文教委員会 第24号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1948/07/03
会議録
○松本委員長 会議を開きます。 議事に入るに先だちまして、御報告申し上げることがございます。昨日松木宏君が文教委員を辞任いたされまして、その補欠として花村四郎君が選任いたされました。御報告申し上げます。 続いて教育委員会法案を議題といたし、審査を進めます。 第五十條 都道府縣委員会は、教育長の助言と推薦により前條各号に掲げる事務を行う外、左の事務をに行う。 一 別に教育職員の免許に関して規定する法律の定めるところに從い、教育職員の免許状を発行すること。 二 文部大臣の定める基準に從い、都道府縣内のすべての学校の教科用図書の檢定を行うこと。 三 地方委員会に対し、技術的、專門的な助言と指導を與えること。 四 特別教育区の設置又は区域の変更に関すること。五高等学校の通学区域の設定又は変更に関すること。 五 高等学校の通学区域の設定又は変更に関すること。 六 その他法令により、その職務権限に属する事項。 御質疑はありませんか。
○高津委員 田淵委員の意見ですが、第五十條の第一項の中で「都道府縣委員会は、教育長の助言と推薦により前條各号に掲げる事務を行う外、左の事務を行う。」とある中の「教育長の助言と推薦により」というのは、もう前にきまつておることであるから、これを繰返すのはいかにもわざとらしく、都道府縣委員会もやはり教育長の言うことをきかなければならぬ、助言と推薦を前提として行動するのだということを、あまりに強くうたい過ぎたきらいがあるから、これをとつた方がよかろうという意見があつたのであります。私もそれに同感でありますが、削つては差支えがあるのか、わざわざそれだけ詳しくここでまた繰返してうたわねばならぬ理由があるのか、その点を政府から聽きたいと思います。
○辻田政府委員 ただいまの御質問の御趣旨はよくわかるのでございますが、ただ四十九條の方に、教育長の助言と推薦によるということをはつきり書いておきまして、五十條にそのことがありません場合には、都道府縣の委員会が五十條に規定してあります事項について事務を行う場合には、この教育長の助言と推薦は必要でないというふうに、逆にとられるような、いわば四十九條の一項に対する特別規定のような感じを一般にもたすことになりますと、適当でありませんので、ここではつきりしたのでありますが、御了承願います。
○松本委員長 ほかにありませんか。——次に移ります。 第五十一條 特別区の教育委員会については、第四十九條第一項第三号及び第四号の規定は、これを適用せず、都教育委員会が、これを行う。
○松本(七)委員 これに対して先ほどこれを削除すべきであるという意見がございました。それに対して政府の御意見を伺います。
○辻田政府委員 五十一條の趣旨でございますが、これは四十九條によりまして、都と特別区の教育委員会との関係は、元來の建前といたしましては、同等であるわけでありますが、しかし都と区との関係におきましては、他の道府縣と市等との関係とは若干相違するところがございまして、その成立の過程からいきましても、そこには一体的な面もあるのであります。從つて第五十一條におきまして、教科内容及びその取扱いに関すること。また教科書、教材、図書の採択に関することというふうな教育の内容の事項につきましては、これは限られた狹い地域におきまして、特に別々にする必要はない、まとめて都の教育委員会で、この事務を取扱うことが適当であると思いますので、第五十一條は必要であると思つております。
○高津委員 われわれは東京都千代田区長の村瀬氏——村瀬氏は東京都特別区協議会の二十三区区長協議会の代表であります。その村瀬清氏から聽いたところによれば、第四十九條第一項の中の第三号及び第四号の事項というか、それを都に奪われてしまえば、区の教育委員会というものを設立する目的の大半が失われるのである。それでは自主的な活発な教育は行われないから、本法制定の精神に反する。相当廣汎に委讓されて、初めて教育委員会法の目的が達成されるのだと思う。こういう点は相当理由があると思うのです。そうしてそれだけ区がみずから教育を背負つて立とうという誠意もあれば、熱意も見られるので、そういうところは、もちろん能力があるものと認めます。都の肩をもつたような、どうして都をそういうようにかわいがろうとしたのか、かりにも東京都でありますから、御説によれば同じ区域の中にある区であるから、縣と市との関係とは違う。また区は成立の過程において違うのだという説明でありましたが、まだ御説明を納得できない点があるので、もう少し詳しく御説明を聽きたいと思います。
○辻田政府委員 五十一條の問題につきまして、特に都の方の肩をもつわけではございませんが、東京都の区は申すまでもなく、ものと東京市の地域でございまして、その住民の生活上、あるいは文化上というような点から、必ずしも教育委員会まで、それぞれの区に区別する必要はない。むしろ都でまとめて事務をとつた方が便利である、それが適当であるというふうに考えておるのでございます。
○水谷(昇)委員 高津君の御質問に関連してでありますが、ただいま千代田区長の村瀬氏の御説明によりますと、経費の点も他の都市と変りなくなるということは、近き將來にあることでありまして、その人口からいつても、二十万以上三十万、四十万という都市でありますから、これは他の都市に比べますと、五大都市を除いて有力な都市と同じことになります。都道府縣の委員会、こういうのでありまして、都と府縣とは同格のものである。区はより以上人口区域の大なるものでありますが、こういう点から考えて府縣の地方委員会においても、すべての事務が行えるのに、特別区だけが第四十九條第一項の第三号と第四号が認められないということは、これは偏頗な処理であると考えるのであります。そういうのであつたならば、府縣の方でも、局長のおつしやるようにした方が統一がとれていいということにも考えられますが、この点についてさらに御意見を伺いたい。
○辻田政府委員 人口とか、あるいは経済能力とかいう観点から考えますと、先ほど來のお説のようなことになるのでありますが、この五十一條は、そういう人口とか、あるいはまた経済的能力とかいう点から割り出したものではなく、むしろ文化的に、あるいはまた生活形態とかいうふうな面から見て、特に從來一つの東京市としてまとまつておつた地域を区域とします区におきまして、それを教育内容につきまして、また教科書の取扱につきまして、個々に区別する必要は考えられないのでございます。繰返して申し上げますが、人口とか経済能力の点から特に制限をしたというわけではないのであります。
○松本委員長 次へ移ります。 (教育委員会規則) 第五十二條 教育委員会は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し教育委員会規則を制定することができる。 2 教育委員会規則は、一定の公告式により、これを告示しなければならない。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 次に移ります。 (通学区域の設定) 第五十三條 都道府縣委員会は、高等学校の教育の普及及びその機会均等を図るため、その所轄の地域を数箇の通学区域に分ける。但し、必要がある場合には、生徒の就学につきこれを調整することができる。
○田淵委員 この通学区域の設定でありますが、これは公聽会における公述人の方々の公述にまつまでもなく、地域によつては学校そのものが非常に数的に偏在しておる。東京都についてみても、これは明らかであります。これを通学区にわかたなければならぬ。もし必要があるならば、生徒の就学につきこれを調整することができるというのでありますが、想像されますところの就学調整、これだけで片がつく話ではないと思うのであります。從つてこの学校の数的な偏在、これをどのように処理されるつもりであるか。また生徒の就学の調整ということを、どの程度に行われるものであるか、少しく詳細に伺いたいと思います。
○辻田政府委員 第五十三條の通学区域設定の問題でございますが、通学区域を設定して高等学校の教育の普及及びその機会均等をはかりたいというのがこの趣旨でございます。ただいま仰せになりましたように、学校の種別によつて偏在するようなものがあるじやないかという御指摘でございますが、この点はまことにごもつともな点もございます。ただここで申し上げます通学区域というのは、これは一つの都道府縣の範囲内において一種の通学区域を認めるという趣旨ではないのでありまして、從來の普通の課程をもつておる、たとえば中学校から高等学校に昇格したような高等学校については、そこに一つの通学区域が設定されるわけであります。農業教育の高等学校について、一つの通学区域が設定されるということになるのであります。極端な場合には水産学校が一縣に一つしかないという場合もあり得るわけであります。この場合には、一縣で一つの通学区域と申しますか、そういう関係になるわけであります。從つてその観点において、学校の種別等によつてそれぞれそういうものができるということになりますので、御了承願いたいと思います。 それからそういうような実情に合う措置を都道府縣の教育委員会は全縣下を見渡してするのでありますが、なおそういうふうなことをいたしましても、多少生徒の就学について調整しなければならないというような必要が起きました場合には、都道府縣の委員会自身が調整をするという権限をもつておるということになりまして、たとえば甲の区域と乙の区域とも間の斡旋をいたしまして、甲の地域の人たちも乙の地域に通学した方が便利であるというような場合には、そこに調整をすることが認められるわけであります。なお法文にある高等学校というのは、公立の高等学校という意味でございます。それから次は速記をやめていただきたいと思います。 〔速記中止〕
○田淵委員 そうすると一町村地域内に同種の学校が二つ並んであるという場合には、原則としては、都道府縣委員会はそのどちらを選ぼうと生徒の自由である、こういうことになりますか。たとえばごく近くに並んで農学校が二つある。こういう場合において、そのどちらを生徒が選ぼうと、これはもちろん就学の調整ということは言つておりますが、原則としては、同じ縣内に二つしかないという場合にはどちらを選んでもいいわけでありますか。
○辻田政府委員 同種の学校が所在しておる場合はいろいろな場合があると思いますが、公立の高等学校の場合におきましては、大体縣下全体の配置の関係を見て学校が設置されている場合が多いのでございます。從つて隣り合わせて同種の学校がある。たとえば農業学校が道を一つ隔ててあるという場合は比較的少いかと思いますが、そういう場合に、もし必要があればこれは就学の調整をいたしますが、原則といたしましては、甲の農業学校と乙の農業学校とについて、それぞれ通学区域が設定される必要があるのであります。
○田淵委員 これで打切りますが、事実私の郷里なんかは、三里の間に二つの農学校があるのであります。そうした場合に、はたして都道府縣委員会が、どちらの学校でもよろしい、好きな方を志望しろと言うのでも困る。こういう場合があり得ると思う。それからただいまの説明でややわかつたのでありますが、就学の調整であります。これはおのずからこの規定によつて、都道府縣委員会の所管内にあるということでありますか。ただ立法上法文を作成される上において、具体的にどういう例があるかということを予想されていなければならぬと思うのであります。それを二、三聽かしていただきたい。どのような場合に、どのように調整するのか。單に調整するで追つ放しておくのでは、実際上困つた問題が多々出てくる。おおよそのところを予想しておかなければいかぬと思う。
○辻田政府委員 同種の学校につきましては、現在の学校の所在が、一應公立の学校につきましては地域のことを考えて配置されておると思いまするが、しかし場合によつては、その例外ももちろんないことはないのでありまして、比較的近いところに同種のものがあつて、遠方のところにそういう同種の学校がない場合ももちろんあり得ることと思いますが、その場合に、たとえば何々郡と何々郡の者は甲の学校に行く。何々郡と何々郡の者は乙の学校に行くというふうに、通学区域を一應設定いたします。その場合に、その境界にあるような人であつて、実は甲の学校に行くべきであるけれども、交通とか、あるいは地勢の関係とか、いろいろな関係からいつて乙の学校に行くのが適当である場合があります。そういう場合には、都道府縣委員会は、その地域の村については乙の学校に行くというふうに調整することができると思います。
○松本委員長 次に移ります。 〔報告書の提出〕 第五十四條 都道府縣委員会は、地方委員会に対し、文部大臣は、都道府縣委員会及び地方委員会に対し、各所轄区域の教育に関する年報その他必要な報告書を提出させることができる。 2 法律に別段の定がある場合の外、文部大臣は、都道府縣委員会及び地方委員会に対し、都道府縣委員会は、地方委員会に対して指揮監督をしてはならない。
○松本(七)委員 五十四條第二項に関して有力な修正意見が出ておりました。これらは全部まとめて政府で御研究願うことになつておつたのですが、その研究の結果について御説明願いたいと思います。それは第二項の「法律に」とあるのを「この法律に別段の定がある」云々と改めよという修正意見であります。もしもこの修正意見のように「この法律に」ということになりますと、文部大臣の責任、権限というものが非常に薄くなる。五十四條の一項にあるような、ただ報告を提出させるというようなことだけが残りはしないか。各省の大臣がもつ責任、権限というものが、あるいは他の法律等によつて定められる場合があるかもしれない。そういう場合を予想いたしますと「この法律」ということにいたした場合に、他の法律と牴触するおそれがあるのではなかろうかという点が一つ。從つてこれはやはり原案のまま「法律に」ということが適当ではなかろうか。それから最後の「地方委員会に対して指揮監督をしてはならない」。というこの「指揮監督」を「行政及び運営に関する指揮監督」と改めてはどうかという意見でございますが、從來の慣例からいつて、指揮監督といつた場合には、当然行政及び運営に関する指揮監督だという意味に解しておるのではないか。もしそうだとするならば、ここで特に「行政及び運営に関する」という文字を入れる必要はないのではないか。この二点を御説明願います。
○辻田政府委員 第五十四條第二項につきまして、有力な修正意見が提示されておるのでありますが、ただいま松本委員からお話がありましたことと文部省においてはまつたく同樣に考えておるのであります。まず第一に「法律に別段の定がある」の「法律」の上に「この」というふうな文字を入れますと、單に五十四條の第一項にあります年報その他必要な報告書を提出させることだけになるのでありまして、その点では、そういうことになりますると、文部大臣は法律の執行について、國会に対して責任を負うものであるにかかわらず、さようなことは全然できなくなる。また今後指揮監督をすべて法律に定める規定によつてなすことを原案にはうたつてあるのでありますが、そういう意味からいつても、今後できる法律、また現在あります他の法律、たとえば学校教育法律等におきましていろいろな規定がございますが、それらの規定とまつたく矛盾するというふうなことになりまして、はなはだ法全体の立場から申しましても不都合を來すのであります。「この」というふうな字を入れることは断然反対でございます。 それから次に第二点の「指揮監督」の上に「行政上並びに運営上」といつたふうな文字を挿入することにつきましての有力な修正意見でございまするが、この点につきましても松本委員からお話がありました通りでございまして、從來のわが國の慣用語におきましては、こういうふうに「指揮監督」ということで、行政上並びにその運営上のことを全部包含しておつたのでありまして、ここに特に「行政上並びに運営上」というようなことを書きますことは、まつたく別の意味がここにあるのではないかと、かえつて誤解を生ずるおそれもありますので、適当でないと思います。
○松本委員長 次に移ります。 (予算の編成) 第五十五條 教育委員会は、毎会計年度、その所掌に係る歳入歳出の見積に関する書類を作成し、これを地方公共團体における予算の統合調整に供するため、地方公共團体の長さに送付しなければならない。 御意見はありませんか。——次に移ります。 第五十六條 地方公共團体の長は、毎会計年度、歳入歳出予算を作成するに当つて、教育委員会の送付に係る歳出見積を減額しようとするときは、あらかじめ教育委員会の意見を求めなければならない。
○田淵委員 「歳出見積を減額しようとするときは」とありますが、これは減額の場合に限るのですか。増額する場合には勝手にやつてもいいのですか。
○辻田政府委員 さようでございます。
○松本委員長 次に移ります。 第五十七條 地方公共團体の長は、教育委員会の歳出見積を減額した場合においては、教育委員会の送付に係る歳出見積について、その詳細を歳入歳出予算に附記するとともに、地方公共團体の議会が教育委員会の送付に係る歳出額を修正する場合における必要な財源についても明記しなければならない。 御質疑はありませんか。——次り移ります。 (予算の執行) 第五十八條 地方公共團体の議会において予算を議決したときは、地方公共團体の長は、教育委員会の所掌に係る予算を、当該教育委員会に配当しなければならない。 第五十九條 教育委員会は、その所掌に係る予算について、その配当の範囲内で、支出を出納長又は收入役に命令する。 御質疑はございませんか。——では次に移ります。 (議会の議決を経るべき事件) 第六十條 教育委員会は、法令により地方公共團体の議会の議決を経るべき事件のうち、左のものに関する議案の原案を、地方公共團体の長に送付する。 一 教育目的のための基本財産及び積立金の設置、管理及び処分に関すること。 二 教育事業のための地方債に関すること。 三 授業料その他教育に関する使用料及び手数料に関すること。 四 第三十一條第二項、第四十五條第三項及び第六十九條第二項に規定する條例の制定又は改廃に関すること。 御質疑はありませんか。——では次に移ります。 第六十一條 地方公共團体の長は、前條各号の事件につきその議案を地方公共團体の議会に議決に付するに当つて、教育委員会の送付に係る原案を修正しようとするときは、あらかじめ教育委員会の意見を求めなければならない。 御質疑はございませんか。——では次に移ります。 第六十二條 地方公共團体の長は、教育委員会の送付に係る原案を修正した場合においては、その議案に教育委員会の送付に係る原案及び教育委員会の意見を附記しなければならない。 何か御質疑はございませんか。——では次り移ります。 (教育長の代理執行) 第六十三條 委員が、すべて欠けて、第二十五條第二項の規定によることができない場合には、教育委員会の行う事務は、教育長が、これを行う。 2 前項の規定による処理については、教育長は、次に会議において、これを教育委員会に報告しなければならない。 別に御質疑はございませんか。——では次に移ります。 第四章 特別教育区に関する補則 (特別教育区) 第六十四條 人口一万以下の町村は、教育目的のために市又は人口一万以上の町村と、若しくは人口一万以下の町村のみで、市町村の一部事務組合を設けるものとする。 2 前項の市町村の一部事務組合は、これを特別教育区と称する。 3 第一項の特別教育区のうち、人口一万以下の町村のみで設けるものは、その人口は一万以下であつてはならない。
○水谷(昇)委員 この第六十四條は、第三條が認められますと書きかえなければならないと思いますが、これは後まわしにしたらどうですか。
○松本委員長 ではさよういたします。 第六十五條 前條に規定する特別教 育区の設置は、都道府縣委員会 が、町村の議会又は町村の議会及 び市の教育委員会とはかつて、こ れを行う。 別に質疑はございませんか。——では次に移ります。 第六十六條 特別教育区の議会の議 員は、特別教育区を構成する市町 村の議会が、議員のうちから、こ れを選挙する。 2 前項の規定により、市町村の議 会が選挙する議員の定数は、市町 村の議会で、これを定める。 3 特別教育区の議会の議決につい ては、前項に規定する。議員の定 数にかかわらず、各市町村は、一 つの表決権を有するものとする。 これについて御質疑はございませんか。
○伊藤(恭)委員 この第二項に「市町村の議会の選挙する議員の定数」ということがありますが、前條においては市町村の地方議会からは一名ということがはつきり載つておりますが、この議員の定数というのは、たとえば三箇町村が合併しているときは、その各三箇町村から一人ずつ出すというような意味のことを含めておるのか、ただその三箇町村で一人を出す場合のことを言うのか、この辺がどうもはつきりいたしませんから、ひとつお伺いしたいと思います。
○辻田政府委員 ややおわかりにくい規定かと思いまするが、これは要するに数箇村が集まりまして特別教育区を設定いたします場合に、それ自身が町村の一部事務組合になるわけでありますが、その場合に一部事務組合を構成しておる町村相互の申合せによつて一つの議会がそこに誕生するわけであります。その議会に出てくる議会の議員は、六十六條の第一項によつて特別教育区を構成する市町村の議会が議員の中からこれを選挙するわけでございますが、しかしその構成する甲乙丙のそれぞれの村からどれだけ組合の議会へ出ていくかという問題について、その数はそれぞれの構成している市町村の議会で定めるということでありまして、組合の議会を構成する市町村の議会から選出する議員の人数はそれぞれの議会できめるというわけでございます。從つて甲の村と乙の村と定数が違う場合はもちろんあり得るわけですが、そこで次の三項が出てくるわけであります。しかし数はそれぞれ違いましても、組合以外における表決権は一町村それぞれ一票であるということにいたしまして、教育委員会の一部事務組合である特別教育区の教育委員会にその組会議会から出ていく人の定数という意味ではなく、構成しておる町村の議会から組会議会に出ていく人数の問題を書いてあるわけであります。
○田淵委員 ただいまの質問に関連してでありますが、特別教育区を構成する市町村の議会のその内容をもう一度はつきり御説明を願いたい。
○辻田政府委員 特別教育区を構成する市町村の議会と申しますのは、特別教育区は、先ほど申しますように町村における議会でありますので——それを構成する市もある場合もございますが、多くの場合は町村でありまして、数箇町村が集まつて一つの特別教育区を構成するわけであります。その構成は個々の町村の議会でございます。この議会が議会の議員を選挙する。
○田淵委員 その議会とはどんなものですか。
○辻田政府委員 地方公共團体の議会のことです。
○田淵委員 それではまぎらわしい。特別教育区の議会の議員というように、ここに議会という言葉が二つ重なつて出ることは、ちよつと読んでみたときに混同を招くおそれがあるということを言つておるのです。
○松本委員長 次に移ります。 第六十七條 特別教育区の教育委員 会の委員の選挙に関する事務は、 都道府縣選挙管理委員会が、これ 管理する。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 では次に移ります。 第六十八條 特別教育区の実施に関 して必要な事項は、別に政令で、 これを定めることができる。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 次に移ります。 第五章 雜則 (学校その他の教育機関の職員) 第六十九條 都道府縣及び市町村に 校長、教員及び学校の事務職員を 置く。 2 校長、教員及び学校の事務職員 の定数は、法律又は政令に別段の 定がある場合の外、当該地方公共 團体の條例で、これを定めなけれ ばならない。 3 校長及び教員の身分に関して は、この法律に別段の定があるも のを除く外、教育公務員の任免等 に関する法案の定めるところによ る。 4 教育委員会の所管に属する学校 以外の教育機関に、必要な職員を 置く。
○黒岩委員 第六十九條の教員の定数につきましては、法律上はつきりきまつておると思いますが、別に公共團体の條例で定めるだけの余裕を残されておる点を御説明願いたいと思います。
○辻田政府委員 義務教育に関しましては御説の通り法律できまつておると思いますが、義務教育以外の教育機関につきましては、法律上の定めがありませんので、そのことにつきましては條例で定めるというふうにいたした次第であります。
○松本委員長 次に移ります。 (教育職員等の身分取扱) 第七十條 教育委員会の任命に係る 教育職員のうち、別に教育職員の 免許に関して規定する法律の定め る教育職員の免許状を必要とする 職員の身分取扱に関しては、この 法律に定めるものを除く外、教育 公務員の任免等に関する法律の定 めるところによる。 2 前項以外の職員の身分取扱に関 しては、この法律に定めるものを 除く外、別に地方公共團体の職員 に関して規定する法律の定めると ころによる。 (職員の給與) 第七十一條 前條第二項に規定する 職員の給與に関しては、地方自治 法第八章に規定する地方公共團体 の長の補助機関たる職員の給與に 関する規定を準用する。 附則 第七十二條 この法律は、昭和二十 三年七月一日から、これを施行す る。
○伊藤(恭)委員 これも七月一日を過ぎておりますが、どうですか。
○辻田政府委員 この点につきましては、私の方から何か意見を申し上げるのは何でございますが、できれば公布の日からこれを施行するというふうに、さいわいに通過いたしましたならば、直していただければいいのではないかと思います。
○松本委員長 次に移ります。 第七十三條 特別教育区の設置は、 昭和二十五年七月三十一日まで に、これを行わなければならな い。
○田淵委員 昭和二十五年七月三十一日となつておりますが、二十二年ですね。これは施行の日が動くことによつて輝き得るのですか。
○辻田政府委員 この法律案の第七十二條によりまして一應最初は都道府縣と市については七月一日から施行するということになつておりますが、七十三條は七十二條のいわば特例を設ける結最になるのであります。從つて二十五年七月三十一日というのは、当然動かないのでありまして、このままでいきたいと思つております。
○松本委員長 次に移ります。 第七十四條 人口一万以上の町村及 び特別教育区に設置される教育委 員会の委員の最初の選挙は、昭和 二十五年十月三日に、これを行 う。
○松本(七)委員 この点は有力な修正意見として「十月三日」とせずに「十月第一火曜日」にせよというようなことが述べられておりますが、從來の日本の法律の慣例から言つて、ここで十月第一火曜日というようなことを入れると不体裁ではないかと思うのですがどうでしようか。
○辻田政府委員 ただいま松本委員からお話のありましたように、第一火曜日とか第二火曜日とかいうような表現は、日本の固有の表現と違うので、何だかここだけそういうような言葉を使うと、奇異な感じをもたすように思うのであります。從つてできれば日によつて示すということが適当であろうと思うのですが、しかしながら、この点について、どうしてもそれでは困るというような理由はございません。
○田淵委員 但しこれは非常に有力な意見というか指示なのであります。第一火曜日ということの意見が出たのは、何か第一火曜日でなければいかぬという意味がなければならぬと思うのですが、これは專門調査員の方にひとつ、御存じでないかもわかりませんがお尋ねしてみたい。
○宇野專門調査員 この件は私も忖度でありまして、直接聞いておりませんから、どういう意図かわかりませんが、多分投票日の関係で休日でもぐあいが悪いという点から火曜という指示があつたのではないかというような氣がするのであります。ただ推察だけであります。
○松本委員長 次に移ります。 第七十五條 この法律施行後都道府縣又は市の教育委員会が成立するまでの間、教育委員会の職務権限は、從來都道府縣知事又は市民の権限に属する範囲内において、それぞれ都道府縣知事又は市長がこれを行う。但し、市の教育委員会の職務権限に関しては、第四十九條第三号から第五号までに掲げる 御意見ありませんか。——次に移ります。 第七十六條 この法律により初めて行う都道府縣又は市の教育委員会の委員の選挙は、昭和二十三年十月五日に、任期四年の委員の選挙と、任期二年の委員の選挙とをそれぞれ一つの選挙で合併して、これを行う。
○松本(七)委員 こういう重要な改革を行つて最初の選挙をやろうというのに、この原案では、七月一日に施行して十月五日に最初の選挙をやる。こんな短期間で、はたして十分な趣旨の徹底、その他準備が完了するかどうか、はなはだ疑わしい。この法律が重要な改革に資する力が大きければ大きいほど、十分にこの趣旨を徹底させて、第一の発足はりつぱなものにする必要があろうと思う、そういう意味から、少くとも半箇年ぐらいの準備期間を置かなければならないのではないか、こういう意見をもつておるのです。わずか三箇月やそのくらいでりなぱになし遂げるという自信がおありですか。
○辻田政府委員 ただいまのお説は、まことにごもつともでございまして、こういうような改革の行われまする法案につきましては、十分その趣旨を徹底しなければならないと思います。從つて少くとも半箇年間ぐらいの余裕をもつて実施するのが適当であるということについては、まつたく賛成なのでありまするが、本年度中に、特に明年度の予算を編成することにつきまして、できるだけ早く委員会を成立させる必要があるという考えのもとに、十月五日というふうになつたのでございます。從つて文部省としましては、全力をあげて法案の趣旨の普及徹底につきまして努力いたしたい考えであります。
○松本(七)委員 選挙に関する費用は、國庫で負担するのですか。
○辻田政府委員 本法案の第五條でこの点に触れたのでございますが、選挙の関する費用は当該地方公共團体の負担となるのであります。ただしその財源につきましては國の方で心配いたしまして、地方には直接には御迷惑のかからないように手配しておるのでございます。
○松本(七)委員 その金額については、相当計画ができておるというふうに聞いておりますが、いかがですか。
○辻田政府委員 本年度の十月五日に施行されます選挙は、都道府縣と市の教育委員会に予定されておりますので、その費用は一億五千八百万円余になつております。この額を地方分與税等の操作によつて、地方に財源を織りこんでおるのでございます。
○松本委員長 次に移ります。 第七十七條 前條の選挙が行われたときは、都道府縣知事又は市長は、七日以内に教育委員会の会議を招集しなければならない。 2 前項の会議の開催をもつて、教育委員会が、成立するものとする。 御意見はありませんか。——次に移ります。 第七十八條 教育委員会が成立した場合においては、その成立の日から、都道府縣知事にあつては三十日以内、市長にあつては二十日以内に、第四條に規定する事務を当該教育委員会に引き継がなければならない。 第七十九條 前條の規定による事務引継の場合においては、都道府縣知事又は市長は、書類、帳簿及び財産目録を調整し、処分未了若しくは未着手の事項又は將來企画すべき事項については、その処理の順序及び方法並びにこれに対する意見を記載しなければならない。 第八十條 前二條に規定するものの外、第七十八條による教育委員会の事務引継に関しては、地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第四章第一節に規定する普通地方公共團体の長の事務引継に関する規定による。 第八十一條 昭和二十三年十月五日に都道府縣の教育局部の長及びその職員並びに市の教育に関する事務主管の長の地位にある者及びその職員は、それぞれ現にある級及び現に受ける号俸に相当する給料をもつて、都道府縣又は市の教育委員会の教育長又は事務局の職員に、任用されたものとみなす。 2 前項の教育長の在任期間は、昭和二十四年三月三十一日までとする。
○田淵委員 何ゆえに昭和二十四年三月三十一日まで、都道府縣の教育局部の長たるものが教育長とみなされて事務を取扱わなければならないか、その理由を伺いたい。
○辻田政府委員 この條項は日教組その他から私の方に御意見が出ておるのでありますが、これは現在の教育の部局の長を教育長に振りかわりましての衣任期間を長くするという意味でなしに、むしろ政府といたしましてはこれを三月三十一日に切つて、短かく制限するという趣旨にほかならないのでございます。三月三十一日と申しますのは、これは年度の変りであります。本年度は途中で事務者が変りますと、事務がいろいろ澁滯することもあろうと思いますので、原則として三月三十一日まで引続いてやるというのであります。 それからなお第二の理由といたしましては、これは直接法文には現われていない事項でございますが、教育長、指導主事、大学の行政官、あるいは青年指導者等につきまして、アメリカからも講師が約二十名來朝されまして、その講師の指導のもとに長期の講習会が実施される予定でございます。その講習会は、さいわいに法案が通りますれば、本年度中に二回実施することになつております。そこでそういうふうな講習会の事務等の関係事項等につきましても、途中で引継ぐということになりますと、いろいろ不便不都合なことが起りますので、かように規定した次第であります。
○田淵委員 重ねて尋ねますが、三月三十一日までというのは長いのではなく、むしろ短かいのであるということですが、私はやはり長いと考えます。教育委員会が成立したならばただちに教育長は定められなければならぬ。何ゆえにその間教育長を定めずにおくかということであります。ただ事務引継上、あるいは事務に堪能でないがゆえにある期間これに代行するというのであるならば、それははつきり代行と規定すべきである。教育長はただちに設けなくちやならぬ、このように考えるのですが、教育長を設けて、教育長のとるべき事務に援助を與えるという形をもつてなぜ事務を行われないのか、その点を一つお尋ねいたしたい。
○辻田政府委員 ただいまお話の御趣旨はよくわかるのでありますが、さきに教育長の場合に申し上げましたように、教育長は相当の資格を必要とするのでありますが、その暫定的な間におきましては、先ほど申し上げました講習を受けた者から直接これを採用する。これは教育委員会が採用するということになるのでございますが、現在の段階においては、その有資格者がないのでございます。從つてとりあえずと申しますか、現在の事務をやつている者をそのまま一應横すべりにいたしますが、しかし適当な資格を得た者が養成された場合には、それによつて新しく教育長を任命するということが、最も実情に即した方法であると考えるのであります。
○松本(七)委員 せんだつての答弁では、暫定的にははつきりした資格の規定ができなかつた。しかし有能な者を選ぶことができるというようなことでしたが、そうすれば委員会が成立して教育長その他の者を任命するまで、こういつたもので代行させておけば、それで済むのではないか。わざわざ三月三十一日までこれらの者を置いておいて、そうしてそれらのみが講習を受けるということになれば、やはり講習を受けた者の方が、教育長に適任だというので、その後も引継いてこういう者のみが教育長に留まることになるおそれがあると思う。教育委員会で選んだ者が、少しでも早くその講習を受けて、よい教育長になるということを考えるならば、むしろこの期間をなるべく短かくして、講習というようなことが必要であればあるほど、教育委員会が教育長を正式に任命するまで代行することが適当ではないかと思うか、その点のお考えはどうですか。
○辻田政府委員 先般経過的な場合におきまして、学識経驗者から教育長をとつて差支えないということについて申し上げたのでありますが、それは少しも変らないのであります。ただ八十二條に関して、特に教育長の資格を有する者を得ることができない場合には、規定してある資格はもつておらないけれども、学識経驗ある者の中から教育長を任命することができるという趣旨でございます、この八十一條によりまして「三月三十日まで」と書いてはありますが、しかしこの場合においても、現在の部局長が他に轉する場合もありましようし、またみずからやめる場合もありましようし、あるいは死亡する場合も、いろいろありますが、そういう場合におきましても、八十二條の規定によりまして、学識経驗者の中から適当な方を臨時に教育長として任命することことができるように規定してあるわけであります。從つて私が先ほど三月三十一日までと区切つたのは、これは最大限三月三十一日まで在任するのであつて、それ以後においては当然には在任できないということを意味する、こういう意味におきまして、これはむしろ制限的な規定であることを申し上げたのであります。なお現在の教育局部の長を特に温存するというような考え方で、この規定ができているものではないのであります。 それから先ほど講習会の受講者につきまして、現在の教育局部の長だけか講習会の受講者の資格があるかのように、私の説明がとれたかもしれませんが、その点はそうではありません。誤りでありまして、これは廣く講習会にだれでも受講できるのでございます。しかしそれにはやはり一定の受講の資格というものはきめられるとは思いますが、現在の教育部の長に限るということはないのでございます。
○松本(七)委員 この主管の長を教育長として温存しようという意図がないことはよくわかるのですが、それならばどうしてもこれは教育委員会で選任するまで代行するということに止めておかないと、この八十一條の規定をすると、せつかくの第八十二條の規定が死んでしまうことになるんじやないか。温存する意図ではないかもしれませんが、結果においてはこれは温存することになるおそれが多分にあると考えられる。その点まだそういう危險が全然ないというふうに理解できませんが……。
○辻田政府委員 この八十一條の第一項によつて、一應十月五日に事務局が横すべりするということをうたつたわけでありますが、その場合にいろいろな事情が起つてこようと思います。すなわちその以前に教育局の部長をやめる、あるいはまた他に轉じたいというふうな者も相当できるかもしれません。そこでそういう場合には八十二條によつて全部処理するわけでありまして、八十二條はその場合に相当廣く適用される規定であろうと思つているのであります。先ほど來申し上げますように、この八十一條第二項は、教育長の温存意図は全然ないことを重ねて申し上げて御了解を願つておきます。
○松本(七)委員 教育委員会が教育長を選任するまで、この主管の長を代行させるという規定にした場合に、どういう不便があるか、その点を伺います。
○辻田政府委員 お話の要点はよくわかりましたが、八十一條の第二項を、前項の教育長の在任期間は、教育委員会が正規の教育長を任命するまでといたしますと、教育委員会によつては、三月三十一日までに任命せずに、ずるずるとさきに延びていくような場合も予想されるわけですが、われわれといたしましてはそこに一線を画しまして、三月三十一日までは最大限続くけれども、それ以後は、特別再選されない限りは、他の適当な人をもつて代えるのだということをここにはつきりしたつもりであります。
○松本(七)委員 それでは逆に、その教育委員会が教育長を任命しなければ、期限をきめたらどうですか。そつちの方で押える。
○辻田政府委員 たとえば昭和二十四年の二月十日までに新しき教育長を任命して、それまでを現在の教育長の在任期間とするというような規定の仕方も一つの方法かと思いますが、現在講習会を予定しておりますので、その講習会を受講できた人が、できればその新しい資格者として教育長になつていくのが適当であろうと思うのであります。その講習会を開かれますのは、大体講習会のためにアメリカから來朝しますのが九月のように聞いておりますが、正規の講習を受けた者の中から、できれば教育長をとつていただきたいというような考えのもとに、あるいは三月三十一日の方が適当じやないかと思うのでございます。
○松本(七)委員 講習会というのは九月からどのくらいまでやる予定ですか。
○天城説明員 講習会の件はまだ未定でございますが、大体この秋ごろから始まりまして、二回にわたつて行よ予定ですから、その講習会を経て正規の資格ありと考えられる候補者が出るのは、やはり本年度一ぱいということにしておかないと、その前に任期を限りましても、やはり代理の者が出るということになるので、そつちの方とにらみ合わせて、本年度一ぱいということにしたわけです。
○田淵委員 この規定で、資格を有しない者の中から教育長を任命することができるというのは、昭和二十四年三月三十一日より後においてのことですか。
○辻田政府委員 三月三十一日までの間におきましても、前項の教育長が欠けましたときには当然できるわけであります。
○田淵委員 そうするとこの文章も妙なものだと思います。教育長とみなされるものが欠けた場合においては、これを用いることができる。そうすると、この規定というものは融通性のあるよい規定だということも言い得るでありましようが、むしろ前項の規定というものを強力に支持しているところの規定だと私は思う。局部長が教育長とみなされるところで、教育長の職務権限を行使することが容易にできるようになつている。その点は私はむしろ局長の説明よりは、反対の意解をもつのであります。これによつて、かえつて代行すべき部局長以外の者、資格を有しない者の中からこうした人たちをとり得る規定ではなくて、むしろ部局長にして、教育委員会成立と同時にその職を離れるごとき人たちに非常に便利のよい規定である、このように考えるのですが、御見解はいかがですか。
○辻田政府委員 この八十一條の第二項によりまして、現在の教育部局の長でかまわぬのじやないかというお考えのように思われますが、この点は先ほど來繰返して申し上げますように、温存するとか、特別その地位を擁護するというふうな意味で、この規定をしておるのではないのでありまして、一方には今回の教育委員会の制度の設置あるいは施行ということは、全面的に教育行政の変革をもたらすものでありますから、その場合に非常に事務が澁滯するとか、あるいは事務が齟齬する、混乱するというふうなことをできるだけ防がなければならないのであります。從つて、できるだけ自然にと申しますか、あまり無理なしにこの教育委員会の制度が確立されるように、もつていかなければならないと思いまして、そのために事務の円滑を期する意味合から申しまして、現在の教育局部の長以下事務局をそのまま右から左に横すべりするようにすることにしておるのであります。それが一つの理由であります。なお特に次の教育長自身の問題については、これはもちろん適当な学識経驗ある者を選ぶということもよいのでありますが、しかし今申しました第一の理由によつて、突如としてその学識経驗のある方が來られましても、場合によつては非常に困られる場合もあるのじやないかと思いますので、この間においてやむを得ない場合には、もちろんそれを代行することも差支えないのであります。しかし一應の原則として現在の教育局部の長が年度末まで仕事をする、そうしてそこで打切つてそれから新しく事務局の長がかわつて來るというふうにして、一線をここで画しておいた方がよいと思つて、ここに規定をしたのでございます。從つて現在の教育長を得ることが比較的困難である、学識経驗ある者を得られましても、すぐやめなければならぬ。たとえば八十二條によりましても、一箇年となつておりますので、やめなければならぬというふうなことになりましても、人事の運営上支障がありますので、できれば正規の講習会を受けた者を充てたいというふうな氣持がありまして、現在の部局長が欠れるような場合には、できるだけ資格者をもつて充てる方が、その人のためのみならず、教育行政の全般からいつて、むしろ適当じやなかろうかというふうに考えておるのでございます。
○松本委員長 いかがでしようか、本條は相当重要であるわけでありますが、これは後ほど修正するかしないかということに讓りまして、時間もかなり経過しますので、質疑は一應打切るようにしてはいかがですか。
○田淵委員 修正案を出すためにも、これはぜひとも尋ねておかなければならぬと思います。教育長の任務を代行する教育官僚は、局部長以下ここに書かれている者すべてがなり得るのですか、それともこれは職員となるのですか、そこのところがはつきりしない。それからもし局部長以下ここに述べられている各種の教育事務官僚によつてこれがなされるとするならば、局長のおつしやるような教育長とみなして、働かれる人が欠けるようなことは、万が一にもあり得ることじやない。しかももし講習会でも受けた後において——おそらく三月三十一日までには講習会も受け終つて、有資格者が出ると思うのでありますが、ともすれば、資格を有しない者の中からとり得るというのは、講習などを受れた有資格者などは得られない場合という、三月三十一日より後の規定になつているじやないか。どうもこの辺あいまいでならないのであります。どの範囲において教育長の代行をするのか、教育長とみなされ得るのか。局部長がなるのですか。局部長及び職員並びに市の教育に関する事務主管の長の地位にある者及びその職員は教育長とみなされ得るのですか。どれがどの範囲になるのか、これははたしてみななり得るのでありますか。
○辻田政府委員 これは都道府縣の教育局部の長及びその都道府縣の局部の職員——職員とありますのは、そうであります。並びに市の教育に関する事務主管の長、たとえば事務局長及び市の学務課長といつたような、それはいろいろ呼称は違いますので、事務主管の長というふうにしたのでありますが、長の地位にある者及びその職員——ここには、「その職員は、それぞれ」とありますが現にある級及び現に受ける号俸に相当する給料をもつて、都道府縣または市の教育委員会の教育長または事務局の職員に、任用されたものとみなすというふうに法律用語にいたしまして、辞令を用いずに、それぞれ任用されたものとなるという意味であります。從つて都道府縣の教育局部の長は、都道府縣の教育委員会の教育長に任命されたものとみなされる。また都道府縣の教育局部の職員は都道府縣教育委員会の事務局の職員に任用されたものとみなすということでありまして、それは市についても同樣であります。それは「それぞれ」ということでわかるのではないかと思います。ただその場合に教育長については、御承知の通り任期が定まつているわけであります。四十一條の三項によりまして「教育長の任期は、四年とする。但し再任することができる。」というふうにいたしまして、普通であれば、教育長にみなされた場合におきましても、任期は四年あるわけであります。しかし前項の規定によつて教育長にみなされた者については四年も任規があるのではなくて、昭和二十四年三月三十一日、いわば半年余りしかないということをここに規定したわけでありまして、八十一條の第二項は、法規の関係から申し上げますと、いわば四十一條の第三項の例外規定をなすものであります。
○水谷(昇)委員 「教育長の在任期間は、昭和二十四年三月三十一日までとする。」こう限定してありますが、他の職員は任命されたものとみなすのでありますから、氣に入らぬ者でもやめさせるわけにはいかぬように思います。そういたしますと、結局皆が心配しておりまする温存するということになるわけでありますが、その点はどうでありましようか。
○辻田政府委員 先ほど申し上げましたように、教育長につきましては、任期の規定があります関係上、その点を明らかにしておきませんと——八十一條の二項がないと、当然には四年間継くことになるのであります。それでは困るので、最小限度にしたい。しかも最少限度には一定の限界がございます。円滑に事務の運営ができますためには、若干その方面からの要請があります。それとまた一方には教育委員会ができたのに、教育長がいつまでも元の人がやつておるということでは、新鮮な空氣も注入されませんので、そこで両方の要請をもつて三月三十一日で教育長については打切つた。從つて任期に関する例外規定だということを申し上げたのであります。ほかの職員については任期がないわけであります。でありますから、極端に申しますと、いい職員についてはずつと長く続きましようし、適当でないと思われまする職員については、教育委員会でこれを罷免することももちろんできるわけでございます。
○織田委員 ここの点は、何でもないようで、一番重要な問題じやないかと私は思うのです。というのは、ここ一歩誤れば、教育委員会に選挙された者というのは、結局形式的なものになつてしまつて、実質的なものは何ら変らない。ということは、國費を使つて、國民の税金で選挙したことがむだになるという結論が得られるのじやないかと憂うる点であります。この点について各委員が質問しましたが、御答弁を聽いておりましても、温存しようとする意思はないのだというふうに答えながら、すぐかえるということは、事務が円滑にいかないとか、また学識経驗者であつても、慣れておらなければ混乱するおそれがあるということは、すなわち温存しようとする意図が含まれておるのではないかと私は考える。先ほどの御答弁をずつと聽いておりますと、一貫したものはなくて、矛盾しておるように感じさせられるのです。そしてもし温存しようとする意思がないのであるならば、八十二條と八十一條とを位置をかえて八十二條の方を先にもつてくる。教育長を任命することができるが、もしそれが適当な人物が見つかるまでの間は続いて今までの部局長に代行せしめることができる。但しこの期間はいついつまでだというようにすれば、松本委員や田淵委員の質問した條項ははつきりしてくるのではないかと私は考えます。
○黒岩委員 教育長になる候補者の講習をやる。そして本年は二回やられるというのですが、一回の大体の人数、それから資格について今まできまつておることを御説明願いたいと思います。
○天城説明員 現在確定的なところまで行つておりませんが、一應案にあるところだけを申し上げます。先ほど申し上げましたように、この点はひとり教育長だけではありませんので、指導主事、大学の行政官及び教育指導者を含めまして出すつもりになつておりますので、その総数を初めのころは大体二千名か千五百名ぐらいというように予定しておりました。なおこれにつきましては講師も向うから参りますし、日本側の講師も、まだ選定しておりませんが、出るはずになつております。講習会を全國何箇所かで分散してやるのが便宜かと思いますが、講師の関係でそれもなかなかむずかしいし、さりとて一箇所で多勢の者を集めてやることも場所の関係で困難があつたりして、それらの点についてはなお考究中でございますので、規模についてははつきりしたことが目下判明いたしておりません。講習会は三箇月のを二回いたしますので、大体今年の秋から來年の冬にかけて二回の講習会があるという予定でございます。講習資格につきましては、今確定的なことはわかりませんが、一應考えられております点は、教育行政に一定の年限経驗のある者、あるいは教育行政というものを廣く考えまして——もちろん学校の校長や視学というものも包含されます。学校を卒業した者でなお一定の教育行政の経驗のある者を受講者とする考えでございますが、範囲は何年やつた者とすればいいという最後的の決定にはまだなつておりません。
○黒岩委員 この講習会は継続的に年々やられる御計画ですか。その二面に止めるというのですか。
○天城説明員 本年は一應二回の予定でございます。なおこれも案でございまするが、新しい大学における教育行政ないし財政というような学科ができて、これの卒業生が出るまでの間は、こういう形式の講習会が続く予定でおります。
○松本委員長 では次に進みます。 第八十二條 教育委員会は、当分の間、第四十一條に規定する教育長の資格を有する者を得ることができないときは、その資格を有しない者のうちから、教育長を任命することができる。前項の教育長の 2 任期は、これを一年とする。
○平川委員 前の八十一條と一緒に考えたときに、こういう場合がこの條文によつて可能になるかどうかお尋ねしたいのであります。現在おる教育局部の長並びに職員を教育長に任用されたものとみなす。そしてそれが三月三十一日まで継続する。また今度は教育委員会は教育長の資格を有する者を得ることができないと判断したときには、その者をまた一年継続任命する。さらに一年経つたときにそれを任命するということがあり得るかどうか、ちよつとお伺いします。
○辻田政府委員 適当な人をどうしても得ることができない場合には、そういうことはあり得ると思います。
○平川委員 そうするとやはり先ほどからの問題になつておることが、一層はつきりしてくるだろうと思います。この点は保留いたします。
○松本委員長 次り移ります。 第八十三條 都道府縣又は市の從前の條例又は規則のうち教育に関するものは、これをこの法律に基いて設けた條例又は教育委員会規則とみなす。 御質疑はございませんか。——それでは次に移ります。 第八十四條 この法律施行の際における公立学校の校長、教員及び学校の事務職員の各級別の定数は、現に公立学校官(昭和二十一年勅令第二百十三号)の規定による地方教官又は地方事務官たる者の定員による。 2 前項の定数は、第六十九條第二項の條例で、これを設けたものとみなす。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 それでは次り移ります。 第八十五條 この法律に別段の定があるものを除く外、第七十條第二項に規定する職員の職階制、試驗、任免、給與、能率、分限、懲戒、保障、服務その他身分取扱に関しては、別に地方公共團体の職員に関して規定すり法律が定められるまでの間、都道府縣又は市の事務吏員に関する規定による。但し、政令で特別の規定を設けることができる。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 それでは次に移ります。 第八十六條 公立学校の事務職員で地方事務官たる者の職階制、試驗、任免、給與、能率、分限、懲戒、保障、服務その他身分取扱に関しては、別に地方公共團体の職員に関して規定する法律が定められるまで、從前の公立学校の地方事務官に関する各相当規定を準用する。但し、政令で特別の規定を設けることができる。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 次り移ります。 第八十七條 この法律施行の際、現に公立学校の事務職員で地方事務官たる者は、この法律若しくはこれに基く政令又は他の法律で別に定めるものを除く外、それぞれ現にある級及び現に受ける号俸に相当する給料をもつて当該公立学校の事務職員に任用され、引き続き現にある職に相当する職に補せられたものとする。 御質疑はございませんか——次り移ります。 第八十八條 この法律施行の際、現に公立学校の事務職員で地方事務官たる者が、引き続き当該公立学校の事務職員となつた場合には、これを從前の身分のまま勤続するものとみなし、当局の間、これに恩給法(大正十二年法律号四十八号)の規定を準用する。この者が当該公立学校の事務職員から更に官吏となつた場合には、恩給法の適用については、その当該地方公共團体の職員としての在職期間は、これを公務員としての在職年に通算する。 御質疑はございませんか——次に移ります。 第八十九條 第四條の大学には、当分の間、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十八條の規定により從前の学校として存続する高等学校、大学予科、專門学校及び教員養成諸学校を含むものとする。 御質疑はありませんか。——次に移ります。 第九十條 教科用図書は、第四十九條第四号及び第五十條第二号の規定にかかわらず、用紙割当制が廃止されるまで、文部大臣の檢定を経た教科用図書又は文部大臣において著作権を有する教科用図書のうちから、都道府縣委員会が、これを採択する。 御質疑はありませんか——次に移ります。 第九十一條 人口一万以上の町村及び特別教育区に教育委員会が設置されるまでの間、町村の教育に関する事務は、從來町村又は町村長の権限に属するものを除く外、都 道府縣委員会が、これを所管する。 〔「異議なし」と呼で者あり〕
○松本委員長 それでは次に移ります。 第九十二條 人口一万以上の町村及び特別教育区に設置される教育委員会の成立に関しては、市の教育委員会の成立の場合の例による。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 それでは次に移ります。 第九十三條 地方学事通則(大正三年法律第十三号)は、これを廃止する。 御質疑はありませんか。——次に移ります。 第九十四條 特別教育区が設けられるまでの間、教育事務のために設ける市町村の一部事務組は、これを市町村学校組合と称する。 2 市の加入する市町村学校組合にあつては、その執行機関として、教育長をもつてこれに充てることができる。 御質疑はございませんか。——次に移ります。 第九十五條 地方学事通則に規定する学区の財産は、同法第四條の規定に從い、昭和二十三年十二月三十一日までに、これを処分する。 御質疑はありませんか。——次に移ります。 第九十六條 教科書の発行に関する臨時措置法(昭和二十三年法律第 号)の一部を、次のように改正する。 第五條一項、第六條第一項及び第二項、並びに第七條第一項及び第二項中「都道府縣知事」を「都道府縣の教育委員会」に、第七條中「國立の学校の長」を、「市町村又は特別教育区の教育委員会、國立及び私立の学校の長」に改める。 御質疑はありませんか。——それでは次に移ります。 第九十七條 学校教育法の一部を次のように改正する。 第二十九條、第三十一條、第三十二條及び第七十四條中「その議会の議決を経て、」を削る。 第三十四條中「公立又は」を削る。第三十條、第三十一條及び第三十三條中「又は町村学校組合」を削る。 第百六條第二項として、次の一項を加える。 第四條の認可する監督廳及び第十四條の監督廳は、公立学校については、当分の間、これを都道府縣委員会とする。 第百七條 この法律において市町村立小学校の管理機関とは、当分の間、教育委員会の置かれない町村にあつては、これを町村長とする。 御質疑はありませんか。——それでは次に移ります。 第九十八條 地方自治法の一部を次のように改正する。 第百二十一條中「監査委員及び市町村の公安委員会の委員」を「監査委員、市町村の公安委員会の委員及び教育委員会の委員」に改める。 第百二十五條中「監査委員又は当該市町村の公安委員会」を「監査委員、当該市町村の公安委員会及び教育委員会」に改める。 第百五十八條中 「四 教育局 (一) 教育学藝に関する事項」及び 「三 教育部 (一) 教育学藝に関する事項」を削る。 第百七十三條第一項中「、技術吏員及び教育吏員」を「及び技術吏員」に改め、同條第四項を削る。 御質疑ございませんか。 これにて逐條の審査を終りましたが、なお御質疑があれば、御発言願います。
○黒岩委員 これで散会をして懇談会に移してはどうかと思います。お諮り願います。
○水谷(昇)委員 この教育委員会法案に対する関係方面からの修正意見ですが、この点はどうするということをきめておいたらどうですか。たとえば第七十四條のごときは、相当長いものですから、これを審議しておいた方がいいと思います。すなわち「教育委員会の存する市町村と他の町村とで一部事務組合を設けて特別教育区を作る場合、任期満了前の委員は特別教育区の教育委員として引きつづき在任し任期四年の委員のみの選挙を行う。」というようなことがある。
○松本委員長 その点につきましては、昨日の懇談会で各党の修正意見を一應とりまとめておるわけでありまして、なお本日審査しまして過程の中からも修正すべき点があると思いますので、一應この会を閉じまして、懇談会の席上でお諮り申し上げたいと思いますから、その点御了承願いたいと思います。 それではこれをもつて散会いたします。 午後四時四十二分散会