治安及び地方制度委員会 第42号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/06/23
会議録
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。 本日の日程は地方財政法案ほか六件でありまするが、議題を決定の前にちよいと報告事項がございます。それは地方財政法案等を審議する場合に、さきに地方財政委員会の委員であつた三名を参考人として出席を願つて、その意見を聽くつもりでありますが、三人同時に出席ということは困難と思いますから、さしあたり町村側代表の委員でありました生田和平君を参考人として呼ぶことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさよう決定いたします。 なお報告がございます。それはかねて本委員会において決定した消防組織法案でありますが、これについて参議院から修正して送つてきております。その修正をどうするかということについて本日議院運営委員会できめますので、本委員会の意見を徴されましたがまだ理事諸君も少かつたから、私から申し上げました。その点を御承認願います。参議院の修正案と申しますのは、第十五條の二として「消防團の設置、区域及び組織は、地方的要求に應じて、市町村長がこれを定める。消防本部を置く市町村においては、消防團は、消防長又は消防署長の所轄の下に行動し、消防長または消防署長の命令があるときは、その区域外においても業務に從事することができる。消防團員の定員、任免、給與、服務その他の事項は、市町村條例で、その訓練、礼式及び服制に関する事項は、国事家消防廳の定める準則に則り、市町村規則でこれを定める。」その間においての疑問は「地方的要求に應じて」というところであります。これは地方的要求がなければ置く必要がないということになりますので、だんだん調べてまいりますと、それは消防團令、政令の規定があるのであります。すなわち昭和二十三年三月二十四日消防團に関する政令第五十九号第二條に「市町村は、その消防の責任を十分に果すために必要があるときは、消防團を設置することができる。」とありますから、参議院の修正案のこの地方的要求ということは適当であるということから、大体委員長としては差支えないという意見を申し述べておいたのでありますが、御承認を願いたいと思います。午前中にきめるということであつたものですから……。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさよう御承認願つたものと認めます。 野溝國務大臣に対して御質疑がありましたならば、この際お願いいたします。
○門司委員 これは質疑というよりは、むしろ修正の意見に近いのでありますが、ちよつとあらかじめお尋ねを申し上げておきたいと思いますことは、地方財政法の中に、國と地方の公共團体との相互の間で、利害関係ある事務については、経費を國と地方公共團体とが分担するという一項目がございますが、そのうちの、「前項の経費は、左に掲げるようなものとする。」という中に、大分羅列はしてありますが、戸籍事務に関する経費のことが善いてないのであります。戸籍事務は從來から國の事務と、さらに市町村の方の事務であつたが、むしろ國の事務であつたという方が私は適当だと考えておりますが、とにかくそういう事情にありましたときに、改められた戸籍法によりまして、戸籍事務は單なる入籍あるいは除籍というようなものでなくして、非常に事務的に煩瑣を來しておりまするので、これは当然この十條の中に戸籍事務に関する経費もやはり國と地方公共團体が、両方で負担するという條項を一項加えることが妥当だとこの際考えまするが、当局の御意見をちよつとお伺いしておきたいと思います。
○荻田政府委員 戸籍事務につきましては、この法案立案のときにも相当考えたのでございますが、從來の観念でいきますと、いわゆる國税事務という観念も強いのでございますけれども、その町村なり地方なりの住民の籍に関する問題であるから、これはやはり元來地方團体の仕事であろう。たとえて言えば、いかに戸籍法というものができまして、國でもつて一定の基準なり、資格なり、義務なりがきまつておりましても、元來はやはり地方の事務であろうと考えたので、書かないでおいたわけでございます。特に九條の方にも入れず、十條の方にも入れずにおいたわけであります。しかし実際問題といたしまして、戸籍法が改正になりまして、事務が非常に殖えておるということはわれわれよく承知しておりまするので、大体今回の税制改制のときの財源の中に、四億四千八百万円というものを戸籍事務に要する経費の増とみまして、織込んでおるのであります。
○門司委員 あまり討論にわたるようでありますが、大体今の御答弁の内容は私も承知しておつたのでありますが、しかしこの事務は單に戸籍法が改正された初年度において、そういう経費が要るであろうからというので、今回の税制の中に実質上入れたようになつておりますが、しかしこの法律が制定されて、事務というものはやはり今年一年限りでそれが終るものではありませんので、こういう当然國政事務である、あるいは地方事務であるというようなことで、両方にまたがつておるような事項に対しましては、非常に地方財源も逼迫いたしておりますし、さらに地方財政が將來明るくなる見透しもなかなかつきませんので、私どもはこの際これを十條の中に挿入することが正しいという見解を一應持ちたいと思いますが、なお重ねてその点についての御答弁をお願いしたいと思います。
○荻田政府委員 初年度におきまして四億四千八百万円殖やしましたことは、本年度だけではございませんで、地方財源としてもらつてございますから、將來ずつとこの財源は続くわけでございます。殊に地方税收入としてもらつたのでありますから、今後のいわゆる経費の増加に対應するところの、自然増收もこれに期待できますから、その点では差支えないと思います。ただこれを理論的に考えまして、國政事務の委任と見まして、十條の方に入れることになりますと、正式の負担金制度をつくりまして、二分の一なり、あるいは三分の一なり、三分の二なり、國が負担するということになるわけでございますので、その方の予算措置が伴わない限り、十條の規定だけ改正しても意味はないということになりますので、さしあたりはこれでやつていくよりしかたがないと考えます。
○菊池(重)委員 ただいま厖大な資料をもらつたので、まだ一まわり目を通しておりませんから、こまかい点については留保いたしますが、ちよつと見ましても、地方の税金は非常にかさんでおるのであります。このかさんだ理由は、六・三制であるとか、地方警察、その他いろいろあるでありましようが、最近こういうふうにたくさんの税金が地方にかけられると、地方の自治体は破産する以外にないと思うのでありますか、これに対して、野溝國務大臣にお伺いしたいのですが、こういうふうに地方へかかつてくる、またかけなければならない、この税金のかかる原因である、六・三制の費用、あるいは地方警察の費用というようなものを全部國庫で負担すべきものであると思うのですが、これに対してどういうふうにお考えであるか伺いたい。
○野溝國務大臣 菊地委員のお説の通り、まつたく地方の財政が非常に枯渇しておることは御指摘の通りでございます。この上に前年度の倍額程度の予算が編成されたわけでございまして、いやが上にも負担の加重を余儀なくしておる事情でございますが、政府といたしましては地方の財政を何とか確保し、かつ彈力あるような施策をいろいろ講じたのでございますが、御指摘になりましたように、新たなる制度といたしまして、六・三制の新教育制度並びに災害復旧及び公共事業、あるいは警察、消防というような諸事業が地方負担をしなければならぬ点が多くなつたのでございます。かてて加えてインフレの波濤によりまして、人件費の増高となつて、ますますこの間地方財政はふくらむばかりになつてきたのでございまして、この点まことに遺憾に思つておるのでございます。御承知のように大体六・三制の教育事業にいたしましても、あるいは警察事業にいたしましても、公共、災害等の事業にいたしましても、大体は國家的性格をもつておるものでございまして、かような國家的な性格をもつておる事業が、地方に負担をさせるということは論理上どうかというふうな点については、いろいろと檢討もされておるのでございますが、現制度のもとにおきましては、從來踏襲してきたところの負担割と言いましようか、補助制度の範囲においてやることになつたのでございます。そこで御指摘になりましたように、実は事業に対する地方五割負担ということになつておるのでございますが、この地方五割負担も予算を計画したそのときに、すぐ分與なりあるいは公共事業費補助なりが地方へ來るならば、よほど予算通りにいくのでございますが、その分與金なりあるいは公共事業費なりも、年度末ないしは年度明けというときに來ることになつておりますし、いやが上にも予算編成の見積り当時とは違いまして、負担の度合いが非常に深まつてくるという事情にあるのでございます。かような点は中央、地方の財政調整を最も有機的に、かつ即決できるようにしなければならぬと思つておるのでございますが、現制度のもとにおいては遺憾ながらそれができません。よつて今回提案しましたところの地方財政法あるいは税法、配付税法、この三法案が御審議の上御決定になつた暁におきましては、中央、地方の負担金というものが非常に明瞭になりますので、今日までの中央、地方の不明別な点は相当解決されていくのではないかと思つております。
○菊池(重)委員 今全國の町村長から六・三制の費用に対する全額國庫負担の要求が出ておるのでありますが、これに対して政府といたしましては全顧國庫負担に対する意思ありや否やお聽きいたしておきてます。
○野溝國務大臣 理想としては賛成でありますが、現下の制度並びに財政事情からみまして、即時それを断行するということはできない事情にあることを御了承願いたい。
○菊池(重)委員 次にお伺いしておきたいのは、入場税、つまり劇場や何かの入場税を地方へ委讓するということになつておりますが、大都会はこれが委讓されれば相当收入があるかもしれませんけれども、農山村のような特に財源が少い自治体におきましては、何らの恩惠をこうむることはできないのであります。これに対してどういう見解をもつておるか、お伺いをいたします。
○野溝國務大臣 一應ごもつともなる御意見でございますが、この入場税につきましては、御指摘のあつた通りでございます。大体施設所在地がおもにこの税金の收得場所と言いましようか、收税場所になつておるのでございますが、これは御指摘になりましたようないろいろの意見もありますので、十分勘案をいたしまして——一應この税の処置内容につきましては百分の百五十ということになつておるのでありますが、縣が五十、地方が百、三分の一が縣で三分の二がその所在地町村ということになつております。そこでお話になりましたように、それでは関係のない町村はばかをみるじやないか、從來は國として徴税をしておつて分與の形であらゆる設備のないところでも全部各町村に分與されたのが、來なくなるじやないかという御意見のように拜聽いたしたのでございますが、その点につきましてはお手もとに提案いたしました今回の配付税制度の内容に十分檢討を加えまして、かような不公平がないように措置するようにいたした次第でございます。
○松浦(榮)委員 昨日もお話がありましたように、今回御提案になりました地方財政、その他税制に関する案件は、地方財政委員会を通過してきていないようにみえるのでありまして、すなわち地方財政委員は独自の案を出して辞職をしてしまつたというような形になつておるのであります。そういつた事情のもとにできたこの法案というものは、私は相当に無理があると思います。その無理のかかつた法案を國会において審議するということは國民に対して、はなはだ申訳がないと思うのであります。そういう意味におきまして私はこの法安は一應撤回されて、新たに財政委員を任命され、合法的にその委員会の審議をはかり、円満に内閣の態度をきめられて、それにより出てきた法案を審議するということが妥当であると思うのであります。それで私の個人的な考えから言えば、これを審議する前に一應撤回してしまえというくらいの考えをもつておるのであります。しかしせつかくここに現われておりますから、一應私はこのやめられた委員側の意見も聽き、また提案された政府側の意見も聽いて、そこで私は判断を下していきたいと思いますが、その結果としてここに御提案になつた法案に対しては、相当に無理な点もありますので、あるいはその税種目におきまして、あるいは税率におきまして、あるいは地方債の発行額におきまして、いろいろな点において、多少修正しなければならぬことがあると思います。その場合に修正に應じられるかどうかというその腹をお聽きしたいと思います。 次は酒、タバコ消費税というのは、地方側から熾烈な要求がありまして、この際ぜひとも酒、タバコ消費税は地方税の中に見込んでもらいたいということを言われておりますが、これを容れられなかつた事情について、國務大臣としての御意見を承りたいと思います。 それから地方債のことについて、今年は二百七十億からの起債があり、昨年は百二十億ぐらいの起債があり、これに対する預金部の資金というものは、わくとしても六十億ぐらいしかないというような、非常に資金が枯渇しておるにもかかわらず、何ゆえに地方債をかくのごとく大きく認められておるか、その点についてお聽きしたいと思います。 それからもう一つは、昨日のお話ではこの中央金庫法案の趣旨につきまして、大臣におかれましては、この金庫法案の内容というものは、大体所要資金の立替のため、あるいは地方團体自体における他の一般現金経理に要するところの支拂資金等の立替のために、一時的に便宜上概算拂のような程度において認めるのだ、そういうような金庫を想定しているのだというお話をしておられましたが、しかし実際この地方財政委員会から提案されておるところの中火金庫法案というものは、そうではないのであります。もつと重要な、大きな観点から來ておるのでありまして、すなわち地方團体中央金庫というものは、地方公共團体がその事業を行うために必要な資金を、全面的に供給するというような金庫法案であります。またもう一つの地方災害復旧基金法においても、地方災害復旧に必要な貸金を迅速、能率的にこれを供給するというための金庫であります。私はこの中央金庫が自治体の自主化をはかるために、非常に必要なものであると思うのであります。農業協同組合におきましては農林金庫というものをもつておる。その他の團体においても金庫制度をもつておるものがあります。自治体がもつてならないという理窟がどこにあるか。あくまでも中央集権主義でもつて、すべての実権を中央に握つて、地方には適宜自分たちのわくの範囲内でやつて行こうというような氣持が現われておると思うのであります。この地方團体の中央金庫法案に対しまして、どういう理由で反対されておるか、そこをお聽きしたいと思います。
○野溝國務大臣 松浦委員にお答えいたします。委員が辞職しておるにもかかわらず、かような法案を出すことは矛盾ではないか、委員が留任し、あるいは補充されてから本法案を審議すべきが妥当に思うというような御意見がありました。もちろん政府といたしましては、運営をする委員の方々に欠員があるということはまことに遺憾でありますし、單なる欠でなくて、相当意見をもつた欠でありますので、その点は御指摘になりました通り遺憾と存じております。しかし御承知の通り、委員会の運営は五人の委員によつてなすことになつておりますが、これは立案企画をするということでありまして、別にこの委員の決定案でなくては議会に提案することができないというわけではないのでございます。委員会の意思は尊重しなければならぬのでありますが、法律案を出すべきものは政府と議会にあるのであります。でありますから、一應政府としてこれを提案したのでありますから、さよう御了承願いたいと思います。 次に本案に対しましては修正の用意があるかどうかというような御意見でございますが、政府といたしましては、委員会におきまして十分御審議の上、もし政府の意見と一致する点がありましたならば、考慮をしなければならぬ、かように考えております。 次は酒、タバコ税を一体なぜ委譲しなかつたかという御意見のように拜聽いたしました。もちろん私も政府内部におきましては、地方財政の確立の見地から、彈力性ある税として、入場税、酒、タバコの消費税としての創設を極力主張したのでございますが、各般の事情等もありまして、遂に酒、タバコの税は地方に委譲されることができませんでした。單に私は松浦委員の御指摘になりましたように、酒、タバコの税のみを委譲するという固定した考え方ではなくて、理論上から言うならば、地方に間接税としての彈力性ある財源を欲しいというのが、地方財政を運営して行こうというものの考えではないかと思います。その一つの現れといたしまして、酒、タバコ税が取上げられたのであります。われわれは所得税を委譲してもらつてもよいと思うのでございまして、かような点で入場税、酒、タバコ税も主張したのでございますが、以上申したような事情から遂にこれを地方に委譲することもできなければ、創設することもできなかつたのであります。 次に地方債を大きく計上してあるが、一体こんなあてにならぬ地方債ではしかたがないではないか、ざつくばらんに言えばそういうような表現にも聞えました。しかし予算運営にあたりましては、ただしかたがないといつて未決にしておくわけにもまいりませんし、特に地方財政が非常に逼迫しておりますので、この財政の解決にあたりましては、特に税源として確保できない場合におきましては、何らか金融措置を講じなければならぬのでございます。その金融措置の一つとして、先ほど松浦委員の御指摘になりましたように、金融機関の問題も考えたのでございますが、この金融機関の問題につきましては各関係方面との折衝におきまして、ながなが困難な事情もあつたのでございます。よつて金融方面においてこの財政上の運営が困難とするならば、地方債によるか、あるいは分與の制度によるか、どちらかを選ばなければならぬのでございまして、はなはだ感心したことではありませんが、地方債による以外にはないという結論になつたのであります。そこで單に地方債という茫漠たる名においてこれを解決することについては、御指摘になりましたように非常に不安がありますので、この点は特に折衝をいたしまして、政府が責任をもつてこの融資の斡旋をするという條件附でこれを法定した次第でございます。大体以上の次第でございますので、さよう御了承おきを願いたいと思います。
○松浦(榮)委員 一番最初にこの地方財政委員会というものが立案企画の委員であつて、その意見は尊重しなければならぬのでありますが、これは一國の下部組織であるから、從つてその意見を取入れる必要はない。從つて委員がやめても無理しても通す、そうしても何ら差支えないのだというお話のようでありますが、なるほど法律的にみれば、そうであるかもしれません。しかしながら実際この法律を審議する上から言いまして、政治的な、社会的な影響というものを考えましたときに、この企画立案の任に当るところの委員というものは、それぞれその方面の相当の代表者であり、権威者であり、その人たちの意見は十分に重重しなければならない。しかもその人たちは一つの案を提出しておつた。その提出した案を、何らそれに対する考慮を拂わずして、辞職するに至るまでの案を無視して、そうして別な法案を出してきたことは、非常に影響が大きいのでありまして、それは非常に無理である。無理があるから、そういう事情に立至つたのである。その無理な法案をわれわれが審議することは、これは國民に対して非常に相済まぬという氣がするのであります。そういう意味におきまして私は申し上げたのでありますが、法理論と、実際論とのそこに見解の相違もありますから、私は自分の意見だけを申し上げておきます。 それからその次の、政府部内において税の種目、あるいは税率、あるいは地方債の問題についていろいろの関係があつて、思うようにいかなかつたというお話でありますが、そういう点もあろうと思います。しかしながらいろいろな面におきまして、相当無理があり、また相当に負担の上に公正を欠くということもあり、そういつたことについて相当に御主張になればその点は通らねばならないことと思いますが、その点は了承いたします。しからば大藏当局からもおいでになつているようでありますが、おそらく大藏当局でもこの問題に関連して協議になつたと思いますが、先ほど説明を要求しました地方債のごときは、非常に枯渇している。すなわち二百四十億も必要な地方起債に対して、預金部のわくはほとんど六十億くらいしかないというような小さなわくの中で、どうしてこの二百四十億を賄うのか。それは一つの手品にすぎないということを考えられますが、そういう点について大藏当局はどういうような御方針でおられますか。また最後に述べましたところの地方團体中央金庫法案についても、おそらく大藏当局もお考えになつたと思いますが、これに対してとういう御意向であるのか、御意見を双方からお聽きしたいと思います。
○河野(一)政府委員 地方債の起債の問題でありますが、地方の経常支出のほか、臨時の支出についても、一般の財源で支出できますれば非常に結構なことでありますが、國の一般会計におきましては、一文も公債を発行いたしておらぬのでありますが、特別会計におきましては、鉄道の建設、あるいは通信の建設工事その他のために相当な公債を発行いたしております。地方團体の財政におきましては、こういう企業的なものと、そうでない一般会計のようなものと一緒にまじつているのでありまして、同様な國の方のやり方からすれば、その中の企業に関する部分については、少くとも公債によつてもよいというような結論が出るのではないかと考えます。もちろん地方債として発行いたしますものは、そのほかにいろいろの災害の復旧その他の関係のいわゆる臨時的な支出のために充てられるのでありまして、今回考えております二百四十億の地方債は、從來ありましたような地方財政の赤字を補填するための地方債では全然ないのであります。しこうして二百四十億程度の地方債の融資の斡旋についてでありますが、預金部の資金のわくからいたしますと、非常に困難な点ももちろんあるのでありますが、この点につきましては、もちろん今の見込みにおきましては、先ほど來お話がありました六、七十億程度のものが、上半期において見込み得る程度では、あるのでありますが、その後における貯蓄の状況というような点からしまして、さらに相当殖え得るのではないかというような考え方をもつております。かつまた地方銀行の集めました資金につきまして、少くともその五%程度は優先的に地方債を引受けさせるというような方針を立てたいと今考えておるのでありまして、この点につきましては、まだ具体的な点まで決定いたしておりませんが、大体そのような方針で現在考えておる次第であります。それでもなお不足するかという点でありますが、この点につきましては先ほど國務大臣も言われました通り、政府の責任においてこの問題を解決する、こういうふうに考えておる次第であります。この点閣議の決定にもなつておるような次第であります。 それから地方團体金庫の問題でありますが、これは政府部内におきましても、地方團体の金融の問題については、適当なる方策を研究して、できるだけこれが円滑にいくようにしようということになりまして、地方團体金庫の設立の問題をも併せて十分檢討する、こういうことに相なつておる次第であります。但しいろいろ御議論もあるかと思うのでありますが、地方團体金庫をつくるということ自身がこの問題の解決になるのではないのでありまして、要するに金庫ができましても、地方に貸付けの資金ができるというわけにはまいらないのでありまして、資金ができるということが地方債の問題を、すなわち地方の資金の融通をしやすくするというゆえんでありまして、主眼はあくまでも資金をつくるということに置かれるべきものであると大藏当局としては考えておる次第であります。もちろんこの問題についても、十分の檢討を遂げまして、地方財政委員会の事務当局とも御相談の上、適当な成案を得たいと考えておる次第であります。
○野溝國務大臣 両当局に対する答弁を求められておりますので、地方財政側としてのお答えをいたします。ただいま大藏当局から地方債に対する態度についてお答えがありましたが、地方財政委員会は、二百四十億は政府が責任をもつてやるということで閣議決定しました。銀行の條件などは考慮に入れておりません。よつて私の就任しておる間におきましては、さような條件は今日受け入れる用意をもつておりません。あくまでも政府が責任をもつて融資の斡旋をする、この閣議決定に基いて終始したいと思つております。なお金融機関の問題については、先ほどお答えした通りでございます。関係各方面との事情もありまして、その結論を見るに至つておりません。
○松浦(榮)委員 第二の関係方面との折衝の件は了承いたします。前の大藏当局とただいまの野溝國務相とのお話によりまして、地方債の欠陷は政府の責任においてこれを行うというお言葉でありますが、私どもは実際政治の上におきまして、政府の責任というような抽象的な言葉では納得できないのであります。具体的にここにこういつた数字があるから、どこにどういう財源があるから、これで満足してくれという答弁なら満足するのでありますが、そういつた言葉では満足できません、しかし先ほどの大藏当局の話では、具体的にまだ決定しておらない、そのうちいろいろな点において考慮するというのでありますから、そのときまで質問を保留いたします。この点で終ります。
○門司委員 先ほど松浦議員からお尋ねのありました点を先にお尋ねしたいと思います。地方債の問題でありますが、二百七十億に近い大きな地方債を、一体大藏当局は消化できるとお考えになつておるかどうかということであります。斡旋をするというお話でありましたが、昨年度のわずか百十億の地方債さえもなお三十億残つておるということ、しかもその中で当然政府が責任を負うべき二十億が貸出になつていないということ、こういう状態で一体二百七十億という大きな赤字が——政府の責任においてという言葉だけは至つて簡單でありますが、実際において、はたしてやれるという見透しがついておるのかどうかということであります。この点非常に重要で、これがもし行えないということになつてまいりますと、地方財政はまつたく破綻せざるを得ないのであります。さらに私はこの機会に聽いておきたいと思いますことは、もし政府が斡旋をするという確信があり、また地方に迷惑をかけないという確信がありますれば、なおここにつつこんでお聽きしておきたいのは、預金部て一体どれだけの貸出をすることができるかということであります。預金部で全額貸出をすることができないということになれば、地方債で賄うということになつてまいります。そうするとどういう結果になるかということであります。預金部の利息は大体七分程度であります。地方銀行から借入れます場合には、大体現在の状態で平均いたしますと、その利息は九分八厘五毛という数字が一應出ておるのであります。約三分に近い差額が生じてまいりますが、これはだれが補償するかということであります。政府が考えております範囲で貸出ができればよいでありましようが、もしそれができないで、地方銀行にそれを借りなければならないということになると、実際問題としてそういう大きな差額が出てくる。この差額は一体政府で補償される責任があるのか、あるいはその腹をもつておるのか、その点を明確にしていただきたいということであります。さらにそういたしましても、なおかつ今日の銀行團の状態はどういう形をなしておるかと申しますと、地方に起債調整委員会をこしらえろ、府縣にこしらえろという大藏省の指令が出ておるのでありますが、しかし現在この地方起債調整委員会がほんとうに動いておるかどうか、さらにこれが動いておるといたしましても、銀行團といたしましては期間が短くて比較的利息が高いために、いろいろ金融上の妙味と申しますか、産業資金を貸出すことはよいでありましようが、利息が高くて、期間が長い地方公共團体の起債には應じられないのが私は実情であろうと思います。そういうことのために地方のこうむる損害というものはきわめて大きいのでありますが、この点について何か大藏当局は確信があるのかどうか、この点をまず先にお伺いいたしておきたいと思うのであります。 それからこの起債に多くまつということの一つの弊害は、從來も非常に強かつたのでありますが、内務省がなくなつて、そして地方分権が確立されて、地方が中央の行政と言いますか、中央集権から離れた形を一應とつておるわけでありますが、その際にこうしてまた中央の指揮命令によつて、あるいは中央の斡旋において、あるいはさらに中央の責任においてやられるということになりますと、ここに大きな金融上のひもがつけられて、また中央の金融機関が、地方の金融機関、公共團体の自主性に対して大きな禍いをする。これは地方において貸出す場合も同じであります。たとえ銀行から金を貸そうとしても、いろいろな條件をつける。そうすると地方の自主性はまつたくなくなつてしまう。仕事をしようとすれば、その仕事に対して中央からとやかく言われる。中央の言うことを聽かなければ、金が借りられないということになつてまいりますと、せつかく地方分権をいたしましたにもかかわらず、依然としてやはり中央集権的な行政が行われるということになると思いますが、この点に対して大藏当局はどういうふうにお考えになつておるかということであります。これは單なる起債の面についてだけの考え方でありますが、一應御答弁を要求して、さらに先に進みたいと思います。
○荒木政府委員 私が承知しております限りの概畧のことをお答え申し上げたいと思います。二百七十億円に上るところの地方起債がはたして引受けられるかということが第一点のお尋ねであつたと思いますが、結論から先に申し上げますれば、なかなか容易でないと存じております。ただ実際の取扱いといたしましては、大藏省預金部は御承知のように、從前いわば國債の引受所みたいなところでありましたのを、極力地方債の消化にできる限りの努力をするという方針のもとに、預金部の資金を運用していきたい、かように考えておる次第であります。從前といえども地方財政委員会事務当局の方と折衝いたしまして、地方起債の額を定めまして、運用いたしておつたと存ずるのでありますが、そのわくをさらにでき得る限り拡げまして、地方起債の消化にあらゆる努力をしていきたい、ちよつと具体的な数字は私としては申し上げかねますが、後ほど御説明申し上げますが、大藏省預金部だけで賄い得ませんことは、これは現在の状況ではやむを得ませんので、一般市中銀行におきまして、預金増加に基きまする資金の三五%見当でございますが、その見当のものを國家及び公共團体の資金として優先的に引受けてもらうように大体の御了解を得ておりますので、その範囲内において、足らざるところは極力地方債の治化に努めてもらう、こういう方針でおる次第でございます。 なお地方の財源を起債に求めることが、せつかくの地方自治法の趣旨を没却しやしないかという意味のお尋ねがあつたかと存ずるのでありますが、その点は必ずしも、御縣念のようなことはなかろうと思います。制度そのものが地方分権的に確立されております限り、從前のような中央集権的ないろいろとああしろこうしろという附帶條件というものが、以前ほど、いわば無用の範囲にまでつけられることもなかろうと存ずるのであります。その辺は制度の改正に伴います趣旨を体して、運用するか否かにかかるかと思うのでありますが、実際問題として今後そういうことはなかろうかと考えておる次第でございます。なお足りませんところ及び具体的な点については他の政府委員からお答えいたします。
○門司委員 今の御答弁でははつきりしないのでありますが、私が申し上げましたもう一つの重要な点は、地方銀行から貸出す場合の利息の差額を一体政府が補償する意思があるのかどうかということであります。
○河野(一)政府委員 地方銀行から借りまする場合にある程度利子が高くなるということでありますが、現在預金部では大体七分程度で貸しておるわけであります。地方銀行におきましては、これはいろいろ例はあるのでありますが、短期のもの——あるいは長期のものはもう少し安いと思いますが、短期のものにおきましては、大体その程度の利子をとられておるようであります。しかしこれは全般的に見ますれば、その金額としては、差額というものは割合に少い金額でありまして、これがために地方財政を非常に圧迫するというようなことはないのではないか。これは災害復旧債といつたようなものである、現に非常に大きな災害があつて、それがために巨額の地方債を出さなければならない、そしてそれがために利子が高いというようなことになりますと、それ自体として地方財政を圧迫するということで、そういつた縣については財政援助といつたようなことも考えられるのでありますが、ただいまの状態で二百四十億程度のもので、地方銀行から借りる額というものはそれほどの金額にはならないのではないか。預金部だけでも——私の推測だけを申し上げてははなはだ恐縮なのでありますけれども、百七、八十億程度は十分消化できるのではないか、從つてその残りのものが地方銀行にいくということになるかと思うのでありますが、その場合におきましても金融機関と地方團体とはいろいろな取引、縣の金庫をやつているというようないろいろ取引関係で割合に金利については相当勉強していただいておる。また大藏省の方針といたしましても、地方債についてはできるだけ低利にやるようにという指導をいたしておりますので、ただいま言つたような問題について特に國庫において差額を補償するというようなことは考えておらないのでございます。
○門司委員 非常に遺憾に考えておりますが、ただいまのお話でただわれわれがほんとうに概算だけしましても、かりにあなたの言葉をそのまま信じようとしても、私は信ずるわけにはいかぬと思います。昨年度の成績から預金部がまだ二十億の貸出をしていないという事実を見ますと、百八十億がただちに借りられるということは信ずることができません。かりにそれだけを信ずるといたしましても、なお二百四十億の残りの六十億なり八十億に対しましては、かりに三分の増額をいたしましても、二億近い利子負担はしなければならないということになるのであります。ところがその反面に政府が、赤字の二百七十億の中の四十億を地方諸経費の節約に求められているということであります。これは非常に大きな矛盾があると私は思う。地方がどんなに節約をしようと言いましても、こういうふうに強いられてやむを得ず費用が膨脹するものがある。殊に地方においてはきわめて事務が煩雜になりつつある、非常に大きな権限を移讓されておりますので、事務を煩雜にしておる、経費は余計かかるようになつておる、その場合四十億の経費を節約せよということを強いておるので、反面に政府の責任において行うべき利息に対しても、なおかつそれの補償をすることを考えていないというようなことになりまするならば、一体地方財政はどうなるかということであります。私はこの点はもう少し明確にしておいてもらいたいと思う。私は單に感情で申し上げるのではございませんが、こういうことで一体地方財政がほんとうにやつていけるかどうかということ、國が單に赤字を出さない、健全財政でやつていけるという確信並びにそういう方針であることは結構だと思いますが、反面地方においてまつたく地方財政が破綻するような財政政策を立てられるということは、はたしてこれが健全な財政と言えるかどうかということであります。この点をもう少し明確にしておいていただきたいと思います。 それからさらにこの場合に附け加えて申し上げておきまするが、これは当然のことでお答えを願うほどのことでもないと私は思いますが、いうところの予算において、所得税その他の増額がありました場合に、当然それの三分の一は地方に配付税と言いまするか、分與税といいまするか、そういう形で交付されるものと存じますが、その点は間違いないでございましようか。その点をひとつお聽きしておきたいと思いますことと、それからもう一つの問題は大藏当局がこの地方財政の地方税法をきめられるにあたりまして、または國の税法をきめられるにあたりましても、それからさらに國の予算をおきめになるときに、地方財政委員会の案に対する大藏当局の予算編成に対する見解をこの際明確にしておいていただきたいと思うのであります。これは先ほどの松浦委員の意見とほとんど重複するようでありますが、この際なおお聽きしておきたいと思うのであります。この二つの点をお尋ねいたします。
○荒木政府委員 第一点の四十億もの行政整理の財源——財源と申しますか、期待しておるということは、たださえ苦しい地方財源に、より以上の負担をかけるのではないかという趣旨の御縣念のあるお尋ねでありますが、地方公共團体におきまして、警察その他新たに加えられましたそれぞれの仕事につきましては、財源は別途に一應考えて、行政整理に期待しますることは、御承知の通り中央にしても地方にしても、とにかく昔からやつておる仕事につきましては、過去を顧みるということはあまりございませんで、新しいことが次々にその上に重なつてきて、経費がかさんでおるという傾向は、私は否定できないと思うのであります。さような点を考え合わせまして、昔からいわゆる贅肉を切るという趣旨において、中央でも一割五分の人件費を節約するという方針で臨みましたので、地方公共團体におきましても、具体的に何割何分ということは言いませんまでも、せめて四十億程度全國を通じて行政整理あるいは仕事の合理化等に基いて工面していきたい、こういうふうに考えますことは、それ自体としては、仰せのような重圧をことさら與えるのではないのじやないか、そういうような考えで二百四十億というものをここにあげたものと存じます。 第二点のお尋ねにつきましては、具体的にどういうふうにお答えしたらよいかわからないのでありますが、要するに地方自治法が確立せられまして、地方のことは地方みずからが行つていくのだという建前のもとに、地方財政も中央財政と同様に健全化すべきである。中央と地方の財政を健全化して初めて國民全体の財政というものが健全になるのであつて、このことが今後の日本の起ち上りに役立つと同時に、外資導入等に関連いたしまして、日本財政の健全化を要請せられておりまするその要請にこたえ得るものである、かような考えのもとに地方財政につきましても大藏当局としては対処してきたつもりでございます。
○門司委員 少し具体的に聽いておきたいのでありますが、國の事務と市町村の事務との分担関係でありますけれども、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。この中にはいろいろ書いてありますが、実例をあげて言いますと、政府が今行つておる一割増産の問題、これに対する経費の市町村の割当が一町村二千何ぼしか行つていないと思いますが、これだけ割当てられましても、実際に一割増産運動はほとんどできないということである。そのために市町村はかなり多くの費用を使わなければならぬと思いますが、こういう点に対しては分担関係はどうなりますか。ただ政府は言いつぱなしで、少しばかりの金を出してそれでやれと言われても、その金は使つてしまえばそれで仕事を打切つていいのか惡いのか、非常にこれはむずかしい問題であります。それからもう一つは厚生省関係でありますが、防疫関係とか、性病の病院か何か建てるという通牒が來ておると思いますが、そういうものに対しても全額を國庫から負担されるのならいいと思いますが、これも補助金程度であつて大した仕事はしていない。しかもそれは國の命ずる仕事であるというような場合に、市町村は與えられた経費だけで、あとはやらなくてもいいというように解釈していいのかどうか。
○荻田政府委員 ただいまの増産関係の分でございますが、具体的にどういう金額か存じませんけれども、この財政法の関係におきましては、そういう事業は大体十六條によりまして、國の施策を行うため特別の必要あると認めるとき、つまり國が食糧増産ということをやらなければならないという特別の施策に基いて、その場合に補助金として交付する。そうしましてその補助金は後の十八條にございますように、その額は地方公共團体が当該國の支出金にかかる事務を行うために、必要でかつ十分な金額を基礎としてこれを算定するというふうに書いてあります。從いましてそういう経費は十分の額を全額國で出すという建前になるべきものだと存じておりますが、具体的にどれだけの金が行つておるか存じません。それから性病予防の病院につきましては、第十條の九号にございますが、これは國と地方とが両方の利害、つまり國民の全般の健康の問題としましても、また地方の住民だけの衛生の問題としましても、両方の面から関係しますので、負担区分を設けて両方で負担するということになつております。この点につきましてはおそらくこれが唯一であつたと思いまするが、今度國の負担率を引上げまして二分の一にしております。
○門司委員 なおつつこんで実情でお聽きしたいと思いますが、なるほどこれは六・三制の問題、あるいはこういう病院の建設問題等も國は半分と言つておりますが、それは予定された計画の半分であるか、実際の半分であるかということであります。地方が非常に悩んでおりますのはその点であつて、かりに國が予算を組んで半分ということをやつておりましても、実際は現在の社会状態ではそれではあがらぬ。從つて実際面から見ると半分負担すると言つても三分の一くらいしか負担していない。あとの三分の二はやはり地方が現実の問題として負担をしなければならないというような実情があるのでありますが、これは單なる補助金、分担金という形でなく清算の上の半分にすることができるのかどうか、その点をもう一つ伺つておきたい。
○河野(一)政府委員 國の事務、地方の事務と申しましても非常にわけにくいのであります。この問題を考える上においては、もちろんこれにどういう財源がくつついているかということと併せて考えなければ、單に性質上食糧増産であるとか、あるいは六、三制であるとか、これは國である、これは地方であるというのは、かなかな境目のとこらにいきますとむずかしくなるわけであります。今おつしやいましたような点について問題になるわけでありますが、國といたしましては予算に盛つてある規格單價、その他補助率といつたようなもので地方がやつていただくことを期待しておるわけであります。國と言いましても、地方と言いましても、これは財政のわけ方だけの間間で、國が考えておりまする通りの企図に從つて地方がやつていただくという考え方でありまして、從つて今度のあれでは單價がいくらになつておるか、七十五百円でありましたか、そういつたような平均單價でやつていただく。いくらかかつても半分見るというなことは、予算の統制と言うか、全國的なこういう施設の統制といつた点から言つて、あまり好ましくない。從つて決算的な補助はこの点については考えておりません。ただ決算的な補助として考えておりますものは、たとえば学校の先生の俸給といつたようなものは当然のものであります。それから衛生の、たとえば傳染病予防というような、國の意図によつて左右することができないといつたようなものは、そういうような考え方になるのでありまして、一般の施設費というようなものにつきましては、そういう考えをとらないのがいいのではないかと考えております。
○門司委員 一應理論的にはそういうことが言い得ると思いまするし、さらにもしこれをそのままの姿で決算において分担するということは非常に大きな弊害が伴う。要するに費用の濫費が伴うということが一應考えられるのでありまして、おそらく理論的には先ほどの御答弁が当然なされることだと思つておりまするが、実際面はそれと反対でありまして、なかなかそうはまいらぬのであります。從つてこの地方財政に関する大藏当局のお考えがそういうことだけの面で一切が処理されておるといたしまするならば、この二百七十億の赤字あるいは二百四十億の赤字は、これより以上の赤字が私は必然的に出てくると思う。それらのものを私どもは考えまするときに、何かはかにもう少し確固とした赤字を少くするというようなお考えが、当然大藏当局になければならないと思うし、またわれわれもそうすべきだと思いますが、その点に対する当局のお考えはどうでありますか。
○河野(一)政府委員 地方財政の予算を決定いたします際におきましては、國の予算と同時に決定したわけであります。両方同時に進行いたしまして、こういう施設を國の方でやるとするならば地方がいくら要るであろうということと、物價の問題につきましても、國の方でこの程度國の施設について物價の影響があるとすれば、地方においてはどうなるであろうということを、実は両方お互いに連絡をとり合いまして同時に決定したということになつておるのでありまして、中央財政だけを考えてその尻を地方財政に押しつけるというようなことは絶対に考えておらなかつたのであります。起債の問題に実はなるわけでありますが、この点につきましては、今申し上げました点におきまして、後において多少変更があつた点があるのでありまして、当初中央財政を決定いたします際におきましては、六・三制の金額につきまして、これは御承知でもありましようが、大体二十億程度というふうに考えて公共事業費を組み、そうして起債のわくを考えておつたわけでありますが、その後においていろいろな情勢から六・三制の関係の経費を四十億程度に、公共事業費のうちの振り合いによりまして増額せられました関係上、これに対する地方の財源といたしまして國の予算として出すという余地もなくなりましたので、これを起債にまわした、こういう点が多少ふくれたというような関係になつておるかと思います。ただしこの起債の償還の財源につきましては、地方にその分の財源を與えるということで、この地方財政のわくが財源的にはきまつておるわけでありまして、そういう点を考えずに、勝手に起債を殖やしたというふうには私ども考えておらない次第であります。
○門司委員 そうなつてくるとますます聽かなければなりませんが、先ほどの裏づけの起債の財源でありますが、それは一体どういうものを公共團体にお考えになつておるかということであります。たとえば今現実に行われておりまする教育に関する関係の貯金をさせる。そうしてその貯金しただけは地方債によつて貸出していこうというような、もしお考えであるとするならば、それはきわめて不完全なものの考え方で、それではならぬと思います。引当て起債財源としてどういうものをお考えになつておるか、それを明確にしておいていただきたい。
○河野(一)政府委員 地方債として起債を予定しておりますものは、地方的な臨時的な支出でありまして、たとえば公益事業のいろいろな建設費でありますとか、公共事業関係の、たとえば河川、道路などの負担金でありますとか、あるいは補助金を交付しまして、残りの半額につきましては地方が起債をして事業をするわけでありますが、そういう公共事業に伴う工事費の財源として考えておるわけであります、これの起債の資金の問題でありますが、預金部資金は全額これを地方に還元するつもりであります、そのほかに先ほどおつしやつたような六・三制関係の特別の貯金を起すとか、あるいは宝くじを起すとか、そういつたことによつてこれを賄つていく。そのほか地方銀行において集まりました資金の一定のパーセンテージを必ず地方に還元するというようなことで、この二百四十億程度のものについては是が非でも地方に資金がまいるように政府としては責任をもつて努力斡旋をするという閣議決定になつておるのでありまして、御心配になるような事態は起さないつもりでおるわけであります。
○松浦(榮)委員 少しく税の内容についてお伺いしたいのです。人頭税でありますところの住民税であります。これはいわゆる大衆課税であつて、高額に賦課することはあまり適当ではないと思うのですが、これを調べてみますと昭和二十二年度では約二百円ぐらいだつたのが、その中途で三百円、すぐそのあとで四百円になつて、当時非常に問題を起したのでありますが、本年度において千円の原案でありますが、たしか地方財政委員会ではこれは八百円ぐらいで止めたいという意向であつたと思います。これを千円にするということになりますと、國民負担が非常に高額になりまして、強行すると実際賦課にあたつて問題を引起すのではないかと思いますが、その点につきまして当局の御意見を伺います。 それから、いわゆる特別事業税ですが、その内容といたしまして、弁護士、公証人、司法書士等に課するほかに、医師、歯科医師、助産婦等にも課するようになつておりますが、負担の公平の上から言いまして、医師、歯科医師、助産婦等に課するのもあるいは理論的には当然であるかもしれませんが、保健衛生に関することは國民の生活に非常に重要な影響を及ぼすのでありまして、医師、歯科医師、助産婦に課税することは、その結果は結局われわれの平素の健康、保健に対する費用にかかつてくるのであります。そういたしますとわれわれの医療、保健に関する日常の負担というものは非常に重くなるのでありまして、その点は実際において考えてみなければならぬ点だろうと思う。從つて医師、歯科医師、助産婦に対しましては、本案によりますと多少他の特別業務税よりは税率が低くなつておりますけれども、これは全免した方がいいのではないかと思いますが、その点に関する当局の御意見を伺います。
○荻田政府委員 住民税の賦課額の問題でございますが、お説のように大衆課税でございますので、なるべく低いのに越したことはないわけでございます。それで委員会の原案としましては、八百円くらい、前年度の二倍にするということにしたのであります。さらに財源が足りませんでしたので、二倍半の千円になつたわけでございます。この千円が高いか安いかの問題でございますが、もちろん初めに申しました通りこれは大衆課税でありますから、低いに越したことはありませんが、それならば千円が今安いか高過ぎるかという問題でありますが、これは見方によりますと、かりに三千七百円ベースが採用になりますと、年收にして平均四万円を超すわけであります。普通の官吏の平均がそれでありますから、大体一般の平均も四万円ぐらいの收入があるということになりますから、四万円の人が千円の税を納めるということで、必ずしも負担できないことはないというふうに考えられるわけであります。 それから医師に対する特別課税の問題でありますが、これは御承知のように初めに営業税の範囲を拡張しまして事業税として原始産業を入れますつり合い上、自由職業も入れたわけであります。ただ自由職業はいわゆる事業という観念に当らぬじやないかという意見がありましたので、これを特別にはずしたわけであります。しからば医師に課税した場合に、すぐ患者に轉嫁されて医療費の増嵩を招くのではないかという御説ごもつともだと思いますが、御承知のようにこれは一種の收益税であると考えますので、初めから轉嫁を予想せずにもうけの所得の中から少し出してもらうということは、一應理論的には言えるのでありますけれども、結局轉嫁の問題といたしますと、経済的の弱者の方に、強者に対して課税されれものが轉嫁されるのが原則でございますから、医者と患者を比較した場合に、どうしても患者の方が弱い立場にありますから、そのおそれがあることをわれわれも考えておるのでありますが、ただいま申しましたように、事業税としていわゆるサラリーマンと申しますか、俸給生活者以外の者にはすべて地方税を事業税なり特別業務税の形において納めてもらうというふうにいたしました関係上、この中に入れたわけであります。
○中島(守)委員 大藏大臣にお尋ねしたいのですが、その前にこの法案の責任者の方にお尋ね申し上げたいと思います。地方財政委員会で強く要望しておりました酒、タバコの府縣の消費税であります。これは当局でもずいぶん骨を折つたことと思うのでありますが、どういう理由によつてこれが政府案としては取除かれたのであるか、これに対して差支えない程度においてお伺いしたいと思います。巷説によりますと、大藏省が反対してこれは通らなかつたといううわさもあります。もしそういうことでありましたならば、その理由を伺つておきたいと思うのであります。この点に対しては大藏大臣にお尋ね申し上げたいと思うのですが、あらかじめただいままでの経過について差支えなかつたら御説明を願いたいと思います。
○西郷政府委員 ただいまの中島委員の御質問には、先ほど國務大臣からもお答えしたのでありますが、ただいまの酒、タバコの消費税の問題につきましては、地方税といたしましては非常に彈力性のある税目でありますので、われわれとしてもそれを非常に期待しておつたのでありますが、今回大藏当局との折衝においても、タバコが專賣品である関係とか、いろいろの点においてどうしても妥結をみませんで、今回酒、タバコの消費税の実現は見なかつたのでありまして、われわれとしても非常に遺憾でありますけれども、さようなわけで、今回は実現を見なかつたのであります。われわれとしても、地方財源の非常に枯渇しておりますような今日、その他の方面において、これに代るべき税目等も探したのでありますが、御承知の通り酒、タバコに代るような大きな財源を得ることがなかなかできませんで、今回のような結果になつた次第であります。
○中島(守)委員 多少意見にわたるかもしれませんが、私どもからみますと、酒、タバコのようなものには相当強い負担を與えた方がよいと思うのであります。それからこれが專賣だから課税できないという理窟はないと思います。府縣に対してこれを配給いたしますれば、消費税は十分かけ得るのだと思うのであります。一方の方を見ますと、電氣税のようなものは、ただいまでは割当制でありまして、電氣の割当がずいぶんひどいのであります。これは私どもから言えば、大衆課税の中でも惡い性格をもつておるものじやないかと思うのであります。かようなものに課税するよりは、消費税のために多少の値上りがあつても、むしろ酒のごときものに課税することの方が穏当ではないかと思うし、また國民も負担をしやすいのじやないかと思うような氣分があるのであります。こういう点に対して、これは意見にわたるのでありますが、政府の方ではどう考えておるか、いずれ大藏大臣が御出席になりますれば、それらの点について御意見を拜聽したいと思います。しかしあらかじめただいま御出席の政府委員の方から御意見を拜聽したいと思います。
○西郷政府委員 ただいま中島委員より重ねての御質問でありますが、酒、タバコの消費税の問題については、御説の通り、電氣税というものは大衆的な課税になりますので、われわれとしても、酒、タバコの消費税という方に重きをおいたのであります。先ほどまことに不完全な御答弁でありましたが、大藝当局とも折衝いたしましても、どうしても妥結をみませんで、今回酒、タバコの方の消費税は実現しなかつた。電氣税なかについても、われわれとしてもああいうふうな大衆的性格をもつております税目については、きできるだけ大衆の負担を軽減していたいというふうな考えは十分もつておるのでありますが、地方財源の増大に伴うて税目の発見がなかなか困難でありますので、今回のような結果になつた次第でありまして、今後といえども、われわれとしても新たな税目の発見に努力する考えであります。
○松浦(榮)委員 大藏当局が帰つてしまつたので、質問が少し不完全にならざるを得ないのでありますが、地方財政委員会当局に質問いたします。先ほど大藏当局が起債を認める場合に、できる限り地方の方から集まつた金額は、地方に還元するという含みをもつてやるというようなお話でありましたが、そのことはおそらく郵便貯金を励行して、郵便貯金をしたその総額について、その見返りに起債の方を認めてやろうというようなことが最近行われておりますが、そういつたことを意味しておるのだろうと思いますけれども、地方としては郵便貯金の督励ということは非常に迷惑がつておるのであります。そんなことをしてもらうような起債ならば、それはあたりまえである、從來とても起債については、いやわくであるとか、いや許可の標準がどうであるかとか、手続の方法がどうであるかというような、非常にめんどくさいことを言われて、なかなか通らない。昨年の例を見ましても、お話がありましたように、実際は大藏省の預金部にわくがあつても、その預金部のわく通りにはくれない。六十億のわくがあれば、実際いうと、二十億くらいしか貸しておらないというのが地方の声であります。今日地方においてはいろいろな仕事が多いのでありますが、それに対して、人も與えず、予算も與えずに、ただ貯金を奬励すれば、その見返りに預金部の金を出してやろうというようないき方は、はなはだ苛酷ないき方であると思う。そういうような條件なしに、この起債の認可等にあたりまして、認めてやつていただけないか、こういうふうに思いますが、どういうお考えでありますか。
○荻田政府委員 昨年も六・三制の建築費につきまして、やはり郵便貯金の集まることを見返りにしまして、その町村に金を預金部から貸すという方法をとつたのですが、さらに今年六・三制の経費及び新しい警察制度の調弁費のためにいたします起債につきまして、町村におきまして、郵便貯金の集まります限度において預金部から金を融通するという方法をとつたのであります。もちろんわれわれといたしましても、この地方財政だけの立場から言いますれば、そういう負担附きの金の貸し方は氣に食わぬのでありますけれども、一方預金部の立場になつてみますと、金を貸すと言いましても、資金の集まらない場合には金は貸せない。それで強力に貯蓄運動をやつているわけでありますが、さらにそれを強力ならしめるために、金を貸す方と預金を奬励する方と結び付けて、こういう結果になつたのでありまして、この点地方財政側の立場だけからみますと、遺憾でありますけれども、やはり全体の資金計画ということからこれもやむを得ないのじやないかと思つて、協力しているようなわけであります。しかし、それは一應の預金を集める手段でありまして、國が最終的に起債の消化をする責任をもつている以上、極端の場合には、預金が集まらなくても、それだけのものを貸付ければ、あるいは融資斡旋をすれば、責任は依然として残るものだと考えております。
○笠原委員 まだ私も法案全部見ていないので、詳しいことはわかりませんから、あとで質問したいと思いますが、この地方財政法並びに地方税法の両案の起草にあたりませして、私は必ず問題になつたことだと思いますが、地方配付税法というものが出ているのでありますが、この地方財政の確立の問題にあたりまして、この地方財政委員会が考えてまいりましたことは、この地方財政に独立税を與えると申しましても、これはいろいろな考え方があると思うのでございます。そこで現在の段階におきましては、地方に強力なるところの財源を與えることができないから、やむを得ず一應この中央と地方財政を関連をもたせまして、この配付税の制度をとることになつたものであるか、あるいはまた今の段階におきましては、この地方公共團体の財政力とか負担力にちぐはぐというものがありますから、その均衡を保たせるために、ことさらにこの地方配付税制度というものを置かなければならないというような考え方から、この二本建のいわゆる画一制度をとつたものであるかということをお伺いしたいと思うのでございます。もう一遍繰返しますが、地方財政の本來の性格から申しますならば、独立の財源を與えまして、まつたく中央と切り離しまして、地方自治團体をして独自の発達の方向をとらせることが理想的であるというふうに考えるのか、あるいはまたそうでなしに、ある程度地方自治團体の間には財政力並びに税負担力に相違がありますから、その相違を調整するために、この配付税制度というものをとらなければならないことになつたのか、こういうことは私ども審議の根本的な考え方にも関連してくる問題でありますから、お答え願いたいと思うのであります。
○西郷政府委員 ただいまの御質問でありますが、これはいろいろの考え方もあると思いますが、われわれといたしましてはただいまお述べになりました御意見のうちの、要するにたとえば今回の例によりましても、彈力性のある地方財源の一つといたしまして入場税の地方委讓を考えたのでありますが、たとえば入場税にいたしましても、都市に偏在する傾きがあつたり、その他の税目にいたしましても、配付状況によつて一方に偏重するような場合がございます。それでどうしても彈力性のある財源を得ました上で、地方的ないろいろな経済情勢によりまして偏在する傾向が多分にございますので、旧來の分與税を今回名称を配付税に改めたのでありますが、こういうような配付税によりまして偏在を是正してまいりたい。ただいまの御意見の通りそれを調整してまいりたい。さような考えておる次第であります。
○笠原委員 そうすると今の段階におきましては、理想的ではないが、やはり二本建で行かなければ地方財政の確立はできないという御態度であるがどうか、もう一遍質問いたしたい。
○西郷政府委員 ただいまの御質問でございますが、だんだん地方税、財政制度等を改革いたしてまいりましたが、理想的な形体におきましては、やはり二木建でいくということはあまり感心したいき方でないと考えるのでありますが、どうしてもわが國の現在の経済情勢並びに地方財政の現状におきましては、当分の間はやはり二本建でいくよりしかたがないのではないか。しかしそれを放つておくことはできませんので、やはりわれわれといたしましては、地方税、財政制度の根本的の改革を考えてまいりまして、地方の完全なる自立権の確立、こういうふうな面からも、財政の面におきましても一本建でいく方が理想でありますが、当分の間はやはり調整をしていく段階にある。さように考えるのであります。
○笠原委員 大体御説明で了承できましたが、そうしますと本來地方財政の確立という問題は、理想的には地方に対して強力な財源を預けまして、そうしてまつたく中央財政とは切り離した形でやらしていく、今の政府当局の方針としてはやはりその方がよいのだというふうに受取つて差支えないですね。
○西郷政府委員 ただいまの御質問に対してお答えいたしますが、先ほど私が述べましたように、現在御承知の通り地方におきましていろいろな警察制度の改革とか、六・三制の実施、そういうふうな新しい仕事が殖えてまいりますので、今回におきましても、昨年度に比べまして配付税が増額をみておるのでありますが、さようなことは地方の自主権の確立というふうな面、また地方財政の確立という面からも、われわれといたしましても遺憾に考えておるのでありますが、これはどうしても地方配付税というようなものにつきましては、できるだけパーセンテージを多く占めないようなふうにわれわれも考えていきたいのでありますが、今日はまだその段階に達しません。また今回の地方税制の改革案も不充分な点も多々あるのでありますが、だんだんに配付税の減額をみるように、そうして地方に独立財源を與えまして、地方の自主権の確立、またそれを財政的にも裏づける。こういうふうな方向に向つていきたい。かように考てております。
○坂東委員長 速記を止めて。 〔速記中止〕
○坂東委員長 それでは、荻田事務局長から地方財政法の逐條的の説明を願います。
○荻田政府委員 地方財政法を逐條的に御説明申し上げます。第一條におきまして、この法の目的を規定したわけでございますが、この法律の目的はすでに当初提案理由の説明にもございました通り、地方公共團体財政の運営、これに対しまする基本的原則を定める、もう一つは國の財政と地方財政との関係に関しまする基本的な原則を定める、この二つをもちまして内容としておるわけでございます。で御承知のように、今後この財政の運営というよなことにつきましても、單に政府なりあるいは地方團体だけの責任においてやるべきでなく、あらゆる行政が國家の最高意思である國会で定められた方針によつて運営されなければなりません。從つてこの財政法は國会の定められまする、つまり地方財政の運営に関しまする基本原則、國と地方財政との関係に対しまする基本原則、これがこの財政法をつくりましたねらいなのであります。 次に第二條におきまして地方財政運営の基本を定めております。ここに書いてありまするように、健全な運営に努めなければならぬ。これはわかりきつたことであります。それから次に國の政策に反したり、または國の財政もしくは他の地方公共團体の財政に累を及ぼすような施策を行つてはいけない、いかに地方に自治が與えられたとはいえ、日本の地方自治はいわゆる連邦國家のように主権が別にあるという観念ではない。あくまで日本一体としての地方自治心のでありまするから、その地方團体の行いまする財政も、國の政策に反して、あるいはそのために國の財政やほかの地方團体の財政に迷惑をかけるようなことはいけない。それから次の第二項におきまして、國の側から地方財政を扱うのについて、國と申しますのは、つまり中央政府側から地方財政を扱うのにつきまして、地方財政の自主的でかつ健全な運営を助長することに努める、いやしくもその自律性を損つたり、あるいは地方公共團体に負担を轉嫁するようなことを行つてはいけない。 次のはさらにこのような基本原則の細目になるわけでありまするが、第三條におきまして、予算の編成につきましての注意でありまするが、これは法令の定めるところに從つて合理的な基準によつてその経費を定める、それから歳入につきましては、あらゆる資料に基いて正確にその財源を捕捉し、かつ経済の現実に即應してその收入を算定し、これを予算に出さなければいけない。 次の第四條におきまして、このできました予算を執行するに当つても、経費の支出の面におきましては、目的を達成するために必要かつ最小限度の支出をする、常に濫費を戒ある、それから收入につきましては、適実かつ嚴正にこれを確保する。徴收する場合、他の不当な勢力に圧倒されて、徴收すべき税を徴收しないというようなことがないようにしなければいけない。 それから第五條におきまして地方債を出し得る場合を規定したのでありますが、健全財政としまして、地方債を発行するということは、なるべく避けることは申すまでもありませんが、ただどうしても地方團体として地方債を発行しなければやつていけないという場合がありまするので、それを規定したのであります。ここに一号から五号までございまするが、これは後に申し上げまするが、現在の地方自治法に地方債を発行し得る場合を規定しておりまするが、さらにそれをもう少しこまかく制限いたしまして、地方自治法の規定は削除しております。その第一号におきましては、これはいわゆる公営事業の資本投下に相当するような起債、これは起債によらざるを得ない。それからこれに類似するような出資金とか貸付金の財源にするような場合、それから第三号で地方債の借替えのために要する経費、つまり地方債を借り替える場合、條件をかえなければなりませんので、十年の起債を五年間で区切つて出すというような場合、五年目にこれを借り替える。それから次の四号が災害復旧あるいは災害救助事業、このような災害の場合にはどうも起債によるよりやむを得ないだろう。それから第五号、これが一般的な事業に対しまする分でありまして、これについて二つの制約を置いております。一つは税の方面から早く地方債を起そうという場合、地租、家屋税、事業税、府縣民税、市町村では市町村民税、その基本の税源がその標準賦課率あるいは賦課額の一・二倍、つまり二割だけの標準の超過課税をする場合でなければ起債をやつてはいけない。この場合申し上げるまでもなく、起債は最後の手段であるのであります。経常的経費について事を行うのは当然なのでありますが、どうしてもそれでは財源が足らないという場合に起債をやるのでありますから、その場合には二割程度の制限まで課税を行う。それでもなお足らない場合に起債に求める。つまりそれで起債をしようと地方團体が考える場合に、多少むずかしくと申しますか、愼重になさしめて、起債をなるべく避けさせるという趣旨にしたいと思つております。第二の制約はその目的であります。これはここにありますように戰災復興事業、学校、河川、道路、港湾等の公共施設、そのような建設に充てる場合であります。 第六條におきまして公営企業、いわゆる電氣とか電車とかバスとかガスとか水道、こういうような公営企業につきましては、これは独立採算制を設けるという趣旨であります。 第七條におきまして剰余金の処置でありますが、第一項につきましては、ある会計年度において出ました剰余金は、これは地方債を減らすために減債基金に充てる。これは國の財政法と同様であります。第二項におきまして、公営企業におきましては、この剰余金を一般会計に繰入れても差支えない。つまりある程度公営事業につきまして收益主義を加味するということになるわけであります。 第八條は財産の管理及び処分、これは國にもありますような規定であります。 第九條以下におきまして先ほども問題になつておりました國と地方との経費の負担の区分を置いたのであります。第九條に掲げてありますのは、たとえば地方公共團体の議会及び議会の議員の選挙に要する経費の規定でありまして、地方團体みずからの仕事であるから、このような経費は地方公共團体が全額これを負担する。それから第十條は、國の利害にも関係すれば、地方公共團体自体の利害にも関係する、相互の利害に関係する事業、これは國と地方公共團体とで折半して負担区分をきめて負担する。たとえば義務教育に從事する職員に要する経費、このような経費は両方で負担する。それから第十一條は、これは主として國の利害のみに関係がある、地方團体はただその仕事を仰せつかつておるにすぎない、こういう事業てあります。たとえば國会議員の選挙及び國民投票に関する経費、このようなもつぱら國の利害に関する経費、これは國でもつ。第十二條におきましては、これはあたりまえのことのようでありますが、地方團体が処理する権限のないものです。これにつきましては地方團体は経費を負担する義務がない。たとえば國の機関の設置、維持及び運営に関する経費、こういうことをわざわざ書きましたのは、ある國の出先機関をつくるような場合、地方團体に対して強制的に強い寄附金を求めてくる、こういうようなことを防ぐためであります。 それから次は新たな義務に伴う財源処置、これは新しく法律により、あるいは法令によりまして事務を公共團体に仰せつける、そのために財源が要る。こういうような場合にはやはりそのために必要とする財源についての措置を講じなければいけないのです。これは從來地方自治法にあつたのでございますが、さらにここにも移したのであります。それとともに二項、三項をつけて、これの実効を期するように考えておるのであります。從來は第一項のような規定を書きつ放しでありますので、こういうことが國において破られましても、切捨御免と言いますか、そのままになつておつたのであります。そこで地方公共團体はそれに対しまして不服ある場合には國会に意見書を提出することができる、そうして國会においてこれの結末をつけていただく。つまり國と地方との爭いでありまして、結局裁定するものは政府では裁定できないから國会でやつていただくよりしかたがないということであります。 十四條、十五條は國庫負担職員制度の設置であります。これは從來補助職員というものが地方にありまして、二分の一とか三分の一とかいう補助を受けまして職員が置かれております。ところがそれにつきましては、第一に補助をやることによりましてその職員の進退行動につきまして國が制約を加える、これは補助金をやるということで自治干渉の機を與えるのでおもしろくありません。また第二に財政的見地から見ましても、非常に多い、数百にわたる項目にわかれておりますので、たとえば現在のような職員の新興のベースが引上げられます場合、初めに二分の一なら二分の一で予算を組んでおいても、直ぐ給與が上りますと、それでは足らなくなる。そうすると一々その項目を予算修正しなければならない。その結果結局忘れられてしまつて、二分の一が三分の一にも四分の一にもなるという例が多々ありますので、そういうことのないように、ここに十五條に書いてありますように、こういう職員は定員制を総理大臣が各大臣の要永によつて一本にまとめてつくる。そうしてその予算も総理大臣の所管に属する予算に計上しておいて、一本に計上する。從いまして現金の交付等もスムーズにいくと思いますので、地方がいたずらに補助金がこないで立替えて拂うということがなくなるわけであります。 次は補助金の交付であります。十條なり十一條につきまして國が出すのは、明瞭に負担金という名前に一應したいと思います。それに対しまして補助金は國が負担するという義務があるというのではなく、ここに書いてありますように、その施策を行うため特別の必要があると認むるときまたは地方公共團体の財政上特別の必要があるとき、こういうものは補助金という名前にして交付したい、負担金とは区別して考えたい。 次の負担金の支出、これは負担金についてその支出方法をどうするかという問題であります。これは地方公共團体が事務を行つて、その経費を一應支出しておるものについては、國の負担分というものは地方團体に対して負担金として支出する、逆に國がそういう事務を執行しておる、いわゆる國直轄事業というような場合は、地方公共團体側から負担金を出す。 次は國の支出金の算定の基礎でありまして、先ほどもお話がありましたように、國が二分の一なら二分の一と言いましても、その根拠たる單價なり規模なりが十分なものでありませんと、二分の一が三分の一にも四分の一にもなる。こういうことを防ぐ規定であります。 次は國の支出金の支出方法、時期の問題でありますが、これは現在でも非常に支出金の交付が遅れて、地方がそのために歳出現金に困るということがありますので、支出時期が遅れないように國の支出金は支出しなければいけない。第二十條におきまして委託工事、國が地方に工事を委託するような場合はやはりこの負担金の規定を準用する。 次の地方公共團体の負担を伴う法令案、これにつきましては、從來もやはり地方財政を扱つておるところと相談をしてやらなければいけないということが政府部内の訓令で出ておりますが、たびたび注意しておるのでありますが、いまだに実行されてない。從つて地方財政を所管しておるところが知らないうちに、地方に負担をかけるような法律なり政令なりが出る。その結果地方財政が紊乱するということがございますので、今後は法律をもつて明確に、法律なり政令を、閣議を求める前に、内閣総理大臣を通じて地方財政委員会の意見を聽かなければいけないという規定をはつきり置いたのであります。 二十二條は経費の見積り、つまり予算の編成につきましても、それと同様なことをいたしたい。 二十三條は國の営造物に関しまして使用料をとる、つまり地方團体自体の営造物でなく、國の営造物を地方團体に管理さしておる場合には、それに対する使用料を地方公共團体がとる、その收入は地方公共團体の收入にする。次は國が公共團体の財産を使用した場合には、適当な対價を拂わなければならぬ。 第二十五條以下は國からもらいます負担金の使い方についての制限でありまして、國が負担金なり補助金を出す場合には、地方公共團体はその目的に從つて使わなければいけない、ほかの目的に使つたり、基準以上のことをしたような場合には補助金を返させるとか、減額するということにした。なお半面地方公共團体が負担金を出して國に仕事をやつてもらうという場合に、國がその通り使わなければやはり地方公共團体からその返還を請求する。次は同じようなことなのでありますが、配付税の減額であります。地方公共團体が法令の規定に違反して著しく多額の経費を支出したり、あるいは確保すべき收入の徴收を怠つた場合、ある税をとらねばならぬ場合に、実行力が弱くてこれをとらない、怠つてしまつたというような、みずから権利を放棄したという場合には、國は当該地方公共團体に対して交付すべき地方配付税の額を減額したり、還付を命ずることができる、ある程度強い監督規定であります。 二十七條以下は國と地方團体との今まで申しましたような関係を都道府縣と市町村との関係に準用したのであります。二十七、二十八、二十九、三十條は大体そういう点であります。 以下附則でございますが、この法律は七月一日からこれを施行したい、ただ第十四條、第十五條の規定、つまり國庫負担地方職員制の設置につきましては明年度から実行したい。 次の当せん金附証票の発賣、これは從來金融緊急措置令によりまして、地方團体——と申しましても、都道府縣がいわゆる宝くじを発行できたのでありますが、この規定をこちらにも入れまして、この財政法に基いて当せん金附証票の発賣ができるようにしたいと思います。ただその内容につきましては、ただいま國会に提出されておると思います当せん金附証票法の定めるところに從わなければならぬ。 次の三十三條は地方債を起し得る場合の例外であります。それについて原則は第五條に書いてありますが、当分の間ここに掲げてあるような義務教育年限延長に伴う施設、いわゆる六・三制の学校の建築、自治体警察の創設に伴う施設の建設費、消防の強化に伴う施設の建設費、これらにつきましては例外的に地方債をもつてその財源に充てることができる。 次は第十條の中に例外的に当分の間はいるという経費、つまり國と地方公共團体とが両方で負担する、原則的にはこういう費用は地方團体自体が全額負担すべき経費でありますが、当分の間ここに掲げてありますような義務教育年限延長に伴う施設の建設費、つまり六・三制の学校建築に対します國の二分の一の負担金、引揚者の援護に要する経費、こういうものについては当分の間國と地方團体とが負担する。 第三十五條は、北海道に関します特例で、これは十條及び十一條の規定にかかわらず、当分の間北海道拓殖費の考えで從來通り。 第三十六條は、地方財政委員会の権限、地方財政委員会は御承知のように本年いつぱいの臨時的な機関でありますが、その機関のあります間は、この法律なり、あるいはほかの地方税法、地方配付税法につきまして、内閣総理大臣の権限が書いてありますが、それに関します内閣総理大臣が権限を行使することについて、地方財政委員会がこれを補佐する補助機関となる。 それから第三十七條は第十條の例外規定でありますが、第十條によりまして、明確に、法律をもつて負担金を定めなければならぬということになつておりますが、二十四年三月三十一日まではなお從來の例による。それまでの間において整理する。 それから三十八條は「地方自治法の一部を次のように改正する。」この地方自治法と地方財政法との関係が必ずしも明確でないのでありますが、大体地方自治法は地方自治に関しまする根本的な規定でありますから、やはり財政についても根本的な規定はこちらに残しておく、それの運用の問題を地方財政法で規定する、こういう考えでありまして、從いまして最後にございますように地方自治法の方に、こういう一條を入れたのであります。「普通地方公共團体の財政の運営、普通地方公共團体の財政と國の財政との関係等に関する基本原則については、この法律で定めるものを除く外、別に法律でこれを定める。」この根拠に基きまして地方財政法をつくつたということになつております。なおその前に、この財政法と多少牴触します点を最小限度直したわけであります。三條ばかりありますが、一番大きな点はこのまん中の地方債の発行の要件を、ここに書いてありますように、從來は「その負担を償還するため、普通地方公共團体の永久の利益となるべき支出をするため、又は天災等のため必要がある場合に限り」とありましたのを、先ほど申しましたように、第五條のように明確に規定したのであります。以上簡單でありますが、地方財政法についての概畧の御説明を終ります。
○坂東委員長 それでは明日午後一時から開会いたしまして質疑を続行いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十分散会