国土計画委員会 第3号
- 発言数
- 21 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/04/16
会議録
○委員長(赤木正雄君) これから委員會を開きます。この前の委員會で治水に關する小委員、戰災復興に關する小委員を作ることに決めました。その人選をこの委員會で決めることにして置いたのであります。次いでその人選は各會派から御選擇を願う。こういうことになつていましたが、各會派の申出によりまして、治水の小委員に對しては石川委員、國井委員、平沼委員、岩崎委員、安部委員、島津委員の六名にお願いいたします。戰災復興の小委員に對しては、門屋委員、兼岩委員、石坂委員、原口委員、大山委員、北條委員の六名にお願いいたします。これを以て小委員の件は終了いたしました。 引續いて道路橋梁の通水構造に關する法律案、發議者大山委員。これについてこれから御審議を願います。先づ發議者大山委員の御説明を聽くことにいたします。
○大山安君 今囘私は道路橋梁の通水構組に關する法律案を提出いたしました。で、その條文の内容の説明を簡單にいたしたいと思います。 第一條 道路工事の施行者は、道路又は橋梁の新設又は改築をなす場合において、水害の防止上この法律の定める構造によらなければならない。 この法律で、道路とは道路法の道路を、橋梁とは同法の橋梁をいう。 それでここに「道路とは道路法の道路を、橋梁とは同法の橋梁をいう。」、これは大正八年の八月と思いますが、この法案が公布されたのであります。それを更に大正十一年の三月三日と思いますが、改正されまして本日に至つておるのであります。そうして本法案をいま少し範圍を廣くしようと思いましたが、いずれにせよ三十年も以前の道路法案でありますから、これを檢討する場合には幾多の日數もかかるというような關係上、この法案を單にここに發議したわけであります。 それから第二條であります。 橋梁の桁の最下部と、記録に表われた又は豫想せられる洪水の場合の最高水位との間には、最小限度の空間を保有しけなればならない。 前項の規定による最小限度の空間を保有するため、橋梁の構造は、洪水量を流過させるに適するものとし、これにより難い場合には、構渠その他適當な通水路を設けなければならない。 これは皆さんも御存じのことと思いますが、橋梁の桁の最下部というのは、橋梁の最も荷重を受くるところの横架材、つまり桁行と申しますその下部と、「記録に現れた又は豫想せられる洪水の最高水位との間には、最小限度の空間を保有しなければならない。」というのは、「記録に表われた」……これは河川法と思いますが、年々既往の最高増水の記録を表わして取られておるものと思います。その最高増水と又はそれ以上に豫想せられるところの増水のつまり最高水位との間には、その空間を保有しなければならない。これは結局水を平穩に通過させるために道路の上地點と下地點に落差が生じないというような關係上、つまり流過させる、水が下に通り拔けるという程度にそこに空間を置かなければならん。それから「前項の規定による最小限度の空間を保有するため、橋梁の構造は、洪水量を流過せるに適するものとし、これにより難い場合には、溝渠その他適當な通水路を設けなければならない。」、これはこの桁の最下部と記録に表われたところの空間のみによつて平穩に通過することができない場合には、つまりその橋の幅を擴げるとか、或いはそれで適當でない場合には第二、第三と適當な溝渠、或いは暗渠的に土管でも埋めるというようなことをしなければならん、こういうことになつております。 それから第三條でありますが 前條の規定による構造の橋梁を設けることが困難で、洪水時の過度の水壓により道路が損壞されるおそれがある場合には、その水量を流過させるに適當する溝渠その他適当な通水路を、道路に設けなければならない。 というのは、結局今御説明申上げた通りのようになつて、ここに改めて明文化されたのであります。結局水が溜つて水壓によつて道路を破壞させないというような方法を講じなければならん、こういうことになつております。 次に第四條であります。 やむを得ない理由があるときは、道路法の規定による監督行政廳許可を受けて、道路の保護及び災害の増大の防止上必要な措置を講じて前二條の規定によらないことができる。 これはつまり、結局どうしてもそういうように施行することができないという場合には、監督行政廳の許府を受けて、道路の損傷しない、及びその地方のつまり道路以外の災害を被らない、水が溜つて災害を被らないというような措置を講じて、本條によらなくてもよろしいということになつております。 それから末尾の 前項の外監督行政廳はこの法律の目的を達成するについての職責を有する。 これは前條の外に例えば工事を施工する場合に、法律がこうなつておるんだからこれ以上やる必要がないという考えでなく、良心的に法律以外の仕事であつても、これはやらなくてはならんという仕事については、その責任を有するというふうなことになつております。 それから附則、 この法律は、公布の日から、これを施行する。 この法律施行の際、既に道路又は橋梁の新設又は改築の工事に著手したものについてもこの法律を適用する。 というようなわけで、この法律によりまして、大體において今日までの洪水に對しまして、道路の破損というようなことは最小限度に食止めることができないというような考えの下に考えた次第であります。 どうぞ御贊成の程をお願いしたいと思います。
○委員長(赤木正雄君) これから質疑に入ります。
○門屋盛一君 これは發案者にお尋ねいたしますが、現行法の道路法ではこれは補えないんですか。それを聞きたいのですが……。現行法の道路法でこれを補えないかという點、今まで不備であつたかということと、それからこの法律案を見ましても、結局は運用に係つて來ることになるので前段の第一條、第二條、第三條で嚴格なる規定が設けてあるに拘わらず、第四條においてすべてのことが監督行政廳の許可を受ければやらなくてもいいというようなことが書いてありますので、現在において現行法の運用上誤りが多い。つまり誤りが多いからどうしてもこれをやらなければいけないということであるかどうか。 それからもう一つには、字句の問題ですが、道路の工事の施行者ということが第一條に言われておりますが、この道路工事の施行者というのは、例えば國道の場合は國であり、府縣道の場合は府縣であり、町村道の場合は町村にあるのですが、それが今日の場合は直接そういう所が監督行政廳になつておるので、非常に何か意味がぼやつとするようになりはしないか。その點もう一囘御説明願いたい。
○大山安君 行政廳は、これはつまり道路法によりましては直接國家の仕事、それから地方つまり村道が最下等としてありますが、これを區別する必要なく、それらを總括して、村道をする場合には市町村、つまり行政廳がその施工に關與する。又各府廳によつて施工する場合にはそれの行政廳、村道に對しては結局縣自體ですか、それらがその任に當る。こういうように、これを明細に書き現わす必要はなく、この行政廳ということについて了解を得られるものと思つて、こういうようにしたわけです。 それから一條、二條、三條に規定しておるが、第四條において「やむを得ない」ということがあるじやないか、こういうような質問でありますが、これは一條、二條、三條を有效ならしむる以上、道路の保護及び災害の増大の防止上必要な措置を講じた場合はよろしい。こういうことになつておりますから、その邊御了承を願いたい。
○門屋盛一君 第四條の意味から行きましても、現在行われておるところの現行法におきましても、災害防止上のことは技術的に相當考慮されておるのでありまして、むしろこの際今の發案者の御説明の程度であるならば、現行法にいま少しく漠たる言葉でなしに、例えば第二條の「橋梁の桁の最下部と、記録に表われた又は豫想せられる洪水の場合の最高水位との間には、最小限度の空間を保有しなければならない。」ということは、「最小限」という漠たる言葉でなしに、河川とか、流量等によつて何メートル離さなければいかんとか、もう少し具體的に明示すべきであつて、發案者の思い付きは非常に賛成するのでありますが、むしろ現行法をもう一囘再檢討しまして、もう少し具體的な改正をする必要があるのではないかと思いますので、こういうふうにこの案が具體的でないということは、實際の運營上、この四條の監督行政廳の許可を受けて、止むを得ない理由があるときは前二條の規定によらなくてもいいということが、盛んに使われて行くような状態になつて行くのではないかということを憂えまして、私はこれに對してはもう少し研究の餘地があるのじやないかと思うのですが、この點に對してもう一囘質疑をします。
○大山安君 この「橋梁の携の最下部と、記録に表われた」ということを具體化したらどうかというような御説でありますが、これはとにかく流水に有效なる空間を保有するということになつておりますから、却つてぎこちなくここに何メーター空間を置けというようなことでなく、適宜にその場所によつて、地方の状況によつて、適當なつまり空間を保有するということが、法文として當然かと思われるために、こういうふうに何寸、何尺というような寸尺を入れずにやつたのであります。その點御了解願いたい。
○門屋盛一君 發案者の言われます通りに、その場所によつて適當のことは現行法でも行われておると思うのであります。この點私は必要がなく、まあこれは討論じやないですけれども、その意味ならばこの法律案は必要がない。
○大山安君 現行法には洪水に對する通水構造ということは見受けられないのであります。ただ現行法は、施行法だつた思いますが、洪水の場合にはその都度流入より流出があつた物質のために、橋梁を破損されないというような保護をしなければならんというようなことはありますが、常に洪水の場合に道路橋梁のために水が停滯する、つまり水壓を道路に及ぼさせるという、それを擁護するというような法案は今日までないのであります。道路のために水を停滯せしめる、つまり水が自然地盤を通過する場合に、道路のために停滯する、そのために道路の上下に落科を生じて、そこに水の害を起させるということを解消させるために本案を提案したわけであります。その點を御了承願いたいと思います。
○兼岩傳一君 ちよつと大山委員にお尋ねしたいのですが、この内容、御趣旨は非常に宇講であると思うのでありまして、敬意を表しますが、これを單行法で出すのと、現行の道路法を改正するやり方と二つあるのです。現行の道路法を改正するよりも、こういう單行の法律案で行く方がよいというようにお考えになつておるのでしようか。若しそうだとすれば、それはどういうような事情でそういうようにお考えになつたか、それを拜聽いたしたいと思います。
○大山安君 これは先程ちよつと申述べましたが、現行の道路法は主として軍國時代につまり施行されたものであつて、多くはつまり軍事道路ともいいたいくらいの内容になつておるのでありまして、これを今日ここで訂正するという場合には相當の研究も要します。又從つて時日も要する、こういうような關係もありまして、つまり昨年の洪水のような場合を今後繰返す場合には道路及び橋梁の被害を最小限度に輕からしめて、のみならず法案の趣旨を實際に完全に施行されたならば、今後の道路橋梁の破損はやや解決するものである、繰返すことがないものであるというような考えの下に、この法案を提案いたしたわけであります。それでよく深くはまだこの道路法案を調べ切れませんが、相當道路法案につきましても、訂正しなければならん、今日の時局に當嵌まることができないというように考えが見受けられるのでありまして、それでこれを端的に、つまり道路橋梁の通水構造に關する範圍によつて提案したものであります。
○兼岩傳一君 議事進行。
○委員長(赤木正雄君) 他に質疑ありませんか。
○門屋盛一君 發案者の思い付きには非常に賛成するのでありますけれども、單行法として出すとしますと、いま少し當委員會においても研究して見たい。例えば第二條の橋梁の問題でも、發案者はただその桁の最下部と水位とのことに重きを置かれておるのでありますが、御承知のように洪水時のことは、いろいろの流失物が掛かるとか何とかいうことで、單に水位と桁下との問題でなく、經過地の問題が非常に關係がありますので、單行法で出すとすればいま少しそういう點も入れなければならんというような點も、これから考えればおいおい出て來ると思いますので、發案者の氣持はよく分かるのでありますが、尚暫く研究の時間を與えて貰いたいと思うのであります。
○委員長(赤木正雄君) 如何でしようか。今門屋委員の御發言もありますからして、この問題はもう暫く研究して、この次の委員會へもう一度掛けて、そういうふうに諮つては如何でしようか。
○兼岩傳一君 あなたまだ質疑應答……意見を述べていいですか。
○委員長(赤木正雄君) いいです。
○兼岩傳一君 僕は意見を述べます。僕は門屋委員と大體同じ意見でありますが、こういうふうにされたらどうかと思うのです。内容が果して現行法の道路法及び道路法施行令、そういうものに完全にこういう點が謳われていないかどうかという内容の檢討が一つと、それから假に一部分を謳われており、或いは一部分を謳われていない、或いは全然謳われていないということをはつきりさせて、單行法で出した方がいいのか、或いは現行の道路法、或いは通路構造令の改正で行つた方がいいのかという形式上の問題と二つあると思います。それで私は内容からいつても、形式からいつても、これを直ちに建設院の方へこの提案を移されて、値の今質問した二つの點、つまり内容的及び形式上の質問に、明確に建設院の方から我々が納得するように答えられたならば、その答を本にして自分の意見を述べたいと思います。そういうふうに進行されたら如会かということを提案いたします。一應お諮り願います。
○委員長(赤木正雄君) 兼岩委員の御發言の通りでよろしうございますか。 〔「贊成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) それではそういうふうにいたしますか速記を止めて……。 〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記を始めて。本日は出席の方も餘りありませんから、この請願に關する問題は、この次の委員會に取計らうことにいたしまして、本日はこれで委員會を閉じたいと思います。ではこれで閉會いたします。 午前十一時二十九分散會 出席者は左の通り 委員長 赤木 正雄君 理事 原口忠次郎君 委員 島田 千壽君 石川 一衞君 門屋 盛一君 安部 定君 大山 安君 北條 秀一君 兼岩 傳一君 國井 淳一君