財政及び金融委員会 第31号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1948/06/01
会議録
○早稻田委員長 開会する。 請願程第四七、玩具の物品税率引下並びに免税点引上に関する請願、日程第四八、木製文具並びに木製事務用品に対する物品税の免税点設定に関する請願及び日程第五三の請願は日程第四八と同趣旨のため一括議題とする。
○岡野繁藏君 日程第四七の請願の要旨は、玩具に対する物品税は戰時中に制定された奢侈品的な高率であり、かつ現下の騰貴した資材及び労賃のため、その價格は九十倍以上となる、小國民の必需品としてとうていその負担に堪えられず、脱税者及び横流しを助長している。ついては木製玩具の物品税に対しては、一個又は一組百円未満のものは二割とされたい。 次に日程第四八の要旨は、物品税が今なお木製文具並びに事務用品に限り、一樣に百分の二十乃至五十の高率課税をされているが、その用途並びに購買者利用の面から、妥当を欠くと信ずるので、低價小品の物については他品と同樣、適当なる免税價格を設定されたい。なお日程第五三の請願は日程第四八の請願と同趣旨のものである。 —————————————
○早稻田委員長 次に日程第六三、物品税改正に関する請願及び日程第六四靜岡城趾拂下の請願を一括議題とする。
○岡野繁藏君 日程第六三の請願の要旨は、靜岡市の特産品である漆器並びに木製品は、いずれも高率な物品税を課せられているが、これらの物品は國民の日常生活上必須の実用品であり、その賣價の高低いかんは、ただちに國民の経済に影響を及ぼすのみならず、戰災復興上にも多大の関係がある。ついては該物品税を(一)現行免税價格の引上(二)免税價格の設けのないものに対しては新たに免税價格の設定(三)現行税率の引下(四)徴税技術の改善、以上のように改正されたい。次に日程第六四の請願の要旨は、靜岡城趾は靜岡市民にとり祖先傳來ゆかりの地であり、國軍解体となつた今日、当然靜岡市に現在の建物も併せて全部無償で拂下げを受けることが最も妥当であり、そのように取り計はれたい。
○早稻田委員長 次に日程第七二、人造バターに対する物品税撤廃の請願を議題とする。
○長谷川政友君 わが國経済再建と関連して、労働再生産の基礎となる勤労大衆の保健問題が重大視されている今日、脂肪、補給の面から見て、わが國民の食生活上きわめて重要性をもつ人造バターが、現在なお天然バターと同樣嗜好品奢侈品と看做されて、三〇%の物品税が課されているのは不合理であるので、即時撤廃されたいというのである。 —————————————
○早稻田委員長 次に日程第五六、助産医療に対する事業税賦課反対の請願、日程第七三、第七四及び第七五は同趣旨であるため一括議題とし、紹介議員福田昌子君榊原亨君及び最上英子君欠席のため、委員本田英作君に代理紹介説明を求める。
○本田委員 日程第五六、第七三、第七四、及び第七五の各請願の要旨は、今回政府は営業税を拡張して事業税と改称し、助産婦に対しても地方税をもつて事実上の営業税を課しようとすることは、助産医業が事実上営業でない性格であり、かつ應招義務が強制されている特殊性に鑑み、同時に國民の負担の増大を來す恐れあるため、この際助産医業に対する課税を取り止められたいという趣旨である。 —————————————
○早稻田委員長 次に日程第七八、眼鏡枠に対する物品税免税の請願を議題とし、紹介議員坪川信三君欠席のため梅林委員に代理の紹介説明を求む。
○梅林委員 日程第七八の請願の要旨は、現在眼鏡レンズは非課税品として取扱われているが、これと不可分の関係にある眼鏡枠には、高率五割の物品税を課されている。視力障害者の多いわが國にあつては、医療器具に準ずべきものである。この際眼鏡枠に対する課税を取り止められたいという趣旨である。 —————————————
○早稻田委員長 次に日程第四五、煙管に対する物品税の免税点設定に関する請願を議題とし、紹介議員笠原貞造君欠席のため、川合委員より代理紹介説明されたい。
○川合委員 本請願の要旨は、現在煙管業者の製造する卸價格十三円以下の製品は、生産費の増高と五〇%の物品税の圧迫とにより非常に打撃を蒙り、中小企業経営者は深刻な不安と苦脳にあえぎつつあるが、中小企業保護の見地から、煙管製造業者販賣價格一本につき十三円以下の下級品に対し、免税点を設置せられたいという趣旨である。 —————————————
○早稻田委員長 次に日程第六五、農産物に対する所得税の課税に関する請願、日程第六六、農家及び中小企業者に対する金融措置に関する請願及び日程第六七、日本樟脳製造株式会社解体の請願以上三件を一括議題とする。
○田中委員 まず紹介議員田中松月君に代つて三件を紹介説明したい。日程第六五の請願の要旨は、政府は逼迫せる農家経済の実態を把握せず、ただ單に実收高に対するやみ價格をもつて評價して高率の所得税の賦課をなすのは、農村の生産意欲を低下させ、主食蔬菜の供給を阻害させるものである。この際実收獲に対しマル公價格をもつて評價し、公正なる生産費を控除した純所得に対して課税せられるように願いたい。 次に日程第六六の請願の要旨は、農地改革後激増した零細農家及び中小企業者は、目下経済的破綻を來そうとしているから、中小企業專門の金融措置を早急に実施せられたい。 日程第六七の請願の要旨は、樟脳は專賣事業であるが、煙草と異り生産者と專賣局との間に日本樟脳製造株式会社という中間会社が介在して企業を独占し、高利潤を壟断している。独占禁止法や経済力集中排除法に鑑み、該会社の解体をせられたいというのである。 —————————————
○早稻田委員長 日程第五七、七宝燒に対する物品税十割減税の請願を議題とする。
○佐藤(觀)委員 本請願の要旨は、七宝燒製品はそのほとんど全部が外國向けに製造されている関係上、これに十割の物品税を課税することは妥当でないから、税額軽減方を要望するものである。 —————————————
○早稻田委員長 次に日程第八三、廣島市の旧軍用地無償拂下の請願を議題とする。
○佐竹新市君 本請願の要旨は、原爆都廣島市がその復興事業を完遂するため、厖大な額に上る財政負担を負い、さらにインフレの高進により本市財政は破局に直面している。ついては、利用面積一千万坪に狹隘な本市に、二〇%に近い百八十万坪の旧軍用地が取り残されているが、該地域を無償で拂下げられ、本市再建の隘路を打開せしめられたいのである。 —————————————
○早稻田委員長 次に日程第一三、化粧品に対する物品税の軽減及び賦課徴收方法等改善に関する請願を議題とする。
○川合委員 本請願の要旨は、現行物品税法は化粧品に対し八割の高率を課しているが、これを引下げ、その賦課徴收にあたり、税務署の事務を統一し、公平を期せられたい。又化粧品工業は資金融通準則による丙種に属しているのを甲種の取扱いとするとともに、物品税の納期を一箇月延長せしめられたいという趣旨である。 —————————————
○早稻田委員長 次に日程第三四、企業整備令による合同株式の還元に関する請願を議題とする。
○河野金昇君 本請願の趣旨は、戰時中小工業者は、企業整備令緊急措置により中外毛織株式会社に合同してその持株を大東紡織株式会社に讓渡したが、今回特経会社制限令によつて大東紡織会社が、中外毛織会社の株式を他に讓渡することになつた。しかるに小工業者の工場及び機械設備は各戸の屋敷地内に現存し、終戰以來休眠工場として機能停止の現状である。ついてはこれが休眠施設として産業再興に努力せしめるため、企業整備令による合同株式を原所有者に還元讓渡されたいというのである。 —————————————
○早稻田委員長 次に日程第五一、及び日程第五二、社会保險公費医療報酬に対する所得税免除の請願を一括議題とし、紹介議員苫米地英俊君、椎熊三郎君欠席につき委員梅林時雄君代理紹介説明されたい。
○梅林委員 両請願の要旨は、現行の医師に対する課税法は総收入に基く認定課税であるが、社会保險医療及び公費医療收入は、きわめて僅少なるにもかかわらず、画一的同率をもつて課税されており、これがため設備の、補修充実ができず、貧弱なる施設で勤労大衆を診療している状態である。ついては、これが医療施設の内容充実及び大衆開放のため、社会保險公費医療報酬に対する所得税免除の措置を講ぜられたいとの趣旨である。
○早稻田委員長 以上で紹介説明を終り、政府委員の意見を求める。
○平田(敬)政府委員 物品税関係につき、現在の物品税の課税中、負担が相当過重と認められるような部分については、この際取引高税の創設せられる機会でもあり、できるだけ税率引下げ並びに免税点引上げを考慮したいが、現在の財政事情が厖大なものである点を勘案して、妥当な範囲に止めざるを得ない実情にあることを御了承願いたい。 請願の各項目については、まづ玩具の免税点についてはできるだけ引上げを考慮するのが妥当ではないかと考えている。ただ税率については、物品税にしてもなお、相当多額の税額を期待しなけれけばならぬ現状であるので、引下げは困難ではないかと思はれるが、大衆的な玩具に対する課税は、できるだけ免税するという方針がよいのではないかと考えている。 次に木製文房具木製事務用品につき、物品税の免税点を設定されたいという請願については、若干の必需的な性質の強いものは、免税点設定を考慮したい所存である。 次に漆器類に対する免税点引上げの請願については、漆器に対する課税の税率が少し高いのではないかと考えられるので、税率につき檢討して見たい。 次に人造バターに対する物品税の課税撤廃の請願については、今のところ課税撤廃の段階には未だ至つていないが、本請願は國民の栄養に関する食糧の問題なので、その税率については、引下げ方を考慮してはどうかと考えている。 次に煙管に対して免税点を設けてはいかんということであるが、この点については煙管中大衆的なものには免税点を設けることにつき考慮したい。 次に眼鏡枠に対する物品税免税の請願については、これも全然課税を免除するというのは、まだ時機尚早と考えているが、税率を若干引下げるということについては、考慮したいと考えている。 次に七宝燒に対する物品税十割減税の請願に対しては、現在十割の課税をしておるが、こういう品物は物品税を存置する以上、最も奢侈的な性質の濃厚なものであるものを引下げるというところまでは、まだ情勢が來ていないと考えられるので、この点は困難であろうと思つている。但し進駐軍等の土産用のものは現在も免税をしているが、一般國内用の七宝製品については、十割課税は妥当じやないかと考えておる。 次に化粧品については、色々議論があるようだが、まづ税率については、化粧品全体について税率を下げるということは行き過ぎではないか、化粧品の中で比較的必需品的な性質の強いものについては、一段階税率を下げるというような方向で考慮した方が妥当じやないか。たとえばポマード、クリーム等、一般大衆の消費するものについては引下げ、口紅その他については、現行通りにしようと考えておる。 それから徴税方法については色々御意見があつたが、御指摘の通り色々改善すべき点が多々あるように見受けている。この点についても、各業者に不均衡にならないよう、妥当な納税をしていただくよう適正を期したいと思う。なお、その際、團体交渉的な課税方法を認めて欲しいとの希望があるが、いわゆる團体交渉によつてきめるという方法は、課税については原則として避けたい。團体の意見を聞くということについては、よいと思うが、團体と協定して税額をきめるということは避けた方が一般的によいのではないかと考えている。それから納期を若干延ばして欲しいという希望については、前月分を翌月末までに納付することになつているから、物品税一般についてはそれでよいのではないかと思う。なお、担保を提供すると一月だけ延ばせるという規定もあるので、その規定により納税が著しく困難なものについては話し合つて考慮する。一般的に納期を延ばした年度においては、歳入がずれて翌年度にまたがるということになるので、この点は困難ではないかと考えている。 次に事業税の問題であるが、事業税は地方財政委員会の所管であり、その方から意見を述べていただきたいが、一應私どもの見解を申し述べると、まず医師と助産医療師に対する事業税を免除して欲しいという請願については、その理由として営業でないから課税するのは妥当でないというような趣旨が第一に掲げてあるが、今度の事業税は、從來の営業税以上の独立的な事業、純粹のインデイペンデントな、自ら事業を営んでおる收益に対して課税するというのが、今回の事業税の趣旨であるので、今回そういうように拡張するという趣旨からいうと、やはり医師とか助産婦等に対しても、事業税を課するということが理論上止むを得ないと考えている。 次に農産物に対する所得税の課税に関する請願については、本委員会において度々意見を申し述ベたので、詳細な意見は差控えたいと思うが、ただ公定價格だけによつて所得を計算するようにというところが陳情の要点かと考えるので、この点について見解を申し上げて見れば、所得税は実收を本にして実際の所得を査定してきめるのが本來の建前であるので、さよう御了承願いたい。 最後に、社会保險に基く公費医療の報酬に対して、所得税を免除してもらいたいという請願については、社会保險に基く医療報酬なるがゆえに、所得税を免除するというのは妥当でないのではないかと考える。社会保險における医療報酬は、外の医療費に比し純益率が比較的低いということは確かに御指摘の通りだと思うが、この事に関しては実行面で実際の所得に合うよう、十分留意して課税上遺憾なきを期してまいりたいと考えておる。
○早稻田委員長 本日審査の請願各件に関する決定は、追て協議の上決することとし、他の日程はこれを延期し散会する。 午後零時五十四分散会