決算・治安及び地方制度連合委員会 第1号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/05/28
会議録
○委員長(下條康麿君) 只今から決算委員会、治安及び地方制度連合委員会を開きます。経済査察廳法案を議題といたします。政府の御説明を願います。
○政府委員(藤井丙午君) 本日は栗栖安本長官が出られますところでしたが、よんどころない差支ができまして私が代つて御説明申上げたいと思います。経済査察廳設置に関する法律案は只今衆議院で審議中でございまするが、近く同院の審議を経ましてこちらに送付され、正式御審議を仰ぐことになるのでございますが、予め予備審査をお願い申上げるということで、今日の説明に罷り出た次第でございます。 この経済査察廳設置を必要といたしまする理由、或いは組織の大要、任務の範囲並びに職務遂行の権限等につきまして、概要を以下申上げたいと存ずる次第でございます。経済統制の励行を確保いたしますためには、全國的又は地域的に統一ある企画の下に、同一歩調を以て取締に当らなければ、これが目的を達成することは誠に困難であります。然るに御案内のように、警察は警察法によりまして、各都道府縣の國家地方警察と、各市又は町ごとの自治体警察に分れまして、それぞれ個別的に運営されることになりました結果、全國一元的に経済統制の励行を図るということは極めて困難になつて参つたのでございます。更に経済統制の励行確保は、いわゆる検挙取締のみによつては、これが効果を十分に期待し得られないのでありまするので、取締以外にも啓発、宣傳、或いは指導、予防的措置等、種々な行政的手段によつて統制の励行を図ることが必要でございまするが、取締以外に、かような廣汎な任務を警察機関に持たせますことは、過去の実績に鑑みましても、種々の弊害も予想せられます。又新日本建設の精神に照しても適当でないということもございますので、これらはすべて警察の任務の外に置くことにいたしたのでございます。従いまして全國的に統一のある経済取締を行い、或いは種々の行政的方法によつて、綜合的に経済統制の励行確保を図る任務を遂行するために、警察機関とは別個の、全然性格を異にする経済査察廳を設置することが必要となつて参つた次第でございます。 而して経済査察廳を設置するに伴いまして、從來経済安定本部監査局において実施しておりました行政監査及び隠退藏物資の摘発事務は、経済査察廳の任務と極めて密接な関係がありまするので、これを経済査察廳に統合いたしたいと考えておるのでございます。即ち行政監査を実施することによつて経済違反行爲の根源が突き止められ、経済違反取締の重点及び方法が明らかになりますと共に、逆に経済違反の調査を実施することによつて、違反そのものの原因としての行政施策の不備欠陷の所在、及びその改善策が発見されることが多いのでございまして、行政監査と違反行爲の調査との運営が密接な連絡の下に行われることによつて、より一層の効果が挙げ得られるからであり、又穩退藏物資の摘発事務も、不正保有物資の調査発見及び供出の促進によつて闇の根源を閉塞することになり、経済統制の励行を確保するための重要な一翼を成しておるからでございます。又経済査察廳は、経済統制の励行確保を図るための綜合的企画、立案及び実施の官廳でございまするから、経済統制そのものに関する企画官廳である経済安定本部とは緊密な連絡を必要とするのでありまするが、これを別個の組織とすることにいたしましたゆえんのものは、任務の範囲が廣汎であり、その性質は実施を主として組織は相当に大きく、経済安定本部にこれを句攝するということになりますれば、安定本部自体があまりにも厖大なものとなるからでございます。併しながら経済統制に関する企画と統制励行確保方策とが、常に表裏一体の関係になければ、経済統制の円満な運営は期待することができませんので、経済安定本部総務長官が経済査察廳長官を兼務することにしまして、両者の関係の緊密一体化を図ることを考えておる次第でございます。 次にこの経済査察廳の任務、組織及び権限を簡單に申上げたいと存じます。第一に任務でありまするが、経済査察廰の任務は、物資の生産、配給及び消費並びに物價、この場合賃金は除いてございます。物價に関する経済統制の励行を確保するにあるのでありまして、それがために、次に申し述べますような項目の事務を掌るのでございます。先ず一つは、経済統制の励行を確保するための計画の立案、二は、一般國民に対する啓発、三は、経済法令に関する違反行為の調査、四は、警察その他の行政機関の行う予防及び捜査に対する勧告及び協力、五は、警察官及び警察吏員に対する教養、六は、警察その他の行政機関の行う予防及び捜査の状況並びにその改善についての情報の蒐集、七は、経済行政の監査、八は、穩退藏物資の調査及び供出の促進、以上でございます。 第二に、組織の大綱を申上げますれば、中央に、中央経済査察廳、又全國を八管区に分ち、管区ごとに管区経済査察廳、更に各都道府縣の区域毎に地方経済査察廳を設置し、これら各廳と関係行政各廰の間の事務の連絡調整を図るため、それぞれ中央管区並びに地方の査察廳に経済査察委員会を附置することにいたしておる次第でございます。 第三は、経済査察官の定員及び権限に関する事項でございまするが、経済査察廳に、前述の任務を遂行するために経済査察官をおきましてその定員は五千名といたしておるのでございます。而して経済査察官が、統制違反の調査の対象といたしますものは、特に重大な違反事件でありまして、これを調査するのも行政的方法による通常調査を原則といたしまして、止むを得ざる場合におきましては、強制調査も行いまするが、これは裁判官の許可状の交付を受けて行うのでありまして、その場合には臨檢、捜索、差押又は違反嫌疑者の逮捕をすることができるのでありまするが、その際も警察官又は警察吏員の同行を求め、許可状の執行に從わせることを必要條件といたしておるのでございます。即ち経済査察官が、直接実力を行使しない点が、警察的でない新機構の性格の一面であるのでございます。 第四に申上げたいのは、警察その他との関係について特に注意を要する諸点でございます。その一つは、経済査察官は違反事件を調査するため、実力を必要とする場合には、警察長に対して應援を求めることができることであります。次には経済違反事件について、警察その他の行政機関の行う予防及び捜査の措置が相当でないと思料するときは、中央経済査察廳長官は、関係行政機関の最高監督機関に、その改善に関し勧告し得る権限が與えられておることでございます。 本法案の内容の大略は以上のようなのでございまするが、経済査察の運営に当りましては、從來の強権的取締観念を根本的に拂拭いたしまして、全く新たなる行政的方法によりまして経済秩序を確立し、國民経済の安定とそり復興の促進に資して参りたいと存ずる次第でございます。以上概略の御説明を申上げましたが、尚詳細に亘りましては、逐次御質疑に應じまして御説明申上げたいと存ずる次第であります。何とぞ愼重御審議の上、御協賛あらんことをお願い申上げる次第でございます。
○委員長(下條康麿君) 御質疑がございますれば、どうぞ……。
○岡元義人君 ちよつとお伺いしておきたいのですが、査察官が五千名でき上りますと、実際にこの何は直接実力を行使しないということになつておりますけれども、これだけの査察官ができますと、実際には現在の警察官の中から、警察吏員の中から相当数が実際にはこれは使われるということになるのですが、どのくらい現在の警察官の中からその方面に採られるだろうか、その方に掛かり切つていなければならんかという、その見込数をちよつとおつしやつて頂きたいと思います。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 五千名の要員をどの方面から充足するか。殊に警察からどれくらい取る見込かということでありますが、率直に申上げまして、現在の情勢において五千人を急速に充足するということは、極めて困難情勢にあると思います。我々の計画といたしましては、なるべく警察以外の民間経済知識のある人々及び経済官廳の関係者から、その要員を充足したいということを当初計画いたしたのでありまするが、実情が困難な状態にありまする上に、仕事の性質上、希望者が極めて少い状況で、一應警察方面から、相当の人数を入れなければならんということになつて参つたのでありますが、すでに関係方面におきましても、警察要員は最小限度にして貰いたい。眞に必要止むを得ざる程度において有能なる者、能力のある、そうして廉直な人は採用してもよろしい。警察から採用する場合においては余り地位の低い者は困る。即ち巡査、或いは巡査部長といつたような低い者は困る、こういう要望も出ておるのであります。そうした関係上、警察から採る場合も相当の制限を受けるのでありまするが、最初に申上げましたごとく、一般民間並びに経済官廳方面の希望者が極めて少い関係上、尚相当多数を採らざるを得ないのではないかということを考えておるのであります。然らばその見込はどれくらいになるかと申しますると、五千の要員を充足する場合において二分の一乃至三分の二くらいは警察要員、警察関係の出身者で固めざるを得ないのではないかという見込を立てておるのであります。併しながら理想といたしましては、その数を極力減少するように努めて行きたいということを考えておるのでございます。
○岡元義人君 その方は分つたのでありますが、今度は実際に差押、或いは逮捕、そういうな方面に、現在の限定されました十二万五千の警官で、こういうような機能が十分発揮されるということになりますならば、相当数そちらの方に取られなければならんということになると思うのですが、この点について日本の実際の許されました、今の十二万五千というようなものから、治安と並行いたしまして、十分に治安も保持し、そうして又こちらの方の目的も十分達し得るということについては、政府当局は御自信を持つておられるのか。この点を一つ伺つておきたい。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 警察官の充足状況も、必ずしも当初の予期通りに進んでおりませんので、非常にその中から、二千でありましても、三千でありましても、こちらの方に割愛して頂くということがむずかしい実情にあるのであります。併しながら從來経済警察を担当しておつた警察官が約一万五千おつたのであります。專らその方面に從事しておつた。從つて他に活用するよりも、むしろこの方面に活用する方が國家的に見ましても非常に有益である、役に立つという人々がおるのであります。そういう者は警察といたしましても、その方に轉出をさせても止むを得ないと、こういう考えを持つておられるのであります。而してその充足につきましては、勿論警察としても最善の努力を拂うわけであります。その状況を睨み合せて逐次採用して行く、こういうことになると考えます。この五千名は即時に充足するという方針ではないのであります。できるだけ立派な人を漸次採用して行きたい。予算上の計画では四ヶ月に採用するということにしておりますか、実際上は尚それ以上になるのじやないかと思います。
○黒川武雄君 これは國家警察と地方自治体警察との、いわゆるこの二つに対しまして、どういうような振合でということまでお考えになつておるか。この点一つ伺つておきたいと思います。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 経済関係の仕事をしておつた経済官の中から、何割をこちらの方へ廻すかというような、具体的な計画はまだできておりません。
○山下義信君 いろいろ伺いたいことか沢山あるのでありますが、他の各委員の御質疑もあろうと思いますので、一つ二つ伺いまして、又機会を得た際、勉強をさせて頂きたいと思うのであります。取敢えず第一点は、この経済査察廳というものをお置きになる目的に関してであります。只今提案理由の御説明に、そのことにはもとよりお触れになつておいでになるのでありますが、要するところ、眼目は経済統制の励行の確保ということにあるようであります。その経済統制の励行の確保をするために、いろいろなお仕事をこの役所でなさろうとするのである。私が伺いたいと思うのは、経済統制の励行の確保は、この役所で十分できますかということでございます。それだけについてお答え下さればよろしい。経済統制の励行の確保を、この役所ができましたら十分におできになりますかということでございます。 第二点は、経済統制の取締りは、この役所で一元的になさいますかどうかということであります。この役所以外にはなさいませんか、経済統制の励行の確保ということは、この役所以外ではなされませんかどうかという点でございます。警察との関係のことは他に専門の方々もおいでになりますから、私はそれに関連しての質疑は保留いたしておきます。 それから第三点は、この役所は恒久的な役所でございますか、臨時的な役所でございますか、若し臨時的な役所といたしまするならば、いつ頃任務が終了するお見込でございますか、若し任務が終了なさいましたならば、多数お使いになりますこれらの役人の方々は、どう始末をおつけになるお考えであるか、先の見通しを承わりたいと思います。若し恒久的な役所であるとしまするならば、なぜ臨時的な安本長官を長官となさいますか、この役所の存続のお見込を承わりたいと思います。 第四点といたしましては、管区の査察廳をお置きになる、何の必要があつて全國八ケ所に管区査察廳をお置きになりますか、その管区査察廳の必要なる理由を承わりたいと思います。 それからもう一つは、これは念のために承わつて置くのでありますが、この役所は國会で御承認になりまして、初めてそれぞれの御準備をなさいますか、或いはすでに何かこの役所に関しての御準備をしておいでになりますかどうか、私共の考では、國会が承認をいたしましてから御準備に相成るのが順序であろうと思う。まだ國会が承認を與えておりませんのに、いろいろ公な御準備をなしておいでになるといことになりますると、國会の御審議を無視しておいでになるということになる。これはどうしておいでになりますか、これから御準備になりまするか、或いはすでに公な御準備をしておいでになるかどうか。これだけ今日は承わつておきます。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 只今の第一の御質問の点は、この役所ができれば統制経済の励行は確保し得られるかどうかという点であります。統制経済の励行、全國民に励行して頂くという問題に関しましては、この役所ができたからと申しまして、直ちにそれのみを以て安心するわけには参らないと思うのであります。この励行には、最高責任官廳としての査察廳が、関係経済官省、安定本部その他の関係経済官省と相協力し、又取締面におきましては、警察或いは検察廳その他の監査機関と提携いたしまして、そうして國民に対しまして、この目的の一つにありますように、國民の統制遵守に関する関心を高め、そうしてそれを啓蒙することによりまして、相共に努力しなければ、完全な効果は発揮し得ないということを、我々も考えておるのであります。併しながら統制励行に当りまする責任官廳ができるということは、現在までの各行政官廳の経済統制励行に関する努力の実情と比較して考えまするならば、私は数段の進歩がもたらされるものと確信いたしておるのであります。 第二の励行の確保は、一元的にこの査察廳がやろのか、他の官廳もやるのかという御質問の点でありますが、第一の御質問に触れまして若干お答えいたしましたごとく、励行に関しましては、最高の責任がこの査察廳にあるというふうに我々は考えておるのでありまするけれども、勿論商工行政の励行に関しては、商工省にもその励行を確保すら責任があり、農林省にも又その責任があるのであります。それから経済違反、犯罪ということになりますれば、警察にもこれを摘発、検挙する責任はあるのであります。ただそれを統一的に相互連絡を図つて、調整を保つという任務がごの査察廳に課せられておるわけでありまして、そういう意味におきましては、ここが一元的にやるということも言い得るのではないかとも存ずる次第であります。 第三は、この官廳は臨時的であるか、恒久的なものであるかという御質問でありますが、統制経済の行われておる間存続するという点に、根本的な終期が予定されておるのであります。併して安定本部が統制経済の根本万策を樹立する。それの実施を確保するという意味におきまして、この査察廳ができておりまするので、大体は安定本部の任務が終了する時に査察廳の任務も終了するものと我々は考えまするので安定本部長官が査察廳の長官を兼ねるというふうに規定されておるのであります。併しながら將來安定本部がなくなつた暁においても、尚且つ統制経済が、引続き各経済実施官職において行われるということになりました場合において、この査察廳が、安定本部がなくなつたという、單にそれだけの理由で消滅するかということは、その時又檢討せねばならないだろうと考えるのであります。併しこの官廳は、性格におきまして決して恒久的な官廳ではない。臨時的な官廳である。然らば二年先か、三年先か、その時期は分らないのでありまするが、五千名の査察官が、この官廳が消滅する時においてその職を失わなければならないことになるのです。これを如何にするかという問題は、失業対策の一環として当然考えなくてはならない問題であります。恐らく配置轉換、その他の何らかの方策によりまして、私はその時までには解決されるものと考えるのであります。 第四に、管区を設けた理由如何という御質問であります。統制経済の励行に関しましては、全國平均して行われる必要があると思うのであります。統一と秩序を保つて行われなければならないと考えるのであります。或る所は非常に峻嚴なる取締りをし、或る所は緩慢なる励行をしておるということでありまするならば、物資の円滑なる流通が阻害されるということになるのでありまして、それを廣く防止する必要があるのであります。それが故に警察制度が改正になりまして、自治体警察、國家警察、それぞれ独立することになりました関係上、全國統一ある指導、取締ができないということになりました関係から、この経済査察廳というものが必要になつて参つたのでありますが、さような根本的な考え方からいたしまして、各府縣間の経済統制励行の程度の統一ということを極力考えなければならない。それがために、中央から四十数府縣に亘りまして、一律にその寛嚴の程度を常に監視して、その差を少なからしめるということは極めて困難となつて参るのであります。從來もそういう必要から、いろいろの行政管区が設けられておるのでありますが、経済査察廳におきましても、地方ごとの府縣間の調節を図り、そうして中央の政策面と相俟つた取締方針に準拠して、これが実施の確実を期する、こういう意味におきまして管区が設けられたわけであります。 最後の御質問の、この経済査察廳設立のための準備をしておるかどうかという点でありますが、勿論公けにおきましては、経済査察廳法案が國会において御決議になりまして、法律として成立されて後に始むべきであります。併しながら警察制度が改められましてから、すでに三四ケ月も経過せんとしておる現在、経済統制励行ということは、一日も私は忽がせにできないと考えますが、可決になりませれば、速かに経済査察廳を設立いたしまして、この活動に一日も早く入りたいと、かように考えておりますので、非公式に、内々の準備は若干いたしておるのでありますけれども、公けの準備というものはまだいたしておらないのであります。
○山下義信君 私は決して答弁の言葉尻は捉えませんから、ただ御所信を明白にして頂きまして、審議をいたしまするのに、我々にはつきりとした御方針をお示し下さればそれでよろしいのでありますが、併し只今の局長の御説明では要領を得ません。それでこれは経済統制の励行を確保するためにかような厖大な機関を作る。而して五千名の経済査察官を用い、而してなさろうとするところの任務というものは、非常に重要な任務をなされる。私共かようなお仕事が、全く目的通りに完全にできるならば、双手を挙げて賛成をいたすのであります。これはただ單に警察が犯人を捕まえるだけの仕事、これは極めて簡単でございますが併しながら、経済統制の励行の確保というがごとき、政府の総力を挙げても尚且つ容易でないようなお仕事をしようとするのでありますから、これらの一々の任務というものの各項に亘りますと実に重大である。この下級警察官などのできるような仕事でないことが、啓発でありますとか、いろいろな行政方面についての、その欠点の根源を突くとか、勧告をするとか、容易ならん任務を負うております。でございますから、この経済統制の励行の確保ということが、この経済査察廳でできまするならば、実に何と申上げてよろしいか、現下の情勢においても、最も必要なる機関と考えるのであります。一日も早く作らなければならん。而してこの役所によりまて、経済統制の確保が立派にできますならば、政治の上におきましても、内閣の諸般の政策の上におきましても、実に樂になるのであります。この経済統制のできないところが、この今日の政治の実に困難いたしておるところであります。ところがそれができるか、できぬか分らんようなことでは、かような機関を作る必要がないということになりますので、この点実に重大でございます。只今局長の御答弁では、これのみではできない。この役所のみではできないのであつて、尚且つ他の官廳のそれぞれの力を借らなければできないということになりますと、この役所のみを以てしては、経済統制の励行の確保は不完全であると言わなければなりません。その点今一つ明かにして頂きたい。外の官廳にも関連する仕事はあるけれども、この役所ができたならば、立派にやつて見せるというのか。誠に御所信があやふくなような印象を受けるのである。その点今一つ明かにして頂きたい。と申しますことは、実に重大な法案でありまして、恐らく同僚諸氏もこの点十分御吟味相成ると思う。言換えるというと、現在の警察を信任せざるところの節が含まれておる。明らかに提案の理由にもある。現在の警察では十分でないから、こういう別個のものをやる。而してお仕事をなさろうとするには、現在の警察をお使いなさろうとするのである。矛盾がある。でありまするから、他の方面でも関係しておる仕事はあるというのと、この経済査察廳があれば、立派な統制経済の励行の確保はやつて行ける。お使いになつているところの術語をそのまま使つているが、そういう御所信があるかないか、その点を伺つておるのであります。 それから第二点の、この官廳が臨時の官廳であるということは了承いたしました。はつきりいたしました。でこの臨時の官廳としての審議をこれから進めて行かなければならんわけでございますが、その臨時に置かれる存続の期間、これは安定本部の存続と同じ期間であるとおつしやる。これも明白でございます。而して尚その後で統制経済の規則のある間は続くかも分らんとおつしやつた。これが明白でございません。制制経済の規則がなくなると言いますと、あの数百の統制経済のこれらの規則の悉くがなくなるまでというようなことは極めて曖昧でございます、どの程度統制経済がなくなつたらというようなこともお見あ込みあるのであるかどうか。その点の御答弁を今一度明確にして頂きたい。統制経済の規則のある間ということは、お取消になりますかどうか。安本の存続する間と言うなら明白でございます。統制経済の規則のある限りというようなことになりますと極めて不明瞭でございます。これを一つ明白にして頂きたい。 それから提案の理由では、この統制経済の諸般の取締は、この官廳で直接統一しておやりになるということが目的でないかと思います。或いは全國画一にやらなければならんとか、各々手心が違つてやり方が違つておつては困るとか、そういう御説明がありながら、一方では商工省は商工省でやらせる、農林省は農林省でやらせる、物資調整法に基くところの所管の省の取締は、それぞれやらせるのだというのでは、統一をしようとか、還元とか、いろいろの手心の違いがあつてはならんとおつしやるのと矛盾がある。これは皆悉くここに御統一なさろうというのが、これが至当ではないかと思うので、その辺の御方針も今一度明確にして頂きたいと思うのであります。 それから今のいろいろ、御準備の関係のことを承わつたのでありますが、非公式ながらやつでおるとのことであります。御率直な御答弁を得まして満足いたします。お隠しなさらんがよろしい。全國至る所の経済査察官の募集を公然としてやつておる。若しその法案が通らなかつたら、應募しております数千数万はどうなさる。これは御準備なさつておる、又御準備なさらなければ間に合わんでしよう。どの程度御準備が進んでおりまするか、これはこの席でよろしいのでございまするから、我々に御親切にお示しなさるがよろしいと思う。管区の必要のことも只今の御答弁では十分でございません。管区がなかつたらお仕事できませんか、簡單に私聽きます。今この管区査察廳というものが御計画からなかつたとします。中央経済査察廳、地方経済査察廳というものが只今あるとしますと、中間の中継機関のああいうもの、ああいうものを全部なくしようというのが、一般行政組織の上の考え方になつております。あの中間のものがなくなつたらあの仕事はできませんか。あれは絶対必要であるか、あれはなくてもできますか。それを私は聽いておるのであります。今一度御答弁が願いたい。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 査察廳ができた曉におきまして、統制経済を確保する自信があるや否や、さような決心があるかどうか、重ねての御質問であります。私共は最善を盡しまして、これの確保を期したい。また確保しなければならないと考えているのであります。併しながら先程申上げましたのは、見通しといたしまして、五千の経済査察官が全力を盡しましても、非常に困難な仕事であるということを感じまするので、その点を申上げた次第であります。勿論私共はこの官廳ができます以上は、経済統制の確保をしなければならん責任があり、又それを果たさなければならんと考えているのであります。 第二の経済査察廳の存続期間に関する重ねての御質問であります。経済安定本部が解消いたしまする場合におきましては、安定本部長官が長官であります関係上、当然この官廳は法規の改正なき限り、法律的には解散すべき運命にあるのであります。私が先程申上げましたのは、ただ安定本部が解散になつた場合において、現在の統制が相当緩和されたということは予想されるのでありますが、尚存続する部分に重要なるものがある場合に、直ちに全面的にこの種の官廳が解消さるべきものか否かということは今から予測はできない。改めてその時に考えなければならないということを申上げたのであります。法律的にはその場合当然解消すべきものと私は考えているのであります。 次に励行に関しては、一元的に統一的に査察廳が取扱うべきであつて、商工省やその出先機関の地方小局も、一緒になつては却つてばらばらになるのではないかという点に関する御質問、御意見でありますが、経済実施官廳はそれぞれその法令を立案計画し、その実施をいたし、その結果を確保しなければならない責任は当然あるのであります。併しながらその実施の確保が極めて困難である、又各行政廳の間の統一も確保しなければならない。更に各行政廰の実施の励行を督励しなければならないという必要がありますので、経済査察廳というものができたのであります。從つて励行については、一元的にこれを運営する責任は経済査察廳にあるのでありますけれども、これのみが励行の責任を負担するのではなく、各廳のそれぞれの分野に應じましてやるのでありまして、その統一を図つて行く。そういう意味におきまして、私は各廳間に励行のばらばら不統一ということは、そういうことはない。お説のごとく、一元的な励行の運営というものが確保して行けるのではないかと考えるのであります。 それから準備の程度について、この次までに知らして貰いたいという御要望でございますが、この次までに資料を準備して御報告申上げたいと思います。ただ要員の確保につきましては未だあまり進行いたしておりません。恐らく現在までのところでは、予定されたものは数百程度ではないかと思うのであります。それも希望を伺つているという程度に過ぎないのであります。 最後に、管区がなくては仕事ができないかどうかという御疑問であります。管区がなくても、從來の警察は管区なしで全國みな取締をやつておつたのでありますから、できないことはないと思う。併しながら当時の警察の取締状況を見ましても、地域的な統一というものが、必ずしも私共は確保されておらなかつたと思うのであります。この点を更に徹底して、効果の十分なる発揮を望む上におきましては、私は管区はどうしても必要であると考えるのであります。殊に行政査察という面におきましては管区だけで行うことになつているのであります。各行政官廳の統制経済行政の運営の実情を監査するという仕事は、末端の各府縣の機関においては、これを行わないことになつておるのであります。なぜならば、それは非常に重要な仕事であり、又官廳によりましては、廣範囲に亘つて仕事をしておるという関係上、これは管区止りにする。そうして愼重且つ周到にやる必要があると考えたいからであります。こういう意味におきましても、私は管区がなければ、この査察廳の仕事の運営に支障を來すのではないかと考えておるのであります。
○山下義信君 私一人で時間をとりますことは、恐縮でございますから遠慮いたしますが、経済統制の励行の確保が、この官廳でできるかどうかという点につきましては、事重大でございまする。同時に安本の長官が臨時の職名であるからといつて、直ちにこの官廳が臨時的な官廳であると即断し得るや否や、これ又重大な点であると存じまする。つきましては、経済統制の統制規則が存続する間云々という点もございまするし、諸般の経済統制の法令がどの程度まで存続して行くかというような、重大な政策面との関連性もございまするし、その点、次回に安本長官の出席をお手続き頂きまして質問を留保いたしたいと存じます。又各省の主管の官廳がそれぞれ、統制の取締をいたしておりますことは、我々承知いたしております。これとの関連性も只今の御説明では、尚了承いたしかねるのであります。管区経済査察廳の重要性の問題は、行政査察廳の任務が地方査察廳にないことも、法案の上でよく承知して質疑をいたしたのでありまして、それは地方の査察廳に任せればできるわけでありますが、この点も尚只今の御説明では満足いたしかねることを申上げまして、本日は私はこの程度で打切つて置きます。
○中井光次君 段々お尋ねがありましたが、この経済査察廳の設置の理由を只今承わりまして経済安定本部が計画立案をし、そうしてその励行を確保するために、査察廳を置くということでありまして、中央においては、総務長官がその長を兼務するということに相成つておるのであります。私は最近全國的に地方出先官憲の整理がやかましく言われておりまするし、又政府みずからもその立場においていろいろ御研究になり、閣議の決定もされたそうであります。そういう立場から、これを見ます際に、果してこの経済査察廳を、つまり管区或いは府縣にまで置くのがいいでありましようか。若し仮に置くといたしましても、その場合には、先程お話のありました経済安定本部の管区の長、これはどういう仕事をしておりまするか、御説明の内容を聞きますというと、むしろそういう高度の経済知識のある役人、或いは民間の人、それからそれを励行する人、或いは両方の、何と言いまするか、知識経験を以て臨む方が、むしろもつと有力で、理論的にこれを二つに分けてしまうということは、却つて無駄が多いのではないかというように思われるのであります。ですから簡單に言いますると、これを置かないで、今の管区で以てやれないでありましようか。或いはむしろ管区を止めて、この名前を変えて、地方のそういうものでやるということにするならば、数は殖えないで済むのではないかというふうに考えまするが、これらの点はどういうようにお考えになりますか、一應伺つて見たいと思います。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 只今の御質問の要点は、結局新らしい査察廳を設けないで、安定本部のその出先機関でこういう仕事ができないか、そういうふうに了解できるのではないかと思いまするが、当初は私共もその案を考慮いたしたのでありますが、安定本部が今でも厖大な機構を持つておるという御意見が相当行われておる際に、更に五千名を持つた大きな組織が安定本部の中に包含されるということでありますと、実際的にもその運営に非常に面倒な点が多いということを考慮したのであります。又各経済官廳におきましても、安定本部の外に、我々の機関である、我々の実施を手傳つて貰う機関であるという意味において作つて貰うことが望ましいという要望がありましたので、これを別個のものにいたしたのであります。併し経済安定施策と密接な関係があります関係上、安定本部長官が中央の長官を兼務する。又管区におきましては、從來の安定局長がこの査察廳長と両方をやるということにしまして、できるだけ従來の長所はそのまま存続する、連絡を十分にするというように考えておるのであります。ただそうした関係上、形式的に、又一つ新らしい役所ができるということにはなるのであります。この点又出先機関整理問題のやかましい折から、一つの問題にはなるのでありまするが、警察制度の改正と関連しまして、当時から当然予定きれておつた問題でありまして、誠にその点は止むを得ないのではないかと考えまするので、御了承願いたいと思います。
○中井光次君 只今のお答えによりますると、管区の経済安定本部の職員が、概ね多くはこの査察廳の職員になる。即ち言換えれば、管区の職員の整理と言いまするか、乗換え、或いは組換えと言いまするか、そういうことが行われるというように、今の御答弁で承わりましたが、そうでありますか。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 只今は、長官だけのことについて御説明申上げましたのでありますがその他の職員について申しまするならば管区には從來、調整部というものと監査部という二つの部がありまして、その監査部の方の職員が、全部査察廳の職員に轉換されるわけであります。経済政策の実施面の方の調整の仕事は、励行じやなくて経済政策そのものの問題に関する宣傳だとかいうような、いろいろな問題の調整をする役所が、安定局の名において残るということになるのでありまして、人間の半数以上のものは、査察廳の方に轉換するというわけであります。
○中井光次君 只今の御説明で、非常に明瞭になりましたが、然らばもう一遍伺いますが、現在地方に監査部というものがあるのを、わざわざ本廳を設置するためになくするということになるのですが、逆に今のそれを以てこれに充てることの不都合はどこにあるか。聽き落しましたからもう一遍……。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 從來監査部において行なつておりました仕事は、経済行政官廳の経済統制実施に関する行政の監査だけをやつておりました。併しながらそれに附加されまして、民間の経済統制励行確保の仕事が新らしく査察廳においてやらなければならんことになつたのであります。そういたしますと、そのために相当の人数を増加しなければならず、その仕事まで監査部で引受けますと非常に厖大な組織になり、先程申上げましたように、いろいろな点において工合が悪いというので、反対説もあるという関係から、中央の安定本部におきましては、監査局というものがあり、それが査察廳の中に合流して民間の取締をする、ここへ行政面の取締をするものも、行政面の監査するものも合流いたしまして、表裏一体となつてやるということになりました関係上、管区においてもそれと同様な措置が採られるわけであります。
○中井光次君 参考のために、経済安定本部における経済査察廳の中央に行く人員、それから地方におきまして、今の監査部に移動する人員、これの一つ数字的のものを参考に我々に御提供願いたいと思います。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 資料としてでございますか。
○中井光次君 資料を出して頂きたいと思います。
○岡本愛祐君 第一國会におきましてて、政府から経済査察官の臨檢、檢査等に関する法律案をお出しになりまして、私も治安及び地方制度委員会と司法委員会と連合いたしまして審査に当つたのであります。その法律案は不幸にして我々の承服し得ないものでありまして、具体的に申しますと、この経済査察官なるものが事務所や営業所、工場や事業場や倉庫、その他の場所に臨檢し、業務の状況若しくは帳簿書類、その他必要な物件の檢査をすることができる。而もこれは司法官憲の令状をも持つて行かないでできるという原案になつておつたのであります。そこでこれは憲法の第三十五條に抵触するのではないかという疑問を我々は持ちまして、その点を政府に質問をいたしておつたのであります。当時の連合委員会の審議の結果は、これはどうしてもそういう令状を持つて行かなければ、この三十五條に抵触する虞れがあるということで、その修正案を用意しておつたのであります。そういうようなことで、政府の原案は第一國会で通過を見るに至りませんでした。今度経済査察法案が提出いたされまして、その内容を檢討いたしますと、只今申した点については用心深く規定がしてありまして、許可状という名にはなつておりますけれども、この憲法三十五條に抵触しないように考慮されてあります。その点は本員としても満足をする次第であります。而して段々同僚議員から内容について御質問がありましたが、私も数点について質問をいたしたいと思います。少し複雜いたしますから、一問一答で行きたいと思います。 先ず最初に、山下議員から御質問がありました点を繰返すようでありますが、この経済統制の励行を確保する事務というのは、これはこの経済査察廳の第一責任である事務であるかどうかという点であります。
○政府委員(國鹽耕一郎君) お言葉の通り統制経済の励行の確保ということが、経済査察廳の任務であります。
○岡本愛祐君 それでは東京都とか、大阪市とかという地方公共團体が、この経済統制励行の確保の事務をやりますときには、それは國家事務をやつておることになりますか。そうでなくて、自治体固有の事務をやつておることになりますか。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 統制経済を自治團体がやつておる場合には、これは國家事務を委任された場合であると私は考えるのであります。從つて委任の限度において関係査察廳に関與することになります。
○岡本愛祐君 実は私共もさように考えておるのであります。ところが第一國会において、警察法を我々の委員会で審議いたしましたときに、この犯罪の予防、即ち経済事犯の予防、それからその犯罪の捜査及び被疑者の逮捕、この経済事犯についても、東京都とか、大阪市、或いは長崎市なら長崎市でそれを行いますときには、それはその地方公共團体の固有事務であるという建前、こういう説明であつたのでありますが、これは速記録を見ればよく分ります。私が追及をして、政府で研究した結果、そう答えられたのであります。それと抵触して來るように思いますが、その点はどう考えますか。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 只今の警察法改正当時の政府の解釈については、どうも私勉強が足りないせいか聞いておりません。私はさように考えておりましたが、尚その点調査するつもりであります。
○岡本愛祐君 警察法と地方自治法の改正について、こういう同種の問題で疑問が起つておりますので、法務総裁に出席を求めて答弁を要求しております。この問題もそれと一緒に御研究を願つて一緒に御答弁を願いたいと思います。 次に、只今中井議員から御質問がありましたことに連関いたしますが、こういう管区の査察廳ができるといたしますと、地方経済安定局、それはおつしやる通り調整のことはやりましようが、存続の必要性が非常に薄くなると思う。これは中央で統一しておやりになる方がよいのだろうと思います。その点の御見解は如何ですか。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 経済査察廳ができました曉において、管区に残る安定局の調整部の機構が非常に小さなものになる。從つてさようなものは引続き存続せしめるよりも、むしろその事務を本部に引上げて、本部に直接やつたらどうか、こういう御質問であるように思うのでありますが、その点は私共もこの案を当初考えましたときに研究をいたしまして、一應廃止する原案も作つて考慮して見たのでありますが、やはり経済行政の表の面において、各現地のいろいろの問題を総合的に調整し、或いは推進を図るというような問題が相当に残るのであります。これを中央だけで全國的に徹底するということは極めて困難でありまして、小規模ながらもやはり必要である。こういう結論に到達した次第であります。
○岡本愛祐君 よく了解できませんが、一應拜聽て置きます。それから少し細かくなりますが、第二十一條に「経済査察官は、経済法令に関する違反事件を調査するため必要があるときは、適当な裁判所の裁判官から臨檢、捜索又は差押の許可状を受けることができる。」、こう規定してありますが、これは臨檢、捜索、差押の必要があるときは、必ずこの許可状を受けるという意味と信じますが、その点どうですか。
○政府委員(國鹽耕一郎君) お説の通り、臨檢、捜索、又は差押をするときは、必ず許可状を受けてからでなければいけないということになつております。
○岡本愛祐君 次にこの法律が出ますると、臨時物資需給調整法の第三條、食糧管理法の第十三條、それから隱匿物資等の緊急措置令第七條、それらの規定におきまして、司法官憲の令状がなくして、事業場や倉庫や何かに臨檢し、捜索のできる規定があります。又それについては罰則も附いております。これはどうなさるつもりか、それを伺いたい。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 臨時物資需給調整法、その他の法令による臨檢、檢査権は、当該官吏が持つておるのでありまして、経済査察官はその当該官吏にならないのであります。商工省なり、農林省なりの、その職務を担当する者のみが臨檢、檢査権を持つておる。それは一應そういう場合において引続き存続するものであります。経済査察官は、專ら経済査察を経済査察廳法に基く権限によりまして臨檢、檢査をする、こういうことになります。
○岡本愛祐君 この点は非常に重大な点だと存じます。この経済査察廳ができまして、経済査察官ですら、こういう所を臨檢、檢査、捜索いたしますときには、司法官憲の許可状、即ち令状を持つて行かなければならない。そういうことに規定をして、政府は必要を認めながら、この新憲法が実施せられる以前にできたこれらの政令又は法律、そういうものに憲法違反的の規定がある、それをそのままに放つて置かれるということは、これは非常に片手落ちのみならず、不忠実なことであろうと思う。この点についても、これは法務総裁に御質問いたしたいので留保いたします。 それからもう一つ、これは関連して伺いますが、この中央経済査察廳以下の査察廳では、もとより物資の生産、配給、及び消費並びに物償に関する経済統制の事項を確保するための事務をやられるのでありますが、現在この日本の生産に非常に隘路になつておるのは運送であります。運輸であります。この運輸につきまして、これは國営でやつておるのでありますが、運輸関係は非常に、いわゆる経済事犯とも言われるべきものが多いのであります。こういうものを経済査察廳が折角できるならば、この第一條に規定してあります以外にもつとやらせる必要があるのじやないか。殊に管区の経済査察廳を置かれまして、そうして行政機関に対する強力な執行をやられようというならば、こういうものが同じ行政官廳ではありますが、そういう面の國営事業に対しても、行政査察をやられる必要があるのではないか、この点に関して、今まで政府において審議せられたかどうか、それを伺いたいと思います。
○政府委員(國鹽耕一郎君) 只今の運輸の点でありますが、「物資の生産、配給及び消費並びに物價に関する」とこうなつておるのでありまして、その「関する」の解釈で、生産並びに配給には輸送をどうしても伴わなければならないということになるのでありまして、私共はこれで輸送を包含してやるつもりでおるのであります。
○岡本愛祐君 これで一應質問を打切ります。
○委員長(下條康麿君) 尚まだ質問がおありと思いますが……。
○中井光次君 ちよつと……、少しかけ離れるが、委員長にちよつと一遍お伺いいたしたいと思うのでありますが、実は私はこの経済査察廳の法案を、治安の委員として、合同審査のためここに列席する機会を得まして、感じますることは、先程ちよつと申上げましたように、出先機関の整理の問題が大変やかましいのであります。この決算委員会においては、行政組織法とか、行政機構に関する問題をお扱いになつております。承わるところによりまするというと、各省設置法案というようなものがどんどん出て來るということは、新聞にも出ております。ところが今までの從來の状況を見ておりますると、これは止むを得ざる必要によつたというところの認定、即ち國会の意思によつて決定されたのではありまするけれども、一面において國民的、或いは國家的意味における出先機関整理の必要を認めており、又政府も認めておりながら、その実行が確保されないという憾みが非常にあるのであります。あと出て來る法案につきましても、個個の問題について個々にこれを論ずるということは、如何にも必要と認められるということによつて、知らず識らずの間に、一方整理の必要を認めながら、事実どんどんと地方の出先機関が殖えて行くという結果を招來しておつたと思われるのでありますので、委員長におかれましては、何かこれは名案がないかということを、実は私はここに参りまして感じたような次第でありまするが、今後出て参りまする各省設置法案なども、ただ野放しの審議をいたしまするというと、その場合には、この地方出先機関の問題は、氣の附かない間にそのままになつてしまうような氣が過去の実績に徴して思われるのでありますが、これらの点につきまして、委員長において何かいいお考えありまするか、ちよつと承わつて見たいと思います。
○委員長(下條康麿君) お答え申上げます。実は行政機構の問題が根本の國家行政組織法案が決まりまして、その裏附になるような各省設置法案も決定して、そうしてその下に或いは外局なり、或いは委員会といろいろなものが設けられて來るわけでありますが、そういうものを一体として見て初めて上下の関係、左右の関係もはつきりするわけであります。從いまして只今我々の手許にあります國家行政組織法案は、実は暫く審議を待つておるのであります。各省設置法案の來るのを待つておるのであります。少くとも大体國家行政組織法案の内容を審議する裏附のある法案の來るのを待つておるわけであります。で、具体的の問題として、今の経済査察廳法案も安本と関係が深いのであります。そうして今のお話にあつた地方出先機関の関係もありますし、それから更に形式論でありますけれども、この案の立て方が、何と申しますか、いわゆる國家行政組織法案と関係なくできたらしいのです。從いましてこれの関係の調節ということも考えなければいけないと思うのです。それで現在私共が扱つております中小企業廳設置法案と経済査察廳法案とは行き方が違つておるのです。それで國家行政組織法案を頭に置いて見ますると、形式論として相当修正しなければならん点があると思いますから、純理論的に言えば、これはやはり國家行政組織法案と一体をなす一環のものとして審議するのが一番妥当だと思うのです。但しこれは非常に忙がしいというのであれば、そういうものを頭の中に描いて置いて審議をして行く。その点についての皆さんのお考え方もあると思いますが、純理論的に言えば、國家行政組織法案が決まつてから審議すべきが正しいと思います。私自身の考えはそうなんであります。
○山下義信君 丁度中井君から、ああいう御意見が出たのでありますが、恐らく中井委員のお考えは、地方出先機関の問題について、この地方制度委員会でも非常に関心を持つておいでになる、こちらの方も各省設置法案が出て参りますので、それらに皆地方主務部局の問題が関連して参ります。かたがた双方で適当に連絡を取つて、この出先機関の問題だけ別に取上げて一つ研究する、決算委員会との間に両者の何か連関点をお氣附きではないかと思いますので、これは両委員長が一つ御相談下さいまして、治安の方で地方出先機関に関する小委員会でも持つておいでになりますようでございましたならば、決算の方もその方と緊密な連絡を取つてやる必要があるのではないかと思いますが、この点一つ両委員長の方で御研究を願うことにしたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○吉川末次郎君 治安及び地方制度委員会では小委員会を組織いたしましてそうして実は今の中井さんにその小委員長になつて頂いて專ら御研究を願つておるのです。まあ最近中井さんのお手許に結論が出ておりますから、その問題については、関係筋からも意見の提出を求められておりますので、提出するようなことにもなるかと思うのですが、今決算委員会の山下さんがおつしやるように、決算委員会と何らかの関連性を持つものができればいいと思います。
○委員長(下條康麿君) もう成案を得たのですか。
○中井光次君 まだです。
○吉川末次郎君 いつまで掛かりますか。
○中井光次君 会合はもう二度ぐらいでしよう。
○委員長(下條康麿君) 中井さんに申上げますが、若しその案ができましたならば、決算委員会に御連絡願いたいと思います。
○山下義信君 吉川委員長にちよつと御所見を承わつて置きたいと思います。というのは、新警察制度が施行せられるに当りまして、從來の保安課で取扱つたものが、ここに派生的にこういう形で現われて來ておるのだと見ておるのですが、併しこの法案の内容を見ましても、実質的には殆んど従來の警察の何はそのまま使われるということになつておるのです。それでその他は、これは安定本部等も少し荷が重過ぎる、大仰に盛つたような感じがするのですが、而も行政縮小の問題と勘案して考えた場合には、相当これは考えざるを得ないと私は思うのですが、委員長はどういう工合にお考えになつておるか、一つ……。
○吉川末次郎君 それは全く御読の通りだと思います。併し警察制度の改正が行われますときの関係方面とのいろいろな交渉の経過等について、大体岡元議員も御了承下さることだろうと思いますが、そうした警察制度の改革と相関連して、やはりこうした経済査察のための機関を、それ以外に設置するというようなことが、やはりそうした経緯に相関連して、同様に進行して來たのであると大体我々は了承いたしておるのです。それで第一國会のときから警察制度の改革の問題、即ち警察法の審議に関連しまして、そうしたものができるのであるということと関連性を保ちつつ、警察法の審議を我々の委員会でやつて参つたようなわけであります。
○山下義信君 私はちよつと決算委員長に伺いたいのでありますが、経済査察廳法案の附則には、本法案は六月一日から実施するということに原案はなつておるのでありますが、これが事実上到底不可能でありますことは、もうあと三日しかございません。日曜もあるわけであります。この点について政府に何かお考えがありますか、委員長から尋ねて頂きたい。それから審議の手数を省きますために、この経済査察廳の機構、部局の所掌、事務の分担表、機構表というようなものの資料を一つ提出を頂きたい。尚且つこの経済査察廳法の設置に伴います予算等の資料も、併せて政府に御請求を願いたい。
○政府委員(藤井丙午君) 山下委員の御質疑のごとく、六月一日ということは、まだ衆議院の方の審議も中途にあるような状況でございますので、到底本院におきましても御審議、御決定願うということは不可能な次第でございますので、多少の延期は止むを得ないと存じますが、できるだけ短時日の中に、國会方面でも審議を終了して頂くようにお願いいたします。
○委員長(下條康麿君) それでは本日はこの程度にしておきまして、次回は六月一日、火曜日、午後一時から引続き連合委員会を開くことにいたします。その場合には安本長官と、法務総裁に御出席を願いたいと思います。尚山下委員、中井委員から御請求の資料は、その際提出して頂くことにいたします。
○山下義信君 そういたしますと、附則の施行期日の点については、これは政府の方から修正案をお出しになりますか。どういうふうな手続になりますか。一應この案を引込められまして、その点を別に書き改められて御提出になりますか。どういう処置をおとりになりましようか。
○委員長(下條康麿君) これは今までありました例によることになると思います。それでは散会いたします。 午後三時一分散会 出席者は左の通り。 決算委員 委員長 下條 康麿君 理事 山下 義信君 委員 岩崎正三郎君 堀 眞琴君 中川 幸平君 伊達源一郎君 治安及び地方制度委員 委員長 吉川末次郎君 理事 中井 光次君 岡田喜久治君 大隅 憲二君 草葉 隆圓君 黒川 武雄君 奧 主一郎君 岡本 愛祐君 岡元 義人君 阿竹齋次郎君 小野 哲君 政府委員 経済安定財務大 臣 藤井 丙午君 総務廳事務官 (経済安定本部 國鹽耕一郎君 監査局長)