本会議 第61号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1947/12/03
会議録
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) これより会議を開きます。日程第一、最高裁判所裁判官國民審査管理委員の選挙、委員の数は十名でございます。
○北條秀一君 只今議題となりました最高裁判所裁判官國民審査管理委員の選挙につきましては、正式の手続を省略して議長の指名によることの動議を提出いたします。
○村尾重雄君 只今の北條秀一君の動議に対して賛成をいたします。
○議長(松平恒雄君) 北條秀一君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、 中山 壽彦君 三木 治朗君 尾崎 行輝君 岡田喜久治君 仲子 隆君 山下 義信君 大野木秀次郎君 堀 眞琴君 小野 哲君 松井 道夫君 を指名いたします。(拍手) —————・—————
○議長(松平恒雄君) 日程第二、赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)、日程第三、健康保險法及び厚生年金保險法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、日程第四、國民医療法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、日程第五、毒物劇物営業取締法案(内閣提出、衆議院送付)、日程第六、医藥部外品等取締法案(内閣提出)、以上五案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議なしと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。 〔塚本重藏君登壇、拍手〕
○塚本重藏君 只今上程せられました五法律案につきまして、順次厚生委員会の審議の結果を御報告申上げます。 先ず、赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律案につきまして、審議の経過並びに結果を簡單に御報告申上げます。本法案は現に効力を有する赤十字記章名称等使用者処罰に関する勅令が、日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律の規定によつて、本年末限りその効力を失うのであります。然るに赤十字の標章及び名称等の保護に関しましては、赤十字関係の國際諸條約によつて、各締約國の國内法に基ずいて保護すべきことを規定しているのであります。よつて新たに法律を制定するの必要があるのでありまして、同勅令の内容を大体本法案の内容といたしているのであります。即ち赤十字の標章及び名称等の濫用を禁止し、次に日本赤十字社にこれが使用を認め、且つ無料救護所の場所を表示するために使用せんとするものは、赤十字社の許可を受けなければならないことを規定したのであります。政府委員より提案説明の後、質疑に入り、緊張の事態が発生し、許可を受けるいとまなき場合において、而も標章を使用する必要がある場合の措置如何、並びに日本赤十字社法を制定しては如何との質問がありましたが、政府側から、日本赤十字社法の制定は愼重研究の上御趣旨に副いたいとのことであり、尚緊急なる場合の標章使用につきましては、予め適当な方法を取りまして、事前に包括的に許可し、万支障なきようにいたしたいとの答弁がありました。その他二三の質疑應答がありまして、これを終了し、昨十二月の二日に討論を省略いたしまして、採決の結果、全会一致を以て原案を可決すべきものと決定いたしました。 次に、健康保險法及び厚生年金保險法の一部を改正する法律案につきまして、審査の経過並びにその結果を簡單に御報告申上げます。本改正法律案は、健康保險法及び厚生年金保險法における被保險者及び保險の給付を受ける者に対する各申出又は届出の義務並びに健康保險法の被保險者及び保險給付を受ける者に対する罰則の規定が各施行規則に規定せられていたため、憲法及び行政官廳法の規定に違反するものであり、施行と共に失効すべきものが、先きに制定実施いたされました日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律の規定によつて、本年十二月末日まではその効力を有することとなつたのでありますが、來年一月一日以降はその規定が失効いたしますために、今回法律にその根拠を規定し、併せて裁判所法施行に伴う所要の改正がなされたのであります。本法案は特に十一月二十日医療制度に関しまする小委員会にその審議を付託し、審議を重ねたのでありますが、昨二日小委員会においては、原案通り可決すべきものと決定した報告を受けましたので、これ亦討論を省略いたしまして、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。 次に、國民医療法の一部を改正する法律案について、厚生委員会の審議の経過並びに結果を御報告いたします。この法律案は、國民医療法に基ずく現行の省令でありまする國民医療法施行規則、保健婦規則、助産婦規則及び看護婦規則中の罰則規定その他であつて、昭和二十二年法律第七十二号第一條の規定によつて、本年末限りその効力を失うものの効力を存続させるために、國民医療法に基ずく國民医療施行規則、保健婦規則、助産婦規則及び看護婦規則中の罰則規定を國民医療法中に規定すると共に、國民医療法中の命令委任の規定を整備する等のために提出せられたものであります。本案は内容も極めて簡單なものであり、当然の立法でありまするので、質疑もなく、昨年十二月二日の厚生委員会におきまして、討論を省略して、全会一致を以て原案を可決すべきものと決定いたした次第であります。 次に、毒物劇物営業取締法案について、その審査の経過並びに結果を御報告申上げます。本案に関する厚生委員会は十一月二十五日、二十七日及び十二月二日の三日に亘つて委員会を開き審議を行いました。この法律案は毒物又は劇物による危害を防止し、公共の福祉に寄與するために、毒物劇物営業を取締ることを目的とするものであつて、現在このための取締法令である毒物劇物営業取締規則は、昭和二十二年法律第二十二号第一條の規定によつて、昭和二十三年一月一日以降当然失効いたすことになるので、これに代るべき法令であります。法案の内容は、現行の毒物劇物営業取締規則と殆んど同一であります。而も可なり親切な逐條説明書及び資料が提出せられましたので、質疑は簡單に終了いたしました。昨十二月二日討論を省略いたしまして、これ亦全会一致を以て原案を可決すべきものと決定いたしました。 最後に、医藥部外品等取締法案につきまして、その審議の経過と結果を御報告申上げます。この法案は昭和七年内務省令第二十五号医藥部外品取締規則及び有害化粧品取締の明治三十三年内務省令第十七号有害性着色料取締規則が、昭和二十二年法律第七十二号の日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の効力等に関する法律によりまして、本年十二月三十一日限りその効力を失いまするので、これに代えて新たに医藥部外品及び化粧品の取締に関する法律を必要といたしますので、從來の医藥部外品取締規則に化粧品を加え、医藥部外品等取締法案といたしまして提案されたものであります。 質疑應答によりまして、從來の取締規則を変えた次の四つの点が明らかにされました。その一つは、化粧品を全面的に取入れた点、第二は、医藥部外品について発賣の免許制を製造業の許可制とした点、第三は、医藥部外品又は化粧品は厚生大臣の定めた規格に適合したものでなければ製造してはならないとした点であります。第四は、衛生上危害防止の見地から罰則を強化した点であります。尚今後は取締を強化し、製造貯藏、陳列又は販賣の場所に立入り、随時調査試驗を行い、公衆衛生の見地から万全を期するとの方針が明らかにされました。 かくて討論に入り、姫井委員から、取締について不徹底の恐れがあるので、第九條の取締について、使用者側から監視を嚴重にしたいとの趣旨から、「医藥部外品又は化粧品の使用者で、変質若しくは変敗した市販品を発見し、又は市販品により衛生上危害を受けた者は、その現品を添えて都道府縣知事に届出ることができる」の一項を加えたいとの修正意見がありました。これに対し小林、中平、千田各委員から個人の届出を法律に定めることは、商賣敵を陥れる手段に利用される恐れがある。本法は取締規則も強化されておる等の理由で、修正案は必要ないのであるとの趣旨の意見があり、政府原案に賛成の意見が述べられました。政府側からも、それは法律事項であるか否かの疑問であるから、運用上第九條の取締を嚴重に実施することによつて、その徹底を期する旨の言明がありましたので、右の修正意見は提案者からこれを撤回されました。よつて直ちに採決いたしましたところ、全会一致を以て原案を可決すべきものと決定いたした次第であります。以上簡單でありますが、五法律案の委員長報告を終ります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければこれより採決をいたします。五案全部を問題に供します。五案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて五案は全会一致を以て可決せられました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) 日程第七、船員法戰時特例を廃止する法律案(内閣提出、衆議院送付)、日程第八、造船事業法を廃止する法律案(内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸及び交通委員会理事小野哲君。 〔小野哲君登壇、拍手〕
○小野哲君 只今議題となりました船員法戰時特例を廃止する法律案及び造船事業法を廃止する法律案に関する運輸及び交通委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。 船員法戰時特例を廃止する法律案及び造船事業法を廃止する法律案は、おのおの十一月二十八日に委員会に付託せられたのでありますが、予備審査を含めて十一月二十六日、同じく二十八日及び十二月一日の三回、両案共一括議題として審査いたしました。船員法戰時特例と申しまするのは、許可認可等臨時措置法に基ずく委任命令でありまして、旧船員法の下において、船員の雇入契約の更新又は変更の場合、管海官廳の公認を受けること、並びにその公認を受けるために船員が管海官廳に出頭することの二点を免除した勅令であります。この勅令は戰時中におきましては官廳事務を簡易化したものであり、又終戰後は輻湊しておりました 帰還輸送等のために、止むを得ずその存続を必要としたものでありましたが、現在ではその必要がないのみでなく、船員保護の完璧を期する上からも、速かにこれを廃止する必要があるのであります。 次に造船事業法を廃止する法律案でございますが、この法律は戰時における船腹の増強を図るために、造船事業の統制と保護を目的とした法律でありまして、造船組合に関する規定その他の点でいわゆる独占禁止法の精神に反するところが少なくありませんので、これを廃止しようとするものであります。 次に、質疑の主なものを申上げますれば、船員法戰時特例を廃止する法律案につきましては、この特例は勅令であるから、船員法の施行と同時に速かに廃止せらるべきではなかつたかという質問に対して、政府側から、この戰時特例は勅令ではあるが、これが廃止は、その内容から考えて、新憲法の精神に則り法律を以てしなければならないという見解に到達するために手間取つた次第であるとの答弁がございました。又造船事業法を廃止する法律案については、この法律廃止後において、船舶の建造及び造船所新設等についていかにする考えであるかとの質問に対して、政府側から、今日の國際情勢並びに我が國の現状から考えて、造船事業関係の調整について新らしい法律を來期國会に提案する予定で目下準備中である。そのために施行期日も來年の三月三十一日にいたしてある次第であるとの答弁がございました。 かくて十二月一日質疑を打切り、討論に入り、別に発言もなく、直ちに採決をおこなつたのでありますが、両案を一括して全会一致、政府原案通り可決すべきものと決定いたした次第でございます。以上簡單でございますが、御報告を終ります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) この際日程の順序を変更して、日程第九より日程第十三までの請願及び日程第二十五より第二十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文教委員長田中耕太郎君。 〔田中耕太郎君登壇、拍手〕
○田中耕太郎君 議題となりました文教委員会関係の請願並びに陳情の処理につきまして御報告申上げます。 案件を大別いたしますと、教育制度に関しまするものと、教育内容に関しまするものと、それから校舎、学校施設、教科書、学用品等に関するものの三つに分れると思います。 第一の教育制度に関しますものにつきましては、六・三制教育制度の経費を全額國庫負担とすることに関する請願二十一件、陳情第十号外三十件ございますが、これは同じ趣旨の請願がすでに九月十八日の本会議におきまして可決せられておるのでございます。それから次に勤労青年教育の定時制高等学校設置に関する請願でございまして、十二号外二件、同種陳情三百五十八号外八件出ております。これはいわゆるパートタイムの青年教育の高等学校を設けようというわけでございまして、青年学校と同じ性質のものではない。つまり高等学校と青年学校のいずれのものでもない新らたな意味における勤労青年教育をやろうというわけのものでございます。請願の趣旨は、明年度に設置されたいということと、それから青年学校教員の再教育その他待遇改善の問題でございます。それから盲教育義務制の実施に関する陳情、二百二十一号でございます。これは一般普通教育におきまして、六・三制が実施されておるのに、盲教育については実施されていない、だから義務制として欲しいという趣旨でございます。 それから教育内容に関しまするものといたしましては、教員養成の諸学校に宗教講座を設置することに関する請願第一号がございます。これはつまり宗教教育の必要性、現時の道義の頽廃等を考えてみまして、又憲法におきましても信仰の自由、宗教情操の涵養というような観念が主張されておるのに拘わらず、宗教というものについては余りに理解がないのでは困るというところから、全宗教界の一致を以て提案されておるのでございます。 それから第三番目に校舎、学校施設、教科書、学用品等に関する陳情、請願が多数出ております。それには水害校舎復旧並びに教科書学用品配給に関する請願三百九十二号というのがございますし、尚その以外に教科書が一般的に不足しておる、又学校施設が甚だ不備で、ガラス窓が割れておつて、そうして修理されないでおるとかいうような、いろいろなそういう施設の不備を早く整備するようにという趣旨の請願、陳情でございますが、四十三号外九件ございます。それから学用品が一般的に非常に不足しておるから、それを早く補給するようにという陳情八十七号がございます。 最後に教職員の待遇に関するものでございますが、特にこれはへきすう地勤務教職員優遇に関する請願が出ております。僻陬地は物價が誰でも安いだろうと一應考えますが、併し案外物價高である。又交通は不便で交通費等も掛かるから、赴任者がなかなか喜んで行かない。又現に勤務しておる者も引揚げて來るような者が多数ある。これでは困る。で特別手当を支給すること、或いは地下足袋、自転車その他生活必需品を特配されるようにという請願でございます。で、これらの請願並びに陳情はいずれも委員会及び小委員会におきまして、極めて熱心且つ愼重に討議せられまして、委員会はそれぞれ趣旨をいずれも尤もなものといたしまして、全会一致を以て議院の会議に付することを要するもの、且つ内閣に送付することを要するものと決定いたしました。 ところで、右の諸案件中におきまして、委員会で特に立入つて論議檢討いたしました一二のものにつきまして補足して御説明申上げて置きます。 その一は師範学校、高等師範学校、その他の教員養成機関におきまして、宗教に関する学科目又は講座を設置することの請願でございます。特に論ぜられました点は、一つは憲法二十條第三項の宗教教育の禁止の條項との関係でございまして、これについては分離的の議論も出ました。又憲法の意味は、特定の宗教宗派の教育の禁止の意味に解しなければならないというような議論も出ました。又一体宗教教育の目的はどこにあるか。情操教育であるか。それとも知識教養を與える意味の教育であるかということにつきましても論議が交されました。科目の種類をどうするかということにつきましても、請願にはそれがありませんから、どういうふうにすべきであるかというようなことについても意見が交換されました。又これは全教育体系、教育改革の内容の一環として檢討しなければならないのではないかというような意見も出ました。又適当な担任者が果して得られるかどうかというような点につきましても意見が出たのでございます。結局この問題につきまして、教育基本法にはその第九條にございます。九條の第二項に特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならないということになつておりまして、憲法の問題については、委員会の空氣は憲法違反だというような結論には到達いたしませんでした。從つて異議なく全会一致を以て可決されましたような次第でございます。 それからその二は、勤労青年教育の定時制高等学校設置に関する請願でございます。その重要性につきましては何人も異存がないところでございまして、全國の八〇%の青年の教育ということになりまして、今まで継子扱いになつておつたような点が多々あつたのでございます。これは教育の機会均等の意味からして、是非早く実施しなければならないことであります。ただその科目の内容につきましてはいろいろ意見が出ましたが、これは併しまだ檢討すべき点は多々あるのでありまして、それがどうなるかということによりまして請願の趣旨に変更を來すわけではないのでありますから採択することになりました。尚文部当局の答弁によりますると、來年の四月から実施するということになつております。ただ義務制の問題ということになりますると、これは請願の範囲を超えるのでありますが、これは現在の普通の高等学校の方で義務制になつておりませんから、この勤労青年教育のパートタイムの高等学校だけを義務制にするわけには行かないという答弁でございました。 かようにこの二件につきましては特に論議されましたが、結局全会一致で以て採択せられることになりましたのでございます。これを以ちまして文教関係の請願並びに陳情につきましての御報告を終ります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定せられました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) この際日程の順序を変更して、日程第十四及び第十五の請願及び日程第三十より第三十二までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文化委員長山本勇造君。 〔山本勇造君登壇、拍手〕
○山本勇造君 只今議題となりました観光に関する請願二件、陳情三件につきまして、委員会における審査の経過並びにその結果について御報告を申上げます。 観光國策樹立に関する請願と、観光國策確立に関する陳情とはその趣旨が殆んど同じでありまして、どちらも観光事業を國家の重要政策として採上げて貰いたいというのであります。我が國は敗戰の結果、その國土は縮小をいたしまして八十年前の姿に還つております。反対に人口の方は当時の二倍以上に増加しております。現在食料を初めといたしまして、沢山の重要物資を輸入しなければならないのに、これに対する見返り品が十分でないのであります。こういう困難な際に、この経済上の難関を乗切るためには、いわゆるインヴイジブル・トレードであるところの観光事業を起すのがいい、幸にして我が國は景色が美しい、又温泉に惠まれておる、その外エキゾテイツクな文化と情趣とに富んでおる、そういう点から世界の観光國として最もよい條件を備えておるのである。そればかりでなしに、世界の交通が著しく便利になつたことと、為替相場が安くなつておること、又海外における日本の観光熱が非常に高まつておる、こういうふうな外部的な條件も極めて有利になつておる。そうであるからして、この観光事業は外貨の獲得に非常に有望な事業であつて、これが盛んになりますならば、それは國民の生活になくてならないところの食糧或いは生産資材の輸入に対しまして、有力なる見返り品の代用として國家経済に大いなる役割を果たすことになるのであります。又これに伴なつて輸出産業は増進し、地方の特産品の海外進出も行われる。例えば、フランスの香水であるとか、ドイツのゾーリンゲンの刄物であるとか、ああいうふうなものは観光客が土産品として國に持ち帰つて、それが因になつてあのように世界的に拡まつて行つたというような事実も考え合されるのであります。この事業は経済的の方面ばかりでなくて、文化の方面から見ましても大きな役目を持つておる。從來日本は軍國主義の國として世界から眺められておつたが、これを拭い去るためには、政治外交の力だけでは不十分なので、直接に日本を見て貰つて本当に日本の姿を知つて貰う。本当に日本を知つて貰うということは文化國家として日本が立つて行く上で最も大事なことである。又我が國民にしましても、世界の人々と身近に接触するということは、その生活の上においても又思想の上においても非常に利益が大きい。観光事業というと、とかく外人関係のものであるというふうに考えられがちでありまするけれども、併しこれは外人だけの問題ではなくて、國民にとつても樂しい旅行ができるわけでありますからして、体位の向上とか、文化的教養を増進するとか、そういう方面にも役立つて行くのでありまするし、又地方の特産品が海外に出るということになりまするならば、郷土藝術が高められるというような点にも大きな収穫があるのであります。 以上のような次第でありまするからして、この観光事業というものは、内外の條件も揃つており、利益も、経済文化両方面に亘つておつて、非常に大きい意義のあるものでありますが、これに対しただ一つだけ欠点があるのであります。その一つの欠点というのは、観光客を迎えるに当りまして、その設備が十分にできておらんという点であります。そこで、こういう陳情やら請願が提出されて來るわけでありますが、政府に対しましてこの点を質しましたるところ、片山総理大臣は、趣旨は至極尤もである。併し今日の金融状態と、資材の関係からいたしまして、今すぐに大きな観光事業を起すということは無理であるけれども、これを放任して置くことはよくないことであるから、観光客を迎える準備は今の中から進めなければならない。併しながらそれは金と資材の余りかからないものから始めて行きたいと、こいうような答弁でありました。又一松厚生大臣、それから苫米地運輸大臣はこれに対しまして、かなり積極的な意見を持つておいでのようでありました。まだこの問題は閣議には掛かつていないが、掛つて來るようなことになれば、自分たちはできるだけこれに向つて推進して行きたい。こういうふうなお言葉がありました。 次に観光審議会設置に関する請願は、観光事業というものが重要なものであるという点に鑑みまして、内閣に観光審査会乃至は観光委員会というようなものを設けて貰いたいというのであります。現在の國内の事情からいたしますと、今すぐ観光省とか、観光院とかいうものを設けることは困難であろう。併しながら現在観光関係の事務は運輸省、厚生省等十一の官廳に分轄されており、その間に十分な連絡が付いていない。これでは観光事業の発展は望めないから、これらの分れ分れになつておるところの事務を、一段高い所から綜合統括して、それぞれの官廳の機能を有効に働かせるような委員会を作り、そこで定めた根本の方針に從つて、統一のある活動をすることが、今日最も急務であるというのであります。この趣旨には政府も賛成でありまして、片山首相、一松厚相、苫米地運輸相、和田安定本部長官らも、近くこれを設置することを言明いたしたのであります。 次の陳情は観光事業上ホテル事業法の制定等に関する陳情でありまして、宿泊の設備に手落ちがあつては、外國のお客を呼び寄せても逆効果を招く虞れがあるから、この際、國際観光事業に対する根本的政策を決定すると共に、ホテル事業法を制定し、ホテル事業の振興について必要な措置を講ぜられたい。こういうのであります。政府においてもこの趣旨には反対はないのであります。 最後は神奈川縣下の観光施設整備に関する陳情でありまして、同縣は東京都の隣に位しており、海外交通の重要な門戸であります。又箱根とか鎌倉とか三浦半島などは、海外にも知られておる有名なる観光地帶でありまするが、これらの地域における道路は非常にいたんでおるから、國庫の補助によつて至急補修すると同時に、観光のための自動車用燃料を殖やして貰いたいと、こういうのであります。この最後の陳情は、外の観光地帶にも関係のあることでありまするし、而も資材その他が窮屈になつておる今日、軽々しく取上げることはできないのでありまするけれども、関係当局を呼びまして詳しく尋ねましたるところ、神奈川縣は、これらの問題に関しましてやや優先的な取計らいをいたしましても、必ずしも偏頗な処置にはならないというようなことも明らかになつたのであります。 初めに御説明いたしました通り、観光事業は重要な政策であると思いますので、文化委員会におきましては、特に小委員会を設けて、観光事業の根本方針を調査研究すると同時に、提出されましたすべての陳情、請願等を審査いたしたのでありますが、その小委員会におきまして檢討いたしたものを、改めて委員会に掛け、更に討議をいたしまして、採決に付しましたるところ、以上の陳情、請願五件は、全会一致を以て採択と決定したものでございます。よつて本会議に付し、更にこれを内閣に送付すべきものと議決いたしましたものでございます。 尚この際ちよつと申添えて置きたいことは、観光事業調査のための小委員会、並びに出版法規調査に関する小委員会を設けることにつきまして、先に議長に請求をいたしまして、その許可を得て、おのおの小委員会を設けまして、そこで調査をいたしましたるところ、委員各位の非常なる御熱心と、それから専門調査員並びに法制部、調査部等の助力によりまして、この度二つの小委員会でそれぞれ調査報告書を作成をいたしました。この二つの報告書は印刷に付して近くお手許に配付されることになつておりますから、御覧を願いたいと思うのであります。出版小委員会の委員は七名、小委員長は久松定武君、又観光小委員会の委員は九名、小委員長は高田寛君であります。以上を以ちまして私の報告を終ります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定せられました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第十六より第二十一までの請願及び日程第三十三より第三十五までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。労働委員長原虎一君。 〔原虎一君登壇、拍手〕
○原虎一君 只今議題となりました請願第四百五号の積雪寒冷地越冬手当即時支給並びに越冬衣具特別配給に関する請願、 〔議長退席、副議長着席〕 請願第四百六十五号の雪害地手当支給に関する請願、請願第四百二十一号、請願第四百五十五号、請願第四百八十三号の税務職員の待遇改善に関する請願、請願第五百十九号の日傭労働者に対する特令制定に関する請願、請願第五百二十三号の京都府綴喜郡の地域給支給に関する請願、請願第五百九十六号の池田市及び豊中市の地域給を特地とすることに関する請願、並びに陳情第四百四十五号の労働者教育充実に関する陳情、陳情第五百三十号、別府市の勤務地手当地域給を特地に引上げることに関する陳情、陳情第六百六号の税務職員の待遇改善に関する陳情につきまして、労働委員会における審議の経過並びに結果について報告をいたします。これらの請願、陳情の中、請願第五百九十六号と陳情第六百六号とは当委員会におきまして、その他の請願、陳情は特に小委員会を設けまして、いずれも愼重に審議をいたしました次第であります。 先ずこれらの請願及び陳情を大別いたしますと、労働者の給與等に関する問題と、労働者の教育に関する問題との二問題であります。労働者の給與等の問題を更に細別いたしますと、税務職員の待遇改善問題、官公廳職員の地域給の引上げ問題、寒冷地に対する特別給與等の問題、日傭労働者の給與等の四問題になるのであります。労働委員会は十一月十三日より委員会を三回、小委員会を三回開催いたしまして、政府よりは労働省政務次官、労政局長、基準局長、職業安定局長、大藏省主税局長、給與局長、運輸省陸運管理局長が出席いたしまして、熱心なる説明及び答弁があつたのであります。 これから右の請願及び陳情の審議の経過の概要を、先程申述べました順序に從つて申上げたいと思います。 先ず労働者の給與関係でございますが、その中で最も大きな部門を占めておりますのが税務職員の待遇改善の問題であります。これは請願第四百二十一号、請願第四百五十五号、請願第四百八十三号、それから陳情第六百六号でございます。これらの請願、陳情はすべて同一趣旨のものでありますから、ここに一括して御説明を申上げます。税務職員は、御承知のごとく健全財政の要件たる租税歳入確保のために、種々危險や困難なる條件の下に執務しておるのでありまするが、本請願又は陳情の趣旨の骨子となつておりまするところは、現在税務職員の給與が他の官吏に比較しまして二三級低位にあるということであります。更に現在の給與においては、税務の完全なる遂行の見地からしまして、その組織並びに税務官吏の質、量においても、非常に不満な点が多いので、税務機構の拡充を至急に果されたいとの請願並びに陳情であります。そうして税務官吏の最低生活が確保せられるために特別の措置がなされますならば、税務職員は租税歳入の確保のためには、幾多の困難を克服して、公僕たる責任を十分に果し得るであろうと主張しているのであります。これに関しまして政府委員より説明を聽取いたしましたところ、目下税務職員の待遇改善については適切なる措置が講ぜられているようでありまするが、執務上諸般の困難に直面する税務職員の待遇を改善することは、現下の急務であると考えまして、本請願並びに陳情の趣旨を妥当と認め、採決の結果、全会一致を以て本会議において採決せらるべきものと決定いたしました。又全会一致を以て内閣において迅速に措置するを適当と認めまして、内閣に送付すべきものと決定いたしました次第であります。 次に労働者の地域給引上の問題でありまするが、これは請願第五百二十三号、京都府綴喜郡の地域給支給に関する請願、請願第五百九十六号、池田市及び豊中市の地域給を特地とすることに関する請願、今一つは、陳情第五百三十号、別府市の勤務地手当地域給を特地に引上げることに関する陳情、この三件であります。以上の三件共それぞれ現在官公廳職員に行われておりまするところの地域給の中で、京都府綴喜郡池田市及び豊中市並びに別府市は、極めて高物價地帶でありますので、現在の地域給の額を更にそれぞれ適当な所まで引上げて貰いたいという趣旨のものであります。即ち京都府綴喜郡は、京都市、大阪市、奈良市の物資の補給源でありまして、諸物價の指数は大阪市に比べまして約一・二倍の現状でありますから、地域給の恩典に浴し得るよう取計られたいとの趣旨であります、又池田市、豊中市の両市は、地理的関係から農産物の生産入荷は僅少でありまして、その殆んど全部が大阪市経由の物資に依存している実情でありますから、物價はいよいよ騰貴の一途を辿つておりまして、両市の官公廳職員の生活は他の衛星都市より誠に困難であり、すでに堺市、布施市等の地域給が特地と認定されているに反して、両市が未だに甲地のまま残されていることは不合理でありますから、大阪市と同等に特地に引上げられたいとの趣旨であります。又別府市は純然たる消費都市でありまして、多数の非生産的商人等の消費者や、土地業者の強引なる購買力等によりまして、生活必需物資の特異的なる高騰は正に日本一ともいうべきであるにも拘わらず、現行官廳職員の給與制度が乙地として放置されているので、非常に生活の脅威にさらされている。先般福岡市が甲地から特地に引上げられたが、当市は福岡市よりも高物價にあつて、京浜、阪神にも比肩している現状でありますから、是非とも勤務地手当地域給を特地へ編入されたいとの趣旨であります。これにつきましては大藏省の政府委員より、現在の研究課程に関する詳細なる説明を聽取したのでありますが、現在の地域給が果して全地域に亘りまして適当でありますかどうかということは、相当に疑問でありまして、目下種々研究是正中とのことでありました。從いまして、これらの請願及び陳情の趣旨は大体において妥当であると認めました。ただ政府は全般的にこの問題を取上げ、各地の経済実相と生活実態をよく考慮しまして、地域給に対しては最も適正な給與が決定されまするように、現行の地域給について檢討是正すべく、近く行う新給與制の実施に当つては愼重に善処し、速かに解決を図るべきである。以上の趣旨によつて、内閣に申達する必要があると決定されたのであります。 次に、寒冷地の特別給與並びに必需物資の特配の請願について説明を申上げます。これは請願第四百五号積雪寒冷地越冬手当即時支給並びに越冬衣具特別配給に関する請願と、請願第四百六十五号雪害地手当支給に関する請願と、この二件であります。前者の請願は北信地方五縣、後者の請願は新潟縣下いずれも特殊の地勢と気候のために、冬期四ヶ月間丈余の積雪下に生活するための特別の費用及び必要物資の支給方について、官公廳職員より政府に要請したものであります。これはすでに世間においても盛んに論議の対象となつておりますことで、諸君も十分に御承知のことと存じますが、北海道或いは東北、北陸地方におきましては、特に寒冷甚だしく、冬期の生活のために特別な給與が支給されなければ生活の維持ができ難い。殊に今日のインフレ下におきまして、官公廳職員の家庭には越冬施設のために貯藏する余裕は全くないのでありまして、政府に対して即時善処方を要望して参つたのであります。特に前者の請願におきましては、寒冷地用の防寒具又は繊維類、履物等の特別配給について、強く要望しているのであります。 現下の経済事情を勘案いたしまして、この二件の請願は、極めて迅速に取上げ、急速に解決を図るべき問題であると考えまして、その趣旨の大体を妥当と認め、政府において適当に且つ迅速にこれが実現さるべきものとの意見の一致を見て、内閣に送付すべきものと決定いたしました次第であります。 次に請願第五百十九号日傭労働者に対する特令制定に関する請願について説明いたします。この請願の趣旨の大要は、日傭労働者が一般常傭労働者に比較して多くの差別待遇をされておる。即ち失業保險の適用より除外され、或いは労務用特配物資の差別を受けておる。政府はこれらの撤廃を行う特令を制定されたいというのであります。この問題につきましても、労働省の政府委員より、詳細なる説明を聽取いたしましたが、この請願の内容となつておる事柄につきましては、すでに現行法規によりましても、その運用上十分に処置し得る点も多々あるようであります。併し現下の実情は、関係法律の実施後日尚浅く、十分にその実績を挙げていない点もありますので、やはり今後の行政の迅速化、適切化を図るために、内閣に送付いたしまして、政府の善処方を要望するのが妥当であるということに決定せられたのであります。 最後に、陳情第四百四十五号労働者教育の充実に関する陳情を説明いたします。この問題は、福岡縣の縣会議長から陳情せられておるものであります。福岡縣は大いなる生産縣であり、労働者の数も非常に多いにも拘わらず、労働者教育の経費と施設が極めて僅少であつて、最も重要であるべき労働者教育のために万全を期することができないので、早急に労働者教育の施設につきまして、政府において善処されたいとの要望であります。これにつきましては、基本的な労働者の教育はいかなる構想を持ち、誰がやるべきかというような点が明らかにせられなければなりません。つきましては、労働省から土井政務次官に出席を求めまして、現在労働省の方針を具さに伺つたのであります。そうして労働者の教育は飽くまでも労働者が自主的に自分でやるべきものである。併しそれにつきましては、現在の労働者の諸般の教育をする施設なるものが、どの縣においても極めて貧弱である。こういうものについては政府においても何らかの措置を講じたいという旨の答弁があつたのであります。労働者の教育は一日も早く充実されなければならない現下の重要問題であります故に、今後は政府においても特に新らしい構想の下に、而も自主的にして民主的な労働組合の発達のために、善処すべきものであるという趣旨によつて、この陳情も妥当なものと認め、これを内閣に送付することが適当と決定した次第であります。 以上を以ちまして、当委員会におきまする請願及び陳情に関する審議の状況の報告を終ります。(拍手)
○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます、よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○副議長(松本治一郎君) 日程第二十二より第二十四までの請願及び日程第三十六より第三十八までの陳情を一括し議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。 〔木下辰雄君登壇、拍手〕
○木下辰雄君 只今議題となりました請願第四百七十八号外二件及び陳情第三百四十号外二件につきまして、水産常任委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。 請願第四百七十八号は福島縣澁佐漁港船たまり工事に関する請願であります。紹介議員は橋本萬右衞門君でありまして、請願の要旨について御説明を承つたのでありますが、同港は古來より避難港船溜りとして極めて良港でありましたが、対岸御堂崎の岩壁自然崩壊のために河口が非常に浅くなつて、漁獲物の水揚げ不可能であるから、速やかに國庫補助により船溜りの構築を希望するというのであります。 請願第四百八十六号は、福島縣松川浦漁港第二期修築工事促進に関する請願であります。紹介議員は同じく橋本萬右衞門君でありまして、その説明によりますと、同港は福島縣東北部唯一の良港で、食糧増産上緊要であり、政府においてもすでに修築計画をなし、昭和七年より同十三年まで第一期工事を竣工し、更に昭和二十一年より第二期工事に着手現在に至つておりまするが、昭和二十三年度におきましては最大限度の工事費予算を以て修築を希望するというのであります。 請願第五百七号は、北海道の燒尻漁港の築設に関する請願であります。紹介議員木下源吾君から請願の要旨について詳細なる説明がありました、同港は利尻と小樽の中間にある「にしん」の産地の根拠地でありまして、又日本海における有数宝庫たる武藏堆の大魚田の根拠地として重要でありまするから、速かに國庫補助により漁港の修築をせられたいということであります。 以上三件につきまして、政府当局の意見を聽きましたところ、澁佐漁港と松川浦漁港は農林省経費になりまして、財政の許す限り來年度から実施したいという計画であるというような答弁でありました。又燒尻漁港は、漁港としてのみならず、避難港としても又利尻、小樽間の中継港としても最も重要なる地点であるので、運輸省におきましてもすでに中小港湾として計画されておる。それで農林省は運輸省と十分協議の上に急速に実施したいという答弁がありました。 右三件を一括議題といたしまして、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決に移りましたところ、満場一致これを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものとして決定いたしました。 次は陳情第三百四十号外二件であります。陳情第三百四十号は、長崎縣の式見漁港浚渫に関する陳情であります。同港は漁港としてのみならず、避難港として最も重要なる地点であるが、水深が極めて浅い、船舶の避難も不可能で、暴風雨の際漁船の遭難が非常に多い。それで速やかに國庫の補助によつて浚渫をされたいというのであります。 陳情第四百九十三号は富山縣の魚津漁港の修築に関する陳情であります。同港は富山湾唯一の漁港で、昭和四年より昭和十三年までに工事の一部を修築いたしましたが、護岸工事を実施していなかつたために、同港の破損が甚だしいので、再び修築の必要が極めて急であるから、速やかに國庫補助により修築せられたいというのであります。 陳情第五百六十号は福島縣四倉漁港整備に関する陳情であります。同港は太平洋岸小名濱港と塩釜港の中間にある唯一の避難港であると同時に、漁港として重要であるが、第二期工事が未完成のために、食糧増産上非常な支障を來たしておる。速かに國庫補助によつてそれを整備して貰いたいというのであります。 以上三件につきまして、委員会におきましては愼重審議をいたいまして、又政府当局の意見を徴しましたところ、式見漁港は、農林省の修築計画中のものであつて、財政の許す限り成るべく早く実施したい。又魚津漁港と四倉漁港はいずれも極めて急速を要する重要なる漁港であるから、政府としては來年度から実施する計画であるという答弁がありました。 よつて以上三件を一括して討論に入りましたが、いずれも適切なる陳情で、議院の会議に付し、内閣に送付することが至当であるという意見が多くありまして、採決いたしましたところ、全会一致、本陳情は議院の会議に付し、内閣に送付することに決定いたしました。以上簡單ながら御報告いたします。(拍手)
○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○副議長(松本治一郎君) 総員起立、よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採決し、内閣に送付することに決定いたしました。 この際議事の都合により暫く休憩をいたします。 午前十一時三十五分休憩 —————・————— 午後零時五分開議
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き会議を開きます。参事をして報告いたさせます。 〔寺光参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。 全國選挙管理委員会法案可決報告書本日議院運営委員板野勝次君より左の報告書を提出した。 全國選挙管理委員会法案に対する少数意見報告書 —————・—————
○議長(松平恒雄君) この際議事日程に追加して全國選挙管理委員会法案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。尚本案については少数意見の報告書が提出されております。先ず委員長の報告を求めます。議院運営委員会理事藤井新一君。 〔藤井新一君登壇、拍手〕
○藤井新一君 只今上程されました全國選挙管理委員会法案につきましての議院運営委員会の経過並びにその結果について御報告を申上げます。 先ず立法の趣旨を申上げますると、從來各種選挙に関する総括的事務は内務省において所管しておりましたが、内務省を解体するに伴いまして、これらの事務を担当する機構を整備しなければならない。それと同時に政党に関する法制の整備についても研究を必要とする際に、政党に関する事務の担当機構をも同時に取上げなければならない。而も選挙の総括的事務と政党に関する事務とは、その他の重要な投票、國民審査等の事務をも併せて、同一の機構で処理することが適当と認められますので、全國選挙管理委員会を新設いたしましてこれに当らせることにする次第であります。 尚又右の選挙或いは政党等に関する事務は、性質上一般行政事務と相当趣を異にしておるのでございます。その担当機構の性格、或いは構成などについても、各種の政治情勢を考慮する必要がありますので、その機関は内閣総理大臣の所轄に属せしめるのでありまするが、実質上独立して活動できるものといたしまして、又委員会制度を採つて、而もその委員の構成、選任方法その他についても、國会を中心とするところの政治情勢に即せしむるものとすることが必要と認めまして、特別の法律によつてその機構を規定することといたした次第でございます。 次に本案の要旨を極く簡單に申上げます。全國選挙管理委員会法案の要旨を挙げますというと、大体次のようなものでございます。 第一に全國選挙管理委員会は選挙、投票、國民審査その他事務を管理するものでございまして、内閣総理大臣の所轄に属するものでございまするが、その職権は独立して行うものでございます。 第二番目に委員会の職務内容及び権限に関して規定しておりまするが、その権限といたしましては、参議院全國選挙管理委員会、都道府縣又は市町村の選挙管理委員会、それぞれの有する事務について全國選挙管理委員会はこれを指導監督することとなつておるのでございます。 第三番目に、委員会の組織に関する規定でございまするが、委員及び予備委員はおのおのその数を九名、任期は三年といたしまして、國会の議決による指名に基ずいて内閣総理大臣が任命することになつております。尚委員は國会における各党派の政治的実勢に基いて小会派は共同して推薦し得ることとなりまして、その推薦した者について委員を指名することとしております。國会議員又は地方公共團体の議会の議員若しくはその長は委員になり得ないのでございまするが、その他委員の欠格條項或いは罷免、退職及び委員長についてはそれぞれ規定してあるのでございます。 第四番目に、全國選挙管理委員会の議事運営、委員の報酬、事務局の設置に対する規定でございますが、委員会の定足数は委員の半数以上といたしまして、議事は出席員の過半数でこれを決定します。可否が同数のときには委員長がこれを採決することになつておるのでございます。委員長の報酬は國務大臣の俸給に準ずる報酬を、他の委員の俸給は一般官吏の俸給よりも少なくない程度の報酬を支給することにしております。 第五番目に、附則において本案の施行期日及び事務引継ぎの経過規定を定めておりまするが、施行期日は昭和二十二年十二月十日として、事務引継ぎを終るまでは從前通り内務省が行うこととしておりまするが、昭和二十二年十二月三十一日までにその引継ぎが行われなければならないのでございます。 最後に、本案の制定によつて関係法規の一部を改正しなければならないので、衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法、選挙運動文書図画等の特例に関する法律、國会法のそれぞれ一部の改正すべき点を規定しておるのでございます。 さて本案審議の経過について若干申上げて御了解を得たいと思うのでございまするが、先に衆議院におきまして政党法案を立案するという問題が取上げられたのでございまするが、事柄の性質上、本院といたしましても密接な連絡をとつて研究を進むべきものであるという見地からいたしまして、議院運営委員会におきましては去ぬる九月の十七日政党法案に関する小委員会を設けまして、木内四郎君外十名を小委員に選びまして、衆議院との共同研究の建前といたしたのでございます。かくいたしまして同小委員会におきましては木内四郎君を小委員長といたしまして、小委員会を開くことが前後三回、又打合会は前後四回、更に数回の懇談会を開会いたしまして種々意見の交換をいたしました。その間に衆議院の方とも合同打合会も開催いたしましたのでございます。然るに政党法案については更に愼重に愼重の檢討を加えるの要があるといたしまして、今後の研究に俟つべきものといたしたのでございます。ただ内務省の解体に伴い緊急を要する選挙の事務機構の問題を取敢えず解決することといたしまして、本法案の立案となつたのでございます。 以上の経過のごとくでありまするが、本案は衆議院の提案でありますが、本委員会といたしましても終始緊密に連絡して立案に当つたわけでございます。 本案について主として問題となりましたのは、委員会の委員の数及び構成についてでございます。即ち一部の委員より、委員の選任を各党派の所属國会議員数の比率による政治的実勢に基ずくものとすることは、大党派の意見が重視されることとなつて適当でないとの意見が主張せられたのであります。これに対して原案を支持する側からして、本案は國会の政治的実情をそのままに反映せしめ、且つ小会派からもできるだけ委員を出させて、選挙事務を正当公平に行わしめんとするものであるとの意見があつたのでございます。 かくて討論に入りまして、板野委員及び佐々木委員より、それぞれ委員の構成その他についての修正案が出ましたが、佐佐委員及び天田委員より原案指示の意見がございまして、結局採決の結果、右の修正案はいずれも否決となつて、多数を以て原案通り可決すべきものと議決したのでございます。 以上委員会の報告をいたします。終ります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 尚本案については少数意見の報告書が提出されております。少数意見者から報告することを求められております。報告時間は五分間に制限いたします。板野勝次君。 〔板野勝次君登壇、拍手〕
○板野勝次君 只今議題となつております全國選挙管理委員会法案に対しまして、日本共産党を代表しまして、少数意見を報告さして頂きます。 この全國選挙管理の必要性は固より認めるのでございまするが、この法案全部を流れておりまする精神には、どうしても承服することができないのでございます。選挙管理委員会の職務は、憲法第十五條が保障しておりまするところの國民固有の権利でありまする普通、平等の選挙権を最も公平に、且つ最大限度効果的に行使することを保護し、これを助長し、自主的に而も民主的に管理することにならなければならないと思うのでございます。そのためには、從來のような職業官僚によりまするところの独断的な権力的管理は固より許されないのでございまするが、更に既成保守政党の現状よりいたしまして、この法案の骨子からいたしまするならば、当然起こつて参りまする党利党略の目的に濫用されるところの虞れがあるのでございまして、かくのごとき党利党略に利用されることには絶対に反対しなければならんし、かくのごときことは排除されなければならないと思うのでございます。 然るに本法案におきましては、全体的に依然として國民の選挙権行使の人民的民主的管理のための保障は亳もなされていなくて、官僚とそうして既成保守政党によりまするところの専断的な管理が行い得るようになつておる点でございます。從いまして第一條と第六條は基本的に修正されなければならないのでございまして、第一條に規定されておりまするごとく、内閣総理大臣の所管に属することは、曽ての選挙干渉等の苦い経験等に鑑みまして、どうしても國会内に設ける必要があると思うのでございます。更に第六條の政治的実勢に基ずいて各党派の推薦した者について、内閣総理大臣がこれを指名することになつておるのでございまするが、先程の事情によりまして、これ亦既成政党の自由な専断に委される危險性があるのでございまして、我が党は、嚴正公平なる運営は、この國会内における政治情勢の実勢に基ずくよりも、公平なる第三者的な選挙母体の方法を採用して行く。それには最も民主的な労働組合の組織、農民の組織、更に一般市民の組織による方法こそ最も望ましい。この選挙母体によりまして選出された者を議長がこれを指名して行く。この方法こそ最も自主的に、民主的に管理し得るものだと確信するのでございます。二重政権であるという意見が委員会におきましてもありましたけれども、決してこれは二重政権的な意味ではなくして、選挙の適正なる管理の方向にあるという点を十分皆さんが御理解して頂きたいと思うのでございます。この根本的な修正をなすことこそ最も公正な選挙管理であることを主張いたしまして、皆さんの嚴正なる判断に訴えたいと存ずるのでございます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。 〔起立者多数〕
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。これにて本日の議事日程は全部終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十三分散会