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2回国会衆議院1948/05/25

農林委員会 第8号

発言数
43
登壇者
9
会派数
5
開催日
1948/05/25

会議録

井上良次日本社会党

○井上委員長 それではこれより会議を開きます。  農林行政一般に関する質疑を継続いたします。質問は通告順によつてこれを許します、重富卓君。

重富卓民主自由党

○重富委員 それではお尋ねいたします。食糧問題につきましては農林大臣がお見えの節お伺いしたいと思いますが、農業金融の関係についてお尋ねいたしたいと考えるのであります。  農林手形あるいは農林復興金庫といつたようなものを実施されようと考えておられるようでありますが、これは大変結構なことと考えます。しかし今日のインフレの金をもつて農村に貸付ける、その後農村がこれを返えし得るかということになりますと、非常な問題をもつてくるものばないかと考えるのであります。そこで今日の急場を凌ぎますには、一刻も早くそうした機関ができることを必要と思いますが、その後に起る難問題をいかように解決されようとしているのか、これがお尋ねいたしたい一点であります。また、ただ資金の貸付だけで農村が回復するということは考え得られないので、むしろ農家收入を増すという考え方が大事ではないかと思うのであります。ところが先日の農林大臣のお話の中には、そうした面に関したお話がほとんど出ていない。ただ幾分か米價を改訂するという問題のみであつたのであります。その点は私ども非常に遺憾に考えておつたのでありますが、特に農村工業とか農産加工とか、あるいは畜産方面、米麦以外の特殊作物の指導の仕方、そうした方面に関する、いわゆる農家收入をあげてやる考え方に対する御発表がなかつたように考えるのでありますが、こういう方面について、いかように政府はお考えになつているか、お伺いいたしたいのであります。農村工業とか、農産加工ということは、口には非常に言いやすい言葉でありますが、さてこれを実行に移すということになりますと、あらゆる方面からの矛盾撞著がありまして、なかなかこれの実現が困難な状況にあるのであります。もとより農林委員会におきましても、これらを促進すべしという意味の決議や、申合せも今までたびたびしてあるのでありますけれども、具体化するためには、たとえば大藏省、あるいは商工省そうした方面にも相当な難点があるように考えるのであります。かつて私は耳にしたことがありますが、大藏省あたりは、ほとんど農村工業等のことは頭にも置いていないような状況があるように伺つております。これにつきましては農林省としてはどういうふうな態度をもつてお臨みになるか、ただ口先きだけでこれをやると言いましても、容易に行われるものではないと思います。非常な困難があると思います。また今日農村が非常に圧迫されておる状況も、都市産業が興らないために起つた現象であろうと思います。從つて都市産業が相当復活されなければ農村生産と都市生産とのバランスがとれませんために、その取引が不均衡になつてまいります。從つてやはりいや應なしに農村に押えつけておりというふうなこともあると考えます、そういうふうに考えますと、都市産業が相当興らなければならぬ。ところが都市産業を與すのに、農村に適した農村工業あるいは農産加工といつたような面を、都市方面にもつていこうということが必ず起ると思います。さりながらこの農村工業あるいは農産加工を興すといいましても、事実上はそこに衡突があつて、興し得ない。結局農村は金は借りたが、その金を返えす目途もないという形が起つてくるのではないかと考えます。私はその点につきましては、相当農林省とされましても、政府とされましても決意をもつて臨まなければ、農村工業、農産加工あるいは畜産に対する最後の締めくくりといつたようなことも、結局は水泡に帰すると考えるのでありますが、こういう面に関していかようなるお考えを当局はもつておられますか、この点をまずお尋ねしたいと思います。

大島義晴日本社会党農林政務次官

○大島政府委員 農林金融の問題につきましては、ただいま農林水産復興金庫、これをやりたい考えをもちまして、ただいま立案中でありますので、近く御協賛を得たいと思うのであります。從つてただいまの復興金庫のような商工業を主として相手にする金融方法とは、農村金融はその目的が違いますので、ただいま申し上げたような農林水産復興金庫法、こういうものをつくり上げて、農村專門に、しかも商工業者への運轉よりもはるかに長期にわたる点が考慮されますので、金利等もそれらを考慮しておるようなわけであります。從つて農林水産の金融面はこの機関を通じて一應解決し得るのではないかと考えておるのであります。  次に農村恐慌に対する農村工業の振興方策はどうかというようなお尋ねでありましたが、もちろん日本の文化國家の建設とは、都市の商工業者の文化面のみの発達を意味するものでは断じてないのであります。農村の文化の向上こそ私どもは最も望ましいものであり、また全日本の人口の過半数を占める農村の文化の向上なくしては、日本の文化建設はできないと思うのであります。従つてこれらの方法といたしましては、農業振興に関する農村工業振興方策要綱、これに基きましてこれが振興に努めておる次第でありますが、これは單に農村の窮境対策、いわばかつての農村不況時代に取上げられた、農家の家内副業奬励策より一歩進んで、農村近代化を國民経済再建の一環として取上げたものであります。すなわち近代的生産組織と生産技術を具備した農村工業を農村に振興するのを目的といたしておりまして、すでにその線に沿うて農村工業季間工場として、二十二年度に全國に七十箇所指定いたしまして、技術員の養成、工場経営の実習に当らせておるような次第であります。新しくできましたところの農業協同組合の事業といたしましては、これを最も強力に推進することに重点をおいておるのであります。しかもこの農村工業対策は今後農村をめぐる経済事情の変動に際しまして、農村の防衞として大きな役割を果させたいと考えておるものであります。農産加工については、農村工業の一部門として取上げておりますが、その性質上農村工業中最大のウエートを占めておるものと信じられたので、その施策の中心もここに置かれておるような次第でありまして、農村工業面において、かなり大きくこれは扱つていかなければ、農村恐慌対策の防衞にはならないと考えて、この面に最善の努力をしておるような次第であります。

重富卓民主自由党

○重富委員 ただいまのお話で、一應の考え方はわかたのでありますが、從來お考えになつておりまところより、一歩も踏み出していないように考えるのであります。なるほど農村工業あるいは農産加工方面におきますところの、技術面の事柄は取上げられております。これは私もよく知つておるのであります。しかしながら、それの経営であります。しかしながら、それの経営面とか、あるいはこうした企業の許可という面のことが取上げられない限りは、いかに技術面を取上げましても、その技術は死んだ技術になるのではないかと、かように考えるのであります。経営面とか、あるいは許可の面とかいう面になりますと、すべて非常に困難に逢着いたしております。私も今までたびたびその面につきまして逢着いたしたのでありますが、たとえば一つの例をあげますと、今後ともきつと起ると思いますが、協同組合でその仕事をしようとしますと、株式会社でなければ許可しない、あるいは別途のものでなければ許可しないというふうな條件が盛んにつくのであります。またとやかくのことを言つて、なかなかその許可をおろさない。こういう事柄が起るのでありますが、これは結局農林当局と他の関係との勢力的バランスが、うまく合つていないからではないかというふうに考えるのであります。農林省の内部におきますところの農村工業、あるいは農産加工ということに関しまする力というものが、非常に弱いように考えられるのであります。農林省内で各局にばらばらになつて、おのおの自由な動きをしておる、勝手な動きをしておるといふううなことが、他省との交渉に非常な困難を來しておるのではないか。それが結局実際面におきまして、今申し上げましたような許可とか、経営といつた面におきまして、非常な無理な点に逢着してしまう。從つていかに技術面のことでこれを指導、奨励いたしましても、さつぱりものにならないということが起ると思いますが、農林省内のこうした農村工業、あるいは農産加工に関しまする行政機構をもつと強化するために、これを一元化するとか何とかいつたようなごくふうが考案されておるかどうか。たとえば今日までの状況で申しますと、ある工業に関しては一つの局に、他のものは他の局にということのあることは御承知と思います。そうしてそれがおのおのほとんど無連絡と申してもいいような状況で行われておるのであります。これらのものを統一したものとして、たとえば局でまとめていくとか何とかいつたような方法で、農林省内のこうした面のことをもつと強化していくというふうなお考えがあるかどうか。こういう点をお伺いいたしたいのであります。

大島義晴日本社会党農林政務次官

○大島政府委員 農村工業に対する金融の面におきましては、ただいま御説明申し上げた農林水産復興金庫の設立を持つて、これからその通りに運営したいと考えております。  なお事業の運営に対しましては、ただいままでの多大の御不便のありましたことは、ただいま御指摘の通りであります。從つて今後はそういうことのないように、ただいま農林省の機構改革につきましても、相当立案中でありますので、今後はそういうことのないように、極力一元化して進めたいと考えておるような次第であります。いずれ機構改革その他の案も御審議を願わなければ相ならぬことになるのでありますが、その際に、内部等の事情につきましては、詳しく御説明申し上げたいと思います。

重富卓民主自由党

○重富委員 ただいまのお話はわかつたのであります。それでは次に、先ほどの金融問題でありますが、なるほど長期にわたる貸付をされるということはたいへん結構なんでありますが、長期にわたるがゆえに、逆に今度は返済が困難になつてくるという事情が起つてくるというふうなことも予期されるのであります。と申しますのは、今日のインフレ下における金を借りのでありますから、後に貨幣價値が上つてくるというふうな場合に対する対策として、いかようにお考えになつておるか、現在の貨幣價値の額面でもつて何年か後に返す。貨幣價値の上つた通貨でもつて返すということになりますると、むしろ今日農村に與えた便宜が、今度は逆に農村を苦しめる。貨幣價値の安い金を借りて、貨幣價値の高い金を返さなければならぬ。しかも御存じのように農村の利潤と申しますか、企業利益というものは非常に少いのであります。自分の血と肉とをわかつてこれを返さなければならぬというのにもかかわらず、安い貨幣價値のものを借りて、高い貨幣價値のものを返さなければならぬという実情が必ず起つてくると思います。そういう際に対する対策としてのお見透し等を御説明をくだされば、たいへん結構だと思います。

大島義晴日本社会党農林政務次官

○大島政府委員 ただいま金融は、インフレが一應止まつて経済界が安定した場合に農村が非常な過重な負担をするがどうかというお尋ねでありますするが、もちろんこのままインフレが継続していくことは私どもも考えておりません。從つてどこになつて安定点が見出されて━━必ず安定へくるときがあると思うのでありますが、その際における取扱い等に関しましては、経済全般との関係がありますので、そこに特別な処置が講じられることと考えておりますので、ただいま農林省といたしましても、その際におきましては、全体的なそこに一つの区画がきめられるものであろう、かように考えておるわけであります。

重富卓民主自由党

○重富委員 もう一度お尋ねいたしたいのであります。ぜひこの点につきましては、現在からはつきりした見透しと、そのときに対する対策を、当局としてもお立てにならんことを特にお願いいたしたいのであります。たとえばそのときに借金の切捨てとか何とかいうようなことを、今から御考慮願つておきたいということをお願いいたしまして、金融関係にしまする質疑を打切ります。

井上良次日本社会党

○井上委員長 次は坪井君。

坪井亀藏国民協同党

○坪井委員 農林大臣に質問いたしたいと思いましたが、時間の関係もありますので、もし大臣がお見えになりますれば、再度あらためて不明なところだけを大臣に問うことにいたしたいと思います。一應大島次官に質問いたします。  農業物價の問題でありますが、農業経営の本質は、農産物價が一番大きな問題でありますて、農業経営の成立ちは、農産物價が適正を得なかつたならば、決して農業経営は成り立ちません。この見地から、農産物價の改訂は、他の一般物價との均衡を得ることが最も必要である。他の物價の改訂に伴つて、農産物價の適正改正を要望しつつあるのでありますがゐ遺憾ながら主食については、ほとんど生産費を割る價格でありまして、とうてい現在のころ主要農産物の價格においては農産食糧増産の意欲を減退いたしまして、結局増産を奬励いたしましても逆比例してくるというようなことになつておりまして、いわゆる供出農家もほとんど顛落農家に化しつつあるという状態に置かれておるのであります。もちろん政府としては、これらの改訂については相当愼重審議されまして、しかも閣議において米價については十二分に檢討されておるようでありますが、聽き及ぶところによりますと、現在の千七百円を三千二百円見当にもつていくのではないかと言われておりますが、その程度の米價の改訂であつては、まつたく現状の労賃金の高昇によりまして、結局生産費を割るという現状になつておるのであります。少くとも現在のこの米價は、全國的に最近のやみ價格から推してみますと、都市と地方とを問わずやみ價格が大体均衡しておるのであります。車中その他各方面でかりに米の今の値段等を伺つてみますと、大体六大都市方面においては一石約一万八千円から二万円くらいにいつておるのではないか、生産地においても一万五、六千円より一万七、八千円という價格になつておるのであります。その現状からみまして、現在の米價が千七百円であり、今後かりに改正されて三千二百円程度になりましても、わずかにこの七分の一の價格というような現状になつておるのであります。いろいろ政府の調べを見ましても。石あたりの生産費から見まして、二十二年度の生産費は一石あたり千三百七十七円六十銭かりにかかつておるといたしましても、現在一石千七百円の價格でありまして、かりに二石とれましても三千四百円にしかならぬのであります。賃金を加算した場合においては、生産費が石あたりどんな安くても三千円くらいはかかるではないかというときにおいて、わずかに石あたりで四百円くらいしか收入がないというような現状になつておるのでありまして、その他いろいろ諸税負担を考えましたときに、この基準がどこから出ておるかわかりませんが、浜松地方の田の一反歩の農家所得は大体三千五、六百円から五千円に見ておるのであります。そうしますと、結局税金も拂えない、税金だけで米を全部賣つて支拂つても足らないというような、現在の農業所得の採算をまつたく無視した價格である。米價は増産意欲を高揚せずして、農民の生産意欲をますます窮地に陷れ、減産させる一番大きな禍いをなしておることになつておるのであります。政府はいかなる方法をもつてこの米價の改訂につていは苦心をされておるか。戰前においては生産費を基準として全部改正されてきましたが、最近においてはパリティ計算をもつていくことに相なつているようでありますけれども、現在のパリティ方式によりましては、三千二、三百円以上にはとうていいきそうもないと思う。こんなことでは、いかに改正されても有難くないという現状に置かれているのであります。今後米價は申すに及ばず、他の麦類あるいは芋類、その他雜穀等の改訂にあたつては、もとに戻してどうしても生産費を織込んで、それを本として價格を改訂すべきであると考えております。これにつきまして政府としては、今後この改訂の基礎をどこに置くか、どこまでもパリティ一本でいかなければならぬか。またこれについてはGHQでどうしてもパリティ計算でやれという指示があるのか、ないのかというような点についても伺いたい。それがないとしたならば、独自の立場において、どこまでも生産費を基準とした價格を決定していくということと、もう一つは、現実の時價、いわゆる全國どこにおいても取引されているやみ價格はあてにならぬというけれども、現実の價格からみると、米價にしても、他の主要食糧は七分の一あるいは八分の一の價格に相当しているようであります。ただひとりこれは米價だけでない、芋類に対しましても、甘藷のごときは、現在マル公が一貫匁十円内外におかれているのでありますが、今生産地でやみで賣られているものは、大体六十円から六十五円、それが東京なりあるいは大阪地方へ持つていくと、百円から百二十円になつております。そういう点からみると、ここにまた十分の一か、七分の一にしかなつておらぬというようなことになつている。これは米の現在のマル公とやみ價格とよく匹敵しているのであります。こういう点を十二分に考慮に入れて、收支償う價格を決定する、しかも農村ではマル公で供出いたしまして、あとは全部抑制されて賣ることはできない、家で食つて、賣るものはないから、現金收入がない、現金收入がないところへもつていつて、莫大なり課税をせられるという現状になつているのであります。まず第一に、農業物價の改訂については、以上申し上げましたように、どこまでもパリティ計算でいくのか、それともその他の方法をとるのか、また今後は生産費を織込んでいく意思はないか。あるいはまた現在のやみ價格は、現実の問題として他の一般物價に均衡しているものとかりに仮定しますれば、これらを取入れて、十二分にこれを織込んだ價格をとつてはどうか。なおまたGHQは、どこまでもこのパリティ計算でやらなければならぬという指示があるのか、ないのか。ないとしたならば、独自の立場でやつたらよくはないかと考えております。なおまた今度かりに改訂されるということになりますと、この價格差の差益金が出てくるわけであります。これらは、もしかりに出るならば、当然供出農家にこれを還元していくということが、最も適当である。これを全部政府の差益にするということはもつてのほかであります。過去の例から見ますると、大体三分の一は國庫につぎたすとか。あるいは三分の一はその生産者にこれを還元するとかいうようになつておるということを伺つておりまするが、主要食糧等についての價格差益金というものは、これは水ぶくれ的な金ではない。まつたく農家が粒々辛苦いたしまして生産された、血の汗の結晶の食糧である。それが今度價格がかりに上つたという場合において、その上つた差益金を全部政府が没收するということは、まつたくこれは食糧増産をする上において、その意欲から見ても、そこに及ぼす影響が非常に大きいと思う。なおまた三分の一はその事業の奬励というようなことにも伺つておりまするが、こういう点については過去の方針を一擲いたしまして、全部を生産供出農家に還元すべきだということを主張いたします。これら数点についてまず質問いたしたいと思います。

井上良次日本社会党

○井上委員長 ちよつと申し上げますが、米價問題については先ごろ委員会としても、非常に重要でありますので、懇談会において政府の取扱い方に関する方針を承りまして、そのときにはまだ具体的に政府として対外的に発表する段階に至つていないのでありまして、その後いよいよ新予算も閣議で檢討を加えられ、また新米價に対しても、それぞれ閣議で檢討を加えられておるそうでありますから、米價の内容につきましては、まだ公開をするわけにはまいりませんので、午後劈頭に政府側から詳細な内容についての報告を求めることにいたします。今の坪井さんの質問の点で、発表して差支えない範囲において、政府側から答辯を求めます。

大島義晴日本社会党農林政務次官

○大島政府委員 現在米價は依然としてパリテイ方式によつて算出を行つておるのであります。その趣意は、農家の購入品の價格と均衡のとれた米價を求めるということであります。從つて米價は一般物價と均衡をとつて決定されておるのであります。近く予想されますところの諸物價の價格の補正等につきましては、昨年度産米決定当時のパリテイ指数が相当に上昇する見込みでありますので、これに伴う二十二年度の産米價格に関しては、その処置を目下いろいろ考究中でありますが、ただいま委員長の言われたように後刻適当な方法で、その内容を差支えない限りにおいて発表いたしたいと考えております、きようはさいわい所管の局長が見えておりますから、詳細のことは局長の方からお答えいたします。

片柳眞吉食糧管理局長官

○片柳政府委員 米價問題につきましては、ただいま政務次官からお話がありました以上には、この際あまり詳細にはお話できないことを遺憾といたします。午後の懇談会におきまして支障のない限りにおいてお答えいたします。ただ先ほどパリティ計算でいくのか、生産主義でいくのかというような御意見がありましたが、これは御承知のようにパリテイ計算をとらない前の米價決定の際には、主として生産費を中心にして、それに物價參酌値を加えて決定をしておる。こういうような過去の米價の決定の実体であります。ただあれでいきますと、過去に投資された生産費をベースにして米價を決定する。こういうことで從來はきめておりましたが、物價が安定しておりますときは、過去に投下された生産費をベースにして、その後の米價をきめるということでも、大体これは合うと思いますが、昨今のように物價が非常に変動する。むしろ非常に乱調子に上つていくというような状況におきましては、生産主義のみで見ることは、かえつて妥当な結論を得にくいのではないだろうかという感じをもつております。さらに約二千戸の農家について生産費の調査をやつておりますが、実はこのデーターをとつてみますと、生産費にもぴんからきりまであるわけでありまして、この二千戸の調査した生産費の平均の生産費でやつていいか。あるいはバルクラインの方法で大多数をカバーする生産費でやつてよろしいのか、あるいは耕境に近い非常に高い生産費できめていいのかというような点についても、いろいろ実はこまかい御議論もあると思うのであります。さしあたりことしの麦と馬鈴薯につきましては、先ほど政務次官からお話のありましたように、これは從來のようにパリテイ方式で大体きめざるを得ないのではないだろうか。ただ二十三年産米につきましては、なお檢討をしておりまするが、大体の政府部内の空氣としては、やはりパリテイ計算のついてやることが適当ではないだろうか。ただパリテイのウエイトのとり方等につきましては、さらに檢討をしていきたいと考えておりますが、どうも將來も物價が相当上るという情勢におきましてはパリテイ計算ということが、小くとも現状では大体妥当ではないだろうかという実は考え方をもつております。  なお今年の現在やつている米價の調整金の問題については、午後の会議において御説明申し上げます。

坪井亀藏国民協同党

○坪井(亀)委員 ちよつと伺つておきますが、パリテイ計算はGHQからの指示があるのですか、この点を伺いたいと思います。

片柳眞吉食糧管理局長官

○片柳政府委員 関係方面から指示というわけではありませんが、各般の價格の決定についていろいろ向うの意見も聽きますし、また私どもの方の意見も申し上げて、結局結論としてあの方式へいくことが現状では妥当ではないだろうかということになつたわけでありまして、明確な指示によつてやつているというわけではございません。

坪井亀藏国民協同党

○坪井(亀)委員 價格問題については、重要な問題であるし、また非常に生産者並びに國民消費者という関係を考慮すると、重要な問題でありまして、一朝一夕にはなかなか論議が盡されません。ただ適切、妥当という言葉が使われますが、過去においてはいつも不適切、不妥当であつて、今後この價格決定後では証文の出し遅れとなりますから、ぜひ決定において局長はがんばつて、どこまでも生産を増強し、收量をあげなくては、供出の面にいつて結局少くなつてしまうことは当然であります。何としても現状においては、いろいろな方式はあろうけれども、價格を相当大幅に引上げるという一大決意をもつて、局長は職を賭しても今度のこの價格の引上げにはがんばつてもらうことが必要だということを、特にこの機会においてお願いをしたいと存じます。大体農産物價については以上で打ち切ります。  次に農村金融について質問をいたしたいと存じます。前々大臣の平野農林大臣当時に、農村金融については質問をしたことがありますが、農林中央金庫がわずか資本金二億五千万円ばかりではどうすることもできないと言われておりましたが、しかしその後農林中央金庫も増資して、現在は四億円近くの資本金のようでありますが、その内容たるや、ほとんど一般農村金融方面で預貯金を見ても、中金に集つたものが一番多いときで三百億くらいあつたのではないか。昨年末あたりでは百八十億くらい、本年の一番少いときは八十億を割つているという現状は、事実において農村の恐慌を物語つておるのであります。百姓には金がなくなつた、いわゆる預貯金ができない現状になつていることは事実であります。こうした観点から、今後國を再建する途上においては、何としても農村の金融、いわゆる生産事業である農村の金融を円滑にしなければならない。ただ農村金融については考慮を拂つているように言われておりますが、これらの考慮を拂われている、研究されている、実現化しようというその構想というか、その内容について、大体外郭たりともできれば発表願いたいと思います。大体今の復金等はわずか一年いくらの間に九百億の資本金にして、どんどん貸付けて復興をはかつておる。農村金融についてはそうした面が開かれていない。農村において牛一頭買つても五万円、八万円、十万円という金が要る。農業協同組合等において、かりに家畜の購入資金等の貸付をいたしましても、牛馬一頭買うだけの金が貸付けられない、ようやく三分の一くらいの購入資金しか貸付けることができない。だから農家一戸に対する貸付には限度がありまして、どこの農業協同組合にいつても、毎年一戸の貸付限度は二度がありまして、どこの農業協同組合にいつても、毎年一戸の貸付限度は二万現状においては、どうしても相当大きな構想のもとに、農村の金融をはかることが必要になつてまいつております。私どもの考えによれば、少くとも三百あるいは三百五十万戸の農家を対象としたならば、五百億くらいな資本を國家においておるして、農林中央金庫に十二分なる運営をはかつてもらう、そうして農村の金融を急速に解決するようにしなければいかぬ。かように考えておるのでありまするが、なおまたこれらの利率等について、あるいは償還の方法あるいは貸付事業の内容というようなものが、かりに幾分でも案があるならば、早く知らしめて、今から早くこの資金を放出してもらうということになれば、それだけ各般の農林の事業経営が円滑にいく、從つてこれによる恩惠により、相当ここに農村の経済を円滑ならしめることは、火を見るよりも明らかだと思います。いたずらにこれに日時をかけておつて、前々平野農林大臣当時から言明しておきながら、今もつてそれがはつきりしないということは、あまりにも政府としては怠慢ではないかと私は考えております。はなはだこの点は遺憾に考えておりますが、これらについてどういう構想をもち、いつごろまでにこれを実現せしめるかという、ひとつ具体的の内容についてお聽かせを願いたいと思う。

大島義晴日本社会党農林政務次官

○大島政府委員 農村の金融につきましては、先ほど重富さんからも御質問がありましたのでお答え申し上げましたが、まことに緊急を要すべき問題と存じまして、ただいまその立案中であります。今期國会に提案いたしまして、さいわいに御協賛を得て実行をいたしたいと考えております。この構想の内容等につきましては、近く文書をもつてお手もとに差上げる予定をいたしておりますが、農村漁村が商工業者の金融面と異なることは申すまでもないのであります。しかも長期にわたり低利を必要とする、こういう建前でありますので、一部においてはただいまの復興金融金庫の中に一つの部を設けて、これをやらせるという御意見もありますが、農林当局といたしましては、それには賛成いたしておりません。從つて別個のものをつくりまして、この農村漁村等の金融の途をつけていきたいと考えております。

坪井亀藏国民協同党

○坪井(亀)委員 農林中央金庫の構想がわからないという、なおまたこの金融面については今準備中だという話でありますが、これは急速にひとつ実現を願うように、特にこの際お願いをいたしておきます。  次に農業課税について質問をいたしたいと思います。御承知の通り、農業所得並びに農家においても勤労所得者もあります。それを総合いたして総合所得を累進によつてこれを拂いますると、結局ほとんど勤労所得者の給料がただになつてしまう、一年働いても結局ただ働きになつてしまうという現実の問題であります。これは今後どうしても、農業所得と勤労所得者の総合ということは分離すべきであるということを考えておりますが、これらについてはどういう考えをもつておるかということと、なおまた、今度農業事業税を課するということであるが、かように現在でさえこれが惡税と言われておる。あるいは殺人税金と言われておるのであります。靜岡縣浜名郡小野口村とか、あるいは関西地方には、税金のために遂に変死をしたという者も数名見受けられております。まつたく殺人税金と言われるような場面に直面してまいつておるのであります。この税の課税というものが、申告制に所得税はなつておるのでありますが、これを税務署が無視いたしまして、いわゆる天降りの税金を課する、更正決定をしておるというような点が、どこの税務署管内においても見受けられておるのであります。これらについては、今後、どこまでも、納得のいく所震によつたところの耐え得る税金でなければいけないということは当然であります。しかるに本年の一般農業所得というものが、かようなる惡税であり、あるいは殺人税金とまで言われる過重なる税金であつたのに鑑みまして、今後これらについて申告制をどういうぐあいに今後取扱うか。私どもといたしましては、大体これは何としても農業所得というものには限度がある。おのずから賣るものと、あるいはまた保有するものと二色ありますが、これは所得でありますから、もちろんマル公價格によつて当然これは算定すべきであるにもかかわらず、税務署はいわゆるやみ價格によつてこれを算定いたしまして、やみ價格とは言わないで、実收入と称して課税しておるようでありますが、実際の実收入があつたものに対しての税金ならば納得がいきましよう。しかるに、全然マル公で巧出し、残りは自己保有とし、あとは賣るものがなくても、一反歩いくらという一つの天降りの收入査定をもつて、更正決定をよこして、これを納附しろというような、いわゆる天降り割当税を課しておるということは、はなはだ不都合だと存じております。過般のどなたかの質問に対して北村大藏大臣は、これは割当ではないのだ、これはどこまでも申告制だと言われておりますが、それを無視いたしまして、そうしてかようなる重税惡税が課せられておる。しかもこれが割当である。今後各府縣の各税務署に対しまして、特に農業方面、もちろん所得税一般のものも対象となるのでありますから必要でありますが、特に農業者に課せられるそうした割当の一つの基礎といいますか、田畑あるいは品種別等において、どこらを基準とし、どこらを標準としてこの割当査定を行つて、そうして農家に対する更正決定をしたか、これをひとつ各府縣別の税務署別に、全部私はその資料を取まとめて、緊急この委員会に提出を願いたいと思います。これによつて、われわれは税金についてどこまでも愼重審議いたしまして、どこまでも申告制をとるならば、そうしたむちやな收入のないものについて、ただ一定の天降つた反当の査定においてこの税金を取立てるというような不都合なる課税ということは、今後どこまでも是正させたい、かように考えておるのであります。どうかこの基礎資料を速急に與えていただきたい。これについての政府の御意見を伺いたいと存じます。大体桑園地方等の樣子を伺つてみますと、一反当りの総收入は大体三千六百円から五千円ぐらい、なおまた畑一反の收入は五千円から六、七千円まで、蔬菜は、七、八千から一万円ぐらいまで、あるいは果樹類は二、三万円、あるいはその他桑園、これが特に私は納得がいかぬのですが、桑園一反から大体千円とか千五百円とか、賣らぬ桑を賣つたものとして、これを一つの基準にあてておる。なおまた繭一貫目の賣上げ價格を二百五十円とか、あるいは三百円という基準を立てておるようであります。養蚕者であるならば必ずその桑を蚕にくれて繭にして賣るのであります。しかるに桑園一反あれば漠然と千円なら千円、千五百円なら千五百円というものを課税の対象にし、なおまた繭にも課ける。いわゆる繭については二重課税を行つておるという現状であります。むしろ桑園に何か間作その他がありまして、桑園から何かでき得るものがあつた家のものは、これはそこから上つたものに課税するということは、桑の間作として場合によつてやむを得ないが、ただ桑園に漠然と千円以上の課税標準で課税して、なおまた、その桑を賣らずに、その桑をくれて飼つた繭に対して一貫目あたりで課税して取るということは二重であります。どうしても納得がいきません。今後こうした関係は、これを一方的にして、桑で賣つたものには桑園に課税し、なおまた繭で賣つたものは繭に課税するということが当然であるべきものが、そうした二重課税になつておることは、まことに不都合なる課税だと言わねばなりませんが、これらに対しましてどんな御方針をもつて課税されておるかということについてお伺いをいたしたいのであります。とにかく、こうした大体の━━これは一税務署、浜松地方の標準のように伺つておりますが、全國的には、相当これは地方によつていろいろ大幅な開きがあろうと思います。こうしたことは、わくをきめておいて、そうして更正決定によつて申告制を無視いたしまして、そうして割当によつてどんどん税金を納付させようという、まことに非民主的なる課税については、どうしてもわれわれは納得できません。この点について、政府特に大藏当局は、今後どういう方針をとられるか。どこまでも申告制を愼重に扱うならば、申告決定を主にし、最終決定によつて、実際の実收入を基礎とするならば、それで構わない、それでいけばいいが、何ら收入のないところに違つたところの基準を設けて、結局天降りの税金をかけておるというような、この不当なり割当基準なるものがどういう基準になつておるか、これがあるならばお知らせを願いたい。ないとしたならば、横暴極まるから、今後ただちに各税務署に向つて取消しをお命じ願いたい。これらについてお考えを承りたい。  時間がないから、もう二点続けて伺つておきたいと思います。食糧一割増産の件でありますが、これは鳴物入りで、ただ役目的に、こうしたまるでチンドン屋式に、ただ何でもいいから自発的に一割の増産をせよというようなことで、莫大な印刷費とその他の経費を使つて宣傳してやられておる。そんなことはないと言われますが、何でもいいと、まずたくさん並べまして、そうして、どの目標に向つてでもいいから、ぜひ一割増産をやつてもらいと言われますが、各関係省は資料、肥料その他いろいろな面で一割増産に協力すると言われておりますけれども、まことにこれが薄弱でありまして、そうして農家がこの一割増産ということについて、まだまだ関心が薄いような感があるのであります。少くとも一割を増産せよというのには、生産に対するところの一割くらいの金を政府が支出するということは当然だと考えております。これについて政府は、一割増産についての経費をどのくらい計上し、なおまた一割増産についての対策としてどういうことを考えておるか、かりに米についても、六千二百万石年にとるとして、一割増産できれば六百万石余でありまして、六千七、八万石になります。一石三千円以上になりましようが、かりに三千円といたしましても、少くとも米だけの総金額が二千億という数字になる。少くとも米だけでも、一割増産せよというなら、一割くらいな金を政府が出すのは当然である。土地改良に出すなり、あるいは農業なり、その他技術指導なり、何でもいい、その金がすぐ物になるのだから、一割増産のためには一割ぐらいの金を政府が出すことは、食糧問題の解決上最も重要である。少くとも米だけでも二千百億以上の総金額になる。なおまた麦類、芋類、あるいは雜穀その他を入れますと、優に私はこの食糧の総賣上價格というものが、二百五百億あるいは三千億近いのじやないか。その一割を増せば、結局三百億くらいの金は一夜に使つても惜しくはないと思う。しかるに現在のこの食糧増産に対する費用がきわめて少い。特にこれは一割増産といたしまして、今後政府がどのくらい金を支出して増産するか、この費用等の内訳について、明確に一つ御指示を願いたいと思います。なおまた少かつたならば、もちろん今の本予算の計上に際して、強く要望してこれを計上すべきで、総賣上に対する一割くらいな経費は当然必要経費として計上して、この一割増産の目的を達することが必要だと考えますが、これらについてひとつお考えを伺いたいと存じます。  次に農林関係の予算でありますが、過去においては義務費に終りまして、こうした一般増産方面に対することが特に取上げらておらなかつた。やつておつてもきわめて微力だつた。この点については、農林省は特に必要なる経費をこの際においてどこまでも主張いたしまして、わが國の現状としてはどうしても食糧問題の解決が第一主義である。その次にはいわゆる繊維、繭のとにかく一躍増産、あるいは山林方面の育成、これらの方面に至るまで、農林関係の予算というものは特に増産に役立つのでありまして、他の消費するところの、あるいは固定する方面の資金とは違い、必ずこの農林方面の予算はただちに血となり肉となり、必ずやその効果が物によれば数百倍、数万倍というような実績を收めることができ得るのであります。それを強く主張いたさずして、ただ收入がないからやむを得ない、査定されたからやむを得ないというような関係で、今までややもすると継子扱いとなり、農林関係の予算が非常に少かつたのを遺憾としております。この機会において、もちろん委員会においては提案されれば研究するだろうと思いますが、今農林委員会において十分に政府の意のあるところを発表されて、それを審議し、それを本予算にもつていくということをせずして、ただ各省の一つの案によつて、それだけによつてこれを行くということよりも、今後そうした委員会の意見を十二分に聽取した上で、その方向にもつていくということが最も必要ではないかと考えますが、これらの点についてどなん考えをもたれているか、なおまたどのくらいの経費を、どの方面にどういうぐあいにしているかという点について、特に私は農林関係の予算といたしましては、食糧方面に関係したこと、特に蚕繭の増産方面、あるいは林産方面にわけて、明確にこれを指示願いたいと考えます。以上時間がありませんので一括して質問した次第であります。なおまたその所管がいない場合においては、後に追つて機会を見て質問にお答え願いたいと思います。

井上良次日本社会党

○井上委員長 委員長から申し上げますが、質問者が非常に多うございまして、時間が限られておりますから、できるだけ簡潔に要点だけをつかんで御質問願いたい。なお重複する点はできるだけ簡便にやるとか、あるいは避けるとか、お願いしたいと思います。

大島義晴日本社会党農林政務次官

○大島政府委員 農業所得税につきましては、かねて皆樣とともに農林省並びに大藏省等の御出席を願つて、その性格、その取扱い等についていろいろ懇談いたしまして、あのときに大藏省の申しております通り、個々の農家の所得を基準として計算するということを、子藏省は申しておりますが、私もその後地方の税務署にまいりまして詳細に調べましたところが、ただいま坪井さんの御指摘になりましたように、田がいくら、畑がいくらというようにきめられておようでありますが、さらにこれを税務署長に聽きますと、既往の実績に徴して大体の標準を示したのであつて、決してこれで押しつけようということは考えていないということも、税務署の署長も申しておるわけでありますが、たまたま税法の計数等に非常にうとい農村のいき方といたしましては、つい税務署に負けて、これを承認しなければならなかつたというような事態があり得ると思うのであります。今後はこれらの問題が徹底するように、農村に呼びかけてまいりたいと思つております。  一割増産の問題につきましては、これは國際食糧委員会から、世界食糧増産のために一つの指令がまいつておるのでありまして、たまたま日本ではただ標準なくして食糧の増産をするということではぴんときませんので、かりに一割という数字を使つて一割増産というような問題にして取上げておるようであります。この内容につきましては農政局長からあとで詳しく御説明申し上げることにいたします。  農林省の予算としてはなはだ少いではないかということはごもつともでありまして、私どももそう考えて、せいぜい努力をいたしておるのでありますが、要求額の半分にも満たないような査定を受ける今日の状態においては、なかなか思うようになりません。  しかもこの委員会の運営等について、私は先般井上委員長とも相談をしておるのでありますが、予算あるいは財政金融委員会、農林委員会というものとの関連性をもつと密接にしてやることなくしては、この実現は困難ではないかということを井上委員長にも申し上げ、井上委員長の方においては、何かそこに腹案があるようでありますが、こういうような各般の連絡をとりまして、予算等については万全を期しい進みたいと考えております。

山添利作農林事務官

○山添政府委員 ごく簡單にお答えいたします。一割増産に直接関連いたします予算としては四千六百万円でありまして、そのうち六百万円は三化めい虫を退治するためのD・D・T購入助成でありますが、あとの四千万円は府縣に流しまして、府縣で行います運動の費用に充てておるのであります。それは委員会の費用でありますとか、あるいは町村で増産の協議会を設けるということの費用にあてることにいたしております。ただいままできまつております予算はそういう少額のものであります。元來食糧増産につきまして私ども考えておりますのは、結局食糧増産をなる得る環境、條件を整えるということが骨子であり、一番大切なことであります。そのために、肥料等につきまして極力増産をはかつておるのであります。また農機具の資材につきましても、昨年よりも倍万殖やしてもらつておるということは、すでに御承知の通りであります。しかしこの増産運動としましては、坪井委員から御指摘になりました課税の問題が非常な障害をなしているのであります。この問題につきましては子大島次官から御説明がありましたが、將來といいますか、來年度から大体村ごとに委員でも設けてよく税務署の方と打合せをして、農民の方からも資料は提供する、税務署の方も天降りはしない、こういうやり方でやつていきたいということで、私どもいろいろ話をいたしておるのであります。これは余談でありますが、もとより食糧増産のために非常な予算を使いますということは、先ほど申しますように環境を整えるということで、それはやはり金を出すことによつてあるところのものを予定するのでなければならぬわけであります。そのものについては、今申しますように非常に努力をいたしております。それ以外の問題につきましては、結局價格問題ということに関連するわけで、助成を出すなり、價格を適正にするということに相なるのであります。しかし結論といたしまして、現在もらいました予算はきわめて不十分でありますので、ただいま新しい予算を要求いたしております。それから意味は違いますけれども、増産されましたものに対する追加供出、これについては公定價格の三倍ということになつております。この金は、いくら追加供出がくるかわかりませんが、相当巨額になると存じます。

平工喜市社会革新党

○平工委員 時間が大分遅れましたので、簡單に申し上げます。今農政局長の言われたことは、食糧増産をなし得る環境が非常に大事なことであります。一年の間に農林大臣の顔が四回も変るということは、わが國の例の上ではあまり多くないことであります。これは一体農林行政というものが、國の行政全体の上からあまりにも嘗められ過ぎておる結果、こういうふうになつてしまつてと思うのでありますから、私の以下申し上げることに対して、局長からお答えを願うよりは、委員長及び政務次官に今後ひとつ御努力を願いたいということをねらいとして私は申し上げようと思つております。農産物價の問題につきましても、私はこう考えておるのであります。現統制の是非を反省することが必要であろう、官僚統制にして中間のマージンをあまりに多くするがために、遂に表の公定價格のルートで取引きが滑らかに行われるはずのものが、やみに追込まれてしまうというようなことになる。その結果また一昨年と同じように、農繁期の田植えのころに、百姓が一人前に働かねばならぬときに、集團野荒しというようなことになつてくるために、竹槍を持つて夜中寝ずに番しておる。かに食われ、のみに食われ、ひるに食われる。あらゆる税金から、過剩供出から苦められた農民が、また竹槍を持つて防衞せねばならぬような状態にしておいて、一割増産もへちまもあつたものではないということになる。だから食糧増産一割ということについは、環境ということになりますと、今食糧管理局長官がおつしやつたようにパリテイ計算、これで結構だと思う。司令部の方から一定のわくはきめられたろうけれども、起算の基礎についてはそんなにこまかく指定されていないから、もう少し大島義晴氏のごとく迫力をもつて、この滑稽きわまるような結果に終らぬように、ひとつ十分監視、指導してもらいたい、これは重い下駄を預けておきたいと思います。  それから今一般予算が暫定予算と言われておりますが、あの暫定という言葉をもうちよつといい言葉にしたいと思つております。農産物價格についても、一箇月々々々の間に合理的にきめていくことこそ必要である。それにはもうちよつと美しい名前をつけて、暫定なんてやるせない、恥しいような言葉を使わないで、國の予算でも一年に一遍にきめても何にもならないから、この農産物價格については思いきつて考え直して出発してもらいたいことを切望するのであります。  それから農民金融の問題について、先日東北六縣の農業会長あたりが陳情された手ごたえについて伺いますが、きようここでお答え願わなくても、後日でも結構であります。過去の農業会長なんかには、今この際金融方面で新しく金を出しても、燒石に水のごとく人件費に穴埋めされてしまう、もう食糧対策どころか、干害対策どころか、水害対策どころか、二階から目藥のような予算を人件費に使われてしまうというようなおそれもあるかもしれないけれども、これは十分過たざる監督をして、過去の穴埋めにするとか、あるいは退職金等にその金を食つてしまうようなことのないように、嚴重に監督するという條件のもとにやればいい。この間の東北六縣の農業会長あるいは日本中の農業会長の要求したことは、農業会長自体は古い時代の人たちでありますが、古い時代の人物が來たから金が出せぬというようなことを万一考えるならば、角をためて牛を殺す結果になつてしまう。もう二十三年度も今これから手を打とうとしたところが、すでに半年は過ぎ去つてしまつている。関東大水災のごときああいう降雨量が日本中にあるときには、おそらくこの夏には洪水の脅威もあると思います。村山その他の貯水池の水が満々とたたえられている。なおこの上雨がうんと降るというときには、日本の本土の土の中には十分水を吸つているから、そこへ大きな降雨量があつたら、もうゆゆしき問題が起る。そこで申し上げますが、濃美平野の土地改良について、昔宝永年間でありましたが、たつた三百町歩を干拓するために、あの木曽川の境にある岐阜縣の笛松陣屋から、ある大地主に三十五万両の金を貸して、そしてこの三百町歩の土地を干拓したということであります。宝永年間の三十五万両というば、今日十億円以下の土地改良費ゐ一割増産を目論もうとするなんてことは、まつたく痴人の寝言、あきれかえつて物が言えないような予算で、やれるわけがない。たつた三百町歩に三十五万両、あの愛知縣、岐阜縣、三重縣の一部にまたがつた平野から、食糧宝庫として米を取上げようとするために、幕府時代ですらあれだけの巨費を投じて土地改良をしているのであります。しかるに今日敗戰後から立直るときに、農村の方が復興しないでおつて、消費部面においていろいろな勢力が起つて、関西財閥の御機嫌を伺わなければ大臣が勤まらない。大臣になつたら関西方面の御機嫌を伺いに行くというようなことで、われわれ農民の代表者が出た所へは、きようはどなたが見えているか、大藏省のお役人が見えているときには、はなはだしく君臨して、いかに懇意な者といえども、はいるなり君々と言つて陳情者に向つて挨拶するが、これが関西財閥の所に行つたら低頭平身するに違いない。かようなことで食糧増産も農村復興もあつたものじやない。農政局長の言われた環境については、本会議では、重富さんの御発言なんかについて、党派の違いからやじをとばすような態度をとるのである。少くとも農林委員会は一致團結して、いつでも内閣の生命を奪うか奪わぬかというような威力を示すことが私は必要だと思う。この環境をつることについては、この農林委員会の大きな責任があると思つておるのでございます。でありますから、今のパリテイ計算なんかに対しても、せつかく坪井さんが力説されても、これはまるで泉水の銅像に水をかけたように、何にも農政局長に滲みこんでおらぬと思う。われわれは農政局長の御答弁を伺いたいとは思わぬけれども、農林委員長や大島次官はほんとに経驗者でありますから、今度はしつかり新しく踏み出してもらいたいと思います。きわめて抽象的でありますけれども、後日に期待するものでありますから、御答弁は願えたら大島政務次官から、あの関東及び東北の水害の結果、今年その一割増産がなし得る状態にまで手が打てておるかどうか、御信念をちよつと承れれば満足だと思うのであります。

大島義晴日本社会党農林政務次官

○大島政府委員 一々ごもつともな御意見でありまして、御趣意の向きはそれぞれに傳えまして、御希望に副うように努力いたしたいと思つております。なお水害の復旧等に対して、はなはだ進行しておらぬ事実は、私どももこれを認めざるを得ないのであります。しかしながら農林当局といたしましては、荒廃農地の復興等に対しては最善の努力をいたしておりまして、特に一應の見透しのついたものに対しては、特別金融の斡旋をしてまでも、この六月までに何とか目鼻をつけたい、かように考えてせいぜい努力いたしております。

井上良次日本社会党

○井上委員長 さきに質問中ちよつと保留した分がございますので、重富さんに食糧管理局長官に対する質問を許します。

重富卓民主自由党

○重富委員 食糧問題につきまして管理局長官にお尋ねいたします。先日の大臣の御答弁の中に百六十万石農村に還元をする、こういうお話でありましたが、そういたしますと、農村側から五百万石の要求を出している。それが三百四十万石切り捨てられたことになるのでありますが、これはどういう査定の基準をもつて切り捨てられたのか、これをひとつお伺いいたしたいのであります。それからなお、これで百六十万石の不足が都市面に起ると思います。農村面には三百四十万石の食糧不足が起ると思います。これの穴埋めをどういうふうにしてされるのかということ、これが第二点であります。第三点といたしましては、五百万石の要求を出したものを、府縣別にはどういう状況で要求をしたのかということと、百六十万石の還元は府縣別にどういうふうにされたかということ、これを表をもつて農林委員会の方にお示しくださればさいわいだと思います。

片柳眞吉食糧管理局長官

○片柳政府委員 農村の還元米の点でありますが、この点は過般大臣からお話がありましたように、農村側、関係府縣廳からの要求数量は概算五百万石、それに対しまして種々府縣当局、特に最近は府縣当局以外に食糧調整委員等も多数御出席を願つておりまして、相当時間をかけて決定いたしたわけであります。その結論はお話のような大体還元米が百六十万石ということになつております。かように査定をいたしました根拠でありますが、私の方では昨年の割当当時の生産見込み、これはもちろん当時決定されておりまして、この生産見込みから所定の保有量を引きましたものが、昨年の三千五十五万石の供出数量になつておりまして、しかしその後米がはつきりとれまして実收高が決定されて、その結果今回の還元補正という問題が起きたのであります。実收高につきましては、從來は私どもの方の食糧檢査所系統を通じまして主として調査をいたしておりましたが、昨年から機構の改革が行われまして、供出なり配給に関係のあるところでかような生産高、実收高を決定することはいけないということになりまして、別途に統計調査局系統の別個の独立式な機関において実收高を決定いたしたということになつたわけでありまして、この統計調査局の系統で調べましたものが、現在では正式といいますか、有権的な実收高の決定機関であるということになつておるのであります。そうしてこの昨年の実收高につきましては、今言つた新らしい機構のもとに調査を願いまして、決定を見ました数量が、米に関しましては、割当当時の生産見込みよりも、概算でありますが、約百万石減收になつております。それから米と総合供出に関係に立つております雜穀につきましても、割当当時の雜穀の生産見込みに対しまして、実收高がやはり大体百万石程度の減收ということになつております。結局三千五十五万石の割当の基礎をなしております生産高におきまして、当初の見込と実收高との間に約二百万石の減收ということになつておるのであります。從いまして私の方ではこの実收高を大体基準にいたしまして査定をいたさざるを得ない関係にありまして、この二百万石の減收を基礎にいたしまして、しかもこの二百万石の減收の中には、御承知のように全農家の減收量でありますから、中には供出に無関係である一部保有農家の減收もある程度ははいつております関係で、この二百万石の中、完全保有農家の減收がどの程度になるだろうかという区分けをいたしまして、百六十万石と決定を見ましてようなわけであります。ただかような点がわれわれ特に苦心をいたした点でありまして、三千五十五万石の割当数拠が実際でこぼこなく公平になつておりますれば、減收量の範囲内で還元することで、大体自家保有米の調整がつくことでありますが、遺憾ながら実態はやはり当初からある程度のむらがある、凸凹があるということが実際上避け得ない事態なのでありまして、当初の生産見込み通りの実收がありましても、割当にでこぼこのあつた関係で、その通り実收があげられましても、ある程度保有米に対して食込むということがあるのでありまして、そこの点に重ねて減收がありますと、減收量プラス不均衡な割当の分ということが起るわけであります。この辺は関係方面にもるるその方面の陳弁をいたしたのでありまするが、どうも対外的の関係もありまして、ともかく還元配給としては、今言つた百六十万石ということで決定をみたようなわけであります。当局といたしましても、もちろんこれで十分でないということは実態といたしましては認識をいたしております。そこで何らかの方法でこの数量につきましては、他の理由のつく方面ではできるだけの考慮を拂つていきたいということについて、せつかく苦心をいたしておりますが、一應形式上の還元配給数量は、以上のような経過であります。そこで御指摘のような、当初の需給計画に対しまして、約百六十万石の需要増の関係でありまして、これは当然需給にも相当の影響をもつてまいりますし、また特に米の混食率にも、実は相当の影響をもつてきたのであります。主として出した米を返してくれという要求が当然出ますので、結局都市の一般配給の混食率も、そのためにある程度低下せざるを得ないというような実態にまでなつてきておりますが、かような還元米の数量につきましては、すでに関係当局と、この関係ははつきり話合いがついております。これは実收減に伴う当然の需要増であるということで、関係方面もこの点は了承しておりまして、この新しい百六十万石の需要増を含めまして、現在輸入食糧の手当をいたしておるのであります。昨今の輸入状況は必ずしも好調ではございませんけれども、十月までの数量といたしましては、この新しい需要増を含んで、大体何とか需給のバランスがとり得るというような状況になつております。第三点の還元配給の府縣別の表についてですが、これは明細な表ということですか。

重富卓民主自由党

○重富委員 五百万石と百六十万石の各府縣別の明細表をいただきたいと思います。これはきようでなくとも、あとで結構であります。

片柳眞吉食糧管理局長官

○片柳政府委員 これは一應関係方面の意向を質しまして、大体出し得ると思いますが、出すべく努力いたしたいと思います。

重富卓民主自由党

○重富委員 今の百六十万石の不足に関しましては、御答弁で了承いたしましたのでありますが、農村方面におきます切り捨てられますところの三百四十万雄であります。この三百四十万石は、なるほど今一應形式の上では農村にあるのどいうふうな形になつたようでありますが、実際問題として、三百四十万石の内容を実質的に御調査になつたかどうか、御調査に相なつておるならば、その内容はどういう形になつておるかを明瞭にお示して願いたいのであります。それから先ほどお話の中にありました統計調査局なるものが、どういうふうな方法で実收高を調査したのか、それの具体的な調査方法が、もしも長官の方におわかりならばお示しを願いたいし、また長官の方におわかりでなかつたならば、例の統計調査局の関係者を次会までにこちらにお差出し願いまして、その方から詳細な御答弁をいただきたいと思つております。

片柳眞吉食糧管理局長官

○片柳政府委員 私の方では、農家の飯米不足の実態を全面的に調査をいたすことはまだやつておりません。ただ基礎資料といたしましては、各農家に大体整備されておると思います食糧管理台帳を拾い上げますれば、一應の資料は整え得るという態勢になつております。ただ私の方と一應約束されました還元米では、どうしてもやつていけないという縣につきましては、縣御当局の新望等もありますから、随時関係官を出しまして、これは一々調査はできませんが、農村をある程度歩きまして、実態といいますか、実情を調査するということはやつておりますが、組織的な全面的な調査は現在やつておりません。それから実收高調査の方法につきましては、これはむしろ所管の局長なりその他からお答え願つた方が適当かと思います。

重富卓民主自由党

○重富委員 今の三百四十万石につきましては、全面的な調査は未了という話でありますが、総理大臣から私に対しまする答弁書によりますと、着々これを調査しておる、こういうはつきりして書面答弁が來ておるのであります。どうかこれにつきましては徹底的な御調査をお願いしたい。これは私は憲法違反の問題まで持ち出しているくらいの問題でありますので、それが憲法違反ならずと言われる限りにおきましては、徹底的な調査をしていただきまして、それによつて局部的にでも農民の生命を脅かすがごとき実態のなかつたということの立証をお願いいたしたいのであります。

片柳眞吉食糧管理局長官

○片柳政府委員 総理大臣が着々調査しておると言われましたのは、おそらく二つの点で言われておるのではないかと思うのでありまして、実收高等の調査につきましても、さらに從來のやり方を改めまして、実態をつかみ得るように、実收高の把握にさらに一段の努力をいたす、問題は、実收高がはつきり押え得れば、還元数量もおのずからはつきりいたすわけでありますから、そういう意味で、その方面ではわれわれも関係当局に要請しておるわけであります。さようなことだと私は了解しております。

成瀬喜五郎日本社会党

○成瀬委員 林野関係その他につきまして、午後に質問を総続することにいたしまして、さしずめ食糧管理局長官にお尋ね申し上げたいのは、午後に相当秘密の内容をもつところの農畜物價格、殊に最近の米價関係についての話があるそうでありますので、それを承りまして申し上げたいと思いますが、ここに過般私の方から御要求申し上げて、手もとに配布されました二十二縣に対するところの米穀石当り費目別生産費に点だけをかりに考えてみましても、昭和九、十、十一の三箇年平均が生産費が二十六円六十九銭、この当時におきましてのはつきりした米價は存じておりませんけれども、大体三十円から三十二、三円程度であるというふうに存じておるのであります。ところが昭和二十二年度におきましてし、これが千三百七十六円六十銭ということになつたのでありまして、一体こういうような生産費のひらきということをもう少し掘り下げて考えてみますと、もみ種代、労賃及び肥料代、租税公課、部落会費、副收入という点について非常に実体に添わない。ことさらにと言いましようか、低い價格に見てあるということが顯著に現われておるように存じております。從つてそういういろいろの点から生産費を考えてみますと、その当時からいたしましたならば百倍に相当すべきものではなかろうか。もちろん米價決定は六十五倍ないし七十倍程度であるということになつて、千七百円というものが設定された次第でありますけれども、どうもここに多くの矛盾が存在いたしておる。かようなこと等から考えてみまして、農村の食糧増産また食糧の確保という面からいたして非常な重大な関係をもつこの米穀價格決定につきましては、前回におきましてはもつぱら総理大臣の裁定に任したという形でありますけれども、もう少しこの農林委員会等のほんとうの農民を代表したこういう機構を通じて、農民が納得のいくところの米價決定になされるようなお考えがあるかどうかということをお尋ね申し上げたい。  なおまたしばしば申し上げることでありますが、現在の農民の供出に対するところの最大なる難点というものは、田畑を合せまして司令部の調査せるところによりましても八十万町歩に及び、田だけにおきましても四十七万町歩に及ぶ隱した反別がありますし、なおその上に一反歩に対する金分の増のある反別と増のない反別があるわけでありまして、こういう不確定なる基礎の上におきまして、いかに実收調査が正しく行われましても、そこに農民に対するところの供出割当の結果というものが大きく不合理をなすということは言うまでもありません。こういうような立場から考えてみましたならば、農地調整法は農民解放という面からいたしまして強力に推進されておりますけれども、たとえば農民を解放するという面だけでなしに、八千万同胞の食糧を確保し、産業再建のための基礎的な食糧を確保するという意味からいたしまして、いわゆる食糧確保という意味における土地管理法を実施するところのお考えはあるかどうか。私は名前は申しませんけれども、ある縣におきましては、乳牛に対して一反三畝であるとか、あるいはその他の役畜におきましては五畝であるとか、豚、鶏に至るまでの反別を縣自体が確保いたしておるというところがあるかと思いますと、縣によりましたならば水増しというか、多大なる反別の基礎の上におきまして供出の割当を調べるというようなことを実行いたしまして、食糧調整委員が各所に職を辞するというようなことも現われてきておるのでありまして、かような点を考えてみましたならば、私どもは今の間に合わぬということも考えられますけれども、まだまだここ数年の間日本の食糧事情、世界の食糧事情から考えて、そう樂になるものではないということを考える場合に、臨時的にしろ土地管理法を決定し、耕作面積を確保を求めていくということにする。この面におきましてまず基礎的な数字をつかんで、正しいところの割当をやつていくというようなお考えをもつておられないかどうかということを、お尋ね申し上げたいのであります。ほかにもいろいろありますが、時間の関係がありますので、私は以上二点に止めて所見を求める次第であります。

片柳眞吉食糧管理局長官

○片柳政府委員 過般お配りいたしました生産費調査は、これはまだ完璧なものではございませんので、二十二年のものは二十二縣だけであります。しかもこの調査農家は都市の近郊にある農家でありますとか、米作單作地帶とかいろいろなものの單なる算術的平均でありまして、この生産費調査はさらにどの程度にこれをセレクシヨンするかは、さらに檢討の余地があると思いますが、一應御参考までに配付いたしたわけであります。そこで米價の決定については、実際の生産費をどうみるかというような御質問でありますが、先ほどもお答えいたしましたように、実際の農家が出しておりますところの生産費、これはもちろん十分研究はしてまいりたいと思つておりますが、やはり現在の物價の情勢におきましては、私の考えでは、むしろこれは実際の通りと言いますか、実際の点はパリテイ計算の方がむしろ適当な数字が出るのではないだろうかという見透しをもつておるのであります。ただ、先ほども委員からもお話しがありましたように、パリテイ計算の品目の選定なり、あるいは選定されました品目のウエイト等につきましては、これは十分また研究いたしたいと思つております。さようなことで、パリテイ計算の方が在現では私は適当な数字が出るのではないかというふうに考えておりますが、しかしもちろん実際の生産費につきましても、これは傍証資料といたしまして、十分斟酌をしていきたいと思つております。  それから第二点の実際の耕地面積の点でありますが、これは私がいちばんこの点で府縣との割当で難澁をいたしている点であります。しかももみ等のアラウアンスが府縣においても、相当違うというような実態になつておるのでありまして、この点はぜひともひとつ基礎的な調査をいたしてやつていただきたいという、強い念願を私ももつております。この点は所管の統計調査局の方面に、この基本的な調査を早急に完了するように、予算をとつていただきたいことを懇請しておるようなわけであります。

北二郎日本農民党

○北委員 簡單にひとつ……。まず最初にお伺いしたいことは、これは政務次官にお伺いしたいのでありますが、議会で審議された法律を農林当局は重んずる氣持があるかないか、その通りにやる氣持があるかないか。

大島義晴日本社会党農林政務次官

○大島政府委員 國会が國の最高機関でありますので、國会で決定した法律は最も忠実にこれを守るという信念に毛頭変化はありませんので、きわめてその決定に從つて進むというようにいたしております。

北二郎日本農民党

○北委員 しからば現今行われておりますところの協同組合法についてお伺いしたいのでありますが、地方におきましては、農政局長の名前で勝手に連合会を認めぬとか、いろいろな事業を離せとかいうことになつておりますが、これは一体農政局長が勝手に出しておるが、どう感ずるか。

井上良次日本社会党

○井上委員長 北君に注意しますが、今、食糧関係に関連のものを許しておりますから、協同組合の方は午後の質問にまわしてください。

山添利作農林事務官

○山添政府委員 ごもつともな御質問だと思います。私ども法律の命ずるところに從つて專心やつておるつもりでございますが、御承知のような國情でございますので、その他のいろいろな事柄が起るわけであります。なおこの問題につきましては、いずれ改正法案を提出しなければならぬと思つておりますので、その際詳細に申し上げたいます。

北二郎日本農民党

○北委員 しからば食糧問題についてちよつとお伺いしたいのでありますが、先ほどパリテイ計算ということを申されました。われわれはパリテイ計算は非常にいいと思つておりますが、パリテイ計算の原理からいきますと、昨年の農作物を買い上げた價格に追加支拂をすべきだと思うが、この点どう感ずるかお伺いしたい。

片柳眞吉食糧管理局長官

○片柳政府委員 この点は過般懇談会で農林大臣から御答弁がありましたように、パリテイ計算ということであれば、理論上全面的な物價改訂があり、パリテイが変つてまいりますれば、当然調節しようと思つております。今さような線で関係方面と折衝しております。

北二郎日本農民党

○北委員 午後に質問を保留しておきます。

井上良次日本社会党

○井上委員長 それでは午前中の会議はこれをもつて終りまして、午後一時半から再会いたします。     午後零時三十一分休憩     —————————————     休憩後は開会に至らなかつた。

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