予算委員会 第25号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1948/05/25
会議録
○川島委員長代理 これより會議を開きます。 前日に引續き質疑を行います。野坂參三君。
○野坂委員 私はきわめて簡單に一つの問題だけお聽きしたいと思います。この六月暫定豫算は、いくらいじつてみても大したことはないし、またこれ以上議論してみても、あまり意味がないと思いますから、ただ一言だけ伺います。 まず最初にお聽きしたいのは、本豫算をすでに編成されて、これが完了したということを伺つておりますが、その通りであるかどうか。
○北村國務大臣 お答え申します。大體完了したのでありますが、數字の調整を要する部分があり、また折衝上なお一部變更を要する點がありまして、目下その方の作業を進めております。
○野坂委員 概要をあしたお出しになるということを昨日のこの委員會で芦田總理がはつきり申されましたが、この點はどうですか。もしあした出ないとすると、いつ出るのですか。
○北村國務大臣 お答え申し上げまい。明日と的確に申し上げることは、少し困難だと思いますが、ここ數日中には、大體出せることを確信しております。
○野坂委員 内容のこまかな點は、ここでお聽きしませんが、ただ一言お聽きしたいのは、本豫算の基礎をなしている給與基準ですが、これは前に三千七百圓というふうに、新聞でも發表されておりましたが、やはり同じ基準をとられているのですか。
○北村國務大臣 お答え申し上げます。ただいま仰せの通りであります。
○野坂委員 これでよろしゆうございます。
○川島委員長代理 それでは運輸大臣がたまたま見えておりますので、運輸大臣に對する質疑を許します。押川定秋君。
○押川委員 主として運輸省のことについてお尋ねいたしたい。大分廣い範圍にわたりますから、質問の趣旨を簡單に述べたいと思いますが、御答辯はできるだけ詳細にお答え願いたいと思います。 過般のこの委員會において、行政整理の點について、行政部と現業の方とをわけて、行政組織についての行政部の方は適當な整理を行うのだということをお答えになつたようであります。そこでこの際私は行政組織の改革、結局行政整理の伴う運輸省の組織についてどういう御構想をおもちになつているか、お伺いしたいと思います。 まず第一に行政と現業の方を御分離になる御意思があるのかどうか、御分離になるならば、どういうぐあいにおやりになるのか。 次に現業廳に民主的運営方法、竝びに現業關係の機能の整備の方法、なお獨立採算制を御執行になり、あくまでも維持されるという點についての御構想をお伺いしたいと思います。
○岡田國務大臣 お答えいたします。行政と現業の分離の方向で研究を進めつつあります。しかし今囘の本年度の豫算面においては、部内における經理面の分離という形で現われておりますが、まだ決定はいたしておりません。これにつきましては、相當に利害得失を研究する必要がございますので、その方向で研究を進めたいと思つております。 なお第二の御質問のその分離はどういう考え方かと申しますと、現業と分離することによりまして、將來の鐵道企業の能率の増進、經費の節約、すべての合理化という方向にいきたいという考え方でございます。
○川島委員長代理 この際都合により大藏大臣の對する質問を先にいたしたいと思います。田中君。
○田中(源)委員 これは二十三年度の豫算と、非常な關係がある問題でございます。政府の歳入面におきまする專賣益金というものは、非常に高額に見られておる。そこで一體專賣益金中の鹽の問題は別といたしまして、タバコの益金をどのくらいにお見積りになつておられるのか、これについて葉タバコの増産計畫をどのくらいにして、葉タバコの收納貫數をみておるか、これに對してそれぞれの品目については異なります、たとえばピースをいくらつくる、あるいはきんしをいくらつくる、ハツピイをいくらつくる、大體これによつてどのくらいの前年度との差益金、いわゆる見込み増收があるか、こういう内譯を、政府委員からでもお答え願いたい。それについて、これは豫算を編成なさる上において重要なポイントを占めると私は思いますので、大藏大臣の所見等も、併せて參考に承つておきたいと思う。
○北村國務大臣 田中君にお答え申し上げます。財政專賣としてのタバコの見地から申しました、これは食糧政策と財政政策の見地から考えた葉タバコの増産というものが、一體どこで線を引くかということが、第一問題になり得ると思うのであります。專賣増收をはからねばならぬ上からいつて、一面において食糧増産と相反するような結果になつてはならぬから、そこにおのずから一つの限界點があると考えるのであります。從いまして、現在葉タバコの相當増産を計畫いたしておりますけれども、おそらくこれ以上さらに内地の葉タバコの増産をはかるということは、現況においてはかなり現界點に達しておるのでないか、こういう考え方をいたしております。從いまして、タバコの輸入ができますならば、これに財政的見地から相當葉タバコの輸入をいたしまして、そのことによつて財政收入を確保するというようなことが、ただいま計畫の中にあるのでありまして、すでに一部はさうした方途に向つて手をつけております。これが實現するかどうかわかりませんけれども、さような考え方をいたしております。何と申しましても、ただいまお話がございましたように、現在の日本の財政において、健全財改主義を維持します限り、どうしても税收と專賣收入というものが、國家歳入の最大の項目になるわけでありますから、この點においては、われわれはタバコ專賣の増益をはからなければならぬ。しかし先の申し上げました通り、食糧政策とどこで線を引くかという點は、重大な問題でございますので、この點については十分考慮をいたしたい、かように考えておる次第であります。なお一層具體的な問題につきましては、專賣局長官が參つておりますから、專賣局長官から御説明いたしたいと思います。
○田中(源)委員 專賣局長官の答辯の前に、大臣がお急ぎのようですからもう一つ……。ただいま大臣の答辯によつて、食糧政策の面とマツチして考慮いたさなければならぬという點は、私至極同感であります。從つてある程度の限界點にきておるということは、私も認めます。しかし今後におきまするところの、いわゆる開墾その他の面におきまして、適地適産主義の面から見て、大體の耕作段別を五萬町歩にみるか。あるいは四萬町歩にみるか。大體ただいま申されました限界點を、どういうふうにもつておられますか。 それとタバコ賠償に關して、專賣局が今日までおとりになつたウエイトの問題でありまするが、これは專賣局長官から詳しい御説明があるにいたしましても、おそらく大臣御存じのことと存じますが、もし從來の賠償の基準のウエイトを、どういうふうにとつたかという點において、大臣が御存じなかつたならば、この點は非常に食い違いが將來生じてまいりますので、この點について一應專賣局の長官が説明いたされました後におきまして、よくその事情をお聽取りの上で、あらためて別の機會に御説明願つても差支えないと思います。しかし私はただいま申上げました通りに、このタバコの耕作段別の限界點を、現在のわが國の食糧増産等の上において四萬町歩におくか。五萬町歩におくか。どの點でラインを引かれるか。これが今後におけるタバコの米葉もしくは内地葉との收納貫數に非常な相違がついてくるのであります。ただ何萬町歩と申しましても、寒冷地帶においては米葉はできません。從つて今日專賣局の收入の根基をなしていくものは、申すまでもなく米葉であると言わなければならぬ。この段別を關東以北において何町歩、關東以西において、本州、九州と四國等を合わせまして大體何町歩、その總額をどの程度におかれますか。この點だけをひとつ明白にお答え願つておきますならば、あとは他の政府委員から承つても結構かと存じます。
○北村國務大臣 ただいまの御質問の中で、四萬町歩くらいにおくか、あるいは五萬町歩にするかという御質問がありましたが、今のところ大體この耕作面積をを五萬町歩見當のところに線をおきたいと考えておるのでありまするが、これは必ずしも機械的にさように考えるべき問題ではなくして、たとえば食糧増産の今後の傾向は、肥料の増産と相まつて、この耕作段別の割合に、肥料等の増配によつて食糧増産の可能である場合も起り得まするし、それから割安の輸入ということは、今日困難でありまするけれども、比較的短距離から主食の輸入が可能であるといつたことも將來考え得る。さようなことと相關連いたしますので、さきに私が申し上げた食糧政策と財政政策とのマツチを、いつでもにらんでいくということを考えておる次第でありまして、必ずしもこれを固定した五萬町歩ときめる、あるいは六萬町歩をやるということは考えておりませんが、本年度の計畫としては、大體五萬町歩どころに線を引いていきたい。將來の問題としては、これは將來肥料の増産その他によつて、食糧の増産が可能である限りは、あるいはもう少し殖やすこともできるし、あるいはもう少し少くなることもあり得る。かように考えます。たださきにも申しましたように、財政收入獲得ということだけで、國策全體にひびを與えてはならない。重要な食糧政策というものと、いつでも相關連して見て、全視野からこれをながめて、しかも國の重要なる歳入を確保していく、こういう態度には今後も變りはない。こういうことだけを一應申し上げておきたいと思うのであります。
○田中(源)委員 なるほど政府の財政收入と食糧政策とを考えて、今大臣が御答辯になつた點は、一應私は了承いたします。しかし今日わが國のこの占領下における貿易收支の均衡から言うならば、食糧の輸入に對する支拂が最大を占めておることは、申すまでもないことであります。從つて食糧面から見ますならば、申すまでもなく、タバこの耕作段別を減段していかなけけばならぬ。現在タバコ耕作をいたしておりまする地域においても、米麥をつくることは可能であります。從つて積極的に食糧の増産をはかるという面から言うならば、むしろ減段をしなければならぬところであります。そこで一方國家の財政の面から見ますならば、今日までは相當に專賣益金を大幅に引上げてきて、當初二十圓で發賣いたす豫定の新生を四十圓にまで賣つて今日までやつてきた。政府の財政收入の二十數パーセントというものは、專賣益金によつて押えてきた。そういう面から考えてみますと、大體において食糧の増産をやるために、タバコ耕作を減段しなければならぬということは、理の當然である。一面專賣益金を増額する上においては、どうしても一定の耕作段別は保持していかなければならぬという、ここに矛盾を現實に現わしてきておるのであります。しかし今大臣が仰せられましたけれども、なるほど今日のビルマにおきましても、あるいはタイ國——もとのタイランドにおきましても、あるいは佛領インド・チヤイナにおきましても、現在のいわゆる米の收穫状況というものは、從來の世界市場に供給しておつたような供給事態に到達いたしておらぬ。また日本の今日の貿易の為替囘轉資金が、よりよく期待の通り受け入れられておると申しましても、タバコの輸入を相當畫入れていくということも困難である。從つて現實の面において、いわゆる食糧事情と專賣收入というものを考え、ここ數箇年一定の方針をとつていくより途はないのであります。反面においては開墾をいたしましたるその土地に、新しくタバコを植えつけていく。またタバコを收穫したあとに一日も早く米を植えつけらめるように用排水の設備、そのほか灌漑用水の設備をいたすことにして、これに植えつけを行う、こういうような方針をとりまして、ここに不本意ながら双方のバランスをとつていくより方法が現實にないのであります。從つてその面において、私は本年度及び來年度のいわゆる政府財政收入の中におけるタバコ耕作に對する一定の方針を立てていかなければならぬと思う。そこでまず大體において五萬町歩におくならおく。それを關東以北あるいは關東以西にわけて、どういういわゆる收穫貫數があるか、本年度は日本の昔の耕作にならつて、植うつけ當時における段當の植付數量及びその端數等も一々明細に書いて、そうして收納をしていくという方針をとるように承つておるのであります。そういうふうで、今ここに私は多くを論議いたしませんが、現實の施策といたしまして、まず五萬町歩におく、あるいは四萬六千町歩でもよろしい、これにおいて、一體どういう葉タバコの見込み貫數をもつて、これによつてどれだけのタバコを各品種別に製造し、その收穫を現行タバコの販賣價格において、手數料を除いたる以外に、實收の專賣益總額というものはなんぼになるか、これをひとつ私はこの際に承りたいと思うのであります。大臣は別にこれに對して御答辯は要しませんが、政府委員から詳細にわたつて私はこの面についての御答辯を願いたいと思います。なお押川君の關係もございますから、委員長においてこの答辯を後囘しにして、押川君の質問を續行されても差支えございません。後で詳細な御答辯が願えれば結構であります。
○中村(寅)委員 私はただいまの大藏大臣のお答えの中に、新豫算の基準になつておる給與基準は三千七百圓だということでありましたが、二十二年産米の價格がきまりますときは、給與基準は千八百圓であります。この基準を中心に、米價は千七百五十圓にきめられたものだと思うのでありますが、給與基準が三千七百圓に引上げられた際には、これと同等の比率で米價もやはり引上げていかねばならぬものと考えますが、その點に對する大藏大臣の考え方を聽かしていただきたい。
○北村國務大臣 お答え申し上げます。ただいま仰せになつたような考え方もありますし、またそうでない考え方もあります。これは一應受渡しが完了したものでありまして、從つて完了後これを補正するということが、はなはだ不合理であるというような考え方もあるのでありまして、この點については、まだ兩論必ずしも一致を見ておらぬのであります。從つてこれをどう處理するかということは、私どもとしては、まだ態度を決しかねるわけでありまして、ただいま檢討中であります。さよう御了承願いたい。
○中村(寅)委員 ただいま大藏大臣は取引が完了しておるから引上げないという考え方があるという話でありますが、そういう考え方を政府でもつておるとすれば、私は一言つつこんでお聽きしたいのでありますが、今日の供出米というものは、御承知のように二月末日までに完了するように、政府の方で非常に強く要請したものである。農民の面においては、これについてはあらゆる困難を克服して、二月末日に完納したのであります。そこで取引が濟んだから、その先は知らぬということであれば、そういうふうに考えられます。それならば私は農民の面としては、何も米は二月末日までに賣らなければならぬものではないのでありまして、今年の十月か十一月まで悠々もつておつていいのであります。農民の面としては、そういうことを考えていくということになると思うが、その點については、どういうお考えをもつておられるか、承りたい。
○北村國務大臣 ただいま申し上げたのは、大藏省の見解を申し上げたのではないのでありまして、少くともそういう兩論がある。いずれが妥當であるか檢討を要するのでありまして、財政上の問題とにらみ合わせて考えなければなりませんので、ただいま檢討中であります。たとえばという意味で、こういう考えも一つあるということを、御参考に申し上げたわけであります。まだ結論に達していないということを、御了承願いたい。
○中村(寅)委員 ただいま大藏大臣は檢討中だということでありますが、新聞その他によつて報道されておるのによりますと、農林大臣は當然引上げるというようなことを言つておるのでありますが、この農林大臣の言つておることにつきましては、大藏大臣の方とは何ら交渉がなかつたのであるか、あるいは交渉があつたのか、その點をひとつ聽かしていただきたい。
○北村國務大臣 閣議においては、大臣の數も多うございますし、それぞれいろんな意見がございまして、これを討議して最後の結論にはいるわけでありますから、その最後の結論にはいつたものが、閣議で決定するわけであります。閣議においてだれがいつどういう發言をしたかということは、外部に向つては大體申し上げないはずになつておるのであります。從いまして、農林大臣がどう言つたとか、大藏大臣がどういう考えをもつたということは、申し上げかねるのでありまして、從つて檢討中でございますから、結論に到達しますれば、一つの政府の意見としてはつきりしたことを申し上げたい。少くとも二十三年度の豫算においては、具體的にこのことにつきまして、大いに御審議を願うようにいたしたい。かように考えておるわけでありますから、その邊御了承願いたい。
○中村(寅)委員 私が大藏大臣に尋ねたのは、閣議における農林大臣の意見についてではない。農林大臣は、新聞等でも再々地方に出かけても、二十二年産米は引上げるということを言つておるのであります。それについて、前もつて大藏大臣との間に話が通じておつたのか通じておらなかつたのかそれだけを聽きたい。
○北村國務大臣 これは非常に微妙な關係がありまして、まだ政府の意見としてここではつきり私から申し上げる段階には達しておらぬということだけ御了承願いたい。同じことを繰り返えすことになりますけれども、まだ閣議で米の問題をどうするかという扱い方は決定しておりませんので、從つて決定すれば政府のきまつた意見として、豫算委員會においてはつきり申し上げることができますけれども、個人の見解をここで申し上げましては、かえつて誤りのもとになりますから、その點はさよう御了承願いたい。私としては、さよう考えております。
○川島委員長代理 では押川君に前囘に引續いて運輸大臣に對する御質問を願います。
○押川委員 ただいま運輸大臣の御答辯を聽いておりますと、行政と現業との分離は、計算上經理上の分離をするのだというお話でありますが、御承知の通り、今國民が鐵道運賃の値上げによつて騒いでおることは、どなたも御承知であろうと思う。從つて鐵道運賃を値上げいたしますには、まずもつて運輸省内部における經費の状態を、どういうところへもつていくか、これより以上はどうしても國民に負擔されなければならぬというところまで突き詰めていかなければ、敗戰に苦んでおる國民が、これより以上負擔を甘んじてするということは困難であろうと思う。四百六十五名出ておりますところの議員の諸君も、ひたすらこの點を考えて、この値上問題については、相當の意見を述べ、あるいは反對をする。おそらく現状におきましては反對の方が多いのじやないかと思う。そこで私は内部の改革にいたしまして、どの點まで御構想をおもちになつて、どういう方法で内部の肅正をしていつて、そうして初めて國民がこれなら安堵してやつてくれるのだというところまでのお考えをおもちになつておると、こう考えて御質問申上げた次第でありますが、經理上の區別をする、分類をするというような程度で、實際國民が考えておりますような期待に副うような政治ができるでありましようか。もう少し詳しい御構想をおもちになつておるだろうと思います。いま少し詳しい點を、ひとつ御答辯願いたい。
○岡田國務大臣 押川さんの御指摘のように、運賃を大副に引上げますことの前提といたしまして、運輸省内部の行政、現業双方の合理化、能率化、冗費の節約ということを、その前提といたしまして、可及的にもうこれ以上できないというまでの努力をいたさなければならぬということは、私も御指摘の通りに考えております。その具體的方策といたしまして、先ほど御質問になりました現業を分離いたすという方向に、まず進めまして、そうして現業面における採算コスト、あるいは能率經費の點等をはつきりいつでもキヤツチできるやうな態勢を整えることにもつていきたい。それからまた運營上においてロスが出ておるようなところは、發見いたし次第これを解消していく、また冗員がある場合には、減員も考えなければならない。あるいはまた設備その他につきましても、不整頓のところがあり、また技術的にも缺陷があります場合には、できるだけ是正をしていきまして、運營コストの低下に十分な努力をいたす、そういう考えで進んでおります。ただここに戰時中から相當に鐵道事業は、設備その他につきまして衰耗を來しておりますことと貨車などが非常に少くなつております。急速にこれらの設備を増加し、また改良いたす。そういうことを早くやりませんと、十分な能率が上つていかないことは御承知の通りでありますが、ただいま資料あるいは豫算の關係上、すぐにできない點もありまして、いらいらする面もあるのでございますが、そういう考え方で、これ以上合理化する途はないというふうな態勢をつくつていかなければならぬことは、御指摘の通りであります。しかしそのことは相當な時間と相當な準備竝びに時日を要しますことでありますので、一日も早くさような態勢を完成せしめることにもつていたいと考えております。
○押川委員 重ねてこの點について承つておきたいのでありますが、今の御構想では、監督機關と現業とを明白に分離して、それぞれの獨立の廳にするというようなお考えはないのでありますか。
○岡田國務大臣 それはその方向に檢討を進めておるわけでありまして、ただいまのところといたしましては、これにはいろいろな入り組んだ關連もありまして、利害得失を十分檢討いたしました上でやりたい。まずその方向に進むための前提といたしまして、經理の面におきまして、經費を區分いたしまして、そして行政監督費の方は、本年度豫算には一般會計から繰入れるということで、豫算の編成をいたしつつあるのでございます。
○押川委員 今運營方法、整理方法の御構想をお尋ねしたいのでありますが、これを次に項を分つてお尋ねいたします。ただいま承ると、相當期待すベき行政整理の方法を行われるような御意圖のように承るのでありますが、この機構の整備に伴つて、ただいま問題となつております道路行政の一元化、あるいは觀光行政の一元化というようなことについては、どういう御所見をおもちになつておるのか。
○岡田國務大臣 觀光事業のことにつきましては、押川さん御承知の通りに、從來から運輸省におきまして、ほとんど主管的に事務をとつてまいりました。ただいまでも課程度のものが運輸省にございまして、將來においてそれを局に直しまして、積極的に觀光事業の推進ができるようにしたしたいの存じております。しかしこれは内閣におきまして、まず觀光審議會というものをつくりまして、各省を網羅いたしまして、觀光事業について全面的に檢討をいたすということになつておりますので、この觀光審議會ができまして、その結論を得ましてから、觀光局を實現いたしたいと考えております。 次の御質問の、建設院と競合するかに言われておりますものは、港灣、土木事業、あるいは運河、道路關係のことでございますが、運輸事業に關係のありませんところは、建設院でおやり願つても、私の方はいいと思つておりますが、運輸事業に直接關係のあります——主としてこれは港灣、運河、港灣の修築及び港灣の建設補修、港灣に關連いたしました上屋その他の建築の施設等、そういう方面は、やはり運輸省が主管をしてやつていくことが、今日の状態から適當であると考えております。陸上の道路工事等の關係につきましては、直接鐵道輸送その他に關係のあるもののほかは、建設院の方でやつてもらうことが適當であるというふうに考えております。
○押川委員 今日の汽車に乗つてみますと、昔の鐵道とはよほど變つた空氣に接するのであります。私どもから考えますと、結局營業ということをやつていた鐵道が、今日はお役所というような氣持がいたすのであります。從いまして、人事行政に伴いまして、今日われわれは運輸省の現業の方面が官僚的獨善の氣分をもつておるのではないかということを疑うのであります。この點についての是正の方法についてお考えがございますならば、お伺いいたしたい。
○岡田國務大臣 鐵道の事業は企業でございまして、しかも公共的の企業でございますので、官營であるからと申しまして、決してお役所式に官僚化してはいけないと存じております。御指摘のように、戰前から比ベてみますと、確かにそのやり方が少し官僚的になつたと申しますか、傾向があるやに見られますが、これは私は望ましくない傾向であると考えておりますので、そういう點については、今後できるだけ速やかに是正をしていきまして、やはりサービス本位の感じのいい鐵道企業の運營にしてまいりたいと考えております。
○押川委員 政府は先ごろ行政整理を行つて、相當大幅な人員の整理をするということを發表したのでありますが、今また運輸大臣におかれては、現業の方にもある程度の手を染め、行政の方に向つては、相當幅をもつた整理をする。こういうことを言つておられるのであります。しかしながら、今までの大臣は、野におられますときは行政整理について相當のお考えをおもちになり、その御意見を發表されておりますが、一旦大臣におなりになりますと、實際はなかなかその責任を果されないで、おそらくはいろいろなお言葉をもつて行政整理ができないことを仰せられるのであります。先日の本委員會におきましても、現業の方については、まだ人手が足りない。勞働基準法によつて、まだ相當の人が要るというようなお話もあつたわけであります。こういうことから考えまして、運輸大臣は今申し上げました通り、行政の方は相當の整理ができるが、現業の方はなかなかできない。勞働基準法が嚴存している以上は、まだ人が足りない。こう言われておるわけであります。しかし私が考えまするのに、今日のわが國が法律制度をつくりましたそのもののように、一々あてはめていつて、ほんとうに日本の再建ができるかどうか、こう考えますと、何しろ不自由な生活をお互いがしておるのでありますから、法律ができましたその尺度に從つて、必ずこれを充實していかなければならぬということになれば、われわれはとうてい再建ができるものではない、われわれ日常生活におきまして、國民そのものも希望は相當もつております。敗戰はいたしましても、いよいよ平和がまいりました以上は、何とかその基準に基いた生活に追つ著かなければならぬという努力はいたしておりますが、現實はやはりその努力の通りにはまいりません。やはり現實をつかまえて、その現實に甘んじて再建の方途を立てるよりほかに方法がない、こういう生活苦にわれわれはあえいでおるのであります。 そこで私はひとつ運輸省の人員整員ということについて、いわゆる行政整理の點について、今外資が導入になる、こういうことをもつぱら本内閣の看板として考えておる。昨日のごとき總理大臣より七億五千萬ドルくらいは大體豫想できるのではないかという御答辯もあつたようでありますが、この外資導入と今の運輸省の整理ということ、外資の導入に相なれば、もちろん機械器具等も導入されることでありましようし、これらに基いた整理の方法について、御所見をお漏らし願いたい。
○岡田國務大臣 お答えいたします。押川さんが仰せられましたごとく、行政監督面におきましては、ただいまできる限りの整理をいたしたいと存じまして檢討中でございますので、その案ができましたならば、でき次第に御報告を御發表を申し上げたいと存じております。それから企業面の人員の整理でございますが、この點は芦田内閣ができる直前、三黨政策協定の中にもはいつておりますように、機械的の整理は行わないということになつております。特に鐵道企業におきましては、事業量とにらみ合わせました必要な人員の確保は、これは無視できませんことに相なりまするので、先般も本委員會におきまして、他の委員の方の質問にお答え申し上げましたごとく、押川さんも言われましたごとく、本年度の増送でございます。一億三千萬トン輸送完遂の目標で、すベての計畫を立てまして、今進めておるのでございますが、その増送、これは約二割になりますが、それによるところの人員の増加が必要になつてまいります。また勞働基準法の實施による人員の増加が必要に相なりまするが、これは兩方面を合せまして、本年度の基準人員は約六十七萬人あまりになつてまいります。勞働基準法の方は別でございますが、増送の面が六十七萬人くらいになつてまいりますが、これは大藏省の節約してもらいたいという意見もございましたし、この際運賃値上げに際しまして、われわれは經費の節減をさきに申し上げましたが、できるだけ行わなければならぬという考えから、この基準人員は約六十二萬數千人くらいに止めることにいたしまして、そういう計算の豫算を、ただいま組んでおるのでございます。でありますので、その點におきまして、四萬數千人くらいの節約をした縮小された豫算を、今編成いたしております。それからもう一つの基準法に實施に伴いまして、當然増員せねばならぬのが約四萬人の基準人員數が出ておりますが、これも先般もこの席で御答辯申し上げましたごとく、一萬五千人に縮小いたしまして、ただいまこれも豫算面に現わしております。兩方合せまして、これは基準人員でございますが、六萬數千人の縮小をしたことにいたしております。そういたしまして、一方における設備の擴充及び改良、または増送等の仕事を、計畫通りに遂行していきたい、こういう考えに進んでおるのでございます。
○押川委員 ただいま承りますと、外資導入という點については、何らお觸れになつていないようでありますが、今の状態といたしまして、結局日本は殘した寶は人間だ、こういうことになりますから、その人間のみを利用することをお考えになつておつて、外國の新らしい機械と申しましようか、われわれは戰時中によく承つたことでありますが、たとえば九州の石炭にいたしましても、掘り出すことは多量に掘り出して、鐵道沿線に堆高く積まれている石炭、これの輸送ができない、その輸送する汽車に積むまでの間にシヤベるで一々放りこんでいたんでは何年たつても運搬ができない、こういうことでだいぶ困らされた。ところが、終戰になりまして、今日もなおその設備ができたとは聞いていないのであります。從いまして、外資が導入されるということになれば、御計畫といたしまして、さようなことも大いに改善されて、相當人員も減らせる、こういうふうなことも考えれるのでありますが、その點について伺いたい。
○岡田國務大臣 外資導入面のことを落しまして、どうも失禮いたしました。外資導入に際しましては、押川さんの言われますように、外國の進んだ技術をとり入れまして、そうして人員を減員していきます方向、いわゆる鐵道事業の高度の機械化に向けてまいりたいと、私も考えております。おつしやる通り、いわゆる石炭の荷役、海陸に連絡の荷役、あるいはまた鐵道の轉轍の仕事、操車場の仕事、その他一般の仕事に對しまして、今後進んだクレーン設備であるとか、またそうした荷役設備の機械、轉轍に對する機械等を研究いたしまして、そういうふうなことによりまして、人員を相當數將來大幅に減していきますとともに、經費も節減していく、なお鐵道輸送事業を正確に能率を上げていく、そういう方向に向けて努力をしていかなければならぬと、私も考えております。その點は押川さんのお考えと、私も同感でございます。
○押川委員 大臣は先日、この際運賃を三倍半の値上げをしても、なお赤字が出る、その赤字は、行政の方と現業の方とにわけて、行政の方は一般會計から繰入れる、こういう御意見であつてのであります。なお行政監督部面の整理と不要物品の整理を行うて、その餘裕を鐵道の改善と、サービス改善に充當するという御説明を承つたわけでありますが、私は少し考え方が違うのであります。現在不要物品をお拂下げになつて、そうした人員も整理した、その餘裕ができた、それで國民が希望いたしたおりますものは何であるか、こう言うと、結局鐵道の設備の相當な改良擴充ということは、これはいずれも乘つてみて、また運送さしてみてわかるのでありますから、よく復舊してあるには違いないのでありますが、サービスの點で、一體今鐵道がサービスがあるかということになるのであります。私は先ほど申しました鐵道の官僚獨善化も、そこに歸著すると思うのでありますが、客車にしても、今の國民は命からがら乘つております。何臺待つても積み殘されて、なかなか乘れない状態であるのに、いかようなサービスを行うか、こういうことを考えざるを得ないのであります。一體今われわれが日本再建を一生懸命に考えておりますときに、鐵道のサービスを受けまして、愉快な旅行がしたいという考え方は、おそらくもつていないと思うのでありますが、今さような餘裕ができたとかりに考えてみても、運賃の値上げに伴う收入の見込額、それからその見込額によりまして、企業の採算制の見透しは、どういうぐあいにおつけになつておるか、これで何年か先獨立採算制が完全に實行されて、ほんとうに大臣が希望されておるような時代が迎えられるか、これの計數とお見込みについてお答えを願いたい。
○岡田國務大臣 お答えいたします。鐵道のサービスがたいへんに官僚的になつておるというお説に對しましては、私も同感でございまして、國民の皆樣に申譯がないことと存じております。この原因は大體終戰後特に急激にはなはだしくなつたように思つております。それは一般の勤勞者等の思想の惡化からもまいつておるのではないかと考えておりますが、鐵道從業員も、さような影響を受けまして、非常にぶあいそになり、不親切になつたということも言えると思います。近來だんだんとこれは緩和してまいつておりますので、この傾向によりまして、一般思想の健全化をはかりますとともに、サービスを改善して親切な鐵道の經營に力を盡していきたい。かように考えております。 それから赤字の關係と採算の關係でございますが、鐵道企業は公共事業であり、また國營の企業でありますが、これは採算を無視しては絶對になり立たないので、絶對に採算は堅持せらるべきであるという考えを私ももつております。それから將來早い機會に獨立採算制が確立をいたしますような方向にいたしたいと考えておりますが、過渡期の今日の日本の經濟の混亂期におきまして、物價政策等のために、運賃の引上げが抑制されるというようなときにおきましては、やむを得ないことであると考えますが、その時期につきましては、大體日本の經濟が安定をいたしまして、鐵道企業が十分に合理化され、能率化されました線における採算コストまで、運賃の御負擔を願わなければならないのでありまして、その點については、あるいは明年度において實現するということは、やはり望み得ないのではなからうか。それは日本の經濟の安定する時期に、大いに影響があると存じております。しかし私たちはそういう時期の早くまいりますことを希望し、またその方向に向つて努力を盡していきたいと存じております。今日貨物竝びに旅客ともに三・五倍というふうな値上げをお願いして、なおかつ赤字が出る、それは戰時中以來ただいままで、物價政策の見地から鐵道運賃の引上げが、その機會あるごとに抑制されてまいつておりまして、特に貨物の運賃は、ただいまの計算によると、基準年次、すなわち昭和九年から昭和十一年のときの比較から考えて、物價六十五倍に對して、貨物運賃はわずかに二十一倍という數字になつております。旅客運賃は二十三倍弱という數字になつております。終戰後においても數囘物價の引上げに伴つて運賃の改訂がなされたのですが、物價政策の建前からその都度大幅に抑制を加えられてまいつた關係がございます。今囘も物價と賃金の改訂期に際して、運賃の引上げを御審議を願うのでありますが、今囘は三倍半となつておりますけれども、貨物の方はこれは特にまだ低いのでありまして、改訂されます安定帶物資の豫想の倍數から比較しますと、安定帶物資は約百十倍を目標にいたしておりますが、それに對して貨物運賃は七十四、五倍程度にしかならぬことになります。この結果は、基準年次から考えてよほど低い比較になつております。これを一方鐵道經營の採算コストからしますと、ただいまの採算コストの三八・五%ぐらいにしか計算が出ないのであります。それによつて貨物は大きな赤字を出すことになつております。旅客運賃面において三・五倍という大幅の引上げをいたしまして、これは國民に對しても心理的影響が非常に惡いと存じますが、それからは若干の黒字が出るわけであります。相殺してなおかつ百億程度の赤字を出すという結果に相なつているわけであります。
○田中(源)委員 關連してちよつと……。先ほどの押川君の質疑に對すも大臣の御答辯で、まず企業と行政とを分離するということについては、經理面の分離をまず行い、經理面のみは一般會計からこれを補う、こういうような話でありましたが、これは當然のことです。過去においても鐵道は特別會計から一般會計へ繰入れた例はたくさんあります。輸送業というか交通業が、學理的に考えてもこれは公共事業である、いわゆるパブリツクであるということは、何人も認めるところで、これは國家企業であろうと私企業であろうと、當然のことであります。しかし企業というものは、獨立採算をとつていかなければならない。過去のわが日本の國の經濟状態がこのような状態にあるときに、鐵道企業も今日のわが國に許された經濟觀點に立つて、企業を獨立し合理化していくことは、當然のことと言わなければならぬ。從つて行政面を一般會計に繰入れることは、何ら私は不合理でないと思います。しかし一體これをどういうふうにして合理化していくのか、何年計畫で合理化するのか。つまり今日の日本の老衰した鐵道と物資不足のときにあたつては、大臣のお説のごとく、何人も企業の能率の上昇しないことは認めるのであります。これが上昇しないことは、わが日本經濟全體から見てその通りである。日本の經濟の企業が、戰前の三〇%であることは、當然のことであります。從つて經理面で一般會計と企業というこの二つを分離しなければ、日本の鐵道は幾年經つても合理慎しないのであります。それをただ經理面だけやつてこれを補つていくということは、官僚がそれによつて温存をはかろうという魂膽があることを見破らなければならぬ。これは大臣が職を賭してもやつてもらわなければならぬ。わが民主黨は行政と企業とをはつきり分離するということは、大會において決議しておる黨是であります。この黨是は各黨とも異議を唱えないところであります。今承つておりますと、ただ經理面の分離ということでは、獨立採算制ということは夢にも見られません。われわれは運賃を値上げすることも認めます。三・五が四・五になろうが、五・五になろうが、嚴格に檢討して合理的に認めなければならぬときは認めます。まずもつてそれまでに行政と企業とをくつきりと分離してしまつて、そこにおいて、これだけの輸送能率に對しては今日どれだけの投資が要る。この投資を入れた場合においてどうする。企業の内容においてどれだれの人間を整理する。それでどうしても赤字が出るというときに、それを國民が負擔するということでなければならぬ。そこにもつていくように事務的に企業廳がやつて、そこに國民が納得のいくような數字を現わしてこなければならぬ。先年の片山内閣當時における問題もそこにあつた。政府が倒壞した問題もそこにあつた。これを考えて、私は運輸省におつたときに、極力この面を主張しておつた。おそらくその當時の職員諸君は皆知つておるはずだ。しかるに今日ものらりくらりとやつておる。そういう状態でやつておつては、いつもまで經つても企業の能率化ということばでき得ないと私は思う。先ほどからお答えを聽いておりますと、一つもその根本に觸れておらぬ。根本に觸れておらないで、やりますやりますと言つたつて、できるはでがない。これは大臣一人が迷惑をこうむりなさるだけであります。私はあなたに御同情申し上げます。この點においては、むしろ一歩進んで、この面について敢然と起つてあなたがおやりにならなければできません。あなたの今お示しになつた通り、貨物運賃は二十一倍であり、貨車は減つております。線路は傷んでおります。その傷んでおるところをどうすれば直るか、それでなんぼの赤字が出るものということになれば、それはあなた方と手を携えて、協力してこれを合理化するようにもつていきたい。その案を立てて、一方にこれが四倍になろうが、五倍になろうが、値上げして構わぬ。こういう面に私は進んでほしいと思う。今日の現業廳は、いたずらに勞働基準法にとらわれて、能率の合理化を實際にはかつておらぬと思う。私どもは今の答辯を聽いて納得いたしません。心持だけでも、あなたが敢然とおやりくださるならば、心から私ども今日の國鐵再建に協力いたします。どうかひとつ政府はおざなりの答辯でなくて、殊にあなた方のように苦勞なさつておる苦勞人の方には、よくおわかりのことと存ずるのであります。まずもつて現業と行政とを分離する。そして企業がどういうふうに缺損をしていく。この缺損に對してはどうする。赤字がいくらここに出て、そして運賃をなんぼ上げるか。しかし運賃引上げということが國家産業に影響ありということになれば、國家はこれだけを負擔しなければならなぬ。まだまだ國鐵の企業において整理いたすところは多々あります。私は機能が圓滑に動いておらぬと思う。國鐵の機能が人的構成の上においても、機械的な施設の上においても、圓滿に動いておらぬと私は思う。押川君のお尋ねになつておるところはそこなんです。今のような御答辯でありますならば、説明を聽かぬでも、國鐵の白書を讀んでわかつておる。それを勇敢に一歩行政面の改革を進めていただいて、そうして企業の獨立化をはかるという面に、あなたが百尺竿頭一歩を進めていく決心をもつて、これを處斷くださるところの御意氣ごみがあるかどうか、また御構想があるかどうかということを、押川君がお尋ねいたしておるのでございます。今の御答辯ならば承る必要はさらになし。われわれはさようなことで政府に迎合して運賃を値上げするということは、相當考慮をいたさなければならぬということになつてくるのであります。おそらくこの委員會の諸君は、私の説には御共鳴になると重う。私は與黨の立場にあるが、決して與黨だからといつて、政府に盲從はいたしません。政府の直すべきところは直す、質すべきところは質さなければ、日本の再建は成り立ちません。どうかこの面においてあなたの今後の構想、現在の行政と企業を分離する。そうしてどういうふうにこれをやるということを、はつきり今御答辯願わなくてもよろしい。來年度豫算というものがここ數日のうちに御提案になるに違いない。いずれ運賃値上の法案も國會に提出なさることたろうと思います。鐵道五箇年計量というものがもうおできになつておるはずである。できておらぬなら、どの程度の構想であるか。きようかきのうの新聞に出ておる。そういうふうで、構想があるなら構想を出して、この構想で進む。そうしてこの案は實ほこれだ。三・五ではいかぬから四・五に上げてくれとおつしやるなら私は認める。この構想を至急にお出し願いたい。どうか今私があげた面については、あなたのここに深い御決心を承つて、その上いおいてわれわれは今後の鐵道豫算について審議を進めたいと考えるのであります。
○岡田國務大臣 お答えいたします。田中さんの言われましたように、鐵道企業の能率を高度に發揮いたし、また採算を合理化いたしますために、企業と行政面の分離は、お説の通り必要なことであると考えております。でありますから、先ほど押川さんの御質問のときに、その目途によつて檢討を加えつつあるということを申し上げたのでありまして決して私は企業と行政の分離をいたさないというようなことを申し上げておるのでありません。その方向に向つて研究を進めつつあるのであります。この現場と行政の分離というようなことにつきましては、さように簡單に結論を出すことは、私といたしましては危險であると考えております。方向はそれには間違いないのでありますが、今日の機構におきまして、あるいはまたそのために行政整理と逆行する機構ができる關係もございましようし、またあるいはその後の行政、現業、兩方の運營におきまして、ほんとうにこれならばこの當初の計畫通りにやつていけるという結論を出しますまでには、一週間や半月のことでは、その結論は出るものではない。愼重にいろいろの角度から檢討を加えました上で、確信を得てそれを決定いたしたいと私は考えておるのであります。もちろんその方面に向つて努力いたしますことは、田中さんの仰せられた通り同感でございます。その決定をいたしました曉には、斷固として私も決行をいたすつもりでおりますが、ただいまは結論もまだ出ない段階で、その檢討中でございます。しかし方向は、先ほど押川さんにお答お申し上げましたごとく、その方向に進むことを、ここに言明いたしておきます。
○田中(源)委員 今のお答えを了承いたしました。よつて、その時期はいつごろでありますか、その大體の時期の御明示をお願いいたしたいと思うのであります。私どもでありますならば、大體において一週間もしくは半月以内において、大體の構想はわれわれの手においてでき上る確信をもつておるのであります。從つて、もしこの時期があまりに長引くということでありますならば、せくかくの大臣の構想も蹉跌するようなことがあつてはと、私どもは懸念いたすのであります。大體のお見透し、お見込みをお示し願いたいと思うのであります。
○岡田國務大臣 お答えいたします。その時期は私は一週間や半月ぐらにでは、なかなかできないと考えております。相當にいろいろの角度から科學的また現實的に檢討を加えて決定をしなければならぬと思いますので、おそらくは、本豫算の提出、あるいはまた豫定されております本國會の會期中には、むずかしいのではないかと考えております。
○田中(源)委員 大臣の、科學的に檢討を要し、それが今やるということは危險である、危險を伴わないようにやつていきたいというそのお考えは私も了承いたします。しかしながら、機構の根本的な要綱というものを策定いたしさえすれば、あとの事柄は自然的に分離できるのであります。現業廳というものは一つの現業機関でありますから、基本的な根本要綱は一週間か十日あつたらでき上ります。これをつくり上げさえすれば、あとは現在の機構そのまま除けばよろしい。除いたわくにおいて獨立採算制をとるベき方途をやらせていけばよちしい。基本要綱を現業全體までにいくものというものを併せてお考えなさいますから、長らく時間がかかる。基本要綱ならば一週間か十日あつたらできます。われわれでもつくつてみせます。これは現在の企業廳全體をもつて除けばよい。そうしてそこに、新しい、それの經経面において、企業面においてのいわゆる經濟的行為が合理的に行われるが、企業が合理的に行われるかということを考えていくだけで、私はやつていけると思います。われわれが今日民間企業の現實を見てもそうであります。この點について、ここで重ねて答辯は要しませんが、一刻も早くこの時期を明確にせらんことを希望いたします。すなわちこれが遅れれば遅れるほど、とにかく國鐵の賃金値上げに響いてまいります。そうしてそれだれ國鐵が赤字を背負いこんでいかなければならぬということになる結果を、私は恐れるから申し上げるのであります。
○海野委員 ただいまの御質問に關連してでありますが、運輸大臣にお伺いいたしたいことは、貨物輸送と客車の輸送におきまして、一體人間を運ぶのに貨物とどれだけ違つてお考えをもつておられるのでありますか。これを科學的に考えますならば、ある一定の重量を運ぶのに、一キロいくら、石炭の消費がどれだけということがわかつておるはずでありますから、それから換算をいたしますと、われわれは旅客の運賃の場合と貨物の場合とは非常なそこに差があると考えます。この差があるがゆえに、なお一層赤字が出てくるのである。それを、先ほど大臣のお話を承つておりますと、わくがあつて上げられないというお話でありましたが、それは非科學的な考え方であると私は考える。人間を運ぶ方は非常に樂だ。切符を渡してさえやれば、一人でちやんとはいつて乘つてしまう。貨物はそういかない。貨物は、貨車に載せるまだ入手を要する。それほど人手を要しておるのに、運賃はべらぼうに安いということは、これはどうしても科學的にわれわれはぴんとこないのであります。この割合、もともと貨物の運賃をきめたその基礎がどこにあるか、それを檢討する必要があるのではないか、こう思いますので、貨物の場合と人間の場合、それが重量に對しましてどのくらいな運賃の差がありましようか、それをお伺いいたしたいと思います。
○岡田國務大臣 海野さんにお答えいたします。旅客輸送と貨物輸送の採算のコスト明確にしてないのではないかというお氣持であろうと思います。しかしそれは、鐵道當局におきましては、貨物は貨物、旅客は旅客に要しまする車輛その他消耗品、人件費等を分離いたしまして、はつきり出るよすにいたしておるのでありまして、そこからまいりますいわゆる原價計算を出しておりますから、貨物に對しまして採算コストが一トンに對して一キロ當りいくらになる、旅客に對しては一キロ當り一人に對していくらになるという計算は出ておるのでございます。その数字の詳細につきましてす、御要求がございましたら詳細な数字をもつてまいりまして、お答え申し上げたいと思つております。科學町の問題を御指摘になりましたが、私も、日本の鐵道が進歩いたしまして、正確なものであり、また非常に黒字を出しておつた、コストが安かつたということは、二十年あるいは十年前くらいまでは、そういう現状であつたと考えておりますが、支那事變が起りまして以來、戰時中に、この進歩というものが戰爭の結果などによりまして止まつておるように考えられております。今の鐵道の現状は、仰せのごとく科學的あるいは機械化という方面とは少し方向の違つた後れたものになつておる。世界の水準から申しましても、後れておりませぬかと存ずるのであります。それで私は、この鐵道施設竝びに選營荷役設備その他の機械化なんかに向つて努力を盡していつたならば、ここで大幅の經費と人員が節約できるであろうというヒントを得ておるのでありますので、今後におきまして、先ほど田中さんが御指摘になりましたように、五箇年計畫の中にもこれらを再檢討いたしまして、これを織りこみまして、りつぱな鐵道に仕上げていく。また一方におきまして、經費と人員を省きます上に大きな影響をもつております電化事業などにつきましても、理想から申しますれば國内の鐵道全部を電化いたすということが、私は理想だと考えております。これらの點につきましても努力していきたい。なお、五箇年計畫の内容につきましては、あらためて機會を得まして、田中さんにも詳しく御説明御報告申し上げたい。しかし田中さんは、われわれの先輩といたしまして、鐵道行政に非常に御經験が深い方でありますから、あるいは内情も御承知であちうかとも思つておりますが、今後におきましても、先ほど御指摘になりました現業と行政の分離の方策につきましても、案のよろしいものがありましたら御提示をいただいたら結構だと思つておりますが、なおあなたの御知識の拜借に行かなければならぬことと存じております。
○海野委員 ただいまのその數字につきましては、今伺えないでしようか。貨物と人間の場合の比率がどうなつておるか。
○加賀山政府委員 お答えいたします。ただいまの海野さんの御質問は、貨物一トン一キロと、旅客一人一キロとその運賃がどういうようになつているかということを、まず聽きたいというように伺いましたので、申し上げたいと思いますが、御承知のように、貨物の方は遠距離遞減ということをいたしておりまして、遠方に行く貨物ほど安くなつております。また貨物が十一等級あつて、それぞれ負擔力において運賃が異なつておりますので、貨物については、ちようどその眞中ごろであります。これを標準くらいの貨物——われわれのところで五級貨物と言つておりますが、これによつて、ちようと平均の輸送距離が百八十キロまででございますので、五級の貨物の百八十キロまでのちようど百八十キロのところの運賃を計算しますと、一トン一キロに對し一圓二十錢に相なつとおります。實はこれは今回三倍半に改正しようという場合に一圓二十銭に相なるわけでございます。旅客の方は多少遠距離遞減ですが、貨物と趣きが異なり、一、二、三等の區別があることは御承知の通りであります。百五十キロまでと百五十一キロ以上と、賃率が二段になつておりまして、これも多少の遠距離遞減を行つております。ただ旅客の方は平均して乗車距離が約四十キロくらいでございますので、その邊だとつまり百五十キロまでの運賃率一人一キロ一圓二十五銭でございます。それが今囘の運賃法において大體考えておる數字になるのでございまして、たまたま一トン一キロと、一人一キロとは、その平均乗車竝びに輸送距離においては、ほぼ同じ運賃に相なつておる。かような状態でございます。
○海野委員 ただいまのお話、人間を一人一トンくらいに見ておられるお考え、てんでそれは考えが違つておられるのではないかと思います。貨物一トン一キロに對していくら、人間一トン一キロに對していくらということを、私はお伺いしておるのであります。
○岡田國務大臣 貨物一トンいくらは出ると思いますが、人間一トンとなると、これはちよつと計算の基準が少しむづかしいのではないかと思います。海野さんは科學者でありますから、人間一トンというのは、人間の重みと手荷物を割出してのお話だと思いますが、その基準をお教え願うと結構だと思います。
○海野委員 ただいまのお話、物を運ぶのには石炭をいくら使つておるか、そうすると重量とその石炭を考えることになると、一トンに相當する人間が何人乗れるかということを考えなければいけないと私は思います。石炭の消費量、人件費、そういうことから考えると、人間の場合人間を特別扱いにしておらないのでございましよう。ただいまの運輸省においては、どうしてかと申しますと、途中で故障があつた場合には、さらに保險料というものは加味しておらりないはずでありますから、人間を運ぶのに實際においては貨物と何ら變るところのない精神から起つておると考えられるのであります。その點はいかがでありましようか。
○岡田國務大臣 一トン運ぶについてのお話は、人間を容積に割當てて、一つの箱の容積に何人乗れるかという計算をして定員を決定し、その定員の計算から出てまいるもので、やはり建前は一人一キロ當りいくらいになるかという計算で立てねばならぬので、そういう計算を立てておるのであります。その一人當りの計算は出ておりますので、これまた御要求でしたら申し上げます。 それから人間扱いにしないという御非難のありますことを、私もたびたび聞いております。それはまことに今日のサービスの低下いたしておりますことは、相濟まぬと思つておりますが、これは非常に輻湊いたします東北、北陸等の地域におきましては、輸送量の十七、八割までも乗つていただかなければならぬというような現實が起つておりまして、そのためにまことにお氣の毒な取扱い方に自然なつてまいつておりますのは、相濟まぬと思つております。これは設備、車輛を早く増強いたしまして、列車本數を殖やすということによつて解消するよりほかはないのであります。ただいまのところ、思うように車輛數、列車本數の殖やせぬのは、まことに遺憾であります。だんだん努力してまいりたいと考えております。
○海野委員 ただいまの物を運ぶという見地から考えますと、重量でもつていくら運んでいくらというところから運賃を起算しなければいけないのではないかと考えるのであります。そういう點から考えますと、貨物運賃の方ははなはだ安すぎる、安すぎるのにこれは一定のわくがあつてできないというようなお話でありますが、その考え自體が非科學的なのではないか、そういうところに、私はこの鐵道の赤字の大きな原因があるというように思つております。なお先ほどお答えいただいた政府委員から數字のところだけちよつと承つておきたい。
○加賀山政府委員 お答えいたします。人員と貨物とは全然別個の取扱いをしておりますので、これを卒然とトン數、重さでもつて比較することはもちろん間違いだと思うのでありますが、旅客といたしましては、大體二十人をもつて重量といたしましては一トンというふうに換算をいたしております。車輛の重量がはいります場合に、定員二十名をもつて大體一トンというふうに考えております。ただそういたしますと、先ほどの比較からいたしまして、旅客運賃は貨物運賃に比べて二十倍高いというような數字になるわけでございます。これをコストの面から計算いたしますと、コストといたしましては旅客には車、機關車も別でございますし、驛、操車場——大體旅客貨物とは、線路は同じ線路を使つておりますが、別種の取扱をして輸送をしておりますので、それらをコスト計算いたしますと、ちようど今申し上げた數字に近い數字が出てまいるのであります。先ほど大臣からも申し上げましたように、收入對コストの比は、貨物においては現在一一%、旅客においては四六%、こういうふうに相なるわけであります。從つてコストからのみ計算いたしますと、コストに合わせようといたしますれば、旅客運賃はほぼ倍にすれば間に合う、貨物運賃は九倍くらいにしないと間に合わない。こういう數字が出てまいるのでございます。
○押川委員 次に承りたいのは、御承知の通りに、今の鐵道に附隨いたしまする取次の運送の點でありますが、現在の通運事業を民主的運營にするということについての立法的處置を、どういうようにいたされておるか承りたい。
○加賀山政府委員 お答え申し上げます。實は私主管ではないのでございますが、通運事業法につきましては、前國會のときから、道路運送事業法を國會できめていただきました時と時を同じくしまして、通運事業も實は準備いたしておるのでありますが、まだ國會提出の運びに相なつておらないのであります。
○押川委員 ただいまの御答辯でその通運事業法はいつごろお出しになる御豫定になつておるか。
○加賀山政府委員 お答えいたします。通運事業法は、法案の準備はいたしておりますが、一方における日本通運株式會社等の集中排除に關する取扱い方がまだ進行中でございまして、これらと見合わしてやつていかなければならぬというような關係から、まだ提出の時期につきましては、決定を見ておらないという状態でございます。
○押川委員 そこで次に承りたいのは、御承知の通り戰時中軍事の必要上から、全國あらゆる鐵道軌道等を政府に買收されたのでありますが、獨立採算制をおとりになる關係から考えてみますると、この民間の鐵道企業等は、いずれ何とか處分をしなければならぬのではないかという考えをもつのであります。この拂下げをなされる御意思があるかどうか承りたい。
○岡田國務大臣 戰時中に民營で經營されておりました鐵道などを數十社軍の必要で買收いたしましたが、その後大體それらの會社が清算をいたして解散をいたしましたものも相當にございまして、今約十社餘りは會社がまだ存續しておると思つておりますが、この鐵道は公共的事業でありまして、しかも獨立採算を堅持しなければならぬとということにはなつておりますが、地方等におきましては、獨立採算制に合わない所でありましても、その地方の開發あるいは特殊の事情等から考えまして、犠牲經營をせなければならぬ所もあるのでありますから、これが獨立採算に合うから、合わぬからということで買收しました私鐵を拂下げる、拂下げぬということをきめるというのでは、少し違うと思います。諸種の事情から考えまして、その問題は解決していかなければならぬと存じておりますが、その一つの例は、買收いたしました私鐵の沿線の住民の人たちが、どういうふうに希望するか希望しないかということ等も考えなければならぬと思いますので、この件については、いろいろ今考慮中でございまして、近く關係各省とも相談をいたしましてきめたいと存じております。ただこの鐵道經營が國營論と民營論とがいろいろあるようでございまして、私としましては、一つの意見をもつておるのでございますが、この國營か民營か、あるいは拂下げをするかしないかということにつきましては、影響するところが相當デリケートであると思いますので、相當な協議をいたしまして見透しを立ててから、はつきりしたことを申し上げたい、かように存じております。
○押川委員 數日前の運輸交通委員會で、大臣から拂下げる意思のあるような御答辯があつたと承つておりますが、その點をお伺いいたします。
○岡田國務大臣 お答えいたします。その場所によりまして、それからまたその地方の情勢の實體によりましては、考慮せなければならぬのではなかろうか、そういうふうな考えをもつておるのでありますが、まだ決定的にどの線を拂下げるという結論にまでは達しておりません。從いまして、よく關係各省とも協議をいたし、また省内でも協議をいたして愼重に考えて決定いたしたい、かように考えております。
○押川委員 御承知の通り、現在敗戰によつてわが國の海運界が再建の氣運に向つておるということは、明らかであります。昔のようにというわけにはまいらないかもしれませんが、連合國側の報告によりましても、日本の船舶について相當の造船量を認めて、海運再建の方途をはかつてくれるというようなことが新聞にも現われている。つきましては、海運再建の方途についての船舶運營會の改組をいつごろ行われるお考えであるか。船舶の造船計畫はどういうぐあいにしておられるか。爾後わが國の國際的貿易に伴う準備態勢としての造船計畫、外資を導入した場合にはどういくかというような點についてお伺いいたしたい。
○岡田國務大臣 海運の再建につきましては、いろいろ考慮したしておりまして、私も先般ドレーパー使節團が來られましたときに、現状を述べまして、その援助方を懇請しておいたのであります。押川さんも御承知の通りに、ドレーパー支節團の報告、その前のストライク・ミツシヨンの報告等によりますと、アメリカといたしましては、日本に四百三十萬總トンくらいの船をもたさなければ、日本の經濟の自立は確立しないであろというような報告がされております。これは事實はたしてそれだけの船をもたすということを許容してくれるか否やは、まだ未定の問題でありまして、われわれはそのくらいの船をもたしてもらえば、非常に結構と考えております。しかしながら、ただいまお話がございましたように、これだけの船をもたしてもらいましても、航路制限がどの範圍に許されるかによりまして、その船が全部使われないという現象も起るのでございまして、これまた連合國の厚意ある取扱いによりまして、相當世界における航路の制限を緩和してもらわなければならぬ問題も起つてまいると思います。それで海運再建の方向といたしましては、最小限度の線と申しますと、やはり船を四百萬トンくらい持たしてもらいまして、世界における航路を無制限にしてもらうこと、それから少くとも日本に對する輸出入の貨物は、日本の船で運ばしてもらう。そうして戰前ほどではないが、外國から外國への貨物も運ばしてもらいまして、貿易以外の收入をも得ていきたいというふうに考えておるのでありますが、しかしこれはわれわれが今の立場で、連合國方面に向いまして要求をするというようなことはできぬのであります。この際連合國の考え方の決定するところを待つ、懇請しながら待つというよりほかに手がないと考えております。運營會の改組の問題でございますが、海運の特殊性から考えまして、船舶の運營は民營でなければいけないという考えを、私も持つております。しかしながら、戰後の過渡期のある計畫竝びに統制の經濟を實施していかなければならない建前から、今すぐに運營會を解散するということはできないと存じますが、徐々に船舶を定期傭船の形にでも直していきまして、それを時期が來てまた關係方面からも許容せられるときがまいりましたならば、なるべく速やかに運營會を解散いたしまして、民營にもつていく方がわろしいのではないかというふうに考えております。 それから造船の討畫でございますが、ただいま殘されております造船の設備を、どの程度賠償によつて撤去せられるかというのが、その基準になつてまいると思います。ストライク・ミツシヨンの報告によりますと、二十三年度から二十四年度、兩年度においては、十五萬トンを造船するだけの設備を殘さしむべきであるという報告があります。私が考えましても、大體今考えられております賠償撤去の後の造船施設といたしましては、大體に總トン數十五萬トン程度の年産の施設が殘されるのではなかろうかと考えられますが、ただいまだんだんと外國から造船の注文の引合がまいつておりまして、一、二、契約が成立いたしております。われわれといたしましては、なるべく賠償のときにおいて、造船施設を大幅に緩和せられまして、外國からの注文竝びに日本の船をつくります上においても、相當な能率を發揮できるような設備を殘していただきたいことを希望しておるのでありますが、この造船施設についても、早く戰時中における損耗破壞の程度を囘復いたしまして、能率をあげるようにもつていきたい。同時にまた外國からの注文も、できるだけ多く引受けまして、日本でつくつて出すというふうにいたしたいと考えております。
○押川委員 今の御答辯では、何だか物足りないような感じがいたしますが、なかなかむつかしい問題でありますから、御苦心のほどもわかるわけであります。これに併せましてね先ほど伺いました通運事業の改善の問題でありますが、獨占企業の集中排除法に伴いまして、いち早くその改正を行われますように、特に御努力を願いたいと思います。 次に前に伺いました道路の一文化の問題にも影響すると考えますが、輸送力の増強に伴うて、道路橋梁等の擴充強化、これに伴つて現在わが國の鐵道のみをもつてしては、ながなが輸送が停頓しておりますものを一掃するという考えのもとに、山間僻地におきましては、今なお宮崎縣のごときは三十萬トン、金額にして三億萬圓以上の大量の滯貨がある状況であります。こういうことを考えまして、道路橋梁の擴充強化と自動車企業の整備擴充計畫を、いかにお考えになつておるか承りたいのであります。
○岡田國務大臣 押川さんの御指摘の通りに、鐵道新線の建設は、ただいまのところ、資材その他にある制約を受けまして、容易にでき上りません。また新線ができましても、日本全國をそれによつて輸送を賄つてしまうということにはなりませんので、鐵道の行届かないところの輸送は、自動車輸送を強化しなければならぬのでございます。御指摘のように、宮崎縣には、三十萬トン近くの滯貨があるということである。また全國には三百萬トン以上の滯貨があるということを聽いておりまして、早く輸送いたしたいと考えておりますが、今後の自動車企業の發展は、速やかに要望されますが、その數字について、ただいま私持つてきておりませんので、あとの機會に詳しく御説明申し上げたいと存じます。大體自動車事業は、相當強化する方向をもちまして、五箇年計畫にも組みこんでおります。
○押川委員 ここで一つ私は御要望を申し上げておきたいのでありますが、宮崎縣のごときに向いましては、自動車、貨物自動車の方も相當路線を擴張されて設置されておる。しかしながら、なかなか動いていない。これは民間も非常に考慮されておると思う。なおバスのごときも、民間の會社においては、とうていなし切れない輸送量をもちながら、土地の人々から多くの陳情、請願等がまいりましても、運輸省關係におきましては、請願が通つて本省に通知を受けながら、なかなかバスの運輸等もようされない現状にあるのであります。一體請願を出し陳情をいたしましても、戰時中の企業獨占の方法に基いて、單一の會社がやつておるところは、ほとんどさういうような問題が起きておるわけであります。民業壓迫と言いながら、民間の交通文化を妨げ、そうして獨占をいたしておるところに民業壓迫があるはずかないと私け考えておるので、こういう點を至急考慮いたされまして、乏しいながらも、自動車の相當遊んでおりますところもあるのでありますから、これが運行いたされますように、特に御要望申し上げておきたいと思います。 次は過般總務局長から外郭團體の御説明を承つたのであります。また大臣からはこの際不要物資を拂い下げて、そうして財政の餘裕をつけたいという御説明がありました。外郭團體の中にも鐵道弘濟會があり、その他四、五のものをおあげになつたのでありますが、今度不要物資をお拂下げになるのは私ら考えれば、ろむん重要産業の方にその必要な物資をお拂下げになるものだと考えておるのでありますけれども、先ほど承るところによりますと、鐵道弘濟會に對しまして、鐵鋼類の鋼材を相當大量にお拂下げになつた。こういうことでありますが、その御理由をひとつ承りたいと思うのであります。今後鐵道の不要物資を拂下げになりましても、國民の期待するごとく、重要産業または現在の農機具等のごとく、鋼材の最も必要であるその割當が、まことにプーアなものに對してこれにお拂下げになることであれば、國民一般の希望するところでありますが、もしそういうところに行かず、弘濟會のごとき外郭團體等にお拂下げになつて、それが第三者にまた移るというようなことに相なりますと、今日鐵道運賃の値上げをしなければならぬというこの際に、一層重大な問題を起すと思いますから、特にこの點についての理由について、御説明を承りたいと思います。
○岡田國務大臣 地方におけるバス、トラツク等の自動車運送につきまして、國營を非常に要望せられておりますところがたくさんあります。昨年の國會でも、その請願が相當數量採擇をされております。私らとしましても各地方の御要望になるべく副いたいと考えておるのでありますが、押川さんも御指摘になりましたように、關係方面等におきましても、民業を不當に壓迫してはいけないという意見もあるようであります。今日その點につきまして、多少やりにくい點がございますが、ことしの三月から實施せられております道路運送事業法によりまして、各鐵道局管區に道路運送委員會が設置されておりますので、今後はそうした地方の自動車路線の開設等につきましては、その委員會の議を經まして、その答申を得て取上げて實施に移していきたいということになつておるのでございます。 次に鐵道企業の合理化、竝びにそのためにする不要物資の拂下げ等につきましては、私の方といたしましても、相當に努力をいたしまして、今年度の豫算におきましても、十億圓以上の不要物資の整理處分を考えております。十六億圓前後に相なると思いますが、近く豫算案とともに御審議を願うことにいたしております。それから弘濟會に對して鋼材を拂い下げたというお話でございますが、これは私は直接その實際をまだ報告を受けておらぬのでありすまが、あるいはこの拂下げ等につきまして、鐵道自身が取扱つて拂い下げるということになりますと、少し不便な點もありますし、その拂下げの代行をやらせたのではなかろうかと思われるのでありまするが、これは替りまして事務當局の方から御説明を申し上げさせたいと思います。
○押川委員 これは御調査になつて、あとでも結構であります。
○加賀山政府委員 ちよつと中座をいたしておりましたので、詳しく承らなかつたのは殘念でございますが、特殊物件を弘濟會を通じて拂い下げたのはどういう趣旨か、こういう御質問のようでございますが、御承知かと思いますが、終戰後陸軍竝びに海軍で持つておりましたいわゆる特殊物件を、相當敷運輸省といたしましては引繼ぎを受け、それを各工機部等に運搬をいたしまして、そこでそれぞれ整理をいたしまして、帳薄にも載せ、使用すべきものは使用する。そういうことでほとんどおもなものは使用いたしたのでございますが、それとまじつてまいりました中で、當分あるいは永久に國有鐵道としては使う見込みがないというような物件が、これも敷量といたしましては、それほど多量ではございません。使用したものに比較すれば、少しのでございますが、あつたわけでございます。この物件をいかにするかということでございますが、役所自體が入札等を行つて、それを賣却するということは適當ではなかろう、そういうことで、結局これはそういつた社會事業團體であり、なおまたそこに省的活動もしたしております弘濟會を利用したいまして、この組織機關を利用して、これを最も必要な部面に賣却するのが、國家的に最も利益ではなかろうか、かように考えまして、弘濟會に一旦これを取扱わせておる次第でございます。もともと弘濟會の性格は御承知かと存じますが、國有鐵道の職員と、その退職者竝に公傷者あるいは殉職者の家庭といつた人々、こういう人々の救濟にあたる機關でございます。これも御承知かと思いますが、國有鐵道では、毎日のように實は遺憾ながら殉職者を出している。あるいはけが人を出しているのでございまして、これらに對する救濟機關は、他の機關とは別に、相當強力なものを要すると思うのでありまして、財團法人といたしまして、たしか床次竹二郎飯のときにできたものでございます。これは退職者が主でございますが、目下三千人を使用しつつ、驛の賣店等の業務を行い、それからあがりますところの收益をもつて、退職者の給與にあて、あるいは仕事を失つた公傷者でありますとか、あるいは殉職者の遺憾の救濟にあたつているわけでございます。昨年度におきましては、四千萬圓に上る救濟金をその利益の中から醵出いたしております。そういう機關なのでございます。
○押川委員 そういたしますと、今後十億萬圓内外のものが、不要物資として拂い下げられることになるのでございますが、これもやはり弘濟會を通してお拂下げになるのでございますが。また弘濟會を通じてお拂下げになるということになり、ただいまの利益金四千萬圓ほどを弘濟會に殘してやつていく、そうして鐵道関係のいろいろな不慮の災害者に、あるいはその遺族等の族濟をしていく。こういうわけでございますが、一體法律的に考えてみまして、同じ國民であつて鐵道関關の人のみが厚く受けるという救濟の方法は、今後われわれは相當考えなければならぬと思います。經營が自主的の經營になります今日は、あまねく一般に同じき救濟の方法が行われるということが、法律的觀念の上になければならぬのでありまして、一つの役所における者はより多くの救濟の方法がある。他の役所における者は、他にそういう機關がないがゆえに、一般の法律に從つてのみ救薬を受けるのだということになりますと、ここに多くの國民の怨嗟の的になるということが起ると思います。でありますから、そういうことをやはり今後もなさるのであるか。もしなさるといたしまして、弘濟會に取扱わせるということは適法なことであるか、あるいは違法なことであるか。この二點をお伺いいたします。
○岡田國務大臣 不用物資、特殊物件等を合わけまして十六億圓程度と申しましたのは、大約の數字を申し上げたのだありまして、その内容には各鐵道局管下の工場、あるいは操作場、その方から出ますくず物、スクラツプ、不用品等も全部含まつておるのでありまして、それらはその工場の管理部等で、年々定期的に拂下げが行われておるのでございます。そのうちの特殊物件等につきましては、先ほど申し上げましたように、一部は弘濟會等の代行機關によつて、これを適當に合法的合理的に一番資材をまわさなければならぬというような方向に拂下げるということ。竝びに不正な價格ではやらないということを堅持いたしますことはもちろんでございますが、そういう方向になると思います。それから第二に、弘濟會というような、鐵道だけが特殊な從業員の救濟機關をもつておるのではないかというふうなお氣持であろうと存しますが、これは遞信あるいはその他の官廳、あるいはまた民間の大小の工場等につくられております一つの福利厚生施設とお考えを願うのが適當ではあるまいかというふうに考えております。そうした種類のものは、ほかの省にもあると存じますので、特に鐵道從業員だけを、非常に國民の水準から懸け離れた恩典に浴せしめておるということではないと、私は考えております。今後も國民の水準を逸脱せない範圍、同時にまた負傷者、けが人、あるいはその遺族等の保護が冷遇にならないように、その中庸を得ました國民的水準において、やはりこの施設は今後とも續れていくべきである。これは決して非合法的ではないと、私は考えております。
○押川委員 實は私は特殊物件については、いろいろの經驗があるわけでありますが、例の相模原の軍工廠が接收された、ここから相當の特殊物件がはいつてくる。最初は御承知でもありましようが、進駐軍の方との交渉でとれたのであります。あと鐵道に引繼がれまして、鐵道の五階のその係の人でありましたが、數囘參りまして農機具の方に必要なものをぜひ拂い下げて讓つてもらいたい。前もつて進駐軍の方へお願いしてあつたことであるからということを、數囘お願いしたわけでありましたけれども、調査の結果記帳濟みになつたらば期待に副うような方法をとろう。こういうわけであつたのであります。ところが一年間ほど經つて、遂に期待に副つていただくことができませんでした。今囘弘濟會にあまり多數の數量ではなかろうというお話でありますが、今四千萬圓程度のこのが弘濟會にはいつたとすれば、これは相當の數量に相違ないと私は思つております。殊にまた厚生施設といたしまして弘濟會がある。これは普通と變つたことではない。こういうことを言われるのでありますが、これもむろん一般から考えればそういうぐあいに考えられます。しかしこういう時代に、今のような時局に、相當多數なものをもつていくということは、考えてみましても、最初の厚生施設という考え方とは、よほど變つた考え方をもつていかなければならぬじやないかと思うのであります。昔弘濟會を福利施設、厚生施設としてつくられた時代におきましては、こういうことを豫想されておつたわけではないと思う。ところが今日の時代になつてまいりましたから、時たまたまこういう機會に、こういう方面の厚生施設にやる。こういうことになるのでありましようから、私は思わざる多數の利益がここへはいつてくる。こういうことに考えなければならぬと思います。殊に今度十億萬圓程度のものが拂下げになつて、これが弘濟會に再び續行いたしますと、民間で言えばいわばサービス料がここへはいつてくるわけである。一體鐵道官廳等より拂下げがありまして、第三者でありますところの民間にはいりますときは、拂下げた價格の數倍になるものがあり、倍になるのは普通であります。國家が拂下げた鐵鋼にいたしましても、農業會に拂下げた物でも、それが民間に渡りますときには、手數料が非常に殖えてくるのであります。また今日隱退藏物資の問題につきまして、大分つつこまれておるところをみましても、最初に一括して拂下げた物が、だんだん民間に渡りまして、今日のような厖大な數字に上つております關係上、疑惑を世間がもつてまいりまして、不當財産取引の委員會をつくらねばならぬというような事態になつてくるわけであります。こういうことをお考え合わせを願いまして、特に私は弘濟會にこれをやらせることは、違法であると考えますが、今後の問題につきましては、こういう重大の問題については、一層公な考え方をもちまして、特別な機關を通じて、ほんとうに國民のためになるような方法をなしていただくことを、特に御要望申上げておきます。 次にお伺いいたしたいのは、過般本委員會におきまして、新橋の鐵道關係の問題について、物資にからまる涜職事件について御質問がありまして、いずれ追つて報告をするということになつておりました。私は本職が辯護士でありますので、いろいろ鐵道關係の犯罪等も、たとえば中央線の事件とかその他の事件の公訴事件、上告事件等も、ときたま手にするのでありますが、大分鐵道關係の者が共犯者として現われておるのであります。もちろん鐵道當局におかれましては、これらの從業者の人格の向上とか、思想の改善とかいうことについて、肅正の方針に向つて對策を講じられておると思うのでありますが、今實際に講じられておる方策を承りたいと思うのであります。實は私は九州の者でありますが、過般九州に歸りまして、いささかのみやげ物をもつて歸つた。荷物が三箇ありましたから、二箇を抱えて、一箇は驛のホームに置いてありました。あとの一箇をとりに參りましたときに、一番のみやげ物の魚がなくなつてしまつた。方々探してみても、何度考えてみても、だれももつていく者はない。何かの問違いではないかと思つて、汽車の後についておる貨物のところにいつて見ると、私の荷物がちやんと貨車の中にはいつておる。魚に足がついて貨車の中にはいるはずがないじやないかと言うと、多勢連帶してやかましく私に食つてかかる。私は非常に嘆いて——私の縁類等にも鐵道の關係者がたくさんおるものでありますから、話をしましたところが、どうも今日はやむを得ないのだということを言つておりましたから、あきらめておりましたが、こういう犯罪の問題を考えてみますときに、特にこれが對策をお考えになる必要があるのではないかと思うのであります。從いまして、これらの御對策はどういうふうにおとりになつておるかを伺いたいと思います。
○岡田國務大臣 拂下げ物品及び雜收入の約十億圓と申しましたのは、國庫に納めますものも豫想してのことでありまして、これは豫算面できつちりした數字が現われてまいりまして、詳しく御説明を申し上げたいと存じますが、これは全部弘濟會で扱わせるというものではありません。そのうちの幾分か弘濟會に扱わせることになると思います。それは御意見の通り、今日この物品を取扱いまして手數料をとるという、一つの營利目的の事業として弘濟會がやつておるのでは決してございませんので、弘濟會は弘濟會の事業の豫算が賄えればよろしい團體でありますので、決して普通のレージをとらせるということはせぬつもりであります。その間に不當のことがあるということでございましたが、これはただちに是正をいたしたいと思つております。 それから鐵道從事員等の犯罪の防止、綱紀の肅正でありますが、大勢のことでございますので、非常な嚴重な監督はさせておるのでありますが、中に不心得者がありまして、國民に御迷惑をかけておる點は、まことに遺憾であります。ただいま鐵道公安官というものができまして、少數の人で、鐵道の列車内竝びに驛構内などの治安を取締つておりますが、今度公安官に關する法律案の御審議を願うことに最近なると思います。この法律ができましたならば、相當に人員も強化いたしまして、この種の犯罪が十分に防止いたされるようにいたしたいと思います。なおまたこうした從事員の犯罪でありますとか、あるいは不正、綱紀の弛緩等に對しましては、發見次第嚴重なる處分をいたしたいと考えております。御指摘のように、今後そういうふうなことが全然なくなるとは申されないかもしれませんけれども、治安が確立し、綱紀が確立いたしますように十分な努力をいたしたいと思つております。
○押川委員 これは本豫算にはいつてからでも結構でありますが、過般御承知の通り、運輸事務次官の方まで嫌疑をかけられておるという點もあるのでありますが、こういう關係につきましては、特にひとつほかの機會に内容の報告をお願いいたしたいと思います。それからさつきの涜職事件につきましても、受入れと支出の方法についての一覧表を、この委員會に御提出を願えればまことに結構だと思います。 次は私どもがよくお役所に参つてみますと、定時退廳ということが書かれておるのであります。もう四時になれば、三時半ころから、御婦人の方であれば早く歸る支度の化粧をするというようなことになつておるのが普通のようであります。居殘りは絶對にやらぬということになつておるようであります。これはまことに結構なことだと思いますが、定時退廳があれば定時出勤もなければならぬ。おそらく役所に行つてみますと、大分御遠方からお通いになる關係もあるでありましようが、大抵十時でなければ來ていない。これは家が遠いから仕方がない、こういうようなことになつておりますが、これらについてのお取締りについては、どうなさつておりますか。それから鐵道の今の從業員關係に、服務紀律はどういうぐあいに御實行になりますか、これを併せて御報告願います。
○岡田國務大臣 お答え申し上げます。さきに不幸にいたしまして、伊能前次官が逮捕せられました事件が起りました。これはまことに私といたしましても、遺憾至極であると存じております。ところで伊能君のは、今日におきましても、起訴はせられましたが、嫌疑の範圍を出でないのでございまして、その犯罪事實があるかどうかは、まだわかつておりません。最近伊能君が逮捕せられてから三十日あまり經ちました先日、保釋になつて出ております。その保釋になりましたところから推察いたしますと、あまり惡質の犯罪事實はなかつたのではなからうかと考えられますが、これは追つて司直の手において明白にされることと存じております。 それから服務紀律の問題でございますが、昨日本省支部において一齊賄暇をやつたのであります。これに對しましては、かねて決定しております方針に從いまして、給與の不拂いを決行いたすかどうかを、ただいま考え中でございます。もちろん定時出勤、定時退廳は、勞働法規の考え方から申しまして、これをいけないというわけにはいきません。といいまして、殘つておる仕事をその晩に片づけておかなければ、あした動けないという仕事がある場合には、定時から遅くなりましても、殘つてやつていつてもらうということは、これはやつてもらわなければならぬのでございまして、職種によりましては、殘業手當をつけることになつております。從いまして、その任務を盡す上の必要から殘業いたしますことを、ある組合幹部が妨害するとか、止めるとかいうことは、これはいけないことであると存じております。そういう場合は、適當に對處いたしたい。同時にまた服務紀律違反になります山ねこ爭義的なものに對しましては、これは法の定めるところによりまして、適當な措置をとつていつて、今後服務紀律の確立を期していきたいと存じております。
○押川委員 ただいまの事項でありますが、實は世の中がこういうぐあいになりまして、政府委員におなりになつている方、あるいは課長さん以上ということになりますと、まことに見上げたものだと感ずるのでありますが、一般の方々は、どうも給料が安いんだから、そう仕事ができるか、というような氣持がある。そうして惡く言うとサボると申しますか、そういうことで、一旦出した書類がなくなつてしまう、二度も三度も出さなければ目的が達しないというようなことも、往々見聞きするのでありますから、特に御監督の地位におられます大臣を初めといたしまして、政府委員の方々においては、精神的にひとつこの時局を乘り切るように御指導賄わりますよう、お願いしたいと考えます。 私はまた値上問題について申すのでありますが、一體今の國民大衆は、經濟上非常に生活が逼迫している。豫算の上では、二十二年度の所得税收入が百億以上の超過收入になつておるということで、その關係からいへば、相當國民に餘裕があるようにも考えられますが、實際問題としては、相當な苦勞をしておるわけであります。そこへもつていつて、今度また相當な交通費の値上をしなければならぬ、こういうことに相なりますので、そういう問題を考えますとともに、私の考えますのは、今日の統制の時代に相なりまして、消耗品の使用が豫算の上における莫大な量をとつておると、こう考えるのであります。從つて消耗品についてのこの重大な問題を考えるとともに、いかようにこれを消費するかということは、特に注意をしてやつていかなければならぬと思いますが、もちろん岡田運輸大臣におかれましては、民間の權威者でありましたから、この點についてはお氣ずきであろうと思いますが、どういうぐあいにこういう問題については御注意をなされて御指導をなさつておりますか、この點も伺つておきたい。
○岡田國務大臣 日常オフイス竝びに現場において、消耗品等の亂雜、濫費にならないように注意をいたして、冗費の節約に努めなければならぬことは、御指摘の通りでございます。私としてはその方向に努力いたしますために、たとえて申しましたならば、これは自分が會社を經營しておりましたときに實施しておつたことでありますが、鉛筆のしりをちよつと削りまして、それを署名入にいたしておきまして、その鎌筆の短くなつたものをもつてこなれれば代りのものを出さないというようにさすこと、あるいは便箋とか紙、ペン先などを相當に制限をいたしまして、各責任をもたしてやつておつたことがございますが、いろいろの場面において、いろいろの方法があると存じますが、そういうふうな心組で、今後の消耗品、あるいは事務用具等の粗雜、亂雜、濫費にならないように注意をいたしていきたい。なお消耗品の中で一番大きいのは鐵道が使う石炭であります。石炭の燃料の節約という面が、今日まで鐵道當局としても相當合理的な方法で行われてきておるのでございますが、これについても、なお研究をいたしまして、もつと合理的に節約ができるようにしなければならぬと考えております。具體的のことについては、いずれもつと研究をいたしまして決定いたしたいと思います。
○押川委員 この問題は言葉ではやすく實際行うに難い問題であります。特に御注意を願いたいと思いますが、たとえば紙にしても民間においてはなかなか手にはいりません。從つていくたの組合があるわけでありますが、それらの組合等においても、配給は全然ないのでありますから、一體がやみで買入れて經營をやつておる、こういうことを考え合わせまして——小さいことを言うようで、まことに恐縮でありますが、特別の御注意を拂われますように、特にお願いを申し上げたいと思います。 私は最後にお伺いいたしたいのでありますが、だんだんと再建の方途がつきまして、いろいろと交通、海外等の輸送等にも目鼻がつくように相なりますと、次に考うべきことは、氣象臺と燈臺の問題だと思います。現在の燈臺、氣象臺の整備状況の御報告を受けまして、併せて將來豫算を御考慮なされまして、氣象臺竝びに燈臺等の整備をいかように行つていこうというお考えがございますか、その點をお伺いいたします。
○岡田國務大臣 戰爭中に氣象臺は必要以上にたくさんにつくられたきらいもあると存じます。これはあまり多いところは若干の整理をしなければならぬのではないかと考えておりますが、しかしこの氣象の仕事は、海上、陸上におきまして、あるいは農産物の收穫、あるいはまた海上における航海安全の建前などから考えまして、必要なところまで手をつけるようなことはできないと思つておりますが、ただいま關係方面から、相當整理案を出されておりまして、その方と折衝中でございますので、近く氣象臺の整理の問題は、具體的になると思いますが、しかし陸上、海上、産業上支障を來さしめない程度にいたしたいと考えております。 燈臺につきましても、趣旨は同一であります。殊に日本は航路標識などの數が、外國に比べてずつと少いのでございまして、豫算と資材の許す限りは、燈臺の方の航路標識は、増設をしていきたい。そして安全な航海、あるいは貨物、旅客輸送竝びに漁船等の航海の安全をはかつていきたい。これは必要に應じて、できるだけ擴張していきたいと考えております。
○川島委員長代理 押川さん、まだ續きますか。もし續くようでしたら、あしたにまわしてもらいたいと思います。
○押川委員 まだ多少物足らない感じをもちますが、いずれ本會議におきまして、あらためて足りないところを伺うことにいたします。
○川島委員長代理 關連質問で、先ほど遠慮していただいておりますから、淺利君。
○淺利委員 先刻の運輸大臣の御答辯に關連して、ごく簡單に伺つておきたいと思います。 運輸大臣の御答辯の中に、安定帶物價が基準年度に對して百十倍、鐵道運賃は七十四ないし七十五倍ということでありました。これはもちろんこの安定帶物價の百十倍の中には、鐵道運賃の値上が織りこまれてあることと思います。この鐵道運賃の値上が一般物價に及ばす影響が非常に大きいことは、いまさら申すまでもないことであります。たとえば一つのものを生産するにも、原料に對して運賃がかかり、それを輸送するについて從業員の交通費もかかり、生産したものを送出すについてもさらに輸送費がかかり、卸し人から小賣にいくにもかかるというように、二段階、三段階になつて、交通費がかさんでまいりますから、一般物價に及ぼす影響は、非常に多いと考えます。そういたしますと、この鐵道の運賃を値上げしたために、一般物價に及ぼす比重がどの程度になるか。たとえば百十倍という一般物價が鐵道の運賃を値上げしなかつた場合には何倍になるかというようなことについて、何か具體的なお調べがあるでしようか。その大體のところでよろしいですが、もしおわかりになりましたら、その點をお伺いいたしたいと思います。あるいはこれは物價關係もありますから、運輸大臣だけではいかがかと存じます。あるいは安本の關係もございましようけれども、大臣のお知りの範圍において、大體のことを伺いたいと思います。
○岡田國務大臣 お答え申し上げます。百十倍というのは、淺利さんの御指摘のように、新鐵道運賃の値上が含まれております。それで百十倍に對して七十四、五倍の貨物運賃、それは一體物價に對しどれくらいの割合になるかという御質問であると思います。この基準年次における鐵道の使用物資——今リストを出せばわかりますが、約二十七品目の價格の平均をとりまして、それの價格に對するキロあたり運賃のパーセンテージは、基準年次におきましては、四・五%になつておつたと存じます。その比較に對して新物價と新鐵道運賃とのパーセンテージを出しますと、二・七五%という數字になりまして、基準年次から考えますと、物價に對するパーセンテージがただいまのところ下つております。それから考えますと、一般國民の間で考えられておりますような貨物運賃が非常に大きく物價に影響しておるということにはならぬのでありまして、基準年次からは、むしろパーセンテージが下つております。詳しい數字は事務局から御説明申し上げます。
○加賀山政府委員 お答えいたします。物價中には必ず運賃が含まれておる、これは確かでございますが、われわれの調べといたしましては、そのありのままの姿で、一應各品目について運賃がどれくらい含まれておるかということと見るわけであります。これを平均してみますと、たとえば米について比較してみると、昭和十一年は一・一%でありましたものが、昭和二十二年度には〇・二八%というふうになつております。そういうふうにして、各品目を平均いたしますると、十一年度におきましては二十一品目におきまして、運賃と價格との比率は四・六一%、二十二年度におきましては一・五四%というふうになつております。もちろんこれは物資としてかかる運賃でありまして、この物價自體の中にさらにいろいろの運賃が含まれておることは當然でございますが、われわれの見方といたしましては、こういうふうに大體物價と運賃との比率を、昭和十一年とただいまとでどうなつておるかというようにながめておるわけでありまして、それがただいま申し上げました數字に相なるわけであります。
○淺利委員 ただいま二十一品目についての比較をお示しになつたようでありますが、しかしこれは形式的にそういうふうにお考えになつて、この値上問題を考えるということは、非常に間違いのものではないかと思うのであります。先刻私が例示しましたように、一つの物が生産される間にも、原料あるいはその從業員の文通費なり、あるいは生産した物を輸送する、あるいは卸人から小賣商人というように、一つの品物が何囘も何囘も段階を重ねて、その間に輸送費がかさむ。これはすべてのものに對して影響するのであります。俸給給與のごときも、交通費が今日は非常に重大なる地位を占めておるということから、一般物價に對する影響は、單純に今お示しになつたような比例によつてなるものではないと私は思います。そういう點をもす少し實際の經濟の實情に即してお調べになつたものはないか、この點をお聽きしたのでありますけれども、その點がわからなかつたならば、この程度に止めておきます。同時に私はもう少し考えたいことは、獨立採算制というものは、企業の上においては、原則として當然でありますけれども、一般物價に重大なる影響を及ぼす運賃については、公企業の性質から見ても、また經濟上の影響から見ましても、觀點を新たに考えねばならぬのではないかと思います。たとえば鐵道の赤字が百億と假定しまして、全國の一般物價の値上りが何千億ということになりましたならば、國民大衆の負擔というものは、非常に殖えてまいるのであります。そうしますと、それらの赤字は、むしろ一般會計において補填するということも、一つの途として考えられ、從つて三倍半の値上率をもつと減らすという考え方もあり得ると思うのであります。現に從來においては、私設鐵道に對しては建設費の補助をするとか、あるいはその利子の補給をするとか、あるいは航路補助をするということも、運賃政策、物價政策という觀點から、國家がこれを補助をして値上りを抑制するという途に出ておつたのであります。單純に企業の獨立採算という觀點からのみ見て、無限に鐵道運賃を上げるということは、はなはだその當を得ないのではないか。そういう點については、どういうふうにお考えになり、またどういうふうな御檢討をなされたか、その點について簡單に御説明を願いたい。
○岡田國務大臣 先ほど私はあまり簡單に物價の倍數とパーセンテージを申し上げましたので、少し誤解をいただいたかとも思うのでありますが、淺利さんの言われます通り、たとえば運賃が上つたから、ガラスに對して先ほど私が申し上げたごとく何パーセントの値上りを來したということだけで止まらないということは、御指摘の通りでありまして、ガラスを生産いたします場合の石炭にも、やはり値上りがまいります。また人の交通費にも上値がありますと、人件費も高くなりますので、それらが重なつたまいりますために、鐵道運賃の値上げが、物價高にいわゆる複利計算的に影響をしてまいりますということを、私は考えております。それは淺利さんの御指摘の通りであると私は存じております。そこで今囘の運賃の引上げに際しまして、そういう計算をやつたかどうかという御質問でありますが、それはやつておるのでございまして、そのために起つてまいりますいろいろの資材、副資材の値上りから人件費の値上り等を計算をいたしまして、そこへ出てまいりました答えから推しまして、これ以上貨物運賃を上げては、物價の安定帶の百十倍を維持できないという結論に達したのでございます。そこでその計算の内容は安本の物價局で擔當いたしてやつてくれておりまして、その説明を私ども聽いておりますので、いずれ御要求があれば、その數字を取寄せまして御報告申し上げましても結構と存じます。
○淺利委員 ただいまの書類もし頂戴できますならば、參考に頂戴したいと思います。なおごく大ざつぱに考えますと、もしこの鐵道運賃を三倍半値上げしなかつた場合には、一般物價が百十倍という値上りになるものか、何倍くらいに減るかという大ざつぱな御見當は、何かつかぬでしようか。あるいはこれは八十倍で濟むとか、七十五倍で濟むとかいうような見當がつかぬものでしようか、その點をお伺いします。
○岡田國務大臣 運輸省で物價に對する鐵道運賃の比率を二十一品目についてつくりましタ數字は、ただいまございますから差上げます。その運賃が物價に關連していくら上げなければならぬということの計算は、物價局でやつておりますので、物價局に聽き合わせまして、ありましたらあとで差上げることにいたします。それからただいまの第二の御質問は何でございましたか。
○淺利委員 鐵道運賃の三倍半の値上げをいたさずに、このままでやつたならば、一般物價體系の百十倍というものは、どのくらいに下るか、そういうような大きな見當の見透しはどうであるかという點であります。
○岡田國務大臣 その計算は、私自身はいたしておらないのでございますが……。
○淺利委員 大體の見當でよろしゆうございます。
○岡田國務大臣 大體の見當は、これはどうもいいかげんなことも申し上げるわけにまいりませんので恐入りますが、物價廳に聞合わせをいたしますから、御猶豫を願いたいと存じます。
○加賀山政府委員 こういう見方ができるのではないかと思うのでございます。今度の運賃改正で、ただいまの鐵道賀物運賃は國有鐵道だけといたしますと、年に約百億でございます。この百億がたとえば三倍半になるといたしますと、三百五十億と一應計算できますので、その差二百五十億は、結局物價に對する負擔が減る。これは總貨物の運賃であります。綿貨物の價格の中に、この鐵道運賃だけといたしますれば、二百五十億含まれてまいります。この分だけは減らし得る。ただそのほかに船なり、小運送なりが含まれてまいりまして、さらにこれが殖え、そこへ人件費、それから所要資材の値上りがはいつている、こういうことになつて、物價が構成されるわけでありますから、運賃だけを考えますれば、年間二百五十億であります。
○淺利委員 打切ろうと思つたのですけれども、今のような御説明では、まことにおめでたい計算のように思うのですが、決してそういう簡單なものではないと思うのです。しかしこれ以上ここで質問申し上げましても、運輸當局から的確な御答辯は得られないようにも感ぜられますから、本日はこれで打切りまして、次の機會にまたお尋ねをしてみたいと思います。
○海野委員 時間も大分迫つてきましたから、ごく簡單に要領だけをお伺いしたいと思います。 鐵道の技術研究所でありますが、あそこで塗料の研究を相當やつております。しかるに工場方面を見ますと、この鐵道技術研究所でやるところの結果は、ほとんど用いていない。つまり研究所でやつた事柄を鐵道の技術方面には、これを利用する點において、はなはだ遺憾であると思うのでありますが、この鐵道技術研究所に對して、大臣はいかにお考えになつておりますか。これが一つ。 それから都内のバスの問題であります。これはもちろん東京都廳の管轄でもありましようが、大臣にお伺いいたしたいのは、東京驛前の配車の状態であります。運輸省の高級官吏の人たちや、あるいは閣僚の人たちは、ハイヤーをとばせているから、別にお困りになつていない。そういうふうに私は考える。しかしながら、われわれ陣笠代議士は、あのバスを利用しているのである。これをよくお考えになつていただかなければいけない。しかるにあの驛前のバスを見ると、一方には客がわずかしかいないのに、その方面には何囘もバスが廻つてくるが、ある線には蜿蜒長蛇の列をなしているのである。あれをもう少し調整していただくお考えはないか、これが二つ。 それから上野驛におきまして、切符及び急行券のやみ、はなはだしきに至つては婦女子を恐喝して賣りつけているやからさえもある。これはまことにもつて私はけしからぬことであると考えます。これが三つ。 それから汽車が滿員になると、二等車の場合におきましてもそうですが、切符をもつている人たちがたくさん立つている。切符をよく調べてみると、家族パスでもつて大きな顔をして席を占領している鐵道從業員がある。そういう場合には、切符を買つた人たちに席を讓るのが當然ではないか。今より十數年以前の鐵道從業員の状態をみますと、制服、制帽である者はたいてい遠慮して席を立つているのである。しかるに今日は大きな顔をして乘つている。それらに對して大臣はいかなるお考えをもつておられますか。これを伺いたい。これが第四。 それから地方の鐵道でありますが、これは乘る人たちのその日の度合、これをよくお考えになつて、この鐵道の客車を殖やすなり削るなりやつて行かないと、地方の住民たちは、ほんとうに泣いているのである。こういうところに思いをいたしていただきたいと私は思うのであります。その一例を申し上げますならば、まず奧羽線のごときは、人間の乘る車とは思はれない。命がけである。これは最もひどいと私は思う。東海道線の方に比べてはなはだしく差があると思います。汽車賃が同じであり、税金も同じであり、それであるのて實に車が惡い。そういう點は大臣はいかようにお考えになつておりますか、その邊の御所見を一括してお伺いいたしたいと思います。
○岡田國務大臣 お答えいたします。鐵道の技術研究所におきまして研究いたし、そこに出てきました結果は著々と實行方面に現わしていきたいと思います。海野さんの御指摘のように、無視された點がありましたら、十分改善いたしたいと考えます。 第二の都内の都バスの驛前における配車の不圓滑の問題でございますが、あれはまことに長い行列が續いておる路線に車が廻つてこないで、少い方に廻つていくというようなことを見ておりますと不合理でありまして、何とか調整できないものかと私らも考えておるのであります。しかしあれは都がやつておるのでありますが、都がやつておるにしても、合理的にさような配車の轉換が行われそうなものだと思うのであります。しかしこれは都の方に話をいたしまして、改善をする途があれば改善いたしたいと思います。それから驛の從事員などが、乘客に對しまして非常につつけんどんで、ある場合にはおどかすような態度をするというお話であります。これはまつたくけしからぬことでありますから、そういうようなものが絶滅するように努力いたします。 それから從事員などが無料パスで乘つておつて、滿員でほかの汽車賃を拂つておられる乘客が立ちんぼうしているのに腰かけておるようなことについては、これは徳義的に申しまして、遠慮しなければならぬと考えておるのであります。しかしながら、一旦パスをもらう權利を認められました以上、パスでありましても、汽車賃をお拂いになつているお方とやはり平等であるというのがいき方でなかろうかと思います。乘つた順番などで坐席を占領いたしておりますことに對して、お前は無料パスだから絶對に立て、あるいは滿員の場合にはお前たちは遠慮せよというようなことを、何か強要いたします法的根據はないと思うのでありまして、その間徳義的に無料パスをもつている者は遠慮をするということでいくべきであろうと考えますので、從事員などの無料パスは、今後徳義上から氣をつけて乘車いたしますように、注意を與えたいと存じます。それから東北線など混雜をしてまことに御迷惑をかけておりまして遺憾であります。多いときには輸送量十に對して十七、八割という乘客を積んで走つておるようなことでありまして、まことにお氣の毒な状態が續いておるのでございます。そこで奧羽線の列車の増發については、かねてから考えておるのでありまして、多分七月一日からダイヤの改正をいたしますが、それを機會に何とか列車を殖やしたいと、今計畫中でございます。御希望のような方向に向けて計畫を完成させたいと考えております。
○海野委員 上野驛における切符のやみを、當局はどういうふうにお考えになつておられますか。これは何としてもしようがないのでありますか。
○岡田國務大臣 切符並びに急行券のやみ賣りでありますが、何囘か警察當局にお頼みして取締つたのでありますが、どうも今日まだこれが絶滅しておりませんのは遺憾であります。朝早くから夜分にかけて竝んで買いましたものを、やみで賣るという實情でありますが、非常に弊害を及ぼしますのは、御指摘の通りであります。何とか鐵道でも注意をいたしますが、窓口に賣いに來る者に、やみやであるか、ほんとうの旅行者であるか、一々確かめることは大分困難であります。ただこれを取締るには、やみで賣つておる現場を押えまして、處罰するという以外にはないと思うのでございます。この點國家警察の方とも十分連絡をとりまして、なるべく少くなるようにしたいと思います。それより以上どうもしようがないじやないかと思います。
○海野委員 終りました。
○川島委員長代理 この際先刻田中委員より御質疑のありました葉タバコ生産に關して、專賣局長官の答辯を求めます。原田政府委員。
○原田(富)政府委員 先ほど田中さんからお尋ねのありましたうちで、大臣からお答えいたされなかつた分につきまして、私よりお答え申し上げます。 田中さんの御質問は、タバコ生産につきまして、各方面にわたつて述べられたのでありますが、まずタバコの耕地面積、耕地の分布の點につきましては、御承知のように本年度の耕作面積は、全國で五萬町歩でありまして、これの收穫見込高は、私ども八千萬キログラムを豫定いたしております。昨年度は面積が四萬町歩、收穫の實績は五千七百萬キログラムでごさいました。次に今後の見透しの點でありますが、これは需給の關係とか、いろいろの事情を勘案して、面積等もきめたいと思うのでありますけれども、私ども事務當局といたしましては、大體五萬町歩を本筋にしてやつていきたい。またタバコ製造の觀點からする原料葉タバコの所要量から考えて、八千萬キログラムでは足りないのでございますが、これは御承知のように、肥料の配給によりまして、段當收穫量を相當増加することができると思います。これは肥料事情にもよることもちろんでございますが、現に本年も昨年に比較いたしまして、相當の肥料の増配を受けられることになつておるのであります。かよよにいたしまして、年々増加いたしまして、ここ四、五年先には、大體戰前の段當收穫量に囘復したい、そうすれば五萬町歩でも、九千萬キログラムは收穫できるのではないか、こういうように期待しております。 それから五萬町歩の面積の全國の分布状況でございますが、詳しいことは別といたしまして、大體のことを申し上げれば、九州に一萬二千町歩、四國に六千町歩、中國から近畿、中部にかけて大體六千町歩、關東が一萬四千町歩、東北が大體一萬町歩、合計五萬町歩ということになつております。 それから今後の品種の轉換と申しますか、状況を見ますと、大體本年は在來種と黄色種とバレー種の三つでありますが、本年の状況を申しますと、在來種が三萬一千五百町歩、黄色種が一萬四千町歩、バレー種は四千五百町歩、それから收穫見込高を申しますと、大體在來種は五千二百萬キログラム、黄色種は二千百五十キログラム、バレー種は六百五十萬キログラム、これを合わせまして八千萬キログラムになるのでございますが、今後の各品種の消長、また私どもの事務的の考えを申しますと、田中さんもおつしやいましたように、どうしても今後の趨勢としては、黄色種を殖やしていくことになるものと存じます。ただ葉タバコがエジプト方面に輸出されておる關係もありまして、在來種だからといつて一がいに殖やすとも言いがたいと思いますが、大體タバコの嗜好の關係から申しますと、お話のように、黄色種を擴めてまいりたいと思います。ただこれはもう一つ燃料その他資材の關係もありまして、一概にそういかないのであります。それから土地の状況その他の事情によつて漸次そういう趨勢——嗜好の事情に應じたように耕作種類を變えていきたい。またバレー種は大體寒い北の方ですが、これも研究のしようによりまして、香料の使用その他の進歩、發達ということを考えれば、現にアメリカの製品はバレー種が多いのでありますから、そういうことも考えられるので、そういうことも研究しておる次第であります。 それからタバコの製造關係でございますが、本年度の見込みは、一箇年全體で五百三十億本の豫定であります。戰前の自由販賣をやつておりました時代に、多かつたときが大體八百億本といわれております、現在五百三十億本というのは、工場が戰災に遭つて、今まだ復舊しかねておる點や、設備、能力の不足な點もありますし、また一面原料の足りないという點もあつて、こうなつております。昨年の實績は、豫算の上では五百億本と見こんだのでありますが、電力事情等の影響もありまして、四百八十億本きりできませんでした。現在工場の復舊も急いでおりますし、また本豫算で御審議願うことになつておりますが、本年度もできるだけの工場の復舊を私どもは考えております。ここ三年間ぐらいに、大體戰前の八百億本をつくる能力の建物なり機械の設備を復舊いたしたいと事務當局では考えております。八百億本にしてはたして戰前と同じように自由販賣ができるかと申しますと、これは喫煙者の數も戰前と違いますし、自由販賣できるかどうかは斷定できないのでありますが、一應の目標といたしましては、まず戰前の復舊することを第一段階として考えている次第であります。それから申し落しましたが、葉タバコの買收價格の點でお話がありました。これは御承知のように、一段の農産物の價格と關連をいたしまして、私ども考えておるのでございます。一般の特殊農産物と同じように、基準年度に關しまして五十二倍の價格に現在のところはなつておりますが、今後物價改訂がございまして、ほかの農産物價の價格と權衡をとりまして、それの變つたと同樣な改訂はいたすべきものと思つておる次第でございます。 それから販賣品竝びに專賣益金關係のことでございますが、先ほど申しましたごとく、本年度五百三十億本を製造して賣るのでございますが、そのうち自由品は「ピース」とか、今つくつております「ハツピー」、「いこい」とか、ああいうものでございますが、全體合わせまして、これはきざみは一グラム一本に換算いたしまして百八十億本が自由品で販賣いたす豫定でございます。配給品は「きんし」、「みのり」、「のぞみ」ですが、これは三百五十億本の豫定でございます。それで專賣益金なり販賣代金の關係でございますが、これは實は本年度の豫算案の編成にあたりまして、いろいろ案は考えたのでありますが、まだ最後的にはきまりかねておる點もあるのであります。新聞紙上でもいろいろ私どもの考えを憶測して出ておるのでございますが、いろいろ協議折衝すべき點がありまして、まだ私どもといたしましても、最後的の案はでき上つておりません状態であります。事實大體どの程度か上ることになると思いますが、研究して至急きめたいと思つております。最近新聞紙上に出ておる程度で申し上げますれば、益金が八百十何億ということになるのでありますが、これは數日前に政府案としてきまりました現在の状態では、そういうことになつております。大體簡單でありますが、以上お答えといたします。
○田中(源)委員 だいぶ時間も遅くなりましたから、ごく要點だけを一、二伺つておきます。 鐵道大臣にも一、二點關連の質疑をいたしたいのでありますが、まだ本豫算關係もありますから、鐵道大臣の方は今日も止しまして、ただ專賣局關係だけを一、二伺つてみたいと思います。 大體よくわかりました。そこで專賣益金をどの程度までにおきめになりますか。しかるときに、先ほどお話になつたいわゆる特殊農産物に對する基準年次におけるウエイトは、どういうふうにおとりになつたのか。これが賠償と非常に關係がある。つまりタバコの賠償をする基準設定に關する各品目のウエイトをどういうふうにおとりになつたか。たとえば黄色種であるならば、肥料代がいくら、あるいは石炭代がいくらであるとか、勞銀がいくらであるとか、また勞銀等におきましては、たとえば農家の勞銀を一日當り一人どのくらいに換算されてそれが出てくるか。これが重大な問題です。この問題のいかんによつて專賣益金が非常に變つてくる。私どもが研究した面から見ますと、この五十二倍のウエイトというものは、相當壓縮したウエイトになつておる。これはつまり惡い言葉で言うと、政府が農民から農民の生産品を搾取しておるという言葉を使われても、私はどうも當るに近い言葉ではないかと思われる。しかし私はこういう言葉を使いたくない。つまりいま一歩進んでタバコ耕作意慾というものを増進せしめるために、公正なるウエイとをもつて賠償を決定するということがいいのではないか。最近においては、御承知の通りに、肥料その他の資材の關係等において、非常に優良品が少い。また段當收入も少くなつてきておる。一方においては需要が多くなつてきておる。從つて專賣局の方としても増産せしめなくてはならない。ところがこの耕作段別が減つたのは、一般農作物のやみ物價關係とにらみ合せて、タバコつくつたら損であるというところから漸次減段していつたのでありますが、今日では少し盛り返してきた。これは私が見たのでありまして、當局のお考えになつているのはまた違つた觀點があると思いますが、率直に申しますと、これが今日の結果になつたいなむべからざる事實の一つであらうと私には思われる。そこで今後はウエイトをはつきりして、耕作段別をきめて、あまりひどい賠償價格を設定せずして、今年は配給面においても先ほど御説明のように、石炭なり肥料なり、その他資材の面について、できるだけ御努力願つておると思いますが、そういう面について、できるだけの努力を拂つてやると同時に、優良品種を多くつくらせ、段當收量において増收をはかるというところにもつていく必要があると私は思う。この點はつとにあなたの方でもお考えになつているところであらうと思いますが、私は一段とこの點に御考慮を願うと同時に、今度の物價改訂に伴いその値上り指數によつて改訂すベき五十二倍を基礎とした賠償價格と、基準年次において當初とつたウエイトが、はたしてそれで正しかつたかということを比較御檢討を願いたい。私は各種の品目について、十分調査いたしたのでありますが、私のもつ資料から申しますと、そこに少し政府が利得しすぎている點があるのではないかと思う。これを少し吐き出して、できるだけ多く増收せしめることが、逆に專賣益金を増してくるということになる。それから政府の豫算面から考えてみますと、タバコのやみ賣りであります。これは今申されました昨年度の原料葉タバコの收買數量から言うと、何パーセントが横流れしているか。かりにこれを五パーセント横流れしているとすると、約三十億本近い横流れがあることになる。これを一本かりに三圓平均とすれば九十億かに上る。そこで今政府は苦しい所帶のために、取引高税とか事業税とかいうようないろいろの新税を考慮されて税收入をはかつておるのでありますが、それよるも一方において段當收量を引上げ公正な賠償を行うて、同時に横流れをさせないようにして、全部これを引取るということであるならば、何パーセントかここに上つてきて、金の五十億や八十億は出てくる。この收入をもつてとかく國民大衆が批判する新税を抑えていくという方法をとつた方が、私は行政面における施策の上から言つてよいと思うが、この點が今の大藏當局に缺けていると思う。そこで今度の長官の手において從來の惡いところを直して、國家の税收入を多くはかつていく。そうしてこの專賣益金が國家税收の二五%も二七%も補うていくということになりますと、これの一%とか五%というわずかなパーセンテージの數字でも、大きな收入をあげてくることになると思う。今後政府がどんな豫算を出すかわかりませんが、これは歳入の面における大きなわくである。五十億や百億の豫算は私から申しますならば修正することくらいは、ここに財源が殘されている。私はこれをはつきり申し上げてもよいと思う。私は私の黨としての今後の取扱いの上において、歳入面においては、この面をしつかりと檢討しなければならぬ、かように考えているわけでありまして、これは御答辯は要しませんが、ただこのウエイトをとられたこの農産基準年次のウエイト五十二倍というものの根據だけを、文書でよろしいから、委員長を通じて私に御囘答願えば結構です。私の考えでは、今日やみに流れたタバコは、三十億や五十億本ではない。あるいは六十億本くらい流れているかもしれない。これは假定の數字であります。この假定の數字に根據をおかずして、今後長官がとられたところの、昔とつたやり方、段當何本植えて何本の葉がつくという札が立ててある。これを一本毀損してもその時分は處罰を受けた。今度はそれをまたやつてよろしい。そうしてこの葉からずつと乾燥して專賣局へ收納するまでのタバコのいわゆる經過を明らかにして、横流れを防いで、そうして自家用というものに對しては、その葉から見て何%を自家用なら自家用にやるとすれば、かりに横流れしても數字がわかつてくる。それをずつととつていくならば、おそらくここに二十億や三十億の本數をつくるだけの葉タバコの原料が囘收されると思う。そうすると專賣益金が殖えてくる。そうして一方においてはできるだけ正しいウエイトをとつた賠償を行うということであれば、おそらく今の主食の米よりもこの方がほんとうに正しい、またある點においてはこれが一番正常な面において生産から製造、製造から消費の過程に流れていくという豫想を私はもつておる。きよう私が申し上げたことは、今後の政府が提出する豫算の上に重大なる基礎をなすものであるということをひとつお考え願うとともに、當局におかれても、この面に狂わぬ見込數量——と言うとおかしい話でありますが、大體において正確な數字に近い一つの見込みを立てて、豫算の面に現わされんことを、私はこの際切望いたすとともに、今申しましたように、ウエイトの五十二倍の基準を詳細に文書で委員長を通じて、私に御手交あらんことをお願いいたしまして、私の專賣當局に對する質疑を終ります。
○原田(富)政府委員 ただいまの田中さんのいろいろ御注意の點、まことにありがとう存じます。御同感の點も非常に多いのでございますが、一層御指導御支援のほどをお願いいたします。なお基準の點につきましては、書面をもつてお答えいたします。
○川島委員長代理 明日は午後一時より開會し、なお若干の質疑を行つた後、討論採決に入りたいと思います。 本日はこれにて散會いたします。 午後五時五十三分散會