不当財産取引調査特別委員会 第35号
- 発言数
- 347 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/06/23
会議録
○武藤委員長 これより会議を開きます。 証人のお話を伺う前に、理事会で決定をいたしました事項を御報告申し上げてお諮りをいたしたいと存じます。 第一、この委員会におきまして取上げました問題につきまして、十分なる調査の結果事実が無根であるということがわかりましたものにつきましては、委員長の中間報告の中にその旨をはつきりと報告いたすことにいたしたいと思います。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。 第二、北村氏の喚問は來る二十六日午後一時と決定せられておりますが、同氏の都合による申し出によりまして、同日午前十時に変更いたしたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決定します。 第三、吉田茂氏関係の証人杉並区役所税務課長は來る二十五日午後一時に当委員会に喚問をいたします。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決定します。 第四、梅林組関係の問題につきまして、大藏省職員組合長及び梅林組所長、梅林両君を來る二十五日午後一時当委員会に喚問をいたします。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。 第五、地崎字三郎氏は病氣のため出頭ができないという通知がまいつておりますが、來る二十八日午後一時に再び喚び出すことにいたしまして、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。大野伴睦氏関係の問題につきまして、花房敏雄、三井久次郎両君は住所不明のため本日喚び出しをすることができなかつたのでありますが、來る二十八日午後一時喚問いたしたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。 それではこれから証言を求めることにいたします。大野伴睦さん、丹羽彪吉さん、大体において御承知のことと存じますが、ただいま当委員会におきまして、政党及び政治家に関する政治資金の糾明というようなことをやつておりまして、その趣旨で御両名に御出頭を願つたわけであります。証言を求める前に各証人に一言念のため申し上げておきます。 昨年十二月二十三日公布になりました昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、一般の人については、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者については、その職務上知つた事実であつて默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつていただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。お手もとに差上げてある宣誓書を朗読の上署名捺印願います。 〔証人大野伴睦君証人を代表して宣誓〕 〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○武藤委員長 それでは大野さんから先に伺いますから、丹羽さんは御迷惑ながらしばらく別室でお待ちを願います。 大野さんに伺いますが、自由党の幹事長をしておられたようでありますけれども、いつからいつまでなさつておりましたか。
○大野證人 はつきり記憶はございませんが、一昨年の六月の末あたりから今年の三月十五日までです。
○武藤委員長 丹羽彪吉、花房敏雄、三井久次郎、こういう諸君を御承知でありますか。
○大野證人 古い友人でありましてよく知りすぎております。
○武藤委員長 いずれも友人関係でありますか。
○大野證人 もちろんであります。
○武藤委員長 昨年の選挙の当時、丹羽彪吉氏から五十万円、花房敏雄氏から四、五十万円、三井久次郎氏から三十万円くらいの金をあなたが受取られたということについて伺いたいのであります。まず丹羽彪吉氏の分から伺いたいと思います。
○大野證人 丹羽彪吉氏には確かに五十万円借用いたしたことがあります。
○武藤委員長 これはいつごろでございますか。
○大野證人 昨年の三月か四月の初めごろだと思います。
○武藤委員長 三、四月ごろですか。
○大野證人 四月です。三月ごろから借用方を申し出たと思つておりますが——四月ごろです。四月の初め十日前後ではないかと思います。
○武藤委員長 丹羽さんとは大分長い御友人という御関係のようでありますけれども、いつごろからのおつきあいでありますか。
○大野證人 はつきり記憶いたしません。もう十数年です。
○武藤委員長 どういう必要から借用を申しこまれるようになつたわけですか。
○大野證人 要するに貧乏で金がないからでありまするが、金がないから金を貸してもらいたい。殊に幹事長をやつておるとなかなか——幹事長をおやりになつた方は御承知でしようが、かなりポケツト・マネーも要るものです。そんな関係もあるし、あるいはまた自分の関係、選挙区における縣会議員だとか市会議員の候補者にも、できれば陣中見舞でもやりたいという意図もあつたのであります。それで借用を申しこんだのであります。
○武藤委員長 党の幹事長をやつておられる関係上、選挙に際しては友人あるいは党の候補者などに、陣中見舞などもやる必要があるからということが主たる目的でございますか。
○大野證人 むろんそういう意思もあつたのでありますけれども、私はだれにも友人関係等にさような金を一文も渡す氣慨もなかつたし、殊に選挙区における縣会議員、市会議員等の候補者には多少の陣中見舞をやりたいという考えをもつておりましたけれども、党本部の選挙委員として非常に多忙を極め、選挙区に帰ることができなくて、遂にその機会を逸して一文も、だれにも陣中見舞すらやりませんでした。
○武藤委員長 それでは全然選挙関係ないし政治関係にはお使いにならなかつたわけですね。
○大野證人 はあ、びた一文も使つておりません。はつきり申し上げます。
○武藤委員長 花房敏雄という人から……。
○大野證人 花房敏雄君から借りた金は、選挙のときなんかに借りたのではありません。一昨年の十二月半ばごろに二十万円ほど借りたことを記憶しております。そして昨年の二月か三月ごろ、十万円か、十五万円かはつきり覚えてはおりませんが、借りたことを記憶しております。
○武藤委員長 二十一年の十二月ごろ二十万円、二十二年の二月ごろに……。
○大野證人 二月か、三月ごろだと記憶しております。
○武藤委員長 二月か三月ごろに十万円くらい……。
○大野證人 十万円か十五万円くらいでした。
○武藤委員長 十万円か十五万円くらいお借りになつておる。これもやはりただいまお話になつたような、そういう趣旨でお借りになつたのですか。
○大野證人 いや、それは一昨年の十二月、選挙も何もないときで、政治資金とか選挙費用などには一つも使う必要もないときでありましたから、さようなことに使つてはおりません。
○武藤委員長 先ほどの丹羽氏の分も選挙関係にはお使いにはならぬ……。
○大野證人 一つも使つておりません。
○武藤委員長 三井久次郎氏からどのくらいお借りになつておりますか。
○大野證人 さあ、これは一つも記憶がありませんが、二、三十万円もあるでしようか。これは長い間にわたつて——何十年來の友人であつて金持ですから、私が選挙区に帰つて金のないときには、二万円借せ、三万円借せと言つて、積り積つたのが累計どのくらいになりますか、私は記憶いたしておりません。むろん返す意思はあるけれども、向うが覚えていると思いますから……。
○武藤委員長 回数や日時、金額等は御記憶ないわけですか。
○大野證人 それは五、六年にわたつての話ですから……。
○武藤委員長 およそどのくらいになりますか……。
○大野證人 一万円借りたり、二万円借りたり。……私は選挙区に行つて金がないときには電話をかけて、おい金を少し持つてきてくれと言つて借りた金ですから、二十万円になつておるか、二十五万円になつておるか、そのうち自分に金ができたら清算してやろうと思つておりますが、はつきりした記憶はありません。
○武藤委員長 大体二十万円の見当……。
○大野證人 二十万円や二十五万円あるでしよう、今の金ですから……。四、五年來ときどきですから……。
○武藤委員長 これは特に選挙とかいうわけではないのですね。
○大野證人 ええ、全然ありません。
○武藤委員長 そうするとこれをお借りになつて、借用書というものは入れましたか。
○大野證人 丹羽さんに借用証書ははいつております。
○武藤委員長 どういう條件ですか。たとえば利息、返済期、担保……。
○大野證人 担保は何にもありません。担保があるくらいなら、銀行に行つて金を借ります。
○武藤委員長 何も物的担保はない……。
○大野證人 ありません。
○武藤委員長 保証人は……。
○大野證人 日にちは知りませんが、山崎猛君かだれかに保証人になつてもらつたことを不確かに記憶しております。
○武藤委員長 山崎猛君に保証人になつてもらつたかもしれぬ……。
○大野證人 そうではないかと思います。ときどき友人に頼みますから……。
○武藤委員長 利息は……。
○大野證人 利息はむろん法定利子ですね。
○武藤委員長 返済期は……。
○大野證人 返済期はたしか一年というつもりでしたが、まだよう返しません。一年経過しておりますけれども……。
○武藤委員長 お入れになつた借用証書というのはこれですか。
○大野證人 そうらしいですね。——間違いありません。
○武藤委員長 やはり山崎さんが保証人になつておりますか。
○大野證人 そうです。
○武藤委員長 たいへん失礼なことを聽くようですが、まだお返しになつておらないようですが、催促はないのですか。
○大野證人 催促はないが、こちらから断つております。まだ拂えないから待つてくれと言つて……。催促は受けたことは一回もありません。
○武藤委員長 そうすると、いつごろどういう方法でお返しになるというお話合いはないのですか。
○大野證人 そんな仲ではない。私は何十年來の——向うは金持、こちらは貧乏人ですから……。
○武藤委員長 今伺つた借金というのは借用金ということになつておりますけれども、返しても返さぬでもいいような印象を受けるのですが、そういうわけでもないのですか。
○大野證人 そんな仲ではないのです。借りたものは返さなければならぬ。ただ貧乏しておるのですから、その期限に返せぬ場合にはあなた方も経驗されておるであろうと思うが、約束の期限に返されぬことが往々あるのでありまして、今日約束の期限は過ぎたが、まだ金ができぬから、できるまで待つてくれということは、しばしば会つたときに冗談にもまじめにも頼んでおりますけれども、何とも催促されたことは一度もありません。つい二、三日前に岐阜縣の自由党の支部長丹羽彪吉君は、私がたいへんとらを愛好しておることを知つておるので、とてもいい翠石のとらがあつたので、少々高かつたが、わざわざ持つてきて、君のために買つてきたといつて院内に届けてくれるほどの関係の深い仲であることを、ここではつきり申し上げておきます。
○武藤委員長 從來もかような貸し借りがときどきございましたか。
○大野證人 五十万円という大きな金は借りたことはありません。これはインフレの結果五十万円ですが、もとは小さな借りです。ときどき陣中見舞をもらつたこともあるし、あるときは金を借りたことも何度もあるし、数はおぼえておりませんが、借りたことはあります。
○武藤委員長 丹羽彪吉氏からお借りになつた五十万円は、選挙その他にはお使いになつておらないようなお話でありましたけれども、主としてどういう方面にお使いになりましたか。
○大野證人 五十万円のうち十万円は大野伴睦として党費に寄附いたしておまりす。これは明らかに届出てあることであります。あとの四十万円は主として何に使つたとおつしやるが、これはあまり使わなかつた。今言う通り、幹事長というものはずいぶんポケツト・マネーを要するものでありますから、さようなことにも使つたし、あるいは交際費等にも使つた、四十万円の大部分の金は選挙のときまで残つておりました。その金はなんに使つたかといわれるが、それを土台にして家を建てました。それは私の郷里です。
○武藤委員長 残つた四十万円については、大体お建てになつた家にお使いになつた、そういう趣旨ですか。
○大野證人 四十万円で足りないと思います。もつとかかつているでしよう。かねて許可を取つておつた家を建築しました。これは新築したとはつきり申し上げるのですから、お調べになれば一目瞭然です。
○武藤委員長 この問題について東京檢察廳で何かお調べを受けたことがございますか。
○大野證人 あります。
○武藤委員長 この金の使途につきまして、檢察廳ではどういうふうにお話になりましたか。
○大野證人 それは記憶いたしておりません。家を建てたなどということは申し上げなかつたかも知れません。
○武藤委員長 私は調書を見ないのでありますけれども、この五十万円は選挙に際して七、八十人から百人くらいの候補者その他の政治家にわけてやつた、公認料というわけにもいかぬだろうが、とにかく適当にみな渡したのであるというふうな趣旨のことを述べられたことを思い出しませんか。
○大野證人 そういうことは私は思い出しませんが、そういう人にわけてやりたいという意図をもつて金を借りたことは事実です。それは私の選挙区の市会議員や縣会議員、そういう人にやりたいという考えはもつておつたが、やるチヤンスがなかつた。
○武藤委員長 そういう趣旨のことを述べたことはない……。
○大野證人 さあ記憶にないんです。そのときには家を建てるということはあまり言いたくないもんですから、さようなことを申し上げたかもしれませんが、事実はさようなものには一つも使つておりません。
○武藤委員長 いつごろ檢察廳でお話しになりましたか。
○大野證人 さあこれもはつきり記憶いたしませんが、二箇月前の四月ごろじやないかと思います。
○武藤委員長 今年のですか。
○大野證人 そうです。
○武藤委員長 まだ御記憶あるのじやないですか。
○大野證人 いやはつきりした記憶はありません。
○武藤委員長 家はいつお建てになりましたか。
○大野證人 家は去年の選挙ごろから着手いたしまして、資材その他の問題で、金もなかつたものですから、だんだん遅れておりましたが、四月ごろにはでき上りました。
○武藤委員長 どのくらいかかりましたか。
○大野證人 これはまだ精算はいたしませんでしたが、三十八坪くらいありますから、五十万円くらいかかつているのではないかと思います。相当木材なんかよいのを使つておりましたから……。
○武藤委員長 名儀はだれのですか。
○大野證人 私の名儀です。
○武藤委員長 四十万円のうち党に寄附して、その旨の届出があるというのは、昭和二十二年四月十二日附の十万円とこれですか。
○大野證人 多分そうでしよう。
○武藤委員長 そのほかにあなたのお名前で、四月の二十五日に五万円、三月から四月までの間に三万円、五月十四日に二万円、六月十六日に一万円、八月十五日に五千円、十月十四日に十五万円、合計三十六万五千円御寄附をなさつておるようでありますけれども、この通りでありますか。
○大野證人 さあ、私はその記憶ははつきりいたしません。十万円と十五万円は記憶いたします。
○武藤委員長 当時あなたが幹事長として届け出られたわけですね。
○大野證人 そうです。それは建築資金とかいろいろなものです。
○武藤委員長 建築資金というのは党の本部の家屋の建築資金という意味ですね。
○大野證人 そうです。
○武藤委員長 こういう金も主として御友人その他からお借りになつて寄附したことになつておりますか、それとも何か事業その他の御收入で……。
○大野證人 いや事業はやつておりません。
○武藤委員長 やはり借りた金ですか。
○大野證人 大体そうですね。
○武藤委員長 寄附を受けたというようなものではありませんね。
○大野證人 そうです。私は寄附を受けたものはただちに届出をいたします。
○武藤委員長 自由党では昨年四月の選挙には各公認した候補者には、正式に党から公認料というものを出したんですか。それとも党幹部が適当に選挙資金を援助したのですか。
○大野證人 自由党では公認候補者にはまあなるべく金もないもんですから、大体において出さぬ方針ですが、援助しなければならぬ人には多少の援助をする建前をもつておりました。今までは……。
○武藤委員長 大体どのくらいの見当ですか。
○大野證人 五千円のもあり、一万円のもあり、もつと多いのもあります。二万、三万も多少はありましよう。
○武藤委員長 昨年の総選挙には私記憶がないのですけれども、何人くらい公認して、公認料と称するものはどのくらい出ましたか。
○大野證人 昨年はどのくらいでしたか……、公認候補者は二百五、六十人くらいありましたか……。
○武藤委員長 二百五、六十人くらいの候補者で、全然公認料を出さないのもありますね。
○大野證人 出さないのが大部分です。
○武藤委員長 出さないのが大部分で、出すのがごく少数であつて、その金額は五千、一万、二万、三万くらい、その程度ですか。
○大野證人 せいぜいそういう程度です。
○武藤委員長 こういう金は正式に党の会計から出るのですか。
○大野證人 むろんそうです。さようなことは全部昨年届出をしてあるはずです。
○武藤委員長 支出の方も届出がしてありますか。
○大野證人 もちろん支出の方も会計から届出をしているでしよう。但しだれにいくらやつたなどということはどうなつておりますか……。これは私の方の建前としては、甲には一万円やつた、乙には五千円しかやらぬ、丙にまた二万五千円やつたということになると、將來それがために非常に氣まずい思いをするので、やつたとき限りで、一切何も記憶せぬということになつておりますから、去年の選挙もそれでやつたろうと思います。
○武藤委員長 昨年の四月ごろに、おもなる土建業者から取りまとめて自由党に飯田清太氏を通じて合計百五十万円の寄附金があつたようでありますけれども、その通りでありますか。
○大野證人 その通りです。
○武藤委員長 これは大野さん個人に対する寄附ではなくて、自由党に対する寄附でありますか。
○大野證人 もちろんそうです。幹事長たる個人ではありません。
○武藤委員長 そのときに飯田氏から、これは土建業者のおもなる者が醵金をいたしまして、三大政党すなわち自由党、当時の日本自由党、民主党、並びに社会党に献金をする趣旨で金を集めて、うち百五十万円を日本自由党に寄附するというお話がございましたか。
○大野證人 むろんそういう話がございましたが、百五十万円寄附するとか、百万円寄附するという話は最初はありませんでした。われわれは日本自由党の健全なる発達を期する意味において献金いたしたい、但しわれわれ同業者の有志から集めるのであつて、いくら集まるかわかりませんが、できるだけ心配いたしますと言うて、たしか三回か四回にわたつて百五十万円の献金を受けたと記憶しております。
○武藤委員長 土建業者の問題ですが、あなたの方から少し寄附をしてくれというような申込をした結果、それでは心配いたしましようということで出たものですか、それとも向うからの発意で、差上げたいからということになつたのですか。
○大野證人 私は飯田清太君とはこれも十何年來の友人ですから、私は飯田君に、おい少し何とか心配せんかということを一遍頼んだことがあります。
○武藤委員長 昨年ですね。
○大野證人 そうです。
○武藤委員長 これがそのときの受取でありますか。 〔証人に書類を示す〕
○大野證人 さようです。
○武藤委員長 そのときに飯田清太氏から、ほかの党へも寄附するのだというような話はございませんでしたか。
○大野證人 そういう話はあつたか存じませんが、他党のことは私は聽いておりません。
○武藤委員長 この寄附金はいずれも届出がなされてありますね。
○大野證人 届出はむろんしてあります。
○武藤委員長 届出が大分遅れているのはどういうわけですか。
○大野證人 それは、当時の会計が選挙の疲労で膽嚢炎か何かになつて何箇月も入院しておつた。それがために橋本という事務員が臨時会計事務を掌つた。その臨時になつた会計は、一々届出をするがごときことを承知いたしておらなかつた。私は政令に基いて毎月報告されているものと信じておつた。ところがあるときにアメリカ司令部の方から、私と國協党の岡田君に出て來いという。去年の十一月ごろでしたか。出て行つたところが、君の方は届出をたいへん怠つているがどうした、これはポツダム勅令に基く政令の違反で、懲役十年以下罰金七万五千円であると言うたので、私は愕然とした。当然さようなことは事務員が手続いたしておるものと信じておりましたところが、その話を聽いて晴天の霹靂のごとく驚いた。これは事実です。それから、それは当然惡うございましたが、しかし私が一々事務をとるわけではありませんから、監督不行届きの責任はどこまでも私が負担いたします。しかしながらどういたしたらよろしゆうございますかと申したら、明後日午後四時までに、從來の一月からの分を全部コツピーにして司令部へ出せという御命令を受けました。それはいとやすい、会計の帳面は明らかなので、それをコツピーにすればよいのでありますから、ただちにその手続をとつて報告いたしました。それがために遅れたわけであります。
○武藤委員長 それがために遅れたわけでありますね。あなたが幹事長をせられておつた期間でありますけれども、大久保留次郎氏から数回にわたつて十九万円、星島二郎氏から数回にわたつて七十万円、植原悦二郎氏から数回にわたつて五十三万五千円、石井光次郎氏から数回にわたつて五十三万五千九百円、吉田茂氏から数回にわたつて七十万円、山口喜久一郎氏から数回にわたつて三十一万円、石橋湛山氏から数回にわたつて五十七万円、自由党本部に寄附がなされているようでありますけれども、これは届出の通りですね。
○大野證人 その通りです。
○武藤委員長 主としてこの名前を見ますと、自由党の最高幹部の諸君のようでありますけれども、これはやはり幹部諸君が相談をして、適当に寄附をなさるというような趣旨でございますか。
○大野證人 むろんそうでありまするが、別にさようなことを幹部会で決定したことはございません。幹事長が……。 〔発言する者多く議場騒然〕
○武藤委員長 御靜粛に願います。 〔発言する者多く議場騒然〕
○武藤委員長 御靜粛に願います。 先ほどお尋ねしましたことは……。
○大野證人 先ほどどんなことをお尋ねになりましたか、議場喧騒にして……。
○武藤委員長 議場喧騒の前にお尋ねしました。
○大野證人 それはちよつと聽きとれませんでした。もう一回お願いをいたします。
○武藤委員長 ただいまあなたの方の名前を読み上げましたような諸君から、先ほど申し上げたような金額の寄附があるようでありますけれども、これは何か申合せでお出しになつたものでありますかどうかということです。
○大野證人 申合せじやありません。幹事長として選挙のときに、閣僚は最低五十万円を下らざる寄附を願いたいということを、幹事長として閣僚に申し入れた。その金額だろうと思います。その他の建築資金とか、あるいは臨時費等の寄附は、仰ぐたびごとに必ず届出いたしておると思います。
○武藤委員長 何か諸君、お尋ねになることがございますか。
○梶川委員 証人に一、二証言を求めたいのでありますが、丹羽氏から証人が五十万円を借用される場合に、山崎氏を保証人にしておられるのでありますが、先ほどからの証人の御証言を承りますれば、非常に長い間の知合いであり、まあいつでも陣中見舞もくれるし、あるいはちよつと入用があれば貸してもらうというような仲であるにもかかわらず、保証人を附けるということは、われわれの通俗な友人観念、特に証人がただいま証言されましたような非常に近い間柄であるならば、一見不可思議に思えるのでありますが、どういう関係でこの場合に保証人をつくられたのでありますか。
○大野證人 お答えしましよう。それは五万、十万のときにはむろん名刺一つ受取ることはいたしませんでしたが、五十万円というてもインフレの時代大した金ではありませんけれども、一應まとまつた金であるから、正式の証文を初めて書いて、自分だけでは証文のていをなさないから、保証人連署がいいと思つて、友人山崎君を煩わしたのです。
○梶川委員 数ある証人の友人の中から、保証人に山崎氏をことさらに選ばれたというのは、資金の内容が山崎氏と共通の目的がある、言い換えれば党の資金にするというような趣旨があるからこそやられたのではないかという疑いが起るのでありますが、いかがでありますか。
○大野證人 それは山崎氏が私の近くに住んでおられますから、便宜上山崎氏を煩わしたにすぎないのです。
○梶川委員 次にもう一点お伺いいたしますが、先ほどの御証言によりますれば、五千とか、あるいは二万とか一万とかいう公認料を出されたという話でありますけれども、私が聞いておるところによりますと、昨年の選挙におきましては、党の公認料は党が一律に渡されたというふうに伺い、ある人からは直接に公認料をいただいた、特にその場合にはおれには三万円しかくれなかつた。正規の分しかくれなかつたということを、私自身直接あなたの党の議員の方から聽いたのでありますが、この事実は先ほどのあなたの御証言といささか食い違いがありますので、その間の事情を……。
○大野證人 それは三万円もらつた人はそう言つたでしよう。それはあなたの言う通りです。しかしもらつていない人が多いのです。
○梶川委員 もう一つ丹羽氏からの五十万円というのは、先ほど証人と委員長との間にありましたように、三井久次郎その他の人の金と合わせて、そのでこぼこを直し、証人自身が特別の人に特別に援助したいというために受取られたというので眞相であろうと思うのでありますが、いかがでありますか。
○大野證人 それはあなたの御想像で自由でありますが、さようなことは決してありませんし、殊に先ほど申し上げました通り、三井久次郎氏とか花房氏から借りたのは、選挙に何ら関係のない一昨年であるとか、あるいはここ数年來にわたつて三井君あたりから借りた。私は借金はそういうようなところにあるということを檢事局で申し上げたので、あなたの想像は自由でありますが、さようなことではありません。
○梶川委員 次に証人にお伺いいたしますが、三井久次郎と花房敏雄両氏の住所をお伺いしたいと思います。
○大野證人 三井久次郎氏は岐阜市加納町平江というところであります。花房敏雄氏はちよつと番地等は忘れましたが、市外調布町であります。必要があれば家へ問合せてもすぐわかります。
○梶川委員 それから先ほどの五十万円のうち十万円寄附せられ、さらにポケツト・マネーで新築費——新築も今年でき上つたときに大体五十万円見当かかつたという話でありますが、もちろん土台としたとは言つておられますけれども、証人は再三おれは貧乏なのだということを言つておられる。そういう関係からいたしまして、この四十万円の使途があまり有効價値が多いように思うのですが、その間に新築費に一体幾ら使われたかということを明瞭に申し述べていただきたい。
○大野證人 それははつきり記憶しておりませんが、とにかく今申し上げた通り、十万円は党へ出しました。あとの四十万円は小遣等に使つたから、それが三十五万円あつたかどうか、それを基礎にして私の建築費にいたしました。
○梶川委員 証人に伺いますが、あなたの先ほどの証言によりますと、幹事長をやつておれば相当多額の金を要する、にもかかわらず今のあなたのお話によりますならば、十万円引いて残りの四十万円から、さらに三十五万円になつたか、何ぼか知らないが、建築費といいますと、裏を返せば、ポケツト・マネーがたくさん要ると言いながら、五万円ということになつてきますが……。
○大野證人 それはあなたの間違いである。五十万円はどういうぐあいに使つたか、友人から小遣をもらつたこともありますので、その金だけではない。五十万円だけしかないとあなたは認定しておるから……。
○梶川委員 それでは伺います。証人は幹事長として在任中にいくらの金をお使いになつたか。
○大野證人 さようなことは記憶にありません。
○梶川委員 大よそのことは記憶があろうと思います。
○大野證人 使つた金などというものは死んだ子の年を数えるのと同じで、幹事長時代に何百万円ポケツト・マネーを使つたなどということは考えたこともございません。
○梶川委員 なくても、現実に使つておれば記憶があると思います。忘れたというだけでは通らぬと思います。
○大野證人 しからばお尋ねいたします……。
○梶川委員 聽いておるのは私が聽いておるのであります。
○大野證人 釈明するのです。
○梶川委員 証人は私から聽かれたことを報告すればよい。
○大野證人 さようなことは何ら記憶はありません。
○梶川委員 それではもう一遍先ほどの問題に移りますが、私はこの際証人に要求いたしたいと思います。それは公認料というものを何ぼだれにやつたか、言わないことにしておるから、その総額を届けてもろうようにお願いいたします。
○大野證人 総計はすでに届出が出してあります。
○椎熊委員 私は幹事長に一つ念のために伺つておきたい。丹羽何がしから五十万円お借りしたそうですが、うち十万円は党に寄附して、あと四十万円はポケツト・マネーで、そのうちの大部分で郷里における自宅新築のために使われた。これは間違いがございませんか。
○大野證人 間違いであるかどうか、岐阜縣の山縣郡谷合村でありますから、どうぞお調べくださればけつこうです。
○椎熊委員 あなたは檢事局の取調べの模樣等は記憶にない、わずか二箇月前のことであるが、記憶にないとおつしやるが、もしそのことと重大な齟齬があると、別な問題が派生することを私は先輩議員として憂うるがゆえに、よくおちついて檢事局の調べを思い出してみてください。
○大野證人 檢事局で何と申したかわかりませんが、檢事局の場合は、おそらく私思うのに、そのときの考えでそう申したかもしれませんが、ただいまここで宣誓して申し上げることがほんとうでうることを御承認を願いたいと思います。
○椎熊委員 もう一つお伺いいたします。選挙に際しては党出身の閣僚から五十万円以上ずつの党寄附を幹事長として申入れた。それは民主自由党のしきたりでございますか。
○大野證人 それは民主自由党のしきたりというわけではないが、選挙資金がないから閣僚になればそのくらいのことは党に寄附してもらいたいということは常識であります。
○石田(一)委員 もう一遍今のことでお伺いしたいのですが、今のお言葉は私は穏当でないと思うのです。なぜかと言うとここで宣誓して言つたのがほんとうのことで、この前言つたのは違うということになると……。
○大野證人 違うかどうかそれは記憶がありません。
○石田(一)委員 そこでこれは非常に重大なポイントですから、その点をもう一遍はつきり伺いたい。
○大野證人 檢事局で申し上げたことはどういうことを申し上げたかはつきり記憶がありませんが、そのときの模樣で何と申し上げたか、記憶違いということはよくあります。今私が申し上げたことが……。
○前田(種)委員 ちよつと証人に聽きます。先ほどから数字をあげられました。証人が数回にわたつて三十六万円を党に寄附しておられますが、先ほど証人の証言によりますと、借りた金を寄附したというような言いまわしをしておられた点もありますが、三十六万円何がしの金はあなた個人の金を党に寄附されたのか、だれからか借用されて寄附されたのか、借用されたのであればどういう人に借りられたのか、あるいはもらわれたのか、もらわれたのであればだれからもらつたのか、もう少し明らかにこの内容を明示してもらいたいと思います。
○大野證人 三十六万円ぐらいは幹事長として寄附しておるでしよう。それは私は覚えておりませんね、三十六万円のうち十万円ははつきりしておるが、その他のことははつきりしておりません。
○前田(種)委員 そういたしますと三十六万円のうちの十万円は明らかになつておりますが、二十六万何がしは明らかになつておりませんから、記憶を辿つてこの内容を提示してもらいたい。それともう一度証人に伺つておきますが、飯田清太氏から土建業者の金として百五十万円を数回にわたつて寄附を受けられたということを言われましたが、この百五十万円以外に土建業者関係から寄附を受けておられる事実があるか否かという点を念のためにお聽きします。
○大野證人 先ほど申し上げました通りであります。
○前田(種)委員 百五十万円の寄附を私が重ねてここでだめを押しますことは、私がいろいろ聞くところによりますと、土建業者を代表して言われました竹中その他の人々は、十四、五軒のおもなる人々によつて三百五十万円を集めたと言つておられますが、実際は五十箇所ほどの業者が八百万円ないし一千万円の金を集めて昨年の選挙にそれぞれの党に寄附したというようなことも言われておりますので、念のために百五十万円以外には大野さんは寄附を受けておられぬのかどうか、あるいは大野さん以外の自由党の他の幹部の人でそういうことがあるかどうか、知つておられるかどうかという点をもう一度大野さんにおいで願つた機会に聽いておきたいと思います。
○大野證人 自由党の他の幹部がそういう土建業者から寄附を受けたというようなことは私寡聞にして一つも存じません。なお私は飯田清太君から百五十万円はたしかに寄附を受けましたがそれ以外の土建業者、飯田君等からそれ以外の金は一つも受けておりません。
○武藤委員長 ございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。
○石田(博)委員 特にこの際念を押しておきます。ただいまの委員長の発言は明らかにこの問題の重点をはずれて各政党の一般問題にはいつておる。特に理事会において話合いになつたこと以外にわたつておるということを、私は理事会の内容は知らないが今聞いておる。もしそういう問題をこの際取扱うならば、今後北村徳太郎君が登場いたしました場合に、民主党の党内の一切の問題について、あるいは地崎宇三郎君が登場いたしました場合に同様に同じ種類の問題について委員長みずから発議をもつて行う、あるいはわれわれは当然なすべきものであるということを考えることが一つ、次にもしそういう適当な人がいなかつたならば民主党、社会党、國民協同党その他一切の政党の届出資金の内容について同様な質問を行う必要がある。そうしなければ不公平になる。この点を強く申し述べておいて、さらに先般西尾君登場のときの私の質問を、理事会において決定し、議題の範囲外に出ると稱してこれを禁じたその意図をこの際明らかにしていただきたい。
○武藤委員長 この問題はあとでやりましよう。 証人丹羽彪吉さん、大分お待たせいたしました。参議院議員ですね。
○丹羽證人 いいえ、前には勅選だつたのです。
○武藤委員長 前の勅選で今は。
○丹羽證人 今はなし。
○武藤委員長 お立ちになつてお答えを願います。 大野伴睦さんとはどういう御関係でありますか。
○丹羽證人 かれこれ二、三十年前からの関係でございます。それから大野幹事長が岐阜縣の支部長を引受けましたのを私が継承いたしまして現在に及んでおります。民自党の。
○武藤委員長 あなたも前の自由党党員ですか。
○丹羽證人 ええ。
○武藤委員長 今民自党の党員。
○丹羽證人 ええそうです。民自党の相談役をしております。
○武藤委員長 相談役ですね。昨年の四月ごろ大野氏から金の借用を申しこまれて、御融通をなさつたようなことがございますか。
○丹羽證人 それは何しろ一箇年半ばかり前のことですから、日にちはしつかり記憶がございませんけれども、三月末であつたと思います。大野氏から借用の申込みがあつたのです。それでふだん五万、十万くらいはちよいちよい融通しておるのですけれども、相当金高も大きいものですから、どういうことになるのかしらぬと思いまして、それは調書が檢察廳に行つておるのでありますが、四月の十日ごろか、電話でもつてもう金は必要ないのかと聽いたところが、とんでもない話だ、ぜひともまわしてくれ、こういう話でございました。それで大野君の來訪を求めまして、自宅の應接室において五十万円渡したのでございます。
○武藤委員長 大野さんから借用を申しこまれた趣旨は、大野さんがどういうふうな方面に入用であるというお話でありましたか。
○丹羽證人 しつかりした記憶はございませんけれども、何か、岐阜縣で家をつくつておるというような話であつたのです。
○武藤委員長 岐阜縣で家をつくつておるので、それで……。
○丹羽證人 家をつくつておるのについて資金が足らぬから、それでまわしてくれろ、こういう話であつた。
○武藤委員長 家はどのくらいの坪数の家で、どのくらいかかつて、どのくらい足りないというお話でありましたか。
○丹羽證人 家は四十坪ばかりの家だと聽いております。そこで七、八十万円もかかります。それで五、六十万円足らぬという話であつたのです。
○武藤委員長 それでは大部分足りないのですね。
○丹羽證人 ええ、大部分足りない。(笑声) 大野伴睦という男はつらを見ますとまことにまずうございますけれども、ときどきにこにこつて笑つてこうやつて手を突き出す、出しますと、自分で金がなくても都合して金を渡してやりたいような氣がするのでございます。(笑声)
○武藤委員長 それで五十万円お貸しになつたのですね。
○丹羽證人 そうです。
○武藤委員長 いつもならば五万か十万というのですが、大分金額を張つておるようですけれども……。
○丹羽證人 五万、十万、二万、一万、ちよいちよいなにします。
○武藤委員長 そのときには五十万円お貸しになつて……。
○丹羽證人 今度は大分金高が大きいと思いましたけれども、まわしてやりました。
○武藤委員長 何か証書をとりましたか。
○丹羽證人 証書はとつてある。その証書は檢察廳へ参りまして、
○武藤委員長 いつも証書をとるのですか。
○丹羽證人 いや、とらないのです。金高が大きいものですから……。
○武藤委員長 このとき非常に金高が多かつたので、あらためてとつたのですね。
○丹羽證人 ええ。
○武藤委員長 利息は。
○丹羽證人 利息はなし。
○武藤委員長 返済期は。
○丹羽證人 返済期は一箇年。もうすでに経過しているのです。
○武藤委員長 何か担保をとりましたか。
○丹羽證人 担保なんというような氣のきいたものはもちろんないですから……。
○武藤委員長 じや保証人でもとりましたか。
○丹羽證人 保証人は山崎さんがなつておられたと思います。
○武藤委員長 まだこれは返つていないようですが、催促などをなさつたことがありますか。
○丹羽證人 まだ催促はしません。
○武藤委員長 どういうわけで催促しないのですか。
○丹羽證人 どのみちちよつと返済はむずかしいだろうと思いまして……。(笑声)
○武藤委員長 そうすると、大体これは返してもらつても、返してもらわぬでもよいという金ですか。
○丹羽證人 そう言うてしまえばそう言うてしまえますようなものの、やつぱり五十万円ですから、たとえ半分でも返してもらえば結構だと思つているのです。
○武藤委員長 半分でも返してもらえば結構だが、しかしどうしても返せなければ返してもらわぬでもよい……。
○丹羽證人 そうです。
○武藤委員長 今まで五万、十万というような金を都合されたそうですが、そういう金もやはり同じような趣旨ですか。
○丹羽證人 そういうような金はてんで初めから進呈とこういうことになつている。
○武藤委員長 返すことは当てにしていない。
○丹羽證人 ええ。
○武藤委員長 まあ寄附するわけですか。
○丹羽證人 寄附と言うんじやないのです。大野君に進上する……。
○武藤委員長 この金は何か大野さんが、時あたかも総選挙のときでありまして、選挙で金が要るからというようなお話ではなかつたんですか。
○丹羽證人 そんなことはない断然。
○武藤委員長 選挙のこととは関係がない。
○丹羽證人 関係ございません。選挙のことに関係しますならば、五十万円ではききませんはずなんです。百万円貸してもらいたいとか、二百万円貸してもらいたいとかいう話は当然あるべきものであろうと思うのです。
○武藤委員長 そうすると今まで選挙のときに、百万円というような申込みもあつたのですか。
○丹羽證人 いやないです。
○武藤委員長 どういうわけですか。それは選挙なら百万円というのは……。
○丹羽證人 選挙で代議士連中の公認料を支拂いますとか何とかという関係上から考えてみますれば、数百万円の金を借りたいと言うのであろうと思うのです。
○武藤委員長 百万円とか、二百万円とかいう金でないから選挙でないと思つた……。
○丹羽證人 そうです。
○武藤委員長 積極的にこれは家屋の建築に要るんだからというお話があつたのですか。
○丹羽證人 ええ、そうです。
○武藤委員長 これがあなたが檢察廳で調べられるときに預けた証書ですか。
○丹羽證人 ええ、そうです。檢察廳がこれを返すと言うて返しませんでした。
○武藤委員長 檢察廳で取調べを受けたときにも、私がただいま伺つたような金銭の貸借関係を聽かれましたか。
○丹羽證人 ええ。
○武藤委員長 そのときにも、ここであなたがお述べになつたと同趣旨のことをお述べになつたのですか。
○丹羽證人 同一のことを述べました。
○武藤委員長 選挙云々のことは言わなかつたですか。
○丹羽證人 言わなかつた。
○武藤委員長 何か諸君……。
○椎熊委員 ちよつとお尋ねしますが、檢察廳で何かお調べを受けた時分に、家を建てるために大野さんが、金が要るから貸してくれと言われたことは、檢察廳ではおつしやらなかつたのではないか。
○丹羽證人 檢察廳では言うてない。
○椎熊委員 もう一つ、今まで長い間大野さんと御懇意で、五万、十万程度の金はとろうとも思わずに進呈しておつた。今度選挙の際に五十万円申しこまれた。それはしばらくは受け渡しがつかないで、あなたの方から電話をかけて、金が要らなくなつたのか。どうして、そんなことはない、要る、というので渡したというのですから、これは選挙のために金が要るのだなと思つたのではないのですか。
○丹羽證人 選挙の時分には、参議院の選挙に出まして、もうすでに負けがけの時分ですから……。
○椎熊委員 やはり選挙で大野さんが金が要るのだなと思つてお貸しになりましたか。
○丹羽證人 そんなことはありません。
○椎熊委員 それでは檢察廳の方でお調べの時分に、家を建てるために金が要るのだということをおつしやつたのですか。
○丹羽證人 それは何分にも一年半も前のことですから、そう一々詳しいことは記憶にないのです。
○椎熊委員 今度はたいへん明確になつたのは、大野さんとこう答えようというお打合せになつたのじやないか。
○丹羽證人 そんなことはありません。
○椎熊委員 五十万円を借りるときに限つて、民主自由党の最高首脳部であられる山崎さんなどが保証して、証書まで受けとつたということは、あなたの今までの貸し方と違つておる。これは大野さんを通じて民主自由党、そのときの自由党に寄附するというお心持ではなかつたのですか。
○丹羽證人 寄附したのではない。
○椎熊委員 党に貸すという氣持ではなかつたのですか。
○丹羽證人 党に貸したところでそういう金は返らないと思つておつた。
○椎熊委員 返る、返らないは別として、大野さんが五十万円、百万を選挙のときに突如として要求された。そうして首脳部の保証までも受けて、証書も受けとつたというあなたのそのときの感じは、これは大野さんを通じて党に貸すというお氣持ではなかつたのではないですか。
○丹羽證人 党に貸すという氣持はなかつた。
○椎熊委員 まつたくあなたのお氣持で貸すということですか。
○丹羽證人 そうです。
○佐竹(新)委員 二点ほどお伺いしますが、あなたは民主自由党の相談役をやつておいでになるが、さつき選挙の金ならば五十万、百万ではなく、三百万円も、もつと要るだろうという御証言ですが、民主自由党では、選挙のときに公認料というものを出すのですか。
○丹羽證人 出すのだろうと思つておるのですが、出しませんでしようか。
○佐竹(新)委員 あなたは大体民自党で公認料というものを出しておるというお話を聞きませんでしたか。今三百万円くらいは選挙のときなら要るだろうと言われましたが、そうすると、その三百万円ぐらいというのは選挙のときに使う金ですか、そういう金はどういうふうに使うのですか。今まで慣例はどういうことになつておつたのですか。
○丹羽證人 代議士が選挙に出ます金の補助金です。
○佐竹(新)委員 補助費といえばどういうようなことに使うのですか。
○丹羽證人 これは自分だけの考えですからわかりません。
○佐竹(新)委員 大野さんにお貸しになつた五十万円の金は現金でお渡しになりましたか、小切手ですか。
○丹羽證人 現金です。
○梶川委員 証人にお伺いしたいのですが、証人の今やつておられるのは日本金属工業株式会社ですか。伸銅工業所の社長というのですか。
○丹羽證人 伸銅の方は伸銅工業会の会長をやつております。それから全國軟式野球の会長をやつております。
○梶川委員 野球は飯を食う方の商賣ではなく名誉職ですね。
○丹羽證人 ええ。
○梶川委員 するとあなたの実際の経済的活動というのは伸銅工業所の社長ですね。
○丹羽證人 そうです。
○梶川委員 伸銅工業所というのはどれくらいの大きさの会社ですか。
○丹羽證人 伸銅工業所というのは小さいのですが、今度集中排除法という問題が出まして、六百九十万で賣つた。
○梶川委員 賣つてしまつたのですか、では今は何もやつておらないのですか。
○丹羽證人 現在は日東金属工業株式会社社長です。
○梶川委員 昨年の四月経済活動をやつておられた本職のあなたの会社は伸銅工業所ですか。
○丹羽證人 日東金属工業株式会社と伸銅工業所の両方の社長をやつておりました。
○梶川委員 もう一つお伺いしたい。あなたが大野氏にお貸しになつた五十万円はあなた個人の金からお貸しになつたのですか。会社からお貸りになつたか。
○丹羽證人 個人です、会社からは文久一文もそういう金は出しません。
○梶川委員 大野氏はあなたが電話をかけたところが、要るという、そうしてお会いになつたときに大いに要る、七八十万円借りたいといつて申し入れられたのじやないか。
○丹羽證人 そうです。
○梶川委員 それを五十万円に値切つたというわけですか。
○丹羽證人 そうです。
○梶川委員 どうせ返してもろう可能性が非常に少いし、あなたも参議院議員の選挙で大いに必要だというので値切つたわけですね。
○丹羽證人 そうです。
○梶川委員 あなたがお貸しになつたときに無利子というのは何かのお間違いではないか。
○丹羽證人 法定の金利を拂うか拂わぬかということを言つておりましたが、金利などというものは眼中になかつたのです。
○梶川委員 あなたが勅選になられたのは二十一年のいつですか。
○丹羽證人 九月。
○梶川委員 九月のあのパージのあとがまにはいつたわけですね。
○丹羽證人 そうです。
○梶川委員 そのときになられた理由と申しますか、ひとつ述べていただきたい。
○丹羽證人 それは金属工業界に盡した功績によつてなつたわけです。
○梶川委員 それは業界から推薦せられたのですか、内閣から推薦せられたのですか。
○丹羽證人 それはわかりません。
○梶川委員 あなたが勅選になられるについて與つてどなたの盡力があつたと御われますか。まさか天皇が直接あなたを……。 〔発言する者多し〕 ちよつと御証言願いたい。
○丹羽證人 それはわかりません。
○梶川委員 あなたに直接交渉なさつたのはどなたですか。
○丹羽證人 突然内閣書記官長の林君から電話がかかりまして、あなたは貴族院議員に任命されましたから今日辞令をとりに來いと言つてきた。
○梶川委員 それでは全然知らなかつたとおつしやるのですか。間違いありませんね。
○丹羽證人 そうです。
○梶川委員 終わります。
○前田(種)委員 今証人は、五十万円の金は会社の金でなく個人の金と言われておりますが、証人の一昨年から昨年にかけての月々の收入はどの程度であるか。
○丹羽證人 五、六十万円でしようね。
○前田(種)委員 月々五、六十万円の收入があるというのは、動産、不動産の関係ですか、会社関係の收入ですか。
○丹羽證人 動産、不動産、株券の配当その他收入があります。
○前田(種)委員 新円が對鎖されたのは一昨年の三月と思いますが、相当個人の費用も要りますし、自分も選挙に出ておりますし、その上に五十万円の金を、あるいはその他の金を出す資力のある者というのは、正確に言つて個人所得にはそうないと私は考えます。財産税その他の点等を考えてみますと、そういう結果になると思いますが、個人の金を貸したというのは間違いありませんね。
○丹羽證人 そうです。
○武藤委員長 ほかにございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。これで本日の証人調べは済みました。 先ほど石田博英君より発言せられましたことにつきましては、後刻理事会を開いて十分討議したいと思いますが、念のため私からお答えを申し上げておきます。さる六月二日委員長及び各党理事がある場所に集まりまして、理事というのは田中角榮君、鍛冶良作君、梶川靜雄君、中野四郎君、辻寛一君及び委員の佐竹新市君が集まりましていろいろ相談した結果、その際に証言の範囲は限定してはならない、証人に対する質問の範囲はいかなる範囲にわたるも差支えなし、こういうことを秘密会において決定いたしまして、同日諸君に御報告を申し上げたはずであります。私はこの決定に基きまして伺つたのであります。 〔「了承」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四分散会