財政及び金融委員会 第40号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/06/16
会議録
○早稻田委員長 会議を開きます。 製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。
○川合委員 まず第一にお尋ねしたい点は、タバコの値上げの問題に関しましては、まだ事が重大なために、それぞれ意見が保留されておつて、從つてこの問題に関する本質的な論議をわれわれは進めなかつたのでありまするが、漸次これから本質的な論議を進めていこうと考えておるのであります。第一にお尋ねしたい点は、從來からもそうでありまするが、タバコの專賣益金というものが常に財政需要に應じて益金を捻出するというように、いわば財政の邪道をいつておるというような感じがきわめて濃厚であるのであります。財政の原則は申すまでもなく、入るをはかつて出ずるを制するにあるのでありますが、最近の財政は出ずるをはかつて入るを制するというようなことに相なつておる。その顯著なる例としてわれわれは、タバコ專賣益金というものがその対象になつておるというように考えるのであります。おそらく大藏省の中における專賣局の当局者としては、主計局に押し付けられて、しぶしぶタバコの値上げに應じるというのが実情ではないかと思うのでありますが、これらに関するところの所見をお漏らし願いたい、かように考えるのであります。
○荒木政府委員 最近の傾向は、タバコの値段が財政の需要に引ずられて、專賣業としてのタバコの價格がいかにあるべきかという、本來の考え方から逸脱していはしないかというお尋ねのようでありますが、タバコは嗜好品であるという前提に立ちまして考える場合に、專賣品の價格が、利益を考えない純手数料的なものであらねばならないとも考えないのであります。言いかえますれば、適当の專賣益金というものは、專賣法実施以來、沿革的に見ましても何がしかの益金は、國家財政に対して寄與させられてまいつておると承知いたしておるのであります。ただ御指摘のごとく、最近の財政の逼迫の状況からいたしまして、本來ならばこの程度であろうと一應考えられる程度以上に、益金に期待する傾向がなきにしもあらずということは、認めざるを得ないかと存ずるのであります。これは敗戰後における、殊に最近におきまする國家財政の状況からいたしまして、やむなくかような價格の決定をすることに相なつたと御了承をいただきたいと存じます。
○川合委員 大藏当局の意のあるところは、われわれも遺憾ながら諒とせざるを得ない現状だと、かように考えるのであります。そこで專賣益金の中には、タバコの益金と塩の益金と、樟脳の益金その他があるわけでありますが、そのうちの九割九分はタバコの益金であることは、常識上察知できるわけであります。ほかの專賣品には赤字のものがあつて、それをタバコによつてカバーされているということを聞くのでありますが、ひとつ專賣益金の内容を、專賣品の項目に應じてこの機会にお示しを願いたいと思います。
○原田(富)政府委員 ただいま川合さんからお尋ねの点、タバコ、塩、樟脳、各專賣について、本年度の予算の内容を御説明申し上げたいと思います。最初総額を申し上げますと、專賣益金は御承知のように九百四十三億一千七百万円でございますが、そのうちタバコ專賣益金が九百四十三億一千二百万円、塩專賣益金が二百十五万四千円、樟脳專賣益金が三百三十七万円ということになつております。昭和二十二年度当初の予算におきましては、タバコ、塩、樟脳、いずれも赤字はなかつたのでありますが、途中におきまして、私どもが予定しておりました塩專賣價格が決定できなかつたために、塩專賣においては約六億円程度の赤字を生じたのであります。本年度は先ほど申し上げました通りの状態でございます。
○川合委員 そうしますと、昭和二十二年度においては、塩の專賣收入は五、六億円の赤字であつたが、本年度の予想としては二百数十万円の黒字になるということが明らかになつたのであります。ところで塩の專賣益金は、塩の價格を現行通りにして益金が上るのであるか、あるいはまた塩の値段を上げてそういうように塩の專賣益金が上るのであるか、この点を承りたいと思うのであります。なお專賣品であつてもタバコの價格の改定は、國会の議決を要することになつておるのでありますが、塩はその範囲外になつておるわけであります。國民の必需品としての重要性から見まするならば、この機会に塩を値上げせんとするならば、どの程度の値上げをするかということを明らかにしていただきたいと考えます。
○原田(富)政府委員 塩の價格でございますが、現在政府から賣渡す價格が、昨年度から一トン当り三千六百五十円になつております。一方政府が買上げます塩の價格は、一トン当り現在五千百六十六円でございます。これは本年の一月から実行しておる價格でありまして、それ以前は三千五十円の買上價格であつたのであります。三千五十円で買いましたものを、先ほど申しました三千六百五十円で賣りまして、経費がかかりますために、先ほど申しました程度の赤字が出たのでありますが、この五千百六十六円は本年の一月における生産者價格でありまして、その後の状況、また今後石炭やその他いろいろの物價の改訂を見ますると、それに應じてこの買上價格も相当上げなくてはならぬ。これをどの程度に引上げるかということは今後の問題でありまして、はつきりは申せませんが、ほかの物價が七割なら七割とか八割、その程度は上げなくてはならぬのではないかと一應考えられるわけであります。そういたしますとこの塩專賣の二百数十万円程度の黒字にするためには、三千六百五十円は、約五倍程度に上げなければならぬというふうに私どもは考えておる次第であります。
○川合委員 大体政府の方針として、塩の賣却値段が三倍程度に上るということが明らかにされたわけであります。そこで元に戻つてタバコの値上げの問題でありますが、政府はこのタバコのために支出する、家計費においてタバコを購入する割合というものを、調査されたことがあるかどうかということをお伺いしたいと思います。
○日下部政府委員 私どもの方といたしまして、特別にタバコに対する家計費の支出を、積極的にもつぱら調査いたしたことはございません。
○川合委員 たとえば内閣の統計局というような所で、そういうような調査があるのではないかと思うのでありまするが、そういう資料は別におもちになつておりませんか。
○日下部政府委員 六大都市の今年一月の家計調査という統計局のものを材料として調べたことがあります。
○川合委員 それらの詳細を今、私は聽こうとは思いませんが、要するに家計費におけるタバコの購入のための支出は、比較的に少いのではないかというように私は一應考えるのであります。もし内閣統計局の発表のもので、私の観察にはずれたような統計があるならばお示し願いたいと思うのであります。 次にお尋ねしたい点は、ややもすればかような政府の專賣品というようなものは、品質の改善というような点において、比較的におろそかにされるという感が一般的に與えられておるのでありますが、今後もしこの値上げが認められるといつた場合において、品質の改善あるいは向上というような点について、何か政府としては現在方針をおもちであるかどうか、この点を御回答願いたいと思います。
○原田(富)政府委員 品質の改善の点は、根本的に申しますればやはり原料の品質の改善でございまして、これにつきましては收穫高の増加という点も併せて考えておるのであります。タバコは御承知のように非常に肥料を食いますので、戰前自由な時代には非常にたくさんな肥料を使つておつたのでありますが、戰爭末期から肥料の配給が少くなつたのであります。昨年一反歩あたり六貫程度の硫安の配給があつたのでありますが、今年度は十二貫の硫安の配給がある。肥料をたくさん使いますことによつて、品質も相当向上するものと思います。これは量の点においても増加します。またいろいろ耕作技術の改善等も考えまして、品質の向上も考えておる次第であります。なお原料葉タバコそのものの品質の改良のほかに、たとえば香料を加えまして味をよくすることを、今いろいろの方面で研究中であります。香料も戰前相当あつたのでありますが、現在は國内における香料の生産はきわめて少いのでありまして、これの増産をいろいろの方面から目下考えておる次第であります。また砂糖の配給を農林省から受けまして、今後のピースの製造には、砂糖を加えてつくるということにいたしております。御承知の通り戰前は砂糖を加えました。砂糖は非常に味をやわらかくしますので、これを計画してすぐ実行に移すことにいたしております。なお製造技術の向上で、味が相当よくなるという点もあるのであります。たとえば刻みにつきまして、現在の細刻み「みのり」は、戰前に比べて刻みの幅が太いのであります。刻み幅が現在は〇・二ミリでございますが、戰前は〇・一一ミリでした。今戰前に戻すことにいたしております。これは戰爭中機械が惡くなつたり、労力の問題等がありまして、そういうふうに太くしたのでありますが、今度細くするつもりであります。そういうことをいたしますことによつて刻みタバコとしての味が出る。こういうふうにいろいろな方面から、できるだけ品質をよくすることに努力中であります。
○川合委員 タバコ購入のために比較的金のかかる面は勤労階級だろうと思う。そういつた面から考えて、配給タバコの配給量は、今後どの程度の増配になる予定であるか、お聽かせ願いたい。
○原田(富)政府委員 配給タバコの増加につきましては、私ども種々考えておりますが、いろいろの事情でなかなか実現できない情勢であります。本年度の私どもの予定といたしましては、今後の葉タバコの收穫の関係もありますが、葉タバコの増産をいろいろの面から強力に推進し、製造タバコの緊急増産もまた強力に推進しまして、そうしてできました増加分を、家庭配給の増加ということにして配給をいたしたいという考えでありまして、大体私ども今考えておることが実現するとしますれば、今年の下半期において、なるべく早い機会に、現在の一人当り五十本を十本ずつ増加するようにしたいと思います。
○川合委員 次にお尋ねしたい点は、職場特配に対して政府はどういう計画をもつておられるか、承りたい。
○原田(富)政府委員 労務者に対する特配については、できるだけ増加したいということを始終考えておりまして、漸次これまでもやつてきたつもりでありますが、本年度は特にただいま御審議を願つておる價格の問題について、自由品が相当値上げになりますし、一面配給品もやむを得ず相当値上げをすることになるのでありますから、安い配給品をなるべく増加したいと思います。これは労務者の数の増加も考えておりまして、また配給量の増加も考えております。大体今考えております計画は、昨年度に比しまして六割増、数量にしまして約十三億本の増加を計画しておる次第でございます。
○川合委員 他の方に質問もあるようでありますから、まだほかにもありますが、最後に、きようはこの一点だけをお聽きしておきます。葉タバコの買收價格を変更する方針であると思いますが、この價格を変更せんとするならば、いつの機会におやりになり、またその價格の上げ方はどの程度の上げ方であるかというようなことを、でき得る範囲においてお聽かせ願いたいと思います。
○原田政府委員 葉タバコの價格の改訂は、ほかの農産物價の改訂と大体同時にと申しますか、それに関連して行いたいと思つて、今案を練つております。本年度生産いたしまして、政府が買い上げますものから改訂いたしたいと思つて準備中でございます。引上げの程度は、これまたほかの農産物、特に特殊農産物の物價の引上げに應じた引上げ方をしたいと思つております。そこでちよつと附け加えておきたいのは、これは前にも申し上げたかと存じますが、昨年度の葉タバコの一キロ当りの平均の買上賠償價格が、実績におきまして六十三円なにがしだつたのでございます。それをもとにして引上げるということになるのでありますが、先ほども申しました通りに、昨年度に比べまして倍の肥料をやり、品質も相当向上するのでございまして、昨年度の賠償價格が、品質がずつと向上いたしますと、全体の平均がずつと上るわけでございますが、それをもとにしてほかの物價の引上げに関連した改訂のし方をいたしたいと、私ども事務当局で今檢討中でございます。
○早稻田委員長 まだ製造タバコの定價の決定又は改定に関する法律案については、質疑もあると存じますが、本日はこの程度にして、次の議案について質疑を続行したいと思います。
○内藤委員 議事の進め方について少しお諮りいただきたいと思います。それは余の儀ではありませんが、会議に付する議案といたしまして、復興金融金庫法の一部を改正する法律案というのが出ております。この議案審議のことについてでありますが、かねてこの委員会におきまして、この法案が出るごとにこの委員会としての強い希望を申し上げておりました。殊に農林、水産業への低利長期の金を融資願いたいということを、しばしば申し上げておつたのでありますが、まだその具体的施策を御提案にならぬのに、さらにまた今回千三百五十億という復興金融金庫の改正案が出てまいつたのであります。この委員会としましては、はなはだ意にそぐわぬのでありまして、從つてこの委員会の氣持から申しまして、農林、水産業に対して長期低利の金が出るような施策の具体的な案が、政府からこの委員会に出されまするまで、この法案の審議をしばらく見合わせる。そうしてそのことを、皆様の御承認を得まするならば、主管大臣にその旨委員長からお傳えいただきたいということを提議いたしたいのであります。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○中曽根委員 それに関連して……。ただいま内藤委員より農林関係に関する御意見がありましたが、その事情は生産的な中小企業についてもまつたく同様でありまして、この点については復興金融金庫法の改正のたびに、われわれは当局に質問しておるのでありますが、未だにわれわれが納得するような施策が得られないのは、はなはだ遺憾であります。ついては農林関係と同じように、中小企業の生産的なものに対する金融に対して、やはり同じような考えをもつてわれわれも処置したいと思います。併せてお取上げ願いたいと思います。
○大上委員 ただいま内藤委員並びに中曽根委員から、それぞれ意見が出ましたが、私としてもまつたく同感でございます。但しこれについてただちに採決にはいり、この問題をどう扱うかということは次の議事上出てくる問題ですが、今ここにただちに私たちの民自党の態度をきめることは、しばらくお待ちを願いたい、かようにお願いする次第であります。
○早稻田委員長 ただいま内藤委員、中曽根委員より御発議の点は、ごもつとも至極に存じます。しかし大上委員からの御説もありましたように、本日は出席委員の数も少いので、ただいまの動議は追つて愼重に御相談いたしたいと存じますので、御了承を願います。 —————————————
○早稻田委員長 次に國有財産法案、減額社債に対する措置等に関する法律案、薪炭需給調節特別会計法の一部を改正する法律案、旧軍用財産の貸付及び讓渡の特例等に関する法律案、保險募集の取締に関する法律案、以上を一括して議題といたします。右各案に対する質疑を行います。 〔「散会、散会」と呼ぶ者あり〕
○早稻田委員長 皆さんのお説もごもつともと存じますので、政府委員の方にはたいへん恐縮でございますが、お聽きのような次第でありますので、質疑は明日に讓ることといたしまして、本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時五十分散会