治安及び地方制度委員会 第32号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/05/27
会議録
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。 日程の順序を変更して風俗営業取締法案を議することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それでは変更いたします。関係の政府委員が來ますまでちよつとお待ちください。——それではお諮りいたしますが、この風俗営業取締法案の係がまだ來ませんから、その聞地方自治法の方もともに議することにしまして、補足的の質疑をしていただきたいと思いますが、いかがですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさようにいたしまして、地方自治法の一部を改正する法律案もともに議題に供します。本案につきましては、すでに大体の質疑は終つておりますが、補足的なものが残つておりますから、この際その補足的なものの質疑をお願いいたします。
○松野委員 附則第二條の解釈の問題でありますが、附則第二條の一項、二項とありますが、この解釈について、すでに質問もたびたび出まして、御答弁も得ておりますけれども、はなはだ重要な問題でありますし、また中にいろいろ御意見も出てまいりましたので、もう二度この法文の解釈を明確にされんことを希望します。
○鈴木(俊)政府委員 附則第二條の立法の趣旨を説明いたします。要するにこれは、戰時中行いました合併あるいは隣接町村の編入といつたものにつきまして、戰時中行つたのであるから、その間いろいろと事情の変更等が予想せられる。たとえば、從來市の隣接町村だつたが、そこに新たに軍の工廠ができるとか、あるいは軍需工場ができる、從つて市と密接な関係をもつから市の中へ編入した方がよいといつたようなものが相当あつたと思いますが、そういうものが、その後その工場が戰災で燒けてしまつた、あるいは終戰に至るまでつくらるべき予定の工場がつくられなかつた、從つて今日は依然として純農村で残つておるといつたようなものにつきまして、現在のままの制度では、いわゆるそういう少数派のものは、市会の議決を経て分村をするということは事実困難でありますから、そこで、それらと違つた形において、当該区域の住民の一般投票によつて表わされた意思によつて、分村をすることを認めようではないかというのが第二條の立法の趣旨なのであります。しこうしてこれは前の通りの形に還し得るだけでありまして、前の形と異つた形に還すという場合には、これはやはり本來の地方自治法の合併の規定を適用するのでありまして、たとえば五つの村が合わさつた場合に、その五つの村が五つのばらばらの從來通りの村になる、あるいはその中の一つだけが從來の区域をもつて從來の村に還えるというような場合にのみこの規定が適用になるのでございます。なお字句的に申し上げますと、第一項に「昭和十二年七月七日から同二十年九月二日に至るまでの間において、市町村の区域の変更があつたときは、その変更に係る区域の住民は、第七條の規定にかかわらず、」とございまして、要するに編入された旧村の区域が一つの單位になるのであります。そこの区域の住民が請願をするわけであります。その請願の必要数は選挙人名簿に登載されている者の総数の三分の一以上の者の連署でなければいかぬ。相手方は市町村の選挙管理委員会であります。その請求がありましたならば、三十日以内に選挙管理委員会は投票に付さなければならないのであります。その投票に関しましては政令で特別の定めをすることになつておりますが、原則として選挙に関する規定がそのまま適用になるわけであります。その投票におきまして週半数の賛成がありましたならば、それを選挙管理委員会から知事に報告し、知事が議会に相談をいたしまして、議会の議決を経て初めて今の分村ということが可能になるわけであります。なお財産がございましたならば、その財産は、分村を施行する日において現に存する限度の財産を、新たに生れ出る旧村に対して落選しなければならないわけであります。なお請求は、長い期間認めますと、市町村の性質を害し、自治の平穏をきずつけることになりますので、この法律の施行の日から二年に限るということにいたしたわけであります。
○松野委員 ただいまの御答弁は明確に拜聽しましたが、さらに財産分配の場合、分配できざる不動産のような場合には、いかなる方法によつてこの分配をやるか。 第二点は、特別市の場合には、該地域と申しても特別市のみならず、縣下全体の投票ということを記憶しておりますが、この場合には、それと違う方法だが、これに矛盾はないか。 第二点は、結局これは住民が投票しても、直接請求の効能しかない。なぜかと申せば最後議決は議会にあるということになりますので、この点の矛盾が相反したる結果を招いたときは、いかなる処置をとられるか。この三点についてもう二度御答弁を願いたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 財産処分の関係でありまするが、これは法律上は現に存する限度において、現に存する市町村から泊村に対してその財産を返還せよというのが法律の規定であります。しからばどの程度が現に存する限度かと申しますれば、これは流動財産であつて、すでにその後形をかえてしまつておる。たとえば個人に交付してしまつておるようなものは、もちろん還りませんので、結局現に存する市町村有の財産について言うわけであります。その市町村有の財産を、從來旧村が所有しておりました財産で、それが現に存する程度においてこれを返還するというわけであります。 現実の尺度として、何がしからば現に存する限度かと言えば、やはり当該の議会すなわちこの場合は現に存する市町村の議会がこれを議決いたしまして、その議決によつて具体的にきまつてまいるわけであります。その処分にもし不服がありましたならば、それは裁判によつて公正な結果を得ちようにしようというのがこの制度であります。 それから第二点としては、特別市の場合とこの場合との関係が少し食い違つておりはしないかというお尋ねでありまして、これはまさに仰せのように、制度的には特別市の場合は全体の府縣の区域の投票にいたすのでありますが、この場合にはある村を編入いたしました市全体の投票ではありませんで、その編入された村の区域だけの投票で、分離決定するのであります。従つてまさに両者いき方が違うのでありますが、一方特別市の方は縣と同格の性質をもつた團体、要するに縣と同位におかれる特別市という團体を設けることであつて、いわば新たに府縣をおくと同様の重要性をもつた問題でございます。これに反して市町村の分離の方は、その府縣の中において府縣に包括されるその市町村の分離という問題でございますから、やはりそこにおのずから重要性が違う。現在の制度におきましても、府縣の設置廃止、あるいは特別市の設置廃止ということはすべて國の法律でやつて、なお住民の一般投票、こういう形になつておりますのに対して、市町村の方はただ行政処分でいく、こういう形に原則が今なつておりまして、この点で見ましても都道府縣の場合と、そのもとにある市町村の場合とでは制度上の取扱いも違つておるわけであります。そういうわけで、この場合も市町村の場合は全体の区域によらないで、その区域の住民の意思を端的に聽いた上で処置をしよう、こういうのであります。 それから第三にお尋ねの直接請求の結果、当該村の区域では賛成をしたが、府縣の議会の方ではこれを拒否したという場合にはどうなるかという御趣旨のお尋ねでございましたが、これは府縣におきましては、その市町村の当該区域の投票の結果を十分に判定をいたしまして、すなわち一体有効投票がどのくらいあつて、賛否がどのくらいにわかれておるかということをよく檢討をいたし、また関係の市会、町村会等の意向というようなものもこれを明らか事にし、その他諸般の事情をよく檢討いたしまして、縣の議会として決定をいたすことでありますから、その縣の議会の決定がありましたならば、やはりそれが終局的な一つの決定になるわけであります。
○松野委員 その縣の議会が市町村の投票と相一致する場合には問題はありませんが、それが相一致しない場合が多々あろうと存ずるのであります。もう一つは、やはり合併した以上数年間の間、自治体として経営をやつていき、あるいは運営をやつてきた以上、そこに分離した方じやなく、合併した方の市町村においては大きな影響を來すだろうと存ずるのでありますが、この場合は合併した方の意思のみで一方的に自由に分離ができるというふうに解釈されますし、この点はたして両方公李な立場において利害相並立させ得るというわけにいかないように私ども感ぜられますが、この点についていかなる御処置があるか、また議会の決定と違つた決定があつた場合はどうなるか、はなはだ抽象論であるかもしれぬが、一應心配して申し上げます。
○鈴木(俊)政府委員 御心配になります点はごもつともな点だと存じますが、当該市町村と編入せられました旧市町村との利害関係というものは、うまくいつております所では問題ないと思いまするが、そこに紛爭的な問題が起つておりますところでは、やはり両者の利害が相反するわけであります。しかしその両者の全体を含めました区域の投票ということにもしいたしますならば、やはりそういうものは多く隣接町村でありまして、少数派ということが考えられますので、そういう場合には投票をいたしましても、結局少数派の意見としてその区域の住民が一体どう考えておるかということが明瞭にわからないわけでございます。そこでともかく編入をせられました村の区域の住民の意思として、これは一体どれだけの者が分離を望んでおるかということを明らかにする意味で、やはりその区域だけの投票ということにいたしまして、それをいま一段高い段階にある府縣の議会が、客観的に各種の資料等も参考にして判断してきめていく、こういうことになるわけでありまして、その議会の決定に対してはかりにそれが関係区域の投票の結論と違つた決定がございましても、その決定は一つの議会の適法な措置として定まつてくることになるわけであります。
○千賀委員 この法案はかつて軍閥——日本のいわゆる指導者が無理な政治を地方に強いてきたから、それを是正するためというような意味が含まれておるかもしれませんが、地方の市町村で合併をされる場合を考えてみますと、あるいは地方に大きな工場ができたため、しかもそれが軍に関する工場であつて、その工場に至る鉄道幹線から道路等のごとき、あるいは引込み線のごとき、大きな都市と関連をしなければ、なかなか縣道、市町村町に思うような修築を加えることができなかつたり、あるいは鉄道線路に対する大きな負担をすることができなかつたということで、あるいは一部分はそうした戰爭指導者の圧力のかかつたこともあつたかもしれません。しかし大部分は市町村が合併をいたしました原因は、それではなくて、都市計画のいわゆる区域制等の示唆が大きな原因をなしておるのであります。これはだれがやつたかというと、決して市町村みずからが好んでやつたわけではなくて、その都市計画を認めさせるもとというものは、大体以前の内務省におきましてその係りが図上においてそれぞれの好むところの計画をいたしまして、それを市町村に慫慂してきて、その議会にのましたということから都市計画が制定をされた場合が多いのであります。そういうような場合は、特に近隣の町村が合併をせられたり、一部分が編入をせられておつたり、その都市計画の中に区域として指定を暮れておつたり、その原因が市町村の合併を促した一番大きな原因だと思います。しかしてさような場合に起る合併といたしましては、大体合併條件なるものが、小さい買われていく方の土地と、買う方の土地との間に公約をせられまして、合併條件として学校をつくつてやるとか、あるいは道路をつくつてやるとか、いろいろな方法が仕組まれまして、大きいのむ方の市町村におきましては、百年の計を考えて、えらいけれどもやつてやろうということで、その方面に特に多大な施設が敢行せられまして、実に社会全般の運行から見ると不合理であつたり、不経済であつたりするようなことまでが、將來のため、將來のためということで、その大きい方の都市の血税というものは、ここにあきらめさせられて、そちらに投下されておる実情が非常に多いのでございます。これらの事情が合併せられた方の小さい区域の住民にほんとうに徹底をしておれば、よもや今となつてこういう法律が布かれましても、わかれた方がいいということはなかなか義理合いずくでも言えまいと思いますけれども、どんな方法とか、どんな形かによつて、煽動的な指導原理で、その小さい方の住民が踊らされて、わかれた方がいいのだというようなことにうつかり乘つてまいりますると、ここに五年なり八年なり小さい部落を合併して、これに大きな條件で負担をしておつたところの住民の利益というものは、むざむざと蹂躙をされてしまうのであります。民主政治の要諦から申しましても、小さい区域の住民の意思を尊重し、この権利を擁護することはもちろん大事でありまするが、それにもまして、もつと大きい、もつと数の多い、もつと区域の廣い所に住んでおる住民たちが、ただいま述べましたような理由でその望みを蹂躙され、今までの投下資金をまつたく烏有にさせられるということはなおさら愼まなければならないところであると思います。 〔委員長退席、門司委員長代理着席〕 この法案によりましては、さような場合でもなんら仮借するところなく、いとやすやすと小さい方の部落が決議さえすれば、施設の持逃げをすることができるので、これは私は政治を上から見る方の立場から言いますと、決してとるべきではないと思います。何かここに話合いのつくべき指導方法を残すとか、何かなければ、さような問題が起つたときに、実に深刻なる怨恨を残していくと思います。このくらいのことは戰事の大きな犠牲として当然じやいかという言い方もできるかもしれませんけれども、戰爭が済んだころにはまだ大きな犠牲でも、人の無のつかぬうちに拂わせられても済んでおつたのでありますが、すでに戰争が済みまして三年経つておる。今日はだんだん人の心も落ちついて、生活が苦しくなるに從つて、おのれの身辺あるいは村その他の利害関係を詳細に打算をする時代になつてきたので、かような問題がたやすく取上げられて、大きな方の住民にいろいろなセンセーシーンを起しますことははたしてどうか、私はただ反対理論を述べるためにかく言うむのではありませんけれども、合併された町村がなんでもわかれるのだといつてその区域がわかれようというときに、これに大きな犠牲を拂い、大きな望みをもつており、多数を擁しておる市町村が少しの意思表示もできないということはどうかと思う。何かここに話合いをつけ、妥協性を附與させるだけの條件が残されなければいけないじやないかと思いますが、この点につきまして当局はいかなる配慮をせられるか、また実際問題が起つてきたときに、その両者の間に立つてただ成行きに任しで傍観するだけか、この間に何か調停をとるべき自信なり、指導原理なりを持合わせておいでになるか、その点を伺いたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまお尋ねのございました相当の大きな市に隣接の町村が併合せられまして、その市の全体の施設として、編入せられた新しい町村の区域の方面も、いろいろ市としての施設を行つておるという場合に、これを分村するということになると、市の方の全体の税金を多分に注ぎ込んでつくつたそういう施設が、みすみすそのまま新たにわかれて生れる町村のものになつてしまうのは、非常にその間妙な恰好になりやじないかというようなお尋ねのようでありますが、財産処分は、その隣接の町村を編入しました現在あるその声の議会の議決によつてきめるのでありまして、今の新たに生れ出るその町村の分離が成り立つて、町村会議員ができて、その議会が勝手にきめてとつてしまうというのではなくて、やはり旧と申しますか、市の全体の議会が現にある財産をいかように処分するかということをきめるのでありまして、ただその際に返還の義務を命ぜられておりますのは、前の編入の際に処分した財産があるときは、その財産が現に存する限度でこれを返還しなければならない、こういうわけでありまして、編入後において新たに市として施設せられたいろいろの財産は、今の市の議会において全体的に二つの市と村の間にどういうふうにわけるかということをきめることになるわけでありまして、御心配になるようなはなはだしい結果というものはまず起らないものだというふうに考えます。
○千賀委員 そこが私ははつきり受取れないのであります。編入のときに持つてきた財産は、むろん小さい方の部落が持つている積立金とか、あるいはそこの部落にあつた学校とかいうものだと思いますが、これが併合した市の財産になつているから、これを還してやろうということは当然でよくわかるのですが、そういうような財産として見積ることのできない港湾の施設であるとか、道路であるとか、橋梁とかいうような、都市の機能を発揮させるいろいろな施設を持つて帰つていくというときに、その土地についているので、これだけはずして残していけとか、あるいは行つてしまうのなら残つた都市で利用するのだというようなことはできない。これは非常に金がかかつておりましても、再びその建設費に対して財産としてこれを見積ることができないと思いますが、その後こういうようなものからあがる経費は、わかれてしまつた部落に收納されるとか、あるいは経費があがらなくても、それによつて得られる利便は、わかれてしまつた部落の永久専有物となつて、そのために起る町の発展であるとか、あるいは人口の増加というもの、これからくる租税の收入のごときも、これは前に投資をした市の方では指をくわえているばかりで、全然手を染めることができない。そうした税金のあがるような原因はだれがつくつたかといえば、大きな方の都市の住民がつくつたのだ、こういうことになりますと、恨みは永久に残るだろうと思います。政府があんなばかな法律さえつくらなければ、おれたちはあれほどひどい目に遭わないのだ、こう言うと思うのですが、日本は敗けたのだからしようがないけれども、ちようど日本が樺太や琉球を見るような気持になつて、大きな都市は始終朝起き夜寝る間も、これを鼻の先で見せられたら、これは深刻な民族生活のひびがはいるだろうと思います。これに対して一向配慮が注がれていない。またこの点を解決するような点につきましては、今の御説明ではいけない。今の御説明では、学校をつくつたとか、積立金をしたとか、目に見えたり、簡單に移動することができるような、あるいは公会堂をつくつたというようなものは、これは計算しやすいのでありますが、先ほどから申しておりますそういうものと種類の違つた投資に対しましては、そのようにうまくいかない。その点はいかがでしようか。
○鈴木(俊)政府委員 お話のように、たとえば旧村が小学校をもつておりまして、その小学校のために特別の基本財産を旧村がもつている、それを編入せられた市がそのまま引継いでおりました場合には、その旧村の学校を維持するための特別基本財産というものは、これは旧村を新しくつくり出すときにはそのまま還してやるというのが、ここの規定の意味でございまして、今お話のございましたような、たとえば道路とか、港湾とか、こういうようなものはやはり結局において負担の関係ではあるいは道路の維持事務の組合をつくるとか、あるいはもしその港湾等が両者密接な関係がありますものならば、市村の協同組合をつくるとかいうようなことで、その分離についてのいろいろの自主的な善後措置というものは、やはりこれは別個の問題として考えていかなければならないと思うのであります。その善後措置はどういうふうにできるかといえば、その当該の市町村の議会、編入をしております市の議会でつくるわけでありますから、その決定というものはそう市の方に不利益なような決定にはならないじやないか、やはり全体的にそういう営造物の効能を発揮できるような考え方でそれが行われるんじやないかと思うのであります。もともと分村というものは、一つに命の繋つたものを断ち切るのでありますから、そこにいろいろと無理が出てくるのは当然でありますが、それがわかれるということは一般投票と、縣会の議決とできるけれども、財産の方はやはり旧市の議会が議決権をもつておるのでありまして、村だけが勝手に自分の好きなものだけとつていつてしまうというわけにはまいらぬのであります。
○千賀委員 どうも私の心配しておることは解決されぬようであります。たとえば学校にいたしましても、合村をしてくる方に五学級の学校があつた、その後はいつてもらつたお駄賃と申しましようか、合併條件としてその学校を十学級にした。ところがはいつてきた方の村には十学級に相当する生徒数はない。合併せしめた方の親村の方にある区域の生徒を五学級そちらへもつていつて入れた、こういうような場合も非常に多いのです。そういうときにその合併した市の方から五学級つくつてもらつて、十学級になつたという学校は、そのままもつていつてしまうのか、あるいはその中で五学級分だけは市の財産としてそこに残して市の子弟をそこに入れるというような取扱ができるものか、または港湾のごときも村の区域に市費でつくつたけれども、その港湾は依然として市有の港湾ということをその議会が宣言をして、その港湾から取上げられる利便とか、あるいは実利というものを收納する、あるいは市有にすることができる、さように市会が決議をしたといたしますと、そういうことは可能になつてくるものか、その決議は無効になるか、それはいかがですか。
○鈴木(俊)政府委員 ただいま御説明の学校関係の措置でありますが、これは今のような場合におきましては、その学校を維持するための学校組合というものをつくつて、從來通り学校に関する限りは経営していくというのが、一つの考えられる方法でありまするし、あるいはまた兒童の教育事務を隣接の村に市が委託することも考えて考えられないことはない。そういう委託契約を両者の間に公法上の契約として結んで処理していく。負担関係もその契約できめるということも考えられるわけであります。市会の議決としては今申しましたようなことをすることももちろん適法に考えられるわけであります。
○千賀委員 そこで市会は今申したような議決をした。村会の方ではあの学校は俺のものだ、この港湾は当然俺のものになるのだ、この村の資産であつて、またこれを操縦する権能並びにこれから生ずる利益も俺の方で全部收めるのだという決議をいたしまして、両決議が相反したときにはどういうことになるか、それを御説明願います。
○鈴木(俊)政府委員 新たに生れた村と市との両者の議決が食い違う場合におきましては、その学校組合をつくることはもちろんできないわけでありまして、これはやむを得ないわけであります。そこでそういう場合は、結局市としては、やはり学校組合をつくるということが一つの処分の方法でありまするし、またもし相手方の村がそれを望まないということであるならば、それを何らか別の方法で処理するという議決を議会としてはするでありましようけれども、もしそれをしないならば、結局返還しなければならないというこの第六項の規定はありますけれども、市会の議決を経て現実に処分が行われない間は、なお返還の措置は行われないわけであります。いずれにいたしましても、最終的な措置は裁判所において公正に決定せられるという結果になると思うのであります。、
○千賀委員 この第六項にありますものは、村がいくときに市の方にもつてはいつていつた。それを当然市の方が返還すべきものであるという規定でありますから、今のような場合には、準用のできないものだと思うのであります。そこで私が言いましたのは、今の答弁ではまだ満たされておりませんが、両方の資産が、市の方で村が編入されおる期間の間に、どんどん投下されていつた。その資産の所有権あるいは運用権その他につきまして、両者の議会の決議がどうしても相反したときには、この法律としてはそれ以外にまつたく手がないのか。この法案においてはそのことは予想していなかつたのか、それを併せて伺いたいと思う。さような場合に、上級議会あるいは官廰、縣知事とか縣会とかいうものがこれを仲裁する権能をもつておるか。責任をもつておるか。それでなければ、ただちにそれは裁判に移るものか。そこはどういうふうになつていくのか。これを御説明を願います。
○鈴木(俊)政府委員 今申し上げましたような営造物の管理を、市がわかれた場合に一体どうするかということは、結局市の事務の承継ということでありまして、いわば個人の場合の相続と同じ問題であります。この関係のことはやはり一般的に事務の引継ぎについては政令で定めるという根拠規定がございまして、それによつて地方自治法の施行令の中に今のような場合の承継の方法が規定をいたされておるのであります。施行令の第五條に、廃置分合がありました場合には、所轄行政廰が事務の分界を定めて承継のことを定める。大体区域によつて承継区分を定めるが、それが困難なような場合には、所轄行政廰が事務の分界を定めるということになつております。所轄行政廰というのは縣知事であります。
○笠原委員 ちよつと百七十六條について確かめてみたいと思います。四項、五項でありますが、これは施行令に規定してあるかもわかりませんが、四項は、公共團体の議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、團体の長は、理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせねばならない、こういうことになつておりますが、この議会の議決の方が会議規則に違反し、または法令に反するということが認められた場合におきましては、いずれの場合においても團体の長はこれを評議に付さなければならないものであるかどうか。それから選挙の方の場合におきましては、おそらく選挙法の違反が出ておりましても、全部の場合におきまして再選挙を行うわけではないと思うのであります。これはおそらく選挙法に讓りまして、選挙法に選挙違反がありましてもなお再選挙を行わなくてもいいとある場合におきましては、行わなくても差支えない趣旨ではないかと思いますが、その点をひとつお答え願いたいと思います。 それから次の第五項の再議の場合になつてまいりましたとき、この團体の長は、再議の議決を再び重ねてやつた場合におきましては、その議決を尊重いたしまして、そうしてこの裁判所の出訴の方はやめるということもできるものであるか。あるいはまた法令の違反でありまするから、この違反の事実が再議された場合におきましては常に出訴いたしまして、そうして法の適用をして糾さなければならぬということになるのであるかどうか。ひとつその点もお答え願いたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまお尋ねの選挙が違法でありました場合、これは必ず再選挙に付さなければならないかどうかということでありますが、これは現在の百七十六條の第一項に、議会の選挙が違法である、あるいは権限を超えており、会議規則に反すると認めたときには、再選挙を行わせなければならないということになつておりまして、その選挙が違法であるか、権限を超えておるか、あるいは会議規則に違反しておるかどうかという認定権は長に任されておりまするから、長として客観的には違法であつても、違法の選挙とは認めないという場合には、再選挙を行わせないでいいわけであります。しかし長が見るところ違法であるという場合には、心ず再選挙を行わせなければならないというのが百七十六條の趣旨でございます。 第二点のお尋ねの、再議に付せられました議決がさらに違法である場合、これも認定権は長に任されておりまするが、その議決がさらに違法でありまするならば、これは議会を通して裁判所に出訴することができるということであつて、長が注意して再議決に付したけれども、議会がなお違法でないとして再び同じ議決をした場合におきましては、結局議会の認定権と、長の認定権のいずれを強く見るかという問題になつてまいります。そこで法律の方では、長に必ずその出訴権を與えるということはしないで、長が議会の認定を正しいとして默つておるならば、それは默つておつてもいい。長が二度もやつて、なおかつ議会の議決が違法である、自分としてはあくまでも爭い出たいという場合のみに裁判所に出訴することができる、こういうことになつておるわけであります。 それから前段のお尋ねの選挙という意味は、議会における選挙のみをここでは申しておりまして、一般の市町村会議員なり、市町村長の選挙はここでは意味していないのでございます。
○門司委員長代理 お諮りいたします。本日はこの法案の審議はこのくらいで打切りまして、そしてせつかく当局もおいでになつておりますので、次の議題になつております風俗営業取締法の質疑を行つていただきたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門司委員長代理 それでは風俗営業取締法案の質疑を行います。笠原君。
○笠原委員 時間がありませんから、ひとつ簡單に申し上げます。この法律の中では法律の目的は明示してありませんが、風俗営業取締法というそれ自体によりまして法律の目的というものも大体におきまして推量できるのでありますが、そういう意味合におきまして、なぜ目的を法條に掲げなかつたかという点を第一にお尋ねしたいと思うのであります。 それから第二に風俗営業の中に、こういうふうなものは営業ではないのでありますから、はいらぬことになるかどうか、たとえば会社あるいはいろいろの團体におきまして、クラブ組織のものをつくる場合がある。またそうした團体でなしに、各人が寄りまして、ダンスの練習所であるとか、あるいはまたクラブというような名称によりまして、ここに掲げるような行為をやる場合におきましては、もちろん営業の範疇にはいらないのでありますから、私はこの法律の取締り外だと思いますが、その点の御見解はどうか。これを伺います。 それから第一條の第三項でありますが、この中に「玉突場、まあじやん屋その他の設備を設けて客に射幸心をそそる虞のある遊技をさせる営業」とありますが、これはかなり似かよつたような仕事を現在やつておるところもある。たとえば宝くじの販賣とか、その他それに似かよつたものをやつておるところがありますが、もし利益を目的とする場合におきましては、宝くじの販賣なんかも、この中にはいるかどうかということを第三点としてお伺いいたします。 それから第二條の都道府縣の條例でございまするが、手続の問題はもちろん都道府縣においてきまると思うのであります。もしこれによりまして、市町村の公安委員会を、経なくても都道府縣の公安委員会の許可を受ければいいという條例ができましたならば、おそらくそれでもいいのではないかと思うのですが、その場合におきまして、自治体警察ができておりまするから、建前上やはり二重式の許可にまでする予定であるかどうか。この点を一つお尋ねしたいと思うのです。
○武藤説明員 お答えいたします。第一点の法條に目的を掲げなかつた理由でありますが、これは非常に短かい條文でありますし、大体この條文の中におのずから趣旨が明白であると思うのでありまして、特に掲げなかつたわけであります。 第二は、会社、國体などのクラブ式のものはどうか、あるいは各人が集まつてダンスの稽古をするという場合はどうかという御質問でありまするが、この点に関しましては、純然たるクラブ組織で相互にダンスをやつたり玉突をするというものは、営業行為でないとしてここに入れません。もちろんクラブ組織であるが実は内容的には営業行為と同じような場合がありますが、そういう場合には営業行為として取締りをする。純然たるクラブ組織のものでありますれば、これには該当いたしません。 第三に宝くじのお話でありまして、お話はおそらく勧業銀行で発賣している宝くじのことではないと思いますが、街頭などで賣つてるもので賭博に該当する場合は、刑法に触れるものとして当然できないことであります。
○笠原委員 東京都の復興くじあたりは………。
○武藤説明員 あれはそれぞれ臨時資金調整法によつて許可を受けてやつております。それから最後の都道府縣の條例で自治体の場合には二重の許可になるかというお話でありますが、條例を定めるのは当該府縣ですが、許可はそれぞれの公安委員会のみでございます。從つて市町村の自治体警察のあるところは、そこの公安委員会の一本の許可ということになるわけであります。
○松澤(兼)委員 ちよつとお尋ねしたいのであります。これは変な質問になるかもわかりませんが、風俗営業取締法というものは、國家地方警察ばかりでなくて、もちろん自治体警察にも適用になるものかとも思うのですが、こういう法案を國家地方警察において起草するということは、便宜上のことでありますか、それとも何かもつと根拠があつてなさることでありますか、審議の前提になることでありまするので、一應それを確かめておきたいと思います。
○武藤説明員 お答えいたします。これは政府として提案をいたしております。われわれは政府の事務当局として立案等にあたつているわけであります。
○松澤(兼)委員 この風俗営業取締法という名称であります。こういう名称は前から警察において使われておつたものであろうと考えるのでありまするが、同時にまた警察において風紀営業ということも使われておつたと思います。風俗営業と風紀営業という二つの言葉を並べてみました場合には、どうも風紀営業と言つた方がよくはないかと考えるのでありますが、特に風俗営業というふうな文字を使われましたその理由を承りたいのであります。
○武藤説明員 お説の通り從來から風紀警察等の言葉を使つておりましたが、從來風紀警察として扱つておりましたことの中には、相当廣範囲にわたつておることがございました。ところがここで申し上げておる風俗営業は、特に風俗あるいは廣く風俗犯罪の予防といつたような見地を特に取入れて、これに関係あるものに範囲を限りました。たとえて申しますれば、この中で普通の飲食店等はこれをこの取締法から除外する等、相等局限をいたしております。從つて從來のいわゆる風紀警察の名のもとに行われていたものよりも、ずつと範囲が狭いもの、局限されたものといつた意味で、風俗営業という言葉を用いたのであります。
○松澤(兼)委員 それではこの機会でなくてもよろしいのでありますが、大体風紀警察の対象となる営業と申しますか、行為と申しますか、そういう範囲と風俗警察の対象となる営業なり行為なりというものはどういうものであるか、どういう点で食違いがあり、どういう点では同じであるということを、何かあとで書類にでもして出していただいたら非常に結構だと思うのであります。これをお願いいたします。この法文を読んで見まして特に感じますことは、当然こういつた接客的な、もしくは社交的な営業というものを取締る根拠として、こういう法律が必要であるということはよくわかるが、ついでにお尋ねいたしたいことは、たとえば特殊喫茶というような名義で、從來かごの鳥と言われておりました娼妓などが一應解放された形になつて、特殊喫茶というような形をとつているのでありますが、これらは当然取締りの対象となるものであると考えるのでありますが、しかし單にそういつた特殊喫茶あたりで、喫茶ばかりでなくつて、いわば密淫賣をやるというような行為は、別の法律によつて取締られることと存じますけれども、この中で何ら言及していないということはどういう理由でありますか。ついでにたとえば社交喫茶というようなものは、純喫茶と多少違つた意味をもつているんだろうと思うのでありますが、社交喫茶というようなものは、「カフエーその他」といつたようなところにはいるものであるか、あるいは二の「キヤバレー、ダンスホール、その他」というところにはいるものでありますか、いずれにいたしましても、これは当然取締りの対象になることであると存ずるのでありますが、どういうふうにお考えになりますか、承りたいのであります。
○武藤説明員 特殊喫茶につきましてはもちろん、それからただいまのような社交喫茶、婦女が客席で接待するというようなものであれば、たとえ喫茶店という名前を使つても、これらの特殊喫茶、社交喫茶というものは第一條の第一号の適用をされるものであります。なお場合によつては別に賣淫賭博取締規則という法律によつて取締りをいたしたいと思います。
○松澤(兼)委員 もう一つ、この法案とは直接関係がないわけでありますが、いわゆる最近非常にはやつておりますエロ雜誌、エロ新聞などでありますが、これなどは嚴重に取締らなければならないと存ずるのでありますが、この法律そのものとは関係がありませんが、現在出版されておりますそういつた風俗を乱す出版物などが、どの程度に盛んに行われているかということに対する御説明を願いまして、審議の参考にしたい、こう思うのであります。これはもし本日できなければ、次の機会でもよろしゆうございますが、なるべく詳細に承つてみたい。あるいはそれの取締りの根拠と申しますか、あるいは現在の取締法規では十分でないとか、あるいは新たなる取締りの法令を考えているのかというようなことにつきましても承つてみたいのであります
○武藤説明員 エロ雜誌、エロ新聞のことでございますが、御承知の通り檢閲制度が廃止されておりますので、現在は刑法の規定によつて風俗壊乱といつたものに該当するものとして、これを刑法の規定によつて檢挙いたしております。あるいはまた用紙の割当等の関係で、やみの紙等を使つている場合には、経済違反といつた問題も、それに関連してまいりますが、要するにこういつたものにつきましては、現在におきましては刑法の條項に從つて取締りをいたしているわけであります。 現在までどのくらいの件数があがつているかということは、後日資料をもつてお示しいたしたいと思います。
○松野委員 あるいは質問が前に戻るかもしれませんが、風俗犯罪の発生を防止するを目的とするというこの提案の理由ですが、どういうことがいけないので、特に風俗取締法を出すかという点を一應お伺いしたい。たとえばこの中に射幸心を唆るのはいけない、あるいはどういう惡ふざけをするのはいけないという、この目的自身がはなはだ私にははつきりつかめないのであります。ただいまの御質問のように、もつとほかに雑誌により、あるいは映画演劇により、その取締りの対象たるべきものは多々あるかもしれませんが、主眼として一体どういうわけで、こういうものを出すのかその根本をひとつお伺いして今後の質問の参考にしたいと思います。
○武藤説明員 警察の立場といたしまして、刑法の風俗犯で最も実質的内容をなすものは、端的に申せば賣淫と賭博でございます。こういつたものがこの種の営業にはとかく起りやすい。それで犯罪が起つてからこれを一々檢挙するということから、さらに一歩進んで、防犯的な見地から、ふだんからそういつた営業における賣淫なり、あるいは賭博というものをある程度未然に防止するために、警察としてこの種の営業には、ある程度目を通すといつた制度を考えることが必要であるという趣旨から、この法案を提案した次第であります。
○松野委員 ただいまここに列挙されておりますのは、賣淫、賭博の起りやすい場所という意味に一應了承いたしますが、他においてもこれ以上の危險性があるようなものが見受けられるように思いますが、それにもかかわらず、これのみを対象として特に列挙して取締るという御趣旨は、どういう点にあるのでございますか。
○武藤説明員 最も起りやすい、最もその危險性のある業態というのは一應網羅したつもりではございます。他にあると申しますれば、それはたとえば旅館とか何とかをお考えになつたのではないかと思いますが、旅館については、從來警察の許可営業となつておつたのであります。これは別に厚生省方面において旅館の取締りと申しますか、旅館関係の法律案を作成中でありまして、その中に警察としても、ある程度関與できるというようなことを立案中であるので、旅館というものをこの法律案からは削除いたしました。大体そういつた意味で、おもなものはここに網羅されておるのではないかと考えております。
○松野委員 ただいまの御意見も、それはその通りなのであります。私はまだこのほかに営業として認め得られるかどうかわかりませんが、風俗上当然取締るべきものが、多々巷に溢れておるように考えておるのでありますが、こういうものも風俗営業という言葉に入れたのではどうかと存じますが、風俗取締りの対象としてはまだほかに目前にあるものがここに抜けておるということを私は御質問申し上げたのであります。
○武藤説明員 大体おもなものは網羅しておるのではないか、あるいは個人の職業として、こういつた危險性のものがあるということをお考えになつておるのではないかと思うが、そういつたものはそれぞれの刑法の適用によつてやつていくのが適当ではないかと思います。
○高岡委員 前回の委員会に欠席いたしておりますので、もし重複いたしましたらお許し願いたいと思います。この法律によりまして、待合、料理店、カフエーというものが、都道府縣の公安委員に申請することによつて許可を受けた場合、営業することができるわけになりますが、先ほど松沢委員の御質問に対しまして、この法案の提案理由は政府が單にその必要を感じたから提出したというような御答弁であつたのでありますが、もし関係方面の希望命令でありますなら、また何をか言わんやでありますけれども、ただ單に政府がその風俗風紀の取締りの必要上、この法案を提出いたしたといたしますならば、前にしばしば本治安委員会に料飲業者の開店を迫る熱烈なる要望請願があるにかかわらず、時局柄これを考慮しなければならぬという理由で、政府は臨時措置によつてまだ営業禁止をしておるわけでありますが、その法律とその内容において、幾分齟齬抵触しやしないかという感じをも、たせるのであります。それはここに第一條第一号にもありますけれども、料理屋が許可になつたからといつて、主食等を出してよろしいというわけではもちろんなかろうと思います。新聞紙の傳えるところによりますと、主食あるいは禁製品以外、客が持寄りによつて、その料理屋の席を借りるというような内容であるように思われるのでありますが、それは客が必ずしも持寄るのでなくても、料理店の許可を受けました場合に、その料理屋で主食及び禁制品以外の料理を調理してよろしいのか、もしそうなりますならば、料飲業者の開店の臨時措置令というものは、速やかに一定の制限のもとにこれは許可すべきでないか、何らこの法案と少しも抵触しない一定の線に沿うて、内容を符合いたして速やかに業者の希望を容れて許可してやるべきものでないか、かように私は考えるのであります。それからここにあります客の接待をするところの婦女というのは、もちろん芸妓その他を言うのでございましようが、芸妓というのは私不敏にしてよく研究もしておりませんけれども、今日正式に許可があるのでございましようか、もしないといたしますならば、何らかのここに措置を講じなければならぬのでなかろうか、つまり府縣におきましては、地方財源が御承知の通り非常に逼迫しておりますが、芸妓税であるとか花代というものは今日とつていないと私は考えるのであります。そういう措置を講ぜずして、ただ漠然とこういう項目をお並べになることは、いたずらに業者に疑惑をもたせ、國民に疑惑をもたせ、ひいては風俗の取締りどころか、かえつて大いに破壊する原因になるのでないかとさえ、少なからずこれを杞憂するのであります。この点についてお伺いいたします。
○武藤説明員 飲食営業の臨時措置令は、御承知の通り期間を限つて営業を停止させておるものでございます。営業そのものを取消す、あるいは止めさせておるというものではなくて、一定の期間中停止を命じておるものである。いろいろの食糧その他の事情から、ある期間を限つてポツダム宣言による政令で停止をしておるというものでございます。この法律で申しますのは、その停止されておるところのものとは別の観点から、料理屋あるいは待合という業態の営業そのものの許可という問題をここで取扱つておるのでございます。從來から府縣令できめておつたものを法律でここべ掲げてまいつたわけであります。政令はつまり一定期間その営業を停止しておるというものである。もちろん風俗営業でこの法律によつて許可を受けても、政令があります限りは営業は停止しておるという関係になるわけでございます。 それから芸妓の関係でありますが、芸妓については現在は許可制度になつておりません。これに対しては何らかの措置が要るのでないかというお説でございますが、これにつきましては大体ここでこの法律に取上げましたものは、ある程度の風俗営業の業態の施設をもつたような業態を主としていきまして、個人々々の職業として芸妓あるいはダンサーというものは直接本法の取締りにはいたしておりません。もちろんたとえば料理屋をこの許可制によつて許可しておることによつて、おのずからそこに出入りする芸妓がある程度の制限を受けたりするということは起るかもしれませんが、直接芸妓、ダンサー、そういつたものをこの法律によつて許可制にするということはいたさなかつたのであります。ただいまお話の、税源として云々というお話でございますが、これは私聞いておりますところでは、この許可制の有無にかかわらず、地方では芸妓税みたいなものをとつておるところがあるようでございます。
○松浦(榮)委員 第一は從來風俗営業に関するいろいろの規則があつたのですが、この次の場合にそれを参考に出していただくと非常に都合がよいですが、これだけ読んだのではそれと比較対象してすぐ判断ができないような点がありますから、それを出していただきたいというのが一つであります。 その次は先ほどお話がありましたように、風俗営業というものの中には、そのほか興行場そのほかの例があるのでないかと思いますが、そういうような参考資料がありますれば、便宜がよいから出していたいたきたいと思います。 それからその次の第二條の問題は、公安委員会にこの権限を與えていますが、私はこの公安委員会というものは、どういう権限をもつておるのか、あまりはつきりした認識をもつておらないのですが、公安委員会というのは、警察官吏の首脳部の任免とか、あるいは企画、経営に関する一つの内部的な機関であるようにも私は思つておるのであります。外部に対して憲法上の各自に対する権利の制限とか、禁止とかいうことは、公安委員会はもつていないのじやないかと思います。そういう権限をもつておるのは察警署長ではないか。こういうことを考えておるのですが、その点は、どうでしようか。 それからその次の第三條ですが、第三條は風俗営業のいろいろな準則をすべて都道府縣に一切任しておりますが、これはいつも問題になるので、風俗営業というものは取締りがなかなかむずかしいのです。各地まちまちにやりますと、いつもそれがあちらでは許されておるが、こちらではどうだ、たとえて言えば、北海道ではこんなことが許されているが、東京では許されていないということが起きたり、東京ではこんなことをやつているが、あちらではこんなことをやつているというように、いつも問題が起きやすいのですが、大体の準則がなければならないと思う。その準則というものは大綱だけは示してやらなければいかぬと思います。私はそういう感じがいたします。 それからもう一つの問題は、從來の料理屋の取締りは、食糧の立場から、たしか厚生省関係で、保健所かあるいはその他の警察機関以外の機関でもつて許可を與えているはずです。そうすると二重の許可を得なければならぬことになるが、その点は、どうでしようか。警察署の許可と保健所の許可——たしか職業安定所かどつちかの許可を受けているはずですが、その両方の許可を受けなければならぬという問題が起ると思います。それは一方でいいのか。あるいは両方受けなければならないのかという問題が起きます。 それからもう一つの問題は、裏口営業が盛んに行われていますが、そういう問題に対する当局の取締りの方針とか、見解をこういうふうにもつておられますか。持寄りにすれば許すということになれば、ほとんど公然と行われても差支えないようなかつこうになりますが、そうかと言つてまた嚴重に取締ると、なかなか脱法行為が行われて、むずかしいという点があり、この裏口営業に対する取締りはなかなかむずかしいと思います。これに対してどういうような見解を当局はもつておられるか。そういう点をお知らせ願いたいと思います。
○武藤説明員 第一点の関係法令ですが、これはできるだけやつてみたいと思うのです。なんとなれば、実は地方廰の府縣令でつくつているものが非常に多いのです。この項目を列挙して、できるだけ御期待に副うものをつくりたいと思います。 それから興行場のことですが、先ほどの御質問の方のと関連すると思います。これは御承知の通り興行場における危害とか、いろいろな関係がございますが、興行場については、これは厚生省で、別個の法案を立案中でございます。もちろん警察として、これに関與するものがちようど先ほどの旅館のごとく出てくる。こう考えております。 第二点の公安委員会の権限でございますが、これは都道府縣の公安委員会、市町村の公安委員会というものは警察の運営管理の責任をもつておるわけでございます。しかして運営管理をやる中には、当然犯罪の予防及び鎮圧という項目がはいつておりまして、公安委員会として警察法に規定せられた項目の権限としてもつておるだけであります。 それから第三点の條例に任すこと、これは地方的にまちまちになつて困るではないか。北海道と東京とまちまちになるではないかという御質問でございますが、これは御説の点も考えられるのでありますが、また考えようによつては、それぞれの地方の実情に應じた取締りをする基準をつくるということが好ましいのではないか。東京と北海道を比べて同一の基準で風俗営業を取締るということは、必ずしも妥当ではない場合が多いのではないか。從つてもちろん府縣間でお互いに十分相談もし、歩調を合わすこともありましようが、やはり地方の実情といつたものを考慮する意味から、都道府縣の條例に任せることが適当ではないかと考えた次第であります。 それから料理屋なんかには他の厚生省所管で許可があるのではないか、おそらく食品衞生法なんかの関係だろうと思いますが、そういつたもので、食品衞生の見地から他に許可が要る。それにまた警察の許可と二重になるではないかという点でございます。これはおのおのその目的が違つておるので、二重になるというところが生ずる部面もあると思いますが、ただ御承知の通りこの法案では、たとえば一般の飲食店とか外食券食堂とか、そういつたものは全然この許可対象にいたしておりません。ほんとうに風俗犯罪といつたものに直接関係のあるものに局限して、最小限度に一應きめたつもりであります。 それから裏口営業の取締りの問題でございますが、これは御説の通り非常に行われておりまして、緊急措置令、先ほどの政令に基いて絶えず警察としては努力をいたしておりまして、檢挙も相当な数に上つておりますが、しかしなかなかこれを根絶するに至らない。警察の力の限度というものを痛感するのでありますが、警察といたしては全力を盡してその取締りに当てつおるということを申し上げておきます。
○松浦(榮)委員 大体わかりましたが、公安委員会というものは國家の公安委員会も、あるいは地方の公安委員会も、いろいろな國民の権利義務を制限し、禁止し、あるいはそれに干與するというような権限をもつものでしようか、どうでしようか。それに私は疑問をもつておりますが、これは非常に民主化して、公安委員会がそういつた仕事をすることは非常にいいが、法規の解釈上差支えないかどうかということを私は疑問をもつのであります。その問題は研究問題ではなかろうかと思います。ここに言う犯罪の予防、鎮圧というようなことは、これは運営管理の立場において内部的な一つの警察署を指揮監督するという意味における事項ではないかと私は思うのですが、その点先ほどの話ははつきりしたことになつておりますが、なお私疑問をもつております。 それからもう一つの許可の二重の点は、今でもいろいろ業者はあつちで許可をもらい、こつちで許可をもらい、方々へ立ちまわつて非常に繁文縟礼に苦しんでおるような状況ですから、なるべくならばどうか一方へ寄せたらどうかと思うのですが、そこで取締りをやつたらどうかと思います。 それからいろいろな取締りの内容を、各府縣に任せてしまうということ、その点はどうかと思いますが、これはかつて十分問題になつたことですが、これは取締法では立場が困る場合があるのです。非常にやかましく言うておる。隣りの縣ではこういうことをやらせておるから差支えないというので、だんだん変つて、終いに許さざるを得なくて、法規が無視されるということがあるのですが、その点はどうですか、ある程度の大綱が必要ではないかと考えます。
○武藤説明員 公安委員会の権限でありますが、これは御承知の通り從來は警察署長が許可をしておつた。それがいろいろ現在においては必ずしも好ましくない、むしろ公安委員会がその衝にあたることが現在の情勢に合うのではないかというわけで、公安委員会に移したわけであります。それから許可の二重になる点、これは非常に不便があり、ほかにまた建築の許可の点などもございまして、なるべくこういつたことは避けるということが好ましいことは当然でございますが、それぞれ許可するものが違う。それぞれ目的が違い、観点が違うので、ある程度はやむを得ないのではないか、しかしむろんこれらの営業をする人の不便をできるだけ避けるように、官廰相互間で緊密な連絡をとるというのが好ましい。ぜひそういつた方法でやつていきたいと思つております。それから取締りの内容を地方に任すということで、ある縣とある縣と齟齬を來すというような事態が起るというようなことも考えられるわけであります。しかし先ほど申し上げたように、それぞれの地方の実情ということも大いに顧慮しなければならないと思います。もちろん各府縣で相互に相談し、それについてわれわれとしても御斡旋する、あるいは御相談にのるという労は惜しまない。そういうことによつて非常な似たような條件であるにかかわらず、差異のできるということは避けることに努めたいと思つております。
○千賀委員 私も公安委員の制度に関しまして、ただいまの質問者と同じ見解をもつておるのでありますが、公安委員はもともとできるときから、執行機関ではなかつたのであります。警察署長の権限を民衆の代表として規正する権能はもつておりますが、みずからがかような問題を届け出られて、これをだれが適当であるとか、不適当であるとか、またはどんなことならやつていいのだというようなことを判断したり、裁断をしたりする能力もなければ権能もないと思います。初めからそういうことで公安委員が選任をせられるならば、あるいはそれでもいいかもしれませんが、公安委員を民衆が選ぶころには、かようなことは想像せずに選んでおります。その当時はただ警察署長の背後にあつて、警察全体の運用について民衆の代表として判断し、誘導するということであつたのであります。今ただちに公安委員を街頭にひつぱり出して、かようなものに裁断をさせ、判断をさせるということになりますと、すこぶる不祥事が続いて起るだろうと思います。官僚が惡いか、あるいは民衆が惡いか、これにはいろいろ世の中の議論も見方もありまするが、何と言つても官僚は長い間役人として訓練を経て、また官僚としての矜持をどこで維持するか、これは身をもつて社会の洗礼を受けてきた人でありまするから、かくのごとき誘惑の多い業態についてだれを選ぶか、どう操縦するかという意味において、比較的身を持することが堅固にやり得る性質を附與されておるのでありますが、公安委員に至りましては、大体選挙されるときには、こんなことまで裁断するものだというようなことは予想もいたしておりませんし、かような点になりますと、これはずいぶん人間性の本能に向つて誘惑が多いのでしよう。なまめかしい女たちを先頭に立てて、陳情を受けるときもありましようし、あるいは黄金その他をやわらかいせりふによつて提供せられというような、誘惑の多い場合もありましよう。こういうときに、かえつてこれは公安委員の方が面食う場合が多いのではないか、不自然な所に不自然な人を使つて間違いを続けしめるということは、これは選ばざるところであると思います。これはやはり警察署長にやらせて、公安委員は背後から批判の立場、あるいは相談を受ける立場に立つて、警察署長の行いが正しいかどうか、これを民衆の代表として監視をし指導するということがほんとうだと思います。これはあなた方の方では、警察署長ではとかくの批評が多いから、公安委員をひとつ先頭に立ててやれ、やれるものならやつてみろというような氣持があるかもしれませんが、これは私は制度の惡用であると思います。そうしてここにあがつている業態がいろいろありますけれども、ほんとうの風俗を害するものはこれよりまだほかにたくさんあります。これはしばしば前の質問者数氏によつて議論されておりますが、東京におきましても、一たび街頭に立つてごらんなさい。この移動性のないものがわれわれの目につくか、あるいはわれわれの子弟がこれによつて多く刺戟を受けるか、しからば何によつて刺戟を受けるかといえば、こんなものより、まずポスターによつて刺戟を受け、雑誌の口絵によつて刺戟を受け、あるいは新宿等の街を夜歩けば、ほとんどわれわれは街を通ることができないように、やみの女につけまわされる。こういうものを感受性の強い青年たちが、どうして無関心でいることができましよう。むしろ一番大きな原因を放つておいて、あなた方がつかみやすい、最もイージー・ゴーイングな途を選んで、ここでお茶を潤した。おれたちも風俗の維持については一役買つているのだというような、きわめて安易な遂によつて顔を立てようというようなことがあるのではないか、もつとも密淫賣と浮氣娘とどこで境がつくのか、この点はむずかしいだろうと思いますけれども、むずかしくでも、実際世の中の風俗を害する原因は最もそこに多く胚胎されている。しからば、あなた方は刑法によつてそれを取締るということが言われておりますけれども、それであるならば、これの議決をわれわれに要求すると同時に、一方われわれが最も大きな関心をもち、おそれをもつている今申し上げたような事態に対して、どういう刑法の條文をもつてこれを取締らんとしつつあるか、これをわれわれに明示して、ともに審議を受けて、初めてわれわれの議決を得ることが当然であります。われわれはただこれだけの議決をして、これで日本の風俗維持に一役買つたというような、そういう大それたことは考えません。これは耳を掩うて鈴を盗むに似ているというべきか、きわめて容易な、目の前に見える、しかも弱い人たち、これらはあなた方にかかつたら、みな他愛がないような弱い連中です。こういうものだけを締め上げて、これで目的を達したというような立場には、われわれは御招伴ができにくい。重ねて申し上げますが、これの議決を得たいとお思いになりますならば、あなた方の自信のある刑法による、他の風俗を最も大きく廃頽させている現在の目前の事象に対する取締法、これを提示せられたいのであります。どうぞ御答弁を願います。
○武藤説明員 公安委員が許可するのがよろしいか、署長にやらした方がよろしいか、むしろ署長にやらせるべきではないかという御説でございます。これはもちろん公安委員がこういつた行動をいたすについては、その警察機関を通じて仕事をしておるのであり、またこの法の執行については、警察機関がそれぞれ職務があるわけであります。すべてその公安委員会と警察を通じて仕事をしていくということであり、しかしてその警察の最高責任者であるところの公安委員会がこれを決定していくといつたことによつて、やはり公安委員会がした方が適当ではないかと考えます。すでに前の國会で御審議を願いました質屋取締法あるいは古物商取締法の改正におきましても、こういつた許可については、公安委員会が当ることに改正せられておるわけでございます。 それから第二点の、取締り対象がまだほかにもあるではないかというお話でございます。もちろんございます。たとえばただいまお話がございましたところの、街を歩くと見られるいかがわしい廣告というものについては、これは廣告物取締法において目的を達し得ると存じます。それから出版物等については、刑法の百七十五條の規定によつてその目的を達することができる。その他徘徊して人につきまとうというような場合については、軽犯罪法の規定がございます。それぞれの適條によつて取締りの効果をあげていくというふうにいたしたいと存じます。
○千賀委員 議員は決して万能ではないのであります。この法案を今出されて、これを審議するまでに、今あなたの言つた法案を卒読してくる時間もなければ、能力もない。またそれだけ卒読することは、われわれは全日本の法律を模索しなければ、そこに突き当つていけない、事実上不可能だ。今そういうものがあるからこれを読んだらわかるじやないかとあなた方が言うならば、それを抜萃してなぜわれわれに提示をしないのか、あらゆる法案、この山と積まれた法案にさような審議上の便宜指導法が與えられなければ、まつたくわれわれはいかに博読励励な人でも、日本の刑法全部をそらんじておつて、今ただちに言われたものだけを、あなたの言つた通りに頭の中から選んだりすることはできません。おそらくさような人はないと思います。これだけを出して、これを見ればわかるじやないかということは、非常にこれは不親切な方法であります。 それからただいまの公安委員にということでありますが、あなたは公安委員に願い出しておけば、警察の手を通じて警察がやるのだとおつしやるのですが、あて名が公安委員会であるならば、その数の中にはおれが届け出られた主であるから、この審議はおれたちがするのだ、署長なんか要らぬことだというようなわけで、必ずみずから責任を感じて、これの調査をし、あるいはだれが適当か、何がよいのか、これをみずから選考する公安委員があるのにきまつております。あなたの言うがごとくに運行するのが本体であるならば、何も好んで公安委員会などやる必要はない。警察署長殿で結構だ。これはあなたの強弁であります。そういう警察署長を通じてやるのだということがはつきりしておれば、警察署長に届け出させれば、その方が疑いもなければ、まぎらわしくもなければ、これこそ万金の策であるのであります。重ねて申しますけれども、公安委員というものは、かつて官吏をやつたことのある人もいけないとか、かつて警察官の位置にあつた者もいけないとか言つて、民衆の中で何か自立の生活をしておつた者だけが公安委員に選ばれる。公職者として、しかも取締りの位置に立つような生活をしていない人が多く公安委員になつておる。かような者にこうした誘惑の最も多い——おそらく営業の中でこれ以上の誘惑はないと思います。かような者の審理を当面に当らせるということは、これははなはだ当を得ざる問題であると思います。御答弁があれば承りますし、なくても結構、私は再びあなたの今の御説明には不満足であるという意思をここで表示しておきます。
○武藤説明員 同じ趣旨の答弁になつて恐縮でありますが、新しい警察法でこの公安委員制度という新しいものをつくり、その下に新しい警察を運営していこうという趣旨であります。それぞれの警察の最高責任者として公安委員会制度ができたわけであります。民衆の代表としてあるところの公安委員会が、その許可権を、もちろん警察を通じてでありますが、行使していくというのがこの趣旨であります。
○門司委員長代理 松浦委員。
○松浦(榮)委員 もう二、三点御質問したいと思いますが、ただいまお話の公安委員会の権限の問題ですが、これは法理的に見ても、私は國民の権利義務を禁止制限するような権限は、公安委員会にはないと思います。また実益的に見ても、ただいまお話のように、無経験の人がおりますから、相当危險であると思います。よく御研究を願いたいと思います。 次にお伺いしたいのは、第五條ですが、営業の許可を取消したり、営業の停止を命じようとするときに、公開による聽聞を行わなければならぬ。公安委員会にこういう権限を與えることすら民主的な考え方である、開けた考え方である。この上に許可を取消すのに、公開聽聞をするようなことまでやつて停止しなければならぬか。許可を取消し停止を命ずるには相当理由がある。ただ無意味に停止取消しをするのではなくて、第四條によつてその停止禁止をする場合がはつきりしておるから、これを認めて停止したり、許可の取消しをするのであります。それであるから大体において合法的に適当に行われるものとみなければならぬ。從つてそれをさらに修正する必要がある場合には、別の救済方法を私はこしらえてはどうかと思う。どうせ公開による聽聞をやれば、賛成意見と反対意見とが同じような数が選ばれてくるか、あるいは一定の人数を選ばないで、多数の意見を求めれば、そこに賛成と反対とがこもごも起きまして、これを拾收するのに困るというような状態が起きるのであります。救済方法はおのずから新たに他の方法で、訴願とか訴訟とかいうような方法を講じたらどうかという考えをもつております。 それから最後の第七條でありますが、これは罰則の規定ですが、旧來の風俗営業の取締規則というものは、大体道府縣令で出ておるのでありまして、道府縣令の罰則というものはきわめて軽くて、ちよつと期間なりあるいは金額は忘れましたけれども、大体勅令をもつて制限がかつてはあつたのでありますが、これでは相当に重いような感じもいたしますが、これは他の許可営業との均衡もありますから、この点はよほど研究して、調査の上で決定していただきたいと思います。 それから第八條は「法人の代表者、法人又は人の代理人、使用人その他の從業者が、法人又は人の営業に関し、前條の違反行為をしたときは、行為者を罰する」これは当然のことです。こういうものは、拔かしてもよろしい。行為者は罰するにきまつているのです。「その法人又は人に対し、同條の罰金刑を科する」、ここが大事な点ですから、これは拔いてもいいと思いますが、入れるについては何か意味があるのですか、ちよつとわかりませんが、その点御質問いたします。
○武藤説明員 第一点は、公安委員会の許可権であります。警察法で規定があり、なおここで再びこの法律によつて、公安委員会にこういう許可権を與えるのが適当であろうという趣旨を入れたわけであります。それから第二点の公開による聽聞でありますが、これは新しい制度として取入れたものでございます。ただ日本の法律として一つ例があるのは、経済力集中排除における持株会社整理委員会の処分に関して一つこういう例がございます。こういつた営業の許可取消といつたような相当大きい権でございますから、公安委員が單独で自分の考えによつて決定する前に、当事者あるいはその代理人から十分にその意見を聽き、そしてそれに基いて、また場合によつては、第三者あるいは警察当局の意向を十分に聽き入れた上において裁決をするのが愼重を期するゆえんであると存じます。もちろんこの公開による聽聞で傍聽はできるわけでありますが、傍聽人が発言することはできないわけであります。またこの聽聞によつて、たとえばそこの多数決だとか何とかで、そこで裁決を決定するというものではありません。公聽会によつて、許可を取消されんとするところの営業者の言分も十分に聽き、また第三者の言分も十分に聽いて、そうして公安委員会の営業の許可を取消すかどうかのほんとうに正しい判断の参考にしようというので、特に愼重を期するという意味でこういう規定をおいたのであります。それから罰則の関係でありますが、これはいろいろ刑罰体系の関係におきまして、この程度が適当ではないか、お説のように從來の府縣令に比べれば重いものも出てきております。それから八條の、行為者を罰するのは当然じやないかと言われましたが、しかしこれはいわゆる経済法令違反等について、こういつた両罰規定として特にはつきりさせる意味において使つておるようであります。あつた方がはつきりするのじやないかと思います。
○松浦(榮)委員 先ほどからいろいろ質問いたしましたが、とにかく從來の参考事例というものがなくては判断に非常に苦しみますから、この次は十分に準備をして出てきていただきたいと思います。その点を特にお願いいたします。
○門司委員長代理 お諮りいたします。きようはこの程度で質疑を打切りまして、次会にまわしまして、本日はこの程度で会議を閉じたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門司委員長代理 それでは本日はこの程度で散会いたします。 午後四時四分散会