予算委員会 第40号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/06/25
会議録
○小坂委員長代理 それでは会議を開きます。 先日に引続きまして質疑を続行いたしたいと思います。先日の本間君の御質疑中、商工大臣に関する部分が殘つておりましたから、この際これを許します。本間俊一君。
○本間委員 現芦田内閣の二十三年度の物資需給計画を見ますと、昨年度よりも四割の増加をねらつておられるようであります。その前提條件は、御承知のように、アメリカの一億五千万ドルの復興クレジツトの問題、それからもう一つの前提をなしますものは、何といいましても、石炭の増産の問題であります。そこで復興クレジツトの問題はしばらくおきまして、二十三年度の物資需給計画の基礎であります石炭の問題につきまして、私は商工大臣にお尋ねをいたしたいと思うのであります。政府は昨年の三千万トン計画を一割増加いたしまして、三千三百万トン計画をお立てになつたのであります。ところがその後さらに一割を増しまして、三千六百万トン計画に御変更になつたのでありますが、これはどういう理由によつてこの変更を見られたのでありますか、その点をまずお伺いいたしたいと思います。
○水谷國務大臣 本間さんにお答えいたします。御案内の通り、去年の國管法の論議の時におきまして、私は國会において石炭増産五箇年計画の初年度といたしまして、五千六百カロリー、三千三百万トンを最初に出しましたことは、本間さんも御案内の通りであります。しかしマツカーサー元帥が、その当時に片山総理にあてられました書簡におきましても、この法案通過の曉におきましては、石炭の飛躍的増産が期待されねばならないというような意味の書簡を、われわれは受けたのであります。そこで去年の十一月から非常に上つてきまして、十二月に約三百万トンに近い成績を收めることによりまして、われわれは適切なる手を打ちますならば、二十三年度三千六百万トンにデヴエロープすることが可能であるという見透しを立てまして、一度立てました二十三年度の三千三百万トンは、日本政府の責任において三千六百万トンまでデヴエロープをしたような次第でございます。
○本間委員 三千六百万トンに計画を変更いたしました理由は、ただいま水谷商工大臣の御答弁で明瞭であります。そうしますとこの三千六百万トンを何とかして掘らなければならぬ。また掘る可能性が十分ある。こういう御見解のもとに、三千六百万トンの計画をお立てになつたということが、ただいま明らかに相なつたのでありますが、そうしますと、これはどうしても何とかして三千六百万トン掘らなければならぬ。またこれは可能である。こういう御説明でありますが、なるほど昨年の十二月はただいま御示しのように二百九十五万トンの出炭があつたのでありますが、ところが四月は御承知のように二百五十八万トンでありまして、目標の九一・三%であります。五月は二百六十三万トンで、目標の九〇・七%になつておるのであります。十二月は御承知のように、ただいま商工大臣のお示しになりましたように、非常に出炭が上つたのでありますが、二十三年度になりまして、四月、五月の実績を見ますと、何かしら私は石炭の前途が暗いような感じがいたすのでありますがはたして水谷商工大臣は、ただいま御言明に相なりました通り、三千六百万トン掘れる自信がおありであるかどうか、この点をお尋ねいたしたいのであります。
○水谷國務大臣 ただいま本間さん御指摘のように、四月、五月は出炭量が落ちまして、九〇%をわずかに上まわるような結果に終りましたことは、まことに遺憾でございます。これは御案内のように、去年の國管法案の審議のときから炭價の改訂ということが議論の中心になつておりまして、大体われわれは四月一日から遲くとも炭價の改訂をやりたい。また経営者の側におきましても、それを目途としてやつてきたのでありますが、いろいろの事情におきまして、その炭價の改訂がずれ、さらにまたそれと表裏一体の労働不安の問題が起りまして、四月五月まで出炭が落ちましたことは、ただいま御指摘の通りでございます。しかし遲れておりましたところの全石炭の労働紛議も解決いたしまして、六月にはいりましてから四月、五月一番出炭率が落ちておりました北海道が九六%を占めるということになりまして、六月の上旬は九六%、さらにまた六月の中旬は大体九九%という成績を占めまして、六月全体の出炭量は、大体計画の九九%までいけるというただいまの見込みであります。さらに七月八月には一〇〇%を上まわる成績を占める採算をしておりますので、四月、五月に落ちました出炭量は、七月、八月に取りかえしまして、上期におきまして大体計画の出炭量を達成する見込みでございます。このようにいたしまして、あと下半期と申しますと、これは去年の例、あるいは例年の例においても、石炭は下半期におきまして非常に飛躍的に増産することになつておるのでございますが、そういう見当からいたしますると、政府が言明いたしました三千六百万トンというものは達成可能であるというぐあいに考えております。
○本間委員 六月の出炭が大分四月、五月後不振を回復しておるようなお話がありましたが、これは國家のためにたいへん私どもも喜んでおるのでございます。四月、五月の出炭が思うように運ばなかつた結果と思うのでありますが、司令部の方も相当心配されまして、現地に特別調査團を派遣いたしまして、増産の隘路をいろいろ施べておるようであります。これは私ども敗戰はいたしましたが、日本人といたしまして、再三司令部のごやつかいになることは、お互いに感心したことではないのでありますけれども、何としても石炭の問題は、ただいま水谷商工大臣もお示しのように、日本の産業復興にとりまして、一番基礎的な問題であります。この特別調査團が、現在の坑内のいろいろの條件を調べた結論だと、私は承知いたしておりますが、政府の生産計画を遂行できないというような炭鉱は一つもない、こういうように前提いたしまして、四月、五月の出炭不振については、双方のことだろうとは思いますが、責任感がいくらか薄らいでおるのではないかという点を強調しておるように、私は承知いたしておるのであります。事実石炭廳に集まりました労務者の就業状態を見ますると、三菱の美唄炭坑では、五月の坑内夫の就業率は、在籍者六百四十二名のうち四百十九名でありまして、これは六五%にすぎないのであります。一月の八三%ら比較いたしますると、一八%低下を示しております。さらに坑内夫のうち先山の場合を見ますと、在籍者百二十名のうち、就業いたしました方々がやつと半分ちよつとでありまして六十三名であります。後山は六八%の就業率であつたのであります。これらの休みました人々はほとんど有給休暇をとつております。こういう点を勘案いたしますると、どうも私は就業規律と申しますか、これが多少ゆるみができておるのではないかという感じがいたすのであります。八時間の労働制がはたして実施されておるかどうかという点を、五月の実績に照らして調べてみますと、五月の在坑時間は平均七時間四十分であります。実際に働きました時間は四月の平均が五時間四十五分になつております。歌志内炭坑に坑内夫の四月中の在坑時間でありますが、これはわずか六時間四十八分、また平和炭坑もそうであります。坑内夫の就業率は二月は八四%でありましたものが、四月には七二%に下つております。さらにこれを職場別に就業時間を見ますと、規定の八時間が守られておらない。職場を離れる久々が、掘進夫で申しますと八四%採炭夫で見ますると九五%、仕繰夫がほとんど全部、運搬夫も九五%でありまして、八時間以上殘業いたしております人々には、皆無になつておるというふうに、私は二、三の例を申し上げたのでありますが、承知いたしておるのであります。そうしますと、先ほど商工大臣のお話にもありました通り四月、五月は多少労働不安の関係もあつた、こういうことを卒直にお認めになつておられるのでありますが、その結果こういつたような実例を私は示しているのではないかと思うのでありますが、結論的に申し上げますと、八時間労働制は実際には行われていない、守られていない、まつたく空文に帰しているように、私には思えるのでありますが、この一点一昨日私が労働大臣に、九州の調査團の報告によりますと、どうしても三千六百万トンの目標を達成するためには八時間労働ではなくして九時間労働、一時間労働時間を延長さえしなければならぬではないか。こういうふうな結論が高調せられているようである。こう私は聽いたのでありますが、労働大臣は一昨日の本委員会におきまして、労働基準法によります八時間労働制を実行するという方針で、一時間の労働時間の延長は、自分は承認するわけにいかぬ、こういう意味の御答弁をなさつているのでありますが、この点に関しまして、水谷商工大臣はどういう御見解をもつておりますか、この際明らかにされたいと思うのであります。
○水谷國務大臣 まことに本間氏の御指摘のように、石炭企業はほかの一般産業と異なりまして、七五%程度が労働力に依存しておりますので、石炭が出るか出ないのかということは、勤労意欲に依存する点がまことに重大であると思うのであります。ただいまお示しになりましたいわゆる八時間労働であるにかかわらず、坑内に実際に働いているのは、相当下まわつているということは、山によつては事実でございましよう。しかしそれには坑口から現在の仕事場に着くまでに往復の時間を相当要するところもありまして、すべての責任を労働者に帰するというわけにはまいりかねると思うのであります。從つて八時間労働で三千六百万トンの責任を果せる山もありましようし、あるいはまたそうでない山もあろうと、私は原則論としては考えております。しかしながら、さいわいそれは去年の國会を通過いたしました生産協議会におきまして、労資双方が山々の特殊性に應じて現状に即して自分の働く時間をきめてくれるものと期待しておりまして、政府みずからが強制的にどれくらい働けと言うことは避けまして、一途に生産協議会を通して下から盛り上る意欲によつて、それらの問題をば処理していきたいと考えております。
○本間委員 私は二、三の実例を申し述べまして、八時間労働制が実際に行われていないが、その責任を一方的に労働者の側にのみ帰するという考えは、私は毛頭ないのであります。ただ現われました結果について申し上げたのでありまして、それが結局日本の石炭の生産に、非常に影響をもつてくることになりわせぬかということを指摘したしたのでありまして、決して一方的にその責任を労働者側に帰しようというような考えは、毛頭ないのでありますから、その点はひとつ御了承を願いたいと思うのであります。八時間労働制が実際行われていないというのは、なるほどただいま水谷商工大臣の言われた通りに、前後の通勤時間が、距離が遠いものですから、非常にかかるというようなことも一つの原因であろうと、私は思うのであります。またこれは労資双方に責任がある問題じやないかと思うのであります。殊に石炭は水谷商工大臣も言われるように、その労働力の七割以上も依存しておりますという現実から見ましても、この点は水谷商工大臣のお示しの通りだと思うのでありますが、何といたしましても、石炭の増産を実現いたしますためのは、この炭鉱で働く人々が大いに奮発をいたしまして、働いていただかなければ、増産はとうてい望めないという実情にあるのでありまして、なるほど水谷商工大臣は、生産協議会を通じて、働く人々の盛り上る勤労意欲を土台にして、この問題を解決していきたい。こういう御方針であられるのでありますが、なるほど当局といたしましては、何時間働け、あるいはどうしろというような強制的な処置をとられることには、いろいろ御意見があるであろうと思います。しかし三千六百万トンは、何としても二十三年度は達成したいというのは、これは國民全体の願望である。そういう観点から、私は実際を見ておりますと、どうも水谷商工大臣が生産協議会で、盛り上る意欲によつて、それを達成したいといわれるその趣旨は、私もまつたく同感でありますが、はたしてそれで七五%依存いたしております炭鉱の労働力、勤労力というもので、今日三千六百万トン掘らなければならぬという要請に適合するかどうかということに、どうしても私は一抹の不安を抱いているのであります。 次に資材対策についてお尋ねをいたしたいのであります。炭鉱に向けられます資材は、昨年以來一貫いたしました最重点主義が採用せられているのであります。最も必要なのは鉄材でありますが、これは一般に不振であります。特に一般炭鉱で不足しております薄鉄板、バイプ、レール、これは石炭廳の調査によりましても、今山元に送られておりますのは、ほとんど半年前、昨年十月から十二月までの割当を受けたものが、今山元に届いているように、私は承知いたしているのであります。薄鉄板を例にとりますと、昨年の第三・四半期、すなわち十月から十二月までの割当百五十万トンの現物化が、ようやく先月の五月末に終つたわけでありまして、本年第一・四半期、四月から六月までの割当の薄鉄板というものは、本年の暮ごろにならぬと、山元に到着しないのではなかろうかという心配をいたしているのでありますが、薄鉄板に関しまして、水谷商工大臣は、どういう御見解をもつておられますか、お伺いたします。
○吉田(悌)政府委員 お話の通り、資材の中で薄鉄板は、割当をきめましてから、ロールをいたします関係上、毎期若干ずれております。今回もおそらく第一・四半期の割当を終りまして、第二・四半期も追つて割当をいたしますが、その入手はおそらく四箇月程度遅れると思うのであります。ロール・プランを立てます関係上、大体四箇月ないし六箇月は遅延をいたしております。
○本間委員 薄鉄板に次ぎましてパイプ類でありますが、これも薄鉄板同様、昨年の第三・四半期分が、ようやく先月の末に現物化が終つたわけでありまして、本年の第一・四半期の割当でありまする五千五百トンの現物化はこれもおそらく、本年末でないと現物化される見込みが薄いのじやないかと、私は考えるのでありますが、この点はどうでありますか。
○吉田(悌)政府委員 ただいまの仰せの品物は、すベて鋼鈑の中で一番隘路となつております。いろいろの需要の中で、鋼管類あるいは薄鉄板が一番の隘路でありまして、需給の最もきゆうくつなものであります。のみならず割当が決定しましてからロール・プランを立てますので、若干時期のずれがございます。從いまして、パイプ類につきましても、薄鉄板同様、やはり最高半年ぐらいまでのずれができるものと考えております。
○本間委員 資材につきましても一点お尋ねしたいのであります。 次はレールでございますが、レールも昨年は四万二千トンの計画であつたのでありますが、鉄道の方の要求にだんだん押されまして炭鉄用の資材を見ますと、やはりこれも先月末で約半分、五〇%を現物化されたにすぎないように、私は承知しているのであります。殘りの方は鉄道の古いレールを千五百トンまわしまして、そうして七月いつぱいに何とか形をつけようというような実情になつているのであります。そういたしますと、本年度の第一・四半期の割当でありまする二千四百トン、これもやはり今年の九月ごろにならないと、山元に到着しないのではないかというふうに、私は観測いたしているのでありますが、この点はどうでありましようか。
○吉田(悌)政府委員 レールにつきましても、生産が非常にずれております。おそらくやはり十月以後にならぬと新しいレールは出ないと思いますが、とりあえず仰せの通り運輸省から古いレールの払下げを受れましてやるわけであります。運輸当局とも、とりあえず古レールを上半期のうちに、若干割当てたいというようなことで御相談いたしております。その入手の時期は、おそらく七月から九月までの間であろうと考えております。
○本間委員 ただいま石炭増産の資材がもつとも重要であり、また隘路になつております薄鉄板、パイプ類、レールこの三つについてお尋ねをいたしたのでありますが、大体私の観測と同様の御答弁を得たのでありますが、政府当局の御言明から判断をいたしまいても、石炭と鉄の惡循環が、出炭目標が多くなつたものでありますから、さらにその惡循環関係が一段と大きく展開をしているのではないかと思うのであります。從つて出炭目標の引上げをいたしましたので、さらに問題は一段と深刻化しはしないかということを憂えているのであります。この点につきましては、商工省当局もひとつ大いに御奮発を願いたいのでありますが、次に水谷商工大臣は、昨年石炭の國管法が通過いたしますときに、マツカーサー元帥の片山総理大臣にあてた書簡によつて飛躍的な増産をしなければならぬ。こういうことで國管法が通過をいたしまして、この四月一日から実施をせられたわけであります。國管の中心運営機関である全國炭鋼管理委員会でありますが、この委員の任命が五月行われまして、これらの全國炭鋼管理委員会の初めての会合が開かれたのが、五月十三日であります。國管の管理の対象と相なります炭鋼の指定に、いろいろ時間がかかつたようでありますが、これがほぼ完了したのが六月十一日でありまして、この六月十一日に四十二の炭鋼が指定せられたのであります。こけから指定を受けました各炭鋼の業務計画がつくられまして、そうして新たに設置せられる生産協議会で、労資がこれを檢討いたしまして、石炭局長がこれに承認を與えて、一通りの形が整つてくるのでありますが、そういうふうにいたしますと、水谷商工大臣の増産の一枚看板であつた國管が、本格的に実施されてまいりますのは、九月か十月ということになるのではないかと、私は想像いたしておるのでありますが、水谷商工大臣は、この点どういうふうにお考えでありますか。
○水谷國務大臣 ただいま本間さんの御指摘のように、準備その他の点に関して遅れましたことは、まことに遺憾でございまするが、そうかと申しまして、ただいま申されたように九月、十月でなければ、國管が本格的に滑り出さないとは、われわれは考えられておりません。われわれは諸般の準備を着々やつておりますので、大体七月から全面的に滑り出すというぐあいに考えております。
○本間委員 水谷商工大臣の御答弁では、私が考えておるよりも早く、すなわち來月あたりから、國管がその効果を現わすであろう。こういうお見透しのようでありますが、この点は私と観測が多少違うのであります。これからともかくも業務計画を立てまして、生産協議会で労資がこれを檢討する。石炭局長がこれに対して承認を與えるというのでありますから、國管が実際の効果を現わしてまいりますのは、どうしても水谷商工大臣の御観測よりも、二箇月くらい遅れるのじやないか、こういうふうに私は観測いたしておるのであります。そういたしますと、水谷商工大臣の、増産のための一枚看板でありました國管が、第三・四半期くらいからしか効果を現わしてこない。またはたしてこの國管を実施することによつて増産になるか、増産にならないかということも、これは議論がありますけれども、それは百歩譲りまして、國管が増産のために役立つという前提に立ちましても、第三・四半期ごろからでないと、この効果が現われてこない。こういうふうに私は見るのであります。そうなりますと、二十三年度中に、水谷商工大臣の言われるように、國管が実際増産の役に立つしいうふうに前提をいたしましても、その國管によりまする効果というものが、きわめて薄いものになつてまいるまであります。殊に九月十一日に指定炭鋼四十二を発表せられたのでありますが、これが発表せられました後の業界を見ますと、なるほど今回の指定から漏れた炭鋼は四百余りあるのでありまして、ちようど昨年の実績で申しますならば、全出炭量の四割六分を占めておるのであります。これらの指定から漏れた四百余りの炭鋼でありますが、これらの炭鋼についても、政府は資材あるいは資金のめんどうをみるということを言われてはおるのでありますけれども、ともかくも政府が指定をいたしたのでありますから、その指定をした炭鋼に重点が注がれるにきまつております。そうなると、指定炭鋼に比ベて資材あるいは資金の関係においても、格段の差が生じてまいりますことは、爭われない結果になるのではないかと思うのであります。そうすると結果から申しますと、なるほど四十二の炭鋼は指定を受けました。そうしてこれは政府当局の手厚いいろいろな援助を得られると思うのでありますが、その指定炭鋼に重点を注ぎます。その犠牲にむしろ四百余りの炭鋼がなるのではなかろうか。こういうことで業界を見ますと、心理的にも心配をいたしておるように思うのでありますが、この点に対しまして、水谷商工大臣はどのような対策をおもちになつておられますか。
○水谷國務大臣 本間さんにお答えいたしますが、指定をするについては、全國炭鉱管理委員会の経営者の代表には、いわゆる大手筋の代表者、あるいは中小炭鉱の代表者、それに應じた労働組合というものがありまして、それらの点は十分に檢討されたのであります。ただ指定炭鉱と指定されない炭鉱におきまして、資材、資金の面において、どうなるかということは、資金、資材が相当潤沢にまいります場合には、私は指定炭鉱を非指定炭鉱に、そう大して差別をつける心要もないし、またつけたくないと考えておるのであります。ただその指定炭鉱とそうでない炭鉱との間に、多少の差別がもしつくといたしますならば、それは今後日本のインフレーシヨンの進行状態とにらみ合わせまして、資金資材がどのようになつてくるかという現実の結果として、ある程度の差のつく場合はあり得ると考えております。しかしながら、われわれといたしまして、たとい山数は少くとも、出炭量は五割以上を占めておるのでありますから、それに全力を盡して、ほかの犧牲にするというようなことでは、三千六百万トンは断じて達成できないのでございますがゆえに、われわれは指定炭鉱とその他の炭鉱とにおいて、多少の差別が起り得るとは常識的に考えております。しかしながら、格段の差別を行いまして、その結果三千六百万トンに支障を來すというようなことは、絶対に避けたい、このように考えております。それらの点は、全國炭鉱管理委員会の審議の事情を通じまして、得心いくように、労資双方に御説明申し上げておりますので、それらの点が山々に流れますならば、そういうような不心要な不安というものは、一掃されると私は考えております。
○本間委員 指定を受けた炭鉱と、指定から漏れた炭鉱の処置について、できるだけ差別をつけない。そうして三千六百万トン全体としての増産の目的を達成するように、商工当局としては対策を立てていく。こういう御言明でありますが、これは理論の上から申しますと、必ずそうであろうと私も思うのでありまして、水谷商工大臣の御方針を、私は了承するものでありますが、しかし水谷商工大臣もお認めになりましたように、これはきわめてデリケートな心理状態に影響をもつておるのであります。これは人情として、商工省が指定をいたしました炭鉱の方が成績が惡いというようなことになるとたいへんでありますから、どうしても指定をした方に、人情からいつても力がよけい傾くのであります。指定漏れになつた炭鉱の方は、どうしてもその点が薄くなるので、そうすると指定を受けなかつた炭鉱の労資双方の人々が、心理的にどうしてもいろいろな影響をこうむると思うのでありまして、その点はどうも水谷商工大臣の御言明のようなふうには、実際はいかないのじやないか、こういうふうに私は考えておるのであります。 それから一昨日第一次物價の補正を政府は発表せられたのでありますが、その中で、石炭の消費者價格は三千一百七十四円、生産者價格は二千三百八十八円五十三錢、こういうようなふうに御決定になつたのでありますが、この第一次物價補正で発表になりました消費者價格、生産者價格、これは商工省が、前にうわさされておりましたように、カロリー制と言いますか、カロリー主義と言いますか、そういう御方針で、そうしてまた、さらにこまかな炭價をおきめになる、こういう御方針でありますかどうか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
○水谷國務大臣 その点に関しましては、ただいま本間さんの御指摘の通りの方針でやつていきたいと思います。 さらに、ついでに申しておきまするが、さつきの指定炭鉱と、それから指定されない炭鉱のアンバランスの問題でありますが、これは全國炭鉱管理委員会に、指定されたものと指定されないものとの、労資双方の代表がはいつております。さらにまた御案内のように、地方の炭鉱管理委員会にも、指定炭鉱と、指定炭鉱以外の代表者もはいることになつておりますので、そういう点から申しましても、格別の差別をつけるというようなことは、実際の上においても絶対できないことであるのでありまして、その点はひとつ御了承を願いたいと思つております。
○本間委員 そういたしますと、炭價は大体水谷商工大臣の御答弁で明らかになつたのでありますが、全國十の地区にわけまして、そうしてこの集團單一價格につきまして、過去の生産経費の実績を基準として、そうしておきめになるのだろうと思うのでありますが、しかも各地域内の各炭鉱の炭價は、ただいま私が申し上げましたような標準炭價を基準といたしまして、百カロリーごとに差をつけて決定する、こういうことに実際相なると思うのでありますが、そうなるというと、四千カロリー以下のものが、ちようど月産にいたしますと十万トンの出炭量をもつておるのでありますが、これらの百の炭鉱は、ほとんど経営が不能に陷るのではなかろうか。なるほど今回の炭價の決定には、一應企業の合理化というような要素もあると、私は聞いておるのでありますが、もしこの線に沿うて企業の合理化を促進しようとされますというと、私が先ほどから申し上げておるように、三千六百万トンの達成には、またいろいろな不利な影響をもつのではなかろうか、こういうふうに私は思うのでありますが、この点どういうふうに打開されますか。
○吉田(悌)政府委員 お答えいたします。炭價がきまりまして、これを石炭の品位別に開くわけでございます。ただいま仰せの通り百カロリーごとに三%あるいは四%の差をつけまして、價格を開くわけでございます。從いまして、カロリーの低い炭、たとえば四千カロリー以下、あるいは三千カロリー前後の炭になると、いきおい非常に低い炭價になるのでございます。このことは、從來この開きをなるベく狭くしておつたのでございますが、やはり品位を向上してまいります建前から言いますと、どうしても消費者の関係から申しますると、石炭の品位を向上する必要がございますが、その建前から申しますると、カロリーのいい炭の値段をよけいにして、値差を十分にいたしまして、選炭その他によつて品位を上げていくということをやらせる必要があるのでございます。そういう必要から、この差をだんだん開いてまいつております。ただいま仰せのごとく、四千カロリー以下の程度の炭におきまして、從來二%刻みのものを、今回三%刻みにいたしましたので、ことさらごく低カロリーの炭は、低い價格をもつて配炭公團が買うわけであります。一面そういう山でも、まだ労働賃金等は全國協定によりまして、一本にきまつておりまする関係上、採算が非常に惡くなつてきます。こういうことは、当然でございます。また一面先ほど來問題になつておりますように、三千六百万トンを何とかして掘り出すということは、今年の大きな目的でございますので、その小さい山のものもはいつて三千六百万トンでございますから、どうしてもこの人たちの生産をゆるがせにするわけにはいかぬのでございます。從いまして炭價を開きますところの、その炭價の配分に関しましては、ただいま民間の関係の方を集めまして、物價廳で専門委員会を設けております。そこでこの品位の配分等もいたしておるわけでありますが、その際において御協議を願いまして、採算割れになるような山に対しては、ある程度共助的な金をつけて、これを待遇する、こういうことに今立案中でございますので、採算上からいたしますと、高くなつたことではないかと思いますが、何とかやつていける程度の値段で買い上げていく、こういうことにもつていきたいと思います。なお將來の問題といたしましては、三千三百カロリー以下程度の炭になりますと、やはり需要面においても、相当最近においてはむしろ余つておるような状況でございますので、逐次こういうものを範囲外に落していくという方法をとつておりますが、今回はただいま申しましたように、三千六百万トンの生産範囲内に置きまして、三千六百万トンを助けていく、こういうふうに考えております。
○本間委員 そういたしますと、カロリーの低い炭鉱の経営が、私の指摘いたしましたように非常に苦しくなつてくる。あるいは赤字が出るかもしれない。その場合には、政府は共助的な意味で、どういうふうにするかということを、ただいま具体的な案を練つておる、こう言うのでありますが、そういたしますと、その前に補給金のような意味で、これらの共助の施設をやられる御方針でありますか。それともまた炭價を別に、これらの経営の困難な、あるいは経営の不能に陥るような、カロリーの低い炭鉱に対しまして、政府が補助をせらるる御方針でありますか、こまかな点はどうでもよいのでありますが、大体商工当局の御方針をこの際承つておきたいのであります。
○吉田(悌)政府委員 政府として特別な補助金その他を出すことは考えておりません。要するに炭價の中から、高いカロリーの生産を主体とする山、その他採算上有利な、要するに低カロリーの山よりも有利な生産をいたしておりますようなところから、炭價の中からこれを割いて與えていく、こういうわけであります。
○本間委員 そうするとカロリー主義をとつて、そうしてカロリーの高いものにかえていこうという御方針と、今度の政府の炭價改正の方針というものが、矛盾してくると私は思うのでありますが、この点はどういうふうにお考えになりますか。
○吉田(悌)政府委員 炭品位を全般的に上げていくことは、先ほど申し上げた通りでありますが、経過的問題といたしまして、小さい山も、やはり三千六百万トンの生産の中にはいつておりますので、低カロリーのものも、生産ができる程度にしていきたい。こういうことであります。將來の問題としては、逐次カロリーの高い方に有利になつていくようにいたしたい、こう考えております。
○本間委員 なるほど、カロリー制に炭價の改正をもつてまいりまして、そうしてカロリーのいいところによけい金のいくような炭價のきめ方を商工省は今度とられた。ところがカロリーの低い方へ、カロリーの高い山で得た利益金と言いますが、あげました生産、それを今度は低い方にやるというのでは、これはどうも政府のカロリー主義で、そうして炭の性質をよくしていくという御方針と、私は一貫しないと、こう思うのですが、この点どうでありますか。
○吉田(悌)政府委員 今回炭鉱によりまして、價格に比較いたしましてわずかの金額を割いてプールしたい。要するに経過的にそういう措置をとりたい。そういうことでございます。
○本間委員 その点は納得がいかないのですが、せつかく炭の性質をよくするという意味合で、わざわざカロリー主義をとりまして、價格に差をつける。ところが低い方は高い方の得た炭價から、もちろん全部ではないでしようけれども、その一部をやるということになりますと、どうも商工当局の炭價政策というものは、趣旨が一貫しないと思うのでありますが、これ以上お尋ねいたしましても同じでありますから、私はこの程度にいたしますけれども、今度の政府のおとりになりました炭價政策は、私はいいと思うのでありますが、私がただいま指摘いたしましたような点を十分考慮せられて、炭性質を向上する、しかし総体の出炭量もはかるというところをねらつて、どうかその原則において、方針において一貫するような具体的な新しい案を立てていただくように要望いたしまして、次の問題に移ります。この二十三年度におきまして、炭鉱の企業の整理というものを、一体商工当局はもくろんでおられるか、この点はどうでありますか。
○水谷國務大臣 本間さんの御質問は、ちよつと私ではわかりかねるのですが、原則的に申し上げますならば、本間さんも今度御案内のように、亞炭においてさえ三千カロリー以下の山は統制からはずすという考え方は、石炭の場合においてもとられなくてはならぬ考え方であると思うのであります。これはまだ確定しておりませんが、本間さんの御質問がきわめて抽象的でありますので、私も抽象的にお答えしておるのであります。方針としてはそういう方針であります。たとえばカロリーの三千五百なら三千五百に対して、あるいは石炭も三千五百カロリーにするか、あるいは三千三百にするかということも、いろいろ檢討しなければならないと思います。それがかりに統制からはずすというようなことになれば、はずされた山と採炭その他のくふうによりまして成り立つていく山と、あるいは成り立たない山とが起つてくるのではないか。このように考えております。
○本間委員 それからこの炭鉱の保安衞生でありますが、これが労働省との間に、まだいろいろいざこざが続いているように、私承知いたしているのでありますが、どういうように御解決されるお考えでありますか、この点をお伺いたします。
○水谷國務大臣 この保安衞生の問題に関しまして、労働省側におきましては、労働基準法という法の建前があり、また商工省側においても、國管法という建前があるのでございまして、生産と保安というものが、表裏一体するものと考えまして、商工省といたしましては、從來通りの方針でやつていきたいと思つております。労働組合の方は、なるベく労働省の方へもつていきたいと考えておりますが、経営者並びにかんじんの技術者が、どうしても商工省のままでやつていつてもらいたいと言つておりますので、今両省で檢討をいたしまして、さらにまた國会の側におきましても、鉱工業委員会、あるいは労働委員会の御意見も聽きまして、きわめて近い間にこの問題を解決したいと思つております。しかしながら、保安の問題といたしましては、管轄いかんにかかわらず、一日もゆるがせにできない問題でございますので、このたびの商工省の総務局のうちに、この鉱山保安部というものを設けまして、商工省の責任において、生産と保安とをやつていくという建前をとつている次第でございます。
○本間委員 そういたしますと、きわめて近い將來に、この問題は解決されるだろうという御答弁でありますが、從來の通りに、商工省の方の主管ということで、大体解決するのでありますか。
○水谷國務大臣 その点は私からはつきり申し上げることを差控えたいと思いますが、商工省の希望といたしまして、さらにまた國家管理法が通りまして、石炭増産の最終責任者が商工大臣におかれている法の建前からいけば、私は商工省がこの生産と表裏一体である保安問題も担当すべきものであると考えております。
○本間委員 商工大臣のお考えは私もよくわかつたのでありますが、労働者の方は、そういつたような建前に立つておられると思うのでありますが、商工省と労働省との両者の話合いできめるのでありますか、それともまた総理なら総理が、これに対していずれかに決裁をされる方法をとるのでありますか、その点いかがでありますか。
○水谷國務大臣 私として一番好ましい解決の方法は、それに関係する労働組合、経営者、技術者の意見を尊重し、さらにまた國会の鉱工業委員会、労働委員会、これらの御意見を聽きまして、労働大臣並びに商工大臣の責任で解決するのが私は好ましいのではないかと思つております。
○本間委員 石炭増産にあたりまして一番大切と思われます労務関係、これについてお尋ねをいたしました結果は、なるほど私の指摘いたしましたように、八時間労働制というものは、実際は守られていないだろうと思う。実施されておらない。これは結果から見てでありますが、しかし水谷商工大臣もみずからおつしやられておるように、石炭の増産は七五%労力に依存しておるのである。そうすると水谷商工大臣が生産協議会をつくりまして、この生産協議会で炭鉱に働く勤労者の人々の盛り上る意欲を土台にして、労働生産性の向上に努めたい。こういう方針のように私伺つたのでありますが、そういたしましても、私はこの労働力の生産性の向上というものは、はたして三千六百万トンを掘るに十分な結果を生み出すのであるかどうかということについて、先ほども私が申し上げたように、私は大きな疑問を抱いておる一人であります。 それから資材関係をお尋ねいたしたのでありますが、資材関係は先ほど商工当局の御説明にもありましたように、どうしても四箇月ないし半箇年のずれはある。こういうわけであります。しかもこれが昨年もそうであつたのでありますが、本年になつて何か新らしい資材が山もとに到着いたしますまでの半箇年くらいの遅れを打開する方法は一体あるのかどうかということをお尋ねいたしたのでありますけれども、これもやはり昨年と同じように四箇月ないし半年は遅れるであろう。こういう御答弁であります。それから商工大臣の一枚看板にいたしております國管法も、水谷商工大臣のお話によると、七月からこれが実際に効果を現わすのじやないかというのでありますが、七月はどうしても業務計画を立てるのに手間どりますから、私は七月はその効果を現わしてこない。どうしてもその効果を現わしてきますのは、第三、四半期以後と私は思うのであります。そうすると労働力の生産性の向上に対しましても、政府は有効適切な方策がない、資材の面を指摘いたしましても、生産目標が上りましたから、さらに昨年度よりもたくさんの資材を山もとに送り届けなくちやならぬ。ところがその山もとに送り届けるにいたしましても、あのくらいのずれはどうしてもあるだろう。こういう見透しもありますから、昨年よりも資材関係においてもこれは改善の余地がない。こういうように私は思うのであります。それからはたして國管法を実施して、増産になるかならないか。これはやつてみなければわからぬのでありますが、百歩を譲りまして、水谷商工大臣の言われるように、増産になるという前提に立ちましても、その効果を現わしてまいりますのは第三・四半期以後ということになります。そうなりますと、私は結論的に申しますと、水谷商工大臣の言われておるように、三千六百万トンはたして本年度に掘れるかどうかということに、一抹の不安をもつのでありますが、もう一遍この点についてどういうふうにやつて三千六百万トン必ず増産し得るのか、水谷商工大臣に自信のほどをお伺いいたしたいのであります。
○水谷國務大臣 私がさきに労働対策のときに、ただ抽象的に生産協議会を通して、盛り上る勤労意欲に依存するというふうに言つたとおとり下さいましたといたしますならば、それは私の言葉の足りない点であつたかと思います。ただ生産協議会は御案内のように、ここにいろいろの計画が立てられまして、その計画に基いて山々でその山の現状において、労働時間が一体どのくらいあればこの目的が達成できるかというようなことも、みな生産協議会でやるのでございまして、單に抽象的に盛り上る意欲というようなことだけには私は依存しておりません。ただ私の考え方は労働時間の問題なども、上から天降り的にどうせよと言うよりも、各山々が生産協議会によつて生産計画を遂行するために、一体どのくらい働けばいいかということを自主的にきめてもらうようにもつていく方が、ほんとうに私は勤労意欲の振興になるというぐあいにお答えしたのでありますが、その点は私の説明が足らなかつたと思います。さらにまた資材問題に関しましても、本間さん御指摘の点は、さきに石炭廰の次長も答弁いたしましたように、一番隘路のきつい問題を御指摘になりましたので、それぞれ相当ずれたことになり、また今後の見透しに関しましても、石炭廰次長といたしまして、卒直にお答えしたのでありますが、しかしながら、そう一つ一つ理屈で押されてきまして、理屈の結論としては、こういうふうにして三千六百万トンが出ないではないかということでありますが、現在の日本の乏しい経済事情のもとにおきましては、一つ一つ理屈々々で押すわけにはいかない特殊事情がございまして、われわれはそういうために、今後の國管法を通じて、生産協議会を通じて、働く人が経営の面にまでタツチできるところまで引上げてきたのであります。すなわち資金、資材の足りない点は、労働者の自発的な力によつて埋め合わせていくということろに、私は國管のねらいがあろうと思つております。私はただいま御指摘の点は、去年におきましてもそれぞれずれております。しかしながら、われわれが公約いたしました三千万トンのほとんど同じところまで達成したのであります。私は資材、資金の面が去年よりもずつと惡いというならば別でありますが、去年程度のずれならば、三千六百万トン達成ということは、断じて悲観するには及ばないと思つてはおります。あるいは四月、五月の成績を申されたのでありますが、それにはさきに申しましたような特殊事情があります。すでに六月におきましては、大体九九%までいきまして、七月、八月、九月は一〇〇%を突破できると思います。私はもし國会が七月づつと開かれておるといたしますならば、去年國会が七月に増産を感謝する決議をしてくださつたと同じように、今年も必ず七月の出炭目標の達成には、國会は感謝の決議をしてくださるものと確信いたしておるような次第であります。そこでさきに申し上げましたように、四月、五月の足りない分は、六月から上昇してまいりました六月、七月、八月、九月におきまして、十分取返しがつくと思います。さいわいこのたびの労働協約におきましては、今後六箇月間資金に対しての紛爭は紛爭処理機関によつて解決する、この問題に関しては、ストライキをやるようなところまでは絶対にもつていかないという労働平和の問題も含まれておるのでありまして、そういう点から考えまして、私は十分期待できると思います。單に四月あるいは五月の成績だけで、三千六百万トン達成不可能の議論というものは、ちようど野球にたとえますならば、一回、二回の成績で勝負をきめるようなものであろうと考えております。
○本間委員 水谷商工大臣から御信念のほどを伺いましたが、御熱心な御答弁に対しましては、満足いたします。ただ先ほどから私が指摘いたしましたように、なるほど生産協議会におきまして、その炭鉱が與えられました目標を、いかにして達成するかということを、水谷商工大臣も述べられたように、労資の責任において、労資が研究をして、炭鉱のいろいろな事業計画なり、労働計画なりを立てられる。しかしながら、商工大臣の言われるように、たとえば指定を受けました炭鉱が、その目標の炭を出しますためには、先の調査團の報告のように、あるいは労働時間を一時間を延長しなければならぬというような問題が起る炭鉱も、おそらく私は相当にあるのではないかと思うのであります。その場合にはたして水谷商工大臣の言われるように、今日の状態から見まして、きわめてむずかしい問題が、労資双方の協議によりまして、円満な話合いによりまして、うまく解決されるかどうかという点につきましても、私は一抹の疑いをもつておるのであります。それからなるほど昨年同様の資金、資材の関係ならば、今年は三千六百万トン大丈夫掘つてみせるという御自信のほどを承つて、私も心強い次第でありますが、これもなるほど昨年同様に、今年はあるいはいくかもしれませんが、生産目標が上つておりますから、その点から言いますと、私が前に指摘したような結果も考えられるのではないかと思います。そういうふうにいたしまして、水谷商工大臣の言われるように、はたしてこの石炭國管が、それほどの効果を現わすかどうか。これも実際にやつてみなければわからぬわけでありまして、私は一抹の不安をもつておるのであります。これは單に私の所属する政党がどうであるというような立場でなく、私は何とかして日本を復興させたい。私は一國民といたしまして、この点について達成されれば、これはお互いにまつたくいいことでありますから、何とかして増産をさせたい。何とか達成をさせたいという決意については、私は水谷商工大臣に劣るものではありません。しかしながら、いろいろ客観的にこれを見ておりますと、私は一抹の疑いをもつておるのであります。 これは堀つてみなければわからぬ問題である。何といたしましても、今年は三千六百万トンを堀らなければならぬ。先ほどからの御答弁によつて、水谷商工大臣の決意を、私は十分了承いたしたのでありますが、さらに何としても私は三千六百万トンの目標を十分達成せられるように御努力あらんことを要望いたしまして、私の水谷商工大臣に対する質問は、これをもつて打切ることにいたします。
○植原委員 ただいまの石炭の問題についての関連質問でありますが、了解できない点を、この際承ついておきたいと思います。 ただいま本間君と水谷商工大臣の質疑應答の間に、私が聽き得ましたことは、本年度に三千六百万トンときめたのは、昨年の十一月、十二月、一月等における出炭量が、それぞれ三千三百万トン見当に見込みがついた。それゆえに、今年は三千六百万トンと計画を立てて誤りないという御答弁のように伺いましたが、さように了解していいかどうか、お伺いいたします。
○水谷國務大臣 重ねての御質問ですが、さように御了承願つて結構であると思います。
○植原委員 しからばその御決定のときには、四月に実行さるベき石炭國管案を御考慮に入れて、御計画の中に織りこまれたものか、そうでなく、石炭國管案はまだきまらないことであつて、石炭國管案の問題を抜きにして、三千六百万トンの計画を立てたものと考えてよろしいのか、そのいずれかをはつきりお尋ねいたしたい。
○水谷國務大臣 さつき本間さんの御質問にも答えましたように、國管施行に関してのマツカーサー元帥の書簡の趣旨にも副うてなしたのでありますがゆえに、四月一日から國管法は施行されるものであるということは、少しも変つておりません。ただ國管と申しますと、指定炭鉱ができなければ、國管は施行されないとか、いろいろのことを世間で言われておりますが、御案内のように、あの法律には廣い意味の國管と、狭い意味の國管とがあるのでございまして、廣い意味のものは、四月一日から行われておりまして、石炭廳といたしましても、その趣旨におきまして、監査その他の点は励行してまいつたのでございます。私が七月からと申しましたのは、それは指定炭鉱もきまりまして、狭義の國管も全面的に施行されるのが七月と申したのでありまして、もちろん四月一日から國管は施行さるベきものであるという前提でなしたことは間違いありません。
○植原委員 そこでこれは商工大臣にお答え願いますのは無理かもしれませんが、政府委員で結構でありますが、四月、五月は出炭量が非常に減じておる。これは本年のことでありまして、昨年はこの期間を比較していかがであつたか、その点をはつきりしておきたい。
○吉田(悌)政府委員 昨年の四月、五月の出炭量でございますが、これは正確には覚えておりませんが、大体二百十万トン前後、今年が二百六十万トン前後でございますので、大体四、五十万トンの増産にはなつておると思います。
○植原委員 私のお尋ねは、そういうことではありません。昨年の十一、十二月、一月、二月の出炭量と、ただいまのお話の十一、十二、一、二、の出炭量は、三千三百万トンを見積つてもよろしいほどの状態に、石炭の高は増産してきた。そこで四月以降なお國管にするという前提を考えて、それらの状況を考慮して、三千六百万トンの出炭を見積つて誤りないというお話ですね。しからば昨年の十一、十二、一、二、の出炭量と、昨年の四、五月の出炭量との比例でありますよ。今年度、つまり昨年になりますけれども、商工大臣が三千六百万トンを計算する基礎となつたところのこの状態との間を考えて、四、五の出炭量はいかがであつたか、こういう質問であります。
○吉田(悌)政府委員 大体数字は存じておりますから申し上げられますが、要するに昨年は四月、五月に二百十万トン前後生産をいたしまして、暮の十二月ころには二百九十万トン、今年の一月は二百八十万トン、二月また二百八十万トン、そういうぐあいでありますから、御了承を願います。
○植原委員 私の言い方が惡かつた。一昨年の十一、十二月の状態と一、二、三月の状態です。そう伺う理由はここにあるのだから、その点明瞭にした方がよろしいでしよう。つまり四、五、六月に減産するのは、機構が変る、石炭國管になるというので、個人企業のときと國管になるときの心理状態が、事業家も労務者も変ります。これはすベての日本の官業を見てもおわかりの通り、個人企業においては、経営者も労務者も、最善を晝して命がけで働きますが、一部なり全部なり、政府の特別な監督、あるいは庇護のもとにあるというとき、あるいは機構において激変されるというときには、必ずや企業者においても労務者においても心理的な変化がある。そういう点から考えれば、四月後がた落ちになつたのは石炭國管という機構が変る、政府の援助が受けられる、指揮が受けられるという点によつたものではなかろうかという点を確かめたかつたがゆえに、そのお尋ねをしたのでありますが、お答えはさようになつておらない。これは議論はいたしません。 そこで次に私が疑問とする点は、かような点であります。指定炭鉱四十二と了解している。指定炭鉱以外のものが四百数十である。その指定炭鉱以外の四百数十のものが、本間君の今申された通り、四割六分か、あるいは八分の石炭を出炭する役目をしておる。そこで指定炭鉱の方は、政府の特別な監督のもとになることになりましよう。國管という立場で申しますれば、そうなりましよう。そうなりますと、ただいま薄鉄板にせよ、パイプにせよ、その他レールにせよ、その供給において、坑木その他の炭鉱で主要なものは別問題といたし、それらのものでも四箇月、五箇月のずれを見なければならない。そのずれを見なければならないということは、結局どういうことかと言いますと、品が思う通りに出まわつてこない、こういう状態で、ここに指定炭鉱と指定ならざる炭鉱のある場合においては、おのずから差別のあるものでなければならない。もしその差引がなければ、指定炭鉱とし、指定以外の炭鉱とする必要はございますまい。しかもその指定以外の炭鉱が四割六、七分のものをつくらなければならないという場合において、ただいま政府委員のお話を伺つておれば、すこぶる奇怪にたえないことは、價格において差等をつけて、品質の優良なものを奬励するようにするという重意向である。これはごもつともだが、本年度は三千六百万トンはどうしても出さなければならないがゆえに、カロリーの低いものに対しても特別の價格をつけて三千六百万トンだけは出す。こういうことになると、ただ三千六百万トンを出すために、指定炭鉱以外のものには、法律で定められた、あるいは一切の規定で定められた價格、あるいはそれに補給金でなくて、その以外の特別の取計らいをするというお考えであるとすれば了解ができない。さような無理なことをしてつじつまを合わせなければならないのはどうかと言えば、石炭國管案に対して十分の確信がないからだ。私どもから言えば、石炭國管のために、かえつて今年は出炭量において非常な危險な状態にさらされる。國管は商工大臣も御断定のように——その断定には同意しないが、断定のようによろしいし認めたところで、三千六百万トンの予定数量に達することはすこぶる疑問を抱く、こう本間君は言われておりますが、さらに私は、今政府委員のお話で、カロリーの少いものに対しては特別の手当をして、三千六百万トン出るようにする。こういうお言葉に対しては、はなはだ私どもは奇怪の考えをもつ。なぜならば、國管にしたために、四割六分あるいは四割八分の出炭をしなければならない。指定以外の炭鉱が、かなり不利な立場に立ち、それが不利な立場に立つということを了解したので、國管になつた理由は毛頭解することができない。もし資材が四箇月も五箇月もずれないようになつておつて豊富であるならば、また指定以外の炭鉱は、個人の努力によつて、この難局に打勝たなければならないという管理炭鉱と違う個人に特別の努力がありますがゆえに、あるいは出炭量を増すことができないとも考えられないのでありますけれども、資材において國管が優先権をもつ、金融に対しても優先権をもつ。優先権をもつ場合に、指定炭鉱以外のものに対しては、特別の手当をして、出炭量を三千六百万トンにいたさなければならないというような政府委員の御答弁がある場合に、この石炭に國管をめぐつて私どもどうしても腑に落ちない。しかも日本に基礎産業であるところの石炭の状態が、こんな不明瞭な、こんな状態にされておることは、すこぶる憂慮にたえないと私どもは考える。ほかのことならよろしい。基礎産業であるこの産業は、いかなる場合においても、私どもは健全なる発達と、予定通りの出炭を目指さなければならないのに、確たるところの確信もなく実施して、今日七月になつてようやく準備ができるというような、しかもその間において、四月、五月、六月と減産をしておるところの事実、この事実を見まするときに、私どもにあえて議論をもてあそぶものでもなく、議論のみを申すものでもありませんけれども、こい機構いじり、それが企業家、労務者の心理に及ぼすところの影響を考えますときに、はなはだしく間違つた政策をしたものであると断定するよりいたしかたがない。一切公平な立場に立つて、これは政府を非難攻撃するために申すのではない。日本の國家の現状、実に憂慮にたえないという本間君の御質問に対して、私も違う角度からまことに憂慮にたえないということを申し上げたい。なおこれをもつて御参考に供しておきたい。これに対してお答えがあるならば伺つてもよろしい。
○水谷國務大臣 私は議会政治の先輩である植原さんにこういうことを言うのは、非常に遺憾でありますが、あなたはこの國管が國会を通過した後においても、依然として國管が國会を通過しない前に言われた議論をむし返されておるということは、きわめて遺憾である。立憲政治とは、國管が國会を通過したならば、それをば素直に認めるのが、議会政治を尊重する建前であるにかかわらず、依然として、理屈にもならぬというと、これは曲解かも知れませんが、ほかの原因で起つたことも全部國管に結びつけて、その是非を論議されるということは、私は非常に遺憾であると思う。あなたのような議論は、國管が議会通過前におきまして、いろいろございました。それに対して私も十分答えてまいりました。一たびそれが國民を代表する國会において、國管が通つた以上は、素直に立憲政治家としてはその結果を尊重して、その組織法を通じて石炭増産をやるということが、議会政治家の本分であろうと、私は思うのであります。現にあれほど國管に対して反対いたしました経営者は、一たび議会を通過いたしましたその後におきましては、前の態度はさらりと捨てて、協力的な態度に出ているのが、今日の実情であります。さらにまたこれがきわめて不徹底であるといつて攻撃いたしました労働組合の側においても、特に全石炭に側におきましても、一たびこれが國会を通過したならば、この線に沿つて石炭を出そうという態度に出ておるのであります。ひとりあなただけが、しかもその議会において通しておきながら、今だにそういうふうな議論をもてあそばれることは、大にしては日本の議会政治の円滿なる発展のためにも、小にしては議会政治家として終始続けられてこられたところの植原先輩のためにも、私は惜む次第であります。
○植原委員 けしからぬ言葉を聽くものである。議会政治は主義の政治であります。石炭國管に反対するというのならば別問題。実行はよらしい。これが正しくいくか、正しくいかないかということは、國民に対して議会政治家の当然になすべきことである、どんな惡い法律でも議会を通過したならば、その法律の存在する間は、これに從うのは当然である。しかしこれを惡い法だ、いい法だということを批判しなければ議会政治家の本義がない。暴言と言うもはなはだしい言葉である。議会政治家というものは、どこまでも主義に忠実で、どこまでも國家、國民を背景として働かなければならないものである。もし主義に違つたところの法律が通過した場合に、その法律を時期の至るを待つて改めることも考えなければならない。改めることを考えようとする場合には、その欠点も続いて指摘するのが、議会政治家の当然の任務である。一たび議会を通過したものは批評することができないというごとき暴論を聽くに至つては、驚かざるを得ないということを、議会の記録に留めておかなければならないと思うのであります。
○水谷國務大臣 議論の勝ち負けは声の大小によつてきまるものではありません。速記録を冷靜に判断されて、どちらが勝ちか負けか、判断願いたい。
○小坂委員長代理 午前の会議はこの程度にいたして午後二時より再開いたしたいと思います。 午後零時四十九分休憩 ————◇————— 午後三時三十七分開議
○川島委員長代理 午前に引続いて会議を開きます。 質疑を続行いたいます。鈴木明良君。
○鈴木(明)委員 私は水谷商工大臣にお伺いしたいことがございます。それは國家の重要産業を担当しておる商工省内部において、最近昭和電工の問題に絡んで涜職事件が起きておるように伺つております。もつともこの基礎産業を担当する商工省内部において、こういつた腐敗官吏の出ることは、まことに遺憾に存ずるものであります。この点に関して、商工省内部におけるこの腐敗官吏の状況を、ひとつ鮮明にせられて、商工大臣は強い処断をされんことを、私は要望いたすものであります。まずその最近の状態についてひとつお伺いいたしたいと存じます。
○水谷國務大臣 ただいま鈴木さんの御指摘になりました点は、私といたしましても、非常に心痛しておる点でありまして、きわめて遺憾に存ずる次第であります。いずれ事件の全貌がはつきりいたしましたときには、適当な処置を講ずるとともに、將來こういうような事件が起らないように、十分監督をしていきたいと考えておる次第であります。
○鈴木(明)委員 最近各役所においても、出勤の時間は制限されずに、退廰時間のみを嚴守しておるというようなことで、まことに私は遺憾に存じます。こういう腐敗官吏のみせしめにも、商工大臣においては、力強くこの点を御処断願いたいと、私は要望いたします。 次にお伺いいたしたい点は、炭鉱の國家管理が示すように、大きな企業は最近國家の救済の手が伸びておりますので、非常に進んでおる。石炭の問題もその通りであります。しかしながら、ここに考えなければならない点は、中小商工業者の現在者及び將來に対しては、どういうことをもつてこれを救うか。この中小商工業は、いつも後まわしにされます。後まわしにされるだけならばよろしいが、どうなることかと、私は心配にたえないものがあります。殊に今回創設されましたところの取引高税というものは、中小商工業者を不当に圧迫して、立ち行き得ない結果となることも、はつきりしておると思うのであります。店舗を構えておると容赦なしにとられる。店舗を構えていないところのやみ商人に対しては、何らの政策もないように私は思はれる。やみ屋に対して、あるいは中小商工業者に対して、どういう方法で育成していくか、まずその点をひとつ鮮明にされたいと思います。
○水谷國務大臣 大企業に関します復金融資は、從來は貸すときには非常に嚴格にやつておりましたが、貸した後の監査の不徹底という憾みもありましたので、われわれといしたしましては、できるならば國民的の監査と申しまするか、そういうものを十分に励行いたしまして、今後莫大なる融資が適正に使用されるようにやりたいと考えております。 さらにただいま御質問いただきました中小企業の問題でございますが、この問題に関しましては、この國会で御審議を願いました中小企業廳の提案理由、あるいはまた委員会におきましても、繰返し御説明を申し上げてきたのでありまするが、要は中小企業なるがゆえに、大企業に比べて、資金あるいは資材の面におきまして不公平なる立場に置かれておつた点こそ、極力是正するというところにねらいをもつておるのでございます。しかしながら、私どもといたしましては、この中小企業それ自身は、中小企業対策の第一歩でございまして、こい役所ができたからといつて中小企業の振興がただちにできるとは考えておりません。あるいはこれを出発点といたしまして、資金の面におきまして、中小企業の資金をどうするのだというようなことも、よく檢討してまいりたいと思うのであります。御案内の通り、現在わが國の企業の分野を見ますると、中小企業の占める率は非常に大きいのでございまして、今後輸出産業の振興の場合におきましても、中小企業の振興と結びつけていかなければならない点が多々ございますので、われわれはまずとりあえずこの中小企業廳の活動によりまして、中小企業なるがゆえに、不公平に置かれておる立場を極力是正して排除していきたいと考えておる次第であります。
○鈴木(明)委員 中小企業廳をつくつて、いろいろの対策を考えておるということは、まことに結構と存じますが、まず第一番に取上げられる問題は、今商工大臣の御返事のように、資金の問題だと思うのです。この資金をどうしてやつていくかということを、ひとつ伺つてみたいと思います。
○水谷國務大臣 鈴木さんの御案内のように、このたびの三党政策協定におきましても、中小企業に関しては、專門の金融機関をつくるという政策協定もいたした次第でございます。從つて商工省といたしましては、年來中小企業に関する專門の金融機関をつくりたいと考えておりのでございます。いろいろの方面、あるいは大藏当局とも打合わせまして、もしこれができれば最善でございますが、できなかつた場合には、これまでの既存の中小企業関係の金融機関を、どのように拡充していくかというような点に関しましても、今関係方面といろいろ折衝を重ねておる次第であります。しかし商工省といたしましては、できるならば中小企業の專門の金融機関をつくりたいと考えております。
○鈴木(明)委員 ただいまの御答弁のように、ぜひひとつそうやつていただきたいと思います。最近の中小企業工業者に限らず、大企業の方々も、各種産業界における金詰りの現状はますます深刻化しておると思うのであります。そのために生産を極度に阻害しておるということは、爭われない現実の問題だと思います。この間に乗じて、やみとインフレのみがわが物顔にはびこつておるという最近の状態は、まことに前途憂慮にたえないと存ずるのであります。この資金難の原因は、まず第一番に政府支拂が遅延しておること、物の値段のみが先走りすること、インフレの進行に伴つて、企業の経理が合理的に行われないこと、こういうことが指摘されると思うのであります。たとえば小さい工場においても、固定資産の償却ができない。修繕するについても資金の追加が必要になつてくる。流動資金も同様に、物の値上りによつてまた追加資金が必要になつてくる。その上に莫大な人件費と同時に税金がかかつてくる。以上申し上げました三つの点が、最大原因だと思います。この資金が極度に詰まり、給料も満足に支拂うことさえできめのが現在の状態だと思います。このような資金難打開の方法を、ひとつ教えていただきたいと思います。
○水谷國務大臣 私から鈴木さんにそういうことを教える資格はありませんけれども、御指摘のように、最近の金融の金詰りは、税金に急な取立て、あるいは予算のずれによる政府支拂の不円滑、あるいは日銀融資の方針というぐあいに、いろいろその点はあろうと思います。これは金融が産業を支配するのか、あるいは金融が産業に奉仕するのかということは、人によつていろいろの意見があろうと思います。しかしながら、私は現在の日本の経済状態のもとにおきまして、この縮小再生産を拡大再生産に向けていくことが、日本経済危機打開に有力なる方途である限りにおきまして、現在におきましては、あくまで金融は産業に奉仕せねばならないのではないかと考えておる次第であります。さきにあげましたところのいわゆる金詰りの状態は、特殊の原因があつたのでございまして、租税も一應済みましたし、さらに予算もさいわいに通過することができますならば、政府の支拂も滑らかになつていこうと思うのであります。さらにいわゆる日銀融資の方法に関しても、目下いろいろ檢討をされておるということを聞いておるのでありまして、またぜひ商工省としてはそうしてもらいたいと考えておるのでありまして、少くとも生産担当の責任を負わされておるところの商工省といたいましては、金融はあくまでも産業に奉仕すべきであるという建前のもとに推進してまいりたい。このように考えておる次第であります。
○鈴木(明)委員 ただいまの中小企業の問題と関連して、私は貿易の問題について伺いたいと思います。 まず第一に貿易再開を許されたわが國の現状において、工業方面はどの程度の見透しがあるか、また繊維方面については、どの程度の見透しがあるか、化学方面についてはどの程度あるか、そういう見透しを具体的に御説明願いたいと思います。
○新井(茂)政府委員 便宜上私よりお答え申し上げます。昨年九月に民間貿易再開を認められましてから、金額においても、件数においても、非常に殖えてまいりました。また取扱商品の範囲につきましても、次第に拡大してまいりまして、今後民間貿易は非常に殖えてくるであろうと思います。それでただいまお話の繊維工業につきましては、新聞等で御承知の通りに、今般綿花につきまして、六千万ドルのクレジツトが成立いたし、さらにまたドイツと日本を入れまして、一億五千万ドルの貿易回轉基金も設定いたされたような次第であります。これによりまして、日本は輸出産業に必要とする綿花の輸入は、十分に認められるように相なるであろうと考えております。またさらに羊毛工業の原料であります羊毛につきましても、この回轉基金に一部適用せられる予定でありますし、また濠洲その他の羊毛市場においても、だんだんと日本向けの賣込みの交渉がありまして、これについても前年度に比較いたしまして、相当多量にはいつてくるであろうと思うのであります。その他人絹の原料でありますパルプ等についても、最近非常にたくさんはいつております。原料についてはもはや心配はないと存じておるような次第であります。ただ繊維産業の輸出の問題については、海外におけるドル資金の不足が非常に大きく響いております。從來比較的繊維品の輸出が振わなかつたのも、おもにこういう原因にあるのでありますが、御承知の通りに、ヨーロツパの援助計画も、だんだんと実施に相なりまして、それが東亞市場へのドルの流入について、相当役に立つであろうと考えられます。また先般ポンド・ブロツクとの間に協定ができまして、これによつて相当に日本品の輸出も殖えてくるであろう、かように考えておるような次第であります。從いまして、本年度における繊維品の輸出は、昨年に比較いたしまして、相当に殖えてまいるであろうと思います。 次に化学工業品でありますが、これにつきまして一番の問題は、やはり石炭電力でありまして、これが相当きゆうくつなために、海外からの引合は相当ございますけれども、これに應ずるわけにいかないという状況になつておりますが、この点に関しましても商工省としてはでき得る限りその配当を十分にいたしまして、海外からの引合に対して、でき得る限り應じてまいりたいと考えておる次第であります。
○鈴木(明)委員 大体羅列的に羊毛がこれこれはいつてくる、あるいは綿花がこれこれはいつてくる、その点は了承するのでありますが、私の伺いたい点は、年間を通じてどの程度はいつてくる見込みかということと、ただ増加するのだということでなしに、どのくらいはいつてくるのか、またそれに対する受入態勢はどうなつておるかということを具体的にお願いしたいのです。
○新井(茂)政府委員 纖維産業の中で、最も大宗をなしております綿関係のものについて、本年度の綿花の輸入は、約九十五万俵程度輸送をいたしておりまして、この程度のものは、おそらくはいつてくるであろう、かように考えておる次第であります。綿関係の産業の十分に動かないのは、主として原綿の輸入の見透しがはつきりしなかつた点にあるのでありまして、これがはいつてきますれば、綿産業につきましては、十分動き出すであろうと考えております。次に羊毛につきましては、これは濠州の羊毛の見透しがまだはつきりいたしませんが、大体におきまして、十万から十五万俵ぐらいの輸入があるであろうと予想しております。さらに人絹パルプにつきましては、約二万ないし三万トンぐらいの輸入を期待しているような次第でありますが、これら羊毛、人絹等の産業につきましても、原料がはいりましたならば、十分に動き出すであろう、かように考えております。
○鈴木(明)委員 その受入態勢はどうなつておりますか。
○新井(茂)政府委員 受入態勢につきましては、これらのものがはいつてきましたならば、ただちにこれを國内向けに配給いたしまして、そしてこれらはいずれも見込生産でやつておりますので、外からの需要のいかんにかかわらず、これをただちに生産にまわして、生産を開始する段取りになつております。
○鈴木(明)委員 ただいまの御答弁では、纖維関係、綿花とか羊毛、人絹パルプというような方面だつたのですが、この間の新聞で見ますと、マンガンというようなものもはいつてきたようでありますが、そういう方面のことは、まだ御答弁がないようですが…。
○新井(茂)政府委員 お尋ねのマンガン鉱石につきましても、最近ある程度はいつてまいりましてが、今後引続いて輸入する予定に相なつております。
○鈴木(明)委員 先ほどから、同僚本間委員から石炭問題についていろいろこまかい御質問がありましたので、私は省略したいと思うのでありますが、一、二伺つておきたい点があります。それは石炭の單價をカロリー主義によつて決定するという問題です。このカロリー主義によつて石炭の單價をきめると、四千カロリー以下の石炭業者は、とうてい採算が成立たないと私は思う。なぜかと言うと、現在労務費だけでも、トン当り千六、七百円要している、こういう現在の状態でありますから、この四千カロリー以下の各炭鉱は経営ができない、こういう結果になることは、私は明らかだと思うにであります。この四千カロリー以下の炭坑も相当数ある。しかもこの四千カロリー以下のものを入れて、三千六百万トン堀り出すのだ。こういう大臣の御答弁であつたのでありますが、私はここでこの三千六百万トンの目標に、大いなる矛盾が生じやしないか、こう考えられるのであります。ゆえにこの点に関する商工大臣の技術的な処置を伺いたいと思うのであります。どんなふうにしてこれをやつていくか。その矛盾をどんなふうにして解決していくかという点を、私は伺つてみたいのであります。
○水谷國務大臣 ただいまの鈴木さんの御質問に対しましては、数字その他に対しては、政府委員から御答弁させますが、それは今朝來本間さんからもお尋ねになつた点でありますが、大体四千カロリー以下の出炭は、月十万トンと踏みまして、百二十万トンになつておるのであります。從つて三千六百万トンの中において百二十万トンをこれが占めることになります。ところがカロリーによつての炭價は、御案内のように、百トンを單位に小刻みになつておりますので、四千カロリー以下の山が、全部このたびの新しい炭價によりまして、経営が不能に陥るというぐあいにわれわれは考えておらぬのであります。そこで四千カロリー以下のずつとすその、あるいは三千三百カロリー以下、あるいは三千カロリー内外というものに、あるいは御心配のような点があると思いますが、これをかりに三千三百カロリーまで抑えると、大体四十万トン程度でないかと思うのであります。從つてわれわれはできるだけ経営の合理化をしてもらい、あるいはまた採炭その他の方法におきましてくふうをしていただくとともに、万やむを得ざるものに対しましては、何らかの措置を講じていきたい。このように考えておるような次第であります。しかしながら、ざつくばらんに申しますと、御案内のように、三千五百カロリー以下の亞炭は統制をはずした。この考え方は、私はやはり石炭の面においても、ある時期にくれば採用せねばならぬのではないかと思うのであります。私もよく地方の工場に視察にいきますと、あるところなんかは、石炭が山ほど積んであつた。なぜこんなことをしておるかというと、これは三千カロリー以下で、とても燃えない。こういうようなものを送つてくださることは非常に迷惑だ。こういうような声を聞いておるのであります。運輸事情が非常に逼迫しておる今日において、燃えない石炭を運搬するということは、われわれは考えなくちやならぬので、亞炭のように三千五百カロリーで切りますか、あるいは三千三百カロリーで切るかもしれませんが、私はゆくゆくはそういう考え方でいかなければならぬと思うのであります。そこで今度の指定炭鉱の場合におきましても、カロリーあるいは今度の年度における出炭の趣旨等々ともにらみ合わせまして、政府といたしましては、燃えるカロリーに高い石炭を、所要の分量を出していくという方向にもつていかなければならぬのであります。しかしながら、このたびの三千六百万トン達成のためには、四千カロリー、あるいは三千五百カロリーの炭も包含されておりますがゆえに、もしそれらの点に関しまして、ただいま鈴木さんの御指摘のような問題が起つた場合におきましては、それに対しては適当の措置を講ずるというぐあいに目下今檢討中でございます。
○鈴木(明)委員 商工大臣の御答弁のように、ひとつそこの内容において、強力に三千六百万トンを堀出す途を講ぜられんことを要望いたします。なおこの國家管理を断行したために、最近の一例をあげますと、宇部の炭鉱のごときは、今までは係官が三十五名で間に合つておつた。ところが今度の管理法実施のために、大体係官が二百六十名くらいに殖える。こういう実情を、私は聞いておるのでありますが、これはその係官を増加するために、その役人が住むための住居、これをただいま建築準備中だ。こういうことを聞いております。資材不足の今日、どうも役人をこんなに殖やすということは、合理的でないと私は考える。そこで今回指定されました四十二の炭鉱に配置される大体の役人の数はどのくらいあるか、一つ伺つてみたいと思います。
○吉田(悌)政府委員 お答えいたします。今回地方に石炭局を設けまして、國家管理の仕事の第一線の業務に当らせるつもりでございます。從來商工省は石炭関係の地方第一線官廳といたしまして、商工局の中に石炭部あるいは鉱山部に石炭課を設けて、これをやらすことになつておつたのでありますが、今度國家管理を実施いたしまするにつきまして、十分にその任務を果しますために、若干の増員を必要といたしまして、四月の当初予算におきましては、総計千百七十名程度の定員を全國四つの石灰局につきまして設けております。但しこのうち約五百名足らずの者は、從來の石灰部、あるいは鉱山部の石灰課におつたものを異動したものでございまして、純増といたしましては約六百数十名でございます。
○川島委員長代理 暫時休憩いたします。 午後四時八分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかつた〕