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2回国会衆議院1948/05/28

水害地対策特別委員会 第8号

発言数
41
登壇者
9
会派数
4
開催日
1948/05/28

会議録

鈴木強平民主党

○鈴木委員長 これより委員會せ開會いたします。

田中健吉社会革新党

○田中(健)委員 ただいまいろいろ説明を聽きましたのですが、豫算案が出ないのにやつており、勝手なものじやないか、責任を負えぬということでありますが、實際復舊しなければ、供出の割當もできない。産業の復興もできない。そういうものの言い方は、あまりにも役人的な言い方であり、下情に通じておつてそういうことを言うのならば、犯罪みたいなものである。現實にそうであるならば、やはりこれに對して當然何らかの處置を講じなければならぬ、こう私は思います。一體六月の豫算案が今通過しておるのが、いつごろまでに末廃に金が屆くのであるか。豫算の金をどうするとかいうけれども、實際の工事は進んでおるのであるから、豫算がなかつたら、金融的措置を講ずるとか何とかしなければならぬ。一千萬圓の豫算であつても、現實には四千萬圓の金がかかつておるとするならば、あとの三千萬圓というものは請負業者に拂わなければ、請負業者が現場から引揚げてしまう。そこへもつてきて雨でも降ろうものなら、最も子もなくなつてしまう。こういうことになつて——これは大藏大臣がお見えにならなければ、答辯できないことじやないかと思うけれども、そういう場合には金融的な處置を講じなければならぬ。政府は必ず出す、豫算的に認める、それまでの間金融機關なり何からでも金を借りて使え、こういつた親切な指導と言いましようか、そういう措置がとられなければならぬのに、お前たちが勝手にやつたのだ、こういう態度をとられたのでは、地方はやつていかれるものではない。私は委員として意に合わない者の一人でありますけれども、そういう態度をお改め願いたい。前の和田さんがおられた場合ならいざ知らず、今度は長官の栗栖さんなり、政務次官には民情に通じておられる西村さんがおなりになつておるのに、そういう態度は、私は氣に食わない。大體この態度そのものからひとつお改め願いたいと思いますが、その點そこにおすわりになつておられる方々から、明快なる御答辯を願いたいと思う。

西村榮一日本社会党経済安定本部政務次官

○西村(榮)政府委員 ただいま田中委員からおしかりをこうむりましたが、安本の民主化ということにつきましては、上下をあげて努力いたしておりますので、この點は御了承を願いたいと思うのでありますが、ただ安定本部で立てまする資金計畫竝びに資材計畫というものは、これは國家の全體的な、總合的な立場に立つて立てるのでありまして、御説のごとく一局部においては非常な緊急を要する、たとへば北海道においては五月から九月までに工事を完了しなければならないとかいうような、特殊の事情もございます。これは東北も同様でございましよう。また災害を直接受けられた地域におかれましては、選出代護士竝びに地元の各位が協力されて、一日も早くその復舊に努力したいということは、これはまことにごもつともな話であるのでありますが、何分にもただいま申し上げましたように、資金計畫、資材計畫というものは、國家全般の生産力その他の立場から、總合して調整いたすのでありまして、またただいま内田次官が御説明申し上げました事務的な處理の問題につきましては、これは制度としてそうなつておるのでありまして、決して安定本部の官僚化がそうせしめるものではないということに御了解を願いたいのであります。しかして豫算で決定されたる範圍内におきまして、工事を進行せられる。しかしながら政府支拂が遲れておるとか何とかいうふうな問題につきましては、これは極力財務當局を督勵いたしまして、支拂を促進せしむることはもちろんでございまするが、またそういうふうな個々の具體的な事實がございまするならば、豫算の決定されたる範圍内においては、金融的措置については御相談に應じたいと思うのであります。ただいま安定本部の官僚化について、いろいろお小言をこうむりましたけれども、これは一に制度によつて、義務的にしからしめるのであります。しかしながらその制度を活かすも、またきわめてぎこちなくすることも、扱う人々によつて違うのでありまして、この點においては、もつとこれらははだざわりのよいように、サービスをよくしたいと存じております。

田中健吉社会革新党

○田中(健)委員 豫算の範圍内におれで支拂できない、豫算の範圍内において政府の支拂が遲れておる場合にはそういう金融的措置を講ずると言うけれども、現場には緊急事態が發生して、その上に工事が行われておる。そういう場合には当然政府はめんどうを見てやらなければならぬ、こういうふうに思う。その點をお伺いしておる。何も豫算的措置があるのに拂えぬというのならば、これはいつかはとれる。そうではなく、工事はどんどん進んでおる。地元では犠牲を拂つて、莫大なる私財を投じてまでもやつておる方々がおる。それが非常に困つておる。豫算化しておらない部分もあるから困つておる場合がある。そういう場合には、土建業者なら何なりに對して金融的な措置を講じて、これを親切に取扱つてやる。この心があるか、ないか、これを私はお伺いたしたのであります。この點を重ねてお伺いいたします。

西村榮一日本社会党経済安定本部政務次官

○西村(榮)政府委員 全體的な問題はどうかと存じますが、昨年の暮には、いろいろただいまお話のような事情も勘案いたしまして、大體九億三千萬圓の金融的措置を講じたのであります。しかしながらここで公式に、お前の方からどうせい、こう言われますると、會計法その他に諸規則によりまして、憲法によつて行政は施行いたすのでありますから、豫算できめられていないものをどうせいと言われることは、まことにすげない答辯でございまするが、それに對してはいかんともいたし方がない。しかしながら緊急的な問題につきましては、昨年におきましては、事情まことにやむを得ないものに對しましては、九億三千萬圓も金融的措置を講じたのでありますから、なるべく御便宜をはかりまして、地元の各位の御要望に副いたいと思いますが、何分にも憲法その他において行政は規制されておるということを御了解願いたいのであります。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 豫算の範圍内においてやらなければならぬということはわかつておりますが、災害復舊工事全體に對する考え方について、私は建設院總裁にも伺いたいと思うのですが、もちろん豫算を決定するにあたつて資材の裏づけをしなければならぬという點において、公共事業費というものは、豫算の使い方は非常に嚴格でなければならぬ、そういうことを私どもよくわかるのでありますが、ただ災害復舊工事の實情というものを考えまするときに、政府の諸君が考えるように、そう必ずしも計畫資材の必要を認めないのであります。たとえて申しますならば、私どもの方の秋田縣などにおける災害復舊工事は、そのほとんど大部分は、木材をその資材としておる。しかも木材は現在のところ非常に大量の滯貨を見ておるのであります。從つてさらに民木あるいはその附近における材料を使いますならば、必ずしも計畫の上に載つたものに拘束されないでも、豫算的、金融的措置だけが講ぜられるならば、工事の非面な進捗が見られるのである。從つてほかの貴重な、あるいは計畫の上に載つてこなければならないような資材を對象として行う工事の場合と、考え方をかえてもらわなければならない。その費用の大部分は實は人件費であります。わが國の土木工事というものは、御承知の通りほとんど大部分が、特に僻遠の地においては勞力に依存しておる。從つて今一番困つておることもまた人件費の問題であつて、金融的措置さえ講ぜられるならば、ある部分は解決するのである。必ずしも豫算化を必要としない。そういう點を考えていただきたいのであります。その點についてどう考えておらるるか、御見解を承りたい。  それからもう一つは、すでに支拂分の三十一億餘りについては、舊價格をもつて支拂う、未拂の三十八億は新價格をもつて換算する、こういう御説明でありましたが、現實にこの三十八億という未拂のものの豫算的措置が講ぜられたのが、私の承知する範圍におきましては、四月の暫定豫算に計上せられて割當てられた分が、五月の二十二日であつたと思いますが、私が秋田縣の縣廳へ行つて調査したところによりますと、まだ來ていない。そうすると五月分が七月の初め、六月分はおそらく新價格決定後に來るであろう。現實に金が來ていないのに豫算的措置だけは講じておつて、そのあとで價格は改訂せられても、前にきまつたものであるからこれは舊價格だということになると、緊急やむを得ないものであるからと早く出したことが逆效果になる。そういうことであるならば、むしろこれも拂つてもらわないことにしておいて、六十八億を舊價格で換算してもらつた方が金がよけい來る。金融的措置が、先ほどから申します通り、問題の重點でありますので、金額がよけい來た方が結局はよいのであります。そうすると親切が餘つてかえつて地方にとつては迷惑な事態になるという點をお考えいただきたい。そしてもちろんこの豫算ではわれわれとしては不満である。不満ではあるがまずこれをのむことを前提としましても、三十一億もすべからくこの舊價格によつて計上して、そうしてそれを舊價格で支拂うような措置を講ぜられるのが當然である。現實にまだ金をもらつていないのですから、豫算的措置が早く濟んだところでもらつていない。しかも全體の豫算が新價格によつて編成ぜられる以上當然のことだと私は思う。そういう措置を講じてもらう必要が絶對にあるとこう思うのです。それから二十一年五月のデイレクテイヴによつて公共事業費は制約を受けている。それは承知しております。しかしこの災害復舊のおもなる原因は昨年のカザリン臺風による三度にわたる大水害によつて生れてきているのであつて、新事態であります。しかもカザリン臺風が襲つた地帶は關東の大平野と東北の穀倉地帶を含んでいるのであつて、二十三年度以降の主食の増産に實に大きな影響を及ぼすことは言をまたない。そうするとその新事態に處して豫算的措置を講ずる等の時間的餘裕を得ないということとは先般御承知のはずであると思う。そういう新事態以前にできている訓令に對して、政府は一體その訓令の改正方についてどれだけの努力をされたか。現實の問題として建設院の査定を受けた工事に對しては、許す限りにおいて各地方においては施行している。ところが先ほど内田次長から説明があつたような問題が生じましたが、各縣に對して豫算的措置を講じていないものに對しては、工事を行つてはならないと、さような訓令を出したように聞いている。そうすると、そういう訓令が生きている以上は、今後縣が必要に應じて緊急にやらなければならない工事さえももうできなくなつてくる。そういう原則はこの際改正せられるように努力をされるのが當然である。その原則を金料玉條のごとく、絶對不動のごとく思われることははなはだしい怠慢であると思われる。これらの諸點についてひとつお答えをいただきたい。

一松定吉民主党建設院総裁

○一松國務大臣 まず水害の復舊等に關して、私の考えている大體のことを申し上げてみたいのであります。  私は、わが國の再建は水害の復舊工事竝びに豫防ということが最も先に取上ぐべき問題であると、實はかように考えておるのであります。そういう意味におきまして、實は木村内務大臣が昨年の災害の當時に非常に焦慮せられまして、現場の視察をする。私はまた厚生大臣として、自分の所管事務以外にそういう方面に關心をもちまして、現場の視察等をしたのであります。そのときから重大な關心をもつておつたのでありまするが、今囘建設院の方にまわりまして、一層その感を深くいたしました。でごザいまするから、時間の許す限りそれらの現場の視察をいたしまして、いわゆる民生安定のために努力いたしたい、かような考えが今囘の豫算の査定にあたりましても、實際の上に現われてまいりまして、特にこの公共事業費というものには私は非常なる關心をもつて、これが増額、按分、それらのことについて熱意をもち、閣議においてもさような立場から主張してまいつたのであります。新聞等でたいがい御承知であろうと思いまするが、最初は安本の方で二百七十億というものを計上しまいつたのであります。ただしその二百七十億のうち二十億は災害の豫備費にこれをとつておく。でありますから、實際使われまする金は二百五十億餘り、かような査定をしてまいつたのであります。私の立場からいたしますると、御承知の通り公共事業費は一つのそういうわくにはめられておりまして、それが河川、砂防、農業、山林、水産、道路、港灣、都市計畫、學校、住宅、官廳、營繕、厚生、勞働、商工その他刑務所というような非常に項目の多いものにここれが配分せられなければならぬのでありまするから、二百五十億くらいの金ではとうてい十分な仕事はできない、何とかしてこれは組みかえなければならぬということを強力に主張いたしました結果、いろいろ安本の方で考えられまして、いわゆる今囘の四百十億ということに殖やしたのであります。その四百十億のうちで、しからば豫備費はいくらにきめられたかというと、やはり二十億ということにきめてあるのであります。その豫備費というのは、今後の災害の發生に對處すべく二十億というものを豫備にとつておく、こういうことでありまするから、今までの災害復舊というようなことにはこの二十億は使われない。そうすると、結局のところは三百九十億ということになるのであります。三百九十億を今申し上げるような項目のものにわけると、河川の方の復舊もしくは修築とかいうようなものには百億くらいに當るか、當らないかというようなことであります。それではとうてい各被害地の住民諸君が私どもに陳情してまいりました額の半分にも達しない。それではわれわれは晏如としてこれをのむわけにいかないということでいろいろ折衝を重ねましたが、なかなか國民に負擔を多くかける、また新税ということによつて擔税力の少い人々に御迷惑をすけるというようなことで、右せんとすれば左ならず、左せんとすれば右ならずというようなありさまで非常に困り切つた。そうしておるところに、例の軍事公債の利拂停止というようなことか閣議に取上げられまして、これが二十七億數千萬圓ある。このうちでいろいろな經費その他缺損等を控除いたしますると、わずかに十五億圓というような金が殘るだけであります。この金でも公共事業費の方に入れていただきたいということを相談いたしまして、一應その二百十億のほかにこれを加えて二百二十五億ということにやつときめておりましたところが、なかなかこれもいろいろな支障のために斷じてまかりならぬということになつたのでありまするが、總理が非常に盡力をいたしました結果、それではその方に入れようということになりまして、今では四百二十五億、このうち今申し上げた二十億は豫備費にとつておきまして、結局四百五億というものが公共事業費に使われるということになります。そこでこの四百五億をどういうように使うかということは、きようの三時半からの閣議でその内容が檢討せられて、皆樣の御協贊を得ることになるのでありますから、まだ詳しいことはこの席で申し上げるだけの時期に達しておりません。しかしながら私はその四百五億の今使われる金を、どうしても災害復舊のために多くこれを使わせてもらわなければならぬ。その災害復舊と申しましても、御承知の通り、河川、それから農業の方の災害、山林の災害、水産の災害、港灣の災害、學校の災害、厚生省方面の災害ということにわけますると、なかなかそれが思うようにまいりません。そこで結局その四百五億をどの方面に重點をおいて多く使うようにするかということが、大いに私の關心をもつておるところであります。またそれと同時に、これらの災害に關しまして、どの方面に重きをおき、どの方面は幾分輕くてもよろしかろうというようなことについては、十分なる檢討をしなければなりませんのみならず、それぞれ關係する人々の立場によつて、自分の重いと信じたことは、他の方から見れば輕いというような見方もできぬことはないのでありまして、結局は利害關係のある立場々々によつて、そのいずれの方面に重點をおくかということが論議せらるることになるのであります。できまするならば、私はこれらの災害の方面におきましても、とりあえずこの河川の災害復舊ということが、まず一番に取上げられなければならぬ問題だと、かように考えておりまして、今日の三時半からの閣議でもその點に力を入れて、この四百五億の配分に向つて努力をいたしたいと考えております。これらの金はすでに支拂われておるところの舊貨によるものは、ふくらましにならなくて、殘つておるものだけがふくらましになるというような點につきましては、今あなたのおつしやる通り、私もそういう考えをもつておりますから、これらの點につきましても十分考慮を拂いたいと考えております。詳細のことは他の安本の方面からお答えをしていただきます。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 今の大臣のお話だと、二百七十億という査定をされたのが四百十億に殖えたのは、大臣の御努力によつてであるというような御説明でありましたが、私の承るところによると、舊貨で二百七十億と査定したのが、新貨に換算して四百十億になつているということです。

一松定吉民主党建設院総裁

○一松國務大臣 私の言い方が惡かつたが、そういうことはありません。私が大いに他の閣僚とともにこの點に重きをおいて、いろいろそろばんをとつてもらつた結果、二百七十億というものが四百十億になつた。四百十億というものが必ずしも二千九百二十圓ベースを三千七百圓ベースにふくらました、そのふくらましたゆえにこういうように四百十億にふくらんでおるということは、これは計算してみないとわからないが、とにかく舊價格よりも新價格が殖えたということは言える。それは私の力によつて殖えたのではない、こういう意味であります。

内田常雄總理廳事務官

○内田政府委員 石田委員からお尋ねの最後の點について御説明申し上げたいのでありますが、水害對策費が公共事業費の一部分になつておるために、この資金の使用等にあたつては認證制度の適用を受けるということは、石田委員の御意見の通りであります。この水害對策費が認證によつて初めて資金の交付をされるというこの制度は、今日までのところにおいては必ずしも水害のために不便、不利だというようなことにはなつておらないのでありまして、昨年あたりの例から見ますと、むしろこの制度が水害對策のために有利に働いておつたと思います。たとえば昨年七月カザリン臺風による大規模な水害が發生いたしました際において、これに對する復舊費豫算は、水害對策費としては二十二年度豫算にはなかつたわけであります。しかしてまた國會が休會中であつて、急速に國會を開會して追加豫算を得るということも不可能であつたのでありますが、さいわいこの水害對策費というものが公共事業費の一部分として認證によつて使われる金であるという制度を適用いたしまして、その際はこの公共事業費豫算におけるほかの事業のための経畫豫算を、認證を抑えて一時に何億かの金を水害費にとりあえずまわしたのであります。しかして十一月におきまして、國會が成立した際にこの水害對策費豫算というものを新しく追加を得て、このあな埋めをした、こういう作用が得られたのであります。また最近御承知の通り、二十二年度の公共事業費は非常に窮屈であつたがために、何とかして水害對策費等の追加豫算を得たいという努力を政府も國會もいたしたのでありますが、諸般の事情のために遂に水害對策費として、追加豫算は二十二年度分としては成立しないで、その際に背に腹はかえられないと申しますか、認證制度を利用して關係方面の理解を得て、他の事業計畫費を認證制度によつて抑えまして、そうして二億圓の金を水害對策費の方の認證でまわした。こういう便宜を得られるのであります。この公共事業費において認證制度をとつておるということは、必ずしも一つの事業に對する資材、資金を得ることを嚴重にやろうということばかりでなしに、公共事業費は水害であろうと、學校建築であろうと、住宅建設であろうと、道路、港灣であろうと、結局國家の資金と統制資材を使うものでありますから、そのときの緩急に應じて、國家的に的も緊要である方面にまわせるような方法をも講ずることが非常に適切であるという趣旨のもとに、こういう制度が布かれておるのであろうとわれわれは理解しております。また私がかようなことを申しても、しからば水害を第一に考えるといつても、他の經費を抑えて水害にまわしておらぬではないかとのおしかりをこうむるかもしれませんが、もちろんその通りでありまして、先ほどお配りした表にも示してあります通り、政府としてはなかなか今囘の水害の跡始末もつかぬような豫算しか、今のところは用意していないようなありさまでありますけれども、それにしても他の事業等においてもやむを得ない經費があり、それをにらみながら、不滿足ながらも豫算そのものにおいても、水害については十分優先に考えておることは、さきの暫定豫算の場合におけると同じであり、また一旦緩急ある場合には、他の經費を抑えても水害にまわさなければならぬというような事態の起つた場合には、この制度が有利に働くということも考えられるのではないかと思います。なお御意見がございました豫算の範囲でしばられることはやむを得ない、水害對策豫算なるものは、先ほど申します通り、大きな公共事業費の中の一部門でありまして、水害對策費なるものが國會の決議によつて具體的にきめられるわけではないのでありますから、とり方によつては公共事業費全體の中にあることもある。行政措置をもつてできることは御理解の通りでありますけれども、それにしても公共事業費全體の豫算を超過しては仕事は進められないということは、これまた今日の行政制度上やむを得ないところでありますから、できるならば事態が急増する場合には豫算外に資金的な措置を講ずることももちろん考えなければならぬことであります。先ほど西村次官からもお話がありました通り、昨年は一億なにがしの豫算外國庫負擔の契約ということで資金的の措置を講じてまいつてきているのでありますけれども、これも普通の事業と違いまして、資金的援助をしても結局は豫算をもつてぬぐわなければならないというところに、時間のクツシヨンはありますけれども、やはり豫算と關連してくるという面もございまして、なかなか資金的援助は豫算が足りない場合には、その方でどんどんぬぐわれるということはできかねている事情にあることを御承知願います。

高岡忠弘民主党

○高岡委員 ただいま建設院總裁のお話によりますと、午後より二十三年度公共事業豫算の配分の問題について閣議があるそうでございますから、この機會にきわめて強き要望を申し上げ、併せて御質問をいたしたいと思うのであります。二百七十億の豫算が四百十億に増額されたということは、ただいま石田議員の言われたいわゆるふくらましで、當然のことであるとおつしやるのは、私はあまりに數字が大き過ぎるので、一松總裁その他閣議において強き御主張の上に滿足ではありませんけれども、四百十億の豫算の計上されましたことはまずある程度滿足せざるを得ないのではないかと考えているのでありますが、つきましては午後の閣議が終りました直後におきまして、できる限り早い機會に各事業への配分の内譯の表を、われわれ委員に御配付を願いたいのであります。それから災害費の各縣別の間もなるべく早く御配付をいただきたいと思うのでありますが、前囘の委員会におきまして、あるいは本日御説明のございましたこの災害復舊費が驚くなかれすずめの涙ほどの、豫備費を併せてわずかに八十八億というきわめて遺憾の數字であります。仄聞いたしますところによりますと、本日午後閣議にかけられるところの公共事業費の内容なるものは、先ほど總裁が御朗讀になりました表であると思いますが、私の調べたところによりますと、砂防におきまして百一億、道路におきまして二十億、山林におきまして百八十九億、水産におきまして五十五億、港灣におきまして三十二億というような數字に相なつておると思われるのでありますが、特に私の申し上げたい點は、この山林の百八十九億という豫算は、山林の関墾に使われる經費であると承知いたしているのでありますが、御承知の通り山林の開墾には、増段開墾と入植開墾との二種類がございまして、増段開墾は御承知の通り十町歩以内が町村農地委員会、十町歩以上が縣農地委員會——ここに開拓局長も御列席でありますが、私ども親しく陳情申し上げて、地方の行過ぎの具體的な例を是正していただくように要望しているのでありますが、この農地委員會が獨斷專行、絶對權限をもつておりますために、ややもすれば過激分子を含めた農地委員のありますところには、この開墾というものが非常に行過ぎをいたしまして、山林資源を涸渇し、濫伐、過伐の傾向があることはいなむこができない現象なのであります。そこがために各地に大水害が起りまして、わずか一町か二町、ないし五町開墾することによりまして、何百町歩、何千町歩のその下流の美田を流さなければならないという、まことに芳しからぬ現象を呈しているのでございまして、この小開墾、すなわち増段開墾が全國津々浦々に至るまで非常な行過ぎのある点を是正せしめること、それから入植開墾は御承知の通り何百町かをわくの中に入れまして、その決定までは植林もできず、伐採もできず實に山林所有者は困り抜いているのであります。そのうち査定いたしましてわずから一部を選定する。その選定された入植開墾地に對しては、これから山林を伐採して住宅を建てて、それから滿洲、朝鮮あたりから引揚げた人たちをそこへ入れようという、これはまことに私は愚策であると思います。私新潟縣人でありますが、たとえば新潟縣の例を見ますと、六日原とか、銀山平であるとか非常な廣漠たくところの高原があるのであります。こういう所へそういう小植者を入植せしめたならば、勞力少くしてその目的を達せ得られるのではないか。住宅を建てますにも、開墾をいたしますにも、最も少い勞働をもつとその目的を達することができるのではないか。入植開墾のごときは關係方面からの命令でありますならばいたし方ないといたしましても、ともかく政府の施策といたしましてはまことに私は愚の骨頂であると考えざるを得ないのでありまして、こういう行過ぎがあり、まことに愚策である、山林の開墾等にお使いになる經費がありますならば、これをはつきりとその下流の美田を荒すところの災害復舊に利用して、水利の方面に、あるいは災害復舊の方面にもつとも有効的にお使いになるということがもつとも賢明な策じやないかと考えるのでありまして、この見地よりいたしまして午後の閣議には極力山林の開墾の經費等を削減しても、災害復舊の經費を増額していただくように格段の奪鬪御努力をいただきたいと思うのでございますが、これらの點について御所見を承ることができたならば幸いだと存じます。

一松定吉民主党建設院総裁

○一松國務大臣 災害復舊に關する費用を、できる限り多く四百十億使われる金の中からこちらの配分を受けたい。そのことについて十分の努力をせよというお申出は大いに感謝するところであります。私もちろんそういう考えをもつて閣議に臨んで強調いたすつもりであります。今あなたの御指摘になりました山林の増段開墾あるいは入植開墾ということについての農林省の要求事項にあります豫算が、今日の實情から檢討すれば必ずしも妥當ではない。開墾ということがむしろある場合においては有効否益である。こういうような事業に非常なたくさんの費用を入れて、水害の復舊の費用を少くするというがごとくは機宜に適しないやり方である。こういう點については私閣僚の一人として、ただちにその御主張を受入れるということはできませんが、私個人的の立場からいたしますれば、まつたくあなたの御意見通りであります。この水利というものがほんとうにもつとも大切な政治の一であるにかかわらず、いたずらに開墾をするがために、水害というものを大いに助長する。それがために開墾をした畝歩よりも水害によつて損害を被つた美田の方が非常に多いということになりますと、せつかく食糧増産のために、あるいは増段計畫のために開墾をしたということが、かえつた惡い結果を生ずるというようなことを考えれば、この水害について十分の考慮を拂つた上での開墾は適當であるが、そうでなくてただ何でもかんでも命じられた畝歩を開墾しなければならぬ。あるいは開墾してもそれが十分な食糧増産になる見込みのないということでも、ただ開墾すればよろしいというようなことで、結果から見て結局金をつまらないところに使つたというような結果を生ずるということであればこれは大いに愼まなければならぬことだろうと思う。こういう點に對しまして閣議におきまして、私は自分の考えておるところを農林當局に申しまして、しかして適當なる處置をとりたいと考えております。

伊藤佐農林事務官(開拓局長)

○伊藤(佐)政府委員 ただいまのお話の山林に關する豫算でございますが、これは林道とか、災害地の復舊とかいうようなもので、われわれの方の關係は農業という部面であると思います。それから開墾についての行過ぎというか、山林開墾というようなものは、むしろとめてしまつて、もつと平地の開墾をやつたらどうかというお話でありますが、御承知の通り終戰後相當大規模に始まりまして、お説の通り中には行過ぎの點のあることは私よく知つております。ただこの點は是正をいたさねばなりませんけれども、ほんとうに必要なよいところを開墾して農地にした方がよいようなところは、現在、海外で、農業に從業しておつて、引揚げてきて、實は職業のないような方々が二萬以上もおられます。それから現在シベリヤ、樺太方面から引揚げつつある方も非常に多いのでありまして、この人々を農業に安定をしてもらうということが、現地でもつて農業をやつておられた關係上これが一番よろしい。豫算の許します最小限度においてはこういつたような方々にも入植をして早く生活の安定をしていただきたい。かように考えております。  それから現在の開墾のやり方といたしましては、これはすでに入植をいたしまして人たちの生活の安定を早くやらせるということにいたしまして、今後のものにつきましては、今申し上げましたような、すでに農業の經驗のある人で適地を選びましてやつていく、かような考え方でやつております。ただいまいろいろお説がございましたし、また建設院總裁の個人的な御意見もあつたのでございますが、われわれとしてはさように考えております。  それからもう一つ、これは實は私どもといたしましては、はなはだ迷惑をいたしておるのでございますが、お話にありましたこの農地委員會で非常に行過ぎがあるというふうな點は、さような例も私伺つております。これは現在の法律上ではどうも政府といたしましては、何とも手のつけようがないのでありますけれども、むしろ行過ぎなところは開墾がある種の鬪爭の手段に供せられているというふうなことが見受けられるのでありまして、この點は、法制上はただいまいかんともいたし方がございませんが、實際の指導運用等によりまして、できるだけ是正をしてもらいたい、かように考えております。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 この水害地對策委員會はもうすでに十箇月以上もやつている。そして先ほどからの説明をいろいろ聽きますと、やれ九億三千萬圓の豫算外的な金融措置を講じたとか、前年の豫算においては公共事業費の認證制度というものを利用して、緊急に豫算を配付したとか、いろいろ御功績を羅列せられたのでありますけれども、われわれから考えてみると、とにかくここに計上せられているだけでも二百數十億に上る災害に對して、九億や十億の豫算的措置を講じたことが政府の金融的な適切な措置を講じた一つの例であると言うのは、まるつきりナンセンスである。そういうふうなことはやらぬよりましだ、人間がねこより多少ましな程度であるというのと同じであつて問題にならない。それよりは二百八十六億以上の災害費を處理しなければならぬという計算をされておりながら、どうして六十八億程度の費用で建設院總裁は滿足をされたか、もちろん豫算上のいろいろの振合いその他のこともあるという御説明を當然なさるでしよう。しかしそういう御説明は伺わなくてもわかりきつていることであつて、そういう御説明でなくて、この水害復舊事業がいかに必要であるかというようなことも、あらためて言うまでもなく耳にたこができるくらいお聽きになつているだろうと思う。だから理由はともかくとして私は結論としては熱意が足りない。また本委員會においても十箇月以上も經過しておつて、そうしてせいぜいがこの程度の豫算で滿足しなければならぬというようなことであつてはお話にならない。そこで先ほど二百七十億を四百十億にふくらましたのはふくらまし方が多いのだから、豫算は努力されたという擁護論がありましたが、二百七十億を六割、物價にふくらまして計算すると四百十二億になる。二億逆に削られている。七億で計算するともつと減らされた計算になる。これはむしろ逆に物價體係の値上りという手品によつてごまかされているのである。そこで先ほど建設院總裁は、すでに支拂われた三十一億餘りの復舊工事費の新單價による改訂ということを考慮すると言われましたが、三時半から閣議があるそうでありますが、これはこの際ここで確約をしていただきたい。最小限度三十一億のすでに支拂われたと稱する豫算的措置をされているかもしれませんけれども、現實には地方の手に渡つていない。その三十一億の新價格による計上というものをここで確約をしてもらいたい。  次にはこの六十八億という割振りに對して、四百十億のわく内あるいはわく外の豫算をとられることはなおさら結構でありますが、四百十億のわく内においてどの程度まで——この程度ではお話になりません。せつかく委員會を開いてあなた方とお話になつたことをおやりにならないというならば委員會を開く必要はない。そこで四百十億のわく内において殖やしていただく。どの程度殖やされるかというその點についてのお考えも承りたいし、ぜひやつていただきたい。  次に、建設院では技官を災害地に派遣せられて、それぞれ査定をされたはずである。各縣は何ら根據なく工事をやつたのではなくて、建設院の査定に基いて工事をやつておる。そうしてその査定の範圍内において建設院にはそれぞれある程度の了解を得ているはずである。從つてその査定の範圍に基いてやつた工事に對しては、建設院は建設院として責任をもつている。そこで現在までその査定に基いてやつた工事が各被害地においてどの程度の出來高を示しているかその出來高に對してこの豫算はどういうぐあいになつているか、この御説明を承りたい。  それからその本豫算の範圍内の工事では、單に昭和二十三年度の災害復舊工事がやれなくて、二十三年度の今後の主食の生産に大きな阻害を及ぼすというばかりでなく、翌年の昭和二十四年度の植付にも大きな影響を及ぼす、そこで豫算に組めないとしましても、何らか豫算外的措置を講じてでも工事をしなければならぬし、あるいは本豫算に組めなくても、何らか、補正豫算その他の措置によつて費用を出してもらわなければ現實の問題としてどうにもならないのであるから、そういう點についてもそれ以外の工事についても、金融的な處置を——もちろんそれを承認することは當然であるが、承認した上に金融的處置を考えてもらわなければならぬ。こういう點についての御見解を重ねて承りたい。それもはつきりした御返答を承りたい。  次に私は豫算外の工事について承認しろというのは、現在の行政機構の中においてはむりな金であることはわかつておる。わかつているから冒頭にこの災害復舊工事の性質というものについて申し上げた。特に河川の復舊工事あるいは林道の復舊工事その他は、その費用のほとんど大半というものが人件費である。ものの裏づけをそれほど必要としない。特に農村においては山林もあるし、あるいはそだその他の集荷も比較的簡單にできる。人件費の支出さえあれば解決する點が非常に多いということを冒頭に申し上げたのはその意味であります。これらの點を勘案せられまして、はつきりしたお答えを承りたいと思うのであります。

一松定吉民主党建設院総裁

○一松國務大臣 お答えいたしますが、まず舊單價によるものであつて、支拂われてないものを新單價に換算してやるということを閣議で主張することを確約してくれ、こういうことは閣議でその通り主張いたします。主張いたしますが、その主張が通るか、通らないかということは、それはそのときの情勢でしなければならないが、今のところいわゆる主張することを確約せよということは、私は一度言つた以上必ず主張いたします。しかしてそれが實現すべく努力いたします。しかしながらそれは微力あるいは及ばないかもしれない。それはまたあとで責任を追究されても結構ですが、これだけの確約をいたすことは間違いない。  それから六十八億で滿足したかということは、滿足しないから今やかましく言つておるのです。だからこれらの點について、使い得ることのできる、すなわち四百二十五億のうちででき得べき限り按配して、自分の方に一厘でも多くの金額を得たい、こういうことを私は努力いたすのであります。決して六十八億で滿足したわけでなくて、これは安本から示された案で滿足も何もしておらぬのです。  それから現地に技官を派遣して査定をした、その査定に基いて地方がそれぞれの工事の施行をやつておる。それに基いてでき高がどのくらい出ておるか。豫算をどのくらいに見積つたかということは、これは今突然の御質問でありまして、その邊まで調査していない。だから調査して、いずれ適當な時期に後日お答えをいたすことをお約束いたします。

西村榮一日本社会党経済安定本部政務次官

○西村(榮)政府委員 主として豫算に關する點だけ御答辯いたします。四百二十五億圓の公共事業費の中においては、これが融通がつくかどうかという點でありますが、現在はなはだ遺憾ながら、インフレ對策竝びに資材その他の點を考えまして、安定本部といたしましては、ここに査定いたしました點は變更することは現實的には不可能であるということを御了承願いたいのであります。ただ問題は、開拓、治山、治水また水産、港灣等は、これは私一個の見解でありますし、また私の方の長官の個人的な見解とも一致するのでありますが、こういうふうな生産に屬するもの、將來その金から、投資したものから何らかの生産が浮いてくる。こういうものを年度の豫算において賄つて、それで切つてしまうことがはたして妥當であるかどうか。むしろこういうものは特殊な建設公債というふうなものによつて賄い得られるのではないか。そういうふうにいたしますならば、かなりのゆとりができて、各方面の御要望に副い得るのでありまするが、これは現在では單に希望でありまして、はなはだ切りつめられた豫算の中においては、どうも四百二十五億圓から六十八億圓の災害對策費その他を動かして、もう一遍組み直すことは、まことに遺憾ながらできないということをお答えせざるを得ないのであります。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 すでに拂つた分の三十一億のうち、新價格に對するふくらましについてお答え願いたい。

西村榮一日本社会党経済安定本部政務次官

○西村(榮)政府委員 ふくらましの御見解に對しましては、事情はなはだごもつともと存じますが、現實においてはもう豫算が組まれておりまして、どこで詰つておるかということを一應檢討してみなければならないのでありますが、すでにそのときには舊單價ですべての計算をいたしておりますので、これははなはだ遺憾ながら過去に遡つてふくらますということは、いろいろな關係方面の示唆もありますので不可能だと存ずるのであります。しかしながら今石田君の御質問の點においては、私は事情まことにごもつともだと存じます。一應調査いたしまして、各方面の御要望に副いたいと存じております。しかし現實には不可能であるということを御答辯申し上げたいと思います。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 そうすると、この紙に書いたものをわれわれが示されて、これで承知しろということ、これ以外の取拔ひは全然一切が遺憾ながら不可能ということになるわけですが、そういう趣意の委員會ならば、私はもう十箇月も開いておる意味をなさないと思う。鈴木委員長すべからくこの委員會を解散せられた方がよろしい。三十一億圓のふくらましの問題は、これは當然であると思う。本年度の豫算は新單價によつて編成せられたものである。手續の便宜上とにかく今まで三十一億というものが支拂われたものであつて、新單價によつて編成せられるという建前に一貫している以上、新單價によつて計算し直して支拂われるのが當然のことである。その當然のことができないというのは、一體どういうわけであるか。よしんばこの金が地方に屆いておるとしましても、特に五月分、六月分はおそらく今の政府の行政能率をもつてしては七月以降にならなければ屆かない。そういう現實の問題とにらみ合わして見るときに、三十一億圓のふくらましすらできないというようなことは、とうていもう承認ができない。それから次は四百十億の範圍内において六十八億というものをいじれない、いじれないというのはあなた方がせつたくつくつたもので、これをいじるともう一遍計算をし直さなければならぬし、もう一遍折衝しなければならぬし、めんどうだ。西村君も議員だから議員の豫算の審議權を御存じのはずであるが、あなた方がおつくりになつたものは遺憾ながら變更できないというならば、われわれの審議權はない。あなたは議員として政務官としておられて、そうしてあなたの黨の諸君も參加しておる本委員會が十箇月も開かれて、おそらく本委員會の全體の空氣だろうと思うが、その空氣をこの席上でお聽きになつていながら、遺憾ながらできないというのは、官僚のつくつた案をあなたがいじれない、いかんともしがたいということは、あなた自身が自分の無力を表明しておられるにすぎない、もう少し責任のある議會政治家としての權威を示された御答辯を承りたい。

西村榮一日本社会党経済安定本部政務次官

○西村(榮)政府委員 たいへんなおしかりをこうむつて恐縮ですが、四、五、六の豫算の御審議を願つたのは舊單價でありまして、これが遡つてその賃金その他をふくらましていくということになりますと、將來勞働賃金あるいはその他の價格を遡及して支拂うという點については、きわめて甚大な影響をもつのでありまして、これは四、五、六はすでに御審議を願つたものでありまして、これを輕々に遡及してふくらましていくかどうかということは、愼重に考慮を要するのでありまして、私は現實的にはこれは不可能だ、こう考えております。ただ第二點の六月分の暫定豫算に對しましては、これが到著するのは七月ごろだろうと思いますが、七月には新單價においてすべての物價が考えられなければならないのであるから、その點はどうかというふうな御質問でありましたが、この點は私はあなたの御意見とは同感であります。ただ會計法その他の技術的な問題あるいは何かそこに實情が新單價で支拂われなければならないという現實でありますから、この現實と豫算の審議されたという時間的なずれをどう解決していくかということの答辯は、次囘に御答辯を申し上げたいと思います。今日は御了承を願いたい。ただ問題はこの四百二十五億の中から水害對策費が動かされないということは、これは審議權を無視するというふうな御説でありましたが、一應政府としてはこの原案を明日の本會議においては提議いたすつもりでありまして、ただ手數がかかるから動かせぬというわけではないのでありまして、總合的な、全體的なこの按分調整という豫算の建前からいいまして、これはこれだけに動かすということは不可能である。こう私の方の見解を申し上げたのでありまして、國會がこれに對してどういうふうに御修正なさるか、それは國會自身の御自由な御審議にまつよりいたし方がない。決して私の方は技術的にこれを組替がめんどうくさいからだとか、あるいは關係方面に了解を求めることが手數がかかるからだとか、そういうふうな意味において組替が不可能であると申し上げたのではないのでありまして、四百二十五億圓の豫算の全体的なバランスを考えてみて、大體ここに妥當であると申し上げたのでありまして、これは私が組替をできると御答辯申し上げるにはあまり重大なのであつて、これはできないと御答辯申し上げるのが至當である、こう思うのであります。ただし國會の自由なる御意思によつて御審議を願うことは、これは御自由であります。その點において御了承願います。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 今までの豫算が舊單價によつて計上されたということはあたりまえの話だが、それが現實に使用せられる場合には新單價で使用せられるのであるということを、先ほどから繰返して申し上げておる。その場合に現實にそれをあてはめるには、あるいは補正豫算の方法をとられてもよろしいし、何らかの方法でこれをふくらますことを現實にやる努力が必要なんで、この豫算の割當をきめられるときにも、實情をお考えになつたらこのふくらましを別に考慮されて取扱うのがほんとうだと思は申し上げておる。もちろん四月の暫定豫算が五月の中旬以降になつてもできないというような非能率的な怠慢は當然責められなければならぬけれども、これは現實としてしかたがない。しかしそれを使う場合に新單價で使わなければ、三十一億ときめられたところが、實際は逆にきめられたことが非常な迷惑になる。それを考えてもらわなければならぬ。もちろん國會が、これを修正することは自由でありますから、本委員會としてはこの豫算案に對して別途の態度を表明しなければならぬと思いますが、ただ事務的にそれをその事前にやり得るかどうかということを伺つたわけです。從つてやり得ないということになりますならば、この豫説案の審議にあたつての態度を本委員會として別に議題に供したいと思いますが、委員長、ひとつ動議を提出いたします。  本委員會は開催せられましてからすでに十箇月以上になんなんとしておりましたが、いまだ何らの滿足すべき結果を收めていない。先般二十二年度の豫算の追加豫算の際におきましても、この對策費の滿足すべき計上を見ないうちにおいては、豫算案を通過させないという態度まで表明し、かつ院議をもつてその額まで明示して政府の確約を求め、かつそれを得たのでありますが、それさえもできない。そういう無力な委員會ならば一年、二年やつたところで意味をなさないのでありますので、この際本委員會は重大なる決意をもつて、少くともこの二十三年度豫算の中に割振られた災害關係豫算額は、數字はいずれ現地の實情その他に勘案し、さらに資料を集めて本委員會において決定しなければならないが、必要最小限度の滿足すべき額までに増加するように修正する。そのために本委員會は全力をあげて各黨の黨議の決定を得てその目的達成のために努力するということが一つ。第二點は、すでに建設院の査定を受けて工事を施行した工事の現在までの出來に對しては速やかにこれを支拂つて、今後の復舊工事の迅速な達成をはかること。第三は、本年度豫算に計上せられない工事といえども、諸般の關係から必要やむを得ないところの工事に對しましては、金融上の措置を講じてその工事に著手し、あるいは進行せしめることを妨げない。そういう三點を本委員會として決定してただちに各黨の黨議をまとめて豫算審議の上に功を奏するように努力をいたしたい。この點を決議したいと思います。

鈴木強平民主党

○鈴木委員長 石田委員長にお諮りいたしますが、各黨議にかけるにいたしましても、ある程度委員會においての具體案がないと、各派に交渉するに都合が惡いかと思います。參考までに申しますが、前年におきましては、總公共事業費に對しまして災害復舊費は三五・一%の割合になつております。本年はこの割合といたしますと、二百五十億に對しましては八十五億五千萬になりますし、二百七十億に對しましては九十四億五千萬になります。かような比率もありますので、今日は大藏省が出ておりませんけれども、主計局長は少くとも三三%になるのではないかということを漏らしております。その意味におきましても、本年度の公共事業費の災害に對する割合は、おのずから限度は見透しができると思うのです。それについてまず石田君の方から原案について御意見を出して、それを取まとめて各黨派にはかる方がよかろうかと思います。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 總額はもちろん前年度の前例によつて割振るということも考えなければなりませんが、同時に各縣から出ている申請額、それを建設院で査定して要求した額があるはずだと思いますが、その點は勘案していかなければならぬと思うので、額の點は今日必ずしも決定しなくても、その三つの方針、つまりこの災害關係豫算は増額修正するという點と、金融上速やかに現在までの出來高については支拂うような措置を講じてもらうことと、第三點は本年度豫算に計上されないものについても、緊急やむを得たいものについてはあるいは追加豫算に計上するか、あるいは豫算外の國庫負擔の措置を講ずるとか、何らかの方法、あるいは金融上の措置を講ずることによつてそれを促進せしむるようにする。この三つの方針をこの際この委員會では決定して、數字その他はあらためて資料を取寄せてここで審議する。豫算の審議はどうせ六月の上旬にならなければ始まらないから、そういうふうにもつていつたらいいだろうと思うのです。數字を輕々にここで決議しても具體的な根據をはつきりつかみ出すことはむずかしいでしようし、現實上とうていできないような要求をしてもしかたがないと思うので、その點は増額修正をするという大綱だけをきめて、詳細はもう少し研究をしてやつたらいいだろうと思うのです。

淺利三朗民主自由党

○淺利委員 これに關連して。私遲れて參つたのですでに説明があつたかもしれませんが、大體六十八億では建設院總裁は滿足しないとおつしやいますが、一體建設院としてはどれだけの豫算を要求されてこれが六十八億に査定されたのか、本年度の豫算として最少限度これだけは必要だという御提出になつた額を承つておきたいと思います。

一松定吉民主党建設院総裁

○一松國務大臣 公共事業費として各省が要求しておるのは合計八百六十五億圓になりますが、建設院だけのものでは河川が舊單價で七十四億九千萬圓要求して二十二億一千五百萬圓に査定された。災害の方の要求は百三十五億六千三百萬圓で四十二億六千七百萬圓に査定されたのであります。

内田常雄總理廳事務官

○内田政府委員 石田委員の御質問にお答えする意味ではありませんが、參考に數字の細かい點を御理解いただくために申しておきます。先般來他の關係委員から災害復舊費として四百六十五億のうち六十八億というものは、たとえて申せばそうですが、その數字を正確に申し上げますと、四百二十五億というのは實際の公共事業費をふくらましたもので、それは今度の軍公利拂十五億を公共事業に乘せてやると四百二十五億になる。その割合によつてふくらませますと、石田委員の御不滿のようになるが、六十八億をふくらまして一應百億にした。そのほかに二十億の災害費用を豫定しておりますから、結局ふくらませた額は百二十億になる。それに對しましてきようの閣議で建設院總裁がいろいろお骨折りになつて十五億の軍公利拂から、なんぼか知りませんが、百二十億プラス・アルフアーというものが四百二十五億に對應する數字とお考えを願います。  それからもう一點は、四月、五月、六月の暫定豫算のふくらましいかんというお話でありますが、直接にはあなたのお答えには當りませんが、實際を申し上げますと、ある意味でふくらましがあると申しますのは、六十八億の災害復舊費豫算というのは、昨年の十二月豫算編成當時の單價です。ところが今年の四月から、御承知の方は御存じだと思いますが、公共事業費關係の勞務者賃金が五割上つた。六十八億の中には上つたものを見なかつたが、四月、五月、六月の暫定豫算をつくりました際には、初めこちらで見てなかつた四月に上つた勞金の値上げ五割五分だけは見てあります。ただあなたの御不滿とされるのはそれだけではない。今後六月、七月にもう一度あるであろう分も見てほしい。その分は西村次官からお答えした通り、今見ているかつこうにはなつていないが、四月、五月、六月の災害復舊豫算は六十八億のうち、四月に上つた賃金だけは五割五分ふくらましているという數字になつている。その點に關しましては、これは石田委員に議論を吹きかける意味ではありませんが、あなたが述べられておるように、工事の方は先に進んでしまつておる。それに對して政府の豫算の支出が遲れておることは、はなはだけしからぬが、四月の暫定豫算は四月の中に濟むべきで、それがどこかにひつかかつてまごまごしているという點につきましては、これはいつも閣内の關係方面から苦情がありますので、われわれも建設院なり、農林省なり、各省を督勵しておりますけれども、現實には遲れている。と申しますと、仕事の方は進んでおるということは舊單價において仕事が進められておる。それに對して追つかけて支拂うべき豫算は舊單價で支拂とは、これは詭辯のようになりますが、舊單價で、支拂いが遲れていることを奇貨として、それで勘定は合うわけだ。こういう解釋も一方的には成立つ。

淺利三朗民主自由党

○淺利委員 それは現實は違う。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 それは絶對に違う。一應の理窟は成り立つが、しかし現實からいえば支拂うのが延びているから、各縣においては金融機關を通じてむりして借りている。そこでその金利は事業量から引かれている。それでもちろん足りないから、それは各業者がみな負擔して工事をやつている。だからその各業者がそれぞれ非常なむれな金を借りている。そういうことから金利だけはやはり事業量から引かれている。あなたの議論からいえば、十三年も前にやつた工事費を今拂うのならば、そのときの價格で拂つてもいいというのと、これは極端かもしらぬが、同じような議論になる。その間にこうむつている金融上の被害というものは、そこに金融の專門家の政務次官がおられるからすぐにわかると思うが、非常に大きな負擔を、地方自治廳はもちろん、業者が受けている。それは利益のうちから控除されるのでありますが、事業量が減り、設計の變更がされている實情はおそらく御承知だろうと思うが、事業量が減るんじや、災害復舊の目的は達成されない。だから單價の豫算査定上そういう措置を講じてもらつてようやく元々になる、現實の上でそういう事態が起つていることをよく御認識を願いたい。

淺利三朗民主自由党

○淺利委員 今の問題は實際の問題について説明申し上げたら御了解が得られると思う。たとえば橋梁の工事にいたしましても、一旦業者に入札せしめて落札をした。そうして仕事に取りかかつたが、中途で政府の支拂いがない。そのために事業を中止している。新たにこれをやり直すということになると、土木費でもすべての單價が高くなつている。そういうやり方をやると、前にきまつた金額だからといつて、そのきまつた金額ではそれはできない。事實それは政府の支拂怠慢と申しますか、豫算の交付が遅れた關係上、遲れて現實の高い物價の際に、高い勞賃の際にこれを實施するということになりますから、すでにそれはかさむのです。それをもしむりに前の値段にすると、請負業者が非常な損失をする。それは政府の責任で延ばしたものを政府がそれを見ないで、前の契約單價でやれということは、常識では律しられない。そういう事實があるので今の問題が起るのでありますから、その事實をよく御認識になつて、御判断を願わなければならぬと思うのであります。

鈴木強平民主党

○鈴木委員長 ただいま石田委員ら動議が出ておりますが、この四點について御異議がなければ、さように決議していただきたいと思いますが、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木強平民主党

○鈴木委員長 それでは御異議がないようですから、この四つの點についてはなお委員會において十分に審議をいたして具體化いたしたいと思います。     —————————————

田中健吉社会革新党

○田中(健)委員 先ほど開拓局長が、農地改革に關連してある種の鬪爭に利用されておる、こういうことを言われますが、私の想像するところでは多分極端なる思想をもつた指導者によつて指導されておる農民組合の鬪爭に利用されておる、こういうことではなかろうかと思いますが、もし具體的なものがあるならば、農地改革と農民運動にも重大な問題でありますから、この際お漏らしを願いたいと思います。わからなければあとで調べてどこの農民組合が、どこの農民組織がそういうことをやつておるかということを具體的に出していただければ、わが國の農民運動の健全なる發達、農地改革の圓滑なる指進等にも非常に役立つだらうと思いまするので、あえて局長さんにお尋ねする次第であります。

伊藤佐農林事務官(開拓局長)

○伊藤(佐)政府委員 ただいまのお尋ねの點は、私の方ではそれはそうたくさんではございませんけれども、ままそういう例を聞いております。具體的のことは覺えておりませんから、取調べまして御報告申し上げます。

石田博英民主自由党

○石田(博)委員 それから六十八億、新價格によつて百幾億になるかわかりませんが、その増額の具體的な數字についても、委員長が理事と御協議の上でその額の原案をつくつていただきたい。

鈴木強平民主党

○鈴木委員長 今度の豫算の中で水害對策費として二十億とつてあるようですが、もし水害がなければ他に流用することになるのですか、どういう考でおりますか。

西村榮一日本社会党経済安定本部政務次官

○西村(榮)政府委員 今年の雨の状態が一體どうなるかわかりませんが、ひ林の状態からして今年もまた水害を受けるのではないかと思つてとつてあるのであります。

鈴木強平民主党

○鈴木委員長 ない場合には……。

西村榮一日本社会党経済安定本部政務次官

○西村(榮)政府委員 ない場合には、豫算費でありますから、充てております。

鈴木強平民主党

○鈴木委員長 速記を止めて。     〔速記中止)

鈴木強平民主党

○鈴木委員長 速記を始めて。     —————————————

鈴木強平民主党

○鈴木委員長 理事の缺員があります。大島氏がやめて社會黨から出ておりません。これは超黨派的な委員會で何黨からということもございませんけれども、おのずからそこに管轄があると思います。それで島上委員から至急に大島君の補充を願いたいと思います。他の方も缺員がありますならその党において御相談を願いたいと思います。  本日はこれをもつて散會します。    午後三時五十分散會

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