水産委員会 第13号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/05/10
会議録
○馬越委員長 それではただいまから委員会を開きます。 この際ちよつと御挨拶を申し上げます。先般六日の本会議におきまして、はからずも私が本委員会の委員長に選任されたのであります。私は元來短学菲才でございまして、とうていこの重責にたえ得ないと思うのでありますけれども、皆樣方の絶大なる御支援のもとに、この重責を果したいと存じております。どうかよろしく御指導のほどをお願いいたします。 本日は、かねてこの委員会におきまして熱心に翹望いたしておりました水産廳設置の問題につきまして、その後私どもが期待しておりましたような方向に進まずして、傳へ聞くところによりますと、非常に困難な状態に直面しておるということを聽きましたので、急遽この委員会を招集いたしまして、当局の御意見も承り、なおこれに対して善処いたしたいと存じておるのであります。 まず、私から行政調査部総裁船出國務大臣、並びに総務部長前田克己氏にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、水産廳設置の問題につきましては、さきの議会におきまして、水産省設置の決議案が本会議においてすでに決定いたしておるのであります。爾來水産省の設置を前提といたしまして、とりあえず水産廳を設置していきたいという考えのもとに、本委員会におきましては、昨年以來熱心にこれを翹望いたしておつたのであります。なお農林当局との間には完全なる意見の一致を見まして、爾來農林当局ともに関係方面にも折衝をいたしてまいりました。先般は関係方面からも具体的な指示もありまして、すでにわれわれにおきましては、近いうちに水産廳の実現を見るものと非常な期待をいたしておつたのであります。しかるところ、最近におきまして事務当局におかれましては、この水産廳設置につきまして、いろいろ、困難があるやに傳え聞いておるのでありますが、これらにつきまして、ただいまのところの御経過を、一通り承りたいと思うのであります。
○船田國務大臣 ただいま委員長から御質問のありました水産廳、あるいは水産省の問題につきまして、もちろん今委員長から仰せられましたような、水産省を設置すべきであるというような議決もありましたことその他、行政調査部といたしましてよく承知いたしておりまして、できるだけのことはいたしたいというふうに考えておる次第でありますが、一方におきまして、現在一般的に、行政の能率化という立場から、行政機構の簡素化を目ざしまして、行政機構を改革しようとする立場から、各種の檢討を加えておりますような次第でありまして、新たに水産廳なりあるいは水産省、さしあたつては水産廳というお話でありますが、これを設置いたしますことが、そういう一般的方針と合致するか否かという点につきまして、相当問題がありますので、研究を重ねておる次第であります。経過等につきましては、政府委員よりあとで詳しく申し上げたいと思いますが、ただ目下の情勢といたしましては、國家行政組織法の國会における審議を求めておりまして、今月中に法律の制定を見なければならない情勢になつておりますし、それと関連いたしまして、各省各廳の設置法も成立せしめなければならないような情勢になつておりますので、できるだけ早くこの問題を解決いたさなければならない状態に立至つております。從つて行政調査部といたしましては、一両日中にこの問題を閣議に提出いたしまして、政府としての態度をきめてもらうように、またしかもそれにつきましては、できるだけ國会、殊にこの水産委員会の御意見を体しまして、この御意思に副うように努力いたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○馬越委員長 國務大臣は時間の余裕がないそうでありますので政治的方面につきまして、なお大臣の所信をお伺いいたしたいと思うのであります。水産廳設置の問題は、全國全漁業関係者の翹望のみならず、本委員会におきましては、すでにその意思を表明いたしております通りでありますし、なお各党におきましても、それぞれ党議をもつて決定いたしておるのであります。でございますので、國会におきましては総意によるものであると考えておるのであります。さよういたしまして、委員会におきましても農林当局とも密接な連絡をとりまして、すでに水産廳設置に関しまする事務的の万般の用意ができておるのであります。ただ政府の決荷ができますならば、あすとも言わず今日でも、ただちにこれが実現を見るだけのすべてのぜん立ができておるということは、十分に御承知願いたいと思うのであります。さよういたしまして、この水産廳設置の問題は、最近起つた問題ではないのでありまして、多分九十二議会のときであつたと思うのでありますが、衆議院におきましては、満場一致をもつて水産省の設置の決議をいたしておるのであります。今回はとりあえず水産廳を設置しようというのでありまして、最近におきましては、こうした國会の総意によるものでないところの、いろいろな廳が新設されておるのであります。たとえば石炭廳のごとく、また最近におきましては、林野局が林野廳となり、あるいは食糧管理局が食糧管理廳となるなどということも聞いておるのであります。しかるに、数年前から非常に翹望せられ、やかましく論ぜられておりますこの水産廳の問題が、ひとり取り残されるということは、われわれとしてはどういたしましても承服ができないのであります。ただいま國務大臣におかれましては、経過の一部を御発表になりましたが、いま一應大臣としての、この國会の要望、殊にこの水産委員会が全力を盡して、これが設置につきまして努力をいたしておりまする事情をよく御考慮の上、いま一應大臣の決意を承りたいと思うのであります。
○船田國務大臣 委員長の重ねてのお言葉、重々私存じておる次第でありまして、ただ先ほども申し上げましたように、一般的な問題といたしまして、できるだけ行政機構の合理化と申しますか、さらに簡素化というような立場から、たとえば臨時行政機構改革審議会というようなものの審議を進めております関係から、水産廳のみを取り出して、これを早く決定するというようなわけにはまいるかねました次第もありまして、ただいままでこの問題が、政府の方でもはつきりと態度をきめるまでに至つておらなかつたような次第であります。これにつきましは、重ねての御要望もございますので、私といたしまして、できるだけの努力をいたしまして御要望に副いたいと思つておるのでありますが、單に水産廳だけが取り残されたというようなわけでもございませんで、ほかにもいろいろまだ問題が残つておりまするので、そういうものとの関係も併せて考慮いたしまして、先ほど申し上げましたように、できるだけ早く、これも一両日中に、政府の態度をきめるように努力いたしたいというふうに考えておりまするので、御了承おきを願いたいと思います。
○馬越委員長 だれか御質問はございませんか。大臣は時間がありませんので、すぐ御退席になられたいというのでありますので、大臣に対する質疑をしていただきたいと思いますが、御発言はございませんか。
○青木(清)委員 私が聽かんとする点は、ただいま委員長の発言に盡きているのでありまするが、そのうち最も重大な点は、衆議院の意思というものが、もちろん本会議の決議事項としては現われてはおらないけれども、各党の党議としてはつきりきまつておるわけなのであります。一つの例をもつて申し上げますならば、私が属しておる民主党におきましては、去る五月五日の全國大会におきまして、この問題を党議として決定しているのであります。すなわち水産対策決議として、一、水産行政の拡充強化と、資源の調査、統計の整備による水産計画の樹立を目的とする水産廳を設置する。二、衆参両院の水産常任委員会は農林とは別個の事業形態を有する水産の立法基盤として存置する。こういうのであります。すなわちこの水産常任委員会を農林委員会と合併せずして存置するというわれわれの希望は、農業の事業の形と水産の経営の形とは、おのずから別個のものがある。從つて立法府におけるわれわれの希望は、やはり行政府においても達してもらわなければならない。この意味において、私どもが希望しておりまする水産廳というものは、今出ておる群小の何々廳というものとは、おのずから性質を異にしておるのであつて、將來は農林省に対抗する水産省としての第一歩の発足なのであります。從つて、今申し上げたのは民主党の党議でありますけれども、その他の各政党におきましても、すでに党議となつておる。船田國務大臣の属しておられる國民協同党におきましても、おそらくこれが党議となつて決定しておるものと思うのであります。各党の意思が現われてまいつてきておりまする以上は、かりに與党三派といたしましても、各党間の政治的折衝というものは、各党の党議が相反しておるときに起るのであつて、各党の党議がはつきりしておるこの水産廳のごときものにおいては、これはまづ先に、他の行政機構に先んじて取上げてもらわなければならぬと考える。また行政の簡素化の面についてでありますが、最初当委員会において、運輸省関係、労働省関係、商工省関係というふうに、各省間多岐にわたつておる水産行政というものを統一して、水産廳一本にまとめるという構想であつたのが、残念ながら官廳のセクシヨナリズムによつて実現を見なかつたために、現在のような構想のもとに水産廳をまず発足する、そうして他の群小の何々廳というものより、先んじて水産廳というものをつくり上げて、それが今大臣の言われまする行政機構の改革に際しましては、水産行政の一元化という、いわゆる簡素化という点に向つて政府において努力し、われわれの希望を達してほしいという考えをもつておるのであります。從つてこの問題を一般行政機構の改革までこれを持越されるということについては、私は不同意なのでありまして、それより一歩先んじてこの問題を解決してもらわなければならない。しかもなお、前に申したように、この水産廳というものは單なる水産廳というものでなくして、水産省への飛躍の段階であつて、水産廳設置についての必要なる理由というようなものは、もう私がここで申し上げるまでもなく、大臣においてもよくおわかりの点と考えるのでありますがゆえに、この点を大臣としてはどう考えておられるか。ただいまの御説明で、大臣は種々努力されるという点はわかるのでありますが、しかし私が申し上げた各点について、大臣はどういうお考えを持つておられるか。私の考えと相反したものがあるかどうか。この点を一應判然としていただきたいと思うのであります。
○船田國務大臣 青木さんのお言葉の中で、私は別に行政機構の一般的な改革のときまで持越すというつもりがあるわけではございませんので、先ほども申し上げましたように、この問題につきまして、できるだけ早く解決いたさなければならない諸般の情勢がございますので、その解決にあたつて、お言葉のような御趣旨に向つて努力をいたしたい、こういうことを申し上げた次第でありまして、もちろんまたほかの—と申しまして今別に例を思い出しておるわけではありませんが、廳あるいは省と同列というようなことを考えておるわけでも決してありませんで、この水産廳設置の問題につき、また、水産委員会というものがどうして成立したか、またこれまで活動してこられたことなどにつきましても、よく了承しておりますので、この点につきまして、青木委員のお言葉に対して、非常に違うていうような意見を私もつている次第でありませんが、簡素院、あるいは合理化というような線にできるだけ副つたものとして、水産廳というものを出発せしめなければならぬのではないかと考えておりますので、この点につきましては、御意見に副つてできるだけの努力をいたして、できるだけ早く、一両日中に政府の態度をきめるようにもつていきたいと考えております。
○冨永委員 民主自由党は三月十五日の党大会の決定におきまして、水産廳を実現することに定めているのであります。この問題が水産委員会に上程せられましてから、條項その他條文等につきまして、いろいろ再三にわたつて審議をいたして、もう五月三日までには、おそらく実現するものなりということさえ信じていた今日、突然その存立が怪しいというようなことを今話されたわけなのでありますが、一体今までの関係方面との話合いにおきまする、現在の経過はどういうふうになつておるかという点を、お伺いいたしたいと思います。私どもは、野嶋としては、あくまでこれが実現に邁進する一本だということを、はつきり申し上げておきたいと思います。
○船田國務大臣 今お尋ねの問題につきましては、行政調査部として、直接に関係方面と連絡をとつたことはございませんで、農林省関係と天然資源部の方とで協調が保たれていたはずでありまして、できるならば、そちらの方から経過をお聽きくだきると結構だと思うのであります。
○吉川(兼)委員 水産廳設置につきましては、今委員長初め、委員の諸君からいろいろ申し上げられました。またすでに何回も参衆両院協議委員会において、これは問題なく、満場一致で委員会を通過している問題であります。私が詳しく内容を申し上げる必要はありませんが、ただこの問題につきまして、行政調査部でやつております仕事の内容を、もし差支えなければ詳しくお伺いいたしたい。それは水産廳設置について、すでに水産常任委員会の案ができているはずでありますから、その案について、あなたの方で、これを実現するには予算がどうなるというような、こまかな研究を加えられているのか。それから今國務大臣の話によりますと、数日のうちに閣議において水産廳設置問題をきめてもらいたいというようなお話でありましたが、それにつきましては、あくまでこちらの案を單純に取次ぐようなことになつているのか。あるいはそれに対して、いわゆる副申とでも言いますか、役所なんかで、書類を取次ぐ場合に意見が加えられるのが普通でありますが、行政調査部として、これは置くべきであるというような御意見を加えるところまで進んでいるのか、いわゆる副申的な、そういう積極的なお取扱いになつているものか。おそらく閣議といたしましても、あなたの方の御意見によつて帰趨が決するという点が少くないと思います。突然出されたといたしましても、ほかの國務大臣が、それぞれ事こまかに水産廳の問題はわかるはずはないのでありますから、あなたの方では、置くべきであるという考えのもとに閣議にこれを問うことになつたのでありますが、その点をひとつ明確にお伺いいたしたいと思います。
○前田政府委員 ただいま私どもの方の総裁から、本問題を從來取扱つてまいりました私どもの方の役所の気持を申し上げておりますので、あまり事務当局としての意見を申し上げても、無用のことと存ずるのであります。私どもの方では、臨時行政機構改革審議会の議事、その意思というものを、相当尊重して仕事をやつておるのであります。臨時行政機構改閣審議会は、御承知のように閣僚たる委員のほかに、四、五名の民間の委員を加えて、今日まで相当回数の審議を重ねておるのでありますが、一般の傾向としては、役所の数が殖え、あるいは機構が拡大することは好ましくない。そういう意味で四月の初めに出した中間報告におきましても、行政機構の簡素化ということをはつきりうたわれておるのであります。さらにその後種々の事情から、新規の部局等が非常に増設せられる傾向を憂えまして、先般さらに中間の勧告案が出たのであります。これによりますと、当初の中間報告の趣旨並びに行政整理に対する民間の要望の点にも鑑みて、今度役所の部局の新増設はこれを極力差控えることにいたしたい、もし種々の新しい理由によつて部局が増設せられる必要がある場合においては、その役所全体として再檢討を加えて、全体的に部局が殖えるというようなことがないようにして欲しい、不要の部局を廃し、必要な新しい部局を設置するような行き方にして欲しい。そういう中間の勧告であつた次第であります。從つてわれわれの事務当局としての意見を申し上げますと、水産行政の強化という点におきましては、何ら異存をさしはさむことはないのでありますが、この際農林当局の方より照会を受けております、その下に四局を設ける水産廳というような機構をつくることは、審議会の議事の経過から見て、あまりにも相反する傾向になるので、容易に御同意いたし得ない。從つてできることならば、現在の内局のまま、必要に廳じ部制を布く、その程度に止めていただきたい。かようなことを事務的に申し上げておるのでありますが、これは農林当局といたしましても、容易にまたそれに同調されることはないのであります。すでに問題が相当大きく政治的になつておることでありますから、私どもといたしましては、この上は廟議の決定にまつよりほかない。かように考えて、先ほどからその趣旨のことを総裁から御答弁申し上げた次第であります。從つて閣議に出しますときには、私どもとしては、ただいま申し上げたような、事務当局としての意見を申し上げるつもりであります。特に水産廳を調置すべしという意味の案は出さないつもりであります。しかしこの水産廳を設置すべしということにつきましては、農林大臣あるいは農林当局の陪席される方から、十分その趣旨が御紹介あるように手配をいたしております。
○馬越委員長 お諮りいたします。本委員会はこれをもつて閉会いたしまして、引続きまして懇談会に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬越委員長 それでは本日はこれをもつて散会いたします。 午前十一時五十分散会