厚生委員会 第3号
- 発言数
- 35 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/05/26
会議録
○山崎委員長 ただいまより會議を開きます。 新たに委員長に選任いたされましたので、この機會に御挨拶を申し上げたいと存じます。私は小野前委員長の後を受けまして、このたび本委員會の委員長に選任いたされるの光榮を得た次第でございますが、言うまでももなく本委員會は國民生活の實態に觸れて、重要なる施策を決定する機能をもつておる、いわば民生安定に關するもつとも大切な委員會であると存ずるのでございます。つきましては皆さま方の御努力と御援助、御指導によりまして、この大任を果したいと存ずる次第でございますれば、何分の御指導をお願い申し上げる次第でございます。(拍手) お諮りいたします。理事の大瀧亀代司君が委員を辭任いたしておりますので、この際理事の補缺選擧を行わなければなりませんが、委員長より補缺理事の指名をいたすことに御異議ございますまいか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議がなければ、中嶋勝一君を理事に指名いたします。 —————————————
○山崎委員長 次に墓地、埋葬等に關する法律案、食肉輸移入取締規則を廢止する法律案を一括議題に供します。まず政府委員より提案理由の説明を求めます。 —————————————
○喜多政府委員 ただいま議題となりました墓地、埋葬等に關する法律案につきまして、提案理由の説明を申し上げます。 從來墓地、納骨堂または火葬場の管理、及び埋葬、火葬等に關しましては、次の三つの規則、すなわち墓地及び埋葬取締規則、これは明治十七年太政官布達第二十五號であります。それから墓地及び埋葬取締規則に違反する者處分方、これは明治十七年太政官布達第八十二號であります。さらに埋火葬の認許等に關する件、これは昭和二十二年厚生省令第九號であります。以上三つの規則によつて規制されてきたのでありますが、これらの規則は昭和二十二年法律第七十二號、すなわち日本國憲法施行の際、現に効力を有する命令の規定の効力等に關する法律の第一條の四の規定によりまして、法律に改められたものとされたのであります。しかしながら同時にその効力は暫定的なものといたしまして、必要な改廢の措置をとらなければならないことになつておりますので、その措置といたしまして、前掲三つの規則を總合した本法律案を提出した次第であります。何とぞ御審議の上、速やかに可決せられんことをお願いする次第であります。 次にただいま議題となりました食肉輸移入取締規則廢止に關する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。食肉輸移入取締規則は、輸移入食肉の衞生上の取締を徹底するため、昭和二年内務省令第四號をもつて制定したものでありますが、日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に關する法律第一條の四の規定によりまして、必要な改廢の措置をとらなければならないことになつております。しかしながら未だ食肉の輸移入が行われるに至つておりませんので、一應これが廢止の措置といたしまして、この法律案を提出いたした次第であります。何とぞ御審議の上速やかに可決せられんことをお願いする次第であります。
○山崎委員長 これより本法案の審査に入ります。發言を許します。榊原委員。
○榊原(亨)委員 墓地埋葬等に關する法律案について、御質問申し上げたいのでございますが、この法律案におきまして施設の内容に觸れたところがないようでございますが、その點はどんなふうにお考えになつておりますか。
○三木(行)政府委員 お答えいたします。省令等におきまして一應施設をとりきめる處存でございますが、ただこの法律案におきましては、從前ございました法律及び命令等の規定をとりまとめまして、ここにいわば編集いたしたというような形でございまして、今日のわが國の現状に照し合わせまして、いささか消極的ではあるのでございますけれども、やむを得ないと考えるのであります。たとえば火葬場等につきましては、農山漁村等におきまして、いわゆる燒場と稱するがごときものを許可しないというようなことも、いささか實情に副わないというような點もございますので、法制的な措置といたしまして、これを強制するということを止めまして、これらま指導によつてやつていきたい、助成によつてやつていきたい、かように考えておる次第であります。
○榊原(亨)委員 そういたしますと、この施設の内容につきましては、大體明治十七年の發布になつておるところの墓地及埋葬取締規則施行方法細目標準によつておやりになるおつもりでございます。
○三木(行)政府委員 ただいま御指摘になりました、細目標準については、これに準據して各地方命令がでておるのでありまして、それらにおいては多少新鮮味をもつておるのでありますが、率直に申しまするならば、御指摘の通りの方針でございます。
○榊原(亨)委員 ただいま申しました墓地及埋葬取締規則施行方法細目標準を讀みましても、これは明治十七年に出ておるようなものでございまして、現代の状態としてはいちじるしく不適當なところがあるのを認めるのでございますが、そういう點についてどういう點を御改正になるおつもりでございますか。その具體的な事項についてお示しを願いたいと思います。
○三木(行)政府委員 具體的に申し上げるということはちよつとむつかしい問題でありますが、要するに環境衞生という面から、これらの施設についてはできるだけ指導していくというような行き方をしたい、もちろん今日のわが國の墓地は殊に都市等は、東京の都内においてさえも石塔が林立するというような状態であります。墓地と申しますればいわばまことに陰慘なという感じを受けるのでありまして、これは先祖を崇拜するというようなわが國の國民感情から申しまして、いささか適當ではないのでございますが、しかしながらこれを強制いたすことは、今日の事情からいかがと存じますので、これらについては指導面によりまして都市計畫等と相まつて、公園的な明るい墓地等をつくつていく、さような方針であります。
○榊原(亨)委員 大體了承をいたしますが、施行細則をおきめになる上におきましては、現代に即應するばかりでなしに、私どもの宗教的感じと申しますか、單にそういう物質的な方面のみをお考えにならずに、精神的方面を加味し、かつ保健衞生の上に萬全を期せられたいと希望する次第であります。 次にお尋ねいたしたいことは、第十三條の正當の理由がなければこれを拒んではならないという、その正當の理由とはどういうものでございますか、お示しを願いたい。
○三木(行)政府委員 正當の理由と申しますのは、いささか漠然とした記述でございますが、現行法におきましても「墓地ハ種族宗旨ヲ別タス其町村ニ本籍ヲ有シ若クハ其町村ニ於テ死シタルモノハ何人ニテモ之ヲ葬ルコトヲ得其從前別段ノ習慣アルモノハ此限ニアラス」というふうに相なつておりまして、これで現在まで支障なくきておるのであります。從つて正當の理由と申しますので、一般的な社會通念として認められている慣行も含むもの、かように解釋しております。
○榊原(亨)委員 そういたしますと、たとえばその墓地の管理者はまだ埋葬、あるいは火葬をいたしたものを收容する餘裕がありますれば、金錢上その他の關係からこれを拒むというようなことはできないわけでございますが、そういうように解釋してよろしゆうございます。
○三木(行)政府委員 御意見の通りでございます。
○榊原(亨)委員 次にお尋ねいたしたいことは、墓地または納骨堂の管理者が、その死體あるいは遺骨を保管いたす責任について、どこにどういう規定が設けられてございます。
○三木(行)政府委員 十二條、十三條、十四條、十五條に規定してある通りでございます。
○榊原(亨)委員 それでは何年間保存の義務がございますか。今御指摘のところにはそういう期間がないと私は思いますが……。
○三木(行)政府委員 第十六條におきまして、許可證の保管期間は五箇年でありますが、墓地に埋葬いたしました死體あるいは埋藏いたしました燒骨、あるいは納骨堂に收藏いたしました燒骨等につきましては、別に期限を定めておりませんので、無期限である、かように考えられます。
○榊原(亨)委員 この無期限ということが非常に問題だと思うのであります。たとえば一度埋葬したものは永久的にこの管理者が責任をもたなければならぬということは、今までございますように無縁佛になるとか何とかいろいろなことがございまして、その點の責任をはつきりしなければ、ただ一時埋めるとか收容するとかいう責任は、この法律によつてはつきりしておりますが、一度收容したものをいつまでどういう責任によつてたれが管理するかということが一つもこの法律案には出ていないと思うのであります。その點はひとつ何とか御改正を願うとか、あるいはこの場合にはつきり言明していただくとか、何らかの方法ではつきりしていただきたいと思います。
○三木(行)政府委員 御指摘になりました無制限、無期限な責任をもつということはまことに無理由でございますが、しかし實際問題といたしまして、申すまでもないことでありますが、人間の死というものはたえず來りつつあるものでありまして、墓地あるいは納骨堂の廣さというものは有限のものであります。從いましてある時期になりますと、墓地あるいは納骨堂についても改葬という問題が自然發生的に出てまいりますので、その場合におきましては、本法律案に定めてございまする改葬の手續によりまして、これを一定の場合にさらに改葬をするというようなことが自然に出てまいります。そういう點で御指摘になりましたような問題は自然に解決するものであると私どもは考えている次第であります。
○榊原(亨)委員 改葬するまでは責任をもつということになるわけですか。そういうことは法律上なかなかむつかしいことだと思うのであります。たとえば書類は五箇年間保存してありますけれども、三年目にそれを掘り上げてしまつて、ほかの骨を埋めるということをいたしましても、何も法律上これに抵觸しない、あるいは罰則を受けないということになりますと、これは重大な問題だと私は思うのでありまして、この點の責任をはつきりする必要がどうしてもあると思います。改葬するまで待つというのは、何年目に改葬するということがわからないのに、改葬するまでその保管者が責任をもたなければならぬということにつきましては、多大の疑問をもつているわけであります。
○三木(行)政府委員 改葬を行いますにあたりましては許可が必要でございますので、その點からこれを制約することができる。それからこれらの墓地、納骨堂等につきましては、公共の墓地、納骨堂、あるいは經營者のございます墓地、納骨堂等におきましては一定の手數料を納めるわけでございますので、そこに權利關係も發生いたしますというような點で、私ども支障なくいくものであると考えておるものであります。
○榊原(亨)委員 それは支障なくいかないと私は思うのであります。またその手數料を拂つた者に對しては云々ということになりますと、初めにお話いたしましたように、金錢によつてはこれが收容を拒むことができないということと牴觸いたしてまいりますし、この點はたとえば何年間とかいうものはこの管理者はその保管の義務があるというふうなことをやるとか、あるいはゆえなくしてこれをあばく、あるいはさらにほかの骨をそこに埋めるという場合には、どういう處罰をするということの規定がこの中にぜひ必要だと私は思います。御意見いかがでありますか。
○三木(行)政府委員 ただいま私多少間違つたお答えをいたしましたので訂正いたしたいと思いますが、使用料をとりますのは納骨堂だけであります。御指摘になりましたような不都合は、私どもといたしましては心配いたしておりません。と申しますのは、當局の方針といたしまして今後墓地、納骨堂等はなるべく公共團體等をしてやらせていくというような方針でございますので、これらの管理につきましても十分に民意に從う管理ができ得るものであると考えるのであります。かつはまた改葬等に籍口いたしまして、墓を掘るというような場合におきましても許可が要るわけでありまして、かつはまたこれを無斷で行います場合におきましては、刑法等の處罰規定もございますので、それらによつてさような暴擧を抑えることができると考えるのであります。
○榊原(亨)委員 大體了承したのでありますが、施行細則なんかをおきめになる場合には、その點を十分御加味なさいました一つの規則をおつくりくださいまして、死體の靈に對して不敬にならないように、また保健衞生上につきましても十分御考慮を願いたいと存じます。
○三木(行)政府委員 御趣旨の點は十分に了承いたしました。
○山崎委員長 田中委員。
○田中(松)委員 土葬納骨をいたします場合、人家からどれくらい離れておらねばならぬというような何か規定があるでしようか。
○三木(行)政府委員 現行の細目標準におきましては、一應人家を隔ること六十間というような規定があつたのでございますが、しかし今後の法律案が施行せられます際には、墓地の設定につきましては知事がこれを許可いたしますので、その際におきまして、環境衞生あるいは公衆衞生上、あるいは國民感情から見て適當であるというところをきめていただく、さような所存でございまして、いわゆる機械的な距離制限というものは行わないというように考えておる次第でございます。
○田中(松)委員 將來そういう點を含んでやつていただけば、將來にはそういうことは起つてこないと思いますが、實は今まで住宅に何にもない適當な所に墓地をもつておる。田舎なんかそれが特に燒却せずに、いわゆる土葬する場合が多いのです。ところがその後その附近が開れてきまして、人家が大分建てこんできた。墓の近くまで家が建つた。すると、人家からこれくらい制限があるということになつておると、自分の家の近くで葬式をされ、土葬されると困るものだから、それはやめてくれというようなぐあいに警察に突つこむ。ところが、こつちの方では、今始まつたことじやない、家の建つておる所に墓をもつてきたわけではない、ずつと以前からここに埋めておつたので、あとから家ができたのだから、そういうことが起るならば、家の方がどこかに行つたらいいじやないかというようなぐあいで、實際問題としてそういういきさつをひき起した實例がいくらもありますが、そういうような場合、當局の裁きといいますか、御意見というか、それをお聽きしたいと思います。
○三木(行)政府委員 御指摘になりましたような場合につきましては、都市計畫の場合におきましては、いわゆる都市計畫の當局がそれらにつきまして最も適當に裁断をするということに相なります。私どもも經驗があるのでありますが、農山漁村等におきまして、許可なくして自分の墓地をつくつておるというものにつきましては、あらためて許可の申請をしていただきたい。かように考えておりまするので、その際に御指摘になりましたような公衆衞生上その他支障のあるものにつきましては、十分に考慮いたしたいと考えておる次第でございます。
○田中(松)委員 都市の方では割合そういう問題は起りません。というのは、ほとんど燒却いたしますので、白骨になつておると、同じ家の中に置いておつても、塀を一つ越した向うの寺院の境内に納めていても、いざこざは起りませんが、多くの場合これは田舎に起るのであります。もちろん今おつしやつたお言葉——勝手に墓地をつくつているというのではありません。私が申し上げますのは、すでに何十年來先祖代々許可をとつて墓地をもつている。その近くに自然家が建てこんできて、制限の規則に觸れるというわけでそういうところでいろいろな問題が起つているということを指摘したのでございますが、將來はもちろん今おつしやる本令によつて適當にそういういざこざの起らぬようになりますが、現在許可を得て、先祖代々土葬をしている、その近くに家が建てこんできた場合を私は申し上げたのでございます。 それからもう一つ、第十九條でございますが、これはもちろん今御説明の中にもありましたから、ほぼそういうことは起らぬと思いますけれども。そういう點も前もつて考えておかないと、全然そういうことが起らぬとも保證できないと思うのです。たとえば第十九條の「公衆衞生その他公共の福祉の見地から必要があると認めるときは」、これは讀んで字のごとくよくわかりますけれども、場合よつて非常に無宗教的な、あるいは墓というようなものはつくる必要がない、灰にして川の流せばいい、肥しにしてもいいじやないかというような極端な人たちがだんだん出てくる。そういう場合に、いわゆる公衆衞生のためにならぬと言うてがんばる、いかにもそれが極端に公衆衞生の毒にはならぬでも、そこはいはゆる見解の相違で、一方はなる、一方はならぬというような問題も起つてくるじやないか。そういう點も前もつて考慮されまして、第十九條の内容、すなわち「公衆衞生その他公共の福祉の見地から」という内容につきましては、ある程度限度と申しますか、こういう程度というようなものをつくつておかぬと、今私が實際ぶつかつているような問題が、今度はこういう點で起つてくるじやないかと思います。これは御答辯はなくても、ひとつそういう點を十分愼重に御考慮願つておきたいと思います。
○三木(行)政府委員 御指摘になりました第十九條の「公衆衞生その他公共の福祉」の解釋等につきましては、第一條の本法の目的に副いますように、十分運用を適切にやらなければならぬと考えているのでありまして、本法の施行にあたりましては、委員會の御意向等につきましても、十分末端にまで浸透いたしますように手配をいたす所存でございます。
○山崎委員長 ほかに質疑のある方はございませんか。——では兩法案の質疑は一應これで打切ります。 本日はこれをもつて散會いたします。 午前十一時三十七分散會