商業委員会鉱工業委員会連合審査会 第3号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1948/06/23
会議録
○堀川委員長 ただいまより会議を開きます。 事業者團体法案を議題といたしまして、商業委員会、鉱工業委員会の連合審査を開きます。 お諮りいたしますが、連合審査会の委員長の職務はその委員会を所管する委員会の委員長がとらさせていただきまして、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 それでは私が委員長の職務をつとめさせていただきます。 この法案の提案の理由の説明は、前回商業委員会で一應聽いたのでありますが、日本は連合委員会でありますので、あらためてもう一度提案理由の説明を聽くことにいたしたいと存じます。中山政府委員。
○中山(喜)政府委員 ただいま上程せられました事業者團体法案につきまして、その提案の理由を説明いたします。 わが國の経済、特に戰時中の統制経済におきましては、いわゆる産業團体、すなわち本法案におきまして事業者團体と称しておりますものは、業界組織化の中核的な存在といたしまして、統制の遂行に所要の寄與をなしてまいつたのであります。しかるに敗戰後は、戰時統制方式の全面的撤廃とともに、臨取物資需給調整法、各種公團法の登場等によりまして、新しい統制方式が樹立せられたのであります。すなわち統制の責任と機能とを、政府または政府機関に一元化いたしまして、民間の事業者團体によります直接または間接の統制業務への参與は、原則としてこれを認めないこととなりました。もつともこの統制方式の切換えが実施されますにあたりましての過渡的措置としましては、臨取物資需給調整法附則による指定を受けた事業者團体に限りまして、統制業務の補助が認められてまいつたことは、皆樣の御承知の通りであります。 かようにいたしまして、從來の事業團体は、多少とも統制に参與いたした限りにおいて、一應清算的の措置が講ぜられることとなつたのであります。すなわち閉鎖機関令によります各種統制團体の閉鎖機関への指定されたということ、また私的独占禁止法の規定に基きまして、統制團体についてその解散計画の提出の命じた政令がございます。すなわち昭和二十二年度政令第二百三十八号でありますが、これまでの事業者團体の大部分は、この二つの措置のいずれかによりまして早晩消滅すべき状況におかれているわけであります。こういう事情のもとにおきまして、從來の統制的な事業者團体に代るべき新しい事業者團体のあり方というものが、明示される必要が当然に起つてまいりました。民主的な経済体制のもとにおきまして、事業者團体の活動範囲というものを法律をもつて明らかにいたし、その將來の活動方面を周知させるということはまさに刻下の要請に副うゆえんでありまして、本法案の登場を促しました理由も、主としてここに存するのであります。 次に今後のわが國の経済体制の基本的な原則は、昨年公布施行されましたいわゆる私的独占禁止法がこれを宣明いたしておるところでありますが、この基本原則と申しますのは、取引一般における自由として公正なる競爭の保全擁護ということにほかなりません。しかるの事業者團体の大部分は、同業者の相結束するところの團体でありまして、本來競爭関係にあるものの結合体が主たるものと申せるのであります。競爭者が統合いたしますれば、その結合体、ある場合には生産制限、價格統一ないし販路分割等のためのカルテルとなり、相互の競爭を不当に制限するような効果を、意識的にまた無意識的に追究いたす危險性が内包されてくるのであります。元來事業者團体の本來の目的は技術の改善、能率の向上等を具現いたすことによりまして、事業に関する共通の利益を増進するところにおかれておるのでありましようが、その反面において、ただいま申し上げましたような、競爭の拘束という好ましかるざる事態の発生を常に戒心いたさねばならないのであります。從いまして、私的独占禁止法の法益といたしておる競爭の自由と公正とを保全するためには、事業者團体がカルテル化し、同業者間の競爭を減少させる危險性につきまして、あらかじめこれを防止することが当を得たものであります。すなわちその手段といたしましては、届出制を設けまして、一切の事業者團体につきましてその存在を明らかにいたしますとともに、正当な活動の範囲を定めまして、競爭を拘束するとうな危險性のある特定の行為を禁圧することがあげられるのであります。 以上が本法案を提出するに至つた趣旨でありまして、この趣旨達成のために正当な活動範囲を定め、かつ届出制を実施しようというのが本法の目的であります。 次にこの法案の内容につきまして少しく御説明をいたします。まずこの法案におきまして事業者團体とは何を意味するかということを、第二條において定義いたしました。すなわちそれは二つ以上の事業者によつて事実上構成されている会社、社團法人、財團法人、人格のない社團、財團のほか、組合または契約による單なる結合体等、およそ一切の法的結合体を通じまして、事業者としての共通の利益の増進をその目的として含むものを指すのであります。すなわちいわゆる同業者の結成いたします某々工業会、連会等の團体だけでなく、種類の異つた事業者の地域的結合体としての商工会議所等もまた本法案の対象のうちに含まれるわけであります。さらに事業者の利益を代表するもの、たとえば幾つかの会社の役員または職員の会同のような結合体も、おのおのが代表する当該事業者間の共通の利益の増進を目途といたす限り、本法案の事業者團体に加えております。從つて本法案におきまする事業者團体の意義は、從來のいわゆる産業團体の範囲のみに止まつているものではないのであります。第三條におきましては、事業者團体の成立、解散並びに定款変更等の場合につきまして、公正取引委員会に対する届出義務を規定いたし、その存立の状況を常に明らかにいたしておくようにいたしたのであります。第四條は事業者團体の正当な活動範囲を積極的に明らかならしめた規定でありまして、すなわち事業者團体は、本條の第一号から第九号に掲げました活動に限つてこれを遂行することができるのであります。もつともこの各号に列挙いたしました事項は、嚴密な意味において形式的に狹義に解されるものではありません。活動の実体が各号の趣旨に則するものをも含むものとして廣義に解釈せらるべきものであり、從つてその解釈は相当の彈力性に富むものといたしております。第五條におきまして、述に事業團体について禁止されるべき行為を、第一項の第一号から第十九号にわたりまして相当具体的に列挙いたしまして、事業者團体の正当な活動範囲を消極的に明らかならしめるように規定をいたしました。そして第十九号におきまして、第四條の許容活動の範囲を超える活動を禁止いたしますとともに、第二項におきまして一切の脱法行為をも併せて禁止いたしまして、競爭保全の措置の万全を期した次第でございます。なお事業者團体が自然研究用の施設を所有または経営いたしますことは、第一項第十号の規定により原則として禁止されているのでございますが、会員の加入、脱退が自由であつて、研究の結果等を会員が公平に利用できるような團体に対しては、公正取引委員会が審査の上その所有または研究を認可すること、また過度経済力集中排除法の決定指令によつて、事業者團体が研究施設を所有または経営する場合には、公正取引委員会の認可を不要とすることと定めて、科学研究の向上にも遺憾のないことを期しているのであります。 次にこの法律案の適用を除外されるべきものにつきまして御説明いたします。独占禁止法におきましても適用除外という問題があり、昭和二十二年法律第百三十八号がそれを規定いたしたのでありますが、統制の必要と自由競爭との調整点とをどこに見出すか、すなわち適用除外をいかなる範囲とするかということは重要な問題となるのであります。本法案におきましても、本法の施行によりただちに経済界に甚大なる混乱を惹起することのないように意を用いたのでありまして、適用除外の範囲が相当廣範囲となつておるのであります。すなわち、まず第六條は、事業者團体ではありながら、本法案の各規定の適用を受けないものを規定いたしております。その大部分は協同組合的な性格を有する團体でありまして、協同組合というものは元來小規模の事業者の相互扶助を目的とするものでありますがゆえに、水法の適用から除外したのでありますが、協同組合以外にも臨時物資需給調整法附則の規定を基いて指定されている團体、閉鎖機関に指定された團体、取引所ないし手形交換所等を除外いたしております。第七條は、事業者團体の行為であつて、第一号から第八号までに掲げました法令の規定、またはその法令に基く命令の規定によつて行う正当な行為には、第五條の禁止行為の適用なきことは規定いたしたのであります。 次に、第八條ないし第十一條におきましては、この法律案第五條の規定の違反状態の排除措置の内容並びに手続に関して規定を設けました。すなわちそれらの規定によりまして事業者團体が禁止行為を行つた場合には、私的独占禁止法所定の手続に準じまして、公正取引委員会による調査勧告、審判手続、審決が行はれ、かつその審決に対しては東京高等裁判所に対する訴訟の途が開かれておるのであります。言いかえますれば、事業者團体が禁止行為を行つておるかどうかの認定並びに禁止行為の排除に関する措置は、愼重な手続を経て公正妥当に行はれるべきことが要求されている次第であります。 罰則に関しましては、おおむね独占禁止法の量刑に準じ、また本法案による罪は公正取引委員会の告発をまつて論ずるということにいたしたのであります。 以上本法案律の目的並びに概要につきまして御説明を申し上げました。どうぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○堀川委員長 審議にはいる前に、ちよつと皆さんに御報告したい点があるのであります。 速記を止めていただきたい。 〔速記中止〕
○堀川委員長 速記をとつてください。これより審議にはいります。質疑を順次許すことにいたします。多田委員。
○多田委員 ただいま政府委員から事業者團体法案提案理由の御説明があつたのでありますが、この法案を作成した理由としましては、事業者團体の新しいあり方を示す要がある。從つてその意味において新しい事業者團体の活動の範囲を明示し、將來の活動方法を明らかにさせるようにしたいというような考え方から、独占禁止法の基本原則である取引一般における自由にして公正なる競爭擁護の県前から、正当な活動範囲を規定して、そうして競爭を拘束するような特定行為を禁遏することが目的でこの法案を提案されたように御説明があつたのであります。しかしながら現在のわが國の経済の段階において、はたしてこのような事業者團体法の制定が、経済の実情に適するかどうかという点については、相当疑問があると思うのであります。もちろん先ほど御説明がありましたように、司令部の統制團体届出の覚書にもはつきり明示されておると同時に、その覚書に基いて最近各統制團体の届出を全國的に行つておりまして、それに基いていろいろな措置がとられるかとも思うのであります。從つて今日までの状況からいたしますれば、独占禁止法の制定の趣旨から申しましても、民間における不当なる統制なり、手段は絶対に排除しなければならぬと思うのでありますけれども、これは独占禁止法にはつきりと明示されておる点でありまして、独占禁止法があるにかもかわらず、あらために独占禁止法と並行するような事業者團体法を制定されたについては、何が今まで今日の独占禁止法の施行の上に不備があつたから、このような法案がつくられたのではないかというような疑いがもたれます。独占禁止法によつて事業者團体の活動が自然規定されると思いますけれども、あらために並行してこの法案を提案された理由をいま少しはつきり御説明いただきたいと思います。
○中山(喜)政府委員 ただいまの御質問、まことにごもつともな御質問だと考えておる次第でございます。 この法案が制定せられるに至りました動機は、すでに御承知であろうと思います。提案理由にも申し上げましたように、戰時統制方式が撤廃せられまして、私的團体の統制の参與ということが禁ぜられ、一方にいわゆる閉鎖機関令によりまして、この種の事業者團体がどんどん閉鎖命令を受けるという状態であります。それに代つてある事業者團体をつくりますと、これまた閉鎖を受けるというようなことがあつたようでございます。実際事業者の方々はそれではいかなる團体をつくつていいのか、どういう仕事をしていいのか、帰趨に迷つておられたのであります。そこで昨年あたりから、経済安定本部におきまして、事業者團体なるもののあり方についての基準をどうかして定めたいということで、いろいろ審議交渉されてきたのであります。その結果がこういう形になつて現われてきたわけであります。これは申し上げるまでもないことでございますけれども、事業者がその事業の遂行のために、また便宜のために相集まつて結合いたしますことは、これは自然発生的な現象でございまして、根本においてはその存立を否定すべきものではないのであります。またこの法律はごらんの通り、決してこれを否定しようとしておるものではございません。むしろその存在をありのままに認めて、これを把握していこうということだけでございまして、この法の主たる目標は先ほど申し上げましたように、ただ正当な活動の範囲を明らかにすることだけなのであります。その動機も先ほど申し上げましたように、戰時統制方式の撤廃ということが、そもそもの動機なのでございます。ところが事業者團体それ自身なるものは、実はカルテルでもなければまた授制團体でもないわけなのでありますが、その構成の性質上自然これらと混同されがちな、またゆるいカルテル、または統制團体になりやすい可能性をもつておるということは否みがたいところでございます。そうしてこのカルテルあるいは統制團体というものは、狭占禁止法の実施とともに法の禁ずるところとなつておることは今お話の通りであります。このカルテルあるいは統制團体になるような危險性のあるものが事業者團体であるが、その危險性があるからといつて、その事業者團体を法をもつて禁ずるということは、むろんできないことであります。その個々の活動につきましては、むろんただいまお話のありましたように、一々独占禁止法に照らして、吟味していかなければならない筋合のものであるのであります。しかし事業者團体なるものは、その本質からいきまして、そういうカルテルあるいは統制團体に陷りやすい一つの危險性をもつておるものであるということを考えますときに、いよゆる事業者團体なるものの正しい活動の範囲を定める場合に、この点も考慮して規定すべきであるというのが、この法の建前なのでありまして、特に独占禁止法の実施の結果、こういうものがなくてはならぬという建前で規定したものではないのでございます。
○多田委員 独占禁止法が非常に廣義に解釈する場合と、狹義に解釈する場合とでは、おのずから相当大きな差があるような法律でございますので、事業者團体のあり方について一つの基準を示されるということは、事業者の前から希望しておる点であります。その妥準を示されるという点については、われわれも同感でありますけれども、このような一つの單独法によつて、はつきりとした基準を示すことが、はたして経済界の実情に副うかどうか。申し上げるまでもなく、一つの線を引くことによつて経済の区別をつけるということは、今日の段階においては非常に危險だろうと思うのであります。ただいま御説明がございましたように、統制を排除することが根本的な目的だろうと思うのでありますけれども、現在の段階においては、統制をただちに排除するということでなしに、統制の事務は全部國が行つて、民間が統制の部面を担当することを禁じようという考え方から出発しておるだろうと思いますけれども、そういう考え、観点からしますれば、この法案に規定されておるような事業者團体の許される、事業者團体として正当な事業範囲ということで規定されておるこの事業範囲というものが、非常に狹隘過ぎて、むしろこのような範囲でなければ活動が許されないということであれば、わが國におけるあらゆる経済團体の存立價値はなくなつてしまうだろうと思うのであります。もちろん今御説明のように、私的独占的な統制の部面、あるいはカルテル化する危險性のあるような部面については、絶対に排撃しなければならないと思うのでありますけれども、しかしながらこのように事業者團体の活動範囲を圧迫することが、はたしてわが國の経済を自由経済に復活させるために効果があるかどうかについては、われわれは非面に疑念をもつておるのであります。こういつた点からいたしまして、このようにほとんど仕事らしい仕事が許されないような非常に狹い範囲で、正当な事業の範囲をきめられておりますけれども、これを簡單に言いますと、統制的な仕事は、民間の團体に許されないというような一つの妥準をきめようという考え方で、この認を引いたのかどうかという点をお伺いいたしたいと思います。
○中山(喜)政府委員 ただいまの御質問の最後は、統制行為は認めないという方針でできておるのかどうかということでございますが、これはその通りでございまして、すでに私的團体による統制は撤廃すべき方針になり、また私的独占禁止法の上においても、これを禁止することになつておりますので、根本においてはまさにその方針に從つておるものでございます。しかしながらただいまお話がありました通りに、今は過去の統制経済から、自由経済へのいわゆる過渡期と称すべきときだと思うのでありまして、これがためには、いわゆる臨通物資需給調整法の附則による特例なんかも設けられておる状態で、われわれもこの過渡期に処していくにつきまして、実は非常に頭を悩ましたわけでありますが、これがために第六條、第七條等におきまして、そういうことも考慮して、相当廣汎なる適用除外を実は行つておるわけでございます。詳細につきましては、後ほどまた説明を申し上げたいと思います。
○多田委員 根本において私的統制を排除するという考え方のもとに立希されたというふうに了承いたしたいと思います。そういたしますと、第四條の許容活動の規定でございますが、この法案によりますと、許容活動と第五條の禁止活動と二つにわけて、四條ではこれらの仕事は事業者團体はしてもよろしい。しかしながら第五條ではこれこれの仕事はしてはならぬというように規定されておるのであります。このような法律の形式が今日まであつたかどうかという点については、私も今日までこのように確然とした法律があつたことは聞いておりません。この許容活動の範囲を非常に圧縮して、しかも禁止活動において、第四條の許容活動に該当しないものは、一切禁止することになつておりますけれども、たとえば物の割当、配給を政府がいたしました場合におきましても、その現品の流れについては、事業者團体がこれを取扱わなければ、とうてい円滑な物の配分ができないというような團体もあろうと思われますし、現在ではこうはつきりと許容活動の範囲をきめることは非常に危險性があると思うのであります。許容活動の範囲を一つのわくに入れて、それ以外は一切禁止するというようないき方をとられた根本的な考え方を御説明願いたいと思います。
○蘆野政府委員 先ほどから本法案のきめました事業者團体の許容活動が非常に狹くて、いかにも窮屈で、これでは事業者團体は何も活動ができなくなつてしまうということと、それから四條の許容活動を列挙しておきまして、しかもそれ以外は一切できないということを断つておいて、さらにまたあらためてこれ以外はできないといつた上に、なおこれこれのこともできないという規定のしかたは、いかにもおかしいではないかという質問の要旨は、そういう点に帰着するのではないかと思います。四條の許容活動の規定の仕方がいかにも区切つて、具体的になつておるものですから、ごらんになりますと、いかにも狹いようにお感じになるのは一應ごもつてもでありますが、しかしこれはさつき委員長の提案理由の説明の際にもございました通り、四條は許容行為でなくして、活動の範囲を示したものでありまして、そんなに狹く解ずべきものではないと思うのであります。ここで何々はしてもいいと書いてあることは、それに当然附随すべき行為、それをするためには当然準備としてしなければならない当然予想されているような行為、こういうものがすつかり含んでいるのでありまして、それもいかぬというのではありません。それで事業者團体というものは、統制行為やカルテル的の行為、——これは別でございますけれでも、それ以外の普通のいわゆる同業組合あるいは商工会議所のような地域團体にありましても、日本でもアメリカでも普通やつている仕事は、実はこれで大抵できるようになつているはずであります。それでさつきから申し上げておりまする通りに、これは事業者團体の活動の範囲を示して、そのよりどころを與える趣意でございますから、四條において事業者團体はこういうことはしてもいい、こういうことは大いにしてくださいということをはつきり宣言する必要があるので、それで四條の規定に許容活動ということをあげたわけでございます。一々の意味については、あるいは後に逐條的に御審議になる機会でもあれば、あらためて詳しく申し上げたいと思いますが、四條の許容活動の規定の性質はそういうものでありまして、決して狹いものではないのであります。それで四條で、そういうしていいことをあげて、それ以外はしてならぬということにすれば、さらに五條の規定をあげる必要がないではないかということがもう一つの点と承つたのであります。五條の規定と四條との関係について申し上げますと、あることは四條で一應許してはいるけれども、しかしながらそれを制限するという関係になつているところもあります。たとえば四條の第五号で、この事業者團体は啓発、宣傳の仕事はしていい。これなどはずいぶん許容活動の範囲を廣くした條項でありまして、大抵のことはこの規定でできないことはないと思う、実は少し廣すぎはしないかと思うくらいの規定であります。これに対しまして、五條で不当に政府または一方に影響を与えてはいかぬというように規定しておりますが、こういうふうに、四條において一應許したものを制限した規定であります。しかしながら四條では概括的にこれ以外のことをしてはいかぬというような、理屈の上では明らかでありますけれども、実際これまでの経驗上、どういう事業者團体がこういうことをする、そしてそれが弊害があるといつたようなことを具体的にはつきりわかるように、五條でずつと一々あげたのでありまして、これは決して理論的、観念的なものでございません、いずれも日本の実情なり、あるいは米國等の先例に徴しまして、事業者團体があるいは統制の目的から、あるいはカルテルというような目的を達するために普通にとられるところの仕事、普通にやられるところの仕事の種類のやもなものをずつとあげて具体的に示した、こういう関係になつておるのでございまして、あるいは純理論的に、あるいは観念的にこれをお考えになりますと不備であるとかいうお感じもあるかもしれませんけれども、実際上から申しますと、きわめて必要なわけなのでございます。 それから先ほど一番初めの御質問に、独占禁止法との関係についてお話がございまして、何か独占禁止法では不備なので、こういう法律をまた追加する必要ができたのであるかという御質問であつたと思うのであります。独占禁止法は一般的の規定でありまして、全体の独占禁止法で規定すべきところのわくとしては、一應完備したものでございまして、別に不備な点を発見したというわけではありませんが、事業者、殊に同業組合というようないわゆる事業者團体が独占禁止法のもとでは具体的にどういうことをやつているか、どういうふうな活動をすればいいかということの應用を示したことが一つの目的でございます。それともう一つは多少技術的になつておるのでございますけれども、独占禁止法の方は、御承知の通り、事業者は独占をしてはならぬ、あるいは不当なる取引制限をしてはならぬというふうに、一々事業者ということになつておるのでございます。ところが事業者團体というものは、これは事業者がつくつておるものでありますが、團体そのものは事業者でありません。それで独占禁止法でたとえば事業者が共同して対價の引上げをやつてはいかぬ。対價の協定をやつてはいかぬということでありまして、これを事業者團体がやつたといたしますと、実際の場合には多くは事業者團体の行為は、すなわち事業者の行為であるということで、これは禁ぜられますが、しかしながら一應事業者團体というものは、事業者とは別個の存在でございまして、この事業者團体が團体としてたとえば対價の決定をやつたというときに、独占禁止法で押えることは、ちよつとむずかしい場合がちよいちよいあるのでございます。たとえば事業者團体の理事者が同時に事業者であれば問題ありませんが、実際の場合において同業組合の書記長というような人は、自分は事業者じやない。しかしこれが実際を牛耳つておつて、これが指導者となつて、対價の決定をやる、生産販賣の制限をやる。これを事業者に押しつける。こういうことをした場合に、肝腎のその指導者である事業者團体の理事者を取締ることは、ちよつと独占禁止法ではできないということでございまして、禁止法の中でごらんになります通りに、独占禁止法の第四條で禁じたことはやつてはいかぬということでございます。いかにも重複のようでございますが、実はそういう点もあるのでございます。
○堀川委員長 次の質問者が退席されておりますので、本日はこの程度で散会することにいたします。なお次の連合審査は公報で発表いたすことにいたします。 午後二時四十二分散会