不当財産取引調査特別委員会 第23号
- 発言数
- 476 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1948/05/21
会議録
○武藤委員長 これより会議を開きます。 まず最初にお諮りしたいと思いますことは、申すまでもなくこの委員会は超党派的立場に立ちまして眞実の糾明に当ることが委員会設置の決議によつて明らかになつておる次第であります。私どもはこの委員会の超党派的性格をここにあらためて再確認をいたしたいと思います。 なお証人の尋問などにつきましては、尋問せられます委員は、要点につきまして簡單明瞭にいたしますと同時に、他の委員諸君は靜粛にこれが尋問の進行をはかり得るようにいたしたいと存じます。御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 それではこの点を嚴格に励行をせられたいと思います。 では証人の証言を求めることにいたしますが、その前に宣誓をしていただきます。なお証言を求めます前に各証人に一言申し上げておきたいと存じます。昨年十二月二十三日公布になりました「昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことに相なつております。宣誓または証言を拒むことのできますのは証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三族等内の姻族及び証人の後見人または証人の後見け受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項、あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき及び医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて默秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。しかして証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつていただきたいと思います。 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。小坂さん代表してお読みください。 〔証人小坂善太郎君各証人を代表して宣誓〕
○武藤委員長 それでは御署名、御捺印を願います。 〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○武藤委員長 この際御報告申し上げておきます。先般当委員会の決議に基きまして、最高裁判所長官宛にこの委員会の調査に協力せらるべき旨を要請いたしたのでありますけれども、本日最高裁判所から当委員長宛これに対する回答が参つておりますから読み上げます。 不当財産取引調査特別委員会の調査に関する裁判所の協力方について貴委員会の調査に関する裁判所の協力方要請の要については、別紙のように、命による通達を発したから、諒承せられたい。 なお、終戰後、下級裁判所の刑事事件は激増の一途を辿り、簡易裁判所及び地方裁判所の裁判官一人当りの刑事被告人負担量は年八百四十九人(昭和二十二年度)となり、從つて、公判調書作成の任に当る裁判所書記の事務も繁忙を極め、その全能力を挙げて日夜調書の作成に追われている現状にあることを申し添える。 こういう報告が参つておりますが、全國の高等裁判所長官、地方裁判所長にこの旨が通達せられておるそうでございます。右御報告申し上げます。 それでは小坂さん、池田さん、平田さん、愛知さん、柿沼さん、こういう順序でありますから、小坂さん以外の証人の諸君はしばらく別室でお待ちを願いたいと存じます。 それでは小坂さんにお尋ねいたします。大藏次官をしておられましたか。
○小坂証人 さようでございます。
○武藤委員長 いつからいつまででございますか。
○小坂証人 片山内閣ができましてから、これが挂冠するまでであります。
○武藤委員長 そこで昨年の暮の話でありますけれども、梅林組という土建業者が大分合同銀行、福岡銀行から融資を受けるにつきまして、その見返りというような趣旨で政府が梅林組に対する支拂金があるという証明書をもらいたいということがありまして、そのことについて、梅林組の使者から小坂さんに対してその証明書の発行方について済宜をはかつてもらいたいという頼みがあり、その由を大藏省の所管の役人に、あなたから電話なり、あるいは口頭なりでお話をなさつたというようなことがあつたでしようか。
○小坂証人 日をはつきり記憶してないのでありますが、たしか二十六日ごろでなかつたかと思つております。というのは二十七日に私はラジオの放送討論会に出ることになつておりました。暮になつて議会が久しぶりに十日か十二日ごろでしたか休会になりましたので、私も郷里の長野縣に帰つておりましたが、その放送に間に合うように帰つてきたのですから、そうでなかつたかと思いますが、記憶がはつきりいたしません。夜行で帰つて参りましたら、すぐ閣議に出ろという話で、私は閣議に出席いたしました。閣議の部屋で当時外務大臣の芦田さんから、自分が九州に行つた際、大藏大臣とともにいろいろ話をしたときに、梅林君がやつておる土建関係の会社を主として、九州一円で政府支拂が非常に遅延して困つておる。そのことについて政府が支拂いをすることをきめた金額があるならば、それについて証明書で地方銀行が融資をするという話を受けておる。それらのことについて綾部健太郎という人が來て役所に行つておるそうだから、ひとつ君の方で聽いてみてくれ。こういう話を受けました。閣議の隣りの部屋から大藏省の私の部屋に直通の電話があります。私はその直通電話に長沼管理局長を呼び出して、自分としては帰つて來たばかりで何のことかわからぬが、九州の土建業者の支拂いについて、証明というような話があるそうだ。それで君の方で支拂うという金額がきまつておるならば、それについて証明書が出せるのかどうですか。何か綾部健太郎という人が、九州からはるばる大藏省に來ておるそうだがということを言つたのです。それについて長沼君がその話はもう済んでおります。こういう返事でしたので、私はその旨を芦田さんに傳えたのであります。
○武藤委員長 そのとき長沼局長の話では、さような証明を出すことは將來慣例があるので、当然出すことになつておるのだから問題はないという意味で、もう相済みだという話でありましたか、それともこの問題はやかましくて、例はそうないのだが、特に出すことにしましたという趣旨のお話があつたか、あるいは私がただいま伺つたようないずれかの印象を受けられたか、その点についてもう一度お話を願いたい。
○小坂証人 先に申し上げましたように、私はこの問題についてあまり深く知りませんでしたので、私の言い方もずいぶん要領を得なかつたのじやないかと思います。長沼君もその問題はもう済みましたと簡單に答えられて、私としては特別の印象もなくて、ほとんど忘れておりました。私も梅林組なるものはどういう実体か、実は最近こういう問題が起きたものですから、梅林君に、君は何をやつているのかといろいろ聽いて詳しく知つたようなわけであります。地方銀行の方もどういう人が、どういう経営をしておるのか、実は政務次官というものは議会関係が多く、詳しい実務にはタツチしておらなかつたので、こういう話があるができるかと聽いたら済んでいます。こういう程度であります。
○武藤委員長 それから先ほどお話がありました芦田氏からの話でありますけれども、政府支拂が非常に遅延しておるという話と同時に、その遅延を埋めるためには年末にどうしても梅林組その他が、地方銀行から金融を受けなければならない。それには政府支拂があるという証明がぜひ必要なんだというようなことで、芦田氏及び栗栖氏が特にその旨の依頼を受けてきておられたようなお話でございましたか。
○小坂証人 政府支拂が遅延して非常に重要な進駐軍工事等を受持つておられる方がお困りだということは私は財政金融委員会等に常に出席しておりまして、衆議院においても参議院におきましてもしばしば議員各位から御注意いただいております。なお本会議の壇上でも緊急質問を受けまして、早く政府支拂をしなければいかんじやないかというようなことを御忠告を受けたこともございまして、私もそうすべきものである旨をお答え申し上げた記憶がございます。この証明書という問題を聽きましたときに、実は関東の風水害がありましたときに、金融で賄つていくということ——これは今まであまりなかつたことでございましたが、そういうことゐ賄いました。予算とか何とか言つておりますと、非常に遅延いたしまして実際の工事の修復に手間どりまして、かんじんなところへ手が届かぬうらみがあるので、金融という問題を言い出しまして、自分で申しては何でございますが、比較的好評をいただいたように考えております。でありますから、そういうことにきまつている金額があるなら、それの証明を出すということは政府としては特別に何でもないじやないかというふうに思つておりました。ですから証明があればそれについて銀行が金融を與えてやる。金融機関は金融機関独自の考えで金融するのであります。それはこういう証明を出すということだけで、役所が考えて支拂いして差支えないものがきまつておればそれは出してもいいんじやないか。こういうふうに私は考えたのであります。
○武藤委員長 証明を出すことについてではないのでありまして、金融をする側の、たとえば地方銀行なり復金なり、その方の側では金融するについてはぜひ政府支拂があるという証明が必要であるから、ぜひそれを至急出すようにしてもらいたいというような趣旨の話でありましたか。
○小坂証人 それほどの強い意味もないのであります。私としては金融機関というのは金融機関独自の立場で金融をするのでありまして、何か手がかりがあればそれだけプラスであるという程度に考えております。
○武藤委員長 それから、今の芦田さんからのあなたに対するお話は閣議の始まらない前にお話があつたのでしようね。
○小坂証人 実は私夜行で帰つてまいりまして、時間を記憶いたしませんが、家へ着いたのが相当朝おそく、それから飯を食つて出かけたものですから、少し閣議に遅れて参りまして、閣議があるときに歩いて來られて……私ども大臣席へ座れないのですが、こつちの席まで歩いて來られて話がありました。
○武藤委員長 芦田さんが歩いて來て話された。
○小坂証人 と記憶しております。
○武藤委員長 そのときは栗栖さんもおられましたか。
○小坂証人 おられません。栗栖さんの代理として私が出席した。
○武藤委員長 その後栗栖さんから何かお話がございましたか。
○小坂証人 この問題については一度も栗栖さんとお話をしたことはございません。
○武藤委員長 何か諸君お聽きになることはございますか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 では御苦労さまでした、済みました。 —————————————
○武藤委員長 池田勇人さんですか。
○池田証人 さようでございます。
○武藤委員長 前に大藏次官をしておられましたか。
○池田証人 その通りでございます。
○武藤委員長 いつからいつまででございますか。
○池田証人 二十二年の二月上旬から、今年の三月十一日までいたしておりました。
○武藤委員長 あなたの在任中に、昨年の十二月十日だと思いますけれども、竹中工務店というのが税金を約五千万円ばかり滯納したというので大阪北野税務署から東京麹町税務署に嘱託があつて、同工務店の東京都に対する債権を差押えしたということがあるそうですが、御存じでありますか。
○池田証人 あとからそのことを聞きましたが差押処分をした当時、並びにそれを解除したことにつきましてはあとから聞いております。一体大藏次官は個々の課税につきましてどうこうということは日ごろタツチしておりません。
○武藤委員長 あとでお聞きになつたというのは、いつごろどういう機会にお聞きになりましたか。
○池田証人 はつきりした記憶はございませんが、一月ごろでございましたか、なお竹中組の更正決定につきましては竹中氏と私が官邸で一度会つたことがございます。そのときに、非常に一度にきめられて納税に困るとこういう話を聞きました。しかしこれは前の税金だから仕方がないだろう、こう答えておきました。そういう事実はございます。
○武藤委員長 それは差押えを受けてからですか。
○池田証人 差押え前と思います。
○武藤委員長 差押え後にあなたがお聞きになつたというのはいつどういう機会でありますか。
○池田証人 それは役所でのうわさ話か、主税局長からの報告だつたかと思います。特にその問題について会議を開くとか何とかいうことはございません。竹中組が滯納になつたということは聞いた覚えがございます。
○武藤委員長 滯納になつたというのでなくて差押えをされて、それがまた解除になつたということもあるようですが、そのことをお聞きになりましたのはいつごろですか。
○池田証人 先ほど申し上げましたように一月の終りごろだつたかと思います。繰り返して申し上げますが、個々の問題につきまして次官は直接に報告も何も受けないことになつていますから。
○武藤委員長 正式の報告ということで伺うのではない。あなたがお聞きになつたことを伺つておるのです。
○池田証人 お答えした通りであります。
○武藤委員長 そうしますと、この差押えについて、差押えをしたがどうもよくないとか、あるいは差押えをするが当然であるとか、解除しなければならぬとかいうようなことについて、省内で何か意見があつたというようなことについては御存じがありませんか。
○池田証人 存じておりません。
○武藤委員長 栗栖前藏相が長沼管理局長に対して、かような差押えは困るではないか、よくないではないかというようなことを言われたというのでありますけれども、さようなことにつきましても、あなたはお聞きになつておりませんか。
○池田証人 聞いておりません。差押えの問題は主税局長の所管でございまして、局理局長の所管ではないと思います。
○武藤委員長 そうしますと、当時の主税局長は前尾氏であつたと思うのでありますが、前尾氏はその後いくばくならずして大阪造幣局長に轉任を命ぜられておるけれども、その間の事情を述べてください。
○池田証人 差押えがいつ來たか、私は存じませんが、私はその当時——前尾君の轉勤は十二月の末であつたと思います。差押えと関係があるかないか、私はその辺はよくわかりませんが、前尾君の轉勤につきましては、当時御承知の通りに千三百五十億円近い租税がなかなかうまく徴收がいつておりません。從つて主税局の陣容を強化すべく考えておつた時であります。たまたま前尾君のいろいろな仕事の上での諸般の情勢から考えまして轉勤をした方がよいと決心いたしましたので、前尾君に事情を話し、たまたま造幣局長があいておりましたので、造幣局長に轉勤になつたようなわけであります。
○武藤委員長 前尾氏が造幣局長に命ぜられたのは、何か竹加組の差押えに関して栗栖氏のごきげんを損じたというようなわけではなかつたのですか。
○池田証人 そうではありません。竹中組の問題とは全然別箇のことでございます。
○武藤委員長 当時この轉任を命ずるについては栗栖氏がきめたのですか、あなたがきめたのですが、それとも別の人がきめたのですか。
○池田証人 官制上は栗栖大藏大臣がきめるのですが、実際は私がきめました。そして大臣に申し上げました。
○武藤委員長 大体局長級の人事については本人の希望に從うのが普通ではないでしようか。
○池田証人 そうではございません。役所の関係でやります。
○武藤委員長 これはあなたが前尾氏に轉任のお話をなされたわけですね。
○池田証人 さようでございます。
○武藤委員長 そうすると前尾氏はただちに承諾しましたか、断りましたか、どういう返事をしましたか。
○池田証人 事情を述べてあそこへいつた方が大藏省のために一番いいと申しましたら、それでは参りましよう。こう言つたのです。
○武藤委員長 何か自分は行きたくない、もしそういうのならやめると言つたように聞いておりますけれども、さようなことはございませんか。
○池田証人 本人の氣持ではそういう口吻は漏らしたことがございますし、以前にも例があることでございます。特に私と前尾君とは十数年來非常に親密な間柄でございますので、事情をよく話しましたらそれで喜んで参りましよう。決心する前には今お話したような口吻を漏らしたこともございます。
○武藤委員長 前尾氏の話によると、前尾氏は泣いてあなたと語つていつたという話でありますけれどもそういうわけでありましたが。
○池田証人 泣いて語つたということはどういう意味でございましようか。心ではある程度不本意であつたかもしれませんが、しかし私は前尾君の氣持を今ここで申し上げることはいかがかと思います。涙は出さなかつたと思います。
○武藤委員長 復金から融資をするについては何かあなたの方に相談があるのですか。
○池田証人 委員会できめますので、私は直接にタツチいたしておりません。
○武藤委員長 委員会の構成を、述べてください。及び権限と……。
○池田証人 私ははつきり記憶しておりませんが、私は委員ではございません。多分大藏大臣が委員長で金融界あるいは事業界の方々ぎ御関係になつておると思います。構成並びに権限については、後ほど書面で大藏省から出させます。
○武藤委員長 栗栖氏が大臣になつたときに、何か栗育氏排撃というようなことを大藏省内で職員組合がやつた事実がございますか。
○池田証人 何か栗栖前大臣の留任反対運動をして、芦田首相のもとに陳情したということを聞いております。
○武藤委員長 それは芦田内閣成立のころですね。
○池田証人 と記憶いたしております。
○武藤委員長 その理由はどういうことでありましたか、御存じですか。
○池田証人 私は職員組合が大臣の留任反対をするということは、不適当であるという考えのもとに、官房長をしてそういう運動はよしたがいいということを通じたことがございます。理由ははつきり職員組合から聽いたわけではございませんから、ここで申し上げることはいかがかと思いますが、私の想像では当時〇・八箇月の問題が非常に遅れてまいりました。また省によりましては早く支拂つたところがあります。大藏大臣として相当の処置をとるべし。こういうようなことが理由ではなかつたかと思います。
○武藤委員長 諸君、何か御質問がありますか。
○石田(博)委員 前尾主税局長との交替の事情は、前尾主税局長の徴税方針というものが大藏大臣のお考えと違つておつたということが大きな原因でしようか。
○池田証人 それはいろいろの方面からもう少し強力に徴税しなければいかぬ、陣容を強化しなければいかぬという声を聞いたものでございますから、心機一轉と申しますか、陣容を変えてやる、こういうことを決意したわけであります。
○石田(博)委員 前尾氏は徴税の見透しについてそういう事態になることを前もつて予測し、そうしてそれ以後政府がとられたような方針を早くとらなければいけないというような意見を抱懷し、あるいは池田さんにそれをお話なさつておつたという事情はございませんか。
○池田証人 このままではなかなかたいへんだということは当時並びにそれ以前から閣議でも問題にしておりました。從つて私としてはまあ大体千三百億円の予算の中で百億円くらいは赤が出るかもわからん、とにかく既定の目的を達するとは閣議でも常に言つておりました。どういう方法をとるかということはあのころ考えたのでありますが、何と申しましても申告納税制度を初めて施行いたしました関係上どうしても遅れる、だから下半期にうんとはいつてくる。こういう考えをもつております。徴税方針と申しましてもあまり大して変つたことはございません。特に昨年は目標額をきめてやつたのが今までよりちよつと違うわけであります。御承知の通り昔の主税局長と違いましていろいろの方面があるのでありまして、やはり事柄が円滑にいく上には前尾君を送えた方がいいという考えからであります。
○石田(博)委員 栗栖氏排斥の原因は直接お聽きになつたことでもないのではつきりした御証言はできないかもしれませんが、ただいま申し述べられたほかに、これは職員組合として当然行き過ぎたことだろうと思いますが、栗栖氏の大藏省の事務処理に対するいろいろの態度と申しますか、いろいろの具体的の方針についての原因が他にもあつたようにお考えになりませんか。
○池田証人 私はそうは考えておりません。
○石田(博)委員 そうすると〇・八箇月分の支拂遅延だけがおもな原因であるとするならば、職員組合が生活権を擁護するという建前から職員の生活問題について同情をもたない、あるいは適切な処置をとられなかつた人を排撃するということは、今池田さんがおつしやつたように必ずしも職員組合の域を脱したものでない、職員の生活擁護という範囲に属するものと解することはできませんでしようか。
○池田証人 それは見解の相違でありますが、私は職員組合が組閣中において政治的運動をすることはよくないと考えましたので、次官名をもつて職員組合に言つたのであります。
○石田(博)委員 政府支拂が遅れていることがしでしで問題になつているわけですが、その政府支拂が遅れて特に昨年末土木関係業者の金融状況が他の業者に比べて特別に窮屈になつたというふうにお考えになりますか。
○池田証人 終戰処理費の支拂がいろいろな制度の上から遅れ勝ちであることは知つております。
○石田(博)委員 それがために生じてまいります業者の金融の逼迫の状況というものは、他の業者に比較して特別に土木業者だけが苦しんであるとお感じになりますか。
○池田証人 金額が相当嵩みますのと、支拂の手続きが非常に煩瑣でありますので、ほかの業者よりはある程度遅れることは私は認めております。
○石田(博)委員 その場合終戰処理費によつて支拂われる仕事をしている業者全般の問題であつて、特定業者の問題ではないわけでありますね。
○池田証人 全般的にはその通りでございます。
○石田(博)委員 そうすると、その問題についていろいろの処置が個々の場合においてとられている実情を御存じでいらつしやいますか。
○池田証人 あまり存じておりません。実は終戰処理費の支拂いにつきましては、今月大体どのくらいというわくだけは承知しておりますが、箇々の業者については次官はタツチいたしません。
○石田(博)委員 その金融逼迫の状況について次官として全般的に政策上お考えになつたことはございませんか。
○池田証人 考えております。昨年一二月は百二十億くらいの支拂いをいたしております。こういうことは会議できめております。
○石田(博)委員 その支拂いに引当になお金の急いでいる業者に対しまして、金融政策上何かの処置をとろうということを御自分でお考えになつたか、あるいは大藏大臣その他の方針で慫慂されたような事実はございませんか。
○池田証人 金融政策上取るべき処置というのは……。
○石田(博)委員 たとえば地方銀行その他にこれら業者に対する金融を與えられたわく内でできるだけやるように勧めるとか、あるいはそれに類似した業者の金融難を救済する方法という意味であります。
○池田証人 それは大藏省といたしまして、できるだけ早く予算の支拂いをつけるということであります。箇々の銀行につきましてどうこう言つたことはございません。
○石田(博)委員 復金融資の問題がいろいろ問題になつておりますが、その組織その他については私どもの方で聽取するといたしましても、大体復金融資を求める手続と申しますか、受ける実情について御承知の範囲を御説明いただきたいと思います。
○池田証人 実はタツチしておりませんのであまり実情を知つておりません。ただ復金の問題で私が在任中関係したのは、炭鉱業者に対しての支拂いにつきましては、業者から、あるいは商工省からよく陳情を受けております。
○石田(博)委員 一定の手続、きめられた手続以外の何らか政治的手段と申しますか、あるいは特別の縁故を辿つての陳情と申しますか、あるいはその他の工作が、金融を受けるために非常に大きな影響をもつているというような実情をお感じになつたことはございませんか。
○池田証人 私は関係したことはございません。
○石田(博)委員 結構です。
○鍛冶委員 先ほどのお話の中で、竹中の差押えのことを一月後になつて聽いたと記憶するということを伺つたが、うわさ話であつたか主税局長の報告であつたか、その点はどちらが本当でしようか。
○池田証人 主税局長の話ではなかつたと思います。はつきりしたことは記憶がございません。
○鍛冶委員 そこでうわさでもよろしいが、どういう内容のことをお聽きになつたか、その点聽きたいのですが。
○池田証人 竹中工務店が滯納になつて、それを差押えた、これだけのことでございます。
○鍛冶委員 先ほど長沼管理局長は、その管理内にないことだと仰しやいましたが、その管理内にない長沼局長に対して話があつたということはお聽きになりませんでしたか。
○池田証人 全然聽いておりません。
○鍛冶委員 次いで請負業者が支拂いが遅延するために困つておつたことは御承知であるが、これに対してあなたとして個々の問題で言つたことはないということでしたが、あなたのところへこれに対して何とかいいようにしてくれという話はしばしばございましたか。
○池田証人 一二回くらい何か進駐軍関係の土木関係業者の代表者と会つたことはございます。
○鍛冶委員 それに基いて、あなたはたれかにこうしてやれとかああしてやれとか言われたことはございませんですか。
○池田証人 ございません。
○鍛冶委員 あなたがおやりにならなければ何ですか、金融に困つておるからと言つて何とかしてやらなければいかぬというお考えはあろうと思うが、具体的にもしあなたが、関係するとすれば、たれかその係りのものに対してこういう方法をしてやらなければならぬ。ああいう方法をしてやらなければいかぬというようなことは言われるものですか。またそういうことを言つちやいかぬものですか。
○池田証人 御質問の点がよくわかりませんが……。
○鍛冶委員 次官としてその係りの局長などに対して困つておるそうだからこういうことをしてやらなければいかぬだろう、ああいうことをしてやらなければいかぬということを言つて差支えないものか。そういうことを言うてはいかぬものですか。
○池田証人 それはここでお答えしなければならぬのでしようか。仮定の事実がありますし、意見でございますが。
○武藤委員長 まあ意見でも述べてください。
○池田証人 大体困つておる業者が多いとすれば、特にその手続上こういうふうにやつたらいいじやないかという意見は述べて差支えないと思います。
○鍛冶委員 さらに復金の問題に対してですが、金融に困つておるときは復金の方面から金を借りたいということは、あらゆる業者の欲するところであると思う。これらに対してあなたに復金から金の出るようにお願いしてくれと言つてくるような者はありませんでしたか。
○池田証人 紹介をしてくれということは國の方の者で一二ございました。
○鍛冶委員 これも今言われる仮定と言われれば何ですが、あなたから復金へこの人に融資してやつてくれぬかということを言つてはよいものですか、惡いものですか。
○池田証人 融資をしてくれという紹介をしたことはございません。しかしそれは事柄によりまして考えなければならぬことだと思います。その点はあなたも大藏省に御関係になつたことがございますが、いろいろな陳情はまいります。そのときに紹介くらいはいたし方がないと思います。金を貸してやつてくれとまでは言うべきものではないと思います。事情をよく調べて適当な考慮をしよう、こういうことは私は言うてもよいと思います。
○鍛冶委員 われわれはしばしば聽くのでありますが、栗栖大藏大臣は常に言つておる。一定の業者からいろいろのことをもつてこられて、局長あるいは復金等へ早くやつてくれ、こうしなければいかぬじやないかと言われたことがしばしばあるとうわさを聽いておるのでありますが、さような事実はお聽きになつたこともまたお知りになつたこともありませんか。
○池田証人 私は関係しておりませんので知りません。
○辻委員 竹中工務店が差押えされたという話を聽きましたときに、たとえ竹中であろうが、どこであろうが、税金が溜れば差押えられるのは当然だと次官はお考えになりましたか。それとも何とか方法もあつて、経理のしようもあるじやないかとお考えになりましたか。その事情をお聽きになりましたときの心境を……。
○池田証人 それは当時一月から納税運動を強力に推進いたしましたから、滯納があれば差押えすることは当然であります。これはまた差押えすべく私も勧めております。
○高橋(英)委員 証人の人物は私もよく知つておるので、証人が一たび証人廷に立てば、栗栖前藏相の不当行為が明々白々になると世人は期待しておつたが、はなはだ期待に反して栗栖氏の不当行為で、うわさされるようなことが一つも発見できないというようなことになつて、私どもとしてはいずれを信じてよいか迷わざるを得ないのですが、こういうことを聽きたいのです。前尾局長は、大体局長級の移動のときにはあらかじめ了解を得るような方法をとられる慣習になつておる。にもかかわらず自分の場合には不意打にそういうふうなことになつたのであつて、証人と相擁して泣いたというくらいの場面があつたように想像されたのですが、その場面は轉任が確定してから後であつたというように陳述しておつたようです。その点違つておると思いますが、いかがですか。
○池田証人 轉任は私は大臣と相談いたしましてきめたのでございます。この轉任する人、いわゆる局長の人事について相談する場合もありますし、相談しない場合もあります。私はごく懇意な間柄でございますは、また東京都内でない関係上、一應本人に轉任事情をお話をして、行つてもらうことにいたしたのであります。
○高橋(英)委員 その点は速記録を調べたらわかるのですけれども、本人は確定してから後にあなたから話を聽いたというふうに言うのです。その前に何らの話もなかつたというのですが、どうですか。
○池田証人 轉任の確定は発令によつてきまるわけであります。
○高橋(英)委員 そういう形式的な事実を私はお聽きするのではない。本人が轉任せしめられることをはつきり言渡されたときのことを言うのです、なるわば発令は証人と会つてから後に発令されるのでしようけれども、事実上確定したのはその前だつたと本人は言うのですが、いかがですか。
○池田証人 事実上の確定と申しますのは、どうでしようか。大臣と私との話できまれば、それでいいのでありまして、あとから本人の了解を得る…。
○高橋(英)委員 いや、本人に通告があつたのは、あなたと会う前であつた、本人にそういう命令が出たのは……。
○池田証人 そんなことはないと思います。
○高橋(英)委員 それから栗栖前藏相が行つてから、竹中とか、清水組とか、もしくは梅林組の関係についてうわさがあつた。それがために職員組合なんかも栗栖排撃の理由の一つにされておつた。職員組合の排撃の理由として、廳内に掲載された掲示の中にもそれが書いてあつたというふうに聽いておりますが、そういうことはお知りになりませんか。
○池田証人 私は聽いておりません。
○高橋(英)委員 長沼管理局長が叱られたとか、もしくはその他のいろいろなうわさは三月号の中央公論にも、すでに出ております。職員組合もこれを掲載して栗栖排撃の声をあげたというふうに言われているのですが、次官に言わせれば、そういうことは少しもわかつていないというが、下情に最も通じられる名大藏次官の称された池田さんが、そういう省内の事実をお知りにならなかつたのはどうかと思うのです。栗栖さんに対する情誼もありましようけれども、少しはお聽きになつたこともありはしませんか。
○池田証人 ただいまも宣誓いたしました通り、知つていることは申し上げます。そんなことは聽いておりません。
○荊木委員 先ほどの証言によりますと、進駐軍関係の土建業者が政府支拂に非常の困つているという事実はときどき耳にしたというのですが、そういう場合に、たとえば政府の支拂の残金がいくらあるかということを要求された場合、すなわちその支拂の方法——残金がいくらあるかという証明書の要求をされた場合に、政府は当然出すべきものであるかどうか、その点お聽きしたい。
○池田証人 大体金融政策上支障がなければ、出すべきものと思います。
○荊木委員 出す場合には、たとえばきのうの証言では。総務課長が單独で出したかに私は聽いたのですけれども、その程度で出すのでありますか。それとも次官もしくは大臣にこれを質さなければ出さぬのですか。
○池田証人 私のところへは参りません。管理局でやります。
○荊木委員 それは事務的な処理だけで済みますから、その点はどうですか。
○池田証人 その通り、事務的な処理でございます。
○石田(博)委員 復興金融金庫の融資に対する監督権は大藏省にございますか。
○池田証人 あると思います。
○石田(博)委員 その場合に復金に融通をしたあとの経過、事情その他について大藏省の監督権を事務上処理せられるのは次官でありますか。
○池田証人 銀行局長が主としてやつております。
○鍛冶委員 先ほどもちよつと出たのですが、前尾局長は大臣との間に徴税に対する意見の相違があつたということを前尾氏自身がこの間言つておつたのですが、その点に対して次官は御承知のことと思う。どの程度のことであつたか。
○池田証人 私は前尾局長と栗栖前大臣との間に徴税方針その他について意見の相違があつたとは思いません。もしあるとすれバ、私の耳にはいるはずであります。私には何にも相談がございませんでした。いかし二人の間で議論したとか、何とかいうことがあつたとは私は聞いておりません。
○鍛冶委員 お聞きにならなければいいですが、大体においてあまり手荒なことはやらぬ方がよいという大臣の意見であるし、先ほどあなたの言われたように、これだけの高額の税金をとるというときにはびしびしやらなければいかんというのが前尾君の意見であつた、このようにこの間聽きましたが、次官もそう言われるとすれば、次官と大臣の間にも同樣の意見の相違があつたものじやないかと推察できるのですが、その点はどうですか。
○池田証人 栗栖前大臣が租税の徴收について手心をせよというお考えをもつておるとは私は考えておりません。なぜかと申しますると、あの千三百億の徴收をどんどんやるということは栗栖大藏大臣のもとでやつたのであります。
○鍛冶委員 手心じやないのです。何か差押えをするには法律上のいろいろの問題があるから特別の委員会でも置いて、その差押えをやつていいかどうか、どういう方法でやつたらいいかということをきめる。ところが主税局ではそんなことをやる必要はない、こちらの方にいくらも手があるのであるからということであつた。こういうことが最も意見の想違するところであつて、これは前尾さんの自身が言われた。この点は次官だつて御承知のはずたど思う。
○池田証人 これは御承知の通り財産税の問題、戰時補償特別税の問題、いろんな懸案事項が相当昨年末ありました。これを処理するのに一つの課を設けたらどうか、こういう意見が大臣からありました。そのときに課を設けるか、今の局理課でやつていつていいじやないか、こういうことについて研究いたしましたが、結局課を設けて管理課でやることに処理いたしました。この問題について栗栖前大臣と前尾君との意見が違つたということはたいした問題でないと思います。
○鍛冶委員 さらにくどいようですが、次官並びに主税局長として滯納があればびしびし処分してやればよろしいという御意見であつたと先ほどからのお言葉でわかるのでありますが、これに対して大臣はそんなにやつてはいかんじやないか、こんなようなことを言われたことはないか。もし言われたとすれば、次官や局長とたいへんな意見並びにやり方についての食違いができると思うのですが、そんな事実はございませんか。
○池田証人 私は全然そういうことは聽いておりません。
○鍛冶委員 さらに大臣から一局長に対して、そういう差押えはけしからんじやないかというようなことを言われたとすれば、はなはだわれわれはよろしくないことだと思うが、次官はどう思われるか。
○池田証人 具体的の問題について研究しなければ、総体の問題としては言えないと思います。
○鍛冶委員 それじや申しまするが、長沼管理局長に対して——長沼管理局長がここで証言せられた。竹中を差押えたら、大臣が九州を旅行して帰つてくると同時に大藏省に來るように告げて、非常に興奮して、お前の方から支拂をろくにせずにおいて差押えをすることはけしからんじやないか、こういう事実があつた。その具体的の事実に対して次官は何とお考えになりましようか。
○池田証人 私はそういうような叱られることはお間違いだと思う。長沼局長の所管でないのであります。
○田中(角)委員 簡單に一つだけ御質問申し上げます。先ほどの御証言を伺つておりますると、次官が前尾主税局長を大阪造幣局長に轉任せしめられるときに、もちろん大臣と話し合われるのが普通でございましよう。それから前尾局長の証言によりましても轉任の原嘉は私たちもよく承知いたしております。しかしそのときにその理由によりまして、またその当時の状況といたしましては——結果として轉任が実現したのでありまするが、その問題を出したのは大臣があなたに先にお出しになりましたか。あなたがこういう情勢だから前尾君は轉任させなければならないのじやないかと考えて話をお禎しになつたのか。
○池田証人 私からでございます。
○石田(一)委員 ちよつとお尋ねいたします。これはあなたの御意見を一つ伺いたいのですが、そのときの栗栖大藏大臣は、この竹中組の税金の滯納の問題に差可えたということについて昂奪して片理局長を叱つてけしからぬと言つたというのでありますが、あなたのお考えでは、栗栖大藏大臣はこの問題についての所管を局理局長の所管だと考え違えるほどのお方だとお考えになりますか。
○池田証人 私はそういう事実を聽いておりません。どういう調子でどういうことを栗栖大臣が長沼君に言われたか知りません。しかしそういう過程を知らないでかういう意見を申し上げるのはいかがと思いますが、もしかつとなつておれば、お間違いになることもありましよう。私はちよつとこれについて何とも申し上げられません。
○高橋(英)委員 鍛冶君の質問に対して間違いだから怒る理由はなかろうと御事見にあつたのでありますが、もしそれが前尾局長であつたとしたならば、これは假定論になるがいかがでしよう。妥当だということになりましようか、どうでせう。特殊の事情がない普通の場合に……。
○池田証人 それは竹中組の滯納の額、滯納の状況、諸般の事情から考えて不適当であるか、適当であるかということを判断すべきだろうと思います。
○高橋(英)委員 具体的にお聽きになつた場合の竹中組の差押えの程度…。
○池田証人 当、不当の問題は竹中組の滯納金、滯納事情、ほかの金融事情その他を考えてきめなければならぬ問題だと思います。大きい会社につきましても私が次官中私の所に相談を受けて、私が判断した問題はございます。二億六千五百万円全部滯納処分したという問題になると、これは会社の金融状見を見て全部一遍にやつてしもうか、一部だけ滯納処分にして、早く滯納処分せずに品物を出して納めさせるか、いろいろな題題があるので、滯納があつたから直ちにやれということについては、具体的問題で研究しなければ一概に申し上げかねます。
○徳田委員 簡單に二、三お尋ねしたい。第一に主税局長から造幣局長に轉任せられるような場合が以前にも随分あつた頻繁に起る事実でありますか、それは非常に異例であるかどうか伺いたい。
○池田証人 私の記憶では本省の局長から造幣局長に行かれた場合が二度あると思います。一つは松田龍雄氏が昭和十二年頃に主税局長から行かれた。銀行局長からもたれか行かれた例がございますが、これは私が知つておる範囲で昔のことは存じません。
○徳田委員 きわめて異例であることは確かでありますね。
○池田証人 異例と申しますか、人事でありますからこれは適時適材でその当時の事情でかえた方がいい場合があります。
○徳田委員 しかし大藏省にいろいろ慣例がありまして、やはり昇進していく場合、あるいは早進でない横すべりしても大して問題にならぬというような場合はありますけれども、主税局長から造幣局に行つたような場合、造幣局というのはほとんど仕事をしておりません。造幣局で何か特別の仕事でもしておれば別ですが、ほとんど現在は眠つておるように認められますが、こういう場合に造幣局に轉任していくということは異例じやないですか。
○池田証人 異例とお考えになれば異例でございましよう。またそのときの事情によりまして、行つた方が大藏省のためにいいい、あるいは昔は造幣局長の方が格が上だつたものですから、格の点から言えば栄轉ということも考えられないこともありません。
○徳田委員 前尾局長が轉任せられた理由につきましては、すでに証人から言われた通り、税の收入が非常に遅れている。そのためにいろいろ故障があるから、ここで一新すべき必要があるというふうに聞いておりますが、それは間違いありませんか。
○池田証人 それも一つの理由であります。
○徳田委員 それならばほかに何か理由がありますか。
○池田証人 陳容一新ということは、その人の能力の点ばかりでなしに、外部との関係、人との折衝という問題もございます。
○徳田委員 大体それだけだと思つていいですな。
○池田証人 さようでございます。
○徳田委員 しからば前尾局長が轉任して後に、この徴税方針並びに徴税の方式に対して特別顯著な変化があつたでしようか。
○池田証人 それは御承知の通りに、一月から納税強調週間というのをやりまして、一——四月の間に九百億円程度を徴收しております。これは非常に異例でございます。
○徳田委員 そうすると前尾氏の場合は、非常に緩慢であつて、前尾氏が轉任した後に非常に強行的にやつた、痛烈に徴税したということがきわめて特長的であると言わなければならないと思いますが、大体それでいいですか。
○池田証人 前尾氏のおるおらんにかかわらず、私が次官のときはそうやるつもりであります。ただやりますのに前尾君がおつたからそういうことができないということでなしに、前尾君が送つて、ほかの人で新陳容でいつた方でやりいい、こう私は決心したためにかえたのであります。
○武藤委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。 —————————————
○武藤委員長 平田敬一郎さんですか。
○平田証人 さようでございます。
○武藤委員長 今主税局長をしておられるようでありますが、いつからでありますか。
○平田証人 発令になりましたのは、昨年の十二月二十九日でございましたか、二十八日でございましたか、たぶん二十九日だと思います。
○武藤委員長 前尾局長のあとを承けたわけですか。
○平田証人 さようです。
○武藤委員長 その前は何をしておられましたか。
○平田証人 その前は物價廳の第一部長でした。
○武藤委員長 そうしますと、その前に大藏省内に起つたような事柄については御存じがないですね。
○平田証人 存じません。
○武藤委員長 それではひとつ主税局として滯納処分をなさることは——徴税方針その他につきましては、大体主税局の管轄ですね。
○平田証人 さようでございます。
○武藤委員長 それでは徴税方針、それから差押えをする場合の條件、解除をする場合の條件等について、一般的なことを述べてください。
○平田証人 租税が滯納になりました場合におきましては、御承知のようにまず督促状を出しまして、納税の督促をいたすことになつております。その督促状が出ましてもなお税が納まらない場合、またあらゆる方法で督促をいたしますが、さらにどういう方法をもつてしても納まらないという場合におきまして、御承知のように差押処分を実施することに相なつております。そういたしまして一旦差押えた場合におきましては、原則としてやはり税が納まるという場合に解除するのが原則でございます。でございますが、結局最終的に納税をうまくさせるために、むしろ解除した方がいいというような場合におきましては、臨機の策といたしまして、現場の署長の判断で解除いたす場合が例外的にはございます。要するに税は税法の定められたところに從いまして、納税を確保するというのが最後の目的でございまして、そういう方針に從いまして滯納になつた場合の税を運用していく。ごく一般的に申し上げまと、そういうことに相なるのであります。
○武藤委員長 差押えをしたり解除をしたり、特に解除をするような場合に大藏大臣とか、あるいは次官から、これを解除してやつてくれないかというような話のあることもあるものですか。
○平田証人 私の記憶ではほとんどないと思います。
○武藤委員長 一つくらいはありますか。
○平田証人 絶対にないかどうか今記憶はございませんが……。
○武藤委員長 あなたが就任されてから今まで半年ばかりですけれども、何かそんなようなことがございましたか。
○平田証人 私が就任いたしましてから以降は、別に解除してくれというようなことにつきまして、話があつたことはございません。
○武藤委員長 前尾前局長が大阪造幣局長に轉任をしたのでありますけれども、その理由はどこにありましたか、御存じありますか。
○平田証人 これは私よく承知いたしております。
○武藤委員長 話も聞いていませんか。
○平田証人 その後若干の話を聞いております。しかしそれが眞実なりや否やはわかりません。
○武藤委員長 そのお聞きになつたことをひとつ述べてください。
○平田証人 御承知のように昨年の秋ごろから大分納税が惡くて、予算を実行していくためには相当納税確保につきまして、新方策あるいはいろいろの施策を講じてまいらなければ、なかなか本年度の予算の確保はむずかしいのではないかということが、一般的にひとり大藏省のみならず全体に痛感されまして、そういうことに関連いたしまして、この際主税局の陳容をかえていつた方がいいのではないかという趣旨で、送つたものと私は聞いております。
○武藤委員長 主税局長から大阪造幣局長に最近轉任するということは、これは普通の場合ですか。言い換えますと栄轉というか、左遷というか、これはどういうのですか。
○平田証人 たびたびある例ではないと思いますが、かつてあつた例はあると聞いております。
○武藤委員長 役人の立場からいつて、これは仮定ですけれども、主税局長をしておつて、造幣局長へ行つてくれというようなことは好ましいことですか。
○平田証人 それはそのときの場合によることでありまして、一般的にどうということは言いがたいと私は思います。
○武藤委員長 他に何かございますか。
○鍛冶委員 簡單に一つ伺いますが、差押えを所轄税務署長の権限だけでやり得るのか、権限のいかんにかかわらずやり得るのですか。
○平田証人 差押処分は税務署長の権限になつておりまして、お話の通りであります。
○武藤委員長 ほかにありませんか。——それでは済みました。御苦労さまでした。 —————————————
○武藤委員長 愛知揆一さんですね。
○愛知証人 そうです。
○武藤委員長 いつから銀行局長をしておられますか。
○愛知証人 二十二年の九月二日からだつたと思います。
○武藤委員長 前の福田銀行局長のあとを承けたわけですか。
○愛知証人 そうです。
○武藤委員長 特に金融関係について、大藏省銀行局と地方銀行との監督その他の関係はどういうふうになつておりますか。大体で結構ですが。
○愛知証人 お答えいたします。最近の大藏省と地方銀行との、特に融資を中心にいたしました大藏省の地位と申しますか、関係を御説明いたしたいと思います。 第一に一般的な問題でありますが、昭和二十二年の三月一日に、金融緊急措置令施行規則第十三條第二項に基いて、大藏省告示第三十七号というものが出ております。これが世間にいわゆる融資準則といわれておるものでありまして、この融資準則によつて金融機関の融資の規制が行われておるわけでございます。この融資準則は、地方銀行のみならば、あらゆる金融機関に対しまして原則的に適用されておるものであります。その内容をごくかいつまんで申し上げますと、その準則の第一の総則の一の銀行その他でありますが、銀行その他の金融機関は資金の融通をなすにあたつては、この準則の定めるところにより自主的にこれが規制を行せなければならない、ということが、融資準則の第一総則の一に掲げられておるわけであります。これが法令の基礎に基く銀行その他の金融機関としての融資の根本の方針として與えられておるものであります。これに対しまして大藏省の関係でありますが、その点は同準則の第六の一項に、大藏省は本準則の実施状況を監査するほか、日本銀行をして常時監査せしめるということになつております。それからまた、必要と認めますときは資金の融通を禁止し、または回收もしくは担保権の実行を命ずることができる。こういうことになつておるわけであります。從いまして、ごく簡單に申しますると、融資の規制については大きな準則がきめられてある。準則に基きまして相当細部の規定もございまするが、その規定の範囲内で各金融機関で自主的に行つてもらうということを建前にしておるわけでございます。大藏省としては事後の監督ということに責任の重点がある、こういうようなかつこうになつておりますし、また日本銀行がその間にありまして、やはり監督について相当の分け前をもつておる。こういうような状態になつておるわけでございます。なおこの際附加えて申し上げておきたいと思いますのは、融資準則の中で産業資金貸出順位表というものがございます。その産業資金貸出順位表と申しまするものは、昭和二十二年の六月に改正されまして、現在これが行われておるのでありますが、この中で設備資金と運轉資金とにわけまして、甲一、甲二、乙、丙という区別が四段階にあるわけであります。これも規則につきまして具体的に申し上げますと非常に長くなりますので、重点だけを申し上げますならば、甲一、甲二というものは絶対に日本再建のために必要と思われるものを原則的に分類いたしております。それから乙につきましては、その順位が甲一、甲二に次ぐものでありまして、ややその必要度合の低いものであり、甲は原則的にこの際必要でないというようなかつこうでわかれておるわけであります。甲一、甲二の区別は今ではほとんど実益がございません。なぜかと申しますと、從來封鎖制度が行われておりましたときは、甲一等については全額新円で貸出してよろしい。甲二についてはある程度制限が置かれるというような差別があつたのでありますが、今日ではそういう差別がなくなりましたから、一口に申しますれば、甲は必要なもの、乙は普通のもの、丙は不必要なもの、こういう順位で、およそ想像し得るあらゆる業種につきまして設備資金、運轉資金の両方にわかれて規定されておるわけであります。甲につきましては、原則的にこれはまつたく金融機関の自由に貸出をし得るものであります。乙につきましては、事業育成をこの際としても必要とする、あるいは收入の状況が相当良好である、あるいはまた、事業育成の必要は非較的低いけれども、この際としては運轉資金の供給を事情によつて必要とするというような場合には、運轉資金はこれを金融機関だけの考えで出してよろしい。こういうことになつておるわけであります。丙につきましてはいろいろの場合がございますが、一口に申せば、原則的に事前に日本銀行の承認が必要となりますし、またその中の重いものにつきましては大藏省の承認が事前に必要である。こういうことになつておるわけであります。大体概要は以上申し上げた通りであります。
○武藤委員長 そうしますと復金、興銀、勧銀などの特殊の銀行と、一般市中銀行との間には、融資の規則またはあなたの方の監督の関係について何か区別があるのですか。ありましたら述べてください。
○愛知証人 興業銀行その他の特殊法に基きまするいわゆる特殊銀行につきましては、融資規制の面においては地方銀行等と変るところは全然ございません。ただ法律に基いてたとえば役員の任免権が政府にあるとか、あるいは特権として債券発行の一定限度の特権があるということが法律できめられておる点においては、監督権その他において相当の違いがあるわけでありますが、融資の規制という面では全然その間に差別はございません。ただ、ただいまお尋ねのありました復興金融金庫でありまするが、これは全然別個のものでありまして、融資準則の適用からははずれることになつております。復興金融金庫については別に御承知のごとく復興金融金庫法というものが昭和二十一年十月八日法律第三十四号で規定されてあるわけであります。それから復興金融金庫の融資につきましては、復興金融委員会において相当程度の監督なり、あるいは事前の審査を場合によつてやることになつておるわけでありまして、そういう点につきましては一般の地方銀行等と違いまして、復興金融金庫の金融の取扱いは非常に嚴格になつております。融資の取扱いの規則は昭和二十二年十一月二十六日復興金融委員会通牒というものがただいまのところ融資についての準則の基礎になつております。その委員会通牒によりまして、たとえば三百万円以上の融資の申入れの審査については、復興金融委員会幹事会の認定を得ることを要するというような規定もそれによつてございまするし、また幹事会で融資または債務保証を適当とする認定のあつたものでありましても、一件の金額五千万円を超えるもの及び重要かつ異例のものについては復興金融委員会の承認を受けるものとするというような規定があるわけでありまして、現在の復金の融資はそれぞれこれらの法令及びそれに基く通牒によつて行われておるわけであります。なお復興金融金庫と申しますのは非常に複雜なる機構になつておりまして、先ほど申し上げました復興金融金庫法のほとんど各條に復興金融委員会の承認を受けてとか、復興金融委員会の定めるところによりとかいうことがたくさん挿入されておるわけでございます。監督につきましても相当程度の業務あるいは人事の推薦等につきましても、復興金融委員会の議を経ることが必要になつておる。あるいは推薦を必要とするということになつております。なおお尋ねの範囲を若干逸脱するかもしれませんが……。
○武藤委員長 そこで問題を新しくしますが、今お話の復興金融金庫の金融について見込みから貸出しまでの間の、今お述べになつた法律を見れば大体わかると思うのでありますけれども、ごく概略、特に復興金融委員会と幹事会の構成、それから権限などを中心として簡單に説明してください。
○愛知証人 それでは説明いたしますが、その基礎は先ほど申しました通り、二十二年十一月二十六日の通牒が最も新しく直つておる規則でありまして、これによつて融資の取扱いが行われておるわけであります。まず借入の申込み、受付、審査についてでありますが、復金に借入の申込みをしようとする場合には、申込人は原則としてその主たる営業所、最寄の金庫本支所、出張所または代理店に借入申込書二通を提出する。これはいささか詳しくなりますけれども、御参考までに具体的に詳細に申し上げた方がよろしいと思いますが、いかがでございましよう。
○武藤委員長 諸君いかがでしようか。 〔「必要あれば…」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 それではひとつ……
○愛知証人 さよういたしまして二通の申込書が提出されるわけでございますが、その次に金庫は申込みを受付けたときには、そのうち副一通を直ちに日本銀行に提出するのであります。日本銀行は前項の申込書により審査の上一般の金融機関から融資することを適当と認めるものについては融資の斡旋を行うわけであります。この際金庫の債務保証を要するものについてはその旨を金庫に通知し、債務保証を要しないで一般の金融機関が融資することができるものはその旨金庫に通知して申込みを取下げさせる。こういうことになるわけであります。第三には金庫の本所は借入れの申込みを受けたものまたは日本銀行から債務の保証について意見の通知のあつたもののうち、一件の金額が、当該取引先に対する融資または債務保証の会計額でありまするが、一件の金般が三百万円以上のものについては審査をいたしました上復金委員会幹事会の認定を得るのであります。異例に属するものまたは融資準則によつても算定困難なものは金額のいかんにかかわらず前項に準ずるということになりますから、三百万円以下のものでありましても、異例のものその他は幹事会の認定にかけられるわけであります。金庫は事情により審査前においても第一項の認定を受けることができるということになつております。次に幹事会の認定にかかわらず金庫の本所が融資または債務保証を拒絶することがございます。あるいはまたその実行を延期しもしくは金額を削減する必要があると認める場合がありますが、その場合はその旨を幹事会に報告するわけであります。次には先ほど申しましたように、幹事会で融資なたは債務保証を適当とする債定のあつたもののうちで一件の金額五千円を超えるもの及び重要かつ異例のものについては復興金融委員会の承認を受けるものとする、こういうことになつております。 委員会の構成はただいまここに名簿をもつてきておりませんが、大体産業界、金融界その他の代表者をもつて組織されておるのでありまして、その復興金融委員会の根拠は法律に基きかつ勅令をもつて定められております。会長は大藏大臣をもつてこれに充て、副会長は経済安定本部総務長官たる國務大臣をもつてこれに充てております。委員会は左に掲げる者から選任されます。この一は関係各大臣二名、これはただいま商工大臣と農林大臣がなつておられると記憶しております。その二は日本銀行総裁でありまして、これは当然の委員でございます。その他学識経驗のある者七人以内ということとなつております。それから幹事会の構成でございますが、幹事会はやはりこの委員会の官制二十一年十月二十六日勅令第四百九十五号の第五條によりまして、委員会は幹事を置く、新事は大藏大臣の奏請により内閣においてこれを命ずる、幹事は会長の指揮を受け庶務を整理するということになつております。現在幹事は大藏省、安定本部、商工省、農林省その他の関係局課長に日本銀行関係者、学識経驗者等をもつて組織されておるわけであります。
○武藤委員長 権限はどうです。いくら以上はどうということはあるのですか。
○愛知証人 その権限は先ほど申しましたように三百万円以上のものは原則的に幹事会に全部かかるわけです。それから五千万円以上は委員会にかかるわけであります。
○武藤委員長 そこで御説明になりました法律規則によりますと、その金融につきましては非常に嚴格な條件と関門があつて、いやしくも不当な融資はなされないというように思われますけれども、実情におきましては復金の金融について、不当な融資であるということが巷間に非常に傳えられておるわけであります。さようなことが傳えられるゆえんはどこにあるのですか。
○愛知証人 巷間にうわさが出ておりますことは私は承知しております。それから復興金融金庫ができましたのは昨年の初めでございますが、その間いろいろの経過変遷等があると思います。それらの間におきまして融資計画それ自体は相当私どもの見ておりますところでは、嚴重に審査されておりますし、また大額のものについては幹事会、委員会等で相当愼重に扱われておると思いますが、中にはあるいは世間のうわさが若干ほんとうではなかろうかと思われることもあるのであります。しかしこの点は随時財政金融委員会におきましても非常に詳しく御説明もし、資料も差上げておりますように、私どもとしてはその間、やはり担当の局に当つておりますものとして、世間にそういううわさが出ておりますことは非常に遺憾に思いまうけれども、なお今後十分注意いたしたいと考えておるのみならず、一方監査につきましてもこれはやはり法律に基きまして復金自体を監査をすることができるのでありますが、特に法律によりますと普通の金融機関の場合と違いましてたとえば復興金融金庫法の第二十九條には「主務大臣は、必要があると認めたときは、当該官吏に復興金融金庫の業務及び財産の状況を檢査させることができる。」という規定がありますほかに第三十一條におきましては、復金から賃金の融通を受けた者、また復金から債務を引受けられ、または債務を保証された債務者というような相手方に対しましても「主務大臣は必要があると認めたときは、その業務及び財産の状況に関し報告を徴し、または当該官吏にその業務の状況もしくは帳簿処理その他の物体を檢査させることができる。」こういうことになつております。 それからなお最近におきまして、増資案の國会における審議に際しましても特に法律をもつてまた別箇の監察委員会を設けるようにしたらどうかという議が出ておるのであります。この点は國会の方と御連絡をとりつつ連繋をいたしておるわけであります。 それから先ほどのところに帰るのでありますが、融資について不当な点があるかないかという点でございますが、私の承知しておる限りにおいて復金で監査いたしますその復金自体の監査のうちにも、今少し注意していくべきだつたというような趣旨のことが報告の中にも出ておるものが一二ございます。その点につきましてはたしか当委員会からの要求もございまして、書類においてもすでに提出をすることになつておる。あるいはお届けしたかと考えておるわけであります。
○武藤委員長 そこで商工大臣とか、大藏大臣とか次官とか、銀行局長とかいうような政府の有力な人とか、あるいは金融委員会の委員、あるいは幹事、そういうものから紹介があると、非常に融資が簡單にいくというようなことがあるのですか。
○愛知証人 私は私の立場から申しますと、私自身に関する限りはさようには考えません。
○武藤委員長 あなたのところへも大分紹介などを頼みにくる者があるのではないですか。
○愛知証人 それは何とか復金の幹部に紹介してくれ、あるいは委員会のときに特別に見てもらつて欲しいというような方がみえることは事実であります。これは私自身といたしましても、紹介者に対して、迷惑であると思いますので、できるだけ復金の方に紹介することは避けております。最近は私はお断りしておりますので、ほとんどそういう方はなくなつたように存じております。 なおただいまお尋ねのほかの場合でございますが、これは大臣とか、次官とかになりますれば、非常に大勢の人が何とか紹介をしてくれと言つて來られるような場合はずいぶんあろうかと思います。この点は先ほど申しましたように紹介等する場合もありましようけれども、私はまず第一に融資の申入れを受ける復金の当局者、あるいはまたそれを法規の規定によつて審査する幹事会、委員会、こういうものを構成しておる幹事、委員というような人達が、そういうことによつてどうこうするということは私は考えたくないと思つております。
○武藤委員長 地方の銀行が、たとえば土建業者に融資をするような場合には、見返りとして、政府の支拂金が土建業者に対して残つておるというような証明でもとつて融資をするというようなことがあるのですか。
○愛知証人 お答えいたします。まず第一に今お尋ねの場合は政府支拂の立替的な融資の場合であると考えますこの点につきましては昭和二十二年九月十二日に銀々第一九二一号、金融の健全化についてという通牒を各金融機関に出しております。それの中には当時の状況に照して非常に多々書上げてあるのでありますが、そのうちの一つに政府支拂の立替的融資に関しては、融資前に支拂官廳が大藏省から支拂予算の配付を確実に受けておるかどうかを当該官廳の支出官、所轄財材局理財部、または地方部につき確認せられたいという一項がございます。しかしながら念のために附加えておきますけれドも、これは政府支拂の立替的融資ということがはつきりしておりまする場合に、念のためにこういう措置をとられることを通牒によつて、言葉は何と申しますか、金融機関にお勤めをしたというような感じのものであります。で先ほど申しました乙に属するものの事業に対する運轉資金につきましては必ずしもこういう方法によらないで、いわゆる信用貸しをするという場合もあろうかと思われます。それからもう一つ、政府支拂の立換的融資につきまして、やはり昭和二十二年八月十五日、あるいはまた昭和二十二年九月八日の通牒等によりまして、政府支拂金の代理受領に関する件という通牒を出しております。その代理受領と申しますのは、一面において、今日でもそうでありますが、政府の支拂いはきまつたものはできるだけ早く拂わなければならぬということを私でもが考えるのは当然のことと思うのでありますが、政府支拂の立替的融資というようなことをやります場合は、いろいろの関係で政府支拂いがどうしても遅れる場合でございますので、そういう場合に金融機関から貸付をいたしました場合には、政府から支拂いがあつた場合には、自動的に銀行の方にその貸した金がはいるようにというためには、どういう工夫を凝したならばよいかということを参考のため申しますが、当局の助言的な性格でもつて出している通牒もございます。
○武藤委員長 必ずしもその証明をとらなくてもよいけれども、とつて間違いなくやつた方がよいという孤旨ですね。
○愛知証人 そうでございます。しかしながら私ども当局者の氣持としては、先ほど読み上げましたように、当該官廳の支出官について確任してもらうということは、金融機関の健全性からいつてやつてもらいたい措置であるということで、相当各金融機関には徹底しているはずであります。
○武藤委員長 ここに現われた証人により、金融機関側の意見からみますと、金融機金は独自の立場で金融を決定するのであつて、必ずしもさようなものはなくてもかまわないのだし、なしでやつているのが多いのだという趣旨のことを言つていますが、一般にはどうなんですか。
○愛知証人 そういうようなことを言われた方があるかもしれませんが、ここは非常に具体的にはつきりしなければならぬ点だと思うのであります。金融機関の健全性ということから申しますと、今申しました政府支拂の立替的融資ということは、やはり大藏省からの支拂い、予算が確実に払われておつて、当該官廳の支出官がどれだけの金額をいつまでに拂うのだということを、原則的には現地の第一線の担当のところへ行かれて、そこで確めていただくことが当局として最も望ましい方法だと思います。それから、もしまた銀行当局として健全な経営をやろうとすれば、こういうことは当局が言わなくても当然やるべき措置と考えているわけであります。
○武藤委員長 話は別ですが、栗栖さんが今度大藏大臣から安定本部長官になられました。そのときにあなたも一緒に行かないかというようなことがございましたか。
○愛知証人 そういうことが大分傳えられたのでありますけれども、私は栗栖氏、あるいは北村氏、その他現在あるいは從來の上司から一回もさような話は受けたことはないのでありまして、その点ははつきり申し上げておきたいと思います。
○武藤委員長 何かお聽きになることがございますか。
○徳田委員 昭和電工に対する復金の融資につきまして、銀行局で調べたり、何か審査したりしたことがありますか。
○愛知証人 お答えいたします。銀行局自体だけで調べたことはございません。と申しますのは、いささかこまかいことになつて恐縮でございますが、私の局には復興金融課というのがございます。課長以下有能に働けると言つては語革がありますが、数人しか実際に働ける人間はないのでございます。この人たちはしよつ中復興金融委員会の幹事あるいは庶務役として走りまわつているので余裕がないのであります。先ほど申しました通り、現在のところは復興金融金庫自体と監査を行つているわけであります。しかし私の承知いたしておりますところでは、あの会社は肥料部門のみならず、非常に廣汎な事業をやつておりますが、一應肥料部門に関する限り、復金当局として詳細な監査がごく最近できたということを聞いております。
○徳田委員 その復金の監査につきまして、銀行局の方ではさらにこれを審査したようなことはないですか。
○愛知証人 お答えいたします。実はその報告書がようやくできたばかりでございます。それで私自身としましては、昨日ごく簡單な総論的なものを手に入れましたが、まだほんとうに檢討するところまでいつておりません。
○徳田委員 それでは復金の融資につきまして、大体銀行局が一般的に監督をしておるというだけの話であつて、こまかい事実上の調査は今まで全然しておらぬわけですね。
○愛知証人 銀行局自体としてはどこにもやつていないのであります。ただ、たとえば炭鉱融資の問題は非常に大きな問題がございまして、各省その他関係部門等に合同で調査隊を派遣いたした場合に、大藏省の係り事務官をこれに参加させたいということは過去にも例がございます。現在も一人の事務官が出張してこれを加わつております。
○徳田委員 それではもう一つお尋ねします。復金の融資は非常に莫大なものがあります。たとえば昭和電工についてでありますが、二十一億いくらがすでに渡されており、さらに追加されまして二十六億いくらになつておりますが、これに対して、銀行局はこれが弁債せられるということに対して十分なる確信をもつているということ、すなわち政府がこれを弁債を受けるということに対しまして十分な調査をして貸しているわけですが。
○愛知証人 お答えいたします。その点につきましては、先べども申しましたように、融資をいたします事前におきましては、たとえば現在の日本としての肥料政策、効率的と申しますか大施的な観点から、関係方面の指示もありまして着手いたしましたような事業につきましては、ほんとうに金をこんなに食つてよいのかと思うようなものもございますけれども、やはり現状においてはどうしてもやらなければならないということが復金幹望会なり委員会を運しこの意見になつているのであります。そこでおきめになりましたものについては、私はそれぞれの御責任の立場の委員幹事の方としてはやむを得ないということで承認をされていると思うのでありまして、そこに至りますまでの間はきわめて良心的に行われているのではないかと想像いたされます。
○徳田委員 復金の金は大体これは政府の資金でありまして、実質上はいろいろ復金の証券なども出してはおりますけれども、事実上これは政府がみま責任を負うものでありまして、多くのものはこれは税金から出していると考える次第であります。從いまして復金の資金というものはどだい政府の資金でありますから、復金の資金が莫大になりますと実際上は政府の事業を会社が代行していることになるわけであると思う。そういたしますると、復金の資金を借りておる者が、実際上これが返せないということになりますれば、結局政府がこれを接收することにならなければ、國家のために非常に不利益だと思います。そういうような点に対しては、ちやんと銀行管では相当の方針を立ててやつておられますか。
○愛知証人 この点はただいま御指摘の通りでございまして、復金の融資ということは、私率直に申して融資そ縄自体にいろいろな問題があるというふうには、考えたくないし、また私はないと信じておりますけれども、何ゆえに復金がこれだけの大きな金を出さなければならないかということにつきましては、金融政策のみならず財政なり、物價なり、賃金なりその他の総合的な政策が非常にうまくいつてない面、あるいは露骨に全部露呈して片つ端から解決をしていけない状況にありますために、率直に申しますならば、政策的に見てそれらの政策の足りないところは、全部復金の融資という面にしわ寄せがされておるのではなかようかという点を、私としては非常に考えなければならぬ点だと思いまして、日夜いかにしたならばよいかという点は、もちろん私の立場において、非常に責任をもつて考えておるわけであります。
○徳田委員 実際上これらの莫大な資金に付しまして、事実今行われておる成績から申しますれば、予定の生産をあげておらぬようであります。これはいずれも——昭和電工でもみな書類が出てきておりますが、実際予定の半分にも達しないところが非常にあります。そういう場合におきましては、必然この融資に対して返還する見込がないだろう。予定の半分もできないのですから、あるはずはありません。從いましてこれを返済することは、事実上できない。それゆえにこの融資を受けた者は、こういうようなものは返済しないでよいのだ、もらつたものだというふうに、大体事実上なつておるのではないかと思いますが、銀行局の方ではどういうふうに考えておられるか。
○愛知証人 これまた率直に申し上げますが、中には復金から出た金はもらつたものだという観念をしておる者もないではないと私も思います。かようなことがあつては実に情ないことでございますから、ただいまいろいろの手を考えまして、回收にできるだけの努力をしております。ただ先ほど私が卒直に申しましたように、いろいろの政策の貧困なり、矛盾なりがこの融資に現われておる面もございますから、今の現状だけをもつてしては回收がきわめて困難なものもあるかと思います。それからもう一つ附け加えておきますが、何分昨年の初めにできました金庫でありまして、本來ならば相当長期にならなければ、大局的に、インザ、ロング、ランで見なければ返ることの困難であるような性質のものに復金が金を出しておるという面があるのでありまして、過去一年数箇月の状況だけですぐに結論を出してしまうということは、早計な部分もあるのではないかと考えます。
○徳田委員 それはごもつともであります。早計である部分もありましよう。しかしインフレがどんどん進んでおりまして、いよいよますます困難な状態になりますから、いよいよますますこの回收はむずかしくなりはしないか。そういうことに対して、大体政府においては、その回收の方針を今考えておられると申しましたが、特別この点について具体的の方針がきまつたようなことはないのですか。
○愛知証人 お答えいたします。ただいまここではつきりと、銀行局の方針として、こういうものを確立したといつてお目にかけるべきものはまだもつておりません。遺憾ながらこれは今後の物價の改訂とか、賃金に対する政策とかいうことが総合的にきまりませんことには、この回收という面だけを取上げまして対策をつくつてもそれだけでは動かないと感じますので、非常に困つておるという状況を率直に申し上げたいと思います。
○徳田委員 大体わかりました。それでは少し今度は方面を変えてお尋ね申し上げますが、持株整理委員会というのがございます。この持株整理委員会の性格について大藏省で特に監督したり、またこれの政策について監視しておられるようなことはありませんか。
○愛知証人 お答えいたします。銀行局長として、並びに愛知個人といたしまして、持株整理委員会のことには、公の権限あるいは関係をもつておりません。それから私の立場におきましても、あまり関心がないと申しますか、多少知つておる人はございますけれども、個人といたしまして、それ以外持株整理委員会の仕事その他につきましては、私は公私両方の関係において存じない立場にございます。
○徳田委員 それではよろしゆうございます。
○石田(博)委員 徳田さんの質問と若干重複するかもしれませんが、お答えを願いたい。復金の融資をしたあとにはいろいろの事情が生ずることがありましようが、融資をするときは、建前としては、やはり償却することが原則になつているのでございますが。
○愛知証人 お答えいたします。もちろん原則になつているわけでございます。ただしかしながら、復興金融金庫は、普通の金融機関をもつてしては、回收の期間が長過ぎるものとか、あるいは当座のところちよつと回收の見込がない、しかしながら大局的に、國家的にどうしても必要なる生産の資金であるというようなものに貸すことを、むしろまた本則にしておる面もございますから、回收計画については、ずいぶんと考えておりますけれども、一般金融機関であつたならば当然貸し得ないようなものも、承知の上で貸しておるような場合が多いわけでございます。
○石田(博)委員 復金の性格から言いましても、その使途については常に委員会その他において嚴重な監査が行われているわけでございますか。たとえて申しますと、設備資金に借りたものを赤字金融に使うとかいうような状況について……。
○愛知証人 お答えいたします。その点は、もちろん設備資金は設備資金であり、運轉資金は運轉資金であることを前提にして、実にこまかく調べております。これは私自身こまかく檢討したことは実はございませんが、係の者あるいは復金の融資部の人たちは実に熱心に檢討いたしております、しかし、これまた卒直に申し上げまして、設備資金なりとして出ました金が、その会社のその後の計画の変更になり、あるいは状況の変化等によりまして、一部が予想されなかつた他の設備に向けられている場合とか、あるいは運轉資金として、ずいぶん値切つて値切つて値切り倒したにかかわらず、あるいは一部の物の支拂いを遅らせて、融資のときには申し入れてないところの用途に使つておるものも、多い中にはあるかと思います。その点はどうしても事後の監査になるのでございまして、事実の監査を今後嚴重にして、さようなことのないように、監査と融資とを有機的に連繋させて見ていかなければならぬと考えております。
○石田(博)委員 昭和電工の場合に限らず、そうすると、この融資を受けた企業体が用途を変更する場合は、その企業体が自主的にそれができ得るわけでありますか。
○愛知証人 それはできないはずでございます。その点は、私今正確な法律的な根拠を申し上げるだけの余裕はございませんが、少くとも徳義的に、あるいは債務者の立場において、それはすべきではないと考えます。少くともさような場合には事前に非常な手数をかけて審査を受けておるのでありますから、当然に復金の融資部なり、場合によりまして、その変更が大きければ、幹事会、委員会の承認をとり直す必要があると考えます。
○石田(博)委員 復興金融金庫が昭和電工に融資した額は、二十億を超える厖大なる額でありますが、その後昭和電工が、この受けた金額を当初の目的、つまり災害を受けた施設の復旧、生産の拡充のための設備資金に使われておるということを信じておられますか。
○愛知証人 あるいは、その点については、一部流用されておつて遺憾であるという結果が出ておるのではなかろうかと思います。これは先ほど申しましたように、復金としての監果の報告は五月十二日附でありますが、これは当委員会にも出ておるかと思います。私は昨日これを見たのでありますが、復金の監査で、從つて、私の責任においてつくつたものではございませんけれども、さような点がわずかではあつたかも知れませんが、一部指摘されておるように、昨日見た記憶がございます。
○石田(博)委員 そういう場合にはどういう処置がとられますか。
○愛知証人 そのときのその程度なり、事情なりをまずよく調べる必要があると思います。それから私どもの立場では、これは大藏省だけでやれるものではありませんので、根本方針は復金委員会の意見を徴しまして、今後の融資その他についていかに考えるかということをきめなければならぬのではないかと思います。それからまた國会の財政金融委員会その他においても監査のことは非常にやかましく私とも常に御注意をいただいておりますから、それらの方面に対しましても監査の状況は卒直に被瀝いたしまして、今後の処置としては、もしさような事実があり、しかもそれが当時の事情なり、規模なりから言つても許すべからざるものであるという場合がかりに発見できましたときは、適当な措置をする必要があるかと思います。ただ適当な措置と申しましても、復金の融資を用途を別に違えて使つたからといつてどういう罰則になりますか、その辺のところはまだ研究しておりませんから、にわかにここで意見を申し上げるわけにはいきません。
○石田(博)委員 そうすると、これは今後の融資の問題について考えられるだけで、今まで受けたものについては、現在のところは方法がないということになりますか。
○愛知証人 その点はただいま申しましたように、ここで十分お話する用意がございませんが、しかし私見としてここで思いつきでございますが、一般にさような場合には、金融機関の立場としては徹底的に回收を求めるだろうと思います。場合によつては在庫品を賣るとか、企業整備をするとかして、もし不当な使い方があつたら、それを返却してその責に應ずるのが、経済徳義上会社側の態度であり、またさような処置をとるのが金融機関側の立場ではなかろうかと考えます。
○石田(博)委員 そうすると、その会社の責任者なり、経営者なりが刑事上の責任を負わなければならぬということはありませんか。
○愛知証人 その点はそういう種類の問題ではないのではないかと思います。先ほども申しましたように、その当時の事情なり、規模なり、そういうことがもつてはつきりいたしませんことには、ちよつと私これ以上お答えいたしかねるかと思います。
○石田(博)委員 その事情によることはもちろんよくわかつておりますが、ただいまの状況ですと、融資を受けて、そのあとでそのお金をどういうふうに使おうと知らない。極端にいえば、そういうことになるのです。そうすると、あなたが憂慮されているような事態が生じやすい可能性をもつてきていると思いますが、銀行局長の立場といたしまして、その問題を個人の御意見で結構ですが、どういうふうに解決すべきであるとお考えになりますか。
○愛知証人 お答えいたします。まず第一に、今後の融資を決定いたします場合に、私どもの立場におきましては、もつと嚴重に、精細に融資計画を各所について徹底的に調べる必要があると思います。これは今後どうしてもそういうふうにしなければいかぬと思つております。 わき道にはいりますけれども、從來私どもが非常に世間の御非難を受けておりました一面は、復金はさつぱり金を出さぬ、不親切で、書類を出しても、何箇月も積んでおく、ひどいのは半年も積んでおく、もつと早く事務を処理しろという御要求を受けたのでありますが、私どもとしてその御要求にこたえるのにいかにすべきかということと、一方において、出たものが万一ほかの用途に使われた場合にどうするかという、ここに非常に矛盾した立場に実は立たされているのであります。そういう点から、今後多少延びても、どうも御迷惑をかけて済みませんけれども、徹底的に調べた上で、納得のいくところまで査定をしなければならぬのではなかろうかと考えます。これは過去にもし誤りがあつたとしても、その誤りを正す最善の途ではなかろうかと考えております。
○石田(博)委員 昭和電工は昨年電力事情もあつたのでありましようが、大体私の調査いたしております数字によりますと、昨年十月は概略六千万円程度の賣上に対して、人件費だけでも六千三百万円以上支出していることが明らかになつております。その他経営費、物件費等を考えます場合に、赤字になつている昭和電工に復興金融金庫が不当な貸出をするという問題が世人の口に上るようになりましてから実に久しいものがありまして、今日御承知の通りのような問題になつているわけであります。そういう久しい世人の批判の中にあつて、復興金融庫の監督の立場にある銀行局長は、昭和電工のこういうばかな経営の実情について何らかの措置をとるよう指示せられたり、あるいは処置をとられたことはございません。
○愛知証人 その点は銀行局長として、特に昭和電工の問題を取上げまして、復金金融金庫に対して何らかの申入なり、指示をしたことはございません。しかしながら昭和電工の融資の問題については、実際頭痛の種でありまして、日にちは忘れましたけれども、前回の増資産の御審議をいただきましたときにも、衆議院においては秘密会まで開いていただきまして、これは金融問題というよりも、むしろ根本はあの会社が、たとえば川崎工場の第二期計画をやること自体がどうかというところまで遡らなければならぬ問題でございますので、農林省、商工省等の肥盛行政の責任者にも全部出てもらいまして、このさいに御檢討いただいたのでありますが、その当時におきまても、これでよろしいという御結論はもちろんいただいておりません。なお十分に今後調査しろという御注意はいただいておりますけれども、何とも措置ができにくい。つまり肥料あるいは石炭という現在非常に急迫した産業界の問題としては、やはりある程度は続けていかなければならぬのではなかろうかというような感じが委員会においてもあつたように記憶しているわけであります。
○石田(博)委員 事業を続けていくということの問題は別でありますが、現在の経理の状況、経営の状況については、内部の人——別に大勢に聽いたわけではありませんが、内部の相互枢要の地位にある人でも、この調子でいけば百年経つても返せる見込みはないというようなことを放言しておることを私は聞いたことがあります。さらに先ほどから愛知さんも言われましたように、報告書の中に当初の用途以外に使つたという事実もあると伺つたのでありますが、それらにつきましては、やはり経理上の問題は別といたしましても、道義的にあるいは今後の信用と申しますか、経営を円滑に続けていく上からいきましても、経営責任者の責任というものはやはり嚴重に監督官廳においても適当な措置をとられる必要があると私は考えますが、その点についてはいかがですか。
○愛知証人 その点は先ほどから申し上げておりますようにその事態が私どもにもはつきりいたしまして、相当そういう措置を必要とするようなことになれば、もろろん考えなければならぬことだと思うのであります。しかしこれは弁解になるかもしれませんけれども、実は最近の物價の状況その他から申し上げますと、おそらく他の炭鉱関係、あるいは肥料会社関係等においても、これは洗い立ててまいりますと、同樣の問題もあり得るのでございます。しかしそれだからといつて、昭和電工に対して大きな不当が行われておることを弁解することになりませんけれども、やはり現在のような非常に混屯とした経済事情下におきましては、私どもとしてはもう少しじつくりとわんとうの眞相を把握しなければならぬのではなかろうか、その方で措置を考えるべきじやなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。
○石田(博)委員 実情をよく調査するということは当然でありますけれども、私どもといたしましてはそういう実情、経済状況の変化、物價の変動その他いろいろな変化に伴つて用途を変更いたします場合は、先ほどから御説明がありました通り当然その手続をされなければならぬのであつて、その変動があるからといつて自分勝手に用途を変更してよいという弁解にならないように私には思われますが、なおその点については適当な措置を御研究願いたいと思います。 次に御質問申し上げたいことは、地方銀行あるいは特銀関係も同樣でありますが、土木関係事業に対する金融の方針、特にその資金準則、融資準則等の地位について御説明を願いたい。
○愛知証人 お答えいたします。先ほど申しましたように、土建業に対しまする融資準則上の取扱は運轉資金におきましては乙の方にはいつておるわけでございます。從いまして金融機関がその土建業者の運轉資金を必要と認め、かつ回收も確実なりと判定いたしました場合には、事前に大藏省とか、日本銀行とかその他のところへ相談しなければ貸せないというものではございません。自主的に自分の判断で貸せるものでございます。ただしかしながら復興金融金庫と土建業との関係でありますが、これは昭和二十二年六月二十日に藏銀五五二号という通牒がございまして、そのとき以來復金としては土木建築請負業には融資をしないということにきめてございます。その理由は土建業というものは、もし政府の支拂さえよろしければ回收は確実なものでございますらか、何も復金などによるべきものでなくて、一般金融でこなせるものである。こういうような趣旨から復金の出資負担を軽減するという趣旨に出でたものであります。
○石田(博)委員 その場合たとえば占領軍関係の工事、つまり終戰処理費によつて支拂われるもの、あるいは府縣費、あるいは國費によつて支拂われる終戰処理費以外のものとの間に準則上の地位に変化がありますか。
○愛知証人 終戰処理費関係の中で賠償撤去に関連する経費の場合におきましては、昭和二十二年十一月七日に藏銀九五二号というのが出ておりまして、軍工廠賠償施設撤去工事資金に関する産業資金貸出優先順位表適用上の特例の件というのがございまして、この場合に土建業に対する貸出は特に甲の二の扱いを受けることになつております。從つて普通り土建に対する融資の場合よりも、もつとこれは優先して扱うことになつております。それから縣費負担の場合の問題でございますが、これは府縣に対しましては裁定の足りませんような場合に金融機関が一特融資することがございます。これは許されておるわけでございますが、特に地方公共團体の営みまする公共土木事業につきましては、やはり運轉資金は乙でございますが、設備資金については甲の二の扱いをすることになつております。
○石田(博)委員 賠償撤去以外の終戰処理費によつて支拂われる事業、たとえば飛行場の建設とかいうようなものはどうですか。
○愛知証人 お答えいたします。これは特に準則上の取扱いは乙より優先させるというようなことはしておりません。ただしかしながら私どもとしては先ほども申しましたように、きまつたものは早く政府は支拂うべきであるということから、特に支拂の促進ということと相関連いたしまして、先ほど申しましたようにたとえば代理事業の制度をつくりまして、土建が政府から支拂いを受けましたならば、金を借りておる場合には自動的に貸した銀行の方へ一遍還るというようにして回收を確実にする。そういうような制度を業者と金融機関との間を結んでおるような場合には、なん一層政府の支拂いを促進しようじやないかという考え方でやつておるわけでございます。それから先ほどの点に還りますけれども、私どもの通牒によりまして地方銀行等にお奬めしております方法は、くどいようでございますが、実際支拂額がどれくらいあつて、どれだけの金額がいつ支拂われるかということを現地第一線の主として府縣廳でありますが、府縣廳の支出官について確認してとつておるのであります。
○石田(博)委員 それは先ほどの御説明では、命令的なものでなく、奬めておるのであるから、やるやらぬは銀行の自由だというような建前だけれども、なるべくやるようにしておるので、徹底しておる方は徹底しておると思うというお話でありますが、そうするとただいま問題になつております大分縣あるいは福岡縣、大分合同銀行あるいは福岡銀行から梅林組という土木請負業者に対しまして、その終戰処理費関係の工事の政府の支拂金の残高を見合に融資をいたしております。その際にその銀行の責任者の証言を求めましたところが、これらの事柄をやつてない、やる必要はないのだ、そういう証明をとる必要がないというような一つの答弁がありました。銀行が独自の信用の確認措置をとつてやるのであるから、そういうことをする必要がないというような答弁がありましたが、そうすると大藏省の考えておられる融資方針と申しますか、それが不健全不適当なものであるとわれわれ認定して差支えありませんか。
○愛知証人 その点はちよつともう少し具体的に詳しく申し上げたいと思います。先ほど申しました通りに私どもの監視をいたしておりますのは、当該官廳の支出官、所轄財務局云々というのは第一線のところで確認してもらいたいということでありまして、大藏省直接の証明書とかいうようなものは何も要件にしておるわけではないのであります。それで実はそういう種類の融資のことにつきまして、私は世間で問題になつたことを知りましたので、大藏省の監督官廳の立場において調査いたしました。現地につきましても調査をいたしました。ところが大分合同銀行の場合におきましても、昨日どういうふうに証言があつたかわかつておりませんけれども、もちろん縣廳に行きまして、そうして出ました融資の申請の書面と見比べてチエツクアツプしたものと私は考えております。
○石田(博)委員 ところが大分銀行の場合におきましては、大分縣の分については縣廳の証明をとつたという答弁がありました。福岡縣の工事に対しましてはそれを見合いにして金融しておりますが、それについては時間的に申しましてもそういう事実があり得るはずはない、かつそういうものをとつたことがありませんし、大藏省の証明をとつた事実はありますけれども、それを要求した覚えはない、要求する必要はない、こういう証言であつたのであります。
○愛知証人 この点は実は非常に細かくなりますので私もはつきりここで自信をもつてこまかい大分の地区の工事がこれこれ、福岡地区の工事がこれこれということは、所管外でございましてちよつと承知いたし兼ねるのでありますが、私どもの調査によりますと、それでは私の言い違いかもしれませんが、ある部分についてはそういう措置をとり、ある部分についてはとらなかつた面もあるかと思います。しかし先ほど來繰返しておるように、これはやらなくてもいいことなんです。ですから別の観点から、この融資をしてでも回收が確実にできるということを銀行家との良識と判断によりましてやりました場合には、私どもとしてこれを不正だとか不適当だとかいうことは言えません。
○石田(博)委員 それから土木関係の金融、終戰処理費で支拂われるものも全部含めまして引受けた請負業者に対する地方銀行の金融の方針でありますが、その場合にはまず工事が進捗をいたしてまいりまして、その政府の支拂契約に從つての支拂証明をとる。そしてそれについて融資するということはわかりますが、そのほかにたとえば着手金と申しますか、そういう種類のものの融資も認めるわけですか。工事を着手する場合にそれがいつ完成してどうなるかという一應の見透しはあるでしようけれども、工事の進捗に從つて政府は支拂つていくのですから、着手する場合には新たな債権というものは生じていないわけです。その場合に着手金という点についての金融はどういうふうに考えておりますか。
○愛知証人 これは先ほど來申しておりますように、土建業に対する融資は乙であるということで、一般乙並の融資扱いにすればよろしい。ですから融資ができるわけです。ただ銀行当局としては、何らかの方法で着手金を必要な根本の命令でございますが、その事業がほんとうに注文を受けておるかどうかという確認をとるようなことは、銀行の判断としては当然やるのではないかと思つておりますが、そこまで当局は何も言つておりません。
○石田(博)委員 今の政府の支拂状況その他から考えまして、土木関係に対する金融というものは非常に全國的に行詰つておる。單に終戰処理費関係のことだけでなく、地方の災害復旧事業等の金融も非常に行詰つておるのですが、その場合に、たとえば金融のゆたかな地方、金融力の大きい地方においては、終戰処理費関係においては大分銀行、福岡銀行はともにそれぞれ契約金のほとんど一ぱいまで貸しておる。ところがそうでない地域においては一割にも充たないという非常に偏頗な事態が生じてきておるわけであります。そういう点についてはどういうふうにお考えになりますか。
○愛知証人 その点は先ほどあるいは申し忘れたと思いますが、融資準則についてはわくというものがございまして、御承知のごとく財政資金と産業資金とを五十々々にわけております。銀行の手もとに余裕がなかつた場合には、自然その地方では金融ができないことがあり得るわけでございます。そしてわく外の申請をやりました場合には、どうしても甲の一とか甲の二に属する融資ならば、わく外でも日本銀行は認めるでありましようけれども、乙が非常に大きくなつた場合は、なかなか日本銀行としても認められないという立場もあるかもしれません。從つて地域的にはある程度偏頗であるというような御意見が出るのは私当然かと思います。ところが今度こういうことがありましたので、私もまだ十分に調べておりませんけれども、他の土建その他についても調べてみますと、やはりそこはもち屋はもち屋でありまして、必ずしもその土地々々の銀行には頼つておりません。やはり金のありそうなところ、余裕のありそうなところを全國的に探している。北海道で大きな事業をやつておるところがあるいは関西の銀行から、東京の大銀行から借りておるというような例もございます。この点私もうかつでございましたけれども、この事態はなるほどというふうに感じたのでございます。御了承願いたいと思います。
○石田(博)委員 ところがこれは問題が少の逸脱するかもしれませんが、同じ土木事業でも、私ども東北、関東地方では災害復旧関係は非常に金融に行詰つておる。そして業者あるいは府縣廳に対す融資についても、私ども秋田縣におきましては平均一割程度にもならない。その後でも縣の支拂いが若干ありますと、その一割を充足するためにすぐ金融機関がとるというような非常に窮屈な金融をしている。それにもかかわらず大分縣、福岡縣の方面においては十割一ぱい貸しておるというような事情を私ども聞いて、実は唖然とすると同時に、その裏に必ずしも明朗でないような事情を看取する次第である。その点はただいまの銀行局長の証言と各地方における災害復旧工事の実情とは、ちよつと縣隔があるように思いますが、いかがにお考えになつておりましようか。
○愛知証人 その点は御指摘のような場合も非常にあるかと思います。先ほど申しましたように、こういうことをきつかけにいたしまして、またあらためて実況がわかつてまいりましたので、ただいま申しましたことは單なる私の感じでございますが、なおよく調べればお説のような結果になるかと思います。
○石田(博)委員 次にお伺いいたしたいのですが、今金融事情が非常に逼迫しておりまして、一般の市中銀行の金融以外の市中の金利は非常に高いものになつている。從つてこれをもらつたものと考えないまでも、かなりの期間のものを非常な低利で借受けることは、一種の利権のように考えられつつあるという事情は御認識なさつていらつしやいますか。
○愛知証人 お答えいたしますが、私はこういうふうに考えております。るる申し上げておりますように、金融機関の自主性ということを相当高度に活用されておるわけであります。しかしながら、融資を受けるということは、やはり融資準則の範囲内でやることでございますから、ちようど物資の配当というような観念になることが多いわけでございまして、正常ルートから金融ができれば、これは今の事情から言つてはむしろあるいは安すぎるという批評があるかとも思いますが、たとえば二銭五厘というようなことで金融がつけられるということは、業者としては相当ありがたいことだと言えると思います。
○石田(博)委員 いま一つ最後にお聽きしたい。先ほど御証言の中に、復興金融金庫の今の融資の状況をいろいろ見てみると一、二適当でないものがあるという御証言がありましたが、その適当でない一、二のものというのを具体的に名前を示していただきたい。
○愛知証人 お答えいたします。あるいはそれでは訂正させていただくことになるかもしれませんが、一、二あるかもしれないということを申し上げたわけでございます。ただちよつとここで記憶しておりません、と申しますのは、実は財政金融委員会等におきましても、これとこれはどういうものかということで、特に復金ができました直後あたりにおきまして、今から振り返つてみると、こういうものにどうして出したのだらうかという凝問をもつものがある。それは財政金融委員会の方でも御指摘を受けているものが一部あるものでありますから、そのことを抽象的に申し上げたのでありまして、ここに何と何ということは、資料も持つておりませんから、そういうものがあるかもしれないという趣旨を私も申し上げたのみでございます。
○石田(博)委員 監督官廳として復興金融金庫から今までの融資をした事情についての報告がお手もとに参つているはずでございますが、これを御監査の上、あなた方が監督官廳の当該責任者として適当でないと認めたものを後日御報告していただくことができますか。
○愛知証人 檢討いたしましてお答えをいたしたいと思いますが、あるかもしれないと申し上げるのでありまして、責任をもつてこれとこれとが不当なりということを責任者が指摘しますのには、やはり相当の責任を感じまするから、はつきりと指摘できるかどうか、ちよつとお受けいたしかねます。
○石田(博)委員 時日を要するということはわかりますが、その報告に基いてあなたがあなたの判断として、それに責任者として御判断をしていただくことは私はどきるように思われる。それはひとつぜひともお願いしたいと思いますが、いかがでありましようか。
○愛知証人 なおよく調べまして、できるだけ御希望に副うようにいたしたいと思います。
○石田(博)委員 わかりました。
○徳田委員 もう一遍お尋ねしたいと思います。融資の準則によつて甲、乙、丙となつておりますが、その中の甲には終戰処理費の土木事業の資金ははいつておらぬわけですね。
○愛知証人 お答えいたします。軍工廠賠償施設撤去のため、その解体及び梱包の工事について各財務局と請負契約を締結した土木建築請負業者が、國庫よりの前渡金支拂を受けるまでの期間において、当該工事の開始について必要とする運轉資金、これにつきましては特例といたしまして、甲の二に準ずる取扱いをしてよろしいことになつております。但し工事請負契約書記載金額の三割相当額を限度とする。
○徳田委員 そういたしますと、これは軍の撤去及び賠償に関するものであつて、たとえば飛行場の建設その他のようなものにおきましては、この範疇に属さないと思われますが、それはどうですか。
○愛知証人 範疇に属しません。
○徳田委員 そうするとこれは乙でありますね。しからばさらにもう一つお尋ね申しますが、飛行場などができましたときに維持管理費というものになりまして、土木請負業者が責任をもちますときには、この維持管理費というものは甲ではございませんね。
○愛知証人 その資料は私ここへもつてまいりませんでしたが、私の記憶によりますれば、やはり乙と記憶しております。これは申すまでもないことで、実際非難を受けておりますけれども、私どもの考え方は支拂いそれ自体を政府がきちつと早くやればよいのであつて、融資というのは第二義的なものでありますから、そういう観点から特に融資準則を引上げてはおらぬわけであります。
○徳田委員 そういたしますと、甲ならば自主的に甲のわくで貸せるわけでありますが、乙ならば乙のわくにおいて、これは日本銀行に申請して、日本銀行の許可を受けなければ借りられないということになりますね。
○愛知証人 お答えいたします。この点は何と申しますか、法律的にきちつといけない点でございまして、原則が自主的なものでございますから、融資準則の中ではできるだけ甲順位のものに迷惑をかけないように、融資準則の適用をやつてもらいたいということを当局からお願いしてあるわけでございます。それからそのわくがどうしても足りなかつたという場合におきまして、ある場合にはどうかと思う場合もあり得るかとは思いますけれども、どうしても甲の一なり甲の二なりで、たとえば月の半ば以降におきまして、どうしても融資しなければならぬというものが出てまいりましたような場合には、そのわく外として日銀が承認しているような例がございます。これはやはり銀行が自主的な建前で、できるだけ甲順位のものが今後一箇月にどれくらいあるかというようなことは、銀行経営の立場からいつて大体わかりますから、それを十分自主的に計画をして、やつてよろしいということを言つているわけであります。
○徳田委員 今のお答えは私の質問にははずれているようであります。私の質問は、乙のわくにあるものは甲のわくからは貸せないと思いますが、甲はより有用なもの、これは普通のもの、これは緊急やむなきものということになりますから、乙で支拂うべきものを甲のわくとして、そうして甲から支拂うということはできないだろうと思います。ところが乙で支拂うということになれば、これはどうしても日本銀行の承諾を得なければいかぬ。この承諾を得ずに乙から貸出すことも不当だと思うけれども、さらに乙ばかりではなく、これを乙で支拂うべきものを、日本銀行の許可も受けず、申請もせずに、甲から支拂つた場合には、これは準則に違反すると思われますが、どうですか。
○愛知証人 お答えいたしますが、このわくと申しますのは、財政資金と産業資金とに大きくわけてあるだけでございまして、極端に言えば甲、乙、丙までを通じて産業資金は一本のわくになつておるのであります。從いまして事前に某銀行の一月間の甲のわくは一億、乙のわくは五千万というふうにはなつておらないのでございます。その月中に増加いたしまする資金の純増をかりに一億といたしますれば、そのうち五千万円は融資準則をよく守つて、甲順位のものが乙順位を食わないように注意をしつつやつていただきたいということを言つておるだけでございまして、乙が甲のわくを食つたかどうかということまで言うという制度ではないのであります。
○徳田委員 そうすると、これは甲が乙を食つても差支えない、それは今さきあなたの言われたように、あらかじめこれは一億は一億——この銀行はずつと一億というのではなくして、純増の半分ということに対してはわかつておる、これは先ほどの証言でわかつておりますが、この純粹に増加したものの半分ですね、これは甲に属するもの。これを乙が食つた場合は、準則には明らかに反すると思うし、しかも甲のものを乙が食うときに、この乙の支拂いに対しても日本銀行の申請も何も受けないという場合には、これは準則に明らかに反するだろうと思う。そういう準則に反した場合は、これは金融統制を大体乱しておるものじやないか。金融統制を乱したものに対して、銀行が何ら責任ももたぬというならば、この金融統制はまつたく机上のものであつて、銀行がただ融資をしても、これは支拂われる見込がありとすれば、いかなる者にでも貸せる、何らの責任束縛を受けないということになりますが、そういう性質のものですか。
○愛知証人 先ほどのお答えを繰り返すことになるのでありますが、わくはもう申し上げる必要もないと思いますが、産業資金に貸出し得るわくの総額をきめてあるわけでございまして、銀行の当局者が今後一箇月の間に、甲には十分銀行の立場において貸し得るような資金を供給しても、まだ乙についてこれだけ貸し得る余裕があると思つて乙の資金を供給するということは、当然できることでございまして、半分が全部甲のために留保されたという考え方ではないわけでございます。なお甲の場合であれば、わく外の承認が比較的樂であり、それから乙に対する融資が多かつたために日本銀行の承認を得る必要があります場合には、日本銀行がそれに対して窮屈な扱いをいたしております。もしそれが多い場合には、次の月のわくの方で加減をいたしまして、前月はお前のところでは乙の使い方が多かつたから、今度はその分だけを返せというような措置もいたしておるわけであります。
○徳田委員 どうも勘所が皆違うよだ。ビントがはずれるようできわめて困る。(「つまらんことを言うな」)何だ。これは今梅林組のことで非常に大事なことだ。勝手なことをしているから、もう一遍福岡銀行と大分銀行を喚ばなければならぬ。うそを言つている。 どうもピントが非常にはずれておるようでありますが、実はこれは梅林組の融資に関しまして事実を申し上げたいと思う。福岡銀行におきましては、これはあなたの言われるわく関係から申しますれば、すべて乙であります。すなわち普通の飛行場の請負の工事金である。またもう一つの分は、これは維持管理費である。でありますからすべて乙であります。乙でありますのにこれはいわゆる日本銀行に申請したり何かの手続をせずして、また福岡縣廳からの証明書も貸す前には何ら問題にせずして、梅林組の今現にやつておる三和銀行の保証をしただけで、それで貸している。しかも甲として貸付けている。甲と信じて國家のため大いにこれは有用であるから甲として貸して差支えないと答弁しておる。(「甲だなんとは言わない」)。甲だと言つている。見ればいい。甲であると何遍も言つているから聽いている。だから念を押して向うにも聽いている。甲だと言つてちやんと貸してある。明らかにこれは違反だと思う。それから大分銀行におきましてもやはり同じ性質の金である。その金を当時住友銀行が梅林組の取引銀行であつたために、この支拂保証がありさえすればよろしいというのでこれを支拂つておる。そういたしますとこれは甲乙ということは言わなかつたが、とにかくそういうふうにして支拂えば、結局これは乙から支拂わなければならないものだと思いますが、それにしてもこれは日本銀行の申請は受けておりません。こういうふうになりますと、明らかにこれは準則に違反している。こういう準則に違反した場合に、何らの制裁もなく、何ら銀行局の取調べ監督にも支障のないものだということになりますると、これは金融統制の上からしてまつたく無秩序になる。それなら何も金融統制をする必要はない、ただ金がとれさえすればいいというならば、料理屋だつて何だつて、いろいろなものに貸せる。やみだつて何だつて貸していいことになるが、そういうことでもいいという御見解であるかどうかを承りたいのであります。
○愛知証人 お答えいたしますが、そういう見解を前提にいたしまする場合には、そういう見解ではないのでございまして、非常に私もお答えしにくいのでありますが、乙は事前に日銀に承認を求める必要はないわけなのであります。ですから乙の融資をいたしまする場合に、事前に日銀の承認を受けなかつたとしても、それは銀行として当然それでよろしいわけなのであります。それからもし甲の二であるということを信じておられたといたしますると、私が先ほどちよつと念をおしましたように、ほかに私は土建に対して甲の二が適用されるものでないと思いますけれども、あるいはその点に誤りがあるかもしれません。しかしそれがかりに全部乙であろうと、甲の二であろうと、日銀に事前に承認を必要とするしないということにおきましては、同じことなのであります。
○徳田委員 承認は要らぬ、勝手にやるのですか。
○愛知証人 乙の融資をいたします場合には、手許資金があります限りは貸してもいいのです。
○武藤委員長 徳田君よろしゆうございますか。それでは田中君。
○田中(健)委員 ちよつと局長さんにお伺いいたしたい。多分あなたのお手もとに復金の昭和電工関係の五月十一日附の監査報告があると思いますが、ありますか。
○愛知証人 はいございます。
○田中(健)委員 そこで大体設備資金、運轉資金は流用できないことになつておるのだが、この報告によりますと、はつきり流用していることがわかる。そこで局長としてはこの報告に基きまして何らかの処置に出るということが、先ほど石田君の質問の場合にもはつきりいたしておらないがゐものが具体的にあればというように私は聽取りましたが、この通りに具体的にはつきりしているのであるから、あなたはこれに対してどういうような処置をとられるか、この点をお伺いしたい。
○愛知証人 これは繰返すことになりまして恐縮でありますが、きわめて簡單な総論だけでございまして、私もきのうこれを受取りまして一読はいたしましたけれども、責任者として考えまする場合には、まだこれだけでは不十分でございまして、その内容をもつと洗う必要があるんじやなかろうかと思うのであります。それから設備資金が運轉資金に流用されておる、運轉資金が調備資金に流用されておるという場合も、あるいはあろうかと思いますけれども、ともかく処置ということになりますと、できるだけ私どもとしても、もつともつと詳しく調べたいと思うのであります。なおこれは御承知のように肥料関係だけで、しかも本社を中心にした調べでございまして、そのほかにまだ調べてみなければならぬことも多々あるわけであります。いまだ調査担当に当つた人から、これの具体的な基礎になつたようなものをよくまだ説明を聽いておりませんわけであります。
○田中(健)委員 そうすると、あなたとしてはこれだけではまだ不十分であるから、もつと詳しくつつこんで調べてみたいと言うのですか。
○愛知証人 そうでございます。しかしながらすでにこういう状況でございますから、先ほど申しましたように、実は昭和電工の運轉資金につきましては、先ほどから申しておりますように、事業の性質上実に金を食う会社なのでありますが、その融資計画が再々私どもの手もとにまいりますから、これは徹底的に、こういうことのないように融資計画それ自体を徹底的にたたく必要がある、これをまず第一にやることが何よりも必要だと考えております。
○田中(健)委員 ここにはつきり出しておりますのは住宅の購入資金の流用でございます。この点は金を貸した方の復金自体において認めておるのであるからして、この金をこういうふうに流用したことについては責任があります。あなたの方といたしましても、あるいは復金といたしましても責任があると思います。その責任の所在の問題についてでありますけれども、昭和電工のすべての計画は連合軍最高司令部の許可をとつてやつておる。そこで連合軍の係官は高級副官のリビー大佐でありますが、この場合大藏省として直接に向うと交渉に当つておるところの局は理財局ですか、銀行局ですか。
○愛知証人 事業計画自体でございますか。
○田中(健)委員 事業計画と融資の関係、両方です。
○愛知証人 これはたとえば会社としての機構に関する問題になりますと、私どもと所管が違うわけであります。それから事業計画でも、たとえば肥料の増産計画をどういうふうにつくるかということになれば、これはおのずから所管廳がきまるわけであります。それから融資については実は私直接にはやつておりませんので、はつきり申し上げかねるのでありますけれども、たとえば復金の第一・四半期の融資計画を、いろいろ他の産業計画とマツチさせまして、積み上げて計算をして、結局それが増資なり、資金計画なりの根本になるものでありますが、これは安定本部と私どもの方と、それから復金の当局との間で、それぞれ融資を担当しております関係方面とも、協議をして常にやつております。
○田中(健)委員 そういたしますと、司令部の許可を得る場合には、結局理財局でもなければ、銀行局でもなく、大藏大臣ということになるのですか。
○愛知証人 御質問の点が融資計画でございますれば、これは冒頭に申しましたように、復興金融金庫というものが非常に複雜な構成になつておりまして、大体においては復興金融委員会が復金を監督する。そうして復興金融委員会の監督者が大藏大臣でありますけれども、同時に復興金融委員会の会長は大藏大臣である。こういうかつこうになつておりますから、復金に関する行政的な最高方針をきめますときには、大藏大臣が会長である復金委員会できめる。その復金委員会で最後的に融資計画をきめるわけでありますが、そこに至るまでの仕事のやり方としては、これは金融だけの問題でありませんので、全産業、それから先ほどもちよつと申しましたように、今では復金の融資をなぜ必要としなければならぬかという根本には、資金の問題が非常に大きな要素になつております。いわゆる石炭等の総合運轉資金等についての問題は、具体的に賃金の問題であります。さようにして行政府内においても関係するところが非常に多いので、安定本部を中心にしまして、皆が資料を持ち寄りまして、そこへ復興金融金庫の事務当局も参加いたしまして、そこでねり上げて復金委員会で決定する。一方におきまして法律を要すること、予算を要ることは國会の御承認を得る。こういう段取りになつております。
○田中(健)委員 それでは問題の局限して、ちよつとお伺いいたしたいと思います。昭和電工が運轉資金を建設資金に流用しておる。それが不当であるという監査報告でありましたが、資金を出す場合には、すべて司令部の許可を得ておるわけであるから、今私が申し上げたような場合において、責任の所在は省内のどこにあるかということをお尋ねいたしたい。
○愛知証人 責任の所在ということになりますと、こういう問題について責任問題が起るという場合を仮定いたしまして、その責任の所在はどこにあるかと申しますと、その融資を具体的に決定いたしますのは復金の理事者でありますが、さらにそれが幹事会の承認を得、復興金融委員会の議決を経たものであるとすれば、その限りにおいては復興金融委員会の責任であり、幹事会の責任であり、復金の理事者の責任である。こういうことになります。それからお断りしておきますが、一件ごとの融資について、関係方面の許可があるというのではありません。復金としての金融全体を通しての融資計画が四半期にどうなるか。また観点をかえて肥料のための融資が四半期にどれだけあるかということについて大体向うにも報告して意見を聽いておるという程度のものだと承知しております。
○田中(健)委員 あなたは司令部の許可は一件ごとじやなく、大体総括したものだと言うのですか。
○愛知証人 それはたとえば肥料につきまして、産業政策の観点から昭和電工にこれこれのことをやるということについて関係方面の許可をとつたり、慫慂を受けたりしたことはあると思います。しかしある会社に某月某日に何千万円の融資をするということ自分について、事前に物令部の承認を受けるということはないと私どもは思います。
○田中(健)委員 私どもの手もとにある連合軍司令部の許可の記述によりますと、これは昭和電工株式会社復活轉換計画に関する資金の調整というように、一件ごとに司令部の許可をとつておるように私は思います。これは総括ではないと思う。この辺あなたのおつしやることが……。
○愛知証人 この点は今私が申し上げたつもりでありますが、一件ずつの融資について許可をとることはないのでありますけれども、たとえば肥料事業について、どこの会社にどういうふうにさせるがいいということについて、当時許可をとつたのはここに書いてある通りであります。これは二十一年の九月七日でございまして、私はこの当時は実は担当しておりませんので事情は知らないのであります。
○田中(健)委員 いや昭和二十二年十二月十五日という最近のものもあります。私の手もとにあるのにはあなたの在任中の現在のものもある。十何回にわたつて司令部から昭和電工に関する件について許可をとつております。その許可の條件に反して運轉資金が流用されておるから、この点について責任の所在がどこにあるかということをあなたにお尋ねしておる。
○愛知証人 これは大藏省として司令部の承認をとつたということは、私の記憶にはないのであります。
○田中(健)委員 けれども、大藏大臣あてにこの書類が來ておる。また理財局長が昭和電工に対して依命通牒を出しておる。
○愛知証人 そうなりますと、これは制限会社の関係ではないかと思います。
○田中(健)委員 これは多分あなたの手もとにもあると思いますが、それでよろしゆうございます。
○愛知証人 その点私今自信がございませんから、はつきりお答えできないと思います。その融資自体について一件々々復金からの融資という面で、一々許可をとつておることはないと思いますが、あるいはそういう事実があるかもしれません。
○田中(健)委員 それではあなたにこれを貸しますから、よく檢討して文書なり何なりでお答えをしていただきます。 次に復金から昭和電工に融資するにあたつて、肥料審議会が全会一致当初反対しておつたということについて知つておる事実はありますか。
○愛知証人 その点は私当時関係しておりませんので知りません。しかも当時非常に問題であつたということは、その後に聽いております。
○田中(健)委員 問題であつたということは、全國の肥料の技術者あるいは経営者等が集まつて、肥料審議会をやつた。その時期に昭和電工に対する融資は無理だということを全会一致で決定をいたした。それにもかかわらず、結局幹事会か何か委員会を通過して、その結果やはり当初審議会の諸君が言つた通り、こういう結果になつておる。こう私は考えておるのですが、あなたは当時の事情がおわかりにならないとすればやむを得ない。
○愛知証人 当時の事情は私は知りません。それで私どもは昨年の九月、こういうことに関與することになりましたときに、どうしてこういうことになつておるのであろうかということをいろいろ人に聽いたこともございますが、先ほども申しましたように、いろいろの意見があつたのだそうであります。そういうことを私は聞いたのであります。これをやらせる方がいいか、他の立地條件等を選んで、他にこういう計画を選んだ方がいいといういろいろの意見が出た。しかしそのときの結論として、結局ここに落着いたのであるということを聞いたことはございます。
○田中(健)委員 先ほどあなたが昭和電工の融資條件について調査したい。こういうようなお言葉でありましたが、それはいつやるのですか。
○愛知証人 お答えいたします。監査につきましては、私の承知いたしておりますところでは、まだ第一次の監査で、私は中間報告であると思つておるのでございます。私どもの立場から申しますと、もつと範囲を拡げて、かつ詳細な事情まで報告としてとりたいと思つておるわけでございまして、その点は現在継続中でございます。
○田中(健)委員 あなたのやるというのはいつですか。早い機会ですか。
○愛知証人 それからその次に申しました融資計画の取扱いをもつともつと嚴重にしたいと思いますのは、ただちにやることでございます。
○田中(健)委員 そしてもし監査の結果不当の事実があつた場合には、規則、法律に照らすことによつて融資を禁止されますか。
○愛知証人 その点は先ほどお答えいたしましたように、ただいまの法律では、そういう場合をはつきり予想したような十分な規定がないのではなかろうかと思うのであります。
○田中(健)委員 融資を禁止する規定があるのです。
○愛知証人 その点はたとえば監査を拒みましたり、監査の報告に虚偽の記載をなした場合には、罰則の適用があると思いますけれども、融資の回收をいたしましたり、あるいは今後貸付をしない、貸付を非常に制限するということは、法律の規定を用いませんでも、実際上できるわけです。融資を抑えたり、回收を徹底的に命じて実行したりすることは、法律の規定をまたずしてできると思います。
○田中(健)委員 そうすると最後の結論ですが、あなたの方で昭和電工を嚴重に監査してみた結果、復金の報告にある通り、不当の事実が行われておつたことが明確になつた場合には、法律の規定によらなくとも、その融資を大幅に制限するか、あるいは禁止する等の措置に出る、こういうことになりますか。
○愛知証人 そういうことに出ることがあると思います。
○田中(健)委員 よくわかりました。
○辻委員 普通銀行の貸出が、融資準則の範囲内においては自主的にやれることはわかりました。そこで銀行局の監督の中心が事務監査にあるというお話でありますが、一体その事後監査というのはどういうような方法でやるか、融資準則に貸出がぴたつとはまつておるか。もちろんそれもお調べにならなければならぬと同時に、回收の状況も当然監査になると思いますが、事後監査をどういう時期に、どんな方法でおやりになるかそれを………。
○愛知証人 お答えいたします。事後監査については、先ほども申し上げましたように、融資準則の第六項の一で、大藏省は実施状況を監査するほか、日本銀行をして常時監査せしめることになつておりますが、実は大藏本省も手不足で、実際に融資準則がうまく行われておるかどうかということは、主として日本銀行にお願いしておるわけでございます。日本銀行がいかような方法でこれをやつておるかということでございますが、実は監査は十分にやれておるかどうか、率直に申しまして、不十分な点がありはしないかと思つております。それから監査をいたしました結果、必要と認めるときは資金の融通を禁止したり、回收または担保権の失効ができることになつておりますが、実際問題として、日本銀行の金融政策といたしまして、地方銀行は自分のところの手もとが窮屈になれば、日本銀行に資本を仰ぎ、また潤沢になれば日本銀行に金を返すわけでありまして、いわゆる日銀を親銀行として金融操作が行われるわけであります。從いまして日本銀行の本店、特に支店におきましては、各地方の状況は非常によく知つておりますから、何も書類その他でお叱りをするとか、これをこうやれということまでいたさないでも、金の貸し方の緩急宜しさを得るとか、あるいは常時適切なるアドバイズをするとか、あるいはあなたのところはこのごろ、たとえて言えばある業態に偏して貸付が多いのではないかというような、注意を常時やるようにいたしております。大藏省といたしましては、この融資準則だけを中心にして、特定の地方銀行を大藏省だけで監査をいたしたことはまだございません。しかしながら大藏省といたしましては、その他の面もございますので銀行監査は始終やつております。それで私どもの理想は、一年一回あらゆる銀行を監査することを理想にしておりますが、そこまで今いつておりません。しかし常に地方の状況等をにらみまして、一般的な銀行監査をやつております。現に最近も福岡銀行の一般的監査をやつたのであります。もう一つ大分合同銀行についても、昨年のある時期に一般的な銀行監査もやつておつたように記憶しております。その監査の場合には、融資準則の実行方法というようなことはもちろん、さらにあるいは政治的に融資がなされておらぬかどうかというようなことまで、場合によつては注意することもあります。また不正貸出と認めるものが監査官の眼に止まりました場合には、推問書をつくりまして、書類について説明を求め、納得がいかなかつた場合には警告を発する。最近銀行についてはそういう例はありませんが、場合によつては銀行法に基いて相当きつい処置をいたしております。一番きつい例は、公共の利益に反する場合は、たしか重役の罷免権も行使できると思います。銀行監査は一般的に励行しているつもりであります。それによつて融資準則の斎行の檢査も併せカバーできている。こう考えております。
○辻委員 回收が滯つてこげつきの状態になることは、一種の不良付と思います。こういう回定状況の監査は、特に重要のように思われますが、監査の中にはそういうことははいつておらないのですか。
○愛知証人 その点はただいま御指摘の通りでございます。回收については金融機関の健全性、さらに預金者の保護ということから申しまして、先ほどから話が出ております復金に限らず、市中金融機関についても十分念を入れてやつていきたいと考えております。それで日本銀行と協力いたしまして、私どもの方でも全國的に見まして、貸出、回收の状況ということは常に重視いたしまして、日本銀行を通しまして各地方銀行に対して適切なアドバイスをするように努めておる次第であります。
○辻委員 特にただいまこの委員会で問題になつております福岡銀行、それから金分合同銀行の梅林組に対する貸付の状況を御調査になつたことはございますか。
○愛知証人 お答え申し上げます。先ほどもちよつと申しましたように、卒直に申しまして、実は私自身これが世間の問題になつておるということを承知いたしましたのはあまり前にことではなかつたのでございます。しかしながら、これだけ問題になれば、私自身が証人に喚び出されるかどうかは別といたしまして、当局者としてやはり調査をした方がよろしいと私は判断いたしましたので、調査をいたしたわけでございます。しかるところ、先ほど來申し上げておりまするように、大分合同銀行におきましては、すでに昨日証言をお聽きかと存じますが、私はその証言の内容を詳らかにいたしておりませんけれども、大体当事者でございますから、当事者の言つておることが眞相だと思います。かつ私どもの調査したものの報告も、表現時は違いますが大体において同じと申し上げてよろしいかと思います。それを前提にして、これがいいか惡いかということでございますが、これは先ほど來縷々申し上げて、おりますように、融資準則の建前が自主的でございまして、この中には引続きやつておりますものもあり、それから回收も一部はできておるような状況もあり、政府支拂さえ、その約束通りと申しますか、あるいは今後順調になりますれば、回收は確実のものではなかろうか。それから融資準則で示されてあります手続も大体において間違いなくやつてくれたのではなかろうかというような感じがいたすわけでございます。取上げてこれを不適当であるというふうに言うことはなかなかむつかしいのではなかろうかと考えております。なお申し遅れましたが、これまた卒直に申し上げるのでございますが、どうも大藏省だけではよくわからないのでございますが、やはり政府支拂ということが、現実に末梢までまいりますと、私どもが期待しておりますようにどうも総く的確にはいつていないように思いますので、土建に対する融資につきましては、一般的の問題としてだんだんと銀行の立場においては考慮しつつある傾向が今後においてあるのではなかろうかというような感じがいたします。それから同時に全体的に申しますれば、土建に対する融資ということも、今日ただいまの状況におきましては、これは本件についてだけでございません、他のものにつきましても、当初もつと早く回收をされる予定だつたものが、やはり延びておるというものも他方にあるようでございますから、取上げてこれだけを問題にするということはいかがかと存じます、
○辻委員 自主的にやられてもそこに往々誤りがあるといけないという感じをもつのであります。ところできのうお二人の御証言を得ましたが、特に福岡銀行の頭取の御証言では、あの回收状況、これは御調査になつてよくおわかりになつておると思いますが、これはまことに困つたことだと思つております、こういう御本人からもお言葉があつたのでありますが、これに対しまして御監督の立場にあるあなたの方であの状況をごらんになつたならば、何か警告を発しなければならぬような状況であるということにお氣付きになるような感じがいたすのでありますが、いかがでありますか。
○愛知証人 監査の問題といたしましては、やはり当初予想されたように早くは回收できておりませんでしたから、どうしてこれが回收できておらなかつたかにつきまして、実は私本日の証言とは別個の立場におきまして、当局といたしましても、支拂いの遅れておる状況をもう少し調べてみたいと思つておつたわけでございます。先ほども申し上げましたように、頭取の証言は証言といたしまして、一般的に支拂いが遅れるために、土建に対する貸付がどうも回收が順調でないという憾みは実は氣がついております。ただこれだけを取上げて警告を発するか、あるいは一般的に、もし政府支拂が本当にこのまま続いて惡いようならば、まずそれを是正することを第一に考えなければならぬと思いますが、旧來の債権の回收についてもやはり相当の考え方をしていかなければならぬかと考えております。
○辻委員 融資のわくは甲から丙まで一本になつておるというようなお話でありましたが、しかし貸出します場合には、やはり先ほどの來のお話のように、甲種なり乙種なりはつきり区切つて貸出すべきものであると思いますが、もし甲種にあらざるものを甲種として貸出した場合におきましては、これは融資準則の違反ということを言い得るように思いますが、そうした場合に何か罰則でもあるのでありましようか。また、現に御監査になりました二つの銀行は、梅林組に対しまして、甲種として出しておりますか、乙種として出しておりますか、その点もはつきり御監査になつておるだろうと思いますが、いかがでありますか。
○愛知証人 お答えいたします。この点は先ほど申しましたように、わくが一本になつておりますので、銀行の帳簿等にもこれを甲とか乙とか丙とかいうふうにはつきりと記載されておらない場合が多いと思うのであります。でありますから、これを甲として扱つたか乙として扱つたかということについて、あるいはかりに間違いがあつたといたしましても、その点は單なる不注意ということになるのではなかろうかと思います。なお、先ほど申し上げましたように、甲と乙の区別はわくについてはないということを御了承願いたいと思います。
○辻委員 そうすると、甲乙というのは名ばかりで、実際の運用はごつちやだというふうに解釈すべきもののように思いますが、そうでありますか。
○愛知証人 お答えいたします。その点は、昨年の八月ころには、先へども申しましたように、貸付自体に、封鎖貸付のものもあり、新円貸付のもあり、また業態によつてパーセンテージが違つておるというようなものもあつたわけでございますが、だんだんその差別は薄くなつてきておるわけでございます。それで、これはちよつとお尋ねの範囲を逸脱するかと思いますけれども、現在私どもといたしましては、関係方面とも協議いたしまして、融資準則の全面的改訂を今考えておるところであります。甲の一、二という差別をなくすることはもちろんでありますし、甲の相当分を乙に下げることも考えておるわけでございます。なおその差を明確にしようというようなことも考えております。
○辻委員 昨日の大分合同銀行の頭取の御証言によりますと、やはり甲種、乙種というものははつきりわけて、その金額も載つておるように承りました。先ほど徳田君からのお話がありまして、私福岡銀行の方はちよつと聞き落しておりますが、大分合同銀行に関する限りはたしか甲種として貸出したということでありました。そのために私は念を押しまして、甲種としてお貸出になつたのは一体産業資金のわくの中で何割くらいになるかということを数玉にまでわたつて大分銀行の頭取にお尋ねをいたしたわけでありまして、はつきりわかれておるはずなのでありますが、その点はお氣付にならなかつたのでありますならば、さらに、梅林組に対しては福岡銀行並びに大分合同銀行は何種として貸出しておるかということを一應御調査をいただきたいと思います。
○愛知証人 承知いたしました。その点はさらに調べまして御返事申し上げます。
○高橋(英)委員 ごく簡單に伺います。地方銀行の貸出に対する自主性はよくわかりましたが、しかし何といつても愼重にやつてもらわなければならぬ問題だと思う、たとえ回收が可能だという見透しがついておる場合でも、大口の額が非常に多くて一般金融に圧迫を加えるようなことになるおそれがある場合には、特に愼重に貸付を考慮しなければならぬことは当然のことと思いますが、局長いかがですか。
○愛知証人 お答えいたします。この融資準則の規定の中に、第三、運轉資金という規定がございます。これは今読みまするように相当道義的な自主的規制の規準を書いたもので頭りまして、あるいは白文という御批判を受けるかもしれませんが、その内容は、「運轉資金の借入の申込みがあつたときは資金の使途、生産の見込り、手持の原材料、資金繰りの状況等について嚴重に審査し、放漫に流れないように特に留意しなければならない。」それからずつとございまして、いま一方に「運轉資金の融通に当つては別表産業資金貸出優先順位表に定める運轉資金の順位を嚴守しなければならない。特に高順位のものより順次に融資し、余裕のある場合に次順位のものを融資するよう計画的にこれを行い、低順位のものを先に融資し、あとになつて高順位のものに融資できなくなるようなことは極力避けなければならない。」というようなことが掲げてございます。
○高橋(英)委員 それからいずれ梅林組の問題についてお調べになつたらわかつておると思いますが、見返り担保にしておつた工事の支拂があつたにもかかわらず、それを支拂いに充てていないという事実があることは御承知でしよう。それについてひとつ。
○愛知証人 お答えいたします。それは支拂いを受けたのに返していないという……。
○高橋(英)委員 担保にして融資を受け、その工事金の支拂いを受けたにかかわらず、支拂いに充てていない。つまりだましたことになる、詐欺みたいなことやつたというふうに聞いておりますが、いかがでありますか。
○愛知証人 そのところまでははつきりつきつめておりません。
○高橋(英)委員 この委員会も、各その機関において工事金がどういうことになつて支拂いに充てられているかどうかについて調べることになつておりますが、局の方でもお調べ願いたい。
○愛知証人 承知いたしました。
○高橋(英)委員 それから梅林組のことで、特別のお調べを願つたそうですが、あの小澤專七郎君の主宰しておつた日本製塩株式会社なんかの融資についてのお調べを願つているでしようか。
○愛知証人 お答えいたします。ただいまのお尋ねは、まだ簡單な調べでございますけれども、日本製塩会社に対しまして、勧業銀行から融資のありましたことは事実でございます。この融資は二十二年六月に約三千六百万円、二十三年の三月に六百万円でございます。以上の融資は製氷設備資金でございまして、目下工事中のものです。勧業銀行本店におきまして適当と認めて貸し出したということでございます。支店は関知していないそうで、本店で処理をしたということになつております。二十二年六月に三千六百万円、二十三年三月に六百万円、これは融資準則から申しますると、設備も運轉もともに甲の二の扱いになつております。それから復金に対しましては昨年の九月ごろに融資をしてくれというお申入れがあつた事実はあるそうでございます。借入希望金額が千八百余万円、館山工場の新設費ということであつたそうでございますが、当時は先ほど申しました復興金融委員会幹事会の下に、さらに融資懇談会という下部機構がございまして、そこで檢討いたしました結果、復金としてはちよつと取り上げにくいということで、その後話をしましたところが取り上げられたということになつております。これは復金当局における調べでございます。
○高橋(英)委員 そのほかに戰時中か終戰前後を通じて相当の金額、興銀そのほかから融資を受けているというような……。
○愛知証人 実は勧銀と復金の関係だけを調べてまいりましたものですから、その方のことはちよつと……。
○高橋(英)委員 終戰前後とか戰時中に勧銀からというのはないですか。
○愛知証人 それは調べてまいりませんでした。場合によりましてはこれはそれぞれの銀行等からお聽取りをいただいた方が的確かと思います。
○高橋(英)委員 そういうことはないと思いますけれども、小澤君の問題が取り上げられることになりますので、今の数千万円の投資がわずか百五十万円くらいの現実の投資にしか化けていないというようなことを言う者もあり、不当融資の疑いもあつたりしますから、それぞれ関係銀行の方に出てもらおうとは思いますけれども、銀行局の方においてもその点ひとつ御研究願つておいて、場合によつてはいま一度御出頭願うようなことになるかもしれません。
○武藤委員長 ほかにございませんか。
○愛知証人 もう一言附け加えたいのです。先ほどの答弁が十分でなかつたと思いますが、先ほど委員長からお前は栗栖氏から安本に來いて言われたかどうかということでありましたが、もう一度正確にお答えいたしたいと思います。栗栖氏、北村氏から直接あるいは人を介してさような話があつたことはございません。
○武藤委員長 済みました。御苦労さんでした。 —————————————
○武藤委員長 先ほど理事会の結果を御報告申し上げる際に、重要な問題を一つ落しましたから、この際御報告申し上げておきます。それは從來当委員会において、必要な場合がありましても、帳簿その他の書類の提出を求める以外には方法がなかつたのでありまして、数箇月にわたる調査の結果それでは不十分でありますので、あらためてここに当委員会において國政調査の上に必要と認める場合におきましては、檢察当局が行うと同じように家宅捜索及び帳簿その他の書類の押收ができるという法律を一つ至急につくりたいと思いまして、さように理事会におきましては決定をいたしました。この法律は單行法にいたしますか、あるいはすでにできております昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宜誓及び証言等に関する法律に加えて、つくることにしますか、その他技術的な問題につきましては、法制部に一任をしまして成案を得たいと考えております。これができますならば、從來証人に対する証拠調べなども非常に檢察的であるというようなそしりも免れるわけでありまして、私どもは的確に傍証を固め、事実の眞相を糺明することができるだろうと考えるのであります。法制部におきまして成案ができました上は、また理事会において十分審議をし、委員会にも報告をして承認を経るように手続をいたしたいと存じますけれども、とりあえずさような法律の制定をいたしたいということにきまりましたことを御報告申し上げておきます。
○辻委員 先ほどの私の質問のうち訂正をさしていただきたいと思います。貸出しのわくにつきまして甲種乙種の問題がありましたが大分合同銀行と申しましたのは私の誤りでありまして、高橋福岡銀行頭取のお言葉で、甲種ということを拜承いたしております。從つて高橋氏に甲種の貸出しの割合をお尋ねいたしたのであります。ちよつと御訂正おきを願います。
○武藤委員長 それでは柿沼幸一郎さん、大変お待たせいたしました。 簡單に伺いますが、あなたは麹町税務署長でありますか。
○柿沼証人 そうであります。
○武藤委員長 昨年十二月の十日に大阪北税務署の委嘱によりまして、竹中工務店の滯納税金約五千万円について、同店が東京都に対して有しておる債権について差押えを行つた事実がありますか。
○柿沼証人 ございます。
○武藤委員長 その差押えは同月二十四日に解除せられておるようでありますが、その理由並びに解除した條件等について伺います。
○柿沼証人 大阪の北税務署から差押えを取消す旨の通知がございましたので、その通知に基いて解除いたしました。私の方としては何も條件はありません。
○武藤委員長 あなたの方はただ依頼を受けたから差押えの手続をし、向うから解除せられたき旨の通知があつたために解除したという機械的な事務をしたにすぎないのですか。
○柿沼証人 そうであるます。
○武藤委員長 何か栗栖大藏大臣とか、あるいはれの他の者から解除についてお話があつたようなこともございませんか。
○柿沼証人 この件につきまして大藏省並びに財務局からは何の命令も指示もございませんでした。
○武藤委員長 何か尋ねることがございますか。
○辻委員 昨年八月一日に大阪の北税務署からあなたの税務署に差押えの委託をなしたが、それがずつと遅れておつたということでありますが、さような事実がありますか。
○柿沼証人 そういう事実は私の聽いておる範囲ではございません。
○鍛冶委員 あなたはいつから麹町税務署長をしておられますか。
○柿沼証人 私は昨年の五月から麹町税務署長をいたしております。
○鍛冶委員 そうすると、そういう事実があつたことはこの間北税務署長の証言で明白になつておるようですが、あなたの方にどうしても差押えないのか、書類が見つからぬのかという問題があつたんじやありませんか。
○柿沼証人 私は何も聽きておりません。
○鍛冶委員 そういうことをあなたが聽かれぬとすれば、ほかにだけか特別の係でもあつて、そういうことをやる者がおるのですか。
○柿沼証人 実際差押えをすることになれば、当然私のところに話があると思います。ただ事務の下打合せということで、実際の事務は庶務課でやつておりますから、何かそういう話程度のものはあつたかどうかはわかりませんが、私のところまでそういう話はございませんでした。
○鍛冶委員 八月の上旬くらいはあなたのところに特別何か忙しいというようなことでももあつて、そういう書類が粉失するようなことでもありましたか。
○柿沼証人 そういうことはございません。
○鍛冶委員 重ねて承りますが書類は暮には必ず到着しておるわけですね。
○柿沼証人 到着しておるはずであります。
○鍛冶委員 差押えた日は何日であつて、大阪北税務署に差押えたという通知をやられたのは何日で、向うへ何日くらいに着いておるか、その点を大体承りたい。
○柿沼証人 差押えたのは十二月の十日であります。差押えたことはすぐ通知いたしてありますから、郵便が着く程度の範囲内で大阪の方では知つておつたと思います。
○鍛冶委員 遅くても十三四日には行つておるわけですね。
○柿沼証人 はあ。
○鍛冶委員 そこで解除になつたのは何日で、どういう通知が來て、そうしてやられたか、その点承りたい。
○柿沼証人 北税務署の庶務課長が解除してもらいたいという通知を持つて二十三日に参りました。それで二十四日に解際いたしました。
○鍛冶委員 あなたはその庶務課長にお会いでしたか。
○柿沼証人 私は会いました。
○鍛冶委員 それではもう一遍その点について伺いますが。庶務課長のほかにだれか一緒に参りましたか。
○柿沼証人 庶務課長だけで参りました。
○鍛冶委員 それは間違いありませんか。あなたはここで何も匿す必要はないと思うが、それはここで明らかになつた証言とたいへんな違いなのですが……。
○柿沼証人 そのほかにだれが來ておつたか知りませんが、私が会つたのは庶務課長だけであります。
○鍛冶委員 竹中の店員がそのことについてあなたに交渉に來ませんでしたか。
○柿沼証人 十日に差押えしてからは何遍か解除してくれという陳情はありました。それについては、私の方はただ北税務署の委嘱によつて差押えをしておるんだから、北税務署の方で話がつかなければ解除はできないと言つて、その陳情は受付けませんでした。
○鍛冶委員 解除になるときは……。
○柿沼証人 解除になるときは別に何も聽いておりません。だれも私のところへ参りませんでした。
○鍛冶委員 北の税務署長は竹中の店員に親展書を持たしてやつたと言つておるのですよ。それを私はさつき念を押してあるから……。
○柿沼証人 私は大阪の北税務署の署員にどういう人がおるかはつきりわかりませんが、たしか來たのは北税務署の庶務課長だと言つておりました。
○鍛冶委員 よろしゆうございます。そこであなたの方から郵便におやりになつて、早くても十三日ぐらいでなければ着かぬ、それから十日間でこういう大きな差押えをするということは、われわれ多年役所相手をしておる者かう見れば、まことに手際よくいつておると思いますが、この点に対して特別にやつておるというお感じなり、事実なり御承知でありませんか。
○柿沼証人 私の方に陳情に來ていた模樣を見ますと、この金がはいらないと年が越せないというので、大阪の方にも相当強く陳情しておつたのではないかと思われるのであります。それでありますから、この解除につきましては、年末のことでもあるし、特別に北税務署としては、年末に間に合うように事務処理をしておつたと思います。
○鍛冶委員 そこで解除の内容は、あなた方は嘱託によつてやられたのですが、どういうことで解除にしたかを御承知でしたか。
○柿沼証人 別に聽いておりません。話合いがついて、完納の見込みが立つたから解除してくれという話だけしか聽いておりません。
○鍛冶委員 差押えを解除してもらいたいということ、並びにこんな差扱えをしてはひどいじやないか、無理じやないか、こういうことも言うてまいりませんでしたか。
○柿沼証人 そういう話はございません。
○鍛冶委員 それじや、竹中のほかに、たれかこれを解除してやつてもらいたいと言つて來た人はございませんでしたか。
○柿沼証人 ございませんでした。
○鍛冶委員 もう一遍重ねて聽きますが、差押えはひどい、こんなことをやるべきものではない。またやつても早く解除せいと言つてきたのは、竹中の者だけで、ほかにたれもおらぬ、こう言われるのですか。
○柿沼証人 ほかにだれもございませんでした。
○高橋(英)委員 今の差押えの解除の陳情のときは、どういう理由で解除してくれと言つてきたのですか。
○柿沼証人 陳情の場合には、この東京都の支拂いがはいらないと、年が越せないから、何とか解除してくれということだけ申しております。
○高橋(英)委員 それで差押えされると、東京都がことさらに支拂いをしないというような、いやがらせというか、そういうふうな態度に出るおそれがある、そういうことを東京都の方で言うから、この差押えを解いた方が、かえつて早く滯納税金もはいるのだというふうなことになるような陳情もしたのではないですか。
○柿沼証人 そういう口ぶりは見えませんでした。
○高橋(英)委員 見えない。一度もそういうことはなかつたのです。
○柿沼証人 はあ、ございません。
○高橋(英)委員 大分話が違う。大阪の方ではそういう理由だから解除したんだと言うのですが、そういうことはなかつたのですか。
○柿沼証人 私の方に参つては、別に差押えをしておるからどうとかいうような話はございませんでした。
○高橋(英)委員 東京都から支拂つても、結局竹中のためにはならないのだから、運轉資金やそのほかにはならないので、税金にとられるのだから、支拂つても支拂わなくても同じだというようなことを、一つも言わなかつたのですかね。それを理由で解いたというのですがね、北税務署長が。……これは皆聽いている。私はうそを言うのではないのですが、そういうことの記憶はないですか。
○柿沼証人 私の記憶にはございません。
○高橋(英)委員 どれくらい陳情に來ましたか。
○柿沼証人 私のところと庶務課長のところと、両方に参つておりまして、私が直接会つたのは二回くらいだつたと思います。
○高橋(英)委員 庶務課長はどうですか。
○柿沼証人 庶務課長はもつと会つたと思います。
○高橋(英)委員 どのくらいの期間ですか。
○柿沼証人 それは十日と二十四日の間です。
○高橋(英)委員 間のどの程度ですか。毎日ぐらいですか。
○柿沼証人 ほとんど連日來ておりました。
○高橋(英)委員 その差押え解除の直前まで來ておつたわけですか。
○柿沼証人 直前まで來ておりました。
○高橋(英)委員 これは大事なんだ。
○武藤委員長 よろしゆうございますね。ほかにございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十八分散会