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2回国会衆議院1948/06/25

国土計画委員会 第13号

発言数
15
登壇者
5
会派数
2
開催日
1948/06/25

会議録

中島茂喜民主党

○中島委員長 これより会議を開きます。  請願小委員会における請願の審査の報告を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島茂喜民主党

○中島委員長 それでは御報告を願います。請願小委員長村瀬宣親君。

村瀬宣親民主党

○村瀬委員 去る五月二十八日、第一回請願小委員会の審議開始以来、紹介議員の説明、政府委員の御答弁等、質疑應答を重ねまして、六月二十四日に至る第十二回、現在におきましては、審議済みと相合りました請願は、二百八十四件であります。  このうち河川関係の請願につきまして、趣旨を要約いたしますると、これらのほとんどすべては、現下日本の河川という河川が、戰爭中に改修工事の見送りと、森林と過伐、乱伐等により全般的に荒廃しておりまして、一たび出水ともなりますれば、水源地帶の崩壞により、一朝にして耕地の流失、美田のどろ海化となり、人畜に対する一大悲惨事の現出は必至の情勢にありまするから、これが対策といたしましては、可及的速やかに災害復旧、河川の砂防工事または改修工事の施行の促進、あるいは河川の根本的統制計画の樹立、進んでは流水の合理的調整のため、上流にダムの築設等を行うことにつき、請願をいたしておるのであります。中には血書、血判をもつてしたためたものもあり、見る者をして悲壯の感に打たしめるものもありました。  次に道路関係の請願につきましては、その趣旨を要約いたしますると、これまた戰時中の改修工事の見送りにより、全國的に荒廃に任されておる現状に鑑みまして、大は國道、縣道等の幹線道路から、小は町村道の改修、拡張、山林資源開発等のための産業道路、外客誘致の観光道路等の改修、新設並びに橋梁の改修、新設等、すなわち全國的道路の整備をはかり、重要物資の大量輸送を確保いたしまして、もつて國家経済の発展策の促進を講ぜられたいという要望であります。  次に港湾の請願につきましては、その趣旨を要約いたしますと、國際貿易の重要性に鑑み、貿易港として、あるいはまた商業の要津として、林産物の移出港として、あるいはまた避難寄港地として、現在の岸壁、防波堤等の港湾整備はあまりにも不完全であり、かつ水深は浅く、潮流は奔騰し、船舶、繁留ができず、港の機能を発揮できないので、港内の浚渫、及び拡張、補強、修理等、港湾設備の整備、または第一種港としての指定をせられ、速やかに着工策を講ぜられたいという要望であります。  最後に國立公園関係の請願につきましては、その趣旨を総括いたしますと、ほとんどこれらのすべては、日本の風光はその雄大さにおいては、米國のそれに匹敵しかねるものがあるが、氣候、地勢からみて、日本という島國は全地域が一つの公園のごとく、國際観光地としてはその優なるものの一つとして知られておるという意味におきまして、当局においても戰前から観光事業に相当力を注がれてまいりましたが、今後はさらに一層外貨獲得のため、外客の誘致、國民保健の維持、民度の向上等の観点からして、國立公園の指定地の増加がぜひ必要であるので道路、ホテルその他観光施設の完備を講ぜられたいという要望であります。  以上はいずれも緊急を要するきわめて重要な問題であると考えましたので、さきに小委員会の決議によりまして、これらすべてはこれを採択すべきものと決定をいたしたものであります。  以上報告を一應終ることといたしまするが、何とぞ本委員会におきまして御採択あらんことを希うものであります。

中島茂喜民主党

○中島委員長 お諮りいたします。ただいま御報告になりました請願につきまして、これより採決をいたしたいと存じます。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島茂喜民主党

○中島委員長 御異議なしと認めます。これより採決に入ります。ただいま願請小委員長の報告にありました請願につきましては、請願小委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島茂喜民主党

○中島委員長 御異議なしと認めます。よつて請願小委員長報告の請願につきましては、請願小委員長報告の通り決しました。  なおこの際お諮りいたします。報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島茂喜民主党

○中島委員長 それではそのように取計らいます。     —————————————

中島茂喜民主党

○中島委員長 第一回國会における請願の処理経過につきまして一言申し上げます。第一回國会における請願処理に関しましては、政府当局よりの報告を取まとめてお手もとに配付いたしましたので、御一覧を願いたいと存じます。政府におきましても、請願の趣旨に副うように善処する方針であるということでありますが、予算の額が僅少なため、工事工程は一般に遅れる見込でありますので、今後とも國会は政府と一体となりまして、予算の獲得に努力すべきであると存ずるのであります。     —————————————

中島茂喜民主党

○中島委員長 次に去る十八日より四日間にわたつて、北上川融雪災害状況視察のために、委員を派遣いたしました。派遣委員に視察報告をお願いいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島茂喜民主党

○中島委員長 御異議なしと認め、御報告を願います。まず高田委員より報告を願います。

高田弥市民主自由党

○高田委員 今回の視察は、去る五月二十八日の大雷雨によつて被害を受けました岩手縣下のうち、主として江刺、膽沢地方を中心として、局部的地域でありますが、同地は岩手の穀倉として知られている地方でありまして、今度の被害は相当深刻なものでありまして、昨年三次にわたる被害以上のものがあつたのであります。縣におきましても、これの復旧対策には全力を傾けて努力しておりますが、昨年度の復旧がやつとその緒についたばかりに、このたびの被害で、ほとんどもとに返つた有樣で、まつたくその方途に迷う状態であります。從いまして、これが復旧には根本的な対策を立て、即時実施をしなければ、人心に及ぼすところ大きく、從つて生産に対する影響も甚大であろうと考えられます。本委員会としましても、これに重大なる関心を拂い、これが復旧促進の原動力たらんことを希望するものであります。  詳細につきましては、長谷川委員より報告がありますので、私は簡單でありますがこれで終ります。

中島茂喜民主党

○中島委員長 次に長谷川委員より御報告を願います。

長谷川政友民主党

○長谷川(政)委員 昭和二十三年六月十日、衆議院規則第五十五條に依り、衆議院議長の承認を得まして、北上川に於ける融雪災害の実情調査のため、高田弥市君並に不肖長谷川政友は、今野書記、桂主事補を帶同し、六月十八日より四日間にわたつてつぶさに現地を視察してまいりましたので、此処にその報告を致します。  一、行程、六月十八日、夜行にて上野駅を出発、翌十九日早朝黒沢尻に致着し、此処にて、若林北上川上流工事統合事務所長、重田工務課長、建設院伊藤技官、及川土木事務所長等の出迎を受け、一應の災害状旧を聽取して、一行とともに、ただちに被害の最も多い江刺郡へ向いました。現地にて地元民の切々たる陳情を聞きながら、人首川伊手川の惨怛たる被害箇所を視察致しました。更に午後より北上川愛宕附近の復旧築堤工事及び羽田村の架橋工事を視察致しました。翌二十日、北上川治水上多大の効果を有する北上川五大ダム中、今年度より建設院にて着工せる膽沢川上流石淵堰堤工事の現場を雨中視察致し午後は南下して、松、木沢、白鳥川、井堰川、衣川の破損、流失せる堤防、並に道路決壊の現場を視察致しました。二十一日、猿ケ石ダムを視察し、同日夜行にて帰任致しました。  二、視察状況、この度の水害は、主として岩手縣南部、江刺、膽沢両郡に多く、五月二十七、八両日にわたる、四時間雨量一一七・五ミリと云う豪雨によるものであります。  一、人首川、伊手川(江刺郡)一月十五日の融雪洪水により、堤防が随所において破損したため、その應急修理工事中のところ、五月二十八日の出水によつて、修理箇所はもちろん、その他を合せ約五十ヶ所、総延長約五キロの堤防が破損決壊したのであります。破堤ヶ所は屈曲部に多く、流速の早い出水に破られたものと考えられます。道路の流失延長一、5〇〇メートル、破損延長5、〇〇○メートル、橋梁流失数三六、破損数三二となつております。これによる耕地の理沒は約五百町歩であり、地元民の懸命な努力による復旧にもかかわはらず、約八十町歩は耕作不能のまま放置せねばならぬ、状態であります。  なお冠水のため、苗に悪病傳染し、約一千町歩にわたつて苗の植えかえを行つています。これらによつて、米の收穫は予想以上の減收と考えられます。又畑地の流失埋沒面積は六十四町歩となつております。家屋の浸水は床上一、○二四戸、床下三一九戸であります。  二、白鳥川、松ノ木沢、井堰川、衣川(膽沢郡)これらは北上川右岸、水沢より一関に至る中小河川でありますが、これらも同樣五月二十八日豪雨出水により、四十数ヶ所の堤防に溢水決壊を生じ、水田流失面積一六五町歩、植付不能面積八一町歩の被害を見たのであります。なお冠水による苗の被害は、江刺郡同樣莫大な面積になるものと予想されます。また道路の流失破損十箇所、橋梁の流失破損六ヶ所という惨状であります。  三、損害 この度の被害は、(イ)家屋被害三千六百万円、(ロ)田畑山林被害八千万円、(ハ)鉄道通信その他三千万円、小計一億三千六百万円。また道路、橋梁、河川復旧費として約一億五千万円を要するものと推定され、総計二億八千万円の損害ということになります。(ニ)河川そのものが原始河川で全然改修されていないこと等が考えられます。  四、これが対策といたしましては、(イ)水害復旧工事に対しては最優先的に、資金、資材を補助支給することであります。この度は昨年度の復旧工事の不完全な堤防は盡く破堤し、このため、河川流域地帶は極度に水害を恐れ、増産意欲の低下、耕作地の放棄等憂慮せられる状態にあります。昨年度岩手縣下における査定災害復旧工事費は約七億円でありますが、政府よりは一億円弱の補助が交付されたのみで、止むなく地元では融資、その他の非常手段により、辛うじて資金を調達し、ま應の復旧工事をやりつつあつたのでありますが、いかんせん、その構造が脆弱であつたため、このたびの災害を招來したのであります。相当強固なる復旧工事ができるように、補助等の措置を構ずることが最も肝要であります。  (ロ)北上川本流及支流の根本的な治水事業の断行であります。昨年以來、北上川総合改修計画が、本委員会、及び建設院東北地方建設局等において審議されておりますが、既に半歳になんなんとして、未だにその結論を聞かないのであります。私は今回の惨状を見るにつけましても、これが対策の樹立と、これが実施の一日も早からんことを切に希望するものであります。  元來岩手縣人の性格は「忍從」と云う言葉で云い表はされておりまして、かかる災害はしばしばあつたのでありますが、それに反撥することなく、今日まで過してきたのであります。從つて北上川本流及び支流の中小河川のことごとくが、原始河川のままであり、視察に行つたわれわれは実際にこれを見て一驚したのであります。たとえば人首川、伊手川合流点附近は、洪水時には毎祉の様に浸水するのでありますが、これに対する改修工事は全然放置されています。また上流部においては堤防は殆んど見当らないといつた状況であります。おそらく、かかる原始河川ばかりの縣は、他の府縣には余りその例を見ないのであります。  すなわち北上川本支流の根本的改修計画の樹立とその実施は、正に喫緊事であると再言いたします。  (ハ)砂防工事の促進であります。この度の出水は多量の土砂を上流部より排出しております。上流部においては砂防工事が皆無でありまして、この工事の促進もまた、根本対策中に取入るべきであると考えられます。  (ニ)開拓は治水の面を考慮して実施するべきであるということであります。農地の開拓でありますが、この開拓農地が、経営体として完全であり、すなわち土砂の流出を防止すべき諸施設を有し、保水力のある農地であるなら別でありますが、單なる裸の土地であるものが多い現状では、治水の上に重大なる影響があると考えられるのであります。治山治水を考えない無責任な開拓は絶対に排すべきであります。この現象は今まで幾度か耳にしてきたところでありますが、今回の調査により、さらに痛感いたした訳であります。  以上が現地視察の所感であります。  五、石淵堰堤、次にこの災害とは直接関係はありませんが、北上川治水上、重大なる要素である石淵の堰堤を視察してまいりましたので簡單に御報告いたします。北上川改修事務所では北上川の計画高水量毎秒九、〇〇○立方メートルを北上、雫石、猿ヶ石、和賀、及是石淵の五調節池によつて毎秒七、〇〇○立方メートルに落す計画をしておりますが、資材資金の面で、その実施は困難であり、猿ヶ石は工事中止、北上、雫石、和賀は未着手で、現在石淵の堰堤築造のみを今年度より着工しております。  石淵は瞻沢川の上流にありまして、ダムサイトとして好適であるのみでなく、その工法は日本で初めてのロツク、フイル、ダムであります。これは堰堤の中に岩石を填充してつくるでありますから、セメントは同規模のダムの三分の一で間に合い、約一万トンを要するのであります。  この貯水池によつて毎秒三百六十五立方メートルの洪水調節、一万キロワツトの発電及び下流原野二千町歩の潅漑が可能になります。  現在段取工事として、排水隧道及び森林軌道が完成、今年度より、北堤の築造を初める予定であります。 北上川上流は文字通りの原始河川であり、この改修はもちろんのことでありますが、その洪水防禦の一環として上記五ヶ所のダムは早急に実現せねばならぬと痛感致しました。  六、以上簡單ながら、本視察の報告を致しますが、最後に岩手縣は昨年の大災害に引続き今春の災害、なおかつ目前に台風期を控えているという実情にありますから、本委員会及び政府当局においても、災害復旧予算獲得のため、最善の努力を拂うべきものであることを強調して、本報告を終り度い存じます。     —————————————     〔以下筆記〕

米田正文総理廳技官

○米田説明員 水害復旧工事に対する資金資材は、政府においても最優先的に考慮いたしておるのでございますが、國家財政の都合で各地方の要望を満足せしめ得ないのはまことに遺憾に存じている次に考えていきたいと存じております。北上川本支川の根本的治水事業遂行につきましては、目下治水調査会において根本対策の調査研究中でございまして、この対策決定の上善処いたしたいと考えます。又石淵堰堤につきましては、昭和二十二年度から着手いたしておるのでありますが、國家財政の都合で諸準備を由了した程度でございまして、本格的事業は昭和二十三年度から実施することとなります。政府におきましては、財政の許す限り工費の増額をはかり、短完期成に努力いたしたいと考えでございます。

中島茂喜民主党

○中島委員長 本日はこれをもちまして散会いたします。     午後零時三十二分散会

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