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第2回国会衆議院1948/04/27

治安及び地方制度委員会 第24号

発言数
13 件
登壇者
5 名
会派数
1
開催日
1948/04/27

会議録

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。  本日の日程は、地方自治法の一部を改正する法律案並びに消防法案起草に関する件であります。  なお、その前にちよつと報告事項があります。委員の異動を御報告いたします。それは、このたび石田一松君、渡邊良夫君、外崎千代吉君が辞任されまして、高橋長治君、坂田道太君、矢後嘉藏君、小枝一雄君が選任になりました。  高橋長治君を御紹介いたします。

高橋長治民主党

○高橋(長)委員 ただいま御紹介をいただきました民主党の高橋長治でございます。何とぞよろしくお願いいたします。     —————————————

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 この際一言だけ御報告申し上げます、去る二十一日委員会有志としまして浜松事件の視察に参りました。それは私と門司君、千賀君、それから崎川書記でありますが、向うに参りまして市長、知事、公安委員並びに署長等二十名集まりまして、その事件の内容を聽き、また新警察法適用の状態及び運営状態等を聽いたのでありますが、要するにあの事件は昨年からのことでありまして、すなわち朝鮮人側と小野組に確執がありまして、それにいろいろの関係が起りました結果、ああいう事件が起つたのであります。  その運用並びに適用の状態を聴きますると、新警察法を十分理解せぬという状態もあります。種々なる関係があります。新警察法に対する改正の希望の点もありますが、あとから別の機会に詳しく御報告申し上げます。ただ参いりましたことをお知らせ申し上げます。     —————————————

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 それでは地方自治法の一部を改正する法律案を議題に供します。苫米地官房長官から説明を求めます。

苫米地義三民主党国務大臣・内閣官房長官

○苫米地國務大臣 この委員会に付託になりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要なる事項の概略を御説明申し上げます。  地方自治の民主化とその健全なる運営を目途といたしまして制定されました地方自治法は、昨年五月三日新憲法施行と同時に施行せられたのでありますが、その後における運用の実情に鑑み、さらに住民自治の本旨を具現し、その民主化を徹底するために、昨年の十二月、相当廣範囲にわたりまして第一次の地方自治の改正が行われましたことは、各位の御承知の通りであります。今回の改正の骨子は、地方公共團体の権能に関する規定を整備し、地方議会の権限を一層拡充いたし、地方公共團体の議会とその長との関係の調整につきまして、さらに一歩を進めた措置を講ずることといたすほか、地方自治運営における腐敗を防止し、その公正を確保するため、住民の自治参與の範囲を拡張する等の措置を講じようとするものでございますが、これを要するに、第一次の地方自治法改正の趣旨を敷衍いたしまして、さらにこれを徹底しようとするものにほかならないのであります。  まず地方公共團体の権能に関する規定の整備について申し上げます。現在地方公共團体の権能として処理すべき事務の範囲は、抽象的な辞句を用いて地方自治法に規定されているのでありますが、そのままでは地方公共團体の処理する事務の内容が明瞭でありませんので、新たに地方公共團体の権能を個々具体的に例示することにしたのであります。  次に地方公共團体の議会の権限の拡充についてであります。地方自治法施行後の実情に顧み、議会の議決事項として、納税者の保護、地方公共團体の重要な経済行為等の適正な処理に遺憾なきを期するため、議会の議決事項の範囲を拡充することといたしたのであります。  第三点は、地方公共団体の議会と長との関係の調整であります。都道府縣知事、市町村長等の地方公共團体の長と地方議会との関係は、両機関の相互均衡の上に地方自治の調和ある運営を期することが、地方自治法の根本的な建前でありますことは、すでに御承知の通りであります。しかしてかかる制度のもとにおきましては、いわゆる拒否権の制度が認められているのが通例でありますが、この拒否権に相当する制度としては、現行地方自治法におきましては、違法ないしは権限踰越の議決等の特定の場合に限られているのであります。今回さらに條例の制定もしくは改廃または歳入歳出予算に関する議決について、全般的に拒否権の制度を認め、執行機関としての責任上議会に対して反省を促す機会を與えることといたした次第であります。  第四点は、住民の直接参政の範囲の拡充等による腐敗行為の防止及び公正の確保に関する新たなる措置に関するものであります。  まずその第一は、地方公共團体の財産または営造物で特に重要なものについて一定の独占的な処分または使用の許可をしようとするときは、あらかじめ住民の一般投票に付して、過半数の同意を得なければならないこととしたことであります。またその他の比較的重要な財産または営造物に関する独占的な性質を有する処分または使用の許可については、議会における出席議員の三分の二以上の者による議決を要することといたしたのであります。  その第二は、出納長もしくは收入役その他地方公共團体の職員の職務上の地位の濫用による公金または財産営造物の違法または不当な処理についての住民による矯正権の制度を法定いたし、これによつて住民の信託に基く地方公共團体の公共の利益の擁護に違算なからんことを期した次第であります。  その第三は、分担金を徴收する條例の制定または改正については、必ず公聽会を開いて関係者の意見を聽き、いやしくも不公平にわたることなきを期したのであります。  最後に、昭和十二年七月七日より同二十年九月二日に至るまでの間に行われましたいわゆる戰時中の町村の市への編入等につきまして、とかくの世論のある事情に鑑みまして、法律施行後二年以内を限つて、編入せられた町村住民の希望によつては、その分離を認めようとする規定を附則において規定いたした次第であります。  以上今回の地方自治法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容の概略の説明をいたしました。なお、詳細につきましには政府委員より御説明を申し上げることといたします。何とぞ愼重御番議の上、速やかに御協賛あらんことを御願いいたします。

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 総理廰鈴木自治課長。

鈴木俊一総理廳事務官

○鈴木(俊)政府委員 地方自治法の一部を改正する法律案の理由及び主要なる事項の概略につきましては、ただいま官房長官から御説明申し上げた通りでありますが、以下いま少しく内容に立ち入り、その詳細について説明を附け加えたいと存じます。  先ほどの説明にもございましたごとく、その改正の主要なる第一点である地方公共團体の権能に関する規定の整備につきましては、從來地方公共團体の権能として処理すべき事務の範囲は、一般的には地方自治法第二條において規定されているのでありますが、その規定の形式は、きわめて抽象的であり、事務の範囲を具体的に明示いたしていない結果、解釈上種々の疑問を生ずるのみならず、一般の理解を得ることがすごぶる困難な実情にあつたのであります。これらの点に鑑みまして、今回同條に新たに地方公共團体の権能を具体的に例示することにいたしますと同時に、地方公共團体は、國の固有の事務を処理することはできず、また事務の処理にあたつては法令に違反るすことができない旨を規定して、その処理し得べき事務の限界を明確ならしめんとしたのであります。  第二点の地方公共團体の議会の権限の拡充につきましては、御承知のごとく、地方自治法におきましては、議会と長とは議決機関と執行機関、あるいは意思機関と理事機関としておのおの対等の立場に立ち、それぞれ與えられた自己の権限を行使し、相互に相牽制して、円満な地方自治の進展に資せしめることとされているのであります、が、地方公共團体に関する重要な事件については、できるだけ住民の直接の代表者である議会にも関與せしめることが適当であることは申すまでもありません。よつてこのたびさらに違法に賦課または徴收された地方税等の拂戻し、特定の財産、営造物の取得、設置または処分、特定の契約の締結、地方公共團体がその当事者である斡旋、調停、仲裁に関すること及び法律上その義務に属する損害賠償等を附加し、議会の議決事項の範囲を拡充いたしましてこれらの事務の処理が住民の代表の意思に基いて常に適正に行われることを期することとしたのであります。  第三点の地方公共團体の議会と長との関係の調整につきましては、現在すでに都道府縣知事、市町村長等の地方公共團体の長と地方議会との関係は、いわゆる大統領制度に近似した制度となつておりますことは御承知の通りであります。しかしながら、さらにいわゆる大統領制度のもとに採用されている一般的拒否権の制度を認めることによつて、議会と長との関係の一層適切な調整をはかり、おのおのその特色を発揮せしめることは、自治運営の適正をはかる上に必要な措置であると存ぜられるのであります。よつて現行の議会の議決または、選挙が、その権限を超え、または違法な場合、議決が收入支出に関して執行することができないものがあると認められる場合及び法令による経費または義務に基く経費ないしは非常災害による應急復旧費もしくは傳染病予防費の削除ないし減額がなされた場合に限つて認められている特別の拒否権のほか、新たに一方で議会の権限の拡充をはかるのに対應し、まして、他面長に対して一般的の拒否権を與えることとしたのであります。すなわち先ほどの説明にもありましたように、地方公共團体の長に対し、條例の制定もしくは改廃または歳入歳出予算に関する議会の議決について異議があるときは十日以内に理由を示してこれを再議に付することができるものとし、議会がそれにもかかわらず三分の二以上の多数で、再度議決をしたときは、その議決は確定するものとしたのであります。  第四点の住民の直接参政の範囲の拡充等による腐敗行為の防止及び公正の確保に関する新たなる措置につきまして申し上げます。  まず地方公共團体の重要な財産または営造物の独占的な利益を與えるような処分または長期にわたる独占的な使用の許可について申し上げますと、現行法におきましては、財産または営造物の取得等につきましては、條例の一般的規定に從いまして処理をいたしておつたのでありますが、地方公共團体の特に重要と認めた財産または営造物についての独占的な性質を有する処分または使用は、元來住民に平等に與えらるべき財産または営造物の利用の権利に対する重大な制限でありますから、特に愼重を期すべきであるのみならず、かかる措置が公共の目的上ないしは地方公共團体の財政上の要求により眞にやむを得ないものであるとしても、このような行為に往々にして伴いやすい腐敗行為は、極力これを防止するに努むべきでありまして、その手段としては、住民の最終の審判を経て事を決することが、最も適当であると考えられるのであります。またその他の比較的重要な財産または営造物に関する独占的な性質を有する処分または使用の許可については、議会における出席議員の三分の二以上の者による議決を要することといたしましたのも、同様の趣旨に出ずるものであります。  その第二の出納長もしくは收入役その他地方公共團体の職員の職務上の地位の濫用による不正行為の住民による矯正の請求は一人でもなし得るのでありまして、まず監査委員に対して監査を促し、監査委員の監査に基いて、地方公共團体の長が必要な措置を講じて、その違法または不当なる行為の制限または禁止をなす制度であります。もし監査委員または地方公共團体の長の措置に不服があるとか、これらの者が必要な措置を講じないような場合には、請求人たる住民は、さらに裁判所に出訴する途を與えられるのでありまして、これによつて住民の信託に基く地方公共團体の公共の利益の擁護に違算なからんことを期しているのであります。  その第三の分担金を徴收する條例の制定または改正の際の公聽会の開催の趣旨とするところは、申すまでもなく分担金の徴收は、利害関係が錯雜し、公正を失するおれがある場合が少くないので、地方議会または常任委員会において開催する公聽会によつて関係者の意見を聽き、できるだけ公正にこれを賦課徴收することを目的としているものでありまして分担金が特に数人もしくは一部の者から特定事件について徴收するものである点を重視し、條例の審議に特別の手続を加えた次第であります。  最後のいわゆる戰時中の町村の市への編入等は、御承知のごとく戰時において軍需工業施設が随所に大拡張を遂げ、そのため附近町村を編入して大都市の出現を見たというような例が少くないのでありますが、終戰後においてはこれらの都市は工業施設を灰燼と化し、あるいは予定の工業等の設置を見ないこととなり、またあるいは賠償の対象物に指定を受ける等、少くともそり当初の存立の基盤の大半を喪失した実情に立ち至つた次第でありますので、この現実の事態を率直に認めまして、編入せられた町村のうち、旧に復することを希望するものがありますれば、それらの者の請求に基き、関係住民の一般投票を行い、その結果、過半数の賛成がありました場合には、その希望をかなえることができるようにいたした次第であります。  以上で今回の地方自治法の一部を改正する法律案の内容の概要の説明をいたしたのでありますが、さらに御質疑等がございますれば、個々の規定につきお答え申し上げたいと存じます。

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 お諮りいたします。この改正案は相当範囲の廣いものでありますから、一般の質疑並びに逐條審議等は、次の機会にすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 ではそういうことにいたします。     —————————————

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 それでは次に消防法案起草に関する件を議題に供します。なおこの件につきましては以前の委員会におきまして、字句の修正等は委員長一任となつておりました。委員長は字句その他について檢討をなしましたが、法務廰あるいは法制部長から字句に対していろいろ意見がありました。そういう関係でさらにあらためて字句の修正について檢討を加えるという必要が生じてまいりました。從つてそれらに檢討を加えまして、できましたならば関係方面の承諾を求めることになつておりますが、さらにあらためてその点、委員長に御一任願えませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 それではさように決定いたします。  なお神戸事件に関しまして、警察本部長官斎藤昇君より説明を求めることにいたします。

斎藤昇國家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 神戸事件につきましては、すでに新聞等で御承知の通りでございまして、警察といたしましては遺憾の意を表する次第であります。  兵庫縣におきましては、去る四月十四日に朝鮮人学校五校に対しまして閉鎖命令を発したのであります。ところが彼らは依然授業を継続いたしまする一方、朝鮮人の團体の幹部、生徒父兄等約七十名が、去る十四日午後一時ごろ副知事に面会を求めまして、閉鎖命令の撤回を強要いたしたのでありまするが、これを拒否されまするや、同四時ごろから居坐り戰術に出でまして、副知事室を占拠いたしまして、翌十五日午後五時に至りましても退去しなかつたのであります。警察は関係方面と連絡をとりまして、不法占拠者全員を住居侵入罪として檢挙いたしまして、市内の警察署に留置をしたのであります。これを知りました朝鮮人連盟におきましては、各小学校に四、五百名ずつ集合いたしまして、これに対する対策を協議をいたしますほか、檢挙者の釈放運動を活発に展開いたしました。四月二十三日の午前十時に縣廰知事室におきまして、知事、副知事、檢事正、市の警察局長等が参集をいたしまして、学校の閉鎖強制執行に関する打合会議をやつておりましたところが、そこへ朝鮮人が三々伍々縣廰内外に押し寄せまして、十一時ごろには知事室に二、三百名、縣廰の周辺に数百名が集結いたしまして、スクラムを組んで氣勢をあげ、器物、建物を破壊いたしまして、知事室と外部との連絡を断つて、会議中の首脳者を軟禁状態に陥れたのであります。警察は事態を重視いたしまして、國家、自治両警察から約千五百名を非常招集いたしまして、縣廳前の朝鮮人を退散せしめまする一方、知事室内外の朝鮮人に退去を強制すべく努力をいたしたのでありまするが、朝鮮人の猛烈な抵抗を受けまして、知事等の安全なる救出は、朝鮮人に対する強制力によつては目的を達することが不可能であるという判断を下しました。当時ここに参りました進駐軍のMP関係の人たちと相談をいたしまして、強制退去の実力行使に出でなかつたのであります。軟禁中の知事、檢事正、市長等は、五時二十分ごろ遂に、彼らの要求する朝鮮人学校の閉鎖命令を撤回する、朝鮮問題に関しては今後朝鮮人教育委員会等と協議をする、朝鮮人特殊学校は許可あるまで從來通り認める、事件に関する不法行為者は一切処罰をしない、学校明渡しの命令は撤回するというように、全面的に彼らの要求を承認し、檢挙中の朝鮮人を全部釈放し、同六時彼らは散会したという報告に接しているのであります。  そこで神戸地区司令官は、その日の午後十時ごろ、非常事態を宣言いたしまして、警察は憲兵司令官の指揮のもとに関係朝鮮人の檢挙に当ることに相なつたのであります。ただいままで受けております報告によりますと、朝鮮人の関係者約千二百人ほど、すでに逮捕したという報告を受けているような次第であります。詳細はただいま溝淵次長が出張いたしまして取調べている次第でありますが、一應われわれの報告を得ておりますのは、ただいま申し上げたような状況でございます。

坂東幸太郎民主党

○坂東委員長 次会は三十日の午前に開くことにいたしまして、本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時三十八分散会

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