厚生委員会 第7号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1948/06/10
会議録
○山崎委員長 ただいまより会議を開きます。 本日の日程に追加して麻藥取締法案を議題といたすことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議がなければ麻藥取締法案について提案理由の説明を求めます。久下政府委員。
○久下政府委員 ただいま議題となりました麻藥取締法案について御説明いたします。 阿片、モルヒネ、コカイン等のいわゆる麻藥は医療上欠くことのできない藥品でありますが、他面これらを濫用することによつて惹起される害毒が甚大でありますことは、過去の歴史が示している通りであります。まことに麻藥の取扱いのいかんは、民族の興亡に影響するといつても過言ではありません。從つて麻藥の害毒を排除しつつ、一方医療上、学術上必要なものを確保し、もつて國民医療の完璧を期すためには、國内的にも、國際的にも、適切かつ強力な施策が講ぜられなければならないことは申すまでもありません。政府におきましては、戰後國内の麻藥の取締りを一層強化するため、幾多の省令を制定し、各般の施策を講じ、鋭意遺憾なきを期してゐる次第でありますが、その後情勢の変化に伴い法規の改廃を要する点もあり、また一方には日本國憲法実施に伴い、その精神に則つて新しく法律を制定し、もつて取締りの万全を期するとともに、國際的協力の完璧をはかるため、本法案を制定した次第であります。 本法案の構成といたしましては、「総則」「免許」「麻藥取扱者」「監督」「雜則」「罰則」の六章及び附則からなつておるのでありまして、全條文は七十五條であります。 次にこの法案の骨子といたしまするところを説明いたします。先づ麻藥の不正取引及び不正使用を防止するため、麻藥を取扱う者はこれを免許制とし、この免許をうけた者以外の者は、麻藥を取扱うことを禁止いたしておるのであります。次に麻藥の中毒者の中、特に公安をみだす者等については、これを取締り、これが絶滅を期する次第であります。次に麻藥の取引の系統を一定するとともに、取引を要式行為とし、ます麻藥取扱者に記張義務を課して麻藥の所在及移動の責任を明確たらしめることといたしたのであります。次に行政機関が麻藥の製造、在庫消費等につきましての適切な施策を行い得るため、麻藥取扱者に対して所定の報告を徴することといたしました。 最後に阿片法及び勅令第五百四十二号に基く四つの厚生省令、(昭和二十年省令第四十四号、同年省令第四十六号、昭和二十一年省令第八号、同年省令第二十五号)はこれを廃止いたしまして、今後麻藥の取締りに関しましては、本法により一元的に処理し得ることといたしたのであります。 以上麻藥取締法案の骨子につき大要の御説明を申し上げたのでありますが、何とぞ御審議の上速やかに可決せられんことを切望いたします。
○山崎委員長 本案に関する審査は追つてはいることとし、付託された議案について懇談会に入りたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議がなければ懇談会に入ります。 ————◇————— 〔午前十一時二十分懇談会に入る〕 〔午後零時二十分懇談会を終る〕 ————◇————— 午後一時十七分開議
○山崎委員長 それではただいまより休憩前に引続いて会議を開きます。 榊原委員より委員会の運営について質疑を求められておりますので、これを許します。榊原委員。
○榊原(亨)委員 この前に國会におきましては政府提出の議案が、國会の会期がもはやなくなる時分になりましてから多数提出せられまして、そのためにほとんどこの委員会において審議を盡し得なかつた状態であつたのであります。その場合に私から、今後は厚生常任委員会に提出いたします法案は、十分各委員が審議の期間を與えられること、先議会のごときことを先例としないことを申し述べ、お約束くださつたのでありますが、第二回國会においても、政府の希望せられます今月一杯に会期を延長いたしまして終るといたしましても、すでに会期の切迫した今日、政府提出の議案が相当多数に上る見込みであると思うのでございます。かかるもはや会期が切迫いたしました場合に、多数の議案を一度に出されまして、そのために審議不可能のようなことがないかどうか、そのことを一應委員長並びに厚生大臣に御質問申し上げたいと存ずる次第であります。
○山崎委員長 委員長より先にお答え申し上げます。ただいまの榊原委員の御要旨はまことにごもつともな次第でございまして、私どもその点については非常に苦慮をいたしております。そこで常任委員長会議におきましてはこの問題を取上げまして、政府といろいろ折衝を遂げ、さらにまた速記者等の関係につきましても、いろいろその筋に要望しておるのであります。ところが速記の関係について申し上げますると、午前中には三本より出ない、午後においても三本より出ないという状態であります。常任委員会だけでも二十一ある、その二十一の常任委員会が毎日開かれるということはこれはとうていできません。三本より出ないのでありますから、現に今日も八つの委員会が開かれておるのでございますけれども、三本より出ない関係上、あとの五つの委員会というものは速記者なしで進めておるという状態であります。そこで事務当局に私の方から強い要望を発しまして、何としても速記者の即急養成をはかることが一つ、いま一つは優遇の道を講じて、外部からこれを採用するという方法もとる。そして緊急措置を講じてもらわなければならぬ。この点について要望をいたしておるような次第でございます。つきましては、私ども委員会の方からも強烈に速記者の配置の件につきまして要求いたしますから、午前十時に始めます場合には十時かつきりに委員会を開き、また午後一時に始めます場合には、午後一時かつきりに開く。この建前のもとにどうぞひとつ御参集のほどをお願い申し上げます。
○竹田國務大臣 ただいま榊原委員から、ごもつともな委員会運営についての御意見を拜聽したのであります。今議会に提出いたしまする厚生省の法律案は比較的多数に上つておるのでありまして、私の記憶に間違いないといたしますならば二十七、八あるものと思つております。遅れておりますことをまことに残念に思いますが、閣議で少しくほかの省との意見の食い違いのある法律案も一二ありますし、また関係方面でただいま協議中のものもありまして、少しく遅れておることをまことに申訳なく存じます。閣議にひつかかつておる問題は閣僚間で何とか話をとりまとめ、関係方面へ参つておりますのは、それぞれ事務当局をしてでき得る限り早く協議を求めまして、一日も早く本委員会へ提出をいたし、審議の時間が十分あるように努力いたしたいと思います。御趣旨に副うて努力いたしますことを私から申し上げておきます。
○山崎委員長 次に同委員より理容師の試驗の問題について質疑を求められておりますので、これを許します。榊原委員。
○榊原(亨)委員 前議会におきまして理容師法が上程されましたのは、会期ほとんど迫つたとたんに提出いたされまして、いずれこの本格的な議案は來議会に提出するというお約束がございました。その後私どもといたしましても、また理容師の業者といたしましても、多数の点におきましてこれが改正を要望しておるのでございますが、殊にその重点となりますものは、今までの理容師が学校を卒業してその資格を得る者と、試驗制度による者と二通りあるのでございます。その試驗制度によります者につきましては、一面から申しますると、勉学の機会が與えられない者が試驗制度によつて登用せられるということは、きわめて民主的なるように考えられるのでございますが、実はそうでなくして、その理容師の資格を與えますために、試驗をいたしますその試驗官が、多数の不正をしておるということであります。少くとも一人の試驗を受けます者が、千円、二千円の金を使わなければこの資格を得ないという事実が、全國方々に行われておるのであります。そのことにつきましては、かねて三木局長に十分御注意を申し上げた点でありますが、先日東京の夕刊に、東京都の理容師組合の約五十名の人が、七日の午前十時から都廳に山田副知事を訪れまして、來る二十七日行われますところの理容師の試驗におきまして、試驗官相沢事務官を忌避するということを申し出たのであります。その理由といたしまして、その後いろいろ取調べますると、相沢事務官は、旧東京都理容営業取締規則第四條の二、すなわち從業五年の経驗者には、店舗をもつ場合には考査の上営業を許可するという法律を今日もなお施行いたしまして、わずか一、二年程度の経驗者を、本年一月一日より、現行理容師法を無視して、都内に相当多数許可せる事実があるのであります。なお本年一月以後、数百人の受驗者が相沢事務官の私宅を訪問いたしまして、金品を贈り、試驗の合格を依頼する者がありまして、附近の巡査派出所の警官が驚いているという事実があるのであります。相沢事務官は三級事務官の身分であるにかかわらず、台東区根岸附近の待合に出入いたしまして、豪遊をしているという事実があるのであります。以上いろいろな不正な風聞が各所に飛んでおりまして、眞にまじめに受驗せんとする者に非常なる不安を與えていますが、これはかねて私どもが申し上げますように、理容師の試驗はできる限り早くこれを取止めまして、厚生大臣の指定するまじめなる理容師の教習所によつて、これを卒業した者にその資格を與えるという、まじめな業者の意向を、この事実をもつて当局において速やかに考慮されまして、法案その他の中にこれを早急に盛つて上程されることを望むものでございます。なおただいま申し上げまして事実について、御調査の上当常任委員会に御報告されることをお願いする次第であります。
○竹田國務大臣 ただいま榊原委員から、某事務官の事柄について御質問があつたのでありますが、私寡聞にしてまだ存じておらぬのでありまして、早急取調べまして、そうした不正なことがあつたといたしますならば、適当な処置をいたすことは当然なことであります。御要求に應じましてただちに取調べをいたしまして、本委員会に報告するようにいたします。なお榊原委員の御意見は、厚生大臣指定の教習所によつて試驗をやらせたらどうかということのように承りましたが、今日の程度におきましては施設その他のすべての設備が、全國に完備しているとも申されぬのでありまして、ある暫定の時期だけは、試驗制度と、所定の教習所を終えた人の両方面から理容師を採用していくということは、やむを得ぬ臨時的処置かと考えているのであります。いずれはできるだけ早い時期において、学校等の整備とにらみ合わせまして、試驗制度を廃止するのが適当であろうと考えております。
○榊原(亨)委員 ただいま厚生大臣のお話でございまするが、これらの教習所の整備がまだ不十分であるというお話であり、また先日の厚生大臣の御意見でも、厚生大臣の指定される正常なるものが、全國に十五箇所しかないというお話でございまするが、その後各地方におきまして続々これが設立をいたしますものが多くあるのであります。殊にその大多数は、理容師が業務上できるかみの毛を賣ることによつて多数の資金を獲得しまして、この四月までには、全國の各都道府縣に組合立のまじめな教習所ができるということを、組合の方々もはつきり言明しておられたのであります。厚生大臣も御承知のこととは思いまするが、労働基準法によりましても、徒弟の制度というものがなかなか実現ができなくなるということは、当然のことでございまするから、原則といたしまして、ただいま厚生大臣のお話になりましたように、学校教育をもつてこれらの修業の根本とするという法律案をつくり、その経過規程といたしまして、二年ないし三年の猶予をおかれることを希望するものであります。
○竹田國務大臣 ごもつともな御意見であると思いますが、なおここで二年、三年と年限をはつきり区切りましてお約束いたしますことは、少しく軽卒なような氣持もいたしますので、今榊原委員のお述べになりました各地方の学校の整備とにらみ合わせまして、でき得る限り早い機会において、御意見に副うようにいたしたいと思います。
○山崎委員長 次に同委員より医師の事業税問題について質疑を求められておりますので、これを許します。榊原委員。
○榊原(亨)委員 野溝國務大臣がいないとだめですから、留保いたします。 —————————————
○山崎委員長 それでは大臣が見えてから質疑を続行することにいたしまして、次に本委員会に付託になりました民生委員法案の提案理由の説明を政府当局より聽取いたしたいと存じます。
○竹田國務大臣 ただいま議題となりました民生委員法案について提案の理由を御説明いたします。 政府は一昨年九月、從來の方面委員令を廃して民生委員令を制定いたしたのでありますが、民生委員は生活保護法の保護事務に関しましては、市町村長の補助機関として、その第一線の活動をいたしてまいつたのであります。さらに去る第一回國会において制定せられました兒童福祉法におきましては、民生委員は同時に兒童委員にあてられることになりまして、兒童福祉の第一線機関としても活動することになつたのであります。このほか民生委員は一般に共同社会の世話役として活動しておるのでありまして、その職務は現下の社会情勢下におきましては、ますます重要性を増し、國民生活と密接不可分なる関係を在するに至りましたので、民生委員制度を國会の議決を経た法律に基く制度といたしますことが、ぜひとも肝要なことと存ぜられるのであります。以上の見地から本法案を提案いたすこととなつたのであります。 次に本法案の内容を簡單に御説明いたします。 第一に民生委員の選出方法の民主化をはかつたことでありまして、民生委員法の主眼目の一は、いかにして適当なる民生委員を選ぶかにありますので、民生委員の推薦母体たる民生委員推薦会の構成及び選出方法を民主化し、併せて民生委員審査会の構成をも、極力民生化することにいたしました。 第二に推薦会より推薦せられた者が適当でない者であつたり、適当と思われる者が推薦から漏れておるような場合には、都道府縣知事は民生委員推薦会に対して再推薦を命じ得ることといたしたのであります。 第三に、民生委員の資格要件を明示し、民生委員たるには市町村議会の議員選挙権を有し、人格識見高く、廣く社会の実情に通じ、かつ社会福祉の増進に熱意のある者であつて、兒童委員としても適当な者についてこれを行わなければならないことといたしたのであります。 第四に、民生委員の心構えを明示いたしたのでありまして、民生委員は、常に人格識見の向上と、職務上必要な智識及び技術の習得に努むべきことを示すとともに、民生委員が職務遂行にあたつては、個人の人格を尊重し、その身上に関する秘密を守り、人種、信條、性別、社会的身分、門地等によつて差別的取扱いをすることなく、無差別平等に世話すべきことを明示し、またその職務上の地位を、政党または政治的目的のために利用してはならないということといたしたのであります。 第五に民生委員の解嘱規定を設けたことでありまして、すなわち、特別の理由がある場合には、民生委員は任期中であつても一定の手続を経て、これを解嘱することができることといたしたのであります。 第六に民生委員の任期を三年といたしたのであります。 第七に、都道府縣知事は民生委員の指導訓練の実施に関し責任を有することを規定し、都道府縣は民生委員の指導訓練に從事する專門の吏員を置かなければならないことといたしたのであります。 第八に、民生委員協議会、民生委員協議会の常務委員、及び民生委員事務所に関する規定を設けたことであります。 最後に本法施行に要する費用は都道府縣の負担とし、ただ民生委員事務所の費用のみを、市町村の負担といたしたのでありまして、國庫は厚生大臣の定めるものには、その基準に從つて、これらの都道府縣並びに市町村の負担した費用に対して、その二分の一を補助することといたすとともに、市町村の負担した民生委員事務所の費用に対し、都道府縣もまたその四分の一を補助すべきことを規定いたしましたのであります。 何とぞよろしく御審議をお願いいたします。 —————————————
○山崎委員長 次に藥事法案の審査にはいります。質疑は通告順にこれを許します。有田委員。
○有田委員 わが國の医制は医藥分業を建前として制定せられ、また欧米先進國はいずれも分業となつております。かつ医学、藥学の進歩により、当然分業になることが公衆衞生のため正しいと思うが、政府はこの問題についていかなる考えをもつておられますか、御答弁を承りたいと思います。
○久下政府委員 ただいまの御質問につきましては、政府といたしましては、將來長いさきの方針と、今日の社会の実情に照らした現段階における建前とを、若干かえて考えておるのであります。お話の通りわが國におきましては、医藥分業の方針は、すでに明治初年から確立されておるのであります。今回の藥事法におきましても、この根本原則を変更いたすという考え方ではないのでありますが、ただ今日の状況におきましては、御承知の通りに藥局の普及も未だ十分ではありませんし、また医藥品の方面におきましても、重要医藥品の生産が必ずしも十分でない実情でありますから、さような段階におきましては、今日法律に基いて医藥の完全分業を行う時期ではないと考えまして、從來認められておりました医師、歯科医師、獸医師の調剤権を從來の方針通りにやつていきたい、こういう考えであります。
○有田委員 しからば、医者は診療が本分でありますし、藥剤師は藥品について責任をもつておるわけでありますが、政府としては医藥分業について、將來は医藥分業になるべきものである、かようにお考えになつておられますものか、將來とも医藥を分業すべきものでないとお考えになつておりますか、どちらでありますか。
○久下政府委員 將來におきましては、從來の方針の通りに、事情が許しますならば、医藥分業の本則に基き進むべきである。かように考えておるのであります。
○有田委員 しからば政府は、この医藥福業につきまして將來とも御努力になる御決意でありますかどうかお伺いいたしたい。
○久下政府委員 お尋ねの通りに考えております。
○有田委員 医藥福業になるのが正しいというお考えのようでありますが、その正しいことが適正に行われ得るように医藥制度を改善することが、民衆の保健のため、また衞生を向上せしめる上におきましても、ぜひ必要であろうと思うのでありますが、その点について政府の御所見を承りたいと思います。
○久下政府委員 お尋ねの点につきましては、やはり同樣に考えておる次第であります。
○有田委員 去る昭和十六年医藥制度調査会において、医藥分業問題につき非常な論爭の結果、医師は処方箋を義務発行する。但し從來藥剤師法附則で認めてきた医師調剤権は、藥剤師法の本則に規定するという、いわゆる任意福業の徹底化をはかることに医師側、藥剤師側ともに意見一致して、その旨答申した結果、政府もそれを実現することを公約したのであります。今回の藥事法案において、医師の調剤権を本則二十二條に規定してありまして、政府は当然医師法において処方箋の義務発行を規定すべきであると考えるのでありますが、この点について政府は御所見を承りたい。
○久下政府委員 処方箋の強制発行によりますいわゆる任意福業の実施につきましては、お話の通りに昭和十六年に現在の國民医療法判定の当時、医藥制度調査会から、地域を限りまして、藥局の普及している地域において任意分業をやるべきであるという答申をいただいておることはお話の通りであります。この問題につきましては、私どもとしても今回の藥事法案を制定することに関連をし、また一方におきまして國民医療法の全面改正を考えておりまして、近く御提案、御審議をいただく予定になつております。またその際に法案の内容につきまして御説明申し上げるつもりでありますが、現在私どもとして考えておりますことは、今日の実情は先ほども申し上げました通りに、藥局が普及しているという事実のみをもつて、任意分業をただちに実施していいという時代でないと考えておるのであります。この理由は、一つには医薬品の生産の状況が、医師の必要とする医薬品が十分に生産配給されておらないという事実があるからであります。また一方におきまして、一般の國民が長い間の習慣で、医師から藥をもらうことを便利と考えるというようなことが、必ずしま一朝一夕に拂拭し得ないところもあると思いまして、主としてさような実情から、藥局の普及しました地域における任意分業の徹底という、昭和十六年ごろの医藥制度調査会の答申も、今日の状態においてはただちに実行するので適当でない、こういうふうに考えておるのであります。
○有田委員 公衆の自由な意思の基く任意分業が、現在十分に行われておる原因は、処方箋が出ないことであると思うのであります。今日民衆の医藥に関する知識は非常に向上しているのでありまして、調剤は專門の藥剤師にしてもらうことが最も正確だと理解しておるにもかかわらず、処方箋が出ないのは、医師がその内容を秘密にして、たとえ要求があつてもいろいろ理由にならぬ理由をあげて出さぬことと、かりに出したとしても、高い処方箋料をとられるからであります。この処方箋料をとるということは世界にその例を見ないことであつて、すでに政府においても去る昭和九年二月第六十五議会において、処方箋を出すことは診察料の一部である。診察料の中には処方箋料も含むことが正当であつて、処方箋料はとるべきものでないという答弁を行つておるのであります。はたして処方箋料はとるべきか、とるべからざるものであるか、政府の御所信を承りたいて思います。
○久下政府委員 ただいまのお尋ねとちよつとはずれますが、先ほど申し落しましたから附れ加えて申し上げたいと思います。ただいまお話がありましたように、医師から処方箋がありま発行されておらないという事実は、先般の医藥制度調査会の審議の席上においても、問題にされたのであります。ただいま私どもとして考えております医師法案、歯科医師法案におきましては、從來よりもより以上に処方箋の発行が行われるように、医師側自身においても大いに考えなければいけないというような意見もございますし、私どもとしてもさような氣持を現わしますたるに、從來とは処方箋発行に関する規定の書き方を、若干趣をかえて、今案を進めておるところであります。処方箋料を徴收すべきであるかどうかということにつきましては、まだ政府当局といたしましては確定的な方針を定めておらないのであります。これらをまた医師法に基きまして、医師の医療報酬に関する審議会を設けられる予定に相なつておりますので、さような場所におきまして、十分各方面の御意見を承つて決定をいたしたいと思います。
○有田委員 かつて医師法、歯科医師法及び藥剤師法はそれぞれ制定されていたのでありますが、戰時中統制の美名のもとに、これらはいずれも國民医療法あるいは藥剤師法中に統合規定されたのであります。しかるに問題は今回の医藥制度改善にあたり、あらためて医師法、歯科医師法のみならず、保健婦、助産婦、看護婦にいたるまでその身分法を制定する方針と聞いておりますが、同じくその医療関係者たる藥剤師については、当然藥剤師法を制定すべしと考えておるのであります。政府の御所信を承りたい。
○久下政府委員 藥剤師に関する身分法は、他の身分法と別に制定すべしという考え方につきましては、実は厚生省といたしましては当初そういうことを考え、関係の方面と折衝をいたしておつたのでありますけれども、いろいろな事情から藥事法として一本にやることが適当であるという結論に到達いたしたので、その中に織りこんであるのであります。しかしながらそのことはただ法律の形式だけのことでありまして、その内容におきましては、先日も申し上げましたように藥剤師の資質を向上し、その任務を十分に達しますような氣持で、いわゆる独立の身分法をつくりますと同樣の考え方で織りこんであるのであります。
○有田委員 法案第六條第二項に規定すち藥剤師免許証を更新しなければならない理由、また聞くところによると、医師免許証については、單に所定の事項を毎年届出ればよいことになつておるようでありますが、この点について政府当局はどう考えておりますか。
○久下政府委員 藥事法第六條第二項の規定につきましては、これを設けました理由は、主として藥剤師の現状につきまして、常にこれを的確に把握いたしたいというような考え方から設けたものであります。その内容の趣旨は、かような意味合におきまして、免許証という公証力をもちまして一つの書類を書きかえるというようなかつこうでやりたいと思います。このことは昨日も申し上げましたようにい、決し藥剤師の身分そのものが、一年ごとに効力を失つてしまうというような考え方でないと思つておるのであります。御引例になりました医師法、歯科医師法につきましては、ただいまの案はお話の通りになつておりますけれども、それとこれとはやや表現のしかたが違つております。趣旨は大体同樣のことを考えておるのであります。從つてその取扱いにつきましても、ただいまの本質に合いますような方法をとつてきたと思つております。なお申し落しましたが、この規定をつくりましたもう一つの理由は、藥剤師の業務そのものは、御承知の通りに多分に経済的な面にも関係があるということであります。藥剤師の免許証を示すことによつて行われます業務は相定ございます。さようなものにつきましては、藥剤師の免許証を年々新しいものにする。このことは前年におきましても何ら事故なくりつぱに藥剤師の資格をもつておるのだという公の証明力にもなりまするし、さような経済関係の行為をします上にも、藥剤師の免許を役立たせる上にも、かようなやり方をするのが適当であると考えます。
○有田委員 自動車の運轉手の免許でも五年に一回提示すればよいということでありますが、藥剤師については毎年やるということは、非常に煩瑣だと思います。大体このことについては医師法と同じように扱う、つまりこれを訂正する御意思がないかどうかお伺いいたします。
○久下政府委員 私どもといたしましては、先ほどから申し上げておりますような理由で、本案を提案しておるのであります。國会の方におきまして、さような御意見で修正をなされるということでありますれば、私どもといたしましては、強いてこれに反対をいたすものではないのであります。
○有田委員 しからばこの藥剤師の免許を毎年更新するという問題については、医師と同じように扱うように修正することについて、もしも本委員会において意見がまとまつたら、政府としては反対でない、かように解釈していいのでありますか。
○久下政府委員 さように御了解いただいて結構でございます。
○有田委員 藥事委員会はその性格、任務から見て、公衆の藥事、衞生につき非常に大きな役割をもつものと考えます。從つて当然公衆の意見を反映させるため、第三者委員として学識経驗者を加えるべきであると思うのであります。法案第八條によれば、この学識経驗者は委員になれるように思われるが、どうお考えになるか、承りたいと思うのであります。
○久下政府委員 藥事委員会はお話の通りきわめて重要な任務をもつておりますので、私どもといたしましては、十分この人選につき留意をいたさなけけばならないと思うのであります。ただいま御引例になりました純粹の第三者であります学識経驗者というようなものを、この委員会に加えるかどうかというお尋ねと承つたのであります。この法案の第八條に書いてございますように、純粹の意味における第三者はこの委員会に加わることは、この性質上いかがであるかと思つております。ここに「委員会は大学の長及び教職員、関係各廳の官吏及び藥事、医事若しくは獸医事に從事する者」と書いてありますが、この從事という言葉は、若干廣い意味になります。藥事、医事、獸医事というものに限定をするのではないのであります。さような意味合いにおきまして、この種の業務に関係のある学識経驗者は、当然この中にはいるものと考えております。
○有田委員 御趣旨はわかつたのでありますが、要は消費者の立場を代表する第三者の委員というものが、私はぜひとも藥事委員会には必要である、かように考えておるのであります。ただいまの御答弁でこの「從事する者につき」という言葉の中に、大体こういつた消費者面をお考えになつておられるか、あるいは法律の中にはつきり消費者代表をこの中に入れるというような項目を入れておるかどうか、かように考えるのであります。これについて御所見を伺います。
○久下政府委員 純粹の消費者をこの委員会の委員として加えるかどうかというお尋ねでありますが、先ほど申し上げましたような趣旨におきまして、この種のきわめて重要な任務を施行いたします委員会に、考え方によりましてはさような者がはいることが、いいとも言えると思うのでありますが、私どもといたしましては、内容が多分に学問的なものであり、その方面についての学識経驗のある方をこれに加えるという趣旨でございます。從つてここに從事という言葉が書いてございます。藥事、医事若しくは獸医事に從事するという言葉が書いてあります。これはできるだけその意味におきまして、廣くゆとりのある解釈をいたしたいと思すます。
○有田委員 藥事委員会の委会は厚生大臣が任命することになつておりまするが、聞くところによりますと、医学に関する委員は、すべて内閣総理大臣が任命することになつておるようであります。どうした理由でかかる差別がそれるのでありますか。
○久下政府委員 別にこれは深い意味があつて差別を設けたのではないのであります。ただいろいろ関係方面との折衝をいたしております間に、かようなことで案が進んできてしまいました。厚生大臣としたから格が低いのだという意思は毛頭含んでおらないのであります。
○有田委員 そういう趣旨でありまするならば、大体医師の方の委員会と同じように、やはり内閣総理大臣の任命と、本法案を改めることに政府としては御反対でないのでありますか、承りたいと思います。
○久下政府委員 この点につきましても、先ほど第六條第二項について申し上げたと同樣に考えております。
○有田委員 しからばこの委員会におきまして医事委員会と同じように、藥事委員会は内閣総理大臣の任命と改めるということが、本委員会において決定されましたならば、政府としてはこれに対して反対の意思がないのもと認めて差支えありませんか。
○久下政府委員 さように御了承をいただいて結構であります。
○有田委員 藥剤師に國家試驗を行う理由は、藥剤師の倫理的、学術的水準を向上せしめることにあると思います。法律第十三條の規定によれば、藥剤師は單にここに列挙された科目のみを修得すれば足るということに考えられるのであります。新教育法による大学教育には、かような科目だけではなく、かつ藥学教育はさらに一段と豊富な内容を有すべきものと思うのでうります。從つてかような試驗科目を明記することは、國家試驗の意図する藥師師の水準向上どころか、えかつて質の低下を來すばかりでなく、藥学その自体の進歩発達を阻害することになるのみです。單に藥剤師の國家試驗は藥剤師として具有すべき知識及び支能についてこれを行うべきではないかと考えるのでありますが、政府の御所信を伺いたいのであります。
○久下政府委員 第十三條で藥剤師の國家試驗の試驗科目を係挙しておりますのは、お話のようにこれを限定的にしておるのではないのでありまして、「左の科目も含むものとする」とういようになつておるわけであります。各方面の、特に藥事委員会等の御意見によりまして、加え得るものはずんずん加えてやつていきたいと考えておるのであります。
○有田委員 医師の國家試驗は、医師法にはこういうふうになつておりますか、どうですか。
○久下政府委員 ただいまの案及び現行の規則には、医師及び歯科医師の國家試驗につきましては、学科目は限定してございません。
○有田委員 しからばこの学科目につきましては、一應医師法、歯科医師法と同じく学科目を限定しないで、同じように本案律を改めることにつきましては、政府としては御反対があるかどうか承りたいと思います。
○久下政府委員 先ほども申し上げましたような理由で、かような規定を設けたのであります。それは同時にまた受驗者に対しましても、試驗科目をある程度示しておくということは、受驗の上の便宜にもなるとも考えるのであります。しかしながらこれは考え方の問題でもありますので、委員会におきまして、さような御意見でありますれば、大体政府としては別に支障を申し上げる理由はないのであります。
○有田委員 ただいまの御答弁の中に、学科目がわかつた方がいいというお話でありましたが、もし学科目がわかつたらいいというのでありましたならば、医師法も歯科医師法も、これと同じように学科目を明示すべきだと思うのであつて藥剤師については学科目を明示するが、医師法、歯科医師法には明示しないというようなことは、政府の方針が一致していないということに解釈されるのであります。歯科医師法、医師法と同じようにこれを改めることに、政府としては異存ないというお話でありますが、さように解釈いたしていいのでありますか。
○久下政府委員 さように御了解願つて結構だと思います。
○有田委員 すでに本年度、あるいは昨年度において藥学專門学校を卒業した者が、未成年者であるため、未だ藥剤師免許を與えられぬ者が成年に達した場合、この法律に基く國家試驗に合格しなければ藥剤師となることができないかどうかを承りたいのであります。
○久下政府委員 お尋ねのような事例が、少数ではありますが、実際にございますことは承知いたしておるのでございます。かような法令を設けます以上、はなはだお氣の毒だとは思いますけれども、成年になつた曉に國家試驗を受けなければ免許をもらえないというふうになつております。
○有田委員 この藥学專門学校を卒業するときは、現在の藥事法のもとに卒業をしておるのでおりますから、これらの者につきましては、特に附則を設けて例外に扱うとか、何とかいうような方法を当然講すべきであると私どもは考えるのでありますが、政府の御所信を承りたいと思います。
○久下政府委員 その点につきましては、私どもといたしましても、一應考慮をいたしたのでありますが、何分該当者がそう大きい数でもございませんので、特別に規定を設けなくても途は開けておるからという考え方で、附則の取扱いをいたさなかつたのでおります。一方におきまして、また國家試驗制度というものができました以上、大いに國家試驗を受けるように勉強していただくということは、見方によれば本人のためにもなることでもあるし、それがまた廣くは國家、社会の利益にもなるという意味におきまして、両樣の考え方から特別な規定を設けることにしなつたのでございます。
○有田委員 本人の勉強になるという政府の非常な親心に対しては、満腔の敬意を表するのでありますけれども、要は公平に扱うという建前でいきまして、当然藥学專門学校を卒業しておるが、しかしながら未成年であるということのために遅れておるのでありますからして、数も非常に少いことでありますし、附則を設けてこれらのものを特に扱うというように私はすべきだと思うのでありますし、さように委員会で決定いたしましたら、政府として御反対がないものであるかどうかを承りたいと思います。
○久下政府委員 その点につきましても、委員会の方で、かような御決定をなさることにつきましては、政府として何ら異存がないことであります。
○有田委員 しからば藥学專門学校をすでに卒業して、未成年者であるために、特に藥剤師の免許をもらえないという者につきましては、本委員会において、もしこれらの者は当然試驗を受けずに藥剤師の免許がとれるものである、かような結論に到達いたしました場合には、政府としては異存がない、かように解釈いたします。 さらに法案第二十條第二項に規定する藥局の登録を更新しなければならぬ理由、またその際手数料をとる理由は、どういう理由に基くものであるか。実体を把握するためならば、登録事項について毎年届け出ることにすればよいと考えるのでありますが、御所見を承りたいと思います。
○久下政府委員 御質問が二つにわかれていると思います。第一の登録の更新につきましては、もちろん実体把握ということもございますが、もともとこの二十條の一項と二項を総合して考えることによつて、藥局の登録ということは、一年の期限においてやられるというような解釈をいたしているのであります。そのことは從つて單なる実体の把握ということのみではないのでありまして、藥局につきまして常に所定の要件にかなつているかどうかというようなことを、一應は更新の都度、認定をするようにいたしたいというつもりであります。もちろん多くの場合におきましては、一年経つたからといつて、ただちに当然その次の登録が行われないというようなふうに考えてはおらないのでありまして、むしろ逆に大部分のものにつきましては、毎年十二月三十一日になりますれば、当然また翌年度の新しい登録を受入れ得るというような扱いにいたすつもりではありますが、理論的に申しますれば今申したようなふうに思えているのであります。
○有田委員 医院あるいは病院の場合にはどういうことになつておりますか、伺いたいと思います。
○久下政府委員 病院、診療所につきましては、ただいままだ提案いたすまでに固まつておりません。大体の考え方は、一旦許可を受けますれば、この許可は特別な事故が発生して取消しをされるまでは続くというような取扱いにいたすつもりであります。
○有田委員 大体医師法案は私どもの手もとに案として、まだ上程はされていませんが、頂戴いたしているのでありますが、大体藥局も医院も同じく扱うべきものであると、私はかように考えるのでありまして、本委員会におきまして医院、診療所と同じような届出に藥局の登録を改めるということについて、政府として御異存がないかどうかを承りたいと思います。
○久下政府委員 その前に、手数料をなぜとるかという点についての御質問にお答えをいたしておきたいと思います。手数料は、かようなことをいたしますためには、相当、やはり事務上の手続を要しますので、一般の例にならいまして、行政上の事務費、事務の手数料という意味で、若干の料金を納めていただくということにいたしているのであります。 次に、この問題につきまして診療所と同樣の扱いをいたしたらどうかというお話でありました。これは両方を比較いたしますと、いろいろと議論の余地はあると思うのであります。しかしながら、また見方によりましては別の扱いをいたす理由もあるというふうに、私どもとしては考えているのであります。特に藥局につきましては、申すまでもなく、一般の医藥品の取賣等も行われる場所でもありますし、常に取締りの目を向けておかなければならないというような事情もないとも言えないと思います。これにつきましてはさような意味におきまして、毎年登録の更新をしたいと思つております。しかしあくまで登録の更新でありますから、一定の規格に合いさへすれば、当然登録を受付けるということでありまして、この手数料は行政手数料でありますから、そういう莫大なものをとるつもりもありませんし、さして一般に迷惑をかけるほどのものでもないと思つておるのであります。
○有田委員 御趣旨はわかつたのでありますが、目下行政世理ということについて各党ともにやかましく言つておるときでありますし、行政整理の面からいきましても、当然煩瑣なことは省くのは至当だと考えておるし、また同時に病院、診療所と藥局とは違うという政府の御答弁でありますが、今まで何十年間、こういう毎年登録ということはなかつたのでありますし、取締りの上において、何ら支障を今まで來していない過去の事実に徴しましても、大体病院、診療所と同樣に扱うべきものである。かように私は考えますが、政府としてはいかなる御所見でありましようか。
○久下政府委員 先ほども申し上げましたように、病院の方がそうなつておるから、この方も毎年更新しなくてもよいのではないかというふうに考えておらぬのであります。むしろ病院をそうしてもいいというふうにさえ考えておるのであります。それは別の問題といたしまして、私どもといたしましては、できることであれば、かような事柄は、なるべく藥局の開設者にも忍んでいただきまして、そうして常に藥局の維持、管理等に、こういう機会にこういうことがあるということによつて関心をもつていただくということが、藥局制度をほんとうによくしていきますために必要なことであるというふうに考えておるのであります。
○有田委員 しからば医師法の方もこれに準じて病院、診療所も、これと同じようにおやりになる意思であるかどうか、政府の御所信を承りたいと思います。
○久下政府委員 私は医療法の方をさようにいたす考えがあるという意味で申したのではないのであります。この点につきましては、実は厚生省におきましては、医藥制度調査会の十分な御審議の結果に基いて、かような提案をいたしておるのであります。さような意味合いからも、政府としては、ただいま申し上げたような取扱いの差は、それぞれの理由もあることであり、かようにいたすことが、最も適当であると考えておる次第であります。
○有田委員 本問題につきましてはさらに檢討いたしまして、政府当局の御意見を伺いたいと思います。この問題は留保いたします。さらに法案第二十六條、第二項に、医藥品製造業者の登録を更新しなければならぬ理由、またその際手数料をとる理由は何であるか、單に毎年届出ることにすればよいと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
○久下政府委員 この二十六條の医藥品製造業者の登録につきましても、ただいまの藥局の登録と全然同樣の趣旨でございます。まだもちろん確定はいたしておりませんが、この登録の基準につきましては、いろいろな面から登録を受けるに必要な、最小限度の基準というものが、藥事委員会によつて決定され、厚生大臣に建議されることになつております。さような各種の條件が常に充たされておることを確認をいたします。また製造業者自身につきましても、さような面に関心をもつていただくためにも、藥局の場合と同樣にこの規定は考えておる次第であります。
○有田委員 法案第二十七條第一項但書において、その本質が專任の藥剤師の管理を必要としない医藥品については、その製造につき他の技術者になさしめることができると規定してありますが、このような取扱いをする医藥品とは、大体どういうものを指すのでありますか。
○久下政府委員 具体的な事例をもつて例示的にお答えを申し上げます。たとえば医藥部外品が今度御承知の通り医藥品として扱われることになつております。從つて医藥部外品として扱われております蚊取線香のようなものであるとか、あるいは脱脂綿のようなものであるとか、さようなものについては、必ずしも藥剤師でなくても、他の技術者でよろしいということに考えているのであります。
○有田委員 法案第三十三條において、厚生大臣の指定した医藥品は、厚生大臣の指定した者の檢査に合格しなければ取賣はできないと規定してあるが、この医藥品とは大体どういうものを考えているか、またその檢査機関としてどういうものを指しているか、伺いたいのであります。
○久下政府委員 第三十三條で考えておりまする医藥品は、たとえば現在すでに実施しております各種の血清ワクチン類でございます。檢査をいたしておりますので、当然これを指定していきたいと思つております。さらにスルフアミんであるとか、ペニシリンであるとか、さようなものをこの規定では予想いたしているのであります。
○有田委員 法案第四十一條第七号及び第四十四條第七号による厚生大臣の指定するスルフアミン等は、今後公衆が自由に買えなくなるのでありますが、今日一般スルフアミン等は、公衆が最も常識として知つている医藥品であり、かつそのために早期に疾病を治療するに役立つているのでありますが、これを一々医師に診てもらわなければならぬということになると、医療費に悩む公衆に、より大きな影響をもたらすことになるのであります。大きく考慮しなければならぬ問題と考えているのであります。一体政府はどの範囲のものを指定するつもりであるか、また指定する場合には、どういう方法をとられるのであるか、承りたいのであります。
○久下政府委員 これによりまして指定をいたします範囲につきましては、昨日医務局長からお答えを申し上げた通りでございまして、藥事委員会の御意見によつて具体的に範囲を決定いたしたいと思つているのであります。事務的にただいま例示的に考えておりますことは、両極端における注射液においては、当然指定をされるものと思つております。また一方において各種の軟膏類、あるいは歯みがき、点眼剤というような程度のものは、当然指定をされるものというような程度に考えているのであります。その間のものにつきまして、いかなるものを指定するかというということについては、十分各方面の学識経驗者のお集まりをいただく藥事委員会において御審議をいただきたい。その上で決定をいたしたいと考えております。
○有田委員 藥事委員会の研究というような、そんな漠たる答弁でなくして、一体どの程度のものを指定するか、すでに政府としては現状取締りをしておつて、ある程度の御方針もあるはずだと思うのであります。そういう答弁でなく、スルフアミンについてはスルフアダイアジン、あるいはスルフアメラジン程度のものは指定する、見ルフアチアゾール以下のものは指定しないというような、はつきりした御方針を承りたいと思うのであります。
○久下政府委員 はつきりしたことを言えというお話でありますが、この問題は私から申すまでもなく、いかに決定されるかということは、いろいろな面から重要な影響を來すものと考えております。こういう所で私どもが、ただ單に考えている程度のことを申し上げるということは、かえつてさような方面に対する影響からも適当でないと考えますので、御不満ではありましようけれども、私どもの最も率直の考えは、十分藥事委員会において御審議をいただいた結果によつて決定するということと、何ら変りはないということで御了承をいただきたいのであります。
○有田委員 重大な問題でありますがゆえに、この際はつきりしておきたいのであります。政府の御答弁は重大な問題であるから答弁をこの際はつきりしない。かようなお話でありますが、私どもは國民を代行して重大なる問題であるからこの際はつきりしておきたい。特にいろいろ巷間傳えられているところの問題でありますけれども、わが日本は終戰後非常に混乱いたしておりまするし、特に経済的に國民は非常に困つておるのであります。占領しておられまするアメリカの場合と違いまして、われわれ被占領國である日本は、経済的にも、社会的にも、今日非常に混乱した状態にある。しかもその國民が安價に藥品を手に入れるということは、最も必要なことであります。この点につきましては、私はむしろこの際、重大なる問題でありますがゆえに、單に厚生大臣の指定するというような漠たる問題でなく、法律はそういう法律でありましても、政府のはつきりして御所信を伺いたい。國民が幸福になるゆえんのものをお考えになつて御発表になるべきであると考えますが、いかがでありましようか。
○久下政府委員 重ねてのお尋ねでありまするけれども、私から申しまでもなく、今御指摘のような関係、今日の状態におきましては、國民がなるべく安易に疾病の治療ができるようにしようというような考え方は、もちろんこの問題を決定いたします上に、考慮いたさなければならないものと思つているのであります。また一面におきまして、この種の製剤の医学的な方面から見た影響というようなことも、また反面の理由として考えていかなければならないので、これらの問題につきましては、まだ若干学問的にも意見のある部分があるやに承知いたしておりますし、さような意味合いから、今日ただちにこの機会におきまして、私どもの口から具体的な事例を申し上げることは、差控えさせていただきたいと思います。
○有田委員 政府がいやしくも法案を出して、具体的な事実が説明できないというような、そんな答弁ではわれわれは絶対に納得できないのであります。今政府委員から藥品についての御意見がありましたから、ここでスルフアミンについて東京大学の石館教授の意見を申し上げてみたいと思います。 スルフアミン誘導体は劇物扱とすべきか否か。 七、八年前スルフアミンが日本藥局方に取上げられたとき、一應この問題が委員会で論議された、中毒量と藥用量との開きがきわめて大きいので、これは普通藥として取扱うべきものと規定されて今日に至つてきたものである。スルフアミン剤が発見され、治療界に君臨してからほぼ十年になる。初めて出現して当時未だその使用その法や性状が明らかでなかつた当時、乱用されたり、市場に粗惡品も出現して結果、まま中毒の事件も起つた。現今スルフアミン類は自然淘汰され、副作用少い進歩したスルフアミン剤が出現し、粗惡品や副作用の強いものは影を没しているし、今後もさらに進歩するであろう。 現今本邦で生産が思うに任せぬ現状でも、優秀なスルフアミン剤の生産は月産二十トンを下らぬ。感染疾患治療藥として大衆に親しまれ、その恩惠はきわめて大なるものがある。これが今日になつて医師の診断書によつてのみ入手できる劇物扱いの藥物とすることは、民衆の福利にとつてゆゆしい問題となる。米國においても現在三分の一の洲において、医師の指示によつて使用すべしとなつている由であるが、これはむしろ過去の事象であつて、今日はこれを解除すべき時代となつていると考える。 今日民衆にきわめて親しまれ、かつ普及して、使用量も年々増加している実情において、弊害がますます増加しつつあるか、私どもはそうとは考えられない。弊害が減少し、福利が増加していることは確実でないだろうか。 一、民衆が使用して大きな弊害があるか、一部の論者はスルフアミンの使用を誤ることによつて、細菌が抵抗性を増して治療が困難になるだろうと説くものがある。この論は一應科学的根拠があるように見える。確かに試驗管の実驗においては、ある種の菌については、藥物と長く接触させることによつて一種の抵抗を生ずることが証明されている。これをただちに人体の場合に推類することは跳躍である。臨床的にこの事実は未だ確証されていない。元來は化学療法剤は、体内における菌の増殖と藥物の抑制作用の競爭である。適当量使用することが要請される。しかし医師が使用したから菌の抵抗力が増大しないし、素人が使用した場合はその心配があるということは成り立たない。藥物についてある程度の使用法を守れば、何ら心配はないはずである。スルフアミン剤は元來毒性のきわめて弱いものであり、ある程度の使用法の指示さえあれば、一般に使用させて差支えないものであろう。もちろん人によつて特異体質的に中毒に敏感な人があるようであるが、軽い副作用が前駆して來るから、きわめて乱暴に使用せざる限り、生命に危險はないであろう。 要するに現在副作用の少い優良なスルフアミン剤が出現し、かつ民衆がこの良藥によつて、きわめて大きな恩惠を享受し、普及に從つて、弊害がかえつて減少しつつある今日、民衆の利用を制限せんとする今回の原案は、時代に逆行する憾みがある。ひいてこれを強行するとすれば、他に科学的ならざる政治的意図を疑わしむる かように東大の石館教授は言つておられるのであります。私どもは少くとも現状におきまして、スルフアチアゾール伊下のスルフアミン剤につきましては、当然厚生大臣が指定すべきでないと考えているものでありまして、もしも竿頭百歩を讓りまして、もしもスルフアチアゾールが遂にきかなくなつたというようなことをかりに想定いたしましても、さらに進んだペニシリンとかまたいろいろな薬品があるのでありますからこの程度のもとは厚生大臣の指定にしないという範囲を——重大な問題でありますから、はつきりお示し願いたいと思うのであります。
○久下政府委員 ただいま御朗読になりました石館教授の御意見ありがたく拜聽いたしたのであります。私どもといたしましても、さような御意見がありますからこそ、実はこの問題につきましては、きわめて愼重なる考慮をいたさなければならないと思つておる次第であります。ただ御指摘の中にありました菌の抗菌性を與えることの是非につきましては、いろいろと御意見があるようであります。ただいまの御意見によれば、むしろ反対にそういうことはないというふうにとれる御意見の発表であります。またしかしながら私どもといたしまして、この規定を設けましたのは、そういうことがあり得るということを考えまして設けておるのでありまして、もしも御指摘のように、さような懸念がないといたしますれば、具体的には規定するものが出てこないというようなことにもなり得るわけであります。はなはだ詭弁的な言い方でありまするけれども、私どもとしてはその辺のことを十分、個々の藥剤につきまして、各方面から専門の方々の御意見を伺つた上で決定をいたしたい、かように考えておるのであります。
○有田委員 本日は厚生大臣も医務局長もおられませんから、いずれあらためて御質問申し上げたいと思いますが、特にこの問題につきましては政府の方でも今しばらく関係当局とも御折衝願つて、この点はつきりした御方針を当委員会にお漏らし願いたいと思うのであります。私の質問は後刻厚生大臣その他が出席しました場合に留保いたしまして、本日はこれにて質問を終ります。
○山崎委員長 榊原委員。
○榊原(亨)委員 本日は本法案につきまして逐條的に数項にわたり質問を申し上げたいと在ずる次第であります。 最近聞きますところによりますると、厚生省におきましては医藥品、用具等に関しまする行政部門といたしまして、用品局をおつくりになるというお話でありますが、この用品局の名称につきましては、一部において藥務局という御主張もあるがごとく承るのであります。本法案の第二條にございまする藥事ということを、かかる範囲のものといたしますると、用品局という名前を藥事局という名前になさる御意思はございませんかどうか、まず承りたいと思います。
○久下政府委員 新しくできます局の名称につきましては、いろいろと御意見があるようでありますが、ただいまのところまだ最後的な決定に至つておりません。御質問のような御趣旨も十分考えておりまして、藥事局あるいは藥務局というようなことで、現在は藥務局という仮称で進んでおるようであります。最後的な決定につきましては、ただいまの御意見等を尊重いたしまして、十分檢討した上で決定したいと思つております。
○榊原(亨)委員 次にこの法案のうち、築剤師の身分と考えられるものが規定されておるのでございまするが、医師法、歯科医師法におきまするがごとく、藥剤師法を独立して別におつくりになり、その方で藥剤師の身分をはつきりおきめくださるわけにはいけないのでありますか、その理由を承りたいと思います。
○久下政府委員 藥剤師に関する身分法として独立してつくるということにつきましては、先ほども有田委員の御質問に対してお答えした通りであります。私といたしましては、さような考慮をいたしたことはございまするが、結局におきましていずれにしてもこれは法律の形式の問題であるというような考え方で、本法案の中に一括して取入れてあります。しかしながら取入れましても、結局独立して藥剤師法をつくりましたと同様の考え方で、取扱いをいたしておるつもりであります。
○榊原(亨)委員 先ほどの有田委員の御質問に対しまして、当局のお話によりますると、調剤権というものは、理想的な形におきましては、藥剤師にこれを委ぬべきものであるというふうな御意見があつたように承つたのでありますが、しからばたとえば医師法におきまするがごとく、医師は診療を希望された場合にはこれを拒否することなしに、いつまでもこれに應じなければならないという、いわゆる法上の義務があるのでありますが、藥剤師は藥剤の調剤を依頼された場合に、これを拒否し得ないという法律をつくる必要があると私は思うのであります。殊に医藥分業をするという場合には、藥剤師の所へ処方箋をもつてまいりましても、築剤師は勝手氣ままにその調剤を拒否することができるというふうであれば、私は何によつてほんとうの医療を遂行することができるかということを疑うのでございまして、築剤師にも剤調を拒否することができないという、強制的な法案をつくるべきだと思いますが、その点についての御意見を承りたいと存じます。
○久下政府委員 藥剤師が調剤の求めに應じなければならないという調剤義務に関する規定は、現在の藥事法には設けられてあるのであります。私どもも当初は本法案に同様にその規定を踏襲をして設けておつたのでありますが、いろいろ審議をいたしておりますうちに、さような規定は、置いても置かなくても、結果においては同じことであるというようなことから、法文の面からは一應削除されたこととなつておるのであります。しかしながら、実体的には御指摘のように、私どもとしても調剤の求めがあつた場合に、これを拒むようなことのあることは適当でないと考えておりますので、もしもかようなことで問題が起るようなものにつきましては藥剤師の行政処分というような方面におきまして、十分処置ができるものと考え、さような面におきまして、事実上調剤義務の規定があると同様な結果を來しますようにいたしたいと考えておるのであります。
○榊原(亨)委員 先ほど有田委員の御質問中に、医師が処方箋料を取るということについては矛盾があるというふうなお話でございましたが、私どもの考からいたしますと、現今の医剤の診察料そのものが非常に低廉でございまして、その低廉なる理由は調剤による一種の利益をこれに加算して考案いたしまして、そして診察料というものを低廉にいたしておるわけでございまして、その点につきましてはいろいろ意見があるところでございますが、それは別といたしまして、巷間傳えられておるところによりますと、調剤の公開ということを盛んに言つておられる向きがあるのであります。しかしながら私ども考えますところによりますと、すでに新たにできましてところの医師法におきましても、医師が診療をしたときは、本人またはその保護者に対し、療養の方法、その他保健向上に必要な事項を指導しなければならぬという項目がはつきりあるのでありまして、決して医師はその処方あるいは医療について、これを秘密にしておるわけではないのでありますけれども、患者を治しますという上におきまして、むしろこれは患者には秘密を要するものと私どもは思つておるのであります。患者の家庭あるいは附添には秘密を要しませんけれども、患者には秘密を要するものと思うのであります。殊に処方箋を公開するというような問題につきましては、一体処方箋を公開いたしまして、その処方箋の内容を何によつてたれが判断するのでございましようか。素人がこれを見ましても何らわからないことが多いのでございまして、私どもはむしろ調剤に対しまして処方箋発行に際しましては、これを嚴重なる封緘を附しまして患者に見せないようにして、そうしてその封緘のままこれを藥剤師にもつてまいる。藥剤師は封緘ある処方箋につきまして調剤の義務がある、こういうふうにすべきものであると私は考えているのでございますが、この点に対しまして当局の御意見を承りたいと存ずるのであります。
○久下政府委員 処方箋を公開すべきものであるかどうかということにつきましては、お話の通りにいろいろと御意見のある点であります。私どもといたしましても、今御指摘のように、患者自身には処方箋の内容を知らせないというようなことの利益である場合もあろうと考えております。そういう意味におきまして、その程度にまた考えておるのでありますが、その問題は法律の表には出ておらないことでありますので、実際の取扱いにおきまして解決をしていきたいと思つているのであります。
○榊原(亨)委員 第二條の第四、それの第三に「人又は動物の身体の構造又は機能に影響を與えることが目的とされているもの」ということがございますが「身体の構造又は機能に影響を與えることが目的とされいてる」というのは、具体的にどんなものをお考えになつておりますか。その次の第五のところに、『この法律で「新医藥品」とはその化学構造式、組成又は適應が一般には知られていない医藥品をいう』とありますが、その適應が一般には知られておらないという意味はどういう意味でありますか、承りたいと存じます。
○久下政府委員 第一の「人又は動物の身体の構造又は機能に影響を與える」というものにつきましての事例をあげよというお話でありますが、たとえば医藥部外品として扱われておりました脱毛剤というようなものを考えておるのであります。それから新医藥品の定義に「一般には知られていない」という言葉がありますが、これについてのお尋ねでございます。これはあるいは書き方が不適当であつたかもしれませんが、私どもとしては專門の科学者に一般的に知られていないというような解釈をとりたいと思つておるのであります。
○榊原(亨)委員 毛を染めるとか毛を抜くということが、身体の構造又は機能に影響を與えるものとは私は思わないのでありますが、そういう御解釈であれば、速記にそういうふうにお載せくださるならば結構だと思います。また一般に知られていないということが專門家に知られていたいということに解釈するならば、速記録にはつきりその由を御記載くださいますれば結構であります。 次に第七の『この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し』とございます。法律にかくのごとき言葉を使われたのは初めてだと思うのでございますが、だれに対して魅力を増すのであるか、そのことをはつきりお答え願いたいと思います。(笑声)
○久下政府委員 この定義はきわめて常識的に書いてあるのでありまして、別にだれに対してというようなことは考えておりませんで、化粧品というものはただ單に清潔にし、美化し、容貌をかえるというだけでなく、いわゆるここにあるような、魅力を増すために使われるものがあるという意味合いにおいて書いておるのであります。
○榊原(亨)委員 第二章の最後の項にありますところの免許証の更新につきまして、手数料を納めるということにつきまては、私どもは有田委員と同意見でございますが、この場合に手数料とは具体的にどれくらいを納めるということをお考えになつていらつしやいますか、具体的額をお示し願いたいと思います。
○久下政府委員 この手数料の額につきましてはまだ確定的にきめておらないのであります。先ほどから申し上げておりますように、いわゆる行政手数料でありますので、一般の観念に從いまして、できるだけ安い金にきめたいと思つております。
○榊原(亨)委員 ただいま麻藥の証明書をとりますときの手数料につきましても、あまりに高價に過ぎて、ただこれが厚生省の事務上だけとは考えられないくらい高價だと私どもは思つておるのでございますが、この手数料につきましても相当の御考慮をお願いいしたいと存ずるのでございます。 第十三條の学説試驗並びに実地試驗の問題でございまするが、文部省当局にお尋ねいたしたいのでございます。現在いろいろ議論になつておりますところの医藥分業の件につきまして、もしも医学教育におきまして、藥学あるいは藥学專門学校の課程の一部分を教育いたしますならば、優にこれらの実力を養うことができると思うのでございます。ここに富山藥專と東北帝大附属医專との、授業の科目並びに時間がございまするが、これを見ますると藥学專門学校の修業課程の中には、藥を製造いたしますとか、藥の性能を検定いたしますとかいう科目に必要なる教育に、大多数の時間をとられておるのでございまして、單に藥を調剤するとか、あるいは藥の性質をわきまえてこれを應用することについては、あまり時間がとつてないのであります。もしもさようといたしますならば、医学專門学校の教育課程中、これら医師が調師するに必要な知識を涵養するための時間を繰入れますならば、ここに一挙にして医藥分業の論爭は止ると私は存じておりまするが、この点について厚生省並びに文部省の御意見はいかがでございまするか、承りたいと存ずる次第でございます。
○久下政府委員 かなり專門的の面にわたる御質問でございまして、御質問に対する答えとして適当であるかどうかをおそれるのでありますが、私どもといたしましては、医藥品の調剤ということは、ただ單に調剤学を学んだだけで、できるものとは考えておらないのであります。藥学に関する各種の学問を総合して初めて調剤ができるものと考えておる次第であります。
○米原説明員 お答え申し上げます。ただいま御質問にありましたように、藥学專門学校において調剤に関係のある学科をあげてみると、大体実習時間を合せて七百時間なのであります。それから現在医專でやつている藥剤に関係する時間数をあげてみますると、これは初め四年制であつたのが昨年から五年制になつたので、多少その時間に開きができてまいりましたが、藥理学の中に含まれているものが、およそ二百時間ぐらいになる見当であります。そのほか生理学、生化学を医学專門学校において一つの科目として時間を計算しておりますが、その中で藥理学に関係あるものは、かりにこれを合せましても約百時間ないし百五十時間見当ではないかと思います。そういたしますると、現在医学專門学校方面では約三百五十時間で、その倍にあたる七百時間を藥專の方ではやつておるというふうに、大見当として考えていいとか思うのであります。その場合にお説のように、医学教育の中に現在藥專でやつておるような調剤関係の学科を加えて、さらに現在の時間を殖やしていくことができるかどうかという点につきましては、医学につきましては現在の時間でもすでに相当時間が過多になつておるます関係上、どの程度までそれを入れることができるかについて、現在專門家をわずらわして十分に研究いたしませんと、ただいま正しく御返答申し上げることができないかと思いますが、その点につきましては十分研究をいたしたいと思います。
○榊原(亨)委員 ただいまのお話によりますと、今厚生省当局では調剤については、調剤学だけではいかないというお話でございますが、私の申しましたのは、調剤学だけに限定したのではなく、調剤に必要なる学問でありまして、調剤学だけを限定したのではないのであります。またただいまの文部当局の御答弁によりますと、約二百時間と申されますが、私が調査いたしました東北帝大附属医專の修業課程上からまいりまして、そのうちのどれをおとりになりまして二百時間という計算が出ておりますか、具体的な学問の科目についてお話置きを願いたいと思います。
○米原説明員 ただいまお答え申し上げました医專門係の分につきましては、昭和二十一年の七月に四年制の終戰後における医專の新しい課程ができました際に、藥学におきましては藥理学の授業総時間数、これは四年間の総時間数でございますが、百四十時間ということになつております。これは毒物学も含むことになつております。それから先ほど申しました、それと関係するであろうと予想されるところの生理及び生化学というのが、三百五十時間になつております。それから先ほど申しましたように、二十二年度におきまして医学教育は、四年制度が一年延長せられまして五年になりました。その五年になりましたときには、さらにこの時間が殖えるわけであります。それは何時間という定めがありませんので、各学校におきまして適所に大学における医学部の教育になるべく接近するようにという、めやすをもつて時間数を計上しておりますので、学校によりまして多少差がありますが、およそ百四十時間の藥理学が二百時間見当になるのではあるまいかという、想像を加えてお答え申し上げた次第であります。
○榊原(亨)委員 百四十時間見当の藥理学が二百時間となるとなれば、あとの六十時間をこれで教育すればよろしいというふうになるのでございますか、さようでよろしゆうございますか。
○米原説明員 それでよろしいというのではございませんが、現在の大学附属の医学專門部ないしは医学專門学校におきまして、藥剤関係の低業として考えられる時間が、それくらいの時間になつておるという説明でございます。
○榊原(亨)委員 これはこの問題を解決いたします非常に重大なかぎでございますので、よく厚生省当局並びに文部省当局によつて、まじめに御檢討おきを願いたいと思うのであります。私の手もとに來ておりますものにいたしましても、その藥学專門学校で教育いたします大多数は、藥をつくりますための学問が大部分であるのでございまして、直接調剤に必要なる学問というものは、きわめて時間数が少いということ、並びにそのほかにたとえば化学でありますとか、物理学、生化学でありますとか、そのようなものに関しましては、ほとんど医專も藥專も同樣に教育されておるのでございまして、この点をひとつお取上げくださいまして、文部省当局並びに厚生省当局によつて、まじめに御檢討おきを願いたいと存ずる次第でございます。 次に第七條にございますところの藥事委員会、次いで第八條にございますところの構成人員を五十一名とされてございますが、その五十一名という数は、これらの方々は何名ずつ御採用になるというもくろみをもつて五十一名とされたか、そのうちに「医事若しくは獸医事に從事する者につき」とありますのは、何名ということをお考えになつていらつしやいますか、またこれを推薦任命なり、嘱託されます場合に、これらの医師あるいは獸医師の團体に委嘱して、そうしてこの選考法を御依頼になる意思があるかどうか、その点を承りたいと存ずる次第であります。
○久下政府委員 この委員会の構成につきましては、最少限度の人員を五十一名といたしてあるのであります。その趣旨は第十條にありますように、少くとも三つの小委員会を設けなければならないことになつております。この各小委員会を十七名ずつで構成をしたいと考えまして、その三倍の五十一名を、最少限度の人員といたしておるのでございます從つてあくまでもこれは五十一名以上ということが最少限度でありまして、それ以上は今日のとろはまだ決定をいたしておりません。從いましてお尋ねになりました要点の、具体的の各小委員会の人員の割振りにつきましては、確定的な案をもつておらないのであります。十分に各方面の御意向を伺いまして、またいろいろ御希望等もすでにぼつぼつと出ておりますので、それらの点を十分に考慮いたしましてきめていきたいと思つたおるのであります。それからなおお尋ねの中にありました、各関係團体の推薦を待つたどうかというお話でありますが、ただいまのところ正式に團体からの推薦ということはいたすつまりはございませんけれども、しかしながら実際的にはこれらの各種の團体——医師会、紙科医師会、藥剤師会等には十分御相断申し上げ、その御意見を尊重して委員をきめていきたいと思つているのであります。
○榊原(亨)委員 第二十二條に「藥剤師でない者は、」云々ということがあります。「但し、医師、歯科医師又は獸医師が自己の処方せんにより自ら調剤し」云々ということがございます。この点につきましては去る委員会におきまして、太田委員からも総括的の御質問があつたと存じますが、この「自ら調剤し」というみずからという言葉は、國民医療法第十條にございますところの、医師はみずから診察せずして治療を加え得ない云々というような言葉がある。そのみずからという意味と同樣に考えてよろしいのでありますか。たとえて申しますと、医師がみずから全部藥をはかりまして、その藥を藥包紙に包みます。あるいはビンの中に入れて水を入れる。そういう全部の処置までをみずからしなければならないという意味でなしに、たとえば医師はみずから診察せずして治療することができないという場合に、医師はその診察の方法といたしまして、あるいはレントゲンの技師に命じましてレントゲンの撮影をいたします。あるいは白血球の檢査を委託されまして、それを総括いたしまして、そこに診断を下すのでございますが、調剤に当りましては、そのようなみずからというふうに、この「自ら」を解釈してよろしいのでございますか、その点について政府当局の御意見を承りたいと存ずるのであります。
○久下政府委員 第二十二條但し書の「自ら」ということにつきまして、現行國民医療第十條の規定にございます「自ら」ということを同じかというふうなお尋ねでございます。私どもといたしましては、大体御引例のように考えておるのであります。すなわち具体的に申し上げますれば、國民医療法の十條の「自ら」とこの場合の「自ら」とは、おのずから事柄の実体が違いますので、文字は同じでございましても、具体的の場合においては同じように論ずるわけにまいらないと思うのであります。しかし具体的には御引例のように、ただ單に藥包紙に包むとかいうよらな補助的な業務につきましては、医師の監督のもとに他の者にやらしてよろしいと思うのでありますが、あくまでも調剤の本質に関します事柄は、医師みずからこれをやるというふうに考えておるのであります。
○榊原(亨)委員 しからばこの法案のどこにも、藥剤師はみずから調剤をしなければならぬというを同じような意味のみずからという言葉がないのでありますが、藥剤師も同樣なる立場において、みずから調剤をしなければならぬと解釈してよろしうございますか。
○久下政府委員 そのことは二十三條の本文から当然に出てくると考えておるのであります。藥剤師でないものは全然調剤をすることができないのであります。但書で除かれました者以外は、全然調剤ができないから、必然的にみずからということを書いたのと同じ結果になると思います。
○榊原(亨)委員 第二十七條の二の項の、生物学的製剤とはどんなものを指すのですか。
○久下政府委員 各種の血清予防藥のワクチン等を指しておるのであります。
○榊原(亨)委員 第三十四條に誇大廣告の件があるのでありますが、「虚偽又は誇大な記事を廣告し、」という、虚偽または誇大なる記事とは、どういう意味でありますか。公定書または日本藥局方にあげられましたもの以外のものは、記載をしてはならないというお考えでありますかどうか、これは社会的に非常に重大なる問題となりますので、当局のはつきりした御答弁をお願いいたしたいと存じます。
○久下政府委員 虚偽または誇大な廣告につきましては、大体御引例のように公定書に載せられている医藥品については、公定書に掲げてある事項以外にわたることは廣告してはいかぬことになつております。その他のものにつきましては許可を受けるのであります。その許可を受けた範囲外のものにわたつて廣告することは禁止されるのであります。
○榊原(亨)委員 先ほど有田委員から、厚生大臣の指定するズルフアミンドあるいはペニシリンの問題について御意見がございましたが、それはこの前の委員会に私が述べたところは、はなはだ意見を異にしておるのでございます。この前の意見を私は繰返したくないのでございますか、石建教授、東大の藥理学の教授でございますが、その方の御意見として、試験管の中においては多少細菌の藥物に対する抵抗は実証されておるけれども、臨床的には未だかつてかかる事実は証明されたことはないということを述べておるのであります。これはもつてのほかの御意見でありまして、おそらく石館教授がこういうことをおつしやるならば、これは藥理学の教授でありますから、臨床のことがおわかりにならないで、かくのごとき暴言を吐かれておると思うのであります。すでに今から十三年前に、ドイツのミユンヘネル・ウオツヘンシユリフトによつて、このズルフアミンドに対する——フエストという言葉を用いておりますが、ズルフアミンドに対して、細菌がもはや何らの抵抗を受けない力をもつているということをはつきり書いて、ズルフアミンド・フエストをいかにして打ち破るか、それはストレプトマイシン、葡萄糖をもつてしなければならないとはつきり述べておるのであります。この前の懇談会のときにも私は申し上げたのでありますが、たとえば吉原の春賣婦にいたしましても、ことけが少し多くなりますと、ズルフアミンドを買いにまいりまして、その効能書の通りに少しよくなりますと、ただちにこれをやめてしまうのであります。また再びそういう症状が起りますと藥を買いに行き、またそれを飲む。かくのごときことを繰返しておりますと、その婦人にあるところの淋菌は、どうしてもズルフアミンド剤に対しては抵抗力、消毒力がなくなつてしまう。そこでこれと関係した方がありまして、もしも淋毒にかかりますれば、ズルフアミンドに対してどうしても直らない淋病が起つてくるのであります。殊にこれはペニシリンの範囲においても同樣なことが見られるのでございまして、私どもはズルフアミンドとか、ペニシリン、ストレプトマイシンの特性を云々して、これを市販に供してはならないということでなしに、これをただいま申したような自由な市販にまちますときは、経済、その他に事情から、いつその使用を間違えて、これを間歇的に用いますれば、かくのごとき災害は著しく起つてくるのでありまして、わが國においては未だペニシリン、フエストの状態は見ませんけれども、ズルフアミンドに関しては、少くとも花柳病に関する限りは、はつきりとこの証明並びにこれが実際上のことがわが國においても行われており、また外國においては、先ほどお話し申し上げましたように、十数年前にドイツの学界においてミユンヘネル、ウオツヘンシユリフトによつて発表されておりまして、このことを知らないで石館博士が、先ほど有田委員が申されたような暴論を吐かれ、これをこの國会の何も知らない議員の間に、それを引用されるということについては、私は異議があるのでございます。かかることは藥事委員会によつておきめになるという当局の御意見でございますから、それはそのときに譲りましてよいのでございまするが、少くともこの事実があるということを、皆樣方よく御承知おきを願いたいのでございまするし、また当局におきましてもこの点をよく御留意おきを願いたいと思うのでございます。殊に今度出ます性病予防法案第三條に、何人も性病にかかつたときには、速やかに医師の治療を受けなければならないということを法律をもつて規定されると私は存じておるものでございまするが、花柳病にかかりました者が、医師にかからずに賣藥や藥剤師のところに行つて、勝手氣儘に藥をもらうということになりますると、性病予防法の第三條に違反することになるのであります。この点に対しての当局の御見解を私は承りたいと思うのでございます。
○久下政府委員 まず最初の御意見がございまするが、私どもといたしましては、ズルフアミン製剤、ペニシリン等につきまして、かような規定を設けました趣旨は、御指摘のよう菌に対して抵抗力を與えるというような弊害を、まず第一に恐れておるからであります。現に省令のないものにつきましても將來さようなものが起り得る可能性が理論的にあるということを考おまして、この規定を設けておるのであります。さような意味でありますので、十分これらの点から、また同時に先ほど有田委員のおつしやつたような、他の理由等も併せて考慮する必要があると思つております。そういう各方面の点から愼重に檢討をして、その上で決定をいたしたいと思つておる次第であります。それから性病予防法との関係についてのお話でありまするが、私まだ性病予防法の内容を具体的に承知しておりませんので、ただいまのような規定がありますかどうかはつきり記憶をいたしておりませんが、もしもさようなことになりまするならば、むしろその方の関係から、性病患者につきましては、当然医師の指示または処方箋によりまして、この種の藥剤は使はれることになると思いますので、決して矛盾もなく運用されていくことと考えます。
○榊原(亨)委員 第五十二條に藥事委員会の建議に基きということがございまするが、厚生大臣あるいは関係当局が、藥事委員会に諮問することができないのでございまするか。建議をまつだけでございまするか。その点についとはつきりした点をお伺いいたしたいと存じます。
○久下政府委員 もちろん事実上諮問をいたしまして、その上で建議をしていただくという場合が相当あるものと考えておるのであります。
○榊原(亨)委員 第六十六條以下にある問題でございます。これは私の法案の研究が足らないかとも存じまするが、現下ございます藥種商並びに医藥販賣業者、これは藥剤師にあらざる医藥品販賣業者、これらの者は、この法律が出ますると、六箇月経ちますればその権利を喪失するのでございまするか、この点御教示をお願いしたい。
○久下政府委員 六箇月経ちますると、当然に権利を失うというような意味に考おておるのではないのでありまして、考え方は一應六箇月間の猶予期間をおけば、六箇月経ちましたらば、今回ほとんど大部分が登録に変ります。登録の一定の基準に合いましたものは、そのまま登録を受入れることになると考えております。登録に合いませんものは、必要な條件を見出すことによつて、ただちに登録は受け得るということでありますから、実際問題としてかような規定の結果、今やつております看板を失うというようなことは、あまりあり得ないと考えております。
○榊原(亨)委員 ただいまお話申しました藥剤師にあらざる藥種商、あるいは医藥品販賣業者というようなものは、非常に零細であつて、殊に引揚者その他戰災者が、多くこの中にあるのでございまして、この問題につきましては、特に温情溢るる法の御解釈をお願いいたしたいと存ずる次第であります。終ります。
○齋藤(晃)委員 私はこの藥事法が非常な重大な問題として、今藥種商の関係においても、あるいは藥剤師あるいは医師会に対しましても、非常にここに重大な問題としてセンセーシヨンを與えておるということは事実なのであります。この藥事法がなぜこのように重大な関心をもたれておるかと私どもが考えました場合に、先ほど有田委員あるいは榊原委員からもいろいろと意見がございましたが、要するにこの法律が藥事に関することである。すなわち「藥事を規整し、これが適正を図ることを目的とする」ということが、まずこの藥事法の目的であると明示してあります。そういたしましたならば、單にこういうふうな内容から考えましても、先ほど両委員の意見のごとくに、こに特殊な藥剤師に関する立法がなされるのが至当である。この場合に藥剤師を單に医師法の中に置くべきではないということが、当然に考えられるべきではないかと思うのであります。もしここに藥剤師法が別に確立されましたならば、ここに医師の診療權と、藥剤師の調剤権、この両方が独立をしまして、両者が一体となつていくということになりましたならば、この藥事法の中において、あるいは調剤權の問題について、いろいろな問題が起きることはないと思うのであります。そういうはつきりした立場において、両方とも現在の実情に應じて運用されていくことが当然であると私は考えるのであります。先ほどからの政府の答弁によりましても、藥剤師法はすぐあとにつくる意思はないという御意見でございました。しかしながらこの藥事法の根本をまず私どもが考えましたときに、ここにはつきりと藥事法がつくられて、藥事法に関することのみが、これに規定されましたならば、決してかくのごとき社会的な問題を起すことは絶対にないであろうというように私は考えるのであります。殊に現在までこうした藥事に関しましては、藥剤師に関する限りは何となくそこに医者の附随的な考えをもつておりました。こういうふうに考えられることは、藥剤師側として非常に遺憾であるということが指摘されております。しかも民主化をはかるということについても、その運営はあくまでも平等な立場において考えるべきではないかと私は考えまして、まずこの藥事法というものが、ここに根本的に修正さるべきではないかということを、この問題に関する大きなセンセーシヨンからいたしましても痛感する次第であります。私はそう考えまするがゆえに、殊にこの第二條の中において「藥剤師とは、主として医藥品の調製、鑑定、保存、調剤及び交付に関する実務を行う者」こう規定されておりまするが、現行の藥事法には、はつきりと「本法ハ藥事衛生ノ適正ヲ期シ」とこう明示されておるのであります。そういたしますと、藥事、衛生というようなことがさらにここに削除されておる。これは要するに藥事に関することであつて、藥剤師本來の藥事、衛生という、社会一般に対するいわゆる藥剤師の使命の根本がここに忘れられておる。こういうことから考えても、私はここに藥剤師法というものが独立して、その身分が保障さるべきものであると考えますが、この字句がここにことさらに除かれました理由をお聽きいたします。
○久下政府委員 まず第一は、藥剤師法を独立せしむべきであるというお話でございます。この点につきましては再三お答えを申し上げておりまするように、いろいろとそういう点については、私どもとしても考慮をいたしたことは事実でありますが、一面から考えますると、この藥事法案をごらんをいただきますと御了解をいただけますように、藥剤師というものは、藥品の製造あるいは販賣等の面に至るまで、藥事に関する限り非常に関連の多い、しかも最も重要なる人的な存在であります。さような意味合いにおきまして、この法案の重要な部分を占めるものとして、本法案に取上げることも必ずしも不適当ということはできないようにも考えるのであります。いずれにいたしましても藥剤師の身分法を独立させますかどうかということにつきましては、簡單に申しますれば、その便宜というような点も考えられる。理論的、必然的に独立させなければならないというようなことはないように思つておるのであります。むしろ先ほど申し上げたような意味から、一括して規定する方が便宜の場合も多いように考えられる次第であります。 次に藥剤師の定義についてのお尋ねであります。実は私もお尋ねのことと同樣に考えておる次第であります。ただこの法律で藥剤師というものは、先ほど申したような意味において、この法律において最も主要な存在であるという意味から、この法律に関係のある面において藥剤師の定義をいたしておるのであります。さような意味から、「主として」というような言葉を附け加えましたのもこの意味でございまして、藥剤師の任務、これをもつて足れりと考えておるのではなく、また現に一般の任務において、藥剤師がこれ以外の面において、一般公衆衛生の方面に盡立していただいておる点も十分承知いたしておるのであります。さような考え方から、この法律に関係のある藥剤師の任務を、「主として」と書いておいた次第であります。
○齋藤(晃)委員 ただいま藥剤師の身分法をつくらない方がよいであらう。その理由は、いわゆる藥事に関するがゆえに、便宜上それがよいのである、こういうふうな答弁でありましたが、それは私ははなはだ遺憾にたえないと思うのであります。現在藥学校が全國にこうして完備せられ、あるいは藥学大学にまでなろうとする現在において、單に便宜上において身分法は必要がないということは、はなはだ現在の実情におきまして、私どもはその実情に副わないのではないかと考える次第であります。便宜上のごときことによつて、これが藥事に関するがゆえに、藥剤師の身分法の必要がないということでありましたならば、私どもは藥剤師というものは医者と同等に置いて、人命に関する重大な責任をもつておるという立場において、その重大な使命の上から言つても独立すべきものだと考えるのであります。便宜上というようなお考えでありますからこそ、藥事衛生というものは必要ないであろう、こういうような答弁のようにお聽きしましたが、私どもはそういう考えでなく、藥剤師の使命を考えればこそ——私どもはここに藥剤師の身分が、この藥事法のみに規定されておるならば、この藥事法の根本から考えても、私どもは藥事法に廣汎な藥事衛生というものが、何ゆえ取入れられないかということを考えるのであります。ぜひこれを私どもは取入れていただきたい。便宜というようなことでなく、藥剤師というものに対する認識を明らかにしてもらいたい。医師法が制定せられておる現在において、あまりにその扱い方が軽いのではないか。現在までの傳統的な考えから言つたも——最近やや藥剤師に対する認識は出ましたけれども、医者と比べましたならば非常に軽く見ておる。こういうことははなはだ遺憾にたえない。私は藥剤師ではありませんが、第三者の立場に立つて、最に重大な関心をもつて、ここに規定さるべきではないかと思つておるのであります。ぜひこうした藥事衛生の、そういうような廣汎の字句を入れられることを要望したいのであります。先ほどの御意見に対しまして、どうか現在の情勢から言いましても、もう一歩政府はここに考えまして、身分法の制定というものをつくるについての御意見を、はつきりお聽きしたいと思います。
○久下政府委員 藥剤師の身分法を独立させることについて、お話によると、私の考えておりました氣持と違つたように受取られております。私が申し上げた意味は、もし別にかようなものを規定することができれば、それも結構な考え方であるというつもりで申しておるのであります。独立の身分法は不必要であるというような、否定的な意見を申し述べたつもりはないのであります。ただ独立させるべきか、あるいは藥事法の中に現行法と同樣に盛りこんでおくべきがいいかということは、この法律の建前から考えまして、こういう扱いをしたからといつて、藥剤師の任務を軽く見ているような趣旨は毛頭ないのでございまして、この法律の中だけにおいても、藥剤師の引例されているところはたくさんございます。さような意味合いにおいて、藥剤師の一つの身分の確保をはかりつつ、またその資質の向上をはかりつつ、しかも医師、歯科医師等と同じく、独立の立場をもつということも、この法律の中には質的に現われておると思うのであります。さような意味において、そうした目的を達することが、この中に織りこんでおいてはできないとは考えていないのでございます。言いかえると、そういう趣旨のものを別にする方が便宜であるか、あるいはこの中に入れる方が便宜であるかというような意味の便宜論になりはしないかという意味で申し上げたのでありまして、逆にこれを否定して申し上げたつもりはないのであります。
○齋藤(晃)委員 第五條に、「藥剤師免許は、左の各号の一に該当する者には、これを與えないことができる。」と規定されておりまするが、そうするとここに「罰金以上の刑に処せられた者」、あるいは「この法律又はこの法律に基く命令の規定に違反した者」には與えないことができるのです。だからはなはでここにあいまいに與えることができる、こういうふうに考えられますが、そういう解釈をしてよろしゆうございますか。
○久下政府委員 さように御解釈を願つて結構であります。
○齋藤(晃)委員 それでは第十四條に「藥剤師國家試驗は、左の各号の一に該当する者でなければ、これを受けることができない。」この中において何らかくのごとき、罰金刑以上というような、あるいは法律に違反したという條項が載つておりません。しかるに現行の藥事法によれば、試驗を受ける際も、やはり藥剤師の資質を向上させる意味においてそれを規定されておるのでありますが、それがことさらにこれには受驗の際には削除せられまして、免許を與えるときにのみ與えることもでき、與えないこともできるというふうになつておりますのは、いかなる理由でありますか。
○久下政府委員 お話のように免許を当然もらわれないものが國家試驗を受けるということは無意味でありまして、まず第四條の欠格條項に該当しますものは、さような趣旨において從來と違つて掲げなかつたのであります。その次の先ほどの御質問にございました第五條の、いわゆる総体的の欠格條項については、こういうものに國家試驗を受けさせないという判断をすることは、必ずしも適当でない、國家試驗は受けさせまして、いよいよ免許を出すときに十分判断をしていくというようにいたしたいと思つておるのであります。
○齋藤(晃)委員 藥事委員会に関してでありますが、この藥事委員会の組織につきましては、いかなる組織になりますか、その内容をお聽きしたいのであります。
○久下政府委員 藥事委員会の構成につきましては先ほど申し上げましたように、さしあたり藥剤師國家試驗小委員会、公定書小委員会、新医藥品小委員会、これの最小限度十七名ずつの委員をもつてやる小委員会を、構成いたしたいと思つております。さような意味で総数が五十一名になつておりますことも、先ほどお答え申し上げた通りであります。かようにしてでき上りました委員会は、全体といたしまして、まず全体の委員長がきまり、各小委員会について小委員長がきまつていくということになりますが、これらの委員長の選出等については別の規定、第十九條の規定によりまして、省令をもつて細部の定めをいたしたいと思つております。大体の考え方は、委員長の選出は大体互選をもつて定めるようにいたしたらどうかと思つております。ただいまのところ決定しておりますのは、大体その程度のことであります。それで御了承いただきたいと思います。
○齋藤(晃)委員 第八條の委員会の構成でありますが、大学の長及び教職員と書かれておりますが、大学の長及び教職員とは、あるいは藥学に関する大学並びに教職員でありましようか、あるいはまた医学に関する一般的の單なる大学の長並びに教職員でありましようか。お聽きしたいと思います。
○久下政府委員 大学の長及び教職員と書いてありますのは、医師及び藥学の方面を主として考えております。ただ場合によりましては、一般の科学方面の方も考慮する場合がありますが、主として考えておりますのは、医学及び藥学に関する大学ということを考えております。
○齋藤(晃)委員 第十條に藥剤師國家試驗小委員会を置くことを規定されておりますが、この委員会が主として國家試驗に当るといたしますれば、いわゆるこの小委員会が最も重要な役目をするのではないかと思いのであります。この藥剤師國家試驗の小委員の選任の方法は、いかなる方法によるか、お聽きしたい。
○久下政府委員 國家試驗委員の選任につきましては、現在医師及び歯科医師について國家試驗が行われておりますが、この試驗委員の選任と、おおむね同じようないき方をとりたいと思つておるのであります。ただ法立的に違うと申しますれば、医師及び歯科医師につきましては、國家試驗審議会というものが法律的に認められておりまして、そこで試驗委員の推薦をすることになつておるのであります。こうしたはつきりした成文はございませんけれども、実質におきましては大体同樣の考えをもちまして、各藥学に関する大学專門学校の教職員の方々、あるいは藥味師会方面の御意見等をそれぞれ伺いまして、公正な試驗委員の選任をいたしたいと考えておるのであります。
○齋藤(晃)委員 ただいま審議会によつて委員を選任する。それははつきりした審議会はないけれども、それによつて選任するというような答弁でありましたが、しかしながらこの重大な委員の選任にあたりまして、審議会がないけれども、それに似たような方法であるというようなことは、はなはだ私どもはつきりしないと思うのでありまするが、何らかここに具体的な、やはり審議会が必要ならばそれをつくる意思はあるかどうか、そういうようなはつきりした方法において委員の選任を願いたいと思いまするが、この点お聽きしたいと思います。
○久下政府委員 理論的に申しますれば、委員の選任は医師、歯科医師の國家試驗におきましても、あくまでも厚生大臣の責任でございます。同樣に藥事委員会の小委員会でありますが、藥剤師國家試驗小委員会の委員につきましても同樣に考えておるのであります。そういう意味合いから、厚生大臣が最も公平妥当と認められる方法をとりますれば、必要であり、かつ十分であると考えておりますので、実質的に先ほど申し上げましたような、信頼し得る公平な方法によつて、各方面の御意見を伺つて委員の選任をいたしたいと思つておる次第であります。
○齋藤(晃)委員 第二十五條において、「藥局開設者は、当該藥局で調剤した処方せんを、調剤した日から二年間、保存しなければならない。」こう記載されておりまするが、二年間これを保存しなければならないというのは、いかなる理由でありましようか。もしここに二年後においても、そうしたやはり調剤に関して重大な問題、あるいは犯罪が構成したというような場合において、この期間が経過した後においては、何ら調査する便宜な方法がないではないか、こう考えますのでお聽きしたいと思います。
○久下政府委員 二年間の期間をきめまするにつきましては、ただいま御意見のありましたようなことにつきまして、いろいろと考慮をいたしたつもりであります。一方におきまして処方せんそのものを長く保存をしておかなければならないという義務を課しますることは、藥局開設者としては非常な苦痛である場合があると思うのです。もちろん御指摘のように問題の起きました場合には、証拠書類がなくなつて困るというようにも考えられまするが、さような問題は、大体二年も保存しておきますれば、問題が発生をした場合、はつきりするであろうという見地のもとに二年という期間をきめたのであります。なるべく長いほどよろしいのでありますが、そうした保存義務者の迷惑という点も考え、またこの規定を置きます実体の目的を達し得れば十分である最小限度というような意味で、二年間ときめたわけであります。
○齋藤(晃)委員 第五十條の二に藥事監視員は都道府縣知事がこれを任命する、こう記載されておりまするが、官吏並びに吏員の職務を行うために、藥事監視員がここに置かれることになりました場合に、藥事監視員というものが、やはり最も重い責任があると私は思うのでありますが、單なる官吏がここに監視をするというようなことでありました場合には、決して完全な監視はできないと思うのであります。藥事に関するがゆえに、やはり專門的な藥事関係の人々も必要ではないかと思うのでありまするが、この藥事監視員の選任の方法、あるいはまたいかなる人をもつて——單なる官吏ということにおいては、私どもは從來の形式的な監視というようなことになるおそれがある。人命に関するようなことが、單なるなんらそれに知識をもたない官吏、吏員によつて、もしも監視されるということは非常な不安があるのではないか、こう考えますのでお聽きいたしたい。
○久下政府委員 藥事監視員の任命につきまして私ども考えておりますることは、あくまでも藥事監視員がその任務を達成をしていきますためには、嚴正公平でなければならないと思うのであります。もちろん御指摘のように、その方面に関する知識、技能をもちませんければ、その任務を達成することができないということは当然であります。私どもといたしましては、なるべくそうした專門の知識技能をもつておられる人に藥事監視員をお願いしますが、一面においてこれらの人々が、最も嚴正公平にその任務を行つていきますためには、官吏または都道府縣の吏員たるの身分をもつことが必要であると考えまして、書き方は逆にはなつておりますけれども、さような意味におきまして官吏または吏員の身分を当然にもつておる者が、この仕事をしていくことが適当であると考えまして、かような規定を設けたのであります。
○齋藤(晃)委員 監視員の使命が單に事務的に監視するというならば、公平というような立場からは官吏でも済むのだろうと思うのでありますが、しかしこういう藥事に関する、あるいは人命に関するというような藥事関係の監視員というものに関しましては、單に事務的にそれを監視するということでありませんので、私は單なる官吏によるところの監視員では、藥事に関しての完全な監視を果し得ない、こう考えるのでありますが、政府においては、單に官吏のみをもつて任命するという考えを是正するわけにいきませんか。
○久下政府委員 私の申し上げ方が不十分であつたかと存じますが、監視員として藥事監視の任務につきます者は、もちろん私どもとしては藥事に関する專門的な技能をもつております厚生省の技官とか、府縣におります技術吏員、そういうものを任命したいと思つておるのであります。また逆に申しますれば、一般の人々のそうした方面の專門の方々にもお願いをして、藥事監視員になつていただくのでありますけれども、これは私人たる人に藥事監視員の身分を與えるのでなく、そういう場合には、同時に官吏たる身分になつていただくということが、この種の仕事を嚴正公平に実施してまいりますのに適当である、かように考えましてこういう規定をいたした次第であります。
○齋藤(晃)委員 終りました。
○山崎委員長 福田昌子君。
○福田(昌)委員 大分御質問が出ましたので、重複する点は差控えまして、必要と思いますことを希望として述べさせていただきたい。まず総則におきまして藥剤師の身分法の規定がないということは、各委員の御不満でございましたが、私もこれに向つて各委員が述べられたと同じような希望をもつておるものであります。第二條の第二項の御説明にあたりまして、次長の御説明を承りまして一應了とするのでありますが、この法案の作成にあたりまして、藥剤師の身分を軽く扱つてこういう法案をつくつたのではないというお言葉を承つてのであります。おつくりをいただきました当初におきましては、なるほど藥剤師の身分を軽く取扱うものでないにいたしましても、これが公布されました曉におきましては、永い間には自然と、この衞生要員としての地位から藥剤師というものが離れた観点において見られるというようなことになる得るものを、多分にこの條文は含んでおるのでありまして、そういう意味におきましても、現在施行されておりますところの藥剤師の身分の規定、殊に藥事衞生を掌り、國民の体力及び保健に関する向上に向つて寄與する云々というような言葉は、ぜひこの中に附け加えていただきたいということを、切に希望するものであります。 次に第二條の七の化粧品の規定でありますが、化粧品をどういう意味でこの藥事法の中に取入れていただきましたか、そのことを御説明願いたいと思います。
○久下政府委員 第一点は御希望というお話でございましたからお伺いをしておきます。先ほどからくどく申し上げておるようでありますが、私どもはかような規定のしかたをしたことによつて、決して藥剤師の身分を軽々しく見ているということでなく、むしろ大いに藥剤師の立場を尊重し、從來より以上にその資質の向上をしていただいて、公衆衞生のために御盡力願うことを期待しておりますことを申し上げておきたいと思います。 次に化粧品をこの法案の中に取入れましたのは、実は第一回國会におきまして、医藥部外品の取締りに関する法律の中に、化粧品を取入れますことを御決定いただいておるのでありますが、今回医藥部外品に関する法律は、全般的にこの法律に取入れられることになりましたので、その意味で化粧品を取入れたのであります。なお本質的には化粧品といえども、公衆衞生上の見地からの取締りが当然必要であります。これをいかなる法規で取締るかということを考慮いたしました結果、從來医藥部外品の中に取入れたのであります。これをいかなる法規で取締るかということを考慮いたしました結果、從來医藥部外品の中に取入れたのであります。今回これを藥事法に取入れることが適当であると考えまして、この法律に取入れた次第であります。
○福田(昌)委員 ただいま衞生的見地から化粧品というものを考えていかなければならないというお言葉がありましたが、そういたしましたならば、この文の中にそういつて條項を入れていただきたいと思います。これは衞生的な見地から見ました場合に、このままでは一向にそういつたことが感じとられない文章になつていると思うのでありまして、これはちようど絵の具がペンキに類するような程度の文句にしか聽き取れないのであります。從いまして無害であるためにただ誇大廣告によりまして、有害であつても無害であるとしておるようなものが、まま化粧品として非常に流布されているのでありまして、こういうような化粧品を、宣傳につられまして買つて魅力を増すどころか、かえつて醜力を増したというような訴えを、まま私どもは聽くのでありまして、そういう意味合いにおきましても、衞生的な見地からおとりいただいたならば、この面に対するところの規定のことを挿入していただきたいと思います。
○久下政府委員 実は藥事法全部が、第一條できわめて抽象的な法の目的を掲辰ているだけでありまして、公衆衞生ということが出ておらないのであります。私どもとしては当然のことでございまして、厚生省におきまして、医藥品なり用具のことの取締りをいたします以上、あくまでも公衆衞生という大きな目的のために行われるものという考え方なのであります。同時に化粧品につきましては、規定にはさような規定がございませんけれども、第四十二條、第四十三條等の実体的な規定をごらんいただきますれば、不正表示化粧品というようなものを掲げまして、これこれ、こういうものは不正表示医藥品、不正表示化粧品だ、こういうものはその販賣が禁止せられるというような関係に相なつております。全体として衞生上有害なものを取締るのだ、この法律は取締つているのだという趣旨が、結論的に出てくると考えている次第であります。
○福田(昌)委員 この第四十三條を読みまして、一應納得はするのでありますが、これだけのことをお含みであるならば、なぜはつきりと七項目のところにおきまして、皮膚の予防とか、あるいは皮膚衞生の向上というようなことを列記していただけないのでございますか、重ねてそのことに対しまして答弁をお願いいたします。
○久下政府委員 先ほども申し上げました通り、実は化粧品のみならず、この法律の全般が藥事を規整するということも、公衆衞生上の見地から規整をするのである。この「適正を図る」というのも公衆法生的に適正であるというふうにしたい。これがこの法律の眼目でございまして、ひとり化粧品のみでなく、すべてのものに入れるとすれば入れなければならぬようになるのであります。さような意味におきましてこの法律全体から、さような趣旨が結論的に出てくるということで御了解をいただきたいと思うのであります。
○福田(昌)委員 ただいまの御説明で一應納得はいきましたが、なるほどその規定におきましては、公衆衞生的な見地から考えられねばなりませんが、私どもはこの法律を読みます場合に、この文の中にうたわれておりませんことには、公衆衞生的に見地ということを忘れがちになるのであります。そういう意味におきまして、私は先ほど申し上げましたような、公衆衞生の立場に関しますことの規定を入れていただくことを希望するものであります。 次に第四條の藥剤師免許は云々というところの項でありまするが、たとえば精神病とか、おし、つんぼまたは盲の方には、医師免許証を與えないとありまするが、これは傳染性疾患の場合におきましてはこの限りでないのでございますか。
○久下政府委員 傳染性疾患にかかつております者を免許せざるものとすべきかどうかということにつきましてはいろいろ研究もいたしたのでありまするが、御承知の通り傳染病と申しますといろいろな段階がございまするし、一概に欠格條項に掲げることは適当でないと思いまして、とりました次第であります。
○福田(昌)委員 新しく出ます歯科医師法には、たしか傳染性疾患にかかつている人に対しては、免許を與えないことがあるというような規定があるかのごとく聞き及んだのでありまするが、藥剤師とどうしてそういう差別があるのですか。
○久下政府委員 歯科医師法の場合にも、傳染性疾患にかかつております者は免許を與えないことがあるという從來の規定はございましたが、新しい案では削除せられることになつております。
○福田(昌)委員 たとえばレプラの場合におきましても、そういう條文のままからいたしますると、レプラ患者が藥剤師の仕事をしているということがあり得ると思いまするが、そういう場合の処分その他のお考えを伺いたい。
○久下政府委員 癩患者につきましては、癩予防法に特別な規定がございまして、病毒傳播のおそれのありまする癩患者は、知事が癩療養所に強制的に入所をさせることができるというようなものもありますので、もしも傳染のおそれの非常に多いような場合には、さような規定の活用におきまして、実質上藥剤師の仕事ができないような場合もあろうかと考えます。そういうような判定の下される場合以外に、職業上の自由を、特殊の疾病にかかつているがゆえに制限するということは、必ずしも適当でない場合があると考えまして、規定の上からはとりましたのであります。
○福田(昌)委員 第十條に藥事委員会に左の小委員会を置く、公定書小委員会とはどういうものを意味しているのでありますか。
○久下政府委員 「公定書」と申しますのは第一條、第二條の定義にありまするように、「日本藥局方又は國民医藥品集」というものをさすのでありまして、藥局方は他の規定にありまするように、必ず少くとも十年に一回は根本的な改訂をいたさなければならないというふうになつておりまするし、また少くとも二年半ごとに追補をしなければならないというようなことに相なつておりまして、これは医藥品の質を向上し、その効能を確保いたしますためにぜひ必要なものであります。かような規定が設けられておりまする関係上、この種の日本藥局方及び國民医藥品集というものは、きわめて重要な仕事であり、しかも常に新しい藥学の発達とともに改訂を加えていかなければならないのでありますから、かような委員会を設けまして、この委員会の決定に基いて改正をしていきたいという考えであります。
○福田(昌)委員 次の新医藥品小委員会というものについて……。
○久下政府委員 新医藥品小委員会と申しまするのは、この新医藥品とは、その化学構造式、組成、または適應が專門家の間に一般的に知られていないものを指すのでございます。さような意味において、さような藥が発明されたときには、この委員会において、はたしてその申請の通りの性能をもつておるかどうかというような点について決定があり、適当であるという認定がつきましたものについて製造の許可を與えるということになつております。その意味で新医藥品の申請を審査し、その意見を決定いたす任務をもつておるものであります。
○福田(昌)委員 すでに販賣されております医藥品におきまして、その内容の査定をする必要に迫られました場合におきましては、これ小委員会が取扱うのでありますか。
○久下政府委員 すでに一旦認定を経ましたものにつきましては、すでに新医藥品でなくなりますので、一般に專門家の間では承認せられたことになりますので、そういうものはこの小委員会では取扱わないのであります。しかしながら公定書に載つておりません医藥品は、その後において製造いたす場合も、製造の許可は必要でありますけれども、この委員会としては、今申し上げたような意味において新医藥品の出てきたときに、これを許可すべきかどうかという意見の決定をいていただくわけであります。
○福田(昌)委員 最近いろいろな委員会がたくさん続出しておりますが、この委員会が、民主的運営という美名のもとに、非常な不正事件が横行しておることも私どもはしばしば耳にいたすのであります。そういう意味におきましてこの藥事委員会が、どうかそういう不正な面に向つて流れないように、常にその科学的な、嚴正な立場において、この藥事に関してその委員会の使命を、完全に果していただくように希望するものであります。 次に第十三條の藥剤師の國家試驗の試驗科目の内容でありますが、これに関して先刻有田委員からの御希望もありましたが、私もまたこれに対して有田委員と同樣な希望をもつております。こういうような学説試驗、実地試驗の試驗科目は、かくのごとく限定して明記すべきものではあるまいと考えるのであります。 次に第十六條の「委員会は、少くとも十年ごとに、」ということを限つておりますが、どういう意味で十年という年限を限つたのでありますか。
○久下政府委員 これは世界各國とも、大体十年ごとに藥局方の改正をするということになつておるようであります。わが國の過去の実際においても、現行の改正藥局方までは、おおむね十年ごとにやられておつたのであります。現行藥局方はただ戰時中いろいろな事情から若干期間が延びておりまするが、わが國の実例から申しましても、そういうふうな実態であります。しかも藥学の一般の進歩の状況は、おおむね十年ということを限つて全面改正をするような実情に迫られるのが、過去の歴史でもあるのであります。さような意味から十年ごとというふうにしたのであります。
○福田(昌)委員 第十四條第三項の「外國の藥学校を卒業し、又は厚生大臣の指定して外國以外の外國の藥剤師免許を受けた者」とありますが、この厚生大臣の指定した外國以外の外國というのは、どういう意味でありますか。
○久下政府委員 厚生大臣の指定いたします外國というのは、大体現行の藥事法で考えておると同樣の考え方でありまして、わが國の藥剤師の免許をもつております者に、当然無條件で免許を與えてくれるような國を厚生大臣が指定をしたいと思つておるのであります。さような意味において指定をされました外國の藥剤師免許をもちました者は、日本に帰つてまいれば、第三條の規定で当然に免許がもらえるので、それをもらえない、そういうような規定のない國という意味であります。從つて日本の藥剤師の資格の免許をもらいました者がその國へまいりましても、無條件で免許を與えてくれないような國という意味であります。
○福田(昌)委員 その國の名前をはつきり例示していただきたいのであります。
○久下政府委員 かつてはありましたが、現在はこういう國情でございまするので、具体的にはございません。將來起ることを予想いたしまして、かような規定を置いたのであります。
○福田(昌)委員 第二十二條の條文に関しましては、先刻榊原委員が述べられたと同じ希望を私ももつておるのであります。從いまして重視いたしまするから、省きまするが、第二十七條におきまして、終りの方の「厚生大臣の承認を受けて、專任の技術者をもつて、これに代えることができる。」とありますが、專任の技術者というのは、たとえばどういう者を指すのでしようか。
○久下政府委員 專任の技術者という意味は、それぞれの業態によりまして違いがございまするけれども、藥剤師以外の技術者、多くの場合化学技術者がこれに当るものが多いようであります。
○福田(昌)委員 第三十條の第二項の「公正書に收められた医藥品は、その強度、品質及び純度が公定書で定める基準に適合するものでなければ云々。」のこの條文におきまして、もしこういつたものの違反行為を犯しまして、それが罰則にまで現われない間に、医者がこういう藥を求めまして、たとえば不正な藥をいい品と間違えて買いまして、これを患者に使いました場合に、発熱したり、あるいはまた過つて死に至らせたというような場合におきましては、この罪はどこに帰せられるのでしようか。
○久下政府委員 それはたいへんむつかしいお尋ねでございまして、個々具体的の場合に精密な調査をいたさなければ、一概に論ぜられないと思うのであります。少くともこういうような規当に違反をしておるようなものにつきましては、まず第一に当然それによつて被害が起きますれば、その製造者が責任を負うべきもの、あるいは販賣者が責任を負うべきものと考えております。しかしながら医師がそれを使いました場合におきましても、普通の医師たる資格におきまして、善良な管理者の注意をもつてしてわかり得るような状態であつたにもかかわらず、さようなことであるということであれば、医師にも若干の責任がないとは言えないと思います。いずれにいたしましてもかような抽象的な論議で解決をいたすべき事柄でなく、具体的な場合によりまして十分事態を精密に調査をした上でなければ、簡單にきめられない問題であると思います。
○福田(昌)委員 第三十二條の條文によりますれば、ストレプトマイシンというものがあげられておりますが、ストレプトマイシンというものは、現在日本においてはまつたく使用されていない藥であり、一部研究的に使用されておるかもしれませんが、大衆的には縁のない藥かと思います。こういうものを取上げて三十二條の中にはつきりと明記されましたのは、どういうわけでありますか。
○久下政府委員 ストレプトマイシンはお説の通りの実情でありますけれども、これについては連合軍当局においても、わが國に対してストレプトマイシンの製造を勧められておりますし、アメリカからさような面においての、ペニシリンに対すると同樣な助力を得られる見込みでもありますから、近き將來においてわが國にもこれが生産される時期があると考えて、入れておいたのであります。
○福田(昌)委員 ストレプトマイシンのただいまの製造價格は、私うわさに開くところによりますと、非常に高價な品物であり、しかも使用にあたりましては、一挙にして多量を使わなければならぬ。そういう使用方法などから考えまして、とても私はこれは大衆的な、また結核予防の見地からしましても、日本の現状にそれほど有効適切な、切実な必要なものと考えられないのでありますが、これは私の個人の意見でありますので、他の委員の御意見も一應承つてみたいと思うのであります。そのほかこのスルフオンアミドに対するところの中毒作用、またペニシリンに対しまするところのペニシリン・テストの菌をつくる、こういつた方面からの御意見に関しましては、私は先ほどの榊原委員のお説にまつたく同感でありまして、重複いたしますから避けたいと思いますが、有田委員がよくペニシリン、スルフオンアミドの製造と、今日の花柳病蔓延の状態からいたしまして、花柳病予防のために、ぜひ指定外の藥品として、市販に供することが必要であるとして力説されたのでありますが、私は花柳病予防の見地からそういうことを取締つていただきたいと思いまして、むしろこの三十二條というものは最も適切であると思います。今日花柳病の見地から、なるほどスルフオンアミドの製造やペニシリンは、花柳病治療におたりまして大きな貢献をした。これがまま医者の監督を欠いておつて、民間素人療法が多かつた。素人がスルフオンアミドの製剤を勝手に使用した向きが多かつたがゆえに、今日の淋病の統計を見ましても、なるほど急性淋というものは急激に数が減つておりますが、漫性淋というものは一向に減少していないということを、如実に現状が物語つておると思うのでありまして、急性淋も漫性淋も傳染するという意味においては差別はないのであります。そういう意味において、殊に花柳病予防の見地からして、絶対にこういうものを勝手に市販に任せることは、まかりならぬ処置と思うのであります。 次に第三十四條で、誇大廣告に関する條文であります。私は今日の化粧品の廣告を見ておりますと、ほとんど全部が誇大廣告ならざるはないと思えるのでありますが、政府当局におきまして、誇大廣告の限度をどういうふうに規定しておられるかを承りたいのであります。私個人の考えをもつていたしましたならば、今日の化粧品の廣告は全部誇大廣告であり、從つてこの條文の規定からいたしましたならば、この廣告というものは一應全部撤回されて、別の廣告にかえるくらいの措置をとられるのが当然じやないかと思いますが、これに対する御答弁を伺いたいと思います。
○久下政府委員 化粧品の誇大廣告に関するお尋るでありますが、私どもといたしましても、化粧品をこの藥事法の中に取入れる意味におきまして、虚為または誇大な廣告を取締ることにいたします以上、十分具体的な場合を檢討いたしまして、いい加減なことですまさないように、十分嚴正に取扱つていきたいと考えている次第であります。
○福田(昌)委員 第四十五條の檢査のところでありますが、厚生大臣又は都道府縣知事は、必要があると認めるときは、」とありますが、「必要があると認めるとき」とは、どういう場合ですか。
○久下政府委員 はなはだ漠然とした規定でございまして、いろいろな場合が予想せられるのでございます。他の規定にもありますように、たとえば不潔な場所で製造せられました医藥品は、不良医藥品であるというような規定があるのであります。あるいは登録を申請してまいりました場合に、現実にその申請通りに製造者がなつているかどうかというようなことを見る場合も、やはり「必要があると認めるとき」ということが言えると思います。かようにこの法律を執行し公衆衞生の発達——藥事関係の面からする公衆衞生の改良発達をはかりますために現場を檢査することが、いろいろな意味において必要になつてまいると思います。そういう意味におきまして、具体的に必要な場合ということを法律的に限定することが、きわめて困難でありますので、一般の例にならいまして、抽象的な書き方をしてありますが、二、三の事例をあげれば、先ほど申し上げたような次第であります。
○福田(昌)委員 第四十八條の「厚生大臣又は都道府縣知事は、不良若しくは不正表示医藥品」云々の項の最後の「又は自らこれを廃棄し、その他必要な処分をなすことができる。」とありますが、「その他必要な処分」とは、どういうことでありますか。
○久下政府委員 「その他必要な処分」と申しますのは、たとえばどうしても個人に任せておいては危險であるというような意味合いにおいて、あるいはその他の取調の必要等のために、その物品を集めて役所にもつてきておくというような場合も考えているのであります。あるいは廃棄ということになるかもしれませんが、燒却されるような場合も、必要な処分として取締るようにしたいと思います。
○福田(昌)委員 あまり具体的に了承できないのでございますが、その程度に止めさしていただきまして、次に第五十條の藥事監視員の項でありますが、これに関しましても、私はこういつた監視員が、大衆の公衆、衞生向上の見地に立つて働いているのか、あるいは業者の側に立つて働いているのかわからないような現状を、まま見聞するのであります。そういう意味において、先ほど久下政府委員の御説明がありましたように、正しい意味におきまして、ここにうたわれておる通りのことが行われることを希望するものであります。一應私の質問はこの程度で打切らしていただきまして、後刻また質問さしていただきたいと思います。
○山崎委員長 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○山崎委員長 それでは速記を始めて……。
○野本委員 私どもは第三者的な立場から、あくまで公正な判断を下したいと思つておるのですが、その公正を判断をする資料といたしまして、次のものを要求いたしたいと思います。その一つは終戰後の年次別の主要藥品の生産状況、二番目に各医学校、藥学校の卒業生の見込数、これは二十三年から二十五年くらいまでが欲しい。それから登録医師及び藥剤師の都道府縣別の数、都道府縣別の無医村、無藥局村の調査、以上四種類の資料を至急提出していただきたいと思います。 なおこの際一言委員長にお伺いしたいと思いますが、私は最近この藥事法をめぐりまして、非常に不愉快と申しますか、はつきりしない感じをもたされておるものがあるのであります。それはつい最近まで藥剤師の側からいろいろの修正意見、その他希望等が、きわめて熱心に、頻々とわれわれにもたらされたのであります。しかるに最近になりまして藥剤師側から政府の原案を支持してくれという依頼の電報、書状等が、これまた夜中、晝間を問わずやつてくるのですが、これは一体どうしたことか。私どもは冷靜に國民の声に耳を傾けようとするものでありますが、数日以前における要求と、数日後における要求とがまつたく異つておる。この間の事情につきましてはわれわれに何らの説明、解明が與えられておらない、これは一体どういうことであるか、委員長の承知しておる限り説明していただきたい。
○山崎委員長 ちよつと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○山崎委員長 それでは速記を願います。 それでは委員長からお答え申します。本案が上程されましてから、藥剤師側の方におけるところのいろいろな誤解のあつたことが解消した結果ではなかろうかと考えるのであります。本案が上程される前には、あるいはその議案につきましていろいろ誤解の節もあつたかと思うのであります。ところが本案が上程されて、その條項を詳細に調査しました結果、自分の誤解が納得されたといつたような結果でなかろうかと考えられるのであります。私といたしましてはそれ以上にお答えすることができませんのですが、事情が判明いたしませんから、どうぞ御納得のほどお願い申し上げます。
○野本委員 それでは承服できません。どういう点に誤解があつて、その誤解がどういうふうに氷解されるのであるか、これを明確にされませんと、われわれ議員として藥剤師に愚弄されたことになる。
○山崎委員長 お答え申します。いかにもごもつともなお話でございまするけれども、私どもとしましては、政府から提案されました——いわゆる定案者から提案されました法案に基いて、審議を遂げていくのがほんとうなのでありまして、その以前にたとえばこういう案もある、こういう案もあるというようなことが二、三件ありましても、それはあくまで本院に付託されました議案ではないのでありますから、從いまして本院に付託されました議案について私どもが審議の権限ももちますし、また義務も発生してくるかと思う。その以外のことについての過程について、私どもが論議し合うということはどういうものかと考えますので、私の説明としましてはこれよりできませんから、どうぞ御了承いただきたいと思います。
○野本委員 委員長としてはそれ以上の説明はできないということは大体了承します。しかし、私どもとしますと、きわめて不可解な事象でありますので、從つて輿論がどういうふうに出発し、どういうふうに推移し、そしてどういうふうにして現在に至つたかということの判断ができない。從つて私はあくまで公正な批判を加えたいという念願から、藥事法を中心とする公聽会の開催を要求いたします。皆さんの御賛成を願いたい。
○山崎委員長 ただいま野本委員から、公聽会に関するところの動議があつたわけでありますが、御意見を承りたいと思います。速記をとめて……。 〔速記中正〕
○山崎委員長 速記開始。それでは本日の藥事法案に関する質疑は一應これで打切りまして、後日質疑を継続することにいたしまして、本日は松谷委員の晴嵐莊に関する調査に対する報告に基く政府側からの意見を聽取いたしたいと存じます。
○久下政府委員 晴嵐莊事件につきまして、松谷委員から前回詳細なる御報告をいただきましたのであります。私どもといたしましては、この問題につきまして國会の厚生委員会に、たいへん御迷惑をおかけしましたことを恐縮いたしたのであります。御報告の内容につきましては、私ども政府におきまして調査いたしました事実と、大体同樣な結論でございます。これに対する措置といたしましても、実は私どもとしましては正式に厚生委員会に御報告があり、その御意見によつて具体的な措置の決定をいたしたいと存じまして、正式には今日まで役ら指示をいたしておらないのでありますけれども、先日松谷委員が現地にお出でになつた御感想として、これが解決の案をお示しいただいたのであります。私どもといたしましても、大体そういう線に副いまして、問題の解決をはかるのが至当であると考えまして、正式な筋道ではございませんけれども、すでにしばしば晴嵐莊の院長、庶務課長などがまいりました際に、事情を聽取いたしますとともに、そういう趣旨のもとに、問題の解決方法を内示いたしておつた次第であります。ただ私どもといたしまして、この席上で申し上げたいと思いますことは、松谷委員の御指摘のように、莊側の処置につきまして、やや不適当と認められる点がないとは申しませんけれども、全般的に非常に間違つたことをやつている、あるいは不正な行為があるということは、全然認められないと思うのであります。ただ自分のところにはいつておりました患者に対する考え方に、若干不適当と認められる節があるということは御指摘の通りでございます。同時にそういうような意味合いにおきまして、本問題の解決につきましては、大体松谷委員の御指摘のような筋で事柄を運びたいと思つておるのであります。その意味におきまして、たとえば強制退莊命令を一應取下げをするというようなことを、すでに莊側にも納得させておるのであります。それから患者との間に協議会をもつて、療養生活に関する希望を十分聽取し、これを莊の運営の上に反映さしていきたいということにつきましても、すでに他の療養所においても例のあることでありますし、この機会に厚生省としてはつきりしたものを示しまして、具体的にさような組織で発足するようにいたしたいと考えております。ただ療養所等における患者の立場という点から考えますときには、あくまでも一般の職員組合、労働組合などとは違いまして、療養を受ける人、殊に結核療養所の患者におきましては、多くの者が医者の指図に從つて安靜を守り、あるいはややよくなりましても指図に從つて作業に從事いたさなければならないのでありますから、さような立場にある患者といたしましては、療養所運営につきまして、もちろんいろいろな希望もあろうと思います。希望を述べることは結構であり、療養所側といたしましても、そういう希望に対しては、極力その希望をかなえるように努力をいたすべきものとは考えますけれども、あくまでも患者の立場というものは、そういう療養所側の運営につきましては希望を述べ得るのみであつて、法律的に申せば療養所側の運営方針を左右するというような立場はないものと考えている次第であります。一方莊側におきましては、法律的に申せば、さような解釈になるにいたしましても、十分患者の氣持を察し、その希望をできるだけかなえてやるように、積極的な努力をいたすべきものと考えるのであります。さような根本的な考え方に基きまして、十分患者との話合いの機会をもちますことを指示をいたしたいと考えている次第であります。警察に対する告発につきましても、あまりつれない仕打ちだとかいうことを、莊側も厚生省にまいりまして申しておりますし、もちろん正式の決定をまつて取下げをする。また正式取下げはいたしておりませんけれども、これも取下げをするようにして、何ら進行もいたしておりません。私どもの方の正式の指示をまつて取下げることは、すでに内定をいたしておるような次第でございます。さようなことに基きまして、今回の事件につきましては、はなはだ遺憾なことでありましたが、十分將來を期しまして、ただいまのような措置によつて円滿な解決を期待しているものであります。同時に松谷委員の御意見の中にもございました通り、現在実は國立療養所の入所規定には、健康になつた者を退所させることができるという規定を欠いておりますので、これにつきましても厚生委員からいろいろ御意見を伺つておりましたので、近く正式に入所規定を改正いたしまして、健康になりました者が、いつまでも療養所におつて、いろいろな問題を起しております実情を見まするので、これらの人々には退所をしていただいて、あと数百人の入所を待つております人々に、療養の機会を與えるようにいたしたいと思つているわけであります。さような措置をとることにいたしまして、今回の問題は円滿に解決し得るものと考えておりますし、すでに現在におきましてさような方針を内示いたしました結果、最近の晴嵐莊内部の状態は、きわめて平靜に帰して何ら問題がなくなつておるように聽いておるのであります。これをはきつりとやりますれば、さらに將來に向つて新しい一つの平和的の発足をいたすものと期待しておる次第であります。
○松谷委員 ただいまの御説明で大体諒といたしましたが、何か当局では今後の運営上円滑を來たすために、療養協議会のような、他の療養所でも行つている協議会的なものを設置なさるお考えはないのでありましようか、その点について具体的に伺いたいと思います。
○久下政府委員 先ほど抽象的ではございましたが申し上げましたように、患者からの意見希望等を聽きますために、療養協議会というようなものを設けたいと思つております。
○松谷委員 この際できればその療養協議会の要綱を伺わせていただきたいと思います。
○久下政府委員 まだ案の程度でありまして、若干あるいは字句の修正が今後あり得るかとも思いますけれども、大体の精神は書いたものがございまするので朗読してみたいと思います。表題を療養協議会要綱というようなことにいたしまして、これは考え方といたしましては、厚生省から國立療養所に指示をいたしまして、その所長が、その責任においてかような組織をもつようにさせたいというような扱いにいたしたいと思つておるのであります。この療養協議会の要綱は 趣旨 國立療養所の患者がその療養の目的である健康の回復を速やかにするため、まずもつて療養に專念し得ることを本旨として、療養協議会を設置する。まず協議会設置の根本的趣旨を掲げてあります。次に協議会の要領といたしまして 一、協議会は所側職員組合側及び患者側が療養生活に関する事項について協議懇談し、両者の意思の疎通をはかるものとする。 一、協議会においては誠意をもつて意見を交換し、すべて事案を平和的に解決することを本旨とする。 一、協議会は毎月一回定期に開催する。但し必要あるときは適時これを開催することができる。 一、協議会において双方の意見が一致して事項は、協力してその実現に努めるものとする。 以上でございます。先ほども申しましたように、こういうような要領で全國の療養所長に指示いたしたいと考えております。根本の趣旨につきましては、あくまでも先ほど申し上げたような、患者としての立場を守り、しかも所側においてはこれを尊重して、十分温情ある扱い方をするというような考え方で指示を與えておるのであります。
○松谷委員 ただいまの次長のお述べになりました療養協議会の要綱、あるいはまた今回の事件に対する解決方法に從つて、ぜひとも至急にお運びいただきたいことを希望として附け加えたいと思います。なおその外に今回の事件にも関連しておりますが、これは全体の結核療養に対する問題ではないかと思いますか、やはりコロニー制度の確立ということが、かかる問題を除去する最も根本的な対策ではないかということを私は行つてまいつて深く痛感させられました。晴嵐莊がいわゆる作業療法を主とした療養所である。從つて作業療法でございますから、いかに作業をいたしましようとも、その勤労に対する報酬は、当然受取るべき性質のものでないことは、莊側が言われる通りであると思います。しかしそこに働く者、少くともいくらかでも働き得る者の立場に立つて考えますと、いかにこれが作業療法の建前からやらせておることであるとは考えてみましても、一應理屈はわかりますけれども、現実問題といたしまして、今日の苦しいインフレの状態よりいたしまして、これだけのことをしたのに、何かひとつそこに償いが欲しい、あるいは出てきた果実に対する権利をいくらかでももちたいという欲望が、当然起つてくることも、人間としていたしかたがないと思うのであります。こういう際におきまして一應安靜その他の療養を終えて、コロニー制度に着手することのできる、十分に作業することのできる患者は、はつきりとしたコロニー制度を確立していただくならば、そうした問題も解決するのであろうということを痛感させられましたので、当局においてもぜひひとつコロニー制度の確立に向つた御進行いただきたいと思います。現在厚生省にコロニー制度に対する何らかの腹案——あるいはまた予算の問題もございましようが、そうした見透しがあるのでございましようか、ついでに伺わせていただきたいと思います。
○久下政府委員 結核患者につきましてコロニー制度を設けるということにつきましては、私どもとしてもその必要を痛感いたしておるのであります。ただ実際問題といたしまして問題になる点は、結核患者の性質上、まだ健康管理が必要である時代におきましても、一つの療養の手段として作業が行い得るという場合があるのであります。それから同時にまた、もう健康管理を必要としなくなりましても、もともと重い病氣をいたしました関係上、そのまま社会の荒波の中に出るのは無理だという段階もあるのであります。私どもといたしましては、ただいま申しました前の段階、すなわち健康管理を必要としながらも、若干の作業をさせて治療の目的を達するという段階にあります者は、私どもとしては現在の國立療養所においても、これをそのまま扱いまして、健康管理をなしつつ、作業療法として若干の職業補導的なことも目的を達するようにもしたい、こういう考え方であります。これに対しまして後者、すなわち健康管理を要しないような段階になりました者につきましては、私どもの考え方としては、実は早く療養所を出ていただきたいのであります。むしろ一段の社会福祉施設といたしまして、さようなものが設けられることを期待しておるのであります。さような点につきましては、厚生省で申しますと社会局の所管になるのであります。その方面と連絡をいたしておるのでありますが、まずコロニー制度というものを、理屈を申せばさような先階に分けることによりまして、またいずれにしても厚生省の所管ではありますが、一方は社会局に属し、片方は医務局で行うというような関係になるので、この辺のところを十分連絡してやりたいと思いますが、健康管理を要します者に対する職業補導、作業指導ということにつきましては、現状すでに各療養所でやつておりますことを、ますます拡大、充実してやりたいと思つております。なお健康管理を要しないような段階に至りました者についての職業補導については、これは社会局の方とも連絡をして、何とか早く実現するようにしたいと思つております。後者の方については、実は現在予算もありませんので、実現の運びに至つておりませんけれども、そこまで手を延ばしていく必要があると考えております。
○松谷委員 なお先ほど次長のお話に、入所規定に追加が変更をしていくというお話でございましたがその入所規定の変更はもちろん異議ありませんが、その場合にぜひ私として希望することは、少まとも退所命令を所側が出す場合においては、その患者の主治医なり、あるいは医務局の承認の上でと申しましようか、主治医との相談の上でということに内容をしていただきたい。少くとも今回のように政治的な面においての命令ということにはならないことを希望いたします。なおいまひとつ伺つておきたいことは、その改正にあたつて、療養期間の現在の六箇月であるところが三箇月で打切るようになるということ、これはうわさでございますのでまだ確としたことはわかりませんが、そうしたことを予想しておられるのかどうかということも、参考までに伺つておきたいと思います。
○久下政府委員 すでに療養所における療養の必要のなくなつた者に、出ていただく措置をとります場合には、お話の通り、当然主治医の意見によつて判断すべきものと考えておりますし、またさようにいたしたいと思います。第二のお尋ねの点については、私どもそういうことは全然考えてもおりませんし、聞いてもおらないのであります。
○山崎(道)委員 ちよつと松谷さんのただいまの御質問に補足してお伺いいたしたいと思います。私はただいまの次長の御答弁は不満でございますが、厚生省では、かねてからコロニー設立の用意ありというふうに聞かされまして、私非常に喜んでいたわれでありまして、その後の経過を伺いたいと思います。 それからいま一つ、個別的に各國立病院に、そういう協議会のようなものをおもちになるということだけでは、私は事足りないと思います。國立病院の運営委員会というようなものをかもちになつていただいて、國立病院全体に対しての根本的な考え方を推進していただかなければ國立病院の問題は解決いたしません。看護婦の現状はいかでがございましよう、医者の現状はいかがでございましよう、というようなことを追究してまいりますと、根本的にお考え直しをしていただかなければ、私は患者も不幸だと存じます。それから先ほどの、健康になつて者は退所してもらうという規定をお入れになつたことは結構でございますが、くれぐれもお願いしておきたいことは、これの出ていくべき場所がないというような現状におきまして、その方面までもお考えいただかなければ、せつかく治つた者がまた再発する危險性がある。結核は治つたと申しても、当分の間は荒波にもまれていくということは、私は不可能だと存じますので、その点をお伺いいたします。 それから療養扶助の問題でございますが、現在五人家族で千五百円の生活者は医療扶助を受けることができるのでございますが、はたしてそれだけで医療に対する貯えができるでしようか。こういうことも私は根本的に考え直して、少くとも現在の経済状態に即したようにしていただきたい。私たちは代議士で、歳費をいただいておりましても、病氣に対する用意はございません。まして千五百円より医療扶助が受けられないというような現在の規定に対してのお考えを伺いたいと思います。
○久下政府委員 まず第一は、コロニーに対することに御不満たということでありますが、実はコロニーという考え方を分析してこう考えておるという意味で申し上げたのであります。私どもの面においてやりますことは、先ほど申し上げましたような線で十分徹底してやりたいと思い、現にまたやりつつあるのであります。多くの場合、結核患者は俗に治つたと申しましても、医学上の健康管理を必要といたしますので、そういうものは療養所の中で一種の作業療養としてのような考え方で、健康管理をなしつつ、職業補導をなすような行き方でいきたい。 それから健康になつた者の出る時期につきましては、今日の状態におきましては事実大きな問題でございます。行先のないものをむりやりに追い出すような、無慈悲なことはいたすべきでないと思います。多くの者が身元引受人もあることでありますので、さような問題の起きますことは比較的少いと思いますが、それにしても今日療養所にああいうような空氣の中に、好んで患者がおるのではないと思います。それらはお話の通りに行先がないためという場合が多いだろうと思いますが、これらにつきましては私どもだけのところで処置もできませんので、関係方面と十分連絡協調いたしまして、問題の解決をはかりたいと思つております。 國立病院の療養所に関する運営委員会を設けろというお話であります。この問題につきましてはまだ正式に大きなものはもつておりませんけれども、個々の施設につきまして、病院なら病院、温泉療養所なら温泉療養所、結核療養所は結核療養所というぐあいに各々その方面に從事しております職員でありますとか、あるいはその他の学識経驗のある方々等にお集まりを願つて、そうしたものをそれぞれもつておるのであります。もう少し根本的に御指摘のように考えなければならぬと思つております。腹案でもまとまりましたならば、また各方面の御意見を拜聽したいと思つております。
○山崎(道)委員 まだいろいろ伺いたいことがございますが、時間もございませんし、速記の方にも御迷惑だと思いますので、この程度で終ります。
○榊原(亨)委員 久下政府委員にお尋ねいたしたいのでありますが、患者が退院いたします場合に、主治医の意見を聽いて退院させるというお話がありましたけれども、私ども医療関係の経驗があります者からすると、主治医を統轄しておりますのは院長でありまして、主治医の意見により院長の裁断にまつて退院をさすべきものと私は思いますが、單に当該患者の主治医の意見だけで退院させるというのでありますか、承りたいと思います。
○久下政府委員 私の言葉が足りませんので失礼いたしましたが、入所規定に基きまして健康を回復し、療養所の療養が必要なくなりました者を退所させることのできますのは所長であります。所長が主治医の意見を聽いてなすわけであります。
○榊原(亨)委員 もう一つお尋ねいたしたいことは、健康になつた者というさつきからお話がございまするが、これがまた誤解の焦点になるということを私はおそれるものであります。御承知のように結核患者が健康になつたと申しましても、これがどこまでほんとうに結核菌が身体から全部なくなつたか、結核の病巣が全部なくなつたかということは、いろいろな疑問の点がありますので、医学常識上治治癒したものと認め、入院の必要なきものと認めた場合ということをもつて、健康になつたものという意味と解釈してよろしゆうございますか、その点を承りたい。
○久下政府委員 簡單に健康になつたものと申したのでありますが、私どもは正式の文字の上では、療養所における療養の必要のなくなつたもの、こういう文字を使うつもりでおります。言いかえますとまだ病人ではあるけれども、この後何年おつてもこれでは療養所におつていかなる治療を施しても変化が出ないというものもこの場合は含めたいと思つております。
○榊原(亨)委員 それを認める者は主治医並びに院長が認めると了承してよろしゆうございますか。
○久下政府委員 さようでございます。
○榊原(亨)委員 先ほど協議会なる案が出ておりましたが、政府委員のお話によりますと、これは決して療養所の運営に直接関與するものではなしに、ただ一つの意見を述べるに止まるということでございましたが、そう解釈してよろしゆうございますか。なお念のために承りたいと存じまするが、私どもの考えからいたしますると、療養所に入院している患者が、いろいろな自分の要求、希望を述べるということそれ自体が間違いであると私は思つておるのであります。患者は精神上においても、肉体上においても、非常な障害があるのでございまして、かかる要求はその患者の家族の者が、直接療養所の担当者の方と相談申し上げるなり、要求すべきものと思いまするし、また身寄りのない方でございまするならば、その療養所に入院させるために患者に関係のあつた民生委員の方が病院当局と御相談の上で、いろいろな要求をすべきものであると私は考えておるのでございまするが、今承りますと暫定的に協議会というものによつて、一應患者の希望を聽くということでございますので、これも結構なこととは思いまするが、根本の精神としては私が今申し述べましたことにいたすべきではないかと思うのであります。從いましてまた運営委員会というような御希望もあつたと存じまするが、病院を運営しますについても、ただいま私が申し上げました精神によつて御考慮をお願いいたしたいと存ずるのでございまするが、政府委員のお考えはいかがでございましようか。
○久下政府委員 私どもといたしましては、先ほど申し上げました通り、患者は法律的な意味におきまして療養所の運営に参画することはできないものと考えておるのであります。しかしながら、療養所にはいつている以上、自分の療養生活に関係のあることについて、ああもしてほしい、こうもしてほしいという希望があることも、また事実であると思うのであります。そういう意見を十分聽いてやつて療養所の運営をするということは、療養所長として、またその運営に携わる者としても必要なことと考えまして、これを聽いてやる機会をつくるという意味において、療養協議会というものを設けたらどうかと考えておるのであります。榊原委員のお話のように、間接にのみ言い得るというように、そこまで窮屈に考えなくても、療養所側においても十分話を聽いてやろうという氣持をもつてやることによつて、初めて円滑にその運営ができるものと考えまして、その程度にやつてまいりたいと考えております。
○榊原(亨)委員 ただいまのお話でよく了承した次第でありまするが、最後に一應委員長に承りたいと思うのであります。調査委員の派遣という問題にあたりましては、その派遣された調査委員は、事実の調査をしてこれを委員会に報告し、復命するのが趣旨ではないかと存ずるのでございまして、派遣された調査委員が、自分の具体案を示してその解決の一助となるベき意見を述べるということについては、私は異議をもつておるものでございます。委員長の御意見はいかがでございまするか、承りたいと存じます。
○山崎委員長 お答申し上げます。私も榊原委員と同様の意見をもつております。 次会は來る十二日午前十時より開会いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十七分散会