治安及び地方制度委員会 第19号
- 発言数
- 35 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/04/01
会議録
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。 本日の日程は地方財政制度改革に関する件、消防法案起草に関する件、競犬法案起草に関する件でありますが、まずもつて地方財政制度改革に関する件につきまして、荻田事務局長より経過の報告があります。
○荻田政府委員 先般地方財政委員会といたしましての案をごらんに入れておきましたのでありますが、そのときもお断り申し上げましたように、三月六日の法案提出期限に、内閣の更迭等によりまして、その期限までに間に合いませんでしたことを、非常に遺憾に思つておるのであります。その後新内閣ができまして、新内閣のもとにおきまして地方財政税制改革要預につきまして、各省の折衝が続けられておるのでありますが、未だ何ら発展を見ない状況であるのであります。また関係方面の意向も未だ、はつきりいたさないような状態でありまして、われわれ事務当局としまして非常に遺憾に思つておるのであります。ただ最近二十三年度総予算の編成の問題が閣議で審議せられましたときに、國の予算案をつくる前提として一應財政税制制度の問題をきめなければ、國自体の予算も編成することができないというようなことからいたしまして、一應財政税制制度の改正を促進することになり、関係四閣僚、つまり野溝委員長と大藏大臣、安本総裁と西尾國務大臣、この四人の間におきまして、小閣僚懇談会を設けまして、そこで政府案として審議するということになりましたので、これによりまして至急解決のつくものとわれわれは期待しておるのであります。いずれそれによりまして政府案ができましてから、関係方面の了解を得て法案提出となる予定であるのでございますが、未だその程度でございまして、はつきりと法案提出の時期の明示できませんことを、非常に遺憾に思つておる次第であります。以上簡單でございますが、先御報告申し上げました以後の経過につきまして御報告申し上げた次第であります。
○松澤(兼)委員 ただいま荻田事務局長のお話がございました御当局の御努力の点につきましては、まことに敬服する次第であります。しかし大体におきましては、三月六日を限つて法案が國会に提出されなければならないということになつておつたのでありますが、これが多少の遅延を見るということは、やむを得ないことだと思うのでありますが、まだ内閣の内部におきましても、税制の改革あるいは地方委譲ということが、大藏その他の関係筋と了解を得ていないということであるのでありますが、御承知のように地方におきましては、府縣たると市町村たるとを問わず、一應二十三年度の予算は骨格予算と申しますか、あるいは二十二年度の踏襲した予算と申しましますか、ほとんど何ら新規に見るべきものがないような、まあ行きあたりばつたりの予算を編成しておるわけであります。しかもその税制改革がここ一箇月なり、あるいはそれ以上も日時を要するということになりますと、たちまち四月から先の新年度の予算の執行について、重大な支障が起るであろうということは十分考えられます。警察制度、消防制度は大体従前の通り國費及び府縣費によつて支弁せられるからよいというようなものでありますけれども、制度の切替によつて生ずる、たとえば廳舎の新築、営繕、あるいは備品の整備等、たちまち困る面もあるわけであります。なおそのほか、昨年もそうであつたと思うのでありますが、こういうことでいたずらに日を過しておりますと、最も地方財政の上において根幹をなしております住民税の徴収も、多分七月ごろ徴収することになつておつたと思うのでありますが、これもできなくなりますと、地方財政というものはたちまち相当大きな赤字になつてまいりまして、実際上地方財政の執行ができないというような状態になるということが考えられるわけであります。そこでお聽きいたしたいことは、大体地方財政の改正というものはいつごろ法案となつて提出され、それがいつごろ実施されて、いわゆる警察法その他に書いてあります地方財政の確立を見るという時期は、一体いつごろであるかということについて、もう少し具体的にお示しを願いたい、こう考えておるわけでありまして、われわれ治安及び地方制度の委員会といたしましては、この画期的な地方税制の改革ということについては満腔の賛意を表するわけでありますが、もし地方財政委員会だけで不十分であるという場合におきましては、われわれ側面から十分の援助をいたしたいということを一様に考えておるわけであります。そこで率直にこの見透しについてお話し願えれば非常に幸と思うわけであります。
○荻田政府委員 ただいま松澤委員からお話になりましたように、われわれといたしましても、地方団体の財政のため一日も早く改革案が実施せられることを望んでいるのでございます。しかるにいろいろな事情からいたしまして遅れていることは、われわれ事務当局といたしましても、非常に遺憾に思つている次第でございます。それで改革案実施の見透しでございますが、ただいま申し上げましたように、関係各省及び関係方面の了解を得て議会に提出するという時期、これはまだ一週間や一日では無理ではないかと思つております。今月中にはぜひ提出いたしたいとは思つておりますが、少しあとになるのじやないかと思つております。從いましてこれが國会に提出せられまして、御審議を受けて成立いたしますとしても、來月にもち越すのではないかと考えられます。従いましてその実施も六月一日くらいになればよいのではないか、それより遅れるようなことのないようにと考えておる次第でございます。 それで、なお附け加えまして申し上げますことは、ただいま仰せになりましたように、一日遅れれば一日財政需要に対する財源を得られません関係上、地方が困るわけであります。従いまして法律の改正を要せずして実施し得る点は、ある程度実施さしていきたいというふうに考えて、それぞれそのような措置もとつております。 なおこの関係各省と意見の一致しない点でございますが、これは官廳内部のことでありまして、率直に言えとおつしやつておりますので、実情を簡單に御説明いたしますと、大体大きな点で五つばかり未解決の問題があるわけであります。しかし問題は五つでありますけれども、結局今回の地方税財政制度改革の根幹の問題でございますので、この五つが解決しませんでしたら、われわれは満足な地方財政の自主化は考え得られないと思います。第一は税に関する問題が三つ残つております。一つは事業税といいますか、土地使用税というか、要するに農村地帯に対する課税の問題でありまして、この点が初め財政委員会としましては、営業税の範囲拡張で事業税とするというようなことを考えておりましたが、そのほかに土地の使用税をつくつたらいいというような有力な意見もありまして、これが財政委員会といたしましては一應きまつておりまするが、必ずしも各方面の了解を得ていないという点が一つでございます。第二は入場税の委譲の問題でありまして、これは大藏省方面の反対があるわけであります。第三は酒、タバコ消費税の國税よりの委譲と申しますか、新しくつくるという問題でありますが、これも大蔵省の方面の反対があるのであります。そのほかに税以外の問題といたしましては、一つは地方団体中央金庫をつくつて、地方団体の金融を円滑にしようという考え、それからもう一つは災害復旧基金というものをつくりまして、地方団体の行う災害復旧工事の迅速なる処理、並びに災害による地方団体財政への圧迫、この問題を解決いたしたいと考えておりますが、この二つの制度につきましても、大藏省方面において反対がありまして、解決していないのであります。ただいま残つておりますのは、大体今申し上げたような五つの大きな点なのであります。從いまして小さな点は法案等の整理も、もう大体われわれ事務当局としては終つておりますが、大きな問題が解決しませんために、この全貌が決定しないわけであります。余計なことかもしれませんが、附け加えて申し上げますと、そのように主として大藏省関係と衝突しておるわけでありまして、これは要するにわれわれとしては新憲法、新自治法の精神に則りまして、地方自治の拡充、そのために必要な地方財政の裏づけ、地方分権、地方自治の強化、こういう観点に立つてものを考えておるのでありまするが、大蔵省方面におきましては、必ずしもそういう思想に同意せず、中央集権的な行政あるいは國庫財政第一主義というような観点から、根本的にかく対立があるので、それがこういう点に現われておるのだと思います。簡單に事務的には解決できませんので、先ほど申し上げましたような閣僚懇談会を設けていただいて、ここで解決のつくものだとわれわれは観測しておる次第であります。
○松澤(兼)委員 私先ほど御質問申し上げたことで終ろうと思つておりましたが、ただいまのお話で五つの点が懸案になつておるということを承つたわけでありまして、それによりますと入場税の問題、それから酒及びタバコの消費税の問題、それから中央金庫及び災害基金の問題、及び最初申されました土地使用税の問題が懸案になつておるということであります。そこで第一にお伺いいたしたいことは、要綱に示されました他の問題については大体片がついて、この四つだけが懸案として残つているというふうに了解してよろしいかという問題と、それから土地使用税の問題、これは私前にも御質問申し上げたことがあるのでありますが、耕作反別税とか、あるいは耕地税とかいう名目が不適当であるということを申しましたところ、そのときには漁業であるとか、あるいは農業であるとか、あるいは自由業等をひつくるめて事業税なるものを設定したい。かようにお答えになつたと私は記憶しております。ところが新たにまた土地使用税なるものをお設けになるということになりますと、最初の話と大分違つてくるのであります。これははたして地方財政委員会として、農業税のほかに土地使用税、あるいは耕作反別税、耕地税といつたような形のものをおとりになるお考えであるか。その点をもう一度確かめておきたいと考えます。以上二つの点についてお伺いいたします。
○荻田政府委員 御質問の第一点の、提出しました要綱の中で解決しない点は五つだけかと仰せになりましたが、大体そうであります。あとの点はこまかい点でございまして、大体要綱通りともいつておりませんが、小さい点は大体その線に沿つて解決がついておるわけであります。 第二の点、これはひとつ速記を止めていただいて……。
○坂東委員長 それではちよつて速記を止めて……。 〔速記中止〕
○坂口委員 先ほど松澤委員からお話があつたと思いますが、前年度中に解決さるべきところのものが、私どもが心配した通りに、やはり新年度にもち越されて、未だに重要なる問題が御解決になつていないということは、はなはだ遺憾であります。もちろん國の財政の状況、あるいはまた政変等を考えてみますと、地方財政委員会に多くを要望し期待することが酷であるということは十分わかります。御苦心は察しておりますけれども、しかし、はたして私どもが心配いたしました通り、地方団体の財政が大きな蹉跌を来しておるということは争えぬところであります。この際申し上げましてもいたし方のないことでございますが、ただ私は三点ばかり簡単に要点だけを聽きたいと思います。この新しい年度の地方財政について、許されることは措置すると申されたのでありますが、どういうことを言つておるのであるか、具体的に暫定措置というものをここにお話願いたいと思います。あるいは、かりに現在地方財政委員会においてお考えになつていることで、そのまま大藏省を説得して、その通りにきまるといたしましても、先ほどお話のように、おそらく六月か七月ということになるのであります。その間において地方団体の財政に対して、どういう暫定的処置をとられるか。普通にいきましても、またこの間の案の通りいきましても、地方としては非常な赤字が出る、苦しいということでありますのに、この二箇月、三箇月あるいは半年なり、どういう暫定措置を具体的にとられるかということをお聽きしておきたいと思います。 それから先ほどのお話によりますと、財政委員会で御立案になつているところの最も大きな部分、大事な点が、すべて大藏省との関係において話ができていない。これについて荻田局長にお聽きするのは、あるいは無理なことかと思いますけれども、一体これについて見込みがあるのか。私どもはもう少し、國会なり地方団体の輿論なりを糾合して、この大改革をこの際断行すべきであると考えておつたのでありますが、そういうことを一向おやりにならなかつたように思います。これについてのお見込みはどうか。國の財政は御承知のごとく非常に困難な状況にある。また國費をもつてやらなくてはならぬ部分も非常に大きい。しかしながら地方団体に対する地方財政の自主権をこの際解決しておかなければ、解決ができない非常に大きな問題になるのであります。これに対してもう少し大きな手を打たれることが必要であつたろうと思いますが、そういう点についてのお見込みを、実際やつておられる局長からお聽きしたいと思います。 もう一つ附加えて申し上げたいことは、この前竹谷委員が説明されましたときに、私どもは單にこういう困難もあるということを予想して、税金の問題だけで中央と地方との問題を解決することは非常に困難である、それでどうしても地方団体に事業収入をもたせなくてはならぬというような意味から、私と松野委員とから地方団体に醸造権をもたせることの御意見を申し上げまして、それについて御研究くださることになつております。これも相手は大蔵省でございますが、やはりこういう点について思い切つた手を打つことが必要だろうと思います。 〔委員長退席、高岡委員長代理着席〕 この点について、その後委員会でどれほど御研究になつたか、あるいは実際に折衝になつたか、あるいはお見込み、そういうものをお聽きしたいと思います。
○荻田政府委員 御質問の第一点でございますが、さしあたり実行できると申しましたものは、大体税に関する問題でございまして、要綱に掲げられておりますもののうち鉱産税、電気ガス税、木材引取税、傭人税、なおそのほかに鉱区税、不動産取得税、なおこまかいものが少しございますが、そういうものにつきましては、現在でも許可を受ければできるとなつておりますので、この許可を便宜通牒をもつて全部解除いたしまして、至急実施して一日も早く税収入をあげるようにいたしたい、こう考えております。それからほかの問題につきましては、たとえば警察制度の施行に伴いまする臨時経費のごときも、現在ございまする警察費國庫下渡金制度によりまして、半額の補助を出していきたい。それからなお小さいかもしれませんが、今宝くじにつきまして、國庫納付金というものが必要でありますが、これも事実今年度から徴収しない。法律を改正するまでに、徴収しないということにいたしていきたいと思います。從いまして残りましたものは大きな問題でございまして、これは法律をもつてはつきりときめてからでないとできませんので、そういうものは残してございますが、小さな簡易な点は実施をしておる次第であります。 二番目のわれわれの要綱案を実施するにつきまして、何か大きな政治的な手を考えたかという点でございますが、これは地方団体側におきましては、大体市長会とか町村長会、あるいは府縣知事の会等で案を説明しまして、大体賛成を得ておりますので、各それぞれの会合におきましても、日本の政府はもとより、G・H・Qに対しましても、われわれの案を支持するような運動を行つてきておるのであります。 それから第三番目の醸造を市町村公共団体がやつてはどうかという御意見、先般拝聽いたしたのでありますが、その後委員会においても竹谷委員からその案の御披露がありましたが、できればなかなか大きな改革になるのでありまするが、さしあたりこの問題に取組んでもすぐというわけにいかないという見透しでありますので、一應今回はこの税の方の酒、タバコ消費税によりまして、酒に対する課税の一部を地方団体にとるということにいたしまして、根本的なものはなお一年間地方財政委員会がございますから、その間に研究したらどうかということに現在なつておるのであります。
○坂口委員 最初の問題をもう少し具体的に詳しく、およその金額、その他地方財政に対する、要するに暫定措置でどれだけの救済ができるか、あるいはどれだけの不便があるかということをもう少し詳しくお願いしたい。それから醸造権の問題も、非常に困難があると言われるが、どういう一体困難があるのでありますか。地方財政を解決しなくては地方制度はいけないわけでありますから、結局地方制度はこの画期的な場合に、この際にやらなくては私はできないと思う。それを一年間延ばすということは、どうしても私にはわからない。ただちにこういうことは御研究になり、解決に向つて歩を進められるということに非常に困難があるということを、具体的にお示しを願いたいと思います。
○荻田政府委員 第一の点でございますが、今回実施しようとする税によりまして、相当額の税収入が期待できるのでありますが、これだけをもちましてはなかなか、さしあたり四月以降の地方財政が十分にやつていけるというような財源ではございません。ただいま申し上げましたように、いずれにしましても小さな税でございまして、入場税とか、酒、タバコ消費税とか、事業税・住民税というような根本の税にはふれておらぬのでございますから、もちろんこれだけでは金額にいたしましても大したものではありません。從いまして四月以降税制改正ができますまで、四月、五月の間非常に困るということは、われわれも予想されるのであります。從いましてできるだけこれは國の方の、たとえば配付税の交付をなるべく早く繰り上げて交付するという方法を考え、税制改正ができましたときに、遡つて、四月、五月と申しますか、本年度にはいつて税制改正のできないまでの間の穴埋めをその際に考えたい、こう考えております。 二番目の地方団体に醸造権をもたした場合の大きな欠点でございますが、これは大体酒はいわゆる民業ということになつておりますので、これをただちに取上げるということは、半ば專賣制度みたいなことになり、國の租税の体系というよりも、むしろ大きな商工業に対する問題も含まれておりますので、具体的にいろいろむずかしいということで、検討に至らずして、まずこの際は延ばす、こういうような状況でございます。委員会の模様を申し上げると、そういうようなことで一應延ばされたような次第でございます。
○門司委員 当局にお聽きしておきたいと思いますことは、地方財政がきわめて不安定の中におかれておりまして、各地方自治体におきましては、本年度の予算の編成、さらにその執行にあたりましては非常に大きな支障を來しておるということは言い得ると思うのであります。從つて地方財政に対しまする処置、いわゆる税法の改正を一日も速やかにしていただきまして、そうした不安のないような状態に一日も早くおいていただきたいと思います。これについて大藏当局が本日お見えになつておりませんことを非常に遺憾に考えておりますが、地方財政委員会として大藏当局との折衝の経過をこの機会に承ることができますれば、さいわいだと存じております。
○荻田政府委員 先ほど申し上げたのでありますが、大体こまかいわれわれの出しました地方税財政制度改正に伴う内容のうち、こまかい点は大体話がついたと申しますか、解決しておるのであります。大きな点が五つ残つております。一つは事業税の範囲拡張、すなわち営業税の範囲拡張、第二が酒、タバコ消費税のこと、第三が入場税、次が地方団体中央金庫の問題、最後に五番目に災害復旧基金、この五点が、しかも一番大きな問題が解決をされていないという状況であります。
○門司委員 きよう大藏大臣の御出席を求めておつたのでありますが、大藏大臣がお見えになつておりませんので、大藏省に対しまする質問は省略いたしますが、地方財政委員会といたしましては、大体それらの折衝が終りまして、これが改正の法律案を議会にお出しになります時期等が、あらかじめおわかりになりますならば、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○荻田政府委員 大体本月一ぱいには議会に提案の運びに至りたいと考えております。
○松澤(兼)委員 たびたび質問申し上げますけれども、先ほどお話のありましたところの土地使用税の問題につきましては、これはいろいろ当り障りがあると考えておりますので、私といたしましては、むしろ反対的な意見をもつておるわけでありますが、これが新しい地方税制の改革にはいつてくるとすると、どういうことになるかという問題であります。なるほど農村の土地使用に対して課税をすることは、農村の負担力の関係から言つて、一應は考えられるのであります。しかし一方都会におけるいわゆる土地の権利金とか、あるいは土地増加税の問題と関連してみますと、かえつて都会における土地増加に対して課税することが考えられてもしかるべきであつて、むしろ國策に順應して、土地を新しく開墾したり、耕作面積を拡げたものに対して課税することは、どうもおもしろくない。こういうふうな意見を私もつており、農村の耕地税というものに対しては、先ほど申しましたように、むしろ反対的な意見をもつておるわけであります。都会の土地の償格の増加された分、もしくは莫大な権利金で賃貸借が行われておるという点について、今回の地方税の改革について御考慮になつておいでになるかどうかという点をお尋ねいたしたい。 もう一つは、これは今までお話のなかつたところでありますが、たとえば地方公共団体などにおきまして、使用料、手数料というものをとつておるわけであります。これは條例等によつて徴收する額を決定するごとになつておるものもありますが、あるいは國で一定の基準を與えまして、これ以上とつてはいけないといつたような手数料のようなものもあるように考えられる。実際のところ私もはつきりしないのでありますが、たとえば看護婦の免状交付に対する手数料であるとか、あるいは開業医に対する手数料であるとか、つたような、いわば間接税に属しているもの、そういうものは、今後自由に地方普通公共団体が條例をもつて規定すれば、ある程度まで増額收入ができるというものでありますか、あるいはやはりこれも地方財政委員会で國家的調整を加えていくお考えでありますか。この点明らかにしていただきたい。
○荻田政府委員 土地使用税の問題でありますが、これはもし課税するとすれば、單に農地だけでなく、都会の宅地も一緒にかける考えであります。この際米價の上つた倍数よりも、土地、宅地の上つた倍数の方が少いから、その引上率はおのずから違う。こういうような考えであります。それはそれといたしまして、今回われわれの考えております税制財政改正案では、主としてその都会地の土地の値上りに対する増加税的な意味を含めまして、不動産取得税の高率の引上げをいたしております。土地の課税という問題は、たびたび言われておるのでありまするが、一つには一般物價の値上りとも関係いたします。もう一つは、單に不動産が値上りしたというだけでは、その人の収入はなくして、やはり賣るか何かしないことには、税を納めるだけの金すらもないというようなこともありますので、さしあたり不動産取得税を引上げまして、高くなつた土地を賣つて現金がはいつて納税ができるというときに、この不動産取得税をとる考えであります。 次に使用料と手数料の問題であります。これは申すまでもないのでありますが、いわゆる地方団体の固有事務の問題と、委任事務の問題とあります。固有事務については、これは地方の條例で適当にできるわけであります。國から委任されている事務については、やはりある程度まで國が全國的な統制をしております。たとえば法律とか政令においてその額を制限しているものがありますので、そういうものについては地方団体の任意にはこれを変更することができないわけであります。ただいま御指摘の看護婦の手数料とか、戸籍の手数料がそれであります。なお大きくは水利使用料が各地で問題になつておりますが、それらも地方団体で適当にできないわけであります。そのほか一般物價統制令にひつかかるものは一應物價廳の許可を仰がなければならぬわけであります。
○松野委員 私多少遅れて來たので、こういう質問が出たかと思いますが、これはこの前に私が発言したと思います。これは御承知のごとく、あまり結構な話でありませんが、全國的に、特に地方の農村地帯に濁酒の密造が行われていることは周知の事実であります。そしてこれを取締る方法も、現在の税務署その他において不可能なことも周知の事実であります。しからばこれを何とか財源とする方法はないかということを、この前の委員会に提案いたしましたが、その後何らの回答もありませんし、また今度の要綱にもはいつておらぬようでありますが、地方財政として考慮する余地があると思つて研究されているか、あるいはどういう処置をとられますか、一應御意見を拝聽いたしたいと思います。
○荻田政府委員 先ほど同じ御質問があつたわけでありますが、地方団体が酒の醸造に対して課税したらどうかというお話が先般もありました。そのとき地方財政委員会の竹谷委員もおられまして、その機会において披露があつたのでありますが、何分にも問題が大きいので、さしあたり今回には間に合わないし、なお地方財政委員会も一年間あることだから、そのときに考えることになつたのであります。そうして今回は初めから要綱に掲げてありましたように、酒、タバコの消費税の一部を地方公共団体の収入とするようにし、なお密造取締りの点も、さいわいに自治体警察になりましたので、そこで賣れる酒の税の一部が地元にはいるとなれば、やはり自治体警察も一生懸命密造取締りに努力するようになりますから、そういう意味において酒、タバコの消費税をぜひつくりたいということになつております。
○高岡委員長代理 ほかに御質問ありませんか。 —————————————
○高岡委員長代理 では消防法案起草に関する件について、門司小委員長代理より中間報告を承りたいと思います。
○門司委員 それでは小委員長の川橋さんがおいでになりませんので、代りまして小委員会の報告をいたしたいと思います。 治安及び地方制度委員会では、今年一月二十一日に消防法の起草委員会をつくりまして、法案の起草に着手いたしまして、打合会、委員会を開くこと四回にわたりまして、ようやく草案の作成を終りましたことは、本年二月五日の本委員会におきまして、小委員長の中間報告を致しましたが、この草案を三月五日に送付して、意見を求めておりましたのでありますが、本月二十五日に至りまして、小委員長の出頭を求められまして、意見を求められたのであります。三月三十日小委員会を開き、当局の意見をも徴して、再審議いたしました結果、ただいま配付いたしてあります法案を得たのであります。もつともこの法案はさらに意見を求める必要があるのでありますが、その示された修正意見を逐條的に御説明申し上げたいと思います。 第一章の総則の部では「船渠若しくは埠頭に繋留された」の一句を挿入して船の位置を明示いたしました。 第二章火災の予防の部では、第四條中に、「あらゆる仕事場、工場又は公衆の出入する」の文句と「但し個人の住居は所有者及び占有者又はそのいずれかの承諮がなければ立ち入らしめてはならない」の一句を挿入して、消防職員の立入り場所を明示し、かつ個人の住居に関しては制限を加えております。さらに消防団員の補助を規定した第五條を削除し、第七條冒頭の消防署長の行政執行の部分を削除いたしております。 第三章危険物の部では、第十五條において「市町村條例に規定する」の一句に新たに一項を加え消防員と警察官との権限を明らかにして、「火災現場の消防長(古参者を意味す)の指揮により警戒区域を設定する場合現場にある警察を挿入して、映写技士の資格を明らかにしておるのであります。 第四章に対しましては、消火の設備の部では、消防用具の検査及び販賣を規定する第二十一條を削除しております。 第六章消火活動の部では、第二十七條中に新たに、消防車の出動及び帰路の途中における一般の消防車に対する心得と、消防車自体の制限を規定する一項を加えております。すなわち「消防車が火災の通報に應じて、現場に赴くときは、車馬及び歩行者は、これに道路をゆづらなければならない。消防車が接近したときには、自動車、牛馬車、手引車、自轉車等は道路左側に出來得る限り寄り添い消防車が通過するまで停止しなければならない。路面電車はその間停車しなければならない。消防車は火災の現場に出動するときに限りサイレンを用いることが出來る。時速は五十五キロメートルを超えてはならない。消防署に引き返へす途中は鐘又は警笛を用い一般交通規則に從はなければならない。」この條項であります。さらに火災現場の警戒区域設定に関する規定として、同第二十七條中に新たに一項を加え消防員と警察官との権限を明らかにして、「火災現場の消防長(古参者を意味す)の指揮により警戒区域を設定ずる場合現場にある警察官は、これに援助を與える義務がある」の一項を加えております。 第七章火災の調査の部では、第三十二條中に新たに次の一項を設けて、立入り検査を規定しております。すなわち「消防長及び関係保険会社が認めた代表者は、火災の原因及び損害の程度を決定する為めに火災により破損又は破壊された財産を檢査することが出來る」の一項であります。さらに第三十四條中に、放火の疑いある場合、その捜査逮捕に関する消防官と警察官との権限を明らかにするための次の一項を加えております。「放火の疑いのあるときは、その捜査の主たる責任は消防長又は消防署長とする。但し警察官が犯人を探知し、之れを逮捕することは妨げない。放火絶滅の共同目的のために消防官及び警察官は互に協力しなければならない。」を追加するのであります。 第九章罰則の部では、第四十條ないし第四十四條で罰金に関し一万円と五万円とし、三千円を三万五千円と、それぞれ増額し、さらに罰金と懲役を併科し得るように訂正しております。 附則第一條の、本法律の施行を政令によらず施行期日を明記することを勧告しています。右のほか「政令」を「市町村條例」に改め、また別表備考三のアルコール類中にエチールを加える等小修正があります。 以上は修正意見の要点でありますが、これらは文字通り、あるいは同じ意味で原案に織りこみ、三月三十日の小委員会で修正の上採決したのであります。さらに、こまかい字句の修正がありますので、この機会に一應申し上げておきたいと思いますことは、原案中に「地方條例」とありますものを「市町村條例」と書き改めているのであります。この点は各章、各條にわたつておりますので、一括して申し上げておきたいと思います。以上御報告申し上げます。
○高岡委員長代理 何か小委員長に対して御質問はございませんか。 —————————————
○高岡委員長代理 では次へ移りまして、競犬法案起草に関する件について松野小委員長より中間報告をお願いいたします。
○松野委員 昨日小委員会を開きました。その席上門司君より修正案が出ました。それは第二條及び第三條に「内閣総理大臣」とあるを「地方財政委員会」と修正するという意見でございまして、その理由といたしましては、元来当競犬法は地方財政を主体とするものであるから、内閣あるいは中央官廳がこれにタッチすることはあまり好ましくないという意見でございまして、小委員会は満場一致これを承認いたしました。すなわち、第二條の「内閣総理大臣」、第三條の「内閣総理大臣」を「地方財政委員会」に修正いたしました。なおそれに附随いたしまして、附則の、この「法律により内閣総理大臣」の一項は前例により削除いたすことにいたします。
○高岡委員長代理 小委員長の方に御質問がありましたら御発言願います。
○中島(茂)委員 消防法案並びに競犬法案は、ただいままで小委員会案として審議を進めてまいつたのでありますが、今後は本委員会の案としてこれを審議を進められるように希望いたします。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高岡委員長代理 それでは、各小委員会で御審議御研究くださいました消防法案、競犬法案は、本委員会に移して審議を進めることにしたいと思います。
○中島(茂)委員 なお、消防法案並びに競犬法案の今後の修正に関しましては、特に必要ある場合を除いて、小委員会で審査したものを原則として本委員会において審査を進めたいと思います。お諮りを願いたいと思います。
○高岡委員長代理 ただいま中島君よりお聽き及びの通り、原則として小委員会で決定いたしました原案を本委員会の原案として審議を進めたいという御意見でありますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高岡委員長代理 それではさような方針に從つて審議を進めてまいりたいと思います。——緊急の事案があるそうでありますから続行いたしたいと思いますが、暫時休憩いたします。 午後四時二十二分休憩 ————◇————— 午後四時二十八分開議
○坂東委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
○千賀委員 地方制度並びに地方財政制度の改革につきましては、最近地方財政の窮迫が実に焦眉の急に追つておるのでございます。私は昨日も愛知縣に帰つて縣廳並びに私の出身地である岡崎市役所等に出頭して、いろいろ問題を討議したのでございまするが、縣会は済ましてみ、また市会は済ましてみたのでございまするが、結局根本がきまつておらないので、ほとんで暗中模索の形で安定を欠いておりまして、実は当事者たちは困つておるのであります。これは單に愛知縣の問題だけではなしに、この愛知縣の事実は、あげて日本のことごとくの地方財政の事実を、ここに反映しているものであると断ずるものでございます。かようなわけでございまして、何といたしましても政府は、ここに強力なる施策を示さなければ、地方の復興などということは実にあり得ざる問題でございます。また地方財政委員会におきましても、はつきり明示せられておるのでありまするが、法案提出最終日たる三月六日は、すでに経過をして一箇月近くになんなんとしておるのでございます。かようなわけでございまして、すでに地方財政のために、私が申しまするこの法案を、荏苒日を延ばす理由はまつたくないのでございまして、ほんとうに地方財政に思いをいたし、また地方を愛し、鼓舞する責任にある政府といたしましては、一日も速やかにこの法案を完成して、わが國会に提出をしてまいらなければならないと思うのでございます。かような点がなおざりにされておりますことは、特に関係の深いわれわれ地方制度委員会、殊に地方制度の母であり父である、淵源であるわれわれの委員会におきましては、実に焦躁にかられておるのでございまするから、政府といたしましては、速やかに本委員会に成案を得て提出をしてくれるように、ぜひともこれは強力なるわれわれの意思をここに表明いたしまして、政府を鞭撻したいと思うであります。私のこの発言を動議といたしまして、さいわいに皆様の御賛成がありますならば、委員長がこれを適当にまとめられまして、政府に御傳撻のほどを願いたいのであります。
○坂東委員長 ただいま千賀委員より、地方財政整備に関して政府を鞭撻の意味の動議がありました。この動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それでは満場異議なきものと認めます。しからばただいま申されました趣旨は、文書にいたしまして明日午前中に総理大臣のところにこれを手交することにいたしたいと思います。 なお明日は午後一時から会議を開きまして、海上保安廳法案が付託になりましたから、これを審議いたします。なお政府ではまだその材料は整備しませんが、明日は説明だけに願いたいと言いますけれども、材料は必要ないと思いますが、もちろん質問は自由であります。 では本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時三十四分散会