文教委員会 第13号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/06/21
会議録
○松本委員長 会議を開きます。 本日は教育委員会法案を議題にいたします。これより質疑に入ります。水谷昇君。
○水谷(昇)委員 御質問申し上げます。教育委員会法の第一條に、「教育本來の目的を達成することを目的とする。」とありますが、この目的は、過日文部大臣は教育の目的は個人の尊嚴を重んじ、眞理と平和を希求する人間の育成を期することにあることが、教育基本法で宣言せられておりますというふうに御説明になりましたが、ここにいうところの「教育本來の目的」というのを、それにあてはめたらいいのでありますか。そういたしますると新憲法による日本國民教育としての統制は、どういうふうにとるのか、この点をお伺いいたしたいのであります。 それから第三條へ参りまして、「特別教育区」というのがありますが、この特別教育区は人口一万以上ならば——そこに制限があるのかないのか。たとえと言いますと、地方事務所を單位に特別教育区というものをつくつて差支えないかどうか。こういうことをお伺いしたいのであります。 それから第五條へ参りまして、「教育委員会に要する経費は当該地方公共團体の負担とする。」とありますが、都道府縣の教育委員会の経費、それから市町村における教育委員会の経費は、大体どれくらいの予算を要するのか、その点をお伺いしたいのであります。それから構成のメンバーについてもお伺いをいたしたいのであります。 次に第四條の第二項に「大学及び私立学校は、法律に別段の定がある場合を除いては、教育委員会の所管に属しない。」と、こうありますが、そういたしますと、大学や私立学校はどこで統制をするのか、どこが監督するのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○森戸國務大臣 お答えいたします。第一條の教育本來の目的ということについての御質問でありますが、これは教育基本法に掲げておりますその教育本來の目的を指しておるのでおります。 次に特別教育区の問題でございますが、この特別教育区については、特別どういう形体でしなければならぬということはございませんので、地方の実情に應じてつくられていいと考えられるのであります。 第三の点は、この教育委員会の施行に関する費用の問題でありますが、この費用は大まかに申しますと、本省において委員会法が行われるについての準備、あるいはこれらの人々についての教育、傳習というような面に関連する本省の費用、委員会の選挙に関して地方の要する費用並びに委員会の創設運営に関する費用等があるのでございます。本省の部分は國費、選挙並びに委員会の創設運営に関する費用は、都道府縣並びに市町村で負担することになるのでございますが、これにつきましては、もちろん市町村の財政能力の問題もありますので、國庫がどういう形においてかこれを補助していく途が講せられぬばならぬと存ずるのであります。この面についての費用の大体の見当もついておりますし、また事務当局の間では、本案が成立いたしますれば、これに必要な予算というものが当然考えられるのでありまして、これに関しての交渉も進められているのであります。詳しいことにつきましては、事務当局からお答えいたします。 第四は、委員会ではなくて、委員会の下における教育事務局の問題でございますが、これは事務当局からあとで詳しく御説明申し上げます。 それから第五は、大学並びに私立学校の問題でございますが、この大学と私立学校の問題につきましては、教育委員会法と並んで、大学に関する扱いと、私立学校の扱いに関する法律を定めたいという私どもの考えであつたのであります。というのは、当局にこの委員会法に含まれるということではないのでありますので、この委員会法とともに、これら両種の学校に関する法律ができることが適当であると存じたのでありますが、いろいろな事情でその運びにまいりませんでした。そこで現実には、公私の大学を併せてでありますが、大学はこの法律の外にあるということになるのであります。私立学校につきましては、制ほど申しましたように、私立学校に関する特別の法律をつくることが望ましいと考えているのでありますが、諸種の事情で、この運びに至りませんでした。私立学校は制ほど申しましたように、大学とともにこの外にあるのであります。公立の学校に準ずるような学校、すなわち高等学校以下につきましては、法律に定められたる範囲においては、この委員会法の所管に当然属するのでありますが、そのほか一般に現に府知事、縣知事等が所管しております部分につきましては、新たにこれに関する法律ができますまでは、都道府縣の委員会がこれを承け継くことになるはずであります。
○水谷(昇)委員 第一問の教育本來の目的でありますが、教育基本法の規定に定めてある目的というお話でありますが、教育の地方委讓によりまして、各地方々々、の特殊性を織りこむのでありますが、同時に日本の國の國民教育としての統制は文部省でとるのか、どういうことになるのですか、その点がお伺いしたいのです。
○森戸國務大臣 もちろん日本における國民の教育として行われるのでありますから、教育基本法に從つて行われるのでありまして、それが地方々々の実情に既しながら、しかも新しい日本國民を育成していくという線に沿うて行われるのであります。
○黒岩委員 教育委員会法の提案理由につきましては、まことに妥当性のあるものであるということを認めますが、部分につきましては、相当に檢討を要すべき点があるように存じます。從つて逐次御質問をいたしたいと思いますけれども、まず第一番に第三條の委員会を設置する基準であります。その中で人口一万以上の町村と定めました理由を承りたいと思います。そうしてさらにこれに関連いたしまして、第四十九條にあります教育委員会の事務のうちで、六の「教育委員会及び学校その他の教育機関の職員の任免その他の人事に関すること。」こういう任務をもつているわけでありますが、またして人口一万の町村が、円滑なる人事の扱いをなし得るというお見込であるかどうか、その点お伺いしたいのであります。
○森戸國務大臣 人口一万以上という点は、別にはつきりと一万とかあるいは、一万一千とか、あるいは九千ではいかぬということではなく、大体の見当といたしまして、このくらいの人口のある市町村であれば、ほぼ委員会を持ち得て、教育行政を自治的にやつていく範囲を構成し得ると考えられたかちであります。 なお、それではこういうところで、そういうような実際に教育の自治をやつていける能力があるかどうかという御質問でありますが、これはきわめて適切な御質問であると私は存じております。実は今日の状態で、殊にもしこれらの町村が先生の給料をみずから負担する、——國庫負担の半額は別といたしまして、その他は負担するということでありますれば、非常に困難であろうと存せられるのでありますけれども、これらの点につきましては、費用の面では都道府縣がこれを負担していくということになりまして、これらの町村みずからが、これらの先生の費用を直接負担するということにはならないのであります。それでもなお辺陬の地方に希望する先生が得られるかどうかということについての疑問もあり得るのであります。これはかりに縣が任命いたすにいたしましても、なかなか困難な事情もありまして、いやな所にはなかなか人が得られないという事情がありますので、これらについては僻陬地に対する適当な考慮が拂われるということで、そういう無理な克服されるようにと、私どもは考えておるのであります。しかし、いずれにいたしましても人口一万、あるいは特別区におきましては相当な困難がありますので、從つて本年度から直接これを行うということはむずかしいであろう。從つて二年の猶予期間を置きまして、日本の地方財政の状況がだんだんと改善いたし、また地方におきましても教育に対する熱意、その他の心構えができるに從つて、これを実行していくようにということが予想されておるのであります。
○黒岩委員 費用の点につきましては、今の御説明で納得ができますが、人事の取扱い問題につきましては、なお実情を檢討いたしましたところ、賛意を表とがたいものが私にはあるのであります。教員の異動問題につきましての実情は、府縣單位でありましても、相当の問題が各異動地ごとに発生いたしておりますが、これが範囲をきわめて狹小な地域に限られますことによつて、その辺の支障はますます大きくなるということが想像できるのであります。かりに特別の條件をもつて、多くの教育が赴任を好まれない所へ招聘するという形をとりました場合、実務についていただいてみたが、その期待に反するものが生じた。また教育自体も安んじてそこで職をとる氣持がしないといつたような問題が起りましたときに、これらの人事措置をいかにして扱うかという問題は、たちまち小地域の委員会であつたら行詰りを來すと思います。教員そのものが自発的に退職を願い出る場合には、解決が早いかとも思いますけれども、退職もしない、どこかへ轉出したい、こういう考え方が起りました場合、また教育区の人たちもどこかへ出てもらいたいと思つても、出てもらう場合所が見つからないという場合に、どういうような措置がとれるか。こういう問題は、常に発生するとは考えることができませんけれども、廣いこの全國的な各都道府縣の実情は、常にこうした問題が頻発をしております。これは教員そのものの教育者としての人格、学力、この問題が一つの原因になつておる場合もございますけれども、ときにはまた地方民の教育に理解がないための感情問題として発生する場合もございます。こういう場合に、いたずらに教育の人事問題について、克剋摩擦を起して、解決の遂に苦しむといつたような、この諸地域における委員会というものについての制度の上に、愼重なる考慮を要すると考えます。なおほかの各地区上の問題と関連をもちます点もございますので、この問題に関する再質問を保留いたしまして、この点に関する質問は本日は打切ります。
○柏原委員 この教育委員会法案全般を通じてみますると、各地方委員会が独立の形をとりますので、悪く行けば教育の地方割拠主義に陷るおそれが十二分にあると考えるのであります。從來でしたら、官僚は非常に悪いけれども、また一面國民全般の教育の上で一つの抑えがきいておりましたが、これが完全なる地方委讓ということになるのでありますから、教育が割拠主義になつて、これを抑えるものとしては教育基本法でこれを抑えていく。また教科書の檢定でも、普遍的に抑えていける点があるのでありますが、この地方委員会というものは選挙によるのでありますから、選挙によつて出た委員が、下手をすると、この教育基本法の線を逸脱といいますか、これからはずれる危險性が十分にあるように私は思うのであります。たとえて申しますと、今日教育基本法はできております。今日、日本國民は新憲法において自由、平和、個人の存尊嚴ということを書かれておりますけれども、昔のような國民教育でなくして、新しい意味の國民はまさにかくあるべしという具体的の方針というものは、ぐらついてきまつておらぬのであります。從つて教育に携わる場合におきまして、この委員会におきましてどういう方針をとるかということがかなり疑問になる点があると思うのであります。しかも教育基本法というレールはあることはあるのでありますが、地方によつたら、あるいは日本の新憲法を否定しておるような一つの團体もなきにしてあらずであります。憲法第一條の、天皇は國家の象徴である。それもよう認めぬという團体が村に勢力をもつ、いわゆる共産村というものも現にあるのであります。そういう人たちからも教育委員が出てくると思うのであります。その場合に、いわゆる教育基本法の線をはずすといつたような場合に、これをどこで抑えていくか。めいめいの委員会は独立割拠の形であります。これを文部大臣が抑えるのか、縣で抑えるのか、どういうようにしていくのかという問題について、ひとつ見透しをお伺いしたいのであります。
○森戸國務大臣 まことにごもつともな御質問でありますが、本法のできました精神は、國民への信頼に基礎を置いておるのであります。殊に國民が自分の子供を教育する、その教育に対して十分の関心をもち、正しい方向へこれを導くであろうという民主的の信念のもとに公選によつて教育委員を選び、その教育の重要な事項を委ねる、こういう建前になつておるのであります。ただいまの御質問はそういう建前であるにもかかわらず、地方においてこの國の大きな方針と違つたようなことができた場合には、どういうことになるかというお話であります。一つは教育基本法、学校教育法で日本の教育の行くべきわくが示されておりますので、そのわくにはずれた場合には、その法律に反したということで、その場合に問題が起つてくると思います。 それからもう一つは、文部省はそのわくで教育基本法、学校教育法あるいは國家行政組織法——これはまだできておりませんが、できますれば、そのもとで、法律に定められた法律の規定に基いて、もしこの教育委員会に一定の監督指揮を加えることができますれば、それに基いて逸脱を防いでいくということが行政的にできるのであります。ただもしこれがそういう規定にもかかわらず、一切教育委員会には文部大臣は手を触れてならぬということでありますれば、それに対しては文部大臣といたしましては、いかんともすることができないことになるのであります。なお地方の知事その他が教育委員会に対して、特別に指揮監督を加え得るかということに関しましては大体に一般の地方自治行政から独立のものであるということを建前といたしますので、それはむずかしいことであるかと存じております。
○圓谷委員 文部大臣に対しまして教育委員会法案提案の理由について二、三御質問いたしたいと思うのであります。 政府が今回教育委員会法案提出の理由といたしまして、教育刷新委員会が中閣総理大臣に対してこの教育委員会法案の建議をされた。もう一つは米國の教育視察團の報告書によつて、有意義な勧告案がなされたので、これによつて提案をする。第三として教育基本法の第十條に教育は、不当な支配に服することなく、國民全体に対し直接に責任を負つて行われねばならぬということがあるので、この教育委員会法案を提出するに至つたということを、理由の第一段に述べておるのでありますが、第一に教育刷新委員会において内閣総理大臣に建議されたるところの建議案と、今回提出された委員会法案とは、相当にその間に違いがあると思うのであります。教育刷新委員会で建議されたものは單に参考にされたのであるが、また教育刷新委員会は、教育改革の重要なるメンバーとして内閣にこれを設け、この教育改革の問題は主として刷新委員会において決定されたのでありまするが、この辺のことは御参考にされたのであるか。またこれを基礎とされたかをお伺いしたい。 第二審のアメリカの教育使節團の報告書は承知しておりまするが、この勧告案というものがどんなものでありまするか。このアメリカの教育使節團の教育委員会法案に対する勧告案というものは、私どももよく承知しておりませんが、お差支えないならば、この勧告案というものを私どもにお知らせを願いたいと思う。 第三の「不当なる支配」——基本法の十條でありますが、これにまつてこの委員会法案を提案されなれればならぬという理由でありますが、そうすると從來は不当なる圧迫をしておつたということを裏づけておるのであります。どういう点に不当なる圧迫をされておつたのか、これを承りたいと思うのであります。 第四番目に、この三つの理由に基いて、さらに根本的な提案理由といたしては、教育基本法に基いて、教育基本法第一條の目的を達成するためには、この委員会法を提出しなければならぬということをうたつてありますが、前の三つが提案の本質的の理由であるか、最後の教育の目的達成のために、この法案を提出しなければならぬという固い信念のもとに提出されたのでありますか。この教育基本法案の第一條の目的並びにこの第二條に示されてある教育の方針、つまり社会教育、家庭教育、その他時と場所において、あらゆる方面において教育をなさなければならぬという、この教育基本法の線に副うならば、この法案を審議する上において、これによらなければ、教育の民主化と日本のほんとうの教育が上らないということになるならば、この設置範囲において非常な開きができてくると思うのであります。すなわち不当なる圧迫やその他を中央集権より脱するならば、地方の都道府縣に留めても、またこれを是正することができる。本質的に國民全体の責任においてなすというならば、單に一万以上の都市と切つてあるが——このあとで再質問いたしますが、何ゆえに一万以上の都市でなければならぬかという疑問も起つてきます。そこの地方公共團体の基礎である町村まで入れなければ、これができないということになりますので、政府がほんとうにこの委員会法案を提出したところの根本原理は、もう少し文部大臣の御説明を聽かなければ納得できないと思うのであります。 さらに第五といたしまして、一番あとの方に行きまして、以上三つの理由からこの法案を提出した、そして六・三制その他、地方の状況によつては経済その他の事情からして急速にできないが、町村においては二年間の余裕を置く、しかし都道府縣と市においては今年の七月一日から実施されて、十月の五日に選挙をやるということまでお述べになるのでありますが、これははたして文部省にこの通りにやるという自信をもつておりますか。今会期を終るまぎわにあたつて、余すところわずかに十日間きりない、しかも日本の教育の根本的革新であつて、この法案ほど重要なものはない、基本法以上に重要だと私は思つておるのであります。 この審議をわれわれに今日と明日と三日間に日割をもつてやれというようなことは、私は初めからできないと思つておる。もしわれわれ國民の代表である議員が、この審議を三日間でできないというときには、いかにする考えであるか、ここには七月一日より実施する、法案がまだ國会において通過しないうちに実施する。これは予定でありましようが、確信をもつてこういうふうに実施されるお見込みであるかどうか、この五つの点についてお伺いしたい。
○森戸國務大臣 御質問の第一点は、刷新委員会が教育基本法に対する一定の建議を添えた答申をなしたのであるが、それがいかに用いられたかというお話でございます。御承知のように刷新委員会は、日本の教育刷新について、総理大臣に建議をいたし、あるいは答申をいたすことになつております。日本に教育刷新においては、この委員会の功績はきわめて大きく、私どもはその意見を十分に参酌いたし、殊に本教育委員会法案におきましても、その答申については十分の考慮を拂つたのであります、あるいはこれを基礎といたしたと申しても差支えないと思うのであります。しかし、これはこのままにこれを受け入れたというわけではないのでありまして、それは刷新委員会の答申だけでなく、その他の面におけるいろいろな請願、希望もあり、また関係方面ともいろいろ協議いたすべき点もあり、また文部省といたしまして文政に対する一定の考えもありまするので、これらを総合しながら立案をいたしたのであります。ただ刷新委員会は、先ほど申したような地位を占めた重要な委員会でありますので、この委員会の答申については、きわめて重要な関心をもつて立案をいたしたと申し上げるわけであります。 さらにアメリカの教育使節團の勧告についてのお話でございますが、これは当時印刷されたものがありますので、お読みいたすより、あるいは差上げることができるのではないかと思います。 第三には、基本法における「不当の支配」ということでありますが、この問題は、日本の過去の教育において、殊に戰前、戰時中の教育におきましては、日本の教育がいろいろ力で影響されておいたということであります。他面では中央集権的な文部行政における官僚の影響もございます。他面ではまた軍部等の支配が強く教育の上に及んだということは申すまでもないことであります。なおいわゆる地方における内務官僚の教育に及ぼした影響も、非常に多いのであります。これらのことは教育の自主制といいまするか、自律といいますか、それが非常に傷つけられたということがある。こういう不当な支配から教育は脱しなければならぬというところに観点があるのであります。從つて教育刷新の目標といたしております一つの大きな点は、教育の民主化と刷新に存しておるのであります。また先ほど申し上げました刷新委員会の方針も、教育使節團の勧告も、また基本法の私どもに示しておりますところも、いずれも同じ目標を指さしておるのでありまして、教育委員会法はこれらの方向、趣旨に從いながら、またわが國の現状の要請にも即しまして、教育刷新の重要な項目でありまする教育の民主化を徹底する方途として、地方教育の法案が考えられておるのであります。教育民主化の大きな方向は、一つは中央集権的な、いわゆる文部官僚の支配に教育が動かされるということについて、改められなければならぬという点と、他面教育以外の方面の力、戰前におきましては殊に軍部の影響、また内務官僚の支配というようなものからも教育が脱することが必要である、こういうような二つの線がありまして、從つて実は教育委員会法は、この二つの線から教育の民主化を行つていくということを目標といたしておるのであります。そこで中央の文部省の支配に対して、地方に権限を與える、また今日軍部はなくなりましたけれども、おそれることは地方のいわゆる一般行政からあるいは起るかもしれない危險に対して教育を独立させよう、こういうような方向を指さしておるものと御了承願いたいのであります。 第五の点につきましては、非常に会期が迫つたときにこの法案が出た、しかも終りには七月一日と書いてあるが、はたしてそんなことができるかというお話であります、七月一日はもちろん予定でありまして、これは國会の御決定によらなければならないのでありますが、実はこの法案はそう急速に考えられたのではなくして、ずつと前から実は案としては考えられておりました。はなはだ私としては遺憾なのでありますけれども、予定の十日以前に國会に提出することができずして、期日が遅れまして——さきの委員会で松本委員長からも御質問がありまして、なぜ新聞記者に先に発表したかということでありましたが、これはよく聽いてみましたところが、誤解でありまして、まず法案は國会に必要な数だけ提出いたしまして、その翌日に新聞記者に発表したのでありますが、何かの手違いで皆さん方の手に渡ることが國会の方の都合で遅れたのではないかということでありまして、私どももそういうようなことを繰返さないよう努力するように、國会の事務の方面にもそのように轉えておるつもりでありますから、この点は御了承願いたいと思います。先ほども申し上げましたように、七月一日ということが書かれており、しかも会期が迫つてこういうことになつたのは、まことに遺憾であるというお話は、まことにその通りでありまして、私どもとしてもはなはだその点は遺憾に存じておるのであります。しかしこの法案は日本の教育民主化のためにきわめて重大なものでありまするし、その大きな筋におきましては、間接ではありますけれども、関心をもたれておられる方面には、大体の方向はおわかりになつておるところでありまして、私どもといたしましては、委員の皆さんに御迷惑をかけてまことに恐縮なのでありますけれども、急速に御審議をいただいて、國民の深く関心をもつておりまするこの教育民主化を盛つている法案が、議会において通過いたしまして、予定の方向に向つて地方教育の分権化が行われるように、皆さまの御協力をお願いしたいと思つているのであります。
○圓谷委員 ただいまの文部大臣の御答弁によつて、大体の趣旨は了承いたしましたが、私の第四番目にお聽きいたしましたことは、この法案は基本法第一條の教育の目的完遂のために提案されたという根本問題がそれであるかどうか。それによつて設置範囲が変つてくると思いますので、前の三つは参考の資料、つまり法案成立までの経緯と考えていいか、根本問題は、教育の民主化のために、教育基本法の精神を活かすために、根本的にどうしてもやらなければならぬという趣意であるかということを承つたのであります。民主化されることは承知しているのであります。文部大臣のお考えを、そこのところをいま一度伺いたいのであります。 それから第五番目の質問は、この法律をどうしても七月一日から実施する、この早急にしなければならぬ理由をお伺いしたいのであります。重大な法案であるために愼重審議するならば、次の通常議会に提案されてさらに審議してもよろしいし、來年の三月に出発しても差支えないのではないかと私どもも思つているのであります。どうしてもこう急速に出し拔けに提案されて、七月一日からやるというようなことになると、私どもにちよつと納得できないところがあります。それを延ばしてもいいかどうか、早急にどうしても七月一日から実施して、十月五日に選挙をしなければならぬという何か重大な理由でもありますかどうか、そこをお聽きしたのであります。
○森戸國務大臣 第一の点につきましては、刷新委員会、教育使節團その他の問題は、前提でありまして、同じ方向を指しているので、実現さるる目標は、教育基本法に規定した教育の目的を現実に即して行つていくということにあるのであります。 第二点につきましては、日本の教育の民主化は、日本政府が中外に対してその実行を約束したところであります。すでに六・三制は発足いたしまして、それと並んで重要な地位を占める教育委員会法を、文部当局といたしましては急速に実行いたしたいと存じているのであります。これはお説のように、十分審議をするために、あるいは來年に延ばすというような考え方もあり得るのでありますけれども、内外の情勢、殊に教育の刷新の過程におきましては、この法案は両院の御協力によりまして、できるだけ早く御通過をいただいて、今秋から委員会が発足するような段取りにいたしていただくことが、内外の情勢を考えて、きわめてふさわしいことと存じておる次第であります。
○平川委員 この法案を審議いたします前に、一昨日申し上げました点を明らかにしておきたいのであります。第一番に一番おそれられておる点は、この教育委員の質によりましては、地方の教職員が非常に不当な扱いを受けはしないかという心配についてであります。これに関しては、この法律の中に、將來從わなければならないと規定してありますところの教育公務員の任免に関する法律、地方公務員に関する法律、教育員の免許に関する法律、こういうものの概略をわれわれは知つて、考えていかなければいけないだろうと思います。これにつきましては、能う限りの詳しい資料の御提出をお願いをしたいのであります。 次に心配になつておりますことは、この委員会が設置せられた後において、地方財政を圧迫をするのではないかという点であります。この点につきましては、特に二、三の点で、私先にお伺いしておきたいことがあるのです。一つは、本年七月から実施するということになつておるのでありますが、これには政府としても、相当な予算的な準備をお考えになつておるだろうと思いますから、その詳しい額をはつきりさせていただきたいのであります。 その次に、都道府縣並びに地方委員会の事務局職員の定数というものは、條例で定めることになつておるのでありますが、これまた全然文部当局にお考えがないということはないだろうと思います。殊に條例の準則なども、いずれ出されるものと考えますが、この点についてわかつておれば、知らせていただきたいのであります。 それから特別教育区は、都道府縣の委員会で設置することになつておるのでありますが、人口一万以下になつてはいけないという規定だけであつて、最大限というものは示してないのであるが、將來ともこの方針でいくのかどうか。この点をはつきりさせてもらいたいのであります。今までこれは農業協同組合などでもそうでありますが、できたときには、地方の農民の自主的な意思でやらせると言いながら、あとから次々に通達を出しまして、結局はお上でつくつた準則に從わなければ認可しないというような窮屈なことになつておる例もたくさんあるのでありますから、この点、特にはつきりした根本的な腹を打明けて知らせていただきたいのであります。 その次に、前にいただきましたこの教育委員会法案審議参考資料の中にあります要旨から想像いたしますと、都道府縣立の学校はごく少数であつて、あとは全部特別教育区ないしは市等に移されることになるように見えているのでありますが、このような行き方は、眞に民主的に訓練せられた國民と、豊かな地方財政のもとにおきましては、たいへん理想的なことだとわれわれは考えるのでありますけれども、現状としては、はつきりしていませんと、この点からずいぶんな地方負担の問題が起つてくるのではないかと思います。前の要旨に見えましたような学校設置の方針を相変らず今も考えられているのかどうか、この点をぜひともはつきりさしてもらいたいのであります。特に、たとえば義務教育においては國庫負担は相変らず続ける、あるいは高等学校は管理権だけは特別教育区等に移しましても、その教職員ないしは学校を運営していく上の諸経費は都道府縣の経費で出すということは、相変らず將來にわたつても、間違いのない方針であるかどうかというような点につきましては、特にはつきり知らしてもらわなければならないと思います。 以上基礎的な問題といたしまして、それだけの資料ないしは御答弁を要求いたす次第であります。
○森戸國務大臣 平川君の御質問でありますが、第一点は委員会のでき方によつては教職員の扱いが不当な形を帶びるかもしれないという御心配であるのであります。これはあり得べきことで、当然の御心配と思うのであります。私ども民主主義の筋といたしましては、そういうことはないはずでありますけれども、しかしそういうことが全然ないとは断言できません。從つて教育公務員法案あるいは教職員免許に関する法律が、まだ提案されておらないのでありますけれども、これらについてどういうふうに考えているかということでありました。これらについては、すでに一定の案はあるのでございまして、適当な機会にその大筋をお知らせいたすことを可能であると思います。ただ教育公務員法は、実は委員会法と一緒に國会に提出するはずであつたのでありますが、いろいろな事情でそういう運びにならなかつたのであります。さような事情で今その内容を全部申し上げることはむずかしいような事情もあるかとも思いますけれども、しかし大筋については、時を得てお話申し上げることができると存じます。 地方財政との関係でございますが、この点は水谷委員からの御質問もありまして、後に局長からお話いたすことにいたします。 都道府縣における教育委員会に属した事務局の職員の定数等についても、同樣に局長からお答えいたします。 なお特別教育区の問題でありますが、これについては、まだ確定した案はございません。これはおそらくこの委員会法が市まで実行せられまして、それからの経驗等を参酌し、また地方の経済事情並びに教育に対する地方の人々の認識等を参酌しながら、実情に即して決定されるものと存じておるのであります。 なお都道府縣立による学校について、これを市町村に委讓しなければならぬのではないか、前の案にそういうふうにあつたがという御質問であつたと思うのであります。この点は、実は今度はそういうふうにはなつておりませんので、地方の市町村で経営されるということであれば、それも拒むわけではないのであります。しかし現に都道府縣で行われておりまする学校、殊に高等学校がその重要なものでありますけれども、それは從來通り継続されて差支えないことになつておるわけであります。
○辻田政府委員 教育委員会法案が実施されまする曉におきまして、地方あるいは國におきまして、どれほどの経費が必要であるかということについての御質問に対してお答えいたします。 まず本年度の計算でございますが、地方費において負担していただくのは、新しく教育委員会が地方の市町村以上のところにできます、その教育委員会の費用とか、あるいは事務局を設置するに要する費用、及び教育委員会の委員の選挙に要する経費でございます。前者の方の経費は、大体見積りでは一億六千二百万円の予定でございます。これは本年度分として約半箇年分を見積つております。それから選挙の費用は一億五千八百万円余でございまして、合計いたしますと、三億二千百万円余でございます。これが地方の負担となるのでございます。その財源につきましては、先ほど大臣から御説明がございましたように、地方財政の点も十分考慮いたしまして、適当な方法で、できるだけ地方に迷惑をかけないようにしたいという考えで、目下関係者の方でいろいろ打合せをしておる状況でございますが、この法案が通過いたしましたならば、その点は一層具体的にはつきりいたす予定でございます。 次に國費の関係でございますが、これは教育委員会法が実施されるにつきまして、いろいろな準備とか、あるいはその後におきまする運営等につきまして、いろいろおせわをしなければならぬ点があるかと存じますが、そういう関係の費用であります。もう一つは、ここにあります教育長、指導主事という職員の名前で出ておりまするが、そのほかに大学の行政官とか、青年指導者の養成のために——われわれの方では教育長と講師養成に関する講習会と言つておりますが、この講習会の費用が相当ありますので、両方合わせまして、約九箇月分を計算しますと、一億八千五百万円余であります。このうちの大部分は教育長と講師養成に関する講習会の経費でございまして、これが約一億二千三百万円というふうに相なつております。この教育長の養成等に関する経費が、これほどたくさん要るのはどういうわけかという御不審をすぐ抱かれる方がありますがこれは相当たくさんの人を地方から送つてきまして、日本人とアメリカ人とおのおの約二十名くらいの講師がそれにつきまして、約三箇月間にわたつてみつちり教育するわけでございます。大体そういうような予定になつておるのでございます。そしてその報酬に関する経費は全部國費をもつて負担することになつておりますので、ただいま申し上げましたように、経費が多額に上つているわけであります。それで國の分と、先ほど申しました地方費の分を合計いたしますると、本年度におきましては、この委員会法の実施のために約五億六百万円余の経費が必要となるのであります。以上が教育委員会法実施に伴います経費の点でございます。 次に教育委員会事務局の構成メンバーと定員の関係でございます。教育委員会は、申し上げるまでもなく、合議制の行政機関でありまして、それ自体の性格から申しまして、一々そこで事こまかに事務をとることができないのは当然であります。それでその下に教育長を置きまして、教育行政の專門家を配するのでありますが、この教育長は、いわば教育委員会の書記長的な役割をもつておりますと同時に、この下に事務局をもつておりまして、その事務局の局長という性格をももつているのであります。この事務局自体は都道府縣、あるいは市と、それぞれ規模の大小等によりまして、必ずしも定員等におきましては一律には参らないと思うのでありますが、大体私たちの方で予定しておりますのは、この法案の四十五條に規定してありますように、指導主事、教科用図書の檢定、または採択、教科内容及びその取扱い、建築その他必要な事項に関する專門職員、その他いろいろな役目をされる方もあろうと思いますが、大体四十五條に規定してありまする專門職員及びその他の事務職員を設置したい考えでございます。なおこれは都道府縣委員会の事務局の問題でありますが、地方におきましては公共團体の規模においても、大小その他非常に相違がありますので、これはできるだけ一律にすることを避けまして、都道府縣委員会の事務局の参考といたしまして、その地方の実情に應じて構成をしていくことになつておるのであります。ただ教育委員会の性格からいたしまして、都道府縣委員会の事務局について、特に必要だと思います教育指導に関する部課とかそれから廣い意味における教育の調査統計に関する部課は置いていただくことになつておるのでございます。その定数は先ほど申したように、それぞれ地方の実情によつて委員会が原案をつくりまして、それを地方議会に提出して、條例の形でこれを出していただくことになるのでありますが、われわれの方で一應予算を作成いたしまする上におきまして、現在のそれぞれの都道府縣におきまする教育官廳の職員を考えまして、その上にどれくらいの人が必要であるかというようなことで研究したのでございますが、それにつきましても、調査、統計の事務、教育指導の事務、教科内容及びその取扱いの事務、教科書の檢定または採択の事務、建築営繕の事務というふうに、都道府縣についてはそれらの事務を殖やすことになつております。市については、教育長のほかに、調査統計の事務、教科内容その他の取扱に関する事務建築営繕の事務というふうになつております。また小さな市におきましては、教育長のほかに、調査、統計と教育指導の事務だけが適当に配置されるベきあるというふうな考えをもつておるのでございます。以上簡單でございますが御説明いたします。
○水谷(昇)委員 ただいま局長から説明がありましたが、都道府縣の方の経費と、それから地方の方の経費を、たとえば市の方だつたら、一万を標準にしたら大体どれくらいの経費が要るのか、構成メンバーはどういうふうにするのか、それから五万ぐらいではどれだけ、十万ぐらいではどれだけといつたような標準を具体的にお示しを願いたいと思うのであります。今ただちにでなくてもよろしいから、その標準をお示し願いたいと思うのであります。 それからこの際特に前に関連してお尋ねしたいのは、先刻私からも他の方からもお尋ねしたのでありますが、十分要領を得ませんから、重ねてお尋ねしたい。教育の民主化のために、教育が不当な支配に屈することなく、國民全体に対して直接に責任を負うて行わるべきであるという意味において、文部省も地方廳も監督権がないことに規定せられておりますが、この基本法のわく通りにいかないときには、これはどういうふうにするのか、非常に困る問題だと思います。文部当局としては、第一條に規定してあります不当な支配をするものなりということを是認しておるのかどうか。この点をはつきりお答えを願いたいと思います。
○森戸國務大臣 先ほどもお答えいたしましたように、日本の過去、殊に戰時中あるいは戰爭直前における日本の教育行政のあり方におきましては、一方では文部官僚、他方では軍部、内務官僚等の形で、地方の教育が不当な支配を受けたという事実は、否定することができないのであります。終戰後の教育刷新の時代におきましては、軍部はなくなりましたし、いわゆる内務官僚というものも、すでに昔の形ではなくなつたのでありまして、こういう不当な支配が行われる仕組というものは、きわめて少くなつたと解すべきであります。そして私ども文部当局にあります者も、不当な支配を及ぼそうという考えは毛頭ありませんし、そういうことはあり得べきはずはないと考えておるのであります。しかしながら、他面將來そういうような危險が全然ないということも確言できませんので、政府といたしましては、そういうことのないようにということが、この意図であるのであります。最も大きなねらいは、自分の子供を教育していこうという地方の人々が、直接に自分の子供を教える先生方について、自分の意思を表明し、教育委員会を通してこの意思に副うように、しかもそれは日本の國民でありますから、日本の國民の全体としての理想をもつておるのでありますけれども、地方々々によつてその理想が地方の状況に副いながら行われるということを、委員会によつて期待しよう、こういうところにあるものと存ずるのであります。
○水谷(昇)委員 地方に任すことは、たいへん結構でありますが、この教育基本法通りにうまく実行されない場合には、どうするのかということをお尋ねしておるので、この点が私は非常に重大な問題だと思います。地方でうまくやつてくれればいいが、いかないときには、國家としてはどういうふうにやつていくのか、この点を重ねてお伺いいたします。
○森戸國務大臣 これにつきましては、二つの方法があると思うのであります。教育基本法は、法律でありまして、この法律で一つのわくが定まつておりますので、これに違反したような委員会の行動がありましたときには、教育基本法に違反したものとしての法的の扱いが可能であると存じております。それからもう一つ行政的の面におきましては、法律の定められた範囲内におきましては、教育基本法並びに学校教育法と國家行政組織法——これはまだできませんけれども、こういう法律ができますれば、その範囲内では、文部大臣は委員会に対して一定の指導監督をいたすことができると思います。こういうニつのわくがあります。その他の点につきましては、これは文部大臣あるいは文部当局の直接関與する外にあると考えられるのであります。
○平川委員 先ほど質問いたしました教員の身分保障に関して、大体概略を示してもらうことと、この教育公務員法その他の教育問題については、いつ御答弁が願えるか、この点が一つと、もう一つは、先ほど本年度の予算をお示しをいただいのでありますが、このような予算が——いつも文部省のものはそうなんでありますが、一億二千三百万円の講習費がとつてあるのでありますが、講師の謝礼とか事務費とかいうふうなものに大体使われてしまつて、あとの旅費、宿泊費なんかは、全部地方が負担するか、ないしは出てくる者が自腹を切つてやつてくるのが通例なのでありますが、現在のような物價高の状態において、その点も御考慮になつておるかどうか、ひとつお尋ねをしてみたいと思うのです。六・三制もただいま予算の問題で怨嗟の的になつております。この教育委員会法が出発にあたつて、もしさようなことでもし挫折したり、怨嗟の的になるようなことがあるならば、この際全然手を触れないで延期をした方が結構だと思いますので、その点をもう一度念を押してお尋ねしておきます。
○森戸國務大臣 教育公務員法の案ですが、案自身はまだ関係方面との話合いの途中でありますので、いろいろな関係でそのまま申し上げることはできないのでありますけれども、大体の方向はできるだけ早く申し上げることにいたします。それから講習会その他に対する費用のうち、講習を受ける人の便宜等に関する問題でありますが、その点につきましては事務当局からお答えをいたします。
○辻田政府委員 講習会等におきまして、その費用の大部分が講師の側に使われて、講習員を派遣するというような場合に、非常に地方で迷惑するおそれがある、今までそういう傾向があつたということでありますが、今回におきましては、この点は特別注意いたしまして、講師にはもちろん御迷惑をかけぬようにいたしますが、講習者の派遣費とか滯在費につきましても、全部國庫でもてるというようなことになつておるのであります。それで非常に額が多額になつたのでございまして、地方にはできるだけ迷惑をかけずにやるという考えであります。
○伊藤(恭)委員 教育民主化のために、地方の実情に即したところの教育委員会法を提出せられたということは、その趣旨においては賛成でありますが、しかしこの委員会法の法文を逐條審議いたしますると、現在の日本の國情には、われわれといたしましてはどうも納得できない実情に即しないような遺憾に感ずる点があります。いろいろありますが、時間も迫つておりますから、まず私が第一にお伺いしたいのは、この教育委員会におきまして所轄する教育機関の範囲であります。この四十八條によりますと「都道府縣委員会は、都道府縣の設置する学校そのの他の教育機関を、なお地方委員会は、当該地方公共團体の設置する学校その他の教育機関をそれぞれ所管する。」こういうふうになつております。なお五十條を見ますると、第五号に高等学校の通学区域の設定または変更に関することは都道府縣委員会というふうなことになつております。そこでわれわれといたしましては、この新制高等学校というものを、都道府縣の委員会に任せるか、あるいは地方委員会に任せるかということでありますが、現在地方の予算の状況を勘案いたしますると、六・三制の経費だけでも実に莫大な負担であつて、市町村の財政はきわめて困難な状態に陷つております。それゆえ、もし新制高等学校を負担しなければならないというようなことになつたならば、とうていこれはできないことであると私は考えます。そういうような考えからして、この法文には新制高等学校がどつちになるかということがはつきりいたしておりませんから、それをひとつお伺いしたいのであります。 同時にこの五十五條の予算のところでありますが、一万以下の町村の財政状態を考えて、文部省が非常に努力せられまして、これの実施が二箇年猶予せられるということになりましたのは、たいへん結構でありますが、なおこの実施につきましては、かりに二年後になりましても、三年後になりましても、とにかくそういうような経費はすべて町村にまつということになりますると、その地区別によりましてそこに非常な不均衡が出てまいります。特に教職員の身分などというものも、非常に不安定となつてまいります。給與も地域によつて著しく不均衡になつてまいりまして、財政的によい所はよろしいが、しからざる所は非常に低下する、内容も低下する。教職員も先刻もお話のありましたようなぐあいに、とうていそれに耐え切れないというような状況になつてくることを考えますときに、これはやはり都道府縣において負担すべきか、あるいは町村において負担すべきかというようなことも、これまた愼重に考慮しなければならないと考えます。そういうようなことを考えますときに、われわれといたしましては、まずもつて地方の実情に即したところの運営のできるように考えていかねばならないということを第一に考えます。また教育委員の選挙についてのことでありますけれども、やはり実際の実情に十分に通じておるところの教職員の現職にある者も、若干の者は被選挙権を得るようにしたらいいではないかというようなことも考えます。これはやはりいろいろなむずかしい関係もありましようが、われわれといたしましては、もしこれが單なる公選のみによりまして、いわゆる政治的のボス的存在に握られるというようなことがあつては、かえつて弊害を生ずるから、そのためにはやはり現職の者も若干入れてもいいではないかということも考えますが、こういうようなことについて、まずもつてお伺いしたいと思います。
○森戸國務大臣 伊藤委員の御質問で、教育の刷新、特に民主化の線に沿う教育の改革は必要であるが、しかし他面わが國の実情に即したものでなければならないという根本の御趣意については、まことにその通りであります。その精神から、実は設置範囲をさしあたりは市までに止めることになつたのであります。人口で言いますれば三万以上の所にさしあたり教育委員会を設ける、三万以下の町村並びに一万以下の所では二年の猶予を置くことにいたしておるのであります。殊に一万以下の点は、いろいろ御心配があつたのであります。私どもも同業にいろいろ心配をしているのでありますが、これは実情に即しながら考えていくことにしたいと考えているのであります。この根本の精神から具体的な問題についての御質問でありましたが、第一は新制高等学校を、その存在している町村等、あるいは市町村等に委譲するということであつては、今日の地方財政の状況からもまた、教育の國土計画的なと言いますか、そういう面からもいろいろな支障が生ずるのではないかという御質問でありました。これはまことにごもつともなことであります。そうしてこのたび提出されました法案では、これは大体町村、市町村に委譲するということではなくて、現在のままに止まるということになつているのでございまして、その御心配はなくなつているのであります。 それから第二の点につきましては、先ほどちよつと触れました地方の実情に副うということにすると殊に貧弱町村におきましては、経費の負担等で、なかなか教育地方化が、かえつて教育を部分的には非常に悪くする心配があるのではないかという御質問でありました。これもきわめてごもつともであるのでありますが、この点につきましては、即時に行うとそういう事態も起りますので、実は二年の歳月をおきまして——日本の経済の復興、殊に地方財政の復活という点、また地方の人々の教育に対する熱意の向上、こういうことを考えまして、二年の後にしかもそれらの二年の間に実情を勘案しながら特別教育区の仕組をつきつていこうということになつているのであります。なおその際財政的な貧弱町村におきましては、まことにお氣の毒でありますし、そこでいい先生が得られないということになつては、はなはだ困るのでありますから、先生の費用は町村ではなく縣で負担をすることになりますので、今の御心配はないと思います。なお委員会の運営その他の費用につきましては、できるだけ國庫で援助をしていくような方策を、分與金等の形でとつていきたいと思います。しかしこれは全然何ら負担をしないで済むというわけではないのでありまして、これはまたその地方の人は、ある程度負担することは当然であると思います。しかし全面的に律方にこれがおぶさるということは、できるだけ避けていきたいと思つているのであります。 それから第三点といたしましては、教育委員の選挙権の問題でありますが、場合によつてはボス的にような人が出て、教育を逸脱するような心配もあるので、これにバランスをとるように、あるいは他の理由からも、現職の教職員の人が立候補できるようにしたらいいというような御質問であります。この点につきましては、教育委員会の委員は、大体の方向は專門家でないレイ・マンといいますか、自分の子供を教育しているこのレイ・マンの委員会というものをもつて、いわゆる教育專門家でない、教育の素人であるけれども、しかし全面的な見地から教育に関心をもつている人が相談をして、そういうことに対することをきめていくことがいいであろう、こういう建前に立つているわけであります。しかしそれでは教育專門的な知識が全然委員会からそれてしまうではないかという心配があります。ごもつともな心配でおりますけれども、しかし教育長その他の面におきましては、教育の專門的な知識が十分取入れられまして、それらの知識を材料にしながら、公平なる中立的な第三者というか、レイ・マンが教育の方針を立てていく、こういうことが地方の教育行政の正しいあり方である。こういう建前でいつておりますから、御質問の点ごもつともでありますけれども、このたびの立法の趣旨はそういう面で立つておりますので、現職の教職員の方々については、依然選挙権が認められないのであります。
○黒岩委員 先ほど水谷委員からの御質問で、教育委員会法に違反した場合には、それぞれ法に基いて適当な措置をおとりになるかのような御答弁があつたのでありますが、教育委員会法には、罰則というものがないように見受けます。これに違反した場合に適用する罰則規定というものは、何によるかということをお聽きしたいと思います。 その次には委員会の使命を重点的に考えると、人事の公正なる取扱いということと予算を適正に獲得して実施することである。その二つの点から考えますときに、だんだんの御意見もありました通り、教育長以下職員には、助言はできるが、命令監督ができない。從つて地元の構成する委員会が、その権限を行使するということになるわけであります。その委員会はこの案によりますと、無報酬であつて、奉仕的な存在であります。して見ると、個人生活に要する費用というものは、別途の收入のある人でなければこの委員にはなれないということになります。そうすると委員会の委員以外に、相当多忙な職業をもつことが必要であろうと思う。して見ると、かような人達が片手間に教員の身分に対して正しい見方をようなし得るかということ。教育長の助言によるということがありますが、実際において命令監督の権限をもたない教育長が、助長によつて委員会を左右するということになりますと、これはゆゆしい問題であると思います。この点について人事の適正を期するに本法律案が考慮を拂われております点を御説明願いたいと思います。 その次に予算の問題でありますが、これは地方自治体の長がその議会に諮つて決定をするようになつておりまして、案そのものを委員会が出すということになつておるようでありますが、自主性のないところのこの予算案の提出というものが、現在の國情から見て自治体の長と委員会との間に相剋摩擦を起すようなことがあつてはならぬと思います。その点について立案をいたします場合に拂われた考慮の点、これも御説明願いたいと思います。
○森戸國務大臣 ただいま御質問の点は、委員会ではたして公正なる人事ができるであろうかという点が第一点であります。この点につきましては、もちろん委員は全面的な俸給を與えられておりません、実費弁償でありまして、その意味でレイ・マンであります。從つて他の仕事をされておる方であります。しかし教育委員になられる人々は、教育に対して強い関心をもつておる方である。また地方の人がこれを選挙いたすといたしますれば、そういう方を選挙いたすものと、政府の私どもとしては期待いたしております。しかもそういう人々は、特殊の関係よりは、一般に教育の関係をもつておるという人々でありますし、しかも一人でありませんので、相談いたした議決は比較的公平なものになるであろうということが期待されるのであります。しかし人事について一つ一つ十分な知識をもつことは不可能でありましようから、この点につきましてその方面での專門家、教育長のところへ参りまして、こういうことについての常に関心を拂つております。そういう資料を参考にしながら、これらの人々が教育に関心をもつて、しかも特殊の利害関係をもたない人が判断をいたすといたしますれば、制度としてはこれは公正を期せられるのではないかと私どもは信じておるのであります。 それから第二の点の予算の問題でありますが、この点についての御心配も、きわめてごもつともであります。教育委員会が、もし独立の財源をもつておるといたしますれば、この問題は簡單であります。しかし自分が独立の財源をもたず、その財政的なものは市会または縣会等に依存しなければならぬということになつておるので、しかも御承知のように地方の財政はなかなか窮乏いたしておりまするので、從つて委員会の立案いたしました予算が、これらの議会においていかに取扱われるかということについては、いろいろな心配があることは御質問の通りであります。私どもはそういう点で、これらの間に何らかの連絡が、あらかじめつけられなければならないということから、公選議員のほかに、これらの議会から選ばれた人を一人ずつ加えることにいたしたのでありまして、この参加した市会または都道府縣会の委員が、大体の議会の情勢等を教育委員会に報告し、また教育委員会の意向をもあらかじめそれらの議会に知らせまして、両者の間に大きな対立がないようなふうに仲介の労をとつていただけるのではないかという考慮から、かような決定をいたしたのであります。 それからもう一つは、委員会できまつた案をすぐに議会に出したらいいではないかということも考えられるのでありますが、これらにつきましても、一應知事あるいは市長に出して、市長は他面一般財政等の地方予算をつくるのでありますから、それらの場合、一般の地方財政と教育における予算等を勘案して、案を立てるというふうにした方が円滑であろうと私どもは考えるのであります。そういう考慮も拂つたのであります。一部にはそういう考慮は要らないで、すぐに議会に出すという考え方もあつたのでありますけれども、むしろそういう方が、事を円滑に進めるゆえんではないか。こういうことにして、現在の法案においては、かような二つの途が講ぜられまして、できるだけ地方の情勢、殊に財政予算と教育委員会の予算との協調をはかつていく制度が、制度的に考えられているのであります。しかし先ほども申しましたように、地方の財政の実情と教育に対する費用のいろいろな点でかさみます事情から、これらの間にいろいろな困難な問題が起るということも十分に予想できるのであります。これらは両團体すなわち委員会と議会との間に絶えず連絡がとられて、これが激化した対立にならないようにしていくことが地方行政を円滑に運ぶゆえんと存じます。殊に委員会における市会並びに縣会の委員というものの役割が、非常に大きくなるのではないかと思われるのであります。
○黒岩委員 最初にお尋ねしました教育基本法に違反した場合の措置の具体的な法的の説明、これを抜かしましたから御答弁願いたいと思います。それから委員会の予算に対するところの考慮を拂われて立案せられた点についてはよくわかりましたが、現在の府縣の実情から考えまして、知事のもとにあるところの教育部長が編成をいたしますところの予算ですら、相当その希望の達成が困難であるという現状におきまして、知事の手から離れたところの委員会からの予算というものに対する扱い方が、相当憂慮せられるわけであります。この問題につきましては、なお次の委員会におきまして、將來の委員会の運営上、予算的ながんを残さないような制度にする意味におきまして、あるいは修正の意見なども出したいという考えでございますので、これは保留しておきたい。
○森戸國務大臣 教育基本法に違反した場合でありますが、選挙法については罰則があるので、教育委員会法は教育法であるという性格から、特別な罰則を定められていないのであります。從つて特殊の刑罰を科するという定めはないのでありますけれども、しかし教育基本法は日本の教育の大きな方向を示しておりまするので、この方向に反した場合には事情に應じた処置が講ぜられるものと思つております。先ほで申しましたように、教育法の精神に鑑みまして、特別な罰則はかけられておらないのであります。
○伊藤(恭)委員 この四十九條の第五号に「教育公務員の任免等に関する法律の規定に基き、校長及び教員の任免その他の人事に関すること。」とありまして、これが教育委員会法の一つの仕事になつておりますが、これは先刻文部大臣からもこれにお触れになりまして、私は大体了解いたしましたけれども、とにかく教育というものは昔から以心傳心的に、先生が地方の有力者に頭を下げるとか、そういう情実にとらわれるようなことなく、ほんとうの教権確立ということがなかつたならば、正しい教育はできない、そういうような意味から言いまして、われわれは昨年の三月の教育基本法のときにも、そういう意見を強く述べましたが、そういうわけで、この人事のことも教育委員会でやることが民主的であるということも、一方から言つたならば考えられぬこともありませんけれども、教職員というものが、ほんとうの昔からの、超然とした、いわゆる超党派的な教権の確立というようなことを考えましたときには、町村の委員会の有力者において人事権を握られるというようなことでなくして、少くとも都道府縣の委員会に任せるという程度のことが必要ではないかということを考えます。こういう点についても、自分といたしましては、非常に疑問をもつているわけでありますが、これについてお伺いしたいと思います。
○森戸國務大臣 四十九條の問題でありますが、法文の上から見ますと、教育公務員の任免等に関するということでありますが、これは当然公務員法が提出される予定のもとにできて書かれているので、この條項は先ほど申しましたようなわけで、公務員法が國会に提出されませんので、これは変ることになると思います。 それから校長及び職員の任免、その他の人事に関しての御質問はきわめてごもつともでございます。ただ私ども一般的に考えますれば、自分たちの子供を育てる先生方は、直接それらの人々が選んだ人にお任せすることが一番いいのではないかと思います。つまり自分の子供を教育してもらう先生をきめるのであるから、きつといい人を選ぶに違いない、それが民主主義だという考え方も理由のあることであると思うのであります。そういう建前でこの法案はつくられておるのであります。ただ他面、それはそれに違いないが、日本の現状がそれに即しているかどうかということが問題になるのであります。これはおそらく地方の事情をよく御存じでゐる方々は、十分御考慮になり得る問題であると考えられるのであります。私どもしばしば地方でお話を聞きますと、それはそれに違いないけれども、そうなるといわゆる教育ボスというものが出て、先生の任免を自由にすることになつて、かえつて委員会法の目ざしているところと逆の結果になりはしないかという心配をされているのであります。私は地方の実情を詳らかにいたしませんが、もしそういう事態が、例外町に存在するならばとにかくとしても、一般的に存在するならば、具体化においてはいろいろ考えなければならぬ余地も存するのではないかと思つておりますが、しかし法の建前といたしましては、先ほど申しますように、子供のよき教育というのは、すべての親の関心事でありますから、その先生を任免するについては、地方の人も一生縣命に考えて、必ずよい委員ができて、このよい委員によつて必ず子弟をよく教育する人が任命せられるに違いない、こういう建前でつくられていることを御了承願いたいのであります。
○圓谷委員 議事進行について提案したいのですが、一昨日の打合会では、本日はこの法案の根本問題について論議する、明日、明後日はこの法案についてのこまかいところに入つていくような予定であつたのですが、私がさきに質問いたしましたように、この法案を非常に重要視しているために、実際に七月一日から出発しなければならぬ理由を、速記を抜いて秘密会にしてでも、文部大臣の方から伺つて、審議に入りたいと思うのです。六・三制においとも、時期尚早であつて、地方財政の破綻その他で非常に地方が困惑しているので、この法案についてはよほどわれわれは愼重にしなければならぬ。また選挙法とかその他について疑問の点もたくさん出てくるのでありますが、どうしてもこの際これの審議を了しなければならぬか、または少し時間を置いて、さらに愼重審議して、次の通常國会あたりまでにやることができるかどうかということについても、文部大臣のお話を承れれば結構だと思うのでありますが、いかがでしようか。
○松本委員長 ただいまの圓谷さんの議事進行の御動議は、もつともだと思うのであります。文部省側におかれては、今圓谷さんのおつしやつた点をこの機会に明らかにされますか、それとも明日でも機会を得て明らかにしていただきますか。
○森戸國務大臣 これはそう詳しい理由は特別にはないのであります。具体的理由はないのです。大きな線から日本の教育の民主化を行うことは、日本の政府が内外に約したことでありまして、六・三制もその一つであり、また教育委員会法もその一つの重要な要素を成しているのであります。そこでこの問題について私ども日本の実情に即するように、教育の地方分権を行うということに努力してきたのでありましてその結果がこの教育委員会法案となつたのであります。提出の期日の点について、遅れて十分にゆとりのある御審議を願うことができなかつたことは、重ね重ね遺憾であることは、再三私の申したところでありますけれども、文部行政の責任者としては、内外の情勢より、この法案はどうか格別の御努力によりまして今議会において通過していただきたいということを考えておる次第でございます。
○松本委員長 午後1時からこの委員室を文化委員会に使うのでありまして、ほとんどもう時間がございませんが、今の問題で何か御質問がありますか。
○松本(七)委員 ただいまの問題は、すでに委員長の取計らいで先般秘密会を開いておりますし、そのときには、われわれの滿足し得る答弁を得られなかつたのですが、あらためて秘密会を開く必要もないと思います。ただ十分審議するという方針で、しばらく進んでいつていただきたいと思います。
○松本委員長 それでは本日は時間がありませんので、散会いたしまして、明日午前十時から続行いたしましてこの法案について審議を願います。 この際お諮りいたします。最初お諮りいたしました日程なんかを考慮に入れて、質問はこの程度で打切り、明日から逐條審議に入りましようか、それともなお御質問の余地があるでしようか。 〔「まだ質問あり」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 では明日も質問を続行した上で、進めてまいります。 午後零時三十四分散会