文化委員会 第17号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/06/30
会議録
○小川委員長 それでは会議を開きます。 本日は、公報をもつてお示ししておきました通り、まず栄典法案を議題に供します。本法案につきましては、去る十五日政府側より提案理由の説明があり、引続き三回にわたつて政府側との質疑應答を重ねてまいりまして、大体質疑も終了したようでありますが、特に本日は並木委員から本法案について御質疑がございますので、これを許すことにいたします。
○並木委員 この栄典法案に罰則の規定がないのでございます。もちろんこの法案の内容自身がそう嚴格な罰則を設けるような性質のものではありませんので、罰則の規定はなくてもいいという建前ではないかと思います。しかしところどころこういう場合には、勳章を返納しろとか、返還しろとか、こういうようなことが出ておりますので、もし返還、返納を怠つた場合にどうなるか。できなければできないで、その返は大体今までの翌慣通りまああまり深くとがめずに済ませよう、こういうような運用でいかれるのかどうか、そういう点を一つお聽きします。 もう一つ簡單ですが「外國の勳章又は記章を受領した者が、これを着用しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。」これは第八條にありますけれども、この認可は一々手続をとつて受けるような煩瑣な方法でなく、何かあとの施行令とか何とかで、一括して許可が出るような方法を研究されておられるでありましようか。その二点について質問いたします。
○鈴木國務大臣 第一の御質問の栄典に附隨して処罰すべき場合というのは、ちよつと簡單には考えられないのでありますが、勳章を偽造するとか、そういうことは刑法上の犯罪になります。それから子供の玩具のように、似せた勳章すらも下げて歩くことは、軽犯罪法に規定がありまして罪になるのであります。それであとは懲役禁錮以上の刑に処せられたら勳章を返さなければならぬ。それは今まででもそれぞれ返納を命じ、任意に出さなければとりにいく、そしてとつてくるというふうにして、嚴格に励行いたしております。まれに行方不明になつてとれないというようなことがあるかもしれませんが、それは千百のうち一つでありまして、大体実行いたしておるのでありますから、今後もその点は励行ができると信じております。 第二の御質問の、外國の勳章を佩用することの許可は、今までの分については総括的に許されておるのでありまして、特別に許可を必要としないのであります。これから後もらつた人が佩用するについては、やはり一應内閣総理大臣の認可を要することになることが、施行令の方に規定がありますが、きわめて簡單な形式で、願い出れば当然許されることになつておるのであります。
○並木委員 くどいようで恐縮ですが、たとえば外國の勳章を許可なくして佩用したような場合の罰則というものはないのですから、嚴重にとがめないで大目に見てしまうとか、あるいは紛失してしまつて、どうしても見当らない、返納できないといつた場合に、やはり運用においてお手やわらかく扱うのか、それとも何らか別の法規によつて嚴重に罰則に付されるのか、その点はどうですか。
○村田政府委員 第一の、外國の勳章を受領しまして、何らの手続なしに佩用した場合の問題につきましては、これは軽犯罪法に、資格なくして勳章を着用した場合というのに該当しまして、これは拘留か科料に処せられることになります。 それから次の、勳章の返納の場合でありますが、これは今までも励行はいたしております。しかし現物を盗難でなくしたとか、あるいは火災等でなくしたような場合には、しかるべき人の証明書、たとえば警察に届けてあれば、警察署長の証明書、届けてなければ、近所のしかるべき人二、三人の証明書をもつて、紛失したことを証明されれば、お返し願わなくてもいいことにしております。現物をお持ちならばお返し願うという建前にしております。これは新しく勳章を授與する方でありますから、もちろんごまかして、返すべきものを返さぬとかいうような方はないものと思つております。
○馬場委員 ちよつともう一度伺つておきたいことは、民主的なという根底に立つております場合に、この栄典法に規定されている審議会の委員ばかりではないですが、各委員会が結成される。その審議会の委員は十名ということになつておりまして、公正で識見のある者のうちから選ぶ、これはその通りで結構でありますが、その選び方の問題です。用紙割当その他の方になりますと、各專門のところから委員を出して、その何人かの委員の中から選ぶということになつておりますが、この公正で識見のある者という人々を選ぶ場合の選び方についてお伺いしておきたいと思います。
○鈴木國務大臣 その点は非常に大事な点であります。実は本法が成立した後に、もつと十分に考慮してきめたいという考えをもつておりますために、一應の案はもつておりますが、まだ決して確定したものではありません。あるいは選挙にしようか、あるいは各職域團体の代表者に推薦を依頼するか、いろいろなことが考えられますが、とにかく各界代表の意味で、衆参両院を含めまして、最も適当な、公正と見識とをもつた人を十人委嘱できるような方法を考えたい、かように考えているわけであります。
○馬場委員 この法律は昭和二十四年一月一日前に施行されることになつておりますので、その前に審議会が構成されることになると思いますが、大体これが初めて授與されるのはいつごろの見込みでしようか。
○鈴木國務大臣 さいわいこの國会を通過いたしまして成立をいたしますれば、できるだけ速やかに、明年一月一日から、かりに授與すベき人がありますれば、一人でも二人でも授與ができるように準備を整えたい。そのためには法の施行を二箇月ぐらい前にいたしませんと、諸種の準備が間に合いません。そこで一月一日より遲からざるときより施行しようとしておるのでありまして、施行令を規定いたしまして、さらに準備期間を考慮の中に入れてやりたい。しかし今のところ、なかなか準備が間に合わないのではないか。そうすれば結局いろいろなことを申し上げておつても、明年の一月一日から施行ということが、まず間違いのないお約束になりはせぬかというように考えております。
○小川委員長 ほかに御質問はございませんか。——御質疑がないようですから討論採決に移りたいと思います。 それではただいまからただちに討論に入りたいと存じます。佐々木盛雄君。
○佐々木(盛)委員 民主自由党を代表いたしまして、栄典法案に賛成の意を表します。今回の栄典制度の制定は、新憲法がその附嘱します諸法律によりましてさらにその完成をし得るものでありまして、この点からもきわめて重要な法典であろうと思います。終戰後の一時的な混乱を脱して思想的に経済的に再建の光明を見出そうといたしておりますときに、これらの國民の中でその功労顯著と認められる者に対して表彰の途を講じ、もつて國民の志氣を振作し、道義の高揚をはかることは、刻下の緊要事と考えるのであります。從いましてこの趣旨に則りまして本案に賛成をいたすのでありますが、從來の栄典制度の運用がとかく官尊民卑の弊風にとらわれておりましたので、今回の新しい栄典制度の施行にあたりましては、特にこの点を留意されんことを希望條件として申し添えて、本案に賛成の意を表します。
○小川委員長 次に佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 日本社会党を代表いたしまして、本法案に賛成いたします。そもそも本法案は新しい憲法の施行に伴つて出されたものであり、現在の國際事情のもとにおいてはこの栄典制度を是とするものであります。ただ從來の日本の勳章は、ややもすると官吏が多くて、民間人に授與される例が非常に少かつたのでありますが、今後官を重く見るような弊風を捨てて、眞に功績のある民間人に厚く勳章を與えられることを切望いたすのであります。ややもすればいわゆる官の高い者、地位の重い者が高い勳章をもらうような例がたくさんありましたが、しかし責任の軽い地位の人が、必ずしも大きな功労を立てないとは限らないのであります。そういうような場合をよくお考えになりまして、今後この栄典法案が通過いたしました以上は、必ずこういうようなことにつきまして、公平に、將來遺憾なからんことを希望いたしまして、本法案に賛成するものであります。
○小川委員長 次に高橋長治君。
○高橋(長)委員 國家の安寧秩序を保持するには、國民の功績刑罰というものが正しくはつきりとする社会でなければならぬと思います。敗戰後わが國は今日まで罰する面だけでありましたので、國民の生活に何となく希望がもてなく、すべての面におきまして活発明朗性が欠如しておつたのを見ますのも、一つはここに基因しておる点があるのではないかと考えられます。今提案せられた栄典法案は、一日も早く制定すべきものと思うのでありまして、私はここに民主党を代表いたしまして、原案の通りに賛意を表するものであります。
○小川委員長 次に川越博君。
○川越委員 私は國民協同党を代表いたしまして、本案に対して賛成の意を表明いたします。新栄典制度は各党の諸君によつて意見を申し述べられた通りに、新しい憲法の精神に則つて、平和日本の輝かしい一つの希望を國民に與えるものでありまして、実に意義深きものであるということを痛感いたします。この栄典制度を運用するにあたりましては、政府も、また國民も、ほんとうにこの意義を活かしていくように努力をしていかなければならぬと考えます。それにつきましては馬場委員の意見もございました通りに、本制度の運用については、公平を期していくことが最も肝要であります。殊に栄典審議会の委員の人選、これらのことは非常にむずかしいでありましよう、その他一般國民の表彰に遺憾なきを期する、そういう点にあらゆる角度から公平を期するという点について十分の注意をしていただきたいと考えます。殊に公平を期すると同時に、もう一つは総花的になつて濫費に陷るということも、これまた勳賞の権威をなくすることになりますから、そういう点においても十分注意をしていただきたいと考えます。新しい栄典制度ができますにつきましては、從來の軍國主義的な点が全然除去されて、平和的な、かつまた文化的な意味が非常に深く現われておることは、われわれといたしまして非常に同感するところでありますが、また一面從來の旧勳章の佩用についても追放者以外の人は佩用を許可するという温かい点もあり、非常にうまく法案がつくられたと考えております。以上私は國民協同党を代表いたしまして本案に対しまして原案通り賛成いたします。
○小川委員長 討論は終局いたしました。 これより採決を行います。原案に賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
○小川委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決せられました。 なお皆樣にお諮りいたします。衆議院規則第八十六條には、委員会が付託された議案について審査を終了したときには議決の理由を付した報告書をつくり、委員長からこれを議長に提出しなければならないと規定されておりますが、この報告書を委員会にお諮りする時間的余裕がございませんので、これは委員長に御一任願うことにいたしたいと思うのですが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小川委員長 それではそのようにいたします。 —————————————
○小川委員長 引続いて放送法案を議題といたします。まず当局から本法案についての説明を願うことにいたします。冨吉逓信大臣。 —————————————
○冨吉國務大臣 ただいま議題となりました放送法案の提案理由を御説明申し上げます。 現在の放送事業の主体でありまする社團法人日本放送協会は、民法の規定に基いて設立されておりますが、その施設については無線電信法の規定に基き逓信大臣の許可のもとに運営されておるのであります。しかし無線電信法の規定はきわめて簡單でありまして、殊に同法は事業を規律するものでありませんので、今日のごとく発達した放送事業を規制いたします上に、きわめて不備の点が多いばかりでなく、逓信大臣に包括的権限の委任をいたします点は、新憲法の精神にも副わないことにも相なるのであります。 また放送事業は、現在におきましては事実上日本放送協会がその経営を独占しておるのでありますが、日本放送協会の性格は單なる私的機関たる民法上の社團法人にすぎないのでありまして、このような機関をして社会生活のあらゆる部面に重大なる影響力をもつている放送事業を、法律的な根拠もなく事実上独占せしめておくことは、これまた新憲法の精神に副わないのでありまして、この際日本放送協会の性格を公的な機関に改組して、國民全般の福祉に奉任せしめることを明定する必要があるばかりでなく、最近におきましては、新たに放送事業の経営を希望する向も多い実情からいたしまして、この際放送事業のあり方並びにこれの監督機構について、全般的にこれを法制化する必要が生じてまいつたのであります。 かかる見地から今回放送法を制定せんといたしたのでありますが、本法案に規定してあります主要なる内容について申し上げれば、まず第一に放送政策に関する三原則といたしまして、一、放送事務が情報及び教育の手段として、また國民文化の媒体として、國民に最大の効用と福利をもたらすことを保障すること。二、放送を自由な表現の場として、その不偏不党と眞実と自律とを保障すること。三、放送に携わる者の國民に対する直接の職責を明らかにすることによつて、放送が健全なる民主主義に奉仕し、かつそれを育成するようにすることを明確にし、この法律の範囲内で番組編集、放送受信、表現等が自由であることを明らかにしたことであります。 第二といたしましては、放送を規律し監督する行政機関として、総理府の外局たる放送委員会の設置を規定いたしましたことであります。すなわちこの委員会は、法律で定める権限の行使につきましては、まつたく独立してこれを行うこととし、電波監理の技術的事項以外は、他のいかなる機関、組織、團体等にも支配されないのでありまして、委員会を構成する委員数は五人とし、内閣総理大臣が國会の承認を経て任命する仕組といたしてあります。 第三に、先ほど申し上げましたごとく、現在の社團法人日本放送協会を公的な機関に改組せんとすることであります。すなわち新協会は、この法律によつて設立する公的機関でありまして、協会の理事七人は放送委員会が國会の承認を経て任命するのであります。その他協会は営利行為を行うことができないこと、協会は聽取料を徴收することができるものであること、協会は基本金をもたず、社債によつて必要な資金を賄うものであること、また協会には課税しないこと等を決定いたしました次第であります。 第四といたしましては、協会以外の者も、委員会の免許を受けて放送事業を行うことができる途を開いたのであります。これによりまして、日本に國籍を有しない者、外國政府またはその代表者等のごときものを除きましては、すべて法律の規定する條項により、審理の上放送局を開設することができるように規定したのであります。 以上申し上げましたほか、放送に関する一般的制限事項、審理手続、不服の審理及び訴訟に関する事項並びに所要の罰則を規定いたしまするとともに、この法律施行後五年以内に、内閣総理大臣は特別の審議会を設置して、この法律の存続、改正または廃止についての勧告を求めんといたしましたことが本法案のおもなる條項となつております。 以上本法案提案の趣旨及び法案の大要を御説明申し上げた次第でありますが、何とぞ十分御審議の上速やかに御賛成くださるようお願いいたします。
○小川委員長 それでは引続き本法案についての質疑を行うことといたします。
○佐藤(觀)委員 今度放送法案が出ることになりまして、今までの独占的な日本放送協会が新たに民主化されるということについては、賛成するものでありますが、御承知のように、今までのこういうような事業会社というものは、ややもすれば逓信省の官吏の古手が実権を握るような危險が非常に多いのであります。そういうことに対して、逓信大臣はどんなようにお考えになつておるか、その点についてまずお聽きしたいと思います。
○冨吉國務大臣 ただいま御説明いたしました中に申し述べましたことく、いわゆる放送事業が國家あるいはその他の権力にも支配されざる点に、この放送法案の大きな提案理由の一つがございますところからいたしまして、今お述べのような弊害は、断じて起らないものと思うのであります。殊に今御説明申し上げました通り、総理大臣が國会の承認を得まして五人の放送委員というものを設置いたしまして、これがこの行政を行つていくことに相なりますので、逓信省の古手官吏というようなものはおよそ縁が遠くなることは、佐藤君の常識をもつてごらんくださるならば明瞭なることと思います。
○佐藤(觀)委員 逓信大臣は非常にきれいなことを言われますが、しかし今までのこういうような民間團体を見ますと、現在そういうことのために、いかに民衆が苦しんでおるかということは、逓信大臣たらずとも、わかることと思うのであります。大体こういう法案ができますときに、いつも総理大臣が任命されて、それからあとで國会から承認を得るといつても、これは実際は形式的な問題でありまして、なかなか民間の下から盛り上つてこういうことをやるということは非常に困難だと思うのであります。そういう点について今、日本が民主化を叫ばれておりますし、特に放送というものが、一般公共の利益と非常に関係があるものですから、そういう点について、この法案は絶対に間違いないという確信があるかどうかを、逓信大臣にお伺いいたしたい。
○冨吉國務大臣 御承知のごとく今まで放送事業というものは、逓信大臣の行政権のもとで左右いたすことができておつたのであります。たまたま御案内のごとく敗戰後日本が連合軍の管理化に置かれるようになりまして、向うの方から種々なる指示もしくは指令がございまして、それによりまして実は逓信官吏は、放送事業に対しまして容喙権をもたなくなつておるのでございます。從いまして今後におきましては、いわゆる電波行政の技術的な面だけが逓信省の受け持つことになりますので、実は逓信大臣は放送事業に対してこれでおわかれを告げることに相なるのでございまして、從來の逓信省の官僚が何でもかんでもかき集める思想をもつて自分の勢力範囲に置こうとしたことと、およそ逆な方向になりますので、佐藤君の御心配は一應ごもつともとは思つておりますが、大体この法案の提案の理由はおよそ逆な理念になつておると思うのであります。なおまた七月一日から施行されますところの公務員法におきまして、公務員たりし者は二箇年間類似の密接な関係のある事業には云々というようなこともございますので、それらの点や、また日本の民主化が一般的に進んできて官僚なるがゆえにこれを優遇するといつたごときことが廃止されますことは、私ども期待してよろしいかと思うのでございます。かかるいろいろな建前から、今御心配のような点は絶無であると考えますし、同時にまた、私どものこれを排してとらざることであることを御了承願いたいと思います。
○佐藤(觀)委員 大体こういう團体は、今までは日本は社團法人というような形にはなつておりますが、社債でやるという意味はどういう意味でありますか。
○鳥居政府委員 ただいまの佐藤さんの御質問についてお答えいたします。今般日本放送協会を改組いたします理由は、先ほど大臣からるる御説明いたしましたように、私的な團体であるという性格をとることが、一番大きな目的でございます。これをとりまして法的な團体とするというときに來て考えられますことは、必ず協会の施設を全部固有にする。これが公約團体のまず基礎として考えられることでございますが、現在われわれが研究いたしましてこれを國有にするということについて二つの困難があると考えられるわけでございます。一つは公的團体の財産を全部國有にいたしますことから、ただいま佐藤さんが非常に御懸念になりましたような、官僚の勢力がその財産権に伴つて浸透していくということが考えられるわけでございます。もう一つは國家の財政が非常に危急の場合に、現在ともかく國家の出資なしにやつていられるところの事業を、ただ理屈の上から國家の所有に移しまして、ここに十億ないしそれ以上の出資をいたすということは、財政上にも非常に困難なことでございます。こういうことを考えまして、さていろいろの勢力の影響を受けないで、公平に事業を行い得る財政的根拠はどこにあるかといろいろ研究いたしました結果、これは公共事業であるから、國の公共事業が公債によつて建設費を賄うと同じ原理をもつて、社債をもつてこの建設資金を賄う。こういたしまして、財政的にも、一つの基礎をつくり、同時にその財政的な処置に伴つていろいろの機関あるいは團体の勢力の影響を受けないようにするという立場から考えまして、基本金なしにして、主として建設資金を社債に仰ぐ、こういうふうにいたしたわけであります。
○馬場委員 こまかいことは專門委員に御答弁願いたいのですが、まず第一は、ここに提案されました放送法案のねらいは、放送の民主化であるということで、これは異議ないと思うのであります。他に放送協会が設備し得るという見透しがある場合には、話は樂になるのでありますが、依然として独占的な一つの放送協会しかもてないという現状におきましては、私はいかに民主化されるか否かということは、これは運営のいかんにかかると思う。ところが第十條に規定されております放送委員会の委員五人というものが、一切の放送の運営に当るようになつております。この放送委員会の委員の任命は両院の同意を得るということになつておりますので、この点で、正しく運営される場合は、これが理解されると思うのですが、先ほど大臣は不偏不党ということを繰返して申されております。政党政治が発達してまいりました場合、多数党の議会運営に相なつてきたときに、國会の同意を得るということは、はたしてこの委員の五名の任命を正しいあり方として、どういうぐあいにお考えになつてこれが提案されたものか。不偏不党ということを、簡單にこれが一番正しいというふうに考えられておる今日のあり方に、私は非常な疑義をもつものであります。最近の放送討論会を見ましても、民意を反映して議員が選ばれたその多数党と、まつたく民意の何%しかもたない党の代表が、同等の資格で放送討論会へ出ておるというようなことが、はたして正しいのかどうか。この点を考えますときに、この放送委員会の五人の任命いかんが、この放送法案を決定するものであると私は達観して考えている。從つてこの委員の任命を不偏不党な正しい者をという考えで選ばれるのか、あるいは時の國会を通過しなければならぬという場合には、多数党の意思の反映がなければこれは通らないということになつた場合に、どういうぐあいにこれをお取扱いになるのか、この点のお考えをまずお伺いしたい。
○冨吉國務大臣 馬場さんのお述べになりました委員の任務は、この法案にも書かれております通り、この法律を孰行する、つまり放送行政を行つていく機関でございまして、放送事業それ自体、いわゆる放送協会の運営というものは、その中の七人の役員がやつてまいるのでありますから、今お述べのような点についても、多少の御心配は薄らぐのではなかろうかと思うのであります。なお不偏不党ということに御言及になりましたが、それはなるほどお説の通りであります。常にわれわれは理想を高く掲げておるのでございますが、なかなかその理想に到達しないのが現実でありますことは御指摘の通りでございます。ここに不偏不党と書きましたからといつて、ただちにこれが全然党派には影響されないというようなふうに、必ずしも行き得ない場合もあろうかと思いますが、大体におきまして國会の御承認を得るということになるますれば、うなずけるりつぱな方が承認されるのではなかろうかというふうに考えております。今お述べになりました中の、いわゆる多数の意思を代表する党と、あるいは少数の党員しか持たぬものとが同一の発言をするということはどうかというような御議論でございます。実は私どもそういうふうにも考えております。しかしこれらの運営は今後の日本の民主主義が決定すべきものでございまして、大衆の輿論が決定すべき問題でございます。今逓信省の責任の地位にある逓信大臣が、かれこれと議論して決定すべき問題でないと考えておりますので、それらの点においては、この委員を承認するところの國会及び輿論、そしてその放送のやり方運営についての批判というものは、大衆的な審判の前で行われていく、かかつて日本の民主化いかんという問題にあるのではなかろうか、このように考えております。
○馬場委員 大臣はただいま、運営は七人の当事者が担当するということであります。この法案によりますと、それを任命するのが放送委員会になつております。從つて放送委員会の委員の任命こそ、この法案が正しく、疑義をもたない、民主化された放送をやるか否かを決定するポイントである。從つてこの放送委員会のあり方、選び方に対して、もう少しく深く聽きたいのです。廣い経驗と卓越した識見を有する三十五歳以上の者の中から選ぶ。こう十一條にありますが、この選び方をいかようにお選びになり、いかなる腹案でこれが起草されておるかという点を伺いたい。
○鳥居政府委員 ただいま馬場さんの御質問に対して、放送法案をつくりました者として、技術的な範囲内で簡單に御説明申し上げます。今の御質問はこの法案をつくります経過におきましても、非常に議論の出ましたところでございまして、私どももこの点は非常に慎重に研究いたしました。そして最後の結論は、ただいまお手もとにおまわしいたしましたような法案の形になつておるわけでございますが、まず第一にこの法案の目的とします事柄から御説明いたしますと、この放送委員会は五名をもつて構成せられます。第一回の委員は五名全部同時に任命せられますが、最後の附則に書いてございます通りに、任期がそれぞれ一年、二年、三年、四年、五年とこういうふうにわかれておりまして、以後は毎年一人ずつ交代する。こういう形をとりまして、時の内閣が迭り、または議会の勢力分野が変りましても、この放送委員会の構成に非常に大きな影響が來るということは、極力避けるようにしております。 次に最初の五名の任命ということが非常にむずかしい問題なのでございまして、今まで意見の多くございましたのは、こういう不偏不党の公正を期する委員の任命であるから、総理大臣に一任しないで、何か選考委員会のようなものをつくりまして、そこに國民各層の代表者にお集まりいただいて、そこの推薦によつて内閣総理大臣が指名し、國会の御同意を得る、こういう形が一番よろしくはないかという御意見を非常に多方面からいただきました。私どもも非常にこの案につきまして研究いたしたのでございますが、何分この委員は毎年一人ずつ交代することになりますので、こうした選考委員会が継続的な性格をもつてまいりまして、放送に対する放送委員会以外のまた一つの組織ができる、こういう形になりまして、その組織がしかも國民の一種の代表機関になるというような形にもなりますので、これを法律で規定することには、多少他の法規関係と比べまして問題も出ますので、この法律の條文にはそのようなことはうたいませんでしたが、この法律が御同意を得ましたあと、この実施に当ります放送委員会の設立の事務に当られる部署におかれては、ぜひただいま申しましたような意見を参照せられまして、不公平な人事の起らないように努力しておるわけであります。われわれもまたその意見をよく申し傳えたいつもりでおります。
○馬場委員 もう一度かさねてお伺いしておきたい。最初の五人の選び方ですが、これはどういう形で、どういう所から選んでこられるのか。
○鳥居政府委員 お答えいたします。先ほども逓信大臣から申し上げました通りに、この法律が成立いたしましたならば、逓信省はこの放送監督行政からは、技術的なことを除きましては手が離れるわけでございます。從つて新しい放送委員の選考方法、あるいはその事務というものは、逓信省がこれを行わないつもりでおります。現在のところでは、内閣に特別な準備室のような機関をつくつてもらいまして、そこで準備に当つてもらうつもりでおるのでございまして、逓信省としてこれをどういうように選考するかということは、ただいま御回答申し上げることは出しやはりになりますが、われわれ立案者の考えをもつてしまするならば、やはり公平を期するために、ある種の諮問委員会あるいは推薦委員会、こういう一つの機関を政令またはその他の方法でおつくりになつて、そこの推薦に基いて総理大臣が御選考になるのが、一番よろしくはないかと考えております。
○川越委員 三点お伺いたしたい。第一点は敗戰以來逓信省の放送局に対する監督は、技術面を除いては、ほとんどやつていない、そういうお話がありましたが、技術面においては、もちろんそういう監督は必要であると思います。しかしながら技術面以外の放送事業、放送の内容、そういつた面については、民主主義の時代でありますから、政府が不当にこれを干渉することはもちろんよくないことでありますけれども、政府が全然これを対岸の火災視することもできないと考えます。それで技術面以外の放送内容については、政府としてはどの機関がこれに関心を有して連絡をとつておられたか、その点と、今後また新しい放送事業法ができたならば、政府としてはどういう態度をもつていかれたいのか、その点をお伺いいたしたい。 第二点は、今度の放送法案が通過しますと、日本放送協会以外に、今度は一般の放送局が認められてくる。現在の日本における資材関係から、一般の放送局がすぐにできるとは考えられませんけれども、この放送事業を自由競爭にしていく、そういう観点から、いずれは時間の問題として、一般放送局ができてくると思います。これについては、常識的に考えても、外資導入の観点からいろいろな問題も出てくると思いますが外資導入と民間の放送会社、そういつたものについて、いかに政府としては考えられておられるか。 第三点は本法案の第二十二條の第二項に、電波廳地方電波管理局に放送委員会はその事務の一部を任かせることができる。そういつた意味のことがありますが、電波廳地方電波管理局、こういうものについてわれわれよくわかつておらぬ。そういつた面についても現在どうなつておるかをお知らせ願いたいと思います。以上三点、当局にお伺いいたします。
○網島政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。最初の御質問でございますが、放送協会の監督面といたしましては、從來情報局が戰爭中にやつておりましたプログラムに対する監督、それから施設及び事業等に対する監督、大体こういう二つにわけて考えられるかと思うのでありますが、プログラムの監督面に関しましては、進駐軍がわが國に参りまして直後出されましたところの覚書によりまして、日本政府は新聞及び放送等の言論機関に対しまして、その編收その他に一切関與してはならないということになりました。それ以來日本政府におきましては、どこの機関におきましても放送協会のプログラムには関與しておりません。その他のいわゆる施設の面に関しましては、現在の無線電信法に基く電波行政の強化ということに対しましては、司令部の強い要望もございまして、それに基いて技術的な監督をいたしておるのであります。從いまして私設の拡充その他に関しましては、逓信省といたしまして、現在も重大な関心をもつておりまして、いろいろ援助をしてまいつております。御質問にございました外資の導入の問題等に関しましても、逓信省におきましては、今まで放送協会と密接なる連絡を保ちまして、政府部内のそれぞれの機関と協議いたしまして、できるだけ放送事業の円満な発達ができまするようにということで、努力しておる次第であります。 次にこの電波廳との関係でございますが、現在まで逓信省には電波廳というものはございませんで、現在逓信省は電波局でございます。電波局の主掌しております仕事は、無線電信法に基きまして、日本におけるあらゆる種類の無線電信、電話、これには放送もはいつておりますが、これらのものは國際條約の定むるところに從いまして、また國内法規の定むるところに從いまして、相互に混信を起すことなく妨害し合うことなく円満に仕事ができるようにという意味の、すなわち空の交通整理をやつておるという機関でございます。この電波局の仕事はほとんどその大部分が技術的な問題でございまして、たとえば割り当てられた波長が正しく守られておるかどうか、また送信機から不良の電波が出ないかどうかというようなことを見ておる機関でございまして、この法案の成立によりまして放送委員会が放送行政を担当するようになりましても、その間における仕事の分野ということがはつきりしておりますので、二重監督というような問題は起らないというふうに考えておりますし、またそれはしないように考えておるつもりでございます。
○冨吉國務大臣 外資導入の問題と、放送事業の將來の関係でございますが、この外資導入は、いわゆるメーカーの器材の面とか、資本の面とか、そういう方面には関連してよろしいと考えております。しかしながら企業権でございます。つまり企業いたしますることは、五十五條によりまして、外國人もしくはそれと関係ある團体は、一切許さないという規定をいたしております。この点は私どもは相当深甚な注意をもつて規定いたしました條項でございまして、國内における放送に対しましては、外國人及び外國商社、もしくはそれと関係ある者、日本に國籍を有しない者はできないということに相なつておりますので、その点の御心配はなかろうかと考えております。
○佐々木(盛)委員 今回の放送法案によりますと、日本放送協会と一般放送局との二つにわかれているようでありまするが、私は後者の一般放送局に関連して質問したいと思います。一般放送局は、民間におきまして申請をして、一定の條件さえ具わつておりましたならば、自由に放送局を開設することができることになつておるのでありまするが、日本の現状におきましては、先ほどある委員から、資材その他の関係から、すぐに一般放送局がどんどん設立されるようなことはないじやないかというよな話もありましたが、私はむしろ反対の見解をもつているものでありまして、おそらく雨後のたけのこのように出てきはせぬかと考えるのであります。そこでこれを少しく政治の分野において考えてみましたときにおきましても、現在半官半民でありまする放送協会におきましてすら、あの放送の中におきましては、非常に偏頗なプログラムなどが組まれ、そういう放送をなされておりますることは、これは万人周知のことなのであります。ところがこの一般放送局というものが、自由に開設できることになりましたならば、早い話が、ここに非常に極端なる一つの政党や思想團体が、そういう放送局をもちたいと計画することは、もとよりであろうと考えます。そういたしましたときに、思想、言論の自由ということは、憲法によつて保障はされておりまするが、しかしながら、一面またポツダム宣言によりまするところの、日本の正しい民主化、あるいは責任政治の確立というような見地から考えましたときに、非常に極端なる一部の思想などが、放送局を通じて宣傳されまする結果は、國内に、現在大臣がお考えになつていないような、非常な不測の恐るべき事態が発生しないとも限らないのであります。とかく終戰後の今日の國民、人心の傾向から考えまして、非常に動搖しておりまするときに、ある特定の一部の極端なる思想が放送されましたときの結果は、恐るべき事態を招來するということも予見し得るのであります。從いまして、思想、言論、そのものは自由でありましても、それを宣傳いたしまする結果というものが、社会公共に非常な混乱を來し、不安を來すというようなことも予見しなければならぬと考えるのであります。從いまして、そういうことが起るということも十分予想された上でこの法案を御提出になつておるか、あるいは政府当局におきましては、そういう一部の極端なる社会の公共秩序を破壞するがごとき放送の計画に対しては、これに手心を加えて、その許可などに制限を加えるというふうな御意見はないものかどうか。この辺の点につきまして、卒直に承りたいと思います。
○冨吉國務大臣 お述べのごとく言論の自由、思想の自由に対して、國家権力、もしくはその他をもつて関與してならないことは、新憲法の精神でございます。さりながら今御心配のごとく、いわゆる公安を害し、公共の福祉に著しき障害を來すと考えられるものに対しましては、相当の制圧を加えなければならぬことは、まつたく御同感でございます。從いましてこの法案の中にも、第四條に「ニユース記事の放送については、左に掲げる原則に從わなければならない。」として、一、嚴格に眞実を守ること。二、直接であると間接であるとにかかわらず、公安を害するものを含まないこと。三、事実に基き、且つ、完全に編集者の意見を含まないものであること。四、何等かの宣傳的意図に合うように着色されないこと。五、一部分を特に強調して何等かの宣傳的意図を強め、又は展開させないこと。六、一部の事実又は部分を省略することによつてゆがめられないこと。七、何等かの宣傳的意図を設け、又は展開するように、一の事項が不当に目立つような編集をしないこと。それからその次にもいろいろ書いてございますが、こうしたことを設けました意図は、まつたく御意見通りでございます。この眞実の放送をなさなかつた場合に対しましては、これはまず取消しを要求し、そうしてその取消しをしない場合には相当の罰を受けるという規定をいたした次第でございます。かくのごとき偏つたる宣傳、この方針に反するがごときものに対しましては、場合によりましたら、この放送の免許を取消すことをも規定してあるのでございまして、さように御了承を願います。
○佐々木(盛)委員 今のその規定は、日本放送協会の方と違うのですか。
○鳥居政府委員 第六十八條に、放送委員会は次の場合には業者の業務を停止し、あるいは免許を取消すことができるとありまして、その二号に、この法律の規定に違反した場合には、免許を取消すとしてございます。そうして罰則の第八十八條に参りますと「放送設備によつて、日本國憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壞することを主張する放送をした者は」云々。それから第二項に「放送設備によつて、風俗を害する事項を放送した者は」云々。第三項は今大臣が申しました第四條の、ニュースあるいは時事解説、こういうものを眞実でない放送をして、しかも取消さなかつたものは云々。こういう罰則がございまして、罰則にかかつたものは業務停止または免許の取消しをしてしまう、こういう條項が用意してあるわけでございます。
○佐々木(盛)委員 わかりきつたような質問でありまするが、なお明確にしておきまするために、念のためにお聽きしておくわけでありますが、たとえば、今ここに共産党が共産主義の宣傳を日本において始めたいという目的をもつて、そういう意図をもちまして申請をいたしましたときに、それに対しては許可される方針かどうか、簡單に御説明願います。
○冨吉國務大臣 一党一派一思想に対して、許可する方針であるとか、しないとかいうことを、私は申し上げる自由をもたないのでありますが、諸種の事情を勘案して、法規が書いておりまする目的のために、健全なる放送局の設置を望んで善処いたしたい、こう思います。
○佐々木(盛)委員 法規には、そういう思想上の問題は一向に規定されていないと私は考えるのでありますが、法規外の斟酌をするということになると、話は別でありますが……。
○冨吉國務大臣 それは、いわゆる不偏不党の精神によりまするから法規にと申しますのは、第四條を私は意味したので、この事業をするにもとる、いわゆるある党の宣傳をするというような目的でなされるものは、この法律の精神と違うから、結局許可されないことになるであろうと、私はこう考えております。しかしこれは逓信大臣が決定するのではございませんで、この委員会がやるのでございまするから、さよう御了承願います。
○竹尾委員 この放送法案は、條文百六條にわたりまして、種々なる点におきまして徴に入り、むしろ細をうがつた法案のようでございます。しかしこうした法案を通す前に、現在の放送事業及び放送行政の現状を見てみますると、なるほどいろいろの点に欠陷はございましよう。しかし、とにもかくにも現在の機構によりまして、この放送行政及び放送事業というものが行われておる。全委員諸君の御質問を拜聽いたしましても、なるほどごもつともとうなずける重要なる質問がございます。こういうものを新しいこの法律によりまして、はたして現状以上の成果をあげることができるかどうかという点につきまして、私はいささか、否、多いに不安をもつております。と申しますのは、ただいま政府委員の方の御答弁によりましても、どうもつじつまの合わぬような、百%の確信をもつて御答弁されている点が非常に少いと私は感じておるのであります。そこで、なるほど逓信当局の御配慮もごもつともでありまするし、また放送事業を民主化するというその原則においては、決して反対ではございませんが、ただ今日この瞬間におきまして、かかる多岐にわたる、しかも非常に重要問題を含むこの法案をば、急速に通さなければならぬかどうかという事情につきまして、ひとつ逓信大臣の御答弁をお願いいたします。
○冨吉國務大臣 御指摘の点でございまするが、結論から申し上げますと、決して今期議会にぜひとも通していただきたいと申し上げるわけではございません。この事業の重要性に鑑みまして、こうした法案を提起いたしまして、そうしてゆつくり御審議を願い、國民の輿論をも反映せしめて、ほんとうの民主的な審議方法によつて結論を出していただきたいというのが、私どもの考えでございます。 さて、その前半のお尋ねでございまするが、現在放送は、御説明を申し上げましたごとく、逓信大臣の行政下に法上は置かれておるのであります。しかし、一体かくのごとき國民生活に重大なる関係をもつておるものを、一大臣が活殺與奪の権を握つておる、そういう事態がはたして新憲法の精神に副うかどうかという点を、われわれが靜かに反省してみるときに、これははなはだ不当なることであると、まず第一点に考えたのであります。と同時に、放送協会なるものは、いわゆるきわめて、少数の人々によつて動かされているものでございまして、現在すでに六百万という聽取者をもつておるような大規模の、きわめて長足の進歩をしてきたもので、設立の当初からいたしますと、著しく変貌をいたしてまいつておるのであります。從いまして私どもといたしましては、これにいわゆる公共性をもたせる、いわゆる法的な根拠を與えて、そうして確固不動の立場で仕事をやつていつて誤りなきを期したい、こう考えておるのであります。從いまして、放送局に対しましては、これは決して逓信省が独自で、独善的な考え方でつくつたものでなく、放送協会と密接なる連絡をとりつつ、関係方面と折衝いたしましてでき上つたのが本案でございまするので、決してこれは私どもが、いわゆる一行政大臣、一國務大臣が左右せず、國民全体の、國民的規模の上にこの文化事業を行つていつてもらいたい。こういう念願からするのでございまして、むしろ從來のセクシヨナリズムから申したならば、逓信省からもぎとられて、もつていく案を、逓信省自体がつくつてやりますことは、從來の官僚的な独善からいたしますと、逆な方向で進んでいることをも御了承願いまして、われわれの提案した意図をおくみとり願いたいと思います。
○竹尾委員 ただいま逓信大臣は、こうした重大なる國民の事業は、一行政大臣の管下に置くべきじやないという、そのお言葉に対しましては、満腔の敬意を表する次第であります。しかし現在、先ほど申し上げました通り、こうした大事業を、今ただちにこれを御説の通りのような機構のもとに行うということにつきましては、私は多少の疑問をもつておる次第でありまして、今逓信大臣も、何もこの議会で通さなくてもいいのだ、十分愼重審議の結果、ひとつ通していただきたいというお話でございますので、われわれもこれは大いに愼重審議いたしまして、十分大臣の御意に副いたいと思つております。これで私は質問を打切ります。
○原田委員 これは、そういう大局的なことでなしに、技術的なことでお尋ねしたいのであります。技術的なというのは、一般放送局というものができました際、今銀座なんか歩いていますと、廣告塔というのがあります。大阪でも非常に声の宣傳というのをやつております。そういうのはどうなるのですか、ちよつとお尋ねいたします。
○網島政府委員 この法案の最初に定義が書いてございますが、放送法におきまして放送と申しますのは、電氣通信設備を使いまして、送信をし、また受信をするということになつております。從いまして、ただいまお話にありましたように、ある人がマイクロホンと、それから増幅器とをすえまして、そうしてすぐラツパに出しまして、通行人その他の人が、音として耳で聽くというものに関しましては、この放送法の適用がないと、私どもは考えておるのであります。
○小川委員長 残余の質疑は次回に讓ることとしまして、本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時四十分散会