海外同胞引揚に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 22 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1948/02/20
会議録
○天野委員長 それではこれより会議を開きます。 会議に先だちまして御報告いたすことがあります。先の委員会におきまして、引揚港視察及び対日理事会その他に陳情をいたすことになつておりましたが、引揚港の視察はこちらの委員の都合で随時行かれたらどうかということでありますので、ひとつこれは各委員御協議の上、適当の時期をきめて御視察願いたいと存じます。 それから対日理事会及びソ連大使館等への陳情に対しては、渉外課を通じてシーボルト氏の方へ交渉しておりますが、まだいつ來いという日時が指定されません。しかしこれは早速あることと存じますので、そのときには委員を選んでひとつお願いいたしたいと思います。 なお続いて御相談申し上げたいことは、その対日理事会に参りまするのに、こんなふうにもつていつたらどうか、こういうようなことでここに案文をつくりまして皆さんのお手もとに差し上げてありますが、これをごらん願います。これは案文でありますので、いろいろと御訂正及び取捨をお願いいたしたいと思います。一應読むことにいたします。 シーボルト対日理事会議長に対する衆議院海外同胞引揚に関する特別委員会委員長の挨拶要旨案 一、まずもつて、在外残留同胞に対する対日理事会側の從來からの好意に満ちたお取計らいの趣旨が日本國民にいよいよ深く理解され、國民がひとしく抱いている感謝の心持が、引揚促進の大会や引揚者大会その他で、最近ますます明瞭に表明されている事実を感謝の念をもつて御報告申し上げます。 二、去る二月十二日附のワシントンからの報道によれば、極東委員会において、旧日本軍捕虞七十万の取扱いに関し各委員の間でいろいろと熱心に議論せられ、「復員とは、捕虜についてはその者がその家郷に帰つたことである」ということが、あらためて確認せられたとの趣きで、これが日本國民に與えた感激はまたきわめて大きいのであります。 私は、衆議院海外同胞引揚に関する特別委員会の委員長として、同委員会を代表し、ここに連合各國特に米國側関係者の御好意に対し、深き敬意と感謝の念を表明するとともに國民の感激をお傳え申し上げ、併せて貴殿から極東委員会に対し、今回の御措置に関する日本國民の感激を御傳言あらんことをお願い申し上げます。 三、なおソ連関係地域からの残留同胞還送については、これが一日一刻も早く再開せられ、かつ第四十四回対日理事会における御主張の通り一箇月十五六万人以上の同胞が帰國し得るよう、貴殿に対する特に深き感謝の念を抱きつつ、國民とともに衷心よりあらためてお願い申し上げます。國内における受入の態勢については、この上ともこれを整備せしめて、万が一にも御期待に副わぬということのなきよう、お誓いする次第であります。これがシーボルト閣下に対して陳情いたす大体の趣旨をまとめたものでありますが、これについていかがでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 それではその次にシーボルト氏に対し、ソ連の大使館へ行くために申出を許可してもらうという意味でお願いする件ですが、 ソ連大使館訪問に関する申出の件 一、ソ連関係地域残留同胞七十万をぜひとも本年中に内地に帰還せしめられるよう努力方を懇請するため、最近の機会にソ連大使館を訪門いたしたく考えておりますので、御了承をお願いします。 二、なおソ連大使館において私が申し述べようと考えております点は、 1 一昨年(一九四六年)十二月ソ連関係地域から還送が開始されて以來、とにかく六十一万の同胞がその家庭に帰ることができたことは、その家族はもちろん一般國民もこれを喜んでいる、しかしソ連関係地域には未だ七十万の残留者があるので、このため國民生活がなお安定を欠いている状況であること 2 残留者があるため國民に與えている著しい影響は、 イ 残留者の大多数が一家の生計の中心たるべき人であるため、生活困窮家族が次第に増加している ロ 家族として情が逐次惡化し耐え得られなくなりつつあり、ひいては國民一般にも不安定の感を與えていること の二つの点であります。 こういうことでありますが、何かお氣づきの点は……。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 それではその次に、ソ連の大使館へ参りまして、衆議院海外同胞引揚に関する特別委員会の委員長としての挨拶の趣旨は、 一、まずもつて、一九四六年十二月上旬ソ連関係地域から旧日本軍所属軍人その他一般邦人の内地還送が開始されて以來今日に至るまでの間に、約六十一万の同胞が無事内地に帰り得たことについて、貴大使館員各位を初め、邦人還送に携わられた貴國関係官の御努力、貴國政府の御好意に対し、衆議院海外同胞引揚に関する特別委員会委員長として、同委員会を代表し、ここに深甚の謝意を表明いたします。 二、しかしながら、ソ連関係地域にはまだ約七十万の同胞が残つており、これらの人々に対し貴國側でいろいろ配慮しておられると聞いております。この御配慮に対して、私共はもちろん感謝するものではありますが、何分にも、残留者の大部は家族から遠く離れて氣候風土の全然違う土地で生活をしている関係から、その留守宅の人々はもちろん國民大衆は、非常に心配をしております。殊に留守家族の人達は、本人の留守ということから起つてくる家族としての心情あるいは生計の支柱を欠くということ、それに他の残留者の多数が帰つてきているのに自分の夫、子、父は未だに帰らぬという感情も加わつて、その憐れな状況はだんだん深刻な氣持となつて堪え得ないというところにきています。 この國民感情を反映して、衆議院内の各政党は残らず、引揚を促進しなければならぬと考えているのであります。 三、以上のような國内の状況であります。ソ連関係地域からの引揚げが、ぜひとも本年秋までには終るよう、貴大使館各位の御盡力をお願いいたします。 なおわが國における引揚者の受入態勢の整備については、私どもとしても、この上とも完全にすることについて、大いに力を入れることを誓う次第であります。 これがソ連大使館へ行つての陳情の趣旨でありますが、何かお氣づきの点がありましたならば……。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 その次にお諮りしたいことは國際連合にこの趣旨を訴願したらどうかというような議がありますが、この点はいかがなものでしよう。
○庄司(彦)委員 これはできるだけの手を盡す必要があると思います。
○天野委員長 もしそれがいいといたしますれば、大体趣旨といたしましては、 國際連合への訴願の要旨 一、終戰以來のソ連の邦人抑留状況 一九四六年十二月還送開始以來の還送状況、残留者の状況 二、多数人員の抑留状態がわが國内に及ぼしている影響 三、抑留下における衞生状況 (一例 引揚医師の調査) 四、人道上の見地に基く帰還促進方懇請 (目標 四月以降毎月十五万以上) こういうような四項目のものでありますが、いま少し詳細に書いてやつたらどうかと考えておりますが、何かお氣づきの点がありましたら一つ……。
○若松委員 國際連合に出されるのでしたら、データをはつきりさしていただきたい。たたぼんやりした話でなしに……。
○天野委員長 承知いたしました。その点は十分注意いたします。 それからいま一つ、先日全國の復員促進同盟の方が來られて、議員連盟で嘆願書を対日理事会及び國際連合へ出してもらえないかという話がありましたが、この点はどんなものでありましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 それではこれもやることにいたします。 それではこちらからの御報告はこの程度であります。あと御質問を願いたいと存じます。
○水谷(昇)委員 先般この委員会が懇談会を開きましたときに、今後どういうふうに活動をしたらいいかということを懇談したのでありますが、それにつきましては、この委員会においてたびたび各委員からそれぞれ質問もして、御答弁も得ておるのでありますけれども、この際ひとつ一括して御質問申し上げて、当局の御答弁を得たいと思います。 それはこれから先私どもの活動を続けていきますのに、どういう問題を解決したらいいかということであります。まず第一番に引揚げを促進して年内に引揚げを完了させたい、こういう熱望があるのであります。それにつきまして、具体的に申し上げますと、ソ連関係地域からは毎月確実に十五万人以上引揚げが行われるようにしたい。それから滿洲や北鮮、特の中共地区の残留者の情報を得るようにして、そうして急速な帰還をはかりたい。もう一つは外地裁判の公正迅速な実施と、内地服役が可能なように懇請の途をつけたい。もう一つは、服役者等特殊の環境にある者に至るまで保健の点に特に留意したい。こういう希望をもつておるのでありますが、これに対して御当局の御所見を伺いたいのであります。
○小島説明員 お答え申し上げます。今年度内に引き揚げるべき者がぜひ引き揚げ得るようにという方向に向つての努力は、本委員会における皆々樣方の強い御熱意を体しまして、われわれ事務当局も関係方面と不断に折衝を続けておるわけでございますが、われわれの事務的な見透しといたしまして、今年度の引揚げはどうなるかということを、手もとにある材料から見透しを立ててみますと、一昨年の十二月の月平均五万人帰還せしめるというあの協定を基礎にいたしますれば、昨年の十二月からこの三月まで四箇月間にわたつて、同じくその協定の條項に基いて引揚げが一時中止されておりますから、この四箇月分の空白を月平均五万人の割合に直すためには、今年の四月以降引揚げが再開された場合には、当初の四箇月間にわたつて、少くとも五万人分ずつ平均よりも多く帰らなければ、月平均五万の線が維持できないという見透しをわれわれは立てております。從いまして、今後のどの月にその増加が振り向けられるかはわかりませんが、四、五、六、七と、この四箇月間に冬の間の一人も帰らなかつた分を取返すといたしますれば、その四箇月は、少くとも十万人ずつ毎月帰る、この割でいきますれば、ただいま約七十万の未帰還者がございまするが、年内に引揚げは一應可能であるという見透しを立てております。 その次に満洲、北鮮、特に中共地区における残留者の情報を入手する手段、それの急速な帰還に関する点につきましては、ただいまのところこれらの地区から残留者の状況を正式に入手する方法は一應ないのでございます。というのは、特に中共地区について申し上げますと、ただいままでの調査によれぱ國府軍地区からの中共地区に向つての通信も、中共地区からの國府軍地区に向つての通信も、両方が禁止されておるという情報を得ております。從いまして最近割合に新疆方面から引揚げられました方々の報告によりましても、ほんのすぐ向うにある中共地区の状況がほとんどわかつていないということは、その両地区の交通、通信というものがほとんど完全に近い状況に遮断されておるということに基因しておるのでありまして、それではいかなる方法でその情報を入手するかと申しますと、在外邦人課におきましては引揚港である佐世保、舞鶴、函館に課員を派遣しておきまして、その港における引揚援護局及び上陸地支局の方々と密接な連絡をとりまして、その該当する地区からの引揚者についてごく最近の情報を入手してこれを基礎に所要の交渉その他を続けておるのでございます。中共地区からはときたまただいままでに脱出者がございました。北鮮からはいわゆる留用技術者がときどき解除されまして、これまた随時船で帰還しております。滿洲の國府軍地区からはときどきこれまは留用解除者が帰還しておりまするが、ただいま残つておる方々約四千五百名もそう遠からぬ將來に引揚げてこられるだろうという情報がはいつております。 次に、國外方面における裁判の公正迅速な実施と外地服役の問題について申し上げます。海外における戰犯関係の裁判等につきまして、その公正に行われるようにとの希望を体しまして、その関係裁判が始まつて以來、南方に対しましては日本人の弁護士や通訳を派遣して容疑者の弁護に努め、また容疑者の家族からの嘆願書を終戰連絡事務局、最近は連絡調整事務局から総司令部を経由して裁判所へ送付しております。中國方面における戰犯関係その他につきましても、総司令部を経由してその公正迅速なる裁判の実施を懇請しておりまするが、中國方面の戰犯裁判の促進振りに関しては関係者の間にその遅い点について不滿がしばしば傳えられましたが、ごく最近の情報によりますと、審理もきわめて速度を増してまいりまして、ただいまの情報によりますとここ一、二箇月の間に全部審理は終るのではないかといわれております。その審理の公正であるかどうかという点につきましても、関係者によりましては不滿の声を漏らすところなきにしもあらずでございましたが、最近は関係裁判所において有利を証言や証人の呼び寄せ、証拠の取寄せ等を認可するようになりまして、おおむる滿足すべき状況になつておるという報告を受けております。これらの関係の家族の方からの嘆願書もそれぞれ裁判所へ送付されております。こういう戰犯関係者の外地における服役の問題につきましては、その御当人はもとより関係家族その他の方々からの熱望がありますので、すでに政府は総司令部に対してその実現方を懇請しておるのでございますが、ただいままでの状況を申し上げますと、本件は時期尚早であるというような結果になつておるのでございます。もちろんわれわれの方におきましては、時期の熟したときは、ただちに何回でも本件を取上げまして、希望が実現できるようにと心がけております。 最後に、服役者と、特殊な地域にある者の保健に関していかにすべきか、この問題につきましては政府の從來特別に関心を拂つておりまして、國際赤十字委員会にお願いしまして、それぞれ視察をお願いしたいと思う地点に対して、國際赤十字委員会の代表の方に現地の視察を願つております。その視察の報告は賄時われわれの見もとに到達しておりまして、ただいままでのところこのような特殊な環境にある方々の状況は、程度の差はございますがおおむね満足すべき状況にあるとの報告に接しております。ごく最近は上海地区の抑留者の状況を報告していただいております。政府といたしましては、この報告その他引揚者や関係者からの希望の開陳を受けまして、これを参酌して南方、中國方面に向けて慰問品の発送を行いまして、栄養方面における不足を少しでも補つて差上げたいと努力をしております。ただいままで南方各地にわたりまして数回日用品、医藥品、娯樂品等を送りましたが、ごく最近は中国に向れまして衣類、食料品、藥品等を送る申請をいたしましたところ、総司令部から認可されまして、これを関係抑留者その他在留邦人で困窮状況にある者の救済のために差向けたいと、引揚援護院その他関係方面と連絡いたしまして、この計画を急速に実現するよう努めております。このような方法で実際上保健状況を改善するようにやつておるのでありますが、一番大きな項目といたしましては、ソ連地区に抑留されておる方々のことであります。これにつきましても中國方面に対する慰問品、救恤品発送の申入れと同時に、申請を進めておりますが、未だに許可の回答を受けておりません。その他の地区はほとんど全部送ることができましたので、この際残つた最もわれわれが関心を拂つておるソ連地区に対する救恤品送付の実現について、さらに力を注ぎたいと考えております。以上をもちまして御報告といたします。
○水谷(昇)委員 一番最初の引揚促進でありますが、御説明によりますと、休んでおつた昨年の十二月から三月までの四箇月の分、それを本年の四月以降四、五、六、七の四箇月に十万人ずつ環送させてもらうということにすると、大体見込みがつくというお話でありますが、やはり八月以降も十万人ずつでないとこれは完了しないように計算になりますが、その点は特にひとつ御交渉をいただいて、そして促進のできるように御努力を願いたいと思います。 それから満洲や北鮮、特に中共地区との連絡の御模様を伺つたのでありますが、これは通信その他の杜絶しておるので、私うようにいかぬようでありますが、さらにひとつ御研究を願いまして、できるだけかの地の状況を知り得るように御盡力を願いたいと思います。 外地裁判の点についていろいろ御努力願つておるようでありますが、内地の服役はまだ時期がこない、こういうことでありますから、これまた適当な機会に特別の御盡力を願いたいと思います。 それから特殊の環境の者に対する保健の点については、慰問品を送つていただいておるようでありますが、まことに結構であります。シベリヤの方はなお御交渉願つて、ひとつ慰問品発送の許可を得るようにしていただきたいと思います。この慰問品は大体先方の人数に應じていきわたるようにお送りになつておるのですか、どの程度にお送りになつておるのか。内容がわかつておりましたら御説明願いたいと思います。
○小島説明員 ただいままで慰問品を送付するにつきましては、送られる地域に抑留されておる方々の人数を調べまして、大体その送る慰問品を何箇月間にわたつて使つていただくかという計画を立てます。三箇月なら三箇月、半年なら半年、その間に衣服でございますれば一着ないし二着で半年もつ、タバコであれぱ一日に何本というような、それぞれ基礎の数字は違いまするが、金体三箇月なり半年の間に使われる品の数量を算出しまして、それもなるべくよけいに届くようにという配慮を加えまして送つております。
○水谷(昇)委員 その慰問品が先方に届いて配給せられるという状況はわかつておるのでございますか。
○小島説明員 ただいままでに南方は元の軍司令官の方々から非常に感涙にむせんでおるというような感謝状をいただいております。ごく最近佛印地区に送りましたものも、同様に非常に感激しておるという手当を受取つております。
○水谷(昇)委員 中國の方はこれから送るのですか。もう発送したのですか。
○小島説明員 中國地区は、ただいまの計画では、地区によりましては、御承知のような政情でありまするので、まず第一回は上海の中心に計画いたしております。從いましてその数は限られておるのでありまするが、最近の情報によりますると、戰犯関係者が各地の折留所から逐次上海に集結せられつつあるという状況でありますので、上海を中心にすることは、救恤品送付の目的からいたしますと、非常によく合致しておるという状況にございます。しかしながら、その他の地区にも今後続けてその方面に残留していられる方々のためにお送りしたいと計画しております。この上海地区に向ける救恤品は、ごく最近に許可が届きましたので、ただいま品目、数量、荷造り方法、発送期日等について関係省と打合せをして、できればごく最近の船便で送り出したいと計画しております。
○成田委員 すでに今まで問題になつているかもわかりませんが、引揚同胞の在外資産の問題についてちよつとお尋ねしてみたいと思います。 在外資産は講和條約が締結されなければどうこうというようにはつきりした処理ができないということはわかつているのでありますが、私が聞きました二、三の例のうち、引揚同胞の在外資産と申しますよりは、終戰当時に、たとえば在外の公使館、日本の出先官憲の給料支拂が困難だからということで、在外同胞に借金を申込んできた。これに対して金を貸して、たとえば正式に総領事の領收書もとつているという例があつたのですが、本人がいろいろ調べましたところ、二十一年度の議会が終了次第支拂うという話も聞いた。しかるに一向音さたがないのだがどういうふうになつているのかという質問を受けた。そういうことについて少し具体的な事情がわかつておりましたならば御説明願いたい。
○小島説明員 ただいま御質問は、事務的に申し上げますと、在外公館借上金、難民救済資金というこの二つの表現を用いまして、國会でもしばしば論議されたところでございます。ただいまの本件の状況を申し上げますと、終戰後大陸の各地で多数のいわゆる避難民が発生いたしまして、本國政府から当然これの收容送環の費用を送付すべきでありましたけれども、当時の事情から送れなかつたために、現地の在外公館、日本人会等がやむを得ず居留民の人々から借上げまして、本國へ帰つたら政府と交渉して返すという約束のもとに相当額の借入金を行つているのであります。このような借入金は事の性質上事後において政府としては当然追認すべきものであるという見地に立ちまして、これはある非常災害を救済するための政府の行政費的な支出と考える考え方に立ちまして、最近までこれの返済処理に関する交渉を続けておりましたが、ごく最近に至りまして、一月三十一日の参議院本会議における緊急質問に答えて、外務大臣及び大藏政務次官から、この金は支拂うべきものであるという答弁がなされております。事務当局におきましてはこの方針に從いまして、目下借上金の行われた実情の究明に努めております。いずれにいたしましても、これは混乱時におけるでき事でありまして、証拠書類の蒐集等に非常に困難を感じておりまするが、原則的には解決するというところにすでに結論が來ておりまするので、事務的処理の段階を急速に進めております。ただこの問題の終局的処理に関しましては、本件は在外資産に属する、從つて在外資産の凍結令に該当するという非常な難点がございます。それと困窮者無差別待遇という強い原則がありまするので、当局といたしましては、この解決に対して合理的なる案を附していかない限り、内部限りの決定では即座の解決にまで達し得ないという状況にありますので、その方面を急速に進めようという段階にただいまございます。以上もをつてお答えといたします。
○成田委員 そういたしますと、在外資産としてお取扱いになつておるわけですか。
○小島説明員 これは性質上在外資産になるわけでございますが、いわゆるごく最近動産、不動産という在外資産一般とは切り離すという建前で、独立の処理を要するという方針にきまつたという意味合いでございます。
○天野委員長 それでは御質問がないようでありますので、本日はこの程度に止めて散会いたします。 午後二時五十一分散会