治安及び地方制度委員会 第26号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1948/05/04
会議録
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。 本日の日程は内閣提出(第四一号)地方自治法の一部を改正する法律案であります。ただちに質疑に入ります。大村委員。
○大村委員 この際簡單に総論的なことをお尋ねしてみたいと思うのであります。 過ぐる憲法議会におきまして、新憲法の條項と相照應いたしまして、わが國の地方制度を根本的に民主化するという建前から、当時の府縣制、市制、町村制等一連の地方制度に相当廣範囲の改正が行われたのであります。その後私からここで申し上げるまでもなく、地方自治法という一本の地方制度が打立てられたのであります。その後もこの地方自治法が数次改正されてきたように思うのでありますが、今回またここに地方自治法の相当廣範囲の改正が提案されてまいつたのであります。もとより地方制度の上においても、その民主化を徹底させる上においては、途次法令を改正するということも、実際問題として当然のことでありますけれども、しかし、あまりに頻繁なる改正は、國民をして確固たる信念をもつてこの新制度を運用していく面において、遺憾な点が起るのではないかと思うのであります。すなわち制度の安定性というものは相当重要視しなければならぬことと思うのであります。さりとて前に申しました通りに、民主化の過程においては必要なる改正を逐次やらなければならぬという必要もあるのであります。この両者をいかに調和するかということは、実際問題としてむずかしい問題ではありますが、地方自治の健全なる発達を庶幾いたします上からいたしまして、この点は相当に考慮を加えなければならぬ問題ではないかと思うのであります。 そこで一、二お尋ねしてみたいと思いますのは、今次提案されました地方自治法の一部を改正する点については、いかなる理由、いかなる必要からこのような改正を提案されるに至つたのであるか。これはいろいろな理由がありましようが、想像いたしまするに、從來の諸改正を実地に運用してみて、そこに欠点不備を発見してそれによつてこれを改正しよう、あるいはまた地方制度民主化の線に沿うて改正をするといたしましても、一足飛びに理想の域に達するわけにもいかない、漸進的に改正するのやむを得ない事情があるから、そこでこの段階においてこのような改正案を出すに至つたというようなこともあるいはあるかも存じません。またあるいは関係方面のアドヴアイスと申しまするが、レコメンデーシヨンがありまして、まことにもつともな意見であるとして、それを実際採用したということもあろうかと思います。それらの点につきまして、もしお差支えがないといたしますならば、お差支えのない限度において、今次改正案を提案するに至りました動機と申しまするか、理由というような点につきましての御説明を承りたいと思うのであります。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまの大村委員のお尋ねの点についてお答え申し上げます。 地方自治法はいわば地方自治に関する憲法とも申すべき一つの基本的な制度に関する法律でございますので、ただいま仰せになりましたように、このような制度の頻々と改正するということは、これはもとよりできるだけ避けなければならないであると存じます。憲法の改正を軽々に扱うことができないと同じような意味におきまして、地方自治法のような基本的な法典は、その制定にあたつて、できる限りの論議を盡した上、一旦制定されましたならば、これを相当の時間、実際の運用にかけていきまして、その運用の結果に基いて愼重考究を加えた上でなければ、これを改正することが適当でないということが言えるだろうと思うのであります。われわれといたしましても、もちろんそのような考えでおるのでございます。ただ何と申しましても地方自治法の制定はその内容が非常に廣汎でありましたので、また時期的に憲法の施行と同時に施行するように間に合わせなければならなかつたというような関係等もございまして、個々の規定について当つてみますると、憲法の第八章に定めておりまする地方自治の本旨という点から檢討してみまして、なお制定後間もない時期でありますけれども、この際若干の改正を加えておいた方がよいのではないかと思われるような点がなきにしもあらずという状態であるのでございます。そういうような見地から、本來ならば改正の時期ではないと考えられるのでありまするが、この際特に数箇の点について改正をしなければならないような事情に立至つた次第でございます。ちよつと速記を止めてください。
○坂東委員長 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○坂東委員長 速記開始。
○大村委員 ただいまの御説明で大体了承いたしましたのでありまするが、もとより今日のごとき急激なる諸変化のある時勢におきまして、地方制度においても必要なる改正をするということは、やむを得ざることとも思われるのでありまするが、しかし一方におきましては、あまりに制度がたびたび変るということでございましては、関係地方民はほとんど適從するところを知らないというようなことになるおそれもあります。全國一万数千の地方自治体が役所側におきまして適正に地方自治法を運用するといたしましても、今日の町村役場、市役所というようなもりの人的構成からいたしまして、あまりにむずかしい改正がたびたび行われるということでは、ほとんどそれに習熟するいとまがない。せつかく制度はりつぱなものができましても、その運用におきまして非常に遺憾な点が起つてくることは免れないと思うのであります。この点につきましては、政府におきましても十分御留意になつておることは、ただいまの御説明で明らかでありますが、どうかこの点につきましても深甚の御考慮を拂われまして、新制度がよく徹底して、各地方自治体において運用される。ただいまは役所側のごとだけ申し上げましたが、これは自治体の構成員たる民衆の側におきましても、まつたく同様のことと思うのであります。ゆえにこの制度の改正は、必要やむを得ざるときにおきましては、やらなければならぬことはもとよりでありますが、朝令暮改、あまりにたびたび改正するようなことは、十分御考慮を願いたいというように感じますので、この際私の希望を述べまして、私の質問を終ることにいたします。
○坂東委員長 私から一点お伺いいたしますが、現存市町村長にして都道府縣会議員を兼職しておる者があるのです。しかるにその土地が遠隔の場合には、都道府縣会議員の職を行うがために、結果としてその本職の市町村長の職務を行うことができない、あるいは不便なことがある。これは非常な弊害だと思いますが、この兼職を禁止するということについて、政府にお考えがありまするならば、この際お伺いします。
○鈴木(俊)政府委員 府縣会議員等と市町村参長等との兼職を禁止する考えはないかというお尋ねでございますが、これは從來のように名誉職という観念で市町村長の性格を定めておりました時代と、地方自治法において市町村長について定めております性格とは、はなはだしく趣きを異にしてまいつておるのでありまして、市町村長はやはりできるだけの全力を盡して、市町村の自治に当らなければならないという建前になつておるのでありますから、それと他の公職との兼職ということは、できるだけ避ける方が適当であることは、申すまでもないと思うのであります。ただ現在の地方自治法におきましては、やはり府縣令等において、市町村長として実際に市町村自治の運営に当つておりまする人たちが、相当はいりこんでおりますことは、府縣会の議事運営について内容を非常に充実せしめ、その運営が非常に建設的になるというような、一面の長所があるようにも考えられるのであります。そういうところから、現在は特に市町村長と府縣会議員との兼職というものを許しておるのであります。しかし、この点につきましては、今のお話の中にもございましたように、町村長の仕事を一生懸命やるということになるならば、縣廰に近いところは別として、遠隔の地にありますような町村長等は、どうしてもいずれかの仕事を犠牲にしなければならぬという結果になると思われるのでございまして、これを非常に潔癖に、理論的に考えますならば、やはり兼職を禁止しなければならないという説も、これまた成り立つ説であろうと感じます。政府としては、当委員会におかれまして定められる見解が、いかように相なりまするか存じませんが、その委員会の御結論に対しましては、十分これを尊重してまいりたいと存じております。
○坂東委員長 いま一点お伺いいたしますが、府縣会議長の陳情等にあることに関しますけれども、府縣会議長が当該普通公共團体の事務を適時調査できるよう、地方自治法を改正して、その根拠を地方自治法に明示せられたいということでありますが、政府はいかなるお考えをもつておられますか。
○鈴木(俊)政府委員 地方議会の閉会中において、委員会がどの程度地方公共團体の事務の調査権があるかという問題でございますが、委員会は議会の閉会中においては、特に付託になりました事件についてのみ、これを調査審議することができるように規定上相なつております。議長といたしましては、地方議会の閉会中においては、議長独自の地位におきまして、各種の地方公共團体の事務の調査をするという権限は、これは法律上認められていないと思うのであります。議長はやはり、地方公共團体の議会を代表して、議会に関する、また各種の事務を処理する地位にあるのでありますが、議長が議長たる地位において地方公共團体の事務を当然に調査する権限をもつておるということは現行法上は言えないと存ずるのであります。
○坂東委員長 他に御質問ありませんか。 それでは今日はこの程度にして、次会は六日午前十時半から開会することとします。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後二時三十七分散会