P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ ☆
第2回国会衆議院1948/01/30

通信委員会 第2号

発言数
49 件
登壇者
9 名
会派数
5
開催日
1948/01/30

会議録

岡田勢一国民協同党

○岡田委員長 会議を開きます。  日程に入るに先だちまして二、三御報告申し上げる事項があります。  一、昨年末から最近にかけ、主として新潟縣の各地逓信從業員から、生活補給金の支給、及び特定局制度撤廃の陳情が通信委員長、あるいは委員会あてに参つております。ただいままでに生活補給金の支給に関するもの三百六十通、特定局制度撤廃に関するもの百二通に達しておりますが、右陳情書は前回及び今日の委員会で回覧に供しておりますから、ごらんをいただきたいと存じます。  二、昨二十九日午後、全逓組合城南地区協議会の有志が約六、七十名ばかり当院に参りまして、陳情のため主として通信委員各位に面会を求められたのでありますが、当委員会委員中では、重井理事、天野理事、野上、森の各委員が出席いたされました。陳情の主目的は通信料金の値上反対でありまして、松岡議長あてに陳情書を提出いたしました。陳情書の写しはお手もとに回覧に供しましたからごらんを願いたいと思います。なお一般公衆約二万五千名の値上反対署名書を当委員会あて提出に相なりました。以上御報告を申し上げます。     —————————————

岡田勢一国民協同党

○岡田委員長 この際日程を追加いたし、逓信行政の現状に関して説明を聽取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡田勢一国民協同党

○岡田委員長 では三木逓信大臣。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 それではこの機会に当面の逓信省所管業務の概要について御説明を申し上げまして、各位の審議の御参考に供したいと思います。  まず最初に通信事業特判会計の現状はどうなつておるかということについて、若干の数字をあげて御説明を申し上げます。通信事業特別会計の損益勘定で本年度收入を予定せられておりまする金額は、総額百三十一億九千万余円であります。この收入の大半を占めておあます現行各種通信料金は、人件費につきましては千二百円ベースを、また物件費につきましては昭和二十一年十月における物價を基礎として算定をせられまして、支出に見合うものとなつておるのでありますが、その後において、御承知のごとく人件費も千八百円ベースが採用せられまして、また物件費についても昨年七月以後において相当の大幅の値上げがあつた次第であります。從つて、実際からは、昨年の七月の新物價本系を決定いたしますときに、この賃金ベースと物件費の値上りの状態にマツチするように、郵便料金の値上げをすべき状態にあつたわけでありますが、しかし國民経済に與えまする影響等も考えて、苦しい中にも大局的な見地から、郵便料金の値上げを抑えてまいつたのでありまして、当然上るべきものを、こういう見地から抑えてまいつた政府の努力は、國民各位にも了承をしていただきたいと考えております。ところが年末に至りまして、御承知のごとく從業員の生活再建資金として、給料、俸給の二箇月分を支拂わねばならなくなつたので、これだけを勘定に入れましても、本年三月末までに支拂わなければならぬ支出は、百八十五億五千万円余に上るのでありまして、先ほど申しました收入に比べましては、すでに五十三億六千万円余の赤字を出しておるのであります。このほかに三月末までにどうしても支拂わねばならぬものとして、前の生活再建資金の残額の〇・八箇月分と、一月以降実施される人件費の基準の改訂、これは給與の委員会によつて今後きめられますので、どういうベースになるかは今これを予断することは困難でありますが、もしかりにこれを二千四百円のベースとして算定いたしますると、これに要する費用は、先ほどの〇・八と合わせて十億五千万円ほどがまだ必要になつてくるのでありまして、このままでまいりますと、この三月末には六十四億一千万円余の赤字を出すことになるのであります。從つてこのままでは來年度の予算の編成はもとより、本年度に残された赤字の始末にも窮するわけでありまして、ここに好ましいことではなく、今日まで非常な苦心をして抑えてまいつたのでありますが、どうしてもこの際現行通信料金の値上げを考慮しなければならない段階になつてまいつたわけであります。目下その成案を急いでおりますから、近日中に本委員会に提案ができることと存じております。  その値上げの程度についてでありますが、これは一に新しい人件費や物件費の基準をどの程度に見積るべきかということが、決定の基準になるのでありますけれども、人件費の基準を先ほど申したように二千四百円ベースに、物件費の基準を現行のままにすえおくとしましても、昭和二十三年度において支出を要しまする額は、それだけで二百五十九億六千万円余に上るのでありますから、かりに現行料金をおおむね三倍程度に値上げするとしましても、これによつて得られる收入見込額は、せいぜい二百八十億八千万円程度でありまして、まだ二十一億一千万円程度の残額が予想されるにすぎないのであります。この程度の残高は、現在の物件費のわずかに二割四分程度に相当するのでありまして、インフレの進行過程において、殊に將來予想されまする物件体系の改訂を考慮しますならば、物件費の二割四分くらいの値上りを見込むというような予算は、これは十分とは申し得ないのでありますが、諸船の状態を考慮いたしますれば、むろん三倍ということが値上げのまず限度かと考えられます。しかし一方において、この値上げが與えまする國家経済全般に対しての影響等もにらみ合わせて、おそらく今回御審議を願う案は、一度に三倍の値上げというところには参りませず、まず今回は値上げの倍率は二倍程度に止める。これは技術的には非常にまずいのでありますが、二倍程度に上げておいて、さらにその後の状態等をにらみ合わせて、場合によればもう一回の値上げを提案しなければならくなるかもしれないと考えております。  次に郵便事業についてでありますが、さきに第一回國会におきまして、諸君の御同意を得て成立いたしました新郵便法は、本年一月一日から実施せられまして、ここに郵便法規の民主化という目的はこれで一應実現を見たわけであります。しかしながら、サービスの現状がはたして國民の要望するようになつているかどうかということは、ただいまのところ遺憾ながらそういう状態になつているとは申しがたいのであります。終戰後すでに二年有半を経過いたしております今日におきまして、あの当時の混乱状態と比べますれば、もちろん歴然たる改善の跡が見られるのでありまして、各地間の所要日数につきましても、大分安定はいたしてまいりましたが、まだまだその速度についても、安全性についても、戰爭前にわが國の郵便が得ておりました信頼感をとりもどすまでに至つていないのであります。このことは、人的にも物的にも戰爭前に比べてはるからに惠まれぬ状態にある今日としては、ある程度はやむを得ないことではありますが、しかしながら、これを急激に戰前通りにすることは困難であるにしても、戰爭前にもつておつたような郵便に対する信頼感を、この際ぜひとりもどさなければならぬと考慮いたしている次第であります。要するに特定の人と特定の樣式とによつて事故郵便物、すなわち郵便物のいろいろな事故の原因を徹底的に究明することであります。從來ややもするとお座なりになりやすい事故郵便物の調査を、今後は合理的な組織的な形において実行することによりまして、万一郵便物の事故が起りましても、必ずその原因が当事者に明らかにされ、法規に從つて必後な措置がとられるような式によりまして、大衆の信頼感もこれによつて必ず増大し得るものと期待いたしておる次第であります。  次に電氣通信についてでありますが、御承知のごとく電氣通信に関する諸施設は、戰災による被害を最も多く受けたものでありまして、その回復につきましても、他の事業に比べてはるかに難澁を來していることは、ある程度までやむを得ないところであります。しかしながら、最近におきましては殊に電信について著しい改善の跡を示しておるのでありまして、その取扱通数におきましても、すでに戰前の通数をはるかに超えておるのでありますが、その迅速と確実性の点については、遺憾ながら未だ戰爭前の状態には及ばないのであります。これが改善には老朽した器材の取換と、オペレーターの技術の向上が何より肝要でありますので、料金の値上げを機会に、さらに一層この方面の改善に意を注ぎたいと考えております。  電話につきましては、その復旧が最も困難でありまして、終戰後現在までに(二十二年九月末)すでに累計二十二万七千による加入電話の復旧を完了しておるのでありますが、何しろ戰災の痛手が大きく、五十八万余に上つておるだけに、これだけの努力にもかかわらず、なおその復旧率は全体として三十九%にしか達せず、殊に東京、大阪のような大都市では、この率よりもはるかる下まわる実績であるだけに、その復旧に関する要望は最も熾烈を極めておるのであります。これに対しましては、ますます從業員を督励して、その工事能率を向上せしめていくことはもちろんでありますが、その前に、所要資金の確保ということが何より大切な問題であります。金融財政の窮迫せる今日、電話の架設に必要な厖大なる資金の獲得は、実に容易ならざるところでありまして、せつかくし資材の製作ができましても、これを購入する資金が不足しているというのが現状であります。金融財政の現状では、電話の架設に要する資金が、本來建設的なものであるからというだけの理由では、無制限に金融機関を通じての資金の調達は許されないのであります。何しろ金融機関の公債引受能力以上の資金の需要が殺到しておるので、從來のごとく一般政府公債として資金を調達する限り、こうした制約を受けることは、やむを得ないのであります。しからばと言つて、このままでは資金難のために電話の復旧なぞ望み得ないことになりますので、この間の切拔策として当分の間、ここに特別な公債をつくり、電話の加入者に特に引受けてもらうことによつて、電話の架設に必要な資金の調達をはからうといことを考慮しておるのであります。これにつきましては、いずれ数日中に成案を得まして、諸君の御審議を求めるつもりであります。  なお電話の架設につきましては、過去において幾多の忌まわしい事件が起きたり、またそのサービスについて加入者に多くの不満を與えている現状に鑑みまして、この際電話関係の機構、殊に直接公衆に接触する方面の機構につきましては、適切な改變を加えて、明朗な電話サービスの提供に邁進したいと考えておるのであります。  次に電波関係について申し上げます。各種電波の利用については、日増しに熾烈な要望を受けておるのでありますが、占領下にある國情として、必ずしもそうした要望に副いかねていることは、遺憾ながらやむを得ないのであります。それだけに現有の電波につきましては、これを最も有効に使用する必要がありますので、これに必要な施設の充実をはかりますとともに、その運用の基本をなす法規につきましても、この際全面的な改正を施し、眞に今日の実情に副い得るように、目下成案を急いでおりますから、近く諸君の御審議を煩わすことになるであろうと存じます。この中には放送に関する基本法規も含まれており、放送政策の樹立と関連いたす問題でもありますので、諸君におかれても十分に御考究おきくださるよう、この機会にあらかじめお願いしておく次第であります。  次に貯金及び保險について申し上げます。第一回國会で諸君の御賛同を得て成立しました新貯金法は、昨年十二月一日から施行せられ、すでに貯金増強の上に大いに貢献しておるのでありますが、引続いて本國会には、すでに郵便為替法の全文改正案及び郵便振替貯金法案を提出してありますし、近日中にさらに簡易生命保險法及び郵便年金法に関する全文改正案も、提出せられる見込でありますから、これらの法案が國民の生活に及ぼす重要なる影響にも鑑みられて、愼重御審議くださることを、この機会にとりあえずお願いしておきます。貯金及び保險年金の業務につきましては、いずれも順調な発展を示しておるのでありまして、貯金については最近(二十二年十二月二十七日現在)の現在高は、四百六十九億円に上り、年度初頭に比べますと、十一億九千万円の増加となつているのでありまして、去る二十一年度におきまして、年度末に遂に六十五億円の減少を見たのに比べますと、この業務が常態に復しつつあることがうかがわれるのであります。また保險年金について申せば、保險の新契約高は昭和十二年度を百とすれば、昭和二十一年度には三百二十九となつたのでありますが、本年度に入りますと、その躍進ぶりは実に目ざましく、すでに昨年十一月までで、実に二千八百九十九の指数を示しておるのであります。また年金については、昭和十二年度における新契約高を百とすると、昨年度には四千四百四十四となつておりますので、本年度にはさらに大なる躍進が期待せられておるのであります。しかしながら一方両事業とも、いずれも多数の從業員を擁しておりますので、これに要する支出もまた飛躍的な増進を示し、会計的に見れば、いずれも現在のところ、赤字の運命を免れ得ない状況にありますから、事業経営につきましては、極度の合理化をはかり、從業員の増加を抑制するとともに、現在の從業員の再訓練をなすことによつて、事業の発展に耐えていけるような精兵をつくり上げたいと、施策を進めておるのであります。  以上で当面の所管業務の概要を申し上げたのでありますが、最後に從業員の労働問題につきまして、一言申し上げたいと存じます。昨年六月私が逓信大臣に就任して以來今日まで、ほとんど労働問題に明け、労働問題に暮れてきたのであります。殊に就任の翌月、松江で開かれた全逓大会の決議に基いて、組合側はその要求の貫徹のために、果敢な鬪爭を開始し、集團次勤等種々の新戰術を展開して、業務の運営に好ましからぬ影響を與えたことは、御承知の通りでありまして、まことに遺憾に存じておるところであります。この爭議も昨年十一月十四日に、中労委から最低賃金制の確立及び生活補給金の支給の二項目に対する調停案が提示せられ、政府が生活補給金の支給について、調停案通り二・八箇月分を支給することに決定してからは、やや小康を得たかに見受けられるのでありますが、今日なお最低賃金制の確立その他にわかに組合側の予解を期待できない案件も未解決のままになつており、また新たな情勢として行政整理の問題があり、現行労働協約改訂の時期も來ております等、いろいろ解決すべき問題があるのであります。  今日再建途上にあるわが國の現状を見ますとき、通信事業のごどき重要なる産業部門におきまして、もし万一大規模な破壞的な爭議が勃発するようなことがありますれば、その及ぼす影響は、眞に深刻なるものでありまして、わが國としてまさに自殺的行為にもひとしいのでありまして、極力これを防止し、どこまでも平和的な手段によつて解決をはからねばならないのであります。もちろん政府としましても、それらの対策に万全を期する覚悟でありますが、國民の眞の声を代表せられる諸君の力強い御協力がなければ、所詮十分なる成果を期待することはできないと考えます。この点につきまして諸君の御協力と御鞭撻を重ねてお願いいたしまして、所管事項に対する概要の御説明を終りたいと思います。

岡田勢一国民協同党

○岡田委員長 只今の通信行政に関する説明に対しまして、御質問があればこれを許します。成田委員。

成田知巳日本社会党

○成田委員 ただいま三木逓相から通信料金値上げを約二倍程度近く行いたいという御説明がごさいました。また二十七日の閣議でございましたか、新聞紙上の報ずるところによりますと、二月十五日から実施をするというような閣議決定であつたらしくでございますが、もうすでにあと二日をすれば二月になる次第であります。はたしてそれまでに法案を通しまして二月十五日から実施するだけの計画をもつておられるか、まずお伺いしたいと思います。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 逓信省といたしましては、諸般の事情を勘案いたしまして、二倍程度の値上げで二月十五日からこれを実施したい希望でありますので、できるだけ早くこの國会にその法案を提出いたしまして、御審議を願いたいと準備を進めております。おそらく今日明日のうちに國会に提出することになろうかと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 この値上げの問題につきましては、法案が出ましたときに詳細に檢討いたしまして、御質問いたしたいと思いますが、その予備知識を得る意味におきまして、大綱を二、三質問いたしたいと思います。  第一は閣議決定が発表されましたときに、大体ただいまの三木大臣の御説明にもありましたが、生活補給金の未支給分〇・八箇月に対して七億円の收入を見込んで二倍の値上げをするというような報道があつたのであります、それに対しまして、新聞紙上で御承知のことと思いますが、社会党の鈴木政務調査会長は、生活補給金〇・八箇月分の財源として通信料金の値上げをすると大衆課税になる、通信料金の値上げをするということは絶対反対ということで栗栖大藏大臣に申し出た。その経過につきまして栗栖大藏大臣は〇・八箇月の生活補給金のために値上げをやるのじやないというような回答をされたことく、昨日の朝日新聞でございましたか、書いてございまして、先ほどの三木逓信大臣の御説明と食違いがあるようにも考えるのでございますが、その点ひとつ御説明を願いたいと思います。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 〇・八箇月分の生活再建資金にあてるというよりは、先ほど御説明申し上げましたごとく、今日の通信料金は実際からいえば七月に上げるべきものであつたのであります。それはなぜかといつたら、賃金のベースも違つておるし、また物價の基準も違つておるのでありますが、それを大局的な見地から今日まで抑えておつた。この努力は各位においても諒とせられたいと思うのでありまして、〇・八の問題のいかんにかかわらず、この際この國会には通信料金の値上げを提案する予定でありました。從つて〇・八箇月分の生活再建資金をできるだけ早く從業員に渡したという点から、この予算案を國会に提出する。技術的な問題で、あるいは料金値上げというものがその財源になるような結果になるかもしれませんが、これは直接に〇・八というのではなく、全体としての追加予算の財源として郵便料金の値上げをすると御解釈くださつて結構だと思います。

成田知巳日本社会党

○成田委員 〇・八箇月の生活補給金を極力早く出したい、現在の現信行政の内容から言つて極力早く出したいということから、この値上げをやるのだという御説明がございましたが、この〇・八箇月の問題については、二・八箇月の生活補給金が問題になりましたときに、税込みであるかどうかということが問題になつたのであります。現在政府はどういうお考えをとつておられるか。もしこれが税込みであるといたしましたならば、結局この〇・八箇月というものは税金でまた返さなければならぬことになるから、〇・八箇月を支給するために郵便料金値上げをやつたということは、結果におては意味をなさないことになるのじやないかと思います。税金込み、あるいは税金外のものであるかどうかということを伺いたいと思います。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 御承知のごとく現行の税制制度のもとにおいて、給與のあつた場合には税を引くということは当然の処置でありまして、政府職員に限り所得税を免除する特権を與える法律的根拠はもつていない。從つて二・八箇月においても当然に税を引く。こういうことは特にこれをうたわなくても当然のことである。現行税制制度のもとにおいては当然のことであるという考え方で、もちろん〇・八箇月分の給與に対しても税金は引くのであります。

成田知巳日本社会党

○成田委員 最後に一つお尋ねいたします。この郵便料金の値上げにつきましては、大衆課税だということで非常に反対があるということは政府当局も十分御承知だろうと思うのであります。社会党といたしましても、これに対しては今のところ絶対反対の意向をもつておるということを申し上げたいのであります。もし税金がほかに見つかるようなことがあつたならば、この郵便料金の値上げというものを保留される御意思があるかどうかを伺いたい。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 政府事業が値上げをすることは総括論としては好ましいことではないのであります。しかしながら御承知のごとく通信料金というものは、成田委員もこの点はお認めを願いたいのでありますが、現行の通信料金というものは千二百円ベースで、物件費も一昨年の九月を基準にしてできおる。從つていかに経営合理化をいたしましても、今後新給與がかりに二千四百円ということになりますれば、給與は倍になつてくる。また物價も一昨年の九月に比べますならば、よほど變つておりますので、この通信料金に関しましては、よくも今日まで逓信省が大衆に負担をかけるような値上げを極力抑えてきたという努力に対しては、これはひとつ十分好意的にお考えを願いたいのであります。從つてこの際は、どうしても各位にこういう通信会計の現状を愼重にお考えを願つて、通信料金の値上げに対しては國会としての承認を與えていただきたいという考え方であります。

岡田勢一国民協同党

○岡田委員長 森直次君。

森直次日本自由党

○森(直)委員 先ほど逓信大臣のお言葉によりますると、六月以來、実際労働問題に明け労働問題に暮れ、組合側の果敢な抗爭の結果から見て、まことに遺憾にたえないというお言葉がありましたが、逓信労働協約は諸種の点において中正妥当を欠く点がなきにしもあらずと思います。これはひいて逓信事業の円滿なる運行を阻害しておる点もまた多々あると思います。現行協約は二月十四日かかに改訂される運びになると思いますが、これに対しまして改訂される御意思があるかどうか。さらにその適正化をはかる意味において何かお考えがあるか。この点を伺います。なお労働協約の基準に関して閣議決定があるというようなことを聞いておりますが、この点も伺いたい。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 御承知のごとく逓信労働協約は三月が改訂期になつておりますが、御指摘のごとくこの労働協約は必ずしも万全のものと申しがたい、改正をしなければならぬ点も当局においても認めまして、その点も具体的に準備を進めておる状態であります。  また労働協約に関しまする改訂の際における基準は、閣議の了解事項として、そういうものがあることは事実であります。

天野久民主党

○天野委員 この際逓信大臣に一、二お尋ねしておきたいと思います。大臣が労働問題について非常にお骨折り下さつて、曲りなりにも逓信事業の運行を続けておられることに対しては、その御労苦に対して感謝いたします。  そこで今逓信從事員その他労働問題が起るということは、何が原因しておるかと申しますと、物價が高くなつておる、いわゆるインフレが高進しておるということが一つの原因をなしておると考えなければならぬと思います。社会の物價が上ることは、これは戰爭の結果ではありましようが、今の政府のやつておりますタバコの値上げ、あるいは酒類の値上げ、あるいは今度行われる郵税の値上げ、鉄道の値上げとかということが非常に社会の物價の値上げを刺激してくる。こういうことはよく考えなけねばならぬ。田舎あたりでよく言われることですが、ある一つの物を賣らんとすると、これは値段が高いと言うと、この物を賣つてもピースが何箇しか買えないということになつて、そこに値段の値上りが急速に実現されてくる。こういうことになつてまいります。そこで今官業の値上げは一應一巡いたしまして、ここにまた郵便の値上げ及び鉄道の値上げが実現されんとしておるのでありますが、これは今までの賃金、いわゆる今までの郵税の比較いたして、今の大臣の値上げについての御説明に対しては、價格についてはあるいは至当かもしれませんけれども、これを値上げいたすについて、これが社会の物價に対する刺激をどういうふうに止めていくか、というようなことについての大臣のお考えを承つておきたいと思います。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 今天野委員のお言葉のごとく、一方において財政的な点からつじつまは合つても、それが國民経済に非常な影響を與える場合には、そういう面からも檢討をしなければならぬということは、まさしくその通りだと思います。そういう点から郵便料金も今日まで値上げを抑えてまいつたのであります。しかし一面において、この通信事業の特別会計が独立採算制であるという面からも考えなければなりませんので、國民に対して、公益事業の性質からいつて、できるだけ低廉な料金で十分なサービスをすることが理想であるますけれども、非常な赤字を出して國民にサービスするという形をとりますと、独立採算制という面からこれは崩れてくるのであります。お説のごとく、通信料金の値上げによつて國民経済に多少の影響があることは事実であります。しかし一方においてやはり通信事業の特別会計、独立採算制の見地からも、通信料金を考えていかなければならぬ。そこで政府はこの影響をできるだけ最小限度に食い止めたいというので、料金の値上げ等も一度に三倍とか何とかいうような大きな形をとらないで、この際二倍程度にこの料金の値上げを止めたということも、今仰せになりましたような國民経済に與える影響を最小限度に食い止めようという努力の一つの現われであるというふうにおとりを願いたいと思います。

天野久民主党

○天野委員 大臣のこの値上げに対するいろいろなお心やりはよくわかつております。しかし大衆に向つて、たくさんの人たちに全部これを知らしめる必要があるということで、逓信省及び政府といたしましては、この値上げはこういう事情であるというようなことをはつきり民衆に知らしめる方法をとる必要はないか。そこで今の説明によりますと大体三倍にしなければ、これの経営が成り立たない、こういうことであるが、まずさしあたり二倍にした。そうしてまたあとの一倍は追つて値上げするのだ、こういうようにお考えになつておるらしいのでありますが、その三倍にする値上げの時期等はどんなお考えをもつておられるか。これも参考に承つておきたいと思います。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 これは國民各位に通信事業特別会計の内容もよく知つていただいて、料金値上げをしなければ、どうしてもやつていけないのだ、こういう理由を國民に納得のいくような方法を何らかの形で、國会を通じていたしたい考え方であります。これはそういう方法をとります。  次の、この際は二倍程度の料金の値上げをしたが、また次にやらなければならぬ必要があるのではないか、その時期はどういうふうに考えておるかということでありますが、これはいろいろその後の経済界の事情等ともにらみ合わせて考えなければなりませんし、また來年度、二十三年度の予算の編成のいろいろ根本方針とも関連をいたしてまいるので、ただいまのところ、いつからという予定を立てる時期に至つておりません。しかし二十三年度の予算を編成いたさなければならない時期でありますので、これは大体の心構えがわかりましたならば、できるだけ早くこの委員会に政府の意図を申し述べる機会を得て申し述べたいと思います。

天野久民主党

○天野委員 もう一つお尋ねしておきたいのですが、この際三倍の値上げをいたしても、二千四百円ベースでまいりますと、わずかの益金しかない、こういう御説明であつたと承つております。昨年の二・八箇月の増給、及びその他の情勢から、昨年の十二月と現在の物の値段とはすでに相当な値上りが來ておる。こう考えておりますが、これから先、この郵便料金及び鉄道の運賃等の値上げがありますと、これが原因となつて、値上りがまたありますことは、必然ではないと考えております。そういたしますと、その場合二千四百円ベースを堅持することができるかどうか、こういうことが疑われるのでありますが、もしこの二千四百円ベースが堅持できない、二千四百円ベースでは從事員が生活していかれない。こういう事態が生じますと、やはりここにまた労働爭議等が起きはしないか、こういうことを考えなければならぬのでありますが、もしそういう事態が生じた場合には、どんな処置をとられようとするお考えでありますか。参考に承つておきたいと思います。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 天野委員の申されます二千四百円ベースは、一應数字を申し上げる過程として申し上げたのでありまして、給與委員会において、これからどういうベースにするかということは、今後決定される問題であつて、今は決定をいたしておりません。しかしお説のごとくインフレーシヨンが次第に高進をいたしまして、從業員の生活が苦しくなれば、どういうベースにきめられますかは未定でありますが、そのきめられたベースでは生活ができなくなる事態にありますので、これにつきましては、一方においてインフレーシヨンを抑制するために、政府もあらゆる角度から決意をいたしますとともに、施策を進めていかなければならぬ。やはりインフレーシヨンの抑制ということに対して、十分なる施策をいたしますと同時に、一方においては今檢討いたしておりますが、從業員の生活をできる限りやみ物資等によらないで、配給物資で確保できるように、あるいは職場配給等の方法も考えておるのであります。そうして今後雪だるま式に賃金ベースが上らないで、ある程度生活が安定していけるような方法も、この物資配給の面から、こういう施策も講じたいと併せて考えておる次第であります。

天野久民主党

○天野委員 いろいろ承りましたが、最後にお願いいたしておきたいことは、昨年あたりの二・八箇月の支出をいたしましても、大体大藏省の説明によりますと、まず支拂う給料よりはね返つてくるいわゆる勤働所得税が八億いくら、あるいは配給にいたすべき「光」のストツクを自由販賣にいたして、それによつて十何億、こういうような收入をあげて、そうして支拂つていくのだというような説明を聽いております。いずれにいたしましても、官業においてまず範を示して、何とかインフレの阻止を考えなければ、官製品をどしどし上げていきまするならば、必ず一般の物價はそれについてくるということを考えなければならぬと思います。そこで逓信事業は、これはいわゆるベースがいくらにきまりましても、收入においては大した動きはないと考えております。しかしていかに委員会がどうきろようとも、この安いベースがおそらくそのまま持続されようとは考え得られないと思いますので、そういう点に相当考慮をいたして、まず官業から値上げを止める。そうしてインフレを阻止するのだ。こういう心構えでひとつ各廳ともやつていただきたい。それにはなお逓信省などは一般の対象になりまするので、まず卒先そのお考えをいま一庫強くお進めあらんことを希望して、私の質問を終りといたします。

岡田勢一国民協同党

○岡田委員長 林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 先ほどから郵便料金の値上げの問題が、各委員から非常に熱心に討議されております。実はこの問題につきまして、私もこの休会中方々を歩き、一般の公衆や、それから逓信從業員の声もずつと聽いてきたのでありますが、大体この逓信從業員の側の意見としては、郵便料金を上げるということは、逓信從業員の待遇改善とからみついて考えられてくるために、逓信從業員の待遇を改善すれば郵便料金が上つてくる。そうして自分の方へ迷惑がかかつてくるのだという民衆のいろいろの批判を受けることになる。一般の民衆と逓信從業員との間の感情の疎隔を來すことが大きいということで、実は從業員側の方からも反対があるのであります。それから一般の民衆の側から言いますと、先ほど天野委員からも熱心な御意見がありました通りに、今まで通信料金だけは、鉄道運賃が上つたにもかかわらず、こらえて上げずに、よくここまでとにかくがんばつてきたのでありますが、これを上げる。さらに交通の運賃も上げるということになりますと、それが原因になつて、必ず大きな物價の騰貴がまた來ます。物價騰貴が來ますと、インフレーシヨンが高進して生活が苦しくなるから、また生活費を上げなければならないという循環になりますので、これがきつかけとなつて物價騰貴の口火になるというようなことからして、非常に大きな反対が実はあるのであります。そこで逓信当局として一番考えられることは、しからば財源はどうかという問題になつてくると思うのであります。先ほど三木逓信大臣からのお話もありました通り、実は独立採算制の問題もあり、この際逓信事業では六十四億の赤字があるから、これを何とか補填しなければならぬという苦衷は、当局の側としてはあると思います。そこで実はこの問題についていろいろ私の方の党として考えてみたのでありますが、この際逓信從業員の意見も、また一般公衆の声も、卒直に聽くと、何としても逓信料金の値上げをやらないことに逓信当局としてもがんばつていただかなければならぬ。それでは財源としてどういうものがあるかということでありますが、これについては私の方としては、二つほど大きな方法が考えられております。これは前から私が考えておることでありますが、逓信特別会計を大藏省の預金部へ入れてしまつて、この運用を全然大藏省に任して、その利子が四分何厘しかにまわつてこない。ここはどうしても逓信当局の方で腰を強くして、あの戰爭前と同じようにして、逓信部門から上る收益の運営は、どうしても逓信部門がこれを握ることをぜひ実現していただきたいと思います。市中銀行なんかは最近は金融を非常に短期にして高率に運営しまして、たとえば銀行では日歩五銭くらいで扱つておる。日歩五銭とすると、年にして七、八分にもなるのであります。郵便貯金の方の三分八厘と四分いくらの利ざやしか逓信省に來ないが、もし銀行で扱つておるだけのことを逓信部門にやらせれば、それほど高利にならないにしても、今の銀行から來る日歩くらいの利子にまわすよりは、もつて高率でまわし得ると言えると思うのであります。しかも一般公衆の利益になるような部門にこれを運営したということならば、逓信当局は一般民衆からの支持はもとより、いろいろ好意をもつて迎えられることになると思います。三木逓信大臣は、この際の危機を乘り切る独立採算制の解決の問題に、郵便料金の値上げ——今後起るいろいろな社会最な問題を無視して、どうもそこに一番安直に行くような危險がありますので、閣内の事情もいろいろあると思いますが、それをまずことしは何とか腰をすえて、逓信特別会計を再び逓信当局が運営するという方向に努力してもらいたいと思います。  それからもう一つ、これは社会党の方からも言つておるのでありますが、貿易廳が押えておる物資があります。これはマル公でずつと以前に押えたものですが、こういう物がありますので、これを処分することによつて——社会党の方の研究ですと四十億、わが党の方では十七億くらいではないかと思いますが、この貿易廳で押えておる物資の價格差益金が十七、八億円を算えられます。それから價格差益金ですが、これはこの前の二・八補給金の場合に、私の方の党で栗栖大藏大臣に伺つたときに、政府は百億はとれると思うというようなことを言つておりましたけれども、この價格差益金を徴收する方法はどうか。さらに今問題になつております公債の利拂停止という問題がありますが、もしこれの停止ということが各党の間で非常に困難なときには、公債の利拂の値上げ、低利にしてもらつても、そこから金を浮かせるというような途があると思います。大きくわけますと、夫言つた逓信特別会計から收益されるものを、逓信当局自体で運営するような方法によつて財源をつくるということが一つ。これこそが眞の独立採算制で、一定のあてがいぶちで渡しておきながら、そのあてがいぶちでやれ、そうして通信特別会計からあがるものは全部大藏当局が運営する。それで独立採算制、狭立採算制ということは、筋が通つてこない。この解決に逓信当局が腰をすえて乘り出してもらいたいことが一つ。それから二としては、その他の財源、たとえば價格差益金の問題、あるいは貿易廳の物資の問題、公債利拂の値上げの問題、こういう問題を考慮されて、ぜひ通信料金の値上げによる逓信省の赤字の償却ということは考えないようにされたということを希望するのであります。この点について逓信大臣の意見を聽きたいのでありますが、新聞で見ますと、大体郵便料金の値上げによつて浮ぶものは二十七億、これの正確な数字を大臣の方から聽きたいのであります。二十七億程度ならば、こんな大きな影響を及ぼすような通信料金の値上げをしなくてもできるのではないかということが考えられるのであります。この点についてひとつ大臣の御答弁を伺いたいと思います。  それからもう一つの問題は、今逓信從業員で問題になつておりますのは、先ほど天野委員からも少し質問がありましたが、二・八箇月の生活補給金の問題であります。これは逓信從業員としては二・八箇月では実は非常な不満があつたのであります。組合側の計算によりますと、昭和二十二年度の赤字は一万五千円になるが、とにかく中労委の裁定により、二・八箇月分で五千四、五百円だと思いますが、これで納得したのであります。しかし実際に與えられた場合は、税をすつかり引かれてしまいまして、二・八箇月分が実際は一・八箇月分に減少されておるのでございますが、この点について、最初は税を引かない、少くとも米窪労相は、二十二年度内の年末調整金からは税を差引かないということを言明されていたのでありますが、その後どんどん税を差引かれまして二・八が実は一・八になつておるのであります。この点について当局としてはどうする意思か。やはり二・八箇月分の実質的な生活補給金を出さなければ、逓信從業員に対して食言をしたことになるのではないかというふうに思われますので、この点についての政府の見解を聽きたいのであります。  第三として、逓信從業員で今一番問題になるのは、実はやはり首の問題でありまして、官吏として行政整理がある、首を切られるということは、非常に大きな問題だと思います。昨年私が三木逓相に聽いた際には、実は予算面の人員と実働の人員では、実働の人員の方が大体二割くらい減つておるから、自然退職を見込んでいけば、現実に働いておる人を積極的に整理しなくても、大体政府の考えている二割くらいの人員の減少ということは、もう現に行われているのだから、積極的に首を切る意思はないということを、昨年の暮たしか言明されたと思いますが、その後何か情勢の變化があつて、積極的に今働いている人を將來首切るようになるのかどうか。あるいは昨年三木逓相の言明されたように、逓信部門としては大体予算面の人員と実働人員との間には二割ほどの差があるのだから、積極的に働いておる人を首切る必要はないという意見を支持されておるか。この三つの点を聽きたいと思います。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 第一の財源についていろいろお示しを願いましたが、たとえば貯金のごときものを逓信省へもつてくれば、それが非常に財源になるのではないかというような点が第一点だつたと思うのです。これはたびたび……。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 ちよつとその点はこういうことです。郵便貯金を逓信省で扱つていますが、その郵便貯金であがつたものを逓信当局で運営したらどうか。これは特別会計の形にして大藏省で運営しなくても、あがつたものを逓信当局自体が運営するような方向にもついていつたらどうかということです。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 それは林委員に貯金局長から申し上げたと思うのですが、これを逓信省が運営することにいたしましても財源にはなりません。やはりこれに財源を期待するわけにいかない。やはり経費が非常にかさばつておりますから、今日ではむしろ赤字の状態で、これを逓信省にもつてきても、財源として見るわけにいかない現状であります。それから第二点の貿易の不合格品を賣りさばくことを財源にしてはどうか。これは政府は今回の追加予算の中に、貿易不合格品の國内販賣による益金を計上することになつております。第三点の戰時公債の利子打切りに対しては、政府はさような考え方をもつておりません。從つて林君の御提示になつた三点は、この厖大な通信特別会計の赤字を埋め合わす財源ということにはならない。もちろんほかに適当な財源があつてお示しを願えれば、好んで通信料金は上げたくないのでありますが、万策盡きてやはり通信料金の値上げをしなければならないという事態に至つたのであります。  第二点の二・八箇月分については、たびたび申し上げましたごとく、政府はこの二・八箇月分から税を引かないというような考え方をもつたことは一度もないのであります。この二・八箇月分の給與は、今日の税制の建前から税を引くことが当然だと考えているのであります。從つて今後渡される〇・八箇月分からも税を引く。そういうことになつているので、税を引かないというような考え方をもつたことは一度もないということを御了承願います。  第三点の行政整理の問題についてでありますが、現業廳に対しての行政整理は、頭から二割とか二割五分とかいうような天引的なことは考えていない。現業廳の行政整理は、その仕事の量、能率等から勘案して適当な人員の定員数を出して、そして余剰の人員があつたならばこれを整理する。それがどれだけの率になるかということについては、檢討を加えているのでありまして、頭から何ぼ天引するというような行政整理の方針はとらない。仕事の量、能率から勘案して、こういう時局でありますから、できるだけ少い人間で能率を上げていくということは、官業の國民に対しての大きな義務だと考えられます。そこでこの仕事の量から考えて、できるだけ適正な人員で通信業務を運行していきたい、そういう点でその数字等はただいま檢討を加えている最中であります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 二つほどお聽きしたいのです。具体的な数字のはつきりしたことは、私はそのノートを置いてきたのですが、実は昨年の暮、栗栖大藏大臣にこの通信特別会計の利子の問題を質問した際に、栗栖大藏大臣も、たしか今三分八厘か何かにまわしている。もし違つていたらあとから説明してください。もう少し高利にまわすつもりだということをたしか言明されていると思います。ですからこれは必ずしも通信特別会計からあがる收益が全然財源にならないということはないので、やはりこの点を一應檢討されて、ここから財源が生れるという途はもう少し眞劍に考慮していただきたいと思う。殊に戰前はこれはたしか通信省でみずから運営しておりましたので、これをなぜ戰爭終了後もそのまま継続されているかという問題をお聽きしたいと思う。  それからこの前貯金局長からお聽きしたのですが、たしか四、五十億か何か特別会計の方に戰爭中からはいつている。これはたとえば三分八厘にまわすのと、かりに運営に非常によくして八分ぐらいにまわすのとでは非常に違つてきますので、もしまわせれば二十七億ぐらいのものがここから出てくると思います。これについて專門の立場から、もし御意見があつたら聽かしてもらいたいと思います。その点が一つと、それからもう一つ、人員整理の問題でありますが、もちろん余分な人員を置くということは、これは官業として國民に対する義務を果していないと思いますが、これはもう大臣も十分御承知の通り、戰爭中いろいろの設備が荒廃しまして、今まで機械力でできたものが非常に人力を要することになつておる。たとえば岡谷地方の自働式の交換なども非常に故障が多いために、今まではほとんど人をつけておかなくてもいい所も、故障が多いために、前よりはよけいの人を置かないと、電話交換が円滑に行われないというようなものもあると思うのです。そういうわけで戰爭中の機械や設備の荒廃を考えると、必ずしも人が多過ぎるということも言えないと思うのですが、この生活問題のために、人員を整理するということになると、これは非常に大きな問題です。現に逓信從業員ばかりでなく、國鉄の從業員もそうでありますが、非常に戰々競々としておるので、われわれ議員のマークをつけておると、すぐ行政整理の問題はどうでしようかという質問を必ず受けるくらいで、これは官業の從業員としては無関心でおれぬ問題だと思います。そういう点から言つて、もう少しはつきり三木逓相は昨年の暮に私の聽かしてくれた意見と違つて、一体積極的に働いている者も首切るのかどうか。これをもう少し具体的に説明願えるなら御説明願いたいと思います。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 林委員も御承知のごとく、行政整理についてはその後閣議決定があつたわけであります。從つて今後閣議決定の線に沿つて政府が行政整理の問題を処理していくことは当然のことでありますが、その閣議決定の中にも申しておるように、現業廳に対しては仕事の量、能率等を勘案して、現業廳として整理の方針を立てる。從つてその仕事の量等ににらみ合わして過剰な、我慢のできる人数があれば、それは現に働いておる人もやめてもらうことが起つてくるかもしれぬ。あるいはまた起らぬかもしれぬ。それは今後いわゆる仕事の量をにらみ合わして、現業廳に対する行政整理の数字を出したい。その結果でなければ、ここで申し上げられないと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 ちよつと今の預金の問題をひとつ村上政府委員に伺いたい。郵便貯金ばかりでなく、他のものもおわかりですか。郵便年金だとか、郵便保險とか、その方ももしわかつたら……。逓信部門からあがる全般的な数字がもしわかつたら……。あなたの方は貯金だけですか。

村上好逓信事務官

○村上政府委員 貯金だけです。保險年金の数字を今もつておりませんから、それを含めた各数字を申し上げることはできませんが、貯金に関してだけならば申し上げられると存じます。この前申し上げましたように、この数字はただいまお話の数字とは利回りの点で多少違つておりますが、この前申し上げたことを敷衍して申し上げてもあまり違いはなかろうと思います。この前申し上げましたのは、本年度の年度初頭には郵便貯金は四百五十七億九千万円あつた。これをその当時の運用利回り三分四厘六毛でまわした。これからこの利回りで行けば、十五億八千四百万円にあがる。ところが支出の方は、郵便貯金の利子の拂いが、大体利回りが二分五厘と見て、十一億四千四百万円となる。それでその運用率は四億四千万円である。この四億四千万円のうち、これからこの貯金の運営のために逓信省がどのくらいもらつておるかというと、逓信省は千八百円ベースの時代におきまして、二十億二千万円をもら女ことにいたしております。それから大藏省自体の事務費が約一億かかると見て、これで二十一億円かかる。それでこの貯金事業自体の運営から約十七億円の赤を出しておるという数字を示しております。それで結局この基礎をなすものは、運用利回りが大藏省が三分四厘六日、これは主として國債に投資したからこういう数字が出ておるのでありますが、これを急に國債から高利のものに借りかえるわけにいきません。これは償還期がきまつておるのであります。將來新しくできる貯金は、高利の方にまわすことができましようが、これは先ほど大臣の御説明もありましたように、今年度わずかに十一億円の新規預入であります。こんなことではいくら高利にまわしても、こんな運用利さやをもつてわれわれの財源にあてるなどということはとても期待はできません。それで將來のものは少くとも現在の情勢ではさように期待がどきないという建行をとりますと、この十七億の赤を消すためには、少くとも運用利さやを暗分ぐらいとらなければ、とてもゼロにはならない。この利差とコストをバランスさせるには、七分の利ざやをとらなければ、いけないという逆算になります。かようなことはとうてい現状をもつてしては不可能であります。それが林委員のおつしやるように、その会計がどこにあろうと——逓信省で経営しようと、大藏省の預金部でそれを運用しようと、会計の所在がどこにありましても、実際にこれだけ貯金事業のためには経費がかかるのである。これをこつちへもつてきて、ただちに三分四厘を五分に利回りを上げてみても、やはり逓信省で赤は赤だ。七分まで利ざやがとれればあるいは黒になるかもしれぬということ、この七分と申し上げましても千八百円ベースであります。その当時の物價を基礎としてそういうことになるのであります。だから二千四百円になり、また物價が何倍か上つてきますれば、七分の利ざやでもいけない。一割以上とらなければいけないということになつてくるかもしれません。さよう御承知願います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 今言つた國債をもつておるから、三分四厘にしかまわらないと、これを固定的に考えられておるのですが、そうすると、國債を適当に処分して、國債を買つてあるだけの四百五十七億を逓信省で回收して、それを適当に運営することによつて今あなたの言つた少くとも七分にまわす、七分の利ざやを必要としますから、七、八分にまわすということですね。そういう方法が考えられるかどうか。

村上好逓信事務官

○村上政府委員 逓信省でその國債を買い上げると言いましても、どこから借入金をもつたきて、それに相当な利子を拂わなければならないのですから、このこと自体が非常に大きな経費になります。また実際問題として何百億という大きな國債を逓信省が買い上げるということは、財政の技術上から見て困難なことと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 今公債を逓信省で買い上げるのではなく、逓信省は四百五十七億を実は公債にしておるわけです。だからその公債を適当に処分して、逓信省の方がその金を運用するという方法が開けないか。戰爭前には、すでに逓信省が適当な確実な地方の事業などにいろいろ貸し付けていたわけですから、そういう方法があるかどうかということです。

椎熊三郎民主党逓信政務次官

○椎熊政府委員 林さん、あなたは郵便貯金と簡易保險の積立金とを混同しているようです。郵便貯金の方は、日本に郵便貯金制度が創設された当初より、大藏省に貯金部というものができて資金の一元化をはかつておる。それから簡易保險の方は、ただいまおつしやつたように、昭和十八年までは逓信省自体が運営しておつて非常に好成績だつた。それが戰爭中資金の一元化というところから、昭和十八年の何月でしたか大藏省に移管されまして、終戰後間もなく逓信省にもどつてきた。多分去年の一月だつたと思います。関係方面の関係もあつて、日本國内の資金の一元化というので、大藏省に引きもどされた。しかしながら逓信当局といたしましては簡易保險事業の実体から見て、これを集める方、貸し出す方を一手に握つておる方が非常に運営上いい、成績をあげられるというので、去年以來猛烈な運動をして、大藏省のかなりの反対もありましたが、大体しかたがなかろうというところまで漕ぎつけまして、また全國市町村長会議におきましても、六・三制の実施からにらみ合わせまして、どうしても本來のごとく逓信省がこれを運営してもらいたいというので、相呼應してこの運動を開始して関少方面にも御了解願つたけれども——今のところ未だに私その意思を捨てておりません、なお折衝中でありますけれども、今のところ許される氣配もない。これは実に残念であります。保險をやるのは、募集をすると同時にそれを運営していくという反面がなかつたならば、保險運営というものは片手落ちだ。片方の手を切られておるように状態では実に残念だと思いますが、國の実情は、資金の一元化というところに関係方面もすこぶる重点を置かれておるために、われわれ意のごとくなつておらぬのであります。貯金の問題は先ほど脇長からお話のあつた通りであります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 よくわかりましたゐ結局今椎態次官の言われるように、郵便保險も、できるならば年金を郵便貯金も、もい途があれば全部逓信省の方で運営するように方向へいければいくように、困難かもしれないか、そういう途も考慮してもらいたい。そこから一つの財源というものもヒントが得られるのではないかということだけ、きようは申し上げておきます。

野上健次日本社会党

○野上委員 本日は逓信大臣も政務次官もお見えになつておりますので、今日問題になつておりますところの逓信料金引上げに関して二、三点お伺いしたいと思う次第であります。すでに同僚議員から意見が述べられたとは思いますが、私遅れてまいりましたので、あるいは重復する点があるかもしれませんが、御了承をあらかじめ願つておきます。  私伺うところによれば、大藏大臣は年末支給されました二・八箇月分の生活補給金、赤字補給金の残額〇・八の支拂にあたつて運賃及び郵便料金を値上げしなければならない、財源をここに求めなければ、どうしても適切な財源がないのだというよう意見をおもちのように聞いておるわけであります。同時にこのことが閣議ですでに決定されておるということでありますが、これははなはだ政府といたしましても親切を欠いたやり方だ、かように思う次第であります。〇・八の予算を編成しなければならぬということは、中労委の裁定を政府がのんだときにすでに決定しておることであつて、旧年内に二箇月分を拂い、残余の〇・八箇月分はこの一月中に支拂わなければならぬということは、はつきりした既定の事実であります。しかるにこの一月もあす一日でなくなるというときに、予算案をようやく國会に提出する、そうしてぜがひでもこの予算案を予算委員会でのんでしまえというようなことをされることは、ぼくは政府の誠意というようなものを疑わざるを得ないのです。しかもこの〇・八箇月分を支給するにあたつて、郵便料金あるいは鉄道運賃を値上げすることになれば、これは財政の方から考えてみましても非常に不合理だと思われる。なぜならば〇・八箇月分というものは、これはいわゆる生活補給金であり、臨時に支給さるべきものであつて、財源を求めるには当然臨時的な財源を求めるべきものだと思う。恒久的に今後続いていく郵便料金の値上げであるとか、運賃の値上げであるとか、そうした財源の求め方をするということはすでに間違つておる。さらに聞くところによれば、四月にはまた百パーセントの引上げを行う考えである、こういうことだそうでありますが、こういうことになるといたしますと、この第二回國会の間に二回もわれわれ國会議員は郵便料金及び運賃値上げについて審議をしなければならないということになります。こうしたことがいかに今日のインフレーシヨンの激化に拍車を加え、日本の國民に経済的な痛苦を與えるかということがおわかりにならないか。私はこの〇・八箇月分の財源を、先ほど林君も言つたでありましようが、別に求める方法が、誠意をもつてすれば、必ずあると思うのです。政府はその財源をお示しくださいと必ずお言いになるでしよう。大藏大臣もきのう言つたようであります。先ほど問題になりましたが、貿易公團のいわゆる輸出不合格品として管理されておるところのメリヤス千曽百万着、こういうふうなものについても実際に檢討していくならば、臨時に今支給しようとする〇・八箇月分の予算は十分に捻出し得ると思われる。先ほど三木大臣は、そのこともちやんと予算の上に組んであるということをおつしやつておつたようでありますが、それではそれからどれくらいの收入の予算を立てておられるか、その点をまず明確に伺つておきたいわけであります。  それからもう一つ——これはちよつと速記を止めてください。

岡田勢一国民協同党

○岡田委員長 ちよつと速記を止めてください。     〔速記中止〕

岡田勢一国民協同党

○岡田委員長 速記を始めて……。

野上健次日本社会党

○野上委員 なおいま一つ、この〇・八箇月のいわゆる生活補給金をこうした財源に基いて出されるということになれば、今後そうした予算收入が続く限り、補給金がこれによつて賄われるならば、鉄道從業員に対しても逓信從業員に対しても、補給金を出される考えがあるかどうかということを承つておきたいのであります。  それからいま一つは、この二・八箇月分の生活補給金、これは完全な赤字に対するところの生活補給金でありますが、これから税金をおとりになるというようなお考えのようであります。これは政府は未だ一度も免税するという考えをもつたことはない、かように今逓信大臣はおつしやつたようでありますが、これはまことに不親切極まると思います。これは税金の対象になるような金ではない、本質的に言つて官公吏諸君が物價の崩壞、インフレーシよんのもとに非常に生活に困難を來して、どうしても赤字で立つていけない。そこでああいう要求が起つて、中労委からああした裁定をし、政府がこれをのんで出すものであつて、この中からも税金をとるという考え方は、根本的に間違つておると私は思う。もし今までそういう考えをおもちになつたことがないとするならば、今後ぜひ、ひとつ税金を免税するというような考えをもつていただきたい。  なお行政整理の問題について、天引整理というような方針はとらない、かようにただいま言明されたようであります。仕事の量から考えて適正なる人員を求めたい。かように述べられたようであります。さいわいにも、そういう天引整理という基本的な方針をおもちにならない。仕事の量から考えて適正な人員をおもちになるということであれば、現在の定員と現在の仕事の量との関係、これから現実に大体どういうような見込みをおもちになつておるか。そういうことについて、もう少し具体的、詳細な数字について承りたいのであります。なお参考のために、この郵便料金の値上げによつて、本年度大体どのくらいの國庫増收になるかということ、そのことも承つておきたい次第であります。

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 郵便料金の値上げのことから申し上げますが、これは委員長も言われたように、ここに出ておるのではないのであります。値上げをしなければならぬという理由を、私が先ほど通信事業の概要を説明したときに申し上げた。これはもう先ほどから繰返し申し上げますごとく、郵便料金の値上げが國民経済に與えます影響等も十分に考えております。しかしながら、どうしても今の郵便料金が、独立採算制という見地から見れば、どうにもならない料金をきめられてある。それは人件費では千二百円ベース、物件費では一昨年の九月なんだ。だから、いかに國民経済への影響、公益事業というような性質を考えても、そういうようなベースのものに通信料金がきめられるということでは、やはりこれはある程度独立採算制の見地から、経営が合理的にできるような適元な料金に値上げをするということは、國民も納得をしてくれるものだという期待をもつております。  また次に税の問題でありますが、これは御承知のように中労委の調停も、二・八箇月分を出すということで、これについては中労委も特にこれは手取りである税はこの中に含まないのだというような調停ではないのであります。だから特に税を免除するということになれば、今日の税制の建前から考えれば、單行法をもつて特別に税を免税する法律案をもつか、さもなければ二・八が三・何ぼになるか、税をそれにプラスした一つの調停案が出なければ、手取り二・八にならない。免税をする單行法をもつか、さもなければ二・八に税金分を足したものが調停案として出なければ、手取り二・八にはならない。非常にお氣の毒ではありますけれども、しかし実際今日の政府の財政状態から二・八箇月分をのむということは——何とかして中労委の調停を尊重したというためにこれをのんだので、これをのむということに対しては、まことに政府としては簡單にこめをのめたのではないのであります。そういう点から考えてみまして、この上にさらに税の分を足して、三・何ぼを出すというようなことは、とても政府は應じ切れるものではないのであります。從つていろいろ労働組合側からの言い分もありましようが、もうすでに二箇月分に対しては税をみな引いて、残つておるのは〇・八箇月分だけの問題でありますので、これはそういうことも考えて、政府が二・八箇月分をのんだのだ。政府自身がそういうような深い考慮のもとに從業員の生活問題をいろいろ考えて、実になかなかのみにくいのをのんだということに対して、從業員の側も理解のある態度をとられまして、この問題は了解をしてもらいたいと思います。  行政整理の問題については先ほど申し上げましたごとく、今、仕事の量と、これにマツチするような適正な人員というものを、いろいろな角度から算定しておるのでありまして、具体的にどういう数字になるということは、もう少し時間をかしていただかないと、今ここでは申し上げられないのであります。しかしそういうふうな基準ができましたならば、この委員会においても、こちらから進んで申し上げたいと思うのであります。

野上健次日本社会党

○野上委員 それでは本日は郵便料金値上げの問題は議題となつておりませんので、一應ただいまの大臣の説明をお聽き申し上げるところに止めまして、意見は留保さしていただきます。  いわゆる行政整理の問題につきましては、そうした適切な資料を拜見さしていただきましてから意見を申し述べることにいたします。ただ私は根本的な問題として、通信事業あるいは鉄道事業、そうした國営の事業がいずれも赤字に悩んでおる。この赤字を整理していくためには、もちろん五箇年計画であるとか、いろいろな当面の計画、恒久的な計画等がなされておるとは思いますが、私はこうした事業で赤字を続けていかねばならぬというところに、どこか根本的な間違つたところがあるような氣がしてならないのであります。なぜか。これはほかにまねをする事業はなく、競爭事業があるわけでないのであつて、政府の專賣特許に属するところの事業です。だれも郵便はがきを偽造して販賣するものがあるわけじやない。切手にしてもしかり。しかるにどうして経営ができないか。これは鉄道などについてみますと、きわめて放漫な経理状態であるということが、しばしば指摘されております。通信事業関係には、おそらくそうした放漫なる経理の操作とか、そうしたことはないと私は万々信じますが、なお各方面におけるところの能率の向上であるとか、あるいはこの事業をもう少し一つの独立したところの商業として考えた場合に、経営の面がまた開けてくるのではないかと思うのであります。そうしたことについては、当局におかれましても、もちろんお考えになつておると思いますが、政府の事業であるというので、何か偏つた、官僚的な考え方でなくて、これをもう少し一つの商賣あるいは企業、会社事業、そういうようなふうに考えて、経営の方について十分な檢討をされるならば、十分立つていくのではないかと考える。かりにこういうことも考えられる。     〔委員長退席、天野委員長代理着席〕 これはいろいろ弊害も伴うかもわかりませんけれども、官製はがきに廣告を採用する。これほど宣傳價値のあるものはないのでありまして、おそらく多数の業者が殺到して、廣告の申込みをするでありましよう。あるいは封筒その他についてもそういうことが言える。これは單なる一例でありますが、通信事業の赤字をいかにして克服し、黒字に切りかえるかということについては、まだいろいろな方法があると思われるのであります。そうした点について、でき得ればまず人員整理をするとか、そうした消極的な建直しでなくて積極的に、過剩定員があるとするならば、いかにしてそれらの人間に仕事を適当に與えるか。そうしてこの赤字から黒字へ切りかえるかということを積極的に考えていただきたい。かような希望的な意見を申し述べまして、質問は留保さしていただきます。

天野久民主党

○天野委員長代理 ほかに御質問はございませんか——質問がないようでありますから、それではこの程度に止めておくことにいたします。

天野久民主党

○天野委員長代理 この際お諮りいたしますが、昨二十九日本委員会に付託されてまいりました、電話加入申込者等に公債を引き受けさせるための臨時措置に関する法律案を、日程に追加いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野久民主党

○天野委員長代理 御異議がないようでありますので、これを議題といたします。まず当局者の提案理由の説明を求めます。三木逓信大臣。     —————————————

三木武夫国民協同党逓信大臣

○三木國務大臣 ただいま議題となりました電話の加入申込者等に公債を引き受けさせるための臨時措置に関する法律案の提案理由について御説明申し上げます。  戰爭前におきましては、加入電話の総数は百八万に達しておりましたが、戰爭のため、多数の電話が燒失または破壞せられ、あるいは動員せられたために終戰当時開通しておりました加入電話の数は、戰爭前の約四割五分の四十七万に減少いたしたのであります。その後電話の復旧、新設に対する各方面の熾烈な要望にこたえて、政府は全力をあげて努力してまいりましたので、昨年三月末までに、約二十六万を復旧、新設することができました。本年度におきましては、七万八千の復旧、新設を行う計画のもとに、当初約七億円の予算の承認を受け、昨年十月までに、約六万三千の開通工事を終えたのでありますが、その間中途において物價の改訂が行われました結果、当初の予算に不足を生じたのみならず、これだけの復旧、新設では、一般社会の要望に副うことができませんので、当初の計画を変更し、本年度内に八万七千を復旧、新設し、また増設、接続電話は、これまでは民間で施設していたのでありますが、これも政府において行う方針に改め、その新設数を三万八千とし、合わせて十二万五千の開通を行う計画をもちまして、これらに要する経費として、約十四億円を要求いたしたのであります。もちろんこれらの建設に要します資金は、一般公債発行による財源をもつて充てることとなつていたのでありますが、國家全般の財政事情から、この一般公債の発行高が極度に制限されました結果、加入電話等の復旧新設に充てられるものは、わずかに四億円に縮減されたのであります。この金額では、すでに開通しました加入電話の復旧新設の費用をようやく賄うにすぎませんので、十二月以降においては、資金欠乏のために、電話の復旧、新設はほとんど全面的に停止しなければならない窮状に立ち至つたのであります。  しかしながら電話工事を中止することは、わが國産業経済に及ぼす惡影響が甚大でありますので、ここにやむなく臨時的な措置として、電話の利用者から、加入電話の設備を増加するために要する費用を、政府が直接借り入れて、電話の復旧新設を継続することといたしたいと考えました次第であまりす。  次に公債を引き受けるべき利用者の範囲は、開通によつて直接利益を受ける復旧加入者及び新規加入申込者に限り、既設の開通加入者には及ばないのでありますが、ただ既設の開通電話を讓り受けて利用する者は、新たに電話の利用関係に入る点においては、新規加入の申込者または復旧電話の加入者と何ら選ぶところはないのでありますから、やはり公債を引き受けるべき範囲内に入れた次第であります。  第三に公債の引受額は、予算上の金額によらず、実際の経費を基準とすることといたしまして、過去六箇月間に支弁しました経費の総額を、その期間内に開通、復旧また讓渡(公債を引き受けるべき讓渡)した電話の数で割つた一加入電話当りの平均額を基準とすることといたしました。この場合過去の実績が基準でありますから、その後物價の変動があつたり、または変動が予想される場合には、これを考慮して、適正な金額の算定をすることになつております。  第四に公債の発行條件でありますが、この公債が一般公債と同様に、金融市場で自由に取引されることは、國家の財政事情並びに國内経済事情からして、好ましくない点があり、また一面この公債を引受ける者は、電話の加入者として、利用ができる利便を受けるものでありますから、これらの点を考慮して、一般公債にはない特殊の條件を附けることといたしました。すなわちこの公債またはこれを担保とする貸付金は、日本銀行の発券準備に充当することができないこととして、融通性に制限を加え、また発行價格は、額面百円につき百円、償還は十五年以内に電話事業財政の状態に應じて、できるだけ早く償還する方針とし、利率は年四分、利息支拂は年一回としている等であります。  以上、本法案の目的、内容につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださることを御願いたす次第であります。

天野久民主党

○天野委員長代理 質疑を次会に讓ることといたしまして、本日はこれで散会いたしたいと存じます。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野久民主党

○天野委員長代理 次会に公報をもつて通知いたします。     午後四時八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗