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2回国会衆議院1948/05/26

鉱工業委員会 第7号

発言数
37
登壇者
8
会派数
3
開催日
1948/05/26

会議録

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 これより会議を開きます。  議事に入るに先だつて、委員の補欠選任について御報告いたします。去る十七日に民主党の福田繁芳君と、二十日に社会党の成田知巳君が、議長において新たに委員に選任されました。     —————————————

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 それではこれより前会に引続き請願の審査を行います。日程第一六、鉄鋼増産対策に関する請願は、本委員会の金属鉱工業小委員会におきましても、これに関して調査を進められておつたのでありますが、本請願の内容とするところは、鉄鋼生産計画の達成、並びに増産対策の重要問題に触れておりまして、これは緊急を要するものと認められますので、本日の日程の順序を変更し、これより本請願を議題として、その審議を行いたいと思いますが、別に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 別に御異議もないようでありますから、ただちに審査に移ります。紹介議員の生悦住貞太郎君は、金属鉱工業小委員長でありますので、請願の趣旨の説明とともに、小委員会における増産対策に関する調査の概要を報告していただきたいと思います。

生悦住貞太郎民主党

○生悦住委員 ただいま議題となりました鉄鋼増産対策に関する請願について、その趣旨の説明とともに、本問題に関しまして、金属鉱工業小委員会において行つた調査の概要を併せて御報告申し上げたいと思います。わが國の鉄鋼業は、各種産業中敗戰によつて特に痛烈なる打撃を受け、戰前の一割にも達しないという惨憺たる生産状況に陷つておりましたのでありますが、政府は経済再建、産業復興の要請にこたえるため、昨年一月以降、鉄、石炭を頂点とする傾斜生産政策を採用いたしまして、本年度においては、鉄鋼、普通鋼々材でありますが、百二十万トン生産計画を樹立したのであります。この計画の達成につきましては、昨年度の生産実績、すなわち七十万トン生産計画に対する五十四万八千七百九十三トン、並びに本計画に要する前提條件及び現在の諸情勢より勘案すれば、幾多の困難があるといわざるを得ないのであります。この生産計画の達成を阻害し、増産に支障を來している隘路の打開には、種々あろうとは存じますが、その方策の一つとして、現在最も有効適切にして緊急を要すると認められるものは、鉄鋼行政機構の改善であります。すなわち鉄鋼行政の強力なる指導機関として、商工省において現在の鉄鋼課を拡充し鉄鋼局の一元的に改める必要があると結論されるものであります。そもそも戰時中におきまして、鉄鋼四百万トン生産に際しまして、軍需省に鉄鋼局が設置され、他方民間には鉄鋼統制会が設けられ、両者併せて三千五百名余の人員が生産事務に從事しており、昭和十九年度を例にとれば、商工本省には百十二名、鉄鋼統制会本部には五百九十四名、計七百六名の人員が、東京においては鉄鋼の中央行政事務に当つていたのであります。終戰後現実の要請に反して、この行政機構を縮小するという誤てる措置のまま現在に至つておる次第であります。すなわちいまや産業復興、経済再建上不可欠の重要基礎資材として、各種部門における鉄鋼の需要は、急角度に上昇した反面、生産力には遲滯を來しまして、現存保有量は漸次拂底せんとする等の急迫した情勢下に、鉄鋼生産技術の指導育成、生産資浴の配分並びに節約、輸送、保有分の有効使用、工場の実態調査等の総合行政を担当している中央行政機構におきましては、逆に從來の鉄鋼局を廃して、鉱山局の一課たる鉄鋼課をして所管せしめ、人員僅かに九十二名でもつて事務処理に当らしめているにすぎないのであります。ここにおきまして、必然的に鉄鋼課の事務は輻湊し、鉄鋼行政の徹底を欠く憾みがありますとともに、同じ鑄鋼、鍛鋼、鑄鉄等を、他の部局に移管せざるを得なくなり、その結果、これらを機械局の所管に属さしめ、鉄鋼生産の総合的計画施策に支障を來しているというのが、現在の状態でございます。鉄鋼と同じく、超重点産業として指定されている石炭、肥料、電力等の部門に対しましては、それぞれ石炭廳化学肥料部、電力局を設置して、強力な行政の一元化を実施しているのでありますから、鉄鋼に関しましても、これを鉄鋼局に統一し、鉄鋼生産行政の強力なる一元化をはかり、もつて鉄鋼生産計画達成の一成策たらしめる必要があると認められる次第であります。  以上請願の趣旨と鉄鋼増産に関する金属鉱工業小委員会の概要を、併せて御報告申し上げた次第でございます。

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 本請願に対する政府当局の所見を伺うことにいたします。鉱山局長始関政府委員。

始関伊平商工事務官

○始関政府委員 鉄鋼局設置の問題は、実は大部前からの懸案でありましたが、新しい行政組織法施行の機会におきまして、鉱山局より鉄鋼課を分離いたしまして、新たに鉄鋼局を設置するとあうことに、商工省といたしましては、一應決定をいたしました。ただいま政府部内の関係方面と折衝をいたしておる次第でございます。鉄鋼局設置の必要なるゆえん等につきましては、ただいま生悦住小委員長から詳細にお話がございました通りでございます。なお私がただいま責任の局長といたしましてやつておるわけでございますが、鉱山局は御承知の方もあるかと思いますが、終戰前の部局の関係から申しますと、四つの局が一つになつたのであります。当時の非鉄金属局、鉄鋼局、軽金属局、燃料局、この四つのものが一つになつてまとまつてきたのであります。終戰の当時におきましては、もちろんこれらの産業の重要性が急に減りまして、それでよかつたと思うのでありますが、この六箇月來と申しますか、非常に情勢が変つております。金属の鉱山につきましても、たとえば硫化鉱というようなものにつきましては、かりに一日のストライキがございまして、その生産が止まるということがございますと、農村に対する肥料の生産配給という点から申しましても、政治的にも非常に大きな問題になるという状況になつております。なお各工業の関係その他においても、たとえば鉛のごときも、いくら増産しても間に合わないという状況になつております。それから終戰後ほとんど半分死んだような状態になりました軽金属のごときものも、最近におきましては、ポーキサイト十万トンの輸入の契約が実現いたしまして、今後年間大体一万数千トン、できれば二万トン程度の軽金属をつくりまして、國内の需要に当てる。あるいは世界の各地に配給いたしまして、これが輸入の見返りとなつて輸出してまいるということでありまして、この部面もにわかに活況を呈してまいりました。石油につきましても、國内の資源は、御承知のように貧弱でありまするが、國際的な石油の不足に対処いたしまして、國内の資源をできるだけ掘るということが、輸入を連合國からやつてもらいますときに、非常に大きな條件になつておるというようになつております。  なお鉄鋼につきましてはただいまお話がございましたように、昨年に比べまして、今年は倍以上の生産をしてまいる。この倍以上の生産をいたしましても、重要産業の各方面に対する供給は、まだ非常に不十分でございまして、たとえば陸運方面につきましては、鉄道その他でございますが、これは需要の六四%にすぎない、海運はわずかに三二%、超重点と称される石炭に対する鉄鋼の供給も、需要に対しては八五%電力は五九%というような状況でございまして、百二十万トンの生産計画は、國内の需要を満たす点から申しましても、はなはだ不十分でありますけれども、とに角昨年に比べて倍以上の計画を立てるようになつたことは、御同慶に存ずる次第であります。これを今後強力に実施してまいるという点から申しますと、輸入の確保、それから輸送の確保、あるいは電力の確保、その他非常にむつかしい他の重要産業と、ややもすれば競合いたしまするような、非常にむつかしい問題が非常に沢山あるのでございまして、私現在自分でやつておりましても、百二十万トンの鉄鋼生産計画を強力に推進いたしますためには、少なくとも專任の局長を置き、その下に相当整備されました人員を置きまして、これを強力にやつてまいる必要があるということを、痛感いたしておる次第であります。  一番最初に申し上げましたように、商工省といたしましては、一應内定をいたしまして、ただいま大藏省、行政調査部その他関係方面と折衝いたしておるという段階に相なつておる次第であります。

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 本請願について御質疑はありませんか。

菊川忠雄日本社会党

○菊川委員 請願の趣旨につきましては、よく了承いたしました。それから今日の鉄鋼増産の先決問題として、鉄鋼局をぜひ設置するということも、機宜を得た処置であると思つて、一日も早くこれを実現することを希望するものであります。ただ問題は、鉄鋼局という局を置いたから、増産がすぐできるというわけにはもちろんいかない。從つて鉄鋼局がどういうふうな機構と内容をもつておられるのか、その構想をひとつお伺いしたいと思います。  それからいま一つは、この鉄鋼局を中心にして、これからおやりになる鉄鋼増産の積極的な施策がなければならないわけであります。そういう点につきましては、特に資材労力、こういつた関係があると思いますが、この見透しをこの機会にもつと伺つておきたいと考えるのであります。最初の点につきましては、たとえば現在の状態において、鉄鋼課としておやりになる仕事については、わずかに九十二名程度の人がおやりになつておる。でありますから、ただいまも趣旨の御説明にもありましたように、これではとうてい現在においても重要な鉄鋼関係の行政が間に合つておるとは思つてないのであります。殊に極端なのは、出荷係はわずかに三名となつておるのであります。はたしてこれでどれだけの仕事がやれるかということは、はなはだ不安な状態が、現在の状態であります。これは鉄鋼局を置くか置かないかということではなく、かりに百歩譲つて、鉄鋼課として百二十万トンの増産ということを考えた場合においても、実質的にはぜひ増員並びに整備をしなければならない場面であります。この一点だけでもそうであります。でありますが、はたして鉄鋼課を局に直した政府としては、どの程度の増員をして、どの程度の課を置いておやりになるのか。この見透しがきわめて重要であろうと思うのであります。今日一面においては行政整理ということがいわれて、その中にはややもすれば、能率とか事務に関係なく、各課各局を通じて、ただ人を整理しなければならないという機械的な形式論も残つている関係上、そういう中において、われわれは必要なる部局は大いに充実しなければならない。そうしてあくまでも能率的な合理化をはからなければならないという見地から考えますと、鉄鋼局を置く場合においても、こういう一般的に人を減らすことで行政整理であるという結論を考えておるというような状態の中において、このことを考える場合、これは相当確信をもつてやらなければならないと、こう思う次第であります。たとえば昭和十九年十月現在を見ますと、当時軍需省の鉄鋼局は、それだけで百十二名の職員があり、さらにそれ以外に外廓團体としての鉄鋼統制会において協力をしておられました人員を合せますと七百六人という表が出ております。現在も鉄鋼会がありまして、形は変りましたが、民間においての十近くの各種の團体が、現にそれに協力しておりますが、その人員も現在七百名くらいになると思うのであります。でありますから、鉄鋼局を置いておやりになる場合には、どういう人員をとり、從來の民間の團体としての協力関係においても、どういう関係になるのか、この一点をまずお伺いしたいと思います。

始関伊平商工事務官

○始関政府委員 鉄鋼局の設置の場合におきまして、定員をどうするかという問題でございますが、ただいまの商工省案におきましては、合計二百二十九名、——先程お話がございましたように、現在の定員は、大体実員よりは少し多いのでありまして、百十名程度でございますが、これを二百二十九名にいたすというように考えております。この増員百二十名ばかりは、商工省全体として見ました場合には、新規の要求ではございませんで、最近諸般の情勢からいたしまして、やや仕事が閑散になつてまいりました賠償実施局から、そのうちの約半分程度を持つてきて埋める。それから後の半分は、物資調整課は現在七十名の定員がございますので、それをこちらに廻す。結局商工省全員といたしましては、内部のやりくりによりまして、閑散なところから人をこちらへ持つてくるということで、結局商工省全体としての定員の増加はないという態勢でやつてまいりたいと思います。この二百三十名をわけまして、ただいまこれは法定案ではございませんが、鉄鋼第一課、鉄鋼第二課、原料課、回收課の四つの課にしまして、仕事をやつていきたいと考えております。こまかい点になりますが、鉄鋼の第一課におきましては、鉄鋼業全体の通ずる問題、たとえば鉄鋼会社の経理の問題でありますとか、労務の加配米の確保その他を含めまして、労務の問題、輸送計画設定の問題、渉外の問題、技術委員会がただいま設置されておりますが、これによりまして、鉄鋼技術全般を向上せしめていくという仕事、貿易関係の計画をつくる仕事、鉄鋼業全般に通ずる仕事が鉄鋼第一課の半分の任務であります。あとの半分は銑鉄、普通鋼、再圧延等につきましての生産の計画ないしはその推進をはかるための仕事、さらのこれらにつきましての管理、ロール管理計画、これらは具体的なこまかい工場別の生産計画ということになりますが、鉄鋼第一課の銑鉄、普通鋼、再圧延につきましては、こまかい調整、具体的な編成別よりこまかい細部別になりました生産計画の作成、つまり第一課におきましては、鉄鋼全般を通ずる銑鉄、普通鋼、再圧延の事務を扱う仕事であります。鉄鋼第二課におきましては、これ以外の鉄鋼鋼材、ここに入つてくるのは主として二次製品、普通鋼鋼材、あるいは針金といつたもの、特殊鋼、伸鉄、鑄鉄管というようなものが、この第二課に入つてまいります。  それから原料課におきましては、鉄鋼石ないしは石炭石等の流通消費等に関する確保、つまり原料に関する生産を除きまして、その配分輸送等に関する問題と、もう一つは資材の関係で、この中に入りますものは、燃料も入つておりまするが、その他爐材でありますとか、非鉄金属の関係でありますとか、有機無機の化学製品関係、要するに工場に配当いたします資材原料の関係を、この原料課で扱つております。それから回收課と申しますのは、ただいま鉄源といたしまして、鉄鋼石は海外から輸入ができますが、鉄と名のつくものは、スクラツプも含めまして、全然はいつてこないのであります。國内のスクラツプの回收を一元的にかつ強力にやつてまいる必要がございます。回收課におきましては、このスクラツプの回收の仕事をやつてまいるのであります。大体内部の機構といたしましては、こういうふうに考えております。それからただいまございます鉄鋼会その他鉄鋼関係の業者團体——民間團体としての関係でございますが、この点につきましては、從來のように割当等の工場別の細部に亘る分を、これらの民間團体に移讓するわけにはまいりませんので、われわれは策定いたしまする計画等について、意見を聽きまして、極力世間の要望に合つた公正な案をつくるということ、それからこれらの計画を推進してまいります上に、いろいろな面で協力をしていただくという点等につきまして、これらの民間團体と、大いに緊密な連繋を保持してまいりたいという考えでおるのであります。いわゆる官廳内務に関するものの一部分を、これらの團体にやつていただくということには、ただいまの建前上まいりませんので、とりあえず前段の方の御質問に対しまして、お答え申し上げました。

菊川忠雄日本社会党

○菊川委員 異動が一應大したことがなくてできることは結構だと思います。ただこの場合に、いわゆる配置轉換によつて二百二十九名というものを確保するという構想のようでありますが、実際問題として、こういう鉄鋼関係の專門的な仕事をやる場合、はたしてただ單なる配置轉換、——配置轉換といつては失礼でありますが、それだけではたして間に合うかでうか。統制経済におきましても、役所の仕事が中心にならなければならないと思いますが、その欠陷はどうしてもその事業に対してほんとうに專門的な人が、その局に当らないということでは、から廻りし、あるいはもつと惡い面における弊害がある点が、大きな欠陷だと思つておるのであります。でありますから、この二百二十九名という人で、はたしてこれからこの鉄鋼増産を積極的に背負つてやれるだけの質的な、技術的なものを確保できるか、どうか。この点についての大体の見透しといいますか、この点を一應伺つて見たいと思います。なおそれから從來やはりどうもこういう場合には、役所の仕事というものは、お役人を殖やすのは結構でありますが、かえつてお役人の機嫌をとらなければ能率が上らないということになつております。これは鉄鋼課に関してはそうではないかもしれませんが、他の役所におきましては、そういう弊害が非常に多いのでありまして、現にそれが民間における非難となり、はなはだしいときには、怨嗟の的になつておるのであります。こういう点について、今後できる鉄鋼局というものが、少くとも官廳の民主化といいますか、眞に鉄鋼増産に積極的に協力し、そのサービスができるという方針をおとりにならなければいかぬと思うのであります。こういう点について、はたしてそういう人事がやれるかどうか。この点についての考えを、併せて伺つて見たいと思います。  あとはいまの件につきましては、多少具体的なものでありますが、項目的にお伺いして見たいと思うのであります。一番むつかしいのは、原料対策であろうと思うのであります。その原料対策の意味において、これを確立し、それを具体的に遂行して、急速に措置していくためには、現在の人員配置では、無理なことはわかつておりますが、はたして今後どういうような配置をお考えになつておるか。殊に鉄屑の集荷、鉄鉱石、マンガン、マグネシヤ・クリンカー、そういうものを十分に確保していくということには、特殊な経驗と技術が要ると思うのでありますが、その点については、どういう構想をお持ちになるか、いま一つは、特殊鋼その他の一次鋼材、品位向上の問題についてであります。これについては、相当技術指導、現場指導が要るわけでありますが、こういう部面が、いまの話されたような配置轉換的な増員で、はたして対策が立つかどうか。どういうような方針をお持ちか、その点を質問いたします。それから製銑所の資材の発見について、それから出荷管理事務、これを鉄鋼課でおやりになるようでありますが、これについては、どういうふうに人員配置でいくか。私はむしろ増員の必要が相当あるのじやないかと思います。それについてどうお考えか。それからこれに関連してでありますが、從來鑄鍛鋼の方は、機械局の方に編入されておるのでありますが、これは今度の計画ではどういうふうにお取扱いになるか。これはむしろ一元的な立場から、鉄鋼局に編入されるのじやないかということを考えるのであります。こういう点について、実行ができるかどうか、やれなければその支障がどこにあるのか、こういう点を、機構の問題について一應お聽きしたいと思います。

始関伊平商工事務官

○始関政府委員 鉄鋼局の人事の問題を中心にお尋ねがございましたが、先程申し上げたように、新規の定員が増は、その半分、正確に申しますと、四十五名を賠償実施局から移す、その他の半分、正確には六十八名でございますが、これは新規に募集する予定であると申したのでありますが、この賠償実施局から移します四十五名につきましては、一應定員の振替えでございまして、もちろんこれには現在実員がついておりますが、その中で鉄鋼の仕事に適当であろうと思われます者は移しますが、不適当な者は、さらに他に廻すというように考えておりまして、本省の定員の振替えの場合に、その人の適不適を問わず、そのまま実員つきでこれを鉄鋼局の方の廻すということは、考えておりません。ただ全般を通じまして人員が現在の倍以上になりますので、適当な人間ばかりをそろえるということにつきましては、非常に心配をいたしておりますが、決して定員を省内の他から持つてくるから、そこの人間をそのままこちらへ持つてくるというふうには、考えておらないのであります。これは今後われわれといたしましては、相当善処を要する点であると考えておる次第であります。それから後の半分、正確に言つて六十八名でございますが、物調課の欠員の補充ということになるのでございまして、これにつきましては、新たに関係の役所のみならず、業界その他の方面から適当な人を採用して、適材を得たいと考えております。物調課にいい人を採るために、いろいろ商工省といたしましても考慮いたしておるのでございまして、たとえば給與等につきましても、これは臨時の意味も考慮して、從來からおります者より相当高い給料で來ていただくということにも期待しております。また退職後二箇年間は、民間会社に復帰できないという官吏公務員法の規定につきまして、その適用を除外するということを政府部内で大体打合せができておるようでございます。人員の問題は全般を通じまして、御指摘の通りでございまして、人員に対しましては、適当な人を得られませんと、現在の小じんまりしておる場合より惡くなるということを考えまして、これを各方面の協力を得まして、愼重に考慮したいというふうに考えております。役人を殖やす場合に、民間会社の方々が一々その御機嫌を取らぬとやつていけないということになつては困るんではないかという話がありました。これはごもつともと思いますが、この点につきましては、適当なりつぱな人を得るということが、何といつても根本條件でございますが、そのほからこれに重要な関係のあることといたしましては、仕事のやり方をどうするかという問題でありますが、主として問題になりますのは、工場別の原料資材の配当ないしは根本的には、生産の割当というようなことが問題になると思います。この点につきましては、これも非常にむつかしいので、大分前からの懸案で、延び延びになつてきておりますが、こういう工場別の資材を配当いたします場合の客観的な一つの基準というものを設けまして、たとえば出荷の実績、それから能率減退いかん等の諸條件を考慮して、一つの基準ができますと、点数制によりまして計算をいたしますと結論が出ます。そういうやり方をいたすことに、政府の方針がきまつておるのであります。なお一般的な基準が、今でき上つております。それを鉄鋼の場合にはどう当てはめるか、普通鋼、軽金属については、そういうことは民間の方々に委員になつていただきまして、その委員長で具体的な質疑をしたい。われわれ官吏は、その基準に基きまして、從來は客観的な基準なしに、係官が勝手にやつているという印象を與えがちであつたのを、根本的に改めたいという方針をもつて臨みたいと存じております。なお労務物資の配給等につきましては、ただいま鉄鋼復興会議の方とよく連絡いたしまして、先ほど申し上げましたように、工場別配分の客観的基準というものにつきまして、すべての人が一應納得してもらえるというような公正な立場でやつてまいるということを、努力をしている次第でございます。  その次に原料対策につきまして、主として人事としての関係等におきましてお話がありましたように承知いたすのでありますが、この原料といたしましては、結局海外に相当の部門を仰がなければならないという点が、一つの日本の鉄工業の置かれております宿命的立場でございまして、この点につきましては、幸いと申しますか、國際的に非常に鉄鋼が不足でございますので、日本の鉄工業を設備を活用いたしまして、日本の再建のために必要な鉄鋼を供給するのみならず、國際的な鉄鋼飢饉を緩和していこうというのが一つ。ただいま置かれております國際情勢から、そういうふうになつてまいつております。そのためにこれは経済的にどうかと思いますが、アメリカ等の遠い所から、石炭を百万トン近くももつてくる。海南島の鉄鋼石をもつてくることに相なつております。原料対策の根本的な点につきましては、われわれの努力ももちろんあるわけでありまして、これはわれわれのような官吏のみならず、政府全体、國全体としての大きな問題になるのでありますが、どうも國際情勢が日本の鉄鋼工業に原料を相当供給すると安心だし、根本的にはそういうふうにもつていかなければならぬ。現在の方向がどんどん向いつつあるということに考えておる次第でございます。國内的に確保しなければならぬ資源も相当あるのでありまして、その一つといたしまして、鉄屑の問題がございます。ただ今御指摘になつたのでありますが、鉄屑は本年度百七、八十万トンのものを用意いたしませんと、百二十万トン計画に支障がある。あとどのくらい鉄屑があるかという問題でございますが、これにつきましては、大体三百万トン内外のものがある。ただいま政府の機構といたしましては、艦艇の解体からきますものは、運輸省、それからその他兵器の解体は、これは商工省でやつておりますが、大部分扱つているのは街にある物が主なる供給源になつております。ただ今のところでは、回收課に置かれまして各省に分属しております。屑鉄の生産と申しますか、屑鉄にすること、並にそれの配給等を一元化いたしまして、なお屑鉄であるかどうかということは、一つの認定になりますので、物資調整法に基きまして、ある場合には強制的にこれを取上げ得るような法律の準備をいたしておりますが、そういうような方法によりまして、屑鉄の確保をはかりたいというような考えておる次第でございます。それから特殊鋼その他につきまして、技術指導をやつていかなければならない。それに対して適当な人が得られるかという点でございますが、ごもつてもと思いますが、これにつきましては、ただ今数は少いが、われわれの部内に若い技術官で優秀なのもおります。これを新規増員の際に、新たに求めてまいるということを努力したいと思いますが、なおこの民間あるいは大学等の方々によりまして、鉄鋼の技術全般の向上を目的としまして、技術委員会ができておるのでありまして、ただ今これが相当の成果を納めつつあります。こういつたものを官吏機構だけで不十分な点は、委員会の活動によりまして、できるだけの効果を納めてまいりたいと考えております。発券事務も、資材の配給等について人員に不足はないかという御質問でございました。先ほど申し上げました分課の中に、原料課というものがございますが、ここに今度い四十八名五十名近くの人員を整備いたしまして、発券事務が遲れたり、あるいは混乱してくるということが、ないようにしたいと考えておる次第でございます。それから最後に鑄鍛鋼の所管を今度どうするかという問題でございます。この点はいろいろ檢討いたしました結果、今回はとりあえず從前通りということにいたしました。これは檢討いたしました結果、そういうふうにいたしたのでありまして、この鑄鍛鋼は御承知のように、大体三つの方向によつて鑄鍛鋼の仕事がやられておるのでありまして、その一つは製鉄業者が、その製鉄工場の一部におきまして、鑄鍛鋼をやつておる場合、第二はこの企業者が、その機械工場の一部におきましてやつておる場合、第三はその中間と言いますか、專門の業者が方々から頼まれてやつておるという三つの形態があるわけです。そこでこれを一まとめにしてやつていきたいということの必要が、まず感ぜられました。機械局でも鉄鋼課の方でも、鑄鍛鋼というものは、そこにくつついているというふうに扱いまして、なおざりにしがちであつた。そういう弊害を除きまして、一つの課にまとめて、一元的に見ていくということと、ただいま申上げました三つの形態がありますが、そのそれぞれにつきまして、分野の調整その他の一元的に扱つてまいりますことの必要が、まず感ぜられまして、一まとめにするということなら機械局が適当であろうということで、これを機械局にもつていくことに、私ども賛成をいたしたわけでございます。半年ばかりになりますが、どんどん成果を上げつつあります。もちろん鉄鋼メーカーにくつついております。その次に鑄鍛鋼の問題につきましては、この機械と鉄鋼と扱いが違いますので、労務物資の配給立につきしては、機械につけるよりは、鉄鋼にくつつけた方が割がいいということで、それらの点につきましては、同一工場でやるわけにはまいりませんので、差別的な待遇はないように考えておりますし、その他一元的に扱うということの目的を害しない範囲において、鉄鋼局におきましては、他に扱いは決してしないというふうに考えまして、鑄鍛鋼につきましては、この際においては、せつかく一元的に扱つてみようということで、スタートをいたした次第でありますので、この際はこのままと一應考えております。

菊川忠雄日本社会党

○菊川委員 最後に原料関係の見透しをお伺いしたいと思います。先ほど御説明もありましたから、ただ要点だけ御答弁願えれば結構と思います。この増組については、副原料としては、もちろん石炭であるとか、あるいは重油いろいろな問題がありまするが、直接の原料として、屑鉄の問題のお話があつたことは、きわめて主要だと思います。殊にここ二、三年後には、このままでは相当行き詰りを呈して困るようになるのではないか、こういうことを考えます場合に、現在においてストツクの量はどれ位あるとか、市場にある量は、どれ位あるか。その收集にはどういうような方法をとるのか、それからさらに未完了というものをどれ位に推定せられるか、この点について結論だけでよろしいから、お伺いしたいと思います。殊にわれわれその間の事情は存じませんが、最近相当量の鉄屑が海外に輸出されたというようなことも聞いておりますので、何か一つの見透しがあつて行われているのはよろしいが、この際きわめて重要な時期に立つておると思いますから、鉄鉱石の部面におきまして、もちろん輸入にも仰がなければならないのでありますが、しかし現在日本でどの程度の品位の鉱石ならば、日本の一等石として使用できるかということをお伺いしたい。その点から見て、現在日本におけるところの埋藏量、採掘可能の鉱量推定、もちろん價格との関係がありますので、品位もおそらく一定しておりませんが、現在の價格で、どういう品位でもつと、どの位増産できるかということは、可能であるということを、重ねて御説明願いたいと思います。それからマンガン鉱の場合ですが、これは大分輸入に俟たなければならぬ。この輸入の見透しについてであります。これを伺いたい。内地で生産し得る場合でも、先ほどの鉄鉱石のようなことと兼ねて、見透しを伺いたい。その他の問題といたしましては、マグネシヤ・クリンカーというようなものにつきましては、大体ほど伺いまして、どの程度の原料を確保できるかということを、五ケ年計画みたいなものでなしに、ほぼ一、二年の見透しについて伺いたい。

始関伊平商工事務官

○始関政府委員 屑鉄の輸出が最近あつたのではないかというお話でございますが、これは普通鋼の屑鉄につきましても、先ほど申し上げましたように、非常な國際的な鉄不足ということから、輸出というか、むしろ買いに來たようなお話がありましたが、普通鋼の屑を出すことは適当ではないということで、こちらの方はお断りをしたような次第でございます。五万トン程度の輸出ができましたのは特殊鋼の屑でございました。今後とも普通鋼につきましては、この屑鉄を輸出をいたすという考えはございませんし、またそういうことにはならないと思います。ただ今ストツクがどの位あるかというお話でございましたが、製鉄業者の手元にありますのは、大体四十万トンというふうに考えております。それから今後解体いたしますもの、近器処理、あるいは艦艇その他一般の市場屑でございますが、これは推定困難でございます。三百万トンないし三百五十万トンくらいと考えておる次第でございます。たとえば使えない機械があるという場合に、それを屑と見るかどうかという問題は、非常にむつかしい問題でございまして、使つていなくとも機械と思うていれば屑ではないか、どうにもしようがないということになれば屑になる。さような点からいたしまして、屑鉄の集荷対策というものを、ある程度強権的にやつてまいる必要があるということを考えます。われわれといたしましては、結局三つの方法で、すなわち第一は屑鉄の價格を適当にする。第二は機構的にただいまでは專門にやつておる者が、数が非常に少いのみならず、各省の跨りの関係を一元化して回集課におきましてやつてまいる機構を整備する問題、第三は法律的に権限によりまして屑鉄であるという認定ができるというこの三つの方法を考えておる次第でございます。收集方法をどうするかという点におきましては、たとえば製鉄業者や屑鉄屋を使うとか、こまかい点をお答えしなければならぬと思いますが、その点については、あまりはつきりした案がございませんので、適当な機会にお話を申し上げることで、御勘弁願いたいと思います。なお先ほど三百万トンないし三百五十万トンと申し上げましたが、その前に屑鉄と見るべき、あるいは屑鉄化ししたものがいいものがどれ位あるかとの調査が、非常に肝腎でございますので、今度の鉄鋼業の予算の中に、調査の費用等も計上することにいたしまして、國内に屑鉄がどの位流用できるか、できるだけ早く調査することも考えております。それで根本的には鉄鋼の國際情勢が変らないとすれば、屑鉄の供給にも限りがあるから、鉄鉱石あるいは石炭等の輸入によりまして、鉄鋼一貫作業の方からやつてまいるということが、好むと好まざるにかかわらず、日本の鉄鋼業としては、それより行き方がないと思います。屑鉄に関連した根本的な立場から言えば、そういうことになると思います。鉄鉱石の問題でございますが、百二十万トンの場合におきまして、國内の鉄鉱石は七十万トン、輸入の鉄鉱石が八十四万トンというように、一應計画しております。輸入の鉄鉱石と國内の鉄鉱石との関係の調整という問題が議論になつておると思いますが、輸入の鉄鉱石は、海南島が主でありまして、品位六三%これが入りましたために、國内だけの鉱石の場合には、一日八百トン内外でありました。八幡製鉄所におきまして、この稼動の鉱爐を殖やすことなしに、一千トン内外をやつていくということにもなつております。日本の鉄鉱石の品質をよくするという意味におきまして、二つの点に重点をおかなければならぬと考えられます。國内の鉄鉱の埋藏量がどれぐらいかという点でございますが、これは可採量がどれ位かという点でございますが、この一番主たるものは釜石の鉱山でございまして、この方面にははなはだ遺憾ながら目ぼしいものはございません。この埋藏量は正確なことはわかりませんが、三百万トンないし五百万トン、一番多くて八百万トンという程度の埋藏量が見込まれている。品位は大体製鋼にいたしまして四十八か五十位と思いますが、そういうことになつております。從いまして、七十万トンの生産でよろしいとすれば後十年位はもつことになろうと思います。これも根本的に申せば國内資源の調査開発に重点を置きますとともに、何としても大陸方面の鉄鉱石がどんどん入つてくるように態勢を整える必要があると思います。結局どれ位とれるかという問題につきましては、ただいまの見透しとしては、品位の関係からして七十万トン以上國内の鉄鉱石を掘りますと品位がぐんと下りますので、不利であります。七十万トン位が國内の鉄鉱石の年産額として一應無理のないものではなかろうかというような程度に考えておる次第でございます。價格の問題もお尋ねがあつたと思いますが、これは價格の関係で、輸入の鉄鉱石に、國内の鉄鉱石が圧迫されるという関係は、全然ございません。國内の鉄鉱石の價格を処理いたしまして、それに比べて品位のいいだけの値段でやろうということになつております。國内の鉄鉱石につきまして、今後の價格改正によつて合理的に價格の設定をしていきたいと考えております。  それからその次のマンガンでございますが、現在この生産は月三千トン程度でございまして、御承知のように、非常な不足になつております。これは終戰後鉄鋼業が縮小いたしましたので、中廃止された鉱山が復旧していないのでありまして、これにつきましては、大番大きい問題としては、價格の問題があると思います。小さい山が多いのでありますから、主として科学的な操作によりまして、増産が考えられるのであります。マンガンの輸入は目下のところ年間七万五千トンという計画になつておりまして、G・H・Qの方で七万五千トンは是非入れると申しておりますので、以上詳細な答弁ができないことを遺憾と思いますが、必要なものは、外部から入つてくるということを申上げておきます。それからマグネシヤ・プリンカーの問題でございますが、これは相当量の輸入を仰がなければならぬ。六万五千トンの計画をいたしております。これはG・H・Qとアツプローバルした数量でございますが、現実に來ておりません。これらの問題につきまして、今後いろいろな用途を通じまして、輸入の促進をはからなければならないと思います。

菊川忠雄日本社会党

○菊川委員 了承いたしました。

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 他に御質疑はございませんか。

生悦住貞太郎民主党

○生悦住委員 この機会に鉱山局長に伺いたいのですが、この本年度の百二十万トン達成には、相当の苦心努力を要すると思いますが、屑鉄いわゆるスクラツプの保有量、この数字も推定で確かなものでない。今後においてこれを調査するということでございますが、もう少し積極的に、現在われわれの眼に触れる市中のそこかしこに酸化しつつあつて、日々これが鉄量を減らしつつある。こういうことがまのあたり見えるのであつて、一日も早くそれを酸化せしめないよう、急速の手を打たなければならぬのに、いつも私どもはこれを見る度に氣にしておるわけでございますが、それについては、一体國内のスクラツプを寄せるためには、どういう手を打てばいいかを具体的な問題としてはこの輸送力というものが問題でありまして、本年度百七十万トンのスクラツプを必要とする。こういうのでありまして、殊にこの鉄鉱石にいたしましても、國内の物を七十万トンやらなければならぬ。耐火煉瓦その他副原料につきましても、相当の輸送力ということが問題になるのでありまして、輸送方面について、どういう手を打つているか、これがはたして百二十万トン達成のために要する輸送力ということについて、具体的な方法、手段等について、どういう手が打たれているかこういうことをお聽きしたい。それから今日鉄鋼一貫作業なるものが、好むと瓦まざるとにかかわらず、これが必要だ、これはわかりますが、昨年に比べまして、本年度は非常に水力の電氣など相当使える。こういう際に、商工省としましては、できるだけ電氣爐鋼塊の増産をはかり、そうして優秀な鉄鋼をつくる。もちろんこの優秀な鉄鋼ということにつきましては、相当論議の余地もございますが、電氣爐による鋼塊、技術的にみまして平爐あるいはその他のものによりますよりか、技術的にみまして、はるかに優秀なものができる。タフレンスにいたしましても、すべてエストレンスの関係から言つても、わずかの量を使つて相当優秀なものがあれば、かりに例を出して言えば、三トン普通鋼が必要だ、それに特殊の鉄をつくればこれは二トンで済む。こういうようなことがあるんです。これは製品の優秀化をはかるために技術の向上ということより簡單な電氣爐操作のごとき方法によりまして、優秀なものを得られる。結局は優秀な品物をつくるということは、換言いたしますと、量を少くて、ひつくり返してみると沢山のものができたということになるのでありますから、この点についても、豊水期をめざして放電地区におきましては、大きく電氣爐の鋼塊の増産をやる、こういうふうに考えていただきたい。こういうふうな点について、鉱山局長の御意見を承りたいと思います。

始関伊平商工事務官

○始関政府委員 ただいま輸送力の問題を御指摘になりましたが、この鉄鋼の増産の成否を決定いたします二つの大きな鍵があると私は思いますが、その一つは輸入がはたして計画通りかどうか、大体先ほど申し上げましたように、ただいまの情勢はいいのですが、それが問題が一つ、若し輸入が崩れれば、百二十万トン計画は根本的に崩れる。もう一つ國内的の事情といたしまして、一番つきつめて行きますれば、輸送力の問題になると思います。輸送量はこの前申し上げましたように、鉄鋼全体で七百五十万トン程度、昨年の倍以上でございます。その六、七割のものが、陸上の輸送力ということになるわけです。輸送力の問題は、実はこれは食糧をさきに運ぶとか、石炭をどうするとか、鉄鋼原料をどうするとか、いわゆる重点輸送という観念ではどうにもならぬような段階になつておると思いますので、これは根本的にむつかしい問題であろうと存じます。何の輸送をどうするということでなしに、輸送力そのものを全体にどうするかという問題でございまして、そのためには外國の船を雇うとか、近距離のものは自動車で行くとかは鉄鋼業の立場でなしに、全体的な立場から輸送力の問題を考えてまいるほかはないと思います。ただこの鉄鋼を供給する場合、どういう部面に供給するかということを、先ほど申されましたが、省略して申しますと、百二十万トンのうち、二十万トンが輸出でありまして、國内向けが百万トンのうち十八万トンは鉄道向けであります。いまの日本の情況では、何とか輸送力を増強しないと、鉱工業、農業方面、あらゆる産業の改革は望めませんから、それ以上の鉄鋼をつくるんだということになつていると思います。そういたしますと、何を差しおいても、その鉄関係のものを相当輸入しなければならぬという理屈が出てくると思いますが、すなわち鉄道に鉄鋼材を供給する代りに、鉄鋼製品原材料の輸送は最優先的にやる。われわれの立場としては、そういう立場で、全体の輸送力の強化を考え、それには鉄をつくるんだということが、今後鉄鋼局としての実質的の最大の仕事になつておりますが、輸送力の確保ということに努力をしなければならぬというふうに考えております。でき得れば、國会の方にも御参賀願いまして、石炭等でやつている増産推進本部というものをつくりまして、そういうことの御力添と申しますか、宣傳をお願いしたいと思います。これは一番心配になる点と思いますが、私どもとしては、実際上確保するために、あらゆる方法を講ずるよりほかないと考えておる次第でございます。それから電力化の問題でございますが、この鉄鋼をつくるに必要な電氣の総配当量を現状でこれ以上殖やすということは望み得ませんので、ただいまの計画で十九億キロワツト・アワーということになつております。しかもそのためには鉄鋼面で輸入いたしました石炭を、ある程度電氣の方に廻さなければならぬということにもなつておりますので、電爐のものを水量として殖やすということは、なかなか困難かと思いますが、ただいま生悦住さんからお話がありましたように、電爐によつて優秀な製品ができる、三トンの物が二トンで済む、そういう優秀なものにつきましては、大いに努力してまいるということが、必要だろうと思います。殊に豊水期の電氣等は、優先的にこの方面に割当てますように、ただいま施策をいたしておりますし、今後もそういう方面に努力をいたしてまいりたい、安定本部の方もそういう豊水期の電力を鉄鋼方面に優先的に廻すという方針については、まつたく同じお考えをもつておられる次第であります。

有田二郎民主自由党

○有田委員 これは増産の方のことではないのでありますが、配分のことでお尋ねしたいと思います。他の産業であつて、たとえば化学関係であつて苛性ソーダとかその他のいろんなものの安本から出たチケツトの現物化が、非常に困難になつている。近く値上げがされるということを見透しまして、そして品物を出さないとか、あるいは出すにいたしましても、指定のないさきに値上げをして品物を出すということが、実際においてある。たとえば私の経営する会社に重曹の配分を受けまして、四月に頂載するのがマル公で一千いくらでございますが、五月にもらうときは二千八百円ほど、一俵についてとられる。四月にさかのぼつて金をとられた。ところが物價廳の調べによりますと、重曹の値上りはしていない。しかし近く値が上るということを想定して、そういつた場合、会社が勝手に値上げをやつている事実があるのであります。鉄鋼におきましても、そういう事実がないか、たとえば安本の方から各省に別個の配分によつてチケツトが渡された。そして各省から鉄鋼の配分についてチケツトを渡します。そのチケツトの現物化について、他の産業と同じように、まだ物價廳の方において値上げしていないにもかかわらず、大体値上りするものとして、前提として賣買されていないか、鉱山局としてどういう監督をしておられるかということを、伺いたいと思います。

石原武夫総理廳事務官

○石原政府委員 私は経済安定本部生産局次長の石原でございます。ただいま御指摘のような問題は、われわれはしばしば耳にしておりまして、いままでの價格改訂が行なわれます場合に、そういう情勢が一般的にわかりますと、價格改訂まで出荷が非常に締められる。あるいは從前の現行のマル公では出荷はしないというようなことを、たびたび聞いております。これは業者の立場からいたしまして、得てそういうことになります。價格改訂をできるだけ早くやることが必要と思います。いろいろの情勢で、そういうようにいかぬ場合もありますので、そういうことが起るわけでございまして、これははなはだ遺憾のことでございまして、われわれとしても、さようなことがないように、各実施官廳にお願いをいたしておりますが、具体的にさような場合は、その関係のところに御申出を願いまして、そのために非常に生産が阻害されるということのないように、各方面で具体的に斡旋をして、そういうことのないように取締つていきたいというふうに考えておりますが、現在のような情勢でございまして、さような情勢が相当あるということは、われわれもよく承知しておりますが、先ほど申し上げましたような趣旨で、そういうことのないように努力したいと思います。なお鉄鋼の点については、御指摘のような事情があるかどうかは知りませんが、鉱山局長の方からひとつ……。

始関伊平商工事務官

○始関政府委員 鉄鋼の方につきましては、具体的に有田さんからの御指摘のような事実があるということは、それはあまり耳にいたしておりません。若しそういう事実がありとすれば、われわれの方としても、何か適当な方法をとらなければならぬと思います。具体的な問題として、ひとつ折衝したいと思います。

有田二郎民主自由党

○有田委員 鉱山局長の鉄鋼に関してはそういうことはないとのお話を聽いて、意を強くするのでありまして、安本におきましても、今そういつた事実をよく聽いておるということでありますが、他の産業におきましては、ほとんどこれが常識として行われておるのであります。これはりつぱな統制経済違反であつて、政府としては、でき得る限り最善の努力をしてもらいたい。また鉱工業委員長にも、この際お願いしたいのは、ぜひともこういつた一つの例を私は申し上げたのでありますが、この價格改訂と前後いたしまして、産業が非常に混乱するのでありまして、從つてこの面に向つて、政府がでる限り統制の精神に対して誤りなきよう、随時委員会を開催していただいて、十分な調査を進めて、その方でやつてもらいたい。

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 他に質疑はございませんか。それではこれにて質疑を終ることにいたしたいと思います。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 本請願は緊急を要するものと認められますので、ただちに採決を行われんことを望みます。

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 ただいまの今澄君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よつてただちに本請願の可否を決したいと存じます。

今澄勇日本社会党

○今澄委員 本請願の趣旨は至当と認められますから、これを議院の会議に付して採択の上、内閣に送付すべきものと議決せられんことを望みます。

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 ただいまの動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 御異議なしと認めます。本請願は議院の会議に付して採択の上、内閣に送付すべきものと決定いたします。     —————————————

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 次に日程第一、八幡製鉄所薄板設備を輪西製鉄所に移設の請願を議題といたします。紹介説明を三好竹勇君に求めます。

三好竹勇民主党

○三好委員 ただいま議題となりました請願の要旨を申し上げたいと思います。これは本年度における薄板の特殊的諸情勢、並びに生産実施條件の優位に鑑みまして、八幡製鉄所の薄板設備を、室蘭の輪西製鉄所に板設せられまして、万端の準備をし完備して、一日も早く工場の作業を開始せられるように念願するという要請でありまして、この問題は、北海道、北海道民といたしましては、まことに重要な問題でありますから、何とぞこの請願の要旨を御了承の上、御採択のほどをお願いいたします。

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 引続き本請願に対する政府の御所見を伺いたいと思います。

始関伊平商工事務官

○始関政府委員 輪西製鉄所には、八幡の薄板設備を移設することになつておりまして、すでに戰時中に大体の見当で、七割程度のものが移出済みでございます。これを続けてまいりますると、完成いたすことになりますが、ただいま御指摘もございましたように、現地の北海道方面における特殊な事情、すなわち寒冷地でありまして、ああいうような材料が住宅方面でぜひ要るということを檢討いたしまして、商工省といたしましては、この八幡の移設が、あと三十%残つておりますが、これを至急に輪西にもつてまいりまして、設備を完成したいということに、方針を決定いたしております。その三十%の移設が、具体的に進行いたしませんのは、G・H・Qの制限会社になつております以上、この鉄の関係によつて、G・H・Qの了解を得て、手続をできるだけ早く完成するように、さらに今後努力したいと考えております。

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 本請願について質疑はございませんか。他に御質疑がなければ、これより引続き本請願の可否を決したいと思います。

生悦住貞太郎民主党

○生悦住委員 本請願の趣旨は、至当と認められますから、これを議院の会議に付して、採択の上、内閣に送付すべきものと議決せられんことを望みます。

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 ただいまの生悦住君の御意見に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よつて本請願は採択の上内閣に送付すべきものと決しました。  本日はこの程度に止めまして残余の日程は、次回に延期いたしたいと思いますが、別に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤卯四郎日本社会党

○伊藤委員長 御異議がないようでありますから、本日はこの程度に止め、これにて散会いたします。     午後零時二十六分散会

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