農林委員会 第20号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/06/17
会議録
○井上委員長 それではこれより会議を開きます。 前日に引続きまして、自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案、農地調整法の一部を改正する法律案、輸出入植物檢疫法案、この三案を議題に供して質疑を続行いたします。質疑は通告順によつて許します。河合君
○河合委員 本日輸出入の植物の檢査に関する事項が提案されておりますが、これに関連しましてひとつ政府の御意見を承つておきたいと思います。 それは植物の檢疫もはなはだ大切でありましようが、國外から内地へ輸入いたします畜類、すなわち牛等においても、現在満州で惡疫が流行しておりまして、一たびそういう惡疫が内地にはいつてきましたならば、日本の耕牛は一時に倒れてしまうというようなこともおそれられるのであります。そこで私は兵庫縣から選出されて議会へ参つたのでありますが、御承知の通り兵庫縣は牛の産地でありまして、また以前朝鮮から鮮牛を輸入しておりました際には、兵庫縣を通じて内地に輸入される牛が多数であつたのであります。そこで今後におきましても、もしそういう疫牛が輸入されるようなことになりますと、まず第一に兵庫縣へ輸入されることになると思うのでありますが、そういう点を考えまして、兵庫縣におきまして牛疫に対する治療藥として血清の製造を計画いたしております。このことにつきましては農林省の方へ縣の方から出てまいりまして、いろいろの陳情をしたはずでありますが、そういう牛疫を予防するに必要なる血清等の製造に関しましては、ただ單に農林省でそれを製造するばかりでなしに、地方でせつかくそういうことを計画いたしまして、政府に先だつてやろうという計画を立てておるのでありますから、これは当然お許しになり、また十分の補助もしていくのが至当であると思うのでありますが、このことに関しまして政府当局の御意図のあるところを承つておきたいと思います。
○大島政府委員 植物の檢査法は御承知の通り外國から輸入する植物もあり、果実もあり、また日本から海外に輸出する植物もあり、果実もありまして、思いもうけぬところから遂に外國の害虫や、あるいはその他の植物の有害性のものが、非常にはいつてまいります場合がありますので、これを防ぐはもちろん、また日本内地から外國にいろいろ輸出する場合におきましても、相手國に御迷惑のかからぬように、日本の税関の方の関係を一部改正いたしまして、植物檢査を嚴重に行おうとするのでありまして、これは昨日御説明申し上げた通りであります。さらにただいま家畜傳染病についていろいろ御意見があつたのでありますが、この件に関しましては、やはり昨日農林省から提案いたしております家畜傳染予防法の一部を改正する法律案がすでに出ておるのでありまして、本案が議題になつたときに、詳しくまた係りから説明いたすことにいたします。ただいまお話の神戸にある非常に有効な予防藥製造に対いる御意見でありましたが、官と言わず民と言わず、およそこれらのものに対して効果のあるものに対しては、政府はもちろんできるだけ御協力を申し上げ、またそれらに対して、発展助長せしむるの手段を講ずるのに当然であろうと思うのでありますが、詳細にわたりましては次の機会に申し上げたいと思います。
○河合委員 植物の檢査についてちよつとお伺いいたしたいのであります。実は関東ではその被害がはなはだしくないのでありますが、関西におきましては、殊に兵庫縣を中心といたしまして松食虫の被害が甚大なのであります。御承知でもありましようが、汽車に乘りまして明石を通過した際、その手前の舞子の有名な松林までが、すでに松食虫に侵されまして、あの有名な松林が全部枯死するに至つたものと私は見ております。この松食虫の病虫が傳播しましたそのもとは、兵庫縣の相生という港がありまして、あそこに造船所があります。あの造船所に輸入しました木材にその病虫がついていたということがもつぱら向われておりまして、相生市を中心といたしまして、西は岡山縣、東は兵庫縣の東部、淡路島にわたつて、この線は松という松は全部枯死してしまつたのであります。これは政府当局においてよく御承知の通りと思いますが、この虫害を何とか予防する方法は未だ発見されないのでありましようか、このことについては御研究をなさつておるのでありましようか。松というものは、高級の用材としてはそう重宝なものではありませんけれども、杉やひのきの生えない海岸地におきましては、松は植林されてある唯一の樹木でありまして、松が日本の海岸地からなくなるということになりますと、いろいろの点においてその被害がはなはだしいのであります。これはゆるがせにすることのできぬ問題でありますが、政府当局におきましては、松食虫に対して御調査研究がすでにできておるのでありましようか、その点をお伺いしたいと思います。
○大島政府委員 ただいま河合委員から、松食虫の被害は実に恐るべきものであるが、これに対する予防、研究はどうしておるかというお尋ねであります。まつたくお説の通り松食虫の被害は恐るべきものであります。ひとり関西のみならず、関東一円にはびこつてまいりまして、現に私もその被害を受けておる一人であります。なお林野局等においても、この対策は極力講じておるようでありますが、未だ決定的な案がもたれておりませんので、ただいまのところは、そういう場合においてできるだけそのしんを切りとつて燒却するという、きわめて消極的な予防法しか行われていないのは、はなはだ遺憾千万でありますが、これらの研究も進めておりますので、近く具体的な案を立てて、これが撲滅を期したいと思うのであります。実はこの被害は高山の松の木だけでなく、われわれの家庭の庭の松の木までがすでに犯されておるのであります。この被害がいかに恐るべきものであるかということは、お説の通りであります。なお各種の機関を動員いたしまして、これが、防衛のために最善の努力をいたしたいと考えております。
○河合委員 次の機会でよろしうございますが、どうか現在どの程度まで松食虫の予防をいたし、あるいは駆除する研究ができておりますが、農林当局から御発表していただきたいと思います。
○井上委員長 次は昨日質問を留保されております小作地を取上げに関する問題にからんで、成瀬君に質問を許します。
○成瀬委員 この際法務廳檢務長官がお越しになつておられますので、昨日の終戰以來における農調法違反の問題について少し詳しく質問の要旨を申し述べたいと思うのであります。わが國が終戰以來農村民主化の線を沿つて、また農和解放、すなわち農地開放において全きを期する。こうしたところのマツカーサー総司令の最高方針に則りまして、國会も政府も一丸となりまして、第一次、第二次の農地改革が行わり、目下それらの進行が相当程度に進んでおる次第であります。申すまでもなく日本において一番封建的である農村におきましては、農調法のあらゆる法の精神を生かすとともに、いやしくもこれを阻害するような團体あるいは個人の行動に対しましては、仮借なく法の適用によりまして、この農調法の精神を生かさなければならないことはもちろんのことでありまするが、要するに末端方面におきましては、農民はもとより自己の立場に目覚めない点も多少ありますが、また旧態依然として封建的なこうした旧社会の惡夢にいつまでも恋々といたしまして、旧勢力と結託して、このせつかくの大改革の精神をもつておる農調法の施行を阻害する傾きが随所に現われておる次第であります。農林省の出先機関と言いましようか、縣の係官におきましては、いち早く法の精神を理解いたしまして、農民あるいは地主各方面に対して法の徹底を期し、また一面檢察方面に対しましても協力方を懇願して、相当その方面においても成績をあげておりますが、何といたしましても檢察廳方面における判事、檢事等の出身家庭が、小地主あるいは大地主といつたような封建的地主層の中から出ておりますので、いかにも法の上においては日本再建の上において、いやが應でも実施しなければならないところの農地調整法であるけれども、その及ぼすところが自己の身辺と言しましようか、近親方面に及ぼす関係もありまして、故意にこれを阻害するような形があるし、あるいは消極的に阻害するというような傾きがありまして、地方においてはこれらの不法なる惡徳の官に対する非難があるのであります。こういうことについては、終戰以來再三地方から政府当局に対し正しき法の運用によりまして農調法の完全なる施行を望んできたことは枚挙にいとまありません。この際お尋ね申し上げたいことは、終戰以來民間より、いわゆる民主團体より、どれほどの告訴の件数があつたか、あるいは縣の係官の方面から、どれほどの告訴の件数があつたかというような点と、また法の第十七條の四に該当するところの件数、もちろん中心点としては農調法により小作料の統制でありますが、現物を支給することは改めまして、金銭による小作料制度に改めたことは、農調法改革の骨子をなすものでありまして、現物による授受を行つたものは、両方とも仮借なく嚴罰に処すということを、法律の制定当時にあいて強く立案者において主張して次第であります。ところがそういつた不法については、今なおあとを絶たないような状態でありますので、この十七條の四に該当するところの件数がどれほどあるか、あるいは十七條の五に該当する農調法の第九條の不法農地取上げの問題でありますが、これらに関連する問題がどれほどあるかという点について詳しく説明を求める次第であります。
○木内政府委員 お答えいたします。ただいま御質問になりましたような点につきまして、いろいろ御心配になつておられる点はまことにごもつともでありまして、私どもも、この点につきましては非常に遺憾に思つている次第であります、從つて檢察当局といたしましても、かような違反事件につきましては、嚴重取締りをいたしている次第であります。なお農地改革の完遂を期するために、先般農林次官及び内事局長官と私の連名をもつて、各地方廳及び関係官廳へ通牒を出しているような次第でございます。しかしてその御質問の、終戰後民主團体からの告訴、告発の件数及び縣の係官からの告訴、告発の件数につきましては、今資料をもつておりませんから、御即答申し上げるわけにまいりませんが、これは調べまして早急に御報告申し上げることにいたしたいと思いますから、御承知を願いたいと思います。 なお十七條の四の違反の件数であります。これは昭和二十二年から本年の三月までの統計でありまするが、全部て六百八十件ありました。うち起訴したものが百三十三件、不起訴にいたしたものが二百九十件、それから関係者の所在等がわからぬとかいろいろの関係で中止処分あるいは他の官廳に移送したものが百八件ありまして、結局現在未処理になつているものも少してありまするが、さような次第であります。 それから十七條の五の点につきましては、先ほど申しました本年三月までの統計でありまするが、七百十四件ありまして、そのうち起訴したものが九十一件、不起訴にいたしたものが三百二十九件、そのほか中止とかあるいは未済になつているもの、さようなことになつているわけでございます。農調法の違反全部を累計いたしてみますると全部の件数が三千五百四十二件となつております。うち起訴したもの四百六十六件、不起訴が千六百二十件、その他中止とか未処理の分になつているわけであります。
○成瀬委員 二十二年以來のことでありまして、おそらく二、三十万件を数えるところの犯罪事件につきましては、多くはやみからやみに葬られているというふうにも解釈するのであります。なぜであるかと申しますると、地方における民間團体等におきまして、農調法完遂の上において、あまりにも非協力的に地方檢察の各方面に対しての交渉のときの言葉でありますが、具体的にどの檢事がどういうことを言つたかということは今資料持ち合わせておりません。しかしながら私ども地方において相当信頼すべき民主團体から聽いておるのでありまするが、その言葉といたしましては、現在経済事犯その他あらゆる犯罪が激増いたしておるので、この方面に手がまわりかねている。從つて本年二月におけるマツカーサー軍司令部からの農調法完遂阻害の各種團体的な旧勢力に対しては、占領目的違反として相当徹底的な処罰をなすべき旨の日本政府への申入に対して、一段の関心を今言つたような立場から交渉いたしましても、人の問題において、あるいは経費の問題において、とうていそういつた方面に手がまわらない。それだつたならば、一体こういう犯罪があることを十分認識いたしておりながら、みすみすこれを見逃していくということは非協力的な立場をもつておるのであるかということを詰問いたしましても、そういうわけでもないかというふうでありまして、どうも曖昧模糊としてつかみどころがないような立場に現在置かれておるのが、あちらこちら相当数にあるようでありますが、さんぜんから申し上げたように、自己の近親関係、自己の利害関係から、農地調整法についてのマツカーサー軍司令部の申入を、地方的におきまし蹂躙ていたしている。さいぜん内事局長、農林次官、檢務長官三者の共同通牒のもとに、地方にそれぞれ通牒いたしたというようなお言葉でありますが、今までにおけるところの通牒は、すべて末端におきまして握りつぶされているというようなわけで、空文に帰しているようなことが、われわれはなはだ遺憾でありまして、いかにして末端まで法の精神を、また通達の精神を生かして、農地改革を完遂せしめるかということが重大関心事であります。こういうようなことに対しましては、予算上におけるところの経費が少しために、せつかくのこういう重要問題を軽視するようなことがあつてはならないのでありまして、檢務長官といたしましては、これらのことに関しましては、どういう覚悟をもつてこの農調法の完遂のために、また二月軍司令部の方の申入の精神に副うためにやつていかれたいということを、再びお伺いしたいのであります。
○木内政府委員 お答えいたします。ただいまいろいろ御質問になりました点は、私どもも同様に感じておるのでありまして、先ほど通達の点の申し上げましたが、私どもは、この一片の通達で事足れりと、さように考えているものではないのであります。これまでも経済関係の檢事の会同等をたびたび催しまして、いろいろの経済違反の処理はもちろんのこと、この農地関係の事件の処理につきましても、十分なる注意を與え、そうして私どもの方で、できるだけの監督をいたしてかような違反事件を防止し、なお違反があつた場合においては、十分疑惑を受けないように、檢挙を徹底し、そうして妥当なる事件の処理をするように監督いたしておる次第であります。それにもかかわらず、私どももただいま御質問のようにいろいろの点につきまして、まだどうも手ぬるいのではないかというような声もたびたび聽くのでありまして、なお具体的にさような問題を耳にいたしましたときには、ただちにその点について恒の調査をいたし、妥当なる処置するように監督をいたしておる次第であります。今後も、私どもこの点につきまして十分御趣旨の徹底するようにやるつもりでおる次第でございます。
○成瀬委員 もう一点附け加えて補足的な質問を試みるわけであります。檢察当局は、警察等のこれらの官廳の手を通しまして、そうして犯罪の摘発いたしておる。捜査をいたしておるのが常識なのでありますが、それらの協力すべきはずの警察の連中が、村の保守連中と結託いたしまして、そうして十七條の四、あるいは五の行為をあえていたしておるような事実があるのであります。過般本会議におきましても、富山縣の矢後代議士が、この点に言及いたしまして、最も憤慨し、國会の関心とまた責任する政府の答弁を求めておつた次第でありますが、私は一富山縣に止らず、高知縣におきま島ても、あの山間部に相当件数のそういう事件がある。福井縣におきましても、あるいはその他各縣にそういう事件が存在いたしておる。農村は申までもなく、長年無知と貧乏の強要生活、封建的なこれらの生活の中におきまして、せつかく解放される法律ができましても、法の目ざめない。法に目ざめない者、権利に目ざめない者はそのままに保護せぬということは、法律上的な常識でありますが、いまだにもつて目ざめぬ農民を目ざめさすことについては、もとより農林当局等それらの方面の責任でもあるし、また農民自体の責任でもありまするが、最も基本的な農村解放のための農地開放が、かようなことをもつてそのままに放任することは、絶対に許されないことと思うのでありまして、この終戰以來におけるところの、まだまだ隠されておるところの犯罪行為をやつておるところもある。また部分的にもそういう所があるのでありまして、私はそちらの関係で、それぞれの方面についての認識をもつているのでありますが、かようなことから総合的に考えてみる場合に、この問題は官廳だけに任しておくというわけにはまいらない、こう考えますが、檢務長官においては、これらの完全の徹底せるところの犯罪防止ということを考えて、民間團体の眞の協力を得るところの精神はないか。また眞の協力を得るためには、どういう方法をもつてやられるということが、最も効果的であるかというような点をお聽きしたいのであります。また法の運用におきましては、終戰以來、いかなる方法をもつていたしてあろうとも、いやしくもこの法律に触れるものといたしますなれば、断固として早急処罰方法を講ずべきであると考えられまするが、こういつた方面に対しましても、特別な法の制定も必要と存ずる次第でありまして、これらの点について、さらに御意向を承りたいと思うのであります。
○木内政府委員 お答えいたします。第一は、かような犯罪についても、檢察当局が直接事件の檢挙捜査をやるのでなくして、大体警察から送つてくるものをやつている程度ではないかというふうな御質問の御趣旨に伺われました。私は大体の事件がさようになつていると考えております。檢事局が直接やる場合は、檢事局に直接の告訴、告発のあつた場合でありまして、大体原則として警察が檢挙して、そうして檢察廳へ送致した事犯を調べているという形になつております。この点につきまして、御心配になつております点は、私も十分ごもつともと思うのであります。御承知の通り、警察法の改正によりまして、警察が非常に分化されましたために、犯罪捜査及び檢挙という面からみますと、私どもは非常に弱体化したのではないかということを憂えているのであります。ただいま刑事訴訟法の改正案が上程されまして、御審議を願つておる次第でありますが、この点につきまして、少くともこの犯罪捜査の面においてだけは、かような御心配を國民一般にかけないようにいたしたいという趣旨から、司法警察官に対する指揮の点も、從來よりは非常に強力に規定されておる次第でございます。しかしながら結局警察が今日犯罪捜査の点において、相当弱体化しておりますけれども、さりとてそのために私どもは一層責任を感じておる次第で、十分司法警察官を監督、指揮いたして、かような点について、つとめて國民に御迷惑をかけないように考えておる次第でございます。 それから次の問題は、かような問題は民間の協力を要するのではないか、かような点についてどういう考えをもつておるかという御質問の御趣旨と了承いたしましたが、私はこの点についても、まことにごもつとものことでございまして、これは民間の協力を得なければ、あえてこの農地改革の問題ばかりでなく、何でも十分効果をあげ得るものではないと考えておる次第であります。殊にお話の通り、農地改革の問題につきましては、まだ一般にその趣旨を十分理解しておらぬがために、幾多越らないでもよろしいような違反事件までも惹越しておるのではないかと、かように考える次第であります。それで、出先のそれぞれ各地の檢察方と民間團体、あるいは民間の方々等と、いわゆる連絡会とか、あるいは懇談会というものを十分たびたび開いて、そうして意思の疎通をはかり、私どもの方も十分その土地々々の実情も理解いたしまして、そうして農地改革の趣旨を十分徹底さすように努力する義務があると、私どもは考えております。さような点につきましては、先ほども申し上げましたが、会同を開くたびに私どもの方といたしましても、この点を注意いたしておる次第で、実はその趣旨を十分徹底してやつておる、かように考えておつた次第であります。なおしかしながら、いろいろ具体的の問題につきまして、かような点において、この点が十分徹底していないのではないかというような御注意がありますれば、私どもはさらに調査いたしま島て、御趣旨に副うようにいたしたい、かように考えておる次第であります。
○井上委員長 次は北君。
○北委員 私は今度の農地改革によりまして、畜産の前途に非常に心配をしておるものでありますが、まず第一に政務次官に伺いたいことは、今後の畜産というものは國営でやつた方がいいものか、私営でやつた方がいいものか、これをまず第一にお伺いしたいと思います。
○大島政府委員 畜産の問題は、今後の日本農業経営の上においては、非常に大きな役割をいたすものでありまして、これがいかに重大なものであるかということは申し上げるまでもないのであります。ただ、たまたまいろいろな関係から、ただいまの種畜場を相当数減らすというような案があるわけでありますが、これはまだ決定しておりませんが、そういう内示を受けて、いろいろの調査を進めておるようなわけです。これはその考え方から申しますと、政府の力によらなければこういうことができないということが間違いである。民間に任せても相当これらの普及宣傳はできるから、そうすることがかえつて便利だ、という御意見もあるようでありますが、今までのわが國のいき方といたしましては、主として政府が斡旋してこういう方面を担当してまいりましたので、今日のような状態になつておるのでありますが、さらに次の機会にこれらに対する問題は取まとめて、お答え申し上げたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
○井上委員長 北君に申し上げますが、畜産関係は後ほど家畜傳染病予防あるいは獣医師会の問題に関連したときに願いたいと思います。
○北委員 簡單です。もうすぐやめます。そこで、今まで畜産の改良にずいぶん努力しておつたところの大きな牧場、これらが今急にやられることは、私は非常に日本の畜産の將來の発展に障害を與えるものだと思いますので、この点ひとつ農政局あたりから教えていただきたいと思いますが、一体共同でやるのにも、どういうぐあいにしてやつたらいいものか、また会社的にやるのにも、どういうふうにしてやつたらいいものか、この点を教えていただきたい。こう思う次第であります。
○大島政府委員 畜産の種畜場の設備等につきましては、これは先ほど申し上げた通り、ある程度整理する必要があると思うのでありますが、整理後の状態は、当該地方の協同組合あるいはその他の公共團体にこれを継承せしむるか、適当の方法を講じて、その振興に支障のないような指導をいたしたいと考えておるわけであります。
○北委員 そこでもう一、二点お伺いしたいのでありますが、この農地改革の法律案の中に、農林大臣が特別認めた場合というのがあるのですが、この適用をさせていただきたいと思うのですが、この点について農林省はどう考えておられるか。
○山添政府委員 そういうふうに特殊の牧場としては指定をいたすわけでありますが、指定をいたしましても、その牧場について四十町歩という制限の中にはいることに相なるわけであります。從つてそれではある牧場にとつては機能を破壊するというようなこともございますので、その場合には、協同組合等において、あまり機能を低下せしめないような方法で継続していくというような措置を講じたいというので、いろいろ考究をいたしておるわけであります。
○北委員 次に動植物の檢疫法の法律案に関連してお伺いしたいのであります。最近大量の日本の馬が外國に輸出されるというようなうわさを聞くのですが、農林当局はこの点どう考えておられるか、伺いたいと思います。
○井上委員長 北君に注意申し上げますが、もちろん関連はないことはありませんが、後ほど獣医師会及び授蹄師会の解散に関する法律案、家畜傳染病予防法の一部を改正する法律案が出ておりますから、そのときにまた畜産局の所管の政府委員が來ますから、その問題はそのときに質問を願いたいと思います。
○北委員 それではこれで質問を打切ります。
○井上委員長 次に河合さん。
○河合委員 私はただいまの機会に、こういうことをお尋ねするのが適当であるかどうかわからぬのでありますけれども、しかし大体どの問題にいたしましても、帰着するところは食糧の増産であります。そういうふうに考えましたら、私のただいまお尋ねしたいということも、食糧の増産に関係のあることでありますから、伺つてみたいのであります。それは、もう寸地といえども利用するということを、わが國のような國土の狹小な所では、國民こぞつて努めなければならぬと思うのであります。ところがいまだにその土地が粗末にされておる。われわれが田舎へ行きましても、東京の市内におきましても、毎日そのことを見せつけられるのであります。そこで何とかひとつ、むろん廣大なる土地は言うまでもありませんが、わずかな土地でも、極力活用するということに農林省においても十分力を注いでもらいたい。そこで一つ事例をあげるのでありますが、東京都内の事柄であります。南多摩郡の日野町に農林省の蚕糸試験場の桑園があるのであります。この桑園の実情につきまして、私はその地方の人から私の方に届けております文書をちよつと読んでみます。「日野町内に農林省経営にかかる十数町歩の桑園が荒廃せるままに放置されつつあるのであります。右桑園は、戰時中より研究は停止せられ、試験は絶えて行われず、そのまま今日に至り、いわんや技術関係以外の職員が、食糧自耕の間作をなすために、桑木は疲弊し、まことに遺憾なる樣相を呈しているのであります。元來右桑園は、戰前の農村不況時代農民より借地せるものでありますので、われわれは現状を見るに忍びず、かつ農地改革の法意に鑑み、再三返還を要求せしも、その都度官辺の似て非なる職場擁護、卑俗的に早言すれば、なわ張り根性的言い分に阻害され、今日に至るも解決を見ず。かくのごとく國内情勢に併行せざる事態がすでに農林当局自体にあり、一部農民の非難となりつつある現在、増産、供出意欲の面において重大なる障壁とならんも保せず、まことに憂慮にたえざる次第であります。」こういうわけでありまして、蚕糸試験場の桑園が荒廃に帰しておる。これは以前は附近の農民が耕作しておつたのを、むりやりに取上げられたのだと思いますので、こんな荒廃り状態にこのままおくということは、はなはだ遺憾であるから、これをもと通りに耕作させよという問題が起つておるのでありますけれども、これに農林省は應じてくれない、こういうわけであります。こういうことは、これは一つの例でありますが、各地方にあるのであります。一体こういうことを御存じないのか、知つておつてもこれを増産の方におまわしにならぬのであるか。その辺を伺つておきたいと思います。
○田邊説明員 まことにごもつともな御質問でありまして、政府といえども、適当な目的に使用していない土地は、できるだけ開放するということが農地改革法の本旨に基くことになるわけでありまして、山林、牧野その他につきましても、営林署とかその他いろいろな方面において、できるだけこれを開くようにいたしております。 蚕糸試験場の例の問題でありますが、これにつきましてもやはり同じ趣旨で進んでいるわけでありまして、その中で特に必要なものにつきましては、こちらから指定をしてそれを処分してもらう。團体その他が試験をしているものにつきましても、農林省の証明をもつて、特に必要であるものに限りまして、ある一定のものを処分さしているというようなわけでありまして、決して遊んでいる土地をそのまま放置していこうという趣旨ではありません。なお具体的に問題がありますれば、私ども十分取調べまして、御趣旨に副うようにしたいと思います。
○河合委員 ただいま政府当局の言明もあつたのでありますが、こういうことは至急にお調べを願います。なお、成瀬君からの質問に対しまして、司法当局からも答弁があつたのでありますが、役人だけではなかなか目が届かぬのであります。一面から考えましたならば、われわれ國民を代表して國会へ出てきております者は、一つの査察官と申してよいのであります。よく実情は知つておるのであります。私は田舎へ行きましても、國会でこういうことをやつておるというようにみやげ話がないのを悲んでおるのでありまして、むしろ國民が一番困つておる問題を取上げてきて、それを政府当局に目に物見せるということに、私どもは極力努力しておるのであります。そうして私どもが申し上げましたことにいつては、日をかさず御調査願つて、一日も早く処置をしていただきたいと思います。一つの小さい問題を取上げて、こういうことを申し上げるのは恐入りますが、たまたま出つくしましたから、申し上げるのであります。今後といえども政府の注意の足らぬところ、目の届かぬところをもつてまいりまして申し上げたいと思つておりますが、今申し上げました事例については早速御調査を願いたいと思います。
○大島政府委員 ただいま河合さんから、こういうような土地が遊んでおるという御指摘が種々あつたようであります。御説の通りといたしますならば、まことに遺憾千万のことと存じますので、具体的な資料を頂載することができますならば、明日にも係官を派遣いたしまして、次の機会にその結果を御報告申し上げることにいたしたいと思います。
○河合委員 次官の今お話でありましたから、書類をもつておりますから差し出しておきます。
○井上委員長 次に昨日田邊農地部長に質疑を保留しておりました成瀬君に対して、簡單に質疑を許します。
○成瀬委員 では簡單に、田邊農地部長に二部だけ質問する次第であります。今度の農地調整法の一部改正の中に、永小作権に対するところの、それらの権利延長と耕作権保護の條文が挿入されて改正されるわけであります。こういつた点をわれわれ想像しますと、日本農村の民主化のための農地完全開放ということは、これは農民と言わず、食糧問題、日本の零細農業のそれらの営農の関係において、新らしき農業経営の組織のために、完全開放は一致せる意見だと考えます。ただこれが保守勢力によりまして、一部温存されておるものと思つております。こういうようなことの國民的な要望、意方だあるにもかかわらず、永久的存在かのようなこういう法の改正をいたして、見ようによつては、一部学者が國宝的存在としてこれをもてあそぶというようなことも考えられるわけでありますが、こういうことはもつてのほかである。われわれは世界に対して恥ずべき、この後れ馳せなるところの農地改革をして、早急にこれを解決し、そうして日本の食糧問題解決のための一助ともなさなければならぬということを考えておる次第であります。こういう立場からいたしまして、完全開放に対しては、一体政府は民間の要望にこたえるところの熱意があるかないか、またいかなる考えをもつてそういう永小作権の改正にここへもつてきたか、この点についてお尋ねしたい。 それから次には、農地改革は言うまでもありませんが、廣汎な域に達しております。農民解放というだけではとどまらないのでありまして、わが國食糧増産確保の上においても、この農調法の精神を活かさなければなりません。その立場からして農地の交換分合等、あるいは集團化等のそれらの精神を何らか織込みまして、そうして両々相まつて、この法の精神が活かされなければならぬというように考えられるのであります。これら農地の交換分合は、第一に農民に土地を開放する、買收及び賣渡しをこの目標によりまして一挙にやるというところの技術最の問題もありますが、わが國の食糧増産というようなところの見地に立ち、また農地改革の裏づけとしての農業協同組合の精神といたしまして、世界に稀なる零細農業経営のわが國農業の改革にあたりましては、資本主義的の自作農、この制度を基礎といたしまして、そして社会主義的の内容をもつところの生産方法をつらなければならない。ロシヤのいき方でなく、今言つた方法によるとこそ、日本の実態に副うたいき方だと考えますが、おそらく今後の農業協同組合の完全なる発達は、現在の実行組合をして生産協同組合にまで発展せしめなければならないというふうにも考えられますので、その生産協同組合になつた場合には、現在のように二町、三町、あるいは三反、五反というような、区々まちまちの昔ながらの農業経営では、とうてい諸外國に対しまして太刀打ちができない。ひいては農業恐慌等に対しても、とうてい農村におけるところの経済的の立場を守ることはできないと考えるのでありまして、かような農業経営におけるところの集團化をはかり、食糧増産にもついていくとい立場からして、農地改革の面に対しまして、いま一層農地の交換分合、集團化への方途を講ぜられなければならないが、こういう方面に対する考え方を、この話の上においてどう活かしていくかという、この二点についてお尋ねいたしたいのであります。
○田邊説明員 旧慣永代小作権をなにゆえにああいうような整理の仕方をしたかという御質問であります。これは成瀬さんはこの前の中央農地委員会の委員の方でありまして、その際にいろいろこれについて御相談申上げたのであります。そのときには私個人の意見といたしまして、あるいはわずか二百町歩ぐらいしか残らないのであるから、これはむりに整理しなくても自然整理ができるだろう。同時に学術上の研究としても、残しておいて大して害はないのではないかという意見を、その時私は述べたように考えております。その後いろいろの方面と折衝して考えていきますと、やはり成瀬さんの御意見の方が正しいようになつてまいりまして、そういう封建性のものであるがゆえに、特にこれは開放した方がようという意見が出ていまいりましたので、なるほどそうだというので、われわれは農地委員会に聽くまでもなく、ここに提案いたしました通り、これは成瀬さんの御意見の通り、全部旧慣永代小作は解消するという建前から、第三條におきまして買收し得ることにしたのであります。その他の設定の永小作につきましては、一町歩の保有地が残る以上は、やはり設定永小作権につきましても一町歩は残るのでありますから、そうしますと賃貸借の保警の程度と、永小作権の保護の程度というものを考えていかなければ、これは法制上別個になつておりますので、これを補正するために、これについて消滅及び更新の程度等につきまして、永小作権に普通の賃貸権を與えた保護をその上加算して、これを存続さすという手配をとつたのであります。そこで問問になつてくるのは、一体この一町歩というものを残しておる問題にひつからんで、永小作が爭議をしておるが、なぜ一町歩をとつてしまわければならぬかという御意見でありますが、これは理論から言えば成瀬さんの通りだと思いますが、これはいわゆる社会党あたりで、第三次農地改革と言つておられる内容の主要なるものをなしておるのでありまして、それをやる、やらぬかは内閣によつて御決定になることでありますから、私がここで答弁を申し上げる筋合のものではないと思います。それがもしもそういう方針に決定いたしますなば、われわれはその線に沿いまして、一日も早く全力を注いでやるつもりでありまするから、別に他意はありません。 次に農地の交換分合の件でありますが、これは成瀬さんの御意見の通りにわれわれ考えております。ただこれをいつどういうふうにして促進するかということが問題になつてまいるのでありまするが、これにつきましては、今の御意見のような線に沿いまして、できるだけ早い機会において実現するようにわれわれは現在具体案を進めております。近い將来におきまして、また皆さんの御審議を願うようになるかもしれませんが、進めておりますから御了承願いたいと思います。
○井上委員長 最後に委員長からちよつと一言伺つておきたい問題がございます。それは輸出入植物檢疫法案の施行に伴つて檢疫所をつくることになつておりますが、この檢疫所の設置に伴つて、人員の配置並びに経費の関係であります。これはどうもこの参考書によりますと、動植物檢疫所に一緒にやる予定らしいのです。そういたしますと、特に新しく人員を増加する必要があるかないかという問題と、最近官吏の整理をしなければならぬという声が非常に高い折に、ことさらにいろいろな法律を設けて人員を殖やす、一方においては整理し、一方においては法律によつて人を殖やしていくということになりますと、國民の要望するところと別な面が越つてまいりますが、これらの関係について、政府は考慮したことがあるかどうかという問題であります。それは單にこの法律案の施行だけではなしに、今後出てまいります法律案においてい同樣にことが言われると思います。それらの点についての矛盾を、一体どう考えておるかということについて、伺つておきたいと思います。
○山添政府委員 原則論といたしましては、官吏の増員を來さない方針は、われわれいわゆる官吏でありましても、そういう趣旨でやつておるのでありますが、だんだん貿易等も開かれることになりますとやはりこの檢疫制度は整備をいたす必要がございます。從つて新しくこういう檢査をいたは場所を殖やしていくのであります。そういい関係上どうしても人が要るわけであります。その結果最小限度必要な人員の増加を計上いたしておるのであります。
○井上委員長 いろいろな法案の制度に伴つて、また施行にあたつて、それぞれ察議会であるとか、委員会であるとかいうものが設置されております。またこれに伴つて経費がそれぞれ計上されております。すでに現在審議中の農地関係においては農地調整委員会があり、食糧関係では食糧調整委員会があり、また開拓関係なら開拓関係の委員会があり、さらに今提案をされております農業改志助長法において、技術審議委員会というものを設けようとしておるし、また輸入の植物檢疫法においても植物檢疫審議会というものを設置しようとしておる。同じ農村関係において、あまりにも委員会がたくさん設置されて、ある村のごときは、同一人がいくつもの委員を兼任しておる現状にある。それならば何も一本の農村対策委員会とかいうことでいいのであつて、別に屋上屋を重ねて委員会を設けられることは、却つて農民の労働の上に、また日々いろいろな仕事の上に、非常な支障を來しておる現状にある。そういう点を一体政府は考慮したことがあるか、それをなんとか整理して少くとも対農民、農村の振興に必要な、また生産増強に必要な観点から、一本にまとめる意思がないかどうかということについて、この際伺つておきます。
○山添政府委員 輸出入植物檢疫法の関係で設けます委員会は、中央に一つ技術問題を処置するもの、委員長の仰せになりました農村関係の委員会といたしましては、現在御承知のように農地委員会とそれから食糧調整委員会の二つでありまして、これは今の仕事の性質上速急に合併ということはできないと思います。新しく農業改志助長法に基きまして、これは法律の上に現われておりませんが、実行上農業の技術改善のための仕事に協力する委員会を設ける方針でおりますが、これは各村から一名ないし二名の農民が出られ、それが数箇町村寄つて一つの委員会をつくり、そうして府縣が設置します普及技術者に協力をせられるという関係になるのでありまして、これは仕事の方面から申しましても、またその構成が数箇町村で、それぞれ村の代表者でもつてつくるという意味合からも別にいたなければならぬと考えております。その三つであるわけであります。それ以外に殖やすわけではございません。
○平工委員 昨日時間があまりにもなかつたので、私も遠慮しすぎたと思つて後悔しております。さいわい本日は農地部長がお見えにな誠ておるから申しますが、第二次農地改革の徹底ということを各方面で言われておるが、実際徹底しておらぬ。お互い責任のある者は、ただ單に農林委員として、ここで相談を機械的にするだけであつて、責任上農地委員もつつままれると思いますし、私もその責任があるからつつこんで相談しておきますか、大化の改新に匹摘する大事業を完遂するがために農林省内でもまた日本の農政学界でも、権威の高い農学博士田邊勝正先生を得たということは、まつたくありがたいことだと私は思つておりますが、その田邊勝正先生からしつかりとお答えが願いたいというのは、第二次農地改革はちようど北海道のひぐまが魚をたくさんとつたようなもので、なわのしりの方が結んでおらないから何尾落とすかわからない。たとえば地方から、予定の面積だけをやりましたといつてきても、その実はインチキが大分ある。これを見逃しておくのでございますが。現在の院内の勢力が恐くていいかげんに妥協してやりおく氣か、また眞劍になる氣かということを、この際伺つておきたい。この点について私の意見も加えてもう少し質しておきたいのは、まつたく昨日も申し上げる通りに、私どもが査察したときに、竹槍二千本でこの前やつが、これは追放されたところの村長がおどかしている。この問題の解決のために査察をやる、縣の農地委員も農地部も、私どももそういう反動的な言葉で威嚇されたもので、だから査察をやらなければならぬということを言つております。農政局長の答弁は一應了承しなければならないが、田邊農地部長として、その点についてしつかりと責任をもつてお答えいてもらいたいのは、日本中の脱法について一人の犠牲者も出さぬことはよろしい。出さぬことはよろしいけれども、それに信念があつて、この第二次農地改革の完遂は、はずかいくない程度に目的を果す自信があればよろしいが、今のところ実はうそだと思ついいる。なぜと言うとそれは査察する方法が実際ないのであります。予算は現在の予算の中から出すとは言うけれども、実際やつてみたらば、昨年大和田事務官を案内していつたときに、私自身がそのときに自動車賃を四千円負担させられてしまつた事実があります。これは当局に予算が十分ない証拠である。今日でも私ども中央農地委員として、これからやつていこうと思いますが、実際やるといれば今年の金にして一万円か一万五千円自腹を切らねばならないということを実際思ついている。これには機機的な答弁でなくして、責任ある答弁を願いたいと思います。われわれの要求したきとに、実際どういう手段でやるかということになりますと、今自信がない。私ども心安だてに農政部長や農地部長と相談するに、実際やる途がないのであります。そういう途があるかのごとく山添農政局長が答弁されたけれども、これじや私はいけないと思います。第二次農地改革を徹底させるためには、その脱法行為を徹頭徹尾、先いざらいなくして、完遂しなければだめだと思います。しかる後に今議会において、院内においても第三次農地改革の徹底ということを看板にかかげておりますが、これはきつねとたぬきのばかし合いで、相当意見が違うだろうけれども、とにかく第三次農地改革は、ここで私はひとつゆるみをつけることをくふうしたいと思うのであります。第二次農地改革の完遂については、相当小作人と地主との間の農地委員会の事務を完遂するために、農地委員会長は地主さんたちから深刻な恨みを受けいるけれども、どんなに恨まれても完遂してしまわけなければならないけれども、第三次農地改革においては、立法技術においてくふうするということは━━ことによると最後のときには司令部の方からも言われるかもしらないが、ほんとうにここに一部分の仲直りの途が開く樂場みか私はあるのじやないかと思つております。だから第二次農地改革において妥協するということは、断じて許すべからざることだと思う。連分國の方からいつても、ポツダム宣言の趣旨を完遂するために、生温い態度ではいけない。農地部長におかせられても、われわれのように一部分の責任をもつておるものにおいても、歴史の上の尊い大事業を、ごまかしのままでおいたとあつては、田邊博士の後世の歴史の上に申訳のないことになろう思う。だから第二次農地改革においては、徹底的に違法行為を摘発して、日本中に八年以下の懲役になるくらいのものが、二百人や三百人は絶対に私はつくらなければだめだと思う。これは一人もなくて済むなどということではいかぬ。それについてお座なりの答弁でなしに、田邊先生の責任ある御答弁を承りたいと思います。
○田邊説明員 まことにえらい弁明をせねばならぬことになつてのでありますが、農地改革の完遂ということにつきましては、ただいま仰せられました通り、われわれの考えといたしましても、決して人後に落ちぬものであります。そこで從來どういうような対策をこれについてやつてきたかということになりますと、いろいろな対策をわれわれはやつてきたのであります。特に本年の初めにおきましては、農地改革の完遂という要綱を掲げて、各府縣にわたつて、洗いざらいこれを洗つて、農地改革の線に沿つてやつてないものは、これを糾彈して、軌道に乘せていく。こういう考えからいたしまして、農地改革は先ほども申し上げた通り、ただ單に二百万町歩云々、あるいは百五十万町歩云々ということではなくして、法規というものが適正に適用されておるかどうかということが一の完遂であつて、二百万町歩云々ということは統計上單にこしらえただけでありまして、その後の情勢も変つておるのでありますから、われわれはそういう観点からいたしまして、この完遂ということをしていくように方針をとつておるのであります。それの手段といたしまして、從來いろいろな方法をとりましたが、各縣におきましては、先ほど申しました要綱によりまして、しらみつぶしに各町村を班にわけて、これを調査いたします。あるいは相談所というものを設けまして、その相談所へもつてきたものは、適正に行われたかどうかを一々調べる。あるいは投書その他によりまして、この要綱の農地改革はこうあるべきものだ。これについてもしも違つておるものがあれば、一々こつちに投書しなさいということで、この投書を中心して、今の犯罪その他の不法行為について当るという方法をとつております。あるいは講演会その他等、役人仲間といたしましては、そういう態度をとつております。特に土地返還の不法行為の取上げが多かつたために、これは法制上におきましても完備をするという必要があるというので、これは第一回この前の改正、また今度の改正においても、十分に遡及し得るような規定を設けて、これをやり得るような方法を講じたのもその一つであります。その他、一方檢察廳その他の取締りを嚴にいたしまして、不法に妨害するようなもの、あるいは実際に違法であるものは摘発するということで、例の通牒を出したのであるますが、それにつきましても各地方へそういうことがないかという調査を十分にやつておるのであります。また一方において第三者に査察等をやつていただくということは、これは私は初めからそういう考えをもつておつたのでありまして、特に中央委員の平工さんその他の方々にお願いをいたしまして、よく報告も承つておるのであります。特にその報告を聽きましたところには、係官を派遣いたしまして、調べるというような、あらゆる方策を現在講じております。その間におきまして、費用が足りないので、十分に調査ができなかつたとか、何というようなこともあるいはあり得るかもしれぬと思いますが、会するにできるだけの方法は今までやつてきたのであります。なおこの改革を、先ほど申しました精神に副いまして、十分に完遂をするということの手段を、これからできるだけ打ちたいと実は思つております。ただここに御了解をお願いしておかなければならぬということは、農地改革は御承知の通り、現在数字的に申しますと進んでおりますが、なかなか農地改革を、短かい間にあれだけのことをやつてのけるということは、期間的に言つて相当の無理があろうと思います。のみならず、われわれの計画がさらに進行いたしまして、買收ばかりでなしに、賣渡しの大部分も本年において十分にやらなければならぬというようなこと、いろいろなところから仕事の分量が、予想外に時間的に非常に殖えておるということからいたしまして、多少その点におきまして、手が足りないというようなこともあろうかと思いまするが、それらはわれわれできるだけ克服いたしまして、平工委員のおつしやる通り、私は精神において完遂する、できるだけやるより仕方がないのでありまして、努力してできないものは仕方がないと思いますが、私は十分の確信をもちまして、完遂という言葉の通りに、これはできるだけやると言うて御説明申し上げるよりほかに手はないと思います。
○井上委員長 昨日來それぞれ質疑が続行されましたので、大体この程度で質疑を終了しておきまして、なおまたぜひ質問しなければならぬということでございますれば午後に続行いたします。しかし大体委員長としては、各派の皆樣方に御相談申し上げました通り、この程度で、案文もごく簡單でございますししますから、質疑を終了して、各党の態度を御決定を願いたいと思います。なお午後一時半からの問題について各党の御討議をお願をするようにお取計らいを願いたいと思います。速記の関係がありまして、これでこの法案の質疑は打切つておきます。 午前十時三十三分休憩 ————◇————— 休憩後は開会に至らなかつた