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2回国会衆議院1948/06/05

治安及び地方制度委員会 第36号

発言数
31
登壇者
6
会派数
4
開催日
1948/06/05

会議録

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。  本日の日程は、地方自治法の一部を改正する法律案並びに風俗営業取締法案でございまするが、地方自治法の一部を改正する法律案を議題に供します。

門司亮日本社会党

○門司委員 この際さらにお伺いしておきたいのは、七十四條の一項中の條例の中に「地方税、分担金、使用料及び手数料の賦課徴収並びに地方公共の秩序の維持、住民及び滞在者の安全、健康及び福祉の保持に関するものを除く」ということになつておるのでありまするが、これは地方民主化のためにはきわめて重要な、人民の直接請求権をこれだけ除外するということになりますので、從來われわれが考えておつた地方自治民主化のために、かなり障害になるというふうに考えられます。この点についての当局の御説明を願いたいと思います。

鈴木俊一総理廳事務官

○鈴木(俊)政府委員 今の第七十四條の直接請求権の規定に関しましては、お話のような点もないわけではございませんが、やはりこの地方團体の行政並びに行政を維持する経費の根本になりますいろいろの財政に関係、その他緊急事態に應じます治安関係のもの、こういうものは住民の直接請求権をかりに規定いたしましても、結局において國体の経費を維持するために、とるべきものはとらなければならないということになると思いまするし、また緊急事態の治安維持のために必要なものは、どうしてもこれはやるべきものはやらなければならぬと思いますので、五十分の一以上の署名調印を求めて、いろいろの運動をするということ自体がそう重大な意味をもつものではない。かえつていろいろの運動の経費その他の点において無用の出費を來すというようなことも考えられまするので、また経費が軽くなるということにつきましては、住民はそのこと自体何人も不賛成のものはないと思いまするので、そういう調印をとることが、あまり意味がないと思います。一方請願という権利が憲法並びに請願法によつて認められておりまして、そういうことについて何か不安がありまする場合は、單独に個人でそういうことができますから、わざわざ五十分の一以上の調印をとるという必要はないのではないかというふうに考えられるのであります。

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 しばらく速記中止を願います。     〔速記中止〕

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 速記開始。

門司亮日本社会党

○門司委員 前段の説明については承服しがたい点があるのであります。これはただ單に事務上の煩雑であるとか、あるいはとるべきものは必要なものはとるのであるから、いかなる形においてもなさなければならないことをなすための費用は徴收するのであるから、どういうことがあつても、それを行うだけのものをどこからか求めなければならぬ。結論的に言いますと、結果においては同じである。同じであるからほとんどむだにひとしいものであるというようなことが考えられるのでありますが、私どもは必ずしもそうとは思わないのでありまして、さらにもう一つの理由は新しく改正されようとする中に、分担金徴収の條例を定める場合には、公聽会を開かなければならないという改正になつておるのであります。そうしてそれがこの廃止しようとする方にもやはり分担金という文字が使つてあるのであります。この点に一つの矛盾をわれわれは感ずるのであります。從つてさらに当局の意見を聽きたいと思いますることは、一應諸般の情勢がやむを得ぬ状態にあるといたしまするならば、なおこれらの條例を定める場合には公聽会を開いてこれを定めるというような條文に直せるかどうかであります。それは自治法の二百十七條を今度改正することになつて、先ほど申し上げました「分担金を徴収する條例は、普通地方公共團体の議会又はその常任委員会において予め公聽会を開き、眞に利害関係を有する者又は学識経験を有する者等から意見を聽かなければ、これを設け又は改正することができない」というように改正されるようになつておりまするので、直接請求権がこれだけ制約されるということになりますると、それの便法と言いますか、緩和策と言いますか、一應直接市民の負担に関係するものでありますることと、さらに住民の安寧秩序に関係いたしまするきわめて重要な問題でありまするので、これを公聽会その他を開いてきめるというように改正することについての御意見をさらにお伺いいたしたいのであります。

鈴木俊一総理廳事務官

○鈴木(俊)政府委員 今の財政関係の條例あるいは治安関係の條例を公聽会を開かなければ最終的に議会として決定できない、こういう修正についてどうかというお尋ねでありますが、現在公聽会を開きます規定は予算案その他重要な案件については公聽会を議会は開くことができる、こういうことになつておりまして、分担金につきましては、その負担が一般の税のようにある課税標準に対しまして公正に公平に一定の定率によつて賦課徴收するというのではなくて、利益関係の厚薄によつて賦課徴収するという関係上、非常にそこに酌量の余地がありますために、公正を失するおそれはしばしばありますので、そこで分担金については必ず公聽会を開かなければならない、こういうふうにいたしたわけでありますが、一般の財政関係の條例あるいは治安関係の條例につきましては、もちろん重要なものは一般原則の規定によりまして公聽会を開くのが適当と存じますが、單に税に関するいろいろ届出の事項を変えるような程度の條例でありますとか、あるいは治安関係のものでも簡單なものがあると思いますが、そういうようなものまで必ずしも公聽会を開く必要はないと思いますので、それらの認定はやはり一に当該自治体の議会の自主的な話合いによつてきめていくということが、かえつて実情に即するのではないかと思うのでございます。從いまして御質問の御心配になります点はまつたくごもつともと存じますので、御心配になりますような條例を制定いたします場合には、おそらくは議会においては公聽会を開くというようなことになると存じますが、それを制度上すべて公聽会を開けということに規定をいたしますほどの必要はないのではないかというふうに考える次第であります。

林百郎日本共産党

○林百郎君 委員外の発言をお許し願いたい。

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 林君から委員外発言の申出がありますがいいかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 それじや願います。

林百郎日本共産党

○林百郎君 貴重な時間をさいていただきまして恐縮だと思いますが、実は私共産党の林です。地方自治法の改正について、自治團体に働いております日本自治團体労働組合総連合から私どもへ陳情がありまして、このたびこの委員会で提案になつております修正案の中で、七十四條の修正と、それから警察法の二十四條第二項の削除、この問題について非常に強い要望がありますので、すでにこの委員会の委員諸公が十分審議されておることとは思いますが、私の方へ特に陳情がまいりましたので、その由を皆さんにお傳えしまして、参考までにお聽きしていただきたいと思うのであります。実は七十四條の第一項の條例の制定並びに改廃についての請求権の問題でありますが、その除外例を設けるということは、非常に民主主義的な立法に対する逆行ではないかという意見が強いのでありまして、実は私の方で第九十二帝國議会の地方自治法の改正で、この七十四條を新たに加えたときの経過を調査いたしましたところが、次のようにあるのであります。それは各派とも共同でやつたのでありまして、速記録を見ますと、「その次は七十四條であります。本條に條例の制定という文字がありますが、條例の制定の請求ができるが、廃止の請求ができないことになりますので、これを改廃という字句に改めまして、改正もできれば廃止もできるという請求権にいたしたいということであります。」とあつて、これについて委員長から「修正案は各派共同の提案にかかるものですから、討論は省略いたしたいと思うのであります。これに御異議ありませんか。異議なし。」ということになりまして、九十二議会で、各派共同で満場異議なく設けた修正案で決定されたものを、またこれを逆行するということは、ポツダム宣言の日本の民主化の精神にも反するのではないか、どうかこれを現行法通りにしてもらいたい、という希望があるのであります。  それからもう一つは、警察法の二十四條第二項の問題でありますが、これは、憲法にもありますように、日本人民が官公吏に対する罷免権の要求権は、これは固有の権利である、動かしがたい権利であるということになつておりますので、新たに公務員並びに公の委員をリコールする独立立法ができれば別ですが、まだその準備もないときに、新たにこれを設けられまして、特に警察法で進歩的な部分であるところの二十四條を取除くということは、非常に新しい民主的な傾向に逆行するのではないかという意見を私の方へ陳情してきた次第であります。それを当委員会へお傳えしまして、できるならば適当な人、二、三人を証人として呼んでいただいて、この点を皆さんから聽いていただいて、どうかこの点を現行法通りに維持していただくように願いたいということなのであります。十分御審議のこととは思いますけれども、自治労連からの希望もありますので、一應特に委員外の発言としてお願いする次第であります。以上で終ります。

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 ただいま林君からの委員外の発言でありますが、それにつきまして、ここに鈴木自治課長がおりますから、鈴木自治課長から意見を聽くことにいたします。

鈴木俊一総理廳事務官

○鈴木(俊)政府委員 ただいまお述べになりました二点の問題について私から申し上げたいと存じます。直接請求権の問題は今立法のいきさつをお調べのようでございますが、お話のように、條例の制定とありますのを議会の修正で改廃ということになつたのでございますが、これにはやはりいろいろないきさつがございまして、字句の上では制定と申しましても、要するにある條例を改正する條例を制定する、あるいは廃止する條例を制定するということで、制定の中に一切含まれておつたわけでありますけれども、それをよりわかりやすくしようという國会の御趣旨で改廃という言葉がはいつたのでありまして、これは政府原案の直接請求権の範囲を別に拡大をしたものではない。よりわかりやすく平易な言葉を國会において用いて御修正になつたというふうに了解をいたしておるのであります。今の直接請求権と申しますか、條例制定の範囲を制限する問題でございますが、これは先ほど門司委員からも特にこの点について御疑念がございまして、一應政府当局といたしまして、関係方面等との話合いの事情等も申し上げた次第でありますが、重ねて簡單に申し上げますと、大体アメリカ等の州の立法におきましても、ちようどここの例外として取上げられておりますような事項につきましては、一般のイニシヤテイーヴの中から取除かれておるようであります。それはどうしてそういう結果になつたかと申しますと、結局、地方政府を維持するために必要な税金というものは、やはりとらなければならぬのでありますが、それを低くするということは、これはいずれも住民としては異存ないし、そういう趣旨の制限であるならば、これは何人もおそらく賛成であろうと思います。從いまして、調印をとつてそれを議会に提出して、議会で審査をして最終的にきめてもらうということ自体がそう強い意味をもたないのではないか、むしろ当然のことを当然の問題として制限の範囲に入れるということは、これはかえつて無用の手続を來すだけであるというようなことから、今の制限がだんだん歴史的に経験的に変つてきておるようでありまして、そういういき方と歩調を一にいたしました修正と存ぜられますので、政府としては、形の上ではいかにも権利を制限いたしたように見えますけれども、実際問題といたしましてはそういうことにならないのではないかというふうにも考えられまして、やむを得ない御修正じやないかというふうに考えておる次第であります。  それから第二の、警察法二十四條の二項を取除くという点でございますが、これは、警察法第二十四條には都道府縣の公安委員会のリコールの規定があるのでありますが、これはただ法律上の性格論の問題といたしまして、都道府縣の公安委員会は今までは國家機関というふうに考えておりましたものを、自治体の自治機関であるというふうに建前をかえるようにいたしまして、從つて、從來警察法の中で規定をいたしておりましたものを、地方自治法の中に規定をしたにすぎないのであります。その結果、今までの地方自治法の上では、市町村の公安委員会だけは、自治体の機関であるからというので、選挙管理委員会の管理委員と同じようにリコールの規定を置いたのでありますが、今度は、都道府縣の公安委員会につきましては、市町村の公安委員会とまつたく同等に扱うということにいたしまして、從つて、頭に特に市町村のという限定の言葉をかぶせまして、およそ公安委員会の委員に対しては、それぞれの團体の選挙人がリコールができるということにいたしたのであります。ただ、選挙人の請求をいたします範囲につきまして、都道府縣の公安委員会の管轄区域というものは、自活体警察の区域を除いた区域でありますから、從つてその区域の選挙人からリコールの申出をすることができるというふうにいたしたのであります。管轄区域外の住民に対してリコールを認める必要はありませんし、また認めることはおかしいので、そういう制限の規定を設けておるわけであります。

林百郎日本共産党

○林百郎君 もう一度お尋ねしたいのですが、條例の改廃の問題ですが、これは原案の通り、條例の制定の請求の中に廃止することも当然はいつておつたのだから、別に九十二議会の修正は人民の権利を拡張したということにならないと言いますが、九十二議会の議事録を見ますと、中島守利委員長の言葉の中に、「條例の制定の請求ができるが、廃止の請求ができないことになりますので、これを改廃という字句に改めまして、改正もできれば廃止もできるという請求権にいたしたいということであります。」ということになりまして、明らかにこれは、條例の改正と新たに制定するということだけであつたのが、廃止されるという大きな権利の拡張を各派でやつたのであります。ところが、この九十二議会の國会の努力を再び無にするというのが今度の修正ではないかということを感ずるのであります。実は地方税並びに國家の税金の負担が非常に重くなつておりますので、各地方では、適正な税金の負担でしたらもちろん國民はこれを喜んで負担すると思いますが、それが不適正になり、もうその負担能力を欠いた場合には、やはり國民として何とかしてもらいたいという声が起きてくると思うのです。現に今年の所得税のごときは、農村で非常に大きな農民の苦情が出まして、何とか適正にしてもらいたいということが出ておる。これがさらに今度地方税が改正になりまして、いろいろ地方の負担が重くなるということになれば地方税に対する住民の声というものもいろいろ起きてくると思うのであります。やはりこの途を開いてやるということが、地方自治法の民主化の大きな点だと思いますから、われわれとしては七十四條のこのたびの修正案というものは、明らかに人民の声を上達する途を制限し、ますます負担が重くなつてきて、地方民の税に対する適正な意見具申の途を閉してしまうのであるということを感ずるのでありまして、議会としてはぜひこれを現行通り、九十二議会の修正案のように止めておいていただきたいということを感ずるのであります。  それから警察法ですが、ただいまの御説明によりますと、府縣の公安委員のリコールを禁止してしまうのか、禁止しないけれども、請求できる人の範囲を制限したいというのか、今の説明でははつきりわからないのですが、私たちの解釈ですと、これは明らかに都道府縣の公安委員に対するリコールを全然できないようにするというように解釈するのですが、その点をもう一度御説明願いたいと思います。

鈴木俊一総理廳事務官

○鈴木(俊)政府委員 最初の点でありますが、中島委員長の本会議の御説明の御趣旨は、私もそのようであつたと記憶いたしております。ただ政府といたしましては、制定という言葉の中に、改廃ということを含めて提案をいたしたのでありまして、議会としては、制定という文字であるならば、それは制定だけしか意味しないから、一旦できた條例を改正廃止することもはつきりきめた方がよかろうという御趣旨で修正をなすつたように記憶しておるのでありまして、そのねらいといたしました当初の目的においては、政府も國会も何らそこに差異がなかつたのであります。その点言葉の上ではそういうふうにおとりになれるかもしれませんが、政府は何ら改廃は認めないのだということは申してなかつたと思うのであります。実質的に権利を制限することになるという仰せでありますが、確かに形式の上では今申し上げましたように、そういう例外をおくのでありますから、制限にはもちろんなるのでありますが、ただそれが実質上の問題といたしましては、普通の問題と少し違うのではないかということを申し上げた次第であります。もつとも憲法の規定に基きます請願は、請願法によりまして、五十分の一以上の署名というようなものを要しませんで、一人といえども適法に、平穏に請願をいたすことができる、その請願がありましたならば、これまた地方團体としては、適正に処理をしなければならないわけでございまして、これは請願法の規定いたすところでございますから、その請願はもちろん受理せられ、しかるべく処理されると思うのであります。ただこういう自治法の規定によりまして、五十分の一以上の直接請求というようなめんどうな手続で、しかもそのあとの手続が、議会の議決でいかんを決定するという手続は、請願とは違いまして、直接請求というふうに地方自治法の中に書いてございまして、別の問題なのでございます。  それから警察法の関係は、現在の警察法の規定の位置を地方自治法に移しかえたというだけでありまして、何ら現状に変更を加えるものではございません。今のリコールに関する限りは、まつたく規定の箇所を警察法から自治法に移しただけであります。なぜ自治法に移したかというと、今までは都道府縣の公安委員会が國家機関でありましたから、そこで自治法に規定すべきいわれはなかつたのでありますが、この解釈をいろいろ関係方面とも折衝いたしました結果、純粋の自治体の機関というふうにいたしましたので、その結果市町村の公安委員会とまつたく同様に、自治法の中に規定するのが適当であるというので規定の位置を変更したにすぎないのであります。

林百郎日本共産党

○林百郎君 どうも恐縮ですが、第二十四條の第二項を削るというのは、リコールすることをできないことにするという意味にわれわれは解釈しておるのですが、どうなのですか。

鈴木俊一総理廳事務官

○鈴木(俊)政府委員 警察法からはリコールはできない。しかし同じことが自治法の規定によつてできるわけです。

林百郎日本共産党

○林百郎君 そうすると都道府縣の公安委員に対してやる場合は、どれでやるのですか。

鈴木俊一総理廳事務官

○鈴木(俊)政府委員 今の都道府縣の公安委員に対しまして地方自治法の規定によつてリコールができる。今までは警察法によつてできたのが、今度は地方自治法によつてできる。やり方は一切警察法によつて認められておつたものと同じであるというわけであります。ただ都道府縣の公安委員を自治体機関にしたために、変つてきました点はこの点ではない。その他の点にあるのであります。その他の点で議会に、たとえば出席いたしますとか、あるいは請願のありました場合に、都道府縣の公安委員所管のものがあれば、そちらへまわすというようなことであります。都道府縣の自治性を増し、民主的な性格を強めた改正をやつておるのでありまして、権限を制限いたしたとか、民主的なものを非民主的なものにしたとかいうことは全然ない。むしろ逆の議会の御修正と思うのであります。

林百郎日本共産党

○林百郎君 その点私どもの研究とちよつと食い違つておるのですが、警察法によりますと、自治法の八十六條を適用するとあるのを削つてしまうわけですから、リコールできないことになるように思うのです。

鈴木俊一総理廳事務官

○鈴木(俊)政府委員 これは警察法から申すと、そういうことになるのですが、地方自治法の改正のところをごらん願いたいのでありますが、委員会の御修正の案には、地方自治法の八十六條の中に、市町村の公安委員会の委員に対してリコールができるとありますのを、市町村という言葉をとりまして、ただ公安委員会の委員に対してリコールができるというふうにしてあるのであります。こういうふうにしたのは、都道府縣を含めるという意味で市町村という言葉を削つたのでありまして、およそ公安委員会の委員に対しては、それぞれの團体の選挙人はリコールできる、こういうふうにしてあるのであります。

林百郎日本共産党

○林百郎君 そうすると二十四條の二項は削つたが、新しい修正意見によつて八十六條の中へ「選挙権を有する者(都道府縣公安委員会の委員については、当該都道府縣國家地方警察の管轄区域内において選挙権を有する者)」ということを新たに加えることによつて、地方自治法の中でリコール制を新しく設けたということになるわけですか。

鈴木俊一総理廳事務官

○鈴木(俊)政府委員 その通りであります。

林百郎日本共産党

○林百郎君 もう一つお聽きしたいのは、七十四條の問題ですが、私は長野縣の出身ですが、長野縣あたりは税の負担が非常に重くなりまして、國家の税負担が重いところへ、新しく地方のいろいろの税が負担させられてきますので、それも適正な場合はいいのですが、行政措置として非常な不当な場合がいろいろありますので、それに対する澎湃とした人民の改正あるいは廃止の要求が起つてきてくると思うのですが、その途をやはり開いておくことがむしろ治安を維持することになるのではないかと思います。その途を封鎖して、あくまで重い税金を天降り的に押しつけることの方が、むしろ將來の治安が憂うべき状態になるのじやないかという意味に考えられますので、そういう意味で、われわれはあくまでこの七十四條によつて税に対する人民の声を直接率直に議会に反映させる途をどうしても開いておいた方が、治安確保の上からもいいと思うのであります。これを先ほどからの説を聽きますと、手続が非常に煩瑣だということですが、手続が煩瑣ということだけなら、途を開いておいてやつた方がいいのではないか、また國会の方がそういう意思であるならば考慮しようというので、九十二議会のいきさつもありまして、もう一度愼重に御審議願いたいという希望があるのです。その点について一應説明願いたい。

鈴木俊一総理廳事務官

○鈴木(俊)政府委員 重ねてのお尋ねでございますが、七十四條の今の税金の問題についての請願でありますが、たとえば特定の税の賦課が違法であるとか、あるいは不当である。こういうような場合におきましては、これは直接地方税法の規定によりまして、異議の申立その他個々の救済方法は御承知のように定められているわけでございます。それからさらに地方自治法の百二十四條並びに百二十五條に請願の規定がございまして、これが憲法の第十六條の請願ができるという権利の規定を受けて、請願権を百二十四條、百二十五條で規定をいたしておりますが、これは要するに、議会に対して議員の紹介によつて住民が請願できるということを規定しているのでありまして、議会に対する税負担の厚薄についての声というものは、この方法によつて十分に通ずることができるのであります。それからまた一般請願法にとりましても、官公署とございますから、知事なり市町村長に対しても、もちろん税負担の適正であるか適正でないかということについて、制度の問題としてやはり請願ができるのであります。ここで直接請求と申しますのは、そういう請願とはまた手続が違いまして、要するにレフェレンダムなりイニシアテイーヴなり、そういう一つの選挙人としての権利を規定しているわけでありますが、その場合には、今申し上げましたように、そういう單なる請願と違つて、それぞれ一定の手続的行為を必要としておりまして、その場合に、これはやはり英米等の制度におきましても、そういう廣い権利に対して、過去の経験等から申しまして、税金を安くするということについては、何人もこれは異存がないし、そういう趣旨の請願は、それ自体としてはだれも何ら異存がございませんから、そういうことの請願を調印を求めてするということよりも、むしろ具体的に何か異存があるならば、直接請願という手続をやつて、五十分の一以上署名を求めてする運動によつて請求をするということは認めないでもいいのではないか、認めることは結局住民の出費に終るのではないかというようなところからかような制限がよその國では出てきたのであろうと思うのでありまして、われわれ案をつくります場合にも、いろいろ関係方面等からの話もございましたし、われわれも理屈としてはそういうことはほんとうだと考えておりますので、このやうな御修正は、單に権利を制限するという形式的な面からだけ見ますと、非常に適当でないとお考えになるかもしれませんが、実質的な問題として見まするならば、それはかえつで適切な処置になるではないか。経験が外國においてはそういうことを教えておる。それをわれわれも十分反省し考えてよいのではないかというふうに考えておる次第であります。

林百郎日本共産党

○林百郎君 昨日もお願いしましたが、これは当局といくら論議しても意見の食い違いでしかたがない。ただわれわれとしては、これは請願の途があるとか、いろいろな途があると言いますけれども、やはり直接請求権が一番強い、また議会が強力に発動できる途であつて、人民の要望に最も強力に立法府がこたえ、行政府に対して大きな圧力を加えることのできる途だと思う。これを廃止するということのうちには、行政府の官僚的な独善の途を復活させる危險が多分にある。せつかく開かれた人民と國会との間のつながりが、また断ち切られる憂いがあるものですから、先ほどから私申し上げた次第であります。これは見解の相違でいくらやつても限りがないと思います。ただできますことならば二、三証人を呼んでいただきまして、この点について実際に地方自治の事務に携わつている諸君の意見あるいは民間の権威者の意見を聽いて、最後の審議について遺漏なきを期していただきということを実は昨日から委員長にお願いしているだけです。もしその途を開いていただければ非常に仕合せだと思います。それだけ希望いたしまして、私の発言はこれで終りたいと思います。どうも貴重な時間をありがとうございました。

千賀康治民主自由党

○千賀委員 私は大体の質問のときには欠席しておりましたが、きのう労働組合の陳情を聽きまして、相当重大な問題だということがはつきりいたしました。全委員外の林君も請求をいたしましたが、取扱者等の意見を聽くために、公聽会を開くことが適当だと思いまするので、適当にお計らいを願いたいということを進言いたします。

松谷天光光日本社会党

○松谷委員 ただいま千賀委員から御提案がございましたので、重複いたしますから簡單に結論だけ申し上げますが、この七十四條にかかる問題は、地方自治の確立の面からまいりましても非常に重大な問題だと考えますので、でき得るならばひとつ委員長において公聽会の開催を御計画いただいて、公聽会を開きました上で、われわれ委員が愼重審議を重ねて、結論に到達したいと考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 この自治法の改正の問題は相当長く質問を続けておりますので、大体質問の要旨はほとんど各派とも盡きたように考えられますから、質問はこの辺で打切つていただきまして、次に討論をいたしまする前にさらにこの問題については單に七十四條だけではありません。ほかにまだ修正の御意見が質問の中に現われておうたと思いますので、それらの修正意見を全部まとめる関係もありますので、質問は本日で打切つていただきまして、その意見をまとめます間に、ただいまお話のありましたような公聽会を開いていただきまして、でき得るならばこの公聽会は参議院と一緒で開いていただきまして、そうしてわれわれの意見決定の前に参考に供したいと思うのであります。委員長において参議院の委員長と御協議いただきまして、しかるべくお取計らいを願いたいと思います。

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 ただいまの門司君の御意見に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 それでは御異議ないと認めまして、さように取計らいます。  本日はこれをもつて散会いたします。次回の日程は公報をもつてお知らせいたします。    午後零時十一分会散

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