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2回国会衆議院1948/07/01

商業委員会鉱工業委員会連合審査会 第5号

発言数
12
登壇者
3
会派数
2
開催日
1948/07/01

会議録

堀川恭平民主党

○堀川委員長 それではただいまから会議を開きます。  本日は事業者團体法案を議題にいたしまして、前会から引続きまして、鉱工業委員と商工業委員との連合審査会を継続いたします。質疑を前会に引続きまして継続いたしたいと存じます。

澁谷雄太郎民主自由党

○澁谷委員 私は政府から最初にお出しになつたものを修正されておりますので、相当に今まで不平不満に思つておつたところ、あるいは非常にこの法案に対しまして修正を希望しておつたものが、ある一部分が除去された、こういうふうに考えるわけなのであります。きようは肝腎の商工省からどなたもお見えになつていないようですが、一番大きな問題は、日本の商工行政に対しまして、政府がいかなる方針で進むかということが、これがかなり大きな重点になつてくると思うのであります。昨年からいろいろな法案が出ておりますが、これがややともすると各企業者が、実際に政府もしくは從來ありましたような團体と、協力していかなければ仕事ができ得ないような状態にあつた過去の日本の中小商工業の状態を考えましたときに、商工業者発達した先進國のいろいろな法令を模倣して、それをただちに日本にあてはめようというような感じが非常に深くなつてくるわけなのであります。この問題がやはり私は今後の日本の産業に対しまして、非常な大きな影響をもつてくるのではなかろうか、こういう点を考えましたときに私といたしましては、こういうような法案を出しますときにあたつて、はたして政府が中小企業の進歩発達助成のために、根本方針としてどういう考え方をもつて進まれるかということをはつきり伺つておく必要があると思うのであります。

黄田多喜夫総理廳事務官

○黄田政府委員 今日の日本殊に戰後の破壊された経済において、進んだほかの國の法制の模倣といいますか、同樣な法制を布くことの可否という点を御指摘になつたのでございまして、この点まつたく重要な問題であると考えるのであります。独占禁止法におきましては、ただちに日本において独占禁止法というものを布くことの可否ということも十分考慮いたしたのであります。またこれを制定執行するにあたりましては、適用を除外するという團体も相当考慮いたしたのであります。その結果昨年の法律第百三十四号でございますが、独占禁止法の適用除外に関する法律というのを御審議願いまして、通過いたしておるのであります。今次事業者團体法におきましても自由競爭を建前とする本法案と、それから現在のような乏しい資源において統制を必要とするという事態とをいかにかみ合わせるかということは、これは非常に頭を悩ました点でございまして、本法案を昨成するにあたりましては、関係産業官廳と密接に連絡をとりまして、その結果第六條と第七條、これが適用除外という條文になつておるのでございます。これをあらゆる角度から檢討いたしまして、適用除外を必要な限度においてなるべく多く取入れることに十分意を盡したのでございます。ごらんくださいますればわかりますように、第六條というものは非常にたくさん掲げてございます。これは今御質問のありました資源の少い、殊に戰後の日本においてこういう法律をただちに施行することの賢明さいかんという問題を、この六條及びつけ足りとしては七條におきましても、その点のわれわれの苦心が現われておるというふうに御了解を願いたいと存ずるのであります。

澁谷雄太郎民主自由党

○澁谷委員 ただいま独占禁止法の問題にもお触れになつたから、これにやはり関連もありますから、申し上げたいと存じますが、あの独占禁止法もすでに発布になつてしまつて、今日申し上げることはやや時期遅れの感がありますけれども、一体いわゆる独占禁止とか、あるいは経済力の集中排除というような問題は、相当に産業が発達いたしまして、その國の経済力が相当な余力をもつて、これが國内においてその通りであり、また海外に対してもやはりいわゆる独占禁止なり、あるいは経済力の集中排除なりというものが、対外的にも相当の弊害が起つてくるというような状態においてこそ、これは当然やらなければならぬ問題じやないか、私たちはこういうふうに考える。今のような、たまたま日本にいわゆる財閥が大きな経済力を握つておつたときには、ややもすれば独占禁止とか、あるいは経済力の集中排除という考え方もここに考慮されるのでありますが、敗戰後におきまして財閥は解体されて、そうして今は非常な大きな資源の欠乏を來し、各企業体というものは弱少な状態に陷れられておる現在におきまして、生産力が依然として一向増加されていない。わずかに終戰後におきましても、四〇%もしくは四十何%でもつて、まだ五〇%というところに達していないというような状態になつておるのであります。こういうときに殊さらに独占事業なり、経済力の集中のために起つてくるところの弊害を見越して、ああいうふうな問題を取上げて論議され、今また事業者團体法をつくつて、そうしてとかく統制に関するような問題を除去しよう、こういうふうな考え方が從來もたびたび経驗があり、日本の國内において官僚統制がいかに弊害が多いかということを國民全体が認識し、そうして官僚統制の弊害を除去しようとして民間統制に一時移したものを、再びまたこれを全部やめて官僚統制に移すということになつてきておるのであります。これらの施策というものをずつと考えてみますと、何か非常に外國に現存しておりますところの独占禁法なり、あるいは経済力の集中排除という問題を殊さらに日本において仰々しく取上げておる。今のような日本の状態において、これは実際に産業方面を通観いたしましたときに、むしろわれわれから言わせますならば、中小工業者はお互いに結束をして、相助け、相戒めてそうして日本の産業をある程度までの水準に導いていかなければならないのじやないかというようにも考えられる。独占禁止法ができて、そうして民間の統制というものは絶対にいかぬということになつたのですから、これをどうしても——何も私は世迷い言を言うのではありませんけれども、実際の実情から見れば、むしろ中小企業というものに対しましては、政府自身が維持、育成する建前から申すならば、当然ある程度まで業者を團結をさせ、そうして政府におきましてもこれに対しましては相当な援助をする。これはもちろん今の商工協同組合というようなものをつくつておりますけれども、あの商工協同組合のようなものでさえも現在においては、今度はまたあれを改正するということも言われているのであります。そうすると、どういうふうに改正されるかしりませんけれども、やはり改正される方向は結局事業者團体法案とほとんど同じような方面に進むのではないかという感じがするわけであります。そういう状態におきまして、さなきだに日本の今の産業というものがもと通り復興することは、非常に困難な状態に陷つておりますときに、先足つてこういうさまざまな法令を次から次へとつくつて、そうしてあれをやつてはいかぬ、これをやつてはいかぬ、ああしろ、こうしろというように、一方においては企業の自由だとか、統制は撤廃するのだとかいつて、そうして日本の産業水準を高めようということを政府自体が強く主張しながら、半面においては何をやろうといたしましても、そつちに行つてぶつつかり、こつちに行つてぶつつかるというような状態で、産業界自体がどういうふうに進んだら実際において日本の産業の発達させるのに便宜であり、そうしてそれがほんとうに日本の復興に役立つかということの見きわめをつけることに非常な困難を感ずるというふうに考えられるのでございますが、これに対して政府は根本的にどういう方針、どういう考え方で進むかということについて、明確な御答弁を願いたいと思います。

黄田多喜夫総理廳事務官

○黄田政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。日本の過去における事業がきわめて少数な者に集中されていたということは、これは澁谷委員もお認めになつたようでございます。ただ過去は過去であつて、現在はそうでない。それを今になつてこういう法律をつくつてさらに縛るということは、それは十日のあやめではないか、後手ではないかという御質問のようでございますけれども、過去において巨大なる資本力の集中というものが日本にございまして、それが不幸なる結果をもたらすようなことになつた。そういうことを未然に施ごうというのが独占禁止法のねらいであり、過度経済力集中排除法のねらいなのでございます。但し独占禁止法におきましては、これは巨大なる資本の蓄積ということを全面的に否定しているのではありませんで、それが不公正なる競爭によつて行われることを防ごうというのが目的なのでございます。公正取引委員会発足いたしましてもう約一年になるのでございますけれども、事業が巨大であるということで審決を下してそれを排除したという例は未だございません。その点は御質問なさつた精神とまつたく通じているのでございまして、御承知の通り、独占禁止法と申しますのは、不公正競爭の取締りというのもその一部になつておるのでございます。これを取扱いました例は六つか七つございますけれども、独占体ということで取扱つた例は未だないのであります。また事業者團体法に関しましては、現在の本日の業者がいろいろな法制で手を縛られて、いくべき指針を失つておる、これに指針を與えようというのがこの法律の一つのねらいなのでございます。第四條におきましてこういうことをやつてよろしいということを、法制的には少し不体裁であるにもかかわらず、明確に書いてございますのもそれをねらつているためなのでございます。また中小企業者を大いに助けなければならないのじやないかという点に関しましては、それは先ほど申しました適用除外というもので一應除いております。また個人の創意くふうを活かすという方向をこの法律は根本の目的としているのでございまして、そういうものがこの法律によりましてどんどん大きくなつていつて、非常に大きな集中力をもつということを、決してこれは阻止しようとしている法律ではないわけであります。

澁谷雄太郎民主自由党

○澁谷委員 どうもその点が私にははつきりと認識されないのですが、たとえてみますれば、独占禁止法におきまして規定された部分におきましても、あるいは経済力集中排除において規定されておりますいろいろな條文でも、現在におきまして実際にそれが発動されているかどうかわかりませんが、一つの例をもつて考えてみますと、たとえば一人の人が会社の重役を、ある重役の数がなければ兼任することができ得ない。あるいは、同一の業種——これも解釈が非常に不完全でありますが、同一の業種の重役、社長を兼ねることができ得ないというようなこと、その他いろいろな問題がありますが、一つの例を取上げましても、これらの問題が決定されたとき、すでに一般の業者は非常に迷つておる。それまで資本金がある程度の制限を受けておるならば、大資本の経営者が二つ、三つの事業を兼ねることはややともするといわゆる独占の禁止になり、あるいはまた経済力の集中の状態になるかもしれませんけれども、小企業——ほとんど個人企業と同樣なものまでも極端に制限するというようなことは、むしろ私は法の建前は独占禁止法でありますが、実際においてはある程度まで日本の経済力を打ち壞すのではないか、阻害するのではないかというふうにも解釈ができると思う。これはもちろん現在の輿論がそういうような傾向が非常に多いものでありますから、いずれはこれは私は考えていただける余地があるのではないかと思います。非常に小さい資本まで、そこまで何もことさらにむつかしい法令で縛らなければならぬという理由は、私にはどう考えても理解ができ得ない。そういうことのためにたくさんの企業者が、たとえば関連産業——これは大企業によつての関連産業は場合によつては経済力集中排除の理由によつて除去しなければならぬ場合があるかもしれません。あるいは独占禁止法によつて除去しなければならぬ場合があるかもしれませんが、中小の企業においてそういう場合がたくさんある。またそういうことにしなければ中小の企業が円満に発達をなし遂げることができ得ない。ややともするとそういう一つ系統の経営者がそれを経営することができ得ないというような状態におかれておることは、これは反面においては日本の産業を非常に大きく阻害するものだと思うのであります。こういう問題と今度の事業者團体法とがややもすれば絡み合つてくるような氣がわれわれにはいたすのであります。その一つの例といたしまして、これは独占禁止法なり経済力の集中排除という建前からいえば、私の今申し上げることは根本的に誤つておるのでありますが、一つの例をあげてみますと、あの裝飾用に使います小さん電球のようなものが戰爭前に非常に海外に出たことがございます。これは御承知の通りだと思います。ところがそれがやがて猛烈な競爭を起しまして、品質が粗惡になつて、結局やがては海外においてそれが今度は非常な非難の的になつた。私はゴムの産業に関係しておりますので、ゴムの製品の海外におきまするこうした実情をよく承知しておりますが、たとえば布ぐつのごとき、あるいは総ゴムぐつのごとき一時は相当に海外において要求が多かつたのでありますが、結局業者が無謀な競爭をし、叩き合いをしたために、業者自身も非常に迷惑をするし、せつかく海外において相当歓迎されておつたものが賣れなくなつたという例をたくさん私は聞いておるのであります。これは内地の品物においても同樣でありますけれども、殊に輸出品のごときものにおいては、そういう例がたくさんあるのであります。これは從來官僚なりあるいは官吏の方からいえば、それは檢査の取締りを嚴重にすれば要は足りるのではないかというふうに簡單に考えて言いのけるのであります。しかし実際において製品の完全な檢査というものはでき得ないのであります。やはりそこに業者お互いが相助け相戒めて、そういうものを海外に出さないような方向に向つていかなければ、日本の対外貿易、殊に家内工業的のもの、しかもたくさんに出るところの日本の雜貨工業などというものの海外輸出は容易にでき得ないと思います。それならばその取締りはある点まで政府がやることも実際においてはでき得ない。事者の團体の力によつてこれをやつていこうとすれば、一方においては独占禁止法なり、あるいは今度出ますところのいろいろな法令によつてひつかかつてくるから、そういうことができ得ないことになるのであります。なるほど今後において日本のすべての産業は自由取引であり、自由な企業であつて、自由な活動ができるという建前からいえば、私の申し上げることは愚論に近いのでありますけれども、現実の姿から見て、何とかして今のような萎靡沈滯しておりますところの日本の産業を、ある程度の水準にまでもつていこうとする現在の段階において考えたときには、今申し上げたようなことは相当の考慮を拂うべき必要があるのではなかろうか、ところがややともすると、政府は先進國のいろいろな法例に模倣して、そして弱体化しておりまするところの日本の経済力に対して、極端な取締をするというような方向になつていやしないかというふうに考えまして、この問題を一体根本的に政府はどこまで日本の中小企業を維持育成していこうとするのか。それに対してどこまで政府はこれらの業者の現在のように非常に不況に立つておりますのを救済して、立て直しをしようと考えているのか、この問題が私はどうも十分に合点がいかないのであります。この点をもう一遍よく御説明を願いたいと思います。

黄田多喜夫総理廳事務官

○黄田政府委員 澁谷委員は、第一に独占禁止法の重役の兼任から論を起されたのでございますが、独占禁止法の第十三條に重役の兼任の制限ということをいたしております。一人の重役が兼ねることを得る重役の数は三つなるものだということが書いてあるのであります。この三つという数字には、何も意味はないのでありまして、まず一人一業とまではいかなくても、とにかく会社の役員というものは、その会社の業務発展に專念すべきであるということが、根本の方針になつているのであります。また同一会社、つまり競爭今社の重役というものは、兼任できないというになつているのでありまして、これも根本の理念といたしましては、競爭会社というものはお互いに競爭すべきものである。これが同じ重役をもつということになれば、競爭を制限して、生成発展の途はなくなる。それを防止するということが理由となりまして、競爭会社の重役は兼任できない。すべきではない。これは当然のことだという考え方から、そういうふうな規定をいたしておるのであります。また萎靡沈滯している現在の日本の経済生産状況において、中小工業が者團結しなければ、外國との競爭に耐え得ないじやないかという点に関しましてもお話があつたのでございます。能率が低下し、技術も低下している現在の日本が、將來外國の社会にはいつていつて、そこで競爭するということになりますれば、むしろ能率の惡いというふうなものはこれをかかえこむことなく、能率のいいものがぐんぐん伸びるということにおかくことが、むしろ必要なのでございます。そのために事業者團体法というものが、いろいろな統制、業者の手足を縛るということは、むしろやめるべきであるというのが、この事業者團体法のねらつているところなのでございます。この点は十分御了承願えることと存ずるのでございます。

澁谷雄太郎民主自由党

○澁谷委員 今御説明のような観点からいたしますれば、統制というものはただちに撤廃しなければならぬことになるのですね。そういうふうに了承してよろしいですか。現在の状態では統制を強化する。半面においては統制はかなり官僚統制が強化されている。そして今度は地方においては事業者團体法その他のいろいろな法案によつて企業者の活動に——なるほどこの法案をよく檢討してみますと、相当に許容事項もありますし、そう足がらめ手がらめにしておるということでもないように思われるのでありますけれども、しかし業者自分から考えますと、一方においては民間統制が官僚統制になつたということでもつて、それで統制はある程度までますます強化するような態度を示されている。殊に現在においては、経済査察廳ができてから、あるいは流通秩序の確立のためだというようなことで、いろいろあの手この手でもつて統制を強化しようとする。他方において事業者團体法のようなものは、むしろ企業の自由なり、あるいは企業者の活動をぜひ自由にさせたい、そうして統制のわくをはずれた方向で進みたい、こうふうな二つの考え方が、今入り乱れているのが、現在の実情ではないか。それは第五條以下で相当の許容の規定を設けて、それがやり易いような方法が講じてあるようでありますけれども、これは一般的に業者がこういうふうなことを完全によく見定めて判断をすることが、はたしてでき得るかどうか、こういうことですね。あまりにいろいろな関係法規が多過ぎるために、業者がかえつて戸惑いをしておるのではないか、こういうふうに考えるのですか、その点はどういうふうにお考えになりますか。

黄田多喜夫総理廳事務官

○黄田政府委員 お説のようにこの法律は、企業の自由、自由経済ということを究極の目的としておるのであります。またそういうふうに一日も早くなりたいというのが念願であることに、御異存はないと考えてるのであります。ただし現在においては、それを残念ながら全面的に行い得ないという制約が非常に重要な因子となつておりますために、そこでその二つをいかに調節するかということが、常に大きな問題となるのでございまして、一番初めの御質問にございました通り、統制と自由とをいかにするかということが、われわれの最も苦心いたした点でありまして、その際申し上げました通り、六條関係、七條関係、さらにまた独禁法の適用除外という点まで言及して、御説明申し上げたのでありますが、その点は常にわれわれが一番頭を使い、また現状に最も即し得るように、いたずらに経済界に混乱がただちに來ないようにということを、常に念頭において、法律の制定に当つて考えているということを御了解願いたいのであります。

澁谷雄太郎民主自由党

○澁谷委員 私の質問は、実はまだこの問題に関しましてはこれは大体論でありまして、あとずつと各條項について御質問申し上げたいのでありますけれども、委員長からの御意見もありまして、あとで打合せをするということでありますし、大体相当に修正されておりますから、きようは私の質問はこの程度で打ち切ることにいたします。

堀川恭平民主党

○堀川委員長 それではお諮りいたします。この程度で連合審査会を一應打ち切りたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀川恭平民主党

○堀川委員長 それではさよう決定いたします。  では連合審査会を散会いたすことにいたします。     午後二時三十分散会

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