてあります。先ず俸給について御説明いたします。 我が國における從來の俸給制度は、學歴、資格、勤續年数、生計費等に應じて漫然定められており、その人の從事しておる職務とは必ずしも合理的な相關關係がなかつたのであります。併しながら本來職階給與制度においては、同等の職務に對しては同等の俸給を與え、職務に關係のない事項によつて俸給に差別が設けられてはならないというのが根本の原則であります。從いまして、この法律では第十三條において、「各職員の受ける俸給は、その職務の複雑困難及び責任の度、勤勞の強度、勤務時間、勤勞環境その他の勤勞に關する條件に基いたものでなければならない」と規定し、新らしい給與體系の在り方と考え方とを明らかにいたしたのであります。 このようにして各職員の受ける俸給が定められてこそ、初めて勤勞意欲の向上も、行政能率の發揮も期待し得られるわけであります。この意味におきまして、この法律により從來の我が國における因襲的な俸給制度を一擲いたし、新憲法下における民主的行政機構にふさわしい給與制度への盡期的轉換を行うことになつたのであります。 而して、具體的に、如何に俸給を定めるかと申しますと、先ず職員の職務を、その職務内容、責任の軽重、勤勞の強度、勤務時間、勤勞環境その他の勤務に關する條件に應じて、これを十五級に分類いたします。その分類の具體的基準は新給與實施本部長が定めることになつております。 次に、十五級に分類せられた職務の各級につきまして、この法律の別表にあります如く、一定の俸給の幅を設け、職員はその幅の中のいずれか一の俸給を受けることにいたしてあります。勿論、一般の行政官廳と現業官廳等とでは、職務の級の分け方、各級における俸給の幅について、自ら別個の取扱いが必要とされるわけであります。從つて特殊の職務、特殊の職域につきましては、政令で一般の行政官廳とは異る級の分け方、俸給の幅を定め得ることといたしました。右のようにして、一應各職員の職務の級に應ずる俸給が定まるわけでありますが、各職員の現に受けている俸給の額がその者の職務の級に應ずる俸給の幅の最高をも超えるような場合には、特に極端な場合を除いて、當分の間、その現俸給の額を認めて行く方針にしております。尚、現行の年齢による最低保障給も、第二十七條の規定により臨時給與委員會の第一報告書の定めるところによつてこれを改訂することにいたしてあります。扶養手當は、暫定給與の場合における暫定扶養手常と同様、扶養親族一人につき二百二十五圓でありまして、その支給方法はすべて從前通りであります。勤務地手當はその地區區分、支給割合等すべて大藏大臣がこれを決定して來たのでありますが、前にも述べましたように、新たに地域給審議會を設け、この審議會の議を経て大蔵大臣がこれを行うことにいたしました。特殊勤務手當につきましては、從來必ずしも明確な法令の根據を持たない種々雜多な手當が存在し、給與體形の混乱を來していたのでありますが、この法律施行に際しては、これらを整理いたしまして、俸給を以て處理し得るものはでき得る限り俸給に取入れることとし、今後における特殊勤務手當は、正常の職務以外の特殊の勤務でその勤務に對する報酬について特別の考慮を必要とする場合に限り、これを認めて行くことにいたしました。その細目については、この法律に基く政令を以て定めることにいたしてあります。 最後にこの法律による給與と、すでに支給済みになつている二千五百圓水準の給與との差額は、この法律案が御賛成を得て公布されましたならば速かにこれを支給すべく準備を進めている次第であります。 次にこの法律案を實施するに必要な豫算額は、一月乃至三月分につきましては、昭和二十二年度一般會計豫算補正第十五號及び特別會計豫算補正特第十號に四、五月分につきましては、それぞれの暫定豫算に計上いたし、すでに御承認を頂いた通りであります。 この法律案は、先に本國會の御賛同を得ました政府職員の俸給等に關する法律の委任に基いて作られたものであり又その内容についても、すでに組合側と概ね意見の一致を見ております關係上、本國會におかれても、成るべく速かに御審議の上、御賛同あらんことを希望いたします。
○委員長(黒田英雄君) 引續き御質疑をお願いする筈で政府側とも交渉をしておつたのでありますが、政府委員の方では只今止むを得ない差支えでちよつと出られないというような状況であるのであります。つきましては内容についていろいろ詳しいこと、或いは組合側との交渉の點についても、詳細な説明を聞いて審議を進めることが適當ではないかと思いますので、本日はこの程度にいたしまして、明日一時から引續き御審議を願うことにいたしたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこれにて散會いたします。 午後二時十五分散會 出席者は左の通り。 財政及び金融委員 委員長 黒田 英雄君 理事 波多野 鼎君 伊藤 保平君 委員 玉屋 喜章君 松嶋 喜作君 山田 佐一君 木内 四郎君 田口政五郎君 星 一君 小林米三郎君 小宮山常吉君 西郷吉之助君 高瀬荘太郎君 高橋龍太郎君 中西 功君 勞働委員 委員長 原 虎一君 理事 堀 末治君 栗山 良夫君 委員 天田 勝正君 山田 節男君 平岡 市三君 紅露 みつ君 奥 むめお君 竹下 豐次君 早川 愼一君 姫井 伊介君 穗積眞六郎君 岩間 正男君 政府委員 大蔵政務次官 森下 政一君