本会議 第72号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/06/28
会議録
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。 ――――◇―――――
○笹口晃君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、佐藤觀次郎君提出、第二封鎖の郵便貯金及び郵便年金打切に関する緊急質問を許可せられんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 第二封鎖の郵便貯金及び郵便年金打切に関する緊急質問を許可いたします。佐藤觀次郎君。 〔佐藤觀次郎君登壇〕
○佐藤觀次郎君 今回政府は、郵便貯金及び郵便年金の第二封鎖に対しまして、これを打切るということを言つております。私たちは、その影響の非常に大なるを思いまして、責任ある当局の答弁を求めたいと思います。 そもそも郵便貯金や郵便年金は、御承知のように、その性格からしまして金持や大事業家の資金ではないのであります。まじめな勤労者と農民を対象としておるのであります。その貯金の性質上、零細な、まじめな貯金でありまして、その全額は粒々辛苦したところの汗の結昌であります。これを一片の政令によつて無慈悲に打切るということは、まことに解し難い暴挙であると私は考えるのであります。(拍手)元来郵便貯金や郵便年金等は、國家を信頼して國民が貯蓄したものであります。一般市中銀行のように、利息をかせぐとか、あり余つた金をこれに貯金したのではないのであります。少くとも國家に預けておけば、必ず手もとに返つてくるという固い信頼感によつて、私たちは貯金をしておることを、忘れてはならないと思うのであります。これが打切り反対の第一の理由であります。 第二の理由は、普通銀行の第二封鎖で、平均六割七分程度の打切りであります。その中には、二割くらいしか打切られでいない銀行もあります。しかるに、郵便貯金のような零細な預金を全部打切るということは、まことに道理にかなわないのであります、まして國家がこれを管理している以上、普通銀行と照らし合わせて、当然全額を支拂うべきであると私は考えるのであります。 第三の反対理由は、その総額中郵便貯金は五億二千万円、郵便年金は約一億三千万円でありまして、総計合わせて六億五千万円程度であります。これだけの郵便貯金に対する國民の信頼は、これを打切つてしまいますれば、まつたく地に落ちてしまうのであります。その残存加入口数はわずか七万五千というのでありますが、その影響するところは、まことに大なあるものがあります。なるほど、今日こういう議論をする人があります。農業会あるいは漁業会及び信用組合も打切つたのであるかちして、当然この郵便貯金を打切つた方がいいという声もあります。また、市中の零細な貯蓄銀行も打切つたのであるからして、これを当然打切つてもいいというような議論もあるのでありますが、しかし、御承知のように郵便貯金は、これらと比較するにはあまりに廣汎になつているのであります。郵便局の窓口は、全國で一万三千という厖大な数でありまして、いかなる山間僻地にも、國家的の唯一の信用機関として存在しておるのであります。これを他と比較するのは、私は当を律ていないと思うのであります。 第四の理由は、今日貯蓄の増強が叫ばれておりますが、かかる零細なる郵便貯金を打切りますならば、國民は政府を信頼せず、貯蓄心をますます悪化せしむることは、火を見るより明らかであります。これに対しまして私は、責任のある北村大藏大臣及び冨吉逓信大臣はいかなる所見を有せられるやを尋ねたいのであります。そこで、わが日本社会党といたしましては、事の重大なるを思いまして、過日左の声明書を発表いたしました。 政府は最近第二封鎖の打切りに関する措置として、郵便貯金、保険年金を全面的に打ろうとしているが、これは大口預金者を保護して大衆的預金者を犠牲にするもので、わが党は絶対に反対する。一、第二封鎖預金中一般預金は大口が多く、郵便貯金等はきわめて少額である。しかるに、一般銀行に関しては平均七割の打切りに対して、郵便貯金等については十割の打切りを行おうとしている。ニ、その上預金封鎖にあたつて、郵便貯金などは封鎖の比重が大であつたにもかかわらず、今回さらにこれを全商的に打切ることは、大衆預金の犠牲を二重に強要するものである。右の理由により、わが社会党は政府がただちに郵便貯金などの第二封鎖の全面的打切りを中止するよう適切な処置をとることを要望する。こういう声明書を出しておるのであります。政府はよろしく国民大衆のこれ以上の信頼を失わないことが必要であると私は思うのであります。郵便貯金のごとき小口預金は、他と比較しがたい強い信頼感がその根底をなしておるのであります。 これを要約しますならば、第一に、郵便貯金及び郵便年金は國営事業であり、かつ最も簡易確実な貯蓄方法として、國民に絶対的な信頼を保持すべきであるということ。その第二には、現在資金の運用は大藏省預金部で行つておるが、その資金の八〇%余は郵便貯金及び郵便年金の預金であります。万一郵便貯金及び郵便年金の第二封鎖を打切りますならば、郵便貯金及び郵便年金の信用はまつたく失墜しまして、これによつて國家資金の運用に重大なる支障を來すのであります。問題はささいなことのようではありますが、その影響するところは、はなはだはかりしれないものがあります。かかる見地よりいたしまして、今日無謀な処置がとられますならば、その結果はいかなる方向に発展いたしますか、両大臣の所見を伺いたいと思うのであります。 私は、以上の理由にまりまして、事の緊急性を考え、この全面的な打切りには絶対に反対するものであります。北村大蔵大臣、冨吉逓信大臣の責任ある答弁を要望いたしまして、私の所懐を述べたことといたします。(拍手) 〔國務大臣北村徳太郎君登壇〕
○國務大臣(北村徳太郎君) ただいまの佐藤君の御質問にお答え申し上げたいと思います。私も佐藤君と大体同じ考えをもちまして、逓信大臣と一緒に、ただいま御質問の趣旨に副うような方向に努力いたしております。ただ、この問題につきましては、多少誤解があると思いますので、この際眞相を明らかにしておきたいと思うのであります。 これは、一昨二十一年の八月十一日現在において一口三千円未満のものは全部拂う、それから一世帶一万五千円未満のものは拂う、八人世帯の場合には三万二千円まで拂うというので、郵貯便金の零細性に関しては、一應全部支拂いを完了いたしたのであります。ただいま残つておりますものは、それを超えるものでありまして、一口について三千円を超えた部分、あるいは一世帯一万五千円を超えた部分、八人世帯の場合は三万二千円以上の大口のものが残つておるのであります。従いまして、全体の郵便貯金等の件数は二億件でありまするが、そのうち、ただいま残つておりますものは、わずかに七万五千口である、しかも、一人当りの金額は六千七百円ということに相なつておりますので、零細性のものに対する支拂いは完了したという点が、今日まで問題が解けないで、関係方面と折衝が非常にめんどうになつておる点でございます。問題点を明らかにいたしておきたいと思うのであります。 従いまして私どもは、また預金部の積立金二十三億円をもつて、政府の國家補償以外に、これをたとえば一般の金融機関の資本金と同様に考えて、これを取崩して全部預金の保護に充てた。今日、日本の銀行で二十三億の責本金をもつておる銀行はございません。従つて郵便貯金に対しては、二十三億の積立金が全部預金の保護のために振り向けられたという事実等もあるのでありまして、さような点が問題になつておる。試みに日本貯蓄の場合を申しますと、これほ現在残つておる口数が四十七万五千口であつて、平均は九百四十円の零細なものである。これが全部打切られておる事実がございます。かような点が問題になつておる。それが解決を遅らしておるという点だけを申し上げまして努力を続けておるという点を御了承願いたいのであります。(拍手) 〔國務大臣冨吉榮二君登壇〕
○国務大臣(冨吉榮二君) 佐藤君にお答えいたします。佐藤君のお述べになりましたことは、私の満腔の敬意を表するところであります。賛同するところであります。お述べのことぐ郵便貯金は、その本質が零細なる預金でありますし、永い間にわたりまして、国民生活と切つても切れない密接な関係をもつてきておる。その原因は、要するに國家に対する絶対的なる信用ということになつておると思う。従いまして私は、これは何とかして、いかなる困難を排しても、これを救済しなければならぬという考え方をもちまして、就任以來大藏省当局並びに関係方面に向つて懇請の努力をいたしておるのであります。(「力足らず」と呼ぶ者あり)しかしながら、今お述べのごとく、必ずしも力が十分ではないかもしれませんが、よく國民の総意を結集するところの議会の御声援を得事して、この目的を貫徹したいと考えておるのであります。 試みに、私の手もとにあります資料によりまして申し上げますならば、日本勧業銀行においては全額支拂いをいたしております。帝國に銀行において打切られたのが七六%、三菱銀行が七〇%、住友銀行が七七%、安田銀行が六一%、三和銀行が六九%、東海銀行が四五%、神戸銀行が六八%、野村銀行が六六%、こういうぐあいになりまして、この郵便貯金と最も関係のあります農業会の打切りは三〇%になつております。従いまして、これにはいろいろ経済上の根拠もあることかと思いますけれども、理窟を超越して、國家の信用、またさらに將來の貯蓄への國民の関心の問題に重大な関係がありますので、ぜひともこれは救済したいという熱心な希望をもつて努力いたしつつあることを御了承願いたいと思います。(拍手) ――――◇―――――
○笹口晃君 日程第一は延期されんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程第一は延期するに決しました。 ――――◇―――――
○議長(松岡駒吉君) 日程第二、港則法案、日程第三、木船保險組合の解散に関する法律案、日程第四、水先法の一部を改正する法律案、右三案は同一委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸及び交通委員長川野芳滿君 〔川野芳滿君登壇〕
○川野芳滿君 ただいま議題となりました港則法案木船保險組合の解散に関する法律案及び水先法の一部を改正する法律案について、運輸及び交通委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。 右三案は、六月十日本委員会に付託され、六月十四日、それぞれ政府より提案理由の説明を聽取したのであります。 港則法案の要旨は、日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律第一條の四第二項の規定により、現行開港港則及び同施行規則に代るものとして立案されたものであり、開港における船舶交通の安全をはかることを目的とし、併せて衛生上の安全をはからんとするものであります。 次に、木船保険組合の解散に関する法律案について御説明申上げますと、木船保險組合は、戦時中木造船の輸送力が網船の輸送力を補う重要な要素である点に鑑み、これが維持発展に備えるために、昭和十八年木船保險法が制定され、これに基いて設立されたものであります。 木船保険制度の骨子といたします点は、強制加入、國家再保険及び事務費補助の三点でありますが、終戦ととむに事務費の補助は廃止され、強制保険の制度も、昭和二十一年六月三十日をもつさ事実上廃止となり、さらに昭和二十二年三月三十一日以降は、政府再保険の制度の途もなくなることになつたのであります。かくのごとく、木船保険組合存続のための三要素を欠くに至つたばかりでなく、昨年度における事故率の急激なる上昇は、保険料のみをもつてしては経営をまつたく不可能ならしめることとなりましたので、政府は遂に木船保険組合を廃止せざるを得ないこととなつたのであります。そこで、木船保法第三十五條の規定に基いて、組合廃止に関する法律案の提出を見るに至つた次三第であります。 さらに、水先法の一部を改正する法律案は、現行水先法第三條における年齢制限につき、戰時中の実績及び最近の実情に鑑み、老練優秀かつ身体強健な人々を水先八として活躍させる途を開くため停年制を廃止し、また水先人試験の受験資格として必要な一定の実瀝から見て、その最低年齢の制限をも廃止しようとするものであり、さらに、常に心身ともに健全な水先人を確保するためには、少くとも毎年一回水先人の体格檢査を執行せんとするものであります。 しかして委員会におきましては、六月二十二日より質疑に入り、特に木船保倫組合の解散に関する法律案については、木船保險組合廃止後木船保險はどうなるか、政府は組合廃止後、木船保險について特別の措置を考慮しているか、木船保険組合の清算予想はどうであるか等、種々政府側との間に質疑應答が行われたのでありますが、各項目に対する政府当局の説明によつて、將來における本造船の助長將励の方策も闘明せられ、また木船保険組合の清算に関しても見透しは明らかとなわましたので、委員会としては、現状からすれば木船保険組合の解散もやむを得ないとし、また他の二案に対しても、政府側の説明により、いずれも提案の趣旨を了承したのであります。 以上のような次第で、本委員会は、六月二十四日、右三案に対する質疑を終了し、討論を省略してただちに採決に入り、全会一致をもつてそれぞれ原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。以上、甚だ簡單でありますが、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 三案を一活して採決いたします。三案の委員長報告はいずれも可決であります。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし「と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。まつて三案は委員長報告の通む可決いたしました。 ――――◇―――――
○笹口晃君 日程第五は延期されんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程第五は延期するに決しました。 ――――◇―――――
○議長(松岡駒吉君) 日程第六、学校教育法及び義務教育費国庫負担法の一部を改正する法律案、日程第七、公立高等学校定時制課程職員費国庫補助法案、日程第八、有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を欲正する法律案、右三案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。財政及び金融委員会理事梅林時雄君。
○梅林時雄君 ただいま議題となりました三法律案について、財政及び金融委員会における審議の経過並びに結果について概略御報告申し上げます。 まず、学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案について申し上げます。 第一條は、学校教育法の一部改正でありますが、まず大学設置委員会を大学設置審議会に改めました。これは、國家行政組織法の施行に伴い、委員会なる名称は会議制の行政機関を意味することになり、諮問的または調査的なものは、審議会または協議会と呼ばれることとなつたからであります。第二に、第八十六條を削除しましたのは地方自治法の施行に伴うものであり第三に、第九十三條及び第九十六條第二項中「勅令」を「政令」に改めましたのは新憲法の施行に伴うものでありまして、いずれも当然の改正であり、第四は、第九十三條の改正は盲学校及び聾学校の小学部の第一学年の義務制施行に関する規定で、本年度においては小学部の第一学年のみを義務制とし、明年度以降、義務制は一年ずつ逐年的に進行させたいというのであります。 第二條は、義務教育費国庫負担法の一部改正であります。改正の第一点は、盲学校、聾学校の義務制の執行に伴い、都道府縣において要する教育俸給等の半額を国庫において負担することとしました。第二点は、従來道府縣に対して予算上の措置として補助してきた扶養手当及び勤務地手当について、その半額を國庫において負担することを法律に明記しました。第三点は、從來主として市町村負担であつた退官退職手当、日直手当及び宿直手当を都道府縣の負担に改めるとともに、その半額を國庫において負担することとし、地方財政の負担の軽減をはかることとしたのであります。次に、國庫負担の対象となる学校職員の範囲、定員及び給與の額を政令で定めることとし、定員定額制をとることを明示した次第であります。最後に附則において、この法律が四月一日にさかのぼつて適用されることを明らかにいたしましたが、大学設置委員会の名称変更のみは、前に申し上げました理由により、國家行政組織法施行の日から施行することといたしたのであります。 次に、公立高等学校定時制課程職員費国庫補助法案について申し上げます。 この法律は、別途提案の市町村立学校職員給與負担法第二條の規定により都道府県縣の負担とされた市町村立高等学校の定時制の課程の職員の俸給等と、都道府縣立高等学校の定時制の課程の職員の俸給等のため都道府縣において必要とされる経費の分の四を予算の定めるところに従い国庫が補助することを規定したものであります。 従來、勤労青年の教育は主として青年学校において行われておりましたが、この四月一日から青年学校が廃止されることになり、今後は主として新制高等学校の定時制の課程で行われることとなりましたので、新制高等学校の定時欄の課程の教育費を國庫補助とすることによつて勤労青年教育の振興を企図したものにほかなりません。 以上両案は、去る十一日付託されたものでありまして、十七日その説明を聽いた後、翌十八日より二回にわたり審議を重ねましたが、國民協同党の吉川君長び内藤君より、中央。地方における授業料等の均等を主張する旨と、国庫補助額十分の四をもう少し上げる意思はないかとの質疑がありました。これに対して政府脱よりは、でき得る限り努力を拂いたい、文部省としては、少くとも國庫補助半額程度まで要求したが、財政等の関係でこの極度になつたとの答弁がありました。次いで、討論を省略し採決いたしましたところ、両案とも全会一致をもつて原案通り可決いたしました。 次に、有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 まず本案の要旨でありますが、企業再建整備法に規定する特別経理会社が有價証券を処分する場合にぼ、独占禁止法の適用を受けることなく、原則として有價証券の処分計画を証券処理調整協議会に提出し、協議会の承認を受けることになつているのでありますが、一般会社と同じく独占禁止法の規定を適用することが、実情から見て適当であると考えられますので、今回この点を改め、特別経理会社が所有する有價証券を処分する場合には、独占禁止法の規定に基く昭和二十三年政令第四十三号により、あらかじめ処分計画書を公正引引委員会に提出し、その承認を得た上で処分し、証券処調整協議会の調整を受けないことといたしたのであります。 本案は、去る十八日付託されたものでありまして、二十五日審議に入りました。委員長より、今後証券民主化や企業再建等のために消化せねばならぬ株式は巨額上げると思うが、どのくらいあるのかとの質疑を行いました。これに対して政府よりは、一、旧財閥株の処分額六十億円、二、制限会社の証券保有制限令による処分額十六億円、三、閉鎖機関の保有株式処分額三十四億円、四、財産税等の物納により國の所有となつた株式の処分額三十億円、五、独禁会社の開放株額十億円、六、特別経理会社の増資株式および第二会社の増資のための株式額約四百億から五百億円程度に見込まれでおり、以上を総計して、今後処分さるべき株式額は約五百四十億から六百四十億と見積られるのであるとの答弁があり、これに対する川合彰武委員の補足的質問に対し、これらの処分の時期は、取引所が公開されてないので、いつごろということは言えないとの答弁がありました。次いで、討論を省略し採決の結果、全会一致をもつて原案通り可決いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 三案を一括して採決いたします。三案の委員長報告はいずれも可決であります。三案は委員長報告の通わ決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り可決いたしました。 ――――◇―――――
○笹口晃君 議事日程加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、医師法案、保健婦助産婦看護婦法案、歯科衛生士法案、歯科医師法案、医療法案、国家公務員共済組合法案、榊原亨君外十名提出、理容師法の一部を改正する法律案、内閣提出、予防接種法案及び参議院提出、優生保護法の九案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。 〔「異町議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 医師法案、保健婦助産婦看護婦法案、歯科衛生士法案、歯科医師法案、医療法案、国家公務員共済組合法案、理容師法の一部を改正する法律案、予防接種法案、優生保護法案 右九案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長山崎岩男君。 〔山崎岩男君登壇〕
○山崎岩男君 ただいま議題となりました医師法案、保健婦助産婦看護婦法案、歯科衛生士法案、歯科医師法案、医療法案、國家公務員共済組合法案、理容師法の一部を改正する法律案、予防接種法案、優生保護法案について、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、医師法案、歯科医師法案、保健婦助産婦看護婦法案、医療法案及び歯科衛生士法案について申し上げます。 國民医療法は、新憲法下の現状には適合しない点が多々あるとともに、終戰後の社会情勢の変化に対應する新たな医事制度の確立が必要でありますので、國民医療法を改正し、新たな医事法規を制定いたさうとするのが、政府のこれら法案の提案理由であります。以下、その内容の大略を申し上げたいと存じます。 医師法案及び歯科医師法案について申しますれば、第一に、両法案は医師、歯科医師の身分法とも申すべきものでありまして、從前の例にならい、両法案の内容は大体その軌を一にしておるのでありますが、両者の業務内容の異なるに從い、その規定の内容にも若干の差異があるのであります。 第二に、両法案はいずれも医師及び歯科医師の職分、免許試験及び業務等内容はおおむね現行の規定を踏襲しているのでありまして、改正のおもなる点は、一、医道審議会を設けて、免許の取消、停止等に関しその意見を聽くこととしたこと二、医師といえども、歯科医業を行うためには、歯科医師免許を受けなければならないこととしたこと。三、医師または歯科医師の処方箋の交付に関する從來の規定に若干の修正を加えたこと等であります。 次に、保健婦助産婦看護婦法案でありますが、本法案の内容は、昨年七月制定公布されました保健婦助産婦看護婦令の内容を踏襲いたしたのであります。 本法案と從來の制度との内容の相違のおもなる点を申し上げますと、第一に、これらの医療関係者の素質の向上をはかるために、免許を受けることのできるものの資格を相当程度高めたことであります。第二に、これらの者の業務の内容でありますが、新たに助産婦は当然に甲種看護婦の業務をなすことができることとし、乙種看護婦については、甲種看護婦に比し業務の内容を制限いたすことといたしておるのであります。 次に医療法案でありますが、その内容は、第一に、病院の規格を引上げ、患者二十人以上の收容施設を有するものとし、その設備等に関しても、從來よりも相当高度の基準設けたのであります。第二に、診療所につきましては、患者收容につき一定の制限を設け、また特定の場合を除き、同一の患者を四十八時間を超えて收容してはならないこととしたのであります。第三に、助産に関する施設につきましては、そのうち助産婦の管理するものは、その名称を統一して助産所と称させるとともに、その收容人員等をも制限することとしました。第四に、新たに総合病院の制度を設け、患者百人以上の收容施設を有しかつ一定の診療科名を有する病院であつて、一定の完備した施設を有するものは、都道府縣知事の承認を受けて総合病院と称することができることとしております。第五に、從來すべて許可制度によつておりました病院、診療所の開設は、今後は医師、歯科医師が診療所を開設する場合は届出制度とし、その他の場合に限り許可制度とすることにいたしております。第六に、今後のわが國の医療機関の整備の点につきましては、根本的には厚生省及び各都道府縣に医療機関整備審議会を設けて、その全般的整備計画につき調査審議さぜるとともに、地方公共團体等の経営する公的医療機関を早急に整備することにつき國庫補助を行うこととし、また医療機関の運営に関しましては、主として公的医療機関中整備されたものをいわゆるメディカル・センターとして、その施設を開業医の利用等に開放させ、またその修習機関として活用することとし、もつて公私すべての医療機関が一体となつて医療の普及向上に寄與し得るような態勢の確立を企図いたしておるのであります。 次に、歯科衛生士法案について申し上げます。わが國民の多数が歯牙及び口腔疾患のために、その健康を損われている現状に鑑み、歯科医師との緊密な連繁のもとに、もつぱら歯牙及び口腔の疾患の予防処置をなすことを業とする者の資格を定め、これを普及させることによつて、歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上をはからんとするのが、政府のこの法律案を提出する理由であります。 以下、その内容の大略を申し上げますと、第一に、歯科衛生士になろうとする者は、都道府縣知事の免許を受けなければならないこととし、免許は、文部大臣または厚生大臣の指定した学校、養成所等を卒業した者であつて、さらに厚生大臣の行う歯科衛生士試驗に合格した者に対してこれを與えることとしております。第二に、歯科衛生士の業務は歯石の除去、予防のための薬剤の塗布等予防上の一定の措置のみに限られ、しかも、その業務を行うにあたつては歯科医師の直接の指導下においてすることを要し、独立してはその業務をなし得ないことにしております。 右のうち、医師法案ほか三案は六月二十一日、医療法案は二十三日、本委員会に付託されたのでありますが、それぞれ関連性を有するがため、一括して二十四日より審議に入り、連日熱心なる質疑應答が交されたのでありますが、以下、そのおもなるものについて申し上げます。 第一に、保健婦、助産婦、看護婦に対し相当高度の基礎的教養が要求されているが、これがため保健婦等の数に不足を來すおそれはないかとの質問に対しては、本法律案施行の時期についてそれぞれ経過的規定があるのみならず、從來の保健婦等は、今後もその業務を継続することができるのであるから、ただちに数的不足を告ぐるようなことはない。 第二に、医療費の軽減と大衆の衛生知識の向上をはかるため医師の処方箋交付を義務制とする意思はないかとの質疑に対しては、藥の内容を知りたい患者は処方箋交付を要求することができるのみならず、一面において、交付することが診療上特に支障ある場合もあり、事実問題としても事務的に困難が多いから、全面的に交付を義務制とすることは不適当に認めるとの答弁がありました。 第三に、処方箋料を徴收することは、処方箋発行が医師の指導の一方法たる趣旨にも反するのみならず、医薬の任意分業を妨げることはないか、またたとい徴收するとしても、きわめて低額とすべきではないかとの質疑に対しては、処方箋料は理論的には一種の技術料で、診察料とは別個のものとも言えるが、事実問題としては外國立法例もあり、今後医療報酬審議会でその料金額について十分研究する方針であるが、社会保險診療報酬算定協議会できめておる処方箋掛額を標準とすべきものであるとの答弁がありました。 かくて、二十八日討論に入りましたところ、全員一致原案に賛成いたしたのであります。次いで採決に入りましたところ、また全員一致原案通り可決すべきものと決した次第でございます。 次に、國家公務員共済組合法案について申し上げます。 現行の政府職員共済組合令は、昭和二十二年法律第七十二号により、暫定的に法律たる効力を認められておりますが、近くその期限が満了いたしますので、新たに共済組合の組織活動等を規律する統一的法律を制定せんとするのが、政府の本法律案提案の理由であります。 まず、本法律案の内容について申し上げます。第一は、共済組合を法人として、権利義務の帰属を明確ならしめたのであります。第二は、組合の民主的運営をはかるため運営審議会を設けて、組合員をしてその運営に参加させる方法を講ずるとともに、給付の決定、掛金の徴收等につき異議がある組合員の苦情を処理するために、共済組合審議会を設けておるのであります。第三は、組合の給付でありますが、現在はその種類や額が組合により異なつておるのを、法律によつてこれを統一したほか、健康保險法、厚生年金法の改正と実質的に権衡をはかり、またやむを得ない欠勤の場合に、俸給に代る手当として、新たに休業手当金を設けておるのであります。第四は、國庫負担金の割合を社会保険と同様として明確にするとともに、組合の事務に要する費用は國庫が全額負担いたしておるのであります。第五は、恩給法の適用を受ける公務員については、退職給付等、恩給法改正の際考慮することとして、当分の間はこの給付は行わないことといたしておるのであります。 本法律案は、六月十八日厚生委員会に付託せられ、二十六日から審議に入つたのでありますが、二十八日、討論を省略して採決にいたしましたところ、全会一致原案通り可決すべきものと決した次第であります。 次に、理容師法の一部を改正する法律案について申し上げます。 現行理容師法によれば、理容師免許を得る資格としては、厚生大臣指定の養成施設において修業した者と試驗に合格した者との二本建でありますが、ややもすれば弊害の件うおそれある試驗制度を廃止せんとするのが、本改正法律案提案の理由であります。 本法案のおもなる点を申し上げますれば、第一は、免許を受くる資格として、從來の理容師試験制度を廃止して、厚生大臣指定の理容師養成施設において一年以上修業した後、さらに一年の実地修練を経ることといたしたのであります。第二は、厚生大臣が養成施設を指定する場合の諮問機関として理容師養成施設指定委員会を設けたのであります。第三は、從來の試験制度は、六・三制の学校制度が完備されるまでの期間、経過的にこれを認めておるのであります。 本案は、六月二十五日本委員会に付託され、榊原委員より提案理由の説明があつた後、質疑應答にはいつたのであります。審議の進行に伴い、田中、山崎両委員より次の修正意見が提出せられたのであります。すなわち第一は、最近の立法例に鑑み、第四條の理容師養成施設指定委員会を理容師養成施設協議会に改めること。第二は、國民学校高等科卒業者で徒弟見習中の者に対する特例を規定する第二十一條及び第二十二條は、政府提出の理容師法特例案を重複するため削除すること。第三は、厚生大臣の指定する養成施設の普及状況に鑑み、学校教育法第四十一七條に規定する者に対して、昭和二十八年六月三十日まで從來の試驗制度を認めることの三点でありますが、これに対しては、提案者を含めて全員異議なく修正に賛成いたしたのであります。 かくて、二十八日討論を省略してまず修正案について採決に入りましたところ、全員一致これに賛成いたしました。次いで修正部分を除く原案の他の部分について採決に入りましたところ、これまた全員一致原案通り賛成いたしました。すなわち、本法律案は全員一致修正可決すべきものと決した次第でございます。 次に、予防接種法案について申し上げます。 わが國の傳染病発生の趨勢は、戰争末期より逐增の傾向にありまして、終戰後の社会的混乱に伴い、昭和二十年、二十一年と引続き傳染病の爆発的発生と蔓延を惹起いたした次第でありますが、國民をしてこれら疾病の災厄より免れしめ、その発生による傳染のおそれのある疾病に対して、学界において疫病の効果を確認されたる免疫源による予防接種を全面的に実施し、もつて疫病予防の完璧をはからんとするのが、これが政府の本法律案提出の理由であります。 次に、この法案の内容の大体を申し上げます。第一に、定期の予防接種を行うものは、痘瘡、ジフテリア、膓チフス、パラチフス、百日せき、結核であり、臨時に行うものは、以上の疾病のほか、発疹チフス、ペスト、コレラ、猩紅熱、インフルエンザ及びワイル病といたしておるのであります。第二に、予防接種を行う義務者を市町村長とし、市町村長は保健所長の指示を受けてこれを行うこととしております。第三に、厚生大臣は必要があると認めるときは、都道府縣知事に命じて臨時に予接防種を行わせることができることといたしたのであります。第四に、都道府縣知事も、疾病蔓延防止のため必要があると認めるときは、同じく臨時に予防接種を行い、または市町村長に行わせることができるようにいたしております。第五に、予防接種を受けた者に対して証明書を交付し、市町村においても台帳を作成し、これが記録を明瞭ならしめ、実施の確実を期したのであります。 本法律案は、六月二十三日本委員会に付託せられ、二十七日審議にはいつたのでありますが、二十八日、討論を省略して採決に入りましたところ、全員一致をもつて可決すべきものと決した次第でございます。 次に、優生保護法案について申し上げます。 現行の國民優生法は、戰時國策、の一立法として、人口增進政策の基調に立つもので、戰後の変貌した社会的環境を考慮するときは、國民素質の向上策についても新たな発足をすることが必要なのであります。すなわち、悪質な素質の遺傳による國民資質の低下を防止すべきはもちろんのことでありますが、さらに進んで母性の生命、健康保護の見地から、優生手術の対象範囲を拡張するとともに、ある程度の人工妊娠中絶を認めんとするのが、本法律案提案の理由であります。 次に、本法律案が從來の国民優生法と異なる点を申し上げますれば、第一、悪質疾病の遺傳防止と母性保護の立場から、一定範囲のものには任意に断種手術を受け得るようにしたこと。第二、強度の遺傳性精神病その他悪質遺傳者の子孫の出生を防止するため強制断種手術を行い得る制度を設けたこと。第三、悪質疾病を有するものが妊娠し、または妊娠分娩によりて母体の生命を危險に陥らしむるおそれがある場合は、医師の判定によつて妊娠中絶を行い得ること。第四、妊娠によりて母体の健康を害し、または暴行強迫によつて妊娠したる場合は、地区優生保護委員会の決定によりて妊娠中絶を行い得ること。第五、妊娠中絶手術の実施について指定医師制度を設けたること。第六、三種類の優生保護委員会をつくり、地方委員会は強制断種手術の判定にあたり、中央委員会は地方の判定に対し不服あるものの訴願を審査し、地区委員会は人工妊娠中絶手術の適否の決定に当らしめたること。第七、各府縣に優生結婚相談所を設けて、優生保護の見地から結婚の相談に應じ、不良子孫の出生を防止するとともに、地方人士に対し優生の知識、避妊器具の撰択、受胎調節の方法等の理解に努めしむることといたした等の諸点であります。 本法律案は、六月二十三日本委員会に付託せられ、二十七日より審議に入り、二十八日、討論の後採決に入りましたところ、全員一致原案通り可決すべきものと決した次第でございます。 以上諸法案の審議に関しては、いずれも政府との間に熱心なる質疑應答があつたのでありますが、その詳細は会議録について御承知くださるよう御願いいたします。以上、御報告申し上げます。
○議長(松岡駒吉君) 右九案を一括して採決いたします。九案中、理容師法の一部を改正する法律案の委員長報告は修正でありまして、その他の八案の委員長報告はいずれも可決であります。九案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて九案は委員長報告の通り決しました。 ――――◇―――――
○笹口晃君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に関する法律の一部を改正する法律案、民事訴訟用印紙法及び商事非訟事件印紙法の一部を改正する法律案、法務臨調農法等の一部を改正する法律案及び裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案の四案を一括して議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に関する法律の一部を改正する法律案、民事訴訟用印紙法及び商事非訴事件印紙法の一部を改正する法律案、法務廰設置法等の一部を改正する法律案、裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。司法委員会理事池谷信一君。
○池谷信一君 ただいま議題と相なりました、民事訴訟用印紙法及び商事非訟事件印紙法の一部を改正する法律案、日本國憲法の一部を改正する法律案、應急的措置に関する法律の一部を改正する法律案、裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案、法務廰設置法等の一部を改正する法律案の四件は、司法委員会に付託され一括して議題とし、審議いたしましたので、その法律案の要旨及び委員会における審議の経過並びに結果の概要を、委託によりまして、ごく簡單に御報告申し上げます。 まず、民事訴訟用紙法及び商事非訟事件印紙法の一部を改正する法律案について申し上げます。 民事訴訟用印紙法、商事非訟事件印紙法により訴訟などに貼用する印紙の額については、明治四十三年の法律改正により、わずかに金額の増加を見ただけで、何らの変更もなく今日に及んだのであります。しかるに、最近の物價高騰は著しく、終戦前に比較しますと、公定價格において六十五倍、実効價格においてはその数倍にも達しておるのであります。しかしながら、司法制度の理想としては、当事者の経済的負担を最小限度に止むべきであります。よつて現下の物價事情並びに財政状態に照らして、この印紙額に適当な改正を加え、実情に適するようにした次第であります。 民事訴訟用印紙法及び商事非訟事件印紙法の一部を改正する法律案は、去る六月十日司法委員会に付託されました。司法委員会は、他の重要法案審議のひまひまに、その内容を見ましたところ、訴訟金額と印紙税額とを事務的見地から分類したものにすぎないのであります。よつて、六月十九日、質疑應答を省略し、ただちに討論に入り、各党より賛成意見を述べられ、採決の結果も全会一致をもつて政府の原案通り可決せられた次第であります。 次に、日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の、應急的措置に関する法律の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。 いわゆる刑事訴訟法の應急措置法は、昭和「二十三年七月十五日までその効力を有し、その翌日より効力を失うことになつております。しかるに、日本國憲法法附属法典としての本格的刑事訴訟法は、今國合会において審議中であつて、未だ法律として成立しておらないのであります。たとい七月十五月までに刑事訴訟法が成立しましても、同法は昭和二十四年一月一日から施行することになつております関係上、刑事訴訟法の應急措置法の効力。昭和二十三年十二月末日まで延期する必要があるのであります。これが法案提出の理由でありまして、その内容は、今年「七月十五日」とあるのを、翌年「一月一日」と入れかえただけであります。 司法委員会は、この法案につき六月十七日、質疑應答を省略し、全会一致をもつて政府原案通り可決した次第であります。 裁判所議員の定員に関する法律の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。 最近、裁判所の各種取扱事件が非常に増加してまいりました。社会不安に由來する凶悪犯や経済犯も激増しております。地方裁判所や家事審判所の事務は繁忙を極めております。司法研修所の機構も拡充されました。これら必要に應じ、最小限度に裁判所職員の定員の増加をはかる必要があるのであります。よつて政府より、判事補、官、三級裁判所事務官の定員増加を理由として、この法律案が提出されたのであります。以上が政府原案の要旨であります。 この法律案は六月十六日に付託されましたが、原案は檢察審査会事務官の増員を含んでおるのであります。しかるに、現在のところ檢察審査会法案の成立は確定見込みがつきませんので、檢察審査会事務官の増員を削除する必要があるのであります。よつて六月二十四日、司法委員会において各党共同修正案が提出されました。その内容は、政府原案中の定員数より檢察審査会事務官の定員とすべき要旨し、その残余をもつて定員とすべき要旨のものであります。この修正案は全会一致をもつて可決され、修正部分を除いた他の部分については政府の原案通りに可決されました。結局、裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案は修正議決された次第であります。 次に、法務廰設置法等の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。 法務廰設置法の中に、法務総裁は私立の矯正施設の運営につき、厚生大臣と協議し、また罪を犯すおそれのある少年に関する事務を厚生大臣の管理に移すべき時期を定めているのであります。法務総裁が、厚生大臣と協議する時期は、今年四月一日からであります。罪を犯すおそれのある少年に関する事務は、少年裁判所によつて保護処分を受けた少年に関する物を除いては、今年四月一日から厚生大臣の管理に移すことになつております。しかるに、諸般の事情からこれを実行することができず、逐に今年二月に至つて、昭和二十三年法律第十号をもつて、その時期を三箇月延長したのであります。最近ようやく少年法及び少年院法が國会に提出され、目下審議中であります。この少年法及び少年院が成立しましても、両法案に関連して提出さるべき他の法令の制定及び施行準備のためには今後なお相当の日時を要し、六月三十日までにこれを完了することは望み得ないことが判明したのであります。これがため本改正案を提出したのであります。 法案の内容は、法務総裁と厚生省大臣との協議開始の時期と、厚生大臣への所管事務移轉焼の時期をそれぞれ六箇月征長し、かつ少年裁判所とあるあるのを少年審判班と読みかえる期間を昭和二十三年十二月三十一日までとしたことであります。 司法委員会においては、本法案は單に期間延長のものにすぎないものと認め、質疑を省略し、六月二十三日に、全会一致をもつて政府原案通り可決した次第であります。 以上、法律案四件に関し司法委員会における審議の報告を終ります。
○議長(松岡駒吉君) 四案を一括して採決いたします。四案中、裁判職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案の委員長報告は修正でありまして、その他の三案の委員長報告はいずれも可決であります。四案を委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて四案は委員長報告の通り決しました。
○議長(松岡駒吉君) 請願日程第一ないし第四四は同一の委員会に付託した請願でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事永井勝次郎君。 ――――――――――――― 〔永井勝次郎君登壇〕
○永井勝次郎君 ただいま一括上程になりました、農林委員会付託にかかる請願につきまして、その審査の経過並びに結果の概要を御報言いたします。 本委員会の取扱いました審査件数は、四月十四日締切りまでの分としまして総数九十九件、これらを五月二十六日、二十八日、二十九日の三日間にわたり審査を行つたのでありますが、内容に従つてこれを類別いたしますと、土地改良、災害復旧に関するもの五十四件、開拓に関するもの十二件林業に関するもの九件、農地改革に関するもの三件、燃料に関するもの三件、農業技術に関するもの二件、食糧に関するもの八件、畜産に関するもの四件、その他四件となつているのでございます。 まず土地改良、災害復旧に関するものは、いずれも近年続発する旱害、風水害、冷害等によりまして、農業生産力は減退し、農民の困難は一通りでないから、國費多端の折柄とはいえ、地方財政の窮迫、農村資金枯渇の現状に鑑み、國庫補助をもつて速やかに災害復旧を完了するとともに、用排水設備の新設改良、暗渠排水、客土、農道等の土地改良事業を実施せられたいというのでありまして、本件に関するものが請願中の過半数を占めております事実は、本問題が、わが國農業復興の見地よりいたしまして、また食糧の事前割当と増産を要請されている今日、いかに緊要にして重大なる案件であるかを示すものでありまして、今後における農政の一重点を指向するものと思える次第でございます。 次は開拓関係の請願であります。その多くは、失業問題または食糧難緩和のために、新規開拓の実施、干拓事業の促進、満州引揚民の優先入植を考慮せられたいというのでありまして、また逆に、水源林の涵養、採草地、薪炭林の保存のため、地元民より開拓中止を要請しているものも若干あるのであります。 次に林業関係は、いずれも造林、森林整備、林道開設等に関して予算的措置を希望しているのであります。 農地改革に関しましては、日本民主化の基盤である農地改革を担当する農地委員会に対しまして國庫補助金を増額されたいというのであります。 その他農業技術、食糧、畜産等の問題に関し、その趣旨まことにもつともなる請願を受理いたしたのであります。 本委員会は、以上御説明申し上げました諾案件に関しまして、親しく紹介議員より説明を聽取し、次いで政府委員よりの意見を求め、中につき重要なる案件につきましては、さらに質疑應答を行い、慎重審査をいたしました結果、本委員会審査の九十九件につきましては、三件は取下げを許可し、五十二件は決定を延期し、他の四十四件は、いずれも國家再建に挺身する國民諸君切実にして妥当なる意見の表明であり、喫緊の案件であると認め、議院の会議に付したる上採択すべきものと議決し、議院において採択の上は内閣に送付するを適当と認めた次第であります。なお、委員会における紹介議員の説明並びに審査か詳細につきましては、会議によつて、御承知願いたいと存じます。 以上一括して、簡單ながら御報告申し上げた次第であります。御了承を願います。
○議長(松岡駒吉君) 請願日程第一ないし第四四は委員長報告の通り採択するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて請願日程第一ないし第四四は委員長報告の通り採択するに決しました。 明二十九日は定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。 午後五時十八分散会