予算委員会 第17号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/04/27
会議録
○川島委員長代理 これより会議を開きます。 これより質疑にはいります。西村久之君。
○西村(久)委員 私は芦田総理大臣に対しまして、二十三年度の一般会計暫定予算補正(第二号)、及び特別会計暫定予算補正(特第一号)を國会に提出になりましたその関係につきまして、いささか憲法上の関係に関連いたしまして、御意見を承つておきたいと思うのであります。 総理大臣が御提出になりました暫定予算は、憲法の精神を遵守せられ、内閣法に立脚して、しかも財政法三十條の基いて編成されたものであり、これを國会に御提出になつたものと信ずるのであります。憲法の精神を忠実に実行されて、そうして私は御提出になつていると信ずるのでございますが、はたしてそういうお心持で御提案になつておられるかどうかをお尋ね申上げてみたいと思うのであります。
○芦田國務大臣 西村君にお答えいたします。ただいま御質問の趣意は、政府においても全然その通りに考えて提案いたした次第であります。
○西村(久)委員 私もそうであろうと実は信じているものでございます。ところが御提案になりました暫定予算は、本月の二十四日に提出されまして、昨日二十六日より審議にはいつたのでありまするが、私ども予算委員は、一日も早く予算の成立をはかり、支拂いに支障なきを期したいという信念のもとに、実は昨日会議に臨んだのでありますが、提出責任者たる総理大臣の御出席を促しましたにもかかわりませず、昨日御出席がなかつたのであります。総理大臣ばかりでなく、関係大臣が一人も御出席がなかつたことを、私ははなはだ遺憾に存じておるのでございます。これは憲法第六十三條に違背する行為でないかということを考えまするために、ここに総理大臣の対しまして、あらためて憲法六十三條の扱い方に対する違反行為ではないかということをお尋ね申し上げてみたいと在ずるのであります。
○芦田國務大臣 お答えいたします。昨日政府閣僚が予算委員会開会の時間にここに出席することができなかつたということは、はなはだ残念なことでありますが、率直に申しますと、やむを得ざる差支えのために出席ができなかつた事情でありまして、かような事故がなければ、もとより本予算委員会に出席して、それぞれ國会の審議に対して、政府の立場を十分に説明する意向はもつておつたのであります。その事情は御了承あらんことをお願いいたします。
○西村(久)委員 ただいま総理の御答弁を伺いますと、昨日はやむを得ざる事情があつたので出席ができず、答弁がされなかつたということをお述べになつておられるのであります。このやむを得ざる事情というのは、一体どういうふうな事情でありますか。私は提出されたるこの予算案は、國家再建に重大なる役割をもつ案件であろうと思うのであります。これに対しまして大臣の一人のお顔も見えないで、そうしてやむを得ざる事情という、やむを得ざる事情は、これよる以上に重大なる事情が存在するものと認定せざるを得ない。從いましてやむを得ざる事情と総理の申される事柄をここで御説明願いたいと存ずるのであります。
○芦田國務大臣 速記をおやめ願えましようか。
○川島委員長代理 速記をやめて……。
○西村(久)委員 ただいまの総理のお言葉で、やむを得ざる事情というのはわかりましたが、私は、総理大臣、大藏大臣がやむを得ざる場合があるといたしましても、他に関係閣僚があられるのであります。鉄道大臣なり、あるいは労働大臣なり、いろいろな大臣の御出席を要求いたしてあるのにもかかわりませず、一人も大臣のお顔が見えなかつたということを、はなはだ遺憾に思うているのでございます。政府は、予算案に限りませんが、提案いたしますと、その案の早急審議を終えることを要請されるのであります。私どもも案自体につきましては、御提案になりますれば、その提案になりました案件につきまして、愼重審議をいたしまして、是は是として賛し、否は否としてこれを正す責任があるのでありますから、まじめにこれを審議いたすのであります。しかしながら五月分の暫定算案は、五月一日より支拂をしなければならない関係上、今月一ぱいに議了しなければならない。月末に迫りまして、私どもは暫定予算とは申しながら二百五十億に近い予算の審議をいたすのでありますから、愼重なる檢討をいたさなければならないのでありますが、ややともしますと月末一ぱいに上げてもらわなければならぬというようなことをまた中間で申出があるのであります。そういたしますと、一方拂いの時間には差迫つてまいりますし、やむを得ず審議を中途半ばにして終りまして案を上げなければならないというような関係が、從來伴うてまいつておるのでございます。從いまして、私は昨日委員長にもお話を申し上げました通りに、なるだけ早目に案を上げるように勉強してやろうではないかというので、実は総理大臣ほか関係閣僚の御出席を促したのであります。しかしながら、やむを得ざる事情を楯にとられまして御出席がなかつたということは、私ははなはだ遺憾に存じます。この件は事情はやむを得ざるといたしましても、少くとも憲法六十三條に違背せる行為なることを私はここに適言申し上げまして憚りません。総理大臣におかれましては、今後予算を提出されます関係につきましては、内閣の責任において総理大臣は代表者として予算を出されるのでありますから、予算提出の当日ぐらいは御出席があつてしかるべきものなりと存ずるのでございます。私の意のあるところを御了承をお願いいたしたいと存じます。 次に本予算の編成についてお尋ねを申し上げたいと存じますが、御承知の通り、第二國会の会期も余すところ十日余と相なりました。会期の延長もまたはからなければならないでないかと、私ども立法府としては考えるわけでございます。ところが政府の方でも二十三年度の本予算を提出いたしまするのにつきましては、御努力になりつつ五月の中頃までには本予算も編成して、國会に提出する運びとなる心構えであるからして、國会を五月一ぱい延期をしてほしいという申出を國会の方になされておるということを承つておるものでございまするが、はたしてそういうふうな関係に今日相なつておりまするか、この辺の事情を総理大臣から承つてみたいと存じます。
○芦田國務大臣 御承知の通りに、來月分の暫定予算を提出することが遅延いたしまして、國会の審議の期間が著しく短いことは、政府としてましても、まことに遺憾に思つておる点であります。しかし六月以降はぜひ二十三年度の全予算を実行する目標をもつて、五月の中旬には大体予算編成を終りまして、既刻國会に提出いたしたい所存で、ただいま関係の者どもが日夜その仕事に沒頭いたしております。その予算を編成するには、さしあたつて物價改訂を必要とすると考えております関係上、物價改訂に伴う諸般の法律案も、ただいま準備をいたしまして、物價改訂に関する法律案をまず國会に提出しまして、その改訂を織りこんだ本格の二十三年度予算を引続いて國会に提出いたしたいという計画でおります。率直に申しますと、予算の編成そのものよりも、むしろ物價改訂に伴う法律案の作成の方が仕事が複雜であり、時間を要するという事態になつております。しかし大体來月中旬には予算案並びに物價改訂に伴つて必要とする各派の法律案を國会に提出しまして御審議を願いたい。そういう計画で、ただいま進行中であります。
○西村(久)委員 そういたしますると、來月中旬に正確に二十三年度の本予算が出てくるという確信はないものと、私ども承知いたさなければならないのではないかと思うのであります。政府の方で來月中旬には本予算を出されると申されておられるようでありまするけれども、私の考えといたしましては、物價の改訂をやることになりますると、おそらく六月以後の本予算は組めないのではないか。また六月は暫定予算になるのではないかということを実は心配いたすのであります。六月よりなるたけ早く、あるいはこの五月からでも本予算を組んでいただきたいというのが、私どもの念願するところでありまするが、五月半ばには六月以後の本予算をお組みできないというような場合に立ち至りますると、また暫定予算にならなければならないのではないか、かように実は考えるのであります。これもまたやむを得ざる事情というお言葉で、暫定予算を提出なさるかもしれませんが、國会が会期を延長いたしまする場合においては、空漠たる事柄でもつて会期の延長をはかることは、私は賞めたるやり方ではないと考えるのであります。政府が二十日には出せるという確信がつくまでは、私は会期は五月一ばいというよりも、六月二十日まででも延べて、政府の御提出になられる期日とにらみ合わせた会期の延長をしなければ、再三再四の会期の延長の不手際をなすことになるのではないかということを憂慮いたすのであります。さいわいに総理大臣の言われる通りに、五月半ばにして本予算が出てまいりますれば結構でありますが、おそらく不可能でなかろうかと思つているのであります。私がかく考えますゆえんのものは、物價の改訂というものが、各方面にいろいろな影響を及ぼしてまいりますがゆえに、こう申し上げるのであります。一例をあげて申しますと、鉄道運賃の値上げをやる。鉄道運賃の値上げだけで済まないのでありますから、また船舶の方の貨物の運賃値上げをもやらなければならない。貨物の運賃値上げをやらなければ各種の物價に影響する。こういうふうに非常に複雜微妙になつてまいるのであります。そういう矢先に大藏大臣は税制を改正しようとしておられるのであります。物價の改訂と税制改革ということは、これまた密接なる関係をもつているのであります。こういうふうな複雜多岐なる際に編成されるところの予算は、なかなか総理大臣のお考えのように簡單にいかないのではないか、あるいは安本と大藏省との対立問題も起きてまいりましようし、鉄道当局と大藏省との御意見の相違もありましようし、いろいろなる関係が伴うてまいりまして、ついまた五月半ばに提出いたさんとするところの本予算は延び延びになつて、六月まで本予算が組めない。こういうふうになりがちの情勢にあると思いますがゆえに、私はここに念を押しているのでございます。それで六月以降の本予算を組まれることに全力をあげて政府が御努力願いますことは、私その御心持を了といたしますけれども、ここではつきりそういうふうなことをお話になることは、今日の情勢から軽率でないかと考えるのであります。おそらく私は六月も暫定予算でいかなければならない結果になるのではなかろうかと心配するのであります。惡くすると七月もまた暫定予算でなかろうかということを心配するのであります。こういう心配をいたしますゆえんのものは、先ほどやむを得ざる事情と総理が申されました関係が伴いますがゆえに、日本政府の立案しましたそのものがすらすらと通過いたしまして國会に提出する運びに至るかどうかということも、心配の一つに織りこみますときに、國会に提出する本予算は、なかなかそう簡單にいかないのじやないか。かようなことを考えますが、総理大臣は遅くも五月半ば、あるいは五月一ぱいには國会に断じて提出するという確信があられるのかどうか。この点をもう一度確かめて見たいと存じます。
○芦田國務大臣 ただいまの西村君のお話は、政府の予算提出に伴ういろいろ困難複雜な関係を十分御承知の上でのお話でありまして、政府としましては、かように周囲の事情をよく御勘案の上で、予算の審議その他に臨む心構えをおもちになつておることを拜承して、まことにそのお心盡しには感心いたしておる次第であります。政府内部の事情は、ただいまお話になりましたような多くの矛盾、あるいは意見の衝突があるわけではありません。從つて現在の事務の進捗の程度から申せば、來月中旬には本予算を提出し得る見込みであります。しかし西村君もお話になつたごとく、やむを得ざる事情のために、予算案が確定し得ないという場合も予想はできないことではありません。しかしその辺の事情も、極力政府の努力によつて、時日をあまり遅延さすようなことなく、予定の通りに進行いたしたい、かように考えておる次第であります。
○西村(久)委員 方面をかえましてお尋ね申し上げますが、近く労働関係法規の改正案を御提出になられる御意図があるかのようにも伺うのでありますが、労働大臣は、自分が労働大臣のいすにある限り、労働法規の改正はやらないということを言明になつておるのであります。これは一体いずれを信じてよろしいものでありますか。いかにもこういうことを伺いますると、閣内の不統一を世間に暴露するようなことに、私どもは考え得られまするので、ここで総理大臣としては、労働法規の改正はやらないということに御方針を立てておられるのか、あるいは必要に追られれば、改正を近くやるというお考えをもつておられるのか。この際総理大臣の御方針を伺いたいと思います。
○芦田國務大臣 労働法規改正あるいは修正の問題につきましては、この政府の成立以前に、政府與党の間に話合いをいたしまして、労働法規の改惡は行わないという協定が基礎になつて、内閣の政策が立てられておるわけであります。内閣組織当時行われておつた労働爭議も、その後双方の理解ある話合いによつて、大体一段落を告げまして、官公廳の爭議もすでに解決いたしたことは御承知の通りであります。政府が目標としておりますことは、何としても今日の経済危機を突破する意味において一番重要であるところの労働の不安を除き、労働能率を高揚するという点でありまして、その目的を達するにいかなる方法をとることが最も適当であるかという点に常に注意を拂つておるのであります。從つて現在の状態において勤労階級の神経を著しく刺激したり、あるいは労働能率を低下させるごとき方法をとることは見合わせることが至当である。しかしながら、あらゆる政府の努力にかかわらず、なおかつ所期の目的を達することができない事情が起つた場合には、適当に処置をとらなければならぬ、かように考えておるのでありまして、加藤労働大臣の発表した意見も、また私自身の考え方も、その根本においては変つてはいないのであります。それをいついかなる方法をとるかということについては、今日まだ確たる見透しを発表する程度には至つておりません。大体そういう考え方で進行しておるということを御了承願います。
○西村(久)委員 同じような関係の問題でありますが、総理大臣は主食の配給基準量を二合八勺にする可能性があるかのようなことを、新聞等で御発表になつておられるようでありますが、担当大臣である農林大臣は、なかなか困難なる実情にあることをお述べになつておられるようであります。殊に四、五日前であつたかと思いまするが、食糧管理局長官の御意見の御発表としてラジオの傳えるところによりますと、今年の食糧事情も、なかなか樂観を許さないというようなことをお述べになつておられるようでございます。はたして二合八勺の配給が可能なるものであるかどうか、私どもはこれにはすこぶる疑義をもつのであります。増産に増産を重ねた上に、連合國側の厚意による麦粉の輸入を願つて、今日日本國民は生活を維持しているという実情にあるものだと、実は考えておるわけでございます。二合八勺の配給は、輸入の関係とにらみ合わせまする際に、できやすいものでないという考えを、私はもつておるのでございますが、総理は二合八勺の配給は可能なりとお考えになつておられるのでございますか。この点も重ねて農林大臣のお話なり管理局長官のお話なりと比べて、総理大臣の御意見は違うようでございますから、ここではつきりと御意見を伺つてみたいと思うのでございます。
○芦田國務大臣 食糧配給の問題について、閣僚の間に意見の食違いがあるごとき印象を世間に與えたようであります。これも先ほどお尋ねのあつた労働法規の問題と同じような経過で世間に傳わつたと考えられるのでありますが、農林大臣の言いました主要食糧を今すぐに増配することは困難であるということは、私もさように思います。しかしながら諸般の状況を考えて、たとえば國内において目下一割増産運動を全國的に展開しております。また西村君もおそらく新聞でお読みになつたことと思いますが、アメリカの当局筋においても、現在の日本の食糧配給のカロリーをもつてしては、食糧のきわめて窮屈なことは十分にわかるのであるから、現在量よりも配給量を増加し得ることに、せつかく今計画をもつて考慮中であるということを、新聞においても傳えております。從つて輸入食糧も、過去における輸入量以上に、本年度これを増加する可能性も期持し得るのであります。内外の情勢を考えてみて、できるだけ早く主要食糧の増配を実行に移したいという希望をもつておるのでありまして、その前途の可能性を否定する意味において、農林大臣が意見を発表したものではないと思います。ただ主要食糧増配を今すぐに行うことは困難だという意見を、発表したにすぎないのでありまして、この点においても、私と農林大臣との間に根本的な意見の違いがあるとは考えていないわけであります。
○西村(久)委員 私は主食の配給基準量の問題のような事柄は、事軽率にこれを発表すべきものでないということを考えるのであります。あまりにも國民に対して安心感を與えるようなきらいを生ずると考えるがゆえであります。私どもの考えでは、敗戰國民であり、また日本は耕作地を相当つぶしております関係上、帰還者の激増と相まちまして、食糧の不足を訴えることは、私どももよく認識いたしております。從いまして農家の諸君に対しまして増産をお願いいたしまして、一割なり二割なりの増産にできるだけの御敢闘をお願いしつつ、でき得べくんば自給自足の食糧対策を立てなければならないのではないかと実は考えておるのでありますけれども、不幸にしてアメリカより輸入食糧の放出を仰がなければならないような國情にありますことを、はなはだ残念に思つておるわけであります。できるものならば輸入食糧に依存せずして、國内は國内の生産量によつて、食糧の緩和ができるようになしてみたい。また一日も早くそうなることに努力しなければならないということを、実は考えておるのであります。一割増産が可能なりとしても、おそらくなお麦粉の輸入を願わなければならないのではないか。実は私はかように考えておるのであります。かくのごとく國外に依存をいたしております関係から申しましても、軽々に増配等の言葉を、國民に御発表になることは軽率ではないかということを、実は私は総理大臣に申し上げたいのであります。私は二合八勺の増配は簡單にできやすいものではないということを考えておりますゆえに、今日國民の思想が浮き上つておる時代でありますからして、かくのごとき事柄は、今後確信がおつきになつてから御発表を願いたい。実はかう存ずるのであります。総理大臣に対します私の質疑は、これをもつて終りたいと存じますが、大藏大臣、安本長官はお見えでございまするけれども、他に総理大臣に対する質疑者がありまするならば、この機会に総理大臣にお尋ねを願うことがいいと思いますので、委員長の御意見によりまして、私の大藏大臣、安本長官への質問をあとにいたしたいと存じまするから、さよう御了承願います。
○川島委員長代理 次に中崎君。
○中崎委員 この前の予算委員会におきまして、総理大臣は日本に対するクレジツトにも相当の期持をかけられまして、本年こそは経済再建の明るい見透しがもてるような時期に進みつつあるというふうに申されておりますが、そのクレジツトに関係いたしまして、今回綿花に対する対日クレジツトが設定されるのではないかというふうな期持をもたれておるようでありまするが、これに対しまして何か障害が起つておるようにも新聞紙上において読んでおるところでありまするが、これに対する実情について、総理大臣から御説明をお願いいたします。
○芦田國務大臣 中崎君の質問にお答えいたします。綿花輸入のために必要とするクレジツトの一部分六千万ドルは、すでに御承知の通り成立いたしましたとのことで、そのことは新聞にも発表されております。回轉基金の設定については、目下アメリカ議会において審議中でありますが、今日までの経過は順調に進行いたしております。ただ世間の一部に傳えられておるごとく、その見返りとなるべき金の性質について論議されたようでありますが、これも大体從來通りの進み方で大いなる障害はないという時期になつております。ただいまお尋ねのクレジツトのうちで、最近に至つて成立したと報ずる綿花購入のクレジツトの六千万ドル、また近くアメリカ國会において通過すると期持されておる回轉基金の問題、これだけはほぼ確実なものと考えておる次第であります。
○中崎委員 今後期持されるクレジツトにつきまして、その担保として提供を要するもの、さらにそのクレジツトの内容等について、いま少しく明細に御説明願いたいと思います。
○芦田國務大臣 御承知の通りに、連合軍からわが國に供與せらるべきクレジツト及び輸入物資については、アメリカ政府の予算による援助と、民間の個人間のクレジツトもしくは物資の貸與、あるいは企業参加等の種々の形式によるものと二大区別があるわけであります。アメリカの政府の予算による対日援助については、現在アメリカ議会において審議中のものは、ほぼ形は見えておるのでありますが、民間のものについては、形式が非常に複雜にわかれまして、ある者は株式を所得しようとする者もありましようし、ある者は機械その他の実物出資によつてわが國内における種々の産業と提携しようという者もありましようし、あるいは一時クレジツトによつて必要な物資を供給しようというやり方もありましよう。いろいろにわかれておると思いますが、民間の方の事業については、それぞれ業者において特殊の関係をもつておるのでありますから、必ずしも全部政府がこれを承知しておるというわけでもありません。また公に発表することが当業者の利害に必ずしも合致しない点もあると思いますから、その返のことは今日ここで政府の所見を申し述べることは差控えたいと思います。
○中崎委員 次に治安の問題に対しまして質問いたしたいと思いますが、今回兵庫縣等において、朝鮮人の集團が大挙縣廳等に押しかけて穏やかでないような行動に出ているように承つておりますが、これに関する眞相を御説明願つて、さらにかくのごとき國内治安上のゆゆしい問題が、今後においても継続的に繰返されるということは、國民全体、さらに國家社会の大きなる不安のもととなるわけでありますが、これについて今後適当な措置を講ずる用意があるかどうかということについても、御説明願いたい。
○芦田國務大臣 大阪、兵庫その他の地方において、朝鮮人学校の問題に基く種々の紛爭が起つておりますことは、新聞等によつて御承知の通りであります。なかんずく一昨日神戸市に起りました暴行事件は、まことに遺憾なでき事であります。昨日夕刻までに政府が接受いたしました報告は、今朝の新聞に記載されているのとほぼ同一であります。それがために政府は昨夕法務総裁を現地に派遣いたしまして実情を調査し、また地方官憲並びに占領軍との連絡をとるように、必要な処置を講じたのであります。現在のところ神戸に起つたごとき暴行事件がその他の地方に蔓延する兆候はありません。第八軍司令官が昨朝飛行機で現地に到着いたしまして直後に発表いたしましたステートメントは、すでに新聞で御承知の通りでありますが、政府においてもなお連合軍司令部と刻々に必要な連絡をとつております。申すまでもなく、現在わが國に居留している朝鮮人は、わが國民と同一に法律を守り、わが國の法権に服從すベき立場にあることは、すでに明瞭になつております。從つて法に反する行動は、日本人たると朝鮮人たるとを問わず、日本政府において嚴重にこれを処断する方針においては、毛頭変化がないのでありまして、將來かくのごとき暴行の起らないように、また起つた場合には、嚴重にこれを処断する方針であります。ただ御承知の通りに、わが國現在の警察力は、まだこれらの暴動を有効に防止し、治安を完全に維持するに不十分である結果、必要な場合においては、占領軍の力によらなければ、法と秩序を維持し得ないごとき場合が起ることもやむを得ないと思います。その点におきましては、占領軍司令部におきましても、日本政府の政策を説明した際に、その方針は完全に連合軍司令官の政策と一致しているという意見を表示したのでありまして、今後においても警察力をもつて治安を維持し得ないおそれのある場合には、占領軍軍憲において、日本政府の政策を十分に支持せられることは、すでに明らかになつているのでありますから、將來再びかくのごとき事件の起らないように、十分の処置をいたしたいと考えている次第であります。
○中崎委員 われわれは敗戰の現実を決して忘れておるものでもなく、なおかつ講和條約も現在できていないという状態におきまして、十分のことを要求するようなことは、毛頭考えてはいないのでありますけれども、少くとも國内に起つたところの治安の問題については、日本政府において有効適切にこれを取締りし得るような実際上の力を備える必要があることを痛切に感ずるわけであります。政府においてはこういう方向に、一日も早く実現ができますように努力を願いたいと思います。 次にお尋ねしますが、日本は戰爭を放棄しておりまして、世界平和が一日も速やかに回復せんことを望んでおるわけでありますが、しかしまた世界の情勢は必ずしもそうしたわれわれの理想、われわれの望み、期待しておるところと一致しないような場合も考え得ると思うのであります。かりに將來にの世界に戰爭のようなものが起る場合があつたときに、日本がかつて味つたような空襲というようなものが絶対にあり得ないとも考えられないわけであります。日本はもちろん侵略された場合においても、これに対して戰爭をしないということにはなつておるわけでありますけれども、しかしまた継続的な侵略があるような場合においては、結局そのこと自体において、日本のように家屋が密集し、あるいは燒けやすい木造建のきわめて脆弱な建物であるというような場合においては、將來非常な不安を感ずることもあると思うのであります。こういうようなことに対して、総理大臣はどういふ考えでおられるか。將來の問題に対して、どういうように対処する用意をもつておるか、こういう点をお尋ねいたします。
○芦田國務大臣 中崎委員より、わが國の防空対策について御意見を発表されたのでありますが、現在わが日本が憲法に声明したごとき平和國家、民主主義國家、文化國家として忠実にこの方向に進むという決心をし、努力をする限り、われわれの平和のすみかたる本土を侵略する國があるとは考えていないのであります。しかしながら、われわれの決心いかんにかかわらず、世界情勢の変化によつて、この理想の通りに進行しない場合もあり得ることは、あるいは考慮すべき事柄と思いますが、しかしすでに陸海空軍一切の軍備を撤廃したわが國において、この際相当の武力を持つ國の侵略に対し、これを十分防衞することができないことはもとより明白であります。しかしながら、連合國は現に日本を占領軍のもとに置いており、しかして連合軍がポツダム宣言において声明しておる精神から申せば、むろん連合國の一國が日本を侵略すべき理由は毛頭ないのであります。今日の日本においては、その連合軍のポツダム宣言、もしくは國際連合に表示されたる方針に信頼して、われわれが一意戰後の経済再建に邁進し得るものだと、かように考えておる次第であります。
○中崎委員 日本は現在占領中ではありまするが、この占領下においても、着々として復興に向つて邁進しておるわけであります。從いまして、日本が平和國家として立つ場合においても、やはり平和國家としての一つの百年の計というものは、すでに現在から立てられていなければならぬはずであります。從いまして、こういうふうな空襲というふうなことをも含んでの國土計画というふうな問題について、どういう構想をもつておられるかをお示し願いたい。
○芦田國務大臣 今日世界における平和機構の一番有力なものは、すでに御承知の通の國際連合であります。國際連合に参加しておる國は、互いに他國の侵略に対して共同防衞の責任をとつておることは、その規定に明らかに示した通りであります。從つて平和條約調印、平和成立の曉においては、わが國は一日も早く國際連合に参加し、平和國家の連合團体の一員として、その國防の完全を期すべきであることは、ほぼ日本國民一致の希望であり、意見であると考えておるのであります。しかしその段階に至るまでにおいて、今日の日本がみずからの武力をもつて日本を護るという方向は、実現不可能な事態にあることを考えまするがゆえに、政府としてはさような方向において、日本を防衞しようという考え方はもつておりません。さように御承知を願います。
○中崎委員 次にお尋ねしますが、三党政策協定の中にも、不必要な統制はこれを緩和ないし撤廃するというふうにあつたように記憶しておりますが、芦田内閣成立以來不必要な統制の撤廃ないと緩和について、どういうふうな具体的方策を講じておられるかを伺いたい。
○芦田國務大臣 不必要な統制は、いかなる内閣のもとにおいても、むろん撤廃をすべきものと考えております。具体的の方策につきましては、きわめて小なる部分ではありますけれども、食料品の一部分に統制を撤廃し得るものがあると考えまして、目下その方向にいろいろ研究をいたしておりますが、まだ的確にこれを公表する時期に至つておりませんから、遠からず成案を得次第発表して、御了承を得たいと思つております。
○中崎委員 最後にもう一つお尋ねしますが、インフレを克服するためには、物の増産ということが欠くべからざる要件だと思いますが、現内閣においては、このインフレ克服のための物資の増産について、予算上いかなる措置を講ぜられんとしておるのか、説明願いたい。
○芦田國務大臣 ただいまの御質問は、きわめて廣汎にわたる問題でありまして、具体的に一々の例をとつて予算に沿うた説明をすることは、非常に煩瑣であると思いますが、一口で申しますと、重要産業の増産のためには、片山内閣以來とつておりました傾斜生産の方式をそのまま続行して、増産に障害となる隘路を打開することに極力努めております。また單に生産の部門のみならず、輸送の隘路も相当に強くインフレーシヨンに影響を與えておる点もあります。また通貨面においても、種々隘路を打開すべき点もあると考えておるのでありますが、さしあたりの暫定予算においては、特に新しい事業として計上いたしたものはありません。いづれ本予算を提出いたします際には、これらの点についても、十分の政策を盛りこんで、審議を得たいと考えております。
○川崎委員長代理 次に庄司一郎君。
○庄司(一)委員 総理にお伺いしたい点は、阪神地方における去る二十四日のいわゆる朝鮮人関係の騒擾事件に関連して、兵庫縣の縣知事並びに地方檢察廳の檢事正等のとられた官吏としての態度、すなわち教育行政上一旦政府が閉鎖命令を出しておるにかかわらず、強談あるいは脅迫等によつて、朝令暮改的にその政府命令を撤回した。これはいかに敗戰國といいながら、わが日本政府の重大なる権威と威信の失墜であらればならないと考えるのであります。よつて政府は、これらの官吏に対し、いかなる措置をとらんとするものであるか。またどういう措置をとりつつあるものであるか。この一点をお伺い申し上げたいと思います。 第二点は、この不祥なる騒擾事件の煽動者は、もつぱら日本共産党の中の一部の矯激、過激なる共産党員等であるというような報道が傳つておる。その中には、官業労働組合として全逓関係の地方幹部級の官公吏が含まれておるということでございますが、特に官公吏の煽動者等に対する官吏服務紀律の法令の上から、また今回の治安を極端に紊乱したるところの騒擾事件の煽動者、挑発者に対して、いかなる措置をとらんとするものであるか。かような共産党内における過激なる分子に対する政府の相当な関心を喚起したいと思つておるのでありますが、この点に関する総理の御所見はいかがでありますか。
○芦田國務大臣 庄司君が御指摘になりました点は、われわれ國民として最も深き関心を拂う点であります。殊にあの際に政府の方針を破棄するがごとき処置をとつた官吏、あるいは拘禁中の被疑者を解放してしまつたような官吏、これらのものの行動は、周囲の事情から見て、生命身体を危うくされるがごとき脅迫下にあつたためにとられた行為であることは、ほぼ推測し得るのであるますけれども、さりとて單なる生命身体を危くするがごとき脅迫を受けたがゆえに、從來の政府の方針と相反する行動をとつたことがもし眞実であるとするならば、その点について、これらの官公吏の責任はどうなるかという問題は、きわめて重要な点であります。昨夕法務総裁を現地に派遣いたしましたのも、とくとその辺の事情を調査するためで、その復命を待つて政府においては必要の処置をとりたい、かように考えておる次第であります。 なお神戸の暴動事件に際して、單に朝鮮人ばかりでなく、日本人たる一部の分子がその暴行を煽動し、あるいはその暴行に加担したという事実も、一應報告を受けております。しかしその後相当多数の容疑者を檢挙いたしまして、目下事実の眞相を調査中でありますから、これらの事実が明白になつた場合においては、刑法の從うところによつて処断することはもちろん、なおもし官公吏の一部がそれらの犯罪を犯したことが明白になりましたならば、政府としては嚴重にこれを処断する決心をいたしております。
○庄司(一)委員 ただいまの御答弁で了承いたしました。 もう一点治安に関することについて総理の所信をお伺いしたいことは、数箇月前より東北地方における運輸省省線の東北本線等の、常習的なギヤングの強窃盗の多数の集團が良民に迷惑を與えております。しかるにさいわいにも宮城縣地方國家警察が苦心惨怛の結果、この常習的なギヤングの一味二十余名を逮捕した。信賞必罰の上から、まことに涙ぐましい努力のもとに、これらの警察官がギヤングの一味を逮捕した。政府は建設院総裁あるいは法務廳の総裁、あるいは総理等の名によつて、かような健闘したるところの警察官等に対し、相当なる敬意を拂わるることが至当であると考えておりますが、未だに政府においてはそのことがないようでございますが、御所感はいかがでございますか。
○芦田國務大臣 庄司君のお話になつた事実は、政府としてはまことにほがらかな、また結構なニユースでありますが、正直に申しますと、実はただいままでその事実を詳細に承知いたしていなかつたのであります。しかしお話によりまして、早速これらの事実を調査いたした結果、庄司君の御指摘の場合のごときことがあれば、進んで政府としてはこれに適当な褒賞を與え、また世間に対しても、それらの事実を発表して、國民に一日も早く安堵の念を與えたいと考えております。
○川崎委員長代理 次に東舜英君。
○東委員 簡單に一、二お伺いいたしたいと思いますが、ただいま同僚の西村君の御質問に対して、総理の労働法の問題についての御説明の意味が、私にはよくはつきりいたしませんでしたけれども、この内閣は労働法は改惡せぬのであるという言葉をよくお使いになるのでありますが、改惡というのは一体どういうことを意味するのでありますか、日本に國会始まつて以來、改惡法案というものは出たことはありませんが、どういう意味で、またどういう目的で、そういうお言葉をお使いになるのでありますか。私どもこの内閣の内部の事情をお察しすれば、あるいはそういうお言葉もはなはだ苦しまぎれに使わなければならぬという事情も察しないこともないのがありますが、いやしくもこの國会の席上において改惡というようなことはせぬのだというようなお言葉をお使いになるその意味を、もう一遍明確にしていただきたいと思います。
○芦田國務大臣 東君のお話は、法律の改惡は行わないということは、だれも知つておる常識であつて、そういう文字を使つたその内容は一体どういうことか、こういう御質問であります。一言で申しますと、あの三党協定に掲げた文字の一番おもなる眼目は、労働法規を労働意欲を低下せしむるごとき方向に改正しないということにおかれたのでありまして、その文字を使うかどうかということについて、いろいろ研究もいたしましたが、ただいま世間に発表されておるごとき改惡を行わずという字を使つたのでありますが、しかしその内容、実質において何だという御質問ならば、ただいま私からお答えした通りに御解釈を願いたいと思います。
○東委員 どうもはなはだ私どもには、ただいまの総理の御説明が納得できないのでありますが、しかしこれは連立内閣の内部事情で、いろいろ苦しいこともおありでありましようから、ことさらそのことをこれ以上追究はいたしませんが、ここにもう一点お伺いしておきたいことは、先ほど西村君に対して総理は、改正か改惡かわかりませんが、いどくる意思はあるような、ないような、その点についてきわめて明瞭を欠いておりますが、しばらくは見送ろうというようなお氣持のようであります。しかしこの問題がとにかく改惡せぬという苦しい言葉を使わなければならぬほどの事態に立至つておるだけに、この問題は何らかここに処置をしなければならぬという事態になつておることは、私はうれは明瞭であると思うのであります。從つてこの際この内閣ははつきりとこの問題について、労働法は断じて改惡しない、また場合によつてはするかもしれないけれども、もう少し三派の内閣の事情も考えなければならぬというような立場におありになるのであるか、その点についていま一應明確な御答弁を得たいのであります。
○芦田國務大臣 ただいまの御質問は、先ほど西村君に対してお答えした通りであります。
○東委員 この間の総理大臣の施政演説の中に、外資の導入をするについて、今日までの幾多の障害を除去して、日本は受入態勢を整えなけいうことを、総理は強調されておるわけでありますが、外資導入にいろいろ障害となつておるということをあげられておりますが、総理はこの点について、今日まで、外資導入の障害となつておるおもなる点を、われわれの前にお示し願いた
○芦田國務大臣 お答えいたします。東君のごとき、多年政治に志をもつて御研究になつておる方でありますから、おそらく東君のお考えになつておることと、私どもの考えておることは、大きな差はなかろうと思いますが、しかしお尋ねでありますから、私の考えを簡單にお答えいたします。 すでに新聞等に発表されました通り、連合國が日本の経済再建を安んじて援助しよう、進んで援けようという氣持になるには、やはり日本國民及び日本ものでなれればならぬということは、申すまでもないのであります。その方面においては、日本國民全体の心構えということがその基本であることは、申すまでもないのであります。この点については、特に詳しくお答えする必要は毛頭ないことでありまして、すでに御承知の通りであります。政府の考え方はどういうことに重点をおくべきかという問題になりますと、第一には、日本國家が健全財政、健全金融を堅持して、月々年々の台所元が常に借金で賄われておるという事態は、極力避けに、日本國民自体が生産の増強に熱心努力しておる、みずからの手によつて、みずからの難境を切り抜けることにあらゆる努力をしているという方向に向わなければならぬことも、当然のことだと思います。インフレーションをこのままにしておいて、日本の國内に外資の導入を大々的に企てるということも、大きな矛盾でありますから、インフレーションの克服には全力をあげなくてはならぬ。また日本人自体がまじめに起ち官民ともに進まなければ、外資導入の前途には大きな障害がある。なお第三の問題は、今日まで、殊に満州事変以降、ややもすれば外國資本の投下を防げるごとき立法があり、また外國資本が安んじて日本に投下される上において、租税その他の方面においても障害となるべき点がから、これらの問題については、隘路を除くためにできるだけ速やかに立法的の措置をとりたい、あるいは租税の問題も考慮したい、かように考えておる次第であります。
○東委員 総理の外資導入の受入態勢についての御説明は、私も大体そういうように考えておるわけでありますが、私は前段に総理大臣がお述ベになつた抽象的な大局的な点は別として、具体的に、外資導入について、日本はこの点とこの点に從來の隘路を除かなければならぬということは、当然内閣としてもお考えにならなければならぬことであり、今現に総理はその点について指摘されてはおりました。ただかんじんの私のお伺いしたいこと、労働法規に関する限り、お言葉ります。よく私ども新聞で拜見するところによりましても、アメリカの資本家、実業團が、日本の現在の労働法規においては、安心して投資できないというようなことも露骨に発表しておるようであります。総理は今この点に言及されなかつたようでありますが、この点について総理は全然御関心がないのでありますかどうか、受入態勢と労働法とは非常に重大な関係があるとお考えになるかならないか、この点をいま一應伺つておきたいと思います。
○芦田國務大臣 社会生活において法律規則が重要であることは、むろん何人も異論のないところであります。と同時に、また法律は、それですべての社会生活が改善されるというふうなことも、少し言過ぎだと思う。殊に労働不安を除くということは、單なる立法の問題ではないのであります。勤労階級がその職責の重要なことを自覚して、わんとうに労働意欲を高進するということが問題の核心であると思う。その労働意欲を高揚するには、どういう施策をなすべきかということを、あるいは生活の保障において、あるいは福利施設において、あるいは労働條件において、各方面からこれを考慮して取扱うことが最も適当であつて、單に法律を改廃するというごとき一方面のみから目的を達するものではないと、かうよに私どもは考えておるのであります。しからばその法規の改正についてどうかということは、先ほど來西村君より御質問があり、私よりお答えした通りでありまして、これ以上附け加えてお答えする点はありません。さよう御了承願います。
○東委員 この問題について、これ以上総理に伺うことは無理だと思いますから、一應この辺にしておきますが、さらに行政の整理について、率直に伺いたいのであります。前内閣以來行政整理ということがやかましく言われておる。また日本の現在の実情から言つて、これはぜひ行わなければならぬ事態に立ち至つておるのであります。昨年片山内閣が組閣当初に発表した経済実相報告書においても、たとえば運輸省の所管においても、運輸省は戰爭前と戰後とは運轉マイル数はほぼ同樣であるにかかわらず、從業員は二倍半に殖えておる。労働能率は三分の一に低下しておるというようなことを、片山社会党内閣が明瞭に告白しておるのでありますが、この際日本のインフレーションを抑制するためにも、この経済危機を借り抜けるためにも、何としても行政を整理するということが、非常に緊急な問題であろうと思うのであります。これに対して、そこにおられる大藏大臣なども、民主党の政務調査会長として、昨年議会の劈頭でこの点についても政府に要求されておつたと思うのでありますが、芦田内閣は行政整理をなさる意思があるかどうか。またその行政整理は、社会党内閣との関係で、人員の整理を行わないのである。ただ機構でけを弄つて機構を能率化するのだというようなことを言われておるのでありますが、はたしてそれだけでもつて今日日本のこの行政の行詰りと申しますか、世界一の役人國であると言われておる官僚行政の行き過ぎを是正し、また國の財政を安定させることができ得ますかどうか。この点について政府の所見を伺いたいと思います。
○芦田國務大臣 この内閣において行政整理の問題は、すでにいくたびか閣議において研究をいたし、これを決行する方針であります、片山内閣のときに企てた行政整理の方針は、各官廳にわたつて二割五分の人員を圧縮するという物差を立てておつたのでありますが、これがいかにも機械的で、行政能率その他の方面から必ずしも適当でないという考え方から、さらに行政整理においては、官廳の能率を重点として考えなくちやならぬ。また行政機構の改革とにらみ合わせて実行しなければならぬという方法に、多少の変更をみたのでありますが、事務的にはすでに各省において、それぞれ行政整理の案についての材料をつくつて、現在行政調査部の方にこれを報告しておる最中であります。 なお出先官憲の配合、整理については、率先してこれを実行する考えでありまして、すでに第一次の出先官憲整理の案はでき上つております。できるだけ速やかにこれを実行に移したいと考えておる次第であります。
○東委員 この際委員長にお願いをしておきたいのですが、昭和二十二年度の政府所官の官公職員の給料並びに人員に伴つて、いろいろ旅費あるいは文房具などを調弁する人件費はどのくらいになつておりますか。されの資料を出していただきたいと思います。 それからいま一点國債利拂停止の問題についてお伺いしたいのでありますが、社会党の方では、何でも利拂はあくまでも停止させなければならぬというような御意向のようでありますが、大藏大臣は利拂停止は行わないのだというようなことを、たびたび言明しておられるようでありますが、この際総理大臣からこの問題をどういうようにお扱いになるのでありますか、率直にお氣持だけをここに御言明が願いたいと思うのであります。
○芦田國務大臣 軍事公債の利拂停止の問題は、その問題を決定するために委員会を設けるという計画になつておりまして、その計画通りにこの方面の知識経驗ある人々に依頼して委員会をつくりまして、すでに数回の会合を行いまして、大体結論を出す程度に進捗いたしております。おそらくここ数月中には、委員会の報告が内閣の方に送付される。その報告にもとずいて政府の態度を決定したい、かように今考えておるところであります。
○東委員 この労働法規の問題にしろ、主食ろ、現内閣の閣僚諸公は、まずはつきりしないことを堂々と公の席上でよくお話しになるのでありますが、主食の問題でも、一方は二合五勺しか出さぬと言い、総理大臣は二合八勺だと言う。この軍事公債の問題でも、大藏大臣は明瞭にこれは停止しないのだということをはつきりしておられる。今総理大臣から伺うと、数日のうちにきまるので、何とも言えないというようなことなのでありますが、一体こういう重大な問題を、國民はどこを信頼してよいのでありますか、まつたく私ども國会議員として地方へ出ますと、何かその間の事情は心得ておるのだと思つて、まつたくこれには答弁に迷つて困つておるようなわけであります。そこに大藏大臣もおられるので、いずれ大藏大臣にもお伺いしようと思うのでありますが、もう少しこの内閣の諸公は言葉をお愼しみになつた方がよいと思うのであります。 なお最後にもう一点お伺いしたいことは、総理大臣はこの間の施政演説の中に、この三百万町歩を開墾するということをおつしやる。この間の施政演説は、全体的にはきわめて抽象的であつて、われわれその内容をいろいろ批判は別といたしましても、ただ三百万町歩という言葉が出たので非常にこれを奇異に感じ、これがほんとうならば、まことに結構なことだと思わぬでもなかつたのでありますけれども、しかし三百万町歩というような数字をはつきり総理がおつしやるからには、そこに相当の何か根拠があつてお話になつたのだろうと思います。私が最初聽いたときには、日本の本土の中に大体三百万町歩あるのか、満州あたりのことを言つておるのではないかと実は思つたくらいなのでありますが、総理は三百万町歩と言われるときには……総理大臣の施政演説は、大概閣議でおきめになるのだから、閣議で皆が御相談の上で、よほど確たる材料に基いてのお話だと思いますが、何かこれについて各府縣ごとに、何々縣には何十万町歩、どこそこにはこれだけあるというような、具体的な開墾でき得る見込みの土地が見積られておると思うのですが、その具体的な内容をお示し願いたいと思います。また何でもうの話は平野地帶と山岳地帶との中間を開墾するのだというようなことをおつしやつておられたようでありますが、その中間地帶を開墾することによつて、日本の燃料であるとか、あるいは治水の関係、あるいは用材の関係等についても、よほどその辺の点も御勘案の上に御発表になつたことと思います。これは國民は非常に関心をもつておることでありますから、この際明確に内容をお示しくださることが結構だと思います。
○芦田國務大臣 三月二十二日の施政演説の内容については、閣議の決定であることは申すまでもありません。三百万町歩の波丘地帶の問題に関しては、本会議において民主自由党の代表の方からも質問がありましたし、ただいま東君の御質問においても、根本に非常に誤解をおもちになつておる。私の施政演説においては、波丘地帶三百万町歩を開墾するということは一度も言つたことはありません。開墾ではない。元來われわれの見解から言えば、日本人が水田に非常な執着をもつて、そうして一も二も開墾々々と言つて水田をつくることばかり考えておる。日本人の食生活が澱粉偏重の今日の形ではいけないのだ、もし食糧の自給自足をはかり、体位の向上を企てるならば、少くも蛋白及び脂肪分の食生活を考えなくちやいかぬ。それには波丘地帶を利用してそこに有畜農業を行い、家畜を飼い、鶏を飼つて、そうして日本人の食生活を改良し、体位の向上をはかる。現在日本の耕地というものは、御承知の通り、日本の全面積の一七%にしか達しておりません。その平野地帶と山林地帶との中間には、全國到るところに波丘地帶があつて、これを有畜農業、あるいは必要な場合には雜穀、もしくは芋をつくることもできましよう。その波丘地帶がおよそどれくらいあるかということは、地理学者に聽いてもわかる程度の問題でありまして、なおこれを具体化するためには、その方面の專門家にいろいろ聽いて、近具体的の計画を立てたいと考えておる次第であります。
○東委員 私あるいは聽き違いかも知れませんが、総理は三百万町歩を開発して、食糧増産と失業救済に資するのだということを明瞭に言明しておられるのであります。しかしただいまの総理のお話のように、もしさようなことがおできになれば、まことに結構でありまするから、これをおやりになることは御随意でありますが、はたしてしからば、政府はその方針に向つていつからそれを実行なさるお考えでありますか。今度の本予算には何か多少でも手をおつけになるお考えでありますかどうか、それを伺つてみたいと思います。
○芦田國務大臣 この計画は全國にわたる相当大規模の計画でありまして、政府は一年、二年がかような計画が全部完成せられるものとは考えておりません。しかしまずその基礎となるべき具体的の案をつくり、遺漏なき調査を行うことが先決問題でありますから、その方向に向つて、今後編成せらるべき予算においても、十分考慮いたしたいと考えております。
○西村(久)委員 ちよつと関連して簡單に質問いたしたいと思います。先ほど東君から、軍事公債の利拂停止問題の質疑があり、それに対する総理大臣の御答弁は、私はまだよく納得が行かないのであります。と申しますのは、本件に関しましての問題は、過ぐる三月三十一日の当予算総会の席上におきまして、大藏大臣の午前の私の質問に対するお答えは、すなわち軍事公債利拂停止をする件は、委員会を設置して、委員会のきめによつて政府は方針を決つたのであります。ところが午後の答弁は変りまして、軍事公債利拂停止は、停止を前提條件とする、停止後の処置を委員会において処理をするのであるという意味合の御答弁をなされたのは、委員長も記憶に新たなる通りであろうと思います。ところがそれが当委員会で問題になつたのでありまして、それで総理大臣に御出席願いまして、総理大臣の腹をや尋ねいたしましたところが、大藏大臣の午後にやり直した方針通りに、自分が責任をもつということをはつきり言われましたので、当時の予算総会はかたがついているのでありますから、今日利拂停止はするということを前提條件とされておられるのでありまして、私はこの利拂をするあるいはせぬといつたような関係の委員会の設置でなく、停止後の処理をする委員会であるということに了解するのでありますが、東君の質問に対するお答えが、総理大臣の先ほどお答えのような趣意でありますと、三十一日の大藏大臣の午前中の私の質問に対する答弁の趣意のようになつて、もとへもどつているかのような感がありますので、重ねてここで総理大臣の御意見をお尋ね申し上げたいと思います。
○芦田國務大臣 お答えいたします。政府のこの問題に対する態度は、三月下旬以來、何ら変つた点はありません。しかし委員会においては、その道の権威者が、いろいろこの問題の根本に遡つて論議をされたのでありまして、その結論は十分われわれが傾聽するに足るものと考えております。その意見を十分くみ取つて、最後の決定をいたしたい、かように考えている次第であります。
○川島委員長代理 まことに恐縮ですが、まだ質問者が多数残つておりますので、午前はこの程度で休憩をいたしまして、午後一時半から質疑を続行することとしまして、これにて暫時休憩いたしたいと思います。 午後零時四十七分休憩 ————◇————— 午後二時五分開議
○川島委員長代理 それでは休憩前に引続き会議を開きます。 質疑にはいります。西村久之君。
○西村(久)委員 私は午前中の会議に、軍事公債利拂停止問題に対しまして、総理大臣の御意見がはつきりしなかつたので、お尋ねを申し上げたのでありますが、総理大臣は、三月末の政府の方針も今日も何ら変りがないという御答弁をなされたのであります。その御答弁の趣意は、三月三十日かの当委員会において、北村大藏大臣がお取交しになりました答弁の趣旨を、今日その通りおもちになつておると了解するよりほかに途がないのでありますが、さいわい北村大藏大臣がおられるので、その通りと了承してよろしいかどうか。北村大藏大臣の御意見を拜承いたしたいと存ずるのであります。
○北村國務大臣 西村君の御了承の通りであります。
○西村(久)委員 そういたしますれば、軍事公債利拂に関する私の関連質問は一應中止することにいたしまして、方面をかえてお尋ねを申し上げたいと存じます。 大藏大臣は予算編成にあたりまして、税制の改正をやられるということを言われているのであります。しかしてその税制改正の全貌は、今日までまだはつきりとされておらないのであります。過ぐる予算総会におきまして、御立案なされるのじやなかろうかという点について、同僚の上林山君から一、二質問がありましたけれども、はつきりしたお答えを実は伺つてないのであります。今日相当日数も経つてまいりますし、本予算編成も政府のお話によりますと、五月半ばごろまでに編成しようと言われるのでございますから、税制改正の全貌も大体においてその構想は明らかになつているのじやなかろうかと考えますがゆえに、税制改正に対する北村大藏大臣の御所信を質してみたいと存ずる次第であります。税は中央地方を通じまして、つとめて複雜を避けなければならないと、私は考えているのであります。ところが税制改正をやりますと、税種が殖えるようなことを往々やるのであります。これは事務の簡素化を妨害する事柄でありまして、何ら得るところはないと考えておるのでございます。税は國民所得を本体とする所得税一本にして、國家の財源、地方の財源を賄う微收方法をお考えになることが妥当ではなかろうかと実は考えるのであります。いずれの方面から税を微收するにいたしましても、所得そのものが基準とならなければ、税は納められないのでありますから、私は祖税は所得税一本建にして微收をする、これが最も適当なるやり方ではないか。所得の把握が困難であるために、いろいろに税種目を設けられるような結果になつて、税が複雜になるというようなことは避けなければならない。かように考えておりますが、大藏大臣はいかようにお考えになつておられるか、この点をまずお尋ねいたしたい。
○北村國務大臣 西村君の御質問に対してお答え申し上げます。前段の税改正をやるかどうかというようなお尋ねございますが、これはやるつもりで目下鋭意その方の研究を進めつつあります。 それから最近のいろいろな徴税上の各般の技術等から考えまして、政府自身において相当に税改訂についての研究は進めつつありますけれども、さらにこれは農業方面とか、その法一般の営業者の方面とかいうような各般の事情を反映することができるような委員会もしくは懇談会を設けまして、再檢討をしたらよいのではないか。ただしその委員会等の決案が間に合わない場合でも、税の改訂は本予算に合わして御審議を願うようにしたい。かような方針で進めております。 それから後段の所得税に関する御質問でございますが、税体系といたしましては、所得税を一つの基本的なものにするという点においてはまつたく同感であります。ただ現在の日本の実情というものが、経済活動の分野、その他各般のことを総合いたしまして、所得税を基調とすることは同感でありますけれども、所得税一本でいくということは、今の実情では非常に困難である。それで私どもまた西村君と同様に、税というものは、なるべく單純化したい、できるだけ單純化すべきである。さように考えることにおいては、全然同感でございますけれども、今のきわめて轉換期にある日本の実情といたしましては、その点が一應税体系の基本としての所得税というものをもちながら、一方においていろいろな方面からまたこれを補足していくということが、やむを得ざる必要に出ているという点は御了承を得たいと思います。
○西村(久)委員 そういたしますと、政府の改正せられんとお考えになつております新税は、他日話題に上りました事業税とか、あるいは賣上税とかいうようなものをこの際実現していこうという御構想のもとに、今日進めつつあるのでございますか。その点お伺いいたします。
○北村國務大臣 お答え申し上げます。ただいま特に研究の歩を進めておりますものは、勤労所得税の軽減でありのす。これはかねて國会においても申し上げた通りであります。 それから法人税も、これは企業の再生産活動に影響するような点まで税をとるというようなことになる点から、これは修正する必要があると考えております。かように考えてまいりまして、軽減すべきものを軽減するといたしますと、何をもつてこれを補うかというような、財政上の当然の必要が起つてまいりますので、これについてただいまいろいろな案を立てておりますけれども、ただいまここではつきりと申し上げる段階にまで達しておりませんのと、先ほど申し上げましたように、これはなるべく廣い分野において各方面の方々の御意見等をできるだけ取入れたいというような考えで、二十三年度の予算に間に合うようになればなお結構でありますけれども、間に合わないといたしましても、研究は進めなければならぬ。改正すべきものは改正しなければならぬので、これは二本建になりましても、一應われわれの考えのもとにおいて修正をいたしますとともに、一方は研究を進める。こういうことにいたしたい。それで何と何とがただいま申しましたような意味での税種のベースに対應して新しい税目になるかということについては、これは今ちよつとここで申し上げる段階にはいつておりませんのであります。これは申すまでもなく、物價全体と見比べねばなりませんし、財政全体から考えなければなりません。もちろんお話のごとく、國民所得の面からも考えなければなりませんので、各般のことを考慮いたしまして、万遺漏のないような案を立てたい、かように目下努力しておる次第であります。
○西村(久)委員 御方針はわかりました。この五月分の暫定予算を見ますと、五月分の暫定予算に、地方財政上の窮乏を國家も痛感されまして、分與税分與金の増額をはかられようということで、四月よりも十億増して、五月の分與金を御計上になつておられるようでございますけれども、この分與金の関係から換算してみますと、今年度の租税予定額は一千五、六百億になると思う。こういうようなことが推定されるのであります。かく申しますゆえんのものは、分與税分與金は、所得税の二三%強を分與し、入場税に対しましては三割弱、二九%強をもつて算出した額が分與税分與金となつておるのでありますから、この予算からみますと、両方を勘案してそろばんを算出してみますと、所得税だけが一千五、六億になり、本予算の関係がそれに伴うて出てくるのでなかろうかということが想像し得られるのであります。大藏大臣といたしましては、二十三年度の所得税の御予定はどれくらいと見当なされておられるのでありますか。これも物價体系との関係上、予算がつかないということに承知しなければならないものでありますか。一應伺つてみたいと存じます。
○北村國務大臣 お答え申し上げます。暫定予算はいわゆる暫定の予算でございまして、これは現状において一箇月分を出したものでございますから、二十三年度の本予算においては、先ほど申し上げましたように、税制の改正をやり、その他必要なる物價についても手を加えなければならない。さようなことを勘案いたしますので、物價がかわりますと、あるいはまた賃金ベース等についても考慮しなければならぬことが起るかもしれない。そういうようなこと等を勘案いたしますと、税收等も從つて変化をみますので、これは先ほど申し上げました物價改訂の問題等々と関連をもちますので、暫定予算はそういうことをしばらく拔きにして、一應一箇月分を既定の方針に基いて立てたのでございますから、從つてそこには違つたものが現われる。ただいまお話に相なりましたように、これは物價等の改訂と関連をいたしますので、ここで所得税額がおよそいくらであるということは、しばらく本予算を提出するまで御辛抱を願いたい。かように思う次第であります。
○西村(久)委員 地方財源の緩和をはかるために分與額の増額は結構でありますが、先ほど私が申し上げました通りに、大藏大臣のお言葉もありました通りに、所得税を改正して相当額の減免をはかるという御方針からまいりますれば、所得税そのものの收入が相当減額いたしまして、國の財源が減つてまいるのであります。國の財源が減りまする半面、地方財政を緩和するための分與金は殖えてまいつておるのでございます。その間の開きは相当なものになろうと実は考えておるのでございます。もし過去の算出方法によります分與税分與金の算出方法をとりまするならば、おそらく所得税に対する二三%強の率では、地方の財政は賄ない得ない。これは三割ないし三割五分の本税に対する分與の方法を考えていかなければならぬということになりますれば、ますます國の財源が乏しくなると思うのでありまするが、こういうふうな方面に対する大きい数字の財源はいかような方面に振り向けられようとしてお考えになつておるのであるか。ややともしますと、仕事がしやすい大衆課税にこれを仰がんとする傾向が、やりやすい関係上生れがちになるのであります。大衆課税になりますと、たださま今日國民は経済的に財政的に困つておる際でありますから、轉嫁されることは、國民大衆が少からぬ迷惑であろうということを考えますので、間接税たる大衆課税に轉嫁せず、ほかに何らか財源をお考えになつておられるかどうか、この点をお尋ね申し上げてみたいと思います。
○北村國務大臣 地方財政が中央の財政同樣に非常に窮乏しておるということは、西村君にただいまのお話の通りでありまして、中央だけ健全財政主義を堅持いたしましても、もし地方において地方財政が破綻を來すようなことがありましては、健全財政は成立しませんので、從いまして、われわれは地方の財政についても十分の関心をもち、できるだけの力をその方面にいたしたい、かように存じておるのでございますが、地方財政委員会等におきましても、ただいま地方財政の健全化のために、いろいろ具体的な策を練られつつあるのでありまして、これはおそらく二十三年度の本予算の場合に、併せて地方に関する諸問題等もお諮りすることができると思うのであります。なおこれは大衆課税的なものを避けるということについては、方針としてできるだけ避けたいというようなことを、私ども考えておるのであります。從いまして、かような観点から勤労所得税の軽減というようなこともはかつたのでございますが、しかし大衆を対象とする税を全部やめてしまう、間接、直接を問わず問題やめてしまうというようなことが、今の日本の財政の実情ではとうていできないので、その負担が重きに過ぎると思われるようなものは、できるだけ軽減する。しかし大衆においてなお負担を願わなければならぬものも相当ございまして、これらの点については間違いのないように、行き過ぎがないように、負担の公正あるいは負担の公平という点については十分檢討いたしまして、いやしくも不公正になつてはならぬという点においては、十分の努力をいたしたい、かように考えている次第であります。
○西村(久)委員 大藏大臣の御意見を伺いまして、まつたく意を強くいたすものであります。お説の通りに、一面勤労所得税の軽減をはかります関係上、減りまする國の財源緩和のために轉嫁いたしました大衆課税に充てるべき方法をお考えになることは、私は当を得たものではないと考えまして、お尋ねいたしましたところが、大藏大臣もその点については御考慮を拂われる御趣意のようでありますから、諒といたします。つとめて大衆課税という税目でなくてでも、國民大衆の負担に今日より以上の負担過重を來すような税に轉嫁すべきような政策は、とつていただかれないようにお願いを申し上げておきます。 次に國鉄の賃金値上げの問題であるのでありますが、これに関連いたしまして、船舶運営会の船舶積荷の運賃の関係について、お尋ねを申し上げてみたいと思いますが、特別会計の予算を見てみまして、國鉄が赤字が多くなりつつあることも承知いたすのであります。從いまして、相当の値上げをしなければならない段階にはいつておることもわかるのでありますが、今日特別会計に属する國鉄の独立採算制を維持するために、政府はここへ國鉄の料金値上げ、あるいは貨物の料金値上げをやられようとするのであるか。赤字はなるだけ少くしつつ進もうとされるのであるか。今日の情勢では、だんだん赤字が殖えてまいつておる。從つてこれを公債で賄うということはよろしくない。一時借入れで、これを財源に充てる、こういうふうな予算の組み方のようでございますが、この一時借入れをしましても、國鉄自体に金のはいつてくる見当がつかなければ、一時借入金の返済はできないという結果になるものだと思うのであります。そういたしますと、またこのけつふきを一般会計から繰入れなければならぬことになるのではなかろうかということを心配するのであります。同樣に運営会の船舶の料金も、独立採算制をとらせる意味のもとに、荷客の運賃を上げ、そうしてなるだけ國の補助金はなしにするというような段階に進むことを、私は念願いたしますが、政府といたしましては、運営会の補助は補助として計上しなければならないが、一面だんだんと苦しくなつてくるがゆえに、船舶の貨物の運賃も引上げなければならない、こういうふうな政策をお考えになつておられるのであるかどうか。独立採算制を立てる上について必要な程度に、國鉄あるいは船舶の料金も値上げされるようお考えになつておられるのかどうか。これは所管大臣が違う関係上、ほかの大臣にお壽ねするのが順当かもしれませんが、大藏大臣としてのお考えを伺つておきたいと思います。
○北村國務大臣 ただいまの御質問は、あるいは運輸大臣からお答え申し上げる方が妥当であるかと存じますけれども、私の心得ておる点を申し上げたいと思います。 第一、國鉄の独立採算制の問題でありますが、これは現在御承知の通り、お述ベになつた通り赤字でありまして、この赤字をどうするか、この問題なのでありますが、これは私企業、公企業ともに赤字をなくするという方向へ向けていかなければならぬ、これは申すまでもないのであります。ところが現在國鉄がもつておる赤字、また現に出しつつあるところの赤字を全部運賃の引上げによつてカバーするかどうかということに相なりますと、これは日本の物價政策として特價全体の問題に非常に重大な影響を與える、從つて物價の面にこれを全部おんぶさせないで、財政支出によつて一面この物價への負担を軽くするというような点を考えてまいりますと、これはまた財政政策の面から、今のまことに乏しい財政の上において、そのことが随分むづかしいことになつてくる。從いまして、國鉄の赤字をどう処理するかという問題は、これはかなり幅の大きい問題になるのでございますが、われわれとしては、独立採算制をどこまでも維持しなければならぬ。これは独立で、企業の赤字なしで経営できるようにしなければならぬ。それをするためには、第一に運賃の引上げがこれは必至なのでありますけれども、私たちの考えとしては、運賃赤字が出ておるということの最大の原因は、運賃が安いという点にあることはもちろんでありますけれども、それだけでないかもしれないという点に、反省とまた研究の必要がある。從いまして、いわゆる独立採算制という建前から國鉄を見直すときに、どういう企業形態がよいのか、そういう点まで掘り下げていかなければならぬ。そうして非常に赤字が多いのだけれども、その赤字の多い中で、運賃において負担してもらうベき分野がどの程度であるかというふうなことを檢討しなければならぬ、こういうふうに考えておるのでございまして、先に西村君の御質問の中で、特價の問題についてお答え申し上げましたのと同じような観点から檢討を進めておる次第でございます。さよう御了承を願います。
○西村(久)委員 最後に、復興金融金庫の跡始末を予算でやらなければならないということに相なつておりまするが、これは相当大きい数字になるのではなかろうかと思うのでございまして、四月分は十五億でありましたが、五月分は二十五億というような数字になつておるかと思われるのであります。本年中にはおそらく三百億というような大きい数字になるのではなかろうかと思うのでありまするが、こういうふうなけつ拭きを、この乏しい國家の財政難の場合に、國がやるということは、賞めたものでないというように、私は考えるのでありまするが、何か國がこれを肩代りしないで、そして復金は復金自体で経営のできるような途にかえるということが、國家財政を圧迫するゆえんでもなく、またこれが独立採算制の建前からいつても、今日の場合も相当出費をいたしておるのでありますから、妥当なような氣がするのであります。大きい数字を予算で跡始末をしなければならないということは、將來財政の圧迫を來すおそれがありまするので、これに対する対策を大藏大臣がおもちなら伺つてみたいと、かように考えるのであります。
○北村國務大臣 お答え申し上げます。復金につきましては、これはたとえが惡いかもしれませんが、ちようど人間がみんな健康ならば病院がいらない。そういうような見地から、日本の経済財政すベて非常な健康の状態にあれば、復金の存在もなくなつてしまうべきものだ、こういうふうに私は考えます。復金というものができ、また動機と目的が日本の経済再建のために必要であつて、しかも普通の金融機関をもつてしては、資本の注入ができないようなもののために、特に復興金融金庫を設け、暫定的な、これはいわば臨時的な施設でありまして、復金というものは恒久的な金融機関ではない。すなわち日本の経済再建のために必要であるけれども、一般の金融機関では、リスクの高さであるとか、その他量の大きさであるとか、あるひはその他の点から、むしろこれは國が支援をしなければならぬというような方面を、復金という機関を通じてやる。こういうことに相なつておりまするので、私どもから、ずいぶんこれは言い方が乱暴かもしれませんが、復金などがもう御用がなくなつて、一般の正常なる金融機関において、それができるというような事態に早く來さなければならぬ、こういうふうな考え方をいたしております。 それからただいま御指摘の予算に載つておりますのは、御承知の通り復金は政府の出費でございまして、復金債を発行している。この期限が來ましたものを償還しなければなりませんので、復金債の償還の期限の來たものを予算に計上いたしまして、これで復金債の償還に充てる。こういうような意味の数字でございます。それでしりぬぐいをするという意味ではありません。復金全体については、いろいろ考慮すベき点もありまするし、また予算委員会等においても、論議された点もございまして、この点は十分心得ておりますが、ただいま御指摘の点は、復金債の償還を計上している。こういうことでございます。
○川島委員長代理 この際農林大臣が出席されておりますので、大藏大臣になお多くの御質問があると思いますが、暫時の間農林大臣への御質問を続けていただきたいと思います。今井耕君。
○今井委員 物産とか、あるいは賃金ベースがきまらぬために五月分も暫定予算でやらなければならぬということは、まことに遺憾でありますが、万やむを得ぬと考えるのであります。しかしこういうふうに、月々暫定予算でやつておりましては、計画が立たぬのでありまして、特に農林大臣にお尋ねいたしたいのは、今日食糧の一割増産運動を盛んに展開しておるのでありますが、これにつきまして、本日も多数陳情にまいつておるのであります。戰時中、戰後の山林の濫伐になりまして、昨年も非常な旱魃をこうむつております。このままでいけば、本年も相当な旱魃が予想されるのでありますが、これに対する各種の灌漑の設備及び一割増産をする上におきまして、排水の惡い所について排水の設備をするというように、土地改良方面の事業を遂行していくことは、最も緊要な問題であると思うのであります。ところがこれに対する予算が非常に少いので、非常な支障を來しているのでありますが、この五月の暫定予算に、土地改良方面の経費がいくら計上されているかということは、説明でははつきりしなかつたのであります。その点をお伺いしたいのであります。
○永江國務大臣 お答えいたします。暫定予算の中では五月分として八千万円の土地改良費を計上しております。
○今井委員 八千万円というと、非常にその金額が少いのでありますが、農林省には昨年の十月でしたが、開拓関係の五箇年計画を樹立されて、そのうち土地改良関係の方面としましては二百五十万町歩を計画している。そして大体六十万町歩くらいを年々やつていくような計画を立てておつたのでありますが、その計画によれば、年間大体四十億円くらいな経費がなければできぬことになつているように伺つておつたのであります。そうすればその線に沿つてやるならば、一箇月三億円や四億円くらいな予算がなければ、その計画も全然蹉跌を來すことになるのであつて、今の八千万円くらいでありますと、三分の一か四分の一くらいしかできない。こういうふうになるのでありますが、この計画に対する農林省の考えはどういうふうになつているか。その点をお伺いいたします。
○永江國務大臣 大体私どもの予定いたしておりますのは、土地改良によりまする受益面積六十五万四千町歩でございます。そのためにも私どもの予算として要求いたしたいと思つておりますのは、年間約四十五億円くらい。こう思つております。しかし御承知のように、まだ本予算が決定いたしておりません。できるだけこれはその額に近いものを具体的に決定いたしたい。こう思つております。今お説にありましたように、五月分の暫定予算として八千万円はまことに少額であります。私どももこれが満足なものとは思つておりません。從つて年間予算の決定の際に、できるだけ受益面積に近いものを、土地改良として手交し得るようにいたしたいと思つております。
○今井委員 ただいまの農林大臣の答弁によりますと、本予算の際に考えたいというようなお話でありますが、これは水田の植付までにやらなければ、仕事のやれない部面が非常に多いのであります。これを本予算が出るまで一月送りにやつておる。都合によれば六月分も暫定予算でいかなければならぬというようなことを考えられておるらしいのですが、そういうことでは、もう時期を失してしまつてできないことになつてしまう。そうして本年の稻作の増産ということについては、もう何ら間に合わぬということになつてしまう。そうして本予算の際ということでずらしておつては、結局効果が上らないということになるのでありまして、この点を非常に心配するのであります。それで本予算においてこのくらいな額をひとつやろうという方針がきまつておるのなれば、当然この五月分におきましてもその線に沿うて暫定予算が組まれなければならぬと思う。それでそういう考えをしておいでになりながら、この五月分はわずか八千万円ということは、これは今本予算の際に考えると言われるけれども、それは事実不可能というふうに考えられてこういうふうになつておるのだか、その辺がどうもはつきりしない。ほんとうにそれをやるという誠意があるならば、五月においてもそれがもつて計上されるのが当然だと考えるのでありますが、農林大臣はこの時期的の問題につきまして、どういうふうにお考えになるのか。この点をお伺いしたい。
○永江國務大臣 今お説のように、特に土地改良につきましては、時期が重要であります。いかに暫定予算でありましても、一年の年間予算を十二箇月で割りまして、一箇月で割りまして一箇月分づつ出すというようなことはもちろん当然ではありません。そこで農林省といたしましても、できるだけ今お話のように植付期までに行うべき土地改良につきましては、暫定予算中にこれを認めるために折衝いたしたのでありますが、御承知のようにこれらの予算は全部一括いたしまして公共事業費の中で取扱われております。なお公共事業費の総額についても、かなり圧縮をせられましたために、各関係省内の間においての折衝の結果、はなはだ不十分でありましたけれども、土地改良につきましては八千万円ということに決定をいたしたのであります。私は一割増産あるいは政府割当の供出量確保のためにも、ただ單に農林省関係の普通の予算を査定するという以外に、現下におきましては、やはり食糧の増産という角度からこれらの予算を十分に考え、そうして適切な予算額として決定をしたい。こういうつもりで折衝しておるのであります。本八千万円の土地改良費が、決して十分であるとは私は考えておりませんが、全般の公共事業費のわく内において操作をされましたために、非常に窮屈になつてまいつたのであります。しかし私は年間予算においては、先ほど申し上げました線に近いものにいたしたい。こう思つております。
○今井委員 ただいま農林大臣からいろいろ伺つたのでありますが、もちろん農林大臣としてのお考えはその通りだと思います。実は大藏大臣がおられたら、それに対する大藏大臣の意見をお聽きしたいと思つておつたのでありますが、ただいまおいでになりませんから仕方がありません。どうもこういう仕事を一律的に削減してしまうということは、生産増強のためにどうかと思う。たとい暫定予算でありましても、こういうような時期的に必要な、特に生産増強に必要な部面については、相当加減をすべきであると思うのであります。それも一律的にやるならば、これはほんとうに意義のないところの機械的な暫定予算たらざるを得ない、こういうふうに考えるのでありまして、この点ひとつ特に御考慮願いまして、本予算がもし六月分から間に合わないで、六月分も暫定予算によらなければならぬような場合が起つた際には、ぜひとも暫定予算でありましても、この土地改良に関する経費は計画通りに計上されるように特別の御努力を願いたい。いづれ大藏当局にも私から御質問したいと思いますが、この点を特にお願いをしておきたいと思うのであります。 次い農業協同組合の問題でありますが、昨年農業協同組合法が成立いたしまして、現在各府縣とも協同組合が設立されつつあるのでありますが、府縣の実情を調べてみますと、府縣におきまする担当の人が少いために、この認可が非常に遅れておる。また協同組合に対するいわゆる啓蒙、宣傳、協力というようなことがさつぱりできておらぬのであります。これは以前から私はこのことについて強く要求をしておるのでありますが、この五月の暫定予算は、これも説明ではわからぬのでありますが、少し殖えておるかどうか。その辺の御説明を願いたいと思います。
○永江國務大臣 お答え申し上げます。先ほどお話の土地改良費につきましては、実は五月の暫定予算においては災害復旧に関する面が非常に多額に認められた。非常にということは語弊がありますが、その中で農林省関係では災害復旧について約五億円近いものが認められておるのであります。この費用の中には間接には土地改良とか、または一割増産に大きな関係をもつておる予算がありますので、ただ土地改良の八千万円というもとは十分ではありませんが、いろいろ公共事業費の査定の技術的な方法といたしまして、災害復旧の中にかなり多くのものが認められておる、こういうふうに御了承願いたい。しかし御注意もありますことでありますから、私は年間予算の中では、土地改良については十分努力いたします。 それから次にお尋ねの協同組合のことであります。この暫定予算の中には、約百九十万円余のものを入れております。これは決して十分な費用ではありませんが、大体宣傳指導のためにそれだけの予算を暫定的に決定いたしました。
○今井委員 ただいまの百九十万円というのは、暫定予算が四月分よりは増加した分でありますか。
○永江國務大臣 そうであります。
○今井委員 これはおもに宣傳の費用のように伺つたのでありますが、過日も縣の方に帰りましたら、何か宣傳ビラのようなものをトラツクでどつとまいて歩いておつたのでありますが、ああいう経費ではないかと思うのであります。協同組合の問題につきまして、よく看板の塗りかえであるとか、いろいろな非難があるのでありますが、これは農民が役員を選挙いたしまして、役員が全部変つたから看板の塗りかえじやないかと言うが、ただ役員が変つたつて、これは形式が変つただけでありまして、やはり看板の塗りかえであると思うのであります。結局農林及び役職員になつて者が、ほんとうに農業協同組合の性格というもとをはつきり知つて、眞に農民のものとして盛り上らせるものでなければならない。そういう心構えが全体にできて、初めてほんとうの民主的の協同組合になるのでありまして、そういう点から考えますと、ほとんどこういうことができておらない。宣傳ビラをまいたくらいでわかるというようなものではないと思う。この間も見ておりますと、子供がそのビラを拾つて喜んでおるというようなことで、まことにもつたいないことをしておるという感じがしたのであります。そういう薄つぺらなことでなしに、もつとしつかりした協同組合教育ということをやらなければならぬ。ほんとうの債の民主的協同組合というものは、協同組合教育ということを根本にしていかなければならないと思うのであります。そこで今後、協同組合が十分わかつてからつくるというわけにはいきませんから、とりあえず一應つくるのでありますが、今の役員というものも一箇年間になつておるのでありますから、この期間におきましてうんと協同組合教育というものをやらなければならぬと思うのであります。それにつきましては、やはり府縣あたりにも大体協同組合の職員が二人ないし三人、私どもの縣の方でも、この間帰つて調べてまいりましたら、縣が少さいので二人だけであります。この二人だけでは認可の書類だけでも目が通らないくらい机の上に書類を積んでおいて、認可ができはしないのであります。だからほかに手をまわすことができない。そうして協同組合の問題について旧農業会の職員がやると、いろいろな誤解を受けるから、だれもやる者がない。責任者は一人もない。それは國がやるのだ、府縣がやるのだというように、以前からおつしやつておりますが、事実何にもできておらないのであります。こういう点から考えてみると、ほんとうに協同組合法をつくつて、眞劍に協同組合をやつていくということをやるのか、やらぬのか、その誠意が疑われるのであります。四月の暫定予算にも、何でも百三十万円かそこいらしかみておらぬ。百三十万円というと、一府縣に二万か三万円くらいであります。一府縣に一月に二万円か三万円くらいで協同組合ができると考えておるのか。これではてんで問題にならぬと思うのでありまして、これはけたが少し、二けたほど違いはしないかと考えるのであります。一体これに対する誠意があるのかないのか。そうして親身になつてほんとうにやるつもりなのかということを非常に疑うのであります。私は根本的に合点がいかぬのであります。今度の百九十万円というものも、多分宣傳ビラみたいなものではないかと思うのでありますが、そういうことでは困ると思います。今農業会が半分なくなりかけており、協同組合もうやむやに過してしまうというようなことは、國としてほんとうに無責任きわまるものだと思うのでありまして、少くともこれは経常費として月に四、五百万円くらいのものは、何ぼ少くても見なければならない。月に二万円や、三万円というものは、今日の金に換算したらないと同然である。これについてほんとうにおやりになるお心構えがあるのか。それはあるに違いないけれども、もう少しなるほどと思うようなものができなければ、協同組合法ばかり理屈を言つてつくつてもしようがない。これに対する農林大臣の御所見を承りたいと思います。
○永江國務大臣 協同組合の教育指導につきましては、今御説の通りに重要だと思います。政府といたしましては、この法の精神によりまして、協同組合の自主的な強化ということを念願しておるのであります。ただいまお話申し上げました非常に僅少な予算では、ただ宣傳に止まるわけでありまして、これを実質的に指導いたしまするために、地方廳におきましても、専任職員が所属しておるのも政府として承知しております。從つてただいまのところは、大体一府縣十名くらいに増員をしたい、こう思つて関係方面と折衝しておりますが、協同組合は初めてのことでありまして、十分各農業に徹底をせしめて、そうして農家の自主的な盛り上る力で運営していただきたいと思うのでありますから、この点がややデリケートでありまして、ただ政府がいたずらに中央集権的に指導するというような印象をなるべく避けていきたい、こういうためにまず宣傳普及、次に教育というような面に力を注いでまいりますから、早急の間に合いかねるという御懸念が起るだろうと思います。今申しましたように、役所的に指導するようなことをなるべく避けたい、こういうつもりでおります。しかし実際の事務を行います者とか、直接指導に当る者についての人件費については、早急に実現するために、先ほど申しましたように関係方面と折衝いたしております。
○今井委員 府縣の人員の増員についていろいろお考え願つておるようでありまして、たいへん結構であります。どうか急速に拡充して眞に協同組合を活発にやつていつてもらいたいと思うのであります。もちろん官廳から指導するということは、私どもも好まぬのであります。やはり協同組合の趣旨徹底、それから教育というようなことは、これはまだ協同組合がなかなか活動するまでにいかぬのでありますから、特にその点にごくふうを願いたいと思つておるのであります。これで終ります。
○川島委員長代理 次は磯崎君。
○磯崎委員 実は神奈川縣におきまして、本日あたかも縣民大会の会合がありまして、その会合に群がりまする農民の声を申し上げまして、農林大臣の御善処を煩したいと思います。 第一に、実は私ども、今回の休会中に政府閣僚の各位が、各地方にお出ましになつたのを聞いておりまして、しかもその出先におきまして総理大臣初め、各主管大臣の仰せが新聞紙等を経て全國民に傳えられておりますが、その報道によりまして、國民の最も関心の深いところの食糧配給問題、この問題を第一に取上げて御質問申し上げるのでございます。総理のお説によりますと、現在及び將來の食糧関係に対して、きわめて樂観的な御氣分をおもちになつて、現に配給量等におきましても、相当現配給に対して加配のお心構えがあるというようなお説がございますが、主管大臣であられるところの農林大臣が、またこれとは別個な観点に立ちまして、食糧配給の御方針がある。同じ内閣のもとにおいて、いろいろ國民が帰趨に迷うようなお説があるのでございますが、まず総理大臣に対する問題は別といたしまして、主管大臣たる農林大臣としまして、現在の食糧配給に対しまして、いかような考えをもつておいでになるかを、きわめて明確に、國民の帰趨を迷わしめざるように、率直にお示しをいただきたいと思います。
○永江國務大臣 お答えいたします。主食の配給につきまして、いろいろ総理大臣と私との言明に開きがあるやの感を與えておるようでありまするが、ただいまの御質問のありました機会に、あらためてこの点を政府として明白にいたしておきたいと思います。主食の配給つきましては、國会におきまして本会議及び委員会にそれぞれ私から答弁の中で明らかにいたしておりまするように、今日の食糧事情から申しますると、昨年一昨年よりかなり明るい事情になつてきておるのであります。その第一の要点は、昨年の産米におきまして、三千五十五万石という供出が、本年の三月十七日に完全に供出済みになりましたことが、何としても大きな基礎をつくつておるのであります。政府といたしましては、この三千五十五万石の完全供出を土台といたしまして、大体本年の食糧配給の案を立て、及び將來の見透しを明らかにいたしたのであります。從つてこの計画から申しますると、本米穀年度、すなわち十月までの主食の配給につきましては、ただいまの配給基準量、すなわち二合五勺につきましては、欠配遅配なくこれを行うことができる。こういう見透しをもつておるのであります。もちろん三千五十五万石の完全供出がありましたことが一番大きな基礎をなすのでありますけれども、なおかつ食糧自体につきましては、絶対量が不足をいたしておるのでありまして、その不足分につきましては、連合軍の好意ある放出によつてこれを補う方針でありまするから、この好意ある食糧放出というものを、おおよそ関係方面の計画の線に沿うて立案いたしまして、十月までは大体二合五勺については欠配遅配なくいけるという見透しをもつておるのであります。ただ十一月以降の新米穀年度につきまして、政府においてもさらに食糧事情の好轉を期しまして、本年におきましても事前割当を各農家にお願いをし、さらにその上に加うるに一割増産運動を目下展開中でありまして、肥料その他非常に不自由なる事情の中におきまして、全國の農家の御協力を得まして、これらの運動を遂行してまいりまして、それを基調といたしまして、関係方面にも折衝をして、さらにより以上の食糧放出を懇請中であります。從つてこれが順調にまいりまするならば、十一月以降におきましては、政府としては食糧の増配をいたしたい。こういう希望をもちまして、今國内の食糧増産に協力を求め、なお関係方面に折衝中であるというのが、ただいまのところの実情でありまして、右ようの次第御了承願いたいと思います。
○磯崎委員 ただいまのお説で主管大臣の御意思はわかりましたが、紙上で伺いますると、いわゆる十一月後における増配に対しましては、單なる量の問題にあらず、質の点におきまして、米麦を中心にした観点からしまして、相当明るい御構想があるやに承つておりますが、その点をひとつおつしやつてください。
○永江國務大臣 お答えいたします。この主食の配給の内容につきましては、十一月以降ばかりでなくして、今後十月までの配給におきましても、二合五勺の内容を、できるだけ米麦、あるいは芋等をもつて補つてまいりたい。言葉をかえて申しますならば、二合五勺というものは、カロリーに換算いたしまして千三百カロリーでございまするが、この中に砂糖がはいつて、この砂糖が主食の代替になる。あるいは先般多少問題がありました大豆粉も主食の代替としてはいる。こういうように、できるだけ米麦を主体とした内容にいたしてまいりたい。こういうふうに考えまして、せつかく折衝中でありますが、大体ただいまのところで明らかに申し上げることができますのは、大豆につきましては、関係方面の御了承を得まして、これは主食から除外することができると思います。從つてこれはみそ、しよう油等の材料としてまわるのでありますから、從つてそのみそ、醤油の面におきましてかなり明るい見透しができると思います。かようにいたしまして、砂糖につきましても、できるだけ主食代替としての砂糖でなしに、調味料としての砂糖しとて配給をいたしたい、こう存じましてそれぞれ折衝中でありまするが、砂糖につきましては、十月まではどうしてもやはり主食の代替としてある程度のものを放出されるということでありまするから、まず十月までは砂糖は主食代替として配給を続けなければならないのではないか、こう考えておるわけであります。
○磯崎委員 実は今日の縣民大会で問題になりましたのは、農民の声といたしまして、先日紙上でやはり伺つたのでございますが、特に砂糖のようなものを農家の報獎物資に充当する御用意があるように伺つている。はたしてしかりとすれど、これは大いに農民として異論がある。すなわち御承知の通り政府が明年度におきまして、一割の増産運動、その他強い供出等を要求せられておるのでございますが、これは生やさしい問題ではございません。特に生産資材である肥料その他の農機具、資材、これは農家の絶対ら要求する大くな目的物資である。ところでこの物資、政府で重大なる責任をおもちになるベきこの品物が、いつも田植を控えました際において適期適配がないということを、すでに相当憂えております。從つて生産増強の根源てるこれらの資材につきまして、確固不抜な、しかも不退轉な間違いのない農林大臣の御意思を表明していただきたいと思います。
○永江國務大臣 ごもつともなお話でありまして、肥料につきましては、春肥反当五貫五百目というものを農家にお約束をしておるのであります。これは御承知のように、昨年同期におきましては四貫目でありましたものを、一貫五百目増量いたしまして、大体七月までに各農家の手もとにお渡しする、こういう具体的な案を立てまして、目下折衝中であります。ただ隘路といたしまして、今政府の憂えておりますのは、御承知の生産に必要でありまする硫化鉱の輸送に非常に困難な点がありまして、この硫化鉱の輸送が予定通り進行いたしまするならば、まずお約束の五貫五百目の春肥については、政府は責任を負うことができると思いまして、目下運輸省ともこの点について、いろいろ折衝中であります。
○磯崎委員 実はこれは農林大臣主管外の問題でございますが、御承知の通り農地開放並びに協同組合法の実施に伴いまして、すでに組合も相当できている。こういうふうな段階である際に、農村に大きな旋風が起つている。問題はいわゆる不当課税の問題、しかも不当に廉價に放置されている米價問題、この問題が取上げられまして、論議の焦点になつておりました。しかもこの問題を中心にしまして、與えられた土地を返上して、むしろ轉廃業しようという若い青年の壇上獅子吼さえあつたような状態でございますが、これは農林大臣とせられまして、きわめて重大な問題でございます。いわゆる課税問題については、主管大藏大臣方面、あるいはその他の方面につきましても、強く御要請を願つて、これら農民が、おそらく夕方までは具現するであろう決議文を持つてお伺いすることでありましようが、ぜひひとつ農民の苦衷をお察しを願いたい。それから新しい物價体系に対するお考えもあるやうに伺つておりますが、いわゆる米價及び他の農産物價のこれらの問題もお取上げを願いまして、農林大臣とせられまして、強く農民の心を心として、でき得れば相当強くふんばつてもらいたい。これは決議の途中私は帰りましたものでありますから、この席上強く農林大臣にお願いを申し上げておく次第でございます。 それから最後に、実は農村民主化のそれと並行して、漁村における問題が取上げられなければならぬ。漁村における問題として、いわゆる漁業権の問題及び漁業協同組合の問題、これは陸の問題と並行して改革されなければならぬ問題だと考えております。あたかも新しい年度にはいつて、予算編成等の問題をお考えでありましようが、これらについての御構想を承りたいと思います。
○永江國務大臣 ただいま神奈川縣下におきまする農民大会の御決議についてお傳えを願いまして、私に御注意をいただきました。この際その点につきましても、私から一言申し上げておく方が適切であると思いますから御聽取りを願いたいと思います。 一つは税金の問題でありまして、これはしばしば國会で論議の中心になつているのは御了承の通りでありますが、農林省といたしましては、税金はただ粗税の面から、國家財政の上からとるという立場とは違うのでありまして、できるだけ食糧の再生産に支障のあるようなとり方については、私どもは全面的に反対をしていく方針で関係方面と折衝いたしておるのであります。ただただいま問題の起きておりまする農業課税につきましては、個々に税務署と折衝する場合には、なお問題が紛糾いたしまするので、今政府部内において話を進めまして、できるだけ部落なり、組合なりを單位といたしまして、税務署と話合いを円滿につけつつあるわけであります。それによりまして團体的な話合いの結果、適当な妥結を行つたところもすでにありまするし、なお税についても分割納入を認める等の便宜をはかりまして、ただいま起きておりまする税の問題は、できるぢけ円滿に解決をするように、私どもは指導をいたしております。從つて働く農民が自分の土地を放棄するというようなことは、一應農村民主化の基本的なものを動かすことでありますから、そういうことのないように、税の面においてもせつかく努めてまいりたいと思うのであります。 それから米價の点につきましては、多分五月頃には新しい物價体系ができると思います。それは年間予算の成立に並行して行われるものと思いますから、その際におきまして、パリテイ計算によります新米價は妥当に決定をしていく方針で、目下準備中であります。それから次にお尋ねになりました漁業のことでありますが、目下農林省におきまして、漁業協同組合の案を作成いたしております。この問題につきましては、今お話しのありましたような漁業権につきまして、まだ関係方面との話合いがついておりませんから、この話が適当につき次第國会の御協賛を経まして、そうして漁村の民主化のためにも適切な法案として提出をするつもりであります。
○磯崎委員 ただいまの漁業権ないし漁業協同組合の問題は、せいぜいお骨折りを願つて、きわめて早く御提案を願うようにお願いいたします。 いま一つ米價問題に対しまして、新しき物價体制ができますれば、当然そこにきまつてくる問題でありまするが、同時にいわゆる二十二年度の米價に遡及してその差額は当然支拂うべきものなりと、こういうふうに信じておりまするが、その点につきまして、農林大臣のお考えを承りたいと思います。
○永江國務大臣 ただいまの米價と新しい米價の差額につきましては、これを月割計算によつて還元するということは、理論的に正しいと思いますが、これにつきましては、相当多額の予算を要しまするし、またその差額は消費者に負担せしめるか、あるいは國が負担するかというような問題もありますので、目下研究中でございます。
○川島委員長代理 それでは次に海野君、農林大臣にどうぞ。
○海野委員 まず初めにお伺いしたいのは、昨年九月三十日までに納入した早場米に対する代金は、その当時即座に半金を支拂つたのであるが、その残りは今年二月に農民に支拂われた。しかしそれには少しも利息がつけてない。しかるに税金の方は三月三十日までに申告した分の税金を農民が納めているが、その後不足であるといつて確定書を税務署から回したときは、すでに三月三十日を経過しているがゆえに、日歩五銭の督促料をつけている。これははなはだ不当であると考えるのであるが、農林大臣はどういうふうにお考えになつておりますか、淳朴なる農民は、この米を納入すると同時に、その金を支拂うべきものではないか、それを拂わないでおつて、本年の二月になつて残りの金を拂つた。それには利子をつけないでおりながら、確定書を配付すると同時に、三月三十日の日限が切れているからといつて、これに日歩五銭をつけて、これを農民に強要している。これははなはだ不当であるといつて、先ほど私のもとまで山形縣の北村山郡楯岡町の農民の代表者が押し寄せて來ました。そうしてこの不当なことを話してもらいたいということでありますが、これに対する御答弁をお伺いしたいと思うのであります。
○永江國務大臣 お答えいたします。ただいまのお話は、初めて承りました。一應実情を調査いたしました上におきまして、今お示しのように政府から支拂う場合と、税を取立てる場合における時間のズレにつきまして、やはりお示しのように不合理の点があると思います。適当に解決したいと思います。
○海野委員 楯岡の税務署、寒河江の地方事務所長に農民がすでに談判を開始しておるのでありますが、らちが明かないということであります。それでぜひこれは早速お調べを願いたい。 次にお伺いいたしたいのは、去年の十二月すでに第一國会におきまして、薪炭の價格の改訂を決議して、これを附帶決議として政府に要求したのでありますが、そのときいつからこれを実行するかということを、当時の農林次官に質問をいたしましたところが、その期日は明言できないという話でありましたが、ずるずるべつたり四月が過ぎて、まさに五月になんなんとしておるのに、薪炭の價格の問題はそれなりにしておられるのは、どういうわけでありましようか。立法の府でこれを改革するように決議したことを、行政府が何ゆえにこれを実行しないのであるか。生産の價格に対する差額は、約五割の價格を國民大衆の上にかぶせておるのである。その差額は実の八億五千万円の額になつておる。しかもトンネルが五つも六つもあるので、これは一般大衆から非常な非難を浴びておるのであります。しかるに農林当局におきましては、この値段を改革するどころか、去年の十二月二十日においては、むしろ逆に林野局の方から指令を発しておるような事実があるのであります。これに対して農林大臣の御答弁をお伺いしたいと思います。
○永江國務大臣 薪炭の問題につきましては、しばしば國会の方からも御注意がありますし、今お示しのように、附帶決謹がついておりますことは、十分承知しております。從つて農業省といたしましては、経済安定本部ともよく協議をいたしまして、新たに薪炭についての制度を改正することにいたしております。近く決定して、適当に皆さんの御審議を願いたいと思つております。ただ、今までいろいろ審議の途上で、関係法面との話合いがスムースに進行いたしませんために、時間をとりまして恐縮しておるのであります。大体の構想といたしましては、集荷につきましても、これを複数にする。配給の方面においても登録制で複数にしていくというような構想でまいりたいと思います。なお原木の点についても、何か具体的な方法をとりたいと考えて、これらのものをまとめまして、具体的に、早急に決定をいたします。
○海野委員 木炭の割当を供出いたしましたならば、その後の木炭は生産者がこれを自由に販賣するということを、農林当局はお考えになつていないのでありますか。割当てただけそれは足りないのである。足りないもので辛抱しろというお考えであるか。その割当てた以外にも、まだ炭燒きの小屋にはたくさん炭が残つておる。それを使いたいけれども、それは勝手に使わせない。この辺についての農林大臣のお考えをお伺いいたします。
○永江國務大臣 御承知のように、木炭の生産につきましては、需要供給関係から見ますると、とうてい需要に追つつきません、從つて生産割当以外にできた場合も、やはり政府に買取りまして、需要の方面にまわしたいと考えておりますから、自由販賣ということは、ただいまのところは賛成することができないのであります。
○海野委員 それが買取られないので、実に莫大の木炭が残つておる。それについて政府御当局は、どういうふうに見ておられるのでありますか。一方では木炭がなくて困つておる。それであるのに、割当の方面というようなものは、それ以上殖やされないのである。足りないのである。しかるに一方では木炭が余つておるという事実、これを急いでどういうふうにおやりになるお考えでありますか。これもまたこの木炭の値段と同じように、いま半年もそのまま放つておくお考えでありましようか。それをお伺いしたい。
○永江國務大臣 今お示しのように、産地に余つておりまする木炭をできるだけ消費地へまわすような新しい制度を考えておるわけであります。産地に余つておるものを政府も買取らない、個人にも自由に賣らせない、こういうような状態は、一刻も早く解消するつもりであります。
○海野委員 それはいつから御実行なさるお考えでありましようか、期日をお伺いしたいと思います。
○永江國務大臣 ただいま明確な期日は申し上げられませんが、先ほど申しましたように、大体政府部内におきましても、関係方面におきましても、話が妥結したのでありますから、早急に実施するつもりであります。
○海野委員 地方の農事試驗場のことについてお伺いしたいのであります。それから縣のことになるのでありますが、蚕糸試驗場とか、あるいはその試驗場に所属した農地が相当に取上げられておる。ところがその農地があまり耕されないで、利用されないでおるものがずいぶんあるのであります。たとえば山形縣のごときもその一つであります。農民はこれを耕したいと言うておるのでありますが、やはり試驗場がこれを使うと言うておる。こういう農地がかなり所々方々にありますが、これらに対して農林大臣は目を注いでおられるでありましようか、これをお伺いしたいと思います。
○永江國務大臣 いろいろ農業に関します試驗場については適当に整理をしていくつもりであります。そうして耕地に適しておる所はやはり地方の農地委員会において適当に農家に配分していく方針であります。なお御承知のように指導農場につきましても、同樣な趣旨におきまして指導農場を廃止いたしまして、地方の農民諸君がその指導農場の場所をそのまま利用していく場合には、その機関を自主的に運営していく、なおしからざる場合には、農地委員会においてその指導農場の土地も適当に分配するという方針で今指導しております。
○海野委員 それからもう一つ、農業試驗場のことでありますが、農業の試驗のことに関しては、農業試驗場が專賣特許をもつておるかのごとき態度であつて、百姓の研究、あるいはそのほかの方面の研究に対しては、まことに冷淡である事実がたくさんあるのであります。これに対しては、農事試驗場の幹部の人たちの入替をされるということは、お考えになつていないのでありますか。ただいまの農事試驗場でもつて、はたして一割の増産ができると農業大臣はお考えになつておるか、これをお伺いしたい。農事の試驗のことに関しては、あるいはこうやればいいのだ、ああやればいいのだということがありましても、農事試驗場が、まことに狹い了簡をもつておつて、そうして農事の專賣特許はこつちなんだというような考えをもつておるところが非常に多いのでありますが、それに対しては、農林大臣の御所見は、どういうお考えをもつておられるか、お伺いしたい。
○永江國務大臣 ただいままでの非常に官僚的な、そういう試驗場の空氣は、改めていきたいと思います。そして今後におきましては、農家の実際について直接指導をするように、指導員を増員いたしまして、個々の農家について指導をする。こういうような方針にしていきたいと思います。
○海野委員 たとえば農事試驗場に対しまして、こういうふうな試驗をやつてくれといつて、いろいろなことをもつていくのでありますが、なかなかその間に取捨選択をいたしまして——もつともその取捨選択は必要でありましようが、普通に表門からたたいていつたのでは、なかなか試驗をやらない。それが今日の農事試驗場のあり方であると思うのであります。そうして今度はそれを再三続けてまいりますと、好意をもたないところの実驗をする。私はそういうふうに考えてはいけないのだ、試驗をするときには、まつたく感情を交えてはいけないのであると思いますが、多くの農事試驗場にあつては、実に感情を交えたところの試驗をやる。また申し出た者に対しては、取捨選択がはなはだ公平を失しておるように感じておるのであります。こういう点につきましては、農林大臣はもつと眼を鋭くして見ていただかなければならないのでありますが、農林大臣の御所見を承りたいと思います。
○永江國務大臣 今のお説の通りと私も同感をいたしております。そういう方針でまいりたい。
○海野委員 終りました。
○川島委員長代理 それでは角田幸吉君。
○角田委員 農林大臣に食糧問題に関係のあります森林行政についてお尋ねを申し上げたい。営林局の事業が独立会計になつており、独立採算制をとつておるのであります。そのために食糧農産物に関係のあります防風林、防潮数、治山治水の植林までが独立会計でやつていくという建前をとつております。從つて防潮林も海岸の松が枯れてそれを植えかえるとか、あるいは治山、治川の目的で山に木を植えつけなければならないとしても、與えられているところの営林局の独立会計の予算の面において、これをやつておるようであります。ところで最近は防潮林も、防風林も、山を切つてしまつたというようなことで、非常に荒れました。一日も早くこれをやらないと、食糧一割増産どころか、かえつて昨年の水害にまさるような水害が起り得る事情にあるのであります。私が昨年このことについて青森の営林局に参りまして、営林局から見たところの森林行政を聽いたのでありますが、これは洪水に関係がありますから申し上げておきます。昨年の東北における水害、あるいは関東の利根川における水害は、まだ水害としては大したものではない、この後にくる水害はほんとうに惡質の水害がくるということを、青森の営林局で私はその方面のエキスパートから聽いたのであります。というのは、木を切りますと、五年くらい経つとちようど木の根が腐つて、そこから流れてくる水が氾濫するのではなくて、土砂が氾濫する。昨年の洪水は川の堤防が水で崩れたのでありますけれども、今後三年後、五年後にくる水害というものは、土砂を流して、その川の沿岸の田畑を埋沒するという惡質の水害がくるのだということを聞いたのでありますが、ところがそういう場合に、それを予防するところの治山治水の予算、あるいは防潮、防風の予算が、ただいまの独立会計のもとでは、遺憾ながらやれないのであります。そこでこの問題について農林大臣は、日本の食糧確保のため、一般会計から防潮林、防風林、あるいは治山治水の予算をつくるべきだというお考えをもつておるかどうか、この点について農林大臣はどう考えておられますか。
○永江國務大臣 お答えいたします。ただいまお話のように、治山治水の面から見ましても、部分的にやりますと、いろいろ弊害ができますから、これは当然総合的に計画実施をする必要があります。先ほどここで私が答弁いたしました災害復旧費の中にもありますように、治山治水に関係のありますものは、一般会計から出してやる、こういう方針であります。ただ國有林の一部については、今お示しのように窮屈な点がありますけれども、これを是正してまいりたいと思います。
○角田委員 もう一つ伺つておきたいのは、漁港に関係のあります道路の問題であります。林道農業道については、農林省は予算のわくをもつておるようでありますが、漁業に関係のあります漁港に附属する、あるいは船だまりに附属するいわゆる農業生産道というものに対する予算のわくがないために、船だまりをつくりましたり、漁港をつくりましたりした場合に、そこにすぐ道路をつけたりする場合の予算をもらうがためには、建設院にいかなければならぬ。建設院にいきますと、農林省のことがよくわかつておりませんので、これがうまくいかぬというような事情があるのでありますが、農業道あるいは林道というような予算のわくを農林省がもつておやりになつておるように、水産関係におきましても、水産道、水産生産道というものについても、農林省で將來予算を計上なさつて、そうしてやる方針になさらないとうまくいかぬと思うのでありますが、この点につきまして、農林大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。
○永江國務大臣 お答えいたします。大体林道と普通の道路と明らかに区別のできますものについては、農業省関係で予算の処置ができると思いますが、この漁港ないしは船だまりに関しまして、それの背後関係にあります道路は、非常に予算措置の上の問題が起きると思います。しかしいずれの角度から檢討いたしましても、明らかにこれは船だまりなら船だまりに付随した必要欠くべからざる道路であるというものについては、お説のような点を考えていきたいと思つておるのでありますが、ただいまのところは、從來通り処置するよりほかに途がないのではないかと思つております。
○川島委員長代理 それではたまたま経済安定本部長官がみえられておりますので、その所管に関する質疑を行いたいと思います。島村一郎君。
○島村委員 政府は近く新物價体系について何らかの御発表をなさるということを伺つておりますが、はたしてその時期はおよそいつごろになりますか。それをまず伺いたいと思います。
○栗栖國務大臣 新物價の体系というように新聞にも出ておりますが、実はそういう全面的な引上とか、断層的な引上というようなことは、やらないつもりでございます。ただ実際の現状より見ますと、ある物についてはわくをはずすとか、必要なものについては補正をして引上げなければならぬというような点がございますが、それは早急にいたしたいと、今操作をいたしておる次第でございます。それはできればもつと早くもいたしたいと思つたのでありますが、運賃その他の関係もございますし、これはこの國会においておきめを願わければならぬ関係もございますので、これが順当にいきますならば、五月から六月の交においては、どうしてもやりたい。またそういうようなものの関係のないものについては、たとえば運賃その他に関係なしにでも、引上等の補正ができるものにつきましては、なるべく速やかにいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○島村委員 近くある物に対しては何らかの改訂が行われるという御答弁でありますが、價格を実際の面に即したように改訂することが、はたしていわゆるやみ物價にどういう影響をもつかというようなことについての、安本長官のお見透しを伺いたいと思います。
○栗栖國務大臣 やみ物價と價格補正との関係をお尋ねになつたと思います。やはりやみ物價につきましては、経済査察廳というようなものも設けまして、十分抑えていきたいと思うのであります。一方生産あるいは輸入物資等を増加して、一旦きめました價格については、できるだけそれを維持できるようにいたしまして、いわゆる二重價格という制度を是正していきたいと思つております。ただ実際はなかなか——生産増強あるいは輸入物資の懇請もいろいろいたしておりますが、その間には開きもあり、時間のずれもございますので、われわれとしましては、能う限りの努力をいたしまして、そうしてそのやみ物價を抑え、正常なる物資が出、相当に配給その他の取引ができるようにいたしまして、実質的にわれわれの生活を充実していくような方面に努めるようにいたしておる次第でございます。
○川島委員長代理 次に海野君。
○海野委員 安本長官にお伺いいたしたいと思いますことは、糸及び綿布の配給についてであります。それは昨年第一國会のときに安本のある課長に來てもらいまして、いろいろ話を聽きましたところが、北海道から九州まで一人当りの配給はみな同じである。そういうようなことは妥当でないと私は考えますので、寒い方、殊に東北地方、北海道のごときは、着物を何枚も重ねて着なければいけない。從つて切れる。切れますからして、糸の配給も暖かい方に比べてよけいにしていただかなければならない、こう考えておるのでありますが、これに対しての長官のお考えを伺つておきたいと思います。
○栗栖國務大臣 糸その他の配給について、使用度の高いものほど余分に配給してくれという御意見であります。われわれとしても十分そういうようなことを考えて配給なども考えたいと思つておりますが、何分にも今は配給する物も非常に少い現状にございますので、ただちに御希望に副に得るかどうかわかりませんが、配給する量がだんだん殖えてくるならば、そういう点も十分取入れて処理をいたしたいと考えておる次第であります。
○海野委員 それについてやはり九州から北海道まで、当分の間みな一律に配給をおやりになるというお考えでございますか。
○栗栖國務大臣 今年度の糸の配給量をいくらにとり得るかその他につきましても、今檢討を加えておるのであります。それがもし相当の量が求められますならば、寒い所のいわゆる使用度の高い所には、特配的な考えもできると思いますけれども、そうでない土地の場合におきましては、最低のものを一様に配給せざるを得ないかと考えておる次第でございます。今まだどういう程度にこれを配給するか、割当その他について檢討中でございますので、はつきりしたことは申し上げられないことを御了承願いたいと思つておる次第でございます。
○海野委員 その少い糸でございますが、そこに差別をつけていただくのが当然ではないか。地方に行けば測候所というものがありまして、氣候の年間の状態は手にとるようにわかつておるはずであります。だから測候所の方とにらみ合わせれば、すぐ大体割合の見当がつくと思うのであります。少い糸でありましても、おのずからそこに差別をつけていただくのが当然であると、私は考えております。また私の郷里は東北でありますが、東北の農民は、寄るとさわると糸の配給のことを申して、何としても困りますがゆえに今ここに安本長官にこういうふうなことをお伺いするわけでありますが、少い糸でありましても、おのずから寒暖の地方によつて、そこに差が生じてこなけれずならぬはずであると、私は考えております。これに対して安本長官のはつきりした御答弁を伺つて、これを北國の方の方々のおみやげにいたしたいと考えておりますから、もう一度はつきりしたお考えを聽かせていただきたいと思います。
○栗栖國務大臣 先ほども申し上げましたように、綿花の輸入量、それをこの綿布その他に仕上げまして、向うへ出す量、及び國内に保有する量等のことも、まだはつきりいたさないところもございますし、外電にはいろいろ傳えておりますけれども、まだはつきりいたさぬところもございます。從つてそのうちで糸をいくらくらい割振るかというようなことも、いま少しお待ちを願えれば、はつきり申し上げられると思うのであります。今のところでは、まだ割振等を考究中でございますので、申し上げられぬところを御了承願いたいと思います。 なおこういうことだけははつきり申し上げます。量が相当豊富であるということであれば、その使用度の高い所へ多く割振ることは、これは考えられることと思つております。御意見は拜聽いたしておきまして、そうしてこの割振り等の場合にも、いろいろ考慮をしたいと思つておる次第でございます。
○川島委員長代理 次に今井耕君。
○今井委員 予算の基本的な物價賃金の問題が決定しないために、月々こうやつて暫定予算を審議しておるわけでありますが、たとえ物價賃金が新しく設定されましても、現状のままであるならば、やはりまた間もなく改訂されなければならぬ。昨年度同様に何回でも補正予算を出さなければならぬ。こういうことになると思いますが、そういう方法でいくのであるならば、こういうふうに暫定予算で延ばして、新しい物價賃金というものを考える必要がないので、延ばしてしつかりしたものをつくつた限りはもうそれが安定するということでなければ意味がないと思うのであります。それについては、今度新しくそういうものをきめたなれば、これで安定するんだという具体的の事項がなければならぬのであります。今後これについては、根本問題として生産が増強され生活が安定しなければ賃金物價というものも安定しないということになつてくるのでありますが、これにつきましては、いろいろ外資の導入というようなことにつきましても、大体明確化されてきたように思うのであります。もちろん國内的にもいろいろ対処しなければならぬ点があると思うのでありますが、こういう点につきまして、どういうお考えをおもちになるか。またどういう見透しのもとに対処されておるか。こういう点をお伺いしたい。
○栗栖國務大臣 この物價賃金の惡循環を断ち切るためには、これはもう前の片山内閣以來申されましたように、どうしても一方においては通貨の膨張を抑え、財政の健全と金融の健全、その他実質的にその目的を達するような方策をとりますと同時に、他方においては、生産増強をするほかにはないと思うのであります。さいわい芹田内閣におきましては、國際情勢その他の情勢が片山内閣の時代と相当の変化を見せております点と、さよに國内態勢としましても、相当インフレーシヨンに対する國民の認織その他がはつきりしてまいつておるのでありまして、そういう情勢のもとにおいては、私どもは國内の企業、あるいは國家財政地方財政、企業あるいは家計その他についても、通貨面その他のインフレ対策を十分実施いたしますとともに、他方企業面におきましては、再建整備を急ぎまして、受入態勢をとくつて、そうしてさらに労資の協調を、政府としては強力に指導実行いたしまして、受入態勢を十分早急に整えるように努力をいたしておる次第であります。そういう受入態勢をいたしますと、資材その他の設備、機械器具その他原材料の輸入を主とします外資導入受入態勢ができることになるのでありまして、外資導入につきましては、すでに政府関係のものと、民間関係のものとがあるのでありまして、政府関係のものにつきましては、先ほど來ドレーパー使節その他の人々がこちらへ來られました機会にも、種々折衝をいたしまして、御案内のようにてすでに物資輸入を目的とします外資導入の途が進みつつある次第でございます。一方民間におきましても、昨年以來先方からも、殊にアメリカからもこちらへやつてまいりまして、外資導入に対する意向が相当強く、またわれわれも受入態勢をし、そのほかにあるいは法人税の問題であるとか、あるいは法律的に支障になるようなものは除去する、あるいは労資の問題を確固動かぬものにして、労資の協調の実があがるようにする。こういうようなことをいたしますことによつて、外資導入の話が相当進んで、まいつたのであります。これはこの席ではまだ十分申し上げる時期に達しておりませんけれども、大体原材料を日本にもちこみまして、それを仕上げをして、その製品の相当部分を先方にもつて帰り、一部は國内の使用に任す、そうしてこの加工賃をとるというような形式における信用の附與と申しますか、外資導入が相当進みつつあると思うのであります。第一次欧州大戰のときにフイニシング・クレジツトと申しましたが、仕上げ信用というものが各國に起り、日本でも問題になつたのであります。今申し上げまして形はそういうような仕上げ信用制度の形を多分にもつた話合いが進みつつある現状でございます。なおどんどん話が進み、そうして実現に至りますれば、適当の機会に総理もしくは私から申し上げたいと思つておる次第でございます。
○今井委員 いろいろ施策について承つたのでありますが、五月、六月ごろに物價賃金というものは一應改める。ところがいろいろ御説明になりました事柄が効果が現われてくるのは下半期から年末近くにならなければ現われてこないと考えられるのであります。そうすればその間のずれがやはり起つてくるので、その期間相当物價賃金について問題が起るように考えられるのでありますが、その間において何か具体的の——こうすればこんなふうになるというようなものについて、具体的の事項がないかどうか、御発表できる点があればお伺いしたいと思います。
○栗栖國務大臣 資材あるいは原材料の輸入、外資導入はそう遅くまでかからなくても、実現ができると思つております。政府間のものについては、もう間近に実行に移ると思うのであります。殊に昨年八月十五日に設定されました回轉基金に基きますクレジツトの設定は、これはすでに外電でも傳えておりまして、御案内のことと思つておりますが、早急に実現を見ると思うのであります。それからアメリカ政府において目下本年度の予算を討議中であります。これもきまつてしまえば、新会計年度七月からは実行できると思います。民間関係のものでも、相当話の進んだものもございます。そう遅くまだ半年ももくしはそれ以上も経過しなければ実行ができないとすうものもないように考えております。
○川島委員長代理 では苫米地英俊君。
○苫米地(英)委員 先ほどのお話に、物價改訂は五月から六月ごろにでき上るというふうに承つたと存じますが、政府は本予算を五月の半ばまでに提出する、そして五月中に本予算を通過させたい。こういう希望を述べておられるのでありますが、私どもの考えをもつていたしますと、物價とか、賃金とか、税制とかいうものがはつきりいたして、初めて本予算が組めるのではないか。物價改訂がまた五月になるか、六月にできるかわからないのに、そういうことを言つておられるのは、ちよつと了解に苦しむ次第でありますが、この点はいかがなるものでありましよう。
○栗栖國務大臣 その点につきましては、今朝の西村議員の御質問に対して、芦田総理からお答えいたしたと思うのでございますが、実際は今お尋ねのようにも考えられるのでありますが、私どもはお尋ねのような方法でなしに、実は國内的にいろいろきめましても、その筋との交渉にも非常な時間がかかる場合もありますし、あるいは短時日で済む場合もあるのでありまして、その点などを予測をいたしまして、新物價につきましても、五、六月ごろとこう申したのであります。しかし作業は今相当進んでおるのでありまして、物價を改訂してそれから予算を盛るということでなしに、むしろ予算と物價の補正というもの、双方が相関連いたしておりますから、同時に話を進めておるような次第でありまして、この改訂すべき物價というものを織りこんで、すでに予算もいろいろ審議を重ね、またその筋にも一部分ずつ交渉をいたしておるような次第であります。大体の見透しとしては、その筋との関係で、いろいろ特殊の事情が発生することもあろうと思いますが、そういうことがない場合においては、総理の申しますようなことが実現できるのじやないか、がように考えておる次第であります。
○苫米地(英)委員 物價を改訂し、賃金をきめ、税制の改革をはつきりしなくとも、本予算ができるとおつしやいますが、その筋との関係は抜きといたしましても、私は本予算というものを、形式的にまとめることはできると思いますが、いわゆる健全財政によるところの本予算というものは、できがたいと存ずるのであります。またその予算がよし提出されましても、そいううような弱点があるといたしますれば、この委員会において、さらに一層愼重にこれを審議しなければならないということは、当然になついまいります。殊に予算について公聽会を開くとかいうようなことになりますれば、半月というような期間でこの予算を通すことは、絶対不可能だと考えるのでありますが、その点について御意見を承りたいと思います。
○栗栖國務大臣 苫米地議員のお尋ねのように、政変その他のために、この本予算の編成、物價の補正等も遅れておる次第であります。ただいまも私が申し上げましたように、物價、賃金の補正、それからこの予算の編成、その中には税制の改革、こういうものを三本建にして急いでおる次第であります。そうしてこれはあるいはまだ私一個の考えかとも思いますが、閣議できめておりませんけれども、きめてしまつて、そうして最後になつていろいろお示しするか、あるいは適当の時期にはきまりつつある状況なども十分御相談をいたしまして、そうしてこの審議その他についても、事前にもあるいは懇談会の形式などてもお願いして、十分盡していただきまして、何とか本予算の編成を早く完了いたしたいと思つておる次第でございます。この暫定予算が続きますと、継続的な事業の進行に非常に阻害を來しますし、殊に公共事業、災害復旧とか、その他の面においても、國の回復の上に相当の損をいたすと思いますので、実はその辺を十分考えまして、御審議の時間はあるいは事前その他についても十分考え、そうして何とか五月のうちにまとまるようにいたしたいと、今考えておる次第でございます。
○苫米地(英)委員 先ほどのお話によりますと、物價体系の改正でなくて、物價の赤字が出て、企業の維持のできないというようなものについて御考慮のように了承いたすのでありますが、そうなりますと、まず基本的のものについて物價の改訂をやらなければならない。まず第一に石炭などは非常な赤字になつておる。そのほか肥料であるとか、鉄鋼であるとか、また電氣であるとか、いろいろな方面の物價の基本的なものが改訂される。これは必然的に第二次、三次生産に影響を及ぼしてきますので、物價改訂はそういう部分的な改訂をやつていくといたしますならば、そこに補給というものがどうしても必要になつてくると考えられるのであります。しからばこの補給金をどうするかという問題になりますと、現在の賃金、現在の物價であつても、現在通りの割合の補給をするとすれば、千五百億にのぼると言われておるわけであります。そうなつてくると、そこに財源との問題も起つてくるわけであります。もちろん政府におきましては、この物價の引上げ程度と補給というものと見合わせて御決定になると考えられるのでありますが、この物價の公定されておるものが七十六万もある。從つてこれに昨年のような改訂を加えるということは、昨年の失敗にも鑑みましておやりにならないのは賛成でありますけれども、どういうものについて、どのくらいの限度で物價の改訂を見込んでおられるのか。また物價は赤字を消すというような幅をもつたものかどうかということも伺いたいのであります。この点については、炭鉱その他で赤字のため税金が拂えない。そこで赤字金融をやつたが税金を拂わないという事実も御承知の通りあるのであります、こうなつてくると、大企業は税金を拂うのに赤字を融資してもらつて税金が拂える、そうでないものは差押を食うというような不合理が起つてきておるのでありますが、この物價改訂の限度と、その幅について御説明を伺いたいのであります。
○栗栖國務大臣 今企業の中で生産に相当赤字が出たものもあるのでありますが、その赤字をどうした補填するかの問題であります。もちろんこの物價政策その他経済復興のためにも、それをもつてその赤字をただちに價格に織りこむ安易な方法でこの仕末をつけるというようなことは考えておらぬ次第であります。まず第一には、企業再建整備を急いでおりますが、この企業の再建整備をいたしますると同時に、経営の合理化によつて、自力で余力をもつて赤字を補填する資に充てなければいかぬのであります。これが第一の点であります。石炭その他についても、電力につきましても、十分その点をはつきり私どもは申しておる次第であります。赤字金融をやむを得ずいたしましても、必ず條件にそれを入てれやらせておるような次第でございます。それから一部は、物價政策あるいはその他一連の経済政策とにらみ合わせまして、そうして許される範囲内において價格にも織りこみたい。やむを得ないものは、補給金という制度にもよりたいと思つております。今補給金が千五百億だということのお話もありましたが、もちろんそんな大きなものを考えておりません。これなどは、おそらく経営の合理化その他による赤字補填の途なども考えないで、ただちに赤字は價格の織りこむ、あるいは補給金でやろうというような安易な考え方で、新聞なんかにもその数字が出ておるのじやないかと思つておる次第でございます。結局経営の合理化による赤字補填と、價格政策その他の経済一般の政策と見合わせて、織りこめる限度において價格に織りこむ。それからやむを得ないものを補給金でいく。補給金というものも、これはすべてに出すということでなしに、安定帶物資その他についても、若干財政の面の許す範囲において、健全財政とにらみ合わせて考えていくということで、今作業を急いでおるような次第でございます。それから過去の赤字のことについて、ただちに價格の上に織りこむかというようなお尋ねの趣意であるとも思つておりますが、これはまたそんなことをいたしますと高物價になり、インフレーションはさらに進むのでございまして、これにつきましては、あの赤字のよつて來るところ、及びあれをどうして処理するかということについて、あるいは一種の繰延勘定というようなものにしまして、將來も年限をおいて利潤その他でこれを穴埋めしていくかとか、その他のことについて今考究をいたしております。 それから公正物價の数の非常に多い点でありますが、私といたしましては、また政府といたしましても、物價の公定をすることが必要なものは励行いたしますが、必要でないものについては、この際に十分考えたい。そうしてあるいはそれをはずし得るものははずす。國民生活上差支えない、経済復興上差支えないものははずしたい。やむを得ないものについてのみ励行をいたしたい、こうも考えておりまして、事務の簡素化その他を実行することができるようにもつていきたい、こういう考えをもつておる次第でございます。
○苫米地(英)委員 お話私どもの考えとよく一致しておりまして、安心いたしたのでございます。そこで物價を決定いたします前に最も必要なことは、まず第一にこの七十六万もある公定價格というものを追放して、ごく少数にしてしまうということが必要なのであります。そのためには、今の長官のお話にもございましたが、政府は思い切つてこの公定價格をやめる。言いかえれば、統制を解く。こういう方面にお向いにならなければならないと思うのであります。統制のために官公吏の数が非常に多くなつておる。これは單に官公吏の給與だけの問題でなしに、官公吏が存在し官廳があるために間接費というものが厖大に上る。これがあるために民間企業者が金と時間とをいかに多く浪費しているかということは、今さら取上げて問題とするに及ばないのであります。そこであつてもなくてもいいような統制はおやめになつて、そうして民間の負担を軽くするということが、物價を安くしていく一つの大きな道であろうと考えるのであります。さらにまたそういうことをすることによつて、官廳の吏員というものの数を大いに合理化していくことができる、適正なる人員にしていくことができるから、この行政整理ということをまずやらなければ、ほんとうの健全財政はできないと思うのであります。今企業の経営の合理化をさせる、またそれによつて赤字を減らさせるというお話がありましたが、政府が企業の合理化、過剩労務の整理ということをやつて、企業にその範を示されることが、きわめて大切であると思うのであります。いつの場合でも問題になつてきますが、現在日本において能率の増進ということが非常に大切な問題で、むしろこれが中心でいかに能率を増進させるか、向上させるかということが根本の問題であるのでありますが、仕事に対して一定数の人員は必要であり、不足すれば過労になるし、能率をあげるのには適当な人員を必要とすることはもちろんでありますが、過剩人員が増加いたしますと、増加率に反比例して能率が下つていくのは、いつの世でもかわらない原則であります。現在官僚の能率が低いと言われるのは、一つにはこの過剩人員があるということであると私は考えるのであります。その過剩人員は、財政上の負担になり、民間企業の負担になつている。そうしてまた民間企業の負担ということは、官僚の腐敗というところにも触手が伸びておるのであります。そこで私は物價をお考えになるときに、これらのことをお考えになつて、総理も行政整理はやるとおつしやつておりますが、どうも新聞の傳えるところによるというと、まことになまぬるいように感じておりますが、物價改訂に先だつて行政整理を行う。これがなければ民間の経営の合理化も、過剩人員の整理もできない。また能率の向上ということも困難であろうと思うのでありますが、こういう点につきまして、つまり二つの点について、公定價格というものを七十六万から、ないにひとしいくらいの少数に減らすだけのお考えをもつておられるか、また行政整理によつて、健全財政の基礎を固めると同時に、この物價を定める基本をお立てになるお考えがあるか、これをお伺いいたしたいのであります。
○栗栖國務大臣 今苫米地議員からのお話にございましたように、物價についての統制をはずすかどうかの問題でありますが、これは経済再建と國民生活に必要やむを得ないもの、すなわち過小生産、物資の少い現在でありますから、これを公平に配分するとかその他のために、必要なるものについては、統制を強化励行いたしたいと思つております。しかしながら、必要ならざるものについては、十分これを統制からはずすということに力を入れたいと思つておる次第であります。さらに行政整理の問題でありますが、これは前内閣以來行政調査部において、いろいろ整理を審議してまいつたのであります。これもやはり官廳の事務の能率を増産する。さらに事務の処理を合理化するという点と併せ考えまして整理を実行し、財政上の実質的な均衡を得さすようにしたいと思つておる次第であります。 出先機関その他についても、最近は毎日閣議その他でも審議をいたしておりますが、近く相当の出先機関を整理することを申し上げる時期に至ろうと思つておる次第でございます。
○川島委員長代理 では東君。
○東委員 ただいま苫米地君からの統制に関する質問に対する安本長官の御答弁であります。私どもただいまの安本長官の御答弁ならば、大体その線でお進みになるので至当だろうと思つておつたのでありますが、先ほど総理大臣のこの問題についてわれわれに対する御答弁の趣旨は、統制は、当分そのはずす範囲はきわめて狹いものである。おそらく補助食糧の一部において目下考慮の余地はあるが、その他のものに関する限り、まだ統制ははずせないというようなお言葉であつたのであります。総理大臣と安本長官との間に大きな隔たりがあるようでありますが、私ども別段あげ足をとつてどうこうというわけではありませんが、こういう問題は、今物價改訂と併行して、当然政府としてはつきりした態度をおきめになつておかなければならぬことだろうと思うのであります。にもかかわらず、われわれの質問に対して、総理と安本長官との間に大きな隔りがある。こういうことについても、政府の内部において、何らまとまつた御意見がないように見受けられて、はなはだ不安にたえないのでありますが、私ども今安本長官の御説明とさつき芦田総理大臣がおつしやつたことが、はたしてどちらを信用していいのでありますか。安本長官は主管大臣でありますから、この際われわれは主管大臣の御意見を受取ることにして差支えないのでありますか。この点をいま一應明確にしていただきたいと思います。
○栗栖國務大臣 総理大臣の説明は簡單であつたと思うのであります。むしろ私の説明はされを補つたという御解釈を願えればいいと思うのであります。統制を当分続けていくというのは、私もそう思います。しかしながら、統制は過小生産のため、從つて生活安定とか、あるいは経済復興のために必要なるものについては、さつきも申しましたように、強化励行するのでありまして、どんどん続けていく趣意であります。しかし必要ならざるものについては、今も苫米地議員のお話のように、相当多くのものがあるのであります。そういうものを統制からはずすということも、大いに努めたいと思うのであります。しかし食糧その他重要なものは、むろん必要なものでございますので、はずれがたいものが相当あろうと思うのであります。しかしはずして差支えないものについては、これをはずすのでありまして、今それを檢討をし、作業をいたしておるような次第でございまして、いづれまた発表のできる時期が近かろうと思つておる次第でございます。
○東委員 統制をはずして適当であるかないかということにつきましては、これは人によつてよほど認識が違うのだろうと思いますが、私ども現在政府の方で統制をはずしていかないと言われるものでも進んでおはずしになつたら、必ずやいいだろうと思いますが、それは議論でありますから、この際差控えます。 行政の整理につきましても、先ほど総理大臣は、例によつて例のような御答弁で一向要領を得ません。この際くどいようでありますが、安本長官はいつごろまでにこの案を立案して、どういう構想でやるのだというようなことぐらいは、もうすでに一年も前から、片山内閣の初めから言われておることでありますから、これに対しては相当の案がなければならぬと思います。でありますから、この際大体こういう構想で、いつごろまでにはこうするのだというぐらいの成案ができていなければならぬと思うのでありますが、別にそれを今どうこうと突込むわけではありませんから、もし何か案があるならば、率直にこの際御披露をしていただきたいと思います。
○栗栖國務大臣 主管大臣でないのでございますが、実は片山内閣の中ごろ以後において、その実行の必要の度が増してきましたので、それは企業の整理というようなことをいたし、そういうものを整理すれば、まだ行政機構その他の改革に伴う整理ということを、政府自身がお手本を示すという意味においても、しなければならぬということがございまして、小委員会などを設けて案を練つておつたのであります。さらに芦田内閣におきましては、民間の有識者その他をも集めまして、そうしてほとんど毎週数回この委員会を開いて檢討いたして、そうして大体の骨組その他がきまるところまでいつているのでございます。しかし閣議その他においては、十分な報告もまだ受けておりません。そのためにこうこうこういうものを今落すとか、そういうことをここで申し上げるわけにはいかないのであります。しかしながら、出先機関の整理ということについては、特に芦田内閣においてはその必要を痛感いたしており、これは数度の閣議においても審議を続けておりますので、きわめて近い機会においてそれがきまろうと思う次第でございます。
○東委員 企業整理ということにつきましても、ただいま安本長官からお話がありましたような、企業整備に関して、何か関係の法律を改正する法律案でもお出しになる御意向でありますかどうか。
○栗栖國務大臣 前内閣では金融機関の再建整備は相当進めまして、大体三月末をもつて新旧勘定の合併までに至る過程にあつたのであります。多少延びる関係がありますが、大体三月三十一日現在をもつて、新聞勘定を合併されようとしているのであります。その後を承けて、企業の再建整備ということが行われるわけでございまして、企業再建整備につきましてはすでに企業再建整備に関する一連の法律があるのでありまして、今これを急にかえるというようなことも考えておらぬ次第でございます。ただここの注目しなければならぬ点は、この新旧勘定にわけまして、新勘定に属するもので、石炭であるとか、肥料であるとか、鉄鋼であるとかいうような重要産業に從事しております会社が、新勘定に相当の赤字を背負つたわけであります。これは主として復金によつて融資を受けておりますけれども、この赤字をいかに処理するかという問題は、先ほど物價の補正の問題についても言及したのでありましたが、相当まじめに考えて愼重に取扱わねばならぬ問題でございますので、必要があればこういう点からあるいは立法が要るかどうかというような問題も起りはしないか、こう思つておりますが、ただいまいろいろ檢討をいたしているような次第でございます。
○東委員 先ほども角田君から、もつぱら予算の方から治山治水に関して御質問があつたようでありますが、昨年の東北、関東における水害に鑑みましても、おそらく長い間日本の全河川が非常に荒廃させられてきているので、今にも昨年のごとき雨が、日本のどこに起つても、大洪水を免れないというような危險な状態にあることは、みな認識しているところだと思うのであります。從つてこの際治山治水というような方面に対する、よほど大きな熱意が政府にあつてしかるべきだと、私どもは思うのでありまして、先ほども私ちよつと申しておいたけれども、政府が三百万町歩の開発をするなんというようなことを総理大臣が議会でおつしやるよりは、なぜこの治山治水ということについて、いま少し積極的な施策をお考えにならないのかということを、はなはだ遺憾に思うのでございます。今度の暫定予算を見ましても、予算の中では相当の額には相違ありませんけれども、このくらいの額を、どういう御計画のもとにこういう暫定予算が出ておるかわかりませんが、何らかここで政府として徹底的の治山治水に関する大計画をお立てにならなければ、非常な危險な状態にあり、また食糧増産の上において最も緊急施設であると思うのでありますが、今度の暫定予算はどういう目標のもとにお立てになつたのであるか、また將來この問題について政府はこういう計画をもつておるのだというようなことについて、何か御腹案でもあるならばお示しを願いたい。
○栗栖國務大臣 暫定予算で昨年度の水害復旧、災害対策費というものを支弁するために、十三億の資金を盛つたのであります。これは暫定予算でございまして、本予算については別途で十分考えたいと思うのであります。暫定予算の性質上、いろいろ制約を受けて、これも大藏当局その他の非常な努力によりまして、ようやくできたような次第であります。本予算につきましては、その点は財政その他の点とにらみ合わせて、十分考えたいと思うのであります。治山治水の問題でありますが、これは実は長い戰爭と戰後において、何ら施策を施さなかつた関係において、非常に荒れておるのであります。あるいは見方によりましては、このままにして何ら手を下さなければ、相当荒廃し、年々荒廃していくのではないかというような重大なる問題もあるのであります。そこで政府といたしましては、片山内閣の後を承けまして、片山内閣以來継続いたしておりました日本の経済復興に関する計画を策定することにいたしたのでありまして、近く委員会その他を設けて発足いたすことになつたのであります。この計画は、單に工業、鉱山業、あるいはその他の産業のみならず、農業殊に治山治水も含んだ農業についても十分檢討いたし、計画を中に盛りこんで定めたいと思つておるのであります。そうして一定の年次を追うてこの復興をいたしたい。治山治水から始めて農地の復旧、あるいは拡張その他をもいたしたいと考えておる次第であります。そういうような関係で、計画を策定しますと同時に、今年度の予算においては、先ほど來申し上げたように、その第一年度として他の財源及び他の支出を見合わせて発足いたしたい、こう考えておる次第であります。
○苫米地(英)委員 ちよつと補足的にお伺いしておきたいのでありますが、先ほど申し上げたように、補給金は十分考慮されておるようでありますから、一應安心しておりますが、物價が大幅に引上げられないためには、補給金が必要であります。しかし補給金の額がなるべく少いということは、私どもも合理的であると考えますし、政府でもさようお考えになつておる樣子でありますが、中には必ずしも現在重要産業でなくても、將來のことを考慮いたすと、どうしても補給金を與えて、企業を継続さしておかねばならない種類のものがあるのでありますが、そういうものに対しては、やはり補給金をお出しになるようなお考えでありましようか。その点一つ……。
○栗栖國務大臣 大体補給金は安定帶の物資について考えたいと思つておるのでありますが、今お話のような問題は、あるいは事業の整理のための別途の意味の補給金の意味であるとも思うのでありますが、そういう種類のものならば、他の別途な点でまた考えざるを得ないのではないか、かように思つておる次第でございます。
○苫米地(英)委員 もう少し具体的に申し上げれば、たとえば非鉄金属のごときものは、現在のところ必ずしも重要産業だとは申されませんが、世界的に見て、きわめて重要なものであり、またその資材が現在補給を得なければ、とても生産を継続することができないというような状態にあるのでありますが、これはもちろん値上げを少くすれば事業の経営できますけれども、第二次、第三次の方の産業がつぶれていく、同時にこの資材を使用する人が、政府が大きな消費者であるということを考えますと、補給金年十二億くらいのものを出す方が産業を育成するとか、もしくは將來のために備えるとか、他方政府の経費を節約するとかいうような面から、むしろ望ましいではなかろうか。こんなふうに考えるのであります。こういつたものは、まだほかにもあると思いますが、そういうものに対して、どうお考えでございますか。それをお伺いいたします。
○栗栖國務大臣 実情その他を十分調査いたしまして、その上であるいはそういう補給金でいくのか、他の方法によるのかというようなことも、十分考えたいと思つている次第でございます。將來の日本の産業について必要であり、また現在においてもその特殊なものについて必要があるということにつきましては、その必要度に應じて施策もいたしたい。こう考えている次第でございます。
○川島委員長代理 明日は午前十時半、時間嚴守で開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十二分散会