治安及び地方制度委員会 第51号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/07/03
会議録
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。 御相談いたしますが、先ほど來お話のあつた通りで、地方財政関係の方を先にやるか、あるいは地方自治法の一部改正の提案を先にやるかという問題について、いかがいたしましようか、今ちよつと結論が出ないで進んだのですが、御相談の上でひとつお願いいたします。
○松浦(榮)委員 今理事会では、地方財政問題を先にやろうということに実は承知したつもりですが、その後変つたのですか。
○坂東委員長 変つたわけではないのですが。——それではさよう決定して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさよう決定いたします。討論にはいります。
○松浦(榮)委員 今回の地方税法案につきまして、一言修正の意見を出したいのであります。 地方税法の改正にあたりまして、この案を出されますときに、自治体方面では全面的なこれに対する反対があつたのであります。そうして地方財政委員会の委員たる五名の自治体関係者は、辞任を申出るような状態に立至つたのであります。その事情につきまして詳細に檢討いたしますると、自治体側の主張にも無理のない点もあると思うのであります。その両者を比較してみますと、政府側は事業税、すなわち農山漁村その他の原始産業及び自由職業という方面にわたりまして、全面的に税を課すると同時に、さらに人頭税的な住民税を、税率を上げるというようなことにより、しかしてその間に地方債を大きく見積ることによりまして、地方財政を賄わんとする案でありますけれども、これに対しまして自治体側は、酒、タバコの消費税を設けて、これによつて地方の枯渇せる財源を補はんとする態度に出ておるのであります。そのこつを檢討いたしますと、私は自治体側の主張にある程度の賛意を表さざるを得ないのであります。すなわち政府側の案によりますと、第一に、住民税のときにおきましては、從來のこれは戸数割でありますから、貧富を問わず、ある程度の差はありましても、住所、居所を有する者に対しては、すべてこれを割当てられるのでありまして、社会政策的にいいましてこれはよろしくない。それから事業税の方面におきましても、各産業にわたりまして、また各自由職業——医師、産婆というような國民の医療に及ぼす方面にまで課税しますことは、それに対する生産費はかさみ、從つて物價は上りまたそれによつてインフレが高まるという縣念も非常に多いのであります。そういうような結果におきまして、地方財政の枯渇を救うよりも、むしろ自治体側が主張しますいわゆる酒なりダバコなりの消費税を課しまして、これは自分の村、自分の市、自分が住所をもつておるところの地方のことは、タバコ銭でも出して賄おうというような氣持からいつても、あるいは毎日飲む酒のうもからでも出してやろうというような氣持からいつても、妥当であろうと思うのであります。経つてこの際タバコの方面は今般價格が改訂されて上りましたから、これはこの際は差控えまして、酒の消費税というものをここに考えまして、これによつて住民税、事業税の方をはずしてやろうという考えを私は持つておるのであります。それについては、その額におきましては、すなわち住民税においては町村自治体主張の八百円と、政府主張の一千円の差で三十一億あります。それから事業税として從來とつておりましたところの営業税のほかに、それをかえて事業税として増徴されておるところのものは三十九億八千万円、約四十億あるのであります。そうすると両方合わせて七十億でありますが、この七十億を酒二割の消費税を課しますと、初年度において六十億とれます。約十億足りません。それでありますからこの十億は住民税を九百円にいたしますと、浮いてくるのであります。それですから結論として私は修正案といたしましては、販賣價格の二割を消費税として課税してそれぞれ出します。それに対して政府主張の住民税を九百円にして約十六億でございます。それに対して事業税を全免いたしますと四十億、すなわちここで四十九億、五億足りないわけであります。その足りない五億は重要産業に課する電氣、ガスの免税の法規を廃止して、これを免税せずに課税する方をとりますと、約五億が出ます。そういう方針に私は修正いたしたいと存ずるものであります。一面において酒の消費税をとるということは、すでに満度に達しておるのではないかという御意見もあります。すなわち國の酒税が今回増税になつております。それに対してまた課税をするということは満度になつておりはせぬかという意見もあり、またもし満度になつた酒をさらに消費税として課するならば酒の賣行きが悪くなつてかえつて税收の減少を來して、國庫に穴があきはせぬかというような憂いもあると思いますが、今後おそらくインフレは予想せられまして、全般の物價改訂による諸物價の高騰から、インフレはある税度必然と言えます。その際において酒に対する消費税を二割堀しても、それほどの高額な消費額とはみられないのであります。それでありますから、これに課税しても賣行きの悪くなるというようなことは、決してないと思うのでありまして、從つて満度に達したということも言えないと思う。また地方税というものは大体直税体系において課税すべきものであつて、消費税というようなもので課することは妥当ではないという意見もあります。これについても理論的あるいは形式的にはそういうようなことも言えますが、別段にこれを課税いたして、そこに非常な不都合があるということも、現実的には考えられぬのでありまして体系として問題になることはありましても、この際地方財政の赤字を埋めるという必要上から、どうしてもやむにやまれないとすれば、消費税を課するもまたやむを得ない。こういうふうに考えます。私は以上の見地に立つて先ほど述べた修正意見をここに発表いたす次第であります。何とぞ皆さんの御審議を煩わしたいと思います。
○松澤(兼)委員 修正案が出たようでありますが、これに対して委員長がただちに御採択になるかどうか、あるいは御採決を明日までお延ばしになるか、その辺のところはひとつお諮りの上で、多少の見込みがないというわけでもないのでありますから、明日の午前中まで、あるいはもう少し持つていただくことが適当ではないか、こう申しましても、はたしてどの程度顔を立ててくれるのかということは、私保証できないのでありますが、官房長官がそう言つたことをあなた方にお傳えするわけであります。
○坂東委員長 もうすでに修正案が出され、討論にはいつておりますから、正式には質疑終了の宣告の時機はありませんから、質疑終了と認めることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それでは質疑を終了いたします。
○大澤(嘉)委員 松津小委員長のお話によりますと、全然見込みがないのではないというような話であり、またこの地方説法の改正の問題は、まことに地方財政においては重大な問題であるし、これをもし引延ばして、次の臨時國会に提案して可決するというようなこともでき得ない状態になつているのであるから、まつたくこの委員会としては不本意だけれども、原案通りでがまんするというような不見識のことで済ませるということは、委員会の立場からいつても、委員の両目の上からいつても、まことにその点は重大な問題であるし、でき得ればわれわれはこの改正の問題に対しては、提案者の政府に対して改正を望むのであつて、政府がすなわちG・Sなりあるいはその筋なりの了解を得ることが順序であると考えますので、委員会の委員の諸君が直接行つてきたその結果こうだというようなものでなくて、政府に対してあくまでも委員会の空気なり、委員会の状況を眠く主張して、でき得れば、政府がもし今度の國会で日がないために間に合わないというならば、一日なり二日なり國会の会期を延ばしても、この法案は改正していくべきである、かように考えられますので、この機会に附け加えて委員長にその眞意を質しておきたいと思うのであります。かような点を委員諸君にお諮りを願つて、政府にあくまで強く当つていただくということを、この機会に委員諸君の決議を得たいと思います。
○坂東委員長 今松澤君のお話並びに大津君の御意見もありますので、本会議が始まりましたから、きようはこれで散会いたしまして、明日午前十時から開会いたします。 午後六時五十二分散会