治安及び地方制度委員会 第44号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/06/25
会議録
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。松澤君。
○松澤(兼)委員 この際お許しを得まして、地方財政制度改革に関する小委員会の報告をさせていただきたいと思うのであります。
○坂東委員長 緊急事項でありますから、松澤君に発言を許すことに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それでは松澤小委員長。
○松澤(兼)委員 それでは簡單に御報告申し上げます。 去る五月十八日坂東委員長より指名されました地方財政制度改革に関する小委員は、私が小委員長として、委員各位の熱心なる御協力により、八回の会議を開き、本日の小委員会において最後的な案の承認を得ましたので、ここにその結果を御報告いたしたいと思います。 一、政府決定の昭和二十三年度予算は、一つ、從來の税目の課率の引上げ、二つ、住民の過重負担となるべき新税の設定、三つ、多額の赤字公債の計上、四つ、多額に上る分與税制度の残存、五つ、地方経費の節約等の方策によつて辛うじて收支の均衡をはかつたものにほかならず、地方自治法に規定されている地方公共團体の自主、自律性はほとんど考慮されていないし、地方住民の負担と犠牲の上に編成されているものでありますから、地方自治の拡充や財政的裏づけに何ら重要性を見出し得ないのであります。地方財政は、インフレーションの激化に伴い、人件費、物件費の増嵩と住民負担の限度到達のため、破局的窮乏に追込まれているのであります。國の財政においてはインフレーションの進行にマッチする税目もありますが、地方税にはこれがなく、市町村当局は財源の捻出と金融のため日夜奔走している現状であります。さらに新憲法実施に伴う教育制度の改革、警察、消防の地方移讓など、政府は國費において最小限度の財政的保証をも與えず、新規経費の増額は地方財政にとつては致命的な打撃を與えているのであります。もとより中央集権的行政機構の打破、地方自治の拡充は望むところでありますが、これが財政的裏づけを欠いては、かえつて地方自治性の破壞となり、ために市町村長の職を辞するもの相次いでいるという状況を考えて見ますときに、現在の状態がいかにはなはだしいものであるかということがわかるのであります。市町村長は職を辞すればあるいは責任は解除されるかも知れませんが、市町村の自治ははたしていつの日か確立するでありましよう。地方財政委員会は、この地方財政の窮状を打開するために、地方税制度改正案要綱を立案し、これを政府に提出して、この計画に基いて地方財政の確立をはかるべきことを進言したのでありますが、政府は、これを全面的に採用せず、きわめて不徹底なる妥協案を作成したのであります。そのため地方財政委員のうち、自治体を代表する三名の委員は辞職してしまい、地方財政委員会法第六條の規定によれば、「委員会は委員三人以上の同意をもつて会務を決する」とあるように、委員会はまつたくその機能を」喪失してしまつたのであります。そもそも地方財政委員会は、地方財政委員会法によつて組織され、「國家公益と地方公益團体の自主権とが調和するように、地方財政の自主化を図るため……計画を立案する」目的を有し、いわゆる普通の諮問機関と異なり、相当強力なる権能をもつているものであります。しかるに政府は、こり委員会の計画立案を全面的に採用せず、ために全國都道府縣知事、市町村長より痛烈なる反対を受け、政府並びに私共のところにも毎日、数十、数百の陳情書が山積しているのであります。二、委員会案と政府決定案の比較 小委員会において地方財政委員会案と政府決定案と比較檢討して見ましたところ、この重要な相違点は、冒頭にも述べましたごとく、次の通りであります。一、從來あつた税目のうち著しく課率の引上げをなしたこと。 イ、地租及び家屋税標準賦課率を本税附加税合わせて百分の八十程度とする委員会案を地租百分の二百、家屋税百分の二百五十とした。 ロ、住民税の標準賦課額、府縣及び市町村税合わせて八百円程度とする原案を千円とした。二、酒、タバコ消費税を中止したこと、委員会が融通性ある地方財源として熱心に希望した酒、タバコ消費税は、販賣價格の二割課税するとしても、二百四十億円程度徴收を見込まれていたのでありますが、政府はこれを認めなかつた。三、多額の地方公債の計上、そのため、地方財源に窮した政府は、約二百七十億円の地方債を承認し、地方財政を著しく不健全なものとした。昨年度百十億円の起債すら消化に困難を感じた地方公共團体は、この多額の公債をいかにして現金化することができるか、政府及び地方が相当の努力をしても、百五十億円程度しか消化できないであろうと予想されるのであります。四、地方経費の節約。 公債消化の困難については、政府もこれを承認し、できるならば約三十億円程度のものを地方経費の節約によつて賄わんとしているのでありますが、國の予算にはこれを要求せず、地方財政にこれを強制しようとするのは妥当でないのであります。五、分與税の増額 委員会案は三百六十二億円としたが、政府はその繰入率を増額して、三百八十七億円とし、約二十五億円を増額計上しておりますが、著しく地方財政の自主性を侵害しているのであります。六、地方災害復旧基金、地方團体、中央金庫制度を削除したこと。 地方財政の健全化をはかるためには、この二つの制度はぜひとも必要でありますが、政府はこれを承認しない。七、地方財政委員会案の支持。 以上小委員会においては政府決定案と委員会原案とを比較檢討した結果、次の点を除いて全面的に地方財政委員会の原案を支持し、これが実現のためには本委員会でさらに政府と折衝せられんことを望むとともに、特に酒、タバコ消費税は彈力性ある地方財源として、最も適当であると思われるので、ぜひともこれが実現を期していただきたいと思うのであります。 委員会案のうち特に削除または修正を要すると考えられる事項、1、医師、歯科医師、助産婦等の特別業務税の削除。 右の業務は法律において應招義務を規定しており、医療の社会化、医療負担の増額等の見地より、この税目は削除すべきであると考慮されなければならないと考えられるのであります。なお事業税全般につきこれを廃止すべしとの強硬な意見もあつたことを併せて報告いたしておきます。2、電氣、ガス税の削除または修正。 小委員会においてはこの税につき種々論議をなしましたが、これを総合すると、電氣、ガス税は住民の負担を増加するものであるから、本來これを徴收すべきでなく、他に財源が得られればこれを削除するを適当とし、やむを得ず課税するとすれば重要産業に対する課税外規定はこれを取りやめ、もつて税の増徴をはかり、なお貧困者に対する免税規定を明記すべきである。 なおこの二つの問題は本委員会に付託されています地方税法の改正にも関連し、特に本委員会において愼重審議の上、その意見を決定せられんことを望みたいのであります。四、恒久的対策調査の必要。 地方財政の眞の確立をはかるためには、地方財政委員会の案をもつてしても十分でなく、住民負担の軽減、独立自律制の確立、國の公益と地方公共團体の自主権との調和、自治の振興、治安の確保等各方面からの抜本塞源的措置が講ぜられなければならないのであります。小委員会はこの恒久的なものと應急的なものとを並行的に取上げたのでありますが、地方財政確立のための恒久的な対策に関しても、種々な角度から調査研究いたしましたが、時日の関係上十分結論に到達するところまでいつておりません。審議いたしました事項の中で主要なものをあげてみますと次の通りであります。1、余裕住宅税、これは委員会原案にありませんでしたが、地方税法の中に加えられています。2、非利用土地税、庭園税。 戰災都市、その周辺において課税する住宅復興の目的税として適当である。3、税外收入として地方競馬、競犬、自轉車競走、地方宝くじ等新設または現行法の改正をして、地方財源とする。4、その他國費、地方費の関係におきまして、 イ、國及び地方團体の負担区分を明確、適正化すること。 ロ、分與税を配付税として道府縣分、市町村分との適正化をはかること。 ハ、國の委任業務に要する経費は全額國庫負担とすること。 これらのうち本委員会に付託の地方財政法中に規定せられている事項もありますが、要はむしろその実際の運用にあり、從前よりの惰性によつて法律の規定にかかわらず、國はややもすると無理を地方に押しつける傾きがないとも言えないので、特にその点につき申上げた次第であります。 五、結論、以上により、小委員会において論議いたしました点、意見の一致を見た点等に関し申し述べたのでありますが、小委員会の設置の時期がやや遅れ、地方財政委員会の立案に際し、寄與するところが少かつたことは遺憾でありますが、提出された地方財政法、地方税法の改正等によりまして、今後地方財政の確立の見透しは一應ついたと思われるのでありまして、この点御同慶にたえないところであります。 小委員会の報告はこれをもつて終ることにいたしますが、重ねて申し上げたいことは、一般住民負担が過重でありますので、事業税または特別業務税中の医師、歯科医師、助産婦等の課税を廃し、住民税の軽減等を断行して負担軽減をはかり、その財源として酒、タバコ消費税の創設によつて、收支の均衡をはかることが必要であると考えるのであります。 以上申し上げましたが、地方自治の重要性に鑑み、その財政的裏づけとなるべき地方財政制度、地方税制に関し、本委員会において十分檢討し、必要あればさらに根本的な方針に関し、強力なる政策を進めるため、別個の特別な委員会を設ける等、適宜の処置をとられんことを希望して報告を終りたいと思うのであります。
○坂東委員長 ただいまの当委員会の地方財政小委員長松澤君から適切に、しかも力ある報告がございましたが、他の日程の都合上、これが討議は他日に讓ることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさよういたします。 本日の日程は市町村立学校職員給與負担法案以下七件でありますが、その前に御相談事項があります。それは次に申します件は、他の委員会の付託となつておりますが、当委員会に関係がありますから、共同審査を申入れたいと思います。すなわち刑事訴訟法を改正する法案、経済査察廳法案、港域法案、興行場法案、旅館業法案、公衆浴場法案でありますが、これは共同審査するよう申入れするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさよう決定いたします。 —————————————
○坂東委員長 日程にはいりまして、まず市町村立学校職員給與負担法案より議題に供します。本件につきましては理事会の打合わせでは、この中に多少修正したいような筋がありますから、その点につきまして明日委員の有志が関係方面にまいりまして、内意を聽いてみるということに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさよう決定いたします。 —————————————
○坂東委員長 次には警察官等職務執行法案でありますが、これは警察制度改革に関する小委員会、この小委員会に付託するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさよう決定いたします。 —————————————
○坂東委員長 次は風俗営業取締法案であります。この法案に関しまして、理事会ではすでに修正事項をきめまして、それから関係方面に打合わせにまいつておりますから、明日二、三名の方々に行つていただいて、そうしてその打合わせの結果を聽いてからにしたいというわけでありますが、いかがでございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさよう決定いたします。 —————————————
○坂東委員長 次は地方財政法案、地方税法を改正する法律案、地方配付税法案、この三案を一括して議題に供します。質疑を続行いたします。
○菊池(重)委員 先日茨城縣水海道方面の集團窃盗の件につきまして質問をしたのですが、その折事情を調査して報告するという当局の話でありましたが、その後何らか話があつたかどうか伺いたい。
○坂東委員長 まだ政府の方からは何とも言つておりません。
○菊池(重)委員 ひとつ請求してもらつてください。
○坂東委員長 承知いたしました。それでは他の委員諸君から、今地方財政委員会の荻田事務局長が見えておりますから、質疑がありますればお願いいたします。
○松野委員 事務局長において答えられる範囲内においてお答え願いたいと思いますのは、地方債の問題であります。地方債の現在の起債額及び起債方法、及びその起債特別機関の設置というふうな御計画及び説明ができ得るならば、一應お聽きしたいと存じます。
○荻田政府委員 まず昭和二十二年度の起債額及びこれらの消化状況でございます。大体一般公募によるものが百十億円足らず予定しておつたのであります。そのうち八億ばかりは本年度に繰越しになつておりますので、一應九十数億のものが一般公募を要する起債額であります。これに対しまして預金部におきまして七十億ばかりの消化がありまして、あと二十億ばかりが一般市中銀行なり、あるいはほかの金融機関なりから公募された額であります。なお預金部のうち年度末におきます貸付けが未済になつたものが二十億円ばかりあります。これはいろいろな事情で手続が遅れておりまして、消化し得ることは確実であろうと思います。二十三年度におきましては先般からお話が出ておりますように、二百七十億円ばかりの地方債を発行しなければならぬのでありますが、そのうち三十億円あまりは特に強く歳出の節約を望みまして、なるべく節約によつてこれを生み出す、從いまして二百四十億程度はどうしても起債を出す、そのうち節約ができません分がありましたら二百七十億までは出さなければならぬということになつております、この消化につきましては、現在のところ政府は責任をもつて消化するということにしておりまするが、この計画については未だはつきりした全体についての計画はできておりません。目下大藏省当局と交渉して計画中であります。大部分を預金部の資金に頼らなければならないと思いますが、その預余部の資金の方も先般上半期の決定があつたのでありますが、その際地方債にまわし得るものは六十億ばかりです。なおそのうちでも先般ここで問題になりましたように、六・三制及び警察のためにする地方債の引受は、普通の資金ではなく、その額だけを市町村に割当てて郵便貯金の増加をはかる。それができたものについて起債を引受けるということになつております。年間を通じて預金部でどれだけの消化があるか、今はつきりしたことを聞いておりませんが、大藏省方面の意向では大体百八十億ぐらいは大丈夫であろうと言つておられますので、あと六十億ばかりが一般公募であります。あるいはなお三十億円ばかり節約の分がありますが、それが起債をしなければならないとなりますと、百億近くのものを一般公募によらなければならぬ。それにつきましては大藏省としては相当強力に一般金融機関の援助を仰ぐ方法をとる。こういうお話でございますが、未だ具体的な細目は決定していないのであります。それで地方財政委員会では、このような消化難ということも一つありますが、もう一つにはまつたく預金部に依存した中央集権的な金融体制では、いつまで経つても地方自主化の面が、起債の点から崩れていくということからいたしまして、地方團体中央金庫を設立して、地方團体が打つて一丸となり、特別の金を借りる機関ともいうべき機関を創設して、これによつて消化していけば起債の消化ということもたやすいであろうし、またそれと同時に金を借りるということにつきまして、外部の干渉を受けることも少くなるであろう、こういう趣旨で地方團体中央金庫が委員会で立案せられたのであります。以上のような状況であります。
○松浦(榮)委員 荻田事務局長にお願いしておきますが、所管大臣が來られたら、大臣に申し上げるつもりでありますが、まだおいでになりませんから、事務局長において御考慮を願い、また御通達願えれば御通達願いたいと思います。その一つは簡易保險郵便年金の積立金を從來逓信省から直接分與されておつたのでありますが、最近大藏省の預金部で取上げてしまいまして、預金部で一切の起債に関する貸付金を実行している次第でありますが、いろいろな面からいたしまして、もう一度簡易保險郵便年金の積立金を、逓信省において大藏省預金部には関係なしに独立して、直接運用の途をとつていただきたいという請願の陳情が全國の局長さんから出ているのでありますが、私も自分の地元の町村長から数通來ておりますので、請願委員会の方には紹介をしてまわしておきましたけれども、この点につきまして、どういうふうな事情にあるのか、また事情によつては逓信省方面に御交渉願うというようなことにしていただきたいと思います。 それからもう一つは私は北海道出身でありますが、北海道は御承知の通り拓殖途上にありますので、いろいろの面において國の財政に依存することが多いのであります。つきましては、この分與税の配付につきましても、特段のお考えを願いたい。それからこれは財政委員会には関係ないのでありますが、補助金等も府縣なみよりは相当に高くきめてもらわなければならない。これは財政委員会に関係ありませんが、大藏大臣が來られたら申し上げたいと思いましたが、地方財政に御関係のある事務局長でありますから、お含みの上、いろいろな機会におきまして、この点を御考慮願いたいと思います。
○坂東委員長 ただいま芦田総理大臣が出席されました。松浦榮君。
○松浦(榮)委員 総理大臣にお伺いいたしたいと存じます。 第一点は地方出先機関の整理についてであります。一昨日でありましたか、地方出先機関の整理案につきまして、その機関の種類が発表になつておりました。しかしこれだけでは決して十分ではないと思います。この点について衆議院の地方制度委員会において提出しました整理案を御尊重になりまして、これを御実行になる御意思はないかということについてお伺いしたいと思います。出先機関の整理ということは、單に官廳間のなわ張り、事務上のいろいろの煩瑣な手続を避ける意味ばかりでなくして、実は國民が非常に迷惑をしております。一つの許可をし、一つの届けをするのにも、あちらこちらといろいろな官廳をまわつて歩かなければ用が足せない、それがために時間的にも能率的にも非常な迷惑を國民は感じております。それでどうしてもこれは徹底的に出先機関を整理してもらつて、一元化してもらわなければいけない。できる限り府縣知事の方に移讓していかなければならないと考えるのであります。この点につきまして御意見をお伺いしたいと思います。 それから第二には、地方財政に関する問題でありますが、総理大臣におかれましては今回提案になりました地方税の案について、この案は地方財政委員会をスムーズに通つてきたのではない、地方財政委員会の案が容れられずして、その構成メンバーでありますところの三人の委員、特に重要なる直接関係をもつ都知事、市長、町村長というような人が辞任をしておられる。それにもかかわらず、これを強行せられるにつきましては、そこに無理があるのじやないか。從いまして、その案を一度撤回して委員会を再編成されまして、その編成された地方財政委員会にはかつて、地方財政委員会の案と政府案と両方がまとまつた意見として御提案になる意思はないかということについてお伺いしたいのであります。 第三点は西尾副総理の問題でありますが、これに対する不信任案が昨日否決になりましたことについては、私どもいろいろ意見はありますが、これに対しては申し上げません。この公務員が起訴になりましたときに、辞任しなければならぬかどうか、あるいは休職を命じなければならぬかどうかということにつきまして、総理大臣の御方針をお聽きしたいと思います。西尾副総理が起訴されても、今起訴になるかならぬかわかりませんが、新聞紙の報ずるところによりますと、これも事実その通りお話しになつたかどうかわかりません、私は新聞を信じて申し上げますが、起訴をされても辞職しないということを言明されておりますが、國家公務員法によりますと、公務員が起訴されたときにはその意に反しても休職を命ずることを得とあります。これは官廳の方針としては、当然のことでありますが、公務員は犯罪を犯し、起訴をされた場合には常に休職を命じております。実際を申しますと現職の官吏がなわつきになるというようなことは、非常に恥かしく、また世間の信用にも関しますので、多くはその以前に願い出て免官しておるのが多いのであります。しかしながら一旦事が現われて起訴にでもなりますと、これは起訴後におきまして犯罪が確定したときに、これを懲戒処分に付することができないという意味で、從來司法当局の方針としてはやめさせないのであります。官廳としては実はそんな起訴になつたような者は休職にしたくない。早くやめさせて、一平民にさせたいという方針でありましても、司法当局が起訴までされ、また司法当局が犯罪を犯した者は官吏として懲戒までもやらなければならぬ。懲戒もせずにこれを放任してしまうことは、官吏に対する責任を軽んずるものであるという意味から休職にしておるのであります。実は退職がほんとうなんでありますが、それほど公務員というものは体面というものを重んじられておる。從つて私がこれを治安並びに地方制度の問題として取上げるゆえんは、地方公務員が今後起訴されたような場合、西尾副総理がああいうような言明をされますというと、非常にその思想に影響するところが大きいから私は申し上げておる。それで私は西尾副総理の言明に徴しまして、総理大臣はどういうお考えをもつておられますか、その点を伺います。
○坂東委員長 ちよつと委員長から今のお言葉の釈明をいたします。それは出先官廳整理に関する件の小委員長の報告を聽きまして、それを正式に当委員会は満場一致をもつて議決しておりまして、それを正式に議長に報告し、また総理大臣に報告し、並びに関係方面には英訳をして御通告してありますので、それだけを釈明しておきます。
○芦田國務大臣 第一点の出先機関整理の問題につきましては、数日前に参議院の本会議において発表したものが第一次整理案であります。御記憶の通り、出先機関が設けられたのは主として一昨年の春でありまして、吉田内閣の末であります。その当時の経過を辿つて考えますと今日多数にのぼつておる出先機関の大多数のものは、全國的に仕事を行うために必要な機関であつて、たとえば経済生活の上からみまして生産縣と消費縣とが互いにその縣の利害関係のみに重点をおいて、必要物資を配給することがあると、生産縣は非常に豊かな配給を受け、消費縣は常に物資の不足に悩むのでは國家全体の経済生活に差支えがある。これは一例でありますが、さような場合に全國的統制を行つて、主務官職の手足となつて、完全に働き得るような、機関が必要だということで、関係方面の指示に基いてできたものが大多数を占めておるのであります。從つてこの整理にあたりましては、十分関係方面と緊密なる連経をとつた上でなければ廃止ができない。内閣成立以來政府の案をもつて種々話合いを進めた結果、とりあえずこの程度の整理を行う案におちついたわけであります。むろんこれのみをもつて足れりと考たておりませんが、残る機関についてはなお十分の打合わせをしなければ、今ただちに整理することができない状態にあります。しかし今後さらに十分の檢討を加え、打合わせを遂げた土で、委員会の指摘せられたごとき方向に努力したい、かように考えておる次第であります。 それから第二の問題は、財政委員会の計画案を政府は全面的にのんでいない。それでもう一應現在の政府案を撤回して、財政委員会と再協議の上で提案する意向はないかという御質問であります。この案については御指摘のごとく、地方財政委員会で立案されたものをそのまま政府案として提案することができなかつた事情は、一口に申せば、日本の國民経済及び國家財政の現状から見て、均衡のとれた予算をつくり上げなければならない立場にある、インフレを抑止するためにも、また経済再建のためにも、國家財政が健全化せられなければならぬ。それでなければ一部の費用に國費の大多数を投じた結果が、國民の担税力以上の負担となつて、ひいてインフレーションに拍車をかけるがごときことになれば、中央も地方も財政的に破綻に瀕するほかはない。かような見地から、どの程度まで國家が地方財政に必要なる財源を與え、また分與税を支出し得るかの限界を、健全財政の維持ということに置いたわけであります。從つて今日の場合、地方財政の窮乏の状態はよくわかります、決してその事情がわからないではありません、つぶさにその事情を心得ております。しかし中央財政もまた地方財政に劣らざる窮乏の状態にあることは、松浦君御承知の通りで、どこかにその限界を置かなければならぬ。やむを得ず地方財政委員会の計画案に政府の考え方をもつて修正を加え、今日御審議を仰いでおる法案となつたのであります。さような次第でありますし、殊に取急いで昭和二十三年度の本予算を通過させることが絶対的要望となつているので、これが遅れた曉には、内外に及ぼす影響すこぶる重大であると考えます。よつて原案を撤回して、あらためて地方財政委員会と協議を重ねた上で、さらに國会の審議を求めることは、時間的に見ても、また財政全体の振合いから見ても困難であると思います。 それから西尾君の問題については、從來公職にある者が檢察当局より起訴せられた場合には、慣例は必ずしも一定しておりません。たとえば國会議員である者が起訴され、訴追を受けた場合に、必ずしもその職を退いていません。かりに檢察廳の起訴があつた場合には、公職にある者がただちにその地位を退かなければならないと規定するならば、すべての生殺與奪の権が檢察廳の手に移るということになる。それでは公正な裁判所を設け、國民の前に公平なる裁判をする裁判機関の作用が著しく拘束を受けることになる。ゆえに原則としては裁判所の公平なる裁判がなければ眞に犯罪を犯したかどうかは決定しない。その期間において公人をその職から退かしめ、あるいは官公吏をただちに罷免するというがごときことは、必ずしも民主主義國、法治國の維持する原則には適合しないと思います。しかしながら役所に仕えておる公務員のごときは、場合によつてはその執務に支障を來すことも起ります。現に起訴をされて監禁されておる者が、官廳の職務を行おうというたところが行えないのであります。その罪状に應じて、ときに休職を命ずることもあります。また当人が自発的に辞職を願い出る場合にはこれを許すこともあります。それはそのときの事情と境遇によつて違うのでありまして、必ずしも今松浦君の御意見のごとき方法が法治國として、いいかどうかについては、十分考慮の必要があると思うのです。西尾君の問題についてはまだ私の手もとに檢察廳より何らの書類を送付されておりません。送付された曉には、十分これを檢討して考えたいと思つておりますが、今日はまだその域には達していないのであります。さよう御了承願います。
○松浦(榮)委員 総理大臣のまことに御懇篤なる御説明によりましてよくわかりましたが、第一の地方出先機関の廃止は第一次の整理である。こういうふうに仰せられましたが、今後それでは第二次の整理があるべきものと思いますが、これはできるだけ速やかにお願いしたいと思います。総理大臣のお言葉では出先機関を設けたのは國家と地方との行政事務の調整にある、こういうようなお話でありますが、趣旨はそうでありましようが、実際の運営状況を見ますと、実に屋上屋を架する手続煩瑣の行政組織になつておりまして、まことに地方では迷惑をしておるのであります。もちろん地方團体におきましては、從來の知事と違いまして公選された知事でありますがゆえに、そこに非常なる情実が行われるということも考えられます。しかしながらこれは中央からの監督によつてもできます。また中央の出先機関といえども必ずしも正しく行つているわけではないのでありまして、今日國民は出先機関が多いために、先ほど話しましたように、非常に手続が煩瑣であるのみならず、御馳走政策をもつて多くの官吏を招待しなければならぬというようなことが非常に多いのでありまして、非常に財政的にも國民はまいるというようなことを耳にするのであります。そういう点におきまして、出先機関は一日も早く整理していただきたい、こういうふうに考えております。それから期間をいつとお聽きしたいのでありますが、それまで総理大臣にお伺いするということもいかがかと思いますからして、私はできるだけ速やかに整理してもらいたいという希望を申し上げておきます。 それから地方財政委員会の案を用いずして、税制改革が行われたことにつきまして、撤回して委員会を構成して出直すという意思はない、こういうふうに申されましたが、私は別段形式的に撤回して構成するというような手続を経なくてもいいのでありますが、少くともこの政府の提出された予算、それから地方側の申出による地方財政委員会の案、これが双方納得する案をつくつていただきたい、こういうふうに考えるのであります。その点をお含みの上、この委員会の意思を尊重していただきたいと思います。先ほど國家財政と地方財政との均衡をとらねばならぬというふうにお話になつて、まことにその通りでありますけれども、私が見ておりますと、財政当局は國家の予算につきましては非常に重点をおいて、その均衡には細心なる注意を拂つて考えておられます。しかしながら地方財政については、その点はきわめて簡單に考えておられるのではないかというふうに考えられます。すなわちその自主性におきましても、その健全性におきましても、きわめて危いという点が多いのであります。私はここに一々その例を申し上げません。他の多くの委員から毎日のようにその点が述べられております。たとえば起債のことにつきましても、あるいはその他の課税の種類につきましても、いろいろきわめて不健全なものがあります。また自主性を欠いておるものがあります。これではきようの新聞にマーカット少將が対日援助の前提としては予算の均衡が必要であるということを言われておりますが、地方財政の状況を見ますと、実に均衡がとれておらない。そうするならば対日援助ができないという結論になります。私はもつと國は地方財政、税制というものについて本腰を入れて考えていただきたいと思うのであります。その点を特にお願いしておきます。 それから第三点をもう一度伺います。西尾國務大臣のあの新聞の発表は正しいのでありますか、その点をお伺いしておきます。 それからその次に事情によつて違うというお話でありますが、もし起訴された場合に、事情がやめてもらわなければならないという立場になりました場合には、罷免権を発動されますか。その点についてお聽きしたいと思います。
○芦田國務大臣 西尾國務大臣が新聞に話したという記事は、表題を見たと思いますが、内容は初めて松浦君から伺つたわけであります。私は直接に西尾君からそういう話を聽いてはおりません。今後西尾君の意思を聽くことが必要となるときには、直接私からその意思を確めたいと思いますが、今日はまだそういう機会には達していないと思うのであります。それから西尾國務大臣に対して罷免権を発動するかという御質問でありますが、私はずいぶん古くから西尾君とは議会で一緒に働いた間柄であります。日支事変以來十年以上も同じ議会に席をもち、殊に東條内閣の当時においてはある意味における東條内閣の反対党として、同志的に種々共同職線を張つて働いたこともあります。そういう間柄でありますから、いかなる場合においても、これはすべて仮定の上の話でありますが、西尾君が内閣を去らなければならぬ事情が起つた場合、私が罷免権を発動しなくても、西尾君みずからの判断によつて、りつぱに進退される政治家だと私は信じております。かりにかようなことが起つた場合においても、内閣総理大臣が罷免権を発動するごとき必要が起るとは、絶対に考えておりません。
○松浦(榮)委員 もう一度発言さしてもらいます。起訴されてもやめないというような言明がもしあつたとすれば、巷間に及ぼす思想的な影響が非常に多いと思います。從つてそういつた場合には、これはただ單に社会党内の処置の問題ではなく、一つの行政官廳の組織上の問題として、考えねばならぬと思うのであります。そういう点を総理大臣には十分お含みおき願つておきたいと思います。
○大澤委員 本員はただいま上程されておりまする法案について、総理大臣並びに大藏大臣、野溝國務大臣に質問をいたしたいと思うのであります。とりあえず総理大臣にお伺いをいたします。先ほど総理大臣は本法案に関する質問に対して、撤回しないというようなお話がありましたが、私は本法案はポツダム宣言にうたわれておるところの日本民主化、すなわち中央集権を排して地方分権を確立するという大きな目的に適うものであるかどうかということと、なおこの目的のもとにはたして立案してあるものであるかどうかということを、総理大臣にお伺いしたいと思います。
○芦田國務大臣 御承知の通りポツダム宣言に即應する意味において、新憲法には地方自治の規定が設けられております。旧來わが國における有名無実の地方自治團体が、新憲法によつて初めて活を入れられたわけであります。地方分権、地方自治の実が、これからあがろうという時期に臨んでおります。今回の地方財政委員会の設立に見ても、その趣意は明白にわかるのでありまして、地方の財政に関するすべての計画は、地方財政委員会がこれを立案する。そうして地方の台所もとは、地方自治体の裁量によつて、大多数これを行うのであり、たとえば歳出の部面においても、中央政府はほとんど地方自治体に対して何らの権限をもたないほど、それほど地方自治團体の地位を尊重しておるのであります。歳入については、むろん租税收入は國会の規定によつてその大綱をきめなければならないことでありますから、政府においてこれを定めるのでありますが、しかしその運用については、ほとんどあげて地方自治團体の責任に任してある点から考えてみて、ただいま御質問になりました、今度の政府の考え方は、ポツダム宣言に規定した趣意に副うかどうかということでありますが、政府としては完全にこれに副うものであると考えております。
○大澤委員 先般野溝國務大臣の本法案提案理由の説明要旨の中には、第一に地方自治権確立の方針に則り、地方財政自主化の徹底化をはかること、第二に現在の経済情勢に即應する地方税財政制度を確立すること、この二つを目標として地方税財政制度全般にわたる改革案を立案した。かように述べておられるのでありますが、はたしてこれが眞相であるかどうか。しかしながら先ほども質問の中にありましたが、先般地方財政委員会を構成するところの委員の中の、全國の知事代表の安井知事、並びに市長代表の神戸市長、町村長代表の生田町長等の三委員は辞任をいたしました。その辞任の理由は、昨日の本委員会において説明のごとく、いずれも地方財政法案並びに地方税法改正案について、眞向から反対して、なお本法案の決定によつては、とうてい地方自治の自主制確立は不可能なり、さように主張いたしておりますが、その理由をもつて辞任になつたというのであります。このことは提案理由の説明とまつたく相反するものと思うのであります。かくまでの反対を押し切つて提案せねばならぬ理由が、どこに存するかということを伺いたいと思うのであります。
○野溝國務大臣 大沢委員にお答えいたします。提案理由には大沢委員のお示しになつた通り説明いたしました。第一点の地方の自主化という点におきましては、今回地方財政法並びに税法の中でごらんの通り、大幅に許可の権限を中央から委讓することにいたしました。この点は自主化の一つでございます。第二点は経済事情に即應してということでございますが、経済事情に即應して特に中央から入場税を委讓し、その他教育、自治警察の制度も満足ではないけれども、地方へ分與の形において相当織りこんである次第でございます。特に提案の趣旨にも明記してありまする通り、十分でないということは二箇所にわたつて私は述べてあります。十分でないことについては御指摘の通りでございます。しかし自主化並びに経済情勢に即應してという点、が、抜けておるということも言い得ないと思います。
○松野委員 先ほど芦田総理の松浦君への答弁では、大体表面的に軽い御答弁をいただきましたが、もう少しわからない点がありますから、二、三要点だけ御答弁を願いたい。まず第一に行政整理の問題でありますが、御答弁によりますと、地方の出先機関は吉田内閣の当時にできた、しかしあの当時あの情勢において、殊に地方自治体というものが確立しない、地方公選知事がまだ確立しないという過渡期においては当時しかたがなかつたものだと私たちは了承するのでありますが、その後地方自治体が確立した後において、なおかつ廃止しなかつたという点においては、時日がなかつたという点においてはあまりに長過ぎる、一年間もある。殊に芦田総理は前片山内閣のときも副総理格ではいつておつたし、今度は内閣を組織されたのであるから、あなたが時間がなかつたということは言えないと思う。過渡期において吉田内閣が出先機関をつくつたという責任を現在までも負わされるということは、政治家としてどうかと私は感ずるのであります。そうして地方出先機関を新たに設置するときには、國会の承認を得るということは書いてありますが、減らすことにおいてはあながち制限をしてない。すなわち一年間に当然でき得るものをやらなかつたという点を私は感ずるのである。また昨日御発表の、あれだけのものしか減じられなかつたという理由は、あれ以外のものを必要とお考えになるのか、あるいは現在自分のれが及ばず、あれ以上今度は発表できなかつたのか、この二つをお聽きしたい。 なお先ほど地方財政委員会が現在機能を停止しておる、三人の重要な委員が抜けておる、市長も知事も、町村連合会もすべてその責任において辞職している。いまだに補充を送らない、すなわちすべてこの財政案に対しては、あなたに不信を懐いているという大きな問題を無視して、委員の補充も行わず、審議も行わず、この地方財政法をお出しになつたということは、とりもなおさず地方財政委員会というものを官規上は存置するけれども、運用は認めない。とにかく一番大事な予算をきめるときに、地方税、財政制度改革という大事なときに、委員を無視しておやりになるという点においては、せつかくできた委員会も、大事なときに空文に終つてしまうという欠点があるのであります。、 なおお言葉の中に、地方財政委員会の案は、國家財政とにらみ合わせて、均衡を保つ上において不適当だから認めなかつたと言われますならば、地方財政委員会において審議した、あるいは草案として出した財政法のうちの、どこがあなたは不均衡だとお考えになるのか、ひとつ明示していただきたい、この二点につき御答弁を願いたいと思います。
○芦田國務大臣 出先機関の問題につきましては、先ほど松浦君に答えたところで、大体政府の方針は盡きているのであります。それ以上附け加えてお答えすることはないと思います。 それから政府において財政の均衡を維持するために必要と認めたものは、地方財政委員会の案をそのまま採用し、それから採用しなかつたのは、政府の見解としては、國家の経済及び財政の現状からして不適当だと考えたためであります。
○松野委員 不適当だと考えられた税目をひとつ指摘していただきたいのであります。 なお行政整理の問題は盡きているとおつしやるけれども、私たちは昨年の十月から審議しておるのでありますが、委員長が先ほどおつしやつたように、すでに草案も、政府に出してからすでに六箇月を経ておるにもかかわらず、それだけのものができていないという点をもう一度言うのでありまして、吉田内閣のときにできたのだというお言葉に対して、私ははなはだ不満を感ずるのであります。この点に関し答弁を願いたい。
○芦田國務大臣 私が申し上げたのは、出先官憲ができたのは吉田内閣当時からであるのだということを申したので、吉田内閣の責任という言葉は一つも使つておりません。何か私の答弁を誤解されたのだと思います。当時のことを私はなお記憶しておりますが、私は当時自由党におつて、中島守利君が当時の内務大臣植原君に向つて、まさに新憲法の精神に基いて地方自治権が強化せられんとするときに、何ゆえに出先官憲のごときものをつくるのかという質問を衆議院の本会議でしております。そのときに植原國務大臣は、出先官憲はもうつくらないという答弁をしておられる。速記録を出してごらんになればわかります。その後、なお続々できたのは、すき好んで吉田内閣がつくつたという意味ではないのであります。当時の客観的情勢から見て、やむを得ずつくつたのであります。そのことは、私が松浦君にお答えしたときに、ちやんと申し上げておる。政府自身の創意でつくつたというのは割合に少くて、客観的情勢のもとにやむを得ずつくつた。私はその当時の事情を心得ておる。何も吉田内閣のときにすき好んでつくられたとは考えておりません。その事情を申し上げて、今日といえどもこの客観情勢はさほど苦しく変つていないので、政府においては極力打合わせをして、意思の合致したものは次第にはずしていく、今後といえども、その努力は続けていく、こういうことを私は答えた。松浦君にはそういうお答えをしたのであります。 それから第二の御質問に対しては、地方財政委員会の出された答申と、政府の原案と比べてごらんになればすぐわかります。地方財政委員会の案をそのまま採用したのは、適当と認めたからであります。採用しなかつたのは適当と認めなかつたからで、比較して書類をごらんくださいますればわかります。
○千賀委員 私はまず第一に総理大臣にお尋ねいたします。内閣もわが憲法の規定するところに從つてつくられ、すべての法律もこれをもととしてできておるということをわれわれは知るのであります。およそ総理大臣もこの点には否定をせられる箇所はないと思います。ところで地方制度に最も関係の多い六・三制の財政経理関係でございますが、六・三制を地方が引受けさせられまして、運営をいたしていきますると、どうしても経費が足りないのであります。そこで地方政廳では、いたし方がないから、民衆から寄附をもらいまして、これは強要の形になるか、どういう形になるかしりませんが、おそらく寄附をする人は、だれも喜んでは寄附しないでありましようけれども、子供を学校に預けたり、あるいはその土地の有力者である人々が、どうしてもいけないんだからというわけで、寄附を勧奬せられれば、いたし方なく寄附をいたして、そこでその寄附が積り積つて数百億になりまして、これが補填を寄附において充足されたような形で來たのでございます。しかしながら政府もその不合理を察知せられましたか、六・三制について寄附を強要勧奬しては相ならぬという政令が出ましたので、地方ではそれでは困るから全部六・三制の経費は國庫支弁にしてもらいたいという要求をしておるのでありまするが、政府の方では一時起債を認めようということで、今日あなた方の方では解決がついたかのごとく感じておられるのかもしれませんが、その起伏は世上傳うるところによりましても、あるいは教育関係の專門家たちが計算するところによりましても、政府が許されようとする起債額の半額にも達しない、百億を出ることがあまり多くないくらいしか、おそらく消化ができまいだろうという観測をいたしておるのであります。起債を相ならぬというわけではありませんが、これを起債でやれという指示を與えるのは、あなたの機関の一部分である大藏省であり、また六・三制を所定のごとくにやつていかなければならないといつて、地方に指示をいたしますのも、またあなたの機関である文部省であります。またあなた自身は憲法に從つていかなければならない。憲法に從えば、普通教育を授けるために國民は一切負担をしないのだという原則がきめられてありまするのに、現在の立場で負担をしないならば、今申しましたように進んでいかない。そこでいろんな形になつて、学校から子供を出しておる家庭は、相当に負担しきれないような額が、あれこれと負担になつてくるのでございます。これはいずれあなた方もその点は子供さんがおありになるだろうから、よくおわかりになつておるだろうと思います。どちらをとりましても、これは不合理なところが現在のままでいけばあることを否定しがたいのでございます。総理大臣は國家の最高の調節機関、ハイエスト・ガバーナーという立場におかれまして、國民に憲法の明示する権利を保有せしめるか、また地方財政の運用を健全ならしめるか。教育の実際的立場から六・三制を完全に運行せしめるか、どれかこれか完全にいかない現状にあるのでございます。いたし方がないと言えばそれまででありましようが、その難事を切り抜けて、これを解決するのがハイエスト・ガバーナーたるの務めだと思うのでありますが、この点に関しまして、私は何らかのくふうが足りないのではないか、信念が足りないのではないか。私はこの点をさらに掘下げまして、総理大臣はどちらを重くこれからやつておいでになるのか、はつきり伺つておきたいのであります。われわれが控室にまいりましても、宿舎に帰りましても、山なす陳情書が各地方から出てきております。これは同じくあなた方の手もとにもいつておると思いますけれども、この私が指摘しまする三点が、うまくいかないというところから、これが地方の市町村長の不平となり、陳情となり、政治運動となつてわれわれに表現されておると思います。この点についての御答弁を願いたいと思います。 それからこれは大藏大臣に対する質問でありますが、地方財政にはなはだ同情と理解が薄いという点で、これは私の議席の隣りにおります小暮藤三郎君が事実休職しておることであるから、ぜひとも大藏大臣に質問をしておいてくれということで、今日はやむを得ない用事で早退きをせられたのでありますが、小暮君は自分の子供が生れたときに、ある一定の面積と一定の家屋敷の財産をわけて、まつたくそこからあがります利益の全部を特別に金庫を設けて、そこで貯蓄をしておるそうでございます。しかしながら今年のこの法案に現われた比率をかけてみますと、家賃は二倍半にするということを言うし、地代はそのまますえおく。一方課税の方は家屋税の百分の四十二に対して百分の二百を認める。地租は百分の四十二を、やはり百分の二百四十を認めるというようなことになつてきたので、これを計算してまいりますと、まつたく今までの蓄積がゼロになるどころではない、足らないという事実があるのであります。この一つの例は、おそらくこれは都市における家作持ち、地主の全部の会計であると思いますが、かくのごとき深刻なる影響を地方に與えまして、これで健全財政ということが言えるであろうか。この点に関しまして大藏大臣はどうお考えになつているか。まずこの二点をお伺いいたします。
○北村國務大臣 政府が地方財政に対して冷淡ではないかというお話でありましたが、私どもさようには考えておりません。地方財政、中央財政を通じて負担の公正を保つということが、國家財政の上に非常に大切なことであると思うのでありまして、これは今さら申し上げるまでもないことであります。ただ地方の財政力をもつて、地方の財政をどこまで調節することができるかということが現在おかれている現実の問題になると思います。それで、今は御承知のように未だ経済の安定しない状態のときでございまして、かようなときに、地方においても中央においても、年間を通じて予算を立てるということ自体か非常に困難であります。また地方においては特に新しい制度として、たとえば消防の問題であるとか、自治警察の問題であるとか、ただいまお話が出ておりましたが、六・三制の問題であるとか、相当資金を要する大きな事業がたくさんあります。その上に、地方によつては臨時的なというか、いろいろ災害等もありまして、地方の財政が非常に困難な状態にあるということは私ども十分心得ております。それで地方と中央との財政的な調節ということが、この際うまくいかなければ、健全財政は保持できませんので、その原則はあくまで守りながら、今日までやつてきたつもりであります。從いまして地方財政を中央の可能な範囲においてどこまでお手傳いするか。そうしてやがて地方が完全に、ほんとうに自主性を回復して、また彈力ある良主的な財源というものを確保せられて、地方においてほんとうに自治体としての成果をあげるような方向にもつていかなければならぬということについても、これは私ども決してこれに反対どころではない、さようなことを促進いたしたいと考えて今日までまいつているのであります。まずもつてこの入場税の地方移讓も、これは予算編成等のことで間に合わないので、今度は間もなくこれを訂正するような方向の案を出しまして、中央の税として一應吸收することになつておりますけれども、近く法律案を出して御審議願うというふうなこともいたしております。また金融の問題についても、それぞれの場合に具体的に私どもは相当な御助力を申し上げて、金融の途の解決もやつておる。それからなお地方位の消化の問題についても、最近金融機関と御相談をいたしまして、貯蓄目標額の五%は優先的に地方財政のために使わしてもらうということも了解を得ておるのでありまして、さような点についても及ぶ限りの努力をいたしております。これはお話のごとく中央だけが健全財政であるといつてみても、地方でそれがうまくいかなければ問題にならぬのでありますから、その点は仰せになるまでもなく中央地方を通じて健全性を保持するということに十分努力をしておるつもりでありますから、さよう御了承願いたいと思います。それからただいまこまかい例のことについてお話がございましたが、これはうかつでありますがその資料をもつておりませんから、後に事務当局から資料をもつてお答えいたします。
○松野委員 先ほどもう一つ総理大臣は御答弁をお忘れになつたから重ねて申し上げます、それは地方財政委員会の現在三人の欠員をどうお考えになつておるか。地方財政委員会の審議を経ずに、かくのごとき尨大なる財政の変革をなさるのかという点であります。先ほどあなたは手もとに資料がいつておるからそれで比較檢討しろと言われましたが、私は何度見てもどうも地方財政委員会の案が、財政の不均衡を破るようなものとは考えられない。殊に総理大臣はこの直接の責任者で十分審議された一人であるから、私は重ねて伺うのであります。資料は一昨日頂戴したのですが、あなた方は少くとも半年あるいは一箇月くらい前から審議されておるのでありますから、どの点が不均衡であるかということを御答弁願いたい。君、それを見ろというのは、提案者としてあまりそつけなさ過ぎると思います。もう一度私は重ねてお伺いいたします。
○芦田國務大臣 初め、地方財政委員会の中に三人の委員が辞意を漏らしたということは、まことに政府としては残念なことと思うのであります、目下野溝國務大臣とその三人の人々との間にいろいろ話合いをいたしております。近く何らかの解決をつけることと信じております。それからさきに提案しました案が、地方財政委員会の計画とどう違つておるかという点につきましては、所管の野溝國務大臣より詳細に答弁いたします。
○松野委員 野溝國務大臣は先日説明されましたが、その中において自分は地方財政委員長であるとともに國務大臣であるから、どうしても最後は総理の裁決を得なければならないと言われましたが、それだから私は一番最終の責任者である総理の御意向を伺うのであつて、野溝國務大臣も表と裏の二つの役であつて、なかなか苦しいところもあるらしい。野溝國務大臣ではどうも最後のかゆいところにまで手がまわらない。御本人の心中をお察しするとなかなかいろいろなことがあるように感じられますが、最後の御判断をなさつたあなたにお伺いするのであつて、野溝國務大臣のことは重々承知しております。
○芦田國務大臣 この問題につきましては、先般野溝國務大臣のお答えしたのが、私と全然同意見であります。さよう御承知願います。
○松野委員 ところがはなはだ不都合なことには、野溝國務大臣の御答弁は、最後は総理大臣であるというだけで、御答弁がなかつた。だから私はお聽きするのである。殊に野溝國務大臣は、懇談会の席上においては財政委員会の案を相当強く説明された一員である。それが急に変つてしまつたところに野溝國務大臣の苦しいところがあるのである。そこを私はお聽きするのであります。私は野溝國務大臣は長年知つておりますから心中はお察しします。最後の判決をされたところのあなたにお聽きするのであります。野溝國務大臣の御答弁は要しませんから、最後の判決をしたあなたの腹をお聽かせ願いたい。少くともこのような重要な案を出されるについては半月や一月の審議はされたことと思います。殊に大事な二千億という國家財政を審議する場合に一日か二日で審議をして盲判は押さないと思う。
○野溝國務大臣 ちよつと一点だけ誤解のないようにしてもらいたい。よく速記を見てもらいたいのですが、私は総理から抑えられたというようなことは一言半句も言つておりませんから、この点だけは了承を願います。
○千賀委員 総理大臣の私に対する御答弁をまだいただいておりません。
○芦田國務大臣 六・三制の問題については、さいわい文部大臣が來ておられますから、文部大臣から詳細にお答え願うことにいたします。 それから松野君の御質問は、先ほど松浦君に対して答えた通りでありまして、それを二度繰返してお答えすることは、時間の関係上お断りいたします。
○松野委員 先ほど松浦君に対する御答弁は、私はいくら頭が惡くても、わずか十分前の御答弁は速記を見なくてもわかります。松浦君に対する御答弁では、財政の均衡を保つために、どうしても地方財政委員会の案を容れられなかつたということを言われたのです。私は速記を見なくてもそれくらいのことは覚えております。容れられなかつたとおつしやる、不均衡だとおつしやるが、どの点が不均衡であるか聽きたい。野溝國務大臣の御答弁は要しません。どこが不均衡だ、酒、タバコの税が不均衡だという一点でいいからお答え願いたい。
○芦田國務大臣 ただいまの御質問について、一点でいいとおつしやつた。それでは申し上げます。たとえば專賣のタバコとか酒とかいうものに対して比率的な地方税をかけるという問題は、すでに今日間接税の負担が國民に対して非常に重い上、さらに何百億に上る消費税をかけることは、國民の担税力その他に考えて、政府としてはこれ以上地方税をとることは不適当であると考えてこれを承認しなかつたのであります。
○松澤(兼)委員 総理大臣がいらつしやる間に申し上げたいのです。先ほど松野君に対する御答弁の中だつたと思いますが、地方財政委員会の答申云々という言葉があつたのですが、地方財政委員会がやるということについては、國の公益と地方公共團体の自主性を調和するために計画立案する云々という言葉があつたように考えるのであります。この委員会は普通の諮問機関ではありませんので、これまで使われておりました答申という言葉は不適当ではないかと考えるのであります。おそらく総理大臣は諮問機関であるというふうにこの委員会を了解せられてはいないだろうと思うのでありまして、そういう点から答申という言葉は不適当ではないかと存ずるのでありまして、この点は御訂正なさつた方がよろしくないかと思います。
○芦田國務大臣 訂正いたします。
○千賀委員 総理大臣に伺いますが、私は文部大臣のお話だけを伺いたいのではない、文部大臣のやれということと、大藏大臣がやれということと両方やつておれば、國民はどちらか欠けなければならないことになつてくる。それをあなたは総理大臣としてどういうふうに調整をしておいでになりますか。またあなたは國民に、憲法の章條の普通教育に対して負担を負わぬでもいい、この三つをどういうふうにしてガバーナーとしての任務をお果しになるのか、そこを伺いたいのであります。われわれ國民の進むところをお示しくだされば、どちらを軽くしていいかということはおのずから國民にわかつてくる。
○芦田國務大臣 ただいま憲法のことをお話になりましたから、第一点の憲法のことをお答えします。憲法の第二十六條の二項のことをおつしやつた。「すべて國民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とする。」という意味は学校をも政府がただで建てるということを言つておるのではない。義務教育を無償とするというのは、原則として授業料はとらないというのであつて、義務教育を無償とするというのは、旧憲法時代からも日本政府が採用し來つた習慣でありますが、その当時といえども地方自治團体の行う國民教育は、地方自治團体の経費によつて賄うことが原則になつておつた。しかし今回六・三制という新たなる制度を設けて、地方の負担も非常に多いから、その建築費については中央の國庫から建築に補助を與えるということに直したのであります。憲法の問題はそれでおわかりになつただろうと思います。
○千賀委員 だからいろいろな形の負担を國民にかけていつてはいかぬのでしよう。大藏省、文部省の言う通りにやれば、地方は寄附をせざるを得ぬことになります。そこです。
○芦田國務大臣 近來地方において、たとえば警察署の建築とか、あるいはその他の官公廳の宿舎の建築とか、いろいろな名義において地方に寄附金をとつた例がたくさんある。地方の方々の迷惑は政府はよく知つております。それになおある市町村においては、町村財政の赤字を寄附金によつてとつておる所もあります。その上にさらに六・三制の建築費を多額に地方から寄附に仰ぐということであつては、おそらく地方の人々はその負担にたえないだろうという氣持から、できるだけ寄附金を抑えるという政府の方針でありまして、これはむしろ地方の方々が喜ばれると思つてやつておることです。
○千賀委員 もちろん喜びます。喜ぶから現在の公債政策も結構ですが、その公債政策で借りろというだけでは、とても借りられないという現状にある。そうするとそのしわをどこに寄せていくのか、そこの総理大臣の信念を伺いたいのであります。
○芦田國務大臣 その点は御承知の通り六・三制の予算をきめたときに、資材と國庫の負担する金の問題と二つにらみ合わせて考えております。大体全國にどれくらいの建築資材があるかということは一應の調査ができております。だから予算だけを組んでも、資材がなくては学校は建たないから、六・三制の建築にある程度のわくをはめる。その次には國庫から補助しようと思つても國家財政の現状ではこの程度しか無理だという点から、一つわくをはめる。しかしなおかつ資材があつても建築費が足りないというところに、ある程度國家が骨を折つて必要な起債を認める、こういうのですから、國家としてはすでに続々起債の申請が來ております。それを許しておる。
○千賀委員 それが借りられない、思うように。
○門司委員 総理大臣殊に大藏大臣の出席を要求しておつたのでありますが、大藏大臣がおいでになりませんので、委員長に要求いたしておきますが、大藏大臣と総理大臣のおいでになりまするまで、本議案に対する質問を保留いたしておきます。その後でなければこの三案に対する質問は申し上げませんから、そういうふうにひとつ御承知おき願いたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 明日はぜひ出席するように要求いたします。
○門司委員 それから文部大臣にお伺いするのですが、これはせんだつて政務次官にお願いをしたのでありますが、問題がはつきりしなかつたために、要領を得なかつたのでありますが、あらためて出されております教員の俸給の支拂に関する……(「今日はこれでやめよう」と呼ぶ者あり)それではこのへんで質問を打切ります。明日にいたします。
○坂東委員長 いかがですか、文部大臣が出席しておりますから……。
○佐藤(通)委員 文部大臣に質疑を行いたいと思います。現在六・三制の問題で地方が非常に困つておることは文部大臣も十分御承知のことと思つております。今芦田総理大臣からもお話がありましたが、六・三制による学校その他施設の完備のために、相当の金が要るということ、但しこれは地方によりますと、憲法二十六條を引用して、憲法違反だというような問題が相当に起つているのであります。それに対してわれわれも同調的な考えをもつていたのでありましたが、今総理大臣のお話では、單に授業料を取らないという意味だというお話のようであります。それはそれでよろしい。政府の方ではさきに六・三制の施設に対しては民間から絶対に寄附をもらつてはいけないというような、政令であるか訓令であるかをお出しになつたということを聞いております。もしそうだとするならば、今まで寄附を取立てているところの町村に対してはいかなる処置をおとりになるのか、私どもの方の町村でも相当に多くの寄附が集められておるのでありますが、この点に対して主管大臣の御意見を承りたいと思います。
○森戸國務大臣 ただいまの御質問の第一点は憲法の問題でございますが、地方の負担でやることは必すしも憲法違反になるとは考えておりません。第二の問題の寄附の点でございますが、政府といたしましては、殊に文部当局といたしましては、学校に関する寄附を坂つてはならぬという政令その他を出したことはないのであります。ただ地方の事情もありますので、國家並びに地方の費用でできない点もあるので、これらの点については地方の父兄方の協力ということもあながち拒否すべきものではないと思うが、しかし寄附については強制的な形をとつておるとこもあり、また寄附に関連しては、いろいろな弊害もありますので、こういうものはできるだけ避けなければならぬ。こういうようなことを傳えたことはあるのでありますが、絶対にいけないと禁止した政令を出したことはないのであります。從つてそれに関する違反ということもないはずであります。
○佐藤(通)委員 大体了承いたしましたが、今大臣のお話の中に、六・三制の実施に対して、強制的に寄附をもらつてはいけない。こういうような政府の方針である、こういうように私は承知したのでありましたが、地方においてはほとんど強制的であります。私どもの府縣におきましては、全般的の問題ではないかもしれませんが、私の関知しております町村では、住民税と同等もしくは同等以上の額の割当が行わ、れておるのであります。こういう点に対して政府の方としてはいかにお考えになるか、その点御所見を承つておきたい。
○森戸國務大臣 これはただいまお答えいたしましたように、政府、殊に文政当局といたしましては、こういう強制的な形の御寄附をされることは望ましくないということをお答えいたしておきます。
○千賀委員 過去に出ましたものは訓令ですか政令ですか、どういう形で通達になつておりますか、それを伺いたい。
○森戸國務大臣 日ははつきり申し上げることはできませんが、日がお必要ならばあとで調べた上で申し上げます。これは一般の通牒で地方に通知してあります。
○佐藤(通)委員 令の通牒に違反して強制的に寄附を取立てておる町村に対しては、どういう処置をおとりになるつもりでありますか。
○森戸國務大臣 これは地方の自治の範囲内でありまして、どういうようにその通牒に應ずるかどうかということは、その地方の問題であると思うのであります。しかもこれは強制的のものではないのであります。この通牒は、法律ではなくて、こういうことが望ましいという基準を示したものであります。ですからこれはただちに政令違反であるから、これを処罰するとか、これに対して一定の処置をとるというような形のものではないのであります。ただしかし、学校建築に対してそういう形をとることは、これはおそらく学校建築だけでありませんけれども、望ましいことではないということを明らかにしたわけであります。
○坂東委員長 それでは本日はこれをもつて散会いたします。明日は総理大臣、大藏大臣の出席を必ず要求いたします。明日は午後一時から開会いたします。 午後四時三分散会