文教委員会 第9号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/06/07
会議録
○高津委員長代理 会議を開きます。 本日は松本委員長が関係方面と折衝のために出かれておりますので、私が代つて委員長の職務を行います。 これより請願の審議に入ります。なお本日ここに御審議を願う請願につきましては、愼重に審議しなければならないと思いますので、これが採否の決定は後日にいたしたいと思います。 日程第三、第二高等学校跡地拂下の請願、庄司一郎君紹介、第五〇五号——庄司一郎君。
○庄司一郎君 本請願は仙台市立第四中学校建設促進期成同盟会会長、仙台市北四番町百二十三番地、仙台市会副議長萩原富雄君外同会幹部諸君の請願でございます。請願内容の趣旨をきわめて簡單に弁明することのお許しをいただきたいと思います。 仙台市の、六・三制による三の新制第四中学校が現在上杉山通り仙台市立小学校内に校舎を借用して、臨時に仙台市立第四中学校として開校されておるのでございますが、この上杉山通りの小学校内には、小学校のほかに仙台市立の商業学校等も開校されております。この市立第四中学校まで加えますと、ちようど三つの学校が同一小学校内に二部教授あるいは三部教授をして開校されておるのでございます。そこでこの請願者らは一日も速やかに國家の要請する、また父兄教師会が納得するところの新しい学校校舎を建設して、教育活動をよりよくして、生徒に十二分なる教育を與えたいという計画のもとに、学校建築に関する建設期成同盟会を組織され、まずもつてその学校の敷地を物色しておるのでございまするが、同一の学区内において適当なる学校校舎を建設し得るところの予定地がほかにないのでございます。ところがさいわいにも元官立の第二高等学校の戰災敷地が同一学区内に約二万六千坪ほどございます。その一部は仙台市宮城縣立第一高等女学校の建設地に約五、六千坪が充当されておるのでございまするが、それでもなお二万坪以上の土地がそのまま戰災の跡地として設置されておるような次第でございます。同一学区内であり、ただいま申し上げた仮校舎として上杉山通りの小学校より借りておるその地域からは約二町ぐらいの場所にある元第二高等学校の敷地約六千坪が、ほとんど荒廃状態でそこに戰災跡地として残つておるのでございます。そこに期成同盟会が目をつけて、これ以外に他に求めるところの予定地がない、どうかこの約二万坪ほど残つておる元の高等学校の敷地を國家より適当な價格をもつて拂下げ、あるいは貸與、いずれでも結構であるから、第四中学校を建設するところの予定地として拂下げ、あるいは御貸與を願いたいというのがこの請願の趣旨であります。 これに関して御参考までに、特に文部当局に申し上げておきたいのは、この二万六千坪の元の高等学校の跡地というのは、御承知でもございましようけれども、これは政府があたりまえの代金をもつて民間より買い受けた土地ではございません。ちようど上杉山通りには元貴族院議員、元衆議院議員であつた伊澤平左衛門という篤志家がありまして、ただいまの東北大学のあるところへ、新しく第二高等学校を、今から約二十年ほど前に、この北六番丁方面に移轉したいという場合に、伊澤氏が教育に対して深い理解のもとに、自分の田畑、ただいま申し上げた二万八千坪程度のものを特志寄附をされたのであります。その土地には第二高等学校が建設され、不幸にして戰災で燒けてしまつたのであります。その後第二高等学校は、ただいま仙台の南方郊外の元陸軍の幼年学校に移轉して開校していることは、文部当局のよく御承知のところであります。当分東北大学関係に占有権が移轉していると思いますが、元の高等学校の跡地は、おそらくさしあたりは必要のない土地であります。それでありますから、この請願者の萩原市副会議長等のいろいろ東北大学総長あるいは庶務課長等に面会されての聽取によりますと、当分該土地は何に用いてというような具体案がございません。かような回答でございました。そこでもともと第四市立の新制中学は、義務教育によつて学区内に建設しなければならぬことはよくおわかりの通りであります。他に適当な土地もなし、さいわいに請願者からいえば、元第二高等学校の跡地が約二万坪ほど残つている。さしあたり具体的の計画は、政府においても東北大学においてもないのであるから、その二万坪の土地のうち約六千坪を拂下げ、あるいは御貸與願いたい。そうして第四中学の校舎を建て、グランドをつくり、十分文化國家にふさわしいところの新制中学を建設したい、これが請願者の趣旨のあるところでございます。何分よろしく御審議、御採択をお願い申し上げます。
○高津委員長代理 本請願に対して、政府の御意見を願います。近藤会計課長。
○近藤政府委員 お答えいたします。御請願の趣旨は、文部省直轄の第二高等学校が戰災で燒けましたので、その跡地に対しまして仙台市立の第四中学校において校舎を建築したいから、その土地を譲渡もしくは貸與してもらいたいという御趣旨だつたと考えます。この第二高等学校の跡地の問題は、現在第二高等学校はもとの幼年学校の跡へ移りまして、第二高等学校といたしましては、この戰災跡地に対して格別の希望はないように私は承つております。但し東北大学におきまして、この第二高等学校の跡地をもつて農学部の校舎を建築したいという希望があるように承つております。それは昭和二十二年の五月二十七日、第二高等学校長と東北帝國大学総長の連盟をもつて、宮城縣知事と仙台市長あてに公文が出ておりますが、それによりますと、東北帝國大学としては農学部新設に伴つて、事務室、研究室、教室、その他の建築を初めとし、学内の各研究所の集結あるいは学生の厚生、体育施設の新設等を実現したい。市中には他に敷地を得ることは不能であるから、同地を唯一の敷地と予定しておるという趣旨の公文が出ております。從いまして、第二縱高等学校の跡地は東北帝大が大体これを予定しておるというふうにわれわれは了解しておるのでございます。ところがたまたまこの請願の文書の中にもございますように、宮城縣立の第一高等女学校でございますか、やはり戰災をこうむつて敷地がないので、第二高等学校の跡地に着目され、帝大、二高並びに文部本省の方にも出てこられれまして、これをぜひ何とかしてもらいたいという話がございました。私の方といたしましては、以上のような関係でございますので、帝大と二高とよくお話になられ、了解をつけられるならば、文部省としては他に異議はないという態度をもつておつたのであります。そしてその結果高等女学校の方では帝大並びに二高と話をされ、その間文部省といたしましても多少斡旋はしたことがございますが、そういう関係で高等女学校の敷地として一部二高の跡地を割いたのでございます。これはもちろん帝大、二高とも十分話合いの上で、この程度の敷地であるならば將來帝大が農学部を建てる場合にも支障がない、それ以上は絶対に困るというような話であつたと思います。從いまして女学校と同樣に市立第四中学校も敷地を二高の跡に欲しいという御希望は、まことに同情にたえないのでございまして、私どもといたしましても、できるだけ御希望に副うように力をいたしたいと思つておりますが、何分さような関係にございますので、これは仙台の東北大学と二高となお十分学校当局がお話合いになられまして、なお文部省におきましてもできるだけ御趣旨に副うように学校の方へお話をするつもりでおります。以上をもつてお答えといたします。
○庄司一郎君 紹介議員としていま一言発言のお許しを願いとうございます。 ただいまの政府の御意見の趣旨のあるところはよくわかりました。ただ文部当局におかれまして特に御記憶を願いたいのは、ただいま議題と相なつておる本請願は、仙台市立の第四新制中学でありまして、すなわち、國家が命ずるところの義務教育でございます。義務教育の機関であるということを篤と関心をもつていただきたいと思います。宮城縣立の第一高等女学校というのは、仙台市元寺小路というステーシヨンの前にありましたので、いわゆる学区内ではなかつたのであります。それに、要するに先鞭をつけられたという形にありましたが、文部当局は御承知かどうかわかりませんけれども、第二高等学校の敷地の二万八千坪は、多分大正十二、三年ごろと覚えておりますが、仙台市中杉山通りの素封家であり、元貴族院議員であり、また衆議院議員であつたところの、中杉山小学校の父兄会長兼後援会長でありました伊澤平左衛門翁が、二高を北六番町にもつてくるのについて篤志寄附をしたのであります。さような関係上、中杉山通りの学区内に教育法の命ずるところによつて校舎を新築しなければ、新制中学校の意味がない現況であります。特に寄附者の伊澤氏の孫に当る平勝という人が、ただいま新制中学の後援会長となつております。おそらく同君にとつては感概無量な土地であろうと思いますから、このことも文部当局におかれては大学総長と御懇談を賜わりまして、御善処あらんことをお願い申し上げたい。 なお東北大学の農学部は、盛岡市にある現在の盛岡高等農林がそのまま綜合大学の中に昇格編成されるやに私は承つているのであります。東北大学の農学研究所はございますが、これは仙台市内にはございません。仙台市の郊外にございます。從つて大学はさし当り必要のない場所をよく張つてこれをとつておかなければならぬという必要は一つもないのであります。現在請願者総代の萩原氏が大学総長を訪問したところが、東北大学は当分の間何ら具体案というか、計画はございませんということを明瞭にお答えになつております。ただいま昭和二十二年五月二十二日ということでありますから、その日附による請願が出ていることはこれは初耳でございます。これはおそらく請願者一同に見せましたら、寝耳に水だといつてびつくり仰天するであろうと思います。大学当局は当分計画がないと言つておりますし、さような関係上、一層の御同情を義務教育である新制第四中学の敷地の獲得のために賜わらんことをお願いしておきます。
○高津委員長代理 他に御意見はございませんか——では本請願はなお愼重に審議する必要がありますから、採択、不採択は一時保留をいたしておきます。 —————————————
○高津委員長代理 日程第七、仙台工業專門学校昇格の請願、佐々木更三君外四名紹介第七三六号——佐々木更三君。
○佐々木更三君 ただいま議題になりました仙台工業專門学校を工業大学に昇格していただきたいという請願の趣旨について御説明申し上げます。 本請願は宮城縣会を代表いたしまして議長の高橋清君、仙台市会を代表いたしまして議長の高橋善三郎君、仙台工業專門学校の後援会を代表いたしまして会長の田中正三郎君、同じく工業專門学校の同窓会本部を代表しまして佐藤吉文君並びに東京支部を代表いたしまして中倉專一郎君、この五君の代表者によりまする請願でございます。 請願の趣旨は、今回の学制改革に伴いまして新制大学として仙台工業專門学校を單独の工業大学に昇格せしめて存置していただきたいという請願でございます。その趣旨の内容は、仙台工業專門学校は、明治三十九年開校されまして以來、四十一年間の長い歴史と傳統とを有する学校でございます。從つて工業專門学校が日本の産業の開発に対して、特に東北地方の工業水準を高めることにおきまして、非常に大きな功績をささげてきたのでございます。現在日本が狹い國土の中に、將來東北地方の未開発の資源を活用し、かつ日本の食糧の豊庫といわれるところの仙台平野を中心とする東北地方の食糧の増産のための土木事業、こういうものを控えまして、東北地方におきましては、どうしても大きな役割をはたすところの工業大学が必要であるのでございます。今回の学制改革に伴いまして、國家は財政上の理由から、この傳統と歴史とかつ内容の充実しているところの工業專門学校を、東北綜合大学として東北大学の一部にこれを合併すべしという御企画をもつておられるようでありますが、ただいま申し上げましたような宮城縣全体、仙台市全体、これらの市民並びに縣民がただいま申し上げましたような趣旨におきまして、特に工業專門学校を單独の工業大学に昇格して存置せしめていただきたい、こういう熱烈なる希望をもつているのでございます。 なるほど東北は御承知のように長い間惠まれない地帶でございます。政治的にも経済的にも、文化的にも、ほとんど日本の片すみに惠まれない生活をしているのでございます。從つて現在でさえも文化的施設が不足でありますから、東北からこういう必要な工業專門学校が一つでも少くなるということは、それだけ東北における文化水準と技術水準、ひいては東北の未開発の資源開発に非常に影響を及ぼすのでありまして、こういう東北の文化施設のきわめて惠まれない状況を御洞察くださいまして、この委員会が何とぞ御同情ある御審議によりまして、仙台工業專門学校を單科の工業大学に昇格せしめるよう、一つ御採択をいただきたいと、切に熱願してやまない次第でございます。以上趣旨の説明を申し上げる次第であります。
○高津委員長代理 ただいまの請願に対して政府の意見を伺いたいと思います。
○日高政府委員 御承知のように、來年度以降に轉換いたしまする官立の大学、高等專門学校が二百七十一あります。その一々を充実させて新しい大学にするということは、たといそれがいかに望ましいことであつても、現実の日本の國力においては、とうていできないことであります。近いうちにこの委員会にもお諮りいたしたいと思つているのでありますが、大体文部省といたしましては、一地域の学校はなるべく統合いたしまして新制の大学に轉換いたしたい方針で、具体的の計画について五月の十一日から二十八日までの間、各学校当局者と話合いをしてまいつたわけでありまして、各位にいろいろの食い違いがあるのでありますが、仙台の工業專門学校についてもその一つなのであります。 文部省の立場を申し上げますと、各学校におのおの長い歴史があり、傳統があり、特色がありまして、これを統合するということの非常に困難な事業であることは、私どももよく知つておるのでありますけれども、今日新しい大学をつくります場合には、どうしても統合をするのでなければ、どこかの学校をやめてしまう以外に、官立学校として存続させることがむずかしいような状態でありますので、なるべく統合して長短相補うことによつて大学の基礎を固めると同時に將來の計画も立てたいという趣意でまいつておるわけであります。仙台の問題につきましては、道路一つおきまして、東北大学の工学部があるわけであります。新しい大学に轉換いたします際には、もとの大学も性格をかえなければなりませんし、もとの專門学校も性格をかえなければならない。もとの大学が御承知のように專門の学術的研究というところに重きを置いておつたのと、もとの專門学校が技術者を養成するという意味においてそこに重きを置いておつたのとは、いくらか性格が変つておつたのでありますが、今度両方の学校とも同じような性格にかかなければなりませす。從つて從來の綜合大学には統合大学の特色がありますし、從來の專門学校には專門学校の特色があるという事実は、否定いたすわけにはまいらないのでありますけれども、両方とも新しい性格の大学に変らなければならないという点において、歩み寄るよりいたし方ないのであります。そうして事実隣り合つておる大学と專門学校とを、二つとも大学にして維持するということは、現在の日本の國力ではほとんど不可能に近いのでありまして、そういう意味において、いろいろの傳統もあり、歴史もあり、特色もありまして、なかなか合一するということについては困難な事情があることは、私どももお察しいたしておりますし、また当事者からも聽いておるのでありますけれども、この点はひとつ大局に立つて、東北大学の工学部と仙台の工業專門学校とが一つになつて、いい大学の一学部をつくつていただくように当事者にはお願いをしておるわけであります。これが統合できませんと、ほとんどおのおのの学校の歴史や事情というものを言い張られました場合に、教育行政上の立場から言いましてそれを止める理由はなくなつてしまうのであります。こういう点で文部省も格学校あるいはその裏におられるところの関係者たちの御希望は、できる限りは尊重いたしたい氣持ではありますけれども、事実上はなかなかそれに御賛同しがたいようなことも多いのでありまして、仙台の工專の場合も、残念ながらその一つであるように存じておる次第であります。
○高津委員長代理 本請願に対し委員の諸君に御発言があれば願います。 —————————————
○高津委員長代理 ないようでありますから、次に日程第一五、教職員の恩給増額に関する請願、佐々木盛雄君紹介、第一〇五九号——佐々木盛雄君。
○佐々木盛雄君 教職員の恩給増額に関する請願であります。教職員の恩給受給者は、教壇に立つことを天職と心得まして、薄給に甘んじて專念いたしておつたのでありますが、インフレ高進の今日、現在の恩給額ではどうしても生きていくことができないのであります。つきましては、現在の恩給を三十倍に増額願いたいというのであります。すなわち教職員が最も薄遇されておりまして当時の待遇を基準とした恩給額でありますので、物價がすでに六十倍以上、俸給もまた三十倍以上になりました今日、昔のままの少い恩給額では、どうしても生活ができません。また教職員は、官吏同樣、在職中は專任で、営利的收入のある事業を営むことを許されなかつたのでありまして、退職後生活の途のないものが非常に多いのであります。また任命によりまして轉々任地をかえねばなりませんでしたために、昨今では不在地主となつて、祖先傳來の若干の田圃も取上げられておるものが非常に多いのであります。 〔高津委員長代理退席、委員長着席〕 そこで新しい國家公務員法によりましても、相当年限忠実に勤務して退職した者は恩給を與えられ、かつ退職または死亡のときの状況に應じて本人または直接扶養する者には、その後において適当の生活を維持するに必要な所得を與えねばならぬ旨が記されておるのであります。從いましてこの趣旨を過去にさかのぼらせまして、即時実施をせられたいというのであります。 以上簡單でありますが、教職員の恩給増額に関する請願の趣旨を申し述べた次第であります。何とぞ御審議の上、委員各位の御理解によりまして、ぜひ採択あらんことをお願いいたします。
○松本委員長 ただいまの請願に対しまして文部当局の御意見を伺います。
○日高政府委員 ただいまの御請願は、一々ごもつともでございまして、私どもも教員の恩給をこのまま置いておくということは、まことに不合理千万なことと存じております。前に委員会に請願が出たときにも、申し上げたことがあるのでありますが、私どもとしてはこれが適切急速な処置がとれないでおることを、実に恐縮に存じておる次第であります。この前にもお話がありましたように、恩給制度の再檢討がなされる時期が迫つておるのでありますが、それを待たないで、ともかく現在困つておる恩給生活者に対して、臨機の処理をとれというお指図がありまして、私どももそれに対してはできるだけ骨折つたのでありますが、現在のところでは國家公務員法が施行されるようになりますので、國家公務員法に直接関係のある國家公務員制度の恩給制度の再檢討が始まろうとしておるのでありまして、これに対しては御趣旨の点を盛り込んで、できるだけ早い機会に御趣旨に副うようにいたすよりいたし方がないような状態であります。これではなまぬるいのであつて、もつと早く過去にさかのぼつても直接適当な処置をとれというお話も、この前にも伺つたのでありますが、現在のところ恩給局と当つてはみたのでありますが、その急速な処置はすこぶる困難のようであります。できるだけ早い機会に恩給制度の改革の場合に御趣旨に副うようにいたしたいと思つております。文部省といたしましては、俸給が上りました倍率に即して恩給額も上るように、スライド制で上げることができるように交渉いたしたいと思つております。
○松本委員長 委員の方で御網見ありませんか。——御意見ありませんでしたら、この問題はなお檢討する余地があると思いますので、採択、不採択はしばらく留保いたしたいと思います。さよう御了承願います。 —————————————
○松本委員長 続いて日程第二、小学校教員の恩給増額に関する請願、梁井淳二君紹介、第四五四号——これに日程第一六、小学校教員の恩給増額に関する請願、志賀健次郎君紹介、第一二九五号、日程第一七、小学校教員の恩給増額に関する請願、吉田安君外二名紹介、第一二九六号、この各請願はいずれも同一趣旨でありますから、一括して議題にいたします、久保君、代つて説明をお願いいたします。
○久保委員 紹介議員に代りまして、私よりその理由を説明いたします。大体ただいま御説明のありました請願と、趣旨はまつたく同樣でありまして、あらためてここにその請願の理由を申し述べる必要もないかと思いますけれども、小学校教員というのは、これは在職中最も俸給の低い職であつたのであります。それにもかかわらず、なお兼職ができないという制限を受け、さらにその薄給の中から恩給基金というものを納付してきたのであります。なぜ兼職を禁じられたかと申しますと、教員というものは、その職業柄、職業の純粋性を保たねばならないという立場において、そういう措置が講じられておつたものと思うのであります。ただ最もよい点は、退職後に最低生活をなし得る程度の恩給が得られるという点にあつたのであります。ところが今日の恩給額というのは、今日の物價に比しますと、きわめて低くて、とうていタバコ銭にも当らないという実情であります。ところがすベて恩給をもらつている人たちは、もう相当の年令に達した人たちであつて、いまさら社会のいろいろな仕事に從事するということもできない、在職中そういうことを轉業しておけばよかつたかもしれないが、それは禁じてあつた。もし今日の生活保護法の適用を受けるということになりますと、これは非常に精神的な矜持というものが傷つけられて、一生郷党の師父として仰がれてきたところのその人たちが、生活保護法の適用を受けて生活をするということになりますと、ひいては斯道の頽廃を誘致することにもなるということを、御本人たちは非常におそれているという実情であります。そこでこの恩給受給者の方々は、決してわれわれは贅沢な恩給額を要求するのではない。今言つた現在の勤労所得が二十倍であるならば恩給を二十倍に、三十倍であるならば三十倍程度に引上げてもらいたいというのが請願の理由であります。ただいま学校教育局長からの御説明で、一應納得したのでありますけれども、どうかひとつこの委員会においてこれを御採択になつて、この請願者の人たちの希望がかなえられますようにお願いしたいのであります。
○松本委員長 先ほどの日程第一五と内容はほとんど同じでありますが、政府当局から御説明がありますか。
○日高政府委員 よろしゆうございます。
○松本委員長 それでは文部省当局の御説明を省略いたします。委員の方で御意見がありますか。
○高津委員 さつき政府のお答えの中に、これから恩給の改正があるので、それに対して交渉をしようと思つているという言葉がありましたが、早手まわしにどんどんやつていただきたいと思うのであります。これは希望です。
○松本委員長 これも先ほど申しましたように、なお愼重に審議する必要があると思いますので、本日ここで採択、不採択は一時保留にいたしておきますから、御了承願います。 —————————————
○松本委員長 続いて日程第一、師範附属校教官の待遇改善に関する請願、大石ヨシエ君紹介——大石君が欠席でありますので代つて高津君御説明をお願いいたします。
○高津委員 この請願は、京都市中京区室町通竹屋町上ル道場町十六番地の瀧野孫三君が、近畿師範附属学園のPTAの代表者として請願をされております。ここに請願文がありますが、短かいからそれを読んだ方が最も的確に請願の趣旨を傳え得るかと思います。 六・三制の新学制実施に伴い、師範附属校においても、新制中学の設置を見るに至りましたことは、附属学園保護者といたしまして、初等教育の一貫性の立場よりも幸いとするところであります。しかしながら、その組織にいたしましては、過渡期として、やむを得ざるに出でた暫定の措置とは存じますが、きわめて不完全であり、かくては新制中学本來の目的を果すことは至難と考えられます。國家再建の重大時局、まことに困難なる事情も多々あることと推察いたしますが、新年度において附属中学としての使命を全うし得るよう、学級の増加、教官組織の充実並びにこれに伴う予算の増額等につき、格別の御配慮に預かりたいと存じます。 さらに附属学校の教員は各地域の優秀なる人材の集まりで、地方教育推進の中核として盡瘁せられつつあるにもかかわらず、その待遇たるや一般に地方教官よりも低いという現状にありますことは、当局におかれてもこれを認められるところであると信じます。しかも地方においては、著々と待遇改善の途を講ぜられつつありますとき、その不当な差別はますます大となるのであります。かくては地方教育、ひいては國家教育の振興の上にも重大なる支障を來すことは必至であり、まことに憂慮すべきものがあると考えます。この際附属教官は少くも地方と同等以上の待遇をせられまするよう、特に近畿地区の経済事情より見て、早急にこれが実現方につき御努力に相なりまするよう、懇請いたす次第であります。 右近畿師範附属P・T・Aの名において請願いたします。 というのでありますから、どうぞよろしくお願いいたします。
○松本委員長 右の請願に対しまして、文部当局の御意見を願います。
○日高政府委員 師範の附属学校の教官の俸給が、その土地の該当の学校の教官の俸給よりも少いということは事実であります。もとは師範の附属の小学校の先生が、平均して地方の学校の先生よりもよかつたのでありますが、教員の俸給を一應官吏並にいたすというような方針で改善いたしてまいりましたところ、その上に各地の特殊事情によりまして、國で標準として定めた以上に各地の当局者並びに学校の先生たちの話合いによりまして、その標準を上まわるようになつたのであります。このこと自身は、学校で働く先生方にとつては非常に好都合の結果なのでありますけれども、そのために全國的に標準を立てております直接の官吏の身分をもつております直轄学校の教師は、府縣が財政をもつております地方の学校の先生よりも悪くなつた次第であります。この官吏の身分をもつております直轄学校の教師の待遇をよくするためには、全般をよくするのでないと、その小学校の先生だけをよくするわけにまいりませんので、影響が非常に大きいために、その地区別においての不合理を正すために全体を直すということが不可能なような状態に陷つておるわけであります。もとより学校の教師の待遇をよくすることは、文部省としては非常に願つておることでありますけれども、一般の官吏よりも比較的いくらかよくなつておる上に、さらによくすることは、現在の日本の状態では非常にむずかしい状態になつておりますので、これをどういうふうにして打開するかということについては、いろいろ苦慮しいおる次第であります。一應の案がないわけでもないのでありますが、これは根本的な対策を講じませんと、実現のできないようなことであります。それもまた相当困難な状態にあります。不つり合いの点は承知いたしておるのでありますが、まだ具体的にこれをどういうふうにしたらつり合いがとれるようにできるかということは、簡單には解決ができないで困つておるような次第であります。
○松本委員長 委員の方で御意見はありませんか。——それでは本件もまた愼重に審議いたす必要がありますから、採択、不採択はこの際保留いたしておきます。 —————————————
○松本委員長 日程第九、浦和高等学校昇格の請願、松崎朝治君外五名紹介、第八三一号——松崎君が欠席でありますので、代つて圓谷君から御説明を願います。
○圓谷委員 この請願の趣旨は、浦和高等学校を現位置において東京大学に併合昇格せしめられたいというのであります。聞くところによりますと、浦和高等学校は東京大学に併合せられて、遠く某地に移轉せられる予定であるというのであるが、浦和高等学校の設置の事情を忘れた処置である。浦和高等学校の歴史、それから埼玉縣民の熱望をよそにしてこの挙に出られることになつたならば、埼玉縣文化の中心をなすところの浦和にとつては非常に重大なことである。特に浦和は東京都に近く、交通もまた至便である。ゆえにこのすぐれた教育的還境を選んで東京大学の一部を置くことは最も適当というべく、大学各部間の連絡よりするも他にまさること数等であるから、これを他に移して併合するというような企てはとらないで、ぜひ現位置に浦和高校を置いて、東京大学の一部に昇格してもらいたい。以上であります。
○松本委員長 ただいまの請願に対して文部当局の御意見を願います。
○日高政府委員 ただいまの請願の御趣旨は、私どもももつともだと思います。その線に沿うように解決いたしたいと努力いたすつもりであります。
○松本委員長 他に御意見ありませんか。——では本件もなお愼重に審議する必要がありますから、一時保留にいたしておきます。 —————————————
○松本委員長 日程第一〇、学校敷地買收に関する請願、上林山榮吉君紹介第八六六号——上林山君が欠席でありますので、代つて松本君から御説明を願います。
○松木委員 本請願の趣旨は、学校敷地は農地方のごとき特別法をもつて買收できるような制度の制定方を願いたいというのであります。理由は現在の地價は相当高額でありますから、農地法のごとき特別法の適用によつて安價に買收したい。右は市町村の教育上重要な事項でありまして、地方自治の向上発展のために喫緊のものであるというのでございます。
○松本委員長 ただいまの請願に対する文部当局の御意見を願います。近藤会計課長。
○近藤政府委員 お答えいたします。請願の御趣旨は現在の地價が非常に高額であるので、たとえば農地法のような特別法の適用によつて安價に買收したいという御趣旨でございます。現在学校の敷地につきましては主として軍の用地の拂下げ、あるいは軍の用地の返還というような方法によつて学校の敷地にしておる状況でございますが、その用地の拂下げの場合に、拂下價格が非常に高價であるという御趣旨だろうと考えるのでございます。これにつきましては文部省としては大藏省の財務局と協議いたしまして、特に学校を目的とする用地につきましては、一般の拂下價格よりも廉價をもつて拂い下げるように要望いたしまして、ただいま具体的にいくらということは資料を持ち合せておりませんが、相当廉價になつておると存じます。何か特別法をもつてさらにできるだけ安くしてもらいたいという御希望につきましては、われわれとしてもしごく同感でありますので、なお十分研究いたしまして御趣旨に副うようにいたしたいと存じます。
○松本委員長 委員の方で御意見がありますか。
○圓谷委員 ただいまの件について、大藏省は單に敷地ばかりでなく、建物についても終戰後一時学校に借用したものについて、坪三千円とか四千円というような高額な金をもつた拂い下げるというようなことを聞いておりまして、これについては地方で非常に困つておるのであります。文部当局は相当な強い力をもつて大藏省を説き伏せて、建設当時の價格、これは非常に安いものですが軍事施設などの程度をもつて、もつと安く拂い下げるのが妥当だと思うのですが、この点については、そういうことをお聞きになつておりませんかどうか、お伺いしたいと思います。
○近藤政府委員 お答えいたします。ただいまのお話は実は私もしばしば伺つております。そういうことは非常に困るから、何とか方法はないものかという話は、よく聞いておるのでございます。またわれわれとしても、しばしば財務局と交渉しておるのでございますが、何分にも向うの主張は、やはり財政收入をできるだけよけいにしたい、國有財産の処分によつて、できるだけ收入をあげたいという趣旨できておるものでありますから、われわれの主張とそこにどうも食い違いが出ますので、何とか話合いをして両方立つようにしたいと考えておりますが、現在のところではやむを得ぬことだと考えております。しかし御趣旨はまことにごもつともでございますので、なおもつと強く財務局の方へ御要望の趣旨をもつて当りたいと思つております。
○圓谷委員 この点については、國民の輿論として、文化施設のために、大藏省が財源を見出すために、かくのごとき高額をもつて学校の拂下げをするということになると、非常な問題になると思うのです。委員長はあとで文教委員会に諮つて、國民代表の議決機関であるので、大藏当局に対しても、文部省としては、やむを得ないというような今の御説明でありますが、委員会としてもこれも取上げて、対策を練つていただきたいと思います。これを委員長に要望しておきます。
○松本委員長 承知いたしました。ではただいまの請願はなお十二分に審議する必要があると思いますから、本日の採択は一時保留にいたしておきたいと思います。 —————————————
○松本委員長 続いて日程第一四・岡山市に國立綜合大学設立の請願、中原健次君紹介第一〇四〇号。 本請願はすでにこの前の委員会におきまして趣旨の説明を十分聽取いたしたわけでありますから、この際あらためて説明の聽取を省略いたしたいと思いますが、委員の方で御意見がありましたら御発表を願います。——ございませんか。——ではやはり愼重に審議する必要がありますので、本日は保留にいたしたいと思います。ちよつと速記をやめて……。 〔速記中止〕
○松本委員長 速記を始めて。 なお教育勅語に関する件というのが議題に供されておりましたが、まだ正式議題にかけるまでに至つておりませんので、その点御了解を願いたいと思います。 本日はこれをもつて散会いたします。 午前十一時五十九分散会