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2回国会衆議院1948/07/02

財政及び金融委員会 第53号

発言数
51
登壇者
14
会派数
6
開催日
1948/07/02

会議録

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 これより会議を開きます。  開会前に佐藤(觀)委員、江崎委員より新聞定價の値上げに関し月極め読者と一部賣について御質疑があり、これに対し山崎(丹)政府委員より御答弁がありましたことを御報告申し上げておきます。  次に本委員会に付託に相なりました当せん金附証票法案、國管競馬特別会計法案を議題といたしまして、まず政府の説明を求めます。     —————————————

荒木萬壽夫民主党大蔵政務次官

○荒木政府委員 ただいま本委員会の議題に相なりました当せん金附証票法案につきまして、提案の理由を御説明いたします。  いわゆる宝くじの発賣に関する根拠規定は、臨時資金調整法中に設けられてあつたのでありますが、本年四月同法の廃止に伴いまして、三月二十六日以後は新たな発行命令を出すことができなくなり、三月二十五日以前に命令の発せられているもののみが、同法廃止後も発賣せられているにすぎないのであります。今日インフレーションの高進を抑制するため、貯蓄の増強、租税の完納その他あらゆる手段を講じて購買力の吸收をはかる必要があるのでありますが、現下の國民の射倖的な心理をつかんだ購買力吸收手段もまた十分に認められるべきものと考えられますとともに、この方法は政府の財源獲得の一助ともなり得るのであります。他面、都道府縣におきましては、一般財源または公債によりがたい事業の財源獲得手段として、本制度の再現を期待しております点等に鑑みまして、当分の間從來に引続いて宝くじ制度を存置する考えのもとに、その根拠法律としまして、ここに当せん金附証票法案を提出いたした次第であります。  以下その概要を申し述べますれば、第一は、從來宝くじは命令の定める法人をして発賣させることになつていたのでありますが、この法律案におきましては、その目的に鑑みまして、証票の性格を鮮明にするため、政府または都道府縣がみずからこれを発賣することとしたのであります。なお都道府縣の発賣につきましては從來大藏大臣の認可を必要としたのでありますが、これを内閣総理大臣の許可事項とし、内閣総理大臣は大藏大臣に協議することといたしたのであります。  第二は、発賣者たる政府または都道府縣は、その発賣、当籤金支拂を希望する銀行に委託することといたしたのであります。  第三は、刑法の規定を解除して、発賣せられるこの証票の性質に鑑みまして、証票の條件その他の事項は、発賣前に告示することとし、なお当籤金品の最高額を法律に規定いたしたのであります。  第四は、当籤金品の支拂に関して、当籤証票は完全な引換証券とし、証票を離れて、当籤金品を請求し得ず、また発賣者は当籤金品支拂の責任をも有しないことを、規定の上で明確にいたしたことであります。  第五は、この当籤金品の性質に鑑みまして、これに一時所得としての所得税及び不動産取得税を課さないことといたしたのであります。  第六は、政府または都道府縣みずからが発賣者となるため、歳入及び歳出の処理に必要な規定を設けるとともに、発賣等の委託を受けた銀行の経理については、これを通常の業務と明確に区分せしめ、これを通常の業務に流用することを禁止する規定を設けることとし、なお必要な罰則を規定いたしたのであります。  以上、この法律案の要点につきまして御説明いたした次第であります。何とぞ御審議の上速やかに御賛成あらんことを希望いたします。  次に、國営競馬特別会計法案提出の理由を御説明申し上げます。  今回競馬法を制定いたしまして、公正な競馬を行うため競馬を國営といたしますにつきまして、この競馬に関する歳入歳出のうち、勝馬投票券の発賣に関する歳入歳出は、性質上一般会計で経理することは不適当と存ぜられますので、今回國営競馬特別会計を設置し、勝馬投票券の発賣に関する経理を明らかにいたそうとするものであります。すなわち、この会計におきましては、勝馬投票券の発賣による收入金、勝馬投票券の発賣に伴う過誤受入金等の收入をもつて歳入といたし、拂戻金、返還金、事故現金の補填金、過誤受入金の拂戻金、一般会計への繰入金等の費用をもつて歳出とするものであります。  以上の理由によりこの法律案を提出いたしました次第であります。何とぞ御審議の上速やかに御賛成あらんことを希望いたします。     —————————————

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 次に連合國占領軍の管理下から解除された貴金属等に代るべき貴金属の地金の連合國占領軍に対する引渡に関する法律案を議題といたします。——本案の質疑を打切り討論を省略いたしまして原案通り可決確定いたしたいと存じますが御異議はありませんか。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 御異議はないようでありますので、原案の通り決定をいたします。     —————————————

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 次に薪炭需給調節特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。

井出一太郎国民協同党

○井出委員 ただいま上提中の本案につきましては、論議はすでに盡きておると存ずるものであります。本案を愼重に檢討いたしました結果、修正を必要とするところを発見いたしましたので、ここに各派共同提案という形で修正動議を出したいと存じます。その修正案を朗読いたします。修正の箇所は第七條の二を次のように改めたいと思うのであります。  第七條の二 政府は、薪炭の買入代金の支拂に関する事務の一部を農林中央金庫に委託して行はしめることができる。    政府は、日本銀行又は農林中央金庫に対し、薪炭の買入代金の支拂に必要な資金を交付することができる。    農林中央金庫は、農林中央金庫法(大正十二年法律第四十二号)第十六條の規定にかかわらず、薪炭の買入代金の支拂に関する事務を行うことができる。  以上の通りであります。  次に簡單に修正の理由を申し上げます。今回の政府原案によりますれば、薪炭の買入代金の支拂につきまして、その事務の一部を一般の市中銀行あるいは農業協同組合または農業会等に委託することができると相なつており、またその場合におきまして、あらかじめ資金の交付をこれらの金融機関にいたしまして、代金の支拂に必要な資金を交付することができるようになつておるのであります。しかしながらかような末端機関をして政府資金の取扱いをなさしめるということは、場合によりましては不必要な混乱を起す、こういうことも懸念せられまするので、政府の代行機関としての役割は、一應日銀と農林中金の限度において一線を引いた方が適当であろう、かように考えるのでございます。私は先ほどの質疑において、森林組合などをやはり農業会や農業協同組合と同列におくべしという主張をいたしたのでありますが、この点においては各委員において異論は一應ないのであります。今申し上げた末端機関ということになります関係から、森林組合はもとより、一般銀行、農業協同合組、農業会、こういつたものに対しては資金を流さない、その前の日銀及び農林中金の段階において一線を引くことが適当である、かように存ずるからでございます。何とぞ全会一致どうか御賛成をいただきたいのであります。なおこの薪炭資金は目下非常に緊急性が強調せられておるわけでございまして、すでに政府資金も余すところわずか一億程度になつたと聞いておるのでありまして、会期逼迫の今日速やかにこの資金需要の関係からしても、本案を修正可決されんことをお願いする次第であります。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 本案についてはまだ質疑が打切つてなかつたようでありまするが、この場合質疑は打切り討論にはいつて、ただいまの井出さんからの修正動議が出たものと御了承を願いたいと存じます。そこで討論に移りますが、討論はございませんか。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 討論はないようでありますのでこれより採決いたします。まず國民協同党井出君からの各派共同提案にかかる修正案についての採決をいたします。本修正案に賛成の方の御起立を求めます。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 起立総員。よつて本修正案は提案のごとく決定いたしました。  次に本修正案の修正部分を除いた原案に賛成の諸君の御起立を願います。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 起立全員。よつて本案は修正可決せられました。     —————————————

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 次は國有鉄道事業特別会計及び通信事業特別会計における事業運営以外の行政に要する経費の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたします。

梅林時雄民主党

○梅林委員 本案は昨日すでに質疑は終了したのでありますが、討論を省略いたされまして、ただちに採決せられんことを希望いたします。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 梅林君の動議のごとく計らつて御異議ありませんか。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 御異議なしと認めます。よつて本案はただちに採決に入ります。本案に対し御賛成の各位の御起立を求めます。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  暫時休憩いたします。     午後零時九分休憩      ————◇—————     午後零時四十八分開議

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。  所得税法の一部を改正する等の法律案及び取引高税法案を一括いたしまして議題とします。討論に入ります。まず社会革新党本藤恒松君。

本藤恒松社会革新党

○本藤委員 所得税に対しまして、政府原案に対しましては反対いたすのでありまして、社会革新党といたしましては修正案を出したいと思うのであります。  その修正は、所得税の「第十二條第一項中「四千八百円」を「一万五千円」に改め、」とあるのを「三万円」と修正いたしたいのであります。その理由といたしましては、今日のインフレのこういう経済伏態のときの一般國民の生活は、最低の生活者であつても一年に五万円、六万円の生活費はかかつておるのであります。これらはほとんど國民の最低生活費でありまして、こういうその日その日を送つておる最低生活者に対してもしこれを月五千円の收入があるとして一年六万円となる。政府案の一万五千円の控除でいつた場合に、もし四万台の收益があつたとするならば、これに対する税金は相当な金額がかかります。こういうときにはこれらの家庭は必ず相当な悲劇を演じるのでありまして、農村においてもまた一般市民層においてもこういう所得税の徴收法に対しては、いろいろな家庭的悲劇があるのであります。殊に農村や一般勤労大衆は働くことに一生懸命で、今日のインフレと鬪つて、生活にほとんど汲々としておりまして、税務署に申告するいろいろ所得の手続きや何かに対しましても、勤労大衆というものは、こういう書類をつくつて、手続きをとつて免税になるような方法を講ずるということもなかなか困難でありますから、結局これを怠つたりした場合には、思いがけない税がかかつてくるということになるのであるから、私はある程度の社会政策として、免税点を引上げていただくのが今日の國民の実際の生活を保障してやるという上においては、当然の途であると思います。こういうようにいろいろな点から見ても、どうしてもこれはなすべきであります。むろんこの議会を通じまして國民の一般に関係する酒、タバコあらゆるものに対しての税金は、ますます高率化していくのであるから、一般が儉約して自分の最低生活の保障までその所得税の免税点を引上げるということは当然であります。どうかこの修正案に満場の皆さんが御賛成あつて修正されんことを望む次第であります。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 次に第一議員倶樂部の堀江君。

堀江實藏第一議員倶楽部

○堀江委員 時間が遅くなつておるので、簡單に修正案の要点を申し上げます。まず所得税法等の改正が政府原案によれば、私がいつか見解を述べたように、資本擁護である。大衆收奪であるということは、政府当局との質疑應答によりまして、ますますはつきりしたのでありまして、私はこれを適当に修正したいということを考えるものであります。まず所得税の基礎控除の点でありますが、これを「一万五千円」の原案を「六万円」にする。つまり月五千円の基礎控除にするという問題であります。この問題につきましては、物價指数からいつても、政府は百十倍の物價の値上げを計画しておりますが、去年にしても大体六十五倍の基準であります。昭和十一年の所得税の基礎控除は千二百円であつたわけでありまして、六十五倍にしても七万円見当の基礎控除、物價の指数から比率がさらに百十倍であつたならば、十三万なんぼの基礎控除が必要であるということであるが、政府当局のいろいろな答弁によりまして、國家財政が非常に窮迫しておるという意味において、少くも六万円ということに修正をするわけであります。  次に所得税率の問題でありますが、基礎控除が六万円に引上がれば、それから下の者はいくらほどになりますか。ただこの二十五万円以上の大所得者が下つておるということは、これは不当でありまして、資本擁護の一つの現われであり、二十五万円以上は政府原案よりも一〇%ずつ上げていくということであります。  次に法人税の問題であります。法人税を減額し、あるいは超過所得を減額することは政府の答弁によれば、資本の蓄積であるという答弁でありました。これは明らかに資本の擁護であるという意味において、こうしたものは昨年通りに据え置いて、引下げを認めないという問題であります。  次に物品税であります。物品税におきましても、高級品は引上げ、そうして生活必需品であるところのマツチや砂糖を大幅に上げておることも、大衆收奪の現われである。だからこれはもとのままにする。高級品を下げる必要はない。大衆品も必需品を上げることは全然反対であつてこれまで通りにする。それから酒税、清凉飲料税、砂糖消費税、そうしたものを上げてはならない。これをあげるということは鉄道運賃との関連を考えてみましても、政府は大いに暴利をとつておる。タバコにおいてもそうだが、酒においても暴利をとつておる。これは税の形であるが國民の生活に響く影響は大きいのでありまして、こうした値上げをしてはならないという意味において値上げを認めない。  それから次に國税犯則取締法の問題であります。なぜ昨年大衆運動が起つたかという問題、これは税制が惡いからであるが、なおこの税制は改惡である。私の今の修正案が通らなかつたならばより一層の改惡である。なお大衆運動は起つてくる。大衆運動を法律をもつて抑圧するという政府の方針においては、タバコの問題にしても何にしても、絶対反対である。なぜ大衆運動が起るかといえばこれは大衆の收奪であるから起るのであつて、そうしたものに刑罰を強くすることによつてこの收奪をする苛斂誅求のこの税法を実行するということに対しては断乎として反対せざるを得ない。  次に所得の査定について民主的な委員会をつくる、あるいは團体交渉権を認めるというような項を入れるべきである。  それから農業所得についてでありますが、農業所得は政府の見解と私の見解は違います。現段階の農業は勤労所得にひとしいものであるから、勤労所得税に対すると同じように勤労控除をなすべきであるという修正点を附加いたします。  それからこれに関連して政府のごまかしの一つであるところの所得税率を多少下げた。しかしはつきり大衆課税であるところの取引高税をこしらえております。これはこの所得税法等の一部を改正する法律案と関連のある問題でありまして、こうしたことは絶対にやつてはならない。いろいろ政府の言う流通秩序を阻害する面も多いのでありまして、この関連において取引高税絶対反対である。  次に、農業所得の問題について政府に希望意見を申し述べておきます。從來特に農業所得に対して過重であつたことはデヴイス課長の指摘した通りでありまして、再生産が可能な必要経費を見ること、また必要経費に対しましては、私のいろいろ委員会において希望した点を達成していただきたい。特に政府に猛省をしていただきたいのは、家族労働の問題であります。  家族労働は現在の税法においては、ただで働く動物として取扱うわけであります。これも修正なのです。  それから農村の民主化ということが、日本の民主化の基本である。それに農村民主化の基本であるところの農業協同組合に課税するということに対しては、断然反対である。  以上まだいろいろ意見はありますが、すこぶるせいておられるようでありますから、この程度で修正案を……。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 社会党を代表して川合彰武君。

川合彰武日本社会党

○川合委員 所得税法の一部を改正する等の法律案中、私は第一議員倶樂部を除く各派を代表いたしまして、最初に修正案を述べます。  それは通行税法の一部改正中、第五條の附則の改正規定中「(昭和二十三年法律第 号)」を削除する。  次に物品税の一部改正中第一條第一項の改正規定のうちの第一種、第三十八号中「玉露」を削る。  次に第二十三條関税法の一部改正中第一〇一條三中「場合ニ限ル」を「海上保安官トス」に改め、「ニ於テ税関官吏ノ要求アル場合」及び「港域外ノ」を削り、「在ラサル場合又ハ税関官吏ノ要求アル場合に限り犯則事件ニ関スル事務」を「要求アル場合又ハ税関官吏ノ在ラサル場合ハ本法違反事件ノ予防及取締」に改める。  第百一條の四中「犯則事件ヲ発見又ハ」を「本法違反事件ヲ発見シ又ハ関税法規ノ」に改める。  第二十四條、横須賀港を開港に指定する等の法律の一部改正中「(昭和二十三年法律第 号)」を削る。  次に、第三十九條施行期日のうち、「昭和二十三年七月一日」を「公布の日」に改め、「適用し、」の下に「通行税法第二條から第八條まで及び同法附則の改正規定は、政令で定める日から、」を加え、(「昭和二十三年法律第 号)」を削る。  第四十四條、通行税法に関する経過規定中、「この法律」を「通行税法第二條から第八條まで及び同法附則の改正規定」に改める。  以上が各派共同提案になりましたところの所得税法の一部を改正する等の法律案中の一部修正案であります。  その修正理由は申し述べるまでもなく、主として事務的な問題でありますが、そのうちの物品税法の一部改正中「玉露」を削るというのは、玉露は元來緑茶であつて、緑茶がすでに物品税法の適用の対象になつているというような関係を考慮して玉露を削るということだけが主として実体的な修正の内容であります。何とぞ御賛成あらんことをお願いいたします。  次に同じく所得税法の一部を改正する等の法律案中、私は與党三派を代表いたしまして修正案を提出いたします。  それは第十三條第一項中二十万円を超える金額百分の五十までは政府の原案通り認めるのでありますが、二十五万円を超える金額を百分の五十五に改め、三十万円を超える金額を百分の六十と改めるといたしまして、順次五%ずつ改めて、五百万円を超える金額を百分の八十五というようにいたし、從つてまた第十三條第二項及び第三項の改正規定を削除するというのが修正案の内容であります。  この修正案は健全財政を維持せんがためにいろいろなことが問題になつたのでありまして、御承知の通りにそのためにわれわれ與党三派の間には三党首の会談を開き、そして健全財政維持のために合理的なもろもろの修正をいたしたのであります。ところでそのうち最も問題になつたのは鉄道運賃の倍率を引下げるというようなこと、その他の関係からいたしましてこれを特別会計の赤字を一般会計から補填するために主として應能負担の原則に基いて高額の所得者から一層の徴税を行いたいというような見地から今申し上げたような修正案を提出するに至つたものであります。私は現下の状況から考えまして、各方面において非常に納税力が欠乏をしていることは事実であると思うのでありますが、應能負担の原則からいたしまするならば、どうしても私は今日の徴税の対象になり得るものは高額の所得者であり、それも二十五万円以上の所得を有する者から、こういうような納税をしていただくことが妥当であるというような見地から、税率を各段階において五%ずつ上げるということはすこぶる理由のあることと存ずるのであります。こういうようなことによりまして、私は一方において國民の負担に対する増加となるところの鉄道運賃倍率が政府の原案よりも低下し、それによつて大衆の負担が軽減される反面において、この所得税法の一部を修正することによつて、私は主として高額所得者が分に應じたところの納税を負担するということはすこぶる時宜に適したものであるというように考えるのであります。  以上のような理由からここに修正案を提出いたしたのでありますが、同時にここで私は強く政府に警告をしておきたい点は、三堂首会談の主たる内容であつた一点でありますが、今回所得税中において、徴税の実際において政府の予算以上に百六十億円の増徴をすることになつております。そうしてその増徴の主たる部分は、主として高額所得者からとるということになつているわけであります。徴税の実際にあたつては、ややもすれば一番イージーゴーイングな方法によつて低額所得者からとるというようなことになりがちでありますが、そういうことのないように嚴重なる監督をしていただきたい。こういうようなことを含めて、ここに税率の変更を修正案としたわけであります。いずれ討論の際申し上げることと思いますが、修正案の理由を簡單に申し上げたのであります。

赤松勇日本社会党

○赤松(勇)委員 今の川合君の趣旨弁明中に、第一議員倶樂部を除く各派を代表してという言葉がありましたが、この点は私は各派交渉委員をやつている関係で絶えず問題になりますので、この際明白にしておきたいことは、第一議員倶樂部を代表して堀江君が先ほどの修正案を出されたのであるか、それとも第一議員倶樂部に所属する堀江議員個人が出されたものであるか、この点をひとつ明白にしておいていただきたい。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 ただいまの赤松君の発議でありますが、堀江君の先ほどの修正案は、堀江君個人であるか、あるいは第一議員倶樂部全員を代表しておられるか、明確にしておいていただきます。

堀江實藏第一議員倶楽部

○堀江委員 その点におきまして、第一議員倶樂部の性格はどういうものであるかということから説明すれば御了解いただけるのではないかと思います。御承知の通り第一議員倶楽部は無所属をもつてするところの、院内の交渉の團体と解すべきでありまして、第一議員倶樂部でこういうことをかりにきめる。運賃値上は反対だということがきまるのでありますから、税制に対しては反対だということがきまるのでありまして、大体の方向はきまつても各所属の倶樂部員は採決に対して自由で拘束されないということでありまして、私個人であるごとくも解されるし、また第一議員倶樂部代表とも解される。拘束されないという点を御了解になれば自然その問題は御了解になると思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 堀江君の意見を伺つておりますと、おそらく堀江君のああいう大衆政策というような意見がはたして第一議員倶楽部の人が、全員が賛成するかどうかということについては、内容についてもいろいろ制約があると思うのであります。だからおそらくはわれわれの解釈としては堀江君個人として、財政委員の一人として解釈した方が間違いはないと思いますが、いかがですか。

堀江實藏第一議員倶楽部

○堀江委員 それは違います。今回の政府の物價値上げ、これが日本の経済の再建を破壊し、そしてインフレを促進するということにおいて、第一議員倶樂部大多数は、今回のタバコ値上げにしても、運賃の値上げにしても、反対であります。しかしながらさきにも言いましたように、採決の際には自由である。拘束されないということであれば、私は個人ではない。しかしながら全部の意見であるかどうかということは採決してみなければわからぬ。

川合彰武日本社会党

○川合委員 先ほど各派の共同提案のうち第一議員倶樂部を除くと申し上げましたが、第一議員倶樂部所属の堀江君を除くといたしたいと思います。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 次に移ります。民主党を代表して梅林時雄君にお願いします。

梅林時雄民主党

○梅林委員 去る二十九日行われましたところの與党三派交渉会談の結果、勤労國民の賃金、物價等の現状に鑑みまして、一般國民大衆の生活の可及的安定をはかる等のために、取引高税法案中次のごとく改正せられたのであります。三派を代表いたしまして、その改正の大要を述べたいと思うのであります。取引高税法案中次の箇所を修正する。  第二條第一項第三十五号を削り、同項第三十六号の「理容業」の下に「(理髪業を除く。)」を加え、同号を第三十五号とし、以下順次一号ずつ繰り上げる。  第七條第七号の次に次の一号を加え、第八号を第九号とし、以下順次一号ずつ繰り下げる。  八 そ菜及び鮮魚介並びにみそ、しようゆ、牛乳その他の臨時物資需給調整法(昭和二十一年法律第三十二号)に基いて配給される食料品及び燃料で命令で定めるものの製造、取次及び販賣  第九條第一項第五号中「拂込保險料額」の下に「(但し、再保險契約に基いて收入するものを除く、以下同じ。)」を加える。  第三十二号條第三項中「第四十号」を「第三十九号」に改める。  第四十九條第一項及び第二項並びに第五十條第一項中「昭和二十三年七月一日」を「この法律の公布の日」に改める。  以上でございます、何とぞ皆さんには右修正案に御賛同あらんことを切望いたします。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 ほかに修正案はありませんか。——ないようでございますので、これより討論をいたします。内藤君。

内藤友明国民協同党

○内藤委員 私はただいま川合、梅林両委員から出されました修正案に賛成するものでありますが、この際政府委員に確かめておきたいことが二点あるのであります。それを確かめまして賛成いたしたいのであります。  まず第一は、農業所得の計算につきまして、先般來この委員会の各派の皆樣の御意向を尊重いたしまして、私は主税局の監理第一課長と詳細打合せいたしまして、それをまとめたのが、皆樣のお手もとにお配りいたしてあるのであります。この農業所得の計算方法を大藏当局が尊重せられまして、実行なさる意思があるかどうか。まずそれを承りたいのであります。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 ただいまお話になりました農業所得の計算方法に関する解釈の細目にわたる各般の御意向につきまして、内藤委員と主税局との間に相当詳細に研究いたしまして、この案がまとまりましてできましたのをお手もとにお配りしてあるわけであります。本案につきましては、これによつて大藏省といたしましては実施をはかりたいと考えておる次第であります。

内藤友明国民協同党

○内藤委員 政府委員から印刷物の通り実行するという御意見の御発表がありました。しからば委員長におかれましては、この印刷物を速記録にしかるべくお載せいただきたいと思います。なお本会議に本法案が上程されますときに、これに少し言及していただきまして本会議の速記録にも載せていただきたいと思います。  次にもう一つ政府委員に伺いたいのは、法人税法の改正案中第九條第四号は列挙してあります特別法人のうちに林産組合が漏れておるのを発見したのであります。これは都道府縣林業会の下部團体として森林組合と同列におかれておるのでありまして、当然ここに掲げなければならぬ團体であります。今この法案を修正することは間に合いませんので、何か通牒でも発していただきまして、事実上の取扱いにおいて右の措置を講ぜられたいと思うのでありますが、当局の御所見を承りたいのであります。

平田敬一郎大藏事務官

○平田(敬)政府委員 今お話の林産組合については今の御趣旨の通り運用をはかりたいと考えております。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 委員長より内藤委員にお答えします。ただいま御希望の点については十分了承いたしました。

大上司民主自由党

○大上委員 今次提案せられました所得税法の一部を改正する等の法律案並びに取引高税法案に対し、ただいま社会革新党から修正案として出されました点は、その趣旨においては賛成するものでございますが、國家全体の財政面から見ましてこれに反対するものでございます。なお第一議員倶樂部所属の堀江君の修正案のうち、取引高税の全面的反対に対しては賛成するのでございます。從つて私は過日來連日審議に参加し、なお政府の意図とするところの各般の政策を推定し、國家経済並びに國民経済の両面に立脚して研究の結果、大体本法案については特に所得税法の一部を改正する等の法律案については、不満足ながら先の理由に基きまして政府原案に賛成するものでございます。それで所得税は、法案に規定されてある通り、総收入より総支出金を控除した残額が所得であると思います。これが今次の更生決定に見られたように、政府の見込んだ所得と國民の所得と相当開きがある。これをいかに調節するかということが、本法案において如実に現われております。さればたとえば企業の種類にはいろいろあるが、税法上の所得は、農業であろうと商業であろうと、はたまた勤労所得であろうと、皆帰するところは一つの所得であろうと思います。にもかかわらず所得発生の過程が異なる。すなわち農業所得者と商業所得者と、その所得を発生せしめる過程がおのおの違うであろうと思います。その最終の所得計算が非常に不公平であるという点を特に指摘しておきます。控除はどういうことかと申しますと、農業所得者と勤労所得者の場合にこれははつきり出ております。その第一点は、すなわち農業所得者は、單に基礎控除一万五千円だけであるが、勤労所得者の方は一万五千円の上に、なお勤労控除が特別に三万五千円を認められておる。こういうふうに、所得を生むところの過程とその結論において、なぜこういうふうな面を政府はもう少し研究せられないかという点は、これは了解しがたい点であります。さらに当委員会及び政府当局においてこれを再檢討せられることを私は望むのであります。  次は間接税のうち特に從量税でありますが、これは最前ありました通り、マツチ、砂糖等、國民生活と切り離すことのできないものに対して、なお税率を引上げてきておる。これは、今日のわが國國民の私経済はいまさら私が申し上げるまでもないが、ただちに國民生活を圧迫するとともに、大衆課税の幣に陷りやすい。取引高税においても同じような結果で、しかも脱税を誘発せしめる、こういうような点において特に考えてもらいたい。ために私は本法案につきましては、無條件をもつて政府案に賛成はできがたいのでありますが、諸般の事情からいたしまして、私が最前指摘した諸点は、特に当局において一層の研究を続けるということを確約してもらうとともに、一應了承します。よつて大体不満ではありますが、本案に賛成します。  次に本法案につきまして與党三派から修正案が出ておりますが、この修正案につきましては私同調しかねる、すなわち反対の意を表するものであります。その理由といたしましては、本修正案は二十五万円の所得者を一應高額所得者と見ておられるのであります。すなわち高額所得者とみなすところの限界をどの辺に求めておられるか、これが非常に了解しがたいのであります。この二十五万円の所得者を高額所得者と見るということは、日本の経済を無視したように思われるのであります。それは現在の通貨價値より判断してもらえばおのずからわかると思います。まず取引の発生とともに、大体所得が確定される、こういうふうな行為の連続の決算によつて最終の所得が合計せられる。しかして税法の適用は第一回のいわゆる所得の発生という面と、実際納税をするというところに、相当の時間的なずれがあります。当時の通貨が安定しているとか、あるいは物價が今日のようにさほど上つていないという比較的安定通貨と申しますか、さような経済機構においては、一應安定しておると見られますが、今日のごとく、非常に物價の高騰率がきついという面から行きまして、所得というものの面において、あるいは貨幣の價値という面において、この二十五万円はあまりにも昔に比較したならば小企業者に類似するところのものである、かように私は思います。すなわち今日與党三派がきめておられますところの二十五万円という一線は、昔の最も小さいところの企業者であるように考え、またそのように計算が出ておるように思います。いかに小企業者であつても、企業者である以上は、いわゆる資本というものをもつてかかつております。その資本の減價をどういうふうに見積られ、あるいはどういうふうにこれを償却してやろうかという点において非常な大きな欠陷があると思います。中小工業はわが國の経済機構の中樞と申しますか、中核体であるということは、私が申すまでもなく皆さん十分御存じのはずでありますが、この種の企業段階と申しますか、一つのクラスを混乱に陷れる結果になりはしないか、すなわちそれから起るところの結果は、いわゆる企業の再分配ということを一應考えていかなければいけない、それくらい経済建設ということが無視せられておると私はかように思います。よつていわゆる財政面よりの、歳入の点から見ても、この点においては、ほかから何とか自然増收あるいは経費の節減において、こういうような税率の変更をしなくともいけるのではないか、こういうふうに思い、研究の結果、あらゆる面を檢討して本修正案は合理的でないと思います。よつて反対するものであります。次に取引高税は、これは最前も申しました通り、全面的に反対の意を表するものであります。その理由とするところは、まつたく國民所得を無視して、もつぱら國家財政面に立脚しての立法のように考えられます。すなわち日本経済の復興あるいは外資導入態勢の確立をもつて任とするところの今日の政府が、國民の私経済を破壊しても國家財政を守らんとするきわめて矛盾した一面を暴露しておるように私は考えます。すなわち本法案の実施にあたつて、当然少しでも常識をもつて判定するならば、物價の騰貴あるいはインフレの助長、消費者負担の加重、苦しまぎれの脱税の誘発あるいはやみ取引の助長等、産業再建のためになる現象は一つも算えられていない。なお私たちが一應考えてみなければならぬのは、各種の陳情、すなわち國民の声をいかに皆さんが受取つておるかということであります。各委員がこの陳情の趣旨弁明をいかに受け取られたかは、その主観的判断に一任するといたしましても、わが党は本法は惡法なるゆえをもつて阻止せしめてくれ、こういうふうに受け取りました。しかしこれはこのまま無條件に受け取つたのではなくて、愼重審議した結果、私たちはこれを國民の声として受け取つて惡法なりと断定するのであります。從つてこの法案の反対につきましては、國家財政面において齟齬を來すのではないかというような点がございますが、この点につきましても、種々研究の結果、自然増收から十分見られる。あるいは主税局の現在扱つているところの直間税の本法案以外の方に全力を注いだならば、十分な、いわゆる予定の財政と申しますか、歳入が確保せられるという確信をもつております。こういうような面からと、なお一つ最前申しました物價の騰貴、インフレーシヨンという面において実際から見ていきますと、大きな企業といいますか、一貫性をもつて作業しているところの会社の経営といいますか、あるいは個人の企業形態は、取引高税がかかつてまいりませんが、中小企業者であるところの者は、仕入れに何階段かの手数を要するわけであります。この手数において、結局無資力の中小企業者は高い物を仕入れなければならぬ。從つて一般にあらゆる面で購買力が低下する。これを抑えるだけの力がないということになれば、先ほどの討論の通り経済界を混乱に陷れると思います。  なお最後につけ加えて申し上げたいのは、私たちは國家財政の負担ということは十二分に了承はしておりますが、一つの企業を続行する場合には、御存じの通り所得税がかかつてくる。あるいは取扱い種目によつては物品税がかかつてくる、また取引高税がかかつてくる。その他地方税も負つていかなければならぬ。こういうふうな総合的なあらゆる税負担をいたしますと、われわれの生計費と申しますか、あるいは所得面からその何パーセントが税に変つていくか、そういう点は当委員会におきましては皆十分御存じのはずですから、それ以上掘り下げはいたしませんが、こういうふうな面からいたしまして、私はこの法案に民主自由党を代表いたしまして、反対の意を表するものであります。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 私は日本社会党を代表いたしまして、所得税法の一部を改正する法律案につきましては、わが党の川合君の修正案に対し、さらに取引高税法案については、民主党の梅林君の提案に対しまして賛成の意を表せんとするものであります。社会革新党の修正案の趣旨は、趣旨においては異論のないところでありますけれども、國家財政の見地からこれを見まするならば、実情においては大きな穴を生ずる点も考えまして、その他に適当な財源を見出し得ない現状においては、やはりこれに反対せざるを得ないわけであります。第一議員倶樂部の堀江君の提案に対しましては、國家、政治、経済、財政の現実を知らないか、少くとも現実に目をおおわんとするところの意見でありまして、これに対しては一顧の價値もないとわれわれは感ずるものであります。所得税法の一部を改正する法律案につきましては、今回の財政の面において非常に大きなる國民に対する負担となるわけでありまして、われわれもはたしてこれを推し進めていくならば、國民に対する大きなる負担の加重となるわけではないかということをおそれるわけでありますけれども、これとても先ほど申しまするように、國家財政の見地から、この程度のことはまことにやむを得ないと考えるわけであります。ところでわれわれはここに特に政府に対して要望しなければならぬものは、負担の公平を期するということであります。昨年度の租税徴收の実積から見ましても、何と申しましても負担の上に公平を欠いておるようなところが多く考えられるわけでありまして、今回の多大なる租税の徴收に対しては、より一層の注意をもたれまして、負担の公平を期する上において万全を期していただきたいと思うのであります。  さらにまた課税の方法につきましても、民主的な課税の方法によりまして、でき得べくんば諮問委員会を設けられまして、民情に即した方法によつて租税の徴收をされんことをお願いする次第であります。  さらにまた徴收の実際につきましても、どこまでも納得のいく徴收方法によるべきでありまして、これについては租税完納運動本部等も全面的の協力をしまして、眞に上下こぞつてその目的の達成に協力すべきものであると考えるのでありますけれども、その実態は何といたしましても末端における税務官吏の心がけ一つにもよる事柄でありますので、この点については十分戒飭されまして、國民から恨まれないような方法において租税の徴收をされんことをお願いする次第であります。  さらにまた徴收の時期につきましても、政府においては、今年度は昨年の経驗に鑑みて十分の注意をすると言つておられるけれども、すでに半ばを経過せんとする現実において、さらにこれから莫大の所得税等をかけられる面から見ますると、やはりまたこの徴收も下期に偏るということは明らかな事実でありまして、速やかに適正な方法を考えられまして、一日も早く徴收の方法について確定的な手段を用いられまして、時期のずれによつていたずらに財界を圧迫し、あるいは國民に苦痛を加重するようなことのないように希望する次第であります。  また二十五万円以上の所得者に対しましては、さらに政府原案よりも五%の増徴を要求しておる次第でございまするが、これによつて二十億の増收を期待しておるわけでありまして、この金額は決して少額ではありませんけれども、あらゆる面から考えまして、殊に鉄道運賃等の減額によりまして、國民大衆の負担を軽減する趣旨から言えば、まことにやむを得ないわけでありまするので、これらの点についても公正な方法によつてその目的を達せられんことをお願いする次第であります。  さらにまた五十万円以上の所得者に対しましては、その脱税に十分の注意をされまして、いやしくも租税の面において不当に免れる者のないようにされることによつて、それ以下の少額の所得者に非難されないことを特に私としてあらためて要望する次第であります。  次に蔬菜取引高税についての修正案に対しましては、國民生活に密接な関係のありまする主食についてはすでに政府側において課税しないことになつておるわけでありますけれども、そのほか臨時物資需給調整法に基くところの國民生活に必要な物資に対しましても、やはりこれに課税することは妥当でないと考えるわけでありまして、この点について修正案を提案したわけであります。われわれは取引高税が決していい税でなく、むしろ惡税であるということを考えておるわけでありまして、むしろその全廃をも考えておつたわけでありまするけれども、これとても國家財政の現状より見ましてまことにこれをやむを得ないものとして、一部修正の形において承認するものでありまするけれども、その弊害でありまするところの物價の引上げ、あるいは勤労大衆に対する課税となる点に鑑みまして、その徴收の方法につきましては最も公正に、しかも脱税のないように適宜考慮されんことを希望いたしまして賛成の趣旨にかえる次第でございます。

梅林時雄民主党

○梅林委員 ただいま議題となつておりまするところの所得税法の一部を改正する等の法律案並びに取引高税法案の修正案、並びに修正案の部分を除く原案に対しまして賛成の意を表するのであります。  このたびの税制改正を見まするときに、財政收支の均衡化ということがまず根本課題と相なつておるのでありまして、これはドレーパー使節團の勧告に対する政府の回答であり、また一面われわれ考えまするときには、財戰國家といたしまして國民大衆に対し税の負担の高課であるということもまた万やむを得ない点であると思われるのであります。しかしながら過去一年のわれわれのこの税に対する経驗によつてこのたびの税法改正をいかに民主的に國民の納得できるようなものとするか、しかもその民主的に決定されたものに対していかようにして租税を完納せしめるか、あるいはまたこの課税によつて國家の將來に対して國民間におけるところの感情あるいは思想の上に亀裂を生ぜしめるような危險はないかどうかということにつきましても大いに反省しなければならないと思うのであります。換言いたしまするならば、國民大衆をして民主的に決定せられたる租税を完納させ、しかもそれは納得のもとに完納せしめることができるや否やということが考えられるのであります。物價賃金の惡循環はもはや私がここでかれこれと申し上げるまでもございませんが、このたびの物價改訂により、政府の企図するがごとく中間安定帶が実現し、あるいは賃金に対する物價の裏づけが企画のごとく実現せざる場合においては、このたびの税の改正は結果において勤労國民大衆に対し、あるいは特に中小商工業者に対しまして最も大なる被害となつて現われるのではないかと思うのであります。このたびの予算案を通読いたしまして租税收入の全收入に対する割合は昨年に比し激増しておるのでありまして、昨年度総予算において六三・三%であつたものが本年度においては六五・九%である。しかも金額の面から見まするならば、昨年度の約二倍と相なつておるのであります。さらに所得税の総税收の中において占める割合は五〇・八%から本年度においては五五・五%に増大し、歳入増加は所得税の増によるところがはなはだ大きいのであります。要するにこのたびの所得税改正は、勤労者に対する当局のせつかくの好意ある大幅な控除も、あるいは物價改訂によつてこうむるところの影響と相殺されるような危險はないかどうかということも考えられるのであります。  次に、他方先ほど修正意見で申し上げましたごとく、取引高税は三党首会談によつてその妥結をみたとはいえ、これが大衆課税であり、あるいは先ほど社会党中崎委員からお話のございましたごとく惡税であることも、われわれはよく承知しておるのでありますが、今さらこれをかれこれ論議すべきではなく、本税は、欧米諸國においては事実上において歴史的にその経過から見まして、必ずしも惡税の結果を收めていない。場合によつては、それら諸國の再建に貢献しておるところもないとは言えないのであります。しかしながら本税がいわゆる大衆課税に堕し、大衆に対する負担の轉嫁を最小限度に止めなくてはならないというのが、先ほどのわれわれの修正の本意でもあつたのであります。  政府はこのたびの税制改正により納税に関する國民指導あるいは國民運動を展開されるということを、しばしばわれわれに申しておられるのでありますが、國民自身に対する指導ももとより必要でありますけれども、まずこれを租税という面において啓発し、教育しなければならないのは、その直接担当するところの税務官吏自身に対する教育であらねばならぬと私は思うのであります。これらの教育が不徹底のため、実際面においては、実に言語に絶するような実情が多々あることは、皆樣の御存じの通りであります。このような意味において、短期の講習にしろ、あるいはその講習の経驗を実際に経た者をさらに教育するところの教育機関をつくる等、いろいろな設備を考慮いたされまして、將來國民大衆に対しまして、租税完納が國民の義務であるという理念をはつきりさせるためにも、まず租税行政官の教育をお願いしたいことを、くれぐれも切望する次第であります。  われわれはこのたびの総予算を通読いたしますときに、收支の面においてこのたびの大藏大臣を初め大藏当局のなされました予算の内容は、おそらく過去二十年間の歴代内閣においては見られなかつた内容であるということを見て、私は心から敬意を表するのであります。かくのごとく血のにじむがごとき收支均衡面におけるこの努力と、あるいはこの誠意を集結して、さらにこれを租税の面においてなされるならば、私は必ずやその成果も期してまつべきものがあると信ずるのであります。以上大要意見を述べまして、私は民主党を代表して賛成の意を表するものであります。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 堀江君。

堀江實藏第一議員倶楽部

○堀江委員 今回の所得税法の一部改正の法律案が直接税中心より間接税中心に移行しているという点について、われわれは修正案のごときものをもつているが、社会党方面からいろいろ妨害がありますので……この修正案に対して中崎委員から、國家の財政の角度から差支えないものだという御指摘がありましたが、社会党に逆に反問したい。社会党は勤労大衆の政党であると称していながら、この砂糖消費税とか、清凉飲料税とか酒税とかあるいは物品税を承認されているのは、大衆の負担を増すという点において、勤労階級、労働大衆を圧迫するものであることを私は指摘せざるを得ないのであります。私は時間が過ぎましたので、ただその点を指摘して、私の討論にかえます。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 討論は終局いたしました。これより採決に入ります。  まず社会革新党本藤恒松君提出の修正案の採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の御起立を願います。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 起立少数。よつて本修正案は否決せられました。  次に、第一議員倶樂部堀江君提出の修正案のうち、所得税に関する部分の採決をいたします。右堀江君の所得税の修正部分について賛成の諸君の御起立を願います。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 起立少数。よつて本修正案は否決せられました。  次に、第一議員倶樂部の堀江君を除く各派共同提案の修正案の採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を願います。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 起立多数。よつて川合君提案にかかる右修正案は提案のごとく決定いたしました。  次に、川合彰武君並びに梅林時雄君提案の社会党、民主党、國民協同党三派共同提案の修正案の採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を願います。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 起立多数。よつて本修正案は提案のごとく決定いたしました。  最後に、右修正部分を除いた所得税の原案に対し賛成の諸君の起立を求めます。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 起立多数。よつて修正部分を除いた所得税の原案は決定いたしました。次は、取引高税に関する採決をいたします。右修正部分を除いて、原案に賛成の諸君の御起立を求めます。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 起立多数。よつて所得税法の一部を改正する等の法律案及び取引高税法案の両案はいずれも修正議決せられました。     —————————————

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 次に、印紙をもつてする歳入金納付に関する法律案を議題といたします。右案は質疑を打切り討論に入ります。塚田君。

塚田十一郎民主自由党

○塚田委員 本法案は提案の理由の御説明にもありますように、取引高税法の制定に関連して必要となつたのでありまして、私ども取引高税法に全面的に賛成をいたしません立場上、本法案は必要がないというふうに考えますので、これについて反対をいたします。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 ほかに御意見はありませんか——討論は終局いたしました。これより採決に入ります。本法に御賛成の諸君の御起立を求めます。

早稻田柳右エ門民主党

○早稻田委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決せられました。  それでは休憩いたします。     午後一時五十二分休憩

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