鉱工業委員会 第17号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1948/10/09
会議録
○松本(七)委員長代理 これより開会いたします。諸君の御推挙によりまして委員長がお見えになるまで私が委員長の職務を行います。 本日の議題は本委員会が、第二回國会会期末に院議によつて、閉会中に審査することと決定いたしまして、これが審査を行つてまいりました石炭鉱業に関する件と、鉱業法改正案起草に関する調査の件につきまして、これらの結論をまとめたいと思います。 まず石炭鉱業に関する件につきましては、去る七月末より八月上旬にわたりまして炭鉱その他関係施設の実地調査のため、北海道班及び山口・九州班の委員を派遣して、それぞれ実地に調査をお願いいたしたのでありますから、まず派遣委員よりその報告を聽取いたしたいと思います。なお、両班長より実地調査の報告につきましては、各地区共通の点が大部分でありまするから、報告は両班をまとめていたしたいとの申出があります。この申出の通りに取扱うに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本(七)委員長代理 御異議なしと認めます。それでは山口九州班長生悦住貞太郎君より調査の報告をお願いいたします。
○生悦住委員 御指名によりまして私から実地調査の御報告を申し上げます。 石炭鉱業に関する問題の中心は、臨時石炭鉱業管理法の実施状況いかんにあることは、われわれ委員が派遣される当初におきまして、調査項目が決定されました際に、特にこの点に関しまして國管法の施行状況を重点的に実地調査をすることと相なりましたゆえんでありまして、われわれ派遣委員はこの線に沿つて調査を進めたのでありますが、調査の方法といたしましては、関係各機関に対しまして、あらかじめ調査項目を提示して、これに関しまする資料の作成方を依頼いたしておきましたる上、現地に赴き、現場を実地に調査し、その地区の関係官民の参集を求めまして、説明を聽取し、意見の交換を行い、もつて正確なる実情の把握と、調査の完璧を期したのでございます。以下調査の項目別に簡潔に御報告を申し上げます。 まず臨時石炭鉱業管理法の実施状況の一般的結論として、一言で申せば、本法の実施は全面的に遅れており、従つて本法が増産上に及ぼした効果はまだ認められる段階には達しておらず、本法が労資に及ぼした影響は、委員になつている労働者等はすこぶる熱意を持つているが、その他の一般鉱員はほとんど無関心であつて、一方経営者側も特に圧迫を感じているとは認められないのであります。 國管法実施に対する今後の要望といたしましては、(一)地方管理委員会、石炭局行政事務費及び石炭局員給與等の増額並びに局員住宅費に対する考慮、(二)基準計画の適時決定と総合性の確保、(三)法第十、十一條(許認可事項)の改正または運用の妙をはかること、(四)報告文書の簡略化、(五)條文の意義の明確化、(六)生産協議会と経営協議会との関係を具体的に明示すること、(七)指定炭鉱と非指定炭鉱との差別の明示、以上であります。 生産計画の遂行につきましては、本年度生産目標は各地とも達成する見込でありまして、上期の不振は下期にてカバーする見透しでございます。なお生産五箇年計画は次の通りであります。まず宇部でありますが、昭和二十三年度は三百六十万トン、四一五三カロリー、二十四年度は三百五十八万トン、四二二三カロリー、二十五年度は三百九十九万トン、四二六三カロリー、二十六年度は四百二十八万トン、四二九三カロリー、二十七年度は四百三十六万トン、四三二四カロリー、九州では二十三年度一千八百七十万トン、五八二〇カロリー、二十四年度二千百二十万トン六、五八八一カロリー、二十五年度二千三百九十六万トン八、五九一六カロリー、二十六年度二千六百十七万トン三、五九二五カロリー、二十七年度二千七百九十万トン三、五九二二カロリー、北海道では二十三年度千三十二万トン、六一〇〇カロリー、二十四年度一千二百二十五万トン、六一九四カロリー、二十五年度一千三百九十五万トン、六三〇一カロリー、二十六年度一千五百四十万トン、六三五七カロリー、二十七年度一千六百五十万トン、六三九七カロリー、全期では二十三年度三千六百万トン、五六三五カロリー、二十四年度四千万トン、五七三四カロリー、二十五年度四千三百万トン、五八一三カロリー、二十六年度四千五百三十万トン、五八五七カロリー、二十七年度四千七百万トン、五八八五カロリーと相なつております。 生産隘路とその打開策に関しましては、融資の円滑とこれによる資材の現品化の促進、各種資材、特に鋼材その他の増配並びに労働問題に対する適切なる措置を要すると認められるのであります。保安関係におきましては行政主管官廳を速やかに決定して、保安行政の刷新をはかる必要があると認められます。 次に経理関係につきましては、まず新炭價の問題でありますが、新炭價の決定が著しく遅れたこと、新炭價が安いため健全経営が不可能であること、物價廳査定の労働能率が高過ぎること、原價の査定が信頼できないこと、原價を偏重し、價値指数を軽視していること、カロリー、灰分、塊粉率以外の持味を無視していること、運賃諸掛が高過ぎ、しかも炭質に関係なく均一に課せられること等が挙げられる次第であります。これに対する今後の対策といたしましては、労働能率を適正に査定し、各関係者に納得せしめるよう措置し、主要資材の給配についても同様にし、炭價の重要性に鑑み、これは國会を経ることとしてはいかがかと存ずるのであります。 次に赤字処理についてでありますが、赤字総額は六月二十二日現在におきまして二百二十三億六千万円でありまして、赤字による未拂金は四月末現在七十二億三千万円であります。これが処理対策といたしましては、既往の赤字を速やかに処理することはもちろん、少くともこの際根本方針を明示するとともに、今後再び赤字問題を生ぜぬよう適正炭價を決定することであります。融資につきましてはその迅速をはかることと、わくが決定すれば速やかに実施に移すことが必要であつて、実情は補正後の價格で資材を入手したり、立替拂によつて炭住工事を進めているのであります。次に賃金のはね返り問題でありますが、これは新炭價決定の際に、労賃は本年四月協定のままでありまして、この協定には他日マル公改訂の際には考慮するとの一札があるために、労組から一三四%昇給を申請し、政府は坑内夫月額二百五十二円(約五%)を主張し、目下折衝中でございます。なお基本給と能率給の問題につきましては、経営者は能率給本位を主張しておりますが、労組の一部は強くこれに反対しております。 食糧その他生必物質関係といたしましては、主食は白米六割、砂糖を代替とせぬことを主張しておりまして、すべて中央公表通り、確実に配給することと、量と同時に質についても考慮することが必要であります。 鉱業用地特に炭住敷地につきましては、食糧増産と石炭増産とを総合調整するために、炭鉱用地委員会を設ける必要があろうと思われるのであります。 次は品位の向上でありますが、これは炭價政策、銘柄配炭、選炭用の資材、資金の確保等によりまして、品位の向上をはかることが必要であると認められる次第でありますが、その本年度の実績を調べましたところ次の通りでありました。すなわち四月は予定五五五四カロリーに対しまして、実績五五四一カロリーでありまして、五月には予定五六二九カロリーに対し、実績は五六一〇カロリー、六月には予定五五九五カロリーに対しまして、実績は五六一〇カロリーと相なつております。 次に適正配炭に関しましては、これを端的に結論すれば、規格配炭を廃して、可及的に銘柄配炭とするのが妥当であろうと思われるのであります。配炭公團に対しましては一般に官僚的でありまして、採算的でなく、責任感が薄く、能率も上つていないと言わざるを得ないのでありまして、このことは最近の亜炭完全買取り公約を無視したことによつても明瞭であります。結局のところ、石炭の需給がバランスを欠いでおりまして、配炭統制を廃止し得ぬにいたしましても、これを最小限度に止めまして、生産者の直賣制による責任の所在を明確にすることが、必要であると言わなければなりません。 次は資材関係でありますが、全般的に割当の不足特にその時間的なずれに悩まされておりまして、不足資材のうち、特に鉄鋼(軌條、坑枠レール、パイプ、薄鉄板)とゴム製品(コンベアー・ベルト)及び石油(絶縁油)等が目立つております。坑枠レールにつきましては出炭トン当り五キログラムを希望しておりまするし、コンベアー・ベルトは粗悪品に悩まされないように希望発注を願いたく、疊表は補修用の数量を確保し、かつ小賣値でなくて、卸値で買入れるために、建設省移管を希望するとのことであります。 次は電力関係でありますが、九州地区におきましては、まず日発発電用炭七十四万五千八百トン(十月より明年三月まで)を確保すること、その他自家用発電所を全面的に動員強化するための補償制度を確立すること、西日本送電幹線の能力増強と完全送電靜蓄電池の設備を促進すること、特に北九州工場地帯の立地條件を再検討することが必要と認められるのであります。北海道地区におきましては、既設電源の補強と、発電用炭の確保、新電源の開発並びに北海道電力協議会を設置すること等が挙げられるものであります。 最後に國会に対する各地区の要望を御報告申し上げます。第一は生産計画の完遂、特に保安上必須な資金、資材の確保であります。第二は炭鉱の特性に即應する労働基準法の制定、第三は労働組合法の改正、すなわち法第十一條の濫用を防止するため、適用範囲を明確化すること、並びにクローズド・ショップ、ユニオン・ショップ及びこれに関する團体協約関係についてでありまして、第四は中央における労働協約の具体的なとりきめ、すなわち細目協定に関する炭鉱現場のトラブルを除くためであります。第五は北海道炭田の重要性に即應する開発計画の確立、第六は宇部炭増産方針の確立、第七は炭價の再檢討、第八は九州微粉炭の活用、これに要するピッチの輸入、策九は技能工の教育でありまして、これに関しまして新手炭鉱技能工養成所に対する眞價認識と経費の援助であります。第十は遠賀共同排水の安定確立、第十一は白石炭鉱爆発予防所の経費の増額、第十二は北海道炭の冬季輸送(海陸とも)の円滑化、第十三は船木鉄道の國家管理、第十四は爆発類の関門墜道通行禁止に関する善後処置以上であります。 以上をもちまして調査項目全部についての御報告を終ります。
○松本(七)委員長代理 これにて調査の報告は終りました。ただいまの調査の報告に対して何か御質疑なり御意見なりはございませんか。——別に御質疑も御意見もないようでありますから、これより調査の結論をまとめることといたしたいと思います。 それでは、お諮りいたします。石炭鉱業に関する件はただいまの派遣委員の調査の報告の通り決定するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本(七)委員長代理 御異議なしと認めます。それでは派遣委員の調査の報告の通り決定いたしました。
○松本(七)委員長代理 次に鉱業法改正案起草に関する調査の件を議題といたします。
○生悦住委員 本件につきましては、派遣委員諸君ともその調査に愼重を期して参つたのでありますが、種々問題もあり、今後なお一層の調査研究を要すると思いますから、ここではただ一應調査未了であると御報告いたしておきます。
○松本(七)委員長代理 ただいまの生悦住君の御報告によれば、本件は派遣委員の方では調査を終了していないということでありますから、これは本委員会としても結論を得るに至らないことと決定いたしておきたいと思いますが、この扱いに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本(七)委員長代理 御異議なしと認めます。そのように決定いたしておきます。 次に両件の閉会中の審査の報告書についてお諮りいたします。これは委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本(七)委員長代理 御異議なしと認めます。そのように決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十分散会