鉱工業委員会 第10号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1948/06/28
会議録
○伊藤委員長 これより会議を開きます。 議事に入るに先だつて、委員の異動について御報告いたします。去る二十五日、民主自由党の今村長太郎君が委員を辞任せられ、その補欠として同じく民主自由党の平井義一君が議長において委員に指名せられました。以上御報告いたしておきます。 ではこれより理事補欠選任の件を議題といたします。さきに委員を辞任されました早川崇君及び大矢省三君、並びにただいま御報告いたしました今村長太郎君は理事でありましたから、その補欠として理事三名の補欠選挙を行わねばなりませんが、これは先例によりまして、選挙の手続を省略し、ただちに委員長において指名することに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。それでは谷口武雄君、菊川忠雄君、三好竹勇君を理事に指名いたします。 次に小委員長選任の件を議題といたします。委員を辞任せられました早川崇君は、燃料鉱工業小委員長でありましたからその補欠選任をいたさねばなりません。なお先般小委員を選定いたしました発明振興に関する小委員長の選任もいたさねばなりません。つきましては右両小委員長の選任は、先例によりまして、ただちに委員長において指定するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。それでは、燃料鉱工業小委員長として菊川忠雄君、発明振興に関する小委員長として三好竹勇君を指名いたします。 次に小委員補欠選任の件を議題といたします。先般、御報告いたしました今村長太郎君は軽工業小委員でありましたから、その補欠選任をいたさねばなりませんが、これも先例に從いまして、ただちに委員長において指名するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よつて平井義一君を軽工業小委員に指名いたします。 —————————————
○伊藤委員長 ただいまより、内閣提出、参議院送付に係る「弁理士法の一部を改正する法律案」を議題といたします。本案は、去る二十三日、本委員会に付託せられたものでありまして、これは、先般來、予閣第六号議案として、本委員会において予備審査を行つてまいりました政府原案に対して、参議院において修正を加えたものであります。よつて本案審査の取扱い方といたしましては、さきに政府原案については予備審査の際、すでに政府の説明を聽取いたしておりますから、今回は新たに参議院修正の部分について、参議院側の説明を聽取した後、審査に入りたいと思います。つきましては本日特に御出席を煩わしました参議院鉱工業委員会理事小林英三君は、参議院修正案の発議者でありますと同時に、参議院鉱工業委員長の代理者として出席せられておりますから、國会法第六十條の規定、すなわち「各議院が提出した議案についてはその委員長(その代理者を含む)又は発議者は、他の議院において提案の理由を説明することが出來る」という規定を準用いたしまして、同君より本案について参議院修正部分の説明を聽取いたしたいと思いますが、この取扱い方について御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように取り扱うことと決しました。それでは、ただちに同君の説明を求めます。 参議院議員小林英三君。
○小林参議院鉱工業委員長代理 ただ今委員長の御指名によりまして弁理士法の一部を改正する法律案につきまして、参議院におきまする修正案の発議者といたしまして、また同時に参議院鉱工業委員長の代理者といたしまして、修正部分の説明及びその理由につきまして御説明申し上げたいと存じます。 この修正案の廣義の理由といたしまして、わが國は終戰後新憲法の制定によりまして、平和國家文化國家としての再建途上にあるのでありまして、すなわち文化國家として産業の再建をいたしますには、國内におきまして優秀なる、また偉大なる発明考案が続々と出てまいるように指導せられなければならないのでありまして、それには國家が十分なる予算を計上して、発明の奬励と助長に当るべきであるにもかかわらず、本年度の予算によりますと、発明奬励の機関である発明協会に対する補助金は百五十万円であつて、これを昔の金で申しますると、いずれも一万円そこそこの金額であつて、何もできません。われわれ國会といたしましては、発明考案に対する政府の認識を是正して、積極的に今後この方面に力を注ぐようにいたさなければ相成らぬと考えるのであります。またこれと同時に消極面といたしましては、工業所有権すなわち特許権であるとか、実用新案権であるというような権利を擁護して、工業技術発達を促すこともまた発明奬励の一環であると存じます。そこでこの修正案も大局的には実はこの趣旨に基いていたしたのでありまして、ただいまから修正案の全文について御説明を申し上げたいと存じます。 御承知のごとく弁理士法の第九條には「辨理士ハ特許、實用新案、意匠又ハ商標ニ関スル事項ニ付裁判所ニ於テ當事者又ハ訴訟代理人ト共ニ出頭シ陳述ヲ為スコトヲ得、其ノ陳述ハ當事者又ハ訴訟代理人カ直ニ之ヲ取消シ又ハ更正セサルトキハ自ラ之ヲ為タルモノト看做ス 前項ノ規定ニ依リ帝國臣民ニ非サル辨理士出頭シテ陳述ヲ為サントスルトキハ裁判所ノ許可ヲ受クヘシ」とあるのでありまして、修正案は以上第九條の次に、さらに第九條ノ二という條項を加えんとするものでありまして、すなわち「弁理士ハ特許法第百二十八條ノ二並ニ實用新案法第二十六條、意匠法第二十五條及ビ商標法第二十四條ノ規定ニヨリ準用スル特許法第百二十八條ノ二二規定スル訴訟ニ關シテ訴訟代理人タルコトヲ得 前條第二項ノ規定ハ前項ノ訴訟代理人ニ付之ヲ準用ス」という條項を加えるものでありまして、このことを簡單に説明申し上げますと、御承知のごとく先般國会の両院を通過いたしましたる特許法等の一部を改正する法律中、特許法第百二十八條ノ二は抗告審判の審法又は抗告審判請求書却下の決定に対する訴は東京高等裁判所の專属管轄とするとありまして、なおその末項には審判又は抗告審判を請求すべきことを得べき事項に関する訴は抗告審判の審決に対するものにあらざれば之を提起することを得ずとあるのでありまして、すなわち修正案はこの第百二十八條ノ二に規定する訴訟の場合においては、弁理士も弁護士と同樣に訴訟代理人となることができる途を開いたものでありまして、ただいまからその理由の大略を申し述べたいと存じます。 理由の第一といたしましては、特許の事件は高度の技術的問題を内容とするものでありまするから、これを取扱うにあたりましては技術的の專門的知識を必要とするのであります。從來旧法によりますと、特許の事件につき大審院においては法律審のみで事実審を取扱はなかつたのであります。これを具体的に申し上げますと、從來大審院におきましては技術の問題については、特許局の判定を前提といたしまして、ただ前審が事実の認定をあやまつてはいなかつたか、審理が不盡ではなかつたか、また法の適用に誤りはなかつたか、あるいは理由に不備はなかつたかというような、いわゆる法律審のみを取扱つていたために、弁護士のみを訴訟代理人として、弁理士は單に補佐人としての資格のみを認められていたのでありますが、今回御承知のごとく裁判制度の改正に伴う特許法の改正によりまして、東京高等裁判所は事実審を行うことに相成りますので、技術的の專門知識を有する弁理人を訴訟代理人とすることが、権利者である本人の利益の主張のためにも必要であり、また裁判所といたしましても、適切妥当にして迅速なる裁判ができることに相なる次第であります。 理由の第二といたしましては、現行制度によりますと、特許事件については特許局においては特許、実用新案その他の出願者がその出願の拒絶査定に異議がある場合には、その際抗告審判をやり、また権利の確認無効その他の審判に敗れれば、抗告審判を提起したのでありますが、これらの二つの審理を通じ、何れも弁理士がこれを代理するのであります。これら抗告審判に敗れて特許法第百二十八條の二に基き、東京高等裁判所に出訴して、いよいよ事件が裁判所に系属すると、弁理士の手を離れて弁護士が新たに訴訟代理人となることになつているのであります。しかも裁判の結果、抗告審判の審決が取り消される場合は、特許局に事件が戻されて、さらに特許局において審理及び審決をいたすのでありますから、この際事件は再び弁護士の手を離れて弁理士がこれを取り扱うことになるのであります。すなわち事件が同一で継続しているにかかわらず、代理人は弁理士から弁護士へ、また弁護士から弁理士へと、たびたび変ることとなつて、本人の不便はもちろん、種々の点において不都合を生ずるので、弁理士に一貫して事件を取り扱はせることが、眞に権利擁護の立場からも正に妥当であるとするのであります。 第三の理由といたしましては特許法(実用新案法、意匠法、商標法)は民事訴訟法を準用して、立法せられた特別法でありまして、これらについては弁理士がもつと精通しており、他の民事訴訟法の場合と異り、特許法第百二十八條の二の場合の権利に関する訴訟には、むしろ弁理士を代理人とすることが筋道であると思うのであります。況んや民事訴訟法第七十九條によりましても、弁護士以外の者といえども、法令により裁判上の行為をなすことを得る代理人の規定もあり、またその但し書には、裁判所の許可を得て、代理人たることができる規定さえあるのであります。また特許法第十六條には外國人についての代理人は民事訴訟についても本人を代理することができる規定さえあるのでありまして、工業所有権に関する訴訟につき專門家である弁理士を代理人とする途を開くことは、当然と言わなければならないのであります。 第四の理由といたしましては、かかる訴訟において代理人を設けんとする法の精神は、あくまで本人の所有権を擁護し、公正妥当なる判決を受くるにあるのでありまして、この意味からしても弁理士を代理士とすることが妥当と考えるのであります。 以上、本修正案の大要を申し述べたのでありますが、要するに本修正案は一般の民事訴訟の場合でなく、單に特許法に基く権利等の抗告審判の審決に対する場合の、きわめて限られたる訴訟において、権利者擁護の立場から弁理士にも訴訟代理人たるの途を開きたいという趣旨であるのであります。なお最後に一言附け加えて申し上げたいと存じますことは、参議院の委員会におきましては、委員長は特に政府委員としての本修正案に対する意見をも徴されたのでありますが、特許局側の政府委員は、本修正案に対しては全幅の賛意を表せられ、法務廳側の政府委員はこの修正案の趣旨には頗る賛成ではあるが、弁理士の訴訟技術等について欠くるなきやを一言せられたのであります。また参議院の議員のうち弁護士を業とせられる方々の中には、弁理士は法廷戰術あるいは訴訟技術に不馴れであるかのごとき意見を述べた方もあつたのでありますが、私はかかることは一般の民事訴訟の場合であつて、特許法第百二十八條の二の場合におけるがごとく、特許権等に限られたる訴訟については、あくまでも技術を内容とする事実審であるから、この場合弁理士こそ法廷戰術や訴訟技術はむしろ優位であると認信いたしておるのであります。いずれにいたしましても参議院におきましては、本修正案は委員各位の愼重なる御審議と御理解によりまして、大多数をもつて鉱工業委員会を通過し、満場一致をもつて本会議を通過いたした次第であります。何とぞ衆議院の本委員会におかれましても、十分愼重審議いたされまして、わが國における発明考案奬励と工業所有権擁護のためには、本修正案に対する御理解ある御賛成あらんことを御願いいたしまして、提案者としての説明を終る次第でございます。
○淵上委員 ただいまの御説明は非常に御懇切で有りがとうございました。ただ一点お伺いいたしますが、参議院におきましては司法委員会との関係はどういうふうにされましたか、この点をお尋ねいたします。
○小林参議院鉱工業委員長代理 本案につきましては、弁護士に関係するところが深いので、司法委員の方々の中ではいろいろの御意見もあつたように聽いておりますが、参議院では委員会としましては、鉱工業委員会だけで審査をいたしました。
○伊藤委員長 他に御質疑はありませんか。なければこれにて参議院側の説明は終ります。 この際お諮りいたします。本案に対して特に関心を寄せられ、熱心なる御意見を有せられる司法委員の方々、鍛冶良作君、八並武雄君から委員外発言を求められておりますが、発言の時期は委員長において適宜決することとし、以上の方々の委員外発言を許可するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 御異議ないと認めます。よつて委員長において、適当なる時期に以上の方々の委員外発言を許可することといたします。 なお、この際お諮りいたしますが、予備審査のため決算委員会に付託せられておりまする商工省官制の一部を改正する法律案及び工業技術廳設置法案は、共に本委員会の所管に属するところでありまして、前者は鉄鋼局設置に関するもので、これは本委員会がつとに発議してまいつたものでありまして、以上の法律案につきまして、決算委員会と連合審査会を開いては如何かという議が出てありますが、右連合審査会を開くに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よつて、連合審査会を開くに決しました。 本日は、この程度に止め、次回より弁理士法の一部を改正する法律案の質疑に移ります。これにて散会いたします。 午前十一時四十三分散会